JP7212344B2 - 粉体含有化粧料の仕上用組成物 - Google Patents
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上記の界面活性剤は、グリセリン、ポリグリセリン、及びポリオキシエチレングリセリンのうち少なくとも1種と有機酸とのエステル化合物であることを特徴としている。
上記の界面活性剤は、グリセリン、ポリグリセリン、及びポリオキシエチレングリセリンのうち少なくとも1種と有機酸とのエステル化合物である。
以下、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体を(A)成分と称し、また、グリセリン、ポリグリセリン、及びポリオキシエチレングリセリンのうち少なくとも1種と有機酸とのエステル化合物を(B)成分と称することもある。
なお、「(メタ)アクリル酸」という表記は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する。
(A-1)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とが少なくとも共重合した共重合体
(A-2)少なくとも2種以上の異なる(メタ)アクリル酸アルキルエステルが共重合した共重合体を含むもの
(A-3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、該(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の非イオン性モノマーとが少なくとも共重合した共重合体
上記の中心部(コア部分)を形成する共重合体において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル部分の炭素数は、1~8であってもよい。
上記の表面部(シェル部分)を形成するポリウレタン樹脂は、例えば、ポリアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とカルボキシ基含有ジオールとが重合したものであってもよい。ポリウレタン樹脂は、例えば、ポリウレタン-4であってもよい。
(B-1)グリセリン及びジグリセリンと、複数種の有機酸とがエステル結合したエステル化合物群(混合物)
(B-2)ポリオキシエチレングリセリンと、有機酸としての脂肪酸とがエステル結合したエステル化合物
(B-3)ポリグリセリンと、有機酸としての脂肪酸とがエステル結合したエステル化合物
斯かるエステル化合物としては、市販されているものを使用できる。例えば、製品名「IMWITOR375(IOI Oleo社製)」などを使用できる。
上記(B-2)成分としては、市販されているものを使用できる。例えば、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(20EO)として、製品名「EMALEXGWIS-120(日本エマルジョン社製)」などを使用できる。
上記(B-3)成分としては、市販されているものを使用できる。例えば、モノミリスチン酸デカグリセリルとして、製品名「NIKKOL デカグリン 1-M」(日光ケミカルズ社製)などを使用できる。
また、本実施形態の仕上用組成物は、上記(B)成分を0.5質量%以上3.0質量%以下含む(固形分換算)ことが好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下含むことがより好ましい。上記(B)成分を0.5質量%以上3.0質量%以下含むことによって、皮膚上の粉体含有化粧料により良好に塗布することができ、粉体含有化粧料の化粧持ちをより向上させることができるという利点がある。なお、上記の仕上用組成物は、界面活性剤としては、上記(B)成分のみを含むことが好ましい。
上記の増粘剤としては、例えば、カルボマー、(アクロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、キサンタンガム、ブルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルキトサンサクシナミド、ヒドロキシプロピルキトサン、カルボキシメチルキトサンミリスタミド、セルロースナノファイバー、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム 、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などが挙げられる。
上記の粉体の材質としては、例えば、シリコーン(例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー)、無水ケイ酸、雲母チタン、金雲母、窒化ホウ素、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリアミド(例えば、製品名 ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66など)、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、ポリスチレン、スチレンとアクリル酸との共重合体樹脂、ポリ四弗化エチレン、セルロースなどが挙げられる。
上記の色素としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、マンガンバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、アルミニウムパウダー、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、クロロフィル、β-カロチンなどが挙げられる。
また、上記の仕上用組成物を塗布したときに、塗布された仕上用組成物と、皮膚上の粉体含有化粧料の塗膜とが、主に(B)成分によって、ほどよくなじむ。よって、粉体含有化粧料のうえに、上記の仕上用組成物を均一に塗布、即ち、上記の仕上用組成物を良好に塗布できると考えられる。また、上記の仕上用組成物を塗布しても、粉体含有化粧料の粉体と、仕上用組成物とが互いに混ざり合うことが抑制されるため、粉体含有化粧料が皮膚に付着した状態を保つことができると考えられる。換言すると、既に塗布された粉体含有化粧料の性能を発揮させつつ、粉体含有化粧料の化粧持ちを向上させることができる。
また、上記の(A)成分及び(B)成分は、べたつき感をあまり有しないことから、上記の仕上用組成物を塗布するときに、さっぱりとして使用感を与えることができる。
また、本実施形態の仕上用組成物が油分をほとんど含まない場合(即ち、水系製剤である場合)、使用時のべたつき感を有しないうえに、一般的にルースパウダーやプレストパウダーと称される粉おしろいと比較して、皮膚上の粉体含有化粧料のツヤ感を妨げない。しかも、皮膚からの水分蒸散量を抑えることもできる。
(A-1):(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体アンモニウム塩 [(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル部分の炭素数 1~4、及び8]
製品名「ヨドゾールGH256F」(アクゾノーベル社製 マイクロエマルジョンの状態)
(A-2):互いに異なる2種の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが共重合した共重合体(コア部分)と、ポリウレタン-4(シェル部分)との複合体 [(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル部分の炭素数 1~4、及び8]
製品名「リカボンドSS-3000」(ジャパンコーティングレジン社製 エマルジョンの状態)
(A-3):スチレン/アクリル酸アルキルエステル共重合体
製品名「ヨドゾール GH41F」(アクゾノーベル社製)
「非(A)成分」
非(A):ポリアクリル酸ナトリウム
製品名「ビスコメートNP-600」(昭和電工社製)
「(B)成分」
(B-1):クエン酸、乳酸、リノール酸、及びオレイン酸の混合物と、グリセリン及びジグリセリンの混合物とのエステル化反応物(混合物)
製品名「IMWITOR375」(IOI Oleo社製)
(B-2):イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(20EO)
製品名「EMALEXGWIS-120」(日本エマルジョン社製)
(B-3):モノミリスチン酸ポリ(デカ)グリセリル
製品名「NIKKOL デカグリン 1-M」(日光ケミカルズ社製)
「非(B)成分」
非(B):トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン20EO
製品名「NIKKOLTS-30V」(日光ケミカルズ社製)
「増粘剤」(アクロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー
「防腐剤」メチルパラベン
「多価アルコール」1,3-ブチレングリコール(1,3-BG)
<評価1>ファンデーションの化粧持ち(耐こすれ性)
人工皮革(製品名「プロテインレザー」 イデアテックス ジャパン社製 6cm×5cm)にファンデーションを0.02g塗布し、その上に各仕上げ用組成物を0.03g塗布した。5分後にコピー用紙を重ねて、さらに1kgのおもり入れた瓶を乗せた。コピー用紙を一定方向に引きずり、コピー用紙にファンデーションを転着させる操作を行った。転着しない場合、こすれに強い(○)と評価し、一方、転着した場合、こすれに弱い(×)と評価した。
<評価2>塗布性
人工皮革(製品名「プロテインレザー」 イデアテックス ジャパン社製 6cm×5cm)にファンデーションを0.02g塗布し、その上に各仕上げ用組成物を0.03g塗布して、塗布後の均一性を評価した。目視によって白い点が出なかった場合、均一に塗布できる(○)と評価し、一方、白い点が出た場合、均一に塗布できない(×)と評価した。
<評価3>使用感(べたつき)
人工皮革(製品名「プロテインレザー」 イデアテックス ジャパン社製 6cm×5cm)に各仕上げ用組成物を0.03g塗布した。1分半後に、さらに0.03gの繊維をのせた。エアーで繊維を吹き飛ばす操作を行った。人工皮革上に残った繊維量が少なかった場合、べたつかない(○)と評価し、一方、残った繊維量が多かった場合、べたつく(×)と評価した。
評価結果を表1及び表2に示す。
一方、(A)成分又は(B)成分のいずれか一方を欠いた組成物、両方を欠いた組成物は、ファンデーションの化粧持ちが悪いか、又は、ファンデーションのうえに均一に塗布することができなかった。
なお、比較例1において、塗布した組成物は、ファンデーションのうえではじかれ、均一に塗布できなかった。また、比較例3において、塗布した組成物は、ファンデーションを浮き上がらせてしまい、化粧崩れを引き起こした。
実施例1の仕上用組成物(水系製剤)と、従来の粉おしろい(市販のルースパウダー)との性能比較をおこなった。
「ツヤ感の評価」
・対比光沢測定法
人工皮革にファンデーションを塗布し、さらにルースパウダーを重ねて塗布した。変角光度計「GC5000L」(日本電色工業社製)によって、45°入射光に対する反射光を測定し、45°/0°の対比光沢を算出した。値が高いほどツヤ感が高いと評価した。結果を図1に示す。
実施例の仕上用組成物は、従来の粉おしろいよりも、塗布済みのファンデーションのツヤ感を高めることができた。
「水分蒸散量の評価」
・水分蒸散量測定法
ジャー容器に水を入れ、容器の開口を塞ぐようにテープを張り、テープの上に試験用サンプルを塗布した。容器ごと40℃の恒温槽に入れ、4時間後までの水分蒸散量を測定した。結果を図2に示す。
実施例の仕上用組成物は、従来の粉おしろいよりも、4時間後において、水分蒸散量を約35%抑えることができた。
Claims (3)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体と、界面活性剤とを含み、皮膚上の粉体含有化粧料に塗布されて用いられる、粉体含有化粧料の仕上用組成物であって、
下記の(I)乃至(III)のいずれかを満たす、粉体含有化粧料の仕上用組成物。
(I)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体は、(A-1)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とが少なくとも共重合した共重合体であり、且つ、
前記界面活性剤は、(B-1)グリセリン及びジグリセリンと、クエン酸、乳酸、リノール酸、及びオレイン酸とがエステル結合したエステル化合物群、(B-2)ポリオキシエチレングリセリンと、有機酸としての脂肪酸とがエステル結合したエステル化合物、及び、(B-3)ポリグリセリンと、有機酸としての脂肪酸とがエステル結合したエステル化合物からなる群より選択された少なくとも1種を含む、
(II)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体は、(A-2)少なくとも2種以上の異なる(メタ)アクリル酸アルキルエステルが共重合した共重合体の粒子であり、各粒子がポリウレタン樹脂で被覆されており、且つ、
前記界面活性剤は、(B-1)グリセリン及びジグリセリンと、クエン酸、乳酸、リノール酸、及びオレイン酸とがエステル結合したエステル化合物群、及び、(B-2)ポリオキシエチレングリセリンと、有機酸としての脂肪酸とがエステル結合したエステル化合物、のうち少なくとも一方を含む、又は、
(III)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体は、(A-3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、スチレンとが少なくとも共重合した共重合体であり、
前記界面活性剤は、(B-1)グリセリン及びジグリセリンと、クエン酸、乳酸、リノール酸、及びオレイン酸とがエステル結合したエステル化合物群を含む。 - 前記界面活性剤に対する、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体の質量比は、0.3以上12.0以下である、請求項1に記載の粉体含有化粧料の仕上用組成物。
- 油分の含有量が1質量%未満である、請求項1又は2に記載の粉体含有化粧料の仕上用組成物。
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