JP7215786B1 - 塗り箸及び塗り箸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾力があり表面が湿潤で平滑な滑りやすい食品であったとしても軽い力で摘まみ上げることができ、食品を取りこぼすことのない塗り箸、及び塗り箸の製造方法を提供すること。【解決手段】棒状の箸木地1に塗料2が塗布されて構成される塗り箸100において、前記箸木地1における食品を挟持する先端部11は天然の木材から構成されるとともに、前記先端部11の表面は研削された研削面であり、前記研削面には木材の表面組織が研削により削り起こされたことよる微細な凹凸13・13…が形成され、前記塗料2が塗布された状態における前記先端部11の表面には前記微細な凹凸に基づく凹凸形状15・15…が現出している構成とした。【選択図】 図2

Description

特許法第30条第2項適用 令和4年3月17日付け 新規性の喪失の例外証明書提出書を参照。
本発明は、食品を滑り落とすことなく摘まみ上げることのできる塗り箸、及び塗り箸の製造方法に関する。
箸を使って食品を摘まみ上げる場合、多くの人は、食品の硬さや滑りやすさ等を直感的に捉えて無意識に指の力を加減し、食品が滑り落ちないようにしている。しかし、幼児や外国人等の箸を使い慣れていない人や高齢者等は、力の加減がうまくできず、食品を取りこぼしてしまうことがある。また、箸の扱いに習熟した人であっても、表面が滑らかで湿潤な食品を箸で掴もうとすると、力加減が及ばず、思わず滑って取りこぼしてしまう場合もある。
特に、木製の箸木地に塗料を塗布した塗り箸は、高い耐久性とともに多様な意匠性を備える一方で、塗料の塗膜によって食品が滑り落ちやすいという特徴がある。そのため、これまで塗り箸に滑り止め効果を付与するために種々の工夫がなされてきている。
一例を挙げると、従来においては、塗料に粒状物を混ぜて食品を摘まむ先端部に凹凸を形成したり、先端部に所定間隔で溝や突起を形成したりすることが行われている。
例えば、特許文献1には、先端部に木粉を混ぜた漆を塗布した箸の技術が開示されている。
特許文献1の技術を概説すると、当該箸900は、図10に示すように、合成樹脂からなる箸本体91の先端部92の表面全体がサンドペーパー等の研磨具で削られることにより粗面化され、その表面に木粉93・93…を混ぜた漆が塗布されることで、漆層94が形成されている。
特許文献1の技術によれば、当該箸900には、漆層94に木粉93・93…が含まれることでその漆層94の表面95に僅かな凹凸が形成されている。そのため、この箸900で食品を摘まんだときの滑りを防止することができるとされている。特に、木粉93・93…の大きさを所定の粒度にすることによって滑止効果を十分に発揮しつつ、漆層94の表面に口や唇が触れたときの、前記凹凸による違和感を減少させることができるという効果もあるとされている。
また、先端部に凹凸を形成する例として、特許文献2には、先端部の外周に所定の間隔をおいて鉢巻き状の凸部を設けた箸の技術が開示されている。凸部の断面形状は、円弧状や三角形等の形状を選択することができるとされている。
特許文献2の技術によれば、先端部で食品を摘まむ際、外周面から突出した凸部が、摘ままれた食品に食い込んで安定して挟持される効果があるとされている。
一方で、凹凸や突起等の形成によることなく食べ物の滑り落ちを防止する箸も開発されている。例えば、特許文献3には、先端部に滑らかな塗装層を形成する一方、正方形である箸の横断面形状を、持手部と先端部とで長手方向の軸周りに互いに角度を振った位置関係とした箸が開示されている。持手部と先端部とで横断面形状の角度を変えることで、箸を持った際に、各箸の先端部において正方形の角部同士が対向するような配置となる。
特許文献3の技術によれば、角部同士が互いに相手の先端部側に突出し、その角部で食品を摘まむことができる。このため、箸先部の表面が滑らかであっても、その先端部によって食品を容易に摘むことができる効果があるとされている。
特開2010-274003号公報 実用新案登録第3176066号公報 特開2014-136109号公報
特許文献1の技術では、表面が柔らかな食品に対しては、先端部の木粉による凹凸が食品に食い込んで滑止効果を発揮すると考えられる。しかし、特許文献1に例示されている粒度では、例えばこんにゃくのような弾力があり表面が湿潤で平滑な食品に対しては、強い力で挟まなければ木粉による凹凸が食品表面に食い込まず、湿潤で平滑な表面上を滑って食品を取りこぼす可能性があることから、滑止効果は限定的であるといえる。
また、特許文献2の技術では、箸の長手方向に対する滑り落ちについては、鉢巻き状の凸部が食品表面の凹凸に係り合って滑止効果を発揮する可能性がある。しかし、食事の場合には、箸を水平に近い角度で持って食品を摘まみ上げる場合も多い。そのため、箸の長手方向と直交する方向に対しては、前記凸部の滑止効果は発揮し得ないということができる。
特許文献3の技術については、断面正方形の角部の稜線同士が対向する配置であったとしても、その稜線を含む先端部全体の表面が滑らかに塗装されている以上、角部の稜線の摩擦係数は極めて低いと考えられるため、食品を摘まむためには強い力を必要とする。仮に強い力で挟むことができたとしても、前記のこんにゃくの例のように、弾力があり表面が湿潤で平滑な食品に対しては、箸の滑らかな表面と食品との間に水分の膜が介在し、容易に滑り落ちてしまうと考えられる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、弾力があり表面が湿潤で平滑な滑りやすい食品であったとしても軽い力で摘まみ上げることができ、食品を取りこぼすことのない塗り箸、及び塗り箸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を以下に説明する。
本発明の塗り箸は、棒状の箸木地に塗料が塗布されて構成されている。前記塗料は天然の塗料や合成塗料等、その種類は限定されない。また、塗料は箸木地全体に塗布される構成の他、箸木地の一部に塗布される構成であっても、本発明の塗り箸に含まれる。
前記箸木地における食品を挟持する先端部は、天然の木材から構成される。天然の木材とは、単一の天然木を加工して直接得られる木材の他、複数の木材を複合した材料や、天然木から得られた材料に加工を施して得られる材料等もこれに含まれる。
ここで、天然の木材から構成される箸木地の先端部の表面は、研削された研削面である。研削とは、砥石や砥粒を用いて材料表面を研ぎながら削り取っていく加工法をいい、研削面とは、このような研削加工によって得られる表面をいう。
本発明の塗り箸の前記研削面には、木材の表面組織が研削により削り起こされたことよる微細な凹凸が形成されている。
微細な凹凸の形成について以下に詳述する。天然の木材は、多数の細長い中空の細胞が集まって構成されている。天然の木材の基本組織は広葉樹と針葉樹とでは若干異なるが、いずれにしても、その長手方向が木の長手方向に伸びるように配置され、それらが直径方向に密に寄せ集まっている。
天然の木材を箸木地とする場合、木の長手方向が箸木地の長手方向となるように加工される。したがって、木の細胞は、その長手方向が箸木地の長手方向に沿うようになる。
このような木取りの箸木地の先端部を研削すると、中空の細胞の表面が研削により破壊され、細胞壁の一部が削り起こされた状態となり、細胞の長手方向にこれが連続する。そして、削り起こされた凸部と細胞の中空部とにより微細な凹凸が生じる。これにより、箸木地の先端部は、研削によるうねりやランダムに砥粒が削りとってできた凹凸に、木の表面組織が研削により削り起こされたことによる微細な凹凸が重畳したような表面状態となる。
表面組織が研削により削り起こされたことによる微細な凹凸には、箸として食品を摘まんだ際、強い摩擦力を生じさせ、食品を保持する作用がある。これは凹凸が微細であることから、凸部の先端の面積が極めて小さく、摘まむ力が軽い力であったとしても、食品の表面に非常に強い圧力で食い込むためである。
また、前記微細な凹凸が数多く存在することにより、それらの凹部に食品表面の水分を蓄え、食品の表面から局所的に水分の膜を除去する作用もあると考えられる。
このような微細な凹凸を有する先端部に対して、塗料を塗布することで塗り箸とする。ここで、前記塗料が塗布された状態における前記先端部の表面には、前記微細な凹凸に基づく凹凸形状が現出するように構成する。
一般的に箸木地に塗料を塗布して塗り箸とする場合、箸木地の表面を覆い隠すように重厚に塗布することが行われる。一方、塗料を薄塗りする場合もあり得るが、それは塗料の色相に木目をわずかに透けさせる等、意匠性を備えることが目的にある。
ところが、前記一般的な塗料の塗布の仕方であると、仮に薄塗りであったとしても、箸木地の切削加工によって形成された木地表面の凹凸が塗料を塗布することにより埋没してしまうため、箸木地の表面状態は滑らかになる。特に表面組織が研削により削り起こされた結果生じた微細な凹凸は、たとえ塗料を極薄く塗った場合でも、容易に埋没してしまうことになる。
本発明においては、塗料が塗布された状態における先端部の表面には、微細な凹凸に基づく凹凸形状が現出しているように構成することにより、塗料を塗布した後であっても、微細な凹凸に基づく凹凸形状によって、滑りやすい食品を前記機序によって安定して保持する作用を維持することができる。
また、無塗装の箸であれば使用中に水分を吸収して表面状態が変化したり、反りが発生したりするため、常用の箸として求められる耐久性を欠くことになるが、本発明では、先端部の表面に塗料が塗布されていることで、塗り箸としての耐久性向上や多様な意匠性を備えるという従来の効果をも維持することができる。
本発明は、上記手段の他、以下の手段を採用することもできる。
例えば、前記先端部の表面には物質の付加または切削加工からなる溝形状が無い構成とすることも可能である。
従来技術のように、粒状物や別の突起状のものを付加したり粘度の高い塗料を部分的に付加したりする等、何等かの物質を付加して滑り止めの突起を形成する場合や、切削によって溝を形成する場合、付加した物質による突起や溝形状の大きさは前記微細な凹凸よりも大きな凹凸となる。このような大きな凹凸は、摘まむ力による食品への圧力を僅かに上昇させる効果はあるが、全体として食品と塗り箸の先端部とが接触している面積を減少させてしまう。
その反面、これら物質の付加または切削加工からなる溝形状が無い状態とすれば、先端部の全体が食品の表面に接触し、前記微細な凹凸による食品を保持する作用を先端部全体で生じさせることができ、より安定して食品を摘まみ上げることができる。
また、前記先端部の表面には前記箸木地の長手方向に沿う研削の条痕が生じているように構成することも可能である。
食事の際、塗り箸を水平に近い角度で持って食品を摘まみ上げる場合においては、研削の条痕が長手方向に沿うように構成されることで、塗り箸の長手方向に直交する方向に研削砥粒の粗さに応じた凹凸が生じる。これにより、前記微細な凹凸による食品の保持の作用に加え、この研削の条痕による凹凸が食品の凹凸に係り合い、より安定して食品を保持することができる。
また、前記先端部の少なくとも一部の表面における凹凸形状の振幅のパワースペクトル密度を、空間周波数20(1/mm)においては1.0-10(um2・mm)以上とし、空間周波数400(1/mm)においては1.0-14 (um2・mm)以上とすることが好ましい。
振幅のパワースペクトル密度とは、測定対象の表面の凹凸の振幅を単位空間周波数幅当たりのパワー値として表現したものであり、下記の数式1により表される。
Figure 0007215786000002

ここで、PSDはパワースペクトル密度、Pは振幅のパワー(um2)、Δfは単位空間周波数幅(1/mm)である。
本発明におけるパワースペクトル密度の算出について説明すると、まず、表面粗さ測定器等を用いて、測定対象となる塗り箸の先端部表面の凹凸を、一定のサンプリング周期ごとに所定の評価長さに亘って測定する。測定対象となる塗り箸の先端部が持手部に対して傾斜している場合には、最小二乗法を用いて測定データの回帰直線を求め、傾斜を補正しておく。次いで、補正した測定データを離散フーリエ変換して、空間周波数(1/mm)ごとの振幅(um)のデータを得る。これにガウシアンフィルタを乗じ、うねり成分を除去する。ガウシアンフィルタはJIS B 0634に準じた下記の数式2によって定義される。
Figure 0007215786000003

ここで、α=√(ln2/π)であり、λは測定したデータ毎の周期の値である。また、λcはフィルタのカットオフ値である。
そして、振幅のデータを自乗してパワーとし、単位空間周波数幅当たりのパワー密度とするために、サンプリング周波数(サンプリング周期の逆数)で割る。
以上の手順により振幅のパワースペクトル密度を算出することができる。なお、得られたパワースペクトル密度の値は単位空間周波数ごとに大きく上下する値となることが多いため、前後10点の移動平均で平均化処理を施して評価することとする。
このパワースペクトル密度を用いれば、塗り箸の先端部の表面にどのくらいの波長の凹凸成分がどのくらいの割合で含まれているかを評価することができる。具体的には、前述の表面組織が研削により削り起こされたことによる微細な凹凸は、空間周波数20以上の細かい波長の凹凸の合成により構成されている。これより低い空間周波数の凹凸は、砥粒による条痕や研削によって生じるうねり等によるものである。
その一方で、空間周波数400を超える波長の凹凸は測定誤差成分を多く含んでおり、これより細かい凹凸は、前記微細な凹凸の形成には実質的にほとんど寄与していないと考えられる。
そのため、空間周波数が20から400の範囲の凹凸が微細な凹凸を形成している主な周波数成分であり、特に、空間周波数20(1/mm)においては1.0×10-10(um2・mm)以上のPSDとなる凹凸が含まれ、空間周波数400(1/mm)においては1.0×10-14(um2・mm)以上のPSDとなる凹凸が含まれているような表面状態であることにより、食品を安定的に保持する作用がより顕著に生じることとなる。
さらに、本発明においては、前記先端部の少なくとも一部の表面における凹凸形状の傾きヒストグラムにおいて、傾き0.4以上、-0.4以下の割合が、前記傾きヒストグラム全体の1.0%以上であるようにすることが好ましい。
傾きヒストグラムとは、表面粗さの測定データにおいて、ある地点の振幅の値と1サンプリング周期となりの振幅の値との差(dZ)を、1サンプリング周期(dx)で割ることでその傾き(dZ/dx)を求め、所定の度数ごとにヒストグラムにしたものである。
この傾きヒストグラムのグラフは、中心が0で両側に寄るほどそれぞれ正負に傾きが増大することを意味する。その傾きヒストグラムの値は中心に寄った分布になるほど平坦で滑らかであることを示し、値が左右に振った分布になるほど、急峻な凹凸が多く存在することを示す。
この傾きヒストグラムの値において、傾き0.4以上、-0.4以下のデータ数の全データ数に対する割合を求める。本発明では、その割合が傾きヒストグラム全体の1.0%以上であると、急峻な凹凸が多く含まれることとなるため、先端部における食品を安定的に保持する作用がより顕著に生じることとなる。
さらに、本発明においては、前記塗料は、常温で固形であり、布帛に移しとって先端部に布帛を擦り付けることで塗布するものとすることが望ましい。
常温で液体の塗料は、塗布することで先端部に大量に付着して前記微細な凹凸を埋めてしまう可能性が高い。その点、常温で固形の塗料であれば、一旦布帛に移しとり、その布帛を前記先端部に擦り付けるように塗布するものとすれば、柔らかな布帛が前記微細な凹凸を寝かせてしまう恐れもないうえ、前記微細な凹凸を埋めない程度に薄く塗布することができる。
このような塗料としては、蜜蝋が特に好ましい。蜜蝋はミツバチの巣を構成する蝋を精製したものであり、天然素材であるため口に入っても人体に安全である。また、適度な硬さであるため、塗布するうえでも作業性が良い。
ところで、上記のような塗り箸の製造方法としては、以下のような手段を採用することができる。
まず、前記箸木地を塗り箸の形状に加工した後、食品を挟持する部分であって天然の木材から構成される先端部を粗さ番手100番以下の砥粒を用いてさらに研削する。
箸木地を塗り箸の形状に研削により加工する場合においては、一般的には、仕上がりの良さを目的として番手100番以上のものが使用され、塗り箸形状とするための研削加工後、塗料を塗布する等して製品とする。本発明では、塗り箸の形状に加工した後、さらに番手100番以下の粗い砥粒を敢えて用いて先端部をさらに研削することで、木材の表面組織を削り起こしやすくしている。
このように粗い番手で追加研削することによって、前記先端部の表面に木材の表面組織が削り起こされたことよる微細な凹凸を形成する。そして、研削した前記先端部の表面に前記微細な凹凸に基づく凹凸形状が現出するように前記塗料を薄く塗布する。
なお、前記追加研削は、箸木地を塗り箸の形状に加工した後であれば、合成塗料等を箸木地全体に塗布して仕上げた後に、先端部をさらに研削するようにしてもよく、追加研削に前工程が含まれることを除外するものではない。
また、本発明の塗り箸の製造方法においては、前記研削の方向を逆目にすることも可能である。
箸木地を、前述の通り木の長手方向が箸木地の長手方向とすることにより、箸木地の側面部は柾目または板目の木目が生じる。先端部は持手部よりも細くなるように傾斜状に研削されるところ、木目に沿って削る際は、表面を滑らかにするために順目に削るのが一般的である。
本発明では、これを敢えて逆目に削ることで、木材の表面組織を削り起こしやすくしている。
逆目に研削する場合には、前記先端部を前記箸木地の長手方向に条痕が生じるように研削することが好ましい。このように研削することにより、塗り箸の長手方向に直交する方向に研削砥粒の粗さに応じた凹凸を生じさせることができる。
これにより、前記微細な凹凸による食品の保持の作用に加え、この研削の条痕による凹凸が食品の凹凸に係り合い、より安定して食品を保持することができる塗り箸を得ることができる。
本発明の塗り箸では、箸木地の先端部の表面に、表面組織が研削により削り起こされたことよる微細な凹凸が形成され、塗料が塗布された状態においても、先端部の表面には前記微細な凹凸に基づく凹凸形状が現出している構成としている。
このような構成としたことにより、前記微細な凹凸が食品の表面に強い圧力で食い込んで食品を保持する作用を、塗料の塗布後においても生じさせることができる。
これにより、表面が湿潤で平滑な滑りやすい食品であったとしても軽い力で摘まみ上げることができ、食品を取りこぼすことのない塗り箸とすることができるという効果がある。
また、本発明の塗り箸の製造方法は、番手100番以下の粗い砥粒を用いて逆目に研削する構成としている。そのため、先端部の表面に木材の表面組織が削り起こされたことよる微細な凹凸を形成しやすくすることができる。
これにより、前記のような食品を取りこぼすことのない塗り箸を確実に安定して生産することができるという効果がある。
本発明の塗り箸を表す正面図及び拡大断面図である。 本発明の塗り箸と従来の塗り箸との表面状態の比較を表す模式図である。 本発明の塗り箸の製造方法を表す説明図である。 比較例3及び4の外観を表す正面図である。 本発明の実施例及び比較例の表面の輪郭曲線を表すグラフである。 本発明の実施例及び比較例の表面の輪郭曲線の拡大図である。 本発明の実施例及び比較例の表面のパワースペクトル密度を表すグラフである。 本発明の実施例及び比較例の表面の傾きヒストグラムを表すグラフである。 本発明の塗り箸の変形例を表す正面図である。 特許文献1の従来例を表す説明図である。
本発明を実施するための形態について、図1から図3に基づいて以下に説明する。
なお、図2における表面状態は説明のために模式的に表現したものである。
本発明の塗り箸100は、図1に示すように一対の塗り箸であり、棒状の箸木地1の表面に塗料2が塗布されて構成されている。箸木地の横断面は、本実施の形態では角を丸めた正方形であるが、横断面は円形や多角形等種々の形状を選択することができる。また、食品を摘まむ先端部11は、対向する位置の持手部12よりも傾斜状に細くなっているが、先端部11と持手部12とが同じ太さであっても構わない。
箸木地1は、天然の木材から構成されており、例えば、メープル、欅、桜、梅、栗、南天、アオダモ、桑、栃、黒檀、紫檀、マラス、ブナ等の広葉樹や、杉、松、桧等の針葉樹の他、竹等を用いることができる。また、無垢材以外にも、木の表面組織が残存していれば、これらの木材を重ね合わせた複合材や集成材であってもよい。
塗料2は、亜麻仁油、白蝋、桐油、カルナバ蝋、蜜蝋等の天然の塗料の他、アクリル塗料やエポキシ塗料等の合成塗料等種々の塗料を選択することができる。特に、常温で固形であり、布帛に移しとって先端部に布帛を擦り付けることで塗布するものが好ましく、例えば蜜蝋は、塗布の作業性や人体への安全性から好ましい。
先端部11は、一般的に滑り止めを目的に設けられている周期的な突起や溝が無く、長手方向に直線状であることが好ましい。また、先端部11の表面は長手方向に直線状であっても、その表面には、粒度の粗い粒状物を付着させたり切削により溝形状を形成したりする等によって、粗面を形成しないことが望ましい。これら突起や溝、粒状物による凹凸形状は、食品表面への局所的な圧力を高める一定の効果が期待できるものの、本発明においては、食品表面への先端部11の接触面積を減少させることにより、全体として食品表面に対する摩擦力を低下させることとなる。
先端部11の表面状態については、図2(a)に示すように、箸木地1を塗り箸の形状に研削した後、先端部11に対してさらに研削を行うことで、表面組織が研削により削り起こされたことによる微細な凹凸13・13…が生じている。なお、図2は先端部11における表面の断面を説明のために模式的に図示している。
この微細な凹凸13・13…は、追加の研削により破壊された細胞壁等の木の表面組織が毛羽立って生じたものと考えられ、多くの箇所で中程度の凹凸14・14…に重畳して形成されている。中程度の凹凸14・14…は、研削の砥粒による凹凸や、木材の組織における導管または仮道管の比較的大きなものや樹脂溝等の空洞部が露出したことにより生じる凹凸に起因するものと考えられる。
従来においては、上記表面状態の先端部11に対して、塗り箸の形状に加工した後、塗料2’を仮に薄塗りしたとしても、図2(b)に示すように、塗料2’は微細な凹凸13’・13’…を埋めてしまっているのが一般的であった。この状態では、微細な凹凸に基づく凹凸形状15・15…が現出せず、微細な凹凸13’・13’…による食品の表面に非常に強い圧力で食い込むという作用が塗料2’の塗布後には生じなくなってしまう。
それに対して本実施の形態では、図2(a)に示すように、箸木地1を塗り箸の形状に研削した後さらに粗い番手で先端部11を研削し、その研削面に形成された微細な凹凸13・13…の表面に沿って凹凸を埋めることがないように塗料2が塗布されている。これにより、塗料2が塗布された状態における先端部11の表面には、微細な凹凸に基づく凹凸形状15・15…が現出した状態となっている。
したがって、微細な凹凸13・13…による上記作用が、塗布後に現出している微細な凹凸に基づく凹凸形状15・15…においても生じ、表面が湿潤で平滑な滑りやすい食品であったとしても軽い力で摘まみ上げることができ、食品を取りこぼすことのない塗り箸100とすることができる。
この塗料2が塗布された状態における先端部11の表面状態においては、特定の凹凸の状態であると食品の保持の作用がより効果的になる。表面状態の違いについては、凹凸の振幅のパワースペクトル密度及び傾きヒストグラムにより評価することができる。この点については後述する。
本実施の形態における塗り箸100は、図3に示す工程によって製造することができる。
まず、図3(a)に示すように、木材Wを棒状の箸木地1となるようにカットする。このとき、木の長手方向が箸木地1の長手方向となるようにカットする。図1の形態では横断面が正方形であるため、任意の対向する2面は柾目となり、隣り合う2面は板目となる。
次に、図3(b)に示すように、箸木地1を塗り箸の形状になるように加工する。この加工は例えばグラインダーやベルトサンダーによる研削を採用することができるが、塗り箸の形状に加工できる方法であれば特に制限されない。また、この時、先端部11を含む箸木地1全体に合成塗料を塗布することで、先端部11以外の部分の外観を最終状態となるように仕上げるようにしても構わない。
箸木地1を塗り箸の形状に加工した後、先端部11をさらに研削する。図3(c)ではベルトサンダーによる研削の様子が示されているが、グラインダー等他の研削の手段を採用しても構わない。本実施の形態においては、砥石の粗さは、番手100番以下の粗いものを使用する。
これらの特徴を有する研削加工により、研削面に微細な凹凸13・13…が形成されやすくなる。
このようにして製造された箸木地1の先端部11に対して、図3(d)に示すように、塗料2を塗布する。
塗料2の塗布においては、微細な凹凸13・13…の突起を倒してしまったり、凹凸を埋めてしまったりしないように、塗料2に常温で固形のものを採用するのが好ましい。
塗布作業においては、固形の塗料を柔らかな布帛Cに移しとって、先端部11に布帛Cを擦り付けることで塗布する。これにより、微細な凹凸13・13…を消失させることなく、塗布後には微微細な凹凸に基づく凹凸形状15・15…が現出した状態とすることができる。
ただし、微微細な凹凸に基づく凹凸形状15・15…が現出した状態とすることができるのであれば、液体の塗料やスプレー等の塗布方法を選択することもできる。
なお、必要に応じて、持手部12には別の塗料を用いて彩色を施す等の処理を行うこともできる。
上記製造方法における研削作業においては、砥石に対して箸木地1を横向きにして押し当てて研削してもよいが、砥石に対して箸木地1を縦向きにして押し当てるようにしてもよい。
また、仮に手作業で縦向きに研削する場合であっても、表面の仕上がりを滑らかにするため、順目で研削するのが一般的な考え方であるところ、逆目になるように研削するようにしてもよい。なお、木の元口から末口の向きに研削する方向が逆目である。
これらの特徴を有する研削加工により、研削面に微細な凹凸13・13…がより形成されやすくなる。
さらに、前記先端部を前記箸木地の長手方向に条痕が生じるように研削すると、砥粒による直線状の条痕によって所々に比較的幅が細く深い溝が形成される。食品を摘まんで持ち上げる際には、塗り箸100は一般的には水平に近い角度になることから、この長手方向に沿う溝により、表面が柔らかな食品であればその表面が溝の角に係り合って取りこぼしにくくなるという効果も期待できる。
『実証実験』
次に、本発明の効果の実証実験について説明する。本試験では、塗り箸の表面状態が異なる複数のサンプル(下記実施例1、比較例1から5)を作製し、これらの各サンプルについて、食品の滑り落ちにくさの定性的評価、及び表面粗さの測定結果からパワースペクトル密度と傾きヒストグラムの算出と比較評価を行った。
以下に、実施例1、比較例1から5の各サンプルの条件及び結果について説明する。
「実施例1」
実施例1では、箸木地の材質としてメープルを用い、断面正方形の塗り箸の形状となるように研削した後、先端部を番手100番の砥石で逆目となるようにさらに研削し、先端部へ蜜蝋を布帛によって塗布した塗り箸を作製した。
「比較例1」
比較例1では、箸木地の材質としてブナを用い、断面円形の塗り箸の形状となるように旋削した後、先端部へアクリル塗料を分厚く塗布し、表面が滑らかとなる塗り箸を作製した。
「比較例2」
比較例2では、箸木地の材質としてマラスを用い、断面正方形の塗り箸の形状となるように番手100番の砥石で長手方向に直交する方向に研削した後、先端部へ塗布する塗料として漆を薄く塗布した塗り箸を作製した。
「比較例3」
比較例3では、箸木地の材質として竹を用い、断面円形の塗り箸の形状となるとともに、螺旋模様の周期的な凹凸が生じるように旋削した後、先端部へ塗布する塗料として漆を薄く塗布した塗り箸を作製した。本比較例の外観図を図4(a)に示す。
「比較例4」
比較例4は、市販の塗り箸であり、箸木地の材質として桜を用い、断面は円形であり、先端部へ塗布する塗料として蜜蝋を用いるとともに、粒状物を塗布して先端部を粗面化した塗り箸である。本比較例の外観図を図4(b)に示す。
「比較例5」
比較例4は、市販の塗装していない箸であり、箸木地の材質として桧を用い、断面は円形であり、先端部はその条痕から箸を横向きにして研削したと思われる箸である。
<食品の滑り落ちにくさの定性的評価>
上記サンプルを用い、食品の滑り落ちにくさを定性的に評価した。
評価において用いた食品は表面が滑らかなこんにゃくであり、幅約20mm、長さ約30mm、厚さ約5mmにカットしたものを水の中に浸し、そこから厚さ方向に箸で摘まんで持ち上げ、徐々に力を抜いたときにどのくらいの力で滑り落ちたかを比較した。
評価結果としては、最も滑り落ちにくかった箸を10、最も滑り落ちやすいかった箸を1とした場合に、その他の箸が、その間のどのくらいの力で滑り落ちたかを相対評価した。
評価は、男女2人で行い、それぞれの点を平均した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007215786000004
最も滑り落ちにくかったのは塗装をしていない比較例5であり、実施例1はそれより若干滑り落ちやすいと感じるものの、ほとんど同程度の滑り落ちにくさであった。
最も滑り落ちやすかったのは表面が滑らかになるように塗布した比較例1であった。また、比較例2は断面が実施例1と同様の正方形であるが、滑り落ちにくさでは比較例1よりも若干良い程度であった。
比較例3は表面に周期的な螺旋状の突起が形成されており、比較例4は粒状物によって粗面化されているため、両者とも滑り止め効果を狙ってはいるが、いずれも比較例1及び2よりは良かったものの、実施例1とは明らかに滑り落ちやすかった。
<パワースペクトル密度の評価>
次に、前記実施例1及び比較例1から5と同一のサンプルについて、表面粗さを測定し、その測定データから振幅のパワースペクトル密度を算出して比較した。
表面粗さの測定は触針式表面粗さ試験機を用いた。具体的にはテーラーホブソン株式会社製フォームタリサーフPGI1200を用いた。分解能はZ方向が0.8mm、ダイヤモンドスタイラスの接触力は0.2gである。
測定条件は、サンプリング周期0.25um、評価長さ12.5mmとし、総データ数は50001個である。また、うねり除去のガウシアンフィルタにおけるカットオフ波長λcは0.8とした。
測定後のデータは計算機の数値計算ソフトによって回帰曲線を求め傾斜を補正し、技術計算ソフトで離散フーリエ変換したものにガウシアンフィルタを適用してうねりを補正した。そして、振幅の値を自乗してサンプリング周波数で割ることでパワースペクトル密度を算出した。なお、パワースペクトル密度は前後10点の移動平均を取っている。
測定した各サンプルの表面の輪郭曲線を図5(a)~(f)に示し、その拡大図を図6(a)~(f)に示す。
滑り落ちにくさの定性的評価において、特に滑り落ちにくい結果となった実施例1及び比較例5は、図6(a)(f)に示すように、微小な凹凸に基づく凹凸形状がはっきり現れている。それに対して、滑り落ちやすい結果となった比較例1から4については、図6(b)~(e)に示すように、塗料によって微小な凹凸が埋まって応答が滑らかになっており、微小な凹凸に基づく凹凸形状がはっきり現れていない結果となった。
また、算出したパワースペクトル密度を図7(a)~(f)に示し、空間周波数20、40、80、100、200、400(1/mm)の値を表2に示す。
Figure 0007215786000005
滑り落ちにくさの定性的評価において、特に滑り落ちにくい結果となった実施例1及び比較例5は、空間周波数20(1/mm)においては1.0-10(um2・mm)以上となり、空間周波数400(1/mm)においては1.0×10-14(um2・mm)以上であることがわかった。
一方、滑り落ちやすい結果となった比較例1から4については、空間周波数400(1/mm)においては、比較例3と4は1.0×10-14 (um2・mm)以上であったものの、比較例1と2は1.0×10-14 (um2・mm)未満であることがわかった。
また、空間周波数20(1/mm)においては、以下比較例1から4のいずれも1.0×10-10(um2・mm)未満であることがわかった。
次に、算出した傾きヒストグラムを図8(a)~(f)に示し、各傾きの割合を表3に示す。
Figure 0007215786000006
滑り落ちにくかった実施例1及び比較例5においては、傾き0.4以上、-0.4以下の数の割合が傾きヒストグラム全体の1.0%以上であり、滑り落ちやすかった比較例1は全くなく、比較例2から4も僅かにしか含まれていなかった。すなわち、実施例1及び比較例5は、急峻な凹凸が多く含まれている表面状態であるということができる。
以上の結果から、実施例1は、塗料を塗布しているにも関わらず、塗料を塗布していない比較例5と同様の、急峻で微細な凹凸に基づく凹凸が現出しているということができ、塗り箸としては最も食品が滑り落ちにくい箸となっているということができる。
また、特に先端部に切削による周期的な突起形状や粒状物が付着していると、著しく滑り落ちやすくなるということができる。
このように、本発明によれば、箸に不慣れな子供や高齢者、外国人であったとしても、こんにゃくのような表面が湿潤で平滑な滑りやすい食品を軽い力で摘まみ上げることができ、食品を取りこぼすことのない塗り箸とすることができる。
『変形例』
本発明は、以上の実施形態に限られず、他の形態を採用することもできる。
例えば、図9に示す塗り箸101においては、基本的な構成は図 1の実施形態と同様であるが、箸木地1の先端部11と持手部12が着脱可能に分離して構成されている点が異なる。例えば、持手部12の先端にナットを埋入し、先端部11の対向する面に雄ねじを埋入して突出させるように構成すれば、先端部11を持手部12に回し入れるだけで装着することができる。
本実施形態では、例えば先端部11は天然の木材から構成し、持手部12は耐久性を更に向上させたり、意匠性を付与したりするために、金属や樹脂によって構成することが可能である。また、先端部11が折れたり欠けたりした場合であっても、先端部11のみを交換することができる。
この塗り箸101であっても、先端部11は塗料2が塗布されていることから、塗り箸であるということができる。また、先端部11には、微細な凹凸に基づく凹凸形状15・15…が現出していることから、表面が湿潤で平滑な滑りやすい食品であったとしても軽い力で摘まみ上げることができ、食品を取りこぼすことのないという効果を発揮することができる。
100,101 塗り箸
1 箸木地
11 先端部
12 持手部
13 微細な凹凸
14 中程度の凹凸
15 微細な凹凸に基づく凹凸形状
2 塗料
C 布帛
W 木材

Claims (8)

  1. 棒状の箸木地に塗料が塗布されて構成される塗り箸において、
    前記箸木地における食品を挟持する先端部は天然の木材から構成されるとともに、前記先端部の表面は研削された研削面であり、
    前記研削面には木材の表面組織が研削により削り起こされたことよる微細な凹凸が形成され、
    前記塗料が塗布された状態における前記先端部の表面には前記微細な凹凸に基づく凹凸形状が現出していることを特徴とする、塗り箸。
  2. 前記先端部の表面には物質の付加または切削加工からなる溝形状が無いことを特徴とする、請求項1に記載の塗り箸。
  3. 前記先端部の表面には前記箸木地の長手方向に沿う研削の条痕が生じていることを特徴とする、請求項1または2に記載の塗り箸。
  4. 前記先端部の少なくとも一部の表面における凹凸形状の振幅のパワースペクトル密度は、空間周波数20(1/mm)においては1.0×10-10(um2・mm)以上であり、空間周波数400(1/mm)においては1.0×10-14 (um2・mm)以上であることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の塗り箸。
  5. 前記先端部の少なくとも一部の表面における凹凸形状の傾きヒストグラムにおいて、傾き0.4以上、-0.4以下の割合が、前記傾きヒストグラム全体の1.0%以上であることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の塗り箸。
  6. 前記塗料は、常温で固形であり、布帛に移しとって先端部に布帛を擦り付けることで塗布するものであることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の塗り箸。
  7. 前記請求項1から6の何れか1項に記載の塗り箸の製造方法において、
    前記箸木地を塗り箸の形状に加工した後、食品を挟持する部分であって天然の木材から構成される先端部を粗さ番手100番以下の砥粒を用いてさらに研削し、
    前記研削によって前記先端部の表面に木材の表面組織が削り起こされたことよる微細な凹凸を形成し、
    研削した前記先端部の表面に前記微細な凹凸に基づく凹凸形状が現出するように前記塗料を薄く塗布することを特徴とする、塗り箸の製造方法。
  8. 前記先端部の研削の方向は逆目であり、前記箸木地の長手方向に条痕が生じるように研削することを特徴とする、請求項7に記載の塗り箸の製造方法。
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