JP7211117B2 - 画像形成装置および搬送速度補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置および搬送速度補正方法に関する。
画像形成装置において、用紙等の記録材に印刷する画像の品質を向上させるため、記録材の搬送速度を一定にする技術がある。この技術において、記録材の搬送中、記録材の搬送速度を決定する、定着ローラの回転速度を都度補正する制御が行われる。
特許文献1には、「加熱部材と定着部材に張架された無端ベルトと、加圧部材との間を搬送するときに記録材上のトナー画像を定着させ、前記定着ベルトを回転駆動する駆動回転体の速度が、回転検知手段を用いて検知した前記定着ベルトが架け回された従動回転体の回転速度に基づいて制御される定着装置において、前記駆動回転体の速度を変更するタイミングが、前記無端ベルトと前記加圧部材で形成される定着ニップを記録材が通過していないときであることを特徴とする定着装置」が開示されている。
特開2017-223731号公報(請求項1)
しかし、特許文献1を含む従来技術では、定着ローラの回転速度のさまざまな変動要因に対する補正について十分に開示されていない。このため、定着ローラの回転速度の補正の精度を向上させる余地が残されている。
上記事情に鑑みて、本発明では、定着ローラの回転速度の補正の精度を向上させ、記録材に印刷する画像の品質を向上させることを目的とする。
本発明の上記の目的は、下記の手段によって達成される。
(1):記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置であって、前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラと、前記記録材の搬送速度を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記搬送ローラから取得される速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正し、前記制御部は、前記速度情報から得られる、非通紙時の前記搬送ローラの回転速度プロファイルと、前記速度情報から得られる、通紙時の回転速度プロファイルとの差異に基づいて、前記速度検知誤差を推測する、ことを特徴とする画像形成装置。
):前記制御部は、前記通紙時の回転速度プロファイルを連続的に取得し、前記連続的に取得した通紙時の回転速度プロファイルから、前記定着ローラに関する特異点の位相変化を検出することで、前記誤差補正量を決定する、ことを特徴とする()に記載の画像形成装置。
):前記特異点の位相は、複数回取得した前記通紙時の回転速度プロファイルの各々から判定する、ことを特徴とする()に記載の画像形成装置。
):前記制御部は、熱膨張した前記定着ローラの周期に応じて、前記速度検知誤差の推測に要する、前記搬送ローラの回転数を決定する、
ことを特徴とする(1)から()のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(5):記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置であって、前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラと、前記記録材の搬送速度を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記搬送ローラから取得される速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正し、前記制御部は、熱膨張した前記定着ローラの周期に応じて、前記速度検知誤差の推測に要する、前記搬送ローラの回転数を決定する、ことを特徴とする画像形成装置。
(6):記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置における搬送速度補正方法であって、前記記録材の搬送速度を制御する、前記画像形成装置の制御部は、前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラから速度情報を取得するステップと、前記速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正するステップと、前記速度情報から得られる、非通紙時の前記搬送ローラの回転速度プロファイルと、前記速度情報から得られる、通紙時の回転速度プロファイルとの差異に基づいて、前記速度検知誤差を推測するステップと、を実行する、ことを特徴とする搬送速度補正方法。
(7):記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置における搬送速度補正方法であって、前記記録材の搬送速度を制御する、前記画像形成装置の制御部は、前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラから速度情報を取得するステップと、前記速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正するステップと、熱膨張した前記定着ローラの周期に応じて、前記速度検知誤差の推測に要する、前記搬送ローラの回転数を決定するステップと、を実行する、ことを特徴とする搬送速度補正方法。
本発明によれば、定着ローラの回転速度の補正の精度を向上させ、記録材に印刷する画像の品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。 制御部の機能構成図である。 定着ローラおよび転写ローラに関し、開始位相が同じであるときの回転速度プロファイルのグラフ例であって、熱膨張が無い場合の例である。 定着ローラおよび転写ローラに関し、開始位相が同じであるときの回転速度プロファイルのグラフ例であって、熱膨張がある場合の例である。 定着ローラおよび転写ローラに関し、開始位相が異なるときの回転速度プロファイルのグラフ例であって、熱膨張が無い場合の例である。 定着ローラおよび転写ローラに関し、開始位相が異なるときの回転速度プロファイルのグラフ例であって、熱膨張がある場合の例である。 通紙時の回転速度プロファイルの時間推移を示すグラフであって、熱膨張が無い場合である。 通紙時の回転速度プロファイルの時間推移を示すグラフであって、熱膨張がある場合である。 位相差量-誤差補正量テーブルの例である。 ローラ回転数決定テーブルの例である。 定着ローラの回転速度補正処理のフローチャートである。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
≪構成≫
[画像形成システムの詳細]
図1に示すように、画像形成システム1は、給紙装置10、給紙調整装置20、画像形成装置30、排紙調整装置40および巻取り装置50を備える。これらの装置は、記録材の例である用紙としての連続紙Sの搬送方向の上流側から下流側へ順に連結されている。
給紙装置10は、ロール状に巻かれた連続紙Sとしてのロール紙R0を収容および保持し、連続紙Sの搬送方向へ連続紙Sを供給する。
給紙調整装置20は、連続紙Sをたるませて保持し、画像形成装置30に対する連続紙Sの供給を調整する。すなわち、給紙調整装置20は、給紙装置10および画像形成装置30の間の連続紙Sの微小な搬送速度の差、および連続紙Sの寄り等を吸収するバッファー機能を有する。
画像形成装置30は、電子写真プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、画像データに基づく画像を連続紙Sに形成する。
排紙調整装置40は、連続紙Sをたるませて保持し、巻取り装置50に対する連続紙Sの供給を調整する。すなわち、排紙調整装置40は、給紙調整装置20と同様に、画像形成装置30および巻取り装置50の間の連続紙Sの微小な搬送速度の差、および連続紙Sの寄り等を吸収するバッファー機能を有する。
巻取り装置50は、排紙された連続紙Sをロール状に巻き取って、ロール紙R1を形成する。
以下では、連続紙Sとしてロール紙を使用する場合を例に挙げて説明するが、連続紙Sは、ロール紙に限定されず、例えば、交互に畳まれた形態のものであってもよい。また、連続紙Sの材質は、紙に限定されず、例えば、布やフィルム等であってもよい。また、連続紙Sは、接着剤が塗布されたラベルを、剥離紙に貼り合わせて構成されるラベル紙であってもよい。
[画像形成装置の詳細]
図1に示すように、画像形成装置30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作パネル34、搬送部35、画像形成部36および定着部37を備える。各構成要素は、信号をやり取りするためのバスを介して、相互に接続されている。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。例えば、制御部31は、給紙装置10、給紙調整装置20、排紙調整装置40および巻取り装置50の制御部と通信して連携することによって、連続紙Sの搬送を制御する。
記憶部32は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク等を備える。
通信部33は、ユーザーのPC(Personal Computer)等の他の機器と通信するためのインターフェースを備える。通信部33は、例えば、ユーザーのPCから印刷ジョブを受信する。
操作パネル34は、タッチパネルやテンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備え、表示部として各種情報を表示したり、操作受付部として各種操作を受け付けたりする。
搬送部35は、搬送路、搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ、および搬送ローラを駆動する駆動モータ(図示せず)を備え、搬送路に沿って連続紙Sを搬送する。
画像形成部36は、搬送部35によって搬送されてきた連続紙Sに、画像データに基づく画像を形成する。画像形成部36は、各色の作像ユニット361、中間転写ベルト362、転写ローラ363および対向ローラ364等を備える。
各色の作像ユニット361は、各色のトナーによる画像を形成する。中間転写ベルト362は、複数のローラによって走行可能に支持された無端ベルトであり、一次転写領域において作像ユニット361によって転写された画像を、二次転写領域に搬送する。転写ローラ363は、二次転写領域に配置され、中間転写ベルト362を挟んで対向する対向ローラ364との間に、ニップ部を形成する。そして、転写ローラ363は、中間転写ベルト362によって搬送されてきた画像を、ニップ部を通過する連続紙Sに転写する。転写ローラ363は、中間転写ベルト362および対向ローラ364から、離間可能に構成される。
定着部37は、画像形成部36によって画像が形成された連続紙Sを加熱および加圧して、連続紙Sに画像を定着させる。定着部37は、定着ローラ371と、加圧ローラ372と、加熱ローラ373と、定着ベルト374とを備える。定着ベルト374は、定着ローラ371と加熱ローラ373とを架け渡す無端のベルトである。加熱ローラ373は、例えばハロゲンヒータを用いた加熱手段であり、定着ベルト374を加熱する。定着ローラ371は、定着ベルト374の伝熱により加熱される。加圧ローラ372は、対向する定着ローラ371との間にニップ部を形成し、ニップ部を通過する連続紙Sが、加熱および加圧される。定着ローラ371は、加圧ローラ372から離間可能に構成されてもよい。
定着ローラ371、加圧ローラ372および転写ローラ363は、駆動モータによって駆動されることによって、搬送部35に含まれ、連続紙Sを搬送する搬送ローラとしても機能する。すなわち、定着ローラ371および加圧ローラ372は、転写ローラ363よりも、連続紙Sの搬送方向の下流側における、定着部37に配置される。また、転写ローラ363は、二次転写領域に配置される。
なお、画像形成システム1および画像形成装置30は、上述した構成要素以外の構成要素を含んでもよいし、上述した構成要素のうちの一部の構成要素を含まなくてもよい。
[制御部の詳細]
図2に示すように、制御部31は、速度検知部311と、補正値演算部312と、速度指令部313とを備え、連続紙Sの用紙搬送速度(搬送速度)を制御する。
速度検知部311は、転写ローラ363に対して配置されたエンコーダ365から速度情報を取得し、用紙搬送速度を検知する。用紙搬送速度は、定着ローラ371の回転速度で決定される。補正値演算部312は、定着ローラ371の回転速度を補正する。より詳細には、補正値演算部312は、定着ローラ371の回転速度を補正するための補正値を演算する。速度指令部13は、補正値演算部312が演算した補正値を定着モータ375に出力する。
定着モータ375は、定着ローラ371の駆動モータであり、例えば、画像形成装置30の内部に配置されている。入力された補正値に従って定着モータ375が定着ローラ371を回転させることで、制御部31は、用紙搬送速度の制御の際、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
エンコーダ365は、例えば、転写ローラ363の周方向に配置された複数の磁気部(図示せず)と、当該磁気部の有無(通過)を検知する磁気センサ(図示せず)とで構成することができる。エンコーダ365は、磁気センサが検知した信号に基づいて、用紙搬送速度を示す速度情報を速度検知部311に出力することができる。
(定着ローラの回転速度の補正)
連続紙Sに印刷する画像の品質を向上させるために、制御部31は、用紙搬送速度を一定(基準速度)にするように制御する。用紙搬送速度は、定着ローラ371の回転速度によって決定される。よって、制御部31は、定着ローラ371の回転速度を一定(基準速度)にするように、定着ローラ371の回転速度を補正する。定着ローラ371は、用紙搬送速度の制御における速度補正対象ローラとなる。
定着ローラ371の回転速度が変動する要因の一つとして、定着ローラ371の偏芯がある。定着ローラ371の回転速度には、定着ローラ371の偏芯量に応じた1回転周期変動が存在する。従来では、制御部31が定着ローラ371の回転速度を検知し、1回転周期変動をキャンセルする補正量を求め、定着モータ375に出力することで、定着ローラ371の回転速度を一定にしていた。
しかし、画像形成処理を継続すれば、定着ローラ371は加熱され、熱膨張する。このため、従来の画像形成装置は、ローラ径の変化に起因して、定着ローラ371の回転速度の1回転周期変動を完全にキャンセルすることができなかった。結果として、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差が発生してしまい、従来の画像形成装置は、定着ローラ371の回転速度を適切に補正することができなかった。
本実施形態では、定着ローラ371の配置位置とは異なる位置に同径の搬送ローラを配置し、当該同径の搬送ローラの回転速度を検知することで、定着ローラ371の回転速度を補正する。本実施形態では、当該同径の搬送ローラとして転写ローラ363を採用して説明を続けるが、同径の搬送ローラは、転写ローラ363に限らず、連続紙Sの搬送に携わる他のローラであってもよい。
なお、定着ローラ371と搬送ローラとが「同径」であるとは、例えば、熱膨張なしの定着ローラ371の径と搬送ローラの径との差分が、熱膨張なしの定着ローラ371の径の±10%以内であるとすることができるが、これに限定されない。
転写ローラ363には、エンコーダ365が配置されているため、制御部31は、転写ローラ363の回転速度を検出することができる。エンコーダ365が配置される転写ローラ363は、用紙搬送速度の制御における速度検知用ローラとなる。
定着ローラ371と同様、転写ローラ363にも偏芯があるため、転写ローラ363の回転速度には、転写ローラ363の偏芯量に応じた1回転周期変動が存在する。このため、通紙時において、制御部31の速度検知部311がエンコーダ365から取得した速度情報には、転写ローラ363の偏芯量に応じた1回転周期変動を示す情報が含まれる。定着ローラ371と異なり、定着ローラ371とは異なる位置に配置されている転写ローラ363は加熱されないため熱膨張しない。このため、制御部31は、転写ローラ363の1回転周期変動を特定することができれば、転写ローラ363の1回転周期変動をキャンセルする補正量を求め、転写ローラ363の回転速度を補正することができる。
また、転写ローラ363は、定着ローラ371よりも、連続紙Sの搬送方向上流側に配置されているが、画像形成処理を継続すれば、制御部31の速度検知部311がエンコーダ365から取得した速度情報には、定着ローラ371の偏芯量に応じた1回転周期変動を示す情報が含まれる。転写ローラ363は熱膨張しないため、制御部31は、定着ローラ371の1回転周期変動を特定することができれば、定着ローラ371の1回転周期変動をキャンセルする補正量を求め、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
また、定着ローラ371と転写ローラ363とを同径にすることで、熱膨張しない定着ローラ371の1回転周期変動の1周期を、転写ローラ363において事実上再現することができる。このため、定着ローラ371の偏芯の影響を、転写ローラ363の偏芯の影響で抑制し易くすることができ、定着ローラ371の回転速度の補正を単純化することができる。
(速度検知誤差の推測)
定着ローラ371は熱膨張するため、定着ローラ371の1回転周期変動は時間変化する。このため、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差が発生する。このような速度検知誤差を推測する手順について説明する。
まず、転写ローラ363の回転速度プロファイルを測定する(手順1)。具体的には、制御部31は、非通紙時に転写ローラ363単体を駆動して回転させたときの速度情報をエンコーダ365から取得し、当該速度情報を解析することで、転写ローラ363の1回転周期変動を特定する。転写ローラ363の回転速度プロファイルの測定は、例えば、事前に行ってもよいし、給紙装置10から連続紙Sを侵入させる際に行ってもよい。なお、エンコーダ365によって、転写ローラ363の回転の位相は特定される。
次に、通紙時の回転速度プロファイルを測定する(手順2)。具体的には、制御部31は、転写ローラ363および定着ローラ371を含む搬送ローラ群によって連続紙Sが搬送されているときの速度情報をエンコーダ365から取得し、当該速度情報を解析する。解析結果は、転写ローラ363の1回転周期変動と、定着ローラ371の熱膨張によって時間変化した、定着ローラ371の1回転周期変動との合算を含む。
最後に、定着ローラ371の回転速度プロファイルを取得することで、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差を推測する(手順3)。具体的には、手順2で測定した通紙時の回転速度プロファイルと、手順1で測定した転写ローラ363の回転速度プロファイルとの差異をとることで、制御部31は、定着ローラ371の回転速度プロファイルを取得することができる。定着ローラ371の回転速度プロファイルには、定着ローラ371の1回転周期変動が存在する。しかし、定着ローラ371の熱膨張に起因して定着ローラのローラ径は増大するため、定着ローラ371の1回転周期変動の周期は長くなる。定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差は、定着ローラ371の1回転周期変動の長周期化に伴う位相差として表現される。
なお、熱膨張の無い定着ローラ371および転写ローラ363は同径であるため、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差は、熱膨張によってローラ径が増大した、定着ローラ371のローラ1周期と、熱膨張しない転写ローラ363のローラ1周期との位相差として表現することができる。
上記手順1~手順3について、図3A、図3B、図4Aおよび図4Bに示す各種グラフを参照して具体的に説明する。グラフの横軸は時間であり、縦軸は転写ローラ363または定着ローラ371の、1回転周期変動の変動量である。
図3Aに示すように、仮に定着ローラ371の熱膨張が無く、かつ、(説明の便宜上)転写ローラ363および定着ローラ371の1回転周期変動の開始位相(時刻t0における位相)が同じである場合について説明する。この場合、手順1によって、転写ローラ363の回転速度プロファイルを示す曲線A1が求められ、手順2によって、通紙時の回転速度プロファイルを示す曲線C1が求められる。このとき、手順3によって、定着ローラ371の回転速度プロファイルを示す曲線B1が、曲線A1、C1の差異として求められる。
定着ローラ371の熱膨張が無いため、定着ローラ371は、転写ローラ363と同径である。よって、曲線A1,B1に示すように、転写ローラ363および定着ローラ371の間で、1回転周期変動の位相が各時刻で同じになる。よって、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差は発生せず、制御部31は、転写ローラ363の1周の平均速度を検出することで、定着ローラ371の回転速度を精度良く補正することができる。その結果、用紙搬送速度を一定(基準速度)にすることができる。
なお、曲線A1,B1の間で、振幅が異なるのは、定着ローラ371の偏芯量が、転写ローラ363の偏芯量よりも大きい(という設定にしている)ためである。
図3Bに示すように、定着ローラ371が熱膨張し、かつ、(説明の便宜上)転写ローラ363および定着ローラ371の1回転周期変動の開始位相が同じである場合について説明する。この場合、手順1によって、転写ローラ363の回転速度プロファイルを示す曲線A2が求められ、手順2によって、通紙時の回転速度プロファイルを示す曲線C2が求められる。このとき、手順3によって、定着ローラ371の回転速度プロファイルを示す曲線B2が、曲線A2、C2の差異として求められる。
定着ローラ371の熱膨張があるため、定着ローラ371のローラ径は、転写ローラ363のローラ径よりも大きい。よって、曲線A1,B1に示すように、定着ローラ371の1回転周期変動の1周期は、転写ローラ363の1回転周期変動の1周期よりも大きくなり、定着ローラ371の1周期において、転写ローラ363の1周期から外れた位相差D2が発生する。この発生した位相差D2が、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差を生み出す。制御部31は、位相差D2を定量的に評価することで、速度検知誤差を推測することができる。制御部31は、補正値演算部312によって、推測した速度検知誤差を0にする補正値を演算する。また、制御部31は、速度指令部313によって、演算した補正値を定着モータ375に出力する。よって、制御部31は、定着ローラ371の回転速度に補正値をフィードバックすることで、定着ローラ371の回転速度を精度良く補正することができる。その結果、用紙搬送速度を一定(基準速度)にすることができる。
また、図4Aに示すように、仮に定着ローラ371の熱膨張が無く、かつ、転写ローラ363および定着ローラ371の1回転周期変動の開始位相が異なる場合について説明する。この場合、手順1によって、転写ローラ363の回転速度プロファイルを示す曲線A3が求められ、手順2によって、通紙時の回転速度プロファイルを示す曲線C3が求められる。このとき、手順3によって、定着ローラ371の回転速度プロファイルを示す曲線B3が、曲線A3、C3の差異として求められる。
定着ローラ371の熱膨張が無いため、定着ローラ371は、転写ローラ363と同径である。よって、曲線A3,B3に示すように、開始位相は異なっていても、転写ローラ363および定着ローラ371の間で、1回転周期変動の位相が各時刻で同じになり、曲線C3が示す(1回転分以上、最大でも1.5回転分に及ぶ1周期の)周期変動が繰り返される。よって、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差は発生せず、制御部31は、曲線C3の1周期分の転写ローラ363の平均速度を検出することで、定着ローラ371の回転速度を精度良く補正することができる。その結果、用紙搬送速度を一定(基準速度)にすることができる。
また、図4Bに示すように、定着ローラ371が熱膨張し、かつ、転写ローラ363および定着ローラ371の1回転周期変動の開始位相が異なる場合について説明する。この場合、手順1によって、転写ローラ363の回転速度プロファイルを示す曲線A4が求められ、手順2によって、通紙時の回転速度プロファイルを示す曲線C4が求められる。このとき、手順3によって、定着ローラ371の回転速度プロファイルを示す曲線B4が、曲線A4、C4の差異として求められる。
定着ローラ371の熱膨張があるため、定着ローラ371のローラ径は、転写ローラ363のローラ径よりも大きい。よって、曲線A4,B4に示すように、定着ローラ371の1回転周期変動の1周期は、転写ローラ363の1回転周期変動の1周期よりも大きくなり、図3Bと同様にして、開始位相の相異があっても、定着ローラ371の1周期において、転写ローラ363の1周期から外れた位相差(図示略)が発生する。この発生した位相差が、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差を生み出す。制御部31は、位相差を定量的に評価することで、速度検知誤差を推測することができる。制御部31は、補正値演算部312によって、推測した速度検知誤差を0にする補正値を演算する。また、制御部31は、速度指令部313によって、演算した補正値を定着モータ375に出力する。よって、制御部31は、定着ローラ371の回転速度に補正値をフィードバックすることで、定着ローラ371の回転速度を精度良く補正することができる。その結果、用紙搬送速度を一定(基準速度)にすることができる。
なお、制御部31は、手順1で測定した、転写ローラ363の回転速度プロファイルによって、転写ローラ363の1回転周期変動の開始位相に相当するタイミングを特定することができる。また、制御部31は、手順3で取得した、定着ローラ371の回転速度プロファイルによって、定着ローラ371の1回転周期変動の開始位相に相当するタイミングを特定することができる。よって、図4Bを参照して説明した開始位相の相異の相異量を特定することができる。
(速度検知誤差の補正の詳細)
画像形成処理を継続すれば、定着ローラ371の熱膨張が継続する。熱膨張が継続すると、図4Bを参照して説明した位相差が時間変化する。このため、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差が時間変化する。制御部31は、手順2で測定した、通紙時の回転速度プロファイルを連続的に取得し、解析することにより、速度検知誤差の時間変化を追跡することができ、速度検知誤差を補正することができる。
図5に示すような、仮に定着ローラ371の熱膨張が無い場合の通紙時の回転速度プロファイルを示す曲線C3の1周期の場合について説明する。図5中、点Q1は、定着ローラ371の回転速度プロファイルのピークに由来するピークである。定着ローラ371の回転速度プロファイルのピークは、定着ローラ371の回転速度プロファイルの特異点の例である。特異点は、ピークに限らず、変曲点、最大値、最小値、極大値、極小値、ゼロクロス点であってもよい。
画像形成処理を継続すれば、図5に示すように、曲線C3の1周期は、1周期目→2周期目→3周期目→・・・のように推移する。ここで、定着ローラ371の熱膨張が無いため、定着ローラ371のローラ径は、転写ローラ363のローラ径と常時同径となる。このため、何周期目であっても曲線C3は同じ形状を示し、点Q1の位置(位相)は常時同じとなる。定着ローラ371の熱膨張が無い場合、速度検知誤差は発生しない。
次に、図6に示すような、定着ローラ371の熱膨張がある場合の通紙時の回転速度プロファイルを示す曲線C4の1周期の場合について説明する。図6中、点Q2は、定着ローラ371の回転速度プロファイルのピークに由来するピークである。定着ローラ371の回転速度プロファイルのピークは、定着ローラ371の回転速度プロファイルの特異点の例である。特異点は、ピークに限らず、変曲点、最大値、最小値、極大値、極小値、ゼロクロス点であってもよい。
画像形成処理を継続すれば、図6に示すように、曲線C4の1周期は、1周期目→2周期目→3周期目→・・・のように推移する。ここで、定着ローラ371の熱膨張があるため、定着ローラ371のローラ径は、転写ローラ363のローラ径よりも大きくなっていく。このため、曲線C4は時間経過とともに変化し、点Q2の位置(位相)は、点Q2が遅れて発生するように変化する。よって、制御部31は、点Q2の位置変化(位相変化)を解析することにより、回転速度プロファイルの1周期ごとの、熱膨張無しの定着ローラ371の回転速度プロファイルの位相に対する、熱膨張した定着ローラ371の回転速度プロファイルの位相の位相差量(以下、単に、「定着ローラ371の位相差量」または「位相差量」と呼ぶ場合がある)を判定することができる。
制御部31は、通紙時における回転速度プロファイルの1周期ごとの、定着ローラ371の位相差量に応じて、定着ローラ371の回転速度に関する速度検知誤差の補正量(誤差補正量)を決定することができる。ここで、画像形成装置30の記憶部32(図1)は、図7に示す、位相差量-誤差補正量テーブルを記憶している。位相差量-誤差補正量テーブルは、転写ローラ363と定着ローラ371との間の開始位相差が180°以内のときに使用されるテーブルと、180°以上のときに使用されるテーブルとの2つで構成することができる。各テーブルの左欄(位相差量[°]。定着ローラ371の基準速度に基づき角度に換算。)には、転写ローラ363と定着ローラ371との間の位相差量の数値一覧が登録されている。各テーブルの右欄(誤差補正量[mm/s])には、定着ローラ371の回転速度に関する速度検知誤差の誤差補正量の数値一覧が登録されている。
なお、位相差量-誤差補正量テーブルに登録されている数値は一例であり、適宜変更することができる。
制御部31は、位相差量-誤差補正量テーブルを参照して、通紙時の回転速度プロファイルから判定した、定着ローラ371の位相差量に応じた誤差補正量を決定することができる。その結果、制御部31は、決定した誤差補正量を用いて、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
例えば、転写ローラ363と定着ローラ371との間の開始位相差が10°であった場合において、熱膨張なしの定着ローラ371の回転速度プロファイルのピークに対する、熱膨張した定着ローラ371の回転速度プロファイルのピークに由来するピークの位置が、位相差量として2°に相当したとき、制御部31は、位相差量-誤差補正量テーブルを参照して、0.02[mm/s]の誤差補正量を決定し、定着ローラ371の回転速度を基準速度とするように補正する。
(位相差量の判定精度向上)
画像形成処理を継続すれば定着ローラ371は熱膨張するが、画像形成処理内容を変更しない限り、定着ローラ371の熱膨張は定常状態にあり、定着ローラ371は定常状態付近で微量の熱膨張および熱収縮を繰り返す。このとき、定着ローラ371の増大したローラ径は、定常値にあり、定常値付近で微量の増大および減少を繰り返すように揺らぐ。その結果、定着ローラ371の熱膨張が定常状態にあっても、回転速度プロファイルの1周期ごとの、定着ローラ371の位相差量は揺らぐ。
上記事情に鑑みて、制御部31は、通紙時の回転速度プロファイルの1周期ごとの、定着ローラ371の位相差量を、通紙時の回転速度プロファイルの複数周期に亘って複数回取得する。また、制御部31は、取得した複数の位相差量の平均値を算出する。つまり、通紙時の回転速度プロファイル中の定着ローラ371に関する特異点の位相は、複数回取得した通紙時の回転速度プロファイルの各々から判定する。よって、制御部31は、通紙時の回転速度プロファイルの1周期ごとの、定着ローラ371の位相差量の判定精度を向上させることができる。
また、制御部31は、位相差量-誤差補正量テーブル(図7)を参照して、算出した位相差量の平均値に応じた誤差補正量を決定することができる。その結果、制御部31は、決定した誤差補正量を用いて、定着ローラ371の回転速度をより精度良く補正することができる。
(ローラ回転数の決定)
定着ローラ371が熱膨張することにより、定着ローラ371の周期が、定着ローラ371と同径であった転写ローラ363の周期より大きくなり、既に説明した、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差が生じる。しかし、定着ローラ371の位相差量の判定に用いた、熱膨張無しの定着ローラ371と同径である転写ローラ363の回転数を2以上にすることで、定着ローラ371の回転速度の速度検知誤差が低減するように速度検知誤差を測定し、定着ローラ371の回転速度の補正の精度を最適にすることができる。転写ローラ363の回転数を2以上にすることは、転写ローラ363の1回転分以上の時間を要して速度検知誤差を推測することを意味する。
例えば、画像形成装置30の記憶部32(図1)は、図8に示す、ローラ回転数決定テーブルを記憶している。ローラ回転数決定テーブルには、「周期[ms]」の欄と、「定着ローラ回転数」の欄と、「転写ローラ回転数」の欄と、「誤差[ms]」の欄が備わっており、周期[ms]ごとに、回転数と、誤差とが対応付けられている。ローラ回転数決定テーブル中の数値は、転写ローラ363の周期を100[ms](熱膨張無しの定着ローラ371の周期と同じ)としたときに決定される数値である。
「周期[ms]」の欄には、熱膨張して変化する定着ローラ371の周期[ms]の数値が登録される。
「定着ローラ回転数」の欄には、定着ローラ371の位相差量の判定に用いる、熱膨張した定着ローラ371の回転数の数値が登録される。なお、図8の説明の便宜上、位相差量は、(図7に示すような)角度[°]ではなく、時間[ms]に換算して説明する。
「転写ローラ回転数」の欄には、定着ローラ371の位相差量の判定に用いる、熱膨張無しの定着ローラ371の回転数の数値が登録される。
「誤差[ms]」の欄には、周期[ms]、定着ローラ回転数、および、転写ローラ回転数に応じて決定される速度検知誤差の量が登録される。
ローラ回転数決定テーブル(図8)によれば、例えば、定着ローラ371の周期[ms]が100であった場合、定着ローラ371の1回転周期変動に対して、位相差量の判定に用いる、熱膨張無しの定着ローラ371の回転数を1とする。位相差量は、0(=100-100)[ms]であるが、転写ローラ363の1回転周期変動を1つ用いることで、誤差は、0(=100×1-100×1)[ms]となる。よって、制御部31は、補正なしで(速度検知誤差に対する補正値0で)定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
また、ローラ回転数決定テーブル(図8)によれば、例えば、熱膨張した定着ローラ371の周期[ms]が110であった場合、定着ローラ371の1回転周期変動に対して、位相差量の判定に用いる、転写ローラ363の回転数を1とする。位相差量は、10(=110-100)[ms]であるが、熱膨張した定着ローラ371の1回転周期変動を1つ用い、かつ、転写ローラ363の1回転周期変動を1つ用いることで、誤差を、10(=110×1-100×1)[ms]にすることができる。よって、制御部31は、誤差10[ms]を相殺する補正値を演算することで、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
また、ローラ回転数決定テーブル(図8)によれば、例えば、熱膨張した定着ローラ371の周期[ms]が120であった場合、定着ローラ371の1回転周期変動に対して、位相差量の判定に用いる、転写ローラ363の回転数を1とする。位相差量は、20(=120-100)[ms]であるが、熱膨張した定着ローラ371の1回転周期変動を1つ用い、かつ、転写ローラ363の1回転周期変動を1つ用いることで、誤差を、20(=120×1-100×1)[ms]にすることができる。よって、制御部31は、誤差20[ms]を相殺する補正値を演算することで、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
また、ローラ回転数決定テーブル(図8)によれば、例えば、熱膨張した定着ローラ371の周期[ms]が130であった場合、定着ローラ371の1回転周期変動に対して、位相差量の判定に用いる、転写ローラ363の回転数を1とする。位相差量は、30(=130-100)[ms]であるが、熱膨張した定着ローラ371の1回転周期変動を1つ用い、かつ、転写ローラ363の1回転周期変動を1つ用いることで、誤差を、30(=130×1-100×1)[ms]にすることができる。よって、制御部31は、誤差30[ms]を相殺する補正値を演算することで、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
また、ローラ回転数決定テーブル(図8)によれば、例えば、熱膨張した定着ローラ371の周期[ms]が140であった場合、定着ローラ371の1回転周期変動に対して、位相差量の判定に用いる、転写ローラ363の回転数を3とする。位相差量は、40(=140-100)[ms]であるが、熱膨張した定着ローラ371の1回転周期変動を2つ用い、かつ、転写ローラ363の1回転周期変動を3つ用いることで、誤差を、-20(=140×2-100×3)[ms]にすることができる。よって、制御部31は、誤差-20[ms]を相殺する補正値(絶対値比較で40[ms]よりも小さい)を演算することで、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
また、ローラ回転数決定テーブル(図8)によれば、例えば、熱膨張した定着ローラ371の周期[ms]が150であった場合、定着ローラ371の1回転周期変動に対して、位相差量の判定に用いる、転写ローラ363の回転数を3とする。位相差量は、50(=150-100)[ms]であるが、熱膨張した定着ローラ371の1回転周期変動を2つ用い、かつ、転写ローラ363の1回転周期変動を3つ用いることで、誤差を、0(=150×2-100×3)[ms]にすることができる。よって、制御部31は、補正なしで(速度検知誤差に対する補正値0で)定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
上記のように、転写ローラ363の回転数は、転写ローラ363の周期と、熱膨張した定着ローラ371の周期との最小公倍数に基づいて決定することで、誤差を低減することができる。ただし、位相差量の判定に用いる転写ローラ363の回転数が多いと、誤差の決定に要する時間が大きくなり、定着ローラ371に対する補正制御の応答性が低下する。このため、誤差の許容量を踏まえて回転数を決定することが好ましい。
≪処理≫
図9を参照して、本実施形態の処理として、定着ローラ371の回転速度補正処理について説明する。
まず、画像形成装置30の制御部31は、非通紙時の転写ローラ363の回転速度プロファイルを測定する(ステップS1)。ステップS1は、既に説明した手順1に相当する。
次に、画像形成装置30の制御部31は、連続紙Sの搬送を開始する(ステップS2)。次に、画像形成装置30は、通紙時の回転速度プロファイルを測定する(ステップS3)。ステップS3は、既に説明した手順2に相当する。
次に、画像形成装置30の制御部31は、通紙時の回転速度プロファイルを解析して、特異点を取得する(ステップS4)。取得する特異点には、定着ローラ371の回転速度プロファイルのピークに由来するピーク(図6の点Q2)が含まれる。
次に、画像形成装置30の制御部31は、特異点の位置変化量を検出する(ステップS5)。具体的には、画像形成装置30の制御部31は、通紙時の回転速度プロファイルを連続的に取得することで、特異点としてのピーク(図6の点Q2)の移動量(特異点の位相変化)を検出する。
次に、画像形成装置30の制御部31は、検出した位置変化量に基づいて、定着ローラ371の位相差量を判定する(ステップS6)。なお、ステップS6において、定着ローラ371の位相差量を、通紙時の回転速度プロファイルの複数周期に亘って複数回取得し、取得した複数の位相差量の平均値を算出し、採用することができる。
次に、画像形成装置30の制御部31は、ローラ回転数決定テーブル(図8)を参照して、定着ローラ371の回転速度の補正の精度を最適にする、転写ローラ303の回転数を決定する(ステップS7)。なお、ステップS7は、定着ローラ371に対する補正制御の応答性を考慮して、省略してもよい。
次に、画像形成装置30の制御部31は、位相差量-誤差補正量テーブル(図7)を参照して、判定した位相差量に応じた誤差補正量を決定する(ステップS8)。次に、画像形成装置30の制御部31は、補正値演算部312によって、定着ローラ371のローラ偏芯に起因する1回転周期変動をキャンセルする補正量を、ステップS8で決定した誤差補正量で補正する(ステップS9)。なお、定着ローラ371のローラ偏芯に起因する1回転周期変動をキャンセルする補正量は、通紙時の回転速度プロファイルと、非通紙時の転写ローラ363の回転速度プロファイルとの差異をとって求めることができる。
最後に、画像形成装置30の制御部31は、速度指令部13によって、ステップS9で求めた補正量を、定着ローラ371の回転速度にフィードバックする(ステップS10)。
図9の処理によれば、定着ローラ371の熱膨張に起因する速度検知誤差の影響を除くようにして、定着ローラ371の回転速度を補正することができる。
本実施形態によれば、定着ローラ371の熱膨張に起因して発生した速度検知誤差の影響を取り除くことができる。
したがって、定着ローラ371の回転速度の補正の精度を向上させ、記録材に印刷する画像の品質を向上させることができる。
また、非通紙時の転写ローラ363の回転速度プロファイルと、通紙時の回転速度プロファイルとで速度検知誤差を推測することで、補正対象となる、定着ローラ371の回転速度を正確に捉えることができる。
また、定着ローラ371の位相変化を用いることで、速度検知誤差を定量的に評価することができる。
特に、特異点の位相を複数回判定することで、例えば、定着ローラ371の位相差量の平均値を取得することができ、当該平均値で、速度検知誤差の定量的な評価の精度を向上させることができる。
また、熱膨張した定着ローラ371の周期に応じて、速度検知誤差の低減を可能とする、転写ローラ363の回転数を決定することできるため、定着ローラ371の回転速度の補正の精度をより向上させることができる。
(変形例)
(a)本実施形態では、搬送対象となる記録材を連続紙Sとして説明したが、例えば、所定の寸法にカットされたカット紙を連続的に搬送する場合にも本発明を適用することができる。
(b)本実施形態では、速度検知用ローラとして転写ローラ363を採り上げて説明したが、転写ローラ363以外の搬送ローラを速度検知用ローラとしてしてもよい。転写ローラ363は、定着ローラ371よりも搬送方向上流側に配置されている搬送ローラであるが、定着ローラ371よりも搬送方向下流側に配置されている搬送ローラを速度検知用ローラとしてしてもよい。
1 画像形成システム
30 画像形成装置
31 制御部
32 記憶部
37 定着部
311 速度検知部
312 補正値演算部
313 速度指令部
363 転写ローラ(搬送ローラ)
365 エンコーダ
371 定着ローラ
S 連続紙(記録材)

Claims (7)

  1. 記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置であって、
    前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラと、
    前記記録材の搬送速度を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記搬送ローラから取得される速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正し、
    前記制御部は、前記速度情報から得られる、非通紙時の前記搬送ローラの回転速度プロファイルと、前記速度情報から得られる、通紙時の回転速度プロファイルとの差異に基づいて、前記速度検知誤差を推測する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記通紙時の回転速度プロファイルを連続的に取得し、
    前記連続的に取得した通紙時の回転速度プロファイルから、前記定着ローラに関する特異点の位相変化を検出することで、前記誤差補正量を決定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記特異点の位相は、複数回取得した前記通紙時の回転速度プロファイルの各々から判定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、熱膨張した前記定着ローラの周期に応じて、前記速度検知誤差の推測に要する、前記搬送ローラの回転数を決定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置であって、
    前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラと、
    前記記録材の搬送速度を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記搬送ローラから取得される速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正し、
    前記制御部は、熱膨張した前記定着ローラの周期に応じて、前記速度検知誤差の推測に要する、前記搬送ローラの回転数を決定する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置における搬送速度補正方法であって、
    前記記録材の搬送速度を制御する、前記画像形成装置の制御部は、
    前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラから速度情報を取得するステップと、
    前記速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正するステップと
    前記速度情報から得られる、非通紙時の前記搬送ローラの回転速度プロファイルと、前記速度情報から得られる、通紙時の回転速度プロファイルとの差異に基づいて、前記速度検知誤差を推測するステップと、を実行する、
    ことを特徴とする搬送速度補正方法。
  7. 記録材に画像を定着させる定着ローラを備える画像形成装置における搬送速度補正方法であって、
    前記記録材の搬送速度を制御する、前記画像形成装置の制御部は、
    前記記録材を搬送し、前記定着ローラと同径である搬送ローラから速度情報を取得するステップと、
    前記速度情報に対して、前記定着ローラの熱膨張に起因して発生した速度検知誤差を補正する誤差補正量を用いて、前記定着ローラの回転速度を補正するステップと、
    熱膨張した前記定着ローラの周期に応じて、前記速度検知誤差の推測に要する、前記搬送ローラの回転数を決定するステップと、を実行する、
    ことを特徴とする搬送速度補正方法。
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