JP7220114B2 - 窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物および窒化アルミニウム基板の研磨方法 - Google Patents

窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物および窒化アルミニウム基板の研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、集積回路あるいは集積回路パッケージ等の材料をはじめとする各種電子材料として用いることができるセラミックス材料に関する。特に半導体デバイスをつくるための窒化アルミニウム単結晶基板、あるいは半導体実装用の高機能放熱板として普及している窒化アルミニウム多結晶基板の研磨に使用される研磨剤組成物に関し、中でも放熱性に優れた窒化アルミニウム多結晶基板を効果的に研磨するのに有用な研磨剤組成物に関する。
窒化アルミニウムは熱伝導率が高く、絶縁性と機械的強度に優れるので、集積回路あるいは集積回路パッケージ等の放熱材料として普及しつつある。中でも窒化アルミニウムを主成分とする粉末を焼結して得られる窒化アルミニウム多結晶体は、絶縁性および機械的強度に優れ、金属導体との接合が容易であり、更に、高い熱伝導特性を有するので、半導体実装用の高機能放熱板として急速に普及しつつある。このような放熱基板は、一般に以下のような方法で製造される。
窒化アルミニウム原料粉末と焼結助剤等の添加剤とを充分混合した後、各種成形法により成形し、脱脂、焼成して焼結基板を形成する。その後、焼結基板の表面を研磨により平滑にし、さらに焼結基板の表面に金属薄膜層を形成し、その金属薄膜上に電子素子(例えばレーザーダイオード)を装着する。
ところが、近年の電子素子の小型化、高密度化の要請により、電子素子が装着される窒化アルミニウム多結晶基板表面の平滑性も著しい精度の向上が求められている。窒化アルミニウム多結晶基板の表面を平滑にするための研磨は、砥粒の分散液を研磨面に存在させ、これをパッドによって研磨面に押し付けて擦ることにより実施される。
しかしながら、窒化アルミニウム多結晶基板は、結晶粒界が脆いので、一般的な研磨加工では、その研磨加工中に脱粒などが発生し、十分な平滑性が達成できないという問題がある。窒化アルミニウム多結晶基板の研磨において、研磨速度を高めながら、表面平滑性を向上させる方法の提案がなされている(特許文献1~4)。
特開2006-272506号公報 特開平4-223852号公報 特開平4-114984号公報 特開2018-159033号公報
特許文献1では、窒化アルミニウム焼結基板を、特定の粒径のダイアモンド砥粒を特定の砥粒密度(単位体積当たりの砥粒量)にした固定砥粒で研磨する方法が提案されている。特許文献2では、窒化アルミニウム焼結基板を、アルミナと酸化クロムの複合砥粒で研磨する方法が提案されている。特許文献3では、窒化アルミニウム焼結基板を、ウレタン樹脂製パッドと酸化セリウム砥粒の組み合わせで研磨する方法が提案されている。特許文献4では、窒化アルミニウム焼結基板を、アルミナ粒子、分散剤、酸、水素イオン供給剤および水を含有し、pH=0.1~5.0の研磨剤組成物を用いて研磨する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法によっても、窒化アルミニウム基板を、高い研磨速度で良好な表面平滑性に仕上げることは達成されていない。
本発明の課題は、窒化アルミニウム基板を、高い研磨速度で良好な表面平滑性に仕上げる窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物を提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、以下の研磨剤組成物を用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
[1] アルミナ粒子、脂肪族アミン化合物、酸および/又はその塩、および水を含有し、かつpH値(25℃)が7.5以上11.5未満である窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[2] 前記脂肪族アミン化合物が、水酸基を有する脂肪族アミン化合物である前記[1]に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[3] 前記脂肪族アミン化合物が、水酸基を有しない脂肪族アミン化合物である前記[1]に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[4] 前記脂肪族アミン化合物として、水酸基を有する脂肪族アミン化合物と水酸基を有しない脂肪族アミン化合物のそれぞれを一種類以上含む前記[1]に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[5] 前記水酸基を有する脂肪族アミン化合物が、モノエタノールアミン、1-アミノプロパノール、3-アミノプロパノール、2-メチルアミノエタノール、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N,N-ジエチルヒドロキシアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール、N-メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種である前記[2]又は[4]に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[6] 前記水酸基を有しない脂肪族アミン化合物が、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、N,N,N,N-テトラメチルエチレンジアミン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、1,3-ジアミノペンタン、ジエチレントリアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミンから選ばれる少なくとも1種である前記[3]又は[4]に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[7] 前記酸および/又はその塩が、無機酸および/又はその塩、有機酸および/又はその塩の中から選ばれる、少なくとも1種である前記[1]~[6]のいずれかに記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[8] 前記酸および/又はその塩が、無機酸および/又はその塩であり、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸および/又はその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[7]に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[9] 前記酸および/又はその塩が、有機酸および/又はその塩であり、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、プロピオン酸、乳酸および/又はその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[7]に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[10] 前記研磨剤組成物のpH値(25℃)が8.5以上10.5未満である前記[1]~[9]のいずれかに記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
[11] 前記[1]~[10]のいずれかに記載の窒化アルミニウム多結晶基板用研磨剤組成物。
[12] 前記[1]~[10]のいずれかに記載の研磨剤組成物を循環供給方式で使用して窒化アルミニウム基板を研磨する窒化アルミニウム基板の研磨方法。
[13] 前記[11]に記載の研磨剤組成物を循環供給方式で使用して窒化アルミニウム多結晶基板を研磨する窒化アルミニウム多結晶基板の研磨方法。
本発明の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物は、研磨速度を向上させ、かつ研磨後の表面平滑性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない範囲において、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.研磨剤組成物
本発明の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物は、アルミナ粒子と、脂肪族アミン化合物と、酸および/又はその塩と、水を含むものである。また、pH値(25℃)が7.5以上11.5未満である。
(1)アルミナ粒子
本発明で使用されるアルミナ粒子は、α-アルミナであっても、中間アルミナであっても、α-アルミナと中間アルミナの混合物であってもよい。中間アルミナとしては、γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナなどが挙げられる。窒化アルミニウム基板を研磨する際に、研磨速度を出来るだけ高くする観点からは、α-アルミナが好ましく用いられる。
アルミナを製造する際の原料としては、ギブサイト:Al・3HO、ベーマイト:Al・HO、擬ベーマイト:Al・nHO(n=1~2)などが挙げられる。これらのアルミナ原料は、例えば以下のような方法で調製される。
ギブサイト:Al・3H
ボーキサイトを水酸化ナトリウムの熱溶液で溶解し、不純分をろ過により除去して得られた溶液を冷却し、その結果得られた沈殿物を乾燥することにより得られる。
ベーマイト:Al・H
金属アルミニウムとアルコールとの反応により得られるアルミニウムアルコキシド:Al(OR)を加水分解することにより得られる。
擬ベーマイト:Al・nHO(n=1~2)
ギブサイトをアルカリ性雰囲気下、水蒸気で処理して得られる。
これらのアルミナ原料を焼成することなどにより、α-アルミナ、γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナなどが得られる。
アルミナ粒子の平均粒子径(D50)は、好ましくは0.1~10.0μmであり、より好ましくは0.1~5.0μm、さらに好ましくは0.2~2.0μmである。平均粒子径が0.1μm以上であることにより、研磨速度の低下を抑制することができる。平均粒子径が10.0μm以下であることにより、研磨後の基板の表面平滑性の悪化を抑制することができる。
研磨剤組成物中のアルミナ粒子の濃度は、好ましくは1~50質量%、より好ましくは2~45質量%、さらに好ましくは3~40質量%である。アルミナ粒子の濃度が1質量%よりも少ないと、十分な研磨速度が得られず、50質量%より多くしてもそれ以上の研磨速度の向上が認められず経済的でない。
また、アルミナ粒子の分散剤としては、アルミナゾル、セルロース類、ポリカルボン酸(塩)、ポリカルボン酸の繰り返し単位を含む共重合体、および縮合リン酸塩などが挙げられる。
(2)脂肪族アミン化合物
本発明の研磨剤組成物は脂肪族アミン化合物を含有する。具体的には、水酸基を有する脂肪族アミン化合物および水酸基を有しない脂肪族アミン化合物が挙げられる。
水酸基を有する脂肪族アミン化合物の具体的な例としては、モノエタノールアミン、1-アミノプロパノール、3-アミノプロパノール、2-メチルアミノエタノール、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N,N-ジエチルヒドロキシアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール、N-メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
水酸基を有しない脂肪族アミン化合物の具体的な例としては、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、N,N,N,N-テトラメチルエチレンジアミン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、1,3-ジアミノペンタン、ジエチレントリアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
水酸基を有する脂肪族アミン化合物および水酸基を有しない脂肪族アミン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、水酸基を有する脂肪族アミン化合物と水酸基を有しない脂肪族アミン化合物を併用してもよい。水酸基を有する脂肪族アミン化合物、または水酸基を有しない脂肪族アミン化合物を含むと、基板の表面粗さが改善される。水酸基を有する脂肪族アミン化合物と水酸基を有しない脂肪族アミン化合物を併用すると、基板の表面粗さの改善に加え、研磨速度が向上する。すなわち研磨剤組成物に、水酸基を有する脂肪族アミン化合物と水酸基を有しない脂肪族アミン化合物のそれぞれを一種類以上含むことが好ましい。水酸基を有する脂肪族アミン化合物と水酸基を有しない脂肪族アミン化合物を併用する場合の具体例としては、例えば、ジエタノールアミンとジエチルアミンの併用、トリエタノールアミンとジエチルアミンの併用などが挙げられる。
水酸基を有する脂肪族アミン化合物と水酸基を有しない脂肪族アミン化合物を併用する場合、全脂肪族アミン化合物の添加量に対して、水酸基を有する脂肪族アミン化合物の割合は10~90質量%であることが好ましく、水酸基を有しない脂肪族アミン化合物の割合は10~90質量%であることが好ましい。
研磨剤組成物中の脂肪族アミン化合物の含有量は、通常、0.00001~4.0質量%であり、好ましくは0.0001~2.0質量%である。
(3)酸および/又はその塩
本発明で使用される酸および/又はその塩は、無機酸および/又はその塩、有機酸および/又はその塩の中から選ばれる、少なくとも1種である。
無機酸および/又はその塩としては、硝酸、硫酸、塩酸、フッ酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸および/又はその塩などが挙げられるが、その中でも硝酸、硫酸、塩酸、リン酸および/又はその塩が好ましい。塩の種類としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
有機酸および/又はその塩としては、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、プロピオン酸、乳酸および/又はその塩などが挙げられる。塩の種類としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。多価酸の場合は、部分塩でもよい。
研磨剤組成物中の酸および/又はその塩の含有量は、pH値(25℃)の設定に応じて適宜決められる。
(4)酸化剤
本発明の研磨剤組成物は、任意成分として酸化剤を含むことができる。酸化剤としては、過酸化水素、過ヨウ素酸系酸化剤、過マンガン酸系酸化剤、過金属酸系酸化剤、などが挙げられる。具体例としては、過酸化水素、オルト過ヨウ素酸、オルト過ヨウ素酸塩、メタ過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸塩、過マンガン酸、過マンガン酸塩、過金属酸、過金属酸塩などが挙げられる。さらに具体的な例としては、過酸化水素、オルト過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過モリブデン酸、過モリブデン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
研磨剤組成物中の酸化剤の含有量は、0.1~10.0質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.2~8.0質量%の範囲である。
(5)水
本発明で使用される水は、蒸留水、イオン交換水などの不純物を除去した水が、好ましく用いられる。研磨後の洗浄性を考慮すると、イオン交換水が好ましい。水は、研磨剤の流動性を制御する機能を有するので、その含有量は、研磨速度のような目標とする研磨特性に合わせて適宜設定することができる。例えば、水の含有割合は、研磨剤組成物の40~90質量%とすることが好ましい。水の含有量が、研磨剤組成物の40質量%未満では、研磨剤の粘性が高くなり、流動性が損なわれる場合がある。一方、水の含有量が90質量%を超えると、砥粒濃度が低くなり、十分な研磨速度が得られない場合がある。
(6)pH
本発明の研磨剤組成物のpH値(25℃)は、7.5以上11.5未満であり、好ましくは8.5以上10.5未満である。pH値(25℃)が7.5未満では、研磨速度が不十分となり、生産性が低下する。pH値(25℃)が11.5以上では、研磨後の窒化アルミニウム基板表面の平滑性が悪化する。研磨剤組成物のpH値(25℃)は、脂肪族アミン化合物の含有量、酸および/又はその塩の含有量を調整することにより、適宜設定できる。
(7)研磨剤組成物の調製方法
本発明の研磨剤組成物は、各成分を公知の方法で混合することにより、調製することができる。研磨剤組成物は、経済性の観点から、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈する場合が多い。研磨剤組成物は、そのまま使用してもよいし、濃縮液であれば希釈して使用すればよい。濃縮液を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、濃縮液における各成分の濃度や研磨条件に応じて適宜決定できる。尚、前述した各成分の含有量は、使用時における含有量である。
2.窒化アルミニウム基板の研磨方法
本発明の研磨剤組成物を用いて窒化アルミニウム基板を研磨する装置としては、特に制限は無く、窒化アルミニウム基板を保持する治具(キャリア)と研磨パッドとを備える研磨機を用いることができ、両面研磨機および片面研磨機のいずれでもよい。
研磨パッドとしては、特に制限は無く、従来公知のものが使用できる。研磨パッドの材質としては、例えばポリウレタンなどが挙げられる。研磨パッドの形状は、例えば不織布状のもの、スウェード状のものなどが好ましく使用される。
本発明の研磨剤組成物を研磨機に供給する方法は、予め研磨剤組成物の構成成分が、十分に混合された状態で、研磨パッドと窒化アルミニウム基板の間にポンプ等で供給する方法、研磨の直前の供給ライン内等で構成成分を混合して供給する方法などを用いることができる。研磨速度向上の観点および研磨機負荷軽減の観点から、予め研磨剤組成物の構成成分が十分に混合された状態で、研磨剤組成物を、研磨パッドと窒化アルミニウム基板の間にポンプ等で、循環供給方式で供給するやり方が好ましく用いられる。なお、上記研磨方法では、窒化アルミニウム基板として、窒化アルミニウム単結晶基板、窒化アルミニウム多結晶基板のいずれも研磨することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[研磨剤組成物の調製方法]
実施例1~11および比較例1~3で使用した研磨剤組成物は、表1に記載の材料を、表1に記載の含有量で含んだ研磨剤組成物である。これらの研磨剤組成物を使用して研磨試験を行った結果を表2に示す。
Figure 0007220114000001
[アルミナ粒子の平均粒子径]
本発明で使用されるアルミナ粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機((株)島津製作所製、SALD2200)を用いて測定した。アルミナ粒子の平均粒子径は、体積を基準とした小粒径側からの積算粒径分布が50%となる平均粒子径(D50)である。
[研磨条件]
研磨試験を行う際の研磨条件を以下に示す。
研磨加工機 不二越機械工業(株)製、SLM-100(片面研磨機)
定盤径 350mm
研磨対象物 (株)MARUWA製、多結晶窒化アルミニウム 2inch基板
研磨パッド SUBA800
研磨圧力 350gf/cm
定盤回転数 60rpm
研磨剤供給速度 200ml/min(循環供給方式)
研磨時間 2hr
[研磨速度の算出方法]
研磨速度(μm/hr)=[窒化アルミニウム多結晶基板の研磨前重量(g)-窒化アルミニウム多結晶基板の研磨後重量(g)]÷窒化アルミニウム多結晶基板の研磨面積(cm)÷窒化アルミニウム多結晶基板の密度(g/cm)÷研磨時間(min)×1000(μm/cm)×60(min/hr)
[窒化アルミニウム多結晶基板の表面粗さ(Sa)]
表面粗さ(Sa)は、OLYMPUS社製の3D測定レーザー顕微鏡を用いて測定した。測定条件は、OLYMPUS社製の測定装置(OLS4100(測定倍率2160倍))を用い、カットオフ無し、測定エリアは128μm×128μmとした。
Figure 0007220114000002
[考察]
実施例1~4は、脂肪族アミン化合物として水酸基を有しない脂肪族アミン化合物を含有する研磨剤組成物を使用した実験例であるが、脂肪族アミン化合物を含有しない研磨剤組成物を使用した比較例1よりも、表面粗さ(Sa)が改善されている。
実施例5と6は、脂肪族アミン化合物として水酸基を有する脂肪族アミン化合物を含有する研磨剤組成物を使用した実験例であるが、比較例1よりも表面粗さ(Sa)が改善されている。
実施例7~9は、水酸基を有しない脂肪族アミン化合物と水酸基を有する脂肪族アミン化合物を併用した実験例であるが、水酸基を有しない脂肪族アミン化合物のみの実施例1よりも研磨速度が向上している。
実施例10と比較例2の対比から、研磨剤組成物のpH(25℃)が7.5以上であることにより、研磨速度が高くなることがわかる。実施例11と比較例3の対比から、研磨剤組成物のpH(25℃)が11.5未満であることにより、表面粗さ(Sa)が低減されることがわかる。
以上のことから、本願発明の研磨剤組成物を使用することにより、研磨速度、研磨後の多結晶基板表面粗さ(Sa)のバランスが向上することが明らかである。
本願発明の研磨剤組成物は、集積回路あるいは集積回路パッケージをはじめとする各種電子材料の放熱基板として用いられる窒化アルミニウム多結晶基板の製造に使用することができる。また、半導体デバイスをつくるための基板材料として用いられる窒化アルミニウム単結晶基板を、エピタキシャル成長に適した基板表面とするための表面処理に使用することもできる。

Claims (13)

  1. アルミナ粒子、脂肪族アミン化合物、酸および/又はその塩、および水を含有し、かつpH値(25℃)が7.5以上11.5未満である窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  2. 前記脂肪族アミン化合物が、水酸基を有する脂肪族アミン化合物である請求項1に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  3. 前記脂肪族アミン化合物が、水酸基を有しない脂肪族アミン化合物である請求項1に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  4. 前記脂肪族アミン化合物として、水酸基を有する脂肪族アミン化合物と水酸基を有しない脂肪族アミン化合物のそれぞれを一種類以上含む請求項1に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  5. 前記水酸基を有する脂肪族アミン化合物が、モノエタノールアミン、1-アミノプロパノール、3-アミノプロパノール、2-メチルアミノエタノール、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N,N-ジエチルヒドロキシアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール、N-メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種である請求項2又は4に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  6. 前記水酸基を有しない脂肪族アミン化合物が、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、N,N,N,N-テトラメチルエチレンジアミン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、1,3-ジアミノペンタン、ジエチレントリアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミンから選ばれる少なくとも1種である請求項3又は4に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  7. 前記酸および/又はその塩が、無機酸および/又はその塩、有機酸および/又はその塩の中から選ばれる、少なくとも1種である請求項1~6のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  8. 前記酸および/又はその塩が、無機酸および/又はその塩であり、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸および/又はその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  9. 前記酸および/又はその塩が、有機酸および/又はその塩であり、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、プロピオン酸、乳酸および/又はその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  10. 前記研磨剤組成物のpH値(25℃)が8.5以上10.5未満である請求項1~9のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム基板用研磨剤組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム多結晶基板用研磨剤組成物。
  12. 請求項1~10のいずれか1項に記載の研磨剤組成物を循環供給方式で使用して窒化アルミニウム基板を研磨する窒化アルミニウム基板の研磨方法。
  13. 請求項11に記載の研磨剤組成物を循環供給方式で使用して窒化アルミニウム多結晶基板を研磨する窒化アルミニウム多結晶基板の研磨方法。
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