JP7223314B2 - 化粧材 - Google Patents

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本発明は、装飾模様を有する化粧材に関するものである。
従来、家屋の壁面などに用いられる壁紙に代表される化粧材は、輪転機を用いて帯状に製造された繰り返しの装飾模様を有する巻取状の化粧材を、長方形形状に切断して複数枚とし、化粧材の幅方向を水平方向に向けて並列配置して施工されることが多く行われてきた。例えば化粧材は、一方向に伸びる長方形形状を有しており、長辺方向(壁面では上下方向)の寸法は特に制限ない。巻取状の化粧材は、例えば、製造時は3000m程度の長さの単位で量産し、しかる後、壁紙の場合では、50m程度の長さの巻取に小巻して、搬送し、保管し、切断され施工される。このような化粧材の長辺方向は、原則、一定の間隔(版胴周長に相当。例えば1860mm。)で装飾模様が繰り返されることとなる。ただし、該長辺方向の繰り返しのつなぎ目は、目立たない様に工夫(つなぎ目処理)されていた。
例えば、装飾模様が独立した絵柄(連続していない花柄やトランプ柄の様に、絵柄の輪郭が存在しない領域を有する絵柄)であれば、該絵柄の輪郭が存在しない領域が繰り返しのつなぎ目となるようにする(例えば、特許文献1)。また装飾模様が木目の様に連続した絵柄の場合には、繰り返しのつなぎ目において不自然な外観とならない様に絵柄の輪郭を該つなぎ目において連続する様にする、輪郭を目立たなくするなどの処理(つなぎ目処理)がなされていた(例えば、特許文献2)。
化粧材の幅(化粧材面において長辺方向と直交する短辺方向の長さ)はそれを形成する輪転機の版胴幅に依存するため、通常は一定であり、例えば920mmである。長方形形状の化粧材をその幅方向を水平方向に向けて複数枚突き合わせた並列配置として施工する場合は、この幅で繰り返しの装飾模様となる。化粧材が例えば壁紙である場合には、施工対象である壁に合わせて、同一の巻取状の化粧材から複数枚切出して、その長辺方向を上下方向に、幅方向を左右方向として並列配置により施工していた。
実公平5-19360号公報 特開平10-151721号公報
上記の通り、施工後において化粧材の装飾模様は、幅方向において化粧材の幅ごとの繰り返しとなっている。一般的な住宅の居室における壁面が例えば高さ2.4m、幅3.6m程度であれば、装飾模様は幅方向に4回繰り返されることとなる。この幅方向の繰り返しが目立たない様に、通常は、化粧材の長辺方向に繰り返される装飾模様の同一部分が幅方向(左右方向)において隣接しない様に、隣接する化粧材において装飾模様の同一部分が長辺方向(上下方向)に異なる位置に配置される様に施工される。また一般的な住宅の居室において、幅方向の繰り返し距離と、居住者が壁面を視認する距離との関係を鑑みても、上記幅方向の繰り返しはあまり問題とならなかった。
しかしながら、公共施設のロビーや駅構内など、壁面の面積が広く、また壁面に対し十分な視認距離を確保することができるような広い空間においては、上記装飾模様の幅方向の繰り返しが問題となってくる。化粧材の装飾模様が、天然木を模した木目調の場合や、職人による塗り壁を模した塗り壁調などである場合には、装飾模様の繰り返しが容易に認識出来てしまうと、実際の天然木や職人による塗り壁には繰り返し模様は存在しないことから、人工的な模造による化粧材であると認識されてしまい、実際の天然木による化粧材や職人による塗り壁において得られると考えられる高級感が得られないばかりか、逆に安価な印象を与えてしまう恐れがある。
そこで、化粧材であっても装飾模様が幅方向に繰り返されることがない様に、装飾模様が例えば天然木を模した木目調である場合には、同じ種類の木の木目であっても、装飾模様として模倣する領域を異ならせたり、断面を異ならせたりすることにより、異なる装飾模様を有する化粧材を用いることで幅方向の繰り返しを回避することが可能となる。このような場合、隣接する化粧材の突き合わせ部分において、装飾模様が不連続となることにより不自然な感じとならない様、該突き合わせ部分(境目部分)において、絵柄の輪郭が連続する様にする、輪郭を目立たなくするなどの処理(境目処理)が考えられる。
この処理のために、例えば化粧材Aの右側に隣接して化粧材B、さらにその右側に隣接して化粧材Cを突き合わせて施工する場合には、化粧材Aの右端の装飾模様Arと化粧材Bの左端の装飾模様Blの境目、および化粧材Bの右端の装飾模様Brと化粧材Cの左端の装飾模様Clの境目は、上記境目処理がされている。ArとBlの関係、およびBrとClの関係においては境目処理がなされているが、ArとClの関係などにおいては適切な境目処理されていないことになるため、化粧材Aの右側に隣接して化粧材Cを突き合わせて施工する場合には、装飾模様が不連続となることにより不自然な印象を与える場合がある。すなわち実用上、左から化粧材A、化粧材B、化粧材C(以下A、B、Cと記載)の順のみが許容され、A、C、Bの順やB、A、Cの順は許容されないこととなる。
ここで、上記広い空間における壁面の幅が例えば9m、化粧材の幅を920mmとすれば、幅方向においては10枚の化粧材を使用することとなるが、幅方向の繰り返しを避けるためにはその10枚の装飾模様はすべて異なる、すなわち10種類の異なる化粧材であることを要し、かつ上記境目処理のため、その10種類の幅方向の施工位置順序の組み合わせは一通りのみに限定される。化粧材が壁紙である場合には、上記の通り10種類の異なる巻取状の化粧材を用意することを要するが、各巻取状の化粧材について長辺方向については壁面の高さ分しか使用しないため、コスト高かつ不経済となり、化粧材を使用するメリットが大きく損なわれるという問題がある。
以上から、本発明の課題は、少ない種類の化粧材を幅方向に順不同に施工可能であり、装飾模様の幅方向の繰り返しが認識され難く、しかも幅方向の境目部分に違和感のない化粧材を提供することである。
本発明の化粧材は、1組の建装材を構成する異なる装飾を有する2種類以上の複数の化粧材であって、複数の化粧材はいずれも、一方向に伸びる長方形形状を有しており、種類の異なる複数の化粧材は、少なくとも部分的に装飾が相互に相違し、複数の化粧材を幅方向に並列配置した場合に、幅方向に隣接する化粧材相互の境目において、装飾どうしは境目を跨って連続するように構成された、化粧材である。
上記化粧材において、1組の建装材を構成する2種類以上の複数の化粧材は、長方形形状の伸びる方向に、一定の間隔で同一の装飾を有しており、一定の間隔は、2種類以上の複数の化粧材において同じであってもよい。
上記化粧材において、長方形形状の長辺を右端および左端としたとき、右端に接する装飾が相互にいずれも視覚上同一あるいは同一に近く、左端に接する装飾が相互にいずれも視覚上同一あるいは同一に近いように構成されていてもよい。
上記化粧材において、同一種類の複数の化粧材を、幅方向に隣接する化粧材相互の境目において装飾どうしが境目を跨って連続するように並列配置した場合に、幅方向に隣接する化粧材において同一となる装飾は一方向にオフセットするように構成されていてもよい。
本発明によれば、少ない種類の化粧材を幅方向に順不同に施工可能であり、装飾模様の幅方向の繰り返しが認識され難く、しかも幅方向の境目部分に違和感のない化粧材を提供することができる。
本発明の第1実施形態による化粧材の施工例 本発明の第1実施形態による化粧材の説明図 本発明の第1実施形態による化粧材の部分拡大図 本発明の第1実施形態による化粧材の他の施工例 本発明の第1実施形態による化粧材の他の施工例 本発明の第1実施形態による化粧材の他の施工例 比較例による化粧材の施工例 比較例による化粧材の他の施工例 本発明の第2実施形態による化粧材の施工例 本発明の第2実施形態による化粧材の説明図 本発明の第2実施形態による化粧材の他の施工例 本発明の第2実施形態による化粧材の他の施工例 本発明の第2実施形態による化粧材の他の施工例 本発明の第2実施形態による化粧材の他の施工例 比較例による化粧材の他の施工例 本発明の第2実施形態による化粧材の他の施工例 本発明の実施例に係る化粧材の例 本発明の実施例に係る化粧材の他の例 本発明の実施例に係る化粧材の他の例 本発明の実施例に係る化粧材の施工例 比較例に係る化粧材の他の施工例
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1~図6を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的な関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
図1に本発明の第1実施形態に係る、異なる装飾3A~3Dを有する4種類の複数の化粧材1A~1Dが、幅方向に突き合わされ並列配置された様子を示す。4種類の複数の化粧材1A~1Dは1組の建装材10を構成し、いずれも一方向(図中Y方向、壁面を施工する場合には鉛直方向ないし上下方向に相当)に長辺が伸びる長方形形状を有している。4種類の複数の化粧材1A~1Dは、少なくとも部分的(図3においては各化粧材1A~1Dの中央領域2Ac~2Dc部分)に装飾3A~3D(より詳しくは中央領域の装飾3Ac~3Dc)が相互に相違している。幅方向すなわち長方形の短辺方向(図中X方向)に隣接する化粧材1A~1D相互の境目(図1における4AB、4BC、4CD)において、装飾3A~3Dどうしは境目を跨って連続するように構成されている。
図2に、幅方向に突き合わされ並列配置されていない状態での4種類の複数の化粧材1A~1Dを示す。4種類の複数の化粧材1A~1Dは各々、平面視形状が長方形形状となっており、その各幅をWA~WDに示している。各幅WA~WDは、同じであっても良いし、相互に異なっていても良く、幅は各々任意である。なお、図2の実施形態においては、4つの化粧材の幅は全て同一(WA=WB=WC=WD)とされている。
また、本発明における「長方形」は、幾何学上の長方形の定義に厳密に合致する形状のみに限定されるものではない。本発明の他の構成要件を充足した上で本発明の作用効果を奏する限りにおいて、各種の長方形に近似する形状も本発明の「長方形」に包含される。かかる長方形に近似する形状とは、例えば、長辺と短辺の長さが等しくなった長方形である正方形、各頂角が概ね90度、例えば、80度以上100度以下、の範囲内となる菱形、台形、或いは平行四辺形である。更に、これらの長方形、正方形、菱形、台形、或いは平行四辺形の各辺の一部又は全部を曲線や折線に置換した形状も、本発明の他の構成要件を充足した上で本発明の作用効果を奏する限りにおいては、本発明の「長方形」に包含される。
一方、長辺方向、すなわち長方形形状が伸びる方向(図中Y方向)については、装飾が各化粧材1A~1Dにおける図中の破線の長辺方向の間隔Pで繰り返しとなっている。そして各化粧材1A~1Dにおいて、繰り返しの間隔Pは同じ値となっている。換言すれば、各化粧材1A~1Dは各々、長方形形状の伸びる方向に、一定の繰り返し間隔Pで同一の装飾を有しており、一定の繰り返し間隔Pは、各化粧材1A~1Dにおいて同じである。
装飾3A~3Dは輪転機において加工されることが多いが、各化粧材1A~1Dにおいて、装飾3A~3Dを輪転機で加工する際の版胴周長がいずれも繰り返しの間隔Pで同じ値である。また上述の通り、通常は繰り返しのつなぎ目が分かり難くなるような処理(つなぎ目処理)がなされている。なお図1、図2などの各図における幅方向の破線は、説明および理解を容易にするために、長辺方向の繰り返し間隔を視覚化するために設けたものであり、実際の各化粧材1A~1Dにおいては、このような破線は存在しない。
次に、各化粧材1A~1Dにおける装飾について説明する。図3は、4種類の複数の化粧材1A~1Dについて、下記各領域を説明するための概念図であり、各領域の分け方は各化粧材1A~1Dにおいて共通するため、1つの図で代表させている。図3に示す通り、各化粧材1A~1Dにおいて、その幅方向に左から、左端領域(2Al~2Dl)、中央領域(2Ac~2Dc)、右端領域(2Ar~2Dr)の3つの領域に概念上分けて考える。そして図2に示す通り、各化粧材1A~1Dにおいて、左端領域に存在する装飾を3Al~3Dl、中央領域に存在する装飾を3Ac~3Dc、右端領域に存在する装飾を3Ar~3Drとする。そうすると、装飾3A(~3D)は、左端領域の装飾3Al(~3Dl)と、中央領域の装飾3Ac(~3Dc)と、右端領域の装飾3Ar(~3Dr)とから構成されることになる。
各化粧材1A~1Dにおいて、上記3つの領域に存在する装飾は、相互に違和感なく連続的に形成されている。例えば、化粧材1Aにおいては、装飾3Alと3Ac、および装飾3Acと3Arは、それぞれ相互に違和感なく連続的に形成されている。すなわち、化粧材1Aにおける3つの領域の装飾3Al、3Ac、3Arは、3つの領域を合わせた化粧材全面において違和感なく連続的に形成され、全体として1つのまとまった装飾3Aを構成している。同様に化粧材1Bにおける3つの領域の装飾3Bl、3Bc、3Brは、3つの領域を合わせた化粧材全面において違和感なく連続的に形成され、全体として1つのまとまった装飾3Bを構成している。化粧材1C、1Dについても同様である。
ここで、中央領域に存在する装飾3Ac~3Dcは、少なくとも部分的に相互に相違している。一方、左端領域に存在する装飾3Al~3Dlどうし相互は、いずれも視覚上同一あるいは同一に近い装飾3lとなっている。同様に右端領域に存在する装飾3Ar~3Drどうし相互は、いずれも視覚上同一あるいは同一に近い装飾3rとなっている。かつ、各左端領域の装飾3Al~3Dlは、その左端に隣接配置される各右端の装飾3Ar~3Drとは後述のように境目を跨って連続して繋がる。
図2を参照して具体的に説明すると、4種類の複数の化粧材1A~1Dにおいて、中央領域に存在する装飾3Ac~3Dcは、三角、菱形、円形、星型として示す通り、少なくとも部分的に相互に相違している。一方、左端領域に存在する装飾3Al~3Dlは、いずれも上から「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字の右半分として示す通り、同一の装飾3lとなっている。同様に右端領域に存在する装飾3Ar~3Drは、いずれも上から「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字の左半分として示す通り、同一の装飾3rとなっている。
以上からすると、化粧材1Aにおいては、3つの領域の装飾3l、3Ac、3rは3つの領域を合わせた化粧材全面において違和感なく連続的に形成され、同様に化粧材1Bにおいては、装飾3l、3Bc、3rが、化粧材1Cにおいては、装飾3l、3Cc、3rが、化粧材1Dにおいては、装飾3l、3Dc、3rが、化粧材全面において違和感なく連続的に形成されていることになる。すなわち、4種類の複数の化粧材1A~1Dにおいて、左端領域の装飾3l、および右端領域の装飾3rはそれぞれ相互に視覚上同一あるいは同一に近いものとなっており、中央領域の装飾3Ac~3Dcは少なくとも部分的に相互に相違しているにも関わらず、各装飾3A~3Dは、いずれも化粧材全面において違和感なく連続的に形成されていることになる。
各図面は説明のための概念図であるため、装飾の連続性に関する上記説明は、図面においては理解し難いかもしれないが、本発明を好適に適用できる。例えば木目調や塗り壁調のような装飾において、問題なく適用できる。
図1に示すように、複数の化粧材1A~1Dはいずれも、一方向に伸びる長方形形状を有しており、長方形形状が伸びる方向すなわち長辺方向と直交する幅方向(図中X方向)に向かって、間に間隙や目地溝、レール、スペーサ等の部材を介する事無く、互いに隣接して、並列配置されて建装材10を構成している。なお、本発明において、「隣接」の語はかかる意味で用いる。
ここで、本発明において「長方形形状が伸びる方向即ち長辺方向と直交する」とは、長方形形状が伸びる方向すなわち長辺方向に対して厳密に直角に交わる状態のみならず、化粧材の施工において並列配置とする際に許容される角度の方向も含むものである。その角度は、建装材を構成する化粧材(長方形形状に切断された化粧材)の長辺方向の長さにもよるが、例えば、長方形形状が伸びる方向に対して87度以上93度以下の範囲とすることができる。
また、複数の化粧材1A~1Dを幅方向に並列配置した場合に、幅方向に隣接する化粧材相互の境目(図1における4AB、4BC、4CD)において、装飾どうし(3lと3r)は境目を跨って連続するように構成されている。ここで、本発明において「境目を跨って連続する装飾」とは、化粧材1を幅方向に隣接するように施工(建装材を構成)した際に、隣接する化粧材1間の境目4を跨って連続することになる装飾のことである。換言すれば、複数の化粧材1A~1Dをたがいに隣接して配置した際に、装飾どうし(3lと3r)の関係が以下の2要件を満たし、化粧材1を幅方向に隣接するように施工した際に、隣接する化粧材1間の境目4を跨って連続的につながって装飾を構成することになる各化粧材1における装飾のことである。
(要件1)幅方向に隣接する化粧材相互の境目(図1における4AB、4BC、4CD)において、装飾どうし(3lと3r)の色(色相、明度、および彩度)、光沢度等の視覚に影響する特性値の差が、境目の近傍において、違和感のない範囲内、好ましくは視覚の弁別閾値以下となる。図1の例では、3lと3rとで色および光沢度は同一とされている。
(要件2)幅方向に隣接する化粧材相互の境目(図1における4AB、4BC、4CD)において、装飾どうし(3lと3r)で構成される領域が、全体として一まとまりの、一体となった模様を構成する。図1の例では、3lと3rとが3か所の境目(4AB、4BC、4CD)においてそれぞれ接続され、それぞれ一体化されている。より具体的には、「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字の右半分と左半分とが接続され、一体化されて、通常の数字「1、2、3、4、5、6、7、8」が構成されている。
上記、幅方向に隣接する化粧材1A~1D相互の境目(図1における4AB、4BC、4CD)において、装飾どうし(3lと3r)は境目を跨って連続するように構成されている件につき、詳細に説明する。図1における幅方向に隣接する化粧材相互の境目4AB、4BC、4CDにおいて、「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字の右半分として示される左端領域の装飾3lと、「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字の左半分として示される右端領域の装飾3rとは、境目を跨って連続するように構成されている。すなわち化粧材相互の境目4AB、4BC、4CDにおいて、数字の左半分と右半分とが境目を跨って連続するように接続されて、その結果、各境目4AB、4BC、および4CD間に挾んだ各境目近傍領域には「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字が形成される。
ところで上述の通り、4種類の複数の化粧材1A~1Dにおいて、左端領域の装飾3l、および右端領域の装飾3rはそれぞれ相互に視覚上同一あるいは同一に近いものとなっている。そうすると、装飾3lと装飾3rとが化粧材の境目において境目を跨って連続するように接続されるのは、図1に例示する化粧材1Aと1Bの境目(4AB)、化粧材1Bと1Cの境目(4BC)、化粧材1Cと1Dの境目(4CD)のみに限定される訳ではなく、化粧材1A~1Dを任意の順序で幅方向に並列配置した場合であっても、その境目において境目を跨って連続するように接続されることとなる。
化粧材1A~1Dを任意の順序で幅方向に並列配置した場合の一例を図4に示す。図1においては、左から化粧材1A、1B、1C、1D、1Aの順に並列配置した例であるのに対し、図4においては、左から化粧材1A、1C、1B、1D、1Aの順に並列配置されている。図4においても各境目4AC、4CB、4BD、4DAにおいて、装飾3lと装飾3rとが化粧材の境目において境目を跨って連続するように接続されている。
さらに、1組の建装材10が4種類の複数の化粧材1A~1Dから構成される場合であっても、4種類の中から任意の3種類を選択して任意の順序で幅方向に並列配置してもよい。図5は、4種類の複数の化粧材1A~1Dの中から3種類の化粧材1A~1Cを選択し、しかもそれらを任意の順序(図5の例においては左から1A、1C、1B、1A、1Cの順序)で幅方向に並列配置した例である。この場合においても各境目4AC、4CB、4BAにおいて、装飾3lと装飾3rとが化粧材の境目において境目を跨って連続するように接続されている。
さらに、4種類の中から任意の2種類を選択して任意の順序で幅方向に並列配置してもよい。図6は、4種類の複数の化粧材1A~1Dの中から2種類の化粧材1A、1Bを選択し、それらを任意の順序(図6の例においては左から1A、1B、1A、1B、1Aの順序)で幅方向に並列配置した例である。この場合においても各境目4AB、4BAにおいて、装飾3lと装飾3rとが化粧材の境目において境目を跨って連続するように接続されている。
上記の通り、本発明に係る1組の建装材10を構成する複数の化粧材1は、1組の建装材10が、例えばn種類(ここで、nは3≦nの自然数)の複数の化粧材1から構成されている場合において、その中から任意のm種類(2≦m≦n)のみを選択し、さらにそれらm種類の複数の化粧材を任意の順番に幅方向に並列配置することができる。どのような順番の並列配置であっても、幅方向に隣接する化粧材1相互の境目において、装飾3どうしは境目を跨って連続するように認識される。
そのため、本発明に係る化粧材1を壁面などに施工する際、1組の建装材10がn種類の複数の化粧材1から構成される場合であっても、n種類の化粧材1すべてを準備する必要はなく、任意のm種類(2≦m≦n)のみを準備して施工した場合であっても、幅方向に隣接する化粧材1相互の境目において、装飾3どうしは境目を跨って連続するように認識される。そのため、準備(購入)する化粧材1の種類を少なくすることができ、化粧材1の購入費用を抑えることができる。また巻取状の化粧材1を運搬する手間や、保管する場所も少なくて済み、経済的かつ合理的である。かつ、化粧材自体は本来n種類の化粧材1A、1B、・・・、1(n-1)、1nを1組にして建装材10を構成するように設計されているにも関わらず、施工対象の幅、所望の意匠などに応じて臨機応変的に、施工に採用する化粧材の種類を最低2種類から最大n種類までの範囲で任意に選択可能であり、建装材10の設計の自由度が高くなる。
上記の通り、本発明に係る1組の建装材10を構成する複数の化粧材1は各々、長方形形状の伸びる方向に、一定の繰り返し間隔Pで同一の装飾を有しており、一定の繰り返し間隔Pは、各化粧材1において同じとなっている。このため、各化粧材1は、輪転機を用いて大量かつ安価に形成することができる。
また本発明において、1組の建装材10を構成する化粧材1を形成する際の輪転機の版胴周長を同じにすることにより、長辺方向のいずれの位置においても、幅方向に隣接する化粧材1相互の境目において、装飾3どうしは境目を跨って連続するようにすることができる。
また上記の通り、各化粧材1の幅は任意であり、化粧材1ごとに異なっていても良い。輪転機の版胴周長さえ合わせておけば、各化粧材1を形成する輪転機は任意のものを使用できる。このため、輪転機を用いて各化粧材1を形成する際に、他製品の形成まで含めた輪転機の空き状況を鑑み、都合の良い輪転機を使用することができる。このため、化粧材1を効率的に安価に形成することができる。なお上述の通り、長辺方向の装飾の繰り返しは、幅方向の装飾の繰り返しより認識され難く、問題とはなり難い。
上記考えをさらに推し進めると、任意の1種類の化粧材1のみを選択して幅方向に並列配置した場合においても、各境目において、装飾3どうしは境目を跨って連続するように接続されることとなる。ただし、この場合は、装飾模様の幅方向の繰り返し周期が化粧材1の幅W(WA、WB、・・・)自体と一致し、上記本発明に各実施形態と比べて短くなり、装飾模様の幅方向の繰り返しが視覚的に認識され易い(目立つ)ため、好ましくない。図7は、4種類の複数の化粧材1A~1Dの中から化粧材1Aのみを選択し、幅方向に並列配置した比較例の化粧材の施工例である。この場合においても各境目4AAにおいて、境目を跨って連続するように接続されることとなる。
ただし、幅方向においては、中央領域の装飾3Acが幅方向に繰り返されていることが容易に認識できてしまう。幅方向の繰り返しが認識し易い理由は、人間の両眼は顔の左右に(水平方向)に配されているため、人間の視覚として、鉛直方向(図中Y方向)よりも水平方向すなわち幅方向(図中X方向)の繰り返しの方が敏感に認識できてしまうという特性のためと考えられる。各図に示されるように、装飾3Acは、長方形形状が伸びる方向(図中Y方向)にも、一定の繰り返し間隔Pで繰り返されているが、上記人間の感覚の特性により、幅方向の繰り返しよりは認識され難い。
上記の通り、本発明の化粧材1は、1種類の化粧材1のみを幅方向に並列配置した場合であっても、装飾3は各境目において、境目を跨って連続するように接続されるようになっているため施工可能である。しかし、図7のように同一種類の複数の化粧材1を幅方向に隣接して、あるいは図6のように2種類の化粧材1を交互に幅方向に隣接して施工する場合の様に、同一種類の複数の化粧材1相互の幅方向の距離がある程度近い場合には、装飾3が幅方向に繰り返されていることが容易に認識できてしまう場合があり、好ましくない場合がある。
もう1つの比較例の化粧材の施工例を図8に示す。この比較例においては、図7の建装材における装飾模様の幅方向の繰り返し周期を目立ち難くするために改変を加えたものである。この形態では、1種類の化粧材1Aのみを各境目において、装飾3が境目を跨って連続するように幅方向に並列配置した場合に、中央領域の装飾3Acは、幅方向に並列配置され隣接する化粧材1A間において、長辺方向、すなわち長方形形状が伸びる方向(図中Y方向)において異なる位置となっている。換言すれば、図8の比較例に係る化粧材1は、同一種類の複数の化粧材1を、幅方向に隣接する化粧材1相互の境目において装飾どうしが境目を跨って連続するように並列配置した場合に、幅方向に隣接する化粧材1において同一となる装飾3cは長方形形状が伸びる方向(一方向)に位置が変位(以下、オフセットとも言う)するように構成されている。図8においては、長方形形状が伸びる方向のオフセット量OFは、上述した繰り返しの間隔Pの半分となっている。すなわち、OF=P/2、となっている。
図7と図8を比較しても明らかなように、中央領域の装飾3Acが幅方向に繰り返されていることは、オフセット量OFを有する図8の比較例の方が認識し難くなっている。これは上述の通り、人間の視覚は、水平方向(図中X方向)の繰り返しに対し敏感であるという特性のためと考えられる。
上述の通り、図8の例においてオフセット量OFは、繰り返しの間隔Pの半分となっている。この場合において、幅方向に並列配置され隣接する化粧材1Aの装飾3Acどうしは、長方形形状が伸びる方向(図中Y方向)においても、そして化粧材において装飾がなされている面(図中XY平面)における距離においても、その間隔を最も離すことができる。すなわち、同一種類の複数の化粧材1のみを幅方向に並列配置する場合においては、オフセット量OFが繰り返しの間隔Pの半分である形態が、隣接する化粧材1Aの装飾3Acの繰り返しが最も認識され難いと考えられる。しかしこれに限定されることはなく、オフセット量OFは任意に設定することができる。
(第2実施形態)
図9に第2実施形態に係る4種類の複数の化粧材1A~1Dを左から幅方向に1A、1B、1C、1D、1A、・・・の順に並列配置した例を示す。化粧材1A~1Dは各境目において、装飾どうしが境目を跨って連続するように幅方向に並列配置されている。図9の例においては、隣接して配置される化粧材は種類が異なる(例えば1Aと1B、1Bと1Cなど)ため、中央領域の装飾が異なって(例えば3Acと3Bc、3Bcと3Ccなど)いる。異なる装飾相互においては装飾の幅方向の繰り返しは発生しないため、オフセット量OFは不要である。しかし図9の例の様に、オフセット量OFが設定されていても問題ない。
第2実施形態に係るオフセット量OFについて説明する。図10に、第2実施形態に係る4種類の複数の化粧材1A~1Dが幅方向に突き合わされ並列配置されていない状態を示す。左端領域に存在する装飾3Al~3Dlは、いずれも上から「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字の右半分として示す通り、同一の装飾3lとなっており、図2に示した第1実施形態に係る4種類の複数の化粧材1A~1Dと同様である。一方、右端領域に存在する装飾3Ar~3Drは、いずれも上から「5、6、7、8、1、2、3、4」という数字の左半分として示される、同一の装飾3rとなっている。図2に示した第1実施形態では、右端領域に存在する装飾3Ar~3Drは、いずれも上から「1、2、3、4、5、6、7、8」という数字の左半分であるのに対し、図10に示した第2実施形態では、右端領域に存在する装飾3Ar~3Drは、いずれも上から「5、6、7、8、1、2、3、4」という数字の左半分となっている点が異なっている。
複数の化粧材1A~1Dを幅方向に並列配置する場合に、幅方向に隣接する化粧材相互の境目(図1および図9における4AB、4BC、4CD)において、装飾どうし(3lと3r)が境目を跨って連続するように施工する場合を考える。第1実施形態においては、図2に示す各化粧材1A~1D間の隙間をなくすように幅方向に移動させるだけで、図1に示す通り装飾どうし(3lと3r)を境目を跨って連続するようになる。この第1実施形態においては、図2の状態から図1の状態にするにあたり、各化粧材1A~1Dの長方形形状が伸びる方向(長辺方向)への移動は伴わない。
一方、第2実施形態においては、図9に示す通り装飾どうし(3lと3r)が境目を跨って連続するようにするためには、図10に示す各化粧材1A~1D間の隙間をなくすように幅方向に移動させるだけでなく、長辺方向の移動も必要となる。すなわち第2実施形態においては、図10の状態から図9の状態にするにあたり、各化粧材1A~1D長辺方向への移動が伴う。この長辺方向の移動により、各化粧材の左端領域の装飾3l、と右端領域の装飾3rとが境目を跨って連続するようになる。図9においては、隣接する化粧材間の境目(4AB、4BC、4CD)において、数字の左半分として示される右端領域の装飾3rと、数字の右半分として示される左端領域の装飾3lとが、境目を跨って連続するように接続され、通常の数字として認識可能に示される。
隣接する化粧材間の境目(4AB、4BC、4CD)において、右端領域の装飾3rと、左端領域の装飾3lとが、境目を跨って連続するように接続され、一体の装飾3lrとして認識される。そして隣接する化粧材間の境目(4AB、4BC、4CD)相互で、一体の装飾3lrが同一となる長辺方向の位置は異なっている。この一体の装飾3lrの長辺方向の位置のずれ量がオフセット量OFである。図9の例においては、オフセット量OFは、長辺方向の繰り返しの間隔Pの1/2となっている。
オフセット量OFを有する第2実施形態においても第1実施形態と同様に、図11に示す通り化粧材1A~1Dを任意の順序で幅方向に並列配置可能である。また1組の建装材10が4種類の複数の化粧材1A~1Dから構成される場合であっても、4種類の中から任意の3種類(図12)あるいは2種類(図13)を選択して任意の順序で幅方向に並列配置可能である。すなわち第1実施形態と同様に、1組の建装材10が、例えばn種類(ここで、nは3≦nの自然数)の複数の化粧材1から構成されている場合において、その中から任意のm種類(2≦m≦n)のみを選択し、さらにそれらm種類の化粧材を任意の順番に幅方向に並列配置することができる。
第2実施形態の効果が顕著に現れるのは、後述する図14のように2種類の化粧材1を交互に幅方向に隣接して施工する場合の様に、同一種類の複数の化粧材1相互の幅方向の距離がある程度近い場合である。
上述の通り、本発明に係る化粧材1は、同一種類の複数の化粧材を、幅方向に隣接する化粧材相互の境目において装飾どうしは境目を跨って連続するように並列配置した場合に、幅方向に隣接する化粧材において同一となる装飾は、長方形形状が伸びる方向(一方向)にオフセットするように構成されている。このことにより、幅方向に他種類の化粧材1を1つだけ挟むように近接して施工する場合であっても、装飾3の幅方向の繰り返しが視覚的に認識され難いため、少ない種類の化粧材1により施工することが可能であり、したがって安価に施工することが可能である。また巻取状の化粧材1を運搬する手間や、保管する場所も少なくて済み、経済的かつ合理的である。また、建装材10の設計の自由度が高くなる。
ところで、2種類の化粧材1を交互に幅方向に隣接して施工する例である、オフセット量OFを設定しない(すなわち0である)図6と、オフセット量OFを長辺方向の繰り返しの間隔Pの1/2に設定した図13とを比較すると、いずれにおいても、幅方向において長辺方向の同じ位置(真横)に交互に同一の装飾(3Acあるいは3Bc)が現れており、図13においてオフセット量OFを設定した効果が得られていない。
上記を考慮し、例えばオフセット量OFを長辺方向の繰り返しの間隔Pの1/4に設定した例を図14~図16に示す。この場合における2種類の化粧材1を交互に幅方向に隣接して施工する例を図14に示す。図14においては、長辺方向の同じ位置(真横)に同一の装飾(3Acあるいは3Bc)が現れるまでの幅方向の距離が、図13に示したオフセット量OFを長辺方向の繰り返しの間隔Pの1/2に設定した例よりも2倍に長くなっており、そのため幅方向の繰り返しが認識され難く好ましい。
一方、オフセット量OFを長辺方向の繰り返しの間隔Pの1/4に設定した例において、1種類の化粧材1のみを幅方向に並列配置した場合の比較例を図15に示すが、図8に示すオフセット量OFを長辺方向の繰り返しの間隔Pの1/2に設定した比較例と比べると、図15においては右下がりの繰り返しが観念され、図8よりは繰り返しが認識され易くなっている。この比較からも1種類の化粧材1のみを幅方向に並列配置する場合におけるオフセット量OFは、繰り返しの間隔Pの1/2が好ましいことが理解できる。また4種類の化粧材1を幅方向に隣接して施工する本発明の実施形態の例を図16に示す。施工の際に用いる化粧材1の種類がある程度多い場合には、オフセット量OFはあまり意味をなさないことは上述の通りであるが、オフセット量OFを長辺方向の繰り返しの間隔Pの1/4とした場合においても、好適に使用できることが分かる。
上述のようにオフセット量OFは任意に設定できるが、その好ましい量は、施工の際に用いる化粧材1の種類の数により異なる。1組の建装材10のうち、施工に用いる化粧材1の種類が2種類以上である場合には、上記の通り1/2が好ましいとは限らない。本発明における1組の建装材10を構成する複数の化粧材1におけるオフセット量OFは、施工の際に用いられる化粧材1の種類の数を想定するなどして、適宜定めることができる。
上記では主に、1組の建装材10が4種類の複数の化粧材1A~1Dから構成される例で説明してきた。しかしこれに限定されることはなく、1組の建装材10は、2種類以上、好ましくは3種類以上であれば、何種類の複数の化粧材から構成されていても良い。また1組の建装材10が、例えばn種類の複数の化粧材1から構成されている場合において、その中から任意のm種類(m≦n)のみを選択して使用しても良い。準備(購入)する化粧材の種類を少なくすることで、化粧材の購入費用を抑えることができ、経済的だからである。また巻取状の化粧材1を運搬する手間や、保管する場所も少なくて済み、経済的かつ合理的である。
例えば本発明に係る1組の建装材10が、10種類の化粧材1A~1Jからなる場合、その中から例えば任意の5種類を選択して購入、施工しても構わない。10種類の化粧材1A~1Jはいずれも、上述の通り、左端領域の装飾3l、および右端領域の装飾3rはそれぞれ相互に視覚上同一あるいは同一に近いものとなっているため、10種類の化粧材のうちどれを選択し、どのような順序で幅方向に並列配置したとしても、幅方向に隣接する化粧材相互の境目4において、装飾3どうしは境目を跨って連続するように構成される。
上記および図面においては、装飾については特に限定することなく、概念的に説明してきた。本発明においては、1組の建装材10を構成する異なる種類の複数の化粧材1は相互に、左端領域の装飾3l、および右端領域の装飾3rはそれぞれ相互に視覚上同一あるいは同一に近いものであるにも関わらず、中央領域の装飾3cは少なくとも部分的に相互に相違しており、かつ左端領域の装飾3lと中央領域の装飾3cと右端領域の装飾3rとがそれぞれ違和感なく連続的に形成されている。この様な本発明に適した装飾としては、左官加工のコテ跡調、スタッコ調、塗り壁調、木目調、石目調などを挙げることができるが、これらに限定されることはなく、他の装飾であっても良い。
(製造方法)
本発明に係る1組の建装材を構成する化粧材は、従来の化粧材と同様の方法で製造することができる。ただし装飾形成前における、装飾のデータ処理(修正)においては、長辺方向の繰り返しに伴う通常のつなぎ目処理の他、左端領域の装飾3lと中央領域の装飾3cと右端領域の装飾3rとがそれぞれ違和感なく連続的に形成され、かつ幅方向に隣接する化粧材相互の境目4において、装飾3どうしは境目を跨って連続するように、幅方向の境目処理も必要となる。上記各つなぎ目処理、および境目処理については、長辺方向はもちろん幅方向においても従来の方法を適用可能である。
装飾の形成方法として、各種印刷法における絵柄模様の形成や、凹凸模様の賦形処理、それらの組み合わせなどを挙げることができる。各種印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷などの輪転印刷版を用いた印刷法を挙げることができ、効率面などからグラビア印刷、オフセット印刷が好ましく、通常はグラビア印刷がさらに好ましい。また、シルクスクリーン印刷や、小ロット生産の場合は、版を用いないインクジェット印刷などの無版印刷方式を用いることもできる。凹凸模様の賦形処理の一例としてはエンボス版を用いたエンボス加工を挙げることができる。また化粧材が複数の材料を張り合わせて形成される場合には、ラミネーターなどで張り合わせる。上記は各一例であり、化粧材の層構成を考慮して、上記以外の方法で形成されても構わない。
(実施例)
本発明に係る1組の建装材10を構成する化粧材1の実施例を図17~図21に示す。実施例に係る1組の建装材110は、3種類の化粧材101A(図17)、101B(図18)、101C(図19)から構成されている。これらの3種類の化粧材101A~101Cはいずれも一方向(図面における縦方向)に伸びる長方形形状を有しており、これらの3種類の化粧材101A~101Cは図17~図19に示す通り、装飾が相互に相違している。また、3種類の化粧材101A~101Cは各々、長方形形状の伸びる方向(図面における縦方向)に、一定の間隔Pで同一の装飾を有しており、図17~図19においては、一定の間隔Pの2倍程度の範囲が示されている。そして一定の間隔Pは3種類の化粧材101A~101Cにおいて同じになっている。
3種類の化粧材101A~101Cを幅方向に並列配置して施工した例を図20に示す。幅方向に隣接する化粧材101A~101C相互の境目(104AB、104BC)において、装飾どうしは境目を跨って連続するように構成されており、境目が認識し難くなっていることが確認できる。
同一種類の複数の化粧材101Bを幅方向に並列配置して施工した比較例を図21に示す。幅方向に隣接する化粧材101B相互の境目(104BB)において、装飾どうしは境目を跨って連続するように構成されており、境目が認識し難くなっていることが確認できる。また、幅方向に隣接する化粧材101Bにおいて同一となる装飾は、長辺方向に図中のOFだけオフセットするように構成されており、それゆえ幅方向における装飾の繰り返しが認識し難くなっていることが確認できる。
ただし、図20に示す本発明実施例の建装材と比較すると、幅方向の装飾模様の繰り返し周期が認識され易くなっている。
以上、本発明に係る化粧材について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1、1A~1D、101、101A~101C 化粧材
2c、2Ac~2Dc 化粧材の中央領域
2l、2Al~2Dl 化粧材の左端領域
2r、2Ar~2Dr 化粧材の右端領域
3、3A~3D 装飾
3c、3Ac~3Dc 中央領域の装飾
3l、3Al~3Dl 左端領域の装飾
3r、3Ar~3Dr 右端領域の装飾
3lr 一体の装飾
4、104 隣接する化粧材間の境目
10、110 1組の建装材
P 繰り返しの間隔
OF オフセット量

Claims (3)

  1. 1組の建装材を構成する異なる装飾を有する2種類以上の複数の化粧材であって、
    前記複数の化粧材はいずれも、一方向に伸びる長方形形状を有し、前記長方形形状の伸びる方向に一定の間隔で同一の装飾を有しており、
    前記一定の間隔は、前記2種類以上の複数の化粧材において同じであり、
    種類の異なる前記複数の化粧材は、少なくとも部分的に前記装飾が相互に相違し、
    前記装飾は、左官加工のコテ跡調、スタッコ調、塗り壁調、木目調、石目調のいずれかであり、
    前記複数の化粧材を幅方向に並列配置した場合に、幅方向に隣接する前記複数の化粧材相互の境目において、前記装飾どうしは前記境目を跨って連続するように構成された、複数の化粧材。
  2. 1組の建装材を構成する異なる装飾を有する2種類以上の複数の化粧材であって、
    前記複数の化粧材はいずれも、一方向に伸びる長方形形状を有しており、
    種類の異なる前記複数の化粧材は、少なくとも部分的に前記装飾が相互に相違し、
    前記装飾は、左官加工のコテ跡調、スタッコ調、塗り壁調、木目調、石目調のいずれかであり、
    前記複数の化粧材を幅方向に並列配置した場合に、幅方向に隣接する前記複数の化粧材相互の境目において、前記装飾どうしは前記境目を跨って連続するように構成され、
    前記長方形形状の長辺を右端および左端としたとき、前記右端に接する前記装飾が相互にいずれも視覚上同一あるいは同一に近く、前記左端に接する前記装飾が相互にいずれも視覚上同一あるいは同一に近いように構成されている、複数の化粧材。
  3. 1組の建装材を構成する異なる装飾を有する2種類以上の複数の化粧材であって、
    前記複数の化粧材はいずれも、一方向に伸びる長方形形状を有しており、
    種類の異なる前記複数の化粧材は、少なくとも部分的に前記装飾が相互に相違し、
    前記装飾は、左官加工のコテ跡調、スタッコ調、塗り壁調、木目調、石目調のいずれかであり、
    前記複数の化粧材を幅方向に並列配置した場合に、幅方向に隣接する前記複数の化粧材相互の境目において、前記装飾どうしは前記境目を跨って連続するように構成され、
    同一種類の前記複数の化粧材を、幅方向に隣接する前記複数の化粧材相互の前記境目において前記装飾どうしが前記境目を跨って連続するように並列配置した場合に、幅方向に隣接する前記複数の化粧材において同一となる前記装飾は、前記一方向にオフセットするように構成された、複数の化粧材。
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