JP7212541B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
このような車両において、変速機構部と車輪との間に、動力伝達が可能な締結状態と、動力を遮断する切断状態とを切替可能なクラッチ要素を設けることが提案されている。
特許文献2には、無段変速機と駆動輪間に入力されるトルクが設定トルクを超えると自動的にスリップ状態となる摩擦クラッチであるヒューズクラッチを、無段変速機に過大なトルクが入力されて駆動チェーンが滑ることを防止するトルクリミッタとして設けることが記載されている。
しかし、CVTに油圧を供給するオイルポンプをエンジンにより駆動する場合、エンジンの停止に伴い油圧が低下し、バリエータにおいてプーリがチェーンを挟持するクランプ力が低下する。
このような状態で、例えば急制動による車輪ロックなどの外乱により、車輪側から変速機構部に過大なトルクが入力された場合には、チェーンがプーリに対してスリップするなどして変速機構部に損傷が発生することが懸念される。
また、特許文献2のようなヒューズクラッチを用いる場合、エンジン停止により油圧が低下した状態での変速機構部のクランプ力は相当低くなるため、この状態で変速機構部を保護するためにはヒューズクラッチの上限伝達トルクを相当に低くする必要があり、車両の通常走行時のトルクを伝達できないことが懸念される。
また、変速機構部と車輪との間に締結力を制御可能な油圧式のクラッチを設けて、通常走行時とエンジン停止時とで締結力を可変とすることも考えられるが、この場合エンジン停止中にクラッチを作動させるため電動式の油圧ポンプや油圧回路を設ける必要があり、装置の構成が複雑化してしまう。また、油圧ポンプの駆動損失による燃費の悪化も懸念される。
また、エンジン停止中に電動式の油圧ポンプを用いて油圧を発生し、変速機構部のクランプ力を確保することも考えられるが、この場合にも電動ポンプの追加によりパワートレーンの構成が複雑となり、また、油圧ポンプの駆動に伴う駆動損失も発生する。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成により変速機構部を適切に保護するとともに燃費の悪化を防止した動力伝達装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、車両のエンジンの出力軸の回転を変速する変速機構部を介して車輪に駆動力を伝達する動力伝達装置であって、前記変速機構部の出力軸と連動して回転する第1の回転部と、前記車輪と連動して回転する第2の回転部と、前記第1の回転部と前記第2の回転部との間に設けられた噛合いクラッチと、前記第1の回転部と前記第2の回転部との間に前記噛合いクラッチと並列して設けられるとともに所定以上の伝達トルクが入力された場合に前記第1の回転部と前記第2の回転部との相対回転を許容する摩擦クラッチとを備え、前記エンジンは、車両の走行中に所定の走行中エンジン停止条件が充足された場合に自動的に運転を停止する走行中エンジン停止制御が実行され、前記エンジンにおいて前記走行中エンジン停止制御が実行された場合に前記噛合いクラッチを解放状態とする噛合いクラッチ制御部を備え、前記摩擦クラッチは、ばね要素の弾性力により圧着させられる少なくとも一対のクラッチプレートを有することを特徴とする動力伝達装置である。
なお、本明細書、特許請求の範囲において、並列して設けられるとは、噛合いクラッチと摩擦クラッチとがそれぞれ第1の回転部と第2の回転部との間のトルク伝達経路を構成することを意味し、物理的な配置は問わないものとする。
本発明によれば、車両の通常走行時(エンジンの運転時)においては、噛合いクラッチを用いて変速機構部から車輪側へ駆動力を伝達することにより、十分なトルク伝達能力を確保することができる。
また、噛合いクラッチは、摩擦部材の圧着力を必要とする摩擦クラッチと異なり、締結状態と解放状態との切り替え時以外は、油圧、電力等の駆動力を必要としないため、クラッチ作動用の動力に起因する駆動損失が発生することを防止でき、車両の燃費悪化を防止できる。
また、車両の走行中にエンジンが停止され、変速機構部の作動油圧が低下した場合には、噛合いクラッチを解放状態として、変速機構部と車輪側とのトルク伝達を摩擦クラッチ
で行うことにより、車輪ロック等により発生した大トルクが変速機構部へ入力されることが摩擦クラッチの滑りによって防止され、変速機構部の適切な保護を図ることができる。
これによれば、例えば前進クラッチ、前後進切替機構等の動力遮断部が、変速機構部よりもエンジン側に設けられることにより、走行中にエンジンを停止した際に変速機側からエンジン側へのトルク伝達を遮断し、エンジンの出力軸が回転させられてフリクションが増加することを防止できる。
一方、このような動力遮断部を変速機構部よりエンジン側に設けた場合には、これを用いた変速機構部の保護を行うことができないが、本発明の噛合いクラッチと摩擦クラッチとを変速機構部と車輪側との間に設けることにより、適切に変速機構部を保護することができる。
実施形態の動力伝達装置は、例えば、エンジンを走行用動力源とする乗用車等の自動車に設けられるものである。
図1、図2は、実施形態の動力伝達装置の構成を模式的に示す図であって、それぞれ車両の通常走行時(エンジン運転時)、惰行時(エンジン停止時)における状態を示すものである。
エンジン10は、以下説明する動力伝達装置100を介して車輪に駆動力を与えるとともに、図示しない油圧ポンプを駆動してバリエータ130等の油圧により駆動される各部品に油圧を供給する機能を有する。
エンジン10の出力を車輪Wに伝達する動力伝達装置100は、トルクコンバータ110、前後進切替機構120、バリエータ130、最終減速装置140、ドグクラッチ150、トルクリミッタ160等を有して構成されている。
トルクコンバータ110は、入力軸に接続されたステータ、出力軸に接続されたタービン、及び、これらの間に設けられトランスミッションケースに対して固定されたステータ等を有する。
トルクコンバータ110は、所定の運転状態にあるときに、インペラとタービンとの相対回転を拘束するロックアップクラッチを備えている。
ロックアップクラッチの締結力は、トランスミッション制御ユニット300により制御される。
トルクコンバータ110の出力軸は、前後進切替機構120に接続されている。
前後進切替機構120は、プラネタリギヤ機構、及び、前進クラッチ、後進クラッチ等を有して構成されている。
前後進切替機構120は、エンジン10のクランクシャフトと、トルクコンバータ110を介して接続されている。
前後進切替機構120は、車両の前進時に前進クラッチを切断することにより、トルクコンバータ110側とバリエータ130側との間のトルクの伝達を遮断可能となっている。
前後進切替機構120は、本発明にいう動力遮断部として機能する。
バリエータ130は、プライマリプーリ131、セカンダリプーリ132、チェーン133、出力軸134等を有して構成されている。
プライマリプーリ131、セカンダリプーリ132は、平行に配置された回転中心軸回りにそれぞれ回転可能とされている。
プライマリプーリ131、セカンダリプーリ132は、チェーン133を挟持する固定シーブ及び可動シーブをそれぞれ有する。
チェーン133は、シーブ間に挟持される複数のロッカーピンの間を、リンクプレートによって連結し、可撓性を有する環状に構成されている。
プライマリプーリ131、セカンダリプーリ132は、トランスミッション制御ユニット300による制御に応じて、固定シーブと可動シーブとの間隔を無段階に変更することが可能となっており、これによってチェーン133が巻き掛けられる有効径を変化させて変速を行うことができる。
プライマリプーリ131、セカンダリプーリ132は、エンジン10により駆動される図示しない油圧ポンプから、図示しないコントロールバルブを介して供給される油圧により、変速比の変更(シーブ間隔の変更)、及び、チェーン133を挟持するクランプ力の発生を行う。
出力軸134は、バリエータ130とドグクラッチ150及びトルクリミッタ160との間でトルクを伝達する。
出力軸134は、本発明にいう第1の回転部として機能する。
最終減速装置140は、食い違い軸の傘歯車であるハイポイドギヤを構成するピニオンギヤ141、及び、クラウンギヤ142等を有する。
ピニオンギヤ141は、車両前後方向に沿って配置された回転中心軸回りに回転し、車両の通常走行時(駆動時)に、エンジン10の出力をクラウンギヤ142に伝達し、クラウンギヤ142を回転駆動するものである。
クラウンギヤ142の内径側には、図示しない差動機構が設けられる。
差動機構は、左右のドライブシャフト143(図1,2には一方のみ図示)に駆動力を伝達するとともに、旋回等による左右車輪の回転速度差を吸収するものである。
クラウンギヤ142の回転は、差動機構及びドライブシャフト143を介して車輪Wに伝達される。
ピニオンシャフト144は、エンジン10の出力により回転駆動される回転軸部である。
また、ピニオンシャフト144は、車両の減速時(惰行時)には、車輪W側から入力されるトルクTbを、ドグクラッチ150、トルクリミッタ160側へ伝達する。
ピニオンシャフト144は、本発明にいう第2の回転部として機能する。
ドグクラッチ150は、バリエータ130の出力軸134と、最終減速装置140のピニオンシャフト144との間でトルクの伝達が可能な締結状態(係合状態)と、トルクの伝達が遮断(切断)された遮断状態(非係合状態)とを切り替えることが可能である。
ドグクラッチ150は、カップリング(継手)を構成する一対の回転部材に、締結時に相互に嵌合する凹凸部を設けて構成されている。
ドグクラッチ150は、例えば、油圧アクチュエータや、ソレノイド等の電動アクチュエータによって、これらの回転部材を軸方向に沿って相対移動させ、締結状態と遮断状態とを切り替えることが可能となっている。
ドグクラッチ150は、締結状態においてはこれを維持するためにアクチュエータの出力を必要としない、いわゆるノーマルクローズ型の構成となっている。
なお、図1,2においては、理解を容易にするためにドグクラッチ150とトルクリミッタ160とを上下に分けて図示しているが、実際にはドグクラッチ150とトルクリミッタ160とは同軸上に配置される構成とすることができる。
トルクリミッタ160は、所定の上限トルクを超えるトルクが入力された場合に、クラッチプレートに滑りが生じ、上限トルクを超過するトルクが伝達されないよう構成されている。
エンジン制御ユニット200、トランスミッション制御ユニット300は、例えば、CPU等の情報処理部、RAMやROMなどの記憶部、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有する電子制御装置として構成されている。
エンジン制御ユニット200、トランスミッション制御ユニット300は、例えばCAN通信システムなどの車載LANを介して、あるいは、直接に、通信を行い、エンジン10及び動力伝達装置100の協調制御を行うことが可能となっている。
エンジン制御ユニット200には、アクセルペダルセンサ210、車速センサ220、舵角センサ230、加速度センサ240、ブレーキ制御ユニット250、環境認識ユニット260等が接続されている。
エンジン制御ユニット200は、アクセルペダルセンサ210の出力等に基づいてドライバ要求トルクを設定し、エンジン10の実際の出力トルクがドライバ要求トルクと一致するように、スロットルバルブ、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、バルブタイミング、渦流制御弁の状態、EGR率、過給圧などを制御する。
車速センサ220は、例えば、車輪ハブに設けられ、車輪の回転速度に比例する周波数で周期的に電圧が変動する信号(いわゆる車速パルス信号)を出力するように構成されている。
エンジン制御ユニット200は、車速センサ220の出力信号に基づいて、車速を算出することが可能である。
舵角センサ230は、図示しないパワーステアリング装置制御ユニットを介してエンジン制御ユニット200と通信する構成とすることができる。
加速度センサ240は、車体に作用する前後方向、及び、車幅方向の加速度をそれぞれ検出する加速度ピックアップを有する。
ブレーキ制御ユニット250は、各ホイルシリンダの液圧を検出することが可能となっている。
ブレーキ制御ユニット250は、例えば、車輪Wのロックが生じた場合に周期的にホイルシリンダを減圧して回転を回復させるアンチロックブレーキ制御、アンダーステア挙動、オーバステア挙動の発生時に左右車輪に制動力差を発生させ、挙動を抑制する方向のヨーモーメントを発生させる車両挙動制御、旋回時に内輪側に制動力を与えて旋回性能を向上するトルクベクタリング制御等を行う機能を備えている。
環境認識ユニット260は、自車両前方を同方向に走行する先行車を検出し、この先行車と自車両との車間距離、相対速度等を検出することが可能である。
トランスミッション制御ユニット300は、例えば、トルクコンバータ110におけるロックアップクラッチの締結力、前後進切替機構120の状態、バリエータ130における変速比及びチェーン133のクランプ力等を、車両の走行状態に応じて制御する機能を有する。
また、トランスミッション制御ユニット300は、ドグクラッチ150の締結状態と解放状態とを切り替える機能を有し、本発明にいう噛合いクラッチ制御部として機能する。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:ドライバ要求トルク判断>
エンジン制御ユニット200は、アクセルペダルセンサ210の出力に基づいて設定されるドライバ要求トルクが0であるか否かを判別する。
例えば、アクセルペダルセンサ210が、アクセルペダルが踏み込まれていないことを検出した場合には、ドライバ要求トルクが0であると判定することが可能である。
ドライバ要求トルクが0である場合はステップS02に進み、その他の場合はステップS08に進む。
エンジン制御ユニット200は、車速センサ220の出力に基づいて算出される自車両の現在の走行速度(車速)が、予め設定された所定の範囲内(上限値以下かつ下限値以上)であるか否かを判別する。
車速が所定の範囲内である場合はステップS03に進み、その他の場合はステップS08に進む。
エンジン制御ユニット200は、舵角センサ230が検出した現在の操舵系の舵角が、予め設定された閾値以下であるか(直線路又は緩曲線路を走行中であるか)判別する。
舵角が閾値以下である場合はステップS04に進み、その他の場合はステップS08に進む。
エンジン制御ユニット200は、加速度センサ240が検出した前後方向及び横方向の車体加速度が、それぞれ予め設定された閾値以下であるか判別する。
前後方向及び横方向の加速度がともに閾値以下である場合はステップS05に進み、その他の場合はステップS08に進む。
エンジン制御ユニット200は、ブレーキ制御ユニット250から伝達される車両のサービスブレーキのホイルシリンダ液圧に係る情報に基づいて、制動力が発生するオン状態であるか、制動力が発生しないオフ状態であるかを判別する。
サービスブレーキの状態がオフ状態である場合はステップS06に進み、その他の場合はステップS08に進む。
環境認識ユニット260は、自車両前方の同一車線を同方向に走行する先行車の有無、及び、先行車が存在する場合には、自車両に対する車間距離及び相対速度を認識し、認識結果をエンジン制御ユニット200に伝達する。
エンジン制御ユニット200は、車間距離が予め設定された閾値以上であり、かつ、先行車が所定以上の相対速度で自車両に接近していない場合には、追突のリスクが低いものとしてステップS07に進み、その他の場合はステップS08に進む。
エンジン制御ユニット200は、所定の走行中エンジン停止条件が充足したものとして、車両の走行中にエンジン10の燃料噴射、点火を中止してエンジン10を停止させる走行中エンジン停止制御を実行する。
なお、このようにして停止されたエンジン10は、上記各条件の少なくとも一つが非充足となった場合には、自動的に再始動されるようになっている。また、自動停止と再始動とが頻繁に繰り返されることを防止するため、停止時と再始動時で条件(閾値等)を異ならせ、制御にヒステリシスを設けてもよい。
また、エンジン制御ユニット200は、走行中エンジン停止制御を開始する際に、エンジンを停止することを意味する信号をトランスミッション制御ユニット300に伝達する。
この信号に応じて、トランスミッション制御ユニット300は、ドグクラッチ150を駆動するアクチュエータを作動させ、ドグクラッチ150を解放状態とする。
これにより、図2に示すように、車輪Wからのトルク(バックトルク)Tbは、車輪Wから、最終減速装置140、トルクリミッタ160、バリエータ130、前後進切替機構120、トルクコンバータ110を順次経由してエンジン10に伝達される。
このとき、急制動により車輪Wのロックが生じ、過大なトルクTbが発生した場合には、トルクリミッタ160のクラッチプレートが滑り、上限値以上のトルクTbがバリエータ130に入力されることを防止し、チェーン133のスリップ等によるバリエータ130のダメージを防止することができる。
なお、このとき、前後進切替機構120の前進クラッチを解放し、トルクコンバータ110側へのトルクTbの伝達を遮断すれば、エンジン10の摩擦損失、ポンプ損失などのフリクションが負荷となることがなく、エンジン10の停止中に惰性で走行可能な距離を延長し、燃費をさらに向上することが可能である。
この場合であっても、バリエータ130等のフリクションが負荷として作用し、車輪Wにエンジン10のフリクション(いわゆるエンジンブレーキ)に対して比較的弱い制動力を与えるため、運転者が空走感を感じることは防止できる。
その後、一連の処理を終了する。
エンジン制御ユニット200は、上述した走行中エンジン停止制御の実行を禁止し、エンジン10は通常の運転状態に維持される。
このとき、トランスミッション制御ユニット300は、ドグクラッチ150を駆動するアクチュエータを作動させず、ドグクラッチ150は締結(接続)状態に維持される。
これにより、図1に示すように、エンジン10からのトルク(駆動トルク)Tdは、トルクコンバータ110、前後進切替機構120、バリエータ130、ドグクラッチ150、最終減速装置140を順次経由して車輪Wに伝達される。
ドグクラッチ150は、油圧、電力等の駆動力を必要とすることなく締結状態を維持し、車両の走行中に必要なトルク伝達を行うことができる。
その後、一連の処理を終了する。
(1)エンジン10の運転時においては、ドグクラッチ150を用いてバリエータ130から車輪W側の最終減速装置140へトルクを伝達することにより、車両を走行させるために十分なトルク伝達能力(エンジン10の最大トルク発生時にトルク伝達が可能な能力)を確保することができる。
また、ドグクラッチ150は、締結状態と解放状態との切り替え時以外は、駆動力を必要としないため、クラッチ作動用の動力に起因する駆動損失が発生して車両の燃費が悪化することを防止できる。
また、車両の走行中にエンジン10が停止され、油圧ポンプが停止してバリエータ130への供給油圧が低下した場合には、ドグクラッチ150を解放状態として、バリエータ130と車輪W側とのトルク伝達を摩擦クラッチであるトルクリミッタ160で行うことにより、急制動時の車輪ロック等により発生した大トルクがバリエータ130へ入力されることがクラッチプレートの滑りによって防止され、油圧が低下してクランプ力が低い状態となっているバリエータ130において、チェーン133のスリップ等のトラブルが発生することを防止できる。
(2)動力遮断部として機能する前後進切替機構120がバリエータ130よりもエンジン10側に設けられることにより、走行中にエンジン10を停止した際に変速機側からエンジン10側へのトルクTbの伝達を遮断し、エンジン10の出力軸が回転させられてフリクションが増加することを防止できる。
一方、前後進切替機構120をバリエータ130よりもエンジン10側に設けた場合には、これを用いたバリエータ130の保護(トルクTbの遮断)を行うことができないが、上述したようにドグクラッチ150とトルクリミッタ160とをバリエータ130よりも車輪W側に設けることにより、適切にバリエータ130を保護することができる。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)動力伝達装置及びこれが設けられる車両の構成は、上述した実施形態に限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施形態において、変速機構部はチェーン式のCVTであったが、本発明はこれに限らず例えばベルト式CVTを有する車両にも適用することが可能である。
また、エンジンは、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジンや、その他の内燃機関とすることが可能であり、気筒数、シリンダレイアウト、過給機の有無、燃料噴射方式、点火方式なども特に限定されない。
(2)実施形態における走行中エンジン停止条件は一例であって、これに限らず他の条件を追加したり、あるいは、一部の条件を省略してもよい。
また、実施形態においては、ドライバ要求トルクがゼロすなわちアクセルペダルが全戻し状態の場合にのみ走行中エンジン停止が行われるようになっているが、アクセルペダルが少量踏み込まれた状態で走行中エンジン停止が行われる構成としてもよい。
(3)実施形態においては、噛合いクラッチの一例としてドグクラッチを用いていたが、他の種類の噛合いクラッチを用いてもよい。
110 トルクコンバータ 120 前後進切替機構
130 バリエータ 131 プライマリプーリ
132 セカンダリプーリ 133 チェーン
134 出力軸 140 最終減速装置
141 ピニオンギヤ 142 クラウンギヤ
143 ドライブシャフト 144 ピニオンシャフト
150 ドグクラッチ 160 トルクリミッタ
200 エンジン制御ユニット 210 アクセルペダルセンサ
220 車速センサ 230 舵角センサ
240 加速度センサ 250 ブレーキ制御ユニット
260 環境認識ユニット 300 トランスミッション制御ユニット
Td 駆動トルク Tb バックトルク
Claims (2)
- 車両のエンジンの出力軸の回転を変速する変速機構部を介して車輪に駆動力を伝達する動力伝達装置であって、
前記変速機構部の出力軸と連動して回転する第1の回転部と、
前記車輪と連動して回転する第2の回転部と、
前記第1の回転部と前記第2の回転部との間に設けられた噛合いクラッチと、
前記第1の回転部と前記第2の回転部との間に前記噛合いクラッチと並列して設けられるとともに所定以上の伝達トルクが入力された場合に前記第1の回転部と前記第2の回転部との相対回転を許容する摩擦クラッチとを備え、
前記エンジンは、車両の走行中に所定の走行中エンジン停止条件が充足された場合に自動的に運転を停止する走行中エンジン停止制御が実行され、
前記エンジンにおいて前記走行中エンジン停止制御が実行された場合に前記噛合いクラッチを解放状態とする噛合いクラッチ制御部を備え、
前記摩擦クラッチは、ばね要素の弾性力により圧着させられる少なくとも一対のクラッチプレートを有すること
を特徴とする動力伝達装置。 - 前記エンジンと前記変速機構部との間に設けられ、前記エンジンと前記変速機構部との間でトルクの伝達が可能な締結状態と、トルクの伝達が遮断される解放状態との間で切替可能な動力遮断部を有すること
を特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
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