JP7221670B2 - インピーダンス測定治具及びインピーダンス測定方法 - Google Patents
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(1) 基準金属板と、
前記基準金属板に接続された第一及び第二側板と、
第一中心導体及び第一外部導体を有し、前記第一側板に設けられ、かつ、測定器に接続される第一同軸コネクタと、
第二中心導体及び第二外部導体を有し、前記第二側板に設けられた第二同軸コネクタと、
を備え、
前記第二同軸コネクタが短絡状態において、前記測定器から入力された電力が、前記第一中心導体、被測定物、前記第二中心導体、前記第二外部導体、前記第二側板、前記基準金属板、前記第一側板、及び前記第一外部導体を経て前記測定器に戻る、閉回路を形成する
ことを特徴とするインピーダンス測定治具。
(2) 前記第一側板と前記第二側板との間の距離は可変である
ことを特徴とする上記(1)に記載のインピーダンス測定治具。
(3) 前記基準金属板は、前記基準金属板に対する垂線が前記被測定物と交差しない位置に配置される
ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のインピーダンス測定治具。
(4) 前記第一側板及び前記第二側板が、導電板である
ことを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のインピーダンス測定治具。
(5) 前記第一側板及び前記第二側板は、それぞれ、誘電体により形成され、一面に基準電位層が設けられ他面に信号線が設けられた基板である、
ことを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のインピーダンス測定治具。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかに記載のインピーダンス測定治具を使用する
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
図1は、第一実施形態のインピーダンス測定装置(DUT測定時)の構成を示す図である。図2は、第一実施形態のインピーダンス測定装置(校正(短絡時))の構成を示す図である。図1及び図2に示すインピーダンス測定装置は、インピーダンス測定治具1Aと、テストフィクスチャ及び同軸変換治具200と、二つの端子間におけるインピーダンスを測定するインピーダンスアナライザ100(測定器)と、を備える。インピーダンス測定治具1Aは、テストフィクスチャ及び同軸変換治具200を介してインピーダンスアナライザ100に接続されている。
<測定条件>
三点(open/short/load)補正
GND板:アルミニウム製 400×1000×1mm、DUTまでの最低高さh:50mm
DUT:銅板Cu 20×1000×2mm
図3(a)はインダクタンス特性、図3(b)はキャパシタンス特性を示す。図3から分かるように、図1及び図2に示したインピーダンス測定装置による測定結果Lm,Cmは、理論値Lt,Ct及びシミュレーション結果Ls,Csと良く一致した。また、図示は省略するが、DUTを、銅板Cu 40×1000×1mm、鋼板SECC 40×1000×1mm、鋼板SECC 20×1000×2mmとした場合においても、同様の良好な結果が得られた。
図4は、第二実施形態のインピーダンス測定治具1Bの構成を示す図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は平面図である。第二実施形態では、図1及び図2に示した第一実施形態のインピーダンス測定装置において、インピーダンス測定治具1Aに代えてインピーダンス測定治具1Bを用いる。なお、第二実施形態の説明において、図1及び図2に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。第一実施形態のインピーダンス測定治具1Aにおいて、側板12,13は平面視でDUT50と直交し互いに対向するよう配置されていたが、本実施形態のインピーダンス測定治具1Bでは、側板12,13がねじ21,22を中心に回転可能とされている。このため、側板12,13を互いに対向する位置からねじ21,22を中心として90°回転させて、延伸板12b、13bがDUT50の延在方向(図4における左右方向)と平行となるように、すなわち、DUT50の中心線に沿う形で、側板12,13を固定することができる。この構成により、第一実施形態における効果に加え、側板12,13をDUT50と平行に配置することにより、側板12,13が形成する寄生キャパシタンス量を最小化し、誤差の小さい測定が可能となる。さらに、被測定物(DUT)の形状に応じて側板12,13の回転角を任意の値とすれば、DUTに応じた寄生キャパシタンスの最小化が可能となる。
第二実施形態において、側板12,13をDUT50と平行に固定した場合、側板12,13を貫通した高周波同軸コネクタ14,15とDUT50との接続部が曲げられストレスがかかるため、測定値に影響する可能性がある。また、芯線16,17の長さにもよるが、DUT50と側板12,13とが近接して接触してしまう可能性も考えられる。第三実施形態では、これらの点を改良する。図5は、第三実施形態のインピーダンス測定治具1Cの構成を示す図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は平面図である。第三実施形態では、図1に示した第一実施形態のインピーダンス測定装置において、インピーダンス測定治具1Aに代えてインピーダンス測定治具1Cを用いる。第二実施形態では側板12,13に高周波同軸コネクタ14,15を貫通させてDUT50とインピーダンスアナライザ100とを接続していた。これに対し、第三実施形態では、側板12,13に取り付けたセミリジッドケーブル26,27を用いてDUT50とインピーダンスアナライザ100とを接続する。なお、第三実施形態の説明において、図4に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
図6は、第四実施形態のインピーダンス測定治具1Dの構成を示す図である。第四実施形態では、図1に示した第一実施形態のインピーダンス測定装置において、インピーダンス測定治具1Aに代えてインピーダンス測定治具1Dを用いる。なお、第四実施形態の説明において、図5に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。本実施形態のインピーダンス測定治具1Dは、第三実施形態の一対の側板12,13及びセミリジッドケーブル26,27に代えて、一対の基板112,113及び基板112,113に設けたマイクロストリップライン36,37を備える。基板112,113は、片面にマイクロストリップライン36,37が設けられ、片面がGND基板である。マイクロストリップライン36,37を任意の経路とすることで、第三実施形態の効果に加え、DUT50形状に応じた測定が可能となる。
図7は、第五実施形態のインピーダンス測定治具1Eの構成を示す図である。第五実施形態では、図1に示した第一実施形態のインピーダンス測定装置において、インピーダンス測定治具1Aに代えてインピーダンス測定治具1Eを用いる。なお、第五実施形態の説明において、図6に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。本実施形態のインピーダンス測定治具1Eは、第四実施形態のインピーダンス測定治具1Dと基板112,113のパターンが異なる。本実施形態の基板112,113は、片面に、分岐したマイクロストリップライン36’,37’を有する。マイクロストリップライン36’,37’は、DUT50側でGND板11からの距離がそれぞれ異なる三つのラインに分岐され、各先端に高周波同軸コネクタ24,25が設けられる。この構成により、第四実施形態の効果に加え、特定の高さでの測定が可能となる。
第三実施形態において、側板12,13をDUT50と平行に配置することで、DUT50と側板12,13との間で発生する寄生キャパシタンス等の影響は最小限に抑えられる。しかし、第三実施形態の場合、GND板11の影響が排除できず、DUT50とGND板11との間で形成されるインダクタ、キャパシタの特性がその距離で変化するという点で改良の余地がある。第三実施形態において、GND板11の影響はそのままDUT50の特性として内包されてしまうため、例えばDUT50単体の特性を検討したい場合、GND板11の存在により、DUT50本来の特性が測定できない。例えば、平板のようなDUT50の場合、DUT50とGND板11との間に大きなキャパシタが形成され、測定値に大きく影響する。また、DUT50が金属棒のようなインダクタンスが大きいものに対しては、GND板11の影響により実際よりインダクタが小さい値が計測される。第六実施形態では、このような問題に対処する。
図9は、第七実施形態のインピーダンス測定治具1Gの構成を示す図である。本実施形態のインピーダンス測定治具1Gは、図8に示した第六実施形態のインピーダンス測定治具1Fにおいて、GND板11に、ねじ21’,22’により側板12’,13’を固定するための横方向(図8、図9における左右方向)の長孔40を設けたものである。これにより、側板12’,13’を長孔40に沿った任意の位置に固定できる。なお、第七実施形態の説明において、図8に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。本実施形態によれば、第六実施形態の効果に加え、GND板11に長孔40を設けたことにより、校正(短絡)時の測定やDUT50の長さに応じた測定が可能となる。
図10は、第八実施形態のインピーダンス測定治具1Hの構成を示す図であり、図10(a)は正面図、図10(b)は平面図である。本実施形態のインピーダンス測定治具1Hは、図8に示した第六実施形態のインピーダンス測定治具1Fにおいて、側板12’,13’に代えて、互いに対向して配置された側板12”,13”を備える。なお、第八実施形態の説明において、図8に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。本実施形態によれば、第六実施形態では不要であった側板12”,13”間の寄生キャパシタンス量の考慮は必要であるが、第三実施形態の効果に加え、DUT50とGND板11との間に寄生するインダクタ、キャパシタ成分が最小限に抑えられ、GND板11の影響を極力排しDUT50単体の特性を測定できる。また、GND板11において側板12”,13”間を流れる電流はDUT50に近接して流れる為、電流密度分布をともなってGND板11を流れる電流の幅は、GND板11における側板12”,13”との接触箇所に相当する幅(図10(a)におけるGND板11の上半分程度)となる。すなわち、本実施形態、第六、第七、及び後述の第九実施形態のようにGND板11をその平面が鉛直方向に沿うように配置した場合には、GND板11を流れる電流の横方向(GND板11の幅方向、図10(a)における上下方向)への広がりがなくなる為、第一実施形態等におけるGND板11をその平面が水平方向に沿うように配置した場合と比較して、GND板11のサイズ自体を縮小できる。
図11は、第九実施形態のインピーダンス測定治具1Iの構成を示す図である。図10に示した第八実施形態のインピーダンス測定治具1Hにおいて、GND板11に、ねじ21’,22’により側板12”,13”を固定するため横孔41、縦孔42を設けたものである。本実施形態によれば、第八実施形態の効果に加え、GND板11に横孔41を設けたことにより、DUT50の長さに応じて側板12”,13”の位置が調節可能となる。また、横孔41の長さを調節することにより、校正(短絡)時の測定も可能となる。さらに、GND板11に縦孔42を設けたことによりGND11からDUT50への影響を調節できる。
図1、図2に示した第一実施形態のインピーダンス測定治具1Aは、GND11からの距離の影響を含めたDUT50の特性を測定するものである。つまり、インピーダンス測定結果は、測定時の高さの条件を含めた結果といえる。故に、DUT50の特性を知りたいが、測定時の設定高さとGND板11から測定対象のDUT50の距離が異なる場合、所望の結果が得られない。第十実施形態では、この点を改良する。
図15は、第十一実施形態のインピーダンス測定治具1Kの構成を示す図である。図12に示す第十実施形態のインピーダンス測定治具1Jでは、側板12,13に長孔43を設け、高周波同軸コネクタ14,15が挿入されたねじ止め部45を上下に移動させることでDUT50の高さを変更する。これに対し、本実施形態のインピーダンス測定治具1Kは、セミリジッドケーブル55を用いてDUT50の高さを変更する。なお、第十一実施形態の説明において、図12に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。本実施形態のインピーダンス測定治具1Kは、両端に回動可能なコネクタ接合部56が取り付けられたセミリジッドケーブル55を備える。セミリジッドケーブル55は、側板12,13の一か所に固定された高周波同軸コネクタ14,15のDUT50側に、コネクタ接合部56を介して電気的に接続される。セミリジッドケーブル55の他のコネクタ接合部56は、ねじ18,19とそれぞれ電気的に接続される。セミリジッドケーブル55は、コネクタ接合部56を介して上下に可動するため、GND板11からのDUT50の高さを自由に調節できる。
[1] 基準金属板(GND板11)と、
前記基準金属板に接続された第一及び第二側板(12,13、12’,13’、12”,13”、基板112,113)と、
第一中心導体及び第一外部導体を有し、前記第一側板に設けられ、かつ、測定器(100)に接続される第一同軸コネクタ(高周波同軸コネクタ14)と、
第二中心導体及び第二外部導体を有し、前記第二側板に設けられた第二同軸コネクタ(高周波同軸コネクタ15)と、
を備え、
前記測定器から入力された電力が、前記第一中心導体、被測定物(DUT50)、前記第二中心導体、前記第二外部導体、前記第二側板、前記基準金属板、前記第一側板、及び前記第一外部導体を経て前記測定器に戻る、閉回路を形成する
ことを特徴とするインピーダンス測定治具(1A~1K)。
[2] 前記第一側板と前記第二側板との間の距離は可変である
ことを特徴とする上記[1]に記載のインピーダンス測定治具。
[3] 前記基準金属板は、前記基準金属板に対する垂線が前記被測定物と交差しない位置に配置される
ことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のインピーダンス測定治具。
[4] 前記第一側板及び前記第二側板が、導電板である
ことを特徴とする上記[1]から[3]のいずれかに記載のインピーダンス測定治具。
[5] 前記第一側板及び前記第二側板は、それぞれ、誘電体により形成され、一面に基準電位層が設けられ他面に信号線が設けられた基板である、
ことを特徴とする上記[1]から[3]のいずれかに記載のインピーダンス測定治具。
[6] 上記[1]から[5]のいずれかに記載のインピーダンス測定治具を使用する
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
11 GND板(基準金属板)
12,12’ ,12” 側板
12a 支持板
12b 延伸板
13,13’ ,13” 側板
13a 支持板
13b 延伸板
14,15 高周波同軸コネクタ
16,17 芯線
18,19,21,22,21’,22’,46 ねじ
24,25 高周波同軸コネクタ
26,27 セミリジッドケーブル
36,36’ マイクロストリップライン
37,37’ マイクロストリップライン
40,43 長孔
41 横孔
42 縦孔
45 ねじ止め部
50 DUT(被測定物)
51 コネクタ接続用孔
52 ねじ止め用孔
55 セミリジッドケーブル
56 コネクタ接合部
100 インピーダンスアナライザ(測定器)
112,113 基板
200 テストフィクスチャ及び同軸変換治具
Claims (6)
- 基準金属板と、
前記基準金属板に接続された第一及び第二側板と、
第一中心導体及び第一外部導体を有し、前記第一側板に設けられ、かつ、測定器に接続される第一同軸コネクタと、
第二中心導体及び第二外部導体を有し、前記第二側板に設けられた第二同軸コネクタと、
を備え、
前記第二同軸コネクタが短絡状態において、前記測定器から入力された電力が、前記第一中心導体、被測定物、前記第二中心導体、前記第二外部導体、前記第二側板、前記基準金属板、前記第一側板、及び前記第一外部導体を経て前記測定器に戻る、閉回路を形成する
ことを特徴とするインピーダンス測定治具。 - 前記第一側板と前記第二側板との間の距離は可変である
ことを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス測定治具。 - 前記基準金属板は、前記基準金属板に対する垂線が前記被測定物と交差しない位置に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインピーダンス測定治具。 - 前記第一側板及び前記第二側板が、導電板である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインピーダンス測定治具。 - 前記第一側板及び前記第二側板は、それぞれ、誘電体により形成され、一面に基準電位層が設けられ他面に信号線が設けられた基板である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインピーダンス測定治具。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のインピーダンス測定治具を使用する
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
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