JP7215727B2 - 過酸化水素の製造方法及び過酸化水素の製造装置 - Google Patents

過酸化水素の製造方法及び過酸化水素の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、過酸化水素の製造方法及び過酸化水素の製造装置に関し、特に複合金属酸化物電極を用いた過酸化水素の製造方法に関する。
従来、過酸化水素を製造する方法として、水素と酸素とを原料とし、アントラセン誘導体の自動酸化反応を利用する方法(アントラキノン法)が工業的に用いられている。しかし、ベンゼンなど大量の有機溶媒の添加を必要とし、また多くの副生成物や触媒の劣化が生じるので、環境負荷が大きく、また、様々な分離工程や再生工程を必要とするなどの不利な点がある。さらに、原料として水素を用いるため、製造コストが高い点で問題である。
この対策として、安価な水のみを原料とし、電解槽を用いたアノード電極での酸化反応により過酸化水素を製造する方法が報告されている。例えば、炭酸塩を含む電解液と、該電解液中に設けられ、固体酸化物を表面に有するアノード電極を用い、アノード電極を+1.8V(RHE)よりも正の電位にして過酸化水素を製造する方法が開示されている(特許文献1)。また、BiVOあるいはTiOからなる金属酸化物をFTO基材に担持させたアノード電極を用いると、他の金属酸化物をFTO基材に担持させたアノード電極を用いた場合と比較して、過酸化水素の発生量が増大することが報告されている(非特許文献1)。
特開2017-39981号公報
K.Fuku外4名、「Enhanced Oxidative Hydrogen Peroxide Production on Conducting Glass Anodes Modified with Metal Oxides」,ChemistrySelect 2016年, 1, 5721頁~5726頁
電極反応により工業的に過酸化水素を製造する場合、製造コストを低減すること等の観点から、電流効率の向上や低電圧化を図ることが重要である。しかしながら、上記特許文献1や非特許文献1の技術では、BiVOや一種類の金属元素の金属酸化物を担持させたアノード電極を用いて過酸化水素を製造することが開示されているが、過酸化水素の製造における電流効率の向上や低電圧化についての技術思想は開示されていない。
本発明の目的は、環境負荷を大幅に低減しつつ、過酸化水素をより高い電流効率で製造することができる過酸化水素の製造方法及び過酸化水素の製造装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、複数の金属元素を含む複合金属酸化物をアノード電極として用い、特定の複数の金属元素を組み合わせると、各金属元素単体の金属酸化物をアノード電極として用いた場合よりも過酸化水素の生成における電流効率が向上することを見出した。また、特定の金属元素を組み合わせた複合金属酸化物を用いると、従来の複合金属酸化物であるBiVOを用いた場合よりも優れた電流効率を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1]炭酸塩を含む電解液を収容する電解槽内に設置されたアノード電極及びカソード電極の間に電圧を印加して、前記電解液から過酸化水素を製造する方法であって、
前記アノード電極は、複数の金属元素が組み合わされた複合金属酸化物を有し、
前記複合金属酸化物が、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セシウム(Cs)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)及びマグネシウム(Mg)から選択される複数の金属元素を含む、過酸化水素の製造方法。
[2]前記複数の金属元素が、銅、インジウム、バナジウム、ガリウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とアンチモンの組み合わせで構成される、上記[1]に記載の過酸化水素の製造方法。
[3]前記複数の金属元素が、銅とアンチモンの組み合わせか、又はインジウムとアンチモンの組み合わせで構成される、上記[2]に記載の過酸化水素の製造方法。
[4]前記複数の金属元素が、アルミニウム、インジウム、ガリウム、チタン及び鉛のうちから選ばれるいずれかの金属元素とバナジウムの組み合わせで構成される、上記[1]に記載の過酸化水素の製造方法。
[5]前記複数の金属元素が、アルミニウム、ニオブ、タンタル、ストロンチウム及びジルコニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素と鉛の組み合わせで構成される、上記[1]に記載の過酸化水素の製造方法。
[6]前記複数の金属元素が、マグネシウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素と銅の組み合わせで構成される、上記[1]に記載の過酸化水素の製造方法。
[7]前記複数の金属元素が、セシウム及びアルミニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とビスマスの組み合わせで構成される、上記[1]に記載の過酸化水素の製造方法。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載の過酸化水素の製造方法を行うための製造装置であって、
前記電解液を収容可能な電解槽と、
前記電解槽内に設置されたアノード電極及びカソード電極と、
を備える過酸化水素の製造装置。
[9]前記アノード電極が、導電性基材と、前記導電性基材に形成され、前記複合金属酸化物で構成される複合金属酸化物層とを有する、上記[8]に記載の過酸化水素の製造装置。
[10]前記電解槽が、アノード電解液を収容可能なアノード室と、カソード電解液を収容可能なカソード室と、前記アノード室と前記カソード室とを区切る隔膜とを有する、請求項8に記載の過酸化水素の製造装置。
本発明によれば、環境負荷を大幅に低減しつつ、過酸化水素をより高い電流効率で製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る過酸化水素の製造装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本実施形態の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。
図1は、本発明の実施形態に係る過酸化水素の製造装置の構成を示す模式図である。
図1に示すように、過酸化水素の製造装置10は、電解液を収容する電解槽12と、電解槽12内に設置されたアノード電極14及びカソード電極16とを備えている。アノード電極14とカソード電極16は、直流電源を介して電気的に接続される。
本実施形態では、電解槽12は、アノード電解液18を収容可能なアノード室24と、カソード電解液20を収容可能なカソード室26と、アノード室24とカソード室26とを区切る隔膜22とを有する。
炭酸塩を含むアノード電解液18は、例えば炭酸水素カリウムと水からなり、炭酸水素イオンのようなアニオンと、カリウムイオンのようなカチオンとを含む。カソード電解液20は、例えば酸素が溶解した炭酸塩の水溶液である。炭酸塩を含む電解液は、そのpHが中性付近である場合に過酸化水素の生成効率が向上する。それ故、pHを中性付近に下げるため、炭酸塩を含む電解液にCO2ガスを流通させるようにしても良い。
隔膜22は、水素、酸素、過酸化水素を拡散、及び透過しにくい膜であるのが好ましく、イオン交換膜が特に好ましい。これにより、アノード電極14及びカソード電極16で生成した過酸化水素が、アノード電極14及びカソード電極16で分解することを防止することができる。このようなイオン交換膜としては、カチオン交換膜が好ましく、過酸化水素のような酸化剤に対して耐久性のあるフッ素系樹脂のカチオン交換膜がより好ましい。
本実施形態では、電解槽12は、隔膜22を有する二室型であるが、これに限らず、隔膜22を有しない一室型であってもよい。電解槽12が一室型である場合、上述のアノード電解液18と同様、炭酸塩と水からなる電解液を用いることができる。
上記炭酸塩としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を含むものが挙げられ、LiHCO3、KHCO3、MgCO3、CaCO3であることが好ましく、水溶性の高いKHCO3であることが更に好ましい。
アノード電極14は、複数の金属元素が組合せられた複合金属酸化物を有する。アノード電極14は、例えば、導電性基材と、該導電性基材上に形成され、上記複合金属酸化物で構成される複合金属酸化物層とを有する。
上記導電性基材としては、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)などの酸化物の導電性ガラス基材、カーボンや金属などの耐熱性の導電性基材などが挙げられる。電極の安定性や効率よく過酸化水素を製造する観点から、導電性酸化物を表面に有するガラス基材を用いることがより好ましい。導電性基材の形状は、特に限定されないが、好ましくは板状体である。
上記複合金属酸化物は、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セシウム(Cs)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)及びマグネシウム(Mg)から選択される複数の金属元素を含んでいる。このように、特定の複数の金属元素が組合せられた複合金属酸化物をアノード電極14に用いることで、上記金属元素の単独の酸化物を用いる場合よりも電流効率が向上する。アノード電極14に含まれる複合金属酸化物は、複合金属酸化物を構成する金属元素の単独の金属酸化物よりも過酸化水素を生成する電流効率が高いものであればよいが、酸点を持ち、熱分解法にて作製可能であり、空気中あるいは水中で比較的安定である物質がより好ましい。
上記複数の金属元素は、銅、インジウム、バナジウム、ガリウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とアンチモンの組み合わせで構成されるか、アルミニウム、インジウム、ガリウム、チタン及び鉛のうちから選ばれるいずれかの金属元素とバナジウムの組み合わせで構成されるか、アルミニウム、ニオブ、タンタル、ストロンチウム及びジルコニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素と鉛の組み合わせで構成されるか、マグネシウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素と銅の組み合わせで構成されるか、又は、セシウム及びアルミニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とビスマスの組み合わせで構成されるのがより好ましい。上記複数の金属元素が、上述した組み合わせの金属元素で構成される場合、2種の金属元素の元素比率(モル比)は、例えば1:1や2:1などである。
また、上記複数の金属元素は、銅、インジウム、バナジウム、ガリウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とアンチモンの組み合わせで構成されるか、アルミニウム、インジウム及びガリウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とバナジウムの組み合わせで構成されるか、アルミニウムと鉛の組み合わせで構成されるか、又は、セシウム及びアルミニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とビスマスの組み合わせで構成されるのが好ましい。上記複数の金属元素が、上述した組み合わせの金属元素で構成される場合、2種の金属元素の元素比率(モル比)は、例えば1:1や2:1などである。これにより、バナジウムとビスマスを含む従来の複合金属酸化物(BiVO)をアノード電極14に用いた場合と比較して電流効率を向上することができる。
更に、上記複数の金属元素は、銅とアンチモンの組み合わせ、又はインジウムとアンチモンの組み合わせで構成されるのがより好ましい。上記複数の金属元素が、銅とアンチモンの組み合わせで構成される場合、2種の金属元素の元素比率(アンチモン:銅)は、例えば2:1である。また、上記複数の金属元素が、インジウムとアンチモンの組み合わせで構成される場合、2種の金属元素の元素比率(アンチモン:インジウム)は、例えば1:1である。これにより、従来の複合金属酸化物(BiVO)をアノード電極14に用いた場合と比較して、過酸化水素生成における電流効率を向上することができると共に、印加電圧を小さく、または同程度にすることができる。
複合金属酸化物は、熱分解法や混合粉末の焼結法、電着法あるいはスパッタリングなどのような気相成膜法などの各種の方法により製造可能であるが、なかでも、製造方法が簡便な観点から、熱分解法で作製されることが好ましい。熱分解法としては、例えば、薄膜形状で基材に担持する塗布熱分解法が挙げられる。この熱分解法では、元素を含む溶液(場合によってはコロイド溶液や懸濁液など)をよく混合して原料液を調製し、それを焼成することで固体金属酸化物を作製する。熱分解法には、溶液で混合するので均一な組成物を作製できる利点があるが、特に、熱分解法の一種である塗布熱分解法では、薄膜を形成する場合に、塗布と焼成を繰り返して積層することで精密なものが作製できるなどの利点もある。上記熱分解法は、元素を含む液を混合して焼成する方法ならばよく、ゾルゲル法、錯体重合法、有機金属分解法なども挙げることができる。また、溶液粘度や薄膜の多孔性を制御するために、ポリエチレングリコールやエチルセルロースなどのポリマーや有機物を溶液に添加してもよい。
カソード電極16は、特に限定されないが、例えば白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)及びカーボン(C)から選択される一又は複数の材料で構成される。効率よく過酸化水素を製造するための観点からは、カソード電極16は白金で構成されるのが好ましい。
本実施形態に係る過酸化水素の製造方法では、炭酸塩を含む電解液を収容する電解槽内に設置されたアノード電極及びカソード電極の間に電圧を印加して、前記電解液から過酸化水素を製造する。このとき、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セシウム(Cs)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)及びマグネシウム(Mg)から選択される複数の金属元素を含む複合金属酸化物を有するアノード電極を用いる。
例えば、上記の過酸化水素の製造装置10において、上記群から選択される複数の金属元素を含む複合金属酸化物を有するアノード電極14と、カソード電極16とを電解槽12内に設置し、電解槽12のアノード室24とカソード室26とを隔膜22で区切り、アノード室24に炭酸塩を含むアノード電解液18を収容すると共に、カソード室26にカソード電解液20を収容し、アノード電極14とカソード電極16の間に電圧を印加する。
これにより、アノード電極14では、例えば標準酸化還元電位が+1.8V(RHE)より正側である酸化還元反応が生じ、アノード電解液18中の被酸化物である水(HO)から、酸化生成物の過酸化水素(H)を製造することができる。また、直流電源から電流が流れると、アノード電極14上で炭酸水素イオンが酸化されて中間体の過炭酸アニオンを生成し、さらにこの過炭酸アニオン中間体が水を酸化して過酸化水素を生成する。
アノード電極14の「標準酸化還元電位が+1.8V(RHE)よりも正側である」とは、可逆水素電極〔RHE(reversible hydrogen electrode)〕を基準電極としたときのアノード電極14の電位が+1.8Vよりも正の電位であることを意味する。
一方、カソード電極16では、標準酸化還元電位が+0.68V(RHE)より負側である酸化還元反応によって酸素を還元し過酸化水素を製造することができる。効率よく過酸化水素を製造するために、アノード電極とカソード電極の電位差としては、アノード電極反応の標準酸化還元電位とカソード電極反応の標準酸化還元電位との差よりも過電圧分だけ少し多く電圧を印加することが好ましい。
カソード電極16側の反応は、図1に例示されているが、アノード電極14側における反応を進めることができれば、その例示に限定されず、様々な反応を選択することができる。印加する電圧をできるだけ小さくしてコストを抑制する反応を選択したり、ある程度の電圧を印加しても有用な化学種をカソード電極16側における還元で製造する反応を選択したりすることもできる。例えば、水、酸素のような被還元物を還元し、水素、過酸化水素のような還元生成物を製造することができるが、過酸化水素をより大量に得る観点から、酸素から過酸化水素を製造することは特に好ましい。その場合には原料となる酸素は、高純度の酸素ガス又は空気のどちらでもよく、空気圧縮機などでカソード室26に流通させる。また、ガス拡散電極などの気相反応も好ましい。アノード電極14とカソード電極16は電気的に接続され、電極反応に必要な電圧をその間に印加するが、好ましい電圧はカソード室26で生じる電極反応の選択などの条件により決定する。
上述したように、本実施形態によれば、炭酸塩の存在下においてアノード電極での水の酸化反応により過酸化水素を製造するので、工業的に用いられるアントラキノン法と比較して、有機物を使用しないため環境負荷を大幅に低減することができ、また、煩雑な工程を必要とせず、製造コストを低減できる。更に、特定の複数の金属元素を含む複合金属酸化物を有するアノード電極を用いることで、各金属元素単体の金属酸化物をアノード電極として用いた場合よりも電気化学的に過酸化水素をより高い電流効率で製造することができる。加えて、特定の二種類の金属元素が組合せられた複合金属酸化物を用いると、従来の複合金属酸化物であるBiVOを用いた場合よりも優れた電流効率を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
アンチモン前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)、銅前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)、および増粘剤としてエチルセルロースを溶解した酢酸ブチルからなる溶液(各金属元素の濃度0.2M)を、アンチモンと銅の元素比率(モル比)を1:1となるように混合して、FTOからなる導電性基材の表面にスピンコートした。これを空気中で650℃、30分間で焼成し、アンチモンと銅の複合金属酸化物を有するアノード電極を作製した。
次に、カチオン交換膜を隔膜とした二室型の電解槽のうちのアノード室に、アンチモンと銅の複合金属酸化物を有するアノード電極を、カソード室に白金メッシュからなるカソード電極をそれぞれ設置し、直流電源を介してこれらの電極を電気的に接続した。そして、0.5MのKHCO3水溶液をアノード室及びカソード室に35mLずつ注入した。アノード電解液及びカソード電解液にCOガスを100mL/分で流通し、氷浴で電解槽を5℃以下に冷却しながら、2.0mAの定電流が15分間に亘って流れるように電圧を印加し、流れた電荷量が1.8Cとなるように電気化学反応を行った。
2.0mAの定電流に必要な印加電圧を測定した。また、過酸化水素を生成したアノード電解液から1.0mLを採取し、1.0MのHCl水溶液0.9mL、及び0.1MのFeCl2水溶液0.1mLを添加し、Fe2+がFe3+に変化した呈色量を測定することにより、電気化学反応によって生成した過酸化水素を定量し、通電量から電流効率を求めた。
(実施例2)
アンチモンと銅の元素比率を2:1となるよう溶液を混合してスピンコートしたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例3)
アンチモン前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びインジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例4)
アンチモン前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びバナジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例5)
アンチモン前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びガリウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例6)
アンチモン前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びセシウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例7)
バナジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びアルミニウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例8)
バナジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びインジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例9)
バナジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びガリウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例10)
バナジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びチタン前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例11)
バナジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及び鉛前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例12)
鉛前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びアルミニウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例13)
鉛前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びニオブ前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例14)
鉛前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びタンタル前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例15)
鉛前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びストロンチウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例16)
鉛前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びジルコニウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例17)
銅前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びマグネシウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例18)
銅前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びセシウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例19)
ビスマス前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びセシウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(実施例20)
ビスマス前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びアルミニウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(比較例1)
アノード電極としてFTOからなる導電性基材をそのまま用いたこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
(比較例2)
ビスマス前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)及びバナジウム前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を用いたこと、並びに550℃で焼成したこと以外は、実施例1と同様にして印加電圧及び電流効率を求めた。
上記で求められた実施例1~実施例20及び比較例1~2の印加電圧及び電流効率を、表1に示す。
Figure 0007215727000001
(比較例3~比較例23)
表2に示す各金属元素の前駆体塗布液(SYMETRIX社製、EMOD塗布型材料)を単独で用い、実施例1と同様にしてFTOからなる導電性基板の表面にスピンコートし、空気中で550℃もしくは650℃、30分間で焼成して、各金属元素単独の金属酸化物を有するアノード電極を作製した。実施例1と同様に2.0mAの定電流が15分間に亘って流れるように電圧を印加し、流れた電荷量が1.8Cとなるようにして電気化学反応を行った。2.0mAの定電流に必要な印加電圧を測定し、また、過酸化水素の生成量からその電流効率を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0007215727000002
表1及び表2の結果から、実施例1では、アンチモン及び銅の複合金属酸化物をアノード電極に用いると、アンチモンの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例3)及び銅の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例4)のいずれと比較しても、印加電圧が同程度か小さく、且つ電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率は低下するものの、印加電圧が小さいことが分かった。
実施例2では、アンチモンと銅の元素比率が2:1であると、実施例1と比較して、印加電圧が更に小さく且つ電流効率が更に向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、印加電圧が小さく且つ電流効率が向上することが分かった。
実施例3では、アンチモン及びインジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、アンチモンの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例3)及びインジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例5)のいずれと比較しても、印加電圧が小さく且つ電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、印加電圧が同程度で且つ電流効率が向上することが分かった。
実施例4では、アンチモン及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、アンチモンの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例3)及びバナジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例6)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例5では、アンチモン及びガリウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、アンチモンの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例3)及びガリウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例7)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例6では、アンチモン及びセシウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、アンチモンの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例8)及びセシウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例9)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例7では、バナジウム及びアルミニウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、バナジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例10)及びアルミニウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例11)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例8では、バナジウム及びインジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、バナジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例10)及びインジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例12)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例9では、バナジウム及びガリウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、バナジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例10)及びガリウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例13)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例10では、バナジウム及びチタンの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、バナジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例10)及びチタンの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例14)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。
実施例11では、バナジウム及び鉛の複合金属酸化物をアノード電極に用いると、バナジウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例10)及び鉛の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例15)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。
実施例12では、鉛及びアルミニウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、鉛の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例16)及びアルミニウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例11)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例13では、鉛及びニオブの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、鉛の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例15)及びニオブの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例17)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。
実施例14では、鉛及びタンタルの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、鉛の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例15)及びタンタルの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例18)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率は低下するものの、印加電圧が小さいことが分かった。
実施例15では、鉛及びストロンチウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、鉛の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例15)及びストロンチウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例19)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。
実施例16では、鉛及びジルコニウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、鉛の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例15)及びジルコニウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例20)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。
実施例17では、銅及びマグネシウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、銅の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例4)及びマグネシウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例21)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。
実施例18では、銅及びセシウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、銅の金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例4)及びセシウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例22)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。
実施例19では、ビスマス及びセシウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、ビスマスの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例23)及びセシウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例9)のいずれと比較しても、電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
実施例20では、ビスマス及びアルミニウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いると、ビスマスの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例23)及びアルミニウムの金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例11)のいずれと比較しても、且つ電流効率が向上することが分かった。また、ビスマス及びバナジウムの複合金属酸化物をアノード電極に用いた場合(比較例2)と比較して、電流効率が向上することが分かった。
以上の実施例により、以下の本発明の実施態様も把握することができる。
(付記1)
電解液を収容可能な電解槽と、
前記電解槽内に設置されたアノード電極及びカソード電極と、を備え、
前記アノード電極は、複数の金属元素が組合せられた複合金属酸化物を有し、
前記複合金属酸化物が、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セシウム(Cs)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)及びマグネシウム(Mg)から選択される複数の金属元素を含む、過酸化水素の製造装置。
10 過酸化水素の製造装置
12 電解槽
14 アノード電極
16 カソード電極
18 アノード電解液
20 カソード電解液
22 隔膜
24 アノード室
26 カソード室

Claims (6)

  1. 炭酸塩を含む電解液を収容する電解槽内に設置されたアノード電極及びカソード電極の間に電圧を印加して、前記電解液から過酸化水素を製造する方法であって、
    前記アノード電極は、複数の金属元素が組み合わされた複合金属酸化物を有し、
    前記複合金属酸化物が、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セシウム(Cs)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)及びマグネシウム(Mg)から選択される複数の金属元素を含
    前記複数の金属元素が、
    銅、インジウム、バナジウム、ガリウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とアンチモンの組み合わせで構成されるか、
    アルミニウム、インジウム、ガリウム、チタン及び鉛のうちから選ばれるいずれかの金属元素とバナジウムの組み合わせで構成されるか、
    アルミニウム、ニオブ、タンタル、ストロンチウム及びジルコニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素と鉛の組み合わせで構成されるか、
    マグネシウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素と銅の組み合わせで構成されるか、又は、
    セシウム及びアルミニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素とビスマスの組み合わせで構成される、
    過酸化水素の製造方法。
  2. 前記複数の金属元素の組み合わせにおいて
    銅、インジウム、バナジウム、ガリウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素をB、アンチモンをAとするか
    アルミニウム、インジウム、ガリウム、チタン及び鉛のうちから選ばれるいずれかの金属元素をB、バナジウムをAとするか、
    アルミニウム、ニオブ、タンタル、ストロンチウム及びジルコニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素をB、鉛をAとするか、
    マグネシウム及びセシウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素をB、銅をAとするか、又は、
    セシウム及びアルミニウムのうちから選ばれるいずれかの金属元素をB、ビスマスをAとしたとき、
    前記複合金属酸化物を構成する2種の金属元素の元素比率(モル比、A:B)は、1:1又は2:1である、請求項1に記載の過酸化水素の製造方法。
  3. 前記複数の金属元素が、銅とアンチモンの組み合わせか、又はインジウムとアンチモンの組み合わせで構成される、請求項1又は2に記載の過酸化水素の製造方法。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の過酸化水素の製造方法を行うための製造装置であって、
    前記電解液を収容可能な電解槽と、
    前記電解槽内に設置されたアノード電極及びカソード電極と、
    を備える過酸化水素の製造装置。
  5. 前記アノード電極が、導電性基材と、前記導電性基材に形成され、前記複合金属酸化物で構成される複合金属酸化物層とを有する、請求項に記載の過酸化水素の製造装置。
  6. 前記電解槽が、アノード電解液を収容可能なアノード室と、カソード電解液を収容可能なカソード室と、前記アノード室と前記カソード室とを区切る隔膜とを有する、請求項に記載の過酸化水素の製造装置。
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