JP7211713B2 - 接着剤樹脂組成物 - Google Patents
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Description
このようなフィルムの貼り合わせの際には、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により硬化する活性エネルギー線硬化型接着剤樹脂組成物が広く用いられている。
また、特許文献2には、アルキル(メタ)アクリレート、芳香環含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有モノマー等を組み合わせた光学フィルム用粘着剤組成物が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の粘着剤組成物は、接着性は発揮できるものの、接着層が柔らかく、プリズムの先端が埋まりこんで輝度劣化が生じるという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
熱可塑性樹脂を含有することで、被着体との仮着性を充分に向上させることができる。
上記熱可塑性樹脂は、反応性基として水酸基を有することが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が200以上であると、得られる硬化物の機械的強度を充分に向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が5000以下であると、ポリビニルアルコールのアセタール化の際に溶液粘度を好適なものとすることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、より好ましい下限が250、より好ましい上限が4500である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量が50モル%以上であると、反応性希釈剤への溶解性を向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量が80モル%以下であると、アセタール樹脂の製造工程を短縮することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量は、より好ましい下限が65モル%、より好ましい上限が75モル%である。
なお、アセタール基量の計算方法については、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基がポリビニルアルコールの2個の水酸基をアセタール化して得られたものであることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用する。
また、本明細書中、アセタール基がアセトアセタール基である場合には、アセトアセタール基量ともいい、アセタール基がブチラール基である場合には、ブチラール基量ともいう。
上記水酸基量が16モル%以上であると、1段硬化の際の仮着性を向上させることができ、更に2段硬化の際の接着性を良好なものとすることができる。上記水酸基量が45モル%以下であると、耐湿性を向上させることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、より好ましい下限が22モル%、より好ましい上限が40モル%である。
上記アセチル基量が0.5モル%以上であると、反応性希釈剤への溶解性を向上させるができる。上記アセチル基量が20モル%を超えると、ポリビニルアセタールを製造する効率が低下することがある。
ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%未満であると、ポリビニルアルコールの水への溶解度が低下するためアセタール化が困難になることがある。また、ポリビニルアルコールの水酸基量が少ないため、アセタール化反応が進みにくくなることがある。
上記ポリビニルアルコールのケン化度のより好ましい下限は85モル%である。
上記アルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド等が挙げられる。また、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β-フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂の含有量が3重量%以上であると、1段硬化の際の仮着性を良好なものとし、かつ、プリズムシートの埋まり込みを抑制して輝度劣化を抑制することができる。上記熱可塑性樹脂の含有量が20重量%以下であると、塗工性を向上させることができる。
上記熱可塑性樹脂の含有量は、より好ましい下限が5重量%、より好ましい上限が15重量%である。
反応性希釈剤(A)は、熱可塑性樹脂と反応し得る置換基を有さないものである。
上記反応性希釈剤(A)としては、環状エーテル構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、エステル結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル、炭素数1~3のアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。なかでも、塗工性と接着性とを向上させることができることから、反応性希釈剤(A)は、環状エーテル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有することが好ましい。また、環状エーテル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステルとを含有することがより好ましい。
これらは単量体エステルでも多量体エステルでもよく、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、上記環状エーテル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルは、環状エーテル構造を有するものであれば、エステル結合を2個以上有するものであってもよい。
上記脂肪族(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、グリセリンジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
上記芳香族(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、アクリル酸4-ヒドロキシフェニル、アクリル酸β-ヒドロキシフェネチル、アクリル酸4-ヒドロキシフェネチル、アクリル酸1-フェニル-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸3-ヒドロキシ-4-アセチルフェニル、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。また、上記ラクトン化合物としては、ε-カプロラクトンやγ-ブチロラクトン等が挙げられる。
上記脂肪族二塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカンニ酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸等が挙げられる。また、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等が挙げられる。上記脂環族二塩基酸としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。上記芳香族二塩基酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等が挙げられる。上記脂肪族三塩基酸としては、例えば、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸等が挙げられる。上記芳香族三塩基酸としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸等が挙げられる。
上記2価の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール等が挙げられる。また、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等が挙げられる。上記3価以上の多価アルコールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。また、上記多価アルコールとしては、上記2価の多価アルコール又は3価以上の多価アルコールと、環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られた変性ポリエーテルポリオールを用いてもよい。上記環状エーテル結合含有化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、上記2価の多価アルコール又は3価以上の多価アルコールと、上記ラクトン化合物との重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオールを用いてもよい。
また、上記アルキレンオキサイド構造の付加モル数は、1~10が好ましい。
上記反応性希釈剤(A)の含有量が30重量%以上であると、1段硬化の際の仮着性を良好なものとすることができる。上記反応性希釈剤(A)の含有量が95重量%以下であると2段硬化の際に接着亢進して接着性を良好なものとすることができる。
上記反応性希釈剤(A)の含有量は、より好ましい下限が50重量%、より好ましい上限が93重量%である。
反応性希釈剤(B)は、熱可塑性樹脂と反応し得る置換基を有するものである。
上記熱可塑性樹脂と反応し得る置換基としては、イソシアネート基、エポキシ基、アルデヒド基、水酸基等が挙げられる。
本発明の接着剤樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、反応性希釈剤(A)と、反応性希釈剤(B)とを組み合わせて用いることで、加熱することによって、まずは、熱可塑性樹脂と反応し得る置換基を有する反応性希釈剤(B)が熱可塑性樹脂と反応して反応性熱可塑性樹脂が形成される。その後、活性エネルギー線を照射することで、得られた反応性熱可塑性樹脂と反応性希釈剤(A)とが反応して硬化する。本発明の接着剤樹脂組成物は、このような過程で硬化することで、特に輝度劣化を抑制するために、極めて小面積での接着を必要とするプリズムシートの貼り合わせの際に、プリズムシートの凹凸を埋めることなく、仮固定を行うことができる。また、接着亢進して衝撃によりは剥がれにくく、充分な接着力を発揮することができる。
上記反応性希釈剤(B)は、上記熱可塑性樹脂と反応し得る置換基として、イソシアネート基を少なくとも1つ有することが好ましい。
上記当量比が30以上であるとプリズムシートの埋め込みを抑制することができる。上記当量が100以下であると1段硬化の際の仮着性を向上させることができ、更に2段硬化の際の接着性を良好なものとすることができる。
上記光反応開始剤としては、具体的には、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4-ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシ)-3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オンメソクロリド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等が挙げられる。
なお、これら光反応開始剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、輝度劣化を抑制する効果をより向上させることができ、また、耐衝撃性により優れた接着剤樹脂組成物とすることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が3重量部以上であると、耐衝撃性を充分に向上させることができる。上記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が25重量部以下であると、1段硬化の際の仮着性を向上させることができ、更に2段硬化の際の接着性を良好なものとすることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、より好ましい下限が5重量部、より好ましい上限が15重量部である。
上記添加剤としては、フェノチアジン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール等の重合禁止剤;重合開始助剤;レべリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料等が挙げられる。
具体的には、壁紙、積層合板、防犯ガラス等の建築材料の製造、自動車等のUVカットフィルター付き窓ガラスの製造、飲料用の瓶、缶、ボトル等へのラベルの接着、ショーウインドー等への展示物等の接着、光ディスク基板の接着、非接触ICカードの接着、ICチップの接着、有機EL照明のカバーガラスの接着等に用いることができる。また、プロジェクションテレビ及び封止構造が完全固体構造である有機ELディスプレイ等のディスプレイ用部材の接着、タッチパネルと液晶パネルの接着及びタッチパネルとフロントウインドウ、タッチパネル内部等のタッチパネルの接着等に用いることができる。更に、フラットパネルディスプレイに用いられる各種光学フィルムの接着、電気回路に使用される積層板の接着等といった様々な材料や部材を接着や積層体の製造に好適に使用することができる。上記光学フィルムとしては、例えば、輝度向上フィルム、プリズムシート、光拡散シート、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、偏光フィルム、位相差フィルム、カラーフィルター、導光板、防眩フィルム、反射防止フィルム、反射シート、近赤外カットフィルター、視野角コントロールフィルム、視野角補償フィルム等が挙げられる。本発明の接着剤樹脂組成物は、プラスチックの接着に好ましく用いることができ、1段硬化の際の仮着性に優れ、更に、2段硬化により接着亢進して優れた接着性を発揮することから、極小面積での接着を必要とするプリズムシート等の光学フィルムの接着に特に好適に用いることができる。
上記活性エネルギー線照射には、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射を行う際の積算露光量は、好ましくは2~3000mJ/cm2、より好ましくは10~2000mJ/cm2の条件で行われる。
また、上記無電極ランプの場合は、例えば、好ましくは2~2000mJ/cm2、より好ましくは10~1000mJ/cm2の条件で行われる。
このように、熱可塑性樹脂と反応性希釈剤(B)とが反応して形成された反応性熱可塑性樹脂と、反応性希釈剤(A)とが反応して形成された硬化物も本発明の1つである。
ポリビニルアルコール(重量度650、鹸化度99モル%)240gを純水1800gに加え、90℃で2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、濃度35重量%の塩酸170gとn-ブチルアルデヒド275gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルブチラール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂をDMSO-D6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C-NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて測定したところ、水酸基量34モル%、ブチラール化度65モル%であった。
<反応性希釈剤(A)>
[環状エーテル構造を有する(メタ)アクリル酸エステル]
THF-A:テトラヒドロフルフリルアクリレート、日立化成社製
ビスコート#150D:テトラヒドロフルフリルアルコールアクリル酸多量体エステル、大阪有機化学工業社製
[カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル]
M-5300:ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、東亞合成社製
<反応性希釈剤(B)>
[イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステル]
カレンズAOI:2-イソシアナトエチルアクリレート、昭和電工社製
<その他の成分>
[ウレタン(メタ)アクリレート]
U-200PA:ウレタンアクリレート、新中村化学工業社製
<光反応開始剤>
Irgacure 184:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製
重合度560、鹸化度99モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセトアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセトアセタール樹脂をDMSO-D6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C-NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて測定したところ、水酸基量25モル%、アセトアセタール化度74モル%であった。
熱可塑性樹脂として、実施例2で得られたポリビニルアセトアセタール樹脂を用い、表1に示す通りに、熱可塑性樹脂、反応性希釈剤(A)、反応性希釈剤(B)、ウレタンアクリレート(U-200PA、新中村化学社製)及び光反応開始剤を添加して接着剤樹脂組成物を作製した。
表1に示す通りに、反応性希釈剤(A)、反応性希釈剤(B)及び光反応開始剤を添加して接着剤樹脂組成物を作製した。
熱可塑性樹脂として、実施例2で得られたポリビニルアセトアセタール樹脂を用い、表1に示す通りに、熱可塑性樹脂、反応性希釈剤(A)、反応性希釈剤(B)及び光反応開始剤を添加して接着剤樹脂組成物を作製した。
実施例及び比較例で得られた接着剤樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
得られた接着剤樹脂組成物について、VISCOMETER TPE-100(東機産業社製)を用いて粘度を測定し、以下の基準で評価した。
◎:300mPa・s以下であった。
〇:300mPa・sを超えており、500mPa・s以下であった。
△:500mPa・sを超えており、1000mPa・s以下であった。
×:1000mPa・sを超えていた。
被着体として、プリズムシート(サンテックオプト社製、48μmプリズムピッチ、厚さ45μm)を用いた。
接着剤樹脂組成物を70℃で7時間加熱した後、PETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャイン A―4100、厚さ100μm、易剥離処理面ではない未処理面を評価面として使用)上に厚さ20μmになるようにバーコーターを用いて塗工し、PETフィルムと被着体との間に接着剤樹脂組成物を挟み込むように被着体を積層して積層体を得た。
得られた積層体に対して、メタルハライドUVランプを用いて照射量60mJ/cm2で紫外線を照射した後、PETシートを剥離し、粘着層付きPETフィルムを得た。
粘着層付きPETフィルムの粘着層側に被着体を重ね、30gのローラーを用いて往路のみの押圧を行った。
その後、メタルハライドUVランプを用いて照射量3000mJ/cm2で紫外線を照射して、2段硬化サンプルを得た。
得られたサンプルについて、引張試験機を用いて引張速度300mm/minの条件で90度剥離試験を行い接着強度を測定し、以下の基準により仮着性を評価した。
◎:接着強度が1.2N以上であった。
〇:接着強度が0.9N以上、1.2N未満であった。
△:接着強度が0.6N以上、0.9N未満であった。
×:接着強度が0.6N未満であった。
被着体として、プリズムシート(サンテックオプト社製、48μmプリズムピッチ、厚さ45μm)を用いた。
接着剤樹脂組成物を70℃で7時間加熱した後、PETフィルム上に厚さ20μmになるようにバーコーターを用いて塗工し、更に、離型処理されたPETシートを積層して積層体を得た。得られた積層体に対して、メタルハライドUVランプを用いて照射量3000mJ/cm2で紫外線を照射した後、25mm×150mmに切断し、サンプルを得た。
得られたサンプルについて、引張試験機を用いて引張速度300mm/minの条件で90度剥離試験を行い接着強度を測定し、以下の基準により接着性を評価した。
◎:接着強度が10N以上であった。
〇:接着強度が7N以上、10N未満であった。
△:接着強度が3N以上、7N未満であった。
×:接着強度が3N未満であった。
MUTOH製ライトボードの上に、貼り合わせていないPETフィルムとプリズムシートとを重ねて光源の中心に置き、輝度計としてTOPCON製BM-9を用いて、光源と輝度計の距離を350mmとして、光源の中心に輝度計を合わせ、張り合わせ前の輝度を測定した。その後、(接着性評価)で得られたプリズムシートを用いたサンプルについても同様に輝度を測定した。
なお、輝度劣化は、以下の算出式により算出し、以下の基準で評価した。
(輝度劣化)=(張り合わせ前の輝度-サンプルの輝度)/(張り合わせ前の輝度)×100(%)
◎:輝度劣化が7%未満であった。
〇:輝度劣化が7%以上、10%未満であった。
△:輝度劣化が10%以上、12%未満であった。
×:輝度劣化が12%以上であった。
(仮着後接着性評価)で得られた2段硬化サンプルを厚み1mmのポリカーボネート板に挟み込み、重さ15gのおもりを7cmの高さから落下させて衝撃を加え、衝撃が加えられた後のプリズムシートの状態から、耐衝撃性を以下の基準で評価した。
◎:打痕が確認されなかった。
〇:打痕が確認されたが、瞬時に打痕が消えた。
△:打痕が確認されたが、しばらくして打痕が消えた。
×:打痕が確認され、しばらくしても打痕が残っていた。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂、反応性希釈剤(A)、反応性希釈剤(B)及び光反応開始剤を含有し、
前記反応性希釈剤(A)は、熱可塑性樹脂と反応し得る置換基を有さず、
前記反応性希釈剤(B)は、熱可塑性樹脂と反応し得る置換基を有し、前記熱可塑性樹脂と反応し得る置換基として、イソシアネート基を少なくとも1つ有し、
前記熱可塑性樹脂はポリビニルアセタール樹脂であり、
前記反応性希釈剤(A)は環状エーテル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステルとを含有し、
前記反応性希釈剤(B)は、(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記熱可塑性樹脂の含有量が3~20重量%であり、
前記反応性希釈剤(A)の含有量が30~95重量%であり、
前記反応性希釈剤(B)の含有量が0.5~2.0重量%である
ことを特徴とする接着剤樹脂組成物。 - ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が200以上であることを特徴とする請求項1記載の接着剤樹脂組成物。
- ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアセトアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の接着剤樹脂組成物。
- 更に、ウレタンアクリレートを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の接着剤樹脂組成物。
- 請求項1記載の接着剤樹脂組成物の硬化物であって、熱可塑性樹脂と反応性希釈剤(B)とが反応して形成された反応性熱可塑性樹脂と、反応性希釈剤(A)とが反応して形成されたことを特徴とする硬化物。
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