JP7216412B2 - 魚釣用電動リール - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 株式会社ミヤマエ、「FishingTackleCatalog2019」、第3頁、平成31年1月18日
特許法第30条第2項適用 株式会社マガジン・マガジン、「つり丸2019/NO.467 2.1」、第18頁、平成31年2月1日
特許法第30条第2項適用 株式会社マガジン・マガジン、つり丸2019/NO.469 3.1、第87頁、平成31年3月1日
特許法第30条第2項適用 辰巳出版株式会社、つり情報 2月1日号 新春特別号NO.970、裏表紙、平成31年2月1日
特許法第30条第2項適用 株式会社ミヤマエ、新製品「R800」発売のご案内、平成31年1月15日
特許法第30条第2項適用 株式会社ミヤマエ、新製品「ミヤエポックR800」発売のご案内、平成31年1月22日
特許法第30条第2項適用 株式会社ミヤマエ、ウェブサイト、平成31年1月15日
特許法第30条第2項適用 株式会社釣りビジョン、ウェブサイト、平成31年1月19日
特許法第30条第2項適用 ジャパンフィッシングショー2019 ‐ in YOKOHAMA ‐、2019年1月18日(金)~ 20日(日)、パシフィコ横浜 展示ホール(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
特許法第30条第2項適用 フィッシングショーOSAKA2019、2019年2月1日(金)~ 3日(日)、インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1丁目5-102)
特許法第30条第2項適用 札幌フィッシングショー2019、2019年3月22日(金)~ 24日(日)、サッポロファクトリーホール(札幌市中央区北2条東3丁目)
特許法第30条第2項適用 にいがたフィッシングショー2019、2019年2月16日(土)~ 17日(日)、朱鷺メッセ(新潟市中央区万代島6番1号)
特許法第30条第2項適用 フィッシングショーin四国 2019、2019年3月17日(日)、高知ぢばさんセンター(高知市布師田3992-2)
特許法第30条第2項適用 ジャパンインターナショナルボートショー2019、2019年3月7日(木)~10日(日)、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
特許法第30条第2項適用 碧海(中国)2019春季釣具産業博覧会、2019年2月22日(金)~2月25日(月)、天津梅江会展中心(中華人民共和国天津市西青区友▲誼▼南路18号)
特許法第30条第2項適用 関西ボートショー2019、2019年4月5日(金)~7日(月)、新西宮ヨットハーバー内特設会場(兵庫県西宮市西宮浜4-16-1)
特許法第30条第2項適用 2019年春 新製品展示会、2019年1月15日、株式会社エイテック内(東京都板橋区大和町42-11)
特許法第30条第2項適用 2019年度 見本市特売会、2019年1月29日~1月30日、株式会社浜田商会内(大阪市東成区深江北1丁目7-12)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年2月12日、JFしまね恵曇支所(松江市鹿島町恵曇622)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年2月14日、浜坂漁協居組支所(兵庫県美方郡新温泉町居組321-2)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年2月14日、浜坂漁協諸寄支所(兵庫県美方郡新温泉町諸寄3228)
特許法第30条第2項適用 ミヤマエ売り出し展示会、2019年2月12日~2月13日、株式会社アイビック仙台支社(仙台市若林区卸町2丁目5-11)
特許法第30条第2項適用 ミヤマエ売り出し展示会、2019年2月12日~2月13日、株式会社アイビック(札幌市東区北10条東1丁目1-11)
特許法第30条第2項適用 ミヤマエ売り出し展示会、2019年4月7日~4月8日、株式会社米須釣具(沖縄県中頭郡北谷町美浜2-1-1)
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特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年3月14日、漁業協同組合JFしまね西郷支所(隠岐郡隠岐の島町西町八尾の一62-1)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年3月14日、海士町漁協知々井支所(島根県隠岐郡海士町大字知々井)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年4月10日、JFしまね恵曇支所 御津出張所(松江市鹿島町御津360-1)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年4月12日、JFしまね浜田支所(浜田市原井町3025 4号市場2階)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年4月12日、JFしまね久手出張所(島根県大田市久手町波根西2689)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年4月13日、JFしまね仁摩支所(島根県大田市仁摩町仁万1947-1)
特許法第30条第2項適用 漁港ミヤマエ売り出し展示会、2019年4月13日、JFしまね温泉津出張所(島根県大田市温泉津町温泉津イ794-1)
特許法第30条第2項適用 ミヤマエ売り出し展示会、2019年4月20日~21日、釣具のつり吉 江戸川店(東京都江戸川区大杉2-11-17)
この発明は、スプールによるライン(道糸)の巻き上げ速度等の調整のために、モータの回転速度を制御する電気的変速手段とは別に、高速巻きと低速巻きの二段に変速可能な機械的変速手段を兼ね備えた魚釣用電動リールに関するものである。
魚釣用電動リールは、モータの回転動力を減速ギア等からなる動力伝達機構を介してスプールに伝達し、当該スプールをライン(道糸)の巻き上げ方向に回転させるものであり、巻き上げ速度等の調整は、基本的には、モータの回転速度等をPWM方式等により可変制御して行うものである。
そして、一般的な魚釣用電動リールでは、モータ・スプール間の動力伝達機構におけるギア比が一つに固定されており、スプールの巻き上げ速度やトルクは専らモータ制御に委ねられるため、大型魚を対象とする場合はモータも大型のものを使用せざるを得ないなど、モータの性能や電気的制御によって巻き上げ動作が制約されていた。
そこで、特許文献1~5では、ギア比が異なる二組の減速機構(遊星歯車機構)を用い、これらを切り替えることで、機械的に高速と低速の二段に変速可能な魚釣用電動リールを開示している。当該リールによれば、モータの回転速度を変更せずとも、二組の減速機構を釣り人が任意に切り替えることで、それぞれのギア比に見合った巻き上げ速度やトルクでスプールを駆動でき、高速側の減速機構を選択したときは仕掛けを素早く回収でき、低速側の減速機構を選択したときはトルクが増大して大物の魚の引きに対応することができる。
実開昭64-41270号公報 特開平9-47198号公報 特開2001-148978号公報 特開2006-166744号公報 特開2006-325481号公報
上述のように特許文献1~5では、二組の減速機構を採用するため、部品点数の増大に伴ってリールが大型化・重量化し、実釣時の扱いが不便となり、製造面においても、リール本体への組み付けに高い精度が要求される。
このうち特許文献3~5のリールは、二組の減速機構をそれぞれ遊星歯車機構で構成しており、平歯車のみで減速機構を構成するよりも小型化と静音性に関して有利である。しかしながら、これら特許文献3~5のものは何れも、モータの回転方向を正逆反転させることで二組の遊星歯車機構を切り替えるようにしており、その切替時に大きな負荷がかかる。つまり、一方の遊星歯車機構から他方の遊星歯車機構に切り替える際、それまで一方向に回転していたモータの回転方向を反転させたり、駆動中の遊星歯車機構を停止させるときに大きな負荷が発生する。こうした負荷を軽減するために、モータを一旦停止してから回転方向を反転するような電気的制御も考えられるが、そうすると、高速・低速の切り替えにタイムラグが生じてしまい、実釣に影響するという課題もある。
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、一組の遊星歯車機構によって高速・低速の二段変速機構を構成すると共に、モータを反転することなく一方向の回転で上記二段変速機構を高速・低速に切り替えることができる魚釣用電動リールを開示することである。
上述した目的を達成するために本発明では、モータを一方向に回転して、その動力をスプールに伝達するモータ動力伝達機構中に高低速の二段変速機構を設けた。具体的には、前記二段変速機構は遊星歯車機構と手動切替部とからなり、前記遊星歯車機構は、前記スプールにドラグ板を介して巻き上げ方向の回転動力を伝達する円板状のキャリアと、該キャリアの前記ドラグ板とは反対側の板面に設けた複数の遊星歯車と、内外周面に前記遊星歯車が噛合する内歯と、前記モータからの回転動力を入力する外歯をそれぞれに設けたドーナツ状のドライブギアと、該ドライブギアの中心軸上に位置して逆回転が規制された状態で前記遊星歯車と噛合する一方、前記手動切替部の操作により前記中心軸に沿ってスライド変位し、前記キャリアと共転可能に結合する高速側と、当該結合を解除する低速側とに切替可能な太陽歯車とを有する。
そして、上記手段において、前記高速側では、前記結合状態にある太陽歯車と共に前記キャリアが前記遊星歯車を介して前記ドライブギアと一体的に回転することで、前記キャリアが前記ドライブギアと等速で回転する一方、前記低速側では、前記逆回転が規制された状態の太陽歯車を中心に前記遊星歯車が公転することにより前記ドライブギアの回転動力が減速されて前記キャリアに伝達されることで、当該キャリアが前記ドライブギアよりも低速で回転することを特徴とする。
本発明では、太陽歯車をスライド変位させてキャリアと結合及びその解除を行うという手段により、一組の遊星歯車機構のみで二段変速機構を構成でき、しかも、モータを一方向に回転させたまま高低速を切り替えることができる。したがって、特許文献1~5のものよりも合理的にリールを小型化できる。また、モータの回転方向を反転することがないため、特許文献1~5のものよりも変速時の負荷や変速ショックが小さく、また、変速のタイムラグも小さい。なお、本発明の二段変速機構に係る高速と低速は、太陽歯車が回転するか、固定されているかで、遊星歯車機構内でのギア比が異なることに起因するもので、高速側であってもモータの回転動力以上の速度でキャリアを巻き上げ駆動するものではないなど、モータの回転速度に依存するものではない。
本発明において、太陽歯車をキャリア側に弾性的に付勢し、常態で前記キャリアと結合させるという手段では、高速側を基本としてその状態を確実に維持できると共に、低速側から高速側への切り替えも迅速に行われる。
手動切替部をどのように操作するかや、その操作をどのようにして太陽歯車のスライド変位に変換するかは自由であるが、典型的には、一定角度の範囲で回動するアクチュエータの回転運動を直線運動に変換するカム機構を介して、太陽歯車を高速側か低速側にスライド変位させることができる。当該手段では、釣り人にとって高低速の切替操作がしやすく、機構的にも簡易且つ堅牢である。
さらに、本発明ではモータによる電動巻き上げと、ハンドルによる手動巻き上げを併用することができ、この場合、手動巻き上げ機構は、前記ハンドルに取り付けるハンドル軸と、該ハンドル軸に取り付けるハンドルギアとを有して、前記ハンドルギアの回転動力を太陽歯車に入力してキャリアを巻き上げ方向に回転させるようにする。
手動巻き上げ機構を採用した場合、ハンドルは巻き上げ方向の一方向のみに操作し、ラインの繰り出し方向に操作することは避けなければならない。魚の引きにつられてハンドルが逆回転することは危険であるし、ドラグも有効に機能しなくなるからである。そのために、本発明では前記ハンドルギアの逆回転をラチェットにより規制する。そして、本発明では、太陽歯車については高速側としたときの逆回転を規制する必要がある。そのため、ハンドルギアと太陽歯車とは互いに巻き上げ方向の回転動力を伝達可能としつつ、太陽歯車の逆回転はラチェットによるハンドルギアの逆転規制によって同時に規制するという手段を用いる。
また、本発明では、ハンドルギアとハンドル軸との取付部に空転機構を設け、該空転機構は、手動巻き上げ時に前記ハンドル軸の回転動力を前記ハンドルギアに伝達する一方、電動巻き上げ時には太陽歯車を介して前記ハンドルギアに伝達されるモータ側の回転動力を空転によって前記ハンドル軸に伝達することを遮断するという手段を用いる。この手段では、電動巻き上げ時に、モータの回転動力によってハンドルが回転してしまうことを防止することができる。
さらに、モータ動力伝達機構中にワンウェイクラッチを設け、当該ワンウェイクラッチは、電動巻き上げ時に前記モータ側の回転動力を前記遊星歯車機構のドライブギアに伝達する一方、手動巻き上げ時には太陽歯車を介して前記遊星歯車機構に伝達される前記手動巻き上げ機構側の回転動力を前記モータに伝達することを遮断する。この手段では、手動巻き上げ時に、その回転動力によってモータが逆転することを防止することができる。
さらにまた、モータの回転動力をトルクを大きくして遊星歯車機構に伝達するために、遊星歯車機構とモータ間に減速歯車機構を設けることが好ましい。この場合、当該減速歯車機構の最終歯車をワンウェイクラッチを介してドライブギアの外歯と噛合させる。
なお、高速側と低速側では、巻き上げ速度が異なると共に、巻き上げトルクも低速側が高速側よりも大きいという違いがある。このため、実釣では、海中に投下した仕掛けを回収するときは高速側を選択する一方、設定した棚で魚が針がかりし、これを釣り上げるときはトルクが大きい低速側を選択するのが基本である。また、高速側での巻き上げ中に魚が針がかりしたときは低速側に切り替え、低速側での巻き上げ中に魚がばれたときは高速側に切り替えることもできる。
ところで、実釣時には波や風等の影響でラインが弛む現象(糸ふけ)がしばしば起きる。例えば、船釣りでは波浪によって船体が上下する度に糸ふけが起きる。これは、魚が針がかりしていても同じである。このような糸ふけは、ラインの弛む速さにスプールの巻き上げが追い付かずにバックラッシュを起こしたり、魚の引きが急激に強くなって弛んだラインに一気にテンションがかかることでラインブレイクを起こす原因となるため、好ましくない現象である。
そこで本発明では、低速側での電動巻き上げ中、糸ふけや仕掛けのロストなどによって、スプールに作用するラインの繰り出し方向の力が無負荷或いはそれに限りなく近い状態となったときは中速巻きを実現可能とした。具体的には、低速側での電動巻き上げ中、スプールからキャリアを介して遊星歯車に作用する負荷が一定未満となったときに、前記遊星歯車の公転と連動して太陽歯車が巻き上げ方向に回転するように、前記太陽歯車の周囲に塗布するグリスを上記連動可能な粘性を有するグリスから選択するという手段を用いた。
通常、遊星歯車には、仕掛けの重さや魚の引きなどに見合った一定以上の負荷が、スプールからキャリアを介して作用している。一方、太陽歯車は低速側ではキャリアとの結合が解除されていることで、前記遊星歯車に作用する一定以上の負荷により逆回転しようとするが、これは規制されているため、太陽歯車は回転停止の状態にある。そして、遊星歯車は回転停止の状態にある太陽歯車を中心に公転し、当該公転によってドライブギアの回転動力を減速して、高速側での電動巻き上げ時よりも低速高トルクで巻き上げ駆動することは上述したとおりである。
これに対して、糸ふけなどによって遊星歯車が無負荷或いはそれに近い状態になると、太陽歯車を逆回転させる力も解消して、正回転可能な状態となる。そして、この状態では、太陽歯車の周囲に塗布された所定粘性のグリスが太陽歯車と遊星歯車との繋ぎとして機能することで、太陽歯車は遊星歯車の公転と連動して巻き上げ方向に回転し始める。このように太陽歯車が回転し始めると、遊星歯車の公転速度も上がって、相対的に減速比が小さくなり、それまでよりも速く回転するようになる。したがって、キャリアは、前記負荷が一定以上であるときよりも高速であるが、高速側での電動巻き上げ時よりも低速な中速域で回転することになる。この結果、糸ふけしたラインを素早く巻き取ることができ、上述したバックラッシュやラインブレイクを防止することができる。
なお、上述した低速側での中速巻きは、糸ふけなど、スプールが無負荷又はそれに近い状態にある間だけ実行される一時的な動作であり、糸ふけが解消して負荷が元に戻れば、その時点で上述した通常の低速巻きが実行される。このように、当該中速巻きは、ラインの重さには影響を受けないが、魚はおろか仕掛けを巻き上げることすらできない。
他方、ドラグについては、従来からレバーなどのアクチュエータを手動で回転操作等し、摩擦ディスクと制動ディスクを交互に重ねたドラグ板同士の圧接を加減することで調整していたが、必要なドラグ力を得るために、どの程度、アクチュエータを操作するかなど、ドラグ設定には熟練を要した。また、ドラグ力を強めるにつれてアクチュエータの回転が重くなるため、大型魚を対象として強いドラグ力を得るには、アクチュエータを操作するのに相当の力を必要とし、しかも、ドラグ力が一定を超えてからは、少しの回転操作でドラグ力が一気に増加してしまうため、感覚に頼るのみでは正確なドラグ力を得ることができなかった。
そこで本発明では、上記したドラグ板の圧接加減をモータの動力を用いて行う電動のドラグ調整機構を採用することとした。即ち、該電動のドラグ調整機構は、回転レバーと、該回転レバーの操作角を検出するポテンションメータと、電動巻き上げ用のモータとは別に、前記ポテンションメータの検出値に応じた角度だけ回転制御されるサブモータとを備え、該サブモータの回転運動を直線運動に変換するカム機構を介してスプールを軸方向に変位させて、キャリアとの間でドラグ板の圧接力を調整可能としたものである。この手段によれば、電気的にドラグ力を調整することができ、しかも、ドラグ力の大小にかかわらず常に同じ力で回転レバーを操作できるため、強いドラグ力を得る場合にも正確に設定することができる。
また、上記ドラグ調整機構は、回転レバーとは別にサブモータを駆動制御可能なクラッチオンオフ部を有し、オフ時には、その時点でのポテンションメータの検出値を記憶すると共に、前記サブモータを反転駆動してカム機構をスプールフリーの位置まで可動する一方、オン時には、前記サブモータを正転駆動して前記カム機構を前記記憶したポテンションメータの検出値に対応する位置に復帰させることが好ましい。仕掛けを投下する際にスプールフリー(自由回転)とする必要があるが、当該手段によれば、クラッチオンオフ部をオフにして仕掛けを投下した後、オンとすれば前回のドラグ力が自動的に復元され、再度、ドラグ力を調整することなく釣りを続行できるからである。
本発明によれば、一組の遊星歯車機構によって高速・低速の二段変速機構を構成したので、大型魚を対象とする場合でもリール全体を小型化・軽量化することができる。しかも、本発明の二段変速機構はモータを反転することなく一方向の回転で高速・低速に切り替えることができるため、変速ショックや過剰な負荷がかからず、耐久性に優れた魚釣用電動リールを提供することができた。
また、ドラグ力を、回転レバーの操作角に応じてサブモータにより電気式に調整可能可能としたので、常に回転レバーを一定の力で操作できるうえ、勘や経験に頼らずドラグ力を正確に設定することができる。
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールの右側カバーを省略した斜視図 同、背面図 同、巻き上げに係る各歯車の配列図 同、二段変速機構及び手動巻き上げ機構の詳細を示す分解斜視図 同、遊星歯車機構の詳細を示す分解斜視図 同、太陽歯車とキャリアとの結合構造を示す分解斜視図 同、太陽歯車とカムの詳細を示す分解斜視図 同、カムの詳細を示す斜視図 同、手動巻き上げ機構の詳細を示す分解斜視図 同、減速歯車機構の詳細を示す分解斜視図 同、高速側に設定した状態を示す斜視図 図11の主要部の断面図 図11の側面図 同、低速側に設定した状態を示す斜視図 図14の主要部の断面図 図14の側面図 同、電気式のドラグ調整機構を示す断面図 同、ドラグ調整機構の主要部を示す斜視図 同、カム機構の詳細を示す斜視図 同、魚釣用電動リールの左側カバーを省略した斜視図
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。まず、全体の構成は、図1・2に示すように、スプールSを軸支した両軸型のリール本体1の右側内部にモータ動力伝達機構2及び手動巻き上げ機構3を装備し、左側にはドラグ調整用の回転レバー4を装備している。
なお、リール本体1上の5~8は各種設定等を行うスイッチ類であり、例えば、5はモータによる自動巻き上げ、6はハンドルによる手動巻き上げ、7は自動巻き上げ時に仕掛けを船縁で停止させる巻き上げ停止、8はスプールフリー(自由回転)のためのクラッチオンオフ部として割り当てている。また、9は表示パネルであり、棚深さや巻き上げ速度等の各種情報を表示する。さらに、100はレベルワインダーであり、スプールSの回転と連動して左右を往復動して、巻き上げ動作中、スプールSにライン(図示せず)を均等に巻き付けるガイドとして機能する。
モータ動力伝達機構2はスプールSとモータMの間に設けられ、図3に示すように、二段変速機構10と減速歯車機構20とで構成している。これにより、モータMの回転動力を減速歯車機構20で減速して巻き上げトルクを確保しておき、これを二段変速機構10を介してスプールSに伝達するようにしている。また、二段変速機構10には手動巻き上げ機構3の回転動力も入力するようにしている。
図4は二段変速機構10及び手動巻き上げ機構3の詳細を示す分解斜視図である。二段変速機構10は、リール本体1の右側カバー1aの内側に装備される遊星歯車機構11を主要部として、前記右側カバー1aの外側に一定角度の範囲で回動可能に設けた手動切替部30によりカム31を介して高低二段に切替可能に構成している。本発明において二段変速機構10を構成する遊星歯車機構11は一組である。この遊星歯車機構11は、上記減速歯車機構20を介してモータMの回転動力が入力されるドーナツ状のドライブギア12と、スプールSの右端側にドラグ板13を介して設けられる円板状のキャリア14と、該キャリア14のドラグ板13とは反対側の板面に等角度で配置した三つの遊星歯車15と、ドライブギア12の中心軸(図中のメインシャフト16)上に遊星歯車15と噛合するように設けた太陽歯車17とからなる。
手動巻き上げ機構3は、ノブ付きハンドル3aと、ハンドル3aの一端に右側カバー1aを介して角軸を嵌合し一体的に取り付けるハンドル軸3bと、このハンドル軸3bに後述する空転機構40を介して取り付けるハンドルギア3cとからなる。そして、ハンドルギア3cは、太陽歯車17の中心に共転可能に挿嵌する中間歯車3dと噛合することにより、その回転動力を遊星歯車機構11に伝達可能としている。
図5は、遊星歯車機構11の詳細を示す分解斜視図であり、ドライブギア12は内外周面それぞれに内歯12aと外歯が12bを形成したドーナツ状であり、その内歯12aに三つの遊星歯車15が噛合する。一方、外歯12bには減速歯車機構20の後述する最終歯車が噛合する。キャリア14は、ドライブギア12と同心上に位置して、その左側面がスプールSの右端側の円形凹部S1にドラグ板13を介して嵌合するが、ドライブギア12とは直接的に連結しておらず、右側面にピン15aによって遊星歯車15を回転(自転)自在に軸支することで、当該遊星歯車15を介してドライブギア12の回転動力を当該キャリア14に伝達するようにしている。
太陽歯車17は、前記ドライブギア12の内側において、キャリア14と同心上に位置し、上記三つの遊星歯車15と常時噛合する。そして、当該太陽歯車17は、本発明の特徴として、ドライブギア12の中心軸であるメインシャフト16上を左右にスライド変位し、キャリア14と共転可能に結合したり、当該結合を解除したりできるようになっている。
ここで本実施形態では、太陽歯車17とキャリア14との結合構造として、図6に示すように、太陽歯車17の左端部には軸方向に係合爪17aを複数突出し、キャリア14の右側面にはメインシャフト16の挿通孔14cの周囲に三つの仕切り壁14aで区画された三つの円弧状の係合凹部14bを設け、当該円弧状の係合凹部14bに係合爪17aを嵌合可能としている。したがって、太陽歯車17を左側(スプール側)にスライド変位させれば、各係合爪17aがキャリア14の円弧状の係合凹部14bに嵌合して、両者が一体的に回転する共転可能状態となり、反対に太陽歯車17を右側(ハンドル側)にスライド変位させれば、全ての係合爪17aが同時に円弧状の係合凹部14bから抜け出して両者の結合が解除される。
さらに、太陽歯車17をスライド変位させるための構造として、図7に示すように、回転レバー状の手動切替部30にカム31を固定すると共に、太陽歯車17の右端部には延長軸17bを介してフランジ部17cを設け、このフランジ部17cに前記カム31を作用させることで、手動切替部30の回転運動を太陽歯車17のスライド変位(直線運動)に変換している。図8は、カム31の詳細を示し、手動切替部30を固定する円筒状の固定部31aに円弧状の羽根部31bを迫り出して設け、この羽根部31bにカム山31cを片側勾配の傾斜状に形成している。ここでカム山31cの高低差は、太陽歯車17の係合爪17aの突出長に対応している。
また、本実施形態では、常態で太陽歯車17がキャリア14と結合するようにコイルバネ50によりキャリア側に付勢している。即ち、太陽歯車17に二個一対の小球51により挿嵌する中間歯車3dをバネ受けとして、当該太陽歯車17をコイルバネ50によりキャリア14側に付勢することで、係合爪17aをキャリア14の円弧状の係合凹部14bに嵌合する。ここで中間歯車3dはリール本体1の右側カバー1aによって軸移動を規制している。そして、手動切替部30を回転することで、カム31の羽根部31bが太陽歯車17のフランジ部17cの内側に入り込み、さらなる回転継続によって、カム山31cがフランジ部17cをコイルバネ50の付勢力に抗して中間歯車3d側に押しやり、最終的に当該カム山31cの頂部がフランジ部17cに当接した段階で係合爪17aが円弧状の係合凹部14bから抜け出して、太陽歯車17とキャリア14との結合状態が解除される。
太陽歯車17には上述のように中間歯車3dを介して手動巻き上げ機構3の巻き上げ方向の回転動力を入力可能としているが、この手動巻き上げ機構3はラインを巻き上げる一方向のみ操作でき、逆転は規制しなければならない。ハンドルを逆回転することは本来的に無意味であり、殊、電動リールにおいてはハンドルの逆回転動力がモータMに入力すると故障の原因になるからである。そこで、本実施形態では、手動巻き上げ機構3の逆転を規制すると共に、太陽歯車17をも同時に逆転を規制する構造を採用している。即ち、図9に示すように、手動巻き上げ機構3におけるハンドルギア3cの右側面にはラチェットギア60を一体的に形成すると共に、一対のラチェット爪61を係合可能として、ハンドルギア3cの逆転を規制している。そして、太陽歯車17については、モータの電動巻き上げ時に逆転方向の力が加わった場合、この力は、中間歯車3dを介してハンドルギア3cに逆転方向の力として伝達されるが、ハンドルギア3cの逆転は上述したラチェット構造によって規制されているため、太陽歯車17は逆転することはない。むしろ、当該逆転方向の力が作用している間は、太陽歯車17は回転停止の状態となる。
さらに、太陽歯車17が巻き上げ方向に正転する際の回転動力についても、同じく図9に示した空転機構40によって、ハンドル3aに伝達することを遮断している。即ち、空転機構40は、ラチェットギア60の内側に形成した矩形状の凹部41に嵌合する矩形体42の中央に、ラチェットギア60の刃の向きとは逆向きに傾いた角(つの)状部を有する花型凹部43を形成すると共に、ハンドル軸3bの前記花型凹部43に挿入する部分(ハンドルギア3cとの取付部)に、一対の小球44を小バネ45によって弾性的に内外に出没可能に設け、前記花型凹部43が一方向に回転するときのみ前記小球44が角状部に係合する一方、花型凹部43が反対方向に回転するときは小球44が角状部を滑り出すように形成している。
この構成では、ハンドル軸3bを花型凹部43に軸挿すると、一対の小球44が花型凹部43の角状部に弾性的に係合するため、ハンドル3aを巻き上げ方向に回転すれば、前記係合によってハンドルギア3cが同方向に回転する一方、ハンドル3aを逆方向に回転させたときは、小球44が小バネ45の付勢力に抗してハンドル軸3b内に引っ込み、花型凹部43の角状部から脱出するので、ハンドル3aは空回りすることになる。
一方、電動巻き上げ時において、太陽歯車17が巻き上げ方向に正転する際の回転動力は、中間歯車3dを介して、ハンドルギア3cに伝達され、ハンドルギア3cを手動巻き上げ時の巻き上げ方向と同じ方向に回転させる。しかし、この場合、空転機構40もハンドルギア3cと共転して同方向に回転することになり、花型凹部43は、その角状部がハンドル軸3bの小球44と非係合の方向に回転するため、小球44がハンドル軸3b内に引っ込み、ハンドルギア3cがハンドル軸3bに対して空転する。したがって、電動巻き上げ時における太陽歯車17の正方向の回転動力はハンドル3aに伝達されない。
なお、手動巻き上げ機構3の巻き上げ方向の回転動力は中間歯車3dを介して太陽歯車17に入力されることは上述したとおりであり、これによって太陽歯車17が属する遊星歯車機構11を介してスプールSに伝達され、手動巻き上げが可能となるが、同時に、手動巻き上げ時の回転動力は遊星歯車機構11に属するドライブギア12を介してモータ側へも伝達されるため、それ以降、モータMへの伝達は遮断しなければならない。手動巻き上げ時に、その回転動力をモータMに伝達すると、当該モータMを強制的に逆転させて逆起電力が発生するなど、故障の原因となるからである。
そこで本実施形態では、上述した遊星歯車機構11とモータMとの間に配置した減速歯車機構20中にワンウェイクラッチを構成している。即ち、この実施形態では、図10に詳細を示すように、二組の連結歯車組21・22によって減速歯車機構20を構成しており、一組目の連結歯車21の大歯車21aをモータピニオンMPと噛合させ、その小歯車21bは二組目の連結歯車22の大歯車22aと噛合させ、その小歯車22bは当該減速歯車機構20の最終歯車として、遊星歯車機構11におけるドライブギア12の外歯12bに噛合させる。当該構成において、二組目の連結歯車22は小歯車22bに装備する小球22cと大歯車22aとこれに冠着するキャップ体22dとでワンウェイクラッチを構成している。したがって、電動巻き上げ時におけるモータMからの回転動力は当該減速歯車機構20を介して遊星歯車機構11に伝達されるが、手動巻き上げ時におけるハンドル側からの回転動力は当該減速歯車機構20中のワンウェイクラッチによってモータ側に伝達することが遮断され、モータMを保護している。
なお、図10中の70はモータピニオンMPと噛合するワンウェイギアであり、これよってもモータMの逆転を直接規制している。
次に、本実施形態のリールについて巻き上げ動作と共に本発明の作用効果を明らかにする。まず、本リールでの巻き上げ動作は、モータMによる電動巻き上げと、ハンドルによる手動巻き上げに大別されるが、それぞれも二段変速機構による高速側と低速側に切り替えることができるため、合計4種類の巻き上げ動作を選択することができる。さらに、巻き上げ動作中に高低速を切り替えたり、電動から手動、手動から電動に切り替えることもできるが、ここでは、基本的な4種類の巻き上げ動作について説明していく。なお、ドラグ調整と仕掛けの投入については後述する。
(高速側での電動巻き上げ時)
この高速側での電動巻き上げは、手動切替部30を図11に示す高速側に設定した状態で、リール本体1の自動巻き上げスイッチ5をオンすることで巻き上げ動作を開始する。手動切替部30を高速側に設定した場合、カム31の羽根部31bは太陽歯車17のフランジ部17cの外側に位置するため、太陽歯車17はコイルバネ50によるキャリア14側への弾性的付勢によって、図12に示すように、その係合爪17aがキャリア14の円弧状の係合凹部14bに嵌合し、太陽歯車17とキャリア14は共転可能に結合している。この状態で、モータMの回転動力は減速歯車機構20の最終歯車(小歯車22b)を介してドライブギア12の外歯12bに入力される。すると、ドライブギア12は図13中の矢印Aの方向に回転する。次に、その内歯12aに噛合する遊星歯車15に回転動力が伝達され、これを軸支したキャリア14と、その内側に噛合する太陽歯車17を同時に回転させようとする。しかし、キャリア14と太陽歯車17は上述のように共転可能に結合しているため、遊星歯車15は自転することが拘束され、当該遊星歯車17を含めてキャリア14と太陽歯車17、そしてドライブギア12が一体となって回転する。このように、高速側での電動巻き上げ時には、ドライブギア12の回転動力はそのままキャリア14に伝達されることになるため、キャリア14はドライブギア12と等速で回転するのである。
なお、電動巻き上げ時においては、上述した高速側であれ、後述する低速側であれ、モータMを電気的に制御して回転速度を増減すれば、ドライブギア12の回転速度も増減し、引いてはスプールSの巻き上げ速度も増減するが、本発明の二段変速機構における高低速は、モータMを同じ速度で回転させたと仮定したときのドライブギア12とキャリア14との回転速度や巻き上げトルクの差として表れるものである。
(高速側での手動巻き上げ時)
高速側での手動巻き上げは、手動切替部30を高速側に設定しておき、リール本体1の手動巻き上げスイッチ6をオンすることで、モータMへの通電を停止し、ハンドル3aを図13中の矢印Bの方向に回転することで行う。このときカム31と太陽歯車17の関係は、上述した高速側における電動巻き上げ時と同じように、太陽歯車17とキャリア14は共転可能に結合しているため、前記の図11~図13を用いて、当該手動巻き上げ動作を説明することができる。即ち、ハンドル3aを図13中の矢印Bの方向に手動回転させれば、空転機構40は空転せず、ハンドル軸3bを介してハンドルギア3cも同図中の矢印Cの方向に回転する。そして、ハンドルギア3cの回転動力は当該ハンドルギア3cと噛合する中間歯車3dにて反転され、太陽歯車17に入力され、当該太陽歯車17は上述した高速側での電動巻取り時におけるドライブギア14と同じ矢印Aの方向に回転する。したがって、太陽歯車17と結合しているキャリア14は太陽歯車17と等速で巻き上げ方向に回転することになる。これは即ち、ドライブギア14を固定歯車として遊星歯車15の公転よる減速作用を受けずに、手動巻き上げ機構3から太陽歯車17に伝達された回転動力がそのままキャリア14に伝達されるものとして、高速での巻き上げが実行されることを意味する。
(低速側での電動巻き上げ時)
一方、低速側での電動巻き上げは、手動切替部30を図11の状態から図14中の矢印Dの方向に所定角度回転して、リール本体1の自動巻き上げスイッチ5をオンすることで巻き上げ動作を開始する。このように手動切替部30を矢印Dの方向に回転すると、カム31の羽根部31bが太陽歯車17のフランジ部17cの内側に潜り込み、さらに手動切替部30を最終位置まで回転することでカム山31cがフランジ部17cに当接し、太陽歯車17をコイルバネ50の付勢力に抗して中間歯車3d側にスライド変位させる。これによって、図15に示すように、太陽歯車17の係合爪17aがキャリア14の円弧状の係合凹部14bから抜け出して、太陽歯車17とキャリア14の結合状態が解除される。この状態で、モータMの回転動力は減速歯車機構20の最終歯車(小歯車22b)を介してドライブギア12の外歯12bに入力され、同ドライブギア12を図16に示すように矢印Aの方向に回転させることは高速側での電動巻き上げ時と同じである。
上記ドライブギア12の回転動力は遊星歯車15に伝達され、太陽歯車17を中心として公転する。そして、当該遊星歯車15の公転によってドライブギア12の回転動力は減速されてキャリア14に伝達される。したがって、キャリア14はドライブギア12よりも低速・高トルクの状態で回転する。これは、上述した高速側よりも相対的に低速で回転することを意味する。
なお、低速側では、上述のように、遊星歯車15が太陽歯車17の回りを公転するが、その前提として、太陽歯車17は回転停止の状態にある。即ち、低速側への切り替えは、海中に投入した仕掛けに魚が針がかりしており、これを釣り上げる目的で選択するのが典型である。そうでないとしても、スプールSには少なくとも仕掛けの重さ等に見合った負荷が常にかかっている。これは高速側でも同様である。
このように仕掛けや魚の引きなどによって、スプールSにラインLの繰り出し方向の負荷が作用している場合、その負荷はドラグ板13を介してスプールSと連繋するキャリア14に対しても巻き上げ方向とは反対の逆転方向に作用し、さらに、その力は遊星歯車11を介して、最終的には太陽歯車17を逆転方向に回転させる向きに作用する。しかしながら、太陽歯車17は上述したように手動巻き上げ機構3側のラチェットによって逆転が規制されているため、スプールSに仕掛けの重さ以上の負荷が作用している間は、太陽歯車17は常に回転停止の状態を維持するのである。
ところで、ラインLは、仕掛けや魚だけでなく、風や波の影響も受ける。つまり、海上が無風であったり凪である場合は、スプールSには上述のように仕掛けの重さや魚の引きだけを負荷として考慮すればよいのであるが、ラインLが風や波に煽られたり、船釣りにおいて船体が波浪で上下動すると、スプールSと海面との間でラインLが弛む。これを糸ふけと称しているが、この状態でラインLを巻き上げると、ラインLがもつれた状態で巻き上げられたり(バックラッシュ)、弛んだラインLに魚の引きによって急激なテンションがかかってラインブレイクを起こす恐れがある。
(低速側での電動巻き上げ時の中速巻き上げ)
これ対して、本発明のリールでは、二段変速機構10を高速側に設定して電動巻き上げを行っていれば、本来的に糸ふけが生じにくいが、低速側での電動巻き上げ時においても、当該糸ふけを解消することができる。その仕組みは、次のとおりである。
即ち、糸ふけが生じると、スプールSはほぼ無負荷の状態となる。この状態では、一定以上の負荷が作用することで逆転が規制され、回転停止の状態となっている太陽歯車17が正転方向に回転可能な状態となる。そして、太陽歯車17が正転方向に回転すれば、これを中心として公転する遊星歯車15による減速度が緩まり、太陽歯車17が回転停止状態にあるときよりもキャリア14が速く回転する。ただし、その速度は、高速側に設定したときよりも遅いため、中速と位置付けられる。このように、本発明のリールは、低速側での電動巻き上げ時に、糸ふけが生じると、なんら設定等を変更・操作することなく、自動的に中速での巻き上げが行われ、糸ふけを解消することができる。そして、糸ふけが解消し、スプールSに一定以上の負荷が再度作用すれば、その瞬間に太陽歯車17の回転が停止し、低速での巻き上げが自動的に再開される。以降、糸ふけが生じる度に、中速巻きと低速巻きが自動的に繰り返し行われ、バックラッシュやラインブレイクを起こすことなく、魚や仕掛けを船縁まで巻き上げることができる。
ここで、糸ふけ時(スプールSの無負荷時)に、太陽歯車17が正転方向に回転し出すのは、太陽歯車17が遊星歯車15の公転につられるからである。より具体的には、太陽歯車17と遊星歯車15の間に塗布されたグリスの粘性によって、当該グリスが繋ぎとなり、遊星歯車15の回転に引き連れられるように太陽歯車17が正転方向に回転し出すのである。
また、太陽歯車17の正転時には、高速側での電動巻き上げ動作で説明したように、手動巻き上げ機構3における空転機構40が空転しなければならない。この点、高速側での電動巻き上げ時には、太陽歯車17にはドライブギア12等を介してモータMの回転動力が作用しており、その力は比較的大きいため空転機構40が容易に空転するが、低速側での電動巻き上げ時における中速巻き上げでは、太陽歯車17を正回転させる力は比較的小さい。よって、空転機構40における小球44の小バネ45として弾発力を小さいものを採用したり、花型凹部43の角状部の角度等を調整するなどして、太陽歯車17の正転方向の回転動力が小さい場合でも、空転機構43が空転するように設計する。
(低速側での手動巻き上げ時)
最後に、低速側での手動巻き上げは、手動切替部30を低速側に設定しておき、リール本体1の手動巻き上げスイッチ6をオンした後、ハンドル3aを図16中の矢印Bの方向に回転して行う。このときカム31と太陽歯車17の関係は、上述した低速側における電動巻き上げ時と同じであるため、図14~図16を用いて、当該手動巻き上げ動作を説明することができる。即ち、ハンドル3aを図16中の矢印Bの方向に手動回転させれば、空転機構40は空転せず、ハンドル軸3bを介してハンドルギア3cも同図中の矢印Cの方向に回転する。そして、ハンドルギア3cの回転動力は当該ハンドルギア3cと噛合する中間歯車3dにて反転され、太陽歯車17に入力される。さらに、太陽歯車17の回転動力は遊星歯車15が公転することによって減速され、キャリア14を高速側での手動巻き上げよりも低速で巻き上げ方向に回転させるのである。
ここで、ドライブギア12にも遊星歯車11が公転する際の回転動力が作用するが、これは上記ワンウェイクラッチによってドライブギア12を回転停止へと導く。したがって、低速側での電動巻き上げ時には、太陽歯車17が回転停止の状態で遊星歯車15が公転していたのに対して、低速側での手動巻き上げ時には、ドライブギア12が回転停止の状態で遊星歯車15が公転するというように、固定歯車が太陽歯車17かドライブギア12かの違いがある。
ここまで高速側と低速側それぞれで電動巻き上げ動作と手動巻き上げ動作を説明したが、当該巻き上げを行う前の作業として、ドラグ調整と、仕掛けの投入する作業があるので、以下、これらの作業にかかる構成を説明する。
(ドラグ調整と仕掛け投入の関係)
本実施形態では電気式のドラグ調整機構を採用している。これを図17にしたがって説明すると、スプールSの右端側には上述のようにドラグ板13を配設しており、基本的な動作として、スプールSをメインシャフト16に沿って左右にスライド変位させることで、キャリア14との間でドラグ板13の圧縮度を調整し、もってドラグ力が調整される。この基本動作は、従来のリールと代わるところがなく、スプールSを右側(キャリア14側)にスライドさせればドラグ力が高まり、左側にスライドさせればドラグ力が弱まる。さらにスプールSを左側にスライドさせ、キャリア14から最も解離させたときは、ドラグ力が0(ゼロ)となり、スプールSは自由回転の状態(スプールフリー)となる。そして、このスプールフリーの状態で仕掛けの投入作業を行うことも従来のリールと同じである。
(電気式ドラグ調整機構)
上述のように、ドラグ調整はスプールSをメインシャフト16に沿ってスライド変位させることによって行われるが、本実施形態では、スプールSのスライド変位を図17に示したサブモータMsの動力によって行うようにしている。即ち、本実施形態では、電動巻き上げに用いるモータMとは別に、ドラグ調整用のサブモータMsを使用する。そして、このサブモータMsの回転動力を、複数組の伝達歯車80・81を介して、カム機構90に伝達する。このカム機構90は、図18に示すように、伝達歯車81の最終歯車と噛合する駆動歯車91と、該駆動歯車91の中央に、軸方向のリブ92を周囲4箇所に形成することでメインシャフト16に沿って軸方向に変位可能に嵌め込まれる主動カム部93と、この主動カム部93の中央に嵌め込まれる従動カム部94とを備えている。主動カム部93はカラー95を介してスプールSと接続されており、一方の従動カム部94は主動カム部93と左側カバーとの間で非回転の状態で固定されており、また、軸方向にも変位しない。そして、主動カム部93と従動カム部94には、図19に示すように、互いの嵌入部にカム斜面96を形成している。
当該構成のカム機構90によれば、サブモータMsを回転駆動すれば、その回転動力は伝達歯車80・81を介して駆動歯車91に伝達され、駆動歯車91と共に主動カム部93を回転させる。主動カム部93が回転すると、従動カム部94とのカム斜面96によって当該主動カム部93は軸方向に変位する。このようにして、本機構では、サブモータMsの回転運動(動力)を主動カム部93の直線運動に変換しているのである。そして、主動カム部93が軸方向に変位することでスプールSもスライド変位して、上述したドラグ調整を行うことができるのである。
次に上記カム機構90の駆動源であるサブモータMsを回転駆動する機構について説明すると、図20に示すように、リール本体1の左側に設けたドラグ調整用の回転レバー4には、その同軸上に当該レバー4の回転角を示す平歯車97を共転するように設けると共に、当該平歯車97と噛合するポテンションメータ98を設けている。当該構成によれば、回転レバー4を回転操作したときの操作角はポテンションメータ98によって検知され、数値化される。そして、図示しないCPU等の演算回路によって、ポテンションメータ98の検出値から、これに見合ったドラグ力を算出する。当該ドラグ力から、図示しないメモリー等の記憶回路が保有する「ドラグ力-サブモータMsの回転角」の対照テーブルに基づいて、これに見合ったサブモータMsの回転角を算出し、当該算出した回転角までサブモータMsを回転駆動する。この一連の動作によって、回転レバー4の操作量に見合ったドラグ力が得られるのである。
このように、回転レバー4を回転操作すれば、その操作量に見合ったドラグ力が得られ、この点は従来のリールと変わりはないのであるが、本実施形態の電気式のドラグ調整機構では、スプールSのスライド変位の動力源としてサブモータMsを使用しているため、常に回転レバー4を操作する力が一定となり、ドラグ力を高めるほど回転レバーが重くなる従来のリールよりと比べて、全範囲において回転レバー4の操作を容易に行うことができる。
さらに、本実施形態では、「ドラグ力-サブモータMsの回転角」の対照テーブルを参照するので、回転レバー4の操作量とドラグ力とを正確に一致させることができる。
なお、回転レバー4を最も緩めた位置(原点位置)とすることでドラグ力を0(ゼロ)とすることができるのはもちろんであり、このときスプールフリーとなって仕掛け投入を行うことができる。しかしながら、仕掛け投入の都度、回転レバー4を原点位置に戻すと、前回のドラグ設定がクリアされてしまうため、ドラグの再調整が必要となる。
そこで、本実施形態では、現在の回転レバー4の位置(ドラグ力)を記憶すると共に、リール本体1のクラッチオンオフスイッチ8をオンすることで、サブモータMsをスプールフリー側に駆動するようにしている。これによれば、回転レバー4はそのままの状態で、クラッチオンオフスイッチ8をオンすればスプールフリーの状態となり、仕掛けを投入することができる。そして、仕掛け投入後に、クラッチオンオフスイッチ8を再度操作すれば、記憶しているドラグ力が読み出されて、前記対照テーブルに基づいてサブモータMsが駆動し、前回のドラグ力にて釣りを継続することができる。
なお、図2において、回転レバー4の外側に突出するダイヤル101はドラグ力を微調整するためのツマミである。このダイヤル101は、ポテンションメータ98にて操作量等の検出は行わず、よってサブモータMsを駆動するものでもなく、直接スプールSに作用して、回転レバー4によるドラグ力を釣り人が任意に微調整するものである。
S スプール
M モータ
L ライン
Ms サブモータ
1 リール本体
2 モータ動力伝達機構
3 手動巻き上げ機構
3a ハンドル
3b ハンドル軸
3c ハンドルギア
3d 中間歯車
4 ドラグ調整用回転レバー
5 自動巻き上げスイッチ
6 手動巻き上げスイッチ
7 巻き上げ停止スイッチ
8 クラッチオンオフスイッチ
9 表示パネル
10 二段変速機構
11 遊星歯車機構
12 ドライブギア
12a 内歯
12b 外歯
13 ドラグ板
14 キャリア
14b 係合凹部
15 遊星歯車
16 メインシャフト
17 太陽歯車
17a 係合爪
20 減速歯車機構
22b 小歯車(最終歯車)
30 手動切替部
31 カム
31c カム山
40 空転機構
43 花型凹部
44 小球
45 小バネ
50 コイルバネ
60 ラチェットギア
70 ワンウェイギア
80・81 ドラグ調整機構の伝達歯車
90 ドラグ調整機構のカム機構
93 主動カム部
94 従動カム部
96 カム斜面
98 ポテンションメータ
100 レベルワインダー
101 ドラグ微調整用ダイアル

Claims (11)

  1. モータの回転動力をスプールに伝達するモータ動力伝達機構中に高低速の二段変速機構を設けた魚釣用電動リールであって、
    前記二段変速機構は遊星歯車機構と手動切替部とからなり、
    前記遊星歯車機構は、
    前記スプールにドラグ板を介して巻き上げ方向の回転動力を伝達する円板状のキャリアと、
    該キャリアの前記ドラグ板とは反対側の板面に設けた複数の遊星歯車と、
    内外周面に前記遊星歯車が噛合する内歯と、前記モータからの回転動力を入力する外歯をそれぞれに設けたドーナツ状のドライブギアと、
    該ドライブギアの中心軸上に位置して逆回転が規制された状態で前記遊星歯車と噛合する一方、前記手動切替部の操作により前記中心軸に沿ってスライド変位し、前記キャリアと共転可能に結合する高速側と、当該結合を解除する低速側とに切替可能な太陽歯車とを有し、
    前記高速側では、前記結合状態にある太陽歯車と共に前記キャリアが前記遊星歯車を介して前記ドライブギアと一体的に回転して、前記キャリアを前記ドライブギアと等速で回転させる一方、
    前記低速側では、前記逆回転が規制された状態の太陽歯車を中心に前記遊星歯車が公転することにより前記ドライブギアの回転動力が減速されて前記キャリアに伝達され、当該キャリアを前記ドライブギアよりも低速で回転させることを特徴とした魚釣用電動リール。
  2. 太陽歯車をキャリア側に弾性的に付勢し、常態で前記太陽歯車と前記キャリアとを結合させた請求項1記載の魚釣用電動リール。
  3. 手動切替部は、一定角度の範囲で回動するアクチュエータの回転運動を直線運動に変換するカム機構を介して、太陽歯車を高速側か低速側にスライド変位させる請求項1または2記載の魚釣用電動リール。
  4. さらに、ハンドルと、該ハンドルに取り付けるハンドル軸と、該ハンドル軸に取り付けるハンドルギアとを有する手動巻き上げ機構を備え、前記ハンドルギアの回転動力を太陽歯車に入力してキャリアを巻き上げ方向に回転させる請求項1、2または3記載の魚釣用電動リール。
  5. ハンドルギアと太陽歯車とは互いに巻き上げ方向の回転動力を伝達可能とする一方、前記ハンドルギアの逆回転をラチェットにより規制することで、太陽歯車の逆回転をも規制した請求項4記載の魚釣用電動リール。
  6. ハンドルギアとハンドル軸との取付部に空転機構を設け、該空転機構は、手動巻き上げ時に前記ハンドル軸の回転動力を前記ハンドルギアに伝達する一方、電動巻き上げ時には太陽歯車を介して前記ハンドルギアに伝達されるモータ側の回転動力を空転によって前記ハンドル軸に伝達することを遮断する請求項4または5記載の魚釣用電動リール。
  7. モータ動力伝達機構中にワンウェイクラッチを設け、当該ワンウェイクラッチは、電動巻き上げ時に前記モータ側の回転動力を前記遊星歯車機構のドライブギアに伝達する一方、手動巻き上げ時には太陽歯車を介して前記遊星歯車機構に伝達される前記手動巻き上げ機構側の回転動力を前記モータに伝達することを遮断する請求項6記載の魚釣用電動リール。
  8. 遊星歯車機構とモータ間に減速歯車機構を設け、当該減速歯車機構の最終歯車をワンウェイクラッチを介してドライブギアの外歯と噛合させた請求項7記載の魚釣用電動リール。
  9. 遊星歯車機構は、低速側での電動巻き上げ中、スプールからドラグ板を介してキャリアに作用するラインの繰り出し方向の負荷が一定未満となったときに、それまで回転を停止していた太陽歯車が周囲に塗布されたグリスの粘性により遊星歯車につられて前記巻き上げ方向に回転し、前記遊星歯車の公転が速まることで、前記キャリアは、前記負荷が一定以上であるときよりも高速で、且つ、高速側での電動巻き上げ時よりも低速で回転する請求項1から8のうち何れか一項記載の魚釣用電動リール。
  10. さらに、電動式のドラグ調整機構を備え、該ドラグ調整機構は、回転レバーと、該回転レバーの操作角を検出するポテンションメータと、電動巻き上げ用のモータとは別に、前記ポテンションメータの検出値に応じた角度だけ回転制御されるサブモータとを備え、該サブモータの回転運動を直線運動に変換するカム機構を介してスプールを軸方向に変位させて、キャリアとの間でドラグ板の圧接力を調整可能とした請求項1から9のうち何れか一項記載の魚釣用電動リール。
  11. ドラグ調整機構は、回転レバーとは別にサブモータを駆動制御可能なクラッチオンオフ部を有し、オフ時には、その時点でのポテンションメータの検出値を記憶すると共に、前記サブモータを反転駆動してカム機構をスプールフリーの位置まで可動する一方、オン時には、前記サブモータを正転駆動して前記カム機構を前記記憶したポテンションメータの検出値に対応する位置に復帰させる請求項10記載の魚釣用電動リール。
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