JP7224330B2 - クレーン、およびこのようなクレーンを制御する方法 - Google Patents

クレーン、およびこのようなクレーンを制御する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジブから繰り出されて荷重受容手段を支持する巻上げロープと、複数のクレーン部材を動かすため、および荷重受容手段を移動させるための駆動デバイスと、荷重受容手段が移動経路に沿って移動するように駆動デバイスを制御するための制御装置と、荷重受容手段の振り子運動を減衰するための振り子減衰デバイスとを有するクレーン、特にタワークレーンに関し、前記振り子減衰デバイスは巻上げロープおよび/または荷重受容手段の振り子運動を検出するための振り子センサ機能を有し、ならびに、振り子センサ機能により検出される振り子運動を表して制御回路にフィードバックされる振り子信号に依存して駆動デバイスの制御に影響を及ぼすための閉ループ制御回路を含むレギュレータモジュールを有する。さらに本発明は、振り子関連のパラメータに依存して振り子減衰デバイスによって駆動デバイスの制御に影響が及ぼされる、クレーンを制御する方法に関する。
クレーンの荷重フックを移動経路に沿って、ないしは2つの目標点の間で移動させることができるようにするために、通常、種々の駆動デバイスが操作、制御されなければならない。たとえばクレーンのジブに沿って移動可能であるトロリから巻上げロープが繰り出されるタワークレーンでは、通常、タワーがその上に設けられたジブとともに、ないしはジブがタワーに対して相対的に直立する回転軸を中心として回転する回転機構が、ならびに、巻上げロープが位置調節され、それに伴って荷重フックを持ち上げたり引き下ろしたりすることができる巻上げ機構が、それぞれ操作されて制御されなければならない。引込可能な伸縮ジブを備えたクレーンでは、ジブないしジブを支持する上部旋回体を直立する軸を中心として回転させる回転機構に加えて、および巻上げロープを位置調節するための巻上げ機構に加えて、ジブの起伏上げと起伏下げのための引込駆動部ならびに伸縮セクションの繰込みと繰出しのための伸縮駆動部も操作されなければならず、場合により、伸縮ジブに引込先端が存在する場合には引込先端駆動部も操作されなければならない。これらのクレーンおよび類似のクレーン型式の混合形態、たとえば引込可能なジブを備えるタワークレーンや、引込可能なカウンタジブを備えるデリッククレーンなどでも、それぞれ別の駆動デバイスが制御されることがあり得る。
このとき上記の各駆動デバイスは、通常、クレーン操縦者によりジョイスティック、トグルスイッチ、ダイアル、シフトスイッチなどの形態の相応の操作部材を通じて操作、制御され、このことは経験上、迅速かつそれにもかかわらず荷重フックの大きな振り子運動なしに静かに目的点へ到着するために多大な感覚と経験を必要とする。高い作業能率を実現するために、それぞれの目的点の間でできる限り迅速に移動がなされるべきであり、それに対してそれぞれの目標点には、荷重フックがこれに積載された荷重とともに再振り子運動をすることなく静かに到着するのがよい。
クレーンの駆動デバイスのこのような制御は、しばしば何度も繰り返される移動経路と単調な業務をこなさなければならいことから、集中力が必要であるためクレーン操縦者に疲労をもたらす。さらに、集中力が低下したりそのつどのクレーン型式について経験が十分でなかったりすると、クレーン操縦者がクレーンの操作レバーないし操作部材を十分に繊細に扱わなかったときに、受容されている荷重の大きすぎる振り子運動およびこれに伴って相応の潜在的危険が生じる。実際にクレーンの制御によって、熟練したクレーン操縦者であってもたびたび荷重の大きな振り子運動がすぐに生じることがあり、それはきわめてゆっくりとしか減衰しない。
望ましくない振り子運動の問題に対処するために、レギュレータモジュールによって制御に介入して駆動デバイスの制御に影響を及ぼして、たとえば操作レバーの高速すぎる、もしくは強すぎる操作による駆動デバイスの大きすぎる加速を防止もしくは低減し、または荷重が比較的大きいときに特定の移動速度を制限し、またはこれに類する仕方で移動運動に能動的な介入も行って荷重フックの強すぎる振り子を防止する振り子減衰デバイスを、クレーンの制御装置に設けることがすでに提案されている。
クレーンのためのこのような振り子減衰デバイスは、たとえば傾斜信号および/またはジャイロスコープ信号などの特定のセンサ信号に依存して、たとえば回転機構駆動部、引込駆動部、およびトロリ駆動部を制御することによる種々の実施形態で知られている。たとえば独国実用新案出願公開第202008018260U1号明細書または独国特許出願公開第102009032270A1号明細書はクレーンの公知の荷重振り子減衰を示しており、これらの対象物をその限りにおいて、すなわち振り子減衰デバイスの基本に関して、ここに明文をもって引用する。たとえば独国実用新案出願公開第202008018260U1号明細書ではジャイロスコープユニットによって、垂線に対するロープ角度とその変化がロープ角速度の形態で測定されて、垂線に対するロープ角速度の限界値を上回ったときに自動的に制御に介入をする。
さらに欧州特許第1628902B1号明細書、独国特許出願公開第10324692A1号明細書、欧州特許第2562125B1号明細書、米国特許出願公開第20130161279A号明細書、独国特許出願公開第10064182A1号明細書、または米国特許第5526946B号明細書は、振り子ダイナミクスあるいは振り子・駆動ダイナミクスを考慮するクレーンの閉ループ制御ためのコンセプトをそれぞれ示している。しかし、たとえば構造ダイナミクスを有するタワークレーンのような長尺状の極限化された構造をもつ「柔軟な」可撓のクレーンにこれらの公知のコンセプトを適用することは、通常、励起可能な構造ダイナミクスの危険で不安定な励振をかなり早期にもたらす。
振り子ダイナミクスを考慮に入れたクレーンでのこのような閉ループ制御は、すでにさまざまな学術上の刊行物の対象にもなっている。たとえばE.Arnold,O.Sawodny,J.Neupert and K.Schneider,”Anti-swaysystem for boom cranes based on a model predictive control approach”、IEEE International Conference Mechatronics and Automation,2005,Niagara Falls,Ont.,Canada,2005,pp.1533-1538 Vol.3ならびにArnold,E.,Neupert,J.,Sawodny,O.,”Modellpraediktive Trajektoriengenerierung fuer flachheitsbasierte Folgeregelungen am Beispiel eines Hafenmobilkrans”,at-Automatisierungstechnik,56(8/2008)あるいはJ.Neupert,E.Arnold,K.Schneider & O.Sawodny,”Tracking and anti-sway control for boom cranes”,Control Engineering Practice,18,pp31-44,2010,doi:10.1016/j.conengprac.2009.08.003を参照。
さらに、Liebherr社により”Cycoptronic”の名称で海洋クレーンのための荷重振り子減衰システムが知られており、これは荷重運動と風などの影響を事前に計算し、このような事前計算を踏まえたうえで補償運動を自動的に導入して、荷重の振動を回避する。具体的には、このシステムの場合にもジャイロスコープを用いて垂線に対するロープ角度とその変化が検出されて、ジャイロスコープ信号に依存して制御に介入をする。
しかしながら、特にタワークレーンの場合に該当するような、野心的な支持荷重設計を有する長くて細いクレーン構造では、あるいは、たとえば引込可能な伸縮ジブクレーンなどで関連する可能性がある直立軸を中心として回転可能なジブを有するその他のクレーンでも、従来の振り子減衰デバイスによっては、所望の振り子減衰作用を実現するために駆動の制御へ正しい仕方で介入するのがしばしば困難である。その場合、特にジブやタワーなどの構造部分の領域で、駆動が加速されたり減速されたりするときに構造部分の動的効果と弾性変形が起こり、その結果、駆動デバイスへの介入-たとえばトロリ駆動部や回転機構の減速や加速-が、荷重フックの振り子運動に対して所望の仕方で直接的に作用しなくなる。
一方では、駆動部が振り子減衰式に操作されるとき、動的作用によって巻上げロープや荷重フックへの伝達時に構造部分で時間的遅延が生じることがある。他方では、上記の動的効果が過度の、あるいはさらに非生産的でさえある作用を荷重振り子に対して有することがある。たとえば荷重がまずトロリ駆動部の高速すぎる操作により後方にタワーに向かって振り子揺れして、振り子減衰デバイスがトロリ駆動部を減速させることによってこれに対応制御されたとき、ジブの縦振り運動が起こることがある。タワーが相応に変形し、それによって所望の振り子減衰作用が損なわれる場合があるためである。
特にタワークレーンではその際に軽量構造形態に基づき、特定の他のクレーン型式とは対照的に鋼材構造の振動を無視することができず、制御(閉ループ)にあたって安全面の理由から取り扱われるべきであるという問題も発生する。そうしないと、通常、鋼材構造の危険で不安定な励振が起こり得るからである。
独国実用新案出願公開第202008018260U1号明細書 独国特許出願公開第102009032270A1号明細書 欧州特許第1628902B1号明細書 独国特許出願公開第10324692A1号明細書 欧州特許第2562125B1号明細書 米国特許出願公開第20130161279A号明細書 独国特許出願公開第10064182A1号明細書 米国特許第5526946B号明細書
E.Arnold,O.Sawodny,J.Neupert and K.Schneider,"Anti-sway system for boomcranes based on a model predictive control approach"、IEEE International Conference Mechatronics and Automation,2005,Niagara Falls,Ont.,Canada,2005,pp.1533-1538 Vol.3 Arnold,E.,Neupert,J.,Sawodny,O.,"Modellpraediktive Trajektoriengenerierung fuer flachheitsbasierte Folgeregelungen am Beispiel eines Hafenmobilkrans",at-Automatisierungstechnik,56(8/2008) J.Neupert,E.Arnold,K.Schneider & O.Sawodny,"Tracking and anti-sway control for boom cranes",Control Engineering Practice,18,pp31-44,2010,doi:10.1016/j.conengprac.2009.08.003
以上を前提としたうえで本発明の課題は、従来技術の欠点を回避してこれを好ましい仕方で発展させる、改良されたクレーンならびにこれを制御するための改良された方法を提供することにある。クレーン操縦者の目標値に応じて作用荷重を動かし、その際に望ましくない振り子運動を制御を通じて能動的に減衰し、それと同時に構造ダイナミクスの望ましくない運動が励起されず、同じく制御によって減衰されて、安全性の向上、簡易化された操作性、ならびに自動化可能性を達成することが実現されるのが好ましい。特に、クレーン構造の多様な影響をより良く考慮に入れた、改善された振り子減衰がタワークレーンにおいて実現されるのが望ましい。
本発明によると、上述した課題は請求項1に記載のクレーンによって解決され、ならびに請求項22に記載の方法によって解決される。本発明の好ましい実施形態は従属請求項の対象である。
すなわち、振り子減衰をする方策において、ロープの本来の振り子運動それ自体を考慮するだけでなく、クレーン構造ないしクレーンとその駆動系統の鋼材構造のダイナミクスも考慮することが提案される。駆動デバイスの駆動運動を直接的かつ同一のまま、すなわち1:1で巻上げロープの懸架点の運動に変換する、不動の剛体としてクレーンを想定をするのではなくなる。その代わりに振り子減衰デバイスはクレーンを、その鋼材構造ないしたとえばタワー格子やジブなどの構造部分において、およびその駆動系統において加速時に弾性と可撓性を示す柔軟な構造であるとみなし、このようなクレーンの構造部分のダイナミクスを、駆動デバイスの制御に振り子減衰の影響を及ぼすにあたって考慮する。
このとき閉ループ制御回路によって、振り子ダイナミクスと構造ダイナミクスが両方とも能動的に減衰される。特に目標設定に応じて作用荷重を動かすために、システムダイナミクス全体が、タワークレーンの振り子ダイナミクス、駆動ダイナミクス、および構造ダイナミクスの統合体として能動的に制御される。このときセンサが、一方では振り子ダイナミクスのシステム量を測定するために利用され、ならびに他方では構造ダイナミクスのシステム量を測定するために利用され、測定可能でないシステム量はモデルベースのオブザーバにおいてシステム状態として見積もることができる。駆動についての調節信号は、モデルベースの制御によりシステム状態の状態フィードバックとして計算され、それによって制御回路が閉じられて、変化したシステムダイナミクスが生まれる。この制御は、閉ループ制御回路のシステムダイナミクスが安定していて制御エラーが迅速に補正されるように構成される。
本発明によると、構造ダイナミクスを有するクレーン、特にタワークレーンにおいて、振り子ダイナミクスの測定だけでなく構造ダイナミクスの測定も同じくフィードバックされることによる閉ループ制御回路が意図される。振り子減衰デバイスは、巻上げロープの運動および/または荷重受容手段の運動を検出するための振り子センサ機能に加えて、クレーン構造ないし少なくともその構造部品の動的な変形と運動を検出するための構造ダイナミクスセンサ機能も含んでおり、駆動デバイスの制御に対して振り子減衰をするように影響を及ぼす振り子減衰デバイスのレギュレータモジュールは、駆動デバイスの制御に影響を及ぼすにあたって、振り子センサ機能で検出された振り子運動だけでなく、構造ダイナミクスセンサ機能で検出されたクレーンの構造部品の動的な変形も考慮するために構成される。閉ループ制御回路には、振り子センサ信号と構造ダイナミクスセンサ信号がいずれもフィードバックされる。
すなわち振り子減衰デバイスは、クレーン構造ないし機械構造を剛直な、いわば無限大の剛性をもつ構造とみなすのではなく、弾性変形可能な、および/または可撓な、および/または相対的に柔軟な構造であることを前提としており、このような構造は-たとえばジブ引込軸やタワー回転軸などの機械の調節運動軸に追加して-、構造部品の変形による運動および/または位置変化を許容する。
荷重や動的負荷のもとでの構造変形の結果としての機械構造のそれ自体の運動を考慮することは、他ならぬ静的および動的な周辺条件からして意図的に-所要の安全性を考慮したうえで-極限化されている長く延びた細い構造において、たとえばタワークレーンや伸縮クレーンにおいて意義がある。その場合、構造部品の変形による、たとえばジブおよびこれに伴って荷重フック位置についての感知可能な運動成分が付け加わるからである。振り子の原因により良く対処できるようにするために、振り子減衰は動的負荷のもとでのこのような機械構造の変形と運動を考慮に入れる。
それによって著しい利点を得ることができる:
まず、構造部品の振動ダイナミクスが制御デバイスの制御挙動によって低減される。このとき走行挙動によって振動が能動的に減衰され、ないしは制御挙動によって励起すらされなくなる。
同様に、鋼材構造が保全されて受ける負荷が少なくなる。特に衝撃負荷が制御挙動によって低減される。
さらに、このような方法によって走行挙動の影響を定義することができる。
構造ダイナミクスの知見と制御挙動とによって、特に縦振り振動を低減して減衰することができる。それによって荷重の挙動が落ち着き、その後も静止位置で上下に変動しなくなる。直立するジブ回転軸を中心とする円周方向での横振り子運動も、タワートーションとジブ旋回曲げ変形を考慮することでより良くコントロールすることができる。
構造部品と駆動系統の前述したような弾性変形と運動、およびそれによって生じる固有運動は、原則としてさまざまな方式で判定することができる。
特に、そのために設けられる構造ダイナミクスセンサ機能は、動的負荷のもとでの構造部品の弾性変形と運動を検出するために構成されていてよい。
このような構造ダイナミクスセンサ機能は、たとえばクレーンの鋼材構造にある、たとえばタワーおよび/またはジブの格子トラスにある、歪みゲージなどの変形センサを含むことができる。
その代替または追加として、たとえばジブ先端部の縦振り運動および/またはジブでの回転によるダイナミクス効果および/またはタワーのトーション運動および/または曲げ運動などの構造部品の特定の運動を検出するために、特にジャイロスコープ、ジャイロセンサ、および/またはジャイロメータの形態の回転率センサ、および/または加速度センサ、および/または速度センサが設けられていてよい。
さらに、ジブの傾斜および/またはタワーの傾斜、特に水平方向からのジブの偏向および/または垂直方向からのタワーの変更を検出するために、傾斜センサが設けられていてよい。
このとき原則として、構造ダイナミクスセンサ機能はさまざまに異なるセンサ型式によって作動することができ、特に、さまざまに異なるセンサ型式を組み合わせることもできる。歪みゲージおよび/または加速度センサ、および/または特にジャイロスコープ、ジャイロセンサ、および/またはジャイロメータの形態の回転率センサを、クレーンの構造部品の変形および/または動的なそれ自体の運動を検出するために利用できるのが好ましく、加速度センサおよび/または回転率センサは3軸で検出をするように構成されるのが好ましい。
このような構造ダイナミクスセンサは、タワーのダイナミクスを検出するために、ジブおよび/またはタワーに、特にジブが支承されるその上側区域に設けられていてよい。たとえば急激な巻上げ運動は、タワーの曲げ運動を伴うジブの縦振り運動をもたらし、タワーの継続振動がさらにジブの縦振り振動につながり、このことは相応の荷重フック運動を伴う。
特に、上側のタワー区域とジブとの間の回転角度差を判定するための角度センサが設けられていてよく、たとえば上側のタワー区域とジブとにそれぞれ角度センサが取り付けられてよく、それらの信号が差異の考察時に上記の回転角度差を表すことができる。さらに、上記の回転角度差との関連でタワートーション運動の影響を判定できるようにするために、ジブおよび/または上側のタワー区域の回転速度を判定するための回転率センサが設けられていてよいのも好ましい。そこから一方ではいっそう正確な荷重位置見積りを実現することができ、また他方では、動作の進行中におけるタワーのトーションの能動的な減衰も実現することができる。
本発明の好ましい発展例では、ジブの構造ダイナミクスの運動を判定できるようにするために、2軸または3軸の回転率センサおよび/または加速度センサをジブ先端部に、および/または直立するクレーン回転軸の領域でジブに取り付けることができる。
その代替または追加として、駆動系統のダイナミクスを検出できるようにするために、駆動系統にも運動センサおよび/または加速度センサが割り当てられていてよい。たとえば、関連する点での実際のロープ速度を検出できるようにするために、巻上げロープのためのトロリの方向転換ロールに、および/または引込ジブのガイロープのための方向転換ロールに、回転検出器が付属していてよい。
駆動デバイスの駆動運動を相応に検出し、構造部品ないし鋼材構造の見積もられた、および/または検出された駆動系統での変形や可撓性と関連づけることができるようにするために、駆動デバイスそのものにも適当な運動センサおよび/または速度センサおよび/または加速度センサが付属しているのが好ましい。
特に、駆動デバイスに直接的に付属する運動センサおよび/または加速度センサの信号を構造ダイナミクスセンサの信号と照合することで、構造ジオメトリーの知見のもとで、構造部分における運動割合および/または加速度割合を判定することができ、これはクレーン構造の動的な変形ないしねじれに帰せられるものであり、駆動運動などによって誘起される、完全に剛直で固定的なクレーンの場合であっても発生するはずの本来のクレーン運動に付け加わる。たとえばタワークレーンの回転機構が10°だけ位置調節されたが、ジブ先端部では9°の回動しか検出されないとすると、タワーのトーションおよび/またはジブの曲げ変形を推定することができ、さらにこれを同時に、たとえばタワー先端部に取り付けられている回転率センサの回転信号と照合して、タワーのトーションとジブの撓曲との間で差別化をできるようにすることができる。巻上げ機構によって荷重フックが1メートルだけ持ち上げられ、ジブではそれと同時に下方に向かってたとえば1°の縦振り運動が確認されたときには、トロリからの荷下ろしを考慮したうえで、実際の荷重フック運動の推定をすることができる。
構造ダイナミクスセンサ機能は、構造変形のさまざまな運動方向を検出できるのが好ましい。特に構造ダイナミクスセンサ機能は、クレーンジブと平行な直立する平面でのクレーン構造の動的運動を検出するための少なくとも1つのラジアルダイナミクスセンサと、直立するクレーン回転軸、特にタワー軸を中心とするクレーン構造の動的運動を検出するための少なくとも1つの旋回ダイナミクスセンサとを有することができる。このとき振り子減衰デバイスのレギュレータモジュールは、特にジブ長手方向と変更な直立するジブ平行の平面で検出されたクレーン構造の動的運動に依存して、および直立するクレーン回転軸を中心としてクレーン構造の検出された動的運動に依存して、駆動デバイスの制御に、特にトロリ駆動部と回転機構駆動部の制御に、影響を及ぼすように構成されていてよい。
さらに構造ダイナミクスセンサ機能は、クレーンジブの垂直方向の動的変形を検出するための少なくとも1つの巻上げダイナミクスセンサを有することができ、振り子減衰デバイスのレギュレータデバイスは、検出されたクレーンジブの垂直方向の動的変形に依存して、駆動デバイスの制御に、特に巻上げ機構駆動部の制御に、影響を及ぼすように構成されていてよい。
構造ダイナミクスセンサ機能は、固有周波数が事前設定された周波数範囲内にある、クレーンジブおよび/またはクレーンタワーの動的ねじれのすべての固有モードを検出するように構成されるのが好ましい。そのために構造ダイナミクスセンサ機能は、タワーねじれを検出するためにタワー固有振動の結節点から間隔をおいて配置される少なくとも1つの、好ましくは複数のタワーセンサを有することができ、ならびに、ジブねじれを検出するためにジブ固有振動の結節点から間隔をおいて配置される少なくとも1つの、好ましくは複数のジブセンサを有することができる。
特に、構造運動を検出するための複数のセンサは、固有周波数が関連する周波数範囲内にあるすべての固有モードの観察可能性が保証されるように配置されていてよい。そのために、原則としては1つの振り子運動方向ごとに1つのセンサがあれば足りるが、実用面からは複数のセンサの利用が推奨される。たとえば、構造固有モードの測定量の結節点(たとえば第1のジブ固有モードの回転結節点におけるトロリの位置)に単一のセンサを配置することは観察可能性の損失をもたらすが、このことは、別の位置にあるセンサの援用によって回避することができる。特にジブ先端部での、ならびジブにおける回転機構の近傍での、回転3軸の回転率センサまたは加速度センサの利用が推奨される。
構造ダイナミクスセンサ機能は、固有モードを検出するために、基本的にさまざまなセンサ型式を用いて作動することができ、特に、さまざまなセンサ型式を相互に組み合わせることもできる。上に挙げた歪みゲージおよび/または加速度センサ、および/または特にジャイロスコープ、ジャイロセンサ、および/またはジャイロメータの形態の回転率センサを、クレーンの構造コンポーネントの変形および/または動的なそれ自体の運動の検出のために利用できるのが好ましく、このとき加速度センサおよび/または回転率センサは3軸で検出をするように構成されていてよい。
特に構造ダイナミクスセンサ機能は、少なくとも1つの回転率センサおよび/または加速度センサおよび/または歪みゲージを動的なタワー変形の検出のために有することができ、および、少なくとも1つの回転率センサおよび/または加速度センサおよび/または歪みゲージを動的なジブ変形の検出のために有することができる。回転率センサおよび/または加速度センサはさまざまなタワー区域に、特に少なくともタワー先端部とジブの枢支点に、および場合によりにジブ下方のタワー中央区域に設けられていてよいのが好ましい。その代替または追加として、回転率センサおよび/または加速度センサはジブのさまざまな区域に、少なくともジブ先端部および/またはトロリおよび/またはジブが枢支されているジブ脚部に、および/または巻上げ機構周辺のジブ区域に設けられていてよい。上記の各センサはそれぞれの構造コンポーネントに、その弾性的なねじれの固有モードを検出できるように配置されるのが好ましい。
本発明の発展例では、振り子減衰デバイスは、制御卓で入力される制御コマンドに依存して、および/または駆動デバイスの特定の制御アクションに依存して、および/または駆動デバイスの特定の速度プロファイルおよび/または加速度プロファイルに依存して生じる動的負荷のもとでの機械構造の変形と運動を、クレーン構造を特徴づける所与の条件を考慮したうえで見積もる見積りデバイスも含むことができる。特に、このような見積りデバイスによって、センサでは検出できない、もしくは困難にしか検出できない、構造ダイナミクスおよび場合により振り子ダイナミクスのシステム量も見積もることができる。
このような見積りデバイスは、たとえばタワー高さ、ジブ長さ、剛性、面慣性モーメントなどのクレーンの構造量が保存され、および/または相互に組み合わされているデータモデルにアクセスすることができ、そのようにして具体的な荷重状況を参照しながら、すなわち荷重フックで受容されている荷重の重量や目下の荷下ろしを参照しながら、駆動デバイスの特定の操作についてどのような動的効果が生じているか、すなわち、鋼材構造や駆動系統での変形が生じているかを見積もることができる。そして、このような見積もられた動的作用に依存して、振り子減衰デバイスが駆動デバイスの制御に介入し、駆動デバイスの駆動レギュレータの調節量に影響を及ぼして、荷重フックと巻上げロープの振り子運動を回避し、ないしは低減することができる。
特に、このような構造変形を判定するための判定デバイスは、これらの構造変形およびそこから生じる構造運動を、保存されている計算モデルを用いて、制御卓で入力される制御コマンドに依存して計算する計算ユニットを有することができる。このようなモデルは有限要素モデルに類似して構成されていてよく、または有限要素モデルであってよいが、有限要素モデルに比べて明らかに簡素なモデルが適用されるのが好ましく、このようなモデルは、たとえば特定の制御コマンドおよび/または荷重状態のもとで実際のクレーンないし実際の機械で構造変形を検出することによって経験的に判定することができる。このような計算モデルは、たとえば特定の制御コマンドに特定の変形が割り当てられた表を用いて作業を行うことができ、各制御コマンドの中間値は補間装置によって相応の変形に換算することができる。
本発明の別の好ましい態様では、レギュレータモジュールは閉ループ制御回路にフィルタデバイスないしオブザーバを含むことができ、これは一方では、構造ダイナミクスセンサ機能と振り子センサ機能とにより検出される、駆動レギュレータの特定の調節量のときに生じる、構造ダイナミクス上のクレーン反応と巻上げロープ振り子運動ないし荷重フック振り子運動を観察し、それによりオブザーバデバイスないしフィルタデバイスは、基本的にさまざまに異なる性質を有し得る、鋼材構造の分析とシミュレーションによって得ることができるクレーンのダイナミクスモデルの事前設定された法則性を考慮したうえで、観察されたクレーン構造反応と振り子反応とを参照してレギュレータの調節量に影響を及ぼすことができる。
このようなフィルタデバイスないしオブザーバデバイスは、特にいわゆるカルマンフィルタの形態で構成されていてよく、これに入力量として一方ではクレーンの駆動レギュレータの調節量、および他方では振り子センサ機能の振り子振動だけでなく、構造コンポーネントの変形および/または動的なそれ自体の運動を表す、制御回路にフィードバックされる構造ダイナミクス信号も供給されて、これらの入力量から、クレーン構造および特にその鋼材コンポーネントと駆動系統のダイナミクスシステムをモデル化したカルマン方程式を用いて駆動レギュレータの調節量に相応に影響を及ぼして、所望の振り子減衰作用を実現する。
カルマンフィルタには、クレーンの構造コンポーネントのダイナミクスを特徴づける、検出された、および/または見積もられた、および/または計算された、および/またはシミュレートされた関数がインプリメントされるのが好ましい。
特に、構造ダイナミクスセンサ機能によって検出される動的なジブ変形とタワー変形、ならびに振り子センサ機能によって検出される荷重フックの位置、および特に垂線に対するその斜め引張、すなわち垂線に対する巻上げロープの偏向が、上記のカルマンフィルタに供給される。荷重フックの位置検出のための検出デバイスは、昇降ロープの懸架点から、たとえばトロリから、実質的に垂直方向で下方に向かって視認をする撮像式のセンサ機能、たとえばカメラを含むことができるのが好ましい。画像評価デバイスが、撮像式のセンサ機能から提供される画像の中でクレーンフックを識別し、画像中心からのその偏心度ないしその変位を判定することができ、これが垂線に対するクレーンフックの偏向を表す目安となり、それに伴って荷重振り子を特徴づける。その代替または追加として、ジャイロスコープ式のセンサがジブおよび/または垂線に対する巻上げロープの繰出し角度を検出して、カルマンフィルタに供給することができる。
撮像式のセンサ機能による荷重フックのこのような振り子検出の代替または追加として、振り子センサ機能は、荷重フックないし荷重受容手段に取り付けられ、荷重フックの並進的な加速度と回転率加速度振動と回転率を反映する信号を提供する慣性検出デバイスによっても作動することができる。
荷重受容手段に取り付けられる、しばしばIMUとも呼ばれるこのような慣性計測デバイスは、一方ではさまざまな空間軸に沿った並進的な加速度を表し、および他方ではさまざまな空間軸に関する回転率ないしジャイロスコープ信号を表す、加速度信号と回転率速信号を提供するための加速度センサ手段と回転率センサ手段を含むことができる。ここでは回転率として回転速度、あるいは原則として回転加速度、あるいはこれら両者を提供することができる。
慣性計測デバイスは、加速度を3つの空間軸で検出するとともに回転率を少なくとも2つの空間軸の周りで検出できるのが好ましい。加速度センサ手段は3軸で作動するように構成されていてよく、ジャイロスコープセンサ手段は2軸で作動するように構成されていてよい。
荷重フックに取り付けられる慣性計測デバイスは、その加速度信号および回転率信号および/またはそこから導き出される信号を、クレーンの構造部分に取り付けられた、あるいは別個にクレーン近傍に配置されていてよい制御デバイスおよび/または評価デバイスへ無線式に伝送できるのが好ましい。特に、トロリおよび/または巻上げロープが繰り出される懸架部に取り付けられていてよい受信器への伝送を行うことができる。この伝送は、たとえばWLAN接続を通じて行うことができるのが好ましい。
慣性計測デバイスのこのような無線式の接続により、振り子減衰を既存のクレーンへも非常に簡易に後付けすることができ、そのために複雑な後付け方策が必要になることがない。基本的に、荷重フックに慣性計測デバイスおよびこれと通信をする、制御デバイスないしレギュレータデバイスへ信号を伝送する受信器を取り付けるだけでよい。
慣性計測デバイスの信号から2段階の方法で、垂線に対する荷重フックないし巻上げロープの偏向を判定できるのが好ましい。まず、荷重フックの傾きが判定される。この傾きは、トロリないし懸架点に対する荷重フックの偏向と、および垂線に対する巻上げロープの偏向と一致していなければならないからである。次いで、荷重フックの傾きとその加速度から、垂線に対する荷重フックないし巻上げロープの探求される偏向が判定される。慣性計測デバイスは荷重フックに取り付けられているので、加速度信号と回転率信号は巻上げロープの振り子運動によってだけでなく、巻上げロープに対して相対的に傾く荷重フックのダイナミクスによっても影響を受ける。
特に、3つの計算ステップによって荷重振り子角度の正確な見積りを行うことができ、次いで、これをレギュレータにより能動的な振り子減衰のために利用することができる。これら3つの計算ステップは、特に次の各ステップを含むことができる:
i.たとえばジャイロスコープ信号に由来する高周波成分と重力ベクトルの方向に由来する低周波成分を判定し、フック傾きの判定のために互いに補うように統合する相補フィルタによる、フック傾きの判定;
ii.加速度測定の回転、ないし固体座標系から慣性座標系への変換;
iii.拡張カルマンフィルタを用いての、および/または横加速度測定と重力定数との商に対する振り子角度の簡易的な関係を用いての、荷重振り子角度の見積り。
その際にはまず、並進的な加速度信号と慣性測定デバイスのジャイロスコープ信号とのそれぞれ異なる特殊性を利用する相補フィルタを用いて、重力測定デバイスの信号から荷重フックの傾きが判定されるのが好ましく、あるいはその代替または追加として、加速度信号と回転率信号から荷重フックの傾きを判定するためにカルマンフィルタを利用することもできる。
次いで、判定された荷重受容手段の傾きからカルマンフィルタによって、および/または水平方向の慣性加速度と重力加速度からの静的な計算によって、トロリに対する、ないしは巻上げロープの懸架点に対する荷重フックの探索される偏向を判定し、および/または垂線に対する巻上げロープの偏向を判定することができる。
特に振り子センサ機能は、慣性計測デバイスの加速度信号と回転率信号から荷重受容手段の傾きの判定および/または見積りをするための第1の判定手段と、荷重受容手段の判定された傾きおよび荷重受容手段の慣性加速度から垂線に対する巻上げロープおよび/または荷重受容手段の偏向を判定するための第2の判定手段とを有することができる。
上記の第1の判定手段は、特に、慣性計測デバイスの回転率信号についてのハイパスフィルタと、慣性計測デバイスの加速度信号またはそこから導き出された信号についてのローパスフィルタとを備えた相補フィルタを有することができ、上記の相補フィルタは、ハイパスフィルタリングされた回転率信号をベースとする荷重受容手段の傾きの回転率支援式の見積りと、ローパスフィルタリングされた加速度信号をベースとする荷重受容手段の傾きの加速度支援式の見積りと相互に組み合わせて、荷重受容手段の傾きの組み合わされた回転率支援式の見積りと加速度支援式の見積りとから、荷重受容手段の探索される傾きを判定するように構成されていてよい。
このとき荷重受容手段の傾きの回転率支援式の見積りは、ハイパスフィルタリングされた回転率信号の積分を含むことができる。
荷重受容手段の傾きの加速度支援式の見積りは、測定された水平加速度成分と測定された垂直加速度成分との商に依拠することができ、そこから次の関係
Figure 0007224330000001
を用いて加速度支援式の傾きの見積りが得られる。
垂線に対する荷重フックないし巻上げロープの偏向を、荷重フックの求められた傾きを用いて判定するための第2の判定手段は、荷重受容手段の求められた傾きを入力量として考慮し、荷重受容手段での慣性加速度から巻上げロープおよび/または荷重受容手段の垂線に対する偏向を判定するフィルタデバイスおよび/またはオブザーバデバイスを有することができる。
上記のフィルタデバイスおよび/またはオブザーバデバイスは、特にカルマンフィルタ、特に拡張カルマンフィルタを含むことができる。
このようなカルマンフィルタの代替または追加として、第2の判定手段は、加速度の静的な関係から、特に水平方向の慣性加速度と重力加速度の商から、垂線に対する巻上げロープおよび/または荷重受容手段の偏向を計算するための計算デバイスも有することができる。
本発明のさらに別の好ましい態様では、振り子減衰にあたって2自由度制御構造が利用され、これによって、上に説明した状態フィードバック(feedback)にフィードフォワード制御(feedforward)が拡張される。このとき状態フィードバックは安定性を確保するため、および制御誤差を迅速に補正するための役目を果たし、それに対してフィードフォワード制御は、理想的な場合には制御誤差がまったく発生しない良好な管理挙動のための役目を果たす。
このときフィードフォワード制御は、それ自体として周知である微分フラットネスの手法を通じて判定できるのが好ましい。上記の微分フラットネスの手法に関しては、Ralf Rothfuss著の学位請求論文”Anwendung der Flachheitsbasierten Analyse und Regelung nichtlinearer Mehrgrossensysteme”、VDI-Verlag、1997を援用し、その限りにおいて、すなわち上記の微分フラットネスの手法に関して、本発明の開示の対象とする。
構造運動の偏向は、駆動されるクレーン運動ならびに振り子運動とは異なり小さなものでしかないため、フィードフォワード制御の判定のためには構造ダイナミクスを無視することができ、それによってクレーンを、特にタワークレーンを、フラットな出力量としての荷重座標を有するフラットな系として表すことができる。
すなわちフィードフォワード制御ならびに2自由度構造の参照状態の計算は、閉ループ制御回路のフィードバック制御とは異なり、構造ダイナミクスを無視したうえで計算されるのが好ましく、すなわちクレーンは、フィードフォワード制御の目的のために剛直な、いわば無限大の剛性をもつ構造と仮定される。駆動によって行われるクレーン運動と比較して非常に小さい、小さな弾性構造の偏向に基づいて、このことは非常に小さく、したがって無視できるフィードフォワード制御の誤差しかもたらさない。一方でその代わりに、フィードフォワード制御の目的のために剛直であると仮定されるタワークレーンの、特にタワークレーンの、容易に逆転可能であるフラットな系としての記述が可能となる。荷重位置の座標がこの系のフラット出力である。このフラット出力およびその時間微分から、シミュレーションや最適化なしに、調節量の必要な目標推移ならびにシステム状態を代数で正確に計算することができる(逆システム)。それに伴い、荷重を過振動なしに目標位置に移すことができる。
フラットネスをベースとするフィードフォワード制御のために必要な荷重位置とその微分は、軌道計画モジュールおよび/または目標値フィルタリングによって計算できるのが好ましい。そして、軌道計画または目標値フィルタリングを通じて荷重位置についての目標推移、およびその最初の4つの時間微分が決定されれば、そこからフィードフォワード制御で代数方程式を通じて、駆動を制御するための必要な調節信号の正確な推移、およびこれに対応するシステム状態の正確な推移を計算することができる。
フィードフォワード制御によって構造運動を励起しないようにするために、軌道計画とフィードフォワード制御の間にノッチフィルタを介在させることができるのが好ましく、それにより、計画された軌道信号から構造ダイナミクスの励起可能な固有周波数を除去する。
制御の基本となるモデルは、原則としてさまざまに異なる性質を有していてよい。オブザーバと制御のための基礎として適している、結合された振り子ダイナミクス、駆動ダイナミクス、および構造ダイナミクスとしての、システムダイナミクス全体のコンパクトな表現が利用されるのが好ましい。本発明の好ましい発展例では、クレーン制御モデルは、クレーンダイナミクス全体がそれぞれほぼ独立した各部分に分割されるモデリング法によって決定され、すなわち好ましくはタワークレーンについては、実質的に回転機構駆動部によって励起されるすべての運動の部分(旋回ダイナミクス)と、実質的にトロリ機構駆動部によって励起されるすべての運動の部分(ラジアルダイナミクス)と、ウィンチ機構駆動部によって励起される巻上げロープの方向へのダイナミクスとに分割される。
連結部を無視したうえでこれらの各部分に独立して着目することは、リアルタイムでのシステムダイナミクスの計算を可能にするとともに、特に、ジブの構造ダイナミクスを正確に表現し、所要数の固有モードまで既知の手法を通じて容易に縮減することができる分布パラメータ系(線形偏微分方程式によって表される)としての旋回ダイナミクスのコンパクトな表現を簡易化する。
このとき駆動ダイナミクスは1次遅延素子として、またはスタティックな増幅係数としてモデリングされるのが好まし、調節量として駆動にはトルク、回転速度、力、または速度を設定することができる。それぞれの駆動部の周波数変換器での二次的な制御により、これらの調節量が調整される。
振り子ダイナミクスは、理想的には、1つ/2つの点状の荷重質量体と、質量がないと仮定されるか、またはもっとも重要なロープ固有モードにまでモード次数削減された質量があると仮定される1つ/2つの一重のロープとを有する、一重/二重の糸振り子としてモデリングすることができる。
構造ダイナミクスは、連続する桁の形態での鋼材構造の近似によって分布パラメータモデルとして導き出すことができ、それにより、既知の手法により離散させてシステム次数に関して削減することができ、それによってこれがコンパクトな形態をとり、迅速に計算することができ、オブザーバ設計および制御設計を簡素化する。
上記の振り子減衰デバイスは、ジョイスティックなどの相応の操作部材の操作によってクレーンが手動で操作される場合、クレーン操縦者の入力コマンドが監視されて必要に応じてオーバーライドされ、それは特に、クレーン操縦者によってたとえば強すぎる設定がなされた加速度が引き下げられたり、あるいはクレーン操縦者によって設定されたクレーン運動が荷重フックの振り子をもたらしたりしたときに、もしくはもたらすであろうときに、反対の運動が自動的に導入されるという意味においてである。このときレギュレータモジュールは、クレーン操縦者にコントロールの感覚を与えるために、クレーン操縦者によって希望される運動と運動プロファイルの可能な限り近くにとどまるように試みるのが好ましく、希望されるクレーン運動を可能な限り振り子と振動なしに行うのに必要である範囲内でのみ、手動で入力された調節信号をオーバーライドする。
その代替または追加として振り子減衰デバイスは、クレーンの制御装置がクレーンの荷重受容手段のオートパイロットの意味合いで少なくとも2つの目標点の間で移動経路に沿って自動的に移動する、クレーンの自動式の操作の場合にも適用することができる。制御装置の移動経路判定モジュールが所望の移動経路をたとえば軌道制御の意味合いで判定して、制御装置の自動式の移動レギュレータモジュールが駆動レギュレータないし駆動デバイスを制御して、荷重フックが特定の移動経路に沿って移動するようにする。このようなオートマチック運転では、振り子減衰デバイスが上記の移動レギュレータモジュールによって駆動レギュレータの制御に介入して、クレーンフックを振り子なしに移動させ、ないしは振り子運動を減衰させる。
次に、好ましい実施例と添付の図面を参照しながら本発明について詳しく説明する。図面には次のものが示されている:
荷重フック位置と垂線に対するロープ角度が撮像センサ機能によって検出され、振り子減衰デバイスが駆動デバイスの制御に影響を及ぼして、荷重フックとその巻上げロープの振り子運動を防止するタワークレーンを示す模式図である。 振り子減衰デバイスの2自由度制御構造と、これによって行われる駆動レギュレータの調節量への介入を示す模式図である。 荷重のもとでのタワークレーンの変形と振動形態、および斜め引張制御によるその減衰ないし回避を示す模式図であり、部分図a)は、荷重のもとでのタワークレーンの縦振り変形およびこれと組み合わされる巻上げロープの斜め引張を示し、部分図b)およびc)は、タワークレーンの横変形を斜視図ならびに上から見た平面図として示し、部分図d)およびe)は、このような横変形と組み合わされた巻上げロープの斜め引張を示す。 回転率をもって回転する参照系における弾性的なジブを示す模式図である。 タワーに挟み込まれた連続する桁としてのジブを、タワー撓曲とタワートーションを考慮したうえで示す模式図である。 弾性的なタワーと、ジブに対して横向きのタワー撓曲のばね・質量・等価モデルとを示す模式図である。 集中化された荷重質量と無質量のロープとによるクレーンの旋回方向への振り子ダイナミクスを示す模式図である。 タワークレーンのもっとも重要な3つの固有モードを示す模式図である。 クレーンの半径方向への振り子ダイナミクスと、複数の連結された剛体によるそのモデル化とを示す模式図である。 巻上げロープが繰り出されるトロリにある受信器へ計測信号を無線式に伝送する慣性計測デバイスが取り付けられた荷重フックを有する、振り子運動をする巻上げロープを示す模式図である。 巻上げロープに対する荷重フックの考えられる傾きを明示するためにさまざまな荷重フックを示す模式図である。 先行する両方の図面に由来する荷重フック懸架部の振り子ダイナミクスのモデルを示す模式的な二次元のモデルである。 慣性座標と荷重フック座標の間での回転を表す荷重フックの傾きないし傾き角を示す図である。 慣性計測デバイスの加速度信号と回転率信号から荷重フックの傾きを判定するためにハイパスフィルタとローパスフィルタとを有する相補フィルタのブロック図である。 拡張カルマンフィルタを用いて、およびスタティックな見積りを用いて判定される振り子角度推移を、カルダン継手で測定された振り子角度推移との比較で示す比較図である。 振り子振動を回避するために駆動に自動的に影響を及ぼすための2つの自由度を有する制御構造ないしレギュレータ構造を示す模式図である。
図1に示すように、クレーンはタワークレーンとして構成されていてよい。図1に示すタワークレーンは、たとえばそれ自体として周知の仕方により、カウンタウェイト204が設けられたカウンタジブ203によってバランスをとるジブ202を支持するタワー201を有することができる。上記のジブ202はカウンタジブ203とともに、タワー軸と同軸であってよい直立する回転軸205を中心として、回転機構により回転することができる。ジブ202に沿ってトロリ206がトロリ駆動部によって移動することができ、トロリ206から、荷重フック208が取り付けられた巻上げロープ207が繰り出される。
図1に同じく示すように、クレーン2は、たとえばクレーン自体に配置される制御コンピュータを含むことができる、ここでは電子式の制御装置3を有することができる。このとき上記の制御装置3は、さまざまな調節部材、油圧回路、電気モータ、駆動装置、およびそれぞれの建設機械のその他の駆動集成装置を制御することができる。このことは、たとえば図示したクレーンではその巻上げ機構、回転機構、トロリ機構、-場合により存在する-ジブ引込駆動部などであり得る。
ここでは上記の電子制御装置3は、制御卓ないし操縦キャビンに配置されていてよい、たとえばタッチスクリーンを有するタブレットおよび/またはジョイスティック、回転つまみ、スライドスイッチ、およびこれらに類する操作部材の形態を有することができる端末器具4と通信することができ、それにより、一方ではさまざまな情報を制御コンピュータ3から端末器具4に表示することができ、また、これと逆に端末器具4を通じて制御コマンドを制御装置3へ入力することができる。
クレーン1の上記の制御装置3は、特に、振り子減衰デバイス340が振り子関連の運動パラメータを検出したときにも、巻上げ機構、トロリ、および回転機構の上記の駆動装置を制御するように構成されていてよい。
そのためにクレーン1は、巻上げロープ207の斜め引張および/または荷重フック208の懸架点すなわちトロリ206を通る垂線61に対する荷重フック208の偏向振り子センサ機能60ないし検出デバイスを有することができる。特に、重力作用線すなわち垂線62に対するロープ角度φを検出することができる。図1を参照。


そのために設けられる振り子センサ機能60の判定手段62は、上記の偏向を判定するために、たとえば光学式に作動することができる。特にトロリ206には、カメラ63またはその他の撮像式のセンサ機能が取り付けられてよく、これがトロリ206から下方に向かって垂直に視認をして、荷重フック208が偏向していないときにその再生画像が、カメラ63により提供される画像の中心に位置するようになっている。したがって、たとえばトロリ206の急な発進や回転機構の急激な制動によって荷重フック208が垂線61に対して偏向すると、荷重フック208の再生画像がカメラ画像の中心から出るように動き、このことを画像評価デバイス64によって判定することができる。
このような光学式の検出の代替または追加として、荷重フック208に取り付けられて測定信号をトロリ206にある受信器へ好ましくは無線式に伝送することができる慣性計測デバイスIMUを用いて、巻上げロープの斜め引張ないし垂線に対する荷重フックの偏向を判定することもできる。図10を参照。慣性計測デバイスIMUおよびその加速度信号と回転率信号の評価については、あとでまた詳しく説明する。
検出された垂線61に対する偏向に依存して、特に偏向の方向と大きさを考慮したうえで、制御装置3は振り子減衰デバイス340を用いて回転機構駆動部とトロリ駆動部を制御して、トロリ206を再び程度の差こそあれ正確に荷重フック208の上に戻し、振り子運動を補償し、ないしは低減し、もしくはさらに発生しないようにすることができる。
そのために振り子減衰デバイス340は、構造コンポーネントの動的変形を判定するための構造ダイナミクスセンサ機能344を含んでおり、駆動デバイスの制御に対して振り子減衰をするように影響を及ぼす振り子減衰デバイス340のレギュレータモジュール341は、駆動デバイスの制御に影響を及ぼす際にクレーンの構造コンポーネントの特定の動的変形を考慮するように構成されている。
このとき、制御卓で入力される制御コマンドに依存して、および/または駆動デバイスの特定の制御反応に依存して、および/または駆動デバイスの特定の速度プロファイルおよび/または加速度プロファイルに依存して生じる動的な負荷のもとでの機械構造の変形と運動を、クレーン構造を特徴づける所与の条件を考慮したうえで見積もる見積りデバイス343も設けられていてよい。特に、計算ユニット348が保存されている計算モデルを用いて、制御卓で入力された制御コマンドに依存して、構造変形およびそこから生じる構造部分運動を計算することができる。
振り子減衰デバイス340は構造ダイナミクスセンサ機能344を用いて、動的負荷のもとでの構造コンポーネントのこのような弾性変形と運動を検出するのが好ましい。このようなセンサ機能344は、たとえばクレーンの鋼材構造にある、たとえばタワー201またはジブ202の格子トラスにある、歪みゲージなどの変形センサを含むことができる。その代替または追加として、たとえばジブ先端部の縦振り運動やジブ202での回転ダイナミクス効果などの構造コンポーネントの特定の運動を検出するために、加速度センサおよび/または速度センサおよび/または回転率センサが設けられていてよい。その代替または追加としてこのような構造ダイナミクスセンサは、タワー201のダイナミクスを検出するためにタワー201にも設けられていてよく、特に、ジブが支承されているその上側区域に設けられていてよい。その代替または追加として、駆動系統のダイナミクスを検出できるようにするために、駆動系統にも運動センサおよび/または加速度センサが付属していてよい。たとえば、関連する点での実際のロープ速度を検出できるようにするために、巻上げロープのためのトロリ206の方向転換ロールに、および/または引込ジブのガイロープのための方向転換ロールに回転検出器が付属していてよい。
図2に示すように、構造ダイナミクスセンサ344と振り子センサ機能60の信号y(t)がレギュレータモジュール341にフィードバックされ、それにより閉ループ制御回路が具体化される。上記のレギュレータモジュール341は、特に回転機構、巻上げ機構、およびトロリ駆動部などのクレーン駆動部を制御するための制御信号u(t)に対して、フィードバックされた構造ダイナミクス信号と振り子センサ機能信号とに依存して影響を及ぼす。
図2に示すように、さらにこのレギュレータ構造は、駆動レギュレータの特定の調節量のときに発生するフィードバックされたセンサ信号ないしクレーン反応を状態推定し、原則としてさまざまに異なる性質を有していてよく鋼材構造の分析とシミュレーションによって得ることができるクレーンのダイナミクスモデルの事前設定された法則性を考慮したうえで、状態推定されたクレーン反応を参照しながらレギュレータの調節量に影響を及ぼすフィルタデバイスないしオブザーバ345を有している。
このようなフィルタデバイスないしオブザーバデバイス345bは、特に、いわゆるカルマンフィルタ346の形態で構成されていてよく、これに入力量としてクレーンの駆動レギュレータ347の調節量u(t)およびフィードバックされたセンサ信号y(t)、すなわち検出されたクレーン運動、特に垂線62に対するロープ角度φおよび/またはその時間的な変化、ないしは上記の斜め引張の角速度、ならびにジブ202とタワー201の構造ダイナミクス液なねじれが供給されて、これらの入力量から、クレーン構造のダイナミクス系の、特にその鋼材構造と駆動系統のカルマン方程式を用いて変調されて、所望の振り子減衰作用を得るために駆動レギュレータ347の調節量に相応に影響が及ぼされる。
このような閉ループ制御によって、特に図3に一例として示すように、荷重のもとでのタワークレーンの変形や振動形態を減衰させ、ないしは最初から回避することができ、そこではまず部分図a)は、タワー201の撓曲の結果としての荷重のもとでのタワークレーンの縦振り変形と、これに伴って起こるジブ202の降下、およびこれと結びついた巻上げロープの斜め引張を模式的に示している。
さらに図3の部分図b)およびc)は、タワークレーンの横変形を模式的な仕方で斜視図として、および上から見た平面図として、その際に発生するタワー201およびジブ202の変形とともに一例として示している。
最後に図3はその部分図d)およびe)で、このような横変形と結びついた巻上げロープの斜め引張を示している。
さらに図2に示すように、レギュレータ構造は2自由度制御の形態で構成されており、振り子センサ機能と構造ダイナミクスのセンサ信号がフィードバックされる上記の「閉ループ」制御に加えて、フィードフォワード制御ないしフィードフォワード制御段350を含んでおり、これが可能な限り良好な管理挙動によって、理想的な場合には制御誤差を一切生じさせないように試みる。
上記のフィードフォワード制御350はフラットネスをベースとして構成されて、冒頭ですでに述べたとおり、いわゆる微分フラットネス法に基づいて判定されるのが好ましい。
構造運動の偏向は、および振り子運動も、目標移動経路を表す駆動されるクレーン運動と比較すると非常に小さいので、フィードフォワード制御信号ud(t)およびxd(t)の判定については構造ダイナミクス信号と振り子運動信号が無視され、すなわち、振り子ダイナミクスセンサ機能および構造ダイナミクスセンサ機能60ないし344の信号y(t)はフィードフォワード制御モジュール350にフィードバックされない。
図2に示すように、フィードフォワード制御モジュール350には荷重受容手段208についての目標値が供給され、この目標値は上記の荷重受容手段208についての位置指定および/または速度指定および/または軌道パラメータであってよく、所望の移動運動を定義する。
特に、所望の荷重位置とその時間微分についての目標値を軌道計画モジュール351および/または目標値フィルタ352へ供給することができるのが好ましく、これらによって、ないしはこれによって荷重位置についての目標推移とその最初の4つの時間微分を判定することができ、そこからフィードフォワード制御モジュール350で代数方程式を通じて、駆動を制御するために必要な調節信号ud(t)の正確な推移を、ならびにこれに対応するシステム状態の正確な推移ud(t)を算出することができる。
フィードフォワード制御によって構造運動を励起しないようにするために、ノッチフィルタデバイス353がフィードフォワード制御モジュール350に前置されていてよく、それによりフィードフォワード制御モジュール350に供給される入力量を相応にフィルタリングするのが好ましく、このようなノッチフィルタデバイス353は、特に、一方における上記の軌道計画モジュール351ないし目標値フィルタモジュール352と、他方におけるフィードフォワード制御モジュール350との間に設けられていてよい。上記のノッチフィルタデバイス353は、特に、フィードフォワード制御に供給される目標値信号から、構造ダイナミクスの励起される固有周波数を取り除くように構成されていてよい。
振動ダイナミクスを低減し、ないしはさらに発生させないようにするために、荷重モーメントの増加によってクレーンが前方へ次第に大きく傾いていくときでも、ロープができる限り常に荷重に対して鉛直の垂線に位置するように、振り子減衰デバイス340は、回転機構とトロリ走行機構および場合により巻上げ機構を修正するように構成されていてよい。
たとえば荷重を地面から持ち上げるとき、荷重のもとでの変形の結果としてのクレーンの縦振り運動を考慮し、クレーン変形が生じたときに巻上げロープが荷重の上で鉛直の垂線に位置するように、検出された荷重位置を考慮したうえでトロリ走行機構を追従走行させ、ないしは縦振り変形の予想される見積りのもとで位置決めすることができる。このとき最大の静的変形は、荷重が地面から離れる点で発生する。相応の仕方により代替または追加として回転機構も、クレーン変形が生じたときに巻上げロープが荷重の上で鉛直の垂線に位置するように、検出された荷重位置を考慮したうえで追従走行し、および/または横変形の予想される見積りのもとで位置決めすることができる。
振り子減衰をする制御の基礎となるモデルは、原則としてさまざまな性質を有していてよい。
このとき弾性的なタワークレーンの制御指向型の機械的なモデリングのために、旋回方向のダイナミクスと、タワー・ジブ平面の内部でのダイナミクスとを切り離して考察するのが有益である。旋回ダイナミクスは回転機構駆動部によって励起、制御されるのに対して、タワー・ジブ平面のダイナミクスはトロリ機構駆動部と巻上げ機構駆動部とによって励起、制御される。荷重は2つの方向に、すなわち一方ではジブに対して横向きに(旋回方向)、他方ではジブ長手方向(半径方向)に振り子運動する。垂直方向の荷重運動は、巻上げロープの弾性が低いことに基づいて垂直方向のジブ運動にほぼ相当するが、これはタワークレーンの場合、振り子運動に基づく荷重偏向と比較すると小さい。
荷重振り子運動を安定化させるためには、特に、回転機構およびトロリ機構によって励起されるシステムダイナミクスの成分が考慮されなければならない。これらを旋回ダイナミクスないしラジアルダイナミクスと呼ぶ。振り子角度がゼロでない限り、旋回ダイナミクスとラジアルダイナミクスも巻上げ機構によって追加的に影響を及ぼされ得る。しかし制御設計については、特に旋回ダイナミクスについてこれを無視することが可能である。
旋回ダイナミクスは、特に、タワーのトーション、垂直軸を中心とするジブの横撓曲、ジブ長手方向に対して横向きのタワーの撓曲などの鋼材構造運動を含み、ならびにジブに対して横向きの振り子ダイナミクスと回転機構・駆動ダイナミクスを含む。ラジアルダイナミクスは、ジブ方向へのタワーの撓曲、ジブ方向への振り子ダイナミクス、および見方によっては垂直方向へのジブの撓曲も含む。さらにはトロリ機構の駆動ダイナミクス、ならびに場合により巻上げ機構の駆動ダイナミクスもラジアルダイナミクスに数えられる。
制御のために、非線形の機械的なモデル方程式が静止位置を中心として線形化されることをベースとする線形設計法が追求されるのが好ましい。このような線形化によって、旋回ダイナミクスとラジアルダイナミクスの間のすべての結びつきが消滅する。このことは、モデルが当初は結びつけられて導き出されている場合であっても、線形制御の設計について結びつきが考慮されないことも意味する。これら両方の方向性が最初から切り離されているとみなすことができる。このことは機械的なモデル形成を明らかに簡易化するからである。さらに、このようにして旋回ダイナミクスについて、迅速に評価することができるコンパクトな形態の一覧性の良いモデルが実現され、それにより、一方では計算能力が節減され、他方では制御設計の開発プロセスが迅速化される。
コンパクトで一覧性が良く正確な動的システムモデルとして旋回ダイナミクスを導き出すために、ジブをオイラー・ベルヌーイ梁とみなすことができ、それに伴って、当初は分布した質量を有する系(分布パラメータ系)とみなすことができる。さらに、旋回ダイナミクスに対する巻上げダイナミクスの反作用を無視することができ、このことは、小さな振り子角度については水平方向の力成分が消失することに基づいて正当な過程である。大きい振り子角度が発生したときは、旋回ダイナミクスに対するウィンチ機構の作用を外乱量として考慮に含めることができる。
Figure 0007224330000002
ける梁としてモデル化される。
それに伴い、コリオリ、遠心力加速度、オイラー加速度として知られる3つの見かけの加速度が参照系の内部で作用する。参照系は固定点を中心として回転するので、各々の点
Figure 0007224330000003
について参照系の内部で見かけの加速度α′が次式
Figure 0007224330000004
で得られ、ここでxは交差点を表し、
Figure 0007224330000005
は回転ベクトルを表し、ν′は回転する参照系に対して相対的な点の速度ベクトルを表す。
これら3つの見かけの加速度のうち、コリオリ加速度だけが旋回ダイナミクスとラジアルダイナミクスの間の双方向の結びつきをなす。これは参照系の回転速度に比例し、なら
Figure 0007224330000006
範囲内にあり、したがってコリオリ加速度は典型的には、タワークレーンの駆動される加速度に比較して小さい値をとる。固定点での荷重振り子運動の安定化中には回転率が非常に小さく、大きい案内運動中にはフィードフォワード制御によってコリオリ加速度を事前計画して明示的に考慮することができる。したがって、これら両方のケースにおいてコリオリ加速度の無視はわずかな近似誤差にしかつながらず、したがって以下においては無視する。
遠心力加速度は回転率に依存してラジアルダイナミクスに対してのみ作用し、これについて外乱量として考慮することができる。遠心力加速度は旋回ダイナミクスに対しては低速の回転率に基づいてほとんど影響を与えず、したがって無視することができる。ただし重要なのは線形のオイラー加速度であり、これは接線方向に作用し、したがって旋回ダイナミクスを考察する際に中心的な役割を演じる。
ジブの小さい断面積に基づき、および小さいせん断変形に基づき、ジブはオイラー・ベルヌーイ梁であるとみなすことができる。それに伴い、垂直方向の軸を中心とする梁の回転の回転運動エネルギーは無視される。ジブ要素のオイラー・ベルヌーイ近似の面密度や面積慣性モーメントといった機械的なパラメータは既知であり、計算に利用できるものと仮定する。
Aトラスとジブの間の引張力は旋回ダイナミクスにはほとんど影響を与えず、したがってモデル化には含めない。長手方向へのジブの変形も、同じく無視することができる程度にわずかである。それに伴い、回転する参照系での減衰されていないジブのダイナミクスは既知の偏微分方程式
Figure 0007224330000007
により、時間tでの個所xにおけるジブ偏向w(x,t)について表される。ここでμ(x)は面密度であり、I(x)は個所xでの面積慣性モーメントであり、Eは弾性モジ
Figure 0007224330000008
書き方は位置的な差別化を表す。減衰パラメータは後の個所で導入する。
慣性系におけるジブダイナミクスの記述を得るためにオイラー力が分布力から除外され、このことは偏微分方程式
Figure 0007224330000009
をもたらす。ここで1cjはカウンタジブの長さであり、q(x,t)はオイラー力なしでのジブに対する実際の分布力である。両方の梁端部は自由であり、挟み込まれていない。したがって周辺条件
Figure 0007224330000010
が適用され、これはジブとカウンタジブの全長Lを含む。
ジブの略図が図5に示されている。ばね剛性cおよびcはタワーのトーション剛性ないし曲げ剛性を表しており、以下において説明する。
旋回ダイナミクスのモデリングのために、ジブ方向に対して横向きのタワートーションとタワー撓曲が考慮されるのが好ましい。タワーはそのジオメトリーに基づき、さしあたり均質なオイラー・ベルヌーイ梁として想定することができる。いっそう簡易なモデル化のために、ここではタワーが剛体等価モデルによって表される。タワー撓曲とタワートーションについての固有モードだけが考慮される。実質的にタワー先端部での運動だけが旋回ダイナミクスについて関連するので、一致する固有周波数を有するそれぞれ1つのばね・質量系によるタワーダイナミクスを、撓曲ないしトーションについての等価系として利用することができる。タワーの弾性がさらに高いケースについて、相応に多くの質量体とばねが付け加えられることによって、ここではさらに簡易にばね・質量系に別の固有モードが補足される。図6を参照。
パラメータであるばね剛性cおよび質量mは、先端部での偏向ならびに固有周波数が、タワーダイナミクスを表すオイラー・ベルヌーイ梁の固有周波数と一致するように選択される。タワーについて、一定の面積慣性モーメントI、タワー高さl、および面密度μが既知であるとすると、これらのパラメータは、梁端部における静的な偏向
Figure 0007224330000011
およびオイラー・ベルヌーイ梁の第1の固有周波数
Figure 0007224330000012
から分析的に次式で計算することができる。
Figure 0007224330000013
タワートーションについても、これに準じて慣性Jとトーションばね剛性cとを有する剛体の等価モデルを図5に示すように導き出すことができる。
タワーについて、極面積慣性モーメントI、トーション慣性モーメントJ(これは円環断面については極面積慣性モーメントに相当する)、面密度ρ、およびせん断モジュールGが既知であれば、等価モデルのパラメータを次式
Figure 0007224330000014
により判定し、一致する第1の固有周波数を得ることができる。
等価質量mと等価慣性Jをいずれもジブの付加面密度の形態で考慮するために、細い物体についての慣性の近似を適用することができ、その帰結として、長さ
Figure 0007224330000015
の細い梁セグメントは質量mを有するとともに、その重心に関して慣性Jを有する。
Figure 0007224330000016
け増加する。
タワークレーンの有効荷重の次元と慣性モーメントは通常は未知であるため、有効荷重は引き続き集中質量点としてモデル化することができる。ロープ質量は無視することができる。ジブとは対照的に有効荷重はオイラー、コリオリ、および遠心力によって若干強く影響を受ける。遠心力加速度はジブ方向でのみ作用し、すなわちここでは関連せず、コリオリ加速度はタワーに対する荷重の距離xをもって次式で求められる。
Figure 0007224330000017
低いジブ回転率に基づき、特に荷重を位置決めしようとするときには、荷重に対するコリオリ加速度は無視することができる。ただし、必要時に外乱量の加算を具体化できるようにするために、いくつかのステップについてはなお取り入れられる。
振り子ダイナミクスを導き出すために、ジブに対して直交するように向くとともにトロリの位置と交差する接線平面に振り子ダイナミクスが投影される。
オイラー加速度は次式で求められる。
Figure 0007224330000018
通常は小さい振り子角度に基づいて近似
Figure 0007224330000019
が成り立ち、ここから近似
Figure 0007224330000020
が帰結され、オイラー加速度は参照系の回転に基づき、荷重とトロリに対してほぼ同様の仕方で作用する。
荷重に対する加速度は図7に示されている。
ここで
Figure 0007224330000021
は接線平面におけるトロリのy位置である。ジブxtrの上でのトロリの位置は、ラジアルダイナミクスと旋回ダイナミクスが切り離されることに基づき、ここでは一定のパラメータとして近似される。
振り子ダイナミクスはラグランジュ形式を通じて容易に導き出すことができる。そのために、まずポテンシャルエネルギー
Figure 0007224330000022
が荷重質量m、重力加速度g、およびロープ長さl(t)をもって作成され、ならびに運動エネルギー
Figure 0007224330000023
が作成され、ここで
Figure 0007224330000024
は接線方向平面における荷重のy位置である。ラグランジュ関数
Figure 0007224330000025
および第2種ラグランジュ方程式
Figure 0007224330000026
は非保存性のコリオリの力
Figure 0007224330000027
を含み、ここから旋回方向における振り子ダイナミクスが
Figure 0007224330000028
として帰結される。
Figure 0007224330000029
される。
Figure 0007224330000030
ジブおよびタワーの構造ダイナミクスに対する振り子ダイナミクスの反作用を記述するために、ロープ力Fが判定されなければならない。もっとも単純には、そのためにロープ力が重力加速度によるその主成分によって
Figure 0007224330000031
として近似される。これに伴い、y方向におけるその水平方向成分は、
Figure 0007224330000032
として求められ,ないしはφ=0を中心として次のように線形化される。
Figure 0007224330000033
ジブダイナミクスの分布パラメータモデル(5)はジブの無限数の固有モードを記述し、その形ではまだ制御設計には適していない。オブザーバと制御について関連するのは、もっとも低周波の固有モードのうちのいくつかにすぎないので、モデル変換とこれに続くこのような少数の固有モードへのモード次数削減が好適である。ただし、式(5)の分析的なモード変換はどちらかというと難しい。その代わりに、式(5)をまず有限差分または有限要素法によって位置的に離散化し、そのようにして通常の微分方程式を得るのが好適である。
有限差分を用いての離散化にあたって、梁は、ジブ位置
Figure 0007224330000034
で等間隔に分布するN個の質量点に分割される。これらの各々の位置での梁の偏向が、
Figure 0007224330000035
として記録される。位置微分は中心差分商
Figure 0007224330000036
によって近似され、ここでΔx=xi+1-xは離散した質量点の距離を表し、w’は位置微分w’(x,t)を表す。
w’’(x)の離散化のためには、周辺条件(6)-(7)
Figure 0007224330000037
がw-1,w-2,wN+1およびwN+2に従って解かれなければならない。式(5)の中の項(I(x)w’’)’’の離散化は次式
Figure 0007224330000038
として得られ、このとき
Figure 0007224330000039
である。
中心差分近似を選択することで周辺条件の式(35)は値I-1およびIN+1に依存し、これらは実際上は値IおよびIで置き換えることができる。
これ以後の手順についてはベクトル表記法(太字で印刷)が好適である。ジブ偏向のベクトルは
Figure 0007224330000040
として表され、それに伴い、項(I(x)w’’)’’はベクトル表記法では
Figure 0007224330000041
として、剛性マトリクス
Figure 0007224330000042
をもって表すことができる。
同様に、質量密度(単位kgm)の質量マトリクスは対角行列
Figure 0007224330000043
として定義され、ここでのベクトル
Figure 0007224330000044
は各々の結節点についてタワーに対する距離を表す。
分散されて作用する力について、ベクトル
Figure 0007224330000045
が成分q=q(x)をもって定義され、それにより離散化された形態での梁の偏微分方程式(5)の離散化は
Figure 0007224330000046
として表すことができる。
次に、鋼材構造運動と振り子ダイナミクスとの間の動的関係を記述する。
そのために、まずジブにおける追加の点質量、すなわちカウンタバラスト質量mcj、タワーについての等価質量m、ならびにトロリ質量mtrを分散質量マトリクス
Figure 0007224330000047
に付け加える。
さらに、タワーと荷重がジブに対して作用する力とモーメントを記述することができる。タワー撓曲に基づく力は等価モデルを通じて
Figure 0007224330000048
によりq=q(Icj)をもって与えられる。タワートーションによるモーメントの判定のために、まず挟み込み個所でのジブ・梁の回転
Figure 0007224330000049
が必要であり、次いでこれからトーションモーメント
Figure 0007224330000050
が得られ、これは、たとえばタワーから同じ距離だけ離れて作用(レバーアーム)する2つの同じ大きさの力によって近似することができる。これら両方の力の値は、Δxがそれぞれレバーアームであるとき、
Figure 0007224330000051
Figure 0007224330000052
できる。そのためには両方の成分
Figure 0007224330000053
を代入するだけでよい。
Figure 0007224330000054
Figure 0007224330000055
が得られる。
Figure 0007224330000056
ナミクスからなる結合はマトリクス表記法では次のように記述することができ、
Figure 0007224330000057
このとき、
Figure 0007224330000058
かつ、
Figure 0007224330000059
ここで付言しておくと、ジブにおけるトロリの位置xtr、巻上げロープ長さl、および荷重質量mという3つのパラメータは運転の過程で変動する。したがって式(50)は線形のパラメータ可変の微分方程式であり、その具体的な特徴は運転時間のとき初めて特にオンラインで判定することができる。その後のオブザーバ・制御設計でこのことに留意しなければならない。
離散化点の数Nは、梁の変形とダイナミクスの正確な記述を保証するために、十分に多く選択するのがよい。それに伴って式(50)が大きな連立方程式になる。しかし制御については、多数のシステム状態をさらに少ない数に削減するために、モード次数削減が好適である。
モード次数削減は、もっとも頻繁に用いられる削減方法の1つである。その基本思想は、まずモード変換を実行することにあり、すなわち、固有モード(形状)と固有周波数をベースとしてシステムのダイナミクスを表すことにある。その後は関連する(通常はもっとも低周波の)固有モードだけが選択され、高周波のモードはすべて無視される。考慮される固有モードの数を以下においてζで表す。
まず、対応する固有周波数ωとともに固有値問題
Figure 0007224330000060
Figure 0007224330000061
の標準法を通じて容易に解くことができる。次いで、固有ベクトルを固有周波数の昇順でソーティングしてモード行列
Figure 0007224330000062
に書き込むことができる。そしてモード変換を計算式
Figure 0007224330000063
Figure 0007224330000064
ので、このシステムの第1のζ列と行に限定をすることで、モード削減されたシステムを
Figure 0007224330000065
Figure 0007224330000066
ができる。
重要な固有モードのうちの3つが図8に示されている。1番上は、荷重の振り子運動によって支配されるもっとも低速の固有モードを表す。2番目に示す固有モードは明らかなタワー撓曲を有しており、それに対して3番目ではジブが明らかに撓曲している。回転機構駆動部によって固有周波数が励起され得るすべての固有モードを考慮のうちに留めておくのがよい。
回転機構駆動部のダイナミクスは好ましくはPT1要素として近似され、このダイナミクスは
Figure 0007224330000067
を時間定数Tを含めて有する。それに伴い、式(57)との関連で
Figure 0007224330000068
Figure 0007224330000069
節信号uとが含まれる。
Figure 0007224330000070
追加して、
Figure 0007224330000071
とすることができ、それによりこのシステムをオブザーブ可能であり、すなわち、すべ
Figure 0007224330000072
あり、それに伴って運転時間中に見積もることができる。
Figure 0007224330000073
加速度に他ならない。
モデル(61)をベースとして、たとえば図2を参照すべきフィルタのカメラの形態のオブザーバ345が
Figure 0007224330000074
をデザインすることができ、ここで値Pはリッカチの代数方程式
Figure 0007224330000075
から帰結することができ、これを標準法で容易に解くことができる。QおよびRはプロセス雑音と測定雑音の共分散行列であり、カルマンフィルタの解釈パラメータとしての役目を果たす。
式(60)および(61)はパラメータ可変システムを表しているので、式(63)の解Pは常に相応のパラメータセット{xtr,l,m}についてのみ有効である。ただし、リッカチの代数方程式を解くための標準法はかなり計算集中的である。式(63)を運転時間中に評価しなくてよいようにするために、パラメータxtr,l,mにおける精密な解像度の特性マップのために解Pをオフラインで事前に計算しておくことができる。そして運転時間中(オンライン)にはこの特性マップから、パラメータセット{xtr,l,m}が目下のパラメータにもっとも近い値が選択される。
Figure 0007224330000076
ィードバック
Figure 0007224330000077
Figure 0007224330000078
きに典型的にはすべてゼロである(回転角γを除く)目標状態を含む。軌道の出発中にはこれらの値がゼロでないことがあり得るが、モデルが線形化される中心となる休止位置から大きく離れすぎないのがよい。
そのためにたとえば線形二次アプローチが適しており、その場合にフィードバック増幅Kは、利得関数
Figure 0007224330000079
が最適化されるように選択される。線形の制御デザインについては最善のフィードバック増幅が
Figure 0007224330000080
と求められ、ここでPはカルマンフィルタに準じて、リッカチの代数方程式
Figure 0007224330000081
を通じて決定することができる。
増幅Kも式(66)でパラメータセット{xtr,l,m}に依存するので、これについてはオブザーバについての方式に準じて特性マップが作成される。制御のコンテキストでは、このようなアプローチは「ゲインスケジューリング」の概念で知られている。
タワークレーンで制御を適用するために、オブザーバダイナミクス(62)を制御装置で運手時にシミュレートすることができる。そのために、一方では駆動部の調節信号uが、
Figure 0007224330000082
増幅と見積もられた式(62)の状態ベクトルから算出される。
ラジアルダイナミクスも同じく式(60)-(61)の線形モデルによって表すことができるので、ラジアルダイナミクスの制御についても旋回ダイナミクスに準じて手順を進めることができる。そして、これら両方の制御がクレーンで互いに独立して作用し、半径方向で、ならびにジブに対して横向きに、それぞれ駆動ダイナミクスと構造ダイナミクスを考慮したうえで振り子ダイナミクスを安定化させる。
以下において、ラジアルダイナミクスをモデル化するためのアプローチについて説明する。旋回ダイナミクスをモデル化するための上に説明したアプローチとこれが相違するのは、クレーンがここでは連結された複数の剛体からなる等価システムによって記述され、連続する梁によって記述されるのではないことによる。このときタワーを2つの剛体に分化することができ、さらに別の剛体がジブを表すことができる。図9を参照。
このときαとβはそれぞれの剛体の間の角度を表し、φは荷重の半径方向の振り子角度を表す。Pによって重心の位置が表され、このとき添字CJはカウンタジブ、はジブ、TRはトロリ(英語:trolley)、はタワー(このケースではタワーの上側の剛体)を表す。このとき各位置は少なくとも部分的に、駆動部により調節される量xTRおよ
Figure 0007224330000083
ングならびにダンパがあり、その粘性摩擦はパラメータdαyおよびdβyによって表される。
ダイナミクスは既知のラグランジュ形式を通じて導き出すことができる。このとき3つの自由度がベクトル
Figure 0007224330000084
でまとめられる。これを用いて、並進的な運動エネルギー
Figure 0007224330000085
ならびに重力とばね剛性に基づくポテンシャルエネルギー
Figure 0007224330000086
を表現することができる。回転エネルギーは並進エネルギーと比較して無視できるほど小さいので、ラグランジュ関数を
Figure 0007224330000087
として定式化することができる。そこからオイラー・ラグランジュ方程式
Figure 0007224330000088
Figure 0007224330000089
が含まれる。すべてを記すと次の3つの方程式が得られる。
Figure 0007224330000090
Lを代入して相応の導関数を計算することで、これらの方程式に非常に多くの項が生じるので、明示的な表記をするのはここでは有意義ではない。
トロリ機構ならびに巻上げ機構の駆動部のダイナミクスは、通常、1次のPT1ダイナミクス
Figure 0007224330000091
によって良好に近似することができる。この中でτは相応の時間定数を表し、uは目標速度を表す。
そして、すべての駆動関連の変数をベクトル
Figure 0007224330000092
に記録してみると、駆動ダイナミクス、振り子ダイナミクス、および構造ダイナミクスからなる結合ラジアルダイナミクスを
Figure 0007224330000093
として表すことができ、または運転時の転換によって非線形のダイナミクスにより次の形で表すことができる。
Figure 0007224330000094
このようにラジアルダイナミクスが最小座標に存在するので、次数削減は必要ない。た
Figure 0007224330000095
オフラインでの事前計算は可能でない。したがって、式(75)から制御についての式(60)の線形モデルを得るために、数値線形化を運転時に実行することができる。そのためにまず、
Figure 0007224330000096
Figure 0007224330000097
Figure 0007224330000098
を通じてモデルを線形化することができ、式(60)のような線形システムがもたらされる。構造ダイナミクスと振り子ダイナミクスについて適当なセンサ機能を選択することで、たとえばジャイロスコープを用いて、式(61)のような測定出力がもたらされ、これによってラジアルダイナミクスをオブザーブ可能である。
オブザーバ・制御デザインのその後の手順は、旋回ダイナミクスについての手順に相当する。
すでに述べたとおり、垂線62に対する巻上げロープの偏向はトロリにある撮像式のセンサ機能によってだけでなく、荷重フックにある慣性計測デバイスによっても判定することができる。
このような慣性計測デバイスIMUは、特に、加速度センサ手段および回転率センサ手段を加速度信号および回転率信号の提供のために有することができ、これらは一方ではさまざまな空間軸に沿った並進加速度を表し、他方では、さまざまな空間軸に関する回転率ないしジャイロスコープ信号を表す。このとき回転率として回転速度を提供することができ、あるいは原則として回転加速度、またはこの両者を提供することができる。
このとき慣性計測デバイスIMUは、3つの空間軸での加速度と、少なくとも2つの空間軸を中心とする回転率とを検出できるのが好ましい。加速度センサ手段は3軸で作動するように構成されていてよく、ジャイロスコープセンサ手段は2軸で作動するように構成されていてよい。
荷重フックに取り付けられる慣性計測デバイスIMUは、その加速度信号と回転率信号および/またはそこから導き出される信号を、クレーンの構造部分に取り付けられていてよい、あるいはクレーン近傍に別個に配置されていてよい制御デバイスおよび/または評価デバイス3へ、ないしその振り子減衰デバイス340へ無線式に伝送できるのが好ましい。特に、トロリ206および/または巻上げロープが繰り出される懸架部に取り付けられていてよい受信器RECへの伝送を行うことができる。伝送はたとえばWLAN接続を通じて行うことができるのが好ましい。図10を参照。
図13に示すように、荷重フック208は巻上げロープ207に対して、連結に応じてさまざまな方向にさまざまな仕方で傾くことがあり得る。巻上げロープ207の斜め引張角βは、荷重フックの向きと同一である必要はない。このとき傾き角εβは、巻上げロープ2017の斜め引張βに対する荷重フック207の傾きないし回転、ないしは慣性座標と荷重フック座標の間の回転を表す。
クレーンの振り子挙動のモデル化のために、一方におけるトロリの移動方向すなわちジブの長手方向と、他方におけるタワー軸を中心とする回転方向ないし円弧方向すなわちジブの長手方向に対して横向きの方向とにおける、両方の振り子方向を互いに別々に考察することができる。これら両方の振り子運動はほとんど相互に影響しないからである。したがって、各々の振り子方向を二次元でモデル化することができる。
図12に示すモデルに着目すると、ラグランジュ方程式を用いて振り子ダイナミクスを記述することができる。このときトロリ位置s(t)、ロープ長さl(t)、およびロープ角度ないし振り子角度β(t)が時間tに依存して定義され、以下においては簡易化とより良い読みやすさのため、時間依存性を項(t)によってわざわざ表示することはしない。まず、荷重フック位置を慣性座標系で
Figure 0007224330000099
として定義することができ、このとき時間微分
Figure 0007224330000100
Figure 0007224330000101
Figure 0007224330000102
は荷重ダイナミクスを導き出すためには必要ないが、あとで説明するように、フィルタの構成のために利用される。
運動エネルギーは
Figure 0007224330000103
によって規定され、荷重フックの質量mと荷重はあとで取り除かれる。重力の結果としてのポテンシャルエネルギーは
Figure 0007224330000104
に相当し、ここには重力加速度gが含まれる。
Figure 0007224330000105
Figure 0007224330000106
Figure 0007224330000107
形の二次微分方程式としての振り子ダイナミクスをもたらす。
Figure 0007224330000108
y-z平面におけるダイナミクスもこれに準じて表現することができる。
Figure 0007224330000109
量であるとみなす。これは直接的に測定できる場合もあり、または測定されたトロリ速度をベースとして見積もることもできる。その代替または追加として、駆動ダイナミクスが既知であればトロリ加速度を別個のトロリ加速度計によって測定し、または見積もることもできる。電気式のクレーン駆動部の動的挙動は、一次の荷重挙動
Figure 0007224330000110
を参照して見積もることができ、ここで入力信号uは所望の速度に相当し、Tは時間定数である。十分な精度があれば、加速度のその他の測定は必要ない。
荷重フックの傾き方向は傾き角εβによって記述される。図13を参照。
回転率または傾き速度はジャイロスコープで測定されるので、傾きの見積りの基礎となるモデルは、傾き角に対して測定された回転率ωβの単純な積分
Figure 0007224330000111
に相当する。
IMUはすべての信号を、それ自体として一緒に動き一緒に回転する荷重フックの固体座標系で測定し、このことは前置された添字Kで表されており、それに対して慣性座標のベクトルはIで表され、あるいは何も添字なしのままとされる。εβが見積もられるとただちに、測定された荷重フック座標の加速度a=[ を、次式の適用のもとで、慣性座標に変換することができる。
Figure 0007224330000112
そして慣性加速度を、式(107)および(103)をベースとする振り子角度の見積りのために利用することができる。
ロープ角度βの見積りは、荷重フックεβの傾きの正確な見積りを必要とする。この角度を式(109)の単純なモデルをベースとして見積もれるようにするには、絶対的な参照値が必要となる。ジャイロスコープの精度は限定的であり、出力値が未知だからである。さらに、ジャイロスコープでの測定は通常、測定原理に内在する近似的に一定の誤差が重ね合わされる。さらに、εβが一般にゼロを中心として振動すると想定することもできない。したがって、このような参照値を提供するために加速度センサが利用され、それは、(周波数が低い信号で発生する)重力加速度定数が評価され、慣性座標が
Figure 0007224330000113
として既知であり、荷重フック座標
Figure 0007224330000114
に変換可能であることによる。測定された加速度は、式(103)および(112)の合計として求められる。
Figure 0007224330000115
ここでgの負の正負記号は、重力加速度がセンサ原理に基づいて仮想的な上昇加速度として測定されるという事情の結果として生じるものである。
Figure 0007224330000116
ェードアウト周波数が十分に低いローパスフィルタの適用は近似
Figure 0007224330000117
を可能にする。x成分をz成分で除算すると、低周波数についての参照傾き角が得られる。
Figure 0007224330000118
式(109)に基づく線形の振り子ダイナミクスの単純な構造は、向きを見積もるためにさまざまなフィルタの使用を可能にする。その際の1つのオプションは、方法パラメータの変更と雑音測定によって調整することができる、いわゆる連続時間Kalman Bucyフィルタである。したがって以下において、図14に示すように、ハイパス伝達機能とローパス伝達機能を選択することで周波数特性に関して調整することができる相補フィルタを採用する。
図14のブロック図が示すように、相補フィルタは、荷重フック傾きεβの方向を見積もるために構成されていてよい。Ghp1(s)を有するジャイロスコープ信号のハイパス
Figure 0007224330000119
εβ,ωをもたらす。さらに別の見積りεβ,aは、加速度センサの信号aに由来する。
特に、まず伝達関数
Figure 0007224330000120
と非常に低いフェードアウト周波数ωとを有する単純なハイパスフィルタをジャイロスコープ信号に適用して、一定の測定オフセットを取り除く。積分は、ジャイロスコープをベースとする傾き角見積りεβ,ωをもたらし、これは高い周波数については比較的正確であるが、低い周波数については比較的不正確である。相補フィルタの基本的な発想は、εβ,ωとεβ,aとを合算し、ないしは相互に組み合わせることにあり、その際に、εβ,ωの高い周波数がハイパスフィルタの使用によりいっそう強く重みづけされるとともに、εβ,αの低い周波数がローパスフィルタの使用によりいっそう強く重みづけされる。式(115)は、低い周波数について良好な見積りだからである。伝達関数は一次の単純なフィルタとして、すなわち
Figure 0007224330000121
として選択することができ、ここでフェードアウト周波数ωは振り子周波数よりも低く選択される。すべての周波数について、
Figure 0007224330000122
が成り立つので、εβの見積りが誤ってスケーリングされることはない。
見積もられた荷重フックの向きをベースとして、荷重フックの慣性加速度aをaの測定から式(110)を適用して決定することができ、このことは振り子ダイナミクス(107)をベースとするオブザーバの構成ならびに回転加速度測定を可能にする。
Figure 0007224330000123
この方程式の両方の成分は振り子角度の見積りのために同じように援用することができるが、gに依存しないx成分の適用のもとでのみ良好な結果を得ることができる。
以下において、振り子ダイナミクスがプロセス上の背景雑音w:N(0,Q)および測定雑音v:N(0,R)によって重ね合わされ、それにより非線形の確率系として、すなわち
Figure 0007224330000124
Figure 0007224330000125
決定するために、時間的に拡張された連続式のカルマンフィルタ
Figure 0007224330000126
を利用することができる。
このとき式(107)に基づく振り子ダイナミクスの空間的な状態表現は
Figure 0007224330000127
Figure 0007224330000128
力を定義するために、式(119)による荷重フック加速度の水平方向成分をシステム状態に依存して定式化することができ、そこから次式がもたらされる:
Figure 0007224330000129
Figure 0007224330000130
とえば式(108)に基づく駆動ダイナミクスを適用したうえで、lの測定から再構成することができる。式(123)を測定関数
Figure 0007224330000131
として適用すると、線形化項が次式としてもたらされる。
Figure 0007224330000132
このときプロセス雑音の共分散行列の見積りはQ=I2X2であり、測定雑音の見積りはR=1000であり、ならびに慣性共分散行列はP=02X2である。
図15に示すように、拡張カルマンフィルタ(EKF)によって見積もられる、あるいは単純な静的アプローチによって判定される振り子角度は、トロリにある回転角エンコーダによるカルダン継手での振り子角度の妥当性確認測定にかなり良好に一致する。
ここで興味深いのは、比較的単純な静的アプローチによる計算が、拡張カルマンフィルタに匹敵する良好な結果を供給することである。したがって、式(122)の振り子ダイ
Figure 0007224330000133
と、線形化されたシステムについて
Figure 0007224330000134
がもたらされ、χは出力についての参照値としての役目を果たす。式(127)のダイナミクス効果を無視したうえで、かつ静的な出力関数(128)だけの考慮したうえで、振り子角度は単純な静的関係
Figure 0007224330000135
から得ることができ、この関係は興味深いことにlに依存しない。図15は、それによって得られる結果がカルマンフィルタの結果と同様に正確であることを示している。
このようにβおよび式(101)を利用して、荷重位置の正確な見積りを実現することができる。
式(108)に基づく速度ベースのクレーン駆動部のダイナミクスのモデル化、および
Figure 0007224330000136
る。その意味で、駆動部のダイナミクス効果は無視することができる。
Figure 0007224330000137
て指定するために、線形化された式(127)のダイナミクスシステムを積分によって「高める」ことができ、そこから次式がもたらされる:
Figure 0007224330000138
Figure 0007224330000139
あり、それに対して物理的な意味と入力は変化している。式(127)との相違として、
Figure 0007224330000140
Figure 0007224330000141
として計算されるのがよい。このことは、速度入力から第1の状態への伝達関数につい
Figure 0007224330000142
Figure 0007224330000143
であることを保証する周波数領域における静的な前置フィルタFとみなすこともできる。
Figure 0007224330000144
結果は、レギュレータが式(127)をベースとしてデザインされ、積分された入力信号
Figure 0007224330000145
得られたフィードバックは、Kalman-Bucyフィルタとともに線形二次ガウスレギュレータ構造(LQG)をなすことができる線形二次レギュレータ(LQR)として規定することができる。フィードバックもカルマン制御因子も、たとえば制御因子計画を利用したうえで、ロープ長さlに合わせて適合化することができる。
荷重フックを軌道に沿った近傍で制御するために、-すでに上で説明したことに類似して-2つの自由度を備えた構造を、図16に示すように、荷重フック位置についてC微分可能な参照軌道を提供する軌道プランナーとともに利用することができる。トロリ位置を式(130)に基づくダイナミクスシステムに付け加えることができ、そこからシステム
Figure 0007224330000146
Figure 0007224330000147
Figure 0007224330000148
となり、このことは線形化された事例類型のフック位置と対応している。状態と入力はフラット出力によって、およびその導関数によって代数的にパラメータ化することができ、
Figure 0007224330000149
Figure 0007224330000150
としてであり、このことは、zについて計画された軌道から参照状態と公称入力調節信号を代数計算することを可能にする。このとき調整点の転換は、公称誤差をゼロ近傍に保てることを示しており、それにより、レギュレータKのフィードバック信号Ufbは公称入力調節量uffよりも有意に小さい。実際問題として、無線式の慣性計測デバイスの信号が失われたときには入力調節量をufb=0に設定することができる。
図16が示すように、2つの自由度を備えるレギュレータ構造は、限定された導関数をもつフラット出力についての穏やかな軌道z∈Cと、入力量Ψと、状態Ψのパラメータ化と、レギュレータKとを含む軌道プランナーTPを有することができる。

Claims (30)

  1. クレーンジブ(202)から繰り出されて荷重受容手段(208)を支持する巻上げロープ(207)と、複数のクレーン部材を動かすため、および前記荷重受容手段(208)を移動させるための駆動デバイスと、前記荷重受容手段(208)が移動経路に沿って移動するように前記駆動デバイスを制御するための制御装置(3)と、前記荷重受容手段および/または前記巻上げロープ(207)の振り子運動を減衰するための振り子減衰デバイス(340)とを有するクレーン、特にタワークレーンであって、前記振り子減衰デバイス(340)は前記巻上げロープ(207)および/または前記荷重受容手段(208)の振り子運動を検出するための振り子センサ機能(60)を有し、ならびに制御回路にフィードバックされる前記振り子センサ機能(60)の振り子信号に依存して前記駆動デバイスの制御に影響を及ぼすための閉ループ制御回路を含むレギュレータモジュール(341)を有する、そのようなクレーンにおいて、前記振り子減衰デバイス(340)は前記クレーンの構造コンポーネントの変形および/または動的なそれ自体の運動を検出するための構造ダイナミクスセンサ機能(342)を有し、前記振り子減衰デバイス(340)の前記レギュレータモジュール(341)は前記駆動デバイスの制御に影響を及ぼすときに前記振り子センサ機能(60)の振り子信号だけでなく、構造コンポーネントの変形および/または動的なそれ自体での運動を表す、前記制御回路にフィードバックされる構造ダイナミクス信号も考慮するために構成され、前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)は前記クレーンジブ(202)を支持するクレーンタワー(201)および/または前記クレーンジブ(202)の動的なねじれを判定するために構成され、前記振り子減衰デバイス(340)の前記レギュレータモジュール(341)は検出された前記クレーンジブ(202)および/または前記クレーンタワー(201)の動的なねじれに依存して前記駆動デバイスの制御に影響を及ぼすために構成されることを特徴とするクレーン。
  2. 前記レギュレータモジュール(341)は2自由度制御構造を有し、および/または前記閉ループ制御回路に追加して前記駆動デバイスのための調節信号をフィードフォワード制御するためのフィードフォワード制御モジュール(350)を有する、請求項1に記載のクレーン。
  3. 前記フィードフォワード制御モジュール(350)は微分フラットネスモデルとして構成される、請求項2に記載のクレーン。
  4. 前記フィードフォワード制御モジュール(350)は前記振り子センサ機能(60)の振り子信号および前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)の構造ダイナミクス信号を考慮することなくフィードフォワード制御を実行するために構成される、請求項に記載のクレーン。
  5. 前記フィードフォワード制御モジュール(350)にはフィードフォワード制御に供給される入力信号をフィルタリングするためのノッチフィルタデバイス(353)が付属しており、前記ノッチフィルタデバイス(353)は前記入力信号から構造ダイナミクスの励起可能な固有周波数を取り除くために構成される、請求項2~4のいずれか1項に記載のクレーン。
  6. 前記フィードフォワード制御モジュール(350)には前記荷重受容手段について事前設定された目標値から荷重受容手段位置とその時間微分についての目標推移を決定するための軌道計画モジュール(351)および/または目標値フィルタモジュール(352)が付属する、請求項2~5のいずれか1項に記載のクレーン。
  7. 前記ノッチフィルタデバイス(353)は一方における前記軌道計画モジュール(351)および前記目標値フィルタモジュール(352)と他方における前記フィードフォワード制御モジュール(350)との間に設けられる、請求項5に従属する請求項6に記載のクレーン。
  8. 前記レギュレータモジュール(341)は、鉛直のクレーン旋回軸を中心とした前記ジブ(202)の旋回に関わる構造ダイナミクスを考慮する少なくとも1つの旋回ダイナミクス部分と、ジブと平行な垂直平面に対して平行な構造ダイナミクス運動を考慮するラジアルダイナミクス部分とを含む互いに独立した部分に前記クレーンの構造ダイナミクスを分割する制御モデルを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のクレーン。
  9. 前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)は少なくとも、
    前記クレーンジブ(202)と平行な直立する平面でのクレーン構造の動的運動を検出するためのラジアルダイナミクスセンサと、
    特にタワー軸(205)である直立するクレーン回転軸を中心とするクレーン構造の動的運動を検出するための旋回ダイナミクスセンサと、
    を有し、前記振り子減衰デバイス(340)の前記レギュレータモジュール(341)は、直立するジブ平行の平面で検出されたクレーン構造の動的運動と、直立するクレーン軸を中心とするクレーン構造の検出された動的運動とに依存して、特にトロリ駆動部および回転機構駆動部である前記駆動デバイスの制御に影響を及ぼすために構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載のクレーン。
  10. さらに前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)は、
    前記クレーンジブ(202)の垂直方向の動的変形を検出するための巻上げダイナミクスセンサを有し、前記振り子減衰デバイス(340)の前記レギュレータモジュール(341)は、検出された前記クレーンジブ(202)の垂直方向の動的変形に依存して、特に巻上げ機構駆動部である前記駆動デバイスの制御に影響を及ぼすために構成される、請求項1~9のいずれか1項に記載のクレーン。
  11. 前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)は、固有周波数が事前設定された周波数領域内にある、前記クレーンジブ(202)および/または前記クレーンタワー(201)の動的なねじれのすべての固有モードを検出するために構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載のクレーン。
  12. 前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)は、タワーねじれを検出するためにタワー固有振動の結節点から間隔をおいて配置される少なくとも1つの、好ましくは複数のタワーセンサと、ジブねじれを検出するためにジブ固有振動の結節点から間隔をおいて配置される少なくとも1つの、好ましくは複数のジブセンサとを有する、請求項1~11のいずれか1項に記載のクレーン。
  13. 前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)は歪みゲージおよび/または加速度センサおよび/または特にジャイロスコープの形態の回転率センサを前記クレーンの構造コンポーネントの変形および/または動的なそれ自体の運動を検出するために有し、前記加速度センサおよび/または前記歪みゲージは好ましくは3軸で検出をするように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載のクレーン。
  14. 前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)は動的なタワー変形を検出するための少なくとも1つの回転率センサおよび/または加速度センサおよび/または歪みゲージと、動的なジブ変形を検出するための少なくとも1つの回転率センサおよび/または加速度センサおよび/または歪みゲージとを有する、請求項13に記載のクレーン。
  15. 前記振り子センサ機能(60)は垂線(61)に対する前記巻上げロープ(207)および/または前記荷重受容手段(208)の偏向(φ;β)の検出および見積りをするための検出デバイスを有し、前記振り子減衰デバイス(340)の前記レギュレータモジュール(341)は垂線(61)に対する前記巻上げロープ(207)および/または前記荷重受容手段(208)の判定された偏向(φ;β)に依存して前記駆動デバイスの制御に影響を及ぼすために構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載のクレーン。
  16. 前記検出デバイスは前記巻上げロープ(207)の、特にトロリ(206)の懸架点の領域で実質的に垂直に下方に向かって視認をする撮像式のセンサ機能、特にカメラ(62)を有し、提供された画像で前記荷重受容手段(208)の位置に関して前記撮像式のセンサ機能から提供される画像を評価して、前記荷重受容手段(208)および/または前記巻上げロープ(207)の偏向(φ)および/または垂線(61)に対する偏向速度を判定するための画像評価デバイス(64)が設けられる、請求項15に記載のクレーン。
  17. 前記検出デバイスは、加速度信号と回転率信号を提供するための加速度センサ手段と回転率センサ手段とを有する、前記荷重受容手段(208)に取り付けられた慣性計測デバイス(IMU)と、前記慣性計測デバイス(IMU)の加速度信号と回転率信号から前記荷重受容手段(208)の傾き(εβ)の判定および/または見積りをするための第1の判定手段(401)と、前記荷重受容手段(208)の判定された傾き(εβ)および前記荷重受容手段(208)の慣性加速度(a)から垂線(61)に対する前記巻上げロープ(207)および/または前記荷重受容手段(208)の偏向(β)を判定するための第2の判定手段(410)とを有する、請求項15、又は16に記載のクレーン。
  18. 前記第1の判定手段(401)は、前記慣性計測デバイス(IMU)の回転率信号のためのハイパスフィルタ(403)を有する相補フィルタ(402)と、前記慣性計測デバイス(IMU)の加速度信号もしくはこれから導き出される信号のためのローパスフィルタ(404)とを有し、前記相補フィルタ(402)は、ハイパスフィルタリングされた回転率信号をベースとする、前記荷重受容手段(208)の傾き(εβ,ω)の回転率支援式の見積りと、ローパスフィルタリングされた加速度信号をベースとする、前記荷重受容手段(208)の傾き(εβ,a)の加速度支援式の見積りとを互いに組み合わせて、前記荷重受容手段(208)の傾き(εβ,ω;εβ,a)の組み合わされた回転率支援式の見積りと加速度支援式の見積りから前記荷重受容手段(208)の求める傾き(εβ)を判定するために構成される、請求項17に記載のクレーン。
  19. 前記荷重受容手段(208)の傾き(εβ,ω)の回転率支援式の見積りはハイパスフィルタリングされた回転率信号の積分を含み、および/または前記荷重受容手段(208)の傾き(εβ,a)の加速度支援式の見積りは、測定された水平方向加速度()と測定された垂直方向加速度()との商に依拠し、これから加速度支援式の傾き(εβ,a)の見積りが関係
    Figure 0007224330000151
    を用いて得られる、請求項18に記載のクレーン。
  20. 前記第2の判定手段(410)は、前記荷重受容手段(208)の求められた傾き(εβ)を入力量として考慮して、前記荷重受容手段(208)での慣性加速度(Ia)から垂線(61)に対する前記巻上げロープ(207)および/または前記荷重受容手段(208)の偏向(φ;β)を判定するフィルタデバイスおよび/またはオブザーバデバイスを有する、請求項17~19のいずれか1項に記載のクレーン。
  21. 前記フィルタデバイスおよび/またはオブザーバデバイスはカルマンフィルタ(346)、特に拡張カルマンフィルタを含む、請求項20に記載のクレーン。
  22. 前記第2の判定手段(410)は水平方向の慣性加速度()と重力加速度(g)との商から垂線(61)に対する前記巻上げロープ(207)および/または前記荷重受容手段(208)の偏向(β)を計算するための計算デバイスを有する、請求項17~21のいずれか1項に記載のクレーン。
  23. 前記慣性計測デバイス(IMU)は測定信号および/またはこれから導き出される信号を受信器へ無線式に伝送するための無線式の通信モジュールを有し、前記通信モジュールと前記受信器は好ましくは無線LAN接続を介して相互に接続可能であり、前記受信器は前記巻上げロープが繰り出されるトロリに配置される、請求項17~22のいずれか1項に記載のクレーン。
  24. 前記レギュレータモジュール(341)は前記駆動デバイスを制御するための駆動レギュレータ(347)の調節量に影響を及ぼすためのフィルタデバイスおよび/またはオブザーバデバイス(345)を有し、前記フィルタデバイスおよび/またはオブザーバデバイス(345)は入力量として一方では前記駆動レギュレータ(347)の調節量および他方では前記振り子センサ機能(60)の振り子信号だけでなく、構造コンポーネントの変形および/または動的なそれ自体の運動を表す、制御回路にフィードバックされる構造ダイナミクス信号を受け取り、特定のレギュレータ調節量について得られるダイナミクスで誘起されるクレーン部材の運動および/または構造コンポーネントの変形に依存してレギュレータ調節量に影響を及ぼすために構成される、請求項1~23のいずれか1項に記載のクレーン。
  25. 前記フィルタデバイスおよび/またはオブザーバデバイス(345)はカルマンフィルタ(346)として構成される、請求項24に記載のクレーン。
  26. 前記カルマンフィルタ(346)には前記クレーンの構造コンポーネントのダイナミクスを特徴づける検出および/または見積りおよび/または計算および/またはシミュレートがなされた関数がインプリメントされる、請求項25に記載のクレーン。
  27. 前記レギュレータモジュール(341)は荷重質量(m)、巻上げロープ長さ(l)、トロリ位置(xtr)、および荷下ろしのパラメータ群に属する少なくとも1つのパラメータにおける変化に依存して少なくとも1つの制御特性量、特に制御増幅を追従および/または適合化させるために構成される、請求項1~26のいずれか1項に記載のクレーン。
  28. 巻上げロープ(207)に取り付けられた荷重受容手段(208)が駆動デバイスによって移動し、前記駆動デバイスがクレーンの制御装置(3)によって制御されるクレーン、特にタワークレーンを制御する方法であって、閉ループ制御回路を含むレギュレータモジュール(341)を含む振り子減衰デバイス(340)によって振り子関連のパラメータに依存して前記駆動デバイスの制御に影響が及ぼされる、そのような方法において、前記巻上げロープおよび/または前記荷重受容手段の振り子運動が検出される振り子センサ機能(60)の振り子信号だけでなく、構造コンポーネントの変形および/または動的なそれ自体での運動が検出される構造ダイナミクスセンサ機能(342)の構造ダイナミクス信号も前記閉ループ制御回路にフィードバックされ、前記振り子センサ機能(60)のフィードバックされる振り子信号だけでなく前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)のフィードバックされる構造ダイナミクス信号にも依存して、前記駆動デバイスを制御するための制御信号(u(t))に前記レギュレータモジュール(341)によって影響が及ぼされ、前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)はクレーンジブ(202)を支持するクレーンタワー(201)および/または前記クレーンジブ(202)の動的なねじれを判定し、前記振り子減衰デバイス(340)の前記レギュレータモジュール(341)は検出された前記クレーンジブ(202)および/または前記クレーンタワー(201)の動的なねじれに依存して前記駆動デバイスの制御に影響を及ぼされることを特徴とする方法。
  29. 前記振り子センサ機能(60)のフィードバックされる振り子信号だけでなく前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)のフィードバックされる構造ダイナミクス信号もカルマンフィルタ(346)に供給され、前記カルマンフィルタにはさらに前記駆動デバイスを制御するための駆動レギュレータ(347)の調節量が入力量として供給され、前記カルマンフィルタ(346)は前記振り子センサ機能(60)の前記振り子信号、前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)の構造ダイナミクス信号、および前記駆動レギュレータ(347)のフィードバックされる調節量に依存して前記駆動レギュレータ(347)の調節量に影響を及ぼす、請求項28に記載の方法。
  30. 前記駆動デバイスを制御するための制御信号が前記レギュレータモジュール(341)に前置されたフィードフォワード制御モジュール(350)によりフィードフォワード制御され、前記フィードフォワード制御モジュール(350)は前記振り子センサ機能(60)の前記振り子信号と前記構造ダイナミクスセンサ機能(342)の構造ダイナミクス信号を考慮することなくフィードフォワード制御を実行するために構成される、請求項28、又は29に記載の方法。
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