JP7219847B1 - 金電気めっき液および金電気めっき方法 - Google Patents

金電気めっき液および金電気めっき方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被めっき物の電流密度分布が疎な箇所に金電析物を触媒的に析出させ、穿孔穴内部を断面U字形状にコンフォーマル充填できる金電気めっき液および金電気めっき方法を提供すること。【解決手段】亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として)が15g/L、硫酸ナトリウムが15g/L、亜硫酸ナトリウムが50g/L、ギ酸タリウム(タリウム元素として)が10mg/L、硝酸ビスマス(ビスマス元素として)が50mg/Lおよびリン酸ナトリウムが1g/Lからなる金電気めっき液およびこの金電気めっき液を用いた金電気めっき方法。【選択図】図4

Description

本発明は、高密度半導体デバイスまたはプリント基板等の配線回路の製造において、穿孔穴内部に緻密なコンフォーマル充填をする金電気めっき液および金電気めっき方法に関する。
亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液による電解析出反応は1950年代から研究され、電解析出された金めっき層を平滑化するため様々な金属の結晶調整剤が研究されている。例えば、特開平10-251887号公報(後述する特許文献1)には、亜硫酸金塩(Na3〔Au(S232〕)と錯化剤として1~100g/Lのアセチルシステインを含有する非シアンの電気金めっき浴が開示されている。この電気金めっき浴には、銀、銅、インジウム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、カドミウム、アンチモン、ビスマス、亜鉛、ヒ素、タリウム、セレン、テルル、セシウムなど、シアン化金電気めっき浴において利用されている公知の金属元素が添加できるとされている。
また、国際公開第2014/054429号(後述する特許文献2)には、金バンプまたは金配線に適した結晶調整剤を含むアルカリ性のノンシアン系電解金めっき液が報告されている。この金電気めっき液は、亜硫酸金ナトリウムの金源と、亜硫酸塩及び白金族硫酸塩からなる伝導塩と、結晶調整剤とを含有する発明が開示されている。この結晶調整剤には、タリウム、ビスマス、鉛、アンチモンなどの金属元素を用いることが好ましいとされ、実施例にはタリウムの結晶調整剤が記載されている。
一方、半導体デバイス向けのシリコンウェハー基板の製造やプリント基板の製造において微細な導体回路が高密度になってくると、導体回路の途中に直径が1~50μmで深さが1~100μm程度のブラインドビアホール(ビア、溝、トレンチなどとよばれることもある)を設ける必要性が生じてきた。例えば、集積回路やシリコン貫通電極(TSV)が設けられたプリント配線板(PWB)、およびウエハーレベルパッケージ(WLP)などである。当初は、米国特許第6410418号明細書(後述する特許文献3)のように、凹んでいない基板の平坦面をあらかじめ非導電性処理をしておき、既存の金電気めっき液で穿孔穴の内部を充填する技術が開発された。
このような穿孔穴の内部を金電析物で充填めっきする技術を本明細書ではコンフォーマル充填とよぶ。このコンフォーマル充填では、穿孔穴を金電気めっきで充填するのに必要な金量は内部に存在するめっき液の103程度の液量を必要とする。ところが、穿孔穴の内部は、周縁部よりも電流密度分布が疎になり、金電析物を析出するのにこれまでの電気めっき方法では十分な電気エネルギーが確保できなかった。また、穿孔穴の内部は金電気めっき液の循環が悪いので、穿孔穴の内部へ十分な量の金錯体を供給することができなかった。そこで、被めっき物を機械的に揺動して液流れを良くしたり、界面活性剤や硫黄含有有機物など種々の添加剤を添加して液の性質を変えたりするさまざまな試みがなされた。しかし、既存の金電気めっき液や金電気めっき方法でコンフォーマル充填めっきを行うと、図1(a)に示すような、クラックやボイドなどの欠陥が穿孔穴の内部にできるという課題があった。
この課題を解決するため、スーパーコンフォーマル充填法とよばれる新たな金電気めっき方法が提案された。たとえば、米国特許出願公開第2005/0092616号明細書(後述する特許文献4)の実施例には、メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウムとタリウムを含むめっき浴中でシリコンウェハーを回転し、2ミリ秒オンおよび8ミリ秒オフの周期的な間隔でパルスめっきするスーパーコンフォーマル充填法が記載されている(同明細書0053~0056段落、図7)。
また、米国特許出願公開第2019/0093248号明細書(後述する特許文献5)には、Au(SO 3-アニオンとSO 2-アニオンおよびBi3+カチオンを含む電解液により、底部から陥凹フィーチャを充填していく方法が開示されている。同図14には、地下トンネル(トレンチ)内に液体が貯まるように、Au 堆積物が継ぎ目も空隙もなく積み重なっていく画像が示されている。同図56には、基板を回転しながら電位をステッピングすると、シリコン貫通電極(TSV)の内部が断面V字状に堆積されていく画像が示されている。このような金電析物の堆積方法によって穿孔孔内部はスーパーコンフォーマル充填されている(同0060・0070段落、同図14・56)。
しかし、スーパーコンフォーマル充填法で穿孔穴内部に金電気めっき液を対流輸送させたり、電位をステッピングしたりしても、穿孔穴内部の電流密度分布がコントロールできるわけではない。スーパーコンフォーマル充填法では電気めっき条件の管理が難しくなるという欠点がある。また、多数のシリコンウェハーやプリント基板等の被めっき物を多量に金電気めっき液に投入すると、個々の被めっき物の電解析出条件が大きく異なる。スーパーコンフォーマル充填法ではこのようなめっき条件の変動幅を画一的にコントロールすることは、装置が複雑・高価になって実用的に困難である。すなわち、スーパーコンフォーマル充填法は大量生産品に向かないという欠点がある。また、パルス電気めっきした金電析物の金めっき皮膜は、伸びや抗張力等のめっき皮膜特性が劣るので、後工程で熱処理する余計な費用も発生する不都合もある。
特開平10-251887号公報 国際公開第2014/054429号 米国特許第6410418号明細書 米国特許出願公開第2005/0092616号明細書 米国特許出願公開第2019/0093248号明細書
本発明は、上記事情を鑑み、穿孔穴内部のコンフォーマル充填へ自律的な触媒析出反応を適用したものである。すなわち、本発明は、被めっき物の電流密度分布が疎な箇所を優先して触媒的に金電析物を析出させ、穿孔穴内部の断面をU字形状にコンフォーマル充填できる金電気めっき液および金電気めっき方法を提供することを目的としている。本発明は、穿孔穴の内部の金電析物の析出反応が速く、亜硫酸金(I)錯体の移動反応が律速段階となる金電気めっき液および金電気めっき方法を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、電流密度分布が疎な穿孔穴の箇所で優先的に触媒析出反応が開始し、電流密度分布が密な箇所で電解析出反応が優先的に開始し、両反応が自律的に切り替わりながら金電析物がコンフォーマル充填される金電気めっき液および金電気めっき方法を提供することを目的としている。また、本発明は、被めっき物の表面形態に左右されず穿孔穴の内部を充填することができ、従来の平坦な配線基板の電流密度条件と同様の条件で電気めっきすることができる金電気めっき液および金電気めっき方法を提供することを目的としている。しかしながら、このような課題と目的は例示的なものに過ぎず、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
(1)本発明による金電気めっき液は、亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液であって、当該金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および次の(A)~(D)成分組成からなることを特徴とする。
A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
B:硫酸塩 3~150 g/L
C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
(2)また、本発明による金電気めっき液は、亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液であって、当該金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および次の(A)~(E)成分組成からなることを特徴とする。
A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
B:硫酸塩 3~150 g/L
C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
E:(A)および(B)以外の伝導塩(亜硫酸金(I)錯体を除く)が(A)および(B)の合計重量の0.1~9%の範囲内であること
(3)(1)または(2)において、本発明による金電気めっき液は、さらに、次の(F)の構成要素を有する。
F:前記ビスマス元素(D)の重量に対する前記タリウム元素(C)の重量比(D/C)が0.6~30であること
(4)(1)または(2)において、本発明による金電気めっき液は、さらに、次の(G)の構成要素を有する。
G:前記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する前記ビスマス触媒(D)および前記タリウム触媒(C)の総量の重量比が0.14×10-3~40×10-3であること
(5)(1)または(2)において、本発明による金電気めっき液は、さらに、次の((F)および(G)の構成要素を有する。
F:前記ビスマス触媒(D)の重量に対する前記タリウム触媒(C)の重量比(D/C)が0.6~30であること
G:前記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する前記ビスマス触媒(D)および前記タリウム触媒(C)の総量の重量比が0.14×10-3~40×10-3であること
(6)本発明による金電気めっき方法は、亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとするによって被めっき物の平面回路および穿孔穴の内部を電気めっきする金電気めっき方法において、上記金電気めっき液中の亜硫酸イオンおよび、ビスマス触媒およびタリウム触媒による触媒析出反応及び/又は電解析出反応によって上記穿孔穴の内部を充填めっきすることを特徴とする。
(7)(6)において、本発明による金電気めっき方法は、直流電流を印加して前記被めっき物の平面回路および穿孔穴の内部を電気めっきする。
(8)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および(A)~(D)成分組成からなる。
A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
B:硫酸塩 3~150 g/L
C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
また、以下の実施態様も本発明による金電気めっき液の一部を構成する。
(9)(1)または(2)において、本発明による金電気めっき液は、前記タリウム触媒がギ酸タリウム、マロン酸タリウムまたは硝酸タリウムのうちのいずれか1種以上である。
(10)(1)または(2)において、本発明による金電気めっき液は、前記ビスマス触媒が硝酸ビスマス、クエン酸ビスマスアンモニウムまたはスルファミン酸ビスマスのうちのいずれか1種以上である。
(11)(1)または(2)において、前記(A)および(B)以外の伝導塩は、ハロゲン化塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩またはクエン酸塩のうちのいずれか1種以上である。
(12)(1)または(2)において、本発明による金電気めっき液は、前記金電気めっき液のpHが6~9である。
また、以下の実施態様も本発明による金電気めっき方法の一部を構成する。
(13)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および(A)~(E)成分組成からなる。
A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
B:硫酸塩 3~150 g/L
C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
E:(A)および(B)以外の伝導塩(亜硫酸金(I)錯体を除く)が(A)および(B)の合計重量の0.01~9%の範囲内であること
(14)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記金電気めっき液が次の(A)~(F)成分組成からなる。
A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
B:硫酸塩 3~150 g/L
C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
E:(A)および(B)以外の伝導塩(亜硫酸金(I)錯体を除く)が(A)および(B)の合計重量の0.01~9%の範囲内であること
F:上記ビスマス触媒(D)の重量に対する上記タリウム触媒(C)の重量比(D/C)が0.6~30であること
(15)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記金電気めっき液が次の(A)~(E)および(G)成分組成からなる。
A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
B:硫酸塩 3~150 g/L
C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
E:(A)および(B)以外の伝導塩が(亜硫酸金(I)錯体を除く)(A)および(B)の合計重量の0.01~9%の範囲内であること
G:上記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する上記ビスマス触媒(D)および上記タリウム触媒(C)の総量の重量比が0.14×10-3~40×10-3であること
(16)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記金電気めっき液が次の(A)~(G)成分組成からなる。
A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L、
B:硫酸塩 3~150 g/L
C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L、
D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L、
E:(A)および(B)以外の伝導塩(亜硫酸金(I)錯体を除く)が(A)および(B)の合計重量の0.01~9%の範囲内であること
F:上記ビスマス触媒(D)の重量に対する上記タリウム触媒(C)の重量比(D/C)が0.6~30であること
G:上記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する上記ビスマス触媒(D)および上記タリウム触媒(C)の総量の重量比が0.14×10-3~40×10-3であること
(17)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記被めっき物の電流密度が0.03~0.6A/dm2である。
(18)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記被めっき物の電流密度が0.1~1.0A/dm2である。
(19)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記被めっき物があらかじめ金皮膜を形成している。
(20)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記穿孔穴はアスペクト比が0.8~2.0である。
(21)(6)または(7)において、本発明による金電気めっき方法は、前記金電気めっき液のpHが6~9である。
本発明の金電気めっき液または金電気めっき方法を用いて金電気めっきすると、穿孔穴の内部では電流密度分布が最も疎な箇所から金電析物が断面U字状に堆積していく特異的な効果がある。すなわち、本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法によると、穿孔穴のアスペクト比が異なって被めっき物上の析出面における電流密度分布が変化しても、触媒析出反応によって穿孔穴の内部は断面U字状のコンパクトなコンフォーマル充填が常に形成される効果がある。高アスペクト比の穿孔穴では開口部の中心から半球状に断面U字状の形状が堆積されている。また、その後の金めっき作業によって穿孔穴内部のコンフォーマル充填された結晶粒組織は金属学的に熱回復する効果がある。
また、本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法によると、穿孔穴の周縁部で既存の金電気めっき液による平滑な金めっき皮膜を形成することができる効果を併せもつ。この電解析出反応によって析出された金電析物の結晶粒は、本発明の触媒析出反応による結晶粒よりも細かな組織を示す。本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法によると、多量の亜硫酸イオンは微量のタリウム触媒およびビスマス触媒が被めっき物表面と直接接触するのを妨害するバリア効果がある。
本発明の金電気めっき方法によると、上述した本発明の金電気めっき液の効果のほかに次のような効果を奏する。すなわち、本発明の金電気めっき方法は、複雑なパルス電源を用いることなく通常の直流電流を印加する金電気めっき方法だけで、シリコンウェハーの貫通電極(TSV)や銅張積層板のブラインドビアホールの内部を金電析物でコンパクトにコンフォーマル充填することができる効果がある。
また、本発明の金電気めっき方法は、ビスマス触媒およびタリウム触媒を補充しないでも、消費した亜硫酸または亜硫酸塩、および亜硫酸金塩を補充するだけで、長期間安定した金電気めっき作業を行うことができる効果がある。また、本発明の金電気めっき方法によると、多数回コンフォーマル充填を繰り返しても、金電気めっき液中の触媒析出反応は変動しないという効果がある。
コンフォーマル充填の模式図である。 本発明の模式図である。 本発明の実施例における穿孔穴の断面像である。 本発明の実施例における穿孔穴の断面像である。 比較例における穿孔穴の断面像である。 比較例における穿孔穴の断面像である。
次に、本発明の実施形態を説明する。
本発明の一実施形態に係る金電気めっき液は、主に、亜硫酸金(I)錯体由来の金イオンと、ビスマス触媒およびタリウム触媒と、亜硫酸イオンとを含有する金電気めっき液である。また、本発明の一実施形態に係る金電気めっき方法は、主に、上記金電気めっき液中の亜硫酸イオンおよび、ビスマス触媒およびタリウム触媒による触媒析出反応によって上記穿孔穴の内部を充填めっきする金電気めっき方法である。
本発明による穿孔穴内部のコンフォーマル充填を模式的に図1(b)に示す。本発明の触媒析出反応における主要なメカニズムは、図2に示すように推察することができる。図2は、ビスマス触媒とタリウム触媒による触媒析出反応を利用して亜硫酸金(I)錯体が穿孔穴の内部で金電析物に生成するまでの模式図である。この模式図を以下に詳述する。
陽極から放出された直流電流は、金電気めっき液中の亜硫酸金(I)錯体の金イオンと、ビスマス触媒およびタリウム触媒と、亜硫酸イオンとを陰極の被めっき物の表面側へ移動させる。穿孔穴内部の陰極表面では、図2の左側の図に示すように、多量に存在する亜硫酸イオン群がまず吸着する。この亜硫酸イオン群の上にビスマスイオンおよびタリウムイオンが吸着する。
本発明者らは、金電気めっき液および金電気めっき方法の触媒析出反応におけるタリウムイオン(金属)およびビスマスイオン(金属)を便宜的に「タリウム触媒」および「ビスマス触媒」とよぶ。つまり、ビスマス触媒およびタリウム触媒は亜硫酸イオン群のバリア層を介して穿孔穴内部で被めっき物表面への吸脱着を繰り返す。また、本発明者らは、図1(b)のU字状破線曲線で示されるように、穿孔穴内部で金電析物の析出が促進されるという未知の反応を「触媒析出反応」とよぶ。この「触媒析出反応」は穿孔穴周縁部で金電析物が析出する既存の「電解析出反応」と便宜的に区別される。
本発明者らは、所定量のタリウムイオン(Tl)およびビスマスイオン(Bi3+)が共存すると、亜硫酸イオン(SO 2-)の濃度が増えるにつれ、穿孔穴内部の金電析物の充填率が良くなっていくことに気がついた。亜硫酸イオンの濃度が増加するにつれて、図1(b)に示すように、穿孔穴内部の金電析物の析出速度が速くなるのは、電流に印加された亜硫酸イオン群が被めっき物の表面上により多く吸着するからである。亜硫酸イオン群によって被めっき物の表面にビスマス触媒およびタリウム触媒の接近が妨げられ、両触媒の吸脱着反応が弱くなる。
本発明者らは、電流密度分布がもっとも疎な箇所でビスマス触媒およびタリウム触媒の吸脱着反応が最も強くなることに気がついた。すなわち、タリウムイオン単独の場合に比べタリウム触媒およびビスマス触媒が共存すると、カソード電流-電位曲線から金電気めっき時の電圧変化に対する電流変化が大きくなることを知得した。この知見から、次のように推測した。電流密度分布がもっとも疎な箇所(電気抵抗が最も高い箇所)にビスマス触媒が吸着し、亜硫酸金(I)錯体を引き寄せ、その部分に吸着したTl触媒により優先的に析出反応が開始する。この触媒析出反応によって穿孔穴の内部は断面U字状のコンパクトなコンフォーマル充填が形成される。
本発明における触媒析出反応は、上記のように、ビスマス触媒およびタリウム触媒の吸脱着作用がもっとも強くなる箇所から開始する。金電気めっき液中に直流電流を印加しても、図1(a)に示すように、穿孔穴の内部の電流密度分布は均一にならない。図1(a)は、穿孔穴の内部ではコーナー部の電流密度分布が最も疎になり、コーナー部が電気エネルギーを得た亜硫酸イオン群の陰極表面における固着作用のもっとも弱い箇所になる。亜硫酸イオン群のバリア効果が弱くなると、陰極表面におけるビスマス触媒およびタリウム触媒の吸脱着作用は強くなる。このようにしてこのコーナー部から両触媒による触媒析出反応が進行する。
穿孔穴内部に運ばれた亜硫酸金(I)錯体は、図2(1)に示すように、まずビスマス触媒によって1価の亜硫酸金(I)錯体イオンに還元される。次いで、この1価の亜硫酸金(I)錯体イオンは、図2(2)に示すように、タリウム触媒によってゼロ価の金に還元される。ゼロ価の金は、図2(3)に示すように、被めっき物表面に速やかに接触して金電析物となる。亜硫酸金(I)錯体由来のゼロ価の金は被めっき物表面の亜硫酸イオン群の多少に左右されない。
陰極上の金電析物は直ちに被めっき物の一部となり、図2(3)に示すように、この金電析物に電流密度が集中する。この金電析物の電流密度分布が密になると、図2(4)に示すように、金電析物の周りに亜硫酸イオン群が取り囲む。このためこのコーナー部ではビスマス触媒およびタリウム触媒の吸脱着作用が弱くなる。
コーナー部での触媒析出反応が終了すると、電流密度分布がもっとも疎になる別な箇所で次の触媒析出反応が開始する。本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法ではこのような触媒析出反応が繰り返される。本発明のビスマス触媒およびタリウム触媒は、穿孔穴の内部で両触媒自身は変化せず、亜硫酸金(I)錯体から金電析物の析出を促進する作用を示す。
ここで、亜硫酸金(I)錯体と相互作用したビスマス触媒およびタリウム触媒は、図2(5)に例示されるように、ゼロ価のビスマスおよびタリウムが想起されうる。しかし、ゼロ価の両金属は、図2(6)に例示されるように、亜硫酸イオン群に妨げられ、被めっき物表面と直接吸脱着することはない。金電気めっき液中を流れる電流(図では(e)と表示)によってこのゼロ価の両金属は直ちに両金属イオンとなる。両金属イオンは、陰極上の亜硫酸イオン群にくっついて、再び両触媒を形成する。このようにビスマス触媒およびタリウム触媒は再生を繰り返すので、微量であっても本発明の触媒析出反応は継続される。
また、亜硫酸金(I)錯体から解離した亜硫酸イオンは他の亜硫酸金(I)錯体を誘い込みやすくなるので、解離した亜硫酸イオン群は亜硫酸金(I)錯体の移動反応を加速させる。触媒析出反応によると、穿孔穴内部の電流密度分布が疎な表面をもつ穿孔穴ほど金電析物の析出速度が速まることになる。穿孔穴内部では、図1(b)に示すように、自律的な触媒析出反応によって断面U字状のコンフォーマル充填がコンパクトに形成される。触媒析出反応は化学反応なので、亜硫酸金(I)錯体が穿孔穴内部へ移動する反応が律速段階になる。穿孔穴の開口部から亜硫酸金(I)錯体が均等に拡散すると、金電析物は半球状に析出する。穿孔穴形状が細長くアスペクト比が大きくなっていくと、金電析物の析出速度がより速くなる。
本発明によるコンフォーマル充填が進むと、穿孔穴の空間が浅くなり穿孔穴内部の電流密度分布が密になってくる。そうすると触媒析出反応に代わって既存の電解析出反応が支配するようになる。コンフォーマル充填された金電析物の厚さ(単位時間当たり)を精密に測定すると、図1(b)に示すように、金電気めっき液における触媒析出反応および電解析出反応の割合を知ることができる。
<金電気めっき液>
電気めっき作業を開始する前、大気中の酸素は本発明の金電気めっき液に取り込まれ、金電気めっき液中に溶存酸素となる。溶存酸素は亜硫酸金(I)錯体と反応すると、この金錯体を分解して金微粒子が析出する。ところが、金電気めっき液中に余剰の亜硫酸イオン群が共存すると、溶存酸素溶存酸素は亜硫酸金(I)錯体よりも先に亜硫酸イオンと反応して硫酸イオンになる。その結果、亜硫酸金(I)錯体は分解せずに金電気めっき液中に安定して存在する。また、本発明の金電気めっき液では、被めっき物の電流密度分布の粗密によって触媒析出反応と電解析出反応とが自律的に切り替わり、ビスマスイオン(Bi3+)およびタリウムイオン(Tl)も本発明の触媒または既存の結晶調整剤として自律的に作用する。
<亜硫酸金(I)錯体>
金電気めっき液中の亜硫酸金(I)錯体の含有量は、従来の金電気めっき液と同様に、電気めっきの作業量に応じて適宜定めることができる。安定した金めっき皮膜を形成するには金(Au)元素として1g/L以上が好ましい。亜硫酸金(I)錯体は、亜硫酸金(I)アルカリ金属、例えば、亜硫酸金(I)ナトリウム、亜硫酸金(I)カリウム、亜硫酸金(I)アンモニウム、亜硫酸金(I)エチルアンモニウム、亜硫酸金(I)ジメチルアンモニウム、亜硫酸金(I)ジエチルアンモニウム、亜硫酸金(I)トリメチルアンモニウム、亜硫酸金(I)トリエチルアンモニウムなどを1種または2種以上用いることができる。
<亜硫酸イオン>
本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法において亜硫酸または亜硫酸塩は、亜硫酸イオン群となって金電気めっき液を安定させる効果がある。すなわち、亜硫酸または亜硫酸塩を含む水溶液は溶存酸素を硫酸イオンにして亜硫酸金(I)錯体を保護する。また、電気めっき作業中に発生した溶存酸素も硫酸イオンにする。このため金電気めっき液中の亜硫酸金(I)錯体が分解せずに安定した金錯体の金電気めっき液が得られる。また、亜硫酸または亜硫酸塩の濃度が増加すると穿孔穴内部の金電析物の析出速度が速くなる効果がある。
本発明の亜硫酸塩は5~200g/L必要とする。亜硫酸塩が5g/L未満では金電気めっき液中で亜硫酸金(I)錯体が分解してコロイド状の金粒子が発生しやすくなる。また、亜硫酸塩が200g/Lを超えると、コロイド状の金粒子が形成されやすくなる。ジチオナイトイオンが形成されるからである。亜硫酸塩の好ましい含有量は20~150g/Lである。亜硫酸塩のより好ましい含有量は30~100g/Lである。亜硫酸塩の特に好ましい含有量は40~60g/Lである。
<ビスマス触媒>
本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法におけるビスマス触媒は、金電気めっき液に既知のものを用いることができる。アルカンスルホン酸ビスマス塩、例えば、ビスマスメタンスルホン酸塩、ビスマスエタンスルホン酸塩、ビスマスプロパンスルホン酸塩、2-ビスマスプロパンスルホン酸塩、及びビスマスp-フェノールスルホン酸塩、アルカノールスルホン酸ビスマス塩、例えば、ビスマスヒドロキシメタンスルホン酸塩、ビスマス2-ヒドロキシエタン-1-スルホン酸塩、及びビスマス2-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸塩、グルコン酸ビスマス、乳酸ビスマス、ならびに無機ビスマス塩、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、炭酸ビスマス、三フッ化ビスマス、臭化ビスマス、硝酸ビスマス、硫酸ビスマス、ピロリン酸ビスマス、及び塩化ビスマスを含むが、これらに限定されない。ビスマス触媒は水溶性のビスマス塩(例えば、特に酢酸塩、硝酸塩、スルファミン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物)が好ましい。特に、硝酸ビスマス、クエン酸ビスマスアンモニウムおよびスルファミン酸ビスマスがより好ましい。
ビスマス触媒の含有量は、ビスマス元素として30~150mg/Lを必要とする。金電析物中にビスマスが巻き込まれる傾向にあるので、ビスマス元素として少なくとも30mg/Lを必要とする。また、ビスマス触媒の含有量が150mg/Lを超えると金電気めっき液中にコロイド状の金粒子が発生しやすくなるので、ビスマス元素として最高150mg/L以下である。ビスマス触媒の好ましい含有量は40~100mg/Lである。ビスマス触媒のより好ましい含有量は50~70mg/Lである。
<タリウム触媒>
本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法におけるタリウム触媒は、硫酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫化物、塩化物、ホウ硅酸塩、その他有機酸塩などがある。タリウム触媒は、可溶性塩であれば、第一タリウムでも第二タリウムでも良い。ギ酸タリウム、硫酸第一タリウム 、硝酸タリウム、酸化タリウム、臭化タリウム、酢酸タリウムおよびマロン酸タリウムが好ましい。特に、ギ酸タリウム、マロン酸タリウムおよび硝酸タリウムがより好ましい。
タリウム触媒の含有量は、タリウム元素として5~50mg/Lを必要とする。タリウム触媒の含有量が50mg/Lを超えると金電気めっき液中にコロイド状の金粒子が発生しやすくなるので、タリウム元素として最高50mg/L以下である。また、タリウム触媒の含有量が5mg/L未満の場合、窪みの内部に細かい金電析物を析出させることが困難になる。タリウム触媒の好ましい含有量は7~30mg/Lである。タリウム触媒のより好ましい含有量は10~20mg/Lである。
<その他>
本発明のビスマス触媒と上記タリウム触媒との比(ビスマス元素/タリウム元素)は0.6~30が好ましい。この比の範囲内であれば、次の(1)および(2)の反応式によって亜硫酸金(I)錯体([Au(SO2-3-)から金(Au)への触媒析出反応がより促進される。
Au(SO) 3- → Au+ + 2SO 2- (1)
Au+ + e → Au (2)
ビスマス触媒と上記タリウム触媒の比の下限値0.6未満では窪みの内部に粗い金が析出するおそれがある。この比の上限値30を超えると、窪みの壁面や内部にボイドや空洞ができるおそれがある。より好ましい比は3~25であり、更に好ましくは5.0~20であり、特に好ましい比は7.0~15である。
また、上記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する上記ビスマス触媒(D)および上記タリウム触媒(C)の総量の重量比を調べたところ、0.14×10-3~40×10-3の範囲が好ましいことがわかった。
本発明の硫酸塩は3~150g/L必要とする。硫酸塩は金電気めっき液中で亜硫酸イオン群を安定にするため必要になる。硫酸塩が3g/L未満では金電気めっき中に亜硫酸イオン群が分解しやすくなり、亜硫酸イオン群がバリア剤として作用しにくくなる。硫酸塩が150g/Lを超えると、金電気めっき液中に硫酸塩の結晶が沈殿することがある。硫酸塩の好ましい含有量は5~100g/Lである。硫酸塩のより好ましい含有量は10~50g/Lである。硫酸塩の特に好ましい含有量は15~30g/Lである。
また、本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法において硫酸塩および亜硫酸または亜硫酸塩(これらをまとめて「妨害剤」という)以外の伝導塩は、電気伝導塩や錯化剤など電気めっき液に添加される一般的な添加剤が代表的なものである。この伝導塩には、pH調整剤(緩衝剤)やマスキング剤なども含めることができる。伝導塩は断面U字状の析出構造の形成を妨げない範囲内で添加することができる。伝導塩は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。具体的な伝導塩は、ハロゲン化塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩などの無機酸塩や酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、カルボン酸塩などの有機酸塩が含まれる。好ましくは、ハロゲン化塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩またはクエン酸塩である。より好ましくは、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩またはシュウ酸塩である。
伝導塩は金電気めっき液中の電流密度分布の粗密を改善する。このため本発明の金電気めっき液中に伝導塩を添加すると、一方では金電析物における通常の電解析出反応を促進し、他方では触媒析出反応を抑制する作用を示す。ところが、伝導塩を添加し過ぎると、図1(a)に示すように、充填する金電析物に空隙等ができやすくなる。本発明の金電気めっき液中の伝導塩は少ないほど好ましい。伝導塩の含有量の範囲は妨害剤の含有量の0.01~9%が好ましい。より好ましくは0.1~9%、更に好ましくは0.1~8%の範囲内であり、特に好ましくは0.5~5%の範囲内である。
金電気めっき液中のpHは6~9の範囲が好ましい。pHが6以下の場合には亜硫酸金(I)錯体が不安定となりやすい。一方、pHが9以上の場合にはフォトレジストなどのマスク剤を溶解してしまうことがある。このためpHは6~9の範囲が好ましい。
本発明の金電気めっき方法における静止浴の電流密度は、直流電流を使用して、0.03~0.6A/m2の範囲が好ましい。0.6A/m2を超えると穿孔穴の内部に空洞ができやすくなる。0.03A/m2未満になると、穿孔穴の内部が電気めっきされないおそれがある。ジェット噴流めっきの場合、電流密度は0.1~1.0A/dm2の範囲が好ましい。ジェット噴流めっき法は、大量生産にとって非常に望ましい。
本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法において被めっき物は半導体ウェハーやセラミックウェハーやプリント基板などの金属被覆された配線回路を用いることができる。代表的な半導体ウェハーやセラミックウェハーはSiやGaAsなどの基板である。プリント基板は銅張積層板などを用いることができる。穿孔穴内部の下地金属被覆は金皮膜を形成していることが好ましい。ここで、穿孔穴は、その開口面積が直径換算で1~50μmであることが好ましく、また、アスペクト比が0.8~2.0であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。以下の成分組成を有する金電気めっき液(01)~(04)を準備した。これらの金電気めっき液を実施例1~4とした。
(実施例1)
<金電気めっき液(01)>
亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として) 15 g/L、
A:亜硫酸ナトリウム 50 g/L
B:硫酸ナトリウム 15 g/L
C:ギ酸タリウム(タリウム元素として) 10mg/L
D:硝酸ビスマス(ビスマス元素として) 50mg/L
E:リン酸ナトリウム 1 g/L
pH=8.0
ここで、バリア剤(A:亜硫酸ナトリウム)に対する両触媒(C:ギ酸タリウムおよびD:硝酸ビスマスの合算値)の重量割合、すなわち、両触媒(Bi+Tl)/バリア剤(NaSO)は、1.2×10-3である。また、ビスマス触媒に対するタリウム触媒の重量割合、すなわち(Bi)/(Tl)は5である。また、妨害剤(A:亜硫酸ナトリウムおよびB:硫酸ナトリウムの合算値)に対する伝導塩(E:リン酸ナトリウム)の重量百分率、すなわち伝導塩(NaPO)/妨害剤(NaSO+NaSO)は、1.5%である。
(実施例2)
<金電気めっき液(02)>
亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として) 15 g/L、
A:亜硫酸ナトリウム 65 g/L
B:硫酸ナトリウム 30 g/L
C:ギ酸タリウム(タリウム元素として) 20mg/L
D:硝酸ビスマス(ビスマス元素として) 70mg/L
E:硝酸ナトリウム 5 g/L
pH=12.0
ここで、バリア剤(A:亜硫酸ナトリウム)に対する両触媒(C:ギ酸タリウムおよびD:硝酸ビスマスの合算値)の重量割合、すなわち両触媒(Bi+Tl)/バリア剤(NaSO)は1.4×10-3である。また、ビスマス触媒に対するタリウム触媒の重量割合、すなわち(Bi)/(Tl)は3.5である。また、妨害剤(A:亜硫酸ナトリウムおよびB:硫酸ナトリウムの合算値)に対する伝導塩(E:硝酸ナトリウム)の重量百分率、すなわち伝導塩(NaNO)/妨害剤(NaSO+NaSO)は、5.3%である。
(実施例3)
<金電気めっき液(03)>
亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として) 15 g/L、
A:亜硫酸ナトリウム 10 g/L
B:硫酸ナトリウム 90 g/L
C:マロン酸タリウム(タリウム元素として) 6 mg/L
D:クエン酸ビスマスアンモニウム(ビスマス元素として)140 mg/L
E:塩化ナトリウム 0.5 g/L
pH=7.0
ここで、バリア剤(A:亜硫酸ナトリウム)に対する両触媒(C:マロン酸タリウムおよびD:クエン酸ビスマスアンモニウムの合算値)の重量割合、すなわち両触媒(Bi+Tl)/バリア剤(NaSO)は14.6×10-3である。また、ビスマス触媒に対するタリウム触媒の重量割合、すなわち(Bi)/(Tl)は23.3である。また、妨害剤(A:亜硫酸ナトリウムおよびB:硫酸ナトリウムの合算値)に対する伝導塩(E:塩化ナトリウム)の重量百分率、すなわち伝導塩(NaCl)/妨害剤(NaSO+NaSO)は、0.5%である。
(実施例4)
<金電気めっき液(04)>
亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として) 15 g/L、
A:亜硫酸ナトリウム 180 g/L
B:硫酸ナトリウム 20 g/L
C:硝酸タリウム(タリウム元素として) 45mg/L
D:スルファミン酸ビスマス(ビスマス元素として)35mg/L
E:水酸化アンモニウム15%(pH調整剤) 10mL
pH=10.0
ここで、バリア剤(A:亜硫酸ナトリウム)に対する両触媒(C:硝酸タリウムおよびD:スルファミン酸ビスマスの合算値)の重量割合、すなわち両触媒(Bi+Tl)/バリア剤(HSO)は0.4×10-3である。また、ビスマス触媒に対するタリウム触媒の重量割合、すなわち(Bi)/(Tl)は0.78である。また、妨害剤(A:亜硫酸ナトリウムおよびB:硫酸ナトリウムの合算値)に対する伝導塩(E:塩化ナトリウム)の重量百分率、すなわち伝導塩(NHOH)/妨害剤(NaSO+NaSO)は、5.0%である。
次に、比較例により本発明の実施例を具体的に比較する。以下の成分組成を有する金電気めっき液(05)~(07)を準備した。これらの金電気めっき液を比較例1~3とした。
(比較例1)
<金電気めっき液(05)>
亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として) 15 g/L、
A:亜硫酸ナトリウム 50 g/L
B:硫酸ナトリウム 15 g/L
C:ギ酸タリウム(タリウム元素として) 0mg/L
D:硝酸ビスマス(ビスマス元素として) 50mg/L
E:リン酸ナトリウム 1 g/L
pH=8.0
比較例1の金電気めっき液(05)は、ギ酸タリウムを除いた(「0mg/L」と明記した)以外は金電気めっき液(01)と同様である。ここで、バリア剤(A:亜硫酸ナトリウム)に対する両金属塩(C:ギ酸タリウムおよびD:硝酸ビスマスの合算値)の重量割合、すなわち両金属塩(Bi+Tl)/バリア剤(HSO)は1.0×10-3である。また、妨害剤(A:亜硫酸ナトリウムおよびB:硫酸ナトリウムの合算値)に対する伝導塩(E:リン酸ナトリウム)の重量百分率、すなわち伝導塩(NaPO)/妨害剤(NaSO+NaSO)は、1.5%である。
(比較例2)
<金電気めっき液(06)>
亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として) 15 g/L、
A:亜硫酸ナトリウム 50 g/L
B:硫酸ナトリウム 15 g/L
C:ギ酸タリウム(タリウム元素として) 10mg/L
D:硝酸ビスマス(ビスマス元素として) 0mg/L
E:リン酸ナトリウム 1 g/L
pH=8.0
比較例2の金電気めっき液(06)は、硝酸ビスマスを除いた(「0mg/L」と明記した)以外は金電気めっき液(01)と同様である。ここで、バリア剤(A:亜硫酸ナトリウム)に対する両金属塩(C:ギ酸タリウムおよびD:硝酸ビスマスの合算値)の重量割合、すなわち両金属塩(Bi+Tl)/バリア剤(HSO)は2.0×10-3である。また、妨害剤(A:亜硫酸ナトリウムおよびB:硫酸ナトリウムの合算値)に対する伝導塩(E:リン酸ナトリウム)の重量百分率、すなわち伝導塩(NaPO)/妨害剤(NaSO+NaSO)は、1.5%である。
(比較例3)
<金電気めっき液(07)>
亜硫酸金(I)ナトリウム(金元素として) 15 g/L、
A:亜硫酸ナトリウム 50 g/L
B:硫酸ナトリウム 15 g/L
C:ギ酸タリウム(タリウム元素として) 60mg/L
D:硝酸ビスマス(ビスマス元素として) 180mg/L
E:リン酸アンモニウム 6 g/L
pH=6.0
比較例3の金電気めっき液(07)は、ギ酸タリウムを60mg/L、硝酸ビスマスを180mg/L、リン酸ナトリウムを6g/LおよびpH=6.0とした以外は金電気めっき液(01)と同様である。ここで、バリア剤(A:亜硫酸ナトリウム)に対する両金属塩(C:ギ酸タリウムおよびD:硝酸ビスマスの合算値)の重量割合、すなわち両金属塩(Bi+Tl)/バリア剤(HSO)は4.8×10-3である。また、ビスマス塩に対するタリウム塩の重量割合、すなわち(Bi)/(Tl)は3.0である。また、妨害剤(A:亜硫酸ナトリウムおよびB:硫酸ナトリウムの合算値)に対する伝導塩(E:リン酸アンモニウム)の重量百分率、すなわち伝導塩((NHHPO)/妨害剤(NaSO+NaSO)は、9.2%である。
<テスト基板1の作製>
3.0mm厚のシリコンウェハー基板(直径200mm)の全面に導体回路パターンを作製した。まずこの基板に次の(Va)~(Vc)の穿孔穴(アスペクト比:Va~Vc)を穿孔し、その後、チタン-タングステン合金の中間膜を0.3μm真空蒸着し、その上に金の下地膜を0.1μm真空蒸着した。これをテスト基板1とした。テスト基板1の穿孔穴の内部にも下地の金膜が形成されている。
(Va)アスペクト比:Va(直径:10μm、深さ:10μm、ピッチ:50μm)を10個
(Vb)アスペクト比:Vb(直径:5μm、深さ:10μm、ピッチ:70μm)を10個
(Vc)アスペクト比:Vc(直径:3μm、深さ:9μm、ピッチ:100μm)を10個
<テスト基板2の作製>
金を0.1μm真空蒸着する代わりに、パラジウムを0.1μm真空蒸着した以外はテスト基板1の作製と同様にしてテスト基板を作製した。これをテスト基板2とした。テスト基板2の穿孔穴(アスペクト比:Va~Vc)の内部にも下地のパラジウム膜が形成されている。
これらのテスト基板1・2を実施例1~4の金電気めっき液(01)~(04)および比較例1~3の金電気めっき液(05)~(07)に直流電流を印加して液温55℃で電気めっき作業を行った。静止浴の金電気めっき液は、いずれも毎分500回転で撹拌(マグネットスターラー)しながら、電流密度0.4A/dm2の電流を4分間流した。これらのテスト基板1・2は、その後、水洗・乾燥して以下に示す評価試験をした。
実施例1の金電気めっき液(01)を用いてテスト基板1を金電気めっきした。電気めっき作業は、それぞれ4分間および8分間行った。実施例1の4分後の穿孔穴内部の断面写真および8分後の断面写真を図3および図4に示す。図3および図4の断面写真は、いずれも集束イオンビーム装置(株式会社日立ハイテク製、MI4050)により穿孔穴(Va、VbおよびVc)を半割し、斜め上方から撮影した走査イオン顕微鏡像(SIM像)である。
(実施例5)
テスト基板1を実施例1の金電気めっき液(01)に4分間金電気めっきした後の穿孔穴内部の断面写真が図3である。これを実施例5とする。実施例5の図3のVa(直径:10μm、深さ:10μm)、同Vb(直径:5μm、深さ:10μm)および同Vc(直径:3μm、深さ:9μm)の金めっき皮膜をそれぞれ観察する。
同図3Vaの穿孔穴(直径:10μm、深さ:10μm)の内部における金電析物がコンフォーマル充てんされた断面はU字状構造である。この穿孔穴のコーナー部が触媒析出反応によって金電析物の最初に析出した箇所である。金めっき皮膜の厚さはコーナー部が最も厚く、ここで触媒析出反応が最も活発に起きたことを示している。
また、穿孔穴の周縁部および内部における金めっき皮膜の結晶粒が異なっていることがわかる。黒色の結晶粒を比較すると、同図3Vaの両端(周縁部)にある結晶粒は細かく、中央(底面)にある結晶粒はどんぐり状で、両側壁にある結晶粒は筒状に伸びている。すなわち、同図3Vaの金めっき皮膜の断面写真は、穿孔穴の周縁部で既存の電解析出反応が起こり、穿孔穴の両側壁で本発明の触媒析出反応がそれぞれ起こったことを示している。実施例1の金電気めっき液(01)で触媒析出反応と電解析出反応が自律的に起こった結果、実施例5の図3Vaでは穿孔穴の内部でもコンフォーマル充填された断面U字状構造の金電析物の厚さがほぼ均一になっていることがわかる。
実施例5の図3Vbの穿孔穴(直径:5μm、深さ:10μm)の内部における金電析物は、コンフォーマル充てんされ、金めっき皮膜の断面はU字状構造である。この穿孔穴のコーナー部が触媒析出反応によって金電析物の最初に析出した箇所である。金めっき皮膜の厚さはコーナー部が最も厚く、ここで触媒析出反応が最も活発に起きたことを示している。同図3Vbの金めっき皮膜の厚さを観察すると、実施例1の金電気めっき液(01)で触媒析出反応と電解析出反応が自律的に起こった結果、穿孔穴の内部と周縁部の厚さがほぼ均一になっていることがわかる。
実施例5の図3Vcの穿孔穴(直径:3μm、深さ:9μm)の内部における金電析物は、断面U字状構造でコンパクトにコンフォーマル充填されている。図3Vcの金めっき皮膜の厚さを観察すると、穿孔穴の両側壁部と周縁部の厚さがほぼ均一で底部が厚くなっている。図3Vcの厚くなった部分は少なくとも本発明の触媒析出反応による金電析物といえる。同図3Vcの金めっき皮膜の結晶粒を観察すると、穿孔穴の底面には断面逆V字形の結晶粒が観察され、この結晶粒は両側面の粗い結晶粒に連なり、この粗い結晶粒は周縁部の細かい結晶粒に連なっている。
同図3Vbを同図3Vaと比較すると、次のことがわかる。すなわち、同図3Vbの穿孔穴の直径(5μm)は同図3Va(10μm)よりも狭いにもかかわらず、同図3Vbの金めっき皮膜の厚さは同図3Vaと同様にほぼ均一である。また、穿孔穴の内部における金電析物は、両者とも断面U字状構造でコンパクトにコンフォーマル充填されている。これは、実施例1の金電気めっき液(01)では穿孔穴内部の触媒析出反応と周縁部の電解析出反応が自律的に働いて金めっき皮膜の厚さを均一にしていることを示す。
実施例5の図3Vcのアスペクト比(直径:3μm、深さ:9μm)は同図3Vaのアスペクト比(直径:10μm、深さ:9μm)よりも高いので、同図3Vcの穿孔穴内部の電流密度分布が同図3Vaよりも疎になる。図2の模式図に示すように、電流密度分布が疎になると両触媒がより活発になる。同図3Vcの穿孔穴内部の厚さが同図3Vaよりも厚いのは、同図3Vcの触媒析出反応が同図3Vaよりも速くなっているからである。他方、同図3Vcの穿孔穴の周縁部の厚さは同図3Vaの厚さと同じで、既存の電解析出反応は差がみられない。
(実施例6)
次に、テスト基板1を実施例1の金電気めっき液(01)に8分間金電気めっきした後の図4Va(直径:10μm、深さ:10μm)、同Vb(直径:5μm、深さ:10μm)および同Vc(直径:3μm、深さ:9μm)の金めっき皮膜をそれぞれ観察した。これを実施例6とする。実施例6の図4Va・Vb・Vcを、実施例5の図3Va・Vb・Vcと比較する。
実施例6の図4のVa、同Vbおよび同Vcの各金めっき皮膜の穿孔穴内部における金電析物断面は、すべてコンパクトにコンフォーマル充てんされた断面U字状構造である。実施例6の図4Va・Vb・Vcは、いずれも図1(a)に示すような、穿孔穴の中心線上にクラックやボイドがみられないことがわかる。また、実施例6の図4Va・Vb・Vcから、アスペクト比が高くなるにしたがって金電析物の厚さが急激に増加していく傾向は、実施例5の図3Va・Vb・Vcの傾向と同様であることがわかる。
実施例5の図3のVc(直径:3μm、深さ:9μm)と実施例6の図4のVc(直径:3μm、深さ:9μm)を比較すると、実施例5の図3のVcのコンフォーマル充てんされた金電析物のほうが実施例6の図4よりもU字溝形状の深さが浅い。これは、穿孔穴の直径が大きくなると、触媒析出反応よりも電解析出反応が起こりやすくなり、相対的に触媒析出反応による金電析物の析出が起こりにくくなることを示している。また、実施例6の図4Vcの導体回路パターン上にはなだらかな窪みがみられる。
次に、比較例3の金電気めっき液(07)を用い、実施例1と同様に、テスト基板1を4分間および8分間金電気めっきした。比較例3の金電気めっき液(07)は、実施例1の金電気めっき液(01)における(C):タリウム成分の組成が60mg/Lであり、本発明の上限値50mg/Lを超え、かつ、(D):ビスマス成分の組成が180mg/Lであり、本発明の上限値150mg/Lを超えている。この金電気めっき液(07)を用い、4分間および8分間金電気めっきした後の断面写真を図5および図6に示す。
(比較例4)
比較例3の金電気めっき液(07)を4分間金電気めっきした後の図5のVa(直径:10μm、深さ:10μm)、同Vb(直径:5μm、深さ:10μm)および同Vc(直径:3μm、深さ:9μm)の金めっき皮膜をそれぞれ観察した。これを比較例4とする。比較例4の図5Va・Vb・Vcはいずれも穿孔穴の内部形状と同じく四角形である。これは、比較例3の金電気めっき液(07)中にタリウムイオンおよびビスマスイオンが共存しても、触媒析出反応が起きていないことを示している。
同図5Vcの金めっき皮膜は穿孔穴の周縁部と内部で同じである。これは亜硫酸イオン群がタリウムイオンおよびビスマスイオンに対してバリア剤として作用し、タリウム塩やビスマス塩は結晶調整剤として作用していることを示している。既存の金電気めっき液で被めっき物を電気めっきすると、陰極表面の電流密度分布に粗密が生じて、図1(a)に示すように、穿孔穴の開口部が厚くなるからである。
(比較例5)
比較例3の金電気めっき液(07)を8分間金電気めっきした後の図6Va・Vb・Vcの金めっき皮膜をそれぞれ観察した。これを比較例5とする。比較例5の図6Va・Vb・Vcも比較例4の図5Va・Vb・Vcの金めっき皮膜と同様である。比較例5の図6のVaから同Vcへアスペクト比が大きくなっていっても、穿孔穴の中心線上にある金めっき皮膜の厚さは一定である。これは、タリウムイオンとビスマスイオンが結晶調整剤として作用し、既存の電解析出反応によって金電析物が析出したためである。比較例5の図6Vcの金めっき皮膜には、図1(a)に示すようなシーム状の空隙が観察される。このような空洞は配線上のメッキ膨れとなったり、他の電子部品との接触不良になったりすることがある。
(金電気めっき液の対比)
次に、実施例1の金電気めっき液(01)および比較例3の金電気めっき液(07)を用いて4分間および8分間金電気めっきした後の実施例5・6の金めっき皮膜と比較例4・5の金めっき皮膜を比較する。まず4分間後の実施例5の図3Va・Vb・Vcの金めっき皮膜と比較例4の図5Va・Vb・Vcの金めっき皮膜を比較する。
実施例5の図3Va(直径:10μm、深さ:10μm)の金めっき皮膜は断面U字状であるのに対し、比較例4の図5Vaの金めっき皮膜は断面四角形である。穿孔穴内部のコーナー部に着目すると、実施例5の図3Vaの金めっき皮膜の厚さは、比較例4の図5Vaの金めっき皮膜の厚さよりも厚い。穿孔穴内部のコーナー部における金めっき皮膜の形状の違いは、本発明の触媒析出反応の有無による。実施例5の金めっき皮膜は、実施例1の金電気めっき液(01)における所定量の亜硫酸イオン群、ビスマス触媒およびタリウム触媒によってもたらされたものである。
また、実施例5の図3の断面写真ではVa~Vcのすべての穿孔穴の内部で金電析物が底面から中ほどまで密に充填され、同図3Vcの断面写真では穿孔穴内部でコンフォーマル充填された金電析物の厚さが周縁部の金電析物の厚さよりも厚くなっている。他方、比較例4の図5Va・Vb・Vcの断面写真では金めっき皮膜が等しい厚さで析出されている。同図5Vcの断面写真でも高アスペクト比の穿孔穴内部でコンフォーマル充填された金電析物の厚さと周縁部の金電析物の厚さとに差がない。
(実施例7~12)
さらに、実施例2~4の金電気めっき液(02)~(04)でテスト基板1およびテスト基板2を電気めっきして4分間および8分間後の断面をそれぞれ観察した。実施例2~4の金電気めっき液(02)~(04)で4分間電気めっきされたテスト基板1およびテスト基板2の穿孔穴内部の断面写真を、実施例5の図3Va・Vb・Vcと同様にして金めっき皮膜をそれぞれ観察した。これらの断面写真(図示なし)を実施例7~12とした。実施例7~12の穿孔穴内部の断面写真は、実施例5の図3Va・Vb・Vcとすべて同様であった。
(実施例13~17)
次に、実施例2~4の金電気めっき液(02)~(04)で8分間電気めっきされたテスト基板1およびテスト基板2の穿孔穴内部の断面写真を、実施例6の図4Va・Vb・Vcと同様にして金めっき皮膜をそれぞれ観察した。これらの断面写真(図示なし)を実施例13~17とした。実施例13~17の穿孔穴内部の断面写真は、実施例6の図4Va・Vb・Vcとすべて同様であった。
(比較例6~13)
また、比較例1および比較例2の金電気めっき液(05)および(06)でテスト基板1およびテスト基板2を電気めっきし、4分間および8分間後の断面を、それぞれ比較例4の図5Va・Vb・Vcおよび比較例5の図6Va・Vb・Vcと同様にして金めっき皮膜をそれぞれ観察した。これらの断面写真(図示なし)を比較例6~13とした。比較例6~13の穿孔穴内部の断面写真は、比較例4の図5Va・Vb・Vcおよび比較例5の図6Va・Vb・Vcとすべて同様であった。すなわち、比較例6~13の金電析物はすべて電解析出反応によるものであり、比較例6~13の金電気めっき液ではいずれも比較例3の金電気めっき液(07)の図6Vcと同様に、穿孔穴の中心線上の金めっき皮膜に、図1(a)に示すような空隙がみられた。
(金めっき皮膜の膜厚)
次に、3.0mm厚のシリコンウェハー基板(直径200mm)の全面に金皮膜およびパラジウム膜の導体回路パターンを作製してテスト基板3およびテスト基板4とした。このテスト基板3およびテスト基板4について実施例1~4および比較例1~3の金電気めっき液(01)~(07)に直流電流を印加して液温55℃で8分間電気めっき作業を行った。その後、テスト基板3およびテスト基板4の金めっき皮膜の膜厚を集束イオンビーム(FIB)によって断面加工した。SIM装置(日立ハイテクノロジーズ社製MI4050)により5箇所の断面を測定し、5箇所の平均値と標準偏差を求めた。これらの実施例1~4および比較例1~3の7種類の金めっき皮膜の膜厚の結果を表1に示す。
Figure 0007219847000002
表1から明らかなとおり、テスト基板3およびテスト基板4について金めっき皮膜の膜厚の平均値およびばらつきの差異は、実施例と比較例でほとんどみられなかった。すなわち、被めっき物の表面下地が金皮膜のテスト基板3の場合、実施例1~4の金電気めっき液(01)~(04)のの膜厚の平均値は2.11~2.18μmの範囲であり、標準偏差(3σ)は0.12~0.15の範囲であった。他方、比較例1~3の金電気めっき液(05)~(07)の膜厚の平均値は2.14~2.18μmの範囲であり、標準偏差(3σ)は0.11~0.15の範囲であった。
また、下地がパラジウム膜のテスト基板4の場合、実施例1~4の金電気めっき液(01)~(04)の膜厚の平均値は2.13~2.25μmの範囲であり、標準偏差(3σ)は0.11~0.13の範囲であった。他方、比較例1~3の金電気めっき液(05)~(07)の膜厚の平均値は2.13~2.17μmの範囲であり、標準偏差(3σ)は0.10~0.11の範囲であった。
以上の通り、実施例1~4の金電気めっき液(01)~(04)は比較例1~3の金電気めっき液(05)~(07)よりも穿孔穴内部の金電析物の充填特性に優れていることがわかる。例えば、実施例1の金電気めっき液(01)は、複雑な高分子化合物や界面活性剤を用いなくても、亜硫酸イオン群がタリウム触媒およびビスマス触媒のバリア層となり、両触媒が陰極表面に直接接触するのを妨げている。両触媒は被めっき物における電流密度分布がもっとも疎な箇所でもっとも活発な触媒作用を示し、穿孔穴の内部をコンパクトにコンフォーマル充填する。すなわち、本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法は、被めっき物の電流密度分布に左右されず、第1図(b)に示すように、断面U字状構造のコンフォーマル充填をすることができる。
本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法は、電気めっき作業中に穿孔穴内部の電流密度分布が不規則に変動しても、自律的な触媒析出反応によって金電析物を穿孔穴内部に絶えず密に詰めていくことが可能である。本発明の金電気めっき液および金電気めっき方法は、既存のコンフォーマル充填法のさまざまな応用分野にも広く適用されるものである。

Claims (9)

  1. 亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液であって、当該金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および次の(A)~(D)成分組成からなることを特徴とする金電気めっき液。
    A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
    B:硫酸塩 3~150 g/L
    C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
    D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
  2. 亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液であって、当該金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および次の(A)~(E)成分組成からなることを特徴とする金電気めっき液。
    A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
    B:硫酸塩 3~150 g/L
    C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
    D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
    E:(A)および(B)以外の伝導塩(亜硫酸金(I)錯体を除く)が(A)および(B)の合計重量の0.1~9%の範囲内であること
  3. さらに、次の(F)の構成要素を有する請求項1または請求項2に記載の金電気めっき液。F:前記ビスマス元素(D)の重量に対する前記タリウム元素(C)の重量比(D/C)が0.6~30であること
  4. さらに、次の(G)の構成要素を有する請求項1または請求項2に記載の金電気めっき液。G:前記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する前記ビスマス元素(D)および前記タリウム元素(C)の総量の重量比が0.14×1 -3 ~40×1 -3 あること
  5. さらに、次の(F)および(G)の構成要素を有する請求項1または請求項2に記載の金電気めっき液。F:前記ビスマス触媒(D)の重量に対する前記タリウム触媒(C)の重量比(D/C)が0.6~30であること、G:前記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する前記ビスマス元素(D)および前記タリウム元素(C)の総量の重量比が0.14×1 -3 40×1 -3 あること
  6. 亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液によって被めっき物の平面回路および穿孔穴の内部を電気めっきする金電気めっき方法において、当該金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および次の(A)~(D)成分組成からなることを特徴とする金電気めっき方法。
    A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
    B:硫酸塩 3~150 g/L
    C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
    D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
  7. 亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液によって被めっき物の平面回路および穿孔穴の内部を電気めっきする金電気めっき方法において、当該金電気めっき液が亜硫酸金(I)錯体および次の(A)~(E)成分組成からなることを特徴とする金電気めっき方法。
    A:亜硫酸または亜硫酸塩 5~200 g/L
    B:硫酸塩 3~150 g/L
    C:タリウム触媒(タリウム元素として) 5~50 mg/L
    D:ビスマス触媒(ビスマス元素として) 30~150mg/L
    E:(A)および(B)以外の伝導塩(亜硫酸金(I)錯体を除く)が(A)および(B)の合計重量の0.1~9%の範囲内であること
  8. 亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液によって被めっき物の平面回路および穿孔穴の内部を電気めっきする金電気めっき方法において、当該金電気めっき液がさらに、次の(F)の構成要素を有する請求項6または請求項7に記載の金電気めっき方法。
    F:前記ビスマス触媒(D)の重量に対する前記タリウム触媒(C)の重量比(D/C)が0.6~30であること
  9. 亜硫酸金(I)錯体および硫酸塩をベースとする金電気めっき液によって被めっき物の平面回路および穿孔穴の内部を電気めっきする金電気めっき方法において、当該金電気めっき液がさらに、次の(G)の構成要素を有する請求項6または請求項7に記載の金電気めっき方法。
    G:前記亜硫酸または亜硫酸塩(A)の重量に対する前記ビスマス元素(D)および前記タリウム元素(C)の総量の重量比が0.14×10 -3 ~40×10 -3 であること

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