JP7224082B1 - 光伝送システム、通信方法及び光電複合ケーブル - Google Patents

光伝送システム、通信方法及び光電複合ケーブル Download PDF

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Abstract

光伝送システムは、光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力する第1光伝送路が、前記光源の直後に配置され、さらに、第2光伝送路に光学的に接続される。

Description

本発明は、光伝送システム、光伝送路及び光電複合ケーブルに関する。
近年、データセンタ等の屋内通信の用途では、100m程度の短距離通信を行うことが要求されている。また、大容量通信のために、パルス振幅変調(Pulse-Amplitude Modulation:PAM)などの多値変調方式が検討されている。
多値変調方式を採用する場合、シンボル間の振幅レベルの差が小さいので、誤り率を低減し、通信の品質を高めるためには、より一層の低雑音特性が要求される。
誤り率の低減のための技術として、前方誤り訂正(Forward Error Correction:FEC)と呼ばれる誤り訂正方式が知られている。FECは、例えばDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサを用いて実現される。
特開2000-151516号公報
誤り率の低減のためのFECなどの訂正方式を使用すると、誤り訂正用の符号を付与する必要があるため、データ量が増加し、伝送遅延や、符号化効率の悪化などが問題となる。また、プロセッサの追加による構成の煩雑化や、プロセッサの負荷による発熱や消費電力の増大などが問題となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で高品質かつ大容量の通信を実現できる光伝送システム、光伝送路及び光電複合ケーブルを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力する第1光伝送路が、前記光源の直後に配置され、さらに、第2光伝送路に光学的に接続される光伝送システムである。
本発明の一態様は、光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力する第1光伝送路が、前記光源の直後に配置され、さらに、前記第1光伝送路よりも長い第2光伝送路に光学的に接続される光伝送システムである。
本発明の一態様は、光信号を出力する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光伝送路は、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力する第1光伝送路と、前記第1光伝送路と光学的に接続され、前記第1光伝送路よりも長く、前記光信号に対する伝送損失が100dB/km以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍未満に拡大して出力する第2光伝送路と、を有する光伝送システムである。
本発明の一態様は、光信号を出力する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光伝送路は、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前記光信号の変調方式が多値変調方式であり、誤り訂正方式を用いずにエラーフリーである10-12以下の誤り率を実現する光伝送システムである。
本発明の一態様は、光信号を出力する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光伝送路は、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームを位置ずれさせて入力させたときに、出力されるビームのビーム径の最大値に対する最小値の比が0.7以上である光伝送システムである。
本発明の一態様は、光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光伝送路は、2本以上の光伝送路を接続することによって構成され、各光伝送路同士は、接続箇所のうち少なくとも一箇所では、空気層を介して接続され、接続される光伝送路のうち、少なくとも前記光源の直後に配置される光伝送路は、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力し、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームを位置ずれさせて入力させたときに、出力されるビームのビーム径の最大値に対する最小値の比が0.7以上であって、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下である、光伝送システムである。
本発明の一態様は、光信号を出力する光信号送信機と、前記光信号を受信する光信号受信機と、前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記光伝送路は、2本以上の光伝送路を接続することによって構成され、各光伝送路同士は、接続箇所のうち少なくとも一箇所では、空気層を介して接続され、各光伝送路は、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力し、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームを位置ずれさせて入力させたときに、出力されるビームのビーム径の最大値に対する最小値の比が0.7以上であって、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下である、光伝送システムである。
本発明の一態様は、前記光伝送システムを備えた光電複合ケーブルである。
本発明の一態様は、ボーレートが10Gbaud以上の光信号を出力する光信号送信機に用いられる光伝送路であって、前記光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力する光伝送路である。
本発明によれば、簡易な構成で高品質かつ大容量の通信を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る光伝送システムの模式的な構成図である。 図2は、ビーム径の測定方法を説明する図である。 図3は、参考例1の第2光伝送路としてガラス光ファイバを用いた場合の、入力される光と出力する光のビーム径の測定結果を示す図である。 図4は、第1光伝送路としてプラスチック光ファイバを用いた場合の、入力される光と出力する光のビーム径の測定結果を示す図である。 図5は、第1光伝送路としてプラスチック光ファイバを用いた場合の、入力される光のビーム径rに対する出力する光のビーム径rの比と、長さとの関係を示す図である。 図6は、変調電圧と誤り率(BER)の常用対数との関係を示す図である。 図7は、実施形態2に係る光伝送システムの模式的な構成図である。 図8は、光伝送路としてプラスチック光ファイバを用いた場合の、入力される光と出力する光のビーム径の測定結果を示す図である。 図9は、光伝送路としてプラスチック光ファイバを用いた場合の、入力される光のビーム径rに対する出力する光のビーム径rの比と、長さとの関係を示す図である。 図10は、比較例4のコンスタレーションマップを示す図である。 図11は、実施例10のコンスタレーションマップを示す図である。 図12は、実施例10、比較例4について、30回の測定におけるエラーベクトル振幅を示す図である。 図13は、光伝送路におけるx軸、z軸の設定を説明する図である。 図14は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δxと、出力する光のビーム径との関係を示す図である。 図15は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δzと、出力する光のビーム径との関係を示す図である。 図16は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δxと、出射ビーム径との関係を示す図である。 図17は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δzと、出射ビーム径との関係を示す図である。 図18は、図16の出射ビーム径を規格化した図である。 図19は、図17の出射ビーム径を規格化した図である。 図20Aは、参考例1における、Δxと、誤り率との関係を示す図である。 図20Bは、比較例5における、Δxと、誤り率との関係を示す図である。 図20Cは、実施例8における、Δxと、誤り率との関係を示す図である。 図21Aは、参考例1における、Δzと、誤り率との関係を示す図である。 図21Bは、比較例5における、Δzと、誤り率との関係を示す図である。 図21Cは、実施例8における、Δzと、誤り率との関係を示す図である。 図22Aは、参考例1における、Δxと、結合損失との関係を示す図である。 図22Bは、比較例5における、Δxと、結合損失との関係を示す図である。 図22Cは、実施例8における、Δxと、結合損失との関係を示す図である。 図23Aは、参考例1における、Δzと、結合損失との関係を示す図である。 図23Bは、比較例5における、Δzと、結合損失との関係を示す図である。 図23Cは、実施例8における、Δzと、結合損失との関係を示す図である。 図24は、エラーフリー伝送を実現する条件を示す図である。 図25は、ファイバ間空隙の影響を調べる実験系の模式図である。 図26Aは、参考例1における、変調電圧と、誤り率との関係を示す図である。 図26Bは、比較例5における、変調電圧と、誤り率との関係を示す図である。 図26Cは、実施例8における、変調電圧と、誤り率との関係を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施形態1)
[光伝送システムの構成]
図1は、実施形態1に係る光伝送システムの模式的な構成図である。光伝送システム100は、光信号送受信機10、20と、第2光伝送路31、32と、信号処理回路40、50と、を備えている。光信号送受信機10、20は、光信号送信機の一例でありかつ光信号受信機の一例である。光信号送受信機10、20は、例えばモジュールとして構成されたり、On-Board Optics(OBO)として構成されたりする。
光信号送受信機10は、送受信部11と、第1光伝送路12と、機器内光伝送路13と、コネクタ14、15とを備えている。光信号送受信機20は、送受信部21と、第1光伝送路22と、機器内光伝送路23と、コネクタ24、25とを備えている。
はじめに、光信号送受信機10の構成要素を説明する。送受信部11は、光源であるLD(Laser Diode:LD)11aと、受光素子であるPD(Photo-Diode)11bと、ドライバ-IC11cと、TIA(Trans-Impedance Amplifier)-IC11dとを備えている。
LD11aは、例えばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting laser)であって、例えば850nmの波長でレーザ発振する。LD11aは、ドライバ-IC11cにて制御され、所定の変調方式にて変調された所定の変調速度の光信号を第1光伝送路12に出力する。変調方式はデジタル変調方式であって、例えばNRZ(Non Return to Zero)などのバイナリ変調方式や、PAM4などの多値変調方式であり、ボーレートは例えば10Gbaud以上、又は25Gbaud以上である。NRZの場合、ボーレートとビットレートは等しくなり(例えば、25Gbaud=25Gbps)、PAM4の場合、ビットレートはボーレートの2倍となる(例えば、25Gbaud=50Gbps)。本実施形態では、LD11aは4チャネルアレイであるが、2チャネル以上の任意の数のアレイでもよいし、単体でもよい。
第1光伝送路12は、コネクタ14によってLD11aと光学的に接続され、コネクタ15によって第2光伝送路32と光学的に接続されている。すなわち、第1光伝送路12は、光源であるLD11aと直接、あるいはレンズ系を介して配置されている。(図1ではレンズを介した場合は省略されている。)コネクタ14、15は例えばMTコネクタやMPOコネクタもしくはその他の任意の形状のコネクタでもよい。第1光伝送路12については後に詳述する。本実施形態では、第1光伝送路12はリボンのような4レーンであるが、2レーン以上の任意の数のレーンでもよいし、単レーンでもよい。
これにより、LD11aは、LD11aから出力された光信号を、第1光伝送路12、第2光伝送路32、機器内光伝送路23に伝送させて光信号送受信機20に送信する。
PD11bは、光信号送受信機20から第1光伝送路22、第2光伝送路31、機器内光伝送路13を伝送して送信されてきた光信号を受光し、光信号を電流信号に変化する。TIA-IC11dは、PD11bからの電流信号を増幅しかつ電圧信号に変換して信号処理回路40に出力する。本実施形態では、PD11b、TIA-IC11dは4チャネルアレイであるが、2チャネル以上の任意の数のアレイでもよいし、単体でもよい。
信号処理回路40は、光信号送受信機10に半田付けやコネクタ接続などによって電気的に接続されている。信号処理回路40は、光信号に重畳される変調信号をドライバ-IC11cに供給したり、TIA-IC11dからの電圧信号を処理したりする。
次に、光信号送受信機20の構成要素を説明する。送受信部21は、LD21aと、PD21bと、ドライバ-IC21cと、TIA-IC21dとを備えている。
LD21aは、LD11aと同様に、例えばVCSELであって、例えば850nmの波長でレーザ発振する。LD21aは、ドライバ-IC21cにて制御され、LD11aと同様に所定の変調方式にて変調された所定の変調速度の光信号を第1光伝送路22に出力する。本実施形態では、LD21aは4チャネルアレイであるが、2チャネル以上の任意の数のアレイでもよいし、単体でもよい。
第1光伝送路22は、コネクタ24によってLD21aと光学的に接続され、コネクタ25によって第2光伝送路31と光学的に接続されている。すなわち、第1光伝送路22は、光源であるLD21aと直接、あるいはレンズ系を介して配置されている。コネクタ24、25は、例えばMTコネクタやMPOコネクタもしくはその他の任意の形状のコネクタでもよい。第1光伝送路22については後に詳述する。本実施形態では、第1光伝送路22はリボンのような4レーンであるが、2レーン以上の任意の数のレーンでもよいし、単レーンでもよい。
これにより、LD21aは、LD21aから出力された光信号を、第1光伝送路22、第2光伝送路31、機器内光伝送路13に伝送させて光信号送受信機10に送信する。
PD21bは、光信号送受信機10から第1光伝送路12、第2光伝送路32、機器内光伝送路23を伝送して送信されてきた光信号を受光し、光信号を電流信号に変化する。TIA-IC21dは、PD21bからの電流信号を増幅しかつ電圧信号に変換して信号処理回路50に出力する。本実施形態では、PD21b、TIA-IC21dは4チャネルアレイであるが、2チャネル以上の任意の数のアレイでもよいし、単体でもよい。
信号処理回路50は、光信号送受信機20に半田付けやコネクタ接続などによって電気的に接続されている。信号処理回路50は、光信号に重畳される変調信号をドライバ-IC21cに供給したり、TIA-IC21dからの電圧信号を処理したりする。
以上のように、光伝送システム100は、双方向光伝送が可能に構成されており、第1光伝送路22、第2光伝送路31、機器内光伝送路13が、光信号を伝送する光伝送路61を構成している。また、第1光伝送路12、第2光伝送路32、機器内光伝送路23が、光信号を伝送する光伝送路62を構成している。なお、第2光伝送路31、32と、光信号送受信機10、20とは、一体化されてAOC(Active Optical Cable)を構成していてもよい。
[光伝送路の構成]
次に、第1光伝送路12、22、第2光伝送路31、32、機器内光伝送路13、23の構成について説明する。
はじめに、第2光伝送路31、32は、石英系ガラスなどのガラスやプラスチックからなるマルチモード光ファイバ(Multi-Mode Fiber:MMF)である。第2光伝送路31、32の光信号に対する伝送損失(例えば波長850nmにおける伝送損失)は例えば100dB/km以下、又は50dB/km以下、更には10dB/km以下、また更には3dB/km以下であり、コア径は例えば50μm程度であり、開口数(NA)は例えば0.2程度である。また、第2光伝送路31、32は、第1光伝送路12、22、機器内光伝送路13、23のいずれよりも長い。第2光伝送路31、32は、屈折率分布(Graded-Index:GI)型でもよい。
次に、第1光伝送路12、22は、石英系ガラスなどのガラスからなる光ファイバや、プラスチックからなる光ファイバ(Plastic Optical Fiber:POF)であって、MMFである。第1光伝送路12、22は、GI型でもよい。第1光伝送路が数cm~数十cm以下の場合は、十分な伝送帯域が確保されるため、GI分布は必要なく、SI(Step-Index)型分布であってもよい。また、第1光伝送路は、本発明で規定されるような散乱が制御された伝送路であれば、その形状は光導波路形状、光ファイバ形状等、特に限定されるものではない。すなわち、第1光伝送路の断面の形状は、例えば円形、矩形、またはその他任意の形状であってもよい。
第1光伝送路12、22は、光信号に対する散乱損失(例えば波長850nmにおける散乱損失)は、例えば50dB/km以上、又は100dB/km以上、又は200dB/km以上、又は500dB/km以上、更には1000dB/km以上である。このような第1光伝送路12、22では、光信号は前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングしながら伝送する。その結果、第1光伝送路12、22は、それぞれに入力された光信号のビーム径を3倍以上に拡大して出力する。なお、これに対して、第2光伝送路31、32は、それぞれに入力された光信号のビーム径を3倍未満に拡大して出力する。なお、このような第1光伝送路12、22は、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ビーム径を3倍以上に拡大して出力する(図2の中心励振状態での評価を参照)。また、第2光伝送路31、32は、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ビーム径を3倍未満に拡大して出力する。
本発明者は、このようにLD11a又はLD21aから出力された光信号を第1光伝送路12又は22によってビーム径を拡大させた後に第2光伝送路31又は32を伝送させ、PD21b又はPD11bによって受光する実験を行った。すると、驚くべきことに、光伝送路61、62が第1光伝送路12及び22を有さないときよりも、光伝送における誤り率が低くなることを見出した。
言い換えると、光伝送システム100は、通常使用されるようなビーム径の拡大率が小さい第2光伝送路31及び32に、ビーム径の拡大率が極めて大きい第1光伝送路12及び22を追加するという簡易な構成にて、高品質かつ大容量の通信を実現できる。
ただし、第1光伝送路12、22の長さが長すぎると、第1光伝送路12、22による光信号の損失が大きくなる。そこで、例えば、第1光伝送路12、22は、光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であることが好ましい。この場合、第1光伝送路12、22の長さは1~数十cmであり得る。例えば、光信号送受信機10、20が光トランシーバモジュールとして構成されている場合は1~数cmであり得る。また、例えば、光信号送受信機10、20がOBOとして構成されている場合は、筐体内を引き回されて数十cmとなり得る。
機器内光伝送路13、23は、本実施形態では、例えば第2光伝送路31、32のいずれかと同種である。ただし、機器内光伝送路13、23は、例えば第1光伝送路12、22のいずれかと同種でもよい。機器内光伝送路13、23の長さは、例えば第1光伝送路12、22のいずれかと同程度でもよい。
(ミクロ不均一構造の形成)
次に、第1光伝送路12、22の好適な例について詳述する。例えば、光ファイバのコア内に数100オングストローム程度、あるいは、それよりも大きな相関長のミクロな不均一構造を有するようなものとすれば、石英系ガラス系の光ファイバで観測されるいわゆるレイリー散乱とは異なる前方性散乱を大きくすることが可能となる。
例えば、分子量数10万の高分子鎖はコイル状の構造を持ち、慣性半径は数100オングストローム程度である。さらに、高分子コイル同士がわずかに会合し大きな不均一構造を形成することもある。その場合には、例えば、デバイの散乱理論から導かれるように相関距離が大きくなり、さらに前方散乱が生じ、モードカップリングに寄与する。また、ミクロな不均一構造は、共重合体によっても形成することが出来る。一般に共重合体は、組成分布を持ち、同種のモノマーユニットが会合するなど、ホモポリマーよりもさらに不均一構造を形成しやすい。それらの不均一構造は、押出成形の製造条件・ポリマーの分子量・熱履歴にもよるが、エンタルピー緩和現象を有効に活用し、適切な準安定なエンタルピー状態を達成できれば、使用上問題なく特定のミクロ不均一構造を有するポリマーを量産することができる。石英ガラスにはそのようなミクロ不均一構造は存在しない。
ミクロ不均一構造をポリマーに持たせる以外に散乱を制御する方法として、ポリマーあるいはガラス内に粒子を添加することも有効である。例えば、光信号送受信器内に収まる数cm以下の第1光伝送路を考えた場合、より強いモード結合を可能とする散乱が必要となる。そのためには、コア内に屈折率の異なるサブミクロンあるいはミクロンオーダーの粒子を添加することが有効である。粒子の候補としては、コアを構成するポリマーまたはガラス媒体とは屈折率が異なるものであれば制限がなく、鉄などの金属粒子、シリコン粒子、シリカ粒子、炭酸カルシウムなどの鉱物粒子などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。それらの粒子により、前方散乱を強めるためには、ナノサイズの粒子より、より大きなミクロンサイズの粒子が望ましい。粒子を添加する代わりに、マイクロボイドの形成は同様の効果をもたらし、有効に作用する。
GI型POFの一態様として、ポリマーマトリクスと異なる屈折率を有する低分子ドーパントの濃度を半径方向に変化させることにより、屈折率分布が形成される。ドーパントの大きさは数~数十オングストローム程度であり、一分子から生じる光散乱の強度は無視できるほど小さいが、数百~数千オングストローム程度のオーダーでわずかにドーパント濃度が揺らいでいると、それにより、ミクロ不均一構造が形成され、前方への光散乱が誘発される。このわずかなドーパントの揺らぎ/会合はポリマーマトリクスとドーパントとのわずかな相溶性の違いにより生じる。したがって、溶解性パラメータを指針に、ポリマーとドーパントとの相溶性の違いを検討することで、ドーパントの揺らぎ/会合によるミクロ不均一構造の制御が可能となり、モード結合を制御できる。また、屈折率分布形成のためのドーパントのみならず、ミクロ不均一構造を形成するための低分子を添加することによっても、同様の原理により、前方散乱に起因したモード結合を制御することが可能となる。
例えば、アクリル系ポリマーは、分子内に存在するエステル基により分子内及び分子間での相互作用が存在する。これに対して、ジオキソレン等の全フッ素化ポリマーは、そのようなエステル基が存在しない。このため、分子内、分子間相互作用は、アクリル系ポリマーに比べて小さい。しかしながら、いずれのポリマーも数百オングストロームの大きさの慣性半径を持つ分子コイルの集合体であり、例えば押出成形において、比較的安定したミクロ不均一構造を制御することができる。
(第1光伝送路に用いる重合体の例)
第1光伝送路12、22のコア部及びクラッド部を構成する重合体は、当該分野で公知の方法によって製造することができる。例えば、重合体を構成するモノマーの混合物を、溶液重合、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合等に付す方法などが挙げられる。なかでも、異物、不純物の混入を防ぐという観点から、塊状重合法が好ましい。
この際の重合温度は、特に限定されず、例えば、80~150℃程度が適している。反応時間は、モノマーの量、種類、後述する重合開始剤、連鎖移動剤等の量、反応温度等に応じて適宜調整することができ、20~60時間程度が適している。これらの重合体は、コア部及び/又はクラッド部を成形する際に、同時に又は連続して製造してもよい。
コア部を構成する重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系化合物として、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル等;スチレン系化合物として、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等;ビニルエステル類として、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等;マレイミド類として、N―n-ブチルマレイミド、N―tert-ブチルマレイミド、N―イソプロピルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミド等、これらモノマーのC-H結合の水素原子の一部が塩素置換、フッ素置換、重水素置換された物質が例示される。上記重合体を構成するC-H結合間の伸縮振動は、例えば、光源波長850nmにおいてその倍音により吸収損失を生じる。しかし、第1光伝送路が数cm~数十cm以下の場合には、その吸収損失は無視できる場合がある。そのような場合には、ハロゲン化されていないアクリル、スチレン等、一般の重合体を使用してもよい。
重合体を製造する際、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を使用することが好ましい。重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が挙げられる。例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサネート、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n-ブチル4,4,ビス(t-ブチルパーオキシ)バラレートなどのパーオキサイド系化合物;2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'―アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2'-アゾビス(2-メチルブタン)、2,2'-アゾビス(2-メチルペンタン)、2,2'-アゾビス(2,3-ジメチルブタン)、2,2'-アゾビス(2-メチルヘキサン)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタン)、2,2'-アゾビス(2,3,3-トリメチルブタン)、2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、3,3'-アゾビス(3-メチルペンタン)、3,3'-アゾビス(3-メチルヘキサン)、3,3'-アゾビス(3,4-ジメチルペンタン)、3,3'-アゾビス(3-エチルペンタン)、ジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ジエチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ジ-t-ブチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。重合開始剤は、全モノマーに対して0.01~2重量%程度で用いることが適している。
連鎖移動剤としては、特に限定されることなく、公知のものを用いることができる。例えば、アルキルメルカプタン類(n-ブチルメルカプタン、n-ペンチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ラウリルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m-ブロモチオフェノール、p-ブロモチオフェノール、m-トルエンチオール、p-トルエンチオール等)等が挙げられる。なかでも、n-ブチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ラウリルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタンが好適に用いられる。また、C-H結合の水素原子が重水素原子又はフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いてもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
連鎖移動剤は、通常、成形上及び物性上、適当な分子量に調整するために用いられる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUP及びE.H.IM M ERGUT編、JOHN W ILEY&SON発行)「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人、昭和47年刊)等を参考にして、実験によって求めることができる。よって、連鎖移動定数を考慮して、モノマーの種類等に応じて、適宜、その種類及び添加量を調整することが好ましい。例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.1~4重量部程度が挙げられる。
コア部及び/又はクラッド部を構成する重合体は、重量平均分子量が、5~30万程度の範囲のものが適しており、10~25万程度のものが好ましい。適当な可撓性、透明性等を確保するためである。コア部とクラッド部とにおいては、例えば、粘度調整等のために、分子量が異なっていてもよい。重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されたポリスチレン換算の値を指す。
第1光伝送路12、22を構成する重合体には、光ファイバとしての透明性、耐熱性等の性能を損なわない範囲で、必要に応じて、配合剤、例えば、熱安定化助剤、加工助剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤等を配合してもよい。これらは、それぞれ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの配合物とモノマー又は重合体とを混合する方法は、例えば、ホットブレンド法、コールドブレンド法、溶液混合法等が挙げられる。
(第1光伝送路に用いられる含フッ素重合体)
第1光伝送路12、22のコア材料として含フッ素重合体(全フッ素、部分フッ素材料を含む)を使用する場合、次のような方法により合成することができる。
[合成例A] 全フッ素系材料の合成方法
全フッ素材料としては、一般的に製品名TEFRON-AF(DuPont社)やHyflonAD(Solvay社)や、CYTOP(AGC社)を用いる事ができる。またこれらの主環構造にテトラフルオロエチレン等で共重合した全フッ素重合体を用いてもよい。またジオキソレン骨格を有する全フッ素重合体も用いる事ができる。次にジオキソレン骨格を有する全フッ素材料の合成方法について述べる。
<パーフルオロ-4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソランの合成>
2-クロロ-1-プロパノールと1-クロロ-2-プロパノールとトリフルオロピルビン酸メチルを脱水縮合反応により2-カルボメチル-2-トリフルオロメチル-4-メチル-1,3-ジオキソランの精製物を得た。次にパーフルオロ-4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソランのフッ素化を行う。溶媒として1,1,2-トリクロロトリフルオロエタンを用い、窒素ガス及び、フッ素ガスを各々一定の流速で流し、窒素/フッ素の雰囲気下において、先に準備した2-カルボメチル-2-トリフルオロメチル-4-メチル-1,3-ジオキソランを反応槽にゆっくり加えることによりフッ素化処理を行いパーフルオロ-2,4-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-カルボン酸を得た。上記蒸留物を水酸化カリウム水溶液で中和し、パーフルオロ-2,4-ジメチル-2-カルボン酸カリウム-1,3-ジオキソランを得た。このカリウム塩を真空乾燥し、更にアルゴン雰囲気下で、塩を分解することで、パーフルオロ-4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソランを得た。上記にて得られたパーフルオロ-4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソランとパーフルオロベンゾイルパーオキサイドをガラスチューブにいれ、これを冷凍/解凍真空機で脱気した後、アルゴンを再充填し、数時間加熱した。内容物は固体となり、透明なポリマーが得られた。このポリマーを用いて光ファイバを作製した。
含フッ素重合体(全フッ素、部分フッ素材料を含む)の溶融状態における粘度は、溶融温度200℃~300℃において103~105ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、ドーパントの拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝送性能が低下する。
含フッ素重合体の数平均分子量は、10,000~5000,000が好ましく、より好ましくは50,000~1000,000である。分子量が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるため好ましくない。
(第1光伝送路に用いられる部分塩素重合体)
第1光伝送路12、22のコア材料として部分塩素系材料を使用する場合、上述した、一般的作成方法である全フッ素材料の合成方法と同様の方法により合成することができる。
[合成例B] 部分塩素材料の合成(特許第5419815号参照)
次に部分塩素系材料の作成方法について、簡単に述べる。予め蒸留精製したトリクロロエチルメタクリレートと昇華精製したシクロヘキシルマレイミドと屈折率付与剤のドーパントとしてジフェニルスルフィドを各々精秤し、ガラス容器に入れた。更に、全重量中の濃度に対し所定量の重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド及び連鎖移動剤としてノルマル-ラウリルメルカブタンを添加した。この溶液を十分混合後、細孔径のメンブレンフィルタを通すことによりガラス製重合容器に入れ濾過を行った。次にこの溶液の入ったガラス製重合管にアルゴンガスを導入しながら、凍結脱気法により溶存空気を除去した。このガラス重合管をオーブンに入れアルゴンガスを導入しながら重合容器の温度を上げ、モノマーを重合し、更に温度をあげることで重合反応を完了させた。このガラス管を開封し、固化した透明な重合ロッドを得た。
(屈折率分布形成のためのドーパント)
ドーパントの溶解性パラメータがポリマーの溶解性パラメータと等しく相溶性が良い場合には、ドーパントはポリマーマトリクス内に均一に存在する。一方、ドーパントとポリマーの溶解性パラメータの差が大きくなるにつれ、ドーパント同士が凝集しあう傾向が増加し、ドーパントの濃度分布による屈折率不均一構造が形成される。一般的な溶解性パラメータの知見にとどまらず、ドーパントとポリマーとの局所的相互作用(例えば、特定の官能基間に相当するセカンダリーな電子分極等)を加えることによってもドーパントのミクロな濃度分布を形成することが可能となる。全フッ素系のコア材料向けのドーパントとしては通常は全フッ素重合体よりも高屈折率の物質を用いる。すなわち、物質ドーパントは、全フッ素重合と同様な理由から実質的にC-H結合を有しない物質であり、全フッ素重合体より屈折率が0.05以上大きいことがより好ましい。より屈折率が大きいと所望の屈折率分布を形成するために必要なドーパントの含有量がより少なくて良いため、ガラス転移温度の低下が少なくてすみ、その結果、光ファイバの耐熱性が高まるので、0.1以上大きいことが特に好ましい。
ドーパントとしては、ベンゼン環等の芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エーテル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマ、ポリマーが好ましいが、ポリマーの場合、分子量が大きくなると全フッ素重合体との相溶性が低下し、その結果光散乱損失が大きくなるため、あまり分子量が大きいものは好ましくない。また、逆に分子量の小さな化合物の場合、含フッ素重合体との混合物におけるガラス転移温度が低くなり光ファイバの耐熱温度が低下する原因となるため、小さすぎても好ましくない。ゆえに、ドーパントの数平均分子量は3×102~2×103が好ましく、3×102~1×103がより好ましい。
ドーパントの具体的な化合物としては、特開平8-5848号公報に記載されるようなクロロトリフルオロエチレンの5~8量体であるオリゴマ、ジクロロジフルオロエチレンの5~8量体であるオリゴマ、又は前記全フッ素重合体を形成する単量体の内高い屈折率のオリゴマを与える単量体(例えば塩素原子を有する単量体)を重合することによって得られる2~5量体オリゴマがある。
上記オリゴマのような含ハロゲン脂肪族化合物以外に、炭素原子に結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素や含ハロゲン多環式化合物なども使用できる。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含む(又はフッ素原子と相対的に少数の塩素原子を含む)フッ化芳香族炭化水素や含フッ素多環式化合物が、含フッ素重合体との相溶性の面で好ましい。また、これらのハロゲン化芳香族炭化水素や含ハロゲン多環式化合物は、カルボニル基、シアノ基などの極性のある官能基を有していないことがより好ましい。
このようなハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば式Φr-Zb[Φrは水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Zはフッ素以外のハロゲン原子、-Rf、-CO-Rf、-O-Rf、あるいは-CN。ただし、Rfはペルフルオロアルキル基、ポリフルオロペルハロアルキル基、又は1価のΦr。bは0又は1以上の整数。]で表される化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタレン環がある。Rfであるペルフルオロアルキル基やポリフルオロペルハロアルキル基の炭素数は5以下が好ましい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や臭素原子が好ましい。具体的な化合物としては例えば、1,3-ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4-ジブロモテトラフルオロベンゼン、2-ブロモテトラフルオロベンゾトリフルオライド、クロペンタフルオロベンゼン、ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、ペルフルオロアセトフェノン、ペルフルオロビフェニル、クロロヘプタフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレンなどがある。含フッ素多環式化合物の例として特に好ましいドーパントは、全フッ素重合体、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との相溶性が良好であり、かつ耐熱性が良好であること等から、クロロトリフルオロエチレンオリゴマ、ペルフルオロ(トリフェニルトリアジン)、ペルフルオロターフェニル、ペルフルオロクアトロフェニル、ペルフルオロ(トリフェニルベンゼン)、ペルフルオロアントラセンである。相溶性が良好であることにより、含フッ素重合体、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体と混合すべき物質とを200~300℃で加熱溶融により容易に混合させることができる。また、含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合させることができる。
部分塩素系、又は部分フッ素系のコア材料に用いるドーパントとしては、低分子化合物又はこれら化合物中に存在する水素原子を重水素原子に置換した化合物等が挙げられる。高い屈折率をもつ低分子化合物としては、ジフェニルスルホン(DPSO)及びジフェニルスルホン誘導体(例えば、4,4'-ジクロロジフェニルスルホン、3,3',4,4 '-テトラクロロジフェニルスルホン等の塩化ジフェニルスルホン)、ジフェニルスルフィド(DPS)、ジフェニルスルホキシド、ジベンゾチオフェン、ジチアン誘導体等の硫黄化合物;トリフェニルホスフェート(TPP)、リン酸トリクレジル等のリン酸化合物;安息香酸ベンジル;フタル酸ベンジルn-ブチル;フタル酸ジフェニル;ビフェニル;ジフェニルメタン等が挙げられる。低い屈折率をもつ低分子化合物としては、トリス-2-エチルヘキシルホスフェート(TOP)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(第1光伝送路の製造方法)
ミクロな不均一構造を作りやすくするために、光ファイバを紡糸する際の温度や引き出し速度を制御しても良い。含フッ素重合体を用いた光ファイバの一般的な作成方法としてはプリフォーム法及び溶融押出法が良く知られている。プリフォーム法は予めコアとクラッドのロッドと呼ばれる棒状のプラスチック成型体を作成する。このコアロッドを中心に配置し、クラッドロッドは中空部を有し、コアの外周部に覆われるように一体化しプリフォームと呼ばれる棒状物を作製する。このプリフォームを一般的な紡糸装置にセットし、プリフォーム外周部を筒状のヒータ等で均一に加熱溶融させ、先端部分を一定速度で引取延伸しファイバ状にし、冷却巻き取ることで光ファイバを得る方法である。
一方溶融押出法は、ドーパントが予め所定量混合されたポリマーをコア用ポリマーとし、ドーパントを含まないポリマーをクラッドポリマーとして一般的な溶融押出装置に充填し、二つの押出機により溶融ポリマーを合流させ共押出することで、ノズルから両ポリマーを吐出させて光ファイバ-を得る方法である。一般的にはスクリューを有する押出機を使用してもよいが、窒素ガス等の圧力で溶融押出してもよい。また、必要に応じて被覆層を設けることもできる。
溶融コアポリマーと溶融クラッドポリマーを共押出しした後の熱処理工程により、ミクロ不均一構造を形成することも可能となる。例えば、共押出の後急冷を行うと、ポリマーのエンタルピー緩和が生じる前にポリマーは大きな体積を持ったままガラス状態化される。一方、十分な熱処理工程をガラス転移温度近辺で行うと、エンタルピー緩和により体積はわずかに減少する。そのエンタルピー緩和がミクロ領域で形成された場合、いわゆるミクロ不均一構造を形成する。また、共押出の後更に延伸工程を加えると、溶融押出されたファイバの分子は配向を受けその配向度により配向複屈折が生じる。その配向複屈折は、ファイバ軸方向のみならず、結果的に半径方向ならびに特異な方向においても複屈折を生じることになる。この複屈折構造もモード結合を促進する。
本発明の光ファイバを製造する方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、1層又は2層以上のコア部の外周に1層又は2層以上のクラッド部を形成するために、界面ゲル重合法、回転重合、溶融押出ドーパント拡散法、複合溶融紡糸及びロッドインチューブ法等を利用することができる。また、予めプリフォームを形成し、延伸、線引き等を行ってもよい。
具体的には、中空状のクラッド部を作製し、このクラッド部の中空部にコア部を作製する方法が挙げられる。この場合、コア部を構成するモノマーをクラッド部の中空部に導入し、クラッド部を回転させながら重合体を重合して、クラッド部より高い屈折率を有するコア部を形成する。この操作を1回のみ行って、1層のコア部を形成してもよいし、この操作を繰り返すことにより、複数層からなるコア部を形成してもよい。
用いる重合容器は、ガラス、プラスチック又は金属性の円筒管形状の容器(チューブ)で、回転による遠心力などの外力に耐え得る機械的強度及び加熱重合時の耐熱性を有するものが利用できる。重合時の重合容器の回転速度は、500~3000rpm程度が例示される。通常、モノマーをフィルターにより濾過して、モノマー中に含まれる塵埃を除去してから、重合容器内に導入することが好ましい。
なお、光ファイバにおいてGI型の屈折率分布をつけるには、例えば、WO93/08488号に記載されたように、モノマー組成比を一定にして、ドーパントを加えて、重合体の界面でモノマーを塊状重合させ、その反応によってドーパントの濃度分布を付与する界面ゲル重合又はその界面ゲル重合の反応機構を回転重合法で行う回転ゲル重合法及び屈折率の異なるモノマー仕込み組成比率を漸進的に変化させ、つまり、前層の重合率を制御(重合率を低く)し、より高屈折率になる次層を重合し、クラッド部との界面から中心部まで、屈折率分布が漸進的に増加するように、回転重合を行うなどの方法が例示される。
更に、2台以上の溶融押出機と2層以上の多層ダイ及び多層用紡糸ノズルを用いて、コア部及びクラッド部を形成する方法であってもよい。つまり、コア部及びクラッド部を構成する重合体等を、それぞれ加熱溶融させ、個々の流路から多層ダイ及び多層用紡糸ノズルへ注入する。このダイ及びノズルでコア部を押出成形すると同時に、その外周に1層又は2層以上の同心円状のクラッド部を押出し、溶着一体化させることでファイバ又はプリフォームを形成することができる。
また、2台以上の溶融押出機と2層以上の多層ダイ及び多層用紡糸ノズルを用いて、コア部及びクラッド部を形成した後、引続いて設けられた熱処理ゾーンでドーパントを周辺部又は中心部に向かって拡散させ、ドーパントの濃度分布を付与する溶融押出ドーパント拡散法、2台以上の溶融押出機にそれぞれドーパント量を変えた重合体等を導入して、多層構造でコア部及び/又はクラッド部を押出成形する方法などが例示される。
SI型の屈折率分布をつける場合には、モノマー組成比及び/又はドーパントの添加量を最初から最後まで一定にして回転重合等を行うことが適している。マルチステップ型の屈折率分布を付与する場合には、回転重合等において、前層の重合率を制御(重合率を高く)し、より高屈折率になる次層を重合することが好ましい。
(実施例1~3、参考例1)
実施例1~3として、上記に記載した溶融押出法にて作製したGI-POFを第1光伝送路とした。そして、実施例1~3の光伝送路の特性と、石英系光ファイバからなる、波長850nmにおける伝送損失が2.3dB/km、コア径が50μm程度であり、NAが0.2程度である参考例1の第2光伝送路の特性とを測定した。
図2は、ビーム径の測定方法を説明する図である。ビーム径はニアフィールドパターン(NFP)の測定から得られる。すなわち、中心波長850nmの単一周波数のDBRレーザ201の偏波保持シングルモード光ファイバ202のピグテール(APC研磨)からの出射光203(モードフィールド径4.9μm、ガウシアンビーム)をハーフミラーを介してレンズ204を用いて光伝送路205(第1光伝送路又は第2光伝送路)に入力した。この際、CCDカメラ206による顕微観察を用いて光伝送路205のコア中心に光がレンズ204を介して入力するようにし、中心励振条件での評価を行うこととする。そして光伝送路205の入力端面とは反対側の端面から出力された光207のNFPを、NFP測定装置208(Precise Gauges社製NFP1006)を用いて測定し、光伝送路205から出力された光のビーム径を求めた。また、光伝送路205に入力される光のビーム径については、図2の測定系においてレンズ204から出力される光を測定し、求めた。
図3は、参考例1の第2光伝送路における入力される光と出力する光のビーム径の測定結果を示す図である。なお、図3ではNFPとして測定されるイメージを示している。入力される光信号を「Input」、出力する光信号を「Output」で示し、かつ参考例1の第2光伝送路の長さは10m、30m、100mの三種類とした。また、図中の白いバーは長さ10μmのスケールである。そして、測定したNFPから、2次モーメント法を用いてビーム径(D4σ幅)を算出した。すると、図3からわかるように、入力される光のビーム径は4.9μmであったが、参考例1の第2光伝送路では、100mの伝送後にもビーム径は殆ど拡大せず、3倍未満の拡大比であった。
図4は、実施例1~3の第1光伝送路における出力する光のビーム径の測定結果を示す図である。図4ではNFPとして測定されるイメージを示している。なお、入射される光のビーム径は図3の「Input」と同じなので図示を省略する。第1光伝送路の特性は以下の通りである。
実施例1の第1光伝送路は、波長850nmにてOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)で測定したOTDR損失が460dB/kmであった。この損失は、殆どが散乱損失に起因するものと考えられる。また、コア径は40μm~45μm程度であった。
実施例2の第1光伝送路は、OTDR損失が870dB/kmであった。この損失は、殆どが散乱損失に起因するものと考えられる。また、コア径は42.8μm程度であった。
実施例3の第1光伝送路は、OTDR損失が2190dB/kmであった。この損失は、殆どが散乱損失に起因するものと考えられる。また、コア径は45.1μm程度であった。
また、実施例1~3のいずれの第1光伝送路についても、長さは0.15m、0.30m、0.50m、1.0m、2.0m、3.0mとした。
図4(a)、(b)、(c)は、それぞれ、実施例1、2、3の第1光伝送路のNFP像である。図4からわかるように、第1光伝送路ではいずれも長さ0.15mにてビーム径は既に拡大しており、3.0mでは大きく拡大した。
図5は、実施例1~3の第1光伝送路における入力される光のビーム径rに対する出力する光のビーム径rの比r/rと、長さ(Fiber Length)との関係を示す図である。図5からわかるように、実施例1~3の第1光伝送路のいずれも、入力された光信号のビーム径を3倍以上に拡大して出力している。すなわち、実施例1~3の第1光伝送路のいずれにおいても、r/rが3以上であり、特に実施例3ではいずれの長さでもr/rが6以上であった。このことは、第1光伝送路のうちでは散乱損失が大きい光伝送路である程、モードカップリングが顕著に発生していることを意味していると考えられる。
(実施例4~7、比較例1、2)
次に、実施例3の第1光伝送路(OTDR損失:2190dB/km)を用いて、実施形態1に係る光伝送システム100と類似する構成の光伝送システムを構築し、誤り率の測定を行った。
ここで、比較例1の光伝送システムとして、図3に示した参考例1の長さ100mの第2光伝送路を第2光伝送路32とし、第1光伝送路12および機器内光伝送路23は接続せず、光信号送受信機10を光送信機として使用し、光信号送受信機20を光受信機として、光伝送システムを構築した。
また、実施例4の光伝送システムとして、光伝送システム100の構成において、図3に示した長さ100mの第2光伝送路を第2光伝送路32とし、第1光伝送路12を実施例3の第1光伝送路の0.15mとし、機器内光伝送路23は接続せず、光信号送受信機10を光送信機として使用し、光信号送受信機20を光受信機として、光伝送システムを構築した。ただし、第1光伝送路12と第2光伝送路32とは、ギャップ長が50μmの空気層(空隙)を介して接続されており、径方向および角度方向への軸ずれが無視できる条件のもとで測定を行った。
また、実施例5の光伝送システムとして、実施例4の光伝送システムの構成において、第1光伝送路12を実施例3の第1光伝送路の0.30mとし、光伝送システムを構築した。
また、実施例6の光伝送システムとして、実施例5の光伝送システムの構成において、第1光伝送路12を実施例3の第1光伝送路の0.50mとし、光伝送システムを構築した。
また、実施例7の光伝送システムとして、実施例6の光伝送システムの構成において、第1光伝送路12を実施例3の第1光伝送路の1.0mとし、光伝送システムを構築した。
また、比較例2の光伝送システムとして、実施例7の光伝送システムの構成において、第1光伝送路12を実施例3の第1光伝送路の3.0mとし、光伝送システムを構築した。
また、LDはVCSELであって、波長を850nmとし、変調方式をNRZ(Non Return to Zero) PRBS(Pseudo Random Bit Sequence)とし、ビットレートを10Gbpsとし、パターン長を231-1とし、バイアス電流を5mAとし、変調電圧(Modulation Voltage)を0.10V~0.40Vまで0.02V間隔で変化させ、測定時間を10分とした。
図6は、変調電圧と誤り率(BER)の常用対数との関係を示す図である。なお、図6では、log10(BER)が-12以下の場合は-12としてデータ点を示している。
図6に示すように、実施例4~7では、比較例1でBERが10-12以下のエラーフリー伝送が実現される0.20Vよりも低い変調電圧にてエラーフリー伝送が実現されることが確認された。一方、比較例2の場合は、エラーフリー伝送を実現できる変調電圧は0.26Vであり、比較例1の場合よりも高かった。その理由は、比較例2では、波長850nmの光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dBより大きい6.57dBであったため、光信号の損失が大きすぎてかえって品質が劣化したためと考えられる。
第1光伝送路のコア内の屈折率分布形状は、一般によく使われるべき乗則近似における屈折率分布係数gによって表される(Bell Syst. Tech. J., vol.52, no.9, pp.1563-1578,(1973).)。モード分散を最小にするg値は、材料分散にもよるが、通常2付近にある。しかしながら、第1光伝送路は数センチメートル以下である場合もあり、その場合にはモード分散はほとんど無視することができる。実際、実施例4~7で使用した実施例3の第1光伝送路の屈折率分布係数gは7.5付近であったにもかかわらず、図6に示すようにBERの劇的な低減効果を示している。すなわち、理想分布のg=2から大きくかけ離れて大きいg値であっても、ビーム径(r/r)を十分に拡大することができれば、高品質な伝送を達成することができる。第1光伝送路は、コア内の屈折率分布形状のg値がさらに大きなSI型状屈折率分布であってもよい。短い距離でビーム径(r/r)を効率よく拡大させるためには、コア中心部の屈折率分布がフラットに近づく大きなg値であってもよい。
なお、実施例4~7の光伝送システムでは、変調電圧が0.16Vでもエラーフリー伝送が可能なので、変調方式をPAM4またはそれ以上の多値変調としても、エラーフリー伝送が実現されると期待できる。
以上説明したように、実施形態1に係る光伝送システム100は、簡易な構成で高品質かつ大容量の通信を実現できるという効果を奏する。このことは、光伝送路が、光伝送路として第2光伝送路のみを有する場合よりも、第1光伝送路も有する方が、信号劣化が抑制されることを意味している。
特に、光伝送システム100では、誤り訂正方式を用いずに10-12以下の誤り率を実現できるので、誤り訂正方式を用いる際のDSPなどのプロセッサの追加による構成の煩雑化や、伝送遅延や、符号化効率の悪化や、プロセッサの負荷による発熱や消費電力の増大などの問題が発生しない。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る光伝送システムの模式的な構成図である。光伝送システム100Aは、図1に示す光伝送システム100において、コネクタ15、25を削除し、光伝送路61を光伝送路61Aに置き換え、光伝送路62を光伝送路62Aに置き換えた構成を有する。
光伝送路61A、62Aは、石英系ガラスなどのガラスやプラスチックからなるMMFである。光伝送路61A、62Aは、GI型でもよい。光伝送路61A、62Aは、光信号(例えば波長850nm)に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されて中心励振にて入力されたガウシアンビームのビーム径を3倍以上に拡大して出力する。光信号に対する伝送損失(例えば波長850nmにおける伝送損失)は例えば50dB/km以上、または100dB/km以上であり、コア径は例えば50μm程度であり、NAは例えば0.2程度である。光伝送路61A、62Aは、たとえば最大で100mの長さ(伝送距離)である。
この光伝送システム100Aのように、光伝送路61A、62Aを用いても、光伝送システム100と同様に、簡易な構成にて、高品質かつ大容量の通信を実現できる。
例えば、光伝送システム100Aにおいて、光信号の変調方式がPAM4のような多値変調方式であり、誤り訂正方式を用いずにエラーフリーである10-12以下の誤り率を実現することができる。
(実施例8)
実施例8として、上記に記載した溶融押出法にて作製したGI-POFを光伝送路とした。実施例8の光伝送路は、波長850nmにて伝送損失が120dB/kmであった。この損失は、殆どが散乱損失に起因するものと考えられる。また、コア径は50μm程度、NAは0.185程度であった。そして、実施例8の光伝送路の特性を測定した。具体的には、図2に示す測定方法を用いて、実施例8の光伝送路に対して入力される光と出力する光のビーム径を測定した。
図8は、実施例8の光伝送路における出力する光のビーム径の測定結果を示す図である。図8ではNFPとして測定されるイメージを示している。なお、長さは1m、5m、10m、30m、50m、100mとした。図8からわかるように、光伝送路では長さが長くなるにつれてビーム径が徐々に拡大した。
図9は、実施例8の光伝送路における入力される光のビーム径rに対する出力する光のビーム径rの比r/rと、長さ(Fiber Length)との関係を示す図である。図9からわかるように、実施例8の光伝送路は、入力された光信号のビーム径を3倍以上に拡大して出力している。すなわち実施例8の光伝送路では、r/rが3以上であり、具体的には、長さが1m以上でr/rが4以上であった。
(実施例9、比較例3)
次に、実施例8の光伝送路を長さ10mで用いて、実施形態2に係る光伝送システム100Aと類似する構成の実施例9の光伝送システムを構築し、誤り率の測定を行った。ただし、長さ10mの実施例8の光伝送路からなる光伝送路62AをPD11bに接続し、1チャネルのループバック測定とした。
このとき、LDはVCSELであって、波長を850nmとし、変調方式をPAM4 PRBSとし、パターン長を231-1とし、ボーレートを26.5625Gbaud、ビットレートを53.125Gbpsとし、変調電圧を0.6V(差動信号、ピークトゥーピーク値)とし、測定時間を30分とした。
その結果、30分にわたって、BERが1.0×10-13以下であり、エラーフリー伝送が実現された。
ここで、比較例3の光伝送システムとして、実施例9の光伝送システムの構成において、長さ10mの実施例8の光伝送路を、長さ2mのガラス光ファイバの光伝送路に置き換え、光伝送システムを構築した。この長さ2mの光伝送路は、LD11aおよびPD11bとmini-MTコネクタによって光学的に接続されている。そして、実施例9の光伝送システムと同じ条件で誤り率の測定を行った。ただし、1回の測定時間は3分とし、測定ごとにmini-MTコネクタの挿抜を行い、計5回のBER測定を行った。その結果、測定の度にBERが10-6~10-12の間で大きく変動した。このことは、伝送品質が光源(VCSEL)、受光器(PD)、及び光伝送路の相互の接続状態に依存し、高品質なエラーフリー伝送を行うためにはFECによる誤り訂正が必要であることが確認された。
光リンクでは、光ファイバの接続状態に依存した各種雑音(反射戻り光雑音やモード雑音など)によって伝送品質が劣化する。特に、反射戻り光雑音は雑音レベルの著しい増加を引き起こし、伝送品質劣化の主要因になると考えられている。
通常の石英系光ファイバでは、光ファイバ中のモード結合の影響が無視できるため、反射戻り光は高いコヒーレンス性を維持し、レーザ共振器に効率的に結合し、大きな雑音を引き起こし、伝送品質(ビットエラーレート)が劣化する場合がある。
GI型POFでは、モード結合によって、反射戻り光のフィールドパターン、コヒーレンス、偏波の空間分布がランダム化し、光の干渉性(コヒーレンス性)が低下する。これにより、反射戻り光とレーザ共振器内モードとの相関が低下し、反射戻り光のレーザ共振器への自己結合率が低下し、反射戻り光雑音が低減する。従って、GI型POFを用いることによって、反射戻り光に起因した伝送品質劣化が抑制され、FECを用いることなくエラーフリー伝送を達成することが、好適に実現される。
ただし、石英系光ファイバであっても、コア内に散乱体(微粒子など)を有するようなものとして、モード結合を適切に発生させることで、FECを用いることなくエラーフリー伝送を達成することができる。
(アナログ変調方式)
上記実施形態、実施例および比較例では、変調方式がデジタル変調方式であるが、本発明は変調方式がアナログ変調方式の光伝送システムにも適用できる。アナログ変調方式の光伝送システムに関する技術として、Radio over Fiber(RoF)がある。
RoFは、光ファイバを用いて無線信号を伝送する技術であり、無線通信分野や放送分野において活用が進められている。例えば、無線通信では、基地局とアンテナとの間での無線信号の伝送のためにRoFが用いられる。5Gや将来のBeyond5G、6Gでは、転送速度の向上や電波不感地帯の解消のために、従来よりも多数のアンテナ設置が求められるため、今後RoF技術の重要性は一段と高まっていくことが予測される。
RoF伝送では、光源を無線信号によって直接変調し、無線信号波形をそのまま光信号波形に変換して光ファイバ中を伝送させる。これは光信号をアナログ変調していることに相当するため、RoF伝送では光伝送路で生じるわずかな雑音が伝送品質を劣化させる要因となる。すなわち、高品質なRoF伝送技術を確立するためには、光伝送システムの低雑音化が重要な課題となる。
本発明の実施形態に係るアナログ変調方式の光伝送システムは、図1に示す実施形態1に係る光伝送システム100、または図7に示す実施形態2に係る光伝送システム100Aと同様の構成を有することができる。ただし、アナログ変調方式では、TIA-ICの代わりにRFアンプなどが用いられる。また、アナログ変調方式の光伝送システムは、放送用途の場合は、光伝送システム100、100Aのような双方向構成ではなく、配信のみの単方向システムとして構成され得る。
(実施例10、比較例4)
実施例10のアナログ変調方式の光伝送システムとして、実施例6と同様に、図3に示した参考例1の長さ100mの第2光伝送路と、実施例3の長さ0.50mの第1光伝送路とを光伝送路として光伝送システムを構築した。また、比較例4のアナログ変調方式の光伝送システムとして、参考例1の長さ100mの第2光伝送路のみを光伝送路として光伝送システムを構築した。そして、実施例10、比較例4の光伝送システムにおいてRoF伝送実験を行った。
LDは、VCSELであって、波長を850nmとし、バイアス電流は5mAとした。伝送信号は直交周波数分割多重(OFDM)方式の無線信号であり、変調方式は64値直交振幅変調(64QAM)、中心周波数は880MHz、帯域幅は20MHz、入力信号強度は-10dBmとした。
図10は、比較例4のコンスタレーションマップを示す図である。この場合のエラーベクトル振幅(EVM)は9.93%であった。これに対して、図11は、実施例10のコンスタレーションマップを示す図である。この場合のエラーベクトル振幅(EVM)は3.97%であった。図10、11から分かるように、実施例10では、比較例4に比べてコンスタレ―ションマップにおける信号点のばらつきが大きく減少し、伝送信号のEVMが低減した。これは第1光伝送路内部のモード結合によって、光伝送路に生じる雑音が著しく低減したことに起因すると考えられる。
また、図12は、実施例10、比較例4について、30回の測定におけるエラーベクトル振幅を示す図である。比較例4ではEVM9%は程度であったが、実施例10ではEVMを3%程度まで低減することができた。以上の結果は、本発明の実施形態に係る光伝送システムが、デジタルデータ伝送のみならず、RoF伝送にも有用であることを示している。
(実施形態3)
ところで、光信号送信機におけるLDのような光源と、光伝送路の光ファイバとをレンズ等を介して光学的に接続した場合、光ファイバからの戻り光によって光源が不安定化し、雑音が増加し、伝送品質が損なわれる場合がある。
光ファイバからの戻り光の影響は、光ファイバと光源とをいくらか軸ずれさせたり、光源をデフォーカスさせたりすることによって低減できることが知られている。しかしながら、軸ずれやデフォーカスなどの位置ずれは、光源と光ファイバとの結合損失を増加させ、伝送信号のSN比を劣化させる要因となる。
本発明者は、鋭意検討の結果、光ファイバ中のモード結合を活用して、光ファイバから出射される光のビーム径の励振条件依存性を低下させることによって、光ファイバと光源との位置ずれ量に依存する戻り光の影響を低減できることを見出した。そして、これにより、高品位な光伝送を実現するための光ファイバの位置合わせ要件を大幅に緩和できることを見出した。以下に、その実施形態として、実施形態3を説明する。
実施形態3に係る光伝送システムは、図7に示す実施形態2に係る光伝送システムと同様の構成を有する。ここで、実施形態3に係る光伝送システムの光伝送路は、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームを位置ずれさせて入力させたときに、出力されるガウシアンビームのビーム径の最大値に対する最小値の比が0.7以上である。これにより、高品位な光伝送を実現するための光ファイバの位置合わせ要件を大幅に緩和できる。その結果、光学要素(光源、レンズ、光ファイバ等)の高精度な位置合わせが不要となるため、光伝送システムを低コストかつ容易に作製することが可能となる。なお、光伝送路は、光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であることが好ましい。
実施形態3に係る光伝送システムの光伝送路としては、例えば実施例8のGI-POFを用いることができる。そこで、以下では、参考例1の光伝送路と、実施例8の光伝送路と、市販のGI-POFである比較例5の光伝送路とを用いて実験した結果を説明する。なお、比較例5の光伝送路は、OTDR損失が約60dB/kmであった。この損失は、殆どが散乱損失に起因するものと考えられる。また、コア径は50μm程度であった。
まず、長さ10mの参考例1、比較例5、実施例8の光伝送路について、位置ずれとビーム径との関係を、図2に示す測定系を用いて測定した。ここで、図13に示すように、出射光203(またはレンズ204)の光軸方向をz軸、径方向にx軸を取って、レンズ204からの出射光203の集光位置を中心に、光伝送路205をz軸方向またはx軸方向に位置ずれさせて出射光203を入射させた。この場合、ずれ量Δx=0とは、出射光203の光軸と光伝送路205の光軸とが一致している状態を示す。ずれ量Δz=0とは、出射光203の集光位置が光伝送路205の入力端面と一致している状態を示す。そして光伝送路205の入力端面とは反対側の端面から出力された光のNFPを、NFP測定装置を用いて測定し、光伝送路205から出力された光のビーム径(D4σ幅)を、NFPから、2次モーメント法を用いて求めた。また、光伝送路205に入力される光のビーム径については、図2の測定系においてレンズ204から出力される光を測定し、求めた。
図14は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δxと、出力する光のビーム径との関係を示す図である。図14ではNFPとして測定されるイメージを示している。図中の白いバーは長さ10μmのスケールである。図14から分かるように、参考例1、比較例5の場合、ずれ量Δxの増加とともに出射ビームのビーム径が拡大する傾向が得られた。この要因として、ビーム入射位置が光伝送路のコア中心からコア外周部へ移動することによって、より高次のモードが励振されることが挙げられる。一方、実施例8の場合、出射ビームの大きさはずれ量Δxに依らずほぼ一定だった。これは、光伝送路中の強いモード結合によって、励振条件に依らず高次モードが励起されるためだと考えられる。
図15は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δzと、出力する光のビーム径との関係を示す図である。Δxの場合と同様に、参考例1、比較例5の場合、ずれ量Δzの増加とともに出射ビームのビーム径が拡大する傾向が得られた。一方、実施例8の場合、出射ビームの大きさはずれ量Δzに依らずほぼ一定だった。
図16は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δxと、出射ビーム径との関係を示す図である。図17は、参考例1、比較例5、実施例8における、Δzと、出射ビーム径との関係を示す図である。図16、図17から分かるように、参考例1および比較例5の場合、Δx=0およびΔz=0近傍において出射ビーム径が最小となり、ずれ量の増加に伴って出射ビーム径が大きくなる傾向が得られた。一方、実施例8の場合は、Δx=0およびΔz=0近傍における出射ビーム径が著しく増大し、出射ビーム径のずれ量依存性が大幅に低下した。
図18は、図16の出射ビーム径を規格化した図である。図19は、図17の出射ビーム径を規格化した図である。出射ビーム径の規格化は、各ずれ量における出射ビーム径を、出射ビーム径の最大値で除算することで行った。すなわち、図18、19の縦軸は、(出射ビーム径)/(出射ビーム径の最大値)である。
図18から分かるように、x軸方向の位置ずれにおける、(出射ビーム径の最小値)/(出射ビーム径の最大値)は、参考例1で0.27であり、比較例5で0.41であり、実施例8で0.79である。また、図19からわかるように、z軸方向の位置ずれにおける(出射ビーム径の最小値)/(出射ビーム径の最大値)は、参考例1で0.41であり、比較例5で0.63であり、実施例8で0.86である。
次に、参考例1、比較例5、実施例8の光伝送路を長さ10mで用いて、実施形態2に係る光伝送システム100Aと類似する光伝送システムを構築し、光信号送受信機10を光送信機として使用し、光信号送受信機20を光受信機として使用した。そして、x軸方向のずれ量とz軸方向のずれ量とを様々に変化させて、誤り率の測定を行った。
このとき、LDはVCSELであって、波長を850nmとし、変調方式をNRZ PRBSとし、ビットレートを10Gbpsとし、パターン長を231-1とし、バイアス電流を5mAとし、変調電圧を0.12Vとし、測定時間を5分とした。
図20A、20B、20Cは、それぞれ、参考例1、比較例5、実施例8における、Δxと、誤り率との関係を示す図である。図21A、21B、21Cは、それぞれ、参考例1、比較例5、実施例8における、Δzと、誤り率との関係を示す図である。
図20A~20C、21A~21Cから分かるように、参考例1、比較例5の場合、Δx=0付近、Δz=0付近でBERが劣化してピークを有しており、ピーク値は、参考例1では10-4程度であり、比較例5では10-8程度であった。そして、ずれ量の増加に伴ってBERが減少する傾向が得られた。この要因として、ずれ量の増加に伴って戻り光の影響が小さくなることが挙げられる。一方、ずれ量が大きくなりすぎると(Δxでは±20μm程度、Δzでは±1000μm程度を超えると)、結合損失の増加の影響が支配的となり、BERは増加傾向に転じた。
以上のことから、参考例1、比較例5の場合、(出射ビーム径の最小値)/(出射ビーム径の最大値)が0.7未満であるが、結合損失を最小限にしつつ、戻り光の影響を抑制するために、光源と光伝送路との、より精密な位置合わせが必要となる。
一方、実施例8の場合、Δx=0付近、Δz=0付近でのBERの劣化が観測されず、-14.5μm≦Δx≦+18μmおよび-850μm≦Δz≦+730μmのすべての条件においてBERが10-12以下のエラーフリー伝送が達成された。以上のことから、実施例8の場合、(出射ビーム径の最小値)/(出射ビーム径の最大値)が0.7以上であるが、精密な位置合わせを行うことなくエラーフリー伝送を達成できる。
次に、参考例1、比較例5、実施例8の光伝送路について、x軸方向のズレ量とz軸方向のずれ量とを様々に変化させて、結合損失を測定した。
図22A、22C、22Cは、それぞれ、参考例1、比較例5、実施例8における、Δxと、結合損失との関係を示す図である。図23A、23B、23Cは、それぞれ、参考例1、比較例5、実施例8における、Δzと、結合損失との関係を示す図である。参考例1、比較例5、実施例8のいずれの場合も、ずれ量の増加に伴って結合損失が増加する傾向が観測された。
図24は、図20C、21C、22C、23Cの結果から得られた、実施例8の光伝送路を用いてエラーフリー伝送を実現する条件を示す図である。実施例8の光伝送路を用いた場合、-14.5μm≦Δx≦+18μmの範囲においてエラーフリー伝送が達成された。また、Δx=-14.5μmにおける結合損失は1.08dBであり、Δx=+18μmにおける結合損失は2.66dBであった。また、実施例8の光伝送路を用いた場合、-850μm≦Δz≦+730μmの範囲においてエラーフリー伝送が達成された。また、Δz=-850μmにおける結合損失は7.78dBであり、Δx=+730μmにおける結合損失は6.69dBであった。以上の結果より、実施例8の光伝送路によれば、光信号送信機(光源)と光伝送路との結合損失が1dB以下となる光学結合条件において、位置ずれ量に依らずに10-12以下の誤り率を実現することができる。さらには、たとえば参考例1や比較例5の光伝送路によれば、光信号送信機(光源)と光伝送路との結合損失が1dB以下となる光学結合条件においても、誤り率の最悪値が10-8より大きい。これに対して、実施例8の光伝送路によれば、光信号送信機(光源)と光伝送路との結合損失が1dB以下となる光学結合条件において、誤り率の最悪値が10-8以下である。
ところで、実際の光伝送システムでは、2本以上の光ファイバを繋いで光伝送路を構成し、光信号を伝送する場合が多い。光ファイバ同士を接続する場合、ファイバ間に空隙(空気層)があると、反射損失や反射戻り光雑音を増加させる要因となる。そのため、ファイバ接続部における反射を抑制することが高品位な光伝送を行う上で重要とされている。
ファイバ接続部での反射を抑制する手法は、例えば融着接続や屈折率整合剤を用いた接続など様々提案されているが、PC(Physical Contact)接続が最も広く普及している。PC接続では、凸球面状に研磨されたファイバ端面同士(コネクタ端面同士)を互いに押し付けて密着させることによって反射の発生を防止している。
しかし、PC接続を行うためにはコネクタ端面の精密な研磨加工が必要となるばかりでなく、接続の際に強い嵌合力が必要となる。そのため、作業性の悪化やコネクタの堅牢化によるコスト増加が問題となる場合がある。さらに、PC接続ではファイバ端面同士を物理的に接触させるため、ファイバ端面に異物が存在する状態で嵌合を行った場合には、異物がファイバ端面に押し付けられて端面が損傷する可能性がある。
したがって、ファイバ接続部における反射の有無にかかわらず高品位な信号伝送を可能とする光伝送技術を確立することができれば、PC接続に代表されるファイバ接続部の反射を抑制するための従来の嵌合技術が不要となり、光ファイバ接続を極めて簡易化することが可能となる。
図25は、ファイバ間空隙の影響を調べる実験系の模式図である。本発明者は、図25に示す実験系を用いて、光ファイバ接続部で生じる反射が伝送品質に与える影響を評価した。図25に示す実験系では、コネクタC11、C12が設けられた長さ1mの光ファイバF1のコネクタC12と、コネクタC21、C22が設けられた長さ10mの光ファイバF2のコネクタC21とを、光ファイバ接続部Cで接続し、光伝送路を形成した。そして、光源301からの光信号302をレンズ303にてコネクタC11の端面に集光し、光伝送路を伝送させた。そして、コネクタC22から出射された光信号304をレンズ系305で集光し、PDである受光器306にて受光し、BERを測定した。このとき、光ファイバ接続部Cに50μmの空隙(空気層)が存在する場合と、空隙が存在しない場合(すなわち、光ファイバF1、F2同士(コネクタC12、C21同士)を押し付けて接続した場合)のBERを比較・評価した。このとき、2本の光ファイバF1、F2は精密に位置合わせし、径方向および角度方向への軸ずれをなくした上で測定を行った。光信号は10GbpsのNRZ信号であり、PRBSのパターン長は231-1とし、BERの測定時間は5分間とした。光源301は波長850nmのVCSELであり、バイアス電流は5mAとし、励振条件は中心励振とした。
本実験系では、光ファイバ接続部Cで生じる反射に加え、受光器306側の光ファイバF2の光出射側端面で生じる反射戻り光によっても伝送品質が劣化する可能性がある。したがって、本測定では、光ファイバ接続部Cで生じる反射の影響に着目するために、受光器306側の光ファイバF2の光出射側端面(コネクタC22の端面)には12度の斜め研磨加工を施した。これにより、コネクタC22の端面で反射した光は光ファイバF2のコア外部へ放射され、コネクタC22の端面で生じる反射戻り光の影響を除去することができる。なお、その他の光ファイバ端面(コネクタC11、C12、C21の端面)には凸球面研磨が施されている。
図26A、26B、26Cは、それぞれ、光ファイバF1、F2が参考例1の光伝送路である場合、光ファイバF1、F2が比較例5の光伝送路である場合、光ファイバF1、F2が実施例8の光伝送路である場合における、変調電圧と、誤り率(最悪値)との関係を示す図である。図26A、26B、26Cに示すように、参考例1、比較例5、実施例8のいずれについても、光ファイバ接続部Cに空隙が存在しない場合には、変調電圧にかかわらずBERが10-12以下のエラーフリー伝送が得られた。
しかし、光ファイバ接続部Cに空隙が存在する場合は、参考例1ではBERの最悪値が最大10-6程度まで劣化し、比較例5ではBERの最悪値が最大10-8程度まで劣化した。これは、光ファイバ接続部Cに空隙が存在することにより反射戻り光が発生し、雑音が増加したためだと考えられる。
一方、実施例8では、変調電圧が0.1Vの場合にわずかなBERの劣化が見られたが、変調電圧が0.12V以上の場合は、測定したすべての条件においてエラーフリー伝送(BER≦10-12)が達成された。以上の結果は、実施例8の光伝送路(POF)を用いることで、光ファイバ接続部Cでの反射の有無にかかわらず低雑音な信号伝送が可能となり、PC接続等の光ファイバ接続部Cの反射を抑制するための従来の嵌合技術が不要となり、極めて簡易な光ファイバ接続でも高品位な光伝送を実現できること示している。
なお、光ファイバF1、F2が実施例8の光伝送路である場合は、光伝送路が、2本以上の光伝送路を接続することによって構成される場合の一例であり、各光伝送路同士は空気層を介して接続される場合の一例であり、接続される光伝送路のうち、少なくとも光源の直後に配置される光伝送路が、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力し、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームを位置ずれさせて入力させたときに、出力されるビームのビーム径の最大値に対する最小値の比が0.7以上であって、光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であるような光伝送路の一例である。なお、各光伝送路同士の接続箇所が複数ある場合は、それらの接続箇所のうち少なくとも一箇所では、各光伝送路同士が空気層を介して接続されていればよい。また、各光伝送路同士の接続箇所が複数ある場合に、それらの接続箇所の全てで、各光伝送路同士が空気層を介して接続されていてもよい。
また、光ファイバF1、F2が実施例8の光伝送路である場合は、光伝送路が、2本以上の光伝送路を接続することによって構成される場合の一例であり、各光伝送路同士は空気層を介して接続される場合の一例であり、各光伝送路が、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍以上に拡大して出力し、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームを位置ずれさせて入力させたときに、出力されるビームのビーム径の最大値に対する最小値の比が0.7以上であって、光信号に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であるような光伝送路の例である。なお、各光伝送路同士の接続箇所が複数ある場合は、それらの接続箇所のうち少なくとも一箇所では、各光伝送路同士が空気層を介して接続されていればよい。また、各光伝送路同士の接続箇所が複数ある場合に、それらの接続箇所の全てで、各光伝送路同士が空気層を介して接続されていてもよい。
なお、上記実施形態では、第1光伝送路、第2光伝送路、及び光伝送路はいずれも光ファイバであるが、第1光伝送路、第2光伝送路、及び光伝送路はこれに限られず、光導波路や、国際公開第2019/177068に開示されるような一括成型マルチ光伝送シートでもよい。
また、第2光伝送路は、第1光伝送路よりも長いものに限られない。すなわち、第2光伝送路の長さは第1光伝送路の長さ以下でもよい。
以上、本開示の光伝送路は、電源や低速信号を伝送するメタルケーブルと複合された、光電複合ケーブルを構成することもできる。既存の規格(例えばHDMI(登録商標)、USBなど)の信号を光システムと組み合わせ高速化する場合や新たな機器間の伝送路に用いる事もできる。光電複合コネクタの形状は、既存規格と下位互換性を保たせることも、また新規にすることもできる。
また、本開示の光伝送システムは、異なる波長のLDを複数用い、光伝送路の本数を増やさず、使用波長の数の倍数だけ高速化できる波長多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)システムとして構成することもできる。この場合、波長の異なるLD(波長:λ1~λn)の出射光(光信号)を、合波器を用い、実施形態1における第1光伝送路あるいは実施形態2における光伝送路に結合し、送信する。光伝送路を介し伝送された光信号は、分波器によって各波長の光信号に分波され、PDに受光される。波長の異なるLD、合波器、分波器、PDを1組とし、複数の光伝送路に対応させることもできる。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10、20:光信号送受信機
11、21:送受信部
11a、21a:LD
11b、21b:PD
11c、21c:ドライバ-IC
11d、21d:TIA-IC
12、22:第1光伝送路
13、23:機器内光伝送路
14、15、24、25、C11、C12、C21、C22:コネクタ
31、32:第2光伝送路
40、50:信号処理回路
61、62、61A、62A:光伝送路
100、100A:光伝送システム
201 :DBRレーザ
202 :偏波保持シングルモード光ファイバ
203 :出射光
204、303:レンズ
205 :光伝送路
206 :CCDカメラ
207 :光
208 :NFP測定装置
301 :光源
302、304:光信号
305 :レンズ系
306 :受光器
C :光ファイバ接続部
F1、F2:光ファイバ

Claims (26)

  1. レーザダイオードを備える光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、
    前記光信号を受信する光信号受信機と、
    前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、
    を備え、
    前記光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が50dB/km以上であり前記光信号をマルチモード伝送する第1光伝送路と、波長850nmの光に対する伝送損失が100dB/km以下であり前記光信号をマルチモード伝送する第2光伝送路とを有し、
    波長850nmの光に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ミクロ不均一構造によってビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングする前記第1光伝送路が、前記光源の直後に配置され、さらに、前記第2光伝送路に光学的に接続される
    光伝送システム。
  2. レーザダイオードを備える光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、
    前記光信号を受信する光信号受信機と、
    前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、
    を備え、
    前記光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が50dB/km以上であり前記光信号をマルチモード伝送する第1光伝送路と、波長850nmの光に対する伝送損失が100dB/km以下であり前記光信号をマルチモード伝送する第2光伝送路とを有し、
    波長850nmの光に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ミクロ不均一構造によってビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングする前記第1光伝送路が、前記光源の直後に配置され、さらに、前記第1光伝送路よりも長い前記第2光伝送路に光学的に接続される
    光伝送システム。
  3. 前記第2光伝送路は、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合にビーム径を3倍未満に拡大して出力する
    請求項1または2に記載の光伝送システム。
  4. 前記第1光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が100dB/km以上である
    請求項1~3のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  5. 前記光伝送路が光伝送路として前記第2光伝送路のみを有する場合よりも信号劣化が抑制される
    請求項1~4のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  6. 前記第1光伝送路は、入力された前記ガウシアンビームのビーム径を6倍以上に拡大して出力する
    請求項1~5のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  7. 前記第1光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が500dB/km以上である
    請求項1~6のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  8. 前記光信号の変調方式がデジタル変調方式であって、前記光信号のボーレートは10Gbaud以上である
    請求項1~7のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  9. 前記光信号の変調方式がデジタル変調方式であって、前記光信号のボーレートは25Gbaud以上である
    請求項1~8のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  10. 前記光信号の変調方式がアナログ変調方式である
    請求項1~7のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  11. 前記光信号の変調方式がデジタル変調方式であって、誤り訂正方式を用いずに10-12以下の誤り率を実現する
    請求項1~のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  12. 前記光信号の変調方式がデジタル変調方式であって、かつ多値変調方式である
    請求項1~のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  13. 前記光信号の変調方式がPAM4である
    請求項12に記載の光伝送システム。
  14. 前記第1光伝送路は、プラスチックからなる
    請求項1~13のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  15. 前記第2光伝送路は、プラスチック又はガラスからなる
    請求項1~14のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  16. 前記第1光伝送路と前記第2光伝送路とが空気層を介して接続される
    請求項1~15のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  17. レーザダイオードを備える光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、
    前記光信号を受信する光信号受信機と、
    前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、
    を備え、
    前記光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が50dB/km以上であり、前記光信号をマルチモード伝送し、波長850nmの光に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ミクロ不均一構造によってビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングし、
    前記光信号の変調方式が多値変調方式であ
    光伝送システム。
  18. 誤り訂正方式を用いずに10 -12 以下の誤り率を実現する
    請求項17に記載の光伝送システム。
  19. レーザダイオードを備える光源から出力された光信号を送信する光信号送信機と、
    前記光信号を受信する光信号受信機と、
    前記光信号送信機と前記光信号受信機とを光学的に接続し、前記光信号を伝送する光伝送路と、
    を備え、
    前記光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が50dB/km以上であり、前記光信号をマルチモード伝送し、波長850nmの光に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ミクロ不均一構造によってビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングし、
    前記光信号の変調方式がアナログ変調方式である
    光伝送システム。
  20. 波長多重(WDM)システムである、請求項1~19のいずれか一つに記載の光伝送システム。
  21. 請求項1~20のいずれか一つに記載の光伝送システムを備えた光電複合ケーブル。
  22. レーザダイオードを備える光源から出力された、ボーレートが10Gbaud以上の光信号を光伝送路に入力し、前記光伝送路にて前記光信号を伝送する通信方式であって、
    前記光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が50dB/km以上であり、前記光信号をマルチモード伝送し、波長850nmの光に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ミクロ不均一構造によってビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングする
    通信方法。
  23. レーザダイオードを備える光源から出力された、多値変調方式で変調された光信号を光伝送路に入力し、前記光伝送路にて前記光信号を伝送する通信方式であって、
    前記光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が50dB/km以上であり、前記光信号をマルチモード伝送し、波長850nmの光に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ミクロ不均一構造によってビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングする
    通信方法。
  24. レーザダイオードを備える光源から出力された、アナログ変調方式で変調された光信号を光伝送路に入力し、前記光伝送路にて前記光信号を伝送する通信方式であって、
    前記光伝送路は、波長850nmの光に対する散乱損失が50dB/km以上であり、前記光信号をマルチモード伝送し、波長850nmの光に対する散乱損失と長さとの積が6dB以下であって、シングルモード光ファイバから出射されたガウシアンビームが中心励振にて入力された場合に、ミクロ不均一構造によってビーム径を3倍以上に拡大して出力し、前方散乱によってより高次のモードとモードカップリングする
    通信方法。
  25. 前記光伝送路は、長さが10m未満である
    請求項22~24のいずれか一つに記載の通信方法
  26. 誤り訂正方式を用いずに10 -12 以下の誤り率の通信を実現する
    請求項22または23に記載の通信方法。
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