JP7212835B2 - 溶剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(Z))と、シクロヘキサンと、エタノールとを含む共沸混合物様の組成物に関する。
クロロフルオロカーボン(CFC)類や、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類などの含フッ素飽和化合物は、発泡剤、熱伝達媒体、溶媒、洗浄剤などの用途において使用されてきた。これらの用途においては、単一成分または共沸様組成物、すなわち沸騰、蒸発時に実質的に分留しないものの使用が特に望ましい。
これらの含フッ素飽和化合物は、地球温暖化係数(GWP)が大きく、地球環境への影響が懸念され、使用が制限されている。そこで、CFC類やHCFC類に代わる化合物として、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)類が開発されている。HCFO類は大気中での寿命が短く、地球温暖化係数が小さいという優れた環境性能を有する。
しかしながら、HCFO類をはじめとして、新規な、環境に安全で、分留しない組成物の開発は、共沸または共沸様組成物の形成が容易に予測できないことから、困難である。そのため、産業界は、CFC類や、HCFC類に代わる、性能上許容でき、環境上より安全な代替品である新規なHCFO類組成物を絶えず求めている。
ところで、特許文献1には、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、「1233zd(Z)」とも記す)と、エタノールとから本質的になる、二成分共沸混合物様の組成物を開示している。
特表2012-506944号公報
本発明は、CFC類、HCFC類等の代替物となる冷媒、溶剤、洗浄剤等の広範囲な用途に有用な、共沸混合物様の組成物を提供することを課題とする。特に、CFC類、HCFC類等の代替物となる共沸混合物様の組成物、溶剤組成物、洗浄剤、フラックス洗浄剤、水切り剤、溶媒、シリコーン溶剤、発泡剤、熱伝達媒体、被洗浄物の洗浄方法及びその熱伝達媒体を用いた有機ランキンサイクルシステム、高温ヒートポンプサイクルシステム、冷凍サイクルシステムを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(Z))と、シクロヘキサン(以下、「c-Hex」とも記す)と、エタノール(以下、「EtOH」とも記す)とが共沸混合様の組成物を形成することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の実施形態の一つは、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールとを含む共沸混合物様の組成物である。また、この共沸混合物様の組成物は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを50質量%以上、シクロヘキサンとエタノールとを50質量%以下含んでもよい。また、この共沸混合物様の組成物は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを80~98質量%、シクロヘキサンを1~19質量%とエタノールを1~19質量%含んでもよい。また、この共沸混合様の組成物は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールとから実質的になってもよい。
本発明の実施形態の一つは、前記共沸混合物様の組成物を含む溶剤組成物である。この溶剤組成物は、潤滑剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤、金属不動態化剤、腐食防止剤または有機溶剤を含んでもよい。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を含む、洗浄剤である。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を含む、フラックス洗浄剤である。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を含む、水切り剤である。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を含む、溶媒である。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を含む、シリコーン溶剤である。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を含む、発泡剤である。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を含む、熱伝達媒体である。
本発明の実施形態の一つは、前記溶剤組成物を被洗浄物と接触させる工程を含む、被洗浄物の洗浄方法である。
本発明の実施形態の一つは、前記熱伝達媒体を用いた有機ランキンサイクルシステムである。
本発明の実施形態の一つは、前記熱伝達媒体を用いた高温ヒートポンプサイクルシステムである。
本発明の実施形態の一つは、前記熱伝達媒体を用いた冷凍サイクルシステムである。
本発明によれば、CFC類、HCFC類等の代替物となる冷媒、溶剤、洗浄剤等の広範囲な用途に有用な、共沸混合物様の組成物を提供することを課題とする。特に、CFC類、HCFC類等の代替物となる共沸混合物様の組成物、溶剤組成物、洗浄剤、フラックス洗浄剤、水切り剤、溶媒、シリコーン溶剤、発泡剤、熱伝達媒体、被洗浄物の洗浄方法及びその熱伝達媒体を用いた有機ランキンサイクルシステム、高温ヒートポンプサイクルシステム、冷凍サイクルシステムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、以下の実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされたものと解される。
含フッ素オレフィンと種々の溶剤とを含む組成物は、液組成が変動しやすいという問題が内在している。すなわち、仮に複数種類の液体を混合し、相溶性を確保できたとしても、各成分の揮発度の違いにより、液組成が変動しやすいという問題がある。液組成の変動は、各種用途において想定していた性能の低下や、操作上の負荷がかかりやすくなる。これに対して、共沸混合様の組成物は、液組成と実質的に同じ組成で揮発するので、使用中に液組成が実質的に変化しない非常に好ましい組成物である。
本明細書において、共沸混合物様の組成物には、厳密に共沸性である組成物及び共沸混合物のように挙動する組成物の両方が含まれる。また、本明細書において、共沸混合物様の組成物には、所定の圧力において組成物が単一の液相で存在する均一共沸混合物、または所定の圧力において組成物が2以上の液相として存在する異相共沸混合物も含まれる。
本発明者らは、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(沸点:39℃)とシクロヘキサン(沸点:81℃)とエタノール(沸点:78℃)の混合物が共沸混合物様の組成物を形成することを見出した。この共沸混合物様の組成物は、地球温暖化係数(GWP)が極めて小さい1233zd(Z)を含むことから、従来のCFC類やHCFC類と比べて、地球環境にやさしい組成物である。
本発明の共沸混合物様の組成物(以下、「本組成物」とも記す)は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンとシクロヘキサンとエタノールとを含む。
また、ある一態様において、本組成物は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを50質量%以上含み、シクロヘキサンとエタノールとを合計で50質量%以下含む。
また、ある一態様において、本組成物は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを80~98質量%、シクロヘキサンを1~19質量%とエタノールを1~19質量%含む。この組成においては、大気圧力条件下で沸点まで引火点を有さない。
ある一態様において、本組成物は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールとから実質的になる。ここで、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールとから実質的になるとは、本組成物において、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールとを、90質量%以上、好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上含むことを意味する。
本発明の実施形態の一つは、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールとを含む共沸混合物様の組成物を含む溶剤組成物である(以下、「本溶剤組成物」とも記す)。いくつかの態様において、本溶剤組成物は、本組成物とともにその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、潤滑剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤、金属不動態化剤、腐食防止剤、有機溶剤などが挙げられる。その他の成分の含有量は、その種類により異なってもよい。その他の成分の合計の含有量は、本溶剤組成物において、例えば0.01~20質量%とし、0.01~10質量%とすることが好ましく、0.01~5質量%とすることがより好ましい。
<潤滑剤>
本溶剤組成物は潤滑剤を含んでいてもよい。このような潤滑剤としては、鉱物油(パラフィン系油またはナフテン系油)、合成油のアルキルベンゼン類(AB)、ポリ(アルファ-オレフィン)、エステル類、ポリオールエステル類(POE)、ポリアルキレングリコール類(PAG)、ポリビニルエーテル類(PVE)等を用いることができるが、これらに限定されない。
アルキルベンゼン類としては、n-オクチルベンゼン、n-ノニルベンゼン、n-デシルベンゼン、n-ウンデシルベンゼン、n-ドデシルベンゼン、n-トリデシルベンゼン、2-メチル-1-フェニルヘプタン、2-メチル-1-フェニルオクタン、2-メチル-1-フェニルノナン、2-メチル-1-フェニルデカン、2-メチル-1-フェニルウンデカン、2-メチル-1-フェニルドデカン、2-メチル-1-フェニルトリデカン等が挙げられる。
エステル類としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの混合物等の芳香族エステル、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル、炭酸エステル等が挙げられる。
ポリオールエステル類の原料となるアルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ(トリメチロールプロパン)、トリ(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ(ペンタエリスリトール)、トリ(ペンタエリスリトール)等のヒンダードアルコールのエステル等が挙げられる。
ポリオールエステル類の原料となるカルボン酸としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、オレイン酸、イソペンタン酸、2-メチルヘキサン酸、2-エチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸及び3,5,5-トリメチルヘキサン酸等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールとしては、炭素数1~18のアルコール(例えば、メタノール、エタノール、直鎖状または分枝状のプロパノール、直鎖状又は分枝状のブタノール、直鎖状又は分枝状のペンタノール、直鎖状又は分枝状のヘキサノール等の脂肪族アルコール)に、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキド等)を付加重合した化合物が挙げられる。
ポリビニルエーテル類としては、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリn-プロピルビニルエーテル、ポリイソプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
<安定剤>
本溶剤組成物は安定剤を含んでいてもよい。いくつかの態様において、本溶剤組成物が安定剤を含むことにより、熱安定性、耐酸化性等を改善することができる。このような安定剤としては、ニトロ化合物、エポキシ化合物、フェノール類、イミダゾール類、アミン類、炭化水素類等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ニトロ化合物としては、例えば、脂肪族及び/または芳香族誘導体が挙げられる。脂肪族系ニトロ化合物としては、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパン等が挙げられる。芳香族ニトロ化合物としては、例えば、ニトロベンゼン、o-、m-又はp-ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、o-、m-又はp-ニトロトルエン、o-、m-又はp-エチルニトロベンゼン、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-又は3,5-ジメチルニトロベンゼン、o-、m-又はp-ニトロアセトフェノン、o-、m-又はp-ニトロフェノール、o-、m-又はp-ニトロアニソール等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えばエチレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリシジルメタアクリレート、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等のモノエポキシ系化合物、ジエポキシブタン、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントルグリシジルエーテル等のポリエポキシ系化合物等が挙げられる。
フェノール類としては、例えば、フェノール性水酸基とともに、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン等各種の置換基を含み得る芳香族化合物が挙げられる。このような芳香族化合物としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、チモール、p-t-ブチルフェノール、o-メトキシフェノール、m-メトキシフェノール、p-メトキシフェノール、オイゲノール、イソオイゲノール、ブチルヒドロキシアニソール、フェノール、キシレノール等の1価のフェノールあるいはt-ブチルカテコール、2,5-ジ-t-アミノハイドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン等の2価のフェノール等が挙げられる。
イミダゾール類としては、炭素数1~18で直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基をN位の置換基とする、1-メチルイミダゾール、1-n-ブチルイミダゾール、1-フェニルイミダゾール、1-ベンジルイミダゾール、1-(β-オキシエチル)イミダゾール、1-メチル-2-プロピルイミダゾール、1-メチル-2-イソブチルイミダゾール、1-n-ブチル-2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1,4-ジメチルイミダゾール、1,5-ジメチルイミダゾール、1,2,5-トリメチルイミダゾール、1,4,5-トリメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
アミン類としては、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジアリルアミン、トリエチルアミン、N-メチルアニリン、ピリジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、トリアリルアミン、アリルアミン、α-メチルベンジルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、アニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
炭化水素類としては、α-メチルスチレン、p-イソプロペニルトルエン、イソプレン類、プロパジエン類、テルペン類等が挙げられる。
<難燃剤>
本溶剤組成物は難燃剤を含んでもよい。いくつかの態様において、本溶剤組成物が安定剤を含むことにより、燃焼性を改善することができる。このような難燃剤としては、ホスフェート類、ハロゲン化芳香族化合物、フッ素化ヨードカーボン、フッ素化ブロモカーボン等が挙げられるが、これらに限定されない。
<界面活性剤>
本溶剤組成物は界面活性剤を含んでもよい。いくつかの態様において、本溶剤組成物は界面活性剤を含むことにより、洗浄力、界面作用等をより一層改善することができる。このような界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪族エステル類;ポリオキシエチレンのソルビットテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。相乗的に洗浄力及び界面作用を改善する目的で、本組成物は、これらのノニオン系界面活性剤とともにカチオン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤を含んでもよい。
2.本溶剤組成物の各種用途
[洗浄剤用途]
本溶剤組成物は優れた洗浄力を有するため、洗浄剤として用いることができる。本溶剤組成物を洗浄剤として用いる分野は特に限定されないが、従来にCFC-113(クロロトリフルオロメタン)、HCFC-141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)、HCFC-225(3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225ca)及び1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225cb)の混合物)が洗浄剤として使用された分野が好適である。具体的には、電子部品(プリント基板、液晶表示器、磁気記録部品、半導体材料等)、電機部品、精密機械部品、樹脂加工部品、光学レンズ、衣料品等の洗浄が挙げられる。これらの物品を構成する基材の材質は、鉄、ステンレス、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、銀、銅、銅合金、スズ、硫酸アルマイト、チタン等の金属、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、金等で表面をメッキした金属、ポリプロピレン、エポキシ樹脂等のプラスチック材料、高分子材料、ガラス材料等が挙げられる。汚れの種類も限定されないが、CFC-113、HCFC-141b、HCFC-225で除去可能な汚れは、本組成物の組成比を最適化することで除去することが可能であり、そのような汚れとしてはパーティクル、油、グリース、ワックス、フラックス、インキ等が挙げられる。本組成物は、特にエレクトロニクス製造工程において行われるはんだ付けの際に副生成物として残るフラックス残渣の除去(フラックス洗浄剤)に好適である。
その洗浄方法は、本溶剤組成物を洗浄剤として被洗浄物と接触させること以外は特に限定されず、従来から用いられている方法を採用することができる。
具体的には、浸漬、スプレー、沸騰洗浄、超音波洗浄、蒸気洗浄、洗浄剤を含ませたスポンジ等による被洗浄物表面をふき取る方法、若しくはこれらの組み合わせ等が挙げられる。中でも後述の実施例に示すように、浸漬を行うことで、汚れを除去する方法が特に好ましい。ここで、浸漬とは、油等の汚れが付着した対象物(被洗浄物)を、本溶剤組成物と接触させることを指す。被洗浄物を本溶剤組成物に浸漬させることにより、被洗浄物に付着した汚れを該組成物中に溶解させることで、汚れを被洗浄物から取り除くことができる。なお、当該浸漬操作と共に、他の洗浄操作(沸騰洗浄、超音波洗浄など)を組み合わせることもできる。
本溶剤組成物は、気液平衡での液相組成比と気相組成比とが実質的に同一となるため、経時的に揮発が生じても組成変化が非常に小さく、常に安定した洗浄能力を得ることが可能となる。また、保管時における保管容器内での組成変化も避けることができる。
[水切り剤用途]
本溶剤組成物は水切り剤として用いることができる。自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる物品は、その製造工程において、純水等の水で洗浄されたり、水系洗浄剤、水系洗浄剤に水溶性溶剤を配合した準水系洗浄剤、アルコール系洗浄剤、グリコールエーテル系洗浄剤、炭化水素に界面活性剤を配合した炭化水素系洗浄剤等により洗浄されることがある。水系洗浄剤や準水系洗浄剤を使用した場合、洗浄後の物品には水が付着した状態となり、洗浄工程後に水切り剤で水分を排除する水切り工程が一般的に行われている。本溶剤組成物は、そのような水切り工程で用いる水切り剤として好適に用いることができる。
水切り方法は、本溶剤組成物を水切り剤として用いる以外は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、被水切り物品を本組成物に接触させて乾燥する方法が挙げられる。
被洗浄物に付着した汚れを除去できるとともに、被洗浄物に付着し得る水分を除去できる。したがって、洗浄工程と水切り工程とで使用する洗浄剤と水切り剤とを区別して用いる必要はないため、より生産的である。なお、このことは、洗浄工程と水切り工程とで使用する洗浄剤と水切り剤とを区別して用いることを妨げるものではなく、所望により、本溶剤組成物をそれぞれの工程において、洗浄剤および/または水切り剤として用いてもよい。いくつかの態様において、本溶剤組成物は、水分を含む汚れ(例えば、水溶性油)が付着した物品(被洗浄物品)の洗浄に好適である。本組成物を用いることにより、被洗浄物品に付着した汚れとともに水分を除去することができる。
[溶媒用途]
本溶剤組成物は溶媒として用いることができる。
[シリコーン溶剤用途]
本溶剤組成物はシリコーンの溶剤として優れた特性を有する。すなわち、本溶剤組成物は、オゾン層破壊係数及び地球温暖化係数(GWP)が低く、揮発性に優れ、かつ、種々のシリコーンを任意で溶解させることができる。
本溶剤組成物をシリコーン溶剤として用いると優れた効果を発揮する例としては、表面コーティングが挙げられる。表面コーティングにおいては、対象物の表面の保護、潤滑性を付与させるために、揮発性の溶剤に潤滑剤のシリコーンを溶解させて得たシリコーン塗布溶液を対象物に塗布した後に溶剤を蒸発させる事が一般的である。例えば、注射針にはすべり性を良くするために、シリコーンが塗布されている。
本溶剤組成物とシリコーンとを混合させることで、シリコーン塗布溶液として使用することができる。
使用されるシリコーンとしては、表面コーティング用に使用されている各種のシリコーンを使用することができる。例えば、ストレートシリコーンオイル(例えば、メチル基、フェニル基、水素原子を置換基として結合したジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル等)や、変性シリコーンオイル(例えば、シラノール基含有シリコーン、メトキシ基含有シリコーン、ビニル基含有シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等の反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイル等)を使用することができる。
例えば、使用されるシリコーンは、アミノアルキルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体を主成分とするもの、ジアミン変性シラン等のアミノ基含有シラン及びエポキシ基含有シランの反応生成物と、シラノール基を含有するポリジオルガノシロキサンとの反応生成物を主成分とするもの、側鎖又は末端にアミノ基を含有するシリコーンとポリジオルガノシロキサンとからなるシリコーン混合物、及びアミノ基含有アルコキシシラン、エポキシ基含有アルコキシシラン、および両末端にシラノール基を有するシリコーンを反応させて得られたシリコーンと非反応性シリコーンとの混合物等であってもよい。
シリコーン塗布溶液におけるシリコーン溶剤としての本溶剤組成物の割合は、例えば、0.1質量%以上80質量%以下とし、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
本溶剤組成物を含むシリコーン塗布溶液を対象物の表面に塗布し、本溶剤組成物を揮発させて除去することにより、対象物表面にシリコーンの被膜を形成する。本発明の方法を適用できる対象物としては、金属部材、樹脂部材、セラミックス部材、ガラス部材などの各種材質に適用することができ、特に、注射針の針管部や、ディスペンサー(液体定量噴出装置)のスプリングやバネ部分等に適用することができる。
例えば、注射針の針管部などにシリコーンの被膜を形成する場合、シリコーンを注射針の針管部に塗布する方法として、注射針の針管部を、シリコーン塗布溶液に浸漬させ、針管部の外表面に塗布した後、室温あるいは加温下に放置して本溶剤組成物を蒸発させ、シリコーンの被膜を形成させるディップコート法が適用されてもよい。
[発泡剤用途]
本溶剤組成物は、硬質ポリウレタンフォームまたはポリイソシアヌレートフォームの製造に用いる発泡剤として用いることができる。すなわち、本溶剤組成物からなる発泡剤、1種以上のポリオール、触媒、整泡剤などを混合した混合物(プレミックス)をイソシアネートと反応させることによって、硬質ポリウレタンフォームまたはポリイソシアヌレートフォームを製造することができる。
イソシアネートは、芳香族、環状脂肪族、鎖状脂肪族系等のものが包含され、一般には2官能のものが使用される。このようなイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンイソシアネート等のポリイソシアネートおよびこれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、尿素変性体が挙げられる。これらは単独または混合物で用いられる。
プレミックスに含まれるポリオールには、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、水酸基含有ジエチレン系ポリマー等が挙げられるが、ポリエーテル系ポリオールが一般的に使用される。また、ポリエステル系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールを主成分としてもよく、その他のポリオールを使用してもよい。
ポリエステル系ポリオールには、無水フタル酸、廃ポリエステル、ひまし油に由来する化合物の他に縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
発泡剤等との相溶性、発泡性、フォーム物性等の観点から、ポリエステルポリオールの水酸基価(OH価)は100mgKOH/g以上400mgKOH/g以下であり、かつ粘度が200Pa・s/25℃以上4000mPa・s/25℃以下であることが好ましい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びそれら変性体の他、糖、多価アルコール、アルカノールアミン等の活性水素を含む化合物をイニシエータにして、これに、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、エピクロルヒドリン、ブチレンオキシド等の環状エーテルを付加したものが好ましく使用される。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水酸基価が400mgKOH/g以上、1000mgKOH/g以下のものを使用する。
プレミックスに含まれる触媒には、有機金属系触媒及び有機アミン系触媒が包含される。有機金属触媒としては、有機スズ化合物が好ましく使用され、スタナスオクトエート、スタナスラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート等が挙げられる。有機アミン系触媒としては、第3級アミン、例えば、トリエチレンジアミン、N-エチルモルホリン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N’-トリエチルエタノールアミン等が挙げられる。
プレミックスに含まれる整泡剤としては、通常有機ケイ素化合物系の界面活性剤が用いられ、東レシリコーン(株)製SH-193、SH-195、SH-200またはSRX-253等、信越シリコーン(株)製F-230、F-305、F-341、F-348等、日本ユニカー(株)製L-544、L-5310、L-5320、L-5420、L-5720または東芝シリコーン(株)製TFA-4200、TFA-4202等が挙げられる。
プレミックスに含まれる難燃剤としては、硬質ポリウレタンフォームまたはポリイソシアヌレートフォームに使用されるリン酸エステルであり、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリスメチルホスフェート、トリスエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
プレミックスには、紫外線防止剤、スコーチ防止剤、プレミックス貯蔵安定剤などを存在させてもよい。これにより、硬質ポリウレタンフォームまたはポリイソシアヌレートフォームの諸物性を向上させることができる。
[熱伝達媒体用途]
本溶剤組成物は、冷凍サイクルシステム、高温ヒートポンプシステム、及び有機ランキンサイクルシステムなどの熱伝達媒体として好適である。また、いくつかの態様において、本溶剤組成物は、これらのサイクルシステムを洗浄するための洗浄剤として好適である。
本明細書において、「冷凍サイクルシステム」とは、少なくとも蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の要素機器を含む蒸気圧縮式の冷凍サイクルシステムであり、主に冷却することを目的とするシステムを指す。前記膨張弁は、熱伝達媒体が絞り膨張するための装置であり、キャピラリーチューブであってもよい。冷凍サイクルシステムは前記要素機器の他に、内部熱交換器、乾燥器(ドライヤ)、液分離器、油回収器、不凝縮ガス分離器を備えていてもよい。前記冷凍サイクルシステムは、冷蔵庫、空調システム、冷却装置として用いられてもよい。
本明細書において、「高温ヒートポンプサイクルシステム」とは、少なくとも蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の要素機器を含む蒸気圧縮式のヒートポンプサイクルシステムであり、主に加熱することを目的とするシステムを指す。前記膨張弁は、熱伝達媒体を絞り膨張させるための装置であり、キャピラリーチューブであってもよい。高温ヒートポンプサイクルシステムは、前記要素機器の他に、内部熱交換器、乾燥器(ドライヤ)、液分離器、油回収器、不凝縮ガス分離器を備えていてもよい。前記高温ヒートポンプサイクルシステムは、給湯システム、蒸気生成システム、加熱装置として用いられてもよい。また、前記高温ヒートポンプサイクルシステムは、熱源として、太陽熱エネルギー、工場廃熱などを利用してもよい。
本明細書において、「有機ランキンサイクルシステム」とは、少なくとも蒸発器、膨張機、凝縮器、昇圧ポンプの要素機器を含むランキンサイクルシステムであり、主に熱エネルギーを電気エネルギーへと変換することを目的とするシステムを指す。有機ランキンサイクルシステムは、前記要素機器の他に、内部熱交換器、乾燥器(ドライヤ)、液分離器、油回収器、不凝縮ガス分離器を備えていてもよい。前記有機ランキンサイクルシステムは、中低温熱を回収する発電装置として用いられてもよい。また、前記有機ランキンサイクルシステムは、熱源として、太陽熱エネルギー、工場廃熱などを利用してもよい。
本発明の共沸混合物様の組成物は、例えば、以下の実験によって、共沸様組成の形成と洗浄性能が示される。
[実施例1] 共沸混合物様の確認
1233zd(Z)とシクロヘキサンとエタノールとを所定の組成で含む混合液を調製する。例えば、以下の組成の混合液を調製した。
80.0質量%の1233zd(Z)と、17.5質量%のシクロヘキサンと、2.5質量%のエタノールを含む混合液; 80.0質量%の1233zd(Z)と、15.0質量%のシクロヘキサンと、5.0質量%のエタノールを含む混合液; 80.0質量%の1233zd(Z)と、12.5質量%のシクロヘキサンと、7.5質量%のエタノールを含む混合液; 80.0質量%の1233zd(Z)と、10.0質量%のシクロヘキサンと、10.0質量%のエタノールを含む混合液; 85.0質量%の1233zd(Z)と、12.5質量%のシクロヘキサンと、2.5質量%のエタノールを含む混合液; 85.0質量%の1233zd(Z)と、10.0質量%のシクロヘキサンと、5.0質量%のエタノールを含む混合液; 85.0質量%の1233zd(Z)と、7.5質量%のシクロヘキサンと、7.5質量%のエタノールを含む混合液; 90.0質量%の1233zd(Z)と、7.5質量%のシクロヘキサンと、2.5質量%のエタノールを含む混合液; 90.0質量%の1233zd(Z)と、5.0質量%のシクロヘキサンと、5.0質量%のエタノールを含む混合液; 90.0質量%の1233zd(Z)と、2.5質量%のシクロヘキサンと、7.5質量%のエタノールを含む混合液。
調製した混合液をヘッドスペースガスクロマトグラフ用バイアル瓶に10mL仕込み、セプタムクリンプキャップで封管した。ヘットスペース法で混合液の気相組成をガスクロマトグラフで分析した。これにより、液相組成と実質的に同一である、すなわち、実機洗浄において、1233zd(Z)とシクロヘキサンとエタノールの混合液は、部分的に揮発しても残液の組成が実質的に変化しない共沸混合物様の組成であることが示された。
実施例1の結果を表1に示す。表1により、本発明の溶剤組成物は、液相組成の質量比率と気相組成の質量比率が実質的に変化なく、共沸混合物様の組成物であることがわかる。
Figure 0007212835000001
[実施例2] 混合液の引火点
日本工業規格JIS K2265-1「引火点の求め方-第1部:タグ密閉法」に準拠して、実施例1で調製した混合液の引火点を測定した。引火点測定には、自動引火点試験器atg-8l(田中科学機器製作株式会社)を使用した。表2に記載の通り、各混合液には、大気圧力条件下において沸点まで引火点がないことが観測された。シクロヘキサンの引火点は-18℃、エタノールの引火点は13℃であるのに対し(表2中、番号11および番号12参照)、本発明の溶剤組成物では、安全性が大きく向上することが示された。
Figure 0007212835000002
[実施例3] 洗浄試験
50mm×30mm×2mmの清浄な冷間圧延鋼板(SPCC)を用意して質量を測定後、オイルを塗布してもう一度質量(SPCCと初期付着オイルの合計質量)を測定した。実施例1で調製した混合液の入ったトールビーカーに浸漬し、20℃の水を満たした小型超音波洗浄機(カイジョー製PHENIX III CA-6353VS3)の中央に立て、3分間超音波を照射し塗布したオイルを洗浄除去した。SPCCを混合液から取出し乾燥させて質量(SPCCと残存オイルとの総質量)を測定して、油除去率(残存オイルの質量÷初期付着オイルの質量×100[%])を求めた。これにより、本発明の共沸混合物様の組成物は、良好な油除去率を示す、すなわち、良好な洗浄性能を有することが示された。
このオイルとしては、例えば、以下のオイルを用いた。
切削油(日本工作油製 C-4115); 打抜工作油(日本工作油製 G-6515); プレス工作油(日本工作油製 EH-7340); 防錆油(日本工作油製 P-5960);圧縮機油(トラスコ中山製 TO-CON); シリコーンオイル(信越化学工業製 KF96)

Claims (14)

  1. Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールからなる共沸混合物様の組成物であって、
    Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを80~90質量%、シクロヘキサンを2.5~17.5質量%とエタノールを2.5~10質量%含む、組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物と、潤滑剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤、金属不動態化剤、腐食防止剤または有機溶剤とを含む、溶剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を含む、洗浄剤。
  4. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を含む、フラックス洗浄剤。
  5. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を含む、水切り剤。
  6. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を含む、溶媒。
  7. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を含む、シリコーン溶剤。
  8. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を含む、発泡剤。
  9. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を含む、熱伝達媒体。
  10. 請求項1又は2に記載の溶剤組成物を被洗浄物と接触させる工程を含む、被洗浄物の洗浄方法。
  11. 請求項に記載の熱伝達媒体を用いた有機ランキンサイクルシステム。
  12. 請求項に記載の熱伝達媒体を用いた高温ヒートポンプサイクルシステム。
  13. 請求項に記載の熱伝達媒体を用いた冷凍サイクルシステム。
  14. Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、シクロヘキサンと、エタノールからなり、
    Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを80~90質量%、シクロヘキサンを2.5~17.5質量%とエタノールを2.5~10質量%含む、共沸混合物様の組成物を準備する工程と、
    潤滑剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤、金属不動態化剤、腐食防止剤または有機溶剤とを加える工程を含む、溶剤組成物の製造方法。
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