以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本実施形態における教育支援システム100の構成を示す。教育支援システム100は、生徒側(学校)に設けられる記入デバイス10及び接続デバイス12と、管理サーバ20と、教師側に設けられる教師用端末30とをネットワーク5を介して通信可能に構成したものである。
生徒側には、各生徒が使用する記入デバイス10と、接続デバイス12とが設けられる。記入デバイス10は、デジタルペン10a、又は、タブレット10bとタッチペン10cの組み合わせである。即ち、生徒は、テストや演習を行う際、デジタルペン10aを利用して専用用紙である答案用紙に解答を記入するか、タブレット10bに対してタッチペン10cで解答を記入する。以下の説明では、単に「記入デバイス10」と言った場合は、デジタルペン10a、及び、タブレット10bとタッチペン10cの組み合わせの両方を含むものとする。なお、図1では、便宜上、デジタルペン10aと、タブレット10b及びタッチペン10cを1つずつしか図示していないが、実際には、生徒数に応じた数のデジタルペン10a又はタブレット10bとタッチペン10cが使用される。
接続デバイス12は、記入デバイス10から受信したデータを外部へ送信するための通信用端末である。接続デバイス12は、例えば、PC、スマートフォン、無線親機などであり、記入デバイス10から記入データ「D1」を受信する。記入デバイス10と接続デバイス12との間の通信は、無線であっても有線であってもよい。本実施形態では、記入データD1は、デジタルペン10a、又は、タブレット10bとタッチペン10cの組み合わせを用いて生徒が入力した解答(答えを導くための計算式などの書込みも含む)を表す解答情報であり、例えば、解答を表す筆跡の時系列の位置を示す位置情報と、各位置での時刻を示す時刻情報とを含む。接続デバイス12は、受信した記入データD1を、ネットワーク5を通じて管理サーバ20へ送信する。なお、ネットワーク5を通じた接続デバイス12と管理サーバ20との通信は有線であっても無線であってもよい。
管理サーバ20は、テスト情報データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)24と、テスト結果DB28とに接続されている。管理サーバ20は、生徒側の接続デバイス12から各生徒の記入データD1を受信し、記入データD1から生徒が記入したストロークを抽出し、解答の筆跡を再現するためのストローク情報としてテスト結果DB28に記憶する。ネットワーク5を通じた管理サーバ20と教師用端末30との通信は有線であっても無線であってもよい。また、管理サーバ20は、後述するように、テスト情報DB24又は/及びテスト結果DB28を参照することで、教師用端末30に送信すべき表示データ「D2」の生成処理や、タブレット10bに送信すべき表示データ「D3」の生成処理などを行う。
教師側に設けられた教師用端末30は、例えばデスクトップPC、ラップトップPC、タブレットPCなどである。なお、教師用端末30がタブレットPCである場合には、生徒側に設けられる接続デバイス12の如き通信用端末を教師側に設けてもよい。この場合、接続デバイス12は、生徒側及び教師側の共用の通信用端末として機能してもよい。教師用端末30は例えば液晶ディスプレイなどの表示部を備える。教師用端末30は、管理サーバ20から表示データD2を受信し、教師用端末30の表示部に表示する。なお、教師用端末30は、教室内に設けられた図示しないプロジェクターや大型ディスプレイなどに接続し、表示データを上述のプロジェクターや大型ディスプレイに供給することで、クラスの生徒が視認できるように表示を行うことも可能である。
[装置構成]
図2(A)は、タブレット10bの構成を示すブロック図である。図示のように、タブレット10bは、通信部13、記憶部14、タッチセンサ15、制御部16、及び表示部17を備える。これらの構成要素は、バス19により相互に接続されている。
通信部13は、接続デバイス12を介して管理サーバ20等と通信を行う。記憶部14は、RAM、ROMなどのメモリにより構成される。記憶部14には、制御部16により実行される様々な処理のプログラムが記憶される。制御部16は、それらのプログラムを実行することにより、タブレット10b全体を制御する。また、記憶部14は、制御部16が様々な処理を実行する際の作業メモリとして機能する。例えば、タッチセンサ15が取得した解答の電子データは、一時的に記憶部14に保存される。
タッチセンサ15は、表示部17上に設けられており、解答者のタッチペン10cによる入力やタッチを検出する。タッチセンサ15が入力やタッチを検出することにより、解答者が入力した内容が電子データとして取得される。表示部17は、タブレット10bの前面に設けられる液晶パネルなどであり、テスト(演習等も含む)の問題や解答フォームなどを表示する。
制御部16は、CPUなどのコンピュータにより構成され、タブレット10bの各構成要素を制御する。例えば、クラスの各生徒がタブレット10bを利用してテストを行う場合、制御部16は、通信部13により、テストの問題や解答フォームなどを表示するための表示データD3を、接続デバイス12を介して管理サーバ20から受信する。また、制御部16は、通信部13により、各生徒の解答データを示す記入データD1を、接続デバイス12を介して管理サーバ20に送信する。また、制御部16は、解答欄が選択されたことを検知した場合に、解答を入力するためのパネル(「解答入力キーボード」とも呼ぶ。)を表示部17に表示する。さらに、制御部16は、テストの終了後において、管理サーバ20から接続デバイス12を介して送信される表示データD3に基づき、答案の記入状況に応じたアドバイスを示す画面(「アドバイス画面」とも呼ぶ。)を表示部17に表示する。解答入力キーボード及びアドバイス画面の表示処理については、[解答入力キーボードの表示]及び[アドバイス画面の表示]の各セクションにおいて詳しく説明する。
図2(B)は、管理サーバ20の構成を示すブロック図である。管理サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。なお、これらの構成要素と、テスト情報DB24と、テスト結果DB28とは、バス29を介して相互に接続されている。
通信部21は、ネットワーク5を通じて生徒側の接続デバイス12及び教師側の教師用端末30と通信を行うための通信ユニットである。記憶部22は、RAM、ROMなどのメモリにより構成される。記憶部22には、制御部23により実行される様々な処理のプログラムが記憶される。
制御部23は、CPUなどのコンピュータにより構成され、管理サーバ20の各構成要素を制御する。例えば、制御部23は、通信部21が生徒側の接続デバイス12から受信した記入データD1から、生徒が記入したストロークを抽出する。また、制御部23は、後述するように、解答欄に記入されたストロークに対して文字認識処理(OCR:Optical Character Recognition)を行い、後述のテスト情報DB24に記憶された正答情報と比較することで、解答の正否判定なども行う。また、制御部23は、後述するテスト情報DB24及びテスト結果DB28を参照することで、教師用端末30に供給する表示データD2と、タブレット10bに供給する表示データD3とをそれぞれ生成する。
テスト情報DB24は、生徒に実施させるテストに関する情報であるテスト情報を記憶している。テスト情報は、テストの問題情報、正答情報に加えて、設問ごとの単元(カテゴリ)を示す単元情報などを含んでいる。また、テスト情報には、タブレット10bが表示すべきテストの表示データが含まれてもよい。また、後述するように、テスト情報は、タブレット10bにより解答を入力する際にタブレット10bが表示すべき解答入力キーボードに関する情報を含んでいる。
テスト結果DB28は、過去に実施されたテストの実施結果に関する情報であるテスト結果情報を、テストを実施した生徒の識別情報等と関連付けて記憶している。テスト結果DB28は、テストの実施日時ごとに、テストを実施した各生徒に対応するテスト結果情報を記憶している。テスト結果情報は、例えば、テストの実施日に関する情報、テストを実施した生徒の識別情報、当該生徒が記述した解答を示す解答情報(解答の筆跡を再現するためのストローク情報も含む)、設問毎の正誤情報、設問毎の単元情報、設問毎の得点率、そのテストにおける生徒の順位(クラス順位、学年順位、全体順位など)の情報、及び生徒による解答の記述状況に関する情報を含む。
ストローク情報は、例えば、答案内における各ストロークの位置情報、及び、当該ストロークが記入された時刻情報を少なくとも含む。また、ストローク情報は、消去されたストロークに関する情報であってもよい。この場合、ストローク情報は、例えば、消去されたストロークを特定する情報(例えば位置情報)と、当該ストロークが消去された時刻情報とを含む。記述状況に関する情報は、記入データD1から抽出されたストローク情報を解析することで得られる情報であり、例えば、ストロークごとの記入時間、各ストロークの書き終わりから次のストロークの書き始めまでの停滞時間、記入されたストローク数(「書込量」とも呼ぶ。)、消去されたストローク数(「消去量」とも呼ぶ。)などの情報を含む。
図2(C)は、教師用端末30の構成を示すブロック図である。教師用端末30は、通信部33と、記憶部34と、入力部35と、制御部36と、表示部37とを備える。なお、これらの構成要素は、バス39を介して相互に接続されている。
通信部33は、制御部36の制御に基づき、管理サーバ20等と通信を行い、表示データD2の要求及び受信などを行う。記憶部34は、RAM、ROMなどのメモリにより構成される。記憶部34には、制御部36により実行される様々な処理のプログラムが記憶される。制御部36は、それらのプログラムを実行することにより、教師用端末30の全体を制御する。また、記憶部34は、制御部36が様々な処理を実行する際の作業メモリとして機能する。入力部35は、表示する画面などを教師用端末30の利用者である教師が指定するための入力デバイスであり、例えば、キーボード、マウス、タッチセンサ、音声入力装置などが該当する。
制御部36は、CPUなどのコンピュータにより構成され、教師用端末30の各構成要素を制御する。例えば、制御部36は、通信部33を介し、入力部35によるユーザ入力に基づき表示データD2の要求信号を管理サーバ20に送信し、その応答として管理サーバ20から表示データD2を受信する。そして、制御部36は、受信した表示データD2に基づき、各種画面を表示部37に表示する。制御部36は、受信した表示データD2に基づき、問題ごとの各生徒の誤答などを集計した画面(「誤答集計画面」とも呼ぶ。)、生徒ごとのテストの得点率の経過を示した画面(「テスト経過画面」とも呼ぶ。)、及び生徒が記述した答案を示した画面(「答案再現画面」とも呼ぶ。)などを表示部37に表示する。誤答表示画面、テスト経過画面及び答案再現画面の表示処理については、それぞれ、[誤答表示画面の表示]、[テスト経過画面の表示]及び[答案再現画面の表示]の各セクションにおいて詳しく説明する。
[誤答集計画面の表示]
まず、教師用端末30が表示する誤答集計画面について説明する。図3は、あるクラス(ここでは1年2組)で行ったテスト(ここでは1学期の数学の期末テスト)に関する誤答集計画面の初期表示例である。教師用端末30は、図3に示す誤答集計画面を、管理サーバ20から受信する表示データD2に基づき表示する。ここでは、教師用端末30は、誤答集計画面上に、テスト指定欄40と、問題別集計表41と、個別表示選択欄42と、時間表示選択欄43と、を表示している。
テスト指定欄40は、表示対象となるテストを指定するためのプルダウンメニュー形式の入力欄であり、表示対象となるテストを指定する入力を受け付ける。教師用端末30は、テスト指定欄40での入力情報(ここでは1学期末テストの数学を指定する情報)を管理サーバ20に送信することで、問題別集計表41を表示するための表示データD2を管理サーバ20から受信する。
問題別集計表41は、テスト指定欄40により指定されたテストに対する生徒の正誤情報を示した表であり、設問毎の全生徒の誤答数の集計結果を表示する集計表示欄45と、生徒ごとの各問に対する正誤情報を示した個別表示欄46とを有する。
図3の例では、教師用端末30は、集計表示欄45上に、設問ごとに集計した対象のクラスの生徒の誤答数を表示すると共に、最も多い誤答数(ここでは問1-1の誤答数「6」)を強調表示している。また、教師用端末30は、集計表示欄45の誤答数を示す各欄の右下に、設問毎の停滞時間(ストロークの書き終わりから次のストロークの書き始めまでの時間)の合計時間に対する全生徒の平均値を表示している。
また、教師用端末30は、個別表示欄46には、各生徒の年組を示す「年組」、クラス内の生徒番号を示す「番号」、及び生徒の名前を示す「名前」の各項目により特定される生徒ごとに、対象のテストの得点の合計と、「問1-1」から「問3-1」までの各設問に対応する正誤情報及び停滞時間とを表示している。なお、図3の例では、正誤情報として、正解の設問に対しては「〇」、不正解の設問に対しては「×」、無解答の設問に対しては「無」、欠席者に対応する設問に対しては「-」が表示されている。
また、教師用端末30は、「名前を表示」と記された個別表示選択欄42のチェックが外された場合、時間表示選択欄43のチェックの有無に関わらず、個別表示欄46を非表示とし、各生徒の名前や正誤情報を非表示にする。また、教師用端末30は、「時間を表示」と記された時間表示選択欄43のチェックのみが外された場合、集計表示欄45及び個別表示欄46の各欄の右下に表示された設問毎の停滞時間の表示を非表示にする。
ここで、図3の表示における管理サーバ20の処理について補足説明する。管理サーバ20は、教師用端末30からテスト指定欄40での入力情報を受信した場合、対象の年組の各生徒の対象のテストに対応するテスト結果情報をテスト結果DB28から参照する。これにより、管理サーバ20は、各生徒の設問毎の正誤情報及び停滞時間などを認識し、図3に示す問題別集計表41を含む誤答集計画面の表示データD2を生成する。
また、管理サーバ20は、テスト結果DB28に登録する各テストに対するテスト結果情報の生成時には、各設問の解答欄に記入された内容をOCRによりデジタル化し、デジタル化した解答をテスト情報DB24に記憶された正答と比較することで、各設問の正誤判定を行う。そして、管理サーバ20は、テスト及び生徒ごとに、設問毎のデジタル化した解答及びデジタル化前の解答(即ち解答の筆跡を再現するためのストローク情報)を含む解答情報と、正誤判定結果を示す正誤情報と、得点情報とを少なくとも関連付けたテスト結果情報を生成し、テスト結果DB28に記録する。
図4は、問1-1に対応する誤答数「6」が選択された場合の誤答集計画面の表示例である。なお、ここでは一例として、個別表示選択欄42のチェックが外れたことにより個別表示欄46が非表示となっている。
この場合、教師用端末30は、選択された設問(ここでは問1-1)に対する各生徒の解答例(解答分類)を多い順に並べた解答例一覧表47を表示する。ここでは、教師用端末30は、解答例一覧表47として、デジタル表示した解答例と当該解答例に属する解答を行った人数との組み合わせを、人数が多い順に表示している。このように、教師用端末30は、ユーザが選択した設問に対し、各生徒の解答の集計結果を好適に表示することができる。
また、教師用端末30は、項の記載順のみが異なる実質同一の解答例(ここでは「5x+8y」と「8y+5x」)を明示するため、これらの解答例における「人数」の隣の分類表示欄50を異なる色にて着色している。さらに、教師用端末30は、解答例一覧表47では、欠席者及び無解答者に対する解答例をそれぞれ「欠席」及び「無解答」として表示すると共に、正答の解答例には、正答例であることがわかるように「(正)」を付している。
さらに、解答例一覧表47の下方には、解答例一覧表47の表示内容を決定するためのチェックボックス48a~48dが設けられている。ここで、チェックボックス48aは、正答例の表示の要否を指定する欄であり、チェックボックス48bは、誤答例の表示の要否を指定する欄であり、チェックボックス48cは、無解答の表示の要否を指定する欄であり、チェックボックス48dは、欠席者の表示の要否を指定する欄である。図5は、誤答例の表示の要否を指定するチェックボックス48b以外のチェックボックス48a、48c、48dのチェックが外された場合の誤答集計画面の表示例である。この場合、教師用端末30は、誤答例の表示の要否を指定するチェックボックス48bのみがチェックされていることから、解答例一覧表47として、誤答例とその誤答例に属する解答を行った人数との組み合わせのみを表示する。このように、教師用端末30は、ユーザ操作に基づき、特定の解答例のみを解答例一覧表47に表示することが可能である。
ここで、図4に示す誤答集計画面の表示データD2の生成処理について補足説明する。テスト結果DB28には、設問毎のデジタル化した解答及びデジタル化前の解答を示す解答情報及び正誤情報などを含むテスト結果情報が生徒及びテストごとに記録されている。よって、管理サーバ20は、テスト結果DB28に記録された対象の設問に対する各生徒のデジタル化した解答を解答例ごとに分類し、各解答例に属する解答を行った人数を集計する。この場合、管理サーバ20は、OCRにより得られた文字列が同一となる解答については、同一の解答例に属する解答とみなすことで、各生徒の解答を解答例ごとに分類する。そして、管理サーバ20は、集計結果に基づき解答例一覧表47の表示データD2を生成し、当該表示データD2を教師用端末30に送信する。また、管理サーバ20は、式中の項の並び順のみが異なる解答例などを検出した場合、これらを実質的に同一内容の解答例とみなし、当該解答例の分類表示欄50に異なる色を着色した解答例一覧表47の表示データD2を生成し、当該表示データD2を教師用端末30に送信する。
また、教師用端末30は、解答例一覧表47の任意の解答例が選択された場合、選択された解答例に分類されたOCR処理前の解答を表す筆跡の一覧を、対応する生徒の識別情報と共に表示する。
図6は、解答例「5x+8y」が選択された場合の誤答集計画面の表示例である。ここでは、教師用端末30は、筆跡一覧表49に表示する項目として、選択された分類表示欄50に対応する解答例の解答を行った生徒のクラス番号を示す「番号」と、当該生徒の名前を示す「名前」と、対応する生徒のOCR処理前の解答を示す「解答」とを表示している。これにより、教師用端末30を操作する教師は、解答例一覧表47に表示された任意の解答例に対応する実際の生徒の解答を、筆跡一覧表49により好適に確認することができる。
なお、解答を認識する過程においてOCRが必要な記述式の問題に限らず、OCRが必要ない択一形式等の問題についても同様に、教師用端末30は、解答例一覧表47を表示することが可能である。図7は、択一式の問2に対する解答例一覧表47を表示した誤答集計画面の表示例である。この例では、教師用端末30は、問題別集計表41における問2が選択されたことを検知し、問2に対する解答例と当該解答例に属する解答を行った人数との組み合わせを示す解答例一覧表47を表示している。ここで、問2は、正誤判定を行うにあたりOCRが必要ない択一式の問題となっている。この場合、教師用端末30は、分類表示欄50が設けられていない解答例一覧表47を表示する。
図8は、誤答集計画面の表示処理を示すフローチャートである。
まず、教師用端末30は、誤答集計画面において表示対象となるテストを指定する入力を受け付ける(ステップS10)。その後、教師用端末30は、ステップS10で指定されたテストに関する設問毎の正誤情報を示す誤答集計画面を表示する(ステップS11)。具体的には、教師用端末30は、設問ごとの誤答数を集計表示欄45に示し、かつ、生徒ごとの各設問の正誤情報を個別表示欄46に示した誤答集計画面を表示する。この場合、教師用端末30は、ステップS10で受け付けた入力情報を管理サーバ20に送信し、管理サーバ20は、当該入力情報に基づきテスト結果DB28から必要なテスト結果情報を抽出することで表示データD2を生成し、当該表示データD2を教師用端末30に送信する。
次に、教師用端末30は、誤答集計画面上でいずれかの設問が選択されたか否か判定する(ステップS12)。そして、教師用端末30は、誤答集計画面上でいずれかの設問が選択されたと判断した場合(ステップS12;Yes)、選択された設問の解答例を、当該解答例に属する解答を行った人数と共に一覧表示した解答例一覧表47を表示する(ステップS13)。この場合、管理サーバ20は、ステップS12で指定された設問の情報を教師用端末30から受信し、テスト結果DB28に記録された対象の設問に対する各生徒の解答を同一文字列となる解答ごとに分類し、各解答が分類された文字列を表示すべき解答例とみなす。そして、管理サーバ20は、分類した解答を示す解答例ごとに人数を集計することで、解答例一覧表47を表示するための表示データD2を生成し、当該表示データD2を教師用端末30に送信する。一方、教師用端末30は、いずれの設問も選択されない場合(ステップS12;No)、引き続きステップS11において誤答集計画面を表示する。
次に、教師用端末30は、解答例一覧表47において特定の解答例が選択されたか否か判定する(ステップS14)。そして、教師用端末30は、特定の解答例が選択されたと判断した場合(ステップS14;Yes)、選択された解答例を生徒ごとに一覧表示した筆跡一覧表49を表示する(ステップS15)。これにより、教師用端末30は、手書きの解答を生徒の識別情報と共に好適に表示する。一方、教師用端末30は、解答例一覧表47において表示されたいずれの解答例も選択されない場合(ステップS14;No)、フローチャートの処理を終了する。
なお、上述した誤答集計画面の表示処理において、管理サーバ20は、情報処理装置の一例であり、管理サーバ20の制御部23等は、分類手段、認識手段、正誤判定手段、送信手段、表示手段、及びプログラムを実行するコンピュータの一例である。
[テスト経過画面の表示]
次に、教師用端末30が表示するテスト経過画面(第1テスト経過画面及び第2テスト経過画面)について説明する。
図9(A)は、ある生徒「大日本 次郎」の所定期間におけるテスト結果の推移を示す第1テスト経過画面の表示例である。ここでは、教師用端末30は、第1テスト経過画面上に、母集団選択ボタン51(51a、51b)と、期間選択欄52(52a、52b)と、詳細指定リンク53と、表示切替ボタン54と、順位推移グラフ55と、得点率推移グラフ56とを表示している。
ここで、母集団選択ボタン51は、順位推移グラフ55において対象の生徒の順位を表示する際の母集団を指定するためのボタンであり、対象の生徒が属するクラスを母集団として指定するためのクラス指定ボタン51aと、対象の生徒と同学年の全クラスを母集団として指定するための学年指定ボタン51bとを含む。図9の例では、クラス指定ボタン51aが選択状態となっていることから、教師用端末30は、対象の生徒のクラス内での順位の推移を順位遷移グラフ55により表示している。また、期間選択欄52は、表示するテスト結果の期間をプルダウンメニュー形式により指定する欄であり、当該期間の始期を指定するための始期選択欄52aと、当該期間の終期を指定するための終期選択欄52bとを有する。教師用端末30は、期間選択欄52により指定された期間におけるテスト結果を、順位推移グラフ55及び得点率推移グラフ56により表示する。
詳細指定リンク53は、期間選択欄52において指定された期間内のテストのうち、表示対象とするテストを指定するウィンドウを表示するためのハイパーリンクである。図9(B)は、詳細指定リンク53が選択された際に表示されるウィンドウの表示例である。図9(B)に示すウィンドウ上には、期間選択欄52において指定された期間内のテストの各々に対してチェックボックスが設けられており、表示の有無を指定可能となっている。
表示切替ボタン54は、単元ごとのテスト結果を示す後述の第2テスト経過画面へ表示を切り替えるためのボタンである。順位推移グラフ55は、期間選択欄52において指定された期間内の各テストにおける対象の生徒の順位を示す折れ線グラフである。また、教師用端末30は、折れ線の任意の頂点へのマウスオーバを検知した場合、当該頂点に対応するテストにおける対象生徒の順位を表示する。図9(A)では、教師用端末30は、第9回テストに対応する順位推移グラフ55の頂点のマウスオーバを検知し、第9回テストにおける対象生徒のクラス内順位を吹き出し57により表示している。得点率推移グラフ56は、期間選択欄52において指定された期間内の各テストにおける対象生徒の得点率を示す棒グラフである。教師用端末30は、母集団選択ボタン51で指定された母集団(クラスまたは学年)における平均得点率よりも低い得点率を表す棒グラフを強調表示する。ここでは、教師用端末30は、平均得点率以上となったテスト(ここでは第6回テスト以外のテスト)の得点率を表す棒グラフを青により表示し、平均得点率未満となったテスト(ここでは第6回テスト)の得点率を表す棒グラフを赤により表示している。
教師用端末30は、始期選択欄52a及び終期選択欄52bにより期間が指定された場合に、指定された期間の情報を、予め指定された生徒の識別情報と共に管理サーバ20に送信する。この場合、管理サーバ20は、教師用端末30から受信した生徒の情報及び期間の情報に基づき、テスト結果DB28から対象のテスト結果情報を抽出することで表示データD2を生成し、生成した表示データD2を教師用端末30へ送信する。そして、教師用端末30は、管理サーバ20から表示データD2を受信することで図9(A)に示す第1テスト経過画面を表示する。
図10は、図9(A)の第1テスト経過画面の表示切替ボタン54が選択された場合に表示される第2テスト経過画面の第1表示例である。教師用端末30は、第2テスト経過画面の第1表示例では、テスト選択欄58と、得点率表示欄60と、単元別得点率表示テーブル61とを表示している。
テスト選択欄58は、表示対象となるテストを選択するためのプルダウンメニュー形式の入力欄である。得点率表示欄60は、テスト選択欄58で指定されたテスト(ここでは3年1学期末テストの数学)に対する対象の生徒(ここでは「大日本次郎」)の得点率を示す。
単元別得点率表示テーブル61は、表示対象となるテストに含まれていた単元(教科内のカテゴリ)ごとの得点率を他の実施済みテストの得点率と共に示したテーブルであり、大問表示欄62aと、単元表示欄62bと、単元別得点率表示欄62cと、得点率履歴表示欄62dとを含む。ここで、大問表示欄62aは、表示対象となるテストの大問を表示する欄であり、単元表示欄62bは、大問表示欄62aに表示された大問がそれぞれ属する単元を表示する欄である。また、単元別得点率表示欄62cは、表示対象となるテストの単元ごとの得点率を表示する欄である。
得点率履歴表示欄62dは、対象の生徒が過去に受けたテストの各設問のうち、単元表示欄62bに表示された単元と同一単元に属する設問(大問又は小問)の題名及び得点率を時系列で表示する欄である。ここでは、教師用端末30は、実施後の経過日数が短いテストに含まれる設問ほど上位に表示されるように、題名及び得点率の組み合わせを並べて表示している。なお、教師用端末30は、題名がない設問が存在する場合には、当該設問の問題番号を代わりに表示させてもよい。さらに、教師用端末30は、得点率履歴表示欄62d内の任意の題名へのマウスオーバを検知した場合、当該題名の設問を含むテストが実施された日時を表示する。図10の例では、教師用端末30は、題名「相似な図形」上へのマウスオーバを検知したことから、題名「相似な図形」の設問を含むテストの実施日「4月19日」を示した吹き出し63を表示している。
ここで、図10に示す第2テスト経過画面の表示データD2の生成処理について補足説明する。
テスト結果DB28には、生徒及びテストごとのテスト結果情報が記憶されており、テスト結果情報には、テストの実施日に関する情報、設問毎の単元情報、及び設問毎の得点率の情報が含まれている。よって、管理サーバ20は、テスト選択欄58により受け付けた入力情報を教師用端末30から受信した場合、対象のテストに関するテスト結果情報をテスト結果DB28から参照することで、大問表示欄62a、単元表示欄62b、及び単元別得点率表示欄62cの表示データを生成する。
また、管理サーバ装置20は、対象の生徒が実施した他のテストに関するテスト結果情報を参照することで、テスト選択欄58で指定されたテストの各大問と同一単元に属する設問に関する得点率の情報を取得する。そして、管理サーバ20は、対象のテストに含まれる大問が属する単元ごとに、取得した設問の得点率をテスト実施時期の時系列により並べることで、得点率履歴表示欄62dの表示データを生成する。なお、得点率履歴表示欄62dにおいて得点率と共に表示する各設問の題名又は問題番号等に関する情報は、テスト情報DB24又はテスト結果DB28の少なくともいずれかに記録されている。このように、管理サーバ20は、図10に示す第2テスト経過画面を表示するための表示データD2を好適に生成することができる。
図10に示す第2テスト経過画面の第1表示例によれば、教師は、対象の生徒の対象のテストの単元ごとの得点率を、同じ単元の設問を含む他のテストの結果と共に好適に参照することが可能となる。
図11は、図9(A)の第1テスト経過画面の表示切替ボタン54が選択された場合に表示される第2テスト経過画面の第2表示例である。図11の例では、第2テスト経過画面は、指定された期間に実施されたテストに対する対象の生徒の得点率を単元ごとに示している。この場合、教師用端末30は、第2テスト経過画面上に、テスト結果の表示対象となる期間を指定するための期間選択欄64と、テスト結果を表示させる教科を指定するための教科選択欄65と、平均得点率表示欄66と、単元別得点率表示テーブル67とを表示している。
平均得点率表示欄66は、期間選択欄64で指定された期間(ここでは3年1学期)における教科選択欄65で選択された教科(ここでは数学)の平均得点率を表示する欄である。
単元別得点率表示テーブル67は、期間選択欄64で指定された期間(ここでは3年1学期)における教科選択欄65で選択された教科の単元ごとの得点率を示したテーブルであり、単元表示欄68aと、単元別平均得点率表示欄68bと、得点率履歴表示欄68cとを含む。
ここで、単元表示欄68aは、期間選択欄64で指定された期間における教科選択欄65で選択された教科のテストに含まれる単元を表示する欄である。なお、単元表示欄68aに表示する単元は、ユーザ入力により切替自在であってもよい。この場合、教師用端末30は、例えば図9(B)と同様に、単元表示欄68aに表示する候補となる単元ごとにチェックボックスを配置したウィンドウを表示してもよい。単元別平均得点率表示欄68bは、期間選択欄64で指定された期間における教科選択欄65で選択された教科の単元ごとの平均得点率を表示する欄である。得点率履歴表示欄68cは、図10の得点率履歴表示欄62dと同様、対象の生徒が過去に受けたテストの各問のうち、単元表示欄62bに表示された単元と同一単元に属する設問の題名及び得点率を時系列で表示する欄である。
図11の例では、管理サーバ20は、期間選択欄64及び教科選択欄65で指定されたテストに関するテスト結果情報を参照することで、対象期間におけるテストの各設問を、単元ごとに分類する。そして、管理サーバ20は、分類した単元ごとの設問の得点率及び各設問が属するテストの実施日等に基づき、単元別得点率表示テーブル67を表示するための表示データを生成する。そして、教師用端末30は、管理サーバ装置20が生成した表示データに基づき図11に示す第2テスト経過画面の第2表示例を表示する。これにより、教師用端末30は、対象の生徒の単元ごとの得点率の履歴を好適に表示することが可能となる。
図12は、図10に示した第2テスト経過画面の第1表示例に関するフローチャートである。
まず、教師用端末30は、誤答集計画面において表示対象となる生徒及びテストを指定する入力を受け付ける(ステップS20)。そして、教師用端末30は、指定された生徒及びテストに関する情報を管理サーバ20へ送信する。その後、管理サーバ20は、指定された生徒及びテストに関する情報に基づき、テスト結果情報DB28を参照することで、対象のテストの大問ごとの単元を認識する(ステップS21)。そして、管理サーバ20は、対象の生徒のテスト結果DB28を参照することで、ステップS21で認識した各単元に属する他の実施済のテストに含まれる設問を抽出し、抽出した設問の得点率をテストの実施日に従い単元ごとに時系列に並べる(ステップS22)。管理サーバ20は、ステップS22の処理結果に基づき第2テスト経過画面の表示データD2を生成し、教師用端末30に表示データD2を送信する。そして、教師用端末30は、管理サーバ20から受信する表示データD2に基づき、大問ごとの対象のテストの得点率と共に、各大問と同一単元の過去のテストの得点率を時系列に並べた第2テスト経過画面を表示する(ステップS23)。
図13は、図11に示した第2テスト経過画面の第2表示例に関するフローチャートである。
まず、教師用端末30は、誤答集計画面において表示対象となる生徒及びテスト結果を表示する対象期間を指定する入力を受け付ける(ステップS30)。そして、教師用端末30は、指定された生徒及びテストに関する情報を管理サーバ20へ送信する。その後、管理サーバ20は、指定された生徒及び対象期間の情報に基づき、該当するテストのテスト結果情報をテスト情報DB24から参照することで、対象期間内のテストの各設問を単元ごとに分類し、分類した設問の得点率をテストの実施日に従い単元ごとに時系列に並べる(ステップS31)。そして、管理サーバ20は、第2テスト経過画面の表示データD2を生成し、教師用端末30に表示データD2を送信する。そして、教師用端末30は、管理サーバ20から受信する表示データD2に基づき、対象期間内のテストの各設問の得点率及び平均得点率を単元ごとに表示した第2テスト経過画面を表示する(ステップS32)。
なお、上述した第2テスト経過画面の表示処理において、管理サーバ20は、情報処理装置の一例であり、管理サーバ20の制御部23等は、参照手段、分類手段、表示手段、及びプログラムを実行するコンピュータの一例である。
[答案再現画面の表示]
次に、教師用端末30が表示する答案再現画面について説明する。図14は、ある生徒「大日本 次郎」の答案を再現した答案再現画面の表示例である。教師用端末30は、答案再現画面上に、答案選択欄70a~70cと、答案再現領域71とを設けている。
答案選択欄70a~70cは、それぞれ、再現表示すべき答案を特定するためのテスト、教科、及び設問をプルダウンメニュー形式により指定する欄である。教師用端末30は、答案選択欄70a~70cにより指定された設問に対する対象の生徒の解答を示すストロークを、対応する問題文と共に答案再現領域71上に表示する。教師用端末30は、答案選択欄70a~70cにより指定された情報を、予め指定された生徒の識別情報と共に管理サーバ20に送信する。この場合、管理サーバ20は、教師用端末30から受信した情報に基づき、テスト結果DB28から対象のテスト結果情報を抽出し、かつ、テスト情報DB24から対象の設問の情報を抽出する。なお、抽出したテスト結果情報には、対象の設問に対して対象の生徒の解答の筆跡を再現するためのストローク情報が含まれている。そして、管理サーバ20は、テスト結果DB28及びテスト情報D24から抽出した情報に基づき表示データD2を生成し、生成した表示データD2を教師用端末30へ送信する。そして、教師用端末30は、管理サーバ20から表示データD2を受信することで、答案選択欄70a~70cにより指定された設問に対する答案を答案再現領域71上に表示する。
ここで、管理サーバ20は、答案再現領域71上に表示させる各ストロークを所定の規則によりグループ化し、グループ化したまとまりごとに、記入に要した停滞時間に応じた色により色分けして教師用端末30に表示させる。図14の例では、停滞時間が長いまとまりほど濃くなり、停滞時間が短いまとまりほど薄くなっている。ここでは、管理サーバ20は、停滞時間が閾値時間以上となるまとまりを、解答停滞箇所とみなし、赤などの最も目立つ色(図では最も濃い色)により表示する。上述の閾値時間は、予め定められた秒数であってもよく、答案再現領域71上に表示する答案全体の平均停滞時間を基準とした秒数(例えば平均停滞時間から2秒)であってもよく、同一の設問に対する他の生徒の答案も含めた平均停滞時間を基準とした秒数であってもよい。また、まとまりごとの停滞時間は、例えば、まとまりごとの各ストロークに対する停滞時間の合計時間であってもよく、まとまりごとの各ストロークに対する停滞時間の平均時間であってもよい。なお、ストロークごとの停滞時間の情報は、テスト結果DB28に記録されたテスト結果情報に含まれているため、管理サーバ20は、対象のテストに対するテスト結果情報を参照することで、まとまりごとの停滞時間を算出可能である。
次に、まとまりの判定方法について、図15を参照して具体的に説明する。以下では、管理サーバ20は、ストローク情報に基づく筆跡をOCRにより文字列として認識し、認識した文字列を対象として、以下に示すいずれかの判定方法(第1判定方法~第3判定方法)を適用することで、同一色により表示すべきまとまりを判定する。
図15(A)は、答案再現領域71上で再現された答案の一部に対し、第1判定方法に基づきまとまりを判定した場合の各まとまりを明示した図である。ここでは、同一色により表示するストロークのまとまりを下付きの括弧により明示すると共に、解答停滞箇所を破線枠により明示している。
第1判定方法では、管理サーバ20は、OCRにより認識した文字列から、括弧「(」及び「)」と演算子「+」及び「-」を抽出し、抽出したこれらの文字(記号)を基準としてストロークのグループ分けを行う。なお、ここでは、演算子「+」及び「-」については単独で1つのまとまりとみなし、括弧「(」及び「)」については他の文字と合わせて1つのまとまりとみなしている。
具体的には、管理サーバ20は、演算子「+」の前の文字列「=(a3」を1つのまとまりとみなし、演算子「+」を1つのまとまりとみなす。また、管理サーバ20は、演算子「+」の後から括弧「)」までの文字列「b3)」を1つのまとまりとみなし、括弧「(」から演算子「-」の前までの文字列「=(a3」を1つのまとまりとみなす。さらに、管理サーバ20は、演算子「-」を1つのまとまりとみなし、かつ、演算子「-」より後の文字列「b3)」を1つのまとまりとみなしている。なお、ここでは、行頭の「=」については、等式の計算において記入することが自明であることから、続く「(a3」と1まとまりとみなしている。
そして、管理サーバ20は、まとまりごとに停滞時間を算出し、算出した停滞時間に応じて各まとまりの表示色を決定する。ここで、管理サーバ20は、文字列「=(a3」及び「b3)」については停滞時間が閾値時間以上であることから解答停滞箇所とみなし、最も目立つ色により表示する。
図15(B)は、答案再現領域71上で再現された答案の一部に対し、第2判定方法に基づきまとまりを判定した場合の各まとまりを明示した図である。第2判定方法では、管理サーバ20は、OCRにより認識した文字列を、括弧「(」及び「)」と演算子「+」及び「-」を基準として区分けし、かつ、演算子「+」、「-」及び括弧「(」、「)」については単独で1つのまとまりとみなしている。なお、行頭の「=」については、等式の計算において記入することが自明であることから、例外的に「=」と「(」とを1まとまりとみなしている。この例によっても、管理サーバ20は、「a3」や「b3」などの複数文字の集合体を1まとまりとみなし、まとまりごとに解答停滞箇所を色分けして明示することができる。なお、図15(B)の例では、管理サーバ20は、「=(」、「(」、「b3」の3箇所を解答停滞箇所と判定して強調表示している。
図15(C)は、答案再現領域71上で再現された答案の一部に対し、第3判定方法に基づきまとまりを判定した場合の各まとまりを明示した図である。第3判定方法では、管理サーバ20は、認識した文字列を、括弧「(」及び「)」を基準として区分けしている。具体的には、管理サーバ20は、最初の括弧の組及び行頭の「=」を含めた文字列「=(a3+b3)」を1つのまとまりとみなし、さらに次の括弧の組を含む文字列「(a3-b3)」を別のまとまりとみなす。このように、管理サーバ20は、OCRにより括弧の組を検出した場合には、括弧の組及び当該括弧間に記入された文字列を同一色で表示すべき1つのまとまりとみなす。これにより、管理サーバ20は、大きなまとまりごとに色分けを行い、表示の煩雑化を好適に抑制することができる。なお、図15(C)の例では、管理サーバ20は、「=(a3+b3)」を解答停滞箇所と判定して強調表示している。
図16は、管理サーバ20が実行する答案再現画面の表示処理に関するフローチャートである。
まず、教師用端末30は、表示対象の答案を指定するための入力を受け付ける(ステップS40)。そして、教師用端末30は、入力された情報を含む答案再現画面の表示要求を管理サーバ20に送信する。
次に、管理サーバ20は、教師用端末30から答案再現画面の表示要求を受信した場合に、当該表示要求により指定されたテストに対応するテスト結果情報をテスト結果DB28から参照することで、表示対象の答案(即ち答えの導出過程の書込みを含む解答)の筆跡を表すストロークを抽出する(ステップS41)。そして、管理サーバ20は、抽出したストロークを文字列として認識し、当該文字列に含まれる演算子や括弧などを基準として、認識した文字列を所定のまとまりごとに分ける(ステップS42)。そして、管理サーバ20は、ステップS42で分けたまとまりごとにストロークの停滞時間を算出する(ステップS43)。そして、管理サーバ20は、算出した停滞時間に応じて、ステップS42で判定したまとまりごとに解答の筆跡を示すストロークの表示色を決定する(ステップS44)。そして、管理サーバ20は、表示データD2を生成し、答案再現画面の表示要求元である教師用端末30に表示データD2を送信する。そして、教師用端末30は、管理サーバ20から受信した表示データD2に基づき、対象の生徒の答案の筆跡を示すストロークを、まとまりごとに色分け表示した答案再現画面を表示する(ステップS45)。
なお、管理サーバ20は、解答停滞箇所と判定したまとまりのみを他のストロークと異なる色により着色することで強調表示してもよい。例えば、管理サーバ20は、解答停滞箇所と判定したまとまりを赤などの目立つ色により表示し、他のまとまりを黒などの通常の色により表示してもよい。これによっても、管理サーバ20は、解答停滞箇所を好適に観察者に把握させることができる。
また、管理サーバ20は、数学以外の教科の答案についても同様に、対象の生徒の答案の筆跡を示すストロークを、まとまりごとに色分け表示してもよい。例えば、国語の記述式の答案の場合、管理サーバ20は、対象の生徒の答案の筆跡から認識した文字列を、当該文字列に含まれる句読点などにより区分けし、区分けしたまとまりごとに上述の例と同様に停滞時間を算出する。これによっても、管理サーバ20は、区分けしたまとまりごとに停滞時間に応じた色分け表示を行い、解答停滞箇所を好適に観察者に把握させることができる。
なお、上述した答案再現画面の表示処理において、管理サーバ20は、情報処理装置の一例であり、管理サーバ20の制御部23等は、取得手段、認識手段、区分手段、算出手段、表示手段、及びプログラムを実行するコンピュータの一例である。
[解答入力キーボードの表示]
次に、タブレット10b上で表示される解答入力用のソフトウェアキーボードである解答入力キーボードについて説明する。図17は、テストの問題の表示及び解答(答えを導くための書込みも含む)の入力をタブレット10b上で実施する場合のタブレット10bの表示例である。図17の例では、タブレット10bは、管理サーバ20から受信する表示データD3に基づき、問1~3と問1~3に対する解答欄73~75とを表示している。また、解答欄73~75及び問題文以外の空白スペースにはタッチペン10cによる書き込みが可能であり、タブレット10bは、タッチペン10cの接触位置を検出することで、計算過程の筆跡をディスプレイ上に表示している。
また、図17の例では、タブレット10bは、解答欄73が選択されたことを検知し、解答欄73への入力用の解答入力キーボード76を表示している。ここで、解答入力キーボード76は、入力内容表示欄77と、解答欄に入力する文字等を指定するための解答入力キー78と、決定ボタン79とを有する。入力内容表示欄77は、解答入力キー78による入力結果を表示する欄である。解答入力キー78は、答えを入力するためのキー(ボタン)であり、後述するように設問ごとに異なる組み合わせのキーから構成される。図17の例では、解答入力キー78として、各数字の入力キーに加え、問題文に登場した記号x、yの入力キー、分数を表示するための「分の」と表示された入力キー、解答入力キー78に表れていない入力キーをさらに表示するための「その他」と表示された特殊キーなどが解答入力キーボード76上に配置されている。決定ボタン79は、入力内容表示欄77に表示された入力内容を解答欄(ここでは解答欄73)に反映するためのボタンである。
ここで、解答入力キーボード76の表示処理について説明する。まず、タブレット10bは、選択された解答欄に対応するテスト(ここでは1学期末テストの数学)及び設問(ここでは問1)を指定した解答入力キーボード76の表示要求を管理サーバ20に送信する。ここで、テスト情報DB24には、テスト情報として、設問毎に、解答入力キーボード76に配置する解答入力キー78の情報(「キー配置情報」とも呼ぶ。)が含まれている。
従って、管理サーバ20は、タブレット10bから上述の表示要求を受信した場合、タブレット10bから受信した情報に基づき、テスト情報DB24を参照することで、選択された解答欄に対応するテスト及び設問に関連付けられたキー配置情報を取得する。そして、管理サーバ20は、テスト情報DB24から参照したキー配置情報により指定された解答入力キー78が配列された解答入力キーボード76の表示データD3を生成し、当該表示データD3をタブレット10bに送信する。これにより、タブレット10bは、管理サーバ20から受信する表示データD3に基づき、選択された解答欄への入力に適した解答入力キーボード76を好適に表示することができる。この場合、タブレット10bを使用する生徒は、図17に示される解答入力キーボード76を用いて、問1に対する解答を好適にタッチペン10cにより入力することができる。
図18は、問2に対する解答欄74が選択された場合のタブレット10bの表示例である。図18の例では、教師用端末30は、問2に対する解答欄74が選択されたことを検知したことから、解答欄74への解答を入力するための解答入力キーボード76を表示させている。そして、解答欄74への解答を入力するための解答入力キー78の構成は、図17に示した解答欄73への解答を入力するための解答入力キー78の構成と異なっている。具体的には、図18に示す解答入力キー78には、問2の問題文に記された記号「a」、「b」を入力するキーが含まれている。また、問2が高次元変数の乗算を含むことから、次数を入力するキーが多く含まれている。従って、テストを実施する生徒は、図18に示される解答入力キーボード76及びタッチペン10cを用いて問2に対する解答を好適に入力することができる。
なお、管理サーバ20は、テスト情報DB24に予め記憶されたキー配置情報を参照することで解答入力キー78の表示を決定する代わりに、タブレット10bに入力された答えの導出過程の文字をOCRにより認識することで、解答入力キー78の表示を決定してもよい。
例えば、管理サーバ20は、設問ごとに設けられた記入スペースの範囲を規定する情報を予めテスト情報DB24等に記憶しておき、当該情報を参照することで、各設問に対する記入スペースに記入されたストロークを抽出する。そして、管理サーバ装置20は、抽出したストロークをOCRにより文字列として認識する。そして、管理サーバ20は、任意の解答欄が選択された場合に、選択された解答欄に対応する設問の記入スペースに記入された文字列に含まれる文字を同一文字ごとに分類し、分類した各文字に対応する解答入力キー78を表示させる。この態様によれば、管理サーバ20は、生徒が入力した文字を入力するための解答入力キー78を好適に含んだ解答入力キーボード76を表示させることができる。
他の例では、管理サーバ20は、記入スペースに記入された文字列が数式であり、数式が複数行にわたる場合には、最後の行の数式(図17の例では「=9x+3y」)に含まれる文字に基づき解答入力キー78を構成してもよい。
さらに別の例では、管理サーバ20は、記入スペースに記入されたストロークに代えて、又はこれに加え、選択された解答欄に対応する設問の問題文に用いられた文字に基づき解答入力キー78を構成してもよい。図17の例では、管理サーバ20は、問題文に含まれる数式「(6x2+2xy)÷2/3x」から数字、記号、分数、演算子、括弧などの文字を読み取り、読み取った文字に対応する解答入力キー78を解答入力キーボード76上に表示させてもよい。
さらに別の例では、管理サーバ20は、既に答えが入力された解答欄への入力時に用いられた解答入力キー78に基づき、新たに入力される解答欄への入力時に表示する解答入力キー78を決定してもよい。例えば、管理サーバ20は、最初に解答する問1の解答欄の選択時には、数字や演算子などのよく用いられる一般的な解答入力キー78を解答入力キーボード76上に表示させる。なお、生徒は、解答入力キー78に解答に用いる文字に対応するキーボードが存在しない場合には、「その他」ボタンを選択することで適宜他のキーを表示させる。そして、管理サーバ20は、問2以降の解答欄の選択時には、既に入力済の解答欄において入力された文字に対応する解答入力キー78を、初期配列の解答入力キー78に加え、解答入力キーボード76上に表示させる。この態様によっても、管理サーバ20は、解答する設問ごとに異なる解答入力キー78が配列された解答入力キーボード76を好適に表示させることができる。
図19は、解答入力キーボード76の表示処理に関するフローチャートである。
まず、タブレット10bは、生徒が受けるべきテストを表示する(ステップS50)。この場合、タブレット10bは、例えば、所定の表示要求を管理サーバ20に送信し、当該表示要求に基づいて管理サーバ20がテスト情報DB24を参照して生成した表示データD3を受信することで、テストを表示する。
次に、タブレット10bは、いずれかの解答欄が選択されたか否か判定する(ステップS51)。そして、タブレット10bは、いずれかの解答欄が選択されたことを検知した場合(ステップS51;Yes)、選択された解答欄の設問に応じた解答入力キー78を配列した解答入力キーボード76を表示する(ステップS52)。この場合、例えば、タブレット10bは、選択された解答欄に関する情報を含む解答入力キーボード76の表示要求を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、受信した表示要求に基づき、選択された解答欄の設問を認識し、当該設問に対応するキー配置情報をテスト情報DB24から参照することで、解答入力キーボード76に表示させる解答入力キー78を決定する。そして、管理サーバ20は、解答入力キーボード76を表示するための表示データD3を生成してタブレット10bに送信し、タブレット10bは、管理サーバ20から受信した表示データD3に基づき解答入力キーボード76を表示する。
なお、上述した解答入力キーボードの表示処理において、管理サーバ20は、情報処理装置の一例であり、管理サーバ20の制御部23等は、受信手段、表示手段、参照手段、取得手段、及びプログラムを実行するコンピュータの一例である。
[アドバイス画面の表示]
次に、タブレット10bが表示するアドバイス画面について説明する。
図20は、図形を含むテストの問題の表示及び解答の入力をタブレット10b上で実施する場合のタブレット10bの表示例である。図20の例では、図形の問題が表示されており、タブレット10bの表示領域は、主に、図形を表示した図形領域80と、図形外領域81と、解答欄82とを含む。図20では、図形領域80は、破線枠により仮想的に明示されている。図形外領域81は、表示されたテストの表示領域のうち図形領域80及び解答欄82を除いた領域となっている。図形領域80及び図形外領域81の範囲を規定する情報は、例えばテスト情報DB24に予め記憶されている。
この場合、タブレット10bは、管理サーバ20から受信した表示データD3に基づきテストを表示する。そして、タッチセンサ15によりタッチペン10cによる接触を検知した場合に、接触位置をなぞった筆跡を表示すると共に、当該筆跡を表す記入データD1を生成し、生成した記入データD1を管理サーバ20へ送信する。
図21は、解答記入後のタブレット10bの表示例である。図21では、生徒は、図形領域80及び図形外領域81にそれぞれ解答の導出に必要な書き込みを行った後、解答欄82に答えを示す「75」を入力している。解答欄82への入力は、例えば、上述した解答入力キーボードによる入力である。解答欄82への入力が行われた後、図21に示すように、タブレット10bは、「アドバイスへ」と表示されたボタン83を表示し、当該ボタン83が選択された場合に、以下に説明するアドバイス画面へ表示を切り替える。
図22は、図21のボタン83が選択された場合に教師用端末30が表示するアドバイス画面の表示例である。図22の例では、教師用端末30は、管理サーバ20から受信する表示データD3に基づき、アドバイス画面上に、答案画像84と、正誤表示欄85と、図形領域分析欄86と、図形外領域分析欄87と、アドバイス表示欄88と、図形領域再生ボタン89と、図形外領域再生ボタン90と、を表示している。
答案画像84は、ボタン83が選択される直前の答案の画像である。例えば、管理サーバ20は、テスト情報DB24から抽出した対象のテストの画像に、教師用端末30から受信した記入データD1に基づくストローク情報が示す筆跡を重ねることで答案画像84を生成する。正誤表示欄85は、解答欄82に入力された答えに対する正誤の判定結果を表示する欄である。管理サーバ20は、図21の解答欄82に入力された情報を教師用端末30から受信し、テスト情報DB24に記録された正解情報と比較することで正誤判定を行い、その判定結果を正誤表示欄85に表示させる。
図形領域分析欄86は、図形領域80へのタッチペン10cの記入状況を表示する欄であり、図形領域80への書込量(ここでは15ストローク)と、図形領域80への書込後の停滞時間(ここでは40秒)と、図形領域80への消去量(ここでは0ストローク)とを示している。なお、上述の図形領域80への書込後の停滞時間は、図形領域80へ記入された各ストロークの書込み終了から次のストロークの書き初めまでの停滞時間の合計時間を示す。また、図形外領域分析欄87は、図形外領域81へのタッチペン10cの記入状況を表示する欄であり、図形外領域81への書込量(ここでは35ストローク)と、図形外領域81への書込後の停滞時間(ここでは340秒)と、図形外領域81への消去量(ここでは4ストローク)とを示している。なお、上述の図形外領域81への書込後の停滞時間は、図形外領域81へ記入された各ストロークの書込み終了から次のストロークの書き初めまでの停滞時間の合計時間を示す。
この場合、管理サーバ20は、図形領域80及び図形外領域81の各範囲を規定する情報をテスト情報DB24から参照し、各領域に記入及び消去されたストロークを示すストローク情報をテスト結果DB28から抽出する。そして、管理サーバ20は、図形領域80及び図形外領域81の各々に対応するストローク情報に基づき、図形領域80及び図形外領域81にそれぞれ記入されたストローク及び消去されたストロークを認識し、各領域での記入状況を表す指標である書込量、停滞時間、及び消去量をそれぞれ集計する。そして、管理サーバ20は、これらの図形領域80及び図形外領域81への記入状況に関する上述の各指標を、図形領域分析欄86及び図形外領域分析欄87にそれぞれ表示すると共に、記述状況に関する情報としてテスト結果DB28に記録する。
アドバイス表示欄88は、図形領域80及び図形外領域81への記述状況に応じたアドバイスを表示する欄である。管理サーバ20は、アドバイスの定型文と、当該アドバイスの表示条件とを対応付けたテーブル(「アドバイス決定テーブルTa」とも呼ぶ。)を予め記憶しており、当該アドバイス決定テーブルTaを参照することで、図形領域80及び図形外領域81への記述状況に基づき、表示すべきアドバイスを決定する。アドバイスの決定方法については後述する。
図形領域再生ボタン89は、図形領域80に記入されたストロークを記入時刻に基づき時系列に表示するためのボタンである。図形領域再生ボタン89が選択された場合、例えば、教師用端末30は、答案画像84の図形領域80へのストローク表示を全て非表示にした後、各ストロークに関連付けられた記入時刻に基づき図形領域80へのストロークを時系列により再生表示する。図形外領域再生ボタン90は、図形外領域81に記入されたストロークを記入時刻に基づき時系列に表示するためのボタンである。図形外領域再生ボタン90が選択された場合、例えば、教師用端末30は、答案画像84の図形外領域81へのストローク表示を全て非表示にした後、各ストロークに対応するストローク情報に含まれる時刻情報に基づき図形外領域81へのストロークを時系列により再生表示する。
図23は、管理サーバ20が参照するアドバイス決定テーブルTaの一例である。図23に示すように、アドバイス決定テーブルTaでは、アドバイス表示条件と、アドバイス表示条件が満たされた時に出力すべきアドバイスとが関連付けられている。アドバイス表示条件は、図形領域分析欄86及び図形外領域分析欄87に表示された図形領域80及び図形外領域81への各記述状況を示す指標(書込量、停滞時間、消去量)に基づく条件である。
図23のアドバイス表示条件の項目には、図形領域分析欄86及び図形外領域分析欄87に表示された指標のうち少なくとも1つの指標に基づく条件が規定されている。アドバイス表示条件に関連付けられたアドバイスは、対応するアドバイス表示条件が満たされたときに好適なアドバイスであり、図形領域80又は図形外領域81への記述に関する傾向及び対策を示している。なお、図23に示すアドバイス決定テーブルTaは、予めテスト情報DB24又はテスト結果DB28等に記憶されている。なお、アドバイス決定テーブルTaは、設問ごとに予め作成され、テスト情報DB24又はテスト結果DB28等に記憶されてもよい。
そして、管理サーバ20は、図22に示すアドバイス画面の表示要求があった場合に、図形領域80及び図形外領域81への書込量、停滞時間、消去量をそれぞれ認識し、アドバイス決定テーブルTaに規定されたアドバイス表示条件の成否を判定する。そして、管理サーバ20は、成立したアドバイス表示条件が存在した場合、対応するアドバイスをアドバイス表示欄88に表示させる。
図22の例では、管理サーバ20は、図形領域80への書込量(15ストローク)が30ストローク以下となり、アドバイス決定テーブルTaの上から1番目に規定するアドバイス表示条件を満たすと判断し、アドバイス決定テーブルTaの上から1番目に対応するアドバイスをアドバイス表示欄88に表示する。同様に、管理サーバ20は、図形外領域81への書込後の停滞時間(340秒)が200秒以上となり、アドバイス決定テーブルTaの上から2番目に規定するアドバイス表示条件を満たすと判断し、アドバイス決定テーブルTaの上から2番目に対応するアドバイスをアドバイス表示欄88に表示する。
このように、管理サーバ20は、アドバイス決定テーブルTaを参照することで、図形領域80及び図形外領域81への各記述状況を示す指標(書込量、停滞時間、消去量)に基づき、最適なアドバイスをアドバイス表示欄88に表示させることができる。
なお、管理サーバ20は、タブレット10bに対してタッチペン10cにより記入された答案に対するアドバイス画面を表示させる代わりに、デジタルペン10aにより答案用紙に記入された答案に対するアドバイス画面をタブレット10bに表示させてもよい。この場合であっても、管理サーバ20は、デジタルペン10aから受信した記入データD1に基づくストローク情報を、図形領域80へのストロークを示すストローク情報と図形外領域81へのストロークを示すストローク情報とに分け、それぞれの領域に対するストローク情報に基づき、各領域の記述状況を示す指標を算出する。これにより、管理サーバ20は、上述の例と同様に、アドバイス決定テーブルTaを参照してアドバイス画面に表示すべきアドバイスを好適に決定することができる。
また、図20~図23の例では、管理サーバ20は、図形問題に対する答案を対象としたアドバイスを決定した。これに代えて、管理サーバ20は、図形問題以外の問題への答案を対象としたアドバイスを決定してもよい。この場合、例えば、管理サーバ20は、図形領域80及び図形外領域81の代わりに、複数の領域(例えば、問題の表示領域と、その他の書込み用の領域)をそれぞれ設定し、これらの各領域への記述状況の各指標を図20~図23の例と同様に算出し、算出した指標に基づきアドバイス決定テーブルTaを参照してアドバイスを決定してもよい。この場合、アドバイス決定テーブルTaには、アドバイス表示条件として、上述の各領域への各記述状況を示す指標(書込量、停滞時間、消去量)に基づく条件が、当該条件を満たす場合に出力すべきアドバイスと共に記録されている。
図24は、アドバイス画面の表示処理に関するフローチャートである。管理サーバ20は、図24に示すフローチャートの処理を、アドバイス画面の表示要求をタブレット10bから受信した場合に実行する。
まず、管理サーバ20は、対象となる領域ごとに、ストローク情報を抽出する(ステップS60)。具体的には、管理サーバ20は、対象の生徒及びテストに対応するテスト結果情報をテスト結果DB28から参照し、当該テスト結果情報に含まれるストローク情報から、図形領域80及び図形外領域81の各々へのストロークを示すストローク情報を抽出する。
そして、管理サーバ20は、図形領域80と図形外領域81とにそれぞれ対応するストローク情報に基づき、各領域への記述状況を表す指標である書込量、停滞時間、及び消去量をそれぞれ算出する(ステップS61)。そして、管理サーバ20は、ステップS61で算出した領域ごとの記述状況の各指標に基づき、アドバイス決定テーブルTaを参照することで、アドバイス画面において表示すべきアドバイスを決定する(ステップS62)。
そして、管理サーバ20は、ステップS60で分類したストローク情報を用いて答案画像を生成し、当該答案画像と、ステップS61で算出した領域ごとの記述状況の指標と、ステップS62で決定したアドバイスとを表示するための表示データD3を生成し、表示データD3をタブレット10bに送信する。これにより、管理サーバ20は、答案画像と、領域ごとの記述状況の指標と、アドバイスとを示したアドバイス画面をタブレット10bに表示させる(ステップS63)。
なお、上述したアドバイス画面の表示処理において、管理サーバ20は、情報処理装置の一例であり、管理サーバ20の制御部23等は、取得手段、認識手段、再生手段、決定手段及びプログラムを実行するコンピュータの一例である。
[記述状況の表示例]
図22では、図形領域80及び図形外領域81の各記入領域への記述状況を図形領域分析欄86及び図形外領域分析欄87にて表示した。しかしながら、本発明に適用可能な記入領域ごとの記述状況の表示例は、図22に示す表示例に限定されない。以下では、記入領域ごとの記述状況を表す他の表示例について説明する。
図25は、教師用端末30が表示する答案画像表示画面の表示例である。図25の例では、教師用端末30は、管理サーバ20から受信する表示データD3に基づき、答案画像表示画面上に、答案画像91と、時間表示切替ボタン92とを表示している。
答案画像91は、答案画像表示画面の直前の表示画面等において教師が教師用端末30を操作することで指定したテストの答案(ここでは1年2組3番の答案)を再現した画像である。例えば、管理サーバ20は、教師用端末30により指定された対象のテストの画像をテスト情報DB24から抽出し、教師用端末30から受信した記入データD1に基づくストローク情報が示す筆跡を重ねることで答案画像84を生成し、教師用端末30に表示させている。ここで、答案画像91には、「テーマ・背景」、「例」、「根拠」、「まとめ」の4つのセクションに対してそれぞれ1又は複数の解答領域A1-D4が存在している。
時間表示切替ボタン92は、解答領域A1-D4ごとの記入時間の表示の有無を切り替えるボタンである。図25は、解答領域A1-D4ごとの記入時間の表示がオフのときの答案画像表示画面を示している。教師用端末30は、図25の状態において、時間表示切替ボタン92の押下を検知した場合、後述する図26に示されるように、解答領域A1-D4ごとに要した記入時間を、対応する解答領域上に表示する。
図26は、切替ボタン92が押下された後の答案画像表示画面の表示例である。図26の例では、教師用端末30は、図25の状態において切替ボタン92の押下を検知し、解答領域A1-D4のそれぞれに対し、対応する解答領域への記入時間に応じたバルーンBa1-Bd4を表示している。ここで、教師用端末30は、各バルーンBa1-Bd4に対して対応する解答領域への記入時間を表示すると共に、当該記入時間が長いほど対応するバルーンのサイズを大きくしている。例えば、教師用端末30は、解答領域D4の記入時間が全解答領域の記入時間の中で最も短い「1分」であることから、最も小さいバルーンBd4を、その記入時間「1分」と共に表示する。他の例では、教師用端末30は、解答領域C1の記入時間が全解答領域の記入時間の中で最も長い「18分」であることから、最も大きいバルーンBc1を、その記入時間「18分」と共に表示する。また、教師用端末30は、各バルーンBa1-Bd4の色を、対応する記入時間に応じて決定している。ここでは、教師用端末30は、記入時間が10分以下のバルーンBc2、Bd1、Bd3、Bd4を青色により表示し、記入時間が10分より長く15分以下のバルーンBb1、Bd2を黄色により表示し、記入時間が15分より長いバルーンBa1、Bc1をオレンジ色により表示している。
ここで、図26の表示に関する管理サーバ20の処理について補足説明する。切替ボタン92の押下を検知した旨の信号を教師用端末30から受信した管理サーバ20は、解答領域A1-D4の各範囲を規定する情報をテスト情報DB24から参照し、各領域に記入及び消去されたストロークを示すストローク情報をテスト結果DB28から抽出する。そして、管理サーバ20は、解答領域A1-D4の各々に対応するストローク情報に基づき、解答領域A1-D4にそれぞれ記入された記入時間を算出する。この場合、例えば、管理サーバ20は、解答領域ごとの記入時間として、対象の解答領域へ最初に記入されたストロークの記入開始時刻から、当該解答領域へ最後に記入又は消去されたストロークの記入又は消去が終了した時刻までの時間長を算出する。そして、管理サーバ20は、算出した解答領域ごとの記入時間に基づき、各解答領域に表示すべきバルーンBa1-Bd4の表示態様(数値、サイズ、色等)を決定し、その表示情報を教師用端末30に送信する。
なお、教師用端末30は、図22に示すアドバイス画面において、答案画像84に代えて答案画像91を表示してもよい。この場合、教師用端末30は、図26に示す答案画像91と共に、正誤表示欄85、アドバイス表示欄88、解答領域ごとの分析欄(図形領域分析欄86及び図形外領域分析欄87参照)、及び解答領域ごとの再生ボタン(図形領域再生ボタン89及び図形外領域再生ボタン90参照)をアドバイス画面上に表示する。
また、教師用端末30は、図26に示すバルーンBa1-Bd4の表示に代えて、記入した解答領域の遷移が可視化できるように解答領域ごとの記入時間帯を示すグラフを表示してもよい。
図27(A)は、解答領域A1-D4への記入の遷移を表示するグラフ(「記入遷移グラフ」とも呼ぶ。)の第1表示例である。ここで、記入遷移グラフは、解答領域名称欄93aと、横棒グラフ表示欄93bとを有する。そして、教師用端末30は、解答領域名称欄93aに解答領域A1-D4のそれぞれを識別する名称を表示し、対応する横棒グラフ表示欄93bには、対応する解答領域への記入時間帯を示す横バーGa1~Gc2、…を表示させている。ここで、横棒グラフ表示欄93bの横幅は、解答領域A1-D4の全体に対する記入時間帯に相当し、各横バーGa1-Gc2、…の横幅は、対応する解答領域への記入時間帯を表している。ここでは、解答領域A1-D4の全体に対する記入開始時刻を「0:00」として表示している。なお、テスト情報DB24等にテストの実施時間の情報が記録されている場合には、横棒グラフ表示欄93bの横幅は、テストの開始時刻から終了時刻までの時間帯を示すものであってもよい。
図27(B)は、解答領域A1-D4への記入の遷移を表示する記入遷移グラフの第2表示例である。この例では、教師用端末30は、同一セクションの解答領域を同一の解答領域とみなし、セクションごとの解答領域(ここでは4つ)に対する記入時間帯を示す横バーGa-Gdを表示している。
このように、図27(A)、(B)の例によれば、教師用端末30は、解答領域ごとの記入遷移を好適に可視化した記入遷移グラフを表示することができる。なお、教師用端末30は、図27(A)又は図27(B)に示す記入遷移グラフを、答案画像91と共に表示してもよい。例えば、教師用端末30は、図22に示すアドバイス画面上に、図27(A)又は図27(B)に示す記入遷移グラフを表示してもよい。
ここで、図27(A)、(B)の表示例における管理サーバ20の処理について補足説明する。管理サーバ20は、記入遷移グラフの表示要求を教師用端末30から受信した場合、解答領域の各範囲を規定する情報をテスト情報DB24から参照し、各領域に記入及び消去されたストロークを示すストローク情報をテスト結果DB28から抽出する。そして、管理サーバ20は、解答領域の各々に対応するストローク情報に基づき、解答領域にそれぞれ記入された記入時間帯を算出する。この場合、例えば、管理サーバ20は、解答領域ごとの記入時間帯として、対象の解答領域へ最初に記入されたストロークの記入開始時刻から、当該解答領域へ最後に記入又は消去されたストロークの記入又は消去が終了した時刻までの時間帯を算出する。そして、管理サーバ20は、算出した解答領域ごとの記入時間帯に基づき、図27(A)に示す記入遷移グラフの表示情報を生成し、その表示情報を教師用端末30に送信する。
次に、図26及び図27に示す表示例に類似した他の表示例についてさらに説明する。
第1の例では、教師用端末30は、図26の答案画像表示画面において、図27(B)と同様に同一セクションの解答領域を同一の解答領域とみなし、セクションごとの解答領域(ここでは4つ)に対してバルーンを表示してもよい。
第2の例では、教師用端末30は、図26の答案画像表示画面において、記入時間に代えて書込量(記入量)を算出し、各解答領域A1-D4に対する書込量をバルーンBa1-Bd4により表示してもよい。この場合、管理サーバ20は、バルーンの大きさを、対象の解答領域への書込量が多いほど大きく設定し、かつ、バルーンに重ねて書込量(ストローク数)を表示させる。
[変形例]
図1の教育支援システム100の構成例は一例であり、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。例えば、教師用端末30は、誤答集計画面、生徒別テスト経過画面、答案再現画面などの各画面の表示データを管理サーバ20の代わりに自ら生成してもよい。
図25は、教育支援システム100xの構成例を示す。図示のように、生徒側の構成は図1と同様であるが、接続デバイス12はネットワーク5を通じて教師用端末30へ直接記入データD1を送信する。教師用端末30にはテスト情報DB34及びテスト結果DB38が接続されており、教師用端末30は管理サーバ20が行っていた処理を実行する。例えば、教師用端末30は、テスト情報DB24及びテスト結果DB28を参照することで、図8、図12、図13、及び図16が示す処理を実行する。これにより、教師用端末30は、誤答集計画面、生徒別テスト経過画面、答案再現画面などの表示データを自ら生成して各画面を表示することができる。この場合、教師用端末30は、「情報処理装置」として機能する。
同様に、タブレット10bは、テスト情報DB24及びテスト結果DB28を参照可能に構成され、解答入力キーボード及びアドバイス画面などの表示データを管理サーバ20の代わりに自ら生成してもよい。この場合、タッチペン10cは、テスト情報DB24及びテスト結果DB28に基づき、図19及び図24が示すフローチャートの処理を実行する。この場合、タブレット10bは、テスト情報DB24及びテスト結果DB28を直接参照可能であってもよく、各処理に必要なテスト情報DB24及びテスト結果DB28のデータを、管理サーバ20から受信してもよい。これにより、タブレット10bは、解答入力キーボード及びアドバイス画面などの表示データを自ら生成して表示することができる。この場合、タブレット10bは、「情報処理装置」として機能する。
また、教育支援システム100は、解答用紙をスキャンするためのスキャナを有し、管理サーバ20は、スキャナから供給されるスキャン画像に基づき記入データを生成し、生徒が記入した解答を示す解答情報(解答の筆跡を再現するためのストローク情報も含む)などのテスト結果DB28に記録すべき各情報を生成してもよい。
この場合、管理サーバ20は、空欄の解答用紙と、解答済みの解答用紙とをそれぞれスキャンした画像をスキャナから受信し、これらの画像間で差分が生じた画素群を、解答者が記入した筆跡を表すストロークとして認識する。この場合、管理サーバ20は、これらの画像間で差分が生じた画素群に対してOCRを行うことで文字情報に変換してもよい。これにより、管理サーバ20は、解答用紙に記入されたストローク数(書込量)等を好適に算出することができる。
この態様によっても、例えば、管理サーバ20は、図26の答案画像表示画面において、記入時間に代えて書込量(記入量)をスキャン画像により認識したストロークに基づき算出し、各解答領域A1-D4に対する書込量をバルーンBa1-Bd4により表示することができる。