JP7225286B2 - 誘導加熱炉および耐熱部材の製造方法 - Google Patents

誘導加熱炉および耐熱部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビレットを加熱する誘導加熱炉およびこの誘導加熱炉に設置される耐熱部材の製造方法に関するものであり、詳しくは耐熱部材の長寿命化を実現できる誘導加熱炉および耐熱部材の製造方法に関するものである。
誘導加熱炉が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1にはエア噴射ノズルを備える誘導加熱炉が開示されている。この誘導加熱炉は、板状の被加熱物が通過した後にエア噴射ノズルから空気を噴射することで、耐熱部材の内側に落下した酸化スケールを吹き飛ばして除去することができた。
しかし被加熱物としてビレットを対象としている誘導加熱炉では、エア噴射ノズルを利用できなかった。円柱形状のビレットがその軸方向に搬送される誘導加熱炉における耐熱部材は、開口部が比較的小さく搬送方向に比較的長く構成されている。そのためエア噴射ノズルから噴射される空気が、耐熱部材の内側の奥まで届かず、酸化スケールを除去できなかった。
誘導加熱炉の内部では、先行するビレットを後続のビレットが押すことでビレットが搬送される。複数のビレットが連続的に誘導加熱炉に供給されて加熱される。誘導加熱炉の内部でビレットが途切れることがないので、エア噴射ノズルから空気を噴射する機会が得られなかった。仮に誘導加熱炉の内部にビレットがある状態で空気を噴射すると、誘導加熱炉の内部のビレットの温度が低下する不具合が発生する。噴射される空気によりビレットが部分的に冷やされるため、鍛造品の品質が低下する不具合が発生する。ビレットを加熱する誘導加熱炉において酸化スケールを除去できなかった。
ビレットを加熱する誘導加熱炉において、耐熱部材に付着する酸化スケールを効率よく除去できなかったため、耐熱部材の長寿命化を実現することは困難であった。
日本国特開2000-003779号広報
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は耐熱部材に付着する酸化スケールの除去を可能とすることで耐熱部材の長寿命化を実現できる誘導加熱炉および耐熱部材の製造方法を提供することである。
上記の目的を達成するための誘導加熱炉は、水平方向に延設される筒状の部材で構成されていて内周面側を被加熱物であるビレットが通過可能に形成される耐熱部材と、この耐熱部材の外周面側に配置される加熱コイルとを備える誘導加熱炉において、前記耐熱部材が、コンクリートまたはセラミックスで構成されるとともに、内周面の少なくとも一部に耐熱塗料により形成される塗膜部を有することを特徴とする。
上記の目的を達成するための耐熱部材の製造方法は、水平方向に延設される筒状の部材で構成されていて内周面側を被加熱物であるビレットが通過可能に構成される耐熱部材の製造方法において、コンクリートまたはセラミックスにより前記耐熱部材を成形して硬化させる製造工程と、その後、前記耐熱部材の内周面の少なくとも一部に耐熱塗料が塗布されて塗膜部が形成される塗布工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、塗膜部を配置することで耐熱部材の内周面を滑らかにすることができる。耐熱部材が冷却された後に、耐熱部材の内周面に付着している酸化スケールを容易に除去することが可能となる。耐熱部材の長寿命化を実現するには有利である。
誘導加熱炉を断面で例示する説明図である。 円筒形状の耐熱部材を斜視で例示する説明図である。 傾斜部を有する耐熱部材を斜視で例示する説明図である。 図2のAA矢視を例示する説明図である。 耐熱部材から酸化スケールが除去される状態を例示する説明図である。 図2の耐熱部材の変形例を例示する説明図である。 図6のBB矢視を例示する説明図である。 図7の塗膜部および耐熱シートを拡大して例示する説明図である。 図8の変形例を例示する説明図である。
以下、誘導加熱炉および耐熱部材の製造方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。図中では筒状の耐熱部材の延設方向を矢印x、この延設方向xを直角に横断する幅方向を矢印y、上下方向を矢印zで示している。
図1に例示するように誘導加熱炉1は、水平方向に延設される筒状の耐熱部材2と、耐熱部材2の外周面側に配置される加熱コイル3とを備えている。耐熱部材2の内周面側には被加熱物であるビレット4を通過可能とするための空間である通路5が形成されている。通路5には例えばビレット4を下方から支持する一対の棒状部材からなるスキッドレール6が配置されている。本発明の誘導加熱炉1はスキッドレール6を備える構成に限定されない。耐熱部材2の内周面側に形成されていてビレット4を搬送可能な通路5を少なくとも備えていればよい。
この実施形態では耐熱部材2の延設方向xに沿って三つのユニット1a、1b、1cにより誘導加熱炉1は構成されている。三つのユニット1a-1cは延設方向xに沿って互いに分離可能に構成されている。
図2に例示するように第一ユニット1aおよび第二ユニット1bに配置される耐熱部材2aは、円筒形状に形成されている。円筒形状に限らず角筒形状など他の形状に耐熱部材2aが形成されていてもよい。図3に例示するように第三ユニット1cに配置される耐熱部材2bは、誘導加熱炉1の出口に向かって下方に拡開していく内周面を有する形状に形成されている。この耐熱部材2bはビレット4を下り傾斜で搬送させるための傾斜部を有している。
耐熱部材2は例えばコンクリートで構成されている。本明細書においてコンクリートとは、セメントに砂利などの粗骨材と水を混ぜ合わせたものの他、セメントに水を混ぜたもの(セメントペースト)、セメントに砂などの細骨材を混ぜたもの(モルタル)も含む概念である。コンクリートには周知の添加剤等が含まれていてもよい。
耐熱部材2はセラミックスで構成されてもよい。本明細書においてセラミックスとは、炭化ケイ素やアルミナ(酸化アルミニウム)などに水を混ぜたもの他、骨材を混ぜたものを含む概念である。セラミックスには周知の添加剤等が含まれていてもよい。
図2および図3に例示するように耐熱部材2の内周面には塗膜部7が配置されている。塗膜部7は、耐熱部材2の内周面に耐熱塗料を塗布することで形成される。塗膜部7は、例えばジルコニア(二酸化ジルコニウム)を主成分とする耐熱塗料で構成される。
塗膜部7の構成は上記に限定されない。塗膜部7は、誘導加熱炉1における昇温に耐えられる耐熱温度を有するものであればよい。例えば耐熱温度が1300℃の耐熱塗料が使用される。例えばシリコン、シリカ、アルミナ(酸化アルミニウム)またはこれらの混合物を主成分とする耐熱塗料で、塗膜部7を構成することができる。ジルコニアが含まれる混合物を主成分とする耐熱塗料で塗膜部7が構成されてもよい。塗膜部7の形成に使用される耐熱塗料の主成分は、誘導加熱炉1で加熱されるビレット4の温度に応じて適宜選択することができる。
塗布されることで耐熱部材2の内周面の表面粗さを低減できる構成を耐熱塗料は有していればよい。耐熱部材2の内周面に形成される微細な凹部に耐熱塗料が流れ込むとともに微細な凸部を耐熱塗料が覆うことで塗膜部7が形成される。塗膜部7が配置されることで、耐熱部材2の内周面を滑らかにすることができる。
図4は円筒形状の耐熱部材2aの軸方向(延設方向x)に直交する方向における耐熱部材2aの断面を示している。図4に例示するように塗膜部7は、耐熱部材2aの内周面の下端近傍となる位置に配置されている。本明細書において下端近傍とは、図4において円筒形状の耐熱部材2aの中心Oから内周面の下端P1に伸びる仮想線を基準として左右に45°以下となる範囲をいう。図4では説明のため中心Oから下端P1に伸びる仮想線を一点鎖線で示して、中心Oから左右に45°となる部分を破線で示している。下端近傍はこの一対の破線の間となる範囲となる。また下端近傍が、耐熱部材2において上下方向zの中心となる位置よりも下方側となる範囲であってもよい。つまり図4の中心Oから幅方向yに伸びる仮想線よりも下方側となる範囲を下端近傍としてもよい。塗膜部7は内周面の下端近傍に限らず内周面の全体に配置される構成であってもよい。耐熱部材2aの内周面においてビレット4から発生する酸化スケールが付着しうる範囲に塗膜部7が配置されることが望ましい。
塗膜部7の厚みは適宜設定される。例えば0.1mm以上3.0mm以下の範囲に塗膜部7の厚みは設定される。塗膜部7は耐熱効果を目的としていないため、厚みは比較的薄い状態に設定されても不具合はない。塗膜部7を薄く構成するほど熱膨張および熱収縮に伴い塗膜部7における亀裂の発生を抑制することができる。また耐熱部材2から塗膜部7が剥離することを抑制できる。塗膜部7を厚く構成するほど耐熱部材2の内周面の凹凸を隠蔽して滑らかな状態にしやすくなる。また酸化スケールが耐熱部材2に直接接触することを抑制しやすくなる。
耐熱部材2を製造する際には、コンクリートまたはセラミックスの原料や水が混合されて、硬化前のコンクリートまたはセラミックスが準備される。硬化前のコンクリート等は円筒形状等に成形されて硬化される。耐熱部材2が製造される工程を以下、製造工程ということがある。硬化前のコンクリート等は型枠等に流し込まれて成形される。耐熱部材2を構成する材料がコンクリートの場合は乾燥により硬化させる。材料がセラミックスの場合は加熱処理により焼き固められる。
製造工程の後に、耐熱部材2の内周面の少なくとも一部に耐熱塗料が塗布されて塗膜部7が形成される。この工程を以下、塗布工程ということがある。塗布工程の後に、塗膜部7を乾燥させる乾燥工程や、乾燥させた塗膜部7を例えば800℃で焼成させる焼成工程が実施される構成としてもよい。
耐熱部材2が設置された誘導加熱炉1において、ビレットを加熱する際に塗膜部7を焼成させる構成としてもよい。耐熱塗料を塗布する塗布工程および耐熱塗料を乾燥させる乾燥工程までで耐熱部材2の製造を完了することができるため、耐熱部材2の製造コストを抑制するには有利である。一方で焼成工程まで行う場合には、耐熱塗料の性状に応じて適切な昇温時間や昇温速度を設定して塗膜部7の焼成を行える。塗膜部7の品質を向上するには有利である。
図5は円筒形状の耐熱部材2aの延設方向xに平行となる方向における耐熱部材2aの断面を示している。耐熱部材2のメンテナンス作業を行う際には、まず耐熱部材2が十分に冷えた後に誘導加熱炉1から取り外される。図5の上方に例示するように耐熱部材2aの内周面には酸化スケール8が固着している状態となっている。
耐熱部材2aの内周面を鉄ブラシ等のワイヤーブラシで擦ると、酸化スケールが内周面から分離する。図5の下方に示すように耐熱部材2aから酸化スケールを容易に除去することができる。酸化スケールは粉末の状態で回収される。塗膜部7が下方側となる状態で耐熱部材2aを誘導加熱炉1に設置してメンテナンス作業を終了する。
内周面に配置される塗膜部7を耐熱部材2は有しているため、付着した酸化スケールを容易に除去することが可能となる。耐熱部材2の長寿命化を実現するには有利である。
塗膜部7を有さない耐熱部材においては、耐熱部材の内周面の凹凸に酸化スケールが流れ込むように移動して固着してしまう。そのため耐熱部材を冷ました後に酸化スケールを除去しようとすると、酸化スケールに接触させたタガネ等をハンマーで叩いて削り取る必要があった。ハンマーの衝撃で耐熱部材が割れてしまう恐れがあった。
これに対して本願発明では、塗膜部7により耐熱部材2の内周面が滑らかに構成されるため、鉄ブラシ等で擦ることで酸化スケールを容易に除去できる。耐熱部材2に衝撃等が発生することがなく、耐熱部材2が破損する恐れはない。
また塗膜部7により、酸化スケールが耐熱部材2と直接接触することを抑制できる。酸化スケールと耐熱部材2との化学反応によって、耐熱部材2に酸化スケールが強固に接合する不具合を、塗膜部7が阻害する。そのため耐熱部材2から酸化スケールを除去することが容易になる。
塗膜部7の主成分がジルコニアで構成される場合は、耐熱部材2よりも酸化スケールに塗膜部7の熱膨張率が近い状態となる。そのため塗膜部7は冷却時に酸化スケールとともに収縮する。冷却時に収縮する酸化スケールから耐熱部材2に及ぼされる応力が塗膜部7により低減される。耐熱部材2に亀裂が発生する不具合を抑制できる。耐熱部材2の長寿命化を実現するには有利である。
耐熱塗料を塗布することで塗膜部7を配置できる。軸方向に長く形成される耐熱部材2においても軸方向の全体に容易に塗膜部7を配置できる。耐熱部材2から酸化スケールを除去できる範囲は、耐熱部材2の軸方向の長さの影響を受けない。あらゆる形状の耐熱部材2において塗膜部7を配置して、酸化スケールを除去しやすい状態とすることができる。
耐熱部材2の冷却後に酸化スケールを除去できる。加熱中に空気を噴射して酸化スケールを除去する従来技術のように、ビレットの温度が低下するなど製品への影響がない。
耐熱部材2の内周面の全体に塗膜部7が形成される構成としてもよい。耐熱部材2の内周の上面や側面に酸化スケールが飛散して付着した場合であっても、この酸化スケールを除去しやすくなる。
酸化スケールの除去後に円筒形状の耐熱部材2aを誘導加熱炉1に戻す際に、耐熱部材2aの向きに関わらず配置することができる。メンテナンス作業の作業性を向上できる。またメンテナンス作業の前に下方側となっていた塗膜部7を上方側となる状態として誘導加熱炉1に耐熱部材2aを配置することで、酸化スケールの影響をほとんど受けていな塗膜部7を下方側として利用できる。酸化スケールによる耐熱部材2への影響を抑制するには有利である。例えばメンテナンス作業の度に耐熱部材2aの延設方向xを中心軸として例えば90°ずつ回転させて誘導加熱炉1に配置することで、長期間に渡り塗膜部7が良好な状態で耐熱部材2aを使用できる。耐熱部材2aの長寿命化には極めて有利である。
誘導加熱炉1に耐熱部材2を戻す際に耐熱塗料を再塗装してもよい。塗膜部7を再形成することができるので酸化スケールによる耐熱部材2への影響を抑制できる。
図6および図7に例示するように耐熱部材2の内周面に耐熱シート9が配置される構成にしてもよい。以下、円筒形状の耐熱部材2aに耐熱シート9を配置した例について説明するが、傾斜部を有する耐熱部材2bにも同様に耐熱シート9を配置することができる。
耐熱シート9は例えば網目を有する織物で構成される。耐熱シート9は、例えばアルミナとシリカとを主成分とした繊維で構成することができる。耐熱シート9の主成分はこれに限らず、700℃~1300℃の高温に耐える材料で構成されていればよい。耐熱シート9の主成分は誘導加熱炉1で加熱されるビレット4の温度に応じて適宜選択することができる。図6では耐熱シート9を構成する織物が耐熱部材2の内周面から部分的に露出している様子を図示している。耐熱シート9は織物に限らない。不織布で構成されてもよい。
耐熱シート9は、耐熱部材2の延設方向xと略平行となる状態で配置されている。耐熱シート9は耐熱部材2の内周面と略平行となる状態で配置されているともいえる。耐熱シート9が延設方向xに沿って上り傾斜または下り傾斜など、延設方向xに対して傾いた状態で配置される構成を除外するものではない。
図7に例示するように耐熱シート9は、耐熱部材2aの内周面の下端近傍となる位置に配置されている。この実施形態では塗膜部7が配置される範囲と同様の範囲に耐熱シート9が配置されている。つまり図7において耐熱部材2aの中心Oから内周面の下端P1に伸びる仮想線を基準として左右に45°以下となる範囲に耐熱シート9が配置されている。また下端近傍が、耐熱部材2において上下方向zの中心となる位置よりも下方側となる範囲であってもよい。つまり図7の中心Oから幅方向yに伸びる仮想線よりも下方側となる範囲を下端近傍としてもよい。耐熱シート9は内周面の下端近傍に限らず内周面の全体に配置される構成であってもよい。耐熱シート9が配置される範囲は塗膜部7よりも広い範囲であってもよく、狭い範囲であってもよい。
図8に例示するように耐熱シート9は一部が耐熱部材2を構成するコンクリートまたはセラミックスに埋没する状態であり、残りの部分がコンクリート等から露出する状態で配置されている。この実施形態では耐熱シート9の大部分がコンクリート等に埋没する状態であり、一部が耐熱部材2の内周面側に露出する状態で耐熱シート9は配置されている。耐熱シート9が織物で構成されている場合の網目の大きさdは例えば1-10mmに構成される。耐熱シート9を構成する糸9aの間隔であり、一方の糸9aの側方端部から他方の糸9aの側方端部までの長さが網目の大きさdとなる。
耐熱部材2の下端近傍における亀裂の発生および亀裂の拡大を、耐熱部材2に一部が埋没して一体となっている耐熱シート9が抑制できる。亀裂が拡大しようとする力は耐熱シート9に引張方向に力を生じさせる。耐熱部材2に亀裂が発生して、この亀裂に酸化スケールが侵入する不具合を回避しやすくなる。
耐熱シート9の内周面側に塗膜部7が配置されている場合は、酸化スケールが耐熱シート9に固着する不具合を抑制することができる。耐熱シート9と塗膜部7とを組み合わせることで、耐熱部材2の内周面および塗膜部7に亀裂が発生して、亀裂の内部に酸化スケールが付着する不具合を抑制できる。亀裂の発生およびその成長を抑制できるので、耐熱部材2の長寿命化を実現するには有利である。
耐熱シート9が接着剤等により耐熱部材2の内周面に貼り付けられる構成であってもよい。ただし耐熱シート9は少なくとも一部が耐熱部材2に埋め込まれる構成の方が、耐熱部材2からの分離を抑制できるので有利である。耐熱シート9が耐熱部材2から分離すると、亀裂の発生およびその成長を阻止できなくなる。耐熱部材2の交換が必要となる場合もある。
耐熱シート9が耐熱部材2に貼り付けられる構成の場合、耐熱シート9の全体が耐熱部材2から露出する状態となる。
耐熱シート9の全体が耐熱部材2に埋没する状態で、耐熱シート9が配置されてもよい。耐熱部材2の内部において耐熱シート9は亀裂の成長を抑制できる。耐熱シート9が耐熱部材2からまったく露出しない場合であっても、耐熱部材2の内周面側の表面に近い位置に耐熱シート9が配置されている方が、表面での亀裂の発生を抑制できるので望ましい。
耐熱シート9が、耐熱部材2の内周面の全周に配置される構成としてもよい。耐熱部材2の内周面側の下端近傍に限らず側方から上端近傍に至る全周に耐熱シート9が配置されている状態となる。通路5の全周に耐熱シート9が配置される状態となる。
耐熱部材2を製造する際には、製造工程において耐熱部材2に耐熱シート9が配置された後に、塗布工程において耐熱塗料が塗布されて塗膜部7が形成される。
図9に例示するように耐熱シート9の糸9aの一部が耐熱部材2の内周面に露出している場合も、糸9aの表面に塗膜部7が形成される。そのため酸化スケールが糸9aに固着して除去し難くなる不具合を回避できる。
1 誘導加熱炉
1a 第一ユニット
1b 第二ユニット
1c 第三ユニット
2 耐熱部材
2a (円筒形状の)耐熱部材
2b (傾斜部を有する)耐熱部材
3 加熱コイル
4 ビレット
5 通路
6 スキッドレール
7 塗膜部
8 酸化スケール
9 耐熱シート
9a 糸
x 延設方向
y 幅方向
z 上下方向
O 中心
P1 下端
d 網目の大きさ

Claims (8)

  1. 水平方向に延設される筒状の部材で構成されていて内周面側を被加熱物であるビレットが通過可能に形成される耐熱部材と、この耐熱部材の外周面側に配置される加熱コイルとを備える誘導加熱炉において、
    前記耐熱部材が、コンクリートまたはセラミックスで構成されるとともに、内周面の少なくとも一部に耐熱塗料により形成される塗膜部を有することを特徴とする誘導加熱炉。
  2. 前記塗膜部は、二酸化ジルコニウムを主成分とする耐熱塗料により構成される請求項1に記載の誘導加熱炉。
  3. 前記塗膜部は、前記耐熱部材の前記内周面の下端近傍に配置される請求項1または2に記載の誘導加熱炉。
  4. 前記塗膜部は、前記耐熱部材の前記内周面の全体に配置される請求項1または2に記載の誘導加熱炉。
  5. 水平方向に延設される筒状の部材で構成されていて内周面側を被加熱物であるビレットが通過可能に構成される耐熱部材の製造方法において、
    コンクリートまたはセラミックスにより前記耐熱部材を成形して硬化させる製造工程と、
    その後、前記耐熱部材の内周面の少なくとも一部に耐熱塗料が塗布されて塗膜部が形成される塗布工程とを備えることを特徴とする耐熱部材の製造方法。
  6. 前記塗膜部は、二酸化ジルコニウムを主成分とする耐熱塗料により構成される請求項5に記載の耐熱部材の製造方法。
  7. 前記塗布工程の後に、
    前記塗膜部を焼成させる焼成工程を備える請求項5または6に記載の耐熱部材の製造方法。
  8. 前記塗布工程は、前記耐熱部材の内周面の全体に耐熱塗料が塗布されて前記塗膜部が形成される構成を有する請求項5~7のいずれかに記載の耐熱部材の製造方法。
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