JP2016004258A - 記述過程自動分析装置と分析方法及び分析プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】記述者の思考や心理の違いにより生じる記述時のためらいや迷いをより正確に、かつより詳細に分析可能な記述過程自動分析装置等を提供する。【解決手段】所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得手段16、18と、取得された記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集手段11と、収集された空白時間に基づいて、記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出手段11を備えている。【選択図】 図6
Description
この発明は、記述者の思考や心理の違いにより生じる記述時のためらいや迷いを分析可能な記述過程自動分析システムと分析方法及び分析プログラムに関する。
例えば、学習指導の現場において、記述された結果や提出された回答用紙の内容だけでは、生徒の理解度をより正しく認識することが出来ない場合が存在する。同じ正解を記述した生徒であったとしてもそれが短時間で導いたのか、迷いながら長時間かけて解いたのかによって理解度は変わってくるが、記述結果だけでは正確に測ることは出来ない。このように生徒がどこで迷っていたのかというような情報は、問題作成者にとっての作成問題の難易度確認や、指導者にとっての指導効果などの測定に重要な情報であり、記述経過を観察する必要がある。
記述経過の観察のために、ビデオカメラなどで記述の様子を撮影して研究するような手法も、実際の教育の現揚では行われているが、記述者に生じた思考や心理的な変化をそれによって分析することは困難である。
また、筆跡等の記述情報を取得する手段により、経過時間毎の筆跡の様子を入手することは可能であるが、速さや描画時間などでは、正確に記述内容から、記述者のためらいなどを認知することはやはり困難である。
例えば、記述の速さで判断しようとした場合、記述者が丁寧に書いた場合も、ためらいながら書いた場合も速さは遅くなり、本当にためらっていたかどうかを速さから判断することは出来ない。また、描画時間で判断しようとした場合、画数が少ない文字をためらいながら書いた場合と、画数の多い文字を素早く書いた場合の描画時間において、後者の方が描画に長く時間がかかる場合が存在し、ためらいながら書いた兆候を見逃してしまう。一画毎の長さも画数も文宇による違いが大きいため、異なる文字の記述を、速さや描画時間では平等に判断することが困難である。
そこで、特許文献1には、回答終了時刻を計測し、その時刻に応じて問題の配点を変更して処理を行う技術が提案されている。
また、特許文献2には、内田クレペリン検査において、検査筆画と筆画の間の長時間にわたる空白時間を、作業を中断した状態のブロッキングとして判断し、その出現頻度等を分析する技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、回答が終わったタイミングのみを利用しているため、記述者の思考や心理の違いにより生じる記述時のためらいや迷いを分析することはできなかった。
また、特許文献2に記載の技術では、筆画と筆画の間の空白時間を利用することで、描画速度や描画時間を利用する場合に比べて、記述時のためらいに関する特徴をより正確に算出することはできるものの、一定の限界があった。
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、記述者の思考や心理の違いにより生じる記述時のためらいや迷いをより正確に、かつより詳細に分析可能な記述過程自動分析装置と分析方法を提供し、さらには分析プログラムを提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集手段と、前記空白時間収集手段により収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出手段と、を備えたことを特徴とする記述過程自動分析装置。
(2)前記所定時間は、複数の設問を記述するのに与えられた全体の時間である前項1に記載の記述過程自動分析装置。
(3)前記取得手段は、タッチパネル、筆跡を記録可能な電子ペン、記述用の用紙を重ねて記述情報を取得する装置の少なくともいずれかを含む前項1に記載の記述過程自動分析装置。
(4)前記抽出手段は、複数の前記記述特徴を用いて他の記述特徴を抽出する前項1〜3のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(5)前記抽出手段により抽出された複数の前記記述特徴の比較結果を出力する出力手段を備えている前項1〜4のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(6)前記抽出手段は、単位時間毎の記述特徴を抽出する前項1〜5のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(7)前記抽出手段は、単語単位毎、文単位毎、或いは設問単位毎の記述特徴を抽出する前項1〜6のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(8)前記記述特徴は、複数の前記空白時間を所定の方法で処理した値の一つまたは複数で示される情報である前項1〜7のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(9)前記記述特徴は、前記空白時間と前記記述清報を所定の方法で処理した値の一つまたは複数で示される情報である前項1〜7のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(10)前記空白時間収集手段は、一文字毎の空白時間を収集する前項1〜9のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(11)前記空白時間収集手段は、各文字の問の空白時間を収集する前項1〜10のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(12)前記空白時間収集手段は、一文字毎の空白時間及び各文字の問の空白時間を収集し、前記抽出手段は、前記収集された一文字毎の空白時間と各文字の間の空白時間のうちの一方を除外し、他方を用いて前記記述特徴を抽出する前項1〜9のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(13)前記記述情報は、筆画が描画された時間を示す描画継続時間、経過時間毎の筆画の位置、経過時間毎の筆画の速度のいずれかもしくは複数の情報である前項1〜12のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(14)前記記述情報は描画された筆画毎に関連付けられている前項13に記載の記述過程自動分析装置。
(15)所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集ステップと、前記空白時間収集ステップにより収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出抽出ステップと、を備えたことを特徴とする記述過程自動分析方法。
(16)所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集ステップと、前記空白時間収集ステップにより収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出抽出ステップと、を記述過程自動分析装置のコンピュータに実行させるための記述過程自動分析プログラム。
(1)所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集手段と、前記空白時間収集手段により収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出手段と、を備えたことを特徴とする記述過程自動分析装置。
(2)前記所定時間は、複数の設問を記述するのに与えられた全体の時間である前項1に記載の記述過程自動分析装置。
(3)前記取得手段は、タッチパネル、筆跡を記録可能な電子ペン、記述用の用紙を重ねて記述情報を取得する装置の少なくともいずれかを含む前項1に記載の記述過程自動分析装置。
(4)前記抽出手段は、複数の前記記述特徴を用いて他の記述特徴を抽出する前項1〜3のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(5)前記抽出手段により抽出された複数の前記記述特徴の比較結果を出力する出力手段を備えている前項1〜4のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(6)前記抽出手段は、単位時間毎の記述特徴を抽出する前項1〜5のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(7)前記抽出手段は、単語単位毎、文単位毎、或いは設問単位毎の記述特徴を抽出する前項1〜6のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(8)前記記述特徴は、複数の前記空白時間を所定の方法で処理した値の一つまたは複数で示される情報である前項1〜7のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(9)前記記述特徴は、前記空白時間と前記記述清報を所定の方法で処理した値の一つまたは複数で示される情報である前項1〜7のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(10)前記空白時間収集手段は、一文字毎の空白時間を収集する前項1〜9のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(11)前記空白時間収集手段は、各文字の問の空白時間を収集する前項1〜10のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(12)前記空白時間収集手段は、一文字毎の空白時間及び各文字の問の空白時間を収集し、前記抽出手段は、前記収集された一文字毎の空白時間と各文字の間の空白時間のうちの一方を除外し、他方を用いて前記記述特徴を抽出する前項1〜9のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(13)前記記述情報は、筆画が描画された時間を示す描画継続時間、経過時間毎の筆画の位置、経過時間毎の筆画の速度のいずれかもしくは複数の情報である前項1〜12のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
(14)前記記述情報は描画された筆画毎に関連付けられている前項13に記載の記述過程自動分析装置。
(15)所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集ステップと、前記空白時間収集ステップにより収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出抽出ステップと、を備えたことを特徴とする記述過程自動分析方法。
(16)所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集ステップと、前記空白時間収集ステップにより収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出抽出ステップと、を記述過程自動分析装置のコンピュータに実行させるための記述過程自動分析プログラム。
この発明に係る記述過程自動分析システム及び分析方法によれば、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集し、この空白時間を用いることで、描画速度や描画時間に比べてより正確に記述時のためらいに関する特徴を算出することが出来るのに加えて、次のような効果がある。
すなわち、収集された空白時間に基づいて所定単位毎の記述者の記述特徴が抽出されるから、記述者の思考や心理の違いにより生じる記述時のためらいや迷いを単位毎に詳細に分析することができる。このため、記述者は自身の記述に関する特徴を単位毎に得ることで、記述態度の改善や、記述にためらいがある個所を明確に把握することが出来る。また、記述問題の作成者などの記述内容を指定する者は、どの設問で記述にためらいや迷いがあるかを判断することができ、設問毎の難易度を判断して記述者の理解度を確認したり、設問の改善等を行うことが可能となる。
また、この発明に係る記述過程自動分析プログラムによれば、電子データとして取得された所定時間内における記述者の記述情報から収集された空白時間に基づいて、記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する処理を、記述過程自動分析装置のコンピュータに実行させることができる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る記述過程自動分析装置の構成を示すブロック図である。
記述過程自動分析装置は、この実施形態では例えばタブレット端末装置から構成される例を示すが、パーソナルコンピュータ等で構成される装置であっても良い。
記述過程自動分析装置1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、記憶部14と、表示部15と、タッチパネル16と、通信インターフェース(通信IF)17等を備えている。
前記CPU11は、装置の全体を統括的に制御する。特にこの実施形態では、タッチパネル16により電子データとして取得された所定時間内における記述者の記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集したり、収集した空白時間に基づいて記述者の記述特徴を所定単位毎に抽出したり、文字認識処理等を行うが、具体的な処理内容については後述する。
前記ROM12は、前記CPU11の動作プログラム等が格納されているメモリであり、RAM13は、前記CPU11が動作プログラムを実行する際の作業領域を提供するメモリである。
前記記憶部14は、オペレーティングシステム(OS)や汎用アプリケーションを保存するほか、タッチパネル16により取得されたユーザーによる文字記述時の電子データや、この電子データに基づいて収集された空白時間や、抽出された記述特徴等の各種情報を保存するメモリである。
表示部15は、ウェブページの画像等の各種の画像、ユーザーに対する操作画面、設問の問題文、メッセージ、記述過程の分析結果等を表示したり、ユーザー操作に使用されるものであり、液晶等の表示デバイスにより構成されている。
タッチパネル16は表示部15の画面上に設けられ、ユーザーのジェスチャ操作を含むタッチ操作を検出して、タッチされた座標等を特定するものである。さらにこの実施形態では、タッチパネル16は、記述者の記述情報を電子データとして取得する機能を有する。即ち、タッチパネル16上で文字を記述したときに、タッチパネルをタッチしたときの情報とタッチパネルからタッチを解除した情報とに基づいて、後述する記述情報を電子データとして取得する。
通信インターフェース17は、アクセスポイントを介して無線通信により他の外部機器との間でデータの送受を行うためのものである。
電子ペン(デジタルペン)18は、用紙やタブレット端末装置の表示部15に対して文字を描くことにより、筆跡を記録可能なペン型の入力装置であり、この実施形態ではタッチパネル16と同様に、用紙等にペンタッチした情報とペンダウンした情報に基づいて、文字を記述したときの記述情報を電子データとして取得するものである。
なお、記述情報を取得する手段としてタッチパネル16や筆跡を記録可能な電子ペン18の他に、圧力検知部の上に重ねられた用紙に文字が記述されたときの筆圧に基づく圧力検知部からの信号を受信して、記述情報を取得する装置が用いられても良い。
次に、タッチパネル16や電子ペン18によって取得される記述情報について説明する。
図2はカタカナの「コ」について記述されたときの記述情報を示すものであり、同図(A)は実際に記述された筆画をxy座標上に示したものであり、同図(B)〜(D)は一画目を時刻t1から時刻t2にかけて記述し、二画目を時刻t3からt4にかけて記述した場合の記述情報である。
より具体的には、図2(B)は時間毎の描画位置のx座標に関する記述情報であり、図2(C)は時間毎の描画位置のy座標に関する記述情報であり、図2(D)は時間毎に得られる記述の有無についての記述情報であり、時間t2とt3の間が1画目と2画目つまり筆画の間の空白時間である。また、これらの図2(B)〜(D)に示した記述情報は、図2(A)に示した実際の記述のどの筆画に対応した情報であるか判別することが可能な情報である。
なお、筆画とは、漢字の字体を構成する要素の一つで、最小の単位であり、点画(てんかく)ともいう。筆を下ろして書き始め、再び離すことでできる「線」または「点」である。筆画の数を画数(かくすう)といい、1画、2画と数える。また筆画を並べていく順序を筆順という。単語とは文法上、意味・職能をもった最小の言語単位であり、例えば「鳥が鳴く」という文は、「鳥」「が」「鳴く」の三つの単語からなる。熟語は2字またはそれ以上の漢字で書かれる漢語である。文は一連の単語の組合せで完結した内容を表す最小の単位である。日本語では「句点」で区切られる。
次に、平仮名「あ」「い」「う」を記述した場合の記述情報を、図3(A)及び(B)を用いて説明する。
図3(A)は実際に記述された筆画であり、筆画の始点に筆画順を表す数字を添えて示している。図3(B)は、記述情報のうち時間毎の記述の有無の情報を示したものであり、記述有の状態である描画時間には、対応する筆画順を表す数字が添えられている。d1で示される空白時間が抽出対象である一文字を構成する筆画の間の空白時間であり、d2で示される空白時間が、抽出対象である各文字の間の空白時間である。
各文字の間の空白時間d2は、前後の筆画が属する文字そのものが異なるため、一文字を構成する文字の筆画の間d1と比べて空白時間が長くなる傾向があり、いずれかの空白時間を抽出して特徴として分析する必要がある。ただし、これはあくまで、心理的な変化がなく、一定の調子で記述を続けた場合の傾向であるため、そうでない場合は、d1がd2より長くなる状態も発生する。そのような状況は観察したい心理的な変化が反映された記述特徴の変化であるため、d1とd2を分別する条件として、空白時間の大小そのものを用いることは、非常に不適切であるため注意が必要である。この実施形態では、文字認識処理を基に一文字を判別している。
この実施形態では、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間に基づいて、所定単位毎に記述者の記述特徴を抽出するが、その一例を図4及び図5を参照して説明する。この例では、単位時間当たりの記述における文字を構成する筆画の間の空白時間の平均値を記述特徴として抽出し、ある記述者の評価対象の記述特徴である前記平均値と、同一記述者の過去複数の前記平均値から算出した過去の記述特徴との比較結果を提供するものとなされている。
まず、図4(A)に示す所定時間の記述情報を、図4(B)に示すように単位時間ごとに分割する。所定時間とは例えば複数の設問を記述するのに与えられた全体の時間をいうが、これに限定されるものではない。
次に、分割された各単位時間の記述清報について、文字認識を行い、筆画毎に属している文字を判別するとともに、各単位時間毎に、一つの文字に属する筆画と筆画の間の空白時間を求めて記録する。単位時間内に文字が複数ある場合は、各文字について筆画と筆画の間の空白時間を求めて記録する。そして、単位時間毎に、求めた空白時間の平均値を、その単位時間における値として記録する。ただし、空白時間が一度も記録されていなかった場合は、値なしとして記録する。
図5は、上記の方法によって求めた単位時間毎の空白時間の平均値を時系列にまとめた結果を示すグラフである。
以上の処理を図6のフローチャートに示す。このフローチャート、図10及び図15のフローチャートに示される処理は、記述過程自動分析装置1のCPU11がROM12等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
図6において、ステップS01では、所定時間の記述情報を単位時間毎に分割する。分割数mはm=所定時間÷単位時間である。
次にステップS02で、変数k、初期値1、終値m、増分1を設定した後、ステップS03で、分割されたk番目の単位時間の記述情報に含まれるすべての筆画(筆画数n)について、自身が構成する文字を文字認識等により判断する。
次にステップS04で、変数j、初期値1、終値n−1、増分1を設定した後、ステップS05で、j番目の筆画とj+1番目の筆画が同一の文字に属するか否かを判断する。同一の文字に属せば(ステップS05でYES)、ステップS06で、j番目の筆画の終了時刻とj+1番目の筆画の開始時刻の差を空白時間として記録したのち、ステップS07に進む。ステップS05で、同一の文字に属さなければ(ステップS05でNO)、そのままステップS07に進む。
ステップS07では、ステップS05及び06の処理をj=1からj=n−1まで行った後、ステップS08で、分割されたk番目の単位時間について、記述情報の空白時間の平均値を記録する。
ステップS09では、ステップS03〜08の処理をk=1からk=mまで行った後、ステップS10で、単位時間毎に分割された記述情報の空白時間の平均値を、時系列に並べたデータを作成する。
このような処理を、同一の所定時間における複数の記述情報に対して実施し、得られた複数の記述特徴について、経過時間が同じ複数の単位時間毎の平均値を算出し、経過時間に対する単位時間毎の過去の記述特徴とする。これを図7(A)の破線で示す。
次に、評価対象となる記述情報について、同一の所定時間を同様に単位時間毎に分割するとともに、分割された単位時間毎の空白時間の平均値を算出し、時系列に並べる。これを図7(A)の実線で示す。
次に、図7(A)の破線で示された単位時間毎の過去の記述特徴に対する、図7(A)の実線で示された単位時間毎の現在の記述特徴の比を求め、比較結果として算出する。これを図7(B)に示す。そして、比較結果を表示部15に出力し、あるいは外部の印刷装置により用紙に印刷する。
このような比較を行うことで、過去の記述傾向とは異なる時間帯の存在を示すことができ、記述者が通常とは異なる心理状態にあった時間帯を明確にすることが可能となる。この異なる時間帯で記述者が取り組んでいた問題や、その他内外で起こった要因に注目することで、状況の改善や指導を行うことが可能である。
図8及び図9は、記述特徴の他の抽出例を説明するための図である。この例は、設問の記述に取り組んだ一人又は同一の設問の記述に取り組んだ複数の回答者の一回答欄の記述において、文字を構成する筆画の間の空白時間の中央値を記述特徴として抽出するものである。
まず、図8(A)に示す所定時間の記述情報を、図8(B)に示すように回答欄毎に分割する。所定時間とは例えば複数の設問を記述するのに与えられた全体の時間である。
次に、分割された各回答欄の記述清報について、文字認識を行い、筆画毎に属している文字を判別するとともに、各回答欄毎に、一つの文字に属する筆画と筆画の間の空白時間を求めて記録する。回答欄内に文字が複数ある場合は、各文字について筆画と筆画の間の空白時間を求めて記録する。複数の回答者が存在する場合は、空白時間の算出及び記録を複数の回答者の回答に対して行う。
そして、回答欄毎に、求めた空白時間の中央値を、その回答欄における値として記録する。ただし、空白時間が一度も記録されていなかった場合は、値なしとして記録する。
図9は、上記の方法によって求めた回答欄毎の空白時間の中央値を時系列にまとめた結果を示すグラフであり、表示部15に表示され、あるいは外部の印刷装置により用紙に印刷される。
この例によれば、中央値の大きい回答欄を、回答者の記述にためらいや迷いがある回答欄として明確に把握することができる。
図8及び図9で説明した処理を図10のフローチャートに示す。
図10において、ステップS21では、記述情報を回答欄毎に分割する。回答欄数(分割数)をmとする。
次にステップS22で、変数k、初期値1、終値m、増分1を設定した後、ステップS23で、分割されたk番目の回答欄の記述情報に含まれるすべての筆画(筆画数n)について、自身が構成する文字を文字認識等により判断する。
次にステップS24で、変数j、初期値1、終値n−1、増分1を設定した後、ステップS25で、j番目の筆画とj+1番目の筆画が同一の文字に属するか否かを判断する。同一の文字に属せば(ステップS25でYES)、ステップS26で、j番目の筆画の終了時刻とj+1番目の筆画の開始時刻の差を空白時間として記録したのち、ステップS27に進む。ステップS25で、同一の文字に属さなければ(ステップS25でNO)、そのままステップS27に進む。
ステップS27では、ステップS25及び26の処理をj=1からj=n−1まで行った後、ステップS28で、分割されたk番目の回答欄について、記述情報の空白時間の中心値を記録する。
ステップS29では、ステップS23〜28の処理をk=1からk=mまで行った後、ステップS30で、回答欄毎に分割された記述情報の空白時間の中央値を、回答欄に対応させて並べたデータを作成する。
図11〜図14は、記述特徴の他の抽出例を説明するための図である。この例は、用紙等に記述された筆画について、座標の近い筆画の間の空白時間について、平均値を記述特徴として抽出するとともに、前記平均値の大小に応じた濃淡の色を対応する筆画に対して上書きで塗りつぶした図を作成するものである。
まず、所定時間の記述情報、例えば図11に示すように「あいう」と「かきく」の文字列が上下2段に記載されている場合の記述情報について、図12に示すように、筆画の終点と、次に描画された筆画の始点の距離を算出し、その散らばり具合である標準偏差を求め、平均値に標準偏差を加算した値を分割基準値とする。図12では、記述順序を筆画の始点に数字で示し、筆画の終点から次の筆画の始点までの距離を示す線分を破線矢印で示している。
次に、全ての筆画について、筆画の終点と次に描画された筆画の始点の距離を前記分割基準値と比較し、距離が長かった場合は、終点側の筆画と始点側の筆画の間で筆画を分割し、終点側の筆画までの各筆画を1つのグループとし、始点側の筆画以降の筆画を別のグループとする。
図13に、各筆画が記述された際の経過時間に対する記述の有無を示す。図中の数字は図12に示した筆画の番号に対応している。図13の記述情報から、7番目の筆画と8番目の筆画の間の距離が、分割基準値よりも距離が長く、1番から7番目の筆画を含む第1グループと、8番から15番目の筆画を含む第2グループの2つのグループに分割される。第1グループに属する筆画の間の空白時間を「a」で示し、第2グループに属する筆画の間の空白時間を「b」で示している。
次いで、分割された各グループについて、筆画と筆画の間の空白時間の平均値を求めるとともに、分割されたグループ毎に、それらの筆画を全て含む長方形の領域に対して、前記空白時間の大小に比例する濃淡の色で上書き表示を行う。このような表示を行った状態を図14に示す。図14では、第2グループの領域の色が第1グループの領域の色とは異なっていることを、斜線で示している。
このように、記述結果をグループに分け、色を異ならせて表示することで、記述時のためらいや迷いの違いについてグループ単位で認識することが可能となる。図14の例でいえば、「あいう」と「かきく」を書いた際の記述特徴が異なることが明確にわかり、例えば第2のグループにおける記述に際してためらいや迷い等があったことを明確に把握できる。
図11〜図14で説明した処理を図15のフローチャートに示す。
図15において、ステップS41では、記述情報すべての筆画について、筆画の終点と次の筆画の始点との距離を求めたのち、ステップS42で、筆画間の距離から平均値と標準偏差を求め、平均値に標準偏差を加算した値を分割基準値とする。
次に、ステップS43で分割数n=1とし、ステップS44で、変数j、初期値1、終値m(総筆画数)−1、増分1を設定した後、ステップS45で、j番目の筆画の終点とj+1番目の筆画の始点の距離が、分割基準値よりも小さいか否かを判断する。小さい場合(ステップS45でYES)、ステップS46で、j番目の筆画とj+1番目の筆画の間の空白時間を求め、n番目の分割(グループ)に属する空白時間として記録する。
次にステップS47でj=m−1かどうかを調べ、j=m−1でなければ(ステップS47でNO)、ステップS52に進む。j=m−1であれば(ステップS47でYES)、ステップS49に進む。
一方、ステップS45で、j番目の筆画の終点とj+1番目の筆画の始点の距離が、分割基準値よりも小さくなければ(ステップS45でNO)、ステップS48で、n番目の分割に属する空白時間の数が0よりも大きいかどうかを調べる。大きければ(ステップS48でYES)、ステップS49で、n番目の分割に属する空白時間の平均値を求めた後、ステップS50に進む。n番目の分割に属する空白時間の数が0であれば(ステップS48でNO)、ステップS51で、n番目の分割に属する空白時間の平均値は値なしとした後、ステップS50に進む。
ステップS50では、分割数nを1加算した後、ステップS52に進む。ステップS52では、ステップS45〜S50を、変数jの初期値から終値まで繰り返した後、ステップS53で、分割(グループ)毎の領域を求め、空白時間の平均値に応じて領域毎に色分けしたデータを作成し、ステップS54で、作成したデータを出力する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、空白時間を収集する単位は設問単位の他に、単語単位、文単位等であってもよい。
1 タブレット端末装置
11 CPU
12 ROM
14 記憶部
15 表示部
16 タッチパネル
18 電子ペン
11 CPU
12 ROM
14 記憶部
15 表示部
16 タッチパネル
18 電子ペン
Claims (16)
- 所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集手段と、
前記空白時間収集手段により収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出手段と、
を備えたことを特徴とする記述過程自動分析装置。 - 前記所定時間は、複数の設問を記述するのに与えられた全体の時間である請求項1に記載の記述過程自動分析装置。
- 前記取得手段は、タッチパネル、筆跡を記録可能な電子ペン、記述用の用紙を重ねて記述情報を取得する装置の少なくともいずれかを含む請求項1に記載の記述過程自動分析装置。
- 前記抽出手段は、複数の前記記述特徴を用いて他の記述特徴を抽出する請求項1〜3のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記抽出手段により抽出された複数の前記記述特徴の比較結果を出力する出力手段を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記抽出手段は、単位時間毎の記述特徴を抽出する請求項1〜5のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記抽出手段は、単語単位毎、文単位毎、或いは設問単位毎の記述特徴を抽出する請求項1〜6のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記記述特徴は、複数の前記空白時間を所定の方法で処理した値の一つまたは複数で示される情報である請求項1〜7のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記記述特徴は、前記空白時間と前記記述清報を所定の方法で処理した値の一つまたは複数で示される情報である請求項1〜7のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記空白時間収集手段は、一文字毎の空白時間を収集する請求項1〜9のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記空白時間収集手段は、各文字の問の空白時間を収集する請求項1〜10のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記空白時間収集手段は、一文字毎の空白時間及び各文字の問の空白時間を収集し、前記抽出手段は、前記収集された一文字毎の空白時間と各文字の間の空白時間のうちの一方を除外し、他方を用いて前記記述特徴を抽出する請求項1〜9のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記記述情報は、筆画が描画された時間を示す描画継続時間、経過時間毎の筆画の位置、経過時間毎の筆画の速度のいずれかもしくは複数の情報である請求項1〜12のいずれかに記載の記述過程自動分析装置。
- 前記記述情報は描画された筆画毎に関連付けられている請求項13に記載の記述過程自動分析装置。
- 所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集ステップと、
前記空白時間収集ステップにより収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出抽出ステップと、
を備えたことを特徴とする記述過程自動分析方法。 - 所定時間内における記述者の記述情報を電子データとして取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記記述情報から、筆画と次の筆画を記述する間の空白時間を収集する空白時間収集ステップと、
前記空白時間収集ステップにより収集された前記空白時間に基づいて、前記記述者の所定単位毎の記述特徴を抽出する抽出抽出ステップと、
を記述過程自動分析装置のコンピュータに実行させるための記述過程自動分析プログラム。
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JP2014126721A JP2016004258A (ja) | 2014-06-19 | 2014-06-19 | 記述過程自動分析装置と分析方法及び分析プログラム |
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JP2020016871A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-30 | 大日本印刷株式会社 | 情報処理装置及びプログラム |
JP2022542568A (ja) * | 2019-07-24 | 2022-10-05 | ライフスキャン アイピー ホールディングス エルエルシー | 分析物測定システムで使用されるバイオセンサの汚染の決定 |
WO2023140089A1 (ja) * | 2022-01-20 | 2023-07-27 | 株式会社ワコム | コンピュータ、プログラム、及びストロークデータ表示制御方法 |
-
2014
- 2014-06-19 JP JP2014126721A patent/JP2016004258A/ja active Pending
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