JP7225361B1 - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光ドラムに当接するブラシを有する画像形成装置において、ブラシに蓄積した付着物に起因して画像不良が生じることを抑制する。【解決手段】像担持体と、像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電手段により帯電された像担持体の表面に現像剤を供給し現像剤像を形成する現像手段と、現像剤像を像担持体から被転写体へ転写する転写手段と、像担持体の回転方向で転写部より下流側かつ帯電部より上流側において像担持体の表面に接触するブラシと、を備え、現像剤像が被転写体に転写された後、像担持体の表面に残留した現像剤が現像手段により回収される画像形成装置において、像担持体の回転軸に垂直の断面において、ブラシは、像担持体の表面においてブラシと接触する接触領域が、像担持体の回転軸を含み回転軸から鉛直方向上向きに延びる仮想線とオーバーラップするように配置される。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
プリンタ又は複写機等の画像形成装置に用いられる画像記録方式として、電子写真方式が知られている。電子写真方式は、電子写真プロセスを用いることによってレーザービームにより感光ドラム上に静電潜像を形成して、帯電した色材(以下、トナーと称する)により静電潜像を現像することによりトナー像を形成する方式である。そして、トナー像を記録材に転写して定着させることにより記録材に画像形成を行う。近年では画像形成装置の小型化を目的として、クリーナレス方式が提案されている。クリーナレス方式とは、転写工程後の感光ドラムの表面に残留したトナー(転写残トナー)を現像手段によって感光ドラム上から除去、回収し、再利用する方式のことである。クリーナレス方式においては、感光ドラムに当接するように配置されるクリーニング手段がないために、記録材への転写工程時に感光ドラム上に付着した紙粉によって画像弊害が発生する場合があった。そこで、特許文献1には、感光ドラムの回転方向における転写部より下流かつ帯電部より上流に、転写工程で感光ドラムに付着した紙粉を捕集するためのブラシを配置した構成が提案されている。
特開2003-271030号公報
しかしながら、特許文献1において、以下のような課題があった。ブラシを感光ドラムに当接させる構成において、通紙により細かい紙粉がブラシに蓄積して塊状になる。その後、紙粉塊がブラシの下流に抜けていき感光ドラムの帯電工程で感光ドラム表面の帯電を阻害し、それによりドット状の黒ポチが現れる画像不良が発生する場合があった。
本発明の目的は、感光ドラムに当接するブラシを有する画像形成装置において、ブラシに蓄積した付着物に起因して画像不良が生じることを抑制することである。
本発明に係る画像形成装置は、回転駆動される像担持体と、前記像担持体の表面に対向して帯電部を形成し前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段により帯電された前記像担持体の表面に現像剤を供給し現像剤像を形成する現像ローラと、前記像担持体との間で転写部を形成し前記現像剤像を前記像担持体から被転写体へ転写する転写ローラと、前記像担持体の回転方向で前記転写部より下流側かつ前記帯電部より上流側において前記像担持体の表面に接触するブラシと、を備え、前記現像剤像が前記被転写体に転写された後、前記像担持体の表面に残留した現像剤が前記現像ローラにより回収される画像形成装置において、前記像担持体の回転軸に垂直の断面において、前記ブラシは、前記像担持体の表面において前記ブラシと接触する接触領域が、前記像担持体の回転軸を含み前記回転軸から鉛直方向上向きに延びる仮想線とオーバーラップするように配置され、前記仮想線と前記像担持体の表面との交点は、前記像担持体の回転方向において前記接触領域の中央部より下流側に位置することを特徴とする。
本発明によれば、感光ドラムに当接するブラシを有する画像形成装置において、ブラシに蓄積した付着物に起因して画像不良が生じることを抑制できる。
実施例1における画像形成装置の説明図である。 実施例1における制御ブロック図である。 実施例1におけるブラシの模式図である。 従来形態1と2を説明する断面図である。 実施例1を説明する断面図である。 従来形態1と2の課題を説明する断面図である。 実施例2を説明する断面図である。 実施例3を説明する断面図である。 実施例4を説明する断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。また、平行、垂直、中心、直線、円等の幾何学的な形状又は関係を示す用語は、特に断らない限り数学的に厳密な意味に限定されず、製造公差等により許容される範囲を含むものとして解釈される。
(実施例1)
1.画像形成装置
図1は、本発明に係る画像形成装置100の一実施形態の概略構成を示すものである。実施例1の画像形成装置100は、クリーナレス方式及び接触帯電方式を採用したモノクロレーザビームプリンタである。クリーナレス方式であるため、現像剤が記録材等の被転写体に転写された後、像担持体の表面に残留した現像剤が現像手段により回収される。
画像形成装置100には、像担持体としての円筒型の感光体である感光ドラム1が設けられている。感光ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、現像手段としての現像装置3が設けられている。また、図1において感光ドラム1の回転方向における帯電ローラ2より下流側かつ現像装置3より上流側には、露光手段としての露光装置4が設けられている。また、感光ドラム1には転写手段としての転写ローラ5が圧接されている。
感光ドラム1は負帯電性の有機感光体である。この感光ドラム1は、アルミニウムのドラム状の基体上に感光層を有する。感光ドラム1は、駆動手段としての駆動モータ110(図2参照)によって図1中矢印の方向(感光ドラム1の回転軸に平行の方向に見たときの時計回り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。プロセススピードは、感光ドラム1の周速度(表面移動速度)で表される。実施例1では、プロセススピードを140mm/secとし、感光ドラム1の外径を24mmとする。
帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に対向し、所定の圧接力で接触し、帯電部を形成
する。また、帯電ローラ2には、帯電電圧印加手段としての帯電電源E1(図2参照)によって、所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電ローラ2によって、感光ドラム1の表面は所定の電位に均一に帯電される。実施例1では、帯電ローラ2には、帯電電圧として負極性の直流電圧が印加され、感光ドラム1の表面は帯電ローラ2により負極性の暗部電位Vdに一様に帯電される。実施例1では、帯電電圧は-1300Vとし、暗部電位Vdは-700Vとする。なお、感光ドラム1と帯電ローラ2との当接部より感光ドラム1の回転方向で上流側及び下流側に形成される感光ドラム1と帯電ローラ2との間の微小な空隙の少なくとも一方で発生する放電によって、感光ドラム1の表面は帯電される。帯電ローラ2と感光ドラム1との当接部を帯電部という。
露光装置4は、レーザスキャナ装置であり、ホストコンピュータ等の外部装置から入力される画像情報に対応したレーザ光Lを出力し、暗部電位Vdに一様帯電した感光ドラム1の表面を走査露光する。露光された箇所において感光ドラム1の電位は明部電位Vlに変化する。この露光により、感光ドラム1の表面に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。実施例1では、明部電位Vlは-100Vとする。感光ドラム1上の露光装置4によって露光される位置を露光部とする。なお、露光装置4としては、レーザスキャナ装置に限定されることはなく、例えば、感光ドラム1の長手方向(回転軸に平行の方向)に沿って配列された複数のLEDを有するLEDアレイを用いることもできる。
画像形成装置100の現像方式は接触現像方式である。現像装置3は、現像剤担持体としての現像ローラ31、現像剤供給手段としてのトナー供給ローラ32、トナーを収容する現像剤収容室33、現像ブレード34を含む。トナー供給ローラ32によって現像剤収容室33から現像ローラ31に供給されたトナーは、現像ローラ31と現像ブレード34との接触部であるブレードニップを通過することで、所定の極性に帯電される。現像ローラ31は感光ドラム1に接触することにより現像を行う。現像ローラ31と感光ドラム1との接触部を現像部という。現像ローラ31上に担持されたトナーは、現像部において、静電像に応じて、現像ローラ31から感光ドラム1に移動する。ここで、現像ローラ31は、現像部で感光ドラム1と現像ローラ31とが順方向に移動するように反時計回り方向(感光ドラム1の回転軸に平行の方向に見たときの反時計回り方向)に回転駆動される。なお、感光ドラム1を駆動する駆動モータ110が、現像ローラ31にも駆動力を与える構成としてもよいし、感光ドラム1を駆動する駆動モータ110とは別の駆動モータが現像ローラ31に駆動力を与える構成としてもよい。現像時に、現像ローラ31には、現像電圧印加手段としての現像電源E2(図2参照)により、所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。実施例1では、現像電圧は負極性の直流電圧であり、-400Vとした。感光ドラム1の明部電位Vlが形成された領域に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(実施例1では負極性)に帯電したトナーが付着する。この現像方式を反転現像方式という。なお、現像方法としては、実施例1の一成分非磁性接触現像法の他、二成分非磁性接触現像法、非接触現像法、磁性現像法等を採用し得る。二成分非磁性接触現像法は、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアとを備えた二成分現像剤を用い、現像剤担持体上に担持した現像剤(磁気ブラシ)を感光ドラム1に接触させて現像を行う方法である。非接触現像法は、感光体に対して非接触で対向配置された現像剤担持体上から感光体上にトナーを飛翔させて現像を行う方法である。また、磁性現像法は、感光体に対して接触又は非接触で対向配置された、磁界発生手段としてのマグネットを内蔵する現像剤担持体上に、磁力によって磁性トナーを担持して現像を行う方法である。実施例1では中心平均粒径が6μm、正規極性が負極性のトナーを用いている。
転写ローラ5としては、ポリウレタンゴムやEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)等から成るスポンジゴム等の弾性部材で構成されたものを好適に用いることができる。転写ローラ5は感光ドラム1に向けて押圧され、感光ドラム1と転写ローラ5とが圧接する転写部を形成する。転写時に、転写ローラ5
には、転写電圧印加手段としての転写電源E3(図2)により、所定の転写電圧(転写バイアス)が印加される。実施例1では、転写時に転写ローラ5に転写電圧としてトナーの正規極性とは逆極性(実施例1では正極性)の直流電圧が印加される。実施例1では、転写電圧を+1000Vとする。そして、転写ローラ5と感光ドラム1との間に形成される電界の作用により、感光ドラム1から記録材Sへと現像剤像が静電的に転写される。
感光ドラム1上に形成されたトナー像が転写部に到達するタイミングに合わせてカセット6に格納された記録材Sが給紙ユニット7により給紙され、レジストローラ対8を通り、転写部に搬送される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写電源E3によって所定の転写電圧が印加された転写ローラ5により、記録材S上に転写される。
トナー像が転写された後の記録材Sは、定着器9に搬送される。定着器9は、不図示の定着ヒータと定着ヒータの温度を測定する不図示のサーミスタを内蔵した定着フィルム91と、定着フィルム91に圧接するための加圧ローラ92を備えたフィルム加熱方式の定着器である。定着器9で加熱及び加圧されることによりトナー像が定着された記録材Sは、排紙ローラ対12を通過して機外へ排出される。
記録材Sに転写されずに感光ドラム1に残留した転写残トナーは、以下の工程で除去される。転写残トナーには正極性に帯電しているトナーや、負極性に帯電しているものの充分な電荷を有していないトナーが混在する。転写残トナーは帯電部において帯電ローラ2による放電により負極性に帯電される。帯電ローラ2において負極性に帯電された転写残トナーは、感光ドラム1の回転に伴い現像部に到達する。感光ドラム1の表面に形成された静電潜像には、明部電位となっている画像部と、暗部電位となっている非画像部とがある。現像部に到達した転写残トナーの挙動について、感光ドラム1の画像部と非画像部に分けて説明する。
感光ドラム1の画像部では、感光ドラム1の表面は明部電位となっており、現像ローラ31よりも高電位であるため、負極性に帯電した粒子は現像ローラ31から感光ドラム1へ向かう力を受ける。よって、感光ドラム1の画像部に付着している負極性の転写残トナーは、現像部において感光ドラム1から現像ローラ31に転移されず、現像ローラ31から転移したトナーとともに転写部に移動し、記録材Sに転写されて画像形成に供される。
一方、感光ドラム1の非画像部では、感光ドラム1の表面は暗部電位となっており、現像ローラ31よりも低電位(負極性のため絶対値は大きい)であるため、負極性に帯電した粒子は感光ドラム1から現像ローラ31へ向かう力を受ける。よって、感光ドラム1の非画像部に付着している負極性の転写残トナーは、現像部において感光ドラム1から現像ローラ31に転移し、現像剤収容室33中に回収される。なお、現像剤収容室33に回収された転写残トナーは、再度、画像形成に使用される。
画像形成装置100は、以上説明した各種機能部の動作を制御する制御部150を有する。制御部150は、CPU151とメモリ152を有する。メモリ152は情報を一時的に記憶する揮発性メモリや情報を長期にわたって保持する不揮発性メモリを含む。メモリ152は、外部装置から取得した画像情報や各種機能部の動作の制御方法を規定したプログラム等を記憶する。CPU151は、メモリ152との間で情報の入出力を行い、画像情報を取得して処理したり、プログラムを実行したりすることにより、画像形成装置100の動作を制御する。
2.ブラシの構成
画像形成装置100は、感光ドラム1の表面に接触するブラシ10を有する。実施例1では、ブラシ10は感光ドラム1の表面に付着した紙粉を捕集する。ブラシ10は、感光
ドラム1の回転方向において転写部よりも下流側かつ帯電部よりも上流側で感光ドラム1の表面に接触して接触部を形成する。感光ドラム1の表面においてブラシ10と接触している領域を接触領域という。感光ドラム1の回転方向における接触領域の上流側の端部を上流端、下流側の端部を下流端という。
図3(a)は、単体の状態(感光ドラム1に接触していない状態)のブラシ10の、感光ドラム1の回転軸に垂直の仮想面による断面を示す図である。また、図3(b)は、感光ドラム1に当接させた状態のブラシ10の上記の断面を示す図である。
ブラシ10は、図3に示すように、感光ドラム1の表面に接触し感光ドラム1の表面を摺擦する複数の毛材である導電性ナイロン製の複数の糸11aからなる糸部11と、糸部11を支持する基布11bを有する。糸11aは、感光ドラム1に接触していない状態において、基布11bから垂直方向に延びる。糸11aは基布11bに均一に配置されている。ブラシ10は、感光ドラム1の回転方向において転写部より下流側かつ帯電部より上流側で感光ドラム1と接触するように配置されている。
ブラシ10は、その長手方向が感光ドラム1の回転軸の方向と平行となるように配置される。なお、糸11aの材料としては、ナイロン(登録商標)の他に、レーヨン、アクリル、ポリエステル等を用いることができる。実施例1では糸11aとして導電糸を用いたが絶縁糸を用いてもよい。糸11aは、糸状のものであれば繊維を撚って形成したものに限られない。
図3(a)に示すように、ブラシ10が単体の状態、すなわち、糸11aを屈曲させようとする力が外部から作用していない状態(自然状態)で、基布11bから伸びている糸11aの基布11bから先端までの距離をL1とする。画像形成装置100の所定の位置に設置された支持部材(図示せず)に、両面テープ等の固定手段によって基布11bが固定されることにより、ブラシ10が固定される。支持部材に固定されたブラシ10の基布11bから感光ドラム1の表面までの最短距離L2が、単体の状態での糸11aの長さL1より短くなるように、ブラシ10は固定される。支持部材と感光ドラム1との間のクリアランスは一定である。L2とL1との差分をブラシ10の感光ドラム1に対する侵入量という。L2<L1であることから、ブラシ10の使用状態、すなわちブラシ10が画像形成装置100に固定され、感光ドラム1の表面に当接した状態では、図3(b)に示すように、糸11aの先端は感光ドラム1の回転方向に向かって屈曲する。屈曲した状態の糸11aのうち最も上流側に設けられている糸11aの先端と感光ドラム1の表面との接触部が、接触領域の上流端である。屈曲した状態の糸11aのうち最も下流側に設けられている糸11aの先端と感光ドラム1の表面との接触部が、接触領域の下流端である。ブラシ10と感光ドラム1の表面との接触の態様は、複数の糸11aの各々と感光ドラム1の表面との接触であり、「接触領域」と言っても、ミクロに見れば、隣り合う糸11aの間の領域において感光ドラム1の表面とブラシ10とは接触していない。
ブラシ10の長手方向(感光ドラム1の回転軸に平行の方向)の寸法は、感光ドラム1の回転軸の方向において感光ドラム1上の画像形成領域(トナー像が形成されうる領域)の全域にブラシ10が接触するように設定される。また、ブラシ10の短手方向(感光ドラム1の周方向、回転方向に平行の方向)の寸法は、画像形成装置やプロセスカートリッジの寿命に応じて適宜設定される。
ブラシ10は、感光ドラム1に対して一定の位置に固定されており、感光ドラム1の移動(回転)に伴って感光ドラム1の表面を摺擦する。ブラシ10は、転写部において記録材Sから感光ドラム1上に転移した紙粉等の付着物を感光ドラム1から捕集(回収)し、感光ドラム1の移動方向(回転方向)においてブラシ10よりも下流側の帯電部及び現像
部へ移動する紙粉の量を低減する。
実施例1では、ブラシ10の糸11aの自然状態での長さL1は4.8mm、ブラシ10の感光ドラム1に対する侵入量は1.5mm、ブラシ10の短手方向の長さL3は5mm、長手方向の長さは216mmである。糸11aの繊度(太さ)は2デニール(9000mの重さが2gである糸の太さを表す)、密度は240kF/inch(kF/inchはブラシの密度の単位であり、1平方インチ当たりのフィラメントの数を示す)である。なお、ブラシ10の短手方向の長さは一例であり、これに限定されない。ブラシ10の短手方向の長さが長いほど、より長期間にわたって紙粉を捕集することができる。ブラシ10の長手方向の長さは一例であり、これに限定されない。例えば、ブラシ10の長手方向の長さは、画像形成装置100の最大通紙幅に応じて設定することができる。また、ブラシ10の糸11aの繊度は一例であり、これに限定されない。糸11aの繊度は紙粉のすり抜け性を考慮して決定することができる。ブラシ10の繊度が小さすぎると、紙粉をせき止める力が弱く、紙粉がすり抜けやすくなる。紙粉がブラシ10をすり抜けた場合、帯電ローラ2による感光ドラム1の帯電が阻害され、画像不良が発生することがある。また、ブラシ10の糸11aの繊度が大きすぎると、トナーや細かい紙粉を捕集できず、帯電ローラ2の長手方向でトナーの付着量にむらが生じ、画像濃度のむらや紙粉付着部での帯電不良による画像不良が発生する場合がある。また、ブラシ10の糸11aの密度は一例であり、これに限定されない。糸11aの密度は、トナーの通過性と紙粉捕集性を考慮して設定することができる。ブラシ10の糸11aの密度が大きすぎるとトナーの通過性が低く、トナーがスタックしてしまい、スタックしたトナーが飛散することによる装置内の汚れの原因となることがある。また、ブラシ10の糸11aの密度が小さすぎると、十分な紙粉捕集性能が得られないことがある。糸11aの繊度、密度は、紙粉捕集性能の観点からそれぞれ1~6デニール、150~350kF/inchであることが好ましい。また、ブラシ10の短手方向の長さL3は、長寿命対応の観点から3mm以上であることが好ましい。
ブラシ10には、ブラシ電圧印加手段としてのブラシ電源E4(図2を参照)が接続されている。画像形成時に、ブラシ10には、ブラシ電源E4によりブラシ電圧として負極性の直流電圧が印加される。実施例1では、画像形成時のブラシ電圧は-400Vである。
3.画像出力動作
画像形成装置100は、パーソナルコンピュータ等の外部機器(図示せず)からの1つの画像出力動作(ジョブ)の開始指示により、単一又は複数の記録材Sに画像を形成する一連の動作を実行する。ジョブは、一般に、前回転工程、画像形成工程(印字工程)、複数の記録材Sに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、感光ドラム1への静電像の形成、静電像の現像(トナー像の形成)、トナー像の転写、トナー像の定着等を行う工程であり、画像形成時とはこの画像形成工程が実行される期間のことをいう。画像形成時、すなわち画像形成工程が実行される期間内で、静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写、トナー像の定着等の各動作が実行されるタイミングは異なる。前回転工程は、画像形成工程の前の準備動作を行う工程である。紙間工程は、複数の記録材Sに対して画像形成工程を連続して行う際(連続画像形成時)の第1の記録材Sに対する画像形成工程と、第1の記録材Sに続く第2の記録材Sに対する画像形成工程と、の間に実行される工程である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う工程である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、前回転工程、紙間工程、後回転工程を含む。画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程も非画像形成時に含まれる。
4.従来形態の構成
次に、実施例1の構成について従来形態の構成と対比させて説明する。図4は従来形態を説明するための図である。
従来形態については2つの構成を用いて説明する。以下、従来形態1については図4(a)を用いて、従来形態2については図4(b)を用いて説明する。図4(a)、図4(b)はそれぞれ、従来形態1、2の画像形成装置における感光ドラムの回転軸に垂直の断面において、感光ドラムの周辺の各部材の配置を示した模式的断面図である。以下、従来形態に係る部材には実施例1とは別の符号を付して実施例1と区別する。
従来形態の感光ドラム1Aは回転軸を中心に、回転軸の方向に見て時計回りに回転駆動される。また、感光ドラム1Aの周方向において転写ローラ5A、ブラシ10A、帯電ローラ2A、現像ローラ31Aが配置される。図4において点Oは感光ドラム1Aの回転軸を示す。図4の破線Aは、感光ドラム1Aは回転軸に垂直の断面において、感光ドラム1Aの回転軸を含み回転軸から鉛直方向上向きに延びる仮想線を示す。図4の点Bは、この仮想線と感光ドラム1Aの表面との交点を示す。
従来形態1では図4(a)に示すように感光ドラム1Aの表面におけるブラシ10Aとの接触領域が交点Bより転写ローラ5A側(感光ドラム1Aの回転方向で交点Bより上流側)に位置する。一方、従来形態2では図4(b)に示すように感光ドラム1Aの表面におけるブラシ10Aとの接触領域が交点Bより帯電ローラ2A側(感光ドラム1Aの回転方
向で交点Bより下流側)に位置する。
5.実施例1の構成
次に、実施例1に構成について図5を用いて説明する。図5は、実施例1の画像形成装置100における感光ドラム1の回転軸に垂直の断面を示し、感光ドラム1の周りの各部材の配置を示す。感光ドラム1は、回転軸の方向に見て時計回りに回転駆動される。感光ドラム1の周りには転写ローラ5、ブラシ10、帯電ローラ2、現像ローラ31が配置される。破線Aと交点Bの定義は図4と同様である。実施例1では、図5に示すように、感
光ドラム1の表面におけるブラシ10との接触領域内に交点Bがある。さらに、交点Bは、感光ドラム1の回転方向における接触領域の中央部に位置する。実施例1のブラシ10は、感光ドラム1の回転軸に垂直の断面において、感光ドラム1の表面においてブラシ10と接触する接触領域が、感光ドラム1の回転軸を含み回転軸から鉛直方向上向きに延びる仮想線とオーバーラップするように、配置される。なお、接触領域と交点Bとのこの位置
関係には、感光ドラム1の回転方向における接触領域の上流端又は下流端が交点Bを含む
場合が含まれる。
6.実施例1の作用
次に、実施例1の構成で生じる作用について述べるため、従来形態における課題について述べる。
図6(a)は従来形態1における課題を説明するための図である。画像形成装置の画像形成動作(ジョブ)が実行され記録材Sの搬送が開始されると、転写工程の際に記録材S上の紙粉の一部が感光ドラム1A上に転移する。その後、感光ドラム1Aに転移した紙粉はブラシ10Aに捕集される。
ブラシ10Aに捕集される紙粉の大半は接触領域の上流端でせき止められるが、一部の小さい紙粉は接触領域の上流端でせき止められずに感光ドラム1Aの回転に伴い接触領域内を徐々に回転方向の下流側へと移動し、接触領域の下流端付近に到達する。
接触領域の下流端付近に到達した紙粉Pのあるものは、感光ドラム1Aの回転によりそ
のまま接触領域より下流側に移動していく。一方、接触領域の下流端が交点Bより転写ロ
ーラ5A側にあるため、図6(a)に示すように、接触領域の下流端付近に到達した紙粉Pの一部は、重力により、鉛直下向きの成分を有する力FAを受ける。そのため、接触領域の下流端付近に到達した紙粉Pのあるものは、接触領域の下流端付近で滞留する。
画像形成動作が繰り返し実行され、記録材Sがさらに通紙されると、接触領域の下流端付近に滞留する紙粉Pが増加していき、滞留した紙粉同士が絡まり合い紙粉塊となる。そして、この紙粉塊が感光ドラム1Aの回転中に、ドラム電位の変化等の何らかの原因で接触領域の下流端付近から離れて、接触領域より下流側に移動していく場合があった。この紙粉塊が帯電部を通過すると、感光ドラム1Aの表面においてこの紙粉塊が存在する部分が良好に帯電されず、現像ローラ31Aの電圧より高電位となり、現像部で現像ローラ31A上のトナーが移動し、黒ポチとして画像形成されることがあった。
図6(b)は従来形態2における課題を説明するための図である。従来形態2においても従来形態1と同様、転写工程で感光ドラム1Aに転移した紙粉が接触領域の上流端でせき止められる。画像形成動作が繰り返し実行され、記録材Sがさらに通紙されると、接触領域の上流端に紙粉塊が形成される。
従来形態2では、接触領域の上流端が交点Bより帯電ローラ2A側にあるため、せき止
められた紙粉Pは、図6(b)に示すように、感光ドラム1Aの回転による力に加えて、重力により鉛直下向きの成分を有する力FBも受けることになる。これにより、接触領域の上流端に形成された紙粉塊の一部が徐々にブラシ10Bの中を下流方向に差し込まれて、接触領域の下流端を抜ける場合があった。接触領域を通過したこの紙粉塊により従来形態1と同様に黒ポチが形成されることがあった。
以上のような従来形態1、2の課題を踏まえ、実施例1の作用について述べる。実施例1では、感光ドラム1の断面において、感光ドラム1の表面においてブラシ10と接触する接触領域内に交点Bがあり、かつ、感光ドラム1の回転方向における接触領域の中央部
に交点Bが位置する。つまり、接触領域の下流端は交点Bより帯電ローラ2側(感光ドラム1の回転方向で交点Bより下流側)に位置する。このため、接触領域の下流端に到達した
紙粉に作用する重力由来の力は、従来形態1のように、紙粉を接触領域の下流端に留めようとする向き(回転方向の上流側へ向かう方向)には作用せず、接触領域の下流端から離れる向きに作用する。したがって、従来形態1で説明したような接触領域の下流端付近での紙粉塊の発生が抑制される。
また、接触領域の上流端が交点Bより転写ローラ5側(感光ドラム1の回転方向で交点Bより上流側)に位置する。このため、接触領域の上流端に紙粉塊が形成されたとしても、その紙粉塊に作用する重力由来の力は、従来形態2のように、紙粉塊を接触領域内に差し込み下流方向に移動させようとする向き(回転方向の下流側に向かう方向)には作用しない。紙粉塊に作用する重力由来の力は、接触領域の上流端から離れる向きに作用する。したがって、紙粉塊が形成されたとしてもそれが接触領域を通過して接触領域より下流側へ移動することが抑制される。
以上の実施例1の作用により従来形態1及び2の課題であった紙粉塊に起因する黒ポチの発生を抑制することができる。
次に、実施例1の効果を確認するために行った通紙試験について説明する。通紙実験は、次の条件で行った。温度15℃、相対湿度10%の環境(低温低湿環境)下にて、記録材SとしてCentury Star紙(CENTURY PULP AND PAPER社製、商品名)を用いて、白画像を連続で1000枚プリントした。901枚目以降の
100枚をサンプルとして抜き取り、サンプルに現れた黒ポチの数をカウントした。このとき、視認性が高い1.2mmより大きい黒ポチのみカウントした。従来形態1、2と実施例1の構成とで通紙試験を行い、黒ポチの数を比較した結果を表1に示す。
Figure 0007225361000002
表1の結果から、従来形態1、2では1.2mmより大きい黒ポチが多数確認されたが、実施例1では黒ポチの発生はなかった。
以上のように、実施例1の構成によって、感光ドラム1に当接するブラシ10を有する画像形成装置100において、ブラシ10に蓄積した付着物が塊状になってブラシ10から離脱して画像不良を生じさせるのを抑制できた。
(実施例2)
本発明の実施例2について説明する。実施例2の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、実施例2の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能又は構成を有する要素については、実施例1の画像形成装置と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
1.実施例2の構成
実施例2におけるブラシの配置について図7を用いて説明する。図7は、実施例2の画像形成装置100における感光ドラム1の回転軸に垂直の断面における感光ドラム1の周りの各部材の配置を説明するための模式的断面図である。
実施例2では、実施例1と同様に、感光ドラム1の回転軸に平行の方向に見たときの時計回り方向に感光ドラム1が回転駆動する。感光ドラム1の周りには転写ローラ5、ブラシ10、帯電ローラ2、現像ローラ31が配置される。さらに、感光ドラム1の回転方向におけるブラシ10と帯電ローラ2の間に前露光装置13を有することを特徴とする。
前露光装置13は、不図示の本体側面に取り付けられたLEDを動作させ、感光ドラム1の主走査方向と平行に光を照射する。主走査方向の照射ムラを抑制するための導光部材としてライトガイド等が用いられる。
2.実施例2の作用
次に、実施例2の構成で生じる作用について説明するため、実施例1との相違点について説明する。実施例1の構成では、感光ドラム1の表面におけるブラシ10との接触領域の上流端付近に紙粉が堆積して紙粉塊が形成された場合、紙粉塊に作用する重力由来の力は、接触領域の上流端から離れる向きに作用する。そのため、接触領域の上流端に紙粉塊が形成されたとしても、紙粉塊が接触領域を通過して帯電ローラ2の方へ移動することを
抑制できた。一方、塊状になっていない紙粉の場合、重力由来の力の作用が小さいため、接触領域の上流端から感光ドラム1の回転方向に移動し、接触領域を通過する可能性がある。塊状になっていない小さい紙粉が帯電ローラ2の方へ移動したとしても、即座に黒ポチを生じさせるものではない。しかしながら、この紙粉が感光ドラム1上に付着して回転し続けると、いずれはこの紙粉を起点にトナーが融着し、感光ドラム1の回転周期に応じた間隔で黒ポチが発生する可能性がある。
この点、実施例2では、感光ドラム1の回転方向でブラシ10と帯電ローラ2の間に配置される前露光装置13により、ブラシ10より下流側において感光ドラム1の表面が除電される。そのため、帯電時に均一な放電を生じさせることができ、接触領域を通過した小さい紙粉を安定して負極性に帯電させることができる。その結果、現像部でより確実にこれらの紙粉を回収することが可能となり、紙粉を起点として感光ドラム1の回転周期に応じた間隔で黒ポチが発生することを抑制できる。
次に、実施例2の効果を確認するために行った通紙試験について説明する。通紙試験は、次の条件で行った。温度23℃、相対湿度50%の環境下にて、記録材SとしてCentury Star紙(CENTURY PULP AND PAPER社製、商品名)を用いて、白画像を連続で10000枚プリントした。2000枚に1枚全面ハーフトーンの画像をプリントして、感光ドラム1の回転周期に応じた間隔で現れる黒ポチ又は白ポチの数をカウントした。ここでは、0.5mm以上の黒ポチ及び白ポチをカウントした。実施例1と実施例2の構成で上述の通紙試験を行い、カウントされた黒ポチ及び白ポチの数を比較した結果を表2に示す。
Figure 0007225361000003
表2の結果から、実施例1の構成では通紙枚数の増加に伴いわずかではあるが感光ドラム1の回転周期に対応する間隔の黒ポチ及び白ポチが発生したのに対し、実施例2の構成では通紙枚数の増加による黒ポチ及び白ポチの発生はなかった。
以上のように、実施例2の構成によって、感光ドラム1に当接するブラシ10を有する画像形成装置100において、ブラシ10に蓄積した付着物に起因して画像不良が生じるのを抑制できた。
(実施例3)
本発明の実施例3について説明する。実施例3の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、実施例3の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能又は構成を有する要素については、実施例1の画像形成装置と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
1.実施例3の構成
実施例3におけるブラシの配置について図8を用いて説明する。図8は、実施例3の画像形成装置100における感光ドラム1の回転軸に垂直の断面における感光ドラム1の周りの各部材の配置を説明するための模式的断面図である。
実施例3では、実施例1と同様に、感光ドラム1の回転軸に平行の方向に見たときの時計回り方向に感光ドラム1が回転駆動する。感光ドラム1の周りには転写ローラ5、ブラシ10、帯電ローラ2、現像ローラ31が配置される。
ブラシ10は、図8に示すように、感光ドラム1の回転軸に垂直の断面において、感光ドラム1の表面においてブラシ10と接触する接触領域が、感光ドラム1の回転軸を含み回転軸から鉛直方向上向きに延びる仮想線とオーバーラップするように配置される。言い換えると、接触領域が交点Bを含むようにブラシ10が配置される。さらに、交点Bは、感光ドラム1の回転方向における接触領域の中央部より帯電ローラ2側(感光ドラム1の回転方向で下流側)に位置する。言い換えると、感光ドラム1の回転方向における接触領域の中央部は、交点Bより転写ローラ5側(感光ドラム1の回転方向で上流側)に位置する
2.実施例3の作用
次に、実施例3の構成で生じる作用について説明する。まず、表3は、従来形態1、2及び実施例1の各構成について、実施例1と同様の通紙試験条件で大きさ1.2mmの黒ポチ及び0.8mm~1.2mmの黒ポチをそれぞれカウントした通紙試験結果を示す。
Figure 0007225361000004
表3の結果から、1.2mmより小さいサイズまで考慮すると、数は少なく抑えられているものの実施例1においても黒ポチが発生することがわかった。また、従来形態1と2の比較をすると、いずれのサイズの黒ポチも従来形態2の方が多く発生していることがわかる。このことから、黒ポチの発生は、従来形態2における黒ポチ発生の原因である、感光ドラム1Aの表面におけるブラシ10Aとの接触領域の上流端に溜まった紙粉塊による影響が大きいと考えられる。
実施例1の構成では、感光ドラム1の表面におけるブラシ10との接触領域の上流端に
紙粉塊が形成された場合、その紙粉塊は感光ドラム1の回転の作用により少しずつ接触領域の上流端から接触領域内に差し込まれ下流側に移動する。この紙粉塊に作用する重力由来の力は、感光ドラム1の回転方向で上流側へ向かう方向に作用するが、その力の感光ドラム1の表面に平行の成分の大きさは、紙粉塊が交点Bに近づくにつれて小さくなる。紙
粉塊が交点Bより帯電ローラ2側(感光ドラム1の回転方向で交点Bより下流側)の位置まで移動すると、紙粉塊に作用する重力由来の力は、感光ドラム1の回転方向で下流側へ向かう方向に作用するようになる。したがって、交点Bを超えた紙粉塊は接触領域を通過し
やすくなる。
実施例3では、実施例1と同様に、感光ドラム1の表面においてブラシ10と接触する接触領域内に交点Bがあるが、図8に示すように、接触領域の上流端から交点Bまでの領域の大きさが実施例1と比較して大きい。言い換えると、接触領域の上流端の位置が実施例1と比較して感光ドラム1の回転方向で転写ローラ5に近い。これにより、接触領域の上流端に紙粉塊が形成された場合でも、紙粉塊に作用する重力由来の力は、感光ドラム1の回転方向上流側へ向かう方向により強く作用する。したがって、紙粉塊が形成された場合でも、紙粉塊が接触領域の上流端から接触領域内の下流側へと差し込まれ、接触領域を通過してしまうことが抑制される。また、接触領域の下流端は、実施例1と同様、交点Bよ
り帯電ローラ2側(感光ドラム1の回転方向で下流側)に配置されているため、従来形態1における黒ポチ発生の原因である、接触領域の下流端付近での紙粉の滞留も起こりにくい。
表4は、実施例1及び実施例3の各構成において、実施例1と同様の条件で通紙試験を行い、大きさ1.2mmの黒ポチ及び0.8mm~1.2mmの黒ポチをそれぞれカウントした結果を示す。
Figure 0007225361000005
表4に示すように、実施例3では、大きさ0.8mm~1.2mmの黒ポチの発生が実施例1に対して低減された。
以上のように、実施例3の構成によって、感光ドラム1に当接するブラシ10を有する画像形成装置100において、ブラシ10に蓄積した付着物が塊状になってブラシ10から離脱して画像不良を生じさせるのを抑制できた。
なお、実施例3の構成に対して、実施例2と同様の前露光装置を配置してもよい。それにより感光ドラム1の回転周期に対応する間隔で現れる黒ポチを抑制することができる。
(実施例4)
本発明の実施例4について説明する。実施例4の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例3の画像形成装置のものと同じである。したがって、実施例4の画像形成装置において、実施例3の画像形成装置のものと同一又は対応する機能又は構成を有する要素については、実施例3の画像形成装置と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
1.実施例4の構成
実施例4は、感光ドラム1の周方向におけるブラシ10と他の部材との配置が実施例3と異なる。他の部材とは、例えば、現像ローラ31である。以下、実施例4の構成について図9を用いて説明する。図9は、実施例4の画像形成装置100における感光ドラム1の回転軸に垂直の断面における感光ドラム1の周りの各部材の配置及び感光ドラム1に働く力の関係を説明するための模式的断面図である。
実施例4では、実施例3と同様に、感光ドラム1の回転軸に平行の方向に見たときの時計回り方向に感光ドラム1が回転駆動する。感光ドラム1の周りには転写ローラ5、ブラシ10、帯電ローラ2、現像ローラ31が配置される。ブラシ10の配置は実施例3と同じ配置とする。
ブラシ10が感光ドラム1の表面に作用させる圧力をF1とする。感光ドラム1の表面に当接するブラシ以外の当接部材である現像ローラ31が感光ドラム1の表面に作用させる圧力をF2とする。実施例4では、圧力F1の大きさは、圧力F2の圧力F1に平行の方向の成分の大きさ以下である。
また、感光ドラム1の断面において、感光ドラム1の表面においてブラシ10と接触する接触領域の感光ドラム1の回転方向における中央部と、感光ドラム1の回転軸Oと、を通る仮想線をCとする。実施例4では、当接部材である現像ローラ31と、接触領域の上流側の端部とは、仮想線Cを挟んで反対側にある。
より詳細には、感光ドラム1の断面において、感光ドラム1の表面における現像ローラ31との当接部と、感光ドラム1の回転軸Oと、を通る仮想線をDとする。仮想線Cと仮想線Dとの成す角度をθとする。図9において半時計周りを角度θの正の方向とする。感光ドラム1の表面に対しブラシ10が当接する圧力をF1(回転軸O方向への力)、感光ドラム1の表面に対し現像ローラ31が当接する圧力をF2(回転軸O方向への力)とする。実施例4では、F1と、F2の仮想線Cに平行の方向の成分(F2・cosθ)とが、F1≦F2・cosθ(θ≧0)を満たす。例えば、ブラシ10の当接圧F1は4.9N、現像ローラ31の当接圧F2は9.6N、仮想線Cと仮想線Dとの成す角度θは0°≦θ≦58.6°の範囲の角度である。
ブラシ10の当接圧F1の測定には、小型卓上試験機(島津製作所製、EZ-S)を用いた。具体的にはΦ118の上下圧盤でブラシを挟み込み、1.5mmブラシに侵入させた状態での反発力を測定し、測定値を実施系で用いるブラシ10の長手方向の長さに応じて換算した。また、現像ローラ31の当接圧F2は不図示の加圧バネの特性に基づき算出される静止時の当接圧を用いた。
2.実施例4の作用
次に、実施例4の作用について説明する。ブラシ10は感光ドラム1に当接しており、ブラシ10から感光ドラム1に対して圧力F1が作用する。圧力F1により感光ドラム1が撓むと、ブラシ10と感光ドラム1の表面との間に隙間が生じ、紙粉がすり抜けることが考えられる。一方、感光ドラム1には現像ローラ31による圧力F2が作用しており、仮想線Cに平行な成分F2・cosθ(>0)がブラシ10の圧力F1による感光ドラム1の撓みを緩和する力として作用する。実施例4ではF1≦F2・cosθが成立しているため、結果として感光ドラム1に撓みが生じることが抑制され、ブラシ10と感光ドラム1との間に隙間が生じることが抑制される。実施例4の構成では、|θ|≦58.6°の場合に、F1≦F2・cosθが成立する。
実施例3で説明したように、黒ポチ画像の発生原因としては、従来形態2のように感光ドラム1の表面におけるブラシ10との接触領域の上流端に滞留した紙粉塊が接触領域を通過してしまう現象の影響が大きい。したがって、F2・cosθを接触領域の上流側により働かせるために0°≦θ≦58.6°の範囲で配置することが好ましい。
以上のように、感光ドラム1の周方向におけるブラシ10に対する現像ローラの配置を実施例4のような構成とすることで、接触領域の上流端での紙粉捕集性が安定し、黒ポチの発生を抑制することができる。なお、実施例4では現像ローラ31の配置について説明したが、感光ドラム1に当接する帯電ローラ2や転写ローラ5等の当接部材について、ブラシ10の当接による感光ドラム1の撓みを抑制するような配置とすることで、同様の効果を得ることができる。
1:感光ドラム、2:帯電ローラ、3:現像装置、5:転写ローラ、10:ブラシ、31:現像ローラ

Claims (7)

  1. 回転駆動される像担持体と、
    前記像担持体の表面に対向して帯電部を形成し前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記帯電手段により帯電された前記像担持体の表面に現像剤を供給し現像剤像を形成する現像ローラと、
    前記像担持体との間で転写部を形成し前記現像剤像を前記像担持体から被転写体へ転写する転写ローラと、
    前記像担持体の回転方向で前記転写部より下流側かつ前記帯電部より上流側において前記像担持体の表面に接触するブラシと、
    を備え、
    前記現像剤像が前記被転写体に転写された後、前記像担持体の表面に残留した現像剤が前記現像ローラにより回収される画像形成装置において、
    前記像担持体の回転軸に垂直の断面において、前記ブラシは、前記像担持体の表面において前記ブラシと接触する接触領域が、前記像担持体の回転軸を含み前記回転軸から鉛直方向上向きに延びる仮想線とオーバーラップするように配置され、前記仮想線と前記像担持体の表面との交点は、前記像担持体の回転方向において前記接触領域の中央部より下流側に位置することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体の回転方向で前記ブラシより下流側かつ前記帯電部より上流側において前記像担持体を露光する前露光手段を備える請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ブラシが前記像担持体の表面に作用させる圧力F1の大きさは、前記像担持体の表面に当接する前記ブラシ以外の当接部材が前記像担持体の表面に作用させる圧力F2の前記圧力F1に平行の方向の成分の大きさ以下である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体の回転軸に垂直の断面において、前記当接部材と、前記像担持体の回転方向における前記接触領域の上流側の端部とは、前記像担持体の回転軸と、前記像担持体の回転方向における前記接触領域の中央部とを通る仮想線を挟んで反対側にある請求項
    記載の画像形成装置。
  5. 記当接部材は前記現像ローラである請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記帯電手段は回転可能な帯電ローラであって、前記帯電ローラは前記像担持体と当接して帯電部を形成し、前記帯電部において前記像担持体を帯電することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記ブラシの密度は150kF/inch ~350kF/inch であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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