JP7217369B2 - 光学フィルム、円偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

光学フィルム、円偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルム、円偏光板、および、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
位相差を有する光学異方性層は、非常に多くの用途に使用されている。例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置は、金属電極を用いる構造を有するため、外光を反射し、コントラスト低下および映り込みの問題を生じることがある。そこで、従来から、外光反射による悪影響を抑制するために、光学異方性層と偏光子とから構成される円偏光板が使用されている。
円偏光板に使用される光学異方性層としては、例えば、特許文献1に記載されるように、λ/2板と、λ/4板とからなる位相差板が知られている。
特許第3174367号公報
一方、近年、有機EL表示装置に代表される表示装置においては、画質のより一層の向上のために、正面および斜め方向における黒色の色味づきの抑制が求められている。より具体的には、現在、円偏光板を有する有機EL表示装置においては、正面方向および斜め方向から見た際に黒色に他の色が混色したような色味(黒色の色味づき)が生じないことが求められている。
特に、正面方向からより傾いた方向から視認した際にも、黒色の色味づきが生じないことが求められている。
本発明者らは、特許文献1で開示される位相差板を使用して円偏光板を作製し、表示装置に貼り付けて、その性能評価を行ったところ、上記要望を十分には満たしていないことを知見した。
本発明は、上記実情に鑑みて、円偏光板として有機EL表示装置に用いた際に、正面方向および斜め方向における黒色の色味づきを抑制できる、光学フィルムを提供することを課題とする。
また、本発明は、円偏光板および有機EL表示装置を提供することも課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 第1光学異方性層および第2光学異方性層を有し、
第1光学異方性層が、捩れ配向した第1液晶化合物を固定してなる層であり、
第1液晶化合物の捩れ角は、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合には、第2液晶化合物の捩れ角よりも大きく、
第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面での面内遅相軸と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面での面内遅相軸とが平行であり、
第1光学異方性層の第2光学異方性層側とは反対側の表面における第1液晶化合物のチルト角θ1、および、第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面における第1液晶化合物のチルト角θ2の少なくとも一方が、10°以上であり、
後述する式(1)および式(2)の関係を満たす、光学フィルム。
(2) 波長550nmで測定した第1光学異方性層の屈折率異方性Δn1と第1光学異方性層の厚みd1との積Δn1d1の値が後述する式(3)の関係を満たし、
波長550nmで測定した第2光学異方性層の屈折率異方性Δn2と第2光学異方性層の厚みd2との積Δn2d2の値が後述する式(4)の関係を満たす、(1)に記載の光学フィルム。
(3) 波長550nmで測定した第1光学異方性層の屈折率異方性Δn1および第1光学異方性層の厚みd1の積Δn1d1と、yと、θ1と、θ2とが、後述する式(5)および式(6)の関係を満たす、(1)または(2)に記載の光学フィルム。
(4) 第2光学異方性層が、第2液晶化合物を用いて形成された層であり、
波長550nmで測定した第2光学異方性層の屈折率異方性Δn2および第2光学異方性層の厚みd2との積Δn2d2と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面における第2液晶化合物のチルト角θ3と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側とは反対側の表面における第2液晶化合物のチルト角θ4と、yとが、後述する式(7)および式(8)の関係を満たす、(1)~(3)のいずれかに記載の光学フィルム。
(5) θ1とθ2との平均が15°以上45°未満であり、
第2光学異方性層が、第2液晶化合物を用いて形成された層であり、
第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面における第2液晶化合物のチルト角θ3と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側とは反対側の表面における第2液晶化合物のチルト角θ4との平均が15°未満である、(1)~(4)のいずれかに記載の光学フィルム。
(6) 第2光学異方性層が、捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層であって、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向とは逆方向である層であるか、または、
第2光学異方性層が、捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層以外の層である、(1)~(5)のいずれかに記載の光学フィルム。
(7) (1)~(6)のいずれかに記載の光学フィルムと、偏光子とを有し、
第1光学異方性層、第2光学異方性層、および、偏光子の順に積層されている、円偏光板。
(8) 偏光子の面内吸収軸と、第2光学異方性層の偏光子側の表面における面内遅相軸とのなす角φが、後述する式(9)の関係を満たす、(7)に記載の円偏光板。
(9) (7)または(8)に記載の円偏光板を有する、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明によれば、円偏光板として有機EL表示装置に用いた際に、正面方向および斜め方向における黒色の色味づきを抑制できる、光学フィルムを提供できる。
また、本発明によれば、円偏光板および有機EL表示装置を提供できる。
ツイストハイブリッド配向した液晶化合物を固定してなる光学異方性層の一例を示す概略図である。 図1の光学異方性層の法線方向から光学異方性層を観察した際の液晶化合物の捩れ方向を示す概略図である。 チルト角を説明するための図である。 厚み方向の位置と捩れ角の増加量との関係を表す図である。 光学フィルムの第1実施態様の一例の模式図を示す。 光学フィルムの第2実施態様の一例の模式図を示す。 光学フィルムの第3実施態様の一例の模式図を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
面内遅相軸は、特別な断りがなければ、550nmにおける定義である。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan(Axometrics社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
面内遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折計(NAR-4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルターとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
本明細書中における「光」とは、活性光線または放射線を意味し、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光:Extreme Ultraviolet)、X線、紫外線、および電子線(EB:Electron Beam)などを意味する。なかでも、紫外線が好ましい。
本明細書では、「可視光」とは、380~780nmの光のことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
また、本明細書において、「直交」および「平行」については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。具体的には、厳密な角度±10°未満の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、±5°以下の範囲内であることが好ましく、±3°以下の範囲内であることがより好ましい。
本明細書において、光学異方性層中において液晶化合物が捩れ配向している場合、その捩れ角は0°超360°未満であることが好ましい。
本発明の光学フィルムの特徴点としては、所定の第1光学異方性層および第2光学異方性層を有する点が挙げられる。より具体的には、本発明者らは、後述する式(1)および式(2)の関係を満たすことにより所望の効果が得られることを知見している。式(1)および式(2)は、第1光学異方性層および第2光学異方性層に含まれる液晶化合物の捩れ角およびチルト角が所定の関係を満たすことを示す。特に、第1光学異方性層においては、第1液晶化合物が捩れ配向するとともに、所定のチルト角を有する。以下、第1液晶化合物のこのような配向状態を、ツイストハイブリッド配向ともいう。
以下、図面を用いて、ツイストハイブリッド配向について説明する。
図1に、ツイストハイブリッド配向した液晶化合物を固定してなる光学異方性層10の一例を示す。また、図2は、図1の光学異方性層10の法線方向から光学異方性層10を観察した際の液晶化合物の捩れ方向を示す概略図を示す。なお、図1および2においては、液晶化合物として棒状液晶化合物を使用した例を示しているが、後述するように、液晶化合物は棒状液晶化合物には限定されない。
図1に示す態様においては、光学異方性層10中の液晶化合物LCのチルト角は、光学異方性層10の一方の表面10Aから他方の表面10B側に向かって大きくなっている。図1においては、一方の表面から他方の表面に向かってチルト角が大きくなる態様を示したが、厚み方向において液晶化合物のチルト角が一定であってもよい。
なお、図3に示すように、液晶化合物LCのチルト角とは、液晶化合物LCの光学軸と、液晶化合物の光学軸の光学異方性層主面(図3中、xy平面)に対する射影成分LCxyとが成す角度θを意味する。なお、液晶化合物LCの光学軸とは、液晶化合物が棒状液晶化合物である場合にはその長軸が光学軸に該当し、液晶化合物が円盤状液晶化合物である場合には円盤面に直交する方向が光学軸に該当する。
また、図1および2に示すように、光学異方性層10中の液晶化合物LCは、厚み方向を回転軸として捩れ配向している。つまり、厚み方向に沿った軸を回転軸として、光学異方性層の一方の表面(主面)から他方の表面(主面)に向かって、液晶化合物が回転している。液晶化合物の捩れ角φは、図2に示すように、液晶化合物が一方の表面側から他方の表面側に向かってどの程度捩れているかを示す。図2に示すように、本明細書の捩れ角は、法線方向から光学異方性層を観察した際の液晶化合物の光学軸を平面上に投影した図における、一方の表面における光学軸と他方の表面における光学軸とのなす角度を意味する。
上記捩れ角、および、チルト角の測定方法は、Axometrics社のAxoScan(ポラリメーター)装置を用い、同社の装置解析ソフトウエアを用いて測定する。
本発明の光学フィルムは、所定の第1光学異方性層および第2光学異方性層を有し、式(1)および式(2)の関係を満たす。
以下では、まず、式(1)および式(2)の関係について説明し、その後、光学フィルムを構成する各部材について詳述する。
本発明の光学フィルムは、式(1)および式(2)の関係を満たす。
式(1) 63+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y<x
式(2) x<103+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y
上記式中、θ1は、第1光学異方性層の第2光学異方性層側とは反対側の表面における第1液晶化合物のチルト角(°)を表す。つまり、θ1の単位は度(°)である。
また、上記式中、θ2は、第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面における第1液晶化合物のチルト角(°)を表す。つまり、θ2の単位は度(°)である。
また、xは、第1液晶化合物の捩れ角(°)を表す。つまり、xの単位は度(°)である。
また、yは、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合には第2液晶化合物の捩れ角(°)を表し、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層以外の層である場合には0(°)を表す。つまり、yの単位は度(°)である。
上記「捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層以外の層」としては、後述するように、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向(一方の表面から他方の表面に向かって液晶化合物のチルト角が連続的に変化する配向)、または、傾斜配向(一方の表面から他方の表面に向かって液晶化合物のチルト角(好ましくは、5°以上のチルト角)が一定である配向)した第2液晶化合物を固定してなる層、および、延伸樹脂フィルムが挙げられる。よって、例えば、第2光学異方性層がホモジニアス配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合、yが0を表すものと考え、上記式に代入する。なお、第2光学異方性層が捩れ配向(ツイストハイブリッド配向を含む)した第2液晶化合物を固定してなる層である場合には、第2液晶化合物は捩れ配向しているので、yは第2液晶化合物の捩れ角を表す。
ただし、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合において、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と同方向である際にはyの値は正の値として表し、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と逆方向である際にはyの値は負の値として表す。例えば、第2液晶化合物の捩れ角(対向する2つの主面を有する第2液晶化合物の一方の主面での光学軸と、他方の主面での光学軸とのなす角度)が20°である場合において、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と同方向である際には、yの値は20であり、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と逆方向である際には、yの値は-20である。
本発明者らは種々の検討を行うことにより、捩れ角とチルト角とが所定の関係を満たすことが好ましいことを見出している。より具体的には、所望の効果を得るためには、上記式(1)および(2)に示すように、第1液晶化合物の捩れ角を表すxが、θ1、θ2およびyとの間で所定の関係を満たす必要があることを示している。
なかでも、光学フィルムを円偏光板として表示装置に貼り合わせた際の正面および斜め方向における黒色の色味づきがより少ない点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、本発明の光学フィルムは、式(1-1)および式(2-1)の関係を満たすことが好ましい。
式(1-1) 78+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y<x
式(2-1) x<88+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(1-2)および式(2-2)の関係を満たすことがより好ましい。
式(1-2) 80+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y<x
式(2-2) x<86+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y
以下、光学フィルムを構成する各部材について詳述する。
<第1光学異方性層>
第1光学異方性層は、捩れ配向した第1液晶化合物を固定してなる層である。上記層を形成する際には、ネマチック液晶相を示す液晶化合物と後述するキラル剤とを混合した組成物が使用されることが好ましい。
なお、「固定した」状態は、液晶化合物の配向が保持された状態である。具体的には、通常、0~50℃、より過酷な条件下では-30~70℃の温度範囲において、層に流動性がなく、また、外場もしくは外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定された配向形態を安定に保ち続けることができる状態であることが好ましい。
なお、第1液晶化合物が捩れ配向するとは、図1に示すように、第1光学異方性層の厚み方向を軸として、第1光学異方性層の一方の主表面から他方の主表面まで第1液晶化合物が捩れることを意図する。それに伴い、液晶化合物の配向方向(面内遅相軸方向)が、第1光学異方性層の厚み方向の位置によって異なる。
後述する第2液晶化合物が捩れ配向する場合も、上記と同様の構成を表す。
また、捩れの向きには2種類あるが、右捩れでも左捩れでも構わない。
第1液晶化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物)とに分類できる。さらに、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできる。また、本発明においては、2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
なお、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1および特開2005-289980号公報の段落[0026]~[0098]に記載の液晶化合物が挙げられ、円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落[0020]~[0067]および特開2010-244038号公報の段落[0013]~[0108]に記載の液晶化合物が挙げられる。
第1光学異方性層は、温度変化または湿度変化を小さくできることから、重合性基を有する第1液晶化合物(棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物)を用いて形成することがより好ましい。
つまり、第1光学異方性層は、重合性基を有する棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物が重合などによって固定されて形成された層であることが好ましい。
重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、または、アリル基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基がさらに好ましい。
第1液晶化合物は、順波長分散性の液晶化合物であっても、逆波長分散性の液晶化合物であってもよいが、第1液晶化合物が順波長分散性の液晶化合物である場合、光学フィルムの製造コストが低下すると共に、耐久性も向上する点で好ましい。
本明細書において、順波長分散性の液晶化合物とは、この液晶化合物を用いて作製された光学異方性層の可視光範囲における面内のレタデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が小さくなるものをいう。一方、逆波長分散性の液晶化合物とは、同様にRe値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が大きくなるものをいう。
第1液晶化合物の捩れ角は、上述した式(1)および式(2)の関係を満たせば特に制限されない。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、55~120°が好ましく、75~100°がより好ましい。つまり、上述した式(1)および(2)中の第1液晶化合物の捩れ角を表すxは、55~120°であることが好ましく、75~100°であることが好ましい。
なお、第1液晶化合物の捩れ角は、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合には、第2液晶化合物の捩れ角よりも大きい。第1液晶化合物の捩れ角と、上記第2液晶化合物の捩れ角との差は特に制限されないが、45°以上が好ましく、55°以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、120°以下が好ましく、100°以下がより好ましい。
第1光学異方性層の厚み方向に沿った第1液晶化合物の捩れ角の変化は、線形的であっても、非線形的であってもよく、本発明の効果がより優れる点で、線形的であることが好ましい。ここで線形的とは、図4に示すように、厚み方向の位置と捩れ角の増加量とが比例関係であることを意味し、非線形的とは、上記比例関係が成り立たないことを意味する。なお、図4においては、第1光学異方性層の一方の表面における第1液晶化合物の光学軸の方位を基準(0°)とした場合の図である。
より具体的には、上記捩れ角の変化の線形性は、以下のように定義される。
まず、第1光学異方性層および第二光学異方性層を分割し、それぞれについてAxometrics社のAxoScanを用いて、550nm、方位角0~180°、極角-40~40°の条件にて光学測定を行う(クリスタルローテーション法)。各角度における第1光学異方性層および第2光学異方性層の位相差を最も説明できる光学構成を最適化により求め、チルト角θ1~θ4、x、y、Δnd(Δn1d1、Δn2d2)、式(I)中のフィッティングパラメーターa、式(XII)中のフィッティングパラメーターa、式(III)中のフィッティングパラメーターb、および、式(IV)中のフィッティングパラメーターbを決定する。具体的には、AxoScanで実測したミュラーマトリクスを目標関数として、各変数を変化させて、入力した光学構造から偏光光学計算によって求めたミュラーマトリクスと実測のミュラーマトリクスの誤差が最小となるように最適化を行って、各変数を決定する。
式(I) θZ1=θd+(θu-θd)×(a*z+(1-a)*z
式(II) θZ2=θd+(θu-θd)×(a*z+(1-a)*z
式(III) φZ1=φ×(b*z+(1-b)*z
式(IV) φZ2=φ×(b*z+(1-b)*z
第1光学異方性層中の第1液晶化合物のチルト角θ1およびチルト角θ2のうち値が小さいほうのチルト角側の表面を下表面、値が大きいほうのチルト角側の表面を上表面とした際に、zは、下表面を基準にして、下表面から上表面に向かった厚み方向における位置を表す。なお、下表面の位置を0、上表面の位置を1として、各厚み位置を表す。例えば、第1光学異方性層の厚み方向の中間位置は、z=0.5として表される。
θZ1は、位置zにおける第1液晶化合物のチルト角を表す。
θdは、チルト角θ1およびチルト角θ2のうち、小さいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θdは、下表面でのチルト角を表す。
θuは、チルト角θ1およびチルト角θ2のうち、大きいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θuは、上表面でのチルト角を表す。
φZ1は、下表面の第1液晶化合物の光学軸(面内遅相軸)を基準にした、位置zにおける第1液晶化合物の捩れ角を表す。
φは、第1液晶化合物の捩れ角(°)を表す。
第2光学異方性層中の第2液晶化合物のチルト角θ3およびチルト角θ4のうち値が小さいほうのチルト角側の表面を下表面、値が大きいほうのチルト角側の表面を上表面とした際に、zは、下表面を基準にして、下表面から上表面に向かった厚み方向における位置を表す。なお、下表面の位置を0、上表面の位置を1として、各厚み位置を表す。例えば、第2光学異方性層の厚み方向の中間位置は、z=0.5として表される。
θZ2は、位置zにおける第2液晶化合物のチルト角を表す。
θdは、チルト角θ3およびチルト角θ4のうち、小さいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θdは、下表面でのチルト角を表す。
θuは、チルト角θ3およびチルト角θ4のうち、大きいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θuは、上表面でのチルト角を表す。
φZ2は、下表面の第2液晶化合物の光学軸(面内遅相軸)を基準にした、位置zにおける第2液晶化合物の捩れ角を表す。
φは、第2液晶化合物の捩れ角(°)を表す。
上記によって算出されるフィッティングパラメーターbが0.75以上1.25未満である場合、第1液晶化合物の捩れ角の変化は線形的であるとする。フィッティングパラメーターbが0.75未満または1.25以上の場合、第1液晶化合物の捩れ角の変化は非線形的であるとする。
上述した、第1液晶化合物のチルト角θ1、および、第1液晶化合物のチルト角θ2は式(1)および式(2)の関係を満たすとともに、θ1およびθ2の少なくとも一方は、10°以上である。
なかでも、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点(特に、第1光学異方性層と第2光学異方性層とを一括製造する際に、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点)で、θ1がθ2よりも大きいことが好ましい。
θ1とθ2との差は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、5~85°が好ましく、15~75°がより好ましい。
θ1としては、0~75°が好ましく、0~65°がより好ましい。
θ2としては、0~85°が好ましく、0~75°がより好ましい。
θ1とθ2との平均は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、15°以上45°未満が好ましく、20°以上45°未満がより好ましい。
第1光学異方性層において、第1液晶化合物のチルト角は、第1光学異方性層の一方の表面から他方の表面に向かって、大きくなっていてもよい。つまり、厚み方向に沿って、第1液晶化合物のチルト角が大きくなっていてもよい。また、第1液晶化合物のチルト角は、第1光学異方性層の一方の表面から他方の表面に向かって、一定であってもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、第1液晶化合物のチルト角は、第1光学異方性層の一方の表面から他方の表面に向かって、大きくなっていることが好ましい。
上記態様の場合、第1光学異方性層の厚み方向に沿った第1液晶化合物のチルト角の変化は、線形的であっても、非線形的であってもよく、本発明の効果がより優れる点で、線形的であることが好ましい。ここで線形的とは、厚み方向の位置とチルト角の増加量とが比例関係であることを意味し、非線形的とは、上記比例関係が成り立たないことを意味する。
上記チルト角の変化の線形性は、以下のように定義される。
具体的には、上述した方法により算出されるフィッティングパラメーターaが0.75以上1.25未満である場合、第1液晶化合物のチルト角の変化は線形的であるとする。フィッティングパラメーターaが0.75未満または1.25以上の場合、第1液晶化合物のチルト角の変化は非線形的であるとする。
波長550nmで測定した第1光学異方性層の屈折率異方性Δn1と第1光学異方性層の厚みd1(nm)との積Δn1d1の値は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、式(3)の関係を満たすことが好ましい。なお、Δn1d1の単位はnmである。
式(3) 120nm≦Δn1d1≦440nm
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(3-1)の関係を満たすことがより好ましい。
式(3-1) 170nm≦Δn1d1≦310nm
第1光学異方性層の屈折率異方性Δn1は、第1光学異方性層の面内遅相軸における屈折率と面内進相軸における屈折率との差を表す。
上記Δn1d1は、捩れ角の測定方法と同様にAxometrics社のAxoScan(ポラリメーター)装置を用い、同社の装置解析ソフトウエアを用いて測定する。
波長550nmで測定した第1光学異方性層の屈折率異方性Δn1および第1光学異方性層の厚みd1(nm)の積Δn1d1と、後述するyと、θ1と、θ2とは、本発明の効果がより優れる点で、式(5)および式(6)の関係を満たすことが好ましい。
式(5) 118+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y<Δn1d1
式(6) Δn1d1<218+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y
ただし、式(5)および(6)中のΔn1d1、y、θ1およびθ2には、単位を除いた数値が導入される。より具体的には、上述したように、Δn1d1の単位はnmであるが、上記式(5)および(6)においては、nmの単位の除いた数値が導入される。例えば、Δn1d1が200nmである場合、上記式(5)および(6)には「200」という数値が導入される。また、上述したように、y、θ1およびθ2の単位は度(°)であるが、上記式(5)および(6)においては、度の単位を除いた数値が導入される。例えば、θ1が20°である場合、上記式(5)および(6)には「20」という数値が導入される。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(5-1)および式(6-1)の関係を満たすことが好ましい。
式(5-1) 148+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y<Δn1d1
式(6-1) Δn1d1<188+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y
<第2光学異方性層>
第2光学異方性層は、上述した式(1)および式(2)の関係を満たせば、その構成は特に制限されない。
第2光学異方性層は、液晶化合物(第2液晶化合物)を用いて形成された層であってもよいし、それ以外の層であってもよい。
液晶化合物を用いて形成された層としては、所定の配向状態の液晶化合物を固定してなる層が挙げられる。液晶化合物が取り得る配向状態としては、例えば、捩れ配向(好ましくは、ツイストハイブリッド配向)、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向、および、傾斜配向が挙げられる。なお、上記捩れ配向は、液晶化合物が厚み方向を回転軸として捩れている配向状態を表し、液晶化合物が捩れ配向するとともに、所定のチルト角(チルト角が0°超)を有する場合にはツイストハイブリッド配向に該当する。
上記液晶化合物を用いて形成された層以外の層としては、例えば、延伸樹脂フィルムが挙げられる。延伸樹脂フィルムとしては、一軸延伸樹脂フィルムが好適に使用でき、これらのフィルムは樹脂(高分子)が一軸配向したフィルムに該当する。つまり、高分子鎖が所定の方向(1軸)に配向している状態に該当する。このような延伸樹脂フィルムは、上述したホモジニアス配向した液晶化合物を固定してなる層と同等の機能を奏する。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、第2光学異方性層としては、捩れ配向(好ましくは、ツイストハイブリッド配向)、ホモジニアス配向、ハイブリッド配向、または、傾斜配向した第2液晶化合物を固定してなる層が好ましく、捩れ配向(好ましくは、ツイストハイブリッド配向)またはホモジニアス配向した第2液晶化合物を固定してなる層がより好ましい。
第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合、第1光学異方性層中の第1液晶化合物の捩れ方向と、第2光学異方性層中の第2液晶化合物の捩れ方向とは、同じ方向であってもよいし、逆方向であってもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、第1光学異方性層中の第1液晶化合物の捩れ方向と、第2光学異方性層中の第2液晶化合物の捩れ方向とは、逆方向であることが好ましい。
本明細書において、ホモジニアス配向とは、液晶化合物の分子軸(例えば、棒状液晶化合物の場合には長軸が該当)が光学異方性層表面に対して水平に、かつ、同一方位に配列している状態(光学的一軸性)をいう。
ここで、水平とは、厳密に水平であることを要求するものでなく、光学異方性層内の液晶化合物の光学軸が光学異方性層の表面とのなす平均チルト角が5°未満の配向を意味するものとする。なお、上記液晶化合物の平均チルト角とは、対向する2つの主面を有する光学異方性層の一方の主面での液晶化合物のチルト角と、他方の主面での液晶化合物のチルト角との平均値を意味する。
また、同一方位とは、厳密に同一方位であることを要求するものでなく、面内の任意の20か所の位置で面内遅相軸の方位を測定したとき、20か所での面内遅相軸の方位のうちの遅相軸方位の最大差(20個の面内遅相軸方位のうち、差が最大となる2つの面内遅相軸方位の差)が5°未満であることを意味するものとする。
なお、液晶化合物がホモジニアス配向した場合、光学異方性層の一方の表面における20か所の面内遅相軸方位のいずれか1つと、他方の表面における20か所の面内遅相軸方位のいずれか1つの最大差が5°未満となる。
第2光学異方性層の形成に用いられる第2液晶化合物としては、上述した第1液晶化合物で例示した液晶化合物が挙げられる。
第2液晶化合物は、順波長分散性の液晶化合物であっても、逆波長分散性の液晶化合物であってもよいが、第2液晶化合物が順波長分散性の液晶化合物である場合、光学フィルムの製造コストが低下すると共に、耐久性も向上する点で好ましい。
第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合、第2液晶化合物の捩れ角は、本発明の効果がより優れる点で、0°超45°以下が好ましく、5°以上40°以下がより好ましい。
上述したように、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合において、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と同方向である際にはyの値は正の値として表し、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と逆方向である際にはyの値は負の値として表す。
よって、yの好適範囲としては、第2液晶化合物の捩れ方向と第1液晶化合物の捩れ方向とが同方向である場合、yは0°超45°以下が好ましく、5°超35°以下がより好ましい。また、第2液晶化合物の捩れ方向と第1液晶化合物の捩れ方向とが逆方向である場合、yは-45°以上0°未満が好ましく、-40°以上-5°以下がより好ましい。
なお、上述したように、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層以外の層である場合には、yは0を表す。
第2光学異方性層の厚み方向に沿った第2液晶化合物の捩れ角の変化は、線形的であっても、非線形的であってもよく、本発明の効果がより優れる点で、線形的であることが好ましい。ここで線形的とは、厚み方向の位置と捩れ角の増加量とが比例関係であることを意味し、非線形的とは、上記比例関係が成り立たないことを意味する。
上記によって算出されるフィッティングパラメーターbが0.75以上1.25未満である場合、第2液晶化合物の捩れ角の変化は線形的であるとする。フィッティングパラメーターbが0.75未満または1.25以上の場合、第2液晶化合物の捩れ角の変化は非線形的であるとする。
波長550nmで測定した第2光学異方性層の屈折率異方性Δn2と第2光学異方性層の厚みd2との積Δn2d2の値は、本発明の効果がより優れる点で、式(4)の関係を満たすことが好ましい。なお、Δn2d2の単位はnmである。
式(4) 80nm≦Δn2d2≦360nm
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(4-1)の関係を満たすことがより好ましい。
式(4-1) 90nm≦Δn2d2≦330nm
第2光学異方性層の屈折率異方性Δn2は、第2光学異方性層の面内遅相軸における屈折率と面内進相軸における屈折率との差を表す。
上記Δn2d2は、捩れ角の測定方法と同様にAxometrics社のAxoScan(ポラリメーター)装置を用い、同社の装置解析ソフトウエアを用いて測定する。
第2光学異方性層が第2液晶化合物を用いて形成された層である場合、第2液晶化合物は所定のチルト角を有していてもよい。
第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面における第2液晶化合物のチルト角θ3と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側とは反対側の表面における第2液晶化合物のチルト角θ4との平均は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0°以上15°未満が好ましく、0°以上10°未満がより好ましい。なお、θ3およびθ4の単位は、度(°)である。
θ3とθ4とを比較すると、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点(特に、第1光学異方性層と第2光学異方性層とを一括製造する際に、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点)で、θ3が大きいほどが好ましい。
θ3は、0~20°が好ましく、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点(特に、第1光学異方性層と第2光学異方性層とを一括製造する際に、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点)で、0~20°がより好ましい。
θ4は、0~20°が好ましく、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点(特に、第1光学異方性層と第2光学異方性層とを一括製造する際に、斜め反射防止性能に優れる光学構成を形成しやすい点)で、0~10°がより好ましい。
第2光学異方性層において、第2液晶化合物のチルト角は、第2光学異方性層の一方の表面から他方の表面に向かって、大きくなっていてもよい。つまり、厚み方向に沿って、第2液晶化合物のチルト角が大きくなっていてもよい。また、第2液晶化合物のチルト角は、第2光学異方性層の一方の表面から他方の表面に向かって、一定であってもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、第2液晶化合物のチルト角は、第2光学異方性層の一方の表面から他方の表面に向かって、大きくなっていることが好ましい。
上記態様の場合、第2光学異方性層の厚み方向に沿った第2液晶化合物のチルト角の変化は、線形的であっても、非線形的であってもよく、本発明の効果がより優れる点で、線形的であることが好ましい。ここで線形的とは、厚み方向の位置とチルト角の増加量とが比例関係であることを意味し、非線形的とは、上記比例関係が成り立たないことを意味する。
上記チルト角の変化の線形性は、以下のように定義される。
具体的には、上述した方法により算出されるフィッティングパラメーターaが0.75以上1.25未満である場合、第2液晶化合物のチルト角の変化は線形的であるとする。フィッティングパラメーターaが0.75未満または1.25以上の場合、第2液晶化合物のチルト角の変化は非線形的であるとする。
第2光学異方性層が第2液晶化合物を用いて形成された層である場合、波長550nmで測定した第2光学異方性層の屈折率異方性Δn2および第2光学異方性層の厚みd2との積Δn2d2と、第2液晶化合物のチルト角θ3と、第2液晶化合物のチルト角θ4と、yとは、本発明の効果がより優れる点で、式(7)および式(8)の関係を満たすことが好ましい。
式(7) 90+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y<Δn2d2
式(8) Δn2d2<230+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y
ただし、式(7)および(8)中のΔn2d2、y、θ3およびθ4には、単位を除いた数値が導入される。より具体的には、上述したように、Δn2d2の単位はnmであるが、上記式(7)および(8)においては、nmの単位の除いた数値が導入される。例えば、Δn2d2が200nmである場合、上記式(7)および(8)には「200」という数値が導入される。また、上述したように、y、θ3およびθ4の単位は度(°)であるが、上記式(7)および(8)においては、度の単位を除いた数値が導入される。例えば、θ3が20°である場合、上記式(7)および(8)には「20」という数値が導入される。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(7-1)および式(8-1)の関係を満たすことがより好ましい。
式(7-1) 120+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y<Δn2d2
式(8-1) Δn2d2<200+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y
第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面での面内遅相軸と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面での面内遅相軸とは、平行である。
第1光学異方性層および第2光学異方性層の両方が捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層であり、その捩れ方向が同じである場合、第1光学異方性層と第2光学異方性層との界面は、厚み方向において捩れ角の増加量が変化する位置とする。
<第1好適態様>
光学フィルムの第1好適態様としては、第1光学異方性層が捩れ配向した第1液晶化合物を固定してなる層であり、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層であって、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向とは逆方向であり、チルト角θ3およびチルト角θ4が5°未満(好ましくは0°)である層である態様が挙げられる。
図5に、上記光学フィルムの第1実施態様の一例の模式図を示す。なお、図5に示すように、光学フィルム20Aは、第1光学異方性層12と第2光学異方性層14Aとから構成され、第1光学異方性層12中の第1液晶化合物LC1はツイストハイブリッド配向しており、第2光学異方性層14Aにおいて第2液晶化合物LC2は第1液晶化合物LC1とは逆方向に捩れ配向しており、第2液晶化合物LC2のチルト角θ3およびチルト角θ4は0°である。
<第2好適態様>
光学フィルムの第2好適態様としては、第1光学異方性層が捩れ配向した第1液晶化合物を固定してなる層であり、第2光学異方性層がホモジニアス配向した第2液晶化合物を固定してなる層である態様が挙げられる。
図6に、上記光学フィルムの第2実施態様の一例の模式図を示す。なお、図6に示すように、光学フィルム20Bは、第1光学異方性層12と第2光学異方性層14Bとから構成され、第1光学異方性層12中の第1液晶化合物LC1はツイストハイブリッド配向しており、第2光学異方性層14B中の第2液晶化合物LC2はホモジニアス配向している。
<第3好適態様>
光学フィルムの第3好適態様としては、第1光学異方性層が捩れ配向した第1液晶化合物を固定してなる層であり、第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層であって、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と同じ方向であり、チルト角θ3およびチルト角θ4が5°未満(好ましくは0°)である層である態様が挙げられる。
図7に、上記光学フィルムの第3実施態様の一例の模式図を示す。なお、図7に示すように、光学フィルム20Cは、第1光学異方性層12と第2光学異方性層14Cとから構成され、第1光学異方性層12中の第1液晶化合物LC1はツイストハイブリッド配向しており、第2光学異方性層14Cにおいて第2液晶化合物LC2は第1液晶化合物LC1とは同方向に捩れ配向しており、第2液晶化合物LC2のチルト角θ3およびチルト角θ4は0°である。
<その他の層>
光学フィルムは、上述した第1光学異方性層および第2光学異方性層以外の他の層を有していてもよい。
光学フィルムは、支持体を有していてもよい。
支持体としては、透明支持体が好ましい。なお、透明支持体とは、可視光の透過率が60%以上である支持体を意図し、その透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
支持体は、長尺状の支持体(長尺支持体)であってもよい。長尺支持体の長手方向の長さは特に制限されないが、10m以上の支持体が好ましく、生産性の点から、100m以上が好ましい。なお、長手方向の長さは特に制限されず、10000m以下の場合が多い。
長尺支持体の幅は特に制限されないが、150~3000mmの場合が多く、300~2000mmが好ましい。
支持体の波長550nmにおける厚み方向のレタデーション値(Rth(550))は特に制限されないが、-110~110nmが好ましく、-80~80nmがより好ましい。
支持体の波長550nmにおける面内のレタデーション値(Re(550))は特に制限されないが、0~50nmが好ましく、0~30nmがより好ましく、0~10nmがさらに好ましい。
支持体を形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、および、等方性などに優れるポリマーが好ましい。
支持体として用いることのできるポリマーフィルムとしては、例えば、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、および、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリメチルメタクリレートなどのポリアクリルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、並びに、脂環式構造を有するポリマーのフィルム(ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)))が挙げられる。
なかでも、ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、または、脂環式構造を有するポリマーが好ましい。
支持体には、種々の添加剤(例えば、光学的異方性調整剤、波長分散調整剤、微粒子、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、および、剥離剤)が含まれていてもよい。
支持体の厚みは特に制限されないが、10~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましく、20~90μmがさらに好ましい。
また、支持体は複数枚の積層からなっていてもよい。
支持体はその上に設けられる層との接着を改善するため、支持体の表面に表面処理(例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、および、火炎処理)を実施してもよい。
また、支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
支持体は、いわゆる仮支持体であってもよい。
また、支持体の表面に直接ラビング処理を施してもよい。つまり、ラビング処理が施された支持体を用いてもよい。ラビング処理の方向は特に制限されず、液晶化合物を配向させたい方向に応じて、適宜、最適な方向が選択される。
ラビング処理は、LCD(liquid crystal display)の液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用できる。即ち、支持体の表面を、紙、ガーゼ、フェルト、ゴム、ナイロン繊維、または、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。
光学フィルムは、配向膜を有していてもよい。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、または、ラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で形成できる。
さらに、電場の付与、磁場の付与、または、光照射(好ましくは偏光)により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
光学フィルムの可視光領域の透過率はそれぞれ特に制限されないが、光学フィルムの各種光学用途への適用の点から、60%以上が好ましく、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100%未満が挙げられる。
第1光学異方性層は、光学フィルムの各種光学用途への適用の点から、二色性物質を実質的に含まないことが好ましい。二色性物質を実質的に含まないとは、二色性物質の含有量が、第1光学異方性層全質量に対して、5質量%以下であることを意味し、1質量%以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0質量%が挙げられる。
第2光学異方性層は、光学フィルムの各種光学用途への適用の点から、二色性物質を実質的に含まないことが好ましい。二色性物質を実質的に含まないとは、二色性物質の含有量が、第2光学異方性層全質量に対して、0.1質量%以下であることを意味し、0.05質量%以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0質量%が挙げられる。
第2光学異方性層と第1光学異方性層とを備える光学フィルムの波長分散特性は、逆波長分散性を示すことが好ましい。特に、本発明の光学フィルムは、Re(450)/Re(550)<1の関係を満たすことが好ましい。なお、上記Re(450)は光学フィルムの波長450nmにおける面内レタデーションであり、上記Re(550)は光学フィルムの波長550nmにおける面内レタデーションである。
<光学フィルムの製造方法>
光学フィルムの製造方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。なお、光学フィルムは、ロールトゥロールで連続的に製造してもよい。
例えば、所定の光学特性を示す第1光学異方性層および第2光学異方性層をそれぞれ作製して、それら光学異方性層を密着層(例えば、粘着層または接着層)を介して所定の順番に貼り合わせることにより、光学フィルムを製造できる。
また、支持体上に、順次、後述する重合性液晶組成物を用いて、第1光学異方性層および第2光学異方性層をそれぞれ作製して、光学フィルムを製造してもよい。例えば、支持体上に重合性液晶組成物を塗布して、第2光学異方性層を形成した後、第2光学異方性層上に重合性液晶組成物を塗布して、第1光学異方性層を形成してもよい。
また、上述した光学異方性層を貼り合わせる方法と、重合性液晶組成物を用いて光学異方性層を形成する方法とを組み合わせてもよい。
第1光学異方性層および第2光学異方性層は、いずれも液晶化合物(例えば、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物)を用いて形成される層であることが好ましく、その製造方法は特に制限されないが、重合性基を有する液晶化合物(例えば、重合性基を有する棒状液晶化合物、および、重合性基を有する円盤状液晶化合物)を含む組成物(以下、単に「重合性液晶組成物」ともいう。)を用いる方法が好ましい。
以下、重合性液晶組成物を用いる方法について詳述する。
重合性液晶組成物は、重合性基を有する液晶化合物を含む。液晶化合物としては、上述したように棒状液晶化合物および円盤状液晶化合物が挙げられる。
重合性液晶組成物は、重合性基を有する液晶化合物以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、重合開始剤が挙げられる。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて選択され、例えば、熱重合開始剤、および、光重合開始剤が挙げられる。
重合性液晶組成物中における重合開始剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
なお、固形分とは、溶媒を除去した、光学異方性層を形成し得る成分を意味し、その性状が液体状であっても固形分とする。
重合性液晶化合物は、重合性基を有する液晶化合物以外の他の重合性モノマーを含んでいてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の化合物が挙げられ、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。
重合性液晶組成物中における重合性モノマーの含有量は、液晶化合物の全質量に対して、1~50質量%が好ましく、2~30質量%がより好ましい。
重合性液晶組成物に含まれていてもよい他の成分としては、上記以外にも、界面活性剤、密着改良剤、可塑剤、および、溶媒が挙げられる。
なお、液晶化合物を捩れ配向させるためには、重合性液晶組成物はキラル剤を含むことが好ましい。キラル剤は、液晶化合物を捩れ配向させるために添加されるが、勿論、液晶化合物が、分子内に不斉炭素を有するなど、光学活性を示す化合物である場合は、キラル剤の添加は不要である。また、製造方法および捩れ角度によっては、キラル剤の添加は不要である。
キラル剤としては、併用する液晶化合物を相溶するものであれば、特に構造についての制限はない。公知のキラル剤(例えば、日本学術振興会第142委員会編「液晶デバイスハンドブック」,第3章4-3項,TN、STN用カイラル剤,199頁,1989年に記載)のいずれも用いることができる。
キラル剤の使用量は特に制限されず、上述した捩れ角度が達成されるように調整される。
また、液晶化合物をチルトさせるためには、重合性液晶組成物は配向制御剤(垂直配向剤、水平配向剤)を含むことが好ましい。
配向制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
光学異方性層を作製する方法としては、重合性液晶組成物を塗布して塗膜を形成して、塗膜に配向処理を施して重合性液晶化合物を配向させて、硬化処理を施す方法が挙げられる。
重合性液晶組成物が塗布される対象は特に制限されず、例えば、上述した支持体、第1光学異方性層、または、第2光学異方性層が挙げられる。
なお、形成される光学異方性層の面内遅相軸の方向を所定の方向にするために、重合性液晶組成物が塗布される対象は、ラビング処理が施されていてもよい。例えば、ラビング処理が施された長尺支持体を用いてもよい。
重合性液晶組成物の塗布方法としては、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、および、ワイヤーバー法が挙げられる。
次に、形成された塗膜に、配向処理を施して、塗膜中の重合性液晶化合物を配向させる。
配向処理は、室温により塗膜を乾燥させる、または、塗膜を加熱することにより行うことができる。配向処理で形成される液晶相は、サーモトロピック性液晶化合物の場合、一般に温度または圧力の変化により転移させることができる。リオトロピック性液晶化合物の場合には、溶媒量などの組成比によっても転移させることができる。
なお、塗膜を加熱する場合の条件は特に制限されないが、加熱温度としては50~250℃が好ましく、50~150℃がより好ましく、加熱時間としては10秒間~10分間が好ましい。
また、塗膜を加熱した後、後述する硬化処理(光照射処理)の前に、必要に応じて、塗膜を冷却してもよい。冷却温度としては20~200℃が好ましく、30~150℃がより好ましい。
次に、重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して硬化処理を施す。
重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して実施される硬化処理の方法は特に制限されず、例えば、光照射処理および加熱処理が挙げられる。なかでも、製造適性の点から、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
光照射処理の照射条件は特に制限されないが、50~1000mJ/cmの照射量が好ましい。
光照射処理の際の雰囲気は特に制限されないが、窒素雰囲気が好ましい。
<円偏光板>
上述した光学フィルムは、偏光子と組み合わせて、円偏光板として使用してもよい。なかでも、第1光学異方性層、第2光学異方性層、および、偏光子の順に積層されている、円偏光板が好ましい。
偏光子は、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であればよく、例えば、吸収型偏光子が挙げられる。
偏光子の種類は特に制限はなく、通常用いられている偏光子を利用でき、例えば、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、および、ポリエン系偏光子が挙げられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
なお、偏光子の片面または両面には、保護膜が配置されていてもよい。
円偏光板の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。
例えば、密着層を介して、光学フィルムおよび偏光子を貼り合わせる方法が挙げられる。
第1光学異方性層、第2光学異方性層、および、偏光子の順に積層されている円偏光板において、偏光子の面内吸収軸と、第2光学異方性層の偏光子側の表面における面内遅相軸とのなす角φは、本発明の効果がより優れる点で、式(9)の関係を満たすことが好ましい。
式(9) -0.586×y+9<φ<-0.586×y+19
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(9-1)の関係を満たすことがより好ましい。
式(9-1) -0.586×y+11<φ<-0.586×y+17
<有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置>
本発明の有機EL表示装置は、上述した光学フィルム(または円偏光板)を有する。通常、円偏光板は、有機EL表示装置の有機EL表示パネル上に設けられる。例えば、有機EL表示装置は、少なくとも、有機EL表示パネルと、光学フィルムと、偏光子とを有する。
なお、有機EL表示装置は、偏光子上にさらに保護膜を有していてもよい。
有機EL表示パネルは、陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した部材であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
本発明の光学フィルムは、上述した有機EL表示装置以外の他の表示装置に適用してもよい。他の表示装置としては、液晶表示装置が挙げられる。
また、本発明の光学フィルムは、外光反射防止用途以外にも、他の用途にも適用してもよい。他の用途としては、液晶表示装置の光学補償層などが挙げられる。
なお、本発明の光学フィルムは、λ/2板およびλ/4板として種々の用途に適用することが可能である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により制限的に解釈されるべきものではない。
<支持体の準備>
特開2014-209219号公報の表1に記載の支持体5を、同様の手順に従って、作製し、支持体1とした。得られた支持体1のRth(550)は0nmであった。
<実施例1>
特開2014-209219号公報の段落0116~0119の記載の手順に従って、上記で作製した支持体1のアルカリ鹸化処理と、配向膜の形成を行った。
(光学フィルムの形成)
上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向に対するラビング方向が-14°になるように調節した。
なお、ラビング方向の角度は、後述する光学異方性層Bが積層される面側から支持体を観察して、支持体の長手方向を基準の0°とし、反時計回り方向に正の角度値、時計回りに負の角度値をもって表す。
(第2光学異方性層の形成)
次に、表2に示す化合物を含む第2光学異方性層形成用組成物を上記作製した配向膜上に#3のワイヤーバーで塗布した。フィルムの搬送速度(V)は5m/minとした。その後、組成物中の溶媒の乾燥および液晶化合物の配向熟成のために、得られた塗膜を95℃の温風で1.5分間加熱した。次に、窒素環境下にて、塗膜に対して60℃にて紫外線(UV)照射(500mJ/cm2)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第2光学異方性層を形成した。
(第1光学異方性層の形成)
上記で作製した第2光学異方性層にラビング処理を施すことなく、表1に示す液晶化合物を含む第1光学異方性層形成用組成物を、上記作製した光学異方性層A上に#3のワイヤーバーで塗布した。フィルムの搬送速度(V)は5m/minとした。その後、組成物中の溶媒の乾燥および液晶化合物の配向熟成のために、得られた塗膜を110℃の温風で2分間加熱した。次に、窒素環境下にて、塗膜に対して80℃にてUV照射(500mJ/cm2)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第1光学異方性層を形成した。なお、第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面の面内遅相軸は、第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面の面内遅相軸と平行であった。
(偏光子の作製)
厚み80μmのポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒間浸漬して染色した。次に、得られたフィルムをホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒間浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚み20μmの偏光子を得た。
(偏光子保護フィルムの作製)
市販のセルロースアシレート系フィルム「TD80UL」(富士フイルム株式会社製)を準備し、1.5モル/リットルで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/リットルで35℃の希硫酸水溶液に得られたフィルムを1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に、得られたフィルムを120℃で十分に乾燥させて、表面を鹸化処理した偏光子保護フィルムを作製した。
(円偏光板の作製)
上記で作製された支持体と第2光学異方性層と第1光学異方性層とを備える光学フィルムの支持体の露出表面上に、前述の偏光子および前述の偏光子保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤を用いて連続的に貼り合せ、長尺状の円偏光板を作製した。つまり、円偏光板は、偏光子保護フィルム、偏光子、支持体、第2光学異方性層、および、第1光学異方性層をこの順で有していた。
<実施例2~41、比較例1~4>
第1光学異方性層形成用組成物および第2光学異方性層形成用組成物を表1および2に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様の手法にて円偏光板を作製した。
<実施例42>
表1に示す第1光学異方性層形成用組成物を用いて、第1光学異方性層および第2光学異方性層を一回の塗布で一括製造した。
実施例1と同様のラビング支持体上に第1光学異方性層形成用組成物を塗布し、80℃で60秒間加熱した。この加熱により組成物層の棒状液晶化合物が所定の方向に配向した。
その後、酸素を含む空気下、30℃にて、365nmのLEDランプ(アクロエッジ(株)製)を使用して紫外線照射した(70mJ/cm2)。続いて、得られた組成物層を80℃で10秒間加熱した。その後、窒素パージを行って、酸素濃度100体積ppmとして、80℃にて、メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用して紫外線照射し(500mJ/cm2)、液晶化合物の配向状態を固定した光学異方性層を形成した。
上記の一回の塗布手順を含む操作によって、第1光学異方性層および第2光学異方性層を有する光学フィルムを作製した。
さらに、実施例1と同様の手法にて、円偏光板を製造した。
<実施例43>
光学異方性層形成用組成物を表1に記載の通り変更し、365nmのLEDランプを使用した紫外線照射の温度を50℃、照射量を50mJ/cm2に変更した以外は、実施例42と同様の手法にて、円偏光板を製造した。
なお、表1で使用される各化合物は、以下の通りである。
化合物1(以下、化合物の混合物に該当し、数値(%)は各化合物の混合物中における含有量(質量%)を表す。)
Figure 0007217369000001
化合物2(以下、化学式参照)
Figure 0007217369000002
化合物3(以下、化学式参照)
Figure 0007217369000003
化合物4(以下、化学式参照)
Figure 0007217369000004
化合物5
Figure 0007217369000005
化合物6
Figure 0007217369000006
(化合物7の合成)
FAAC-6(ユニマテック社製)2.5g、および、アクリル酸(富士フイルム和光純薬製)2.5gを通常のラジカル重合手法にて重合し、以下の化合物7を得た。
化合物7(以下、化学式参照)
Figure 0007217369000007
化合物8(以下、化学式参照)
Figure 0007217369000008
化合物9(以下、化学式参照)
Figure 0007217369000009
化合物10
Omnirad 907(IGM Resin B.V.製)
表1および2中の化合物1~10の使用量は、質量部での値を表す。
表1および2中の「固形分[wt%]」欄は、組成物全質量に対して、組成物中の溶媒を除いた成分(化合物1~10)の含有量を表す。
Figure 0007217369000010
Figure 0007217369000011
なお、実施例1~43において、第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面での面内遅相軸と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面での面内遅相軸とは平行であった。
また、実施例1~43で作製した光学フィルムをAxoScanで測定したところ、すべての光学フィルムがRe(450)/Re(550)<1を満たすことを確認した。
<光学測定>
実施例および比較例における第1光学異方性層および第2光学異方性層のそれぞれについて、Axometrics社のAxoScanを用いて、550nm、方位角0~180°、極角-40~40°の条件にて光学測定を行った。各光学異方性層を分割して光学測定を行うために、第2光学異方性層については、配向膜上に第2光学異方性層を作製した段階での光学測定を実施した。第1光学異方性層については、第1光学異方性層を作製した後、粘着剤(SKダイン、綜研化学製)を積層した支持体1上に第1光学異方性層のみを転写し、光学測定を実施した。
各角度における第1光学異方性層および第2光学異方性層の位相差を最も説明できる光学構成を最適化により求め、チルト角θ1~θ4、x、y、Δnd(Δn1d1、Δn2d2)、式(I)中のフィッティングパラメーターa、式(XII)中のフィッティングパラメーターa、式(III)中のフィッティングパラメーターb、および、式(IV)中のフィッティングパラメーターbを決定した。具体的には、AxoScanで実測したミュラーマトリクスを目標関数として、各変数を変化させて、入力した光学構造から偏光光学計算によって求めたミュラーマトリクスと実測のミュラーマトリッスの誤差が最小となるように最適化を行って、各変数を決定した。
式(I) θZ1=θd+(θu-θd)×(a*z+(1-a)*z
式(II) θZ2=θd+(θu-θd)×(a*z+(1-a)*z
式(III) φZ1=φ×(b*z+(1-b)*z
式(IV) φZ2=φ×(b*z+(1-b)*z
第1光学異方性層中の第1液晶化合物のチルト角θ1およびチルト角θ2のうち値が小さいほうのチルト角側の表面を下表面、値が大きいほうのチルト角側の表面を上表面とした際に、zは、下表面を基準にして、下表面から上表面に向かった厚み方向における位置を表す。なお、下表面の位置を0、上表面の位置を1として、各厚み位置を表す。例えば、第1光学異方性層の厚み方向の中間位置は、z=0.5として表される。
θZ1は、位置zにおける第1液晶化合物のチルト角を表す。
θdは、チルト角θ1およびチルト角θ2のうち、小さいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θdは、下表面でのチルト角を表す。
θuは、チルト角θ1およびチルト角θ2のうち、大きいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θuは、上表面でのチルト角を表す。
φZ1は、下表面の第1液晶化合物の光学軸(面内遅相軸)を基準にした、位置zにおける第1液晶化合物の捩れ角を表す。
φは、第1液晶化合物の捩れ角(°)を表す。
第2光学異方性層中の第2液晶化合物のチルト角θ3およびチルト角θ4のうち値が小さいほうのチルト角側の表面を下表面、値が大きいほうのチルト角側の表面を上表面とした際に、zは、下表面を基準にして、下表面から上表面に向かった厚み方向における位置を表す。なお、下表面の位置を0、上表面の位置を1として、各厚み位置を表す。例えば、第2光学異方性層の厚み方向の中間位置は、z=0.5として表される。
θZ2は、位置zにおける第2液晶化合物のチルト角を表す。
θdは、チルト角θ3およびチルト角θ4のうち、小さいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θdは、下表面でのチルト角を表す。
θuは、チルト角θ3およびチルト角θ4のうち、大きいほうのチルト角(°)を表す。言い換えれば、θuは、上表面でのチルト角を表す。
φZ2は、下表面の第2液晶化合物の光学軸(面内遅相軸)を基準にした、位置zにおける第2液晶化合物の捩れ角を表す。
φは、第2液晶化合物の捩れ角(°)を表す。
上記によって算出されるフィッティングパラメーターaおよびbを用いて、以下の評価を行った。
A:aおよびbがいずれも0.75以上1.25未満である。
B:上記Aには該当しないが、aおよびbがいずれも0.50以上1.50未満である。
C:上記AおよびBのいずれにも該当しない。
なお、後述する実施例35および36では、化合物1の使用量が多いため、上記評価がそれぞれBおよびCとなった。
偏光子の吸収軸と、第2光学異方性層の偏光子側の表面における面内遅相軸とのなす角φは、両者を貼合する際の角度から算出した。
結果を表3に示す。
<有機EL表示装置への実装および表示性能の評価>
(表示装置への実装)
有機EL表示パネル搭載のSAMSUNG社製GALAXY SIIを分解し、円偏光板を剥離して、そこに実施例1~43および比較例1~4で作製した円偏光板を、偏光子保護フィルムが外側に配置されるように、表示装置に貼り合せた。
(表示性能の評価)
(正面方向)
作製した有機EL表示装置について、正面方向からの黒色の色味づきを評価した。表示装置に黒表示をして、正面より観察し、下記の基準で評価した。結果は表5にまとめて示す。
A:色味づきが全く視認されない。(許容)
B:色味づきが視認されるものの、ごくわずか。(許容)
C:色味づきがわずかに視認される。(許容)
D:色味づきがやや視認され、反射光もややあり。(許容)
E:色味づきが視認され、反射光も多く、許容できない。
(斜め方向)
作製した有機EL表示装置について、斜め方向からの黒色の色味づきを評価した。表示装置に黒表示をして、極角60度より観察し、下記の基準で評価した。結果は表5にまとめて示す。
A:正面と比較しても色味づきが全く視認されない。(許容)
B:正面と比較して色味づきが視認されるものの、ごくわずか。(許容)
C:正面と比較して色味づきがわずかに視認される。(許容)
D:正面と比較して色味づきがやや視認され、反射光もややあり。(許容)
E:正面と比較して色味づきが視認され、反射光も多く、許容できない。
表3中、「y」欄は、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と同じ方向の場合には正の値として表し、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向と逆方向の場合には負の値として表す。例えば、実施例6の「-38」は、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向とは逆方向であり、捩れ角が38°であることを表す。また、実施例9の「26」は、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向とは同じ方向であり、捩れ角が26°であることを表す。
表4中、「式(1)」欄は、式(1)の左辺「63+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y」の値を示す。
表4中、「式(1-1)」欄は、式(1)の左辺「78+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y」の値を示す。
表4中、「式(2)」欄は、式(2)の右辺「103+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y」の値を示す。
表4中、「式(2-1)」欄は、式(2)の右辺「88+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y」の値を示す。
表4中、「式(5)」欄は、式(5)の左辺「118+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y」の値を示す。
表4中、「式(5-1)」欄は、式(5-1)の左辺「148+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y」の値を示す。
表4中、「式(6)」欄は、式(6)の右辺「218+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y」の値を示す。
表4中、「式(6-1)」欄は、式(6-1)の右辺「188+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y」の値を示す。
表4中、「式(7)」欄は、式(7)の左辺「90+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y」の値を示す。
表4中、「式(7-1)」欄は、式(7-1)の左辺「120+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y」の値を示す。
表4中、「式(8)」欄は、式(8)の右辺「230+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y」の値を示す。
表4中、「式(8-1)」欄は、式(8-1)の右辺「200+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y」の値を示す。
表5中、「式(1)(2)」欄において、「A」は式(1-1)および式(2-1)の関係を満たすことを意味し、「B」は式(1-1)および式(2-1)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないが、式(1)および式(2)の関係を満たすことを意味し、「C」は式(1)および式(2)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないことを意味する。
表5中、「式(3)(4)」欄において、「A」は式(3-1)および式(4-1)の関係を満たすことを意味し、「B」は式(3-1)および式(4-1)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないが、式(3)および式(4)の関係を満たすことを意味し、「C」は式(3)および式(4)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないことを意味する。
表5中、「式(5)(6)」欄において、「A」は式(5-1)および式(6-1)の関係を満たすことを意味し、「B」は式(5-1)および式(6-1)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないが、式(5)および式(6)の関係を満たすことを意味し、「C」は式(5)および式(6)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないことを意味する。
表5中、「式(7)(8)」欄において、「A」は式(7-1)および式(8-1)の関係を満たすことを意味し、「B」は式(7-1)および式(8-1)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないが、式(7)および式(8)の関係を満たすことを意味し、「C」は式(7)および式(8)の少なくともいずれか一方の関係を満たさないことを意味する。
表5中、「式(9)」欄において、「A」は式(9-1)の関係を満たすことを意味し、「B」は式(9-1)の関係を満たさないが、式(9)の関係を満たすことを意味し、「C」は式(9)の関係を満たさないことを意味する。
表5中、「平均1」欄は、θ1とθ2との平均値を表す。
表5中、「平均2」欄は、θ3とθ4との平均値を表す。
表5中、「構成」欄は、第2光学異方性層が、捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層であって、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向とは逆方向である層であるか、または、ホモジニアス配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合を「A」とし、それ以外の層である場合を「B」として表す。
Figure 0007217369000012
Figure 0007217369000013
Figure 0007217369000014
上記表5に示すように、本発明の光学フィルムは所望の効果を示すことが確認された。
実施例1~3の比較より、式(1-2)および式(2-2)の関係を満たす場合、より効果が優れることが確認された。
実施例1~5の比較より、式(1-1)および式(2-1)の関係を満たす場合、より効果が優れることが確認された。
実施例8~10の結果より、式(3)および式(4)の関係を満たす場合、より効果が優れることが確認された。
実施例12~15の比較より、式(5)および式(6)の関係を満たす場合、より効果が優れることが確認された。
実施例16~19の比較より、式(7)および式(8)の関係を満たす場合、より効果が優れることが確認された。
実施例20~31の比較(実施例20~25の比較、実施例26~31の比較)より、θ1とθ2との平均が15°以上45°未満(好ましくは、20°以上45°未満)の場合、より効果が優れることが確認され、θ3とθ4との平均が15°未満(好ましくは、10°未満)の場合、より効果が優れることが確認された。
実施例1、6、および、32~34の比較より、第2光学異方性層が、捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層であって、第2液晶化合物の捩れ方向が第1液晶化合物の捩れ方向とは逆方向である層であるか、または、ホモジニアス配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合、より効果が優れることが確認された。
実施例1、35、および、36の比較より、チルト角および捩れ角の変化が線形である場合、より効果が優れることが確認された。
実施例37~40の比較より、φが式(9)の関係を満たす場合、より効果が優れることが確認された。
10 光学異方性層
12 第1光学異方性層
14A,14B,14C 第2光学異方性層
20A,20B,20C 光学フィルム

Claims (9)

  1. 第1光学異方性層および第2光学異方性層を有し、
    前記第1光学異方性層が、捩れ配向した第1液晶化合物を固定してなる層であり、
    前記第1液晶化合物の捩れ角は、前記第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合には、前記第2液晶化合物の捩れ角よりも大きく、
    前記第1光学異方性層の前記第2光学異方性層側の表面での面内遅相軸と、前記第2光学異方性層の前記第1光学異方性層側の表面での面内遅相軸とが平行であり、
    前記第1光学異方性層の前記第2光学異方性層側とは反対側の表面における前記第1液晶化合物のチルト角θ1、および、前記第1光学異方性層の前記第2光学異方性層側の表面における前記第1液晶化合物のチルト角θ2の少なくとも一方が、10°以上であり、
    式(1)および式(2)の関係を満たす、光学フィルム。
    式(1) 63+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y<x
    式(2) x<103+0.00687×θ1-0.132×θ1-0.138×θ2-0.190×y
    式(1)および式(2)中、xは前記第1液晶化合物の捩れ角を表し、yは前記第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合には前記第2液晶化合物の捩れ角を表し、前記第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層以外の層である場合には0を表す。
    ただし、前記第2光学異方性層が捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層である場合において、前記第2液晶化合物の捩れ方向が前記第1液晶化合物の捩れ方向と同方向である際にはyの値は正の値として表し、前記第2液晶化合物の捩れ方向が前記第1液晶化合物の捩れ方向と逆方向である際にはyの値は負の値として表す。
  2. 波長550nmで測定した前記第1光学異方性層の屈折率異方性Δn1と前記第1光学異方性層の厚みd1との積Δn1d1の値が式(3)の関係を満たし、
    波長550nmで測定した前記第2光学異方性層の屈折率異方性Δn2と前記第2光学異方性層の厚みd2との積Δn2d2の値が式(4)の関係を満たす、請求項1に記載の光学フィルム。
    式(3) 120nm≦Δn1d1≦440nm
    式(4) 80nm≦Δn2d2≦360nm
  3. 波長550nmで測定した前記第1光学異方性層の屈折率異方性Δn1および前記第1光学異方性層の厚みd1の積Δn1d1と、yと、θ1と、θ2とが、式(5)および式(6)の関係を満たす、請求項1または2に記載の光学フィルム。
    式(5) 118+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y<Δn1d1
    式(6) Δn1d1<218+0.0478×θ1+0.0493×θ1×θ2-1.10×θ1+0.512×θ2-1.62×y
    ただし、式(5)および(6)中のΔn1d1、y、θ1およびθ2には、単位を除いた数値が導入される。
  4. 前記第2光学異方性層が、第2液晶化合物を用いて形成された層であり、
    波長550nmで測定した前記第2光学異方性層の屈折率異方性Δn2および前記第2光学異方性層の厚みd2との積Δn2d2と、前記第2光学異方性層の前記第1光学異方性層側の表面における前記第2液晶化合物のチルト角θ3と、前記第2光学異方性層の前記第1光学異方性層側とは反対側の表面における前記第2液晶化合物のチルト角θ4と、yとが、式(7)および式(8)の関係を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    式(7) 90+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y<Δn2d2
    式(8) Δn2d2<230+0.0293×θ3+1.06×θ4+0.0108×θ4+3.55×y+0.0448×y
    ただし、式(7)および(8)中のΔn2d2、y、θ3およびθ4には、単位を除いた数値が導入される。
  5. θ1とθ2との平均が15°以上45°未満であり、
    前記第2光学異方性層が、第2液晶化合物を用いて形成された層であり、
    前記第2光学異方性層の前記第1光学異方性層側の表面における前記第2液晶化合物のチルト角θ3と、前記第2光学異方性層の前記第1光学異方性層側とは反対側の表面における前記第2液晶化合物のチルト角θ4との平均が15°未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記第2光学異方性層が、捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層であって、前記第2液晶化合物の捩れ方向が前記第1液晶化合物の捩れ方向とは逆方向である層であるか、または、
    前記第2光学異方性層が、捩れ配向した第2液晶化合物を固定してなる層以外の層である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の光学フィルムと、偏光子とを有し、
    前記第1光学異方性層、前記第2光学異方性層、および、前記偏光子の順に積層されている、円偏光板。
  8. 前記偏光子の面内吸収軸と、前記第2光学異方性層の前記偏光子側の表面における面内遅相軸とのなす角φが、式(9)の関係を満たす、請求項7に記載の円偏光板。
    式(9) -0.586×y+9<φ<-0.586×y+19
  9. 請求項7または8に記載の円偏光板を有する、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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