JP7212092B2 - 車両用表示装置 - Google Patents

Description

本発明は、車両の運転席の乗員に対し情報を表示する車両用表示装置に関する。

この種の装置として、従来、車両用ナビゲーション装置の表示部に、車両の出発地から目的地に至る経路全体や立ち寄り地の提案情報などを表示するようにした装置が知られている（例えば特許文献１参照）。この特許文献１記載の装置では、入力部を介してユーザにより設定された目的地までの経路案内中に、予め設定されたお勧め施設や予め学習されたユーザの嗜好に基づいて立ち寄り地が提案される。

特開２０１４－１５９９９６号公報

近年、自動運転などの高度な運転支援を備えた車両が普及しつつある。このような車両では、車両の主なユーザである運転席の乗員に対し、ディスプレイ上の映像面を介して各種の情報を伝達することが、利便性を高める上で好ましい。

本発明の一態様は、車両の運転席の乗員に対し情報を表示する車両用表示装置であって、走行中の車両の前方の景色を撮像するカメラと、運転席に対向し、かつ、車幅方向に延在して配置されるディスプレイと、ディスプレイに、走行中の前記車両の前方の景色の映像を表示可能に構成された表示制御部と、を備える。表示制御部は、乗員により車両の目的地が決定されるまでは、走行中の車両の前方の景色の映像から所定の要素が除去されて表示され、乗員により目的地が決定されると、カメラにより撮像された映像が、所定の要素が除去されることなく表示されるように、ディスプレイを制御する。

本発明によれば、車両の運転席の乗員に対し好適に情報を表示することができる。

本発明の実施形態に係る車両用表示装置が適用される車両のインストルメントパネル周辺の構成の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る車両用表示装置の全体構成を概略的に示すブロック図。 目的地が決定されていないときの、図１および図２のディスプレイの表示画面の一例を示す図。 目的地が決定されていないときの、図１および図２のディスプレイの表示画面の別の例を示す図。 目的地が決定された後の、図１および図２のディスプレイの表示画面の一例を示す図。 目的地が決定されたときの、図１および図２のディスプレイの表示画面の一例を示す図。 図６の表示画面に続く、図１および図２のディスプレイの表示画面の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る車両用表示装置により実行される処理の一例を示すフローチャート。

以下、図１～図８を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車両用表示装置は、運転席を有する車両に適用することができ、特に自動運転機能などの高度な運転支援機能を有する車両に適用することができる。このような車両には、運転者による運転操作が不要な自動運転モードでの走行のみを行う車両だけでなく、自動運転モードでの走行と運転者の運転操作による手動運転モードでの走行とを行う車両も含まれる。

図１は、本発明の実施形態に係る車両用表示装置が適用される車両１のインストルメントパネル１ａ周辺の構成の一例を示す図である。図１に示すように、インストルメントパネル１ａは車内の前方に配置され、インストルメントパネル１ａには、メータ表示ディスプレイ２と、ミラー表示ディスプレイ３Ｒ，３Ｌと、情報表示ディスプレイ（以下、単に「ディスプレイ」と称する）４とが設けられる。

メータ表示ディスプレイ２は、インストルメントパネル１ａ上の運転席（図１の例では、車幅方向右側）正面に配置され、車速など車両１の状態に関する情報を表示する。ミラー表示ディスプレイ３Ｌ，３Ｒは、インストルメントパネル１ａ上の車幅方向左端および右端にそれぞれ配置され、車両１の左後方および右後方を映す左右のミラーに対応した映像などを表示する。ディスプレイ４は、メータ表示ディスプレイ２とミラー表示ディスプレイ３Ｌとの間のインストルメントパネル１ａ上の車幅方向中央付近に、車幅方向に延在して配置され、乗員に対し、各種の情報を表示する。

車両１には、さらに、撮像素子を有し、走行中の車両１の前方の景色を撮像する車外カメラ５と、ＧＰＳ衛星や準天頂衛星などから送信された測位信号を受信し、受信した測位信号に基づいて車両１の現在位置を測定する測位ユニット６とが搭載される（図２）。また、車両１のインストルメントパネル１ａの運転席付近には、運転席の乗員からの音声入力を受け付けるマイクや操作入力を受け付けるタッチパネルなどの入力部７が設けられる（図２）。

ディスプレイ４には、入力部７を介して入力された乗員からの指令に応じて、各種の情報が表示される。例えば、車両１の目的地の設定や、設定された目的地までのルート案内等を行うナビゲーション画面、インターネット回線を利用するビデオチャットや電話回線を利用するテレビ電話等を行うビデオ通話画面などが表示される。以下では、特に、目的地の設定に関する表示画面について説明する。

図２は、本発明の実施形態に係る車両用表示装置１００の全体構成を概略的に示すブロック図である。図２に示すように、車両用表示装置１００は、ディスプレイ４と、車外カメラ５と、測位ユニット６と、入力部７と、通信ユニット８と、コントローラ１０とを備える。通信ユニット８は、インターネット網や携帯電話網等に代表される無線通信網を含むネットワークを介して車外と通信可能に構成される。ネットワークには、公衆無線通信網だけでなく、所定の管理地域ごとに設けられた閉鎖的な通信網、例えば無線ＬＡＮ、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）なども含まれる。

コントローラ１０は、ＣＰＵなどの演算部１１と、ＲＯＭ，ＲＡＭなどの記憶部１２と、Ｉ／Ｏインターフェースなどの図示しないその他の周辺回路とを有するコンピュータを含んで構成される。記憶部１２には、各種制御のプログラムやプログラムで用いられる閾値などの情報とともに、自動走行用の高精度の詳細な道路地図情報（高精度地図情報）が記憶される。高精度地図情報には、道路の位置情報、道路形状（曲率など）の情報、道路の勾配の情報、交差点や分岐点の位置情報、白線などの区画線の種別やその位置情報、車線数の情報、車線の幅員および車線毎の位置情報（車線の中央位置や車線位置の境界線の情報）、地図上の目印としてのランドマーク（信号機、標識、建物等）の位置情報、路面の凹凸などの路面プロファイルの情報が含まれる。演算部１１は、機能的構成として、ディスプレイ４を制御する表示制御部１３を有する。

表示制御部１３は、入力部７を介して入力される乗員からの指令に応じ、車外カメラ５からの信号および記憶部１２に記憶されたプログラムに基づいて、走行中の車両１の前方の景色の映像が表示されるようにディスプレイ４を制御する。

図３は、車両１の目的地が決定されていないときのディスプレイ４の表示画面Ｄ１の一例を示す図である。図３に示すように、表示制御部１３は、運転席に最も近いディスプレイ４の車幅方向右端に、車両１の主なユーザである運転席の乗員に対し様々なサービスを提供するＡＩエージェントを表現したエージェント画像４０が表示されるようにディスプレイ４を制御する。ＡＩエージェントは、予め登録されたユーザ情報やユーザからの指令に応じて取得されるユーザ情報に基づいて、ユーザの嗜好に応じたサービスを提供する。例えば、車両１に乗車中のユーザ（運転席の乗員）に対し、ユーザの嗜好に応じた音楽などの車内コンテンツや車両１の目的地、走行ルートなどを提案したり、通話相手とのビデオ通話を仲介したりする。

車両１の運転席の乗員は、特定の目的地に辿り着くことを目的としているときもあれば、ドライブ自体を楽しむことを目的としているときもある。また、ドライブ中に特定の目的地を決定する場合もある。表示制御部１３は、乗員により車両１の目的地が決定されるまでは、走行中の車両１の前方の景色の映像から所定の要素が除去されて表示されるようにディスプレイ４を制御する。図３の例では、前方の景色から、道路周辺の樹木や家屋などの小規模な構造物が省略され、ビルや高架などの大規模な構造物のテクスチャや色彩が省略され、道路上の区画線などの最低限の要素のみが表示されるとともに、表示画像全体の彩度が低下して表示される。

図４は、車両１の目的地が決定されていないときのディスプレイ４の表示画面の別の例を示す図であり、行きたいエリアや、飲食、レジャーなどの目的地でしたいことが決まったときの表示画面Ｄ２を示す。すなわち、目的地が含まれるエリアや、飲食店、レジャー施設などの目的地の種別といった目的地の方向性が決定されているときの表示画面Ｄ２を示す。図４に示すように、表示画面Ｄ２では、目的地の方向性が決定されていないときの表示画面Ｄ１（図３）に対し、道路周辺の樹木や家屋などの小規模な構造物が追加して表示されるとともに、表示画像全体が表示画面Ｄ１よりも高い彩度で表示される。

図３および図４に示すように実際の車両前方の景色から所定の要素が除去された映像は、例えば、車外カメラ５からの画像情報および記憶部１２に記憶された高精度地図情報に基づいて生成することができる。すなわち、自動走行用の高精度地図情報では、路面や区画線、道路周辺の構造物などの種別がアノテーションされているため、このような高精度地図情報に基づいて各要素の表示、非表示を切り替え、色彩を変更することができる。

このように、乗員が目的地を決定するまでは、ディスプレイ４上の画面表示を簡素にすることで、乗員に目的地の決定を急がせることなく、実際の車外の景色を眺めたり、行きたい場所について考えたりする乗員の気を散らさないようにすることができる。また、行きたいエリアや行った先でしたいことが決まってくると、画面表示の要素を増やし、彩度を上げてゆくことで、目的地を決定する過程の乗員の感情に応じた適切な情報量の画面表示を行うことができる。

図５は、車両１の目的地が決定された後のディスプレイ４の表示画面Ｄ３の一例を示す図である。図５に示すように、表示制御部１３は、乗員により目的地が決定されると、車外カメラ５により撮像された映像がそのまま表示されるとともに、目的地の位置を示すピン画像４１が車両前方の景色に重畳して表示されるようにディスプレイ４を制御する。

図６および図７は、目的地が決定されたときのディスプレイ４の表示画面Ｄ４，Ｄ５の一例を示す図である。図６に示すように、表示制御部１３は、乗員により目的地が決定されると、車両１の上方の所定高度から目的地を見下ろす鳥観図の映像が表示されるようにディスプレイ４を制御する。また、鳥観図の映像に重畳して、目的地の位置を示すピン画像４１および目的地までのルートを示すルート画像４２が表示されるようにディスプレイ４を制御する。このような表示を行うことで、乗員が目的地までの距離感を認識しやすく、乗員自身が決定した目的地に対する期待感を高めることができる。

その後、表示制御部１３は、鳥観図の映像の仮想視点が所定高度から徐々に下がるように画面表示を遷移させ、仮想視点が地上に到達すると、図７に示すように、車外カメラ５により撮像された映像がそのまま表示されるようにディスプレイ４を制御する。すなわち、図６の表示画面Ｄ４が、仮想視点の高度を下げながら、所定高度に対応する長さの時間にわたって表示された後、図７の表示画面Ｄ５に遷移する。このような所定高度は、乗員により決定された目的地が鳥観図の視界に入るように、すなわち、車両１の現在地から目的地までの距離に応じて設定される。

なお、表示制御部１３は、現在地から目的地までの距離が所定距離以下である場合、鳥観図の映像に代えて、車外カメラ５により撮像された車両前方の映像がそのまま表示されるようにディスプレイ４を制御する。また、車両前方の景色の映像に重畳して、目的地の位置を示すピン画像４１および目的地までのルートを示すルート画像４２が表示されるようにディスプレイ４を制御する。現在地から目的地までが極近く、例えば車外カメラ５により撮像された車両前方の映像に目的地が入っているような場合には、鳥観図の映像に切り替わることなく、車外カメラ５により撮像された車両前方の映像にピン画像４１、ルート画像４２が重畳表示される。

図６に示すような鳥観図の映像は、例えば、測位ユニット６により測定された車両１の現在値および、通信ユニット８を介して外部から取得される衛星写真の画像情報に基づいて作成することができる。また、衛星写真の画像情報に代えて、記憶部１２に記憶された高精度地図情報に基づいて生成することもできる。更新頻度の高い自動走行用の高精度地図情報を用いることで、より実際の車両前方の状況に即した鳥観図の映像を生成することができる。

図８は、本発明の実施形態に係る車両用表示装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば乗員が車両１の運転席に乗車し、ＡＩエージェントによるサービス提供が開始されると開始され、所定周期で繰り返される。図８に示すように、先ずステップＳ１で、目的地が決定されているか否かを判定する。ステップＳ１で肯定されると、ステップＳ２に進み、目的地が決定された後の表示画面Ｄ３（図５）が表示されるようにディスプレイ４を制御する。一方、ステップＳ１で否定されると、ステップＳ３に進み、目的地の方向性が決定されているか否かを判定する。ステップＳ３で肯定されると、ステップＳ４に進み、目的地の方向性が決定されているときの表示画面Ｄ２（図４）が表示されるようにディスプレイ４を制御する。一方、ステップＳ３で否定されると、ステップＳ５に進み、目的地も目的地の方向性も決定されていないときの表示画面Ｄ１（図３）が表示されるようにディスプレイ４を制御して処理を終了する。

本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
（１）車両用表示装置１００は、車両１の運転席の乗員に対し情報を表示する。車両用表示装置１００は、走行中の車両１の前方の景色を撮像する車外カメラ５と、運転席に対向し、かつ、車幅方向に延在して配置されるディスプレイ４と、ディスプレイ４に、走行中の車両１の前方の景色の映像を表示可能に構成された表示制御部１３とを備える（図２）。表示制御部１３は、乗員により車両１の目的地が決定されるまでは、走行中の車両１の前方の景色の映像から所定の要素が除去されて表示され、乗員により目的地が決定されると、車外カメラ５により撮像された映像がそのまま表示されるように、ディスプレイ４を制御する。

これにより、車両１の運転席の乗員に対し好適に車両１の前方の情報を表示することができる。すなわち、目的地が決定されるまでは簡素な表示を行い、目的地が決定されると詳細な表示を行うことで、目的地を決定する過程の乗員の感情に応じた適切な情報量の映像を表示することができる。

（２）表示制御部１３は、乗員により目的地が決定されると、車両１の上方の所定高度から強調表示された目的地を見下ろす鳥観図の映像が、所定高度に対応する長さの時間にわたって表示され、その後、車外カメラ５により撮像された映像がそのまま表示されるように、ディスプレイ４を制御する。これにより、乗員にとって目的地までの距離感が認識しやすく、目的地に対する期待感を高める態様で表示を行うことができる。

（３）所定高度は、車両１の現在地から目的地までの距離に応じて設定されるため、自然な態様の鳥観図の映像により、現在値から目的地までのルート全体を表示することができる。

（４）表示制御部１３は、現在地から目的地までの距離が所定距離以下である場合、鳥観図の映像に代えて、車外カメラ５により撮像された映像が、目的地が強調表示されて表示されるように、ディスプレイ４を制御する。例えば、車外カメラ５により撮像された車両前方の映像に目的地が入っている場合は、鳥観図の映像に切り替わることなく、車外カメラ５により撮像された車両前方の映像において目的地が強調表示される。このため、目的地までの距離感を適切な態様で表現することができる。

（５）車両用表示装置１００は、車両１の自動走行用の高精度地図情報が記憶された記憶部１２をさらに備える（図２）。鳥観図の映像は、記憶部１２に記憶された高精度地図情報に基づいて生成される。更新頻度の高い自動走行用の高精度地図情報を用いることで、より実際の車両前方の状況に即した鳥観図の映像を生成することができる。

上記実施形態では、図１などでディスプレイ４の具体例を示して説明したが、ディスプレイは、運転席に対向し、かつ、車幅方向に延在して配置されるものであれば、どのようなものでもよい。また、図３および図４などで目的地が決定されていないときの表示画面Ｄ１，Ｄ２の具体例を示して説明したが、走行中の車両の前方の景色の映像から所定の要素が除去された映像は、このようなものに限らない。

以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の１つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。

１ 車両、１ａ インストルメントパネル、４ ディスプレイ、５ 車外カメラ、６ 測位ユニット、７ 入力部、８ 通信ユニット、１０ コントローラ、１１ 演算部、１２ 記憶部、１３ 表示制御部

Claims (5)

1. 車両の運転席の乗員に対し情報を表示する車両用表示装置であって、
   走行中の前記車両の前方の景色を撮像するカメラと、
   前記運転席に対向し、かつ、車幅方向に延在して配置されるディスプレイと、
   前記ディスプレイに、走行中の前記車両の前方の景色の映像を表示可能に構成された表示制御部と、を備え、
   前記表示制御部は、乗員により前記車両の目的地が決定されるまでは、走行中の前記車両の前方の景色の映像から所定の要素が除去されて表示され、乗員により前記目的地が決定されると、前記カメラにより撮像された映像が、前記所定の要素が除去されることなく表示されるように、前記ディスプレイを制御することを特徴とする車両用表示装置。
2. 請求項１に記載の車両用表示装置において、
   前記表示制御部は、乗員により前記目的地が決定されると、前記車両の上方の所定高度から強調表示された前記目的地を見下ろす鳥観図の映像が、前記所定高度に対応する長さの時間にわたって表示され、その後、前記カメラにより撮像された映像が、前記所定の要素が除去されることなく表示されるように、前記ディスプレイを制御することを特徴とする車両用表示装置。
3. 請求項２に記載の車両用表示装置において、
   前記所定高度は、前記車両の現在地から前記目的地までの距離に応じて設定されることを特徴とする車両用表示装置。
4. 請求項３に記載の車両用表示装置において、
   前記表示制御部は、前記現在地から前記目的地までの距離が所定距離以下である場合、前記鳥観図の映像に代えて、前記カメラにより撮像された映像が、前記目的地が強調表示されて表示されるように、前記ディスプレイを制御することを特徴とする車両用表示装置。
5. 請求項２～４のいずれか１項に記載の車両用表示装置において、
   前記車両の自動走行用の高精度地図情報が記憶された記憶部をさらに備え、
   前記鳥観図の映像は、前記記憶部に記憶された高精度地図情報に基づいて生成されることを特徴とする車両用表示装置。

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