以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)~図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1~TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の一部を、端末装置TM1~TMnにより実現してもよい。
また本実施形態のゲームシステムは、ブロックチェーンの手法により実現することも可能である。例えばイーサリウム(Ethereum)で実行可能なスマートコントラクトと呼ばれるプログラムを用いて、本実施形態のゲームシステムの各処理を実行してもよい。この場合には端末装置TM1~TMnはピア・ツー・ピアで接続されることになる。また端末装置TM1~TMnの間で通信されるゲーム情報等の各種の情報は、ブロックチェーンを用いて転送されることになる。なお、以下では、TM1~TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、プレーヤ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。或いは、端末装置TMとして、プレーヤの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の端末装置TMの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と端末装置TMの処理部100の分散処理により実現してもよい。或いは端末装置TMの処理部100とブロックチェーンを用いた手法により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、通信処理、検知処理、報知処理、ゲーム処理、表示処理、音処理、サーバに必要な各種の制御処理、或いは管理処理などを行う。
処理部600(処理部100)の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウエアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部670、170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部600(処理部100)の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部600は、通信処理部602、検知処理部604、報知処理部606、ゲーム処理部610、管理部612、表示処理部620、音処理部630を含む。上述したように、これらの各部により実行される本実施形態の各処理は、プロセッサ(或いはプロセッサ及びメモリー)により実現できる。
通信処理部602は端末装置TM(TM1~TMn)との通信処理を行う。例えば通信処理部602は、通信部696及びネットワーク510を介して、端末装置TMから情報を受信する処理や端末装置TMに情報を送信する処理を行う。例えば通信処理部602は、端末装置(TM1~TMn)への情報の送信を通信部696に指示したり、端末装置(TM1~TMn)からの情報の受信を通信部696に指示する。例えば通信処理部602は、端末装置への情報のダウンロード処理や、端末装置からの情報のアップロード処理などを、通信処理として行う。また通信処理部602は、ネットワーク510を介した通信のための各種のプロトコル処理(アプリケーション層の処理)を行う。
検知処理部604、報知処理部606、ゲーム処理部610は、各々、検知処理、報知処理、ゲーム処理を行う。これらの処理の詳細については後述する。
管理部612は、認証処理部614、課金処理部616を含む。認証処理部614はプレーヤの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。課金処理部616は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部616の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。また管理部612は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばプレーヤは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドプレーヤの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理部612は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620は、端末装置TMなどの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データ(HTMLデータ等)を生成する。或いは端末装置TMなどの表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630は、端末装置TMなどの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を端末装置TM等において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、端末装置TMが画像を生成するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ、HTMLデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音生成用データについても同様である。
操作部660(操作インターフェース)は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。
記憶部670は、ゲーム情報記憶部672、パラメータ記憶部673、検知情報記憶部674、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。ゲーム情報記憶部672は、ゲームプログラムやゲームデータなどのゲーム情報を記憶する。パラメータ記憶部673はゲームパラメータなどの各種のパラメータの情報を記憶する。検知情報記憶部674は、検知処理部604により検知された各種の情報を記憶する。例えば端末装置の通信状態の検知情報やプレーヤのゲーム操作入力の有無の検知情報などを記憶する。課金情報記憶部676は、課金処理部616により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したプレーヤのアカウント情報(ユーザID)もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、BD)、HDD、半導体メモリー(ROM)などにより実現できる。
通信部696(通信インターフェース)は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置TM(プレーヤ端末、クライアント装置、ゲーム装置)の構成例を示す。なお、端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置TMは、処理部100、操作部160、撮像部162、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、検知処理、報知処理、ゲーム処理、表示処理、或いは音処理などを行う。処理部100は、前述した図2の処理部600と同様に、プロセッサ、或いはプロセッサ及びメモリーにより実現できる。
処理部100は、通信処理部102、検知処理部104、報知処理部106、ゲーム処理部110、表示処理部120、音処理部130を含む。通信処理部102はサーバシステム500との通信処理を行う。例えば通信処理部102は、通信部196及びネットワーク510を介して、サーバシステム500から情報を受信する処理やサーバシステム500に情報を送信する処理を行う。検知処理部104、報知処理部106、ゲーム処理部110は、各々、検知処理、報知処理、ゲーム処理を行う。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部100で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部190に表示する処理を行う。音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部192から出力されるようになる。なお、本実施形態の検知処理、報知処理、ゲーム処理、管理処理、表示処理、音処理等は、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
操作部160は、プレーヤ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、ゲーム情報記憶部172、パラメータ記憶部173、検知情報記憶部174を含む。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、プレーヤが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196(通信インターフェース)は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
そして本実施形態では図2に示すように、ゲームシステムであるサーバシステム500が、検知処理部604、報知処理部606、ゲーム処理部610を含む。
ゲーム処理部610はプレーヤがゲームをプレイするための種々のゲーム処理を行う。例えばゲーム処理部610(ゲーム処理部110。以下、同様)は、ネットワーク510を介して通信接続される複数の端末装置(TM1~TMn)の複数のプレーヤがプレイするゲームの処理を行う。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績を演算する処理などである。
ブラウザゲームを例にとれば、ゲーム処理部610は、プレーヤのユーザ情報をプレーヤごとに管理することで、プレーヤごとにゲームの進行を制御する。ゲーム処理部610は、ゲームサービスを提供するウェブサイトを構成するウェブページを、端末装置TMからの要求に応じて、端末装置TMに表示させる。具体的には端末装置TMが備えるウェブブラウザにより端末装置TMの表示部190にウェブページが表示される。表示されたウェブページのハイパーリンクがプレーヤにより選択されると、ゲーム処理部610は、ハイパーリンクに対応する新たなHTMLデータを端末装置TMに送信し、端末装置TMでは新たなHTMLデータに基づくウェブページが表示される。このようにゲーム処理部610によって、記憶部670に記憶されるウェブページが、プレーヤの操作に応じて端末装置TMに順次に提供されることで、端末装置TMでのプレーヤの操作に基づきゲームを進行させることが可能になる。
そしてゲーム処理部610は、複数のプレーヤが参加してプレイするネットワークゲームの処理を行う。例えば複数のプレーヤがグループに属してプレイを行うマルチプレーヤのゲーム処理を行う。ここでグループは、対戦ゲームや協力プレイゲームにおけるチームなどである。チームは、共通の目的や達成すべき目標のために集まった集団であるが、本実施形態のグループは、このような共通目的のためのチームには限定されず、複数のプレーヤの集団であればよい。またプレーヤによるグループの所属は、プレーヤの意思に基づく所属であってもよいし、コンピュータによる自動的な配属による所属であってもよい。
検知処理部604(検知処理部104。以下、同様)は、端末装置の通信状態の検知処理を行う。例えばネットワーク510に通信接続されて、プレーヤがゲームに参加している複数の端末装置(TM1~TMn)の各端末装置の通信状態が、正常状態であるか不良状態であるかの検知処理を行う。一例としては検知処理部604は、端末装置からの通信用のパケットを正常に受信できる場合には、当該端末装置の通信状態は正常状態であると判断する。一方、端末装置からの通信用のパケットを正常に受信できない場合には、当該端末装置の通信状態は不良状態であると判断する。通信状態の正常、不良の判断に使用される通信用のパケットとしては、例えば端末装置間の通信の同期用のパケットや、一定期間毎に同報通信されるパケットなどを用いることができる。ネットワーク520に通信接続される複数の端末装置の通信状態についての検知情報は、例えば検知情報記憶部674に記憶されて管理される。
報知処理部606(報知処理部106。以下、同様)は、プレーヤに対応するプレーヤ移動体の状態を報知する処理を行う。プレーヤ移動体は、実空間のプレーヤに対応する仮想空間の移動体であり、例えばゲーム空間である仮想空間に登場するキャラクタなどである。キャラクタは、人、ロボット、モンスター、動物、車、電車、飛行機又は船などを表象したゲーム表示物である。報知処理は、例えば端末装置の表示部190に表示される画像を用いて行われる。或いは報知処理を、音出力部192により出力される音声やゲーム音などの音によって行ってもよいし、振動デバイスの振動による報知処理であってもよい。
そして本実施形態では報知処理部606は、プレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を行う。通信不良とは、通信が切断されて情報を転送できなくなったり、通信が不安定になり適切に情報を転送できなくなることである。例えば複数の端末装置の第1の端末装置でゲームをプレイする第1のプレーヤに対応する第1のプレーヤ移動体が、第1の端末装置の通信不良により動作停止状態になったとする。この場合に報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を行う。具体的には報知処理部606は、複数のプレーヤのうち、第1のプレーヤ以外のプレーヤであって所定条件を満たすプレーヤに対して、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を行う。
第1の端末装置が通信不良か否かは検知処理部604により検知される。第1の端末装置の通信状態が通信不良になることで、第1の端末装置での第1のプレーヤによる操作情報を取得できなくなる。従って、第1のプレーヤに対応する第1のプレーヤ移動体の位置情報や方向情報等の状態情報を更新できなくなるため、第1のプレーヤ移動体は動作停止状態になる。このときに報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別(認識)させる報知処理を行う。この報知処理は、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを、所定条件を満たすプレーヤに対して例えば視覚的に識別可能にする報知処理である。また報知処理は、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、通信不良により動作停止なのか、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを、所定条件を満たすプレーヤに識別させる報知処理であってもよい。後述するように、この報知処理は、例えば第1のプレーヤ移動体に付随するアイコン、第1のプレーヤ移動体の画像変更又は端末装置の画面内に表示されるメッセージなどにより実現できる。そして本実施形態では、ネットワークゲームに参加するプレーヤのうち、第1のプレーヤ以外のプレーヤであって所定条件を満たすプレーヤに対して、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理が行われる。例えば第1のプレーヤに対しては当該報知処理は行われず、第1のプレーヤを除く所定条件を満たすプレーヤに対して当該報知処理が行われる。例えば後述するように所定のグループに属するプレーヤに対して当該報知処理が行われる。或いは所定のアイテムを使用したプレーヤに対して当該報知処理が行われる。
またゲーム処理部610は、複数のプレーヤが複数のグループにグループ分けされてプレイするゲームの処理を行う。この場合に所定条件を満たすプレーヤは、例えば複数のグループの所定のグループに属するプレーヤになる。例えば第1のプレーヤ群が第1のグループに属し、第2のプレーヤ群が第2のグループに属するというようなグループ分けが行われる。そして第1のグループの第1のプレーヤ群と第2のグループの第2のプレーヤ群との間で対戦ゲームや協力ゲームを行うためのゲーム処理が行われる。この場合に所定条件を満たすプレーヤは、第1のグループに属するプレーヤ、或いは第2のグループに属するプレーヤになる。即ち、第1のプレーヤ以外のプレーヤであって、第1のグループ又は第2のグループに属するプレーヤに対して、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理が行われる。
例えば報知処理部606は、第1のプレーヤの対戦相手のグループのプレーヤに対して、報知処理を行う。例えば第1のプレーヤが第1のグループに属する場合に、第1のグループの対戦相手となる第2のグループのプレーヤに対して、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を行う。例えば第1のプレーヤが、ゲーム操作入力をしないことで第1のプレーヤ移動体を動作停止させる偽装プレイを行ったとする。この場合に本人である第1のプレーヤに対しては、当該報知処理を行わずに、第1のプレーヤの対戦相手のグループである第2のグループのプレーヤに対して、当該報知処理を行う。こうすることで第1のプレーヤが偽装プレイによりゲームを有利に進めてしまう事態を防止できるようになる。
また報知処理部606は、第1のプレーヤが属する味方グループのプレーヤに対して、報知処理を行ってもよい。例えば第1のプレーヤが第1のグループに属する場合に、味方である第1のグループのプレーヤに対して、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理が行われる。このようにすれば、第1のプレーヤと同じ第1のグループに属するプレーヤは、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態になってしまい、戦力として機能しなくなったことを認識できるようになる。従って、第1のグループに属するプレーヤは、第1のプレーヤ移動体が戦力として機能しなくなったことを前提とした戦略を立てることが可能になり、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止になったことによる悪影響を低減できるようになる。
また報知処理部606は、アイテムを使用することにより所定条件を満たしたプレーヤに対して、報知処理を行ってもよい。例えば第1のプレーヤ移動体が動作停止状態となった場合に、他のプレーヤが所定のアイテムを使用すると、所定条件が満たされて、アイテムを使用した当該他のプレーヤに対して、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理が行われるようになる。このようにすれば、アイテムを使用したプレーヤだけに限定して、当該報知処理を行うことが可能になる。
また報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体に付随するアイコンを用いて、報知処理を行う。このようにすれば、所定条件を満たすプレーヤは、当該アイコンの画像を見ることで、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを視覚的に識別(認識)できるようになる。ここで第1のプレーヤ移動体に付随するアイコンは、例えばゲーム空間において第1のプレーヤ移動体が移動すると、当該第1のプレーヤ移動体に追従して移動するアイコンである。アイコンは情報を報知するための表示物であり、本実施形態では当該アイコンは、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる情報を報知する。例えば第1の移動体に付随するアイコンは、通信状態が正常状態か不良状態かを他のプレーヤに識別させる情報を報知するアイコンである。或いは当該アイコンは、通信の強度等を他のプレーヤに識別させる情報を報知するアイコンであってもよい。或いは当該アイコンは、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、通信不良による動作停止なのか、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを識別させる情報を報知するアイコンであってもよい。
また報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体の画像変更により、報知処理を行う。例えば報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体の色、輝度、半透明度又はテクスチャなどの画像のプロパティを変更することで、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を行う。或いは第1のプレーヤ移動体を表すモデルオブジェクト、モデルオブジェクトを構成するパーツオブジェクト、又はモデルオブジェクトが所持する所持オブジェクトの画像や動作を変更する画像変更により、当該報知処理を行ってもよい。このようにすれば、所定条件を満たすプレーヤは、第1のプレーヤ移動体の画像の変更態様を見ることで、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを視覚的に識別できるようになる。
また報知処理部606は、端末装置の画面内にメッセージを表示する、又は画面の表示状態の変更により、報知処理を行う。例えば報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させるメッセージを、端末装置の画面内に表示する。例えば、通信不良により動作停止状態であることを知らせる文字や記号が書かれたメッセージを表示する。或いは報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体が通信不良により動作停止状態であることを識別させるような端末装置の画面の表示態様の変更を行う。端末装置の画面の表示態様の変更は、画面の色、輝度、半透明度又はテクスチャなどの画像のプロパティを変更することなどにより実現できる。
また検知処理部604は、端末装置でのプレーヤのゲーム操作入力の有無の検知処理を行う。例えば検知処理部604は、プレーヤが端末装置の操作部160を操作することで入力した操作情報を検知することで、プレーヤのゲーム操作入力の有無の検知処理を行う。検知されたゲーム操作入力の情報は検知情報記憶部674に記憶される。例えば検知処理部604は、操作部160の操作ボタン等の操作部材をプレーヤが操作することで入力した操作情報に基づいて、プレーヤがゲーム操作入力を行ったか否かを検知する。或いは端末装置がタッチパネルディスプレイを有する場合に、プレーヤがタッチパネルディスプレイのタッチ操作することで入力した操作情報に基づいて、プレーヤがゲーム操作入力を行ったか否かを検知する。例えば検知処理部604は、操作部160の操作部材の操作やタッチパネルのタッチ操作を検知することで、プレーヤのゲーム操作入力の有無を検知する。なおゲーム操作入力の検知処理は、操作部材やタッチパネルディスプレイの操作を単に検知するだけではなく、プレーヤが行った操作が、ゲームの操作入力として予め規定された操作であるか否かを検知する処理であってもよい。
そして報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、通信不良による動作停止なのか、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを、他のプレーヤ(例えば所定条件を満たすプレーヤ)に識別させる報知処理を行う。例えば報知処理部606は、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、通信不良による動作停止なのか、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを判定する処理を行う。そして判定結果に基づいて、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、通信不良による動作停止なのか、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを、他のプレーヤが識別(認識)できるようにする報知処理を行う。このような報知処理を行うことで、他のプレーヤは、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、第1のプレーヤの端末装置の通信不良による動作停止なのか、或いは第1のプレーヤが故意にゲーム操作入力を行わない偽装プレイによる動作停止なのかを、認識できるようになる。
また報知処理部606は、ゲーム操作入力無しの期間が所定期間以上の場合に、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、ゲーム操作入力無しによる動作停止であると判定する。例えばゲーム操作入力無しの期間が所定期間以上、継続したか否かを判定し、継続した場合にゲーム操作入力無しによる動作停止であると判定する。例えば所定の検知タイミング毎に、ゲーム操作入力の有無を検知し、例えば第1の検知タイミングにおいてゲーム操作入力が検知されなかった場合に、所定期間の計時を開始し、所定期間の間、各検知タイミングにおいてゲーム操作入力の有無を検知する。そして、各検知タイミングでゲーム操作入力が検知されず、所定期間が経過した場合に、第1のプレーヤ移動体の動作停止が、ゲーム操作入力無しによる動作停止であると判定する。このようにすることで、ゲーム操作入力無しによる第1のプレーヤの偽装プレイを、適切に判定できるようになる。
また報知処理部606は、ゲーム操作入力無しによる第1のプレーヤ移動体の動作停止の頻度が高くなるほど、報知処理における報知の強調度を高くする。例えばゲーム操作入力無しによる偽装プレイを第1のプレーヤが行っていることが、他のプレーヤに対して強調して認識されるように、報知の強調度を高くする。例えばゲーム操作入力無しによる偽装プレイの報知を、第1のプレーヤ移動体の画像変更により行う場合には、変更後の画像の強調度を高める処理を行う。例えば画像の色の輝度を高めたり、色の彩度を高めたり、より強調度合いの高いテクスチャを用いる。或いは第1のプレーヤ移動体のパーツオブジェクトの動きにより、報知処理を行う場合に、パーツオブジェクトの動きを速めるなどの強調処理を行う。
またゲーム処理部610は、ゲーム操作入力無しによる第1のプレーヤ移動体の動作停止が行われた場合に、第1のプレーヤ移動体又は第1のプレーヤ移動体の味方プレーヤ移動体についてのゲームパラメータを不利な設定にするゲーム処理を行う。例えば第1のプレーヤ移動体や味方プレーヤ移動体の攻撃力や防御力を低下させたり、ヒットポイントや体力を減少させたり、魔法に関する能力を低下させたり、アイテムの効果を低減させるなどのゲームパラメータの設定処理を行う。このゲームパラメータの情報はパラメータ記憶部673に記憶される。ゲームパラメータは、ゲーム処理部610でのゲーム処理に使用されるパラメータであり、プレーヤ移動体についてのパラメータや、プレーヤが使用するアイテムについてのパラメータや、ゲームの進行等についてのパラメータである。プレーヤ移動体についてのパラメーターは、例えばプレーヤ移動体の攻撃力、防御力、ヒットポイント、体力又は魔法力についてのパラメータなどである。
またゲーム処理部610は、ゲーム操作入力無しによる第1のプレーヤ移動体の動作停止の頻度が高くなるほど、ゲームパラメータをより不利に設定する、又はゲームパラメータを不利に設定する味方のプレーヤ移動体の数を増加させる処理を行う。例えばゲーム操作入力無しによる動作停止の頻度が高くなるほど、第1のプレーヤ移動体の攻撃力、防御力、ヒットポイント、体力又は魔法力が低くなるように、ゲームパラメータを設定する。或いは、第1のプレーヤ移動体の味方プレーヤ移動体のゲームパラメータを不利な設定にする場合に、ゲームパラメータを不利な設定にする味方プレーヤ移動体の数を、ゲーム操作入力無しによる動作停止の頻度が高くなるほど、増加させる。
またゲーム処理部610は、通信不良による動作停止が発生している場合に、第1のプレーヤ移動体の味方プレーヤ移動体についてのゲームパラメータを有利な設定にするゲーム処理を行う。例えば第1のプレーヤの端末装置の通信不良により、第1のプレーヤ移動体が動作停止した場合には、第1のプレーヤ移動体の味方プレーヤ移動体の攻撃力、防御力、ヒットポイント、体力又は魔法力が高くなるように、ゲームパラメータを設定する。或いは、第1のプレーヤ移動体の味方プレーヤ移動体により使用されるアイテムの効力等が高くなるように、アイテムについてのゲームパラメータを設定する。
またゲーム処理部610は、通信不良による動作停止の頻度が高くなるほど、味方プレーヤ移動体のゲームパラメータをより有利に設定する、又は対戦相手との対戦結果評価をより有利な評価にする。例えばゲーム処理部610は、通信不良による動作停止の頻度が高くなるほど、第1のプレーヤ移動体の味方プレーヤ移動体の攻撃力、防御力、ヒットポイント、体力又は魔法力が、より高くなるように、ゲームパラメータを設定する。或いは、第1のプレーヤ移動体の味方プレーヤ移動体により使用されるアイテムの効力等が高くなるように、アイテムについてのゲームパラメータを設定する。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。
2.1 ゲーム
まず本実施形態により実現されるゲームについて図4、図5を用いて簡単に説明する。ここでは、プレーヤ移動体がゲームに登場するキャラクタであり、キャラクタが属するチーム同士でチーム対戦を行うゲームへの本実施形態の手法の適用例について、主に例にとり説明する。
図4のゲームでは、キャラクタCH1、CH2、CH3に対応するプレーヤが属するチーム(第1のグループ)と、キャラクタCH4、CH5、CH6に対応するプレーヤが属するチーム(第2のグループ)との間でチーム対戦が行われる。これらのチーム編成は、ネットワークゲームにおけるマッチング処理などにより実現される。例えば図4のゲームでは、参加プレーヤ数は6人であり、そのうちの3人のプレーヤは、例えばチームレッドと呼ばれるチーム(第1のチーム)に所属し、他の3人のプレーヤは、例えばチームブルーと呼ばれるチーム(第2のチーム)に所属する。チームレッドに所属する3人のプレーヤの各々が、キャラクタCH1、CH2、CH3の各々を操作し、チームブルーに所属する3人のプレーヤの各々が、キャラクタCH4、CH5、CH6の各々を操作する。そして、チームレッドとチームブルーとの間での対戦ゲームが行われる。なお各チームには、ボット(bot)と呼ばれるAIプレーヤが所属できるようにしてもよい。例えば各キャラクタに対してはヒットポイントが設定されており、ヒットポイントがゼロになると、当該キャラクタはその位置から消滅する。そして所定の条件を満たした場合には、消滅したキャラクタは所定の復活ポイントで復活する。
図5は本実施形態のゲームで使用されれるゲームフィールド(ゲームマップ)の例である。ゲームフィールドには、チームレッドの本拠地と、チームブルーの本拠地と、これらの本拠地を結ぶメインエリアと、メインエリアの上下に配置されるサブエリアが設けられている。メインエリアは、ゲームの主戦場であり、レッド側エリアと、ブルー側エリアと、その間のセンターエリアを有する。サブエリアには、ショップや重要エリアが配置されている。チームレッド、チームブルーの各本拠地が配置される陣地にもショップが配置されている。これらのショップにおいてはプレーヤは各種のアイテムを購入できる。
サブエリアは、ゴールドと呼ばれるゲーム内通貨を獲得するためのエリアである。プレーヤは、自身の分身であるキャラクタを操作して、サブエリアに出現するモンスターを倒すことで、ゴールドを獲得する。プレーヤは、獲得したゴールドを消費することで、各ショップにおいて、ゲームを優位に進めるためのアイテムを購入できる。サブエリアの重要エリアには、ゴールドを発掘するモンスターが配置されおり、ゲームの戦略的に重要なエリアになる。メインエリアには、複数の重要拠点が配置されており、チームレッド、チームブルーの各チームは、これらの重要拠点の各拠点を攻略して行く。そして最終的に敵チームの本拠地を攻略したチームが勝利になる。
2.2 報知処理
以上のような複数のプレーヤが属するグループ同士で対戦するオンライン対戦ゲームでは、ゲームに参加するプレーヤのうちの誰かが、通信のラグなどで通信状態が不安定になったり、通信が切断された場合に、そのプレーヤのキャラクターの動作をその場で停止させるという処理が行われる場合が多い。しかしながら、このような処理には以下の問題がある。第1の問題としては、通信のラグもなく、一時的なネット切断ではなく、良好なオンライン状態であるにもかかわらず、プレーヤが故意にキャラクタの動作を停止させ、オフライン状態を偽装して相手を油断させるという好ましくない状況が発生する。第2の問題としては、本当に通信のラグが発生した場合に、動作が停止したキャラクタが所属するチームにとっては戦力ダウンとなってしまう。このような問題を解決するために本実施形態では、故意によるキャラクタの動作停止時には、オンライン状態であることを示すアイコン等を例えば敵軍にのみ表示する報知処理を行う。一方、本当の通信ラグ発生時には、通信不良状態であるアイコン等を自軍にのみ表示する報知処理を行う。以下、本実施形態の手法について具体的に説明する。
オンライン対戦ゲームなどのネットワークゲームでは、例えば端末装置とネットワークとの間の通信に不具合が発生し、端末装置の通信状態が通信不良になる場合がある。通信不良とは通信が切断したり、通信が不安定な状態になることである。例えば図6では、端末装置TM1とネットワーク510との間の通信状態が通信不良になっている。端末装置TM1のプレーヤは、キャラクタCH1を操作するプレーヤであり、キャラクタCH1は、端末装置TM1のプレーヤに対応するキャラクタである。このような通信不良が発生すると、例えばキャラクタCH4を操作するプレーヤの端末装置TM4において、端末装置TM1のプレーヤに対応するキャラクタCH1が、端末装置TM1の通信不良が原因となって動作が停止してしまう。このようにキャラクタCH1が動作停止の状態になると、端末装置TM4のプレーヤにとっては攻撃のチャンスであり、当該プレーヤは端末装置TM4のタッチパネル操作等を行って、動作停止しているキャラクタCH1に対して攻撃を行う。キャラクタCH1は通信不良により動作停止しているため、キャラクタCH4の攻撃に対して防御したり反撃することはできず、キャラクタCH4が勝利することになる。
一方、図7では、端末装置TM1のプレーヤは、通信不良によりキャラクタCH1が動作停止したかのように偽装するために、故意にゲーム操作入力を行っていない。例えば端末装置TM1に対してゲーム操作入力のタッチパネル操作を行っていない。このような偽装が行われると、端末装置TM1の通信状態は正常であるのに、端末装置TM4において、キャラクタCH1が通信不良により動作停止しているように見えてしまう。このため端末装置TM4のプレーヤは、攻撃のチャンスであると勘違いして、キャラクタCH4を用いてキャラクタCH1に攻撃を加える。しかしながら、端末装置TM1はネットワーク510に正常に通信接続されているため、端末装置TM1のプレーヤは、キャラクタCH1を操作して、キャラクタCH4の攻撃に対してカウンター攻撃などにより反撃することができる。このような反撃が行われると、端末装置TM4のプレーヤは不意をつかれてしまい、キャラクタCH4がキャラクタCH1からのカウンター攻撃などを受けることで、敗戦してしまうなどの事態が生じる。このような通信のラグを偽装したプレイが許容されてしまうと、プレーヤの戦意が喪失してしまい、ゲームへのプレーヤの没入度が減少してしまうなどの問題が発生する。
以上はキャラクタCH1とキャラクタCH4が違うチームに属しており、敵同士である場合の例であるが、キャラクタが同じチームに属しており、味方同士である場合にも次のような問題がある。例えば図4に示すようなチーム対戦が行われる場合に、端末装置TM1が通信不良になり、キャラクタCH1が動作停止になったとする。この場合には、キャラクタCH1が動作停止により戦力外になるため、3対3のチーム対戦から、2対3のチーム対戦に変化してしまう。従って、キャラクタCH1、CH2、CH3のチームが対戦において不利になってしまい、何ら対策を施さないと、キャラクタCH4、CH5、CH6に対して簡単に敗戦してしまうという問題が生じる。
そこで本実施形態では、例えば端末装置TM1(第1の端末装置)でプレイするプレーヤ(第1のプレーヤ)に対応するキャラクタCH1(第1のプレーヤ移動体)が、端末装置TM1の通信不良により動作停止状態になった場合に、キャラクタCH1が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を行う。
例えば図6では、通信状態を示すアイコンIC1を用いて当該報知処理を実現している。図6では、アイコンIC1により、通信状態が不良であることを示すハテナマークが表示され、これによりキャラクタCH1が通信不良により動作停止状態であることを、端末装置TM4のプレーヤは識別(認識)できるようになる。即ち、キャラクタCH1(第1のプレーヤ移動体)に付随するアイコンIC1を用いて、キャラクタCH1が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を実現している。
一方、図7では、アイコンIC1により、通信状態が正常であることを示す通信強度が表示され、これによりキャラクタCH1の動作停止が、通信不良を原因とするものでないことを、端末装置TM4のプレーヤは識別できるようになる。即ち端末装置TM4のプレーヤは、端末装置TM1のプレーヤが故意にゲーム操作入力を行わないことで、通信不良によるキャラクタCH1の動作停止を偽装していることを類推して、判別できるようになる。従って、端末装置TM1のプレーヤがキャラクタCH1の動作停止を偽装する不正なゲームプレイを行うことを、抑制できるようになる。
そして本実施形態では、このようなアイコンIC1による報知処理を、端末装置TM1のプレーヤ以外のプレーヤであって、所定条件を満たすプレーヤに対して行っている。即ち端末装置TM1のプレーヤを除く所定条件を満たすプレーヤに対して、キャラクタCH1が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理を行っている。
例えば図6、図7では、端末装置TM1のプレーヤの敵のプレーヤの端末装置TM4において、アイコンIC1による報知処理を行っている。例えば偽装プレイを行っているプレーヤ(第1のプレーヤ)の端末装置TM1(第1の端末装置)においては、キャラクタCH1に対してアイコンIC1は表示されず、アイコンIC1による報知処理は行われない。端末装置TM1においてキャラクタCH1に対してアイコンIC1が表示されてしまうと、自身の偽装プレイが敵のプレーヤにバレてしまっていることを、端末装置TM1のプレーヤが気づいてしまい、アイコンIC1を表示することの意義が薄れてしまうからである。一方、端末装置TM1のプレーヤ以外のプレーヤであって所定条件を満たすプレーヤである敵のプレーヤの端末装置TM4において、キャラクタCH1に対してアイコンIC1が表示されて、アイコンIC1による報知処理が行われる。同様に、所定条件を満たすプレーヤである、キャラクタCH5、CH6を操作するプレーヤの端末装置TM5、TM6においても、キャラクタCH1に対してアイコンIC1が表示されて、アイコンIC1による報知処理が行われる。このようにすることで、端末装置TM1のプレーヤが偽装プレイを行ったとしても、敵チームに属する端末装置TM4、TM5、TM6のプレーヤは、アイコンIC1を見ることで、この偽装プレイを見破ることができるようになる。従って、偽装プレイが行われるのを効果的に防止できるようになる。
また所定条件を満たすプレーヤは、端末装置TM1のプレーヤの味方のプレーヤであってもよい。例えば図4ではキャラクタCH2、CH3を操作する端末装置TM2、TM3のプレーヤが、端末装置TM1のプレーヤの味方のプレーヤになる。この場合には、端末装置TM2、TM3において、キャラクタCH1に対して図6に示すようなアイコンIC1が表示されて、アイコンIC1による報知処理が行われる。このようにすれば、端末装置TM2、TM3のプレーヤは、端末装置TM1の通信不良によりキャラクタCH1が動作停止状態になったことを知ることができる。このようにキャラクタCH1が通信不良により動作停止すると、キャラクタCH1、CH2、CH3のチームにとっては、戦力ダウンになり、窮地に陥る。従って、キャラクタCH2、CH3を操作するプレーヤは、キャラクタCH1が動作停止していることを前提として、このような窮地から脱するための戦略を立てることが可能になる。例えば端末装置TM1の通信状態が不良状態から正常状態に復帰するまでの間は、敵に対して無闇な攻撃を行わずに、敵の居る場所から離れたり、自陣を守るなどして守備に徹するなどの戦略を立てることが可能になる。これにより、キャラクタCH1の動作停止による戦力ダウンによる悪影響を最小限に抑えたゲームプレイを行うことが可能になる。
このように本実施形態では、複数のプレーヤが複数のグループにグループ分けされてプレイするゲームの処理が行われ、所定条件を満たすプレーヤは、複数のグループの所定のグループに属するプレーヤである。例えば第1のキャラクタが、端末装置の通信不良により動作停止となった場合に、第1のキャラクタに対応する第1のプレーヤ以外のプレーヤであって、複数のグループの所定のグループに属するプレーヤに対して、報知処理が行われる。即ち、第1のキャラクタが通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理が行われる。このようにすることで、第1のキャラクタが通信不良により動作停止状態になった場合に、複数のグループの所定のグループに属するプレーヤに限定して、当該報知処理を行うことが可能になり、上述した偽装プレイの問題や、味方のキャラクタの動作停止による戦力ダウンの問題などの種々の問題を解消できるようになる。
具体的には本実施形態では、動作停止した第1のキャラクタに対応する第1のプレーヤの対戦相手のグループのプレーヤに対して、報知処理を行う。
例えば図8(A)、図8(B)では、端末装置TM1、TM2、TM3でプレイするプレーヤPL1、PL2、PL3は、グループGAに属しており、端末装置TM4、TM5、TM6でプレイするプレーヤPL4、PL5、PL6は、グループGBに属している。即ち、複数のプレーヤPL1~PL6が、複数のグループGA、GBにグループ分けされてプレイするゲームの処理が行われている。例えばグループGAとグループGBとで対戦したり競争するゲームの処理が行われている。或いはグループGAとグループGBが協力してプレイするゲームの処理を行ってもよい。
そして本実施形態では、端末装置TM1のプレーヤPL1(第1のプレーヤ)に対応するキャラクタCH1(第1のキャラクタ)が通信不良により動作停止状態になった場合に、プレーヤPL1以外のプレーヤであって、複数のグループGA、GBのうちの所定のグループに属するプレーヤに対して、キャラクタCH1が通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理が行われる。
例えば図8(A)では、プレーヤPL1の対戦相手(競争相手)のグループGBのプレーヤPL4、PL5、PL6に対して、報知処理が行われる。例えばプレーヤPL4、PL5、PL6の端末装置TM4、TM5、TM6において、図6、図7に示すようなアイコンIC1が表示されて、アイコンIC1による報知処理が行われる。このようにすることで、図7に示すような偽装プレイをグループGAのプレーヤPL1が行った場合にも、対戦相手のグループGBのプレーヤPL4、PL5、PL6は、この偽装プレイを見破ることが可能になる。従って、偽装プレイによりプレーヤPL1が不正にゲームを有利に進めてしまうような事態や、プレーヤPL4、PL5、PL6が偽装プレイにより戦意を喪失したりゲームの没入度や低下してしまうなどの事態を防止できるようになる。
一方、図8(B)では、プレーヤPL1の味方(協力相手)のグループGAのプレーヤPL2、PL3に対して、報知処理が行われる。例えばプレーヤPL2、PL3の端末装置TM2、TM3において、図6に示すようなアイコンIC1が表示されて、アイコンIC1による報知処理が行われる。このようにすることで、図6に示すようにプレーヤPL1の端末装置TM1の通信不良によりキャラクタCH1が動作停止状態になった場合に、プレーヤPL1の味方のプレーヤPL2、PL3が、このような通信不良による動作停止状態を把握できるようになる。従って、プレーヤPL2、PL3は、プレーヤPL1のキャラクタCH1が戦略外であることを前提とした戦略を立てることが可能になり、通信不良によるキャラクタCH1の動作停止による悪影響を最小限に留めることが可能になる。
また本実施形態では、アイテムを使用することにより所定条件を満たしたプレーヤに対して、報知処理を行うようにしてもよい。例えば第1のプレーヤ以外の他のプレーヤが、所定のアイテムを使用すると、他のプレーヤの端末装置において、第1のプレーヤに対応する第1のキャラクタが通信不良により動作停止状態であることを識別させる報知処理が行われるようにする。こうすることで、他のプレーヤは、所定のアイテムを使用することで、第1のキャラクタが通信不良により動作停止状態になったのを識別できるようになる。具体的には、他のプレーヤは、所定のアイテムを使用することで、第1のキャラクタが通信不良により動作停止状態になったのか、或いは第1のキャラクタが、第1のプレーヤのゲーム操作入力無しの偽装プレイにより動作停止状態になったのかを、判別できるようになる。
例えば図9では、端末装置TM1のプレーヤは、通信状態が正常状態であるのに、故意にゲーム操作入力を行わないことで、キャラクタCH1を動作停止状態にする偽装プレイを行っている。このとき、端末装置TM4のプレーヤが、所定のアイテムを使用しなければ、図9に示すようなアイコンIC1やメッセージMSは、端末装置TM4に表示されない。これに対して、端末装置TM4のプレーヤが、例えば偽装プレイの見破りアイテムなどの所定のアイテムを使用すると、図9に示すようなアイコンIC1やメッセージMSが表示される。そして、これらのアイコンIC1やメッセージMSにより、キャラクタCH1が、端末装置TM1の通信不良により動作停止状態になったか否かを識別できるようになる。例えば図9のアイコンIC1では、端末装置TM1での通信強度は十分であり、端末装置TM1の通信状態が正常状態であることを、端末装置TM4のプレーヤは認識できる。そして、このように通信状態が正常状態であるのにもかかわらず、キャラクタCH1が動作停止している場合には、端末装置TM4のプレーヤは、端末装置TM1のプレーヤが偽装プレイを行っていることを類推できるようになり、当該偽装プレイを見破ることが可能になる。またメッセージMSでは、偽装プレイが行われていることの注意を促す表示が行われており、端末装置TM4のプレーヤは、このメッセージMSを見ることで、端末装置TM1のプレーヤが偽装プレイを行っていることを類推できるようになり、偽装プレイを見破ることが可能になる。このように、報知処理を行うか否かを判断する所定条件は、プレーヤが所定のグループに属するか否かという条件には限定されず、プレーヤが所定のアイテムを使用したか否かという条件であってもよい。
また本実施形態での報知処理の報知態様としては、種々の態様を想定できる。例えば図6、図7では、キャラクタCH1に付随するアイコンIC1を用いて、キャラクタCH1の動作停止の原因を知らせる報知処理を行っている。このような報知処理によれば、キャラクタCH1に追従させてアイコンIC1を表示するという簡素な処理で、本実施形態の報知処理を実現できるようになる。
また本実施形態では、キャラクタCH1(第1のプレーヤ移動体)の画像変更により、報知処理を行ったり、端末装置の画面内にメッセージを表示する、又は画面の表示状態の変更により、報知処理を行うようにしてもよい。
例えば図10ではキャラクタCH1の画像変更により、本実施形態の報知処理を行っている。例えば端末装置TM1の通信状態が正常状態である場合には、キャラクタCH1が所持する剣SWDが微少に動くようにする一方で、通信状態が不良状態である場合には、剣SWDが動かずに止まるようにする画像変更が行われる。ここで剣SWDは、モデルオブジェクトであるキャラクタCH1が所持する所持オブジェクトである。このようにすれば、他のプレーヤは、剣SWDが動いている場合には、端末装置TM1の通信状態が正常状態であると判断でき、剣SWDが動いていない場合には、端末装置TM1の通信状態が不良状態であると判断できるようになる。従って、キャラクタCH1の全体的な動作は停止しているが、剣SWDだけが微少に動いている場合には、端末装置TM4のプレーヤは、端末装置TM1のプレーヤがゲーム操作入力無しの偽装プレイを行っていると判断できる。従って、端末装置TM4のプレーヤは、キャラクタCH4を用いてキャラクタCH1に対して無闇に攻撃を仕掛けないようになる。一方、キャラクタCH1の全体的な動作が停止していると共に、剣SWDの動きも停止している場合には、端末装置TM4のプレーヤは、端末装置TM1の通信不良によりキャラクタCH1が停止していると判断できる。従って端末装置TM4のプレーヤは、キャラクタCH1の反撃を恐れること無く、キャラクタCH4を用いてキャラクタCH1に対して攻撃を仕掛けることが可能になる。またキャラクタCH1が味方のキャラクタである場合には、キャラクタCH1の動作停止による戦力ダウンを考慮したゲーム戦略を立てることが可能になる。
なおキャラクタCH1の画像変更による報知処理としては、種々の処理が考えられる。例えば、モデルオブジェクトであるキャラクタCH1の顔や髪の毛などのパーツオブジェクト(部位オブジェクト)や所持オブジェクトを微少に動作させたり、動作を停止するなどの画像変更処理を行ってもよい。或いはキャラクタCH1の色、輝度、半透明度又はテクスチャなどの画像のプロパティを変更する画像変更処理を行ってもよい。例えば端末装置TM1の通信状態が正常状態である場合(ゲーム操作入力無しによる動作停止の場合)には、キャラクタCH1の画像を、第1の色、第1の輝度、第1の半透明度又は第1のテクスチャに設定する。一方、端末装置TM1の通信状態が不良状態である場合には、キャラクタCH1の画像を、第2の色、第2の輝度、第2の半透明度又は第2のテクスチャに設定する。このようにすれば、他のプレーヤは、キャラクタCH1の画像を視覚的に認識することで、通信不良による動作停止なのか、或いはゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを、判別できるようになる。
また図10では、端末装置TM4の画面に表示されたメッセージMSにより、本実施形態の報知処理を実現している。例えば図10のメッセージMSでは、端末装置TM1の通信状態は正常状態であり、ゲーム操作入力無しの偽装プレイである可能性があることが伝えられている。このようにすることで、キャラクタCH4を操作する端末装置TM4のプレーヤは、端末装置TM1のプレーヤの偽装プレイの可能性を認識できるようになる。なおメッセージMSとして、例えば端末装置TM1の通信状態が不良状態であるか正常状態であるかを直接的に示すメッセージを用いてもよい。即ち、メッセージMSにより提示される情報は、キャラクタCH1が通信不良により動作停止状態であるか否かを他のプレーヤが識別可能となるような情報であればよい。また端末装置TM4の画面内にメッセージMSを表示するのではなく、端末装置TM4の画面の表示状態の変更により、本実施形態の報知処理を行うようにしてもよい。例えば画面の画像の色、輝度、半透明度又はテクスチャなどを変更することで、キャラクタCH1が通信不良により動作停止状態であるかを報知したり、ゲーム操作入力無しによる動作停止状態であるかを報知するようにしてもよい。例えば通信不良による動作停止状態である場合には、端末装置TM4の画面を第1の色、第1の輝度、第1の半透明度又は第1のテクスチャに設定する。一方、通信状態が正常状態である場合や、ゲーム操作入力無しによる動作停止状態である場合には、端末装置TM4の画面を第2の色、第2の輝度、第2の半透明度又は第2のテクスチャに設定する。このようにすれば、端末装置TM4のプレーヤは、画面の画像の違いを認識することで、通信不良による動作停止状態であるか否かや、ゲーム操作入力無しによる動作停止状態であるか否かなどを視覚的に認識できるようになる。
図11はキャラクタCH4に設定された視界範囲RVWについての説明図である。図4に示すようなチーム対戦のゲームでは、各キャラクタに対して視界範囲が設定され、各キャラクタは、敵のキャラクタについてはその視界範囲に入ってるキャラクタしか見えないようにする場合がある。図11を例にとれば、キャラクタCH4は、キャラクタCH1、CH2とは別のチームに属しており、キャラクタCH1、CH2とは敵対関係にある。従って、キャラクタCH4のプレーヤは、キャラクタCH1、CH2が視界範囲RVWに居る場合にだけ、これらのキャラクタCH1、CH2を視認することができる。そして図11では、キャラクタCH1は通信不良により動作停止状態になっているため、アイコンIC1が表示されており、このアイコンIC1により本実施形態の報知処理が行われている。この場合に、キャラクタCH4の視界範囲RVWに、キャラクタCH1は入っていないため、キャラクタCH4のプレーヤは、キャラクタCH1のアイコンIC1を視認することができず、キャラクタCH1が通信不良により動作停止状態になっているか否かを認識できない。一方、キャラクタCH1の味方のキャラクタCH2については、キャラクタCH1に対する視認範囲は設定されていない。従って、キャラクタCH2のプレーヤは、味方のキャラクタCH1が通信不良により動作停止状態になったことを、アイコンIC1を見ることで知ることができるようになり、キャラクタCH1の動作停止による戦力ダウンに対応した戦略等を立てることが可能になる。
2.3 ゲーム操作入力無しによる動作停止の検知
本実施形態では、端末装置でのプレーヤのゲーム操作入力の有無の検知処理を行う。そして第1の端末装置でゲームをプレイする第1のプレーヤに対応する第1のキャラクタ(第1のプレーヤ移動体)が動作停止状態になった場合に、第1のキャラクタの動作停止が、通信不良による動作停止なのか、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを、他のプレーヤに識別させる報知処理を行う。ここで、他の報知処理が行われる他のプレーヤは、例えば前述した所定条件を満たすプレーヤである。図12は、このようなゲーム操作入力無しの検知処理が行われる場合の本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
まず端末装置の通信状態の検知処理が行われる(ステップS1)。図4に示す対戦ゲームを例にとれば、キャラクタCH1~CH6のプレーヤがプレイする端末装置TM1~TM6の各端末装置の通信状態の検知処理が行われる。即ち各端末装置の通信状態が正常状態であるか不良状態であるかの検知処理が行われる。またゲーム操作入力の有無の検知処理も行われる(ステップS2)。即ち、各端末装置においてゲーム操作入力が行われているか否かが検知される。ここでの検知処理は、各端末装置において単に操作が行われたか否かの検知処理だけではなく、ゲームにおいて規定される所定のゲーム操作入力が行われたか否かの検知処理であってもよい。この検知処理は、各端末装置から転送されてくる操作情報を監視することで実現できる。
次に、キャラクタの動作停止が、通信不良による動作停止か、ゲーム操作入力無しによる動作停止かを判定する(ステップS3)。即ちステップS1での端末装置の通信状態の検知処理の結果に基づいて、キャラクタの動作停止が、通信不良による動作停止か否かを判定する。またステップS2でのゲーム操作入力の有無の検知処理に基づいて、キャラクタの動作停止が、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを判定する。例えば端末装置の通信不良が検出された場合には、キャラクタの動作停止が、通信不良による動作停止であると判定する。一方、端末装置の通信不良が検出されず、且つ、ゲーム操作入力が無いと判断された場合には、ゲーム操作入力無しによる動作停止であると判定する。そして、通信不良による動作停止なのか、ゲーム操作入力無しによる動作停止なのかを、他のプレーヤ(例えば所定条件を満たしたプレーヤ)に識別させる報知処理を実行する(ステップS4)。
具体的には図13に示すようなアイコンIC1やメッセージMSを用いて当該報知処理を実行する。例えば、端末装置TM1の通信状態が正常状態であることがアイコンIC1により示されているのにもかかわらず、キャラクタCH1が動作停止している場合には、端末装置TM4のプレーヤは、キャラクタCH1の動作停止がゲーム操作入力無しによる動作停止であると識別できる。また図12のステップS3で、キャラクタCH1の動作停止が、通信不良による動作停止ではなく、ゲーム操作入力による動作停止であると判定された場合には、端末装置TM1のプレーヤの偽装プレイによりキャラクタCH1が動作停止していることを知らせるメッセージMSを表示する。これにより端末装置TM4のプレーヤは、キャラクタCH1の動作停止がゲーム操作入力無しによる動作停止であることを識別できるようになる。或いは図10で説明したように、剣SWDを微少に動かしたり、髪をなびかせるなどして、キャラクタCH1の画像変更を行うことで、端末装置TM1が通信不良ではないのにキャラクタCH1が動作停止していることを、端末装置TM4のプレーヤに伝えるようにしてもよい。このようにすることで端末装置TM4のプレーヤは、キャラクタCH1の動作停止が、通信不良による動作停止ではなく、ゲーム操作入力無しによる動作停止であると識別できるようになる。
また本実施形態では、ゲーム操作入力無しの期間が所定期間以上の場合に、キャラクタの動作停止が、ゲーム操作入力無しによる動作停止であると判定する。即ち、ゲーム操作入力無しの状態が、所定期間以上、継続したことを条件に、キャラクタの動作停止が、ゲーム操作入力無しによる動作停止であると判定する。図14はこの場合の本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
まずゲーム操作入力無しが検知されたか否かを判断する(ステップS11)。一例としては、所定のタイミング毎に端末装置でのゲーム操作入力を監視し、例えばゲーム操作入力が無い状態が複数回、連続した場合に、ゲーム操作入力無しが検知されたと判断する。そしてゲーム操作入力無しが検知された場合には、所定期間である期間TPの計時を開始する(ステップS12)。例えばタイマーやプログラマブルカウンターなどを用いて期間TPの計時を行う。そして期間TPの計時中において、ゲーム操作入力有りが検知されたか否かを判断し(ステップS13)、期間TP中にゲーム操作入力有りが検知された場合には、ゲーム操作入力有りと判定する(ステップS14)。一方、ゲーム操作入力有りが検知されなかった場合には、ステップS12で計時している期間TPが経過したか否かを判断する(ステップS15)。そして、ゲーム操作入力有りが検知されずに、期間TPが経過した場合には、ゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止であると判定する(ステップS16)。
このようにすれば、ゲーム操作入力無しの状態が所定の期間TPの間、維持されたときに初めて、ゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止であると判定されるようになる。従って、端末装置のプレーヤが、ゲーム操作入力無しの状態を、期間TPの間、故意に継続したときに、当該プレーヤが偽装プレイを行っていると判定できるようになる。これにより、キャラクタの動作停止を、通信不良による動作停止のように見せかけるプレーヤの偽装プレイを、適切に検出できるようになる。
また本実施形態では、ゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止の頻度が高くなるほど、報知処理における報知の強調度を高くする。即ち、ゲーム操作入力を行わないことで、通信不良による動作停止のように見せかける偽装プレイの頻度を求め、当該頻度が高くなるほど、本実施形態の報知処理における報知の強調度を高くする。図15はこの場合の本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
まずゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止の偽装プレイが行われたか否かを判定する(ステップS21)。この判定は図12で説明した処理により実現できる。そして偽装プレイが行われた場合には、偽装プレイの頻度カウント値をインクリメントする(ステップS22)。一例としては頻度カウント値は、初期状態においてゼロにリセットされた後、偽装プレイが行われたと判定される毎に例えば1ずつインクリメントされる。次に頻度カウント値に基づいて報知の強調度を設定する(ステップS23)。例えば頻度カウント値が大きいほど、報知の強調度を高くする。そして、設定された強調度での報知処理を実行する(ステップS24)。
以上のような処理により、ゲーム操作入力無しによる動作停止の頻度が高くなるほど、報知処理における報知の強調度が高くする処理が実現される。例えばゲーム操作入力無しによる偽装プレイの報知を、キャラクタの画像変更により行う場合には、偽装プレイの頻度が高くなるほど、変更後の画像の強調度を高める処理が行われる。例えば偽装プレイの頻度が高くなるほど、偽装プレイを行ったプレーヤのキャラクタの画像の色の輝度を高めたり、色の彩度を高めたり、より強調度合いの高いテクスチャを用いるようにする。或いはキャラクタのパーツオブジェクトの動きにより、報知処理を行う場合には、偽装プレイの頻度が高くなるほど、キャラクタのパーツオブジェクトの動きを速めるなどの強調処理が行われる。従って、ゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止の頻度が高くなるほど、より高い強調度の報知処理が行われるようになり、プレーヤが偽装プレイを行うことを、より効果的に抑制できるようになる。
また本実施形態では、ゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止が行われた場合に、キャラクタ又は当該キャラクタの味方キャラクタについてのゲームパラメータを不利な設定にするゲーム処理を行う。図16はこの場合の本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
まずゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止の偽装プレイが行われたか否かを判定する(ステップS31)。この判定は図12で説明した処理により実現できる。そして偽装プレイが行われた場合には、偽装プレイを行ったプレーヤのキャラクタ又は当該キャラクタの味方キャラクタのゲームパラメータを不利な設定にする(ステップS32)。例えば偽装プレイを行ったプレーヤのキャラクタや、当該キャラクタと同じグループに属する味方キャラクタのゲームパラメータを不利な設定にする。例えば当該キャラクタやその味方キャラクタの攻撃力や防御力を低下させたり、ヒットポイントや体力を減少させたり、魔法に関する能力を低下させたり、アイテムの効果を低減させるなどのゲームパラメータの設定処理を行う。或いは、アイテム、ダンジョン又は敵の発生などの各種のゲームイベントの発生処理や、ゲームのストーリーの分岐処理などにおいて、偽装プレイを行ったプレーヤのキャラクタ又はその味方キャラクタが不利になるように、ゲームパラメータの設定処理を行ってもよい。このようにすれば、通信不良のように装ってキャラクタを動作停止させる偽装プレイを行ったプレーヤに対して、ゲームパラメータを不利な設定にすることで、偽装プレイを行ったことのペナルティを課すことが可能になる。これにより、ネットワークゲームに参加するプレーヤが不正な偽装プレイを行うことを抑制できるようになる。
また本実施形態では、ゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止の頻度が高くなるほど、キャラクタ又は味方キャラクタのゲームパラメータをより不利に設定する、又はゲームパラメータを不利に設定する味方キャラクタの数を増加させる処理を行う。図17はこの場合の本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
まずゲーム操作入力無しによるキャラクタの動作停止の偽装プレイが行われたか否かを判定する(ステップS41)。そして偽装プレイが行われた場合には、偽装プレイの頻度カウント値をインクリメントする(ステップS42)。次に頻度カウント値に基づいて、ゲームパラメータを不利な設定にする際の不利度合いを設定する、又はゲームパラメータを不利にする味方キャラクタの数を設定する(ステップS43)。例えば偽装プレイの頻度カウント値が高いほど、つまり偽装プレイの頻度が高いほど、ゲームパラメータの不利度合いを大きくし、ゲームパラメータがより不利な設定になるようにする。例えば偽装プレイの頻度が高いほど、偽装プレイを行ったプレーヤのキャラクタやその味方キャラクタの攻撃力や防御力の低下度合いを大きくしたり、ヒットポイントや体力の減少度合いを大きくしたり、魔法に関する能力やアイテムの効果の低下度合いを大きくする。或いは、偽装プレイの頻度が高いほど、ゲームパラメータを不利にする味方キャラクタの数を多くする。例えば偽装プレイが行われた場合に、最初は1人の味方キャラクタのゲームパラメータを不利な設定にし、偽装プレイの頻度が高くなるにつれて、2人、3人、4人というように、ゲームパラメータを不利な設定にする味方キャラクタの数を増やして行く。
このようにすれば、偽装プレイを行えば行うほど、偽装プレイを行ったプレーヤのキャラクタのゲームパラメータが不利な設定になったり、ゲームパラメータが不利な設定になる味方キャラクタの数が増えて行くようになる。従って、偽装プレイを行ったことに対する効果的なペナルティを課すことが可能になり、不正な偽装プレイを行うことを更に抑制できるようになる。
また本実施形態では、通信不良によるキャラクタの動作停止が発生している場合に、キャラクタの味方キャラクタについてのゲームパラメータを有利な設定にするゲーム処理を行う。例えば通信不良が原因でキャラクタが動作停止した場合には、そのキャラクタと同じグループに属する味方キャラクタのゲームパラメータを有利な設定にする。図18はこの場合の本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
まず通信不良によるキャラクタの動作停止が発生したか否かを判定する(ステップS51)。例えば端末装置の通信状態をモニターして、通信が遮断されたり、通信が不安定になるなどの通信不良が発生したことが原因で、キャラクタが動作停止したのかを判定する。そして通信不良によるキャラクタの動作停止が発生した場合には、当該キャラクタの味方キャラクタのゲームパラメータを有利な設定にする(ステップS52)。例えば味方キャラクタの攻撃力や防御力を上昇させたり、ヒットポイントや体力を増加させたり、魔法に関する能力やアイテムの効果を高めるなどのゲームパラメータの設定処理を行う。或いはゲームイベントの発生処理や、ゲームのストーリーの分岐処理などにおいて、味方キャラクタが有利になるように、ゲームパラメータの設定処理を行う。
例えば通信不良が原因でキャラクタの動作停止が発生すると、そのキャラクタと同じグループに属する味方キャラクタにとっては、大きな戦力ダウンとなる。そこで、この戦力ダウンを補填するために、このような通信不良によるキャラクタの動作停止が発生した場合には、その味方キャラクタのゲームパラメータを有利な設定にする。このようにすることで、キャラクタの動作停止による戦力ダウンを、ゲームパラメータが有利な設定になることで補填されるようになり、ゲームバランスの好適な調整が可能になる。
また本実施形態では、通信不良によるキャラクタの動作停止の頻度が高くなるほど、味方キャラクタのゲームパラメータをより有利に設定する、又は対戦相手との対戦結果評価をより有利な評価にする。図19はこの場合の本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
まず通信不良によるキャラクタの動作停止が発生したか否かを判定する(ステップS61)。そして通信不良によるキャラクタの動作停止が発生した場合には、通信不良の頻度カウント値をインクリメントする(ステップS62)。例えば、通信不良の頻度カウント値を、初期状態においてゼロにリセットした後、通信不良によるキャラクタの動作停止が発生する毎に例えば1ずつインクリメントする。そして頻度カウント値に基づいて、味方キャラクタのゲームパラメータを有利な設定にする際の有利度合いを設定する、又は対戦結果評価を有利な評価に設定する際の有利度合いを設定する(ステップS63)。例えば、頻度カウント値が高いほど、つまり通信不良によるキャラクタの動作停止の頻度が高いほど、味方キャラクタのゲームパラメータの有利度合いを大きくし、ゲームパラメータがより有利な設定になるようにする。例えば通信不良によるキャラクタの動作停止の頻度が高くなるほど、味方キャラクタの攻撃力や防御力の上昇度合いを大きくしたり、ヒットポイントや体力の増加度合いを大きくしたり、魔法に関する能力やアイテムの効果の上昇度合いを大きくする。また通信不良によるキャラクタの動作停止の頻度が高くなるほど、対戦結果評価を有利な評価に設定する際の有利度合いを高くする。例えば対戦結果評価の際の補正値を高くする。例えば本実施形態では、図4などで説明した対戦ゲームの終了後に、対戦結果の評価処理が行われる。この場合に対戦に勝利したグループに対しては、その勝利に対して高い評価が与えられ、グループのランクやグループに属するプレーヤのランクを上昇させたり、ゲームポイントなどのボーナスポイントが付与される。そして通信不良により動作停止したキャラクタが居たにもかかわらず、対戦ゲームに勝利した場合には、その勝利に対して更に高い評価が与えられる。そして、グループやグループに属するプレーヤのランクを、更に上昇させたり、付与するボーナスポイントを増加させる。また対戦ゲームにおいて敗戦した場合には、そのグループやグループに属するプレーヤのランクを低下させる処理などが行われる。しかしながら、敗戦したグループに、通信不良により動作停止したキャラクタが居た場合には、このようなランクを低下させる処理を行わないようにする。即ち、通信不良により動作停止したキャラクタがいなかった場合に比べて、対戦結果の評価を、より有利な評価にする。このようにすれば、通信不良により動作停止したキャラクタを原因とする戦力ダウンを、対戦結果の評価を有利な評価にすることで補填することが可能になり、ゲームバランスの好適な調整が可能になる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(グループ等)と共に記載された用語(チーム等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ゲーム処理、検知処理、報知処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。