JP7210054B2 - ナノバーコードを使用することによって、幹細胞の細胞付着・分化を調整する方法 - Google Patents

ナノバーコードを使用することによって、幹細胞の細胞付着・分化を調整する方法 Download PDF

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Description

本発明は、幹細胞の付着・分化の調整に用いられるナノバーコード、そのナノバーコードを用いた幹細胞の付着・分化を調整する方法に関するものであり、具体的には、上記のナノバーコードを用いて、幹細胞の付着・分化を調整する方法に関するものである。
幹細胞は、自己再生による増殖が可能であり、骨、脂肪、筋肉、心筋、血管、軟骨など様々な細胞に分化する能力を有する。近年、これらの特性を活用して損傷を受けた組織、臓器を再生するために幹細胞、或いは幹細胞から分化した細胞の移植する技術が幅広く研究されている。その上、幹細胞が特定の細胞に分化できるように補助する生体材料の研究も活発に行われている。
このように、幹細胞の再生効果を効率的に制御するための方法として、リガンドの提示による体内技術が開示されている。しかしながら、従来のマイクロスケールのインテグリンリガンドペプチド(RGD)の脱着(uncaging)は、宿主幹細胞の付着は調整するが、幹細胞の分化に関する調整は行わないという問題を抱えている。
韓国公開特許第2018-0039724号公報
本発明の目的は、リガンドが結合されたナノバーコードと、並びに、ナノバーコードに結合されたリガンドの周期性と配列の順序を制御して、幹細胞の付着・分化を調整する方法を提供することである。
本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードと、
ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含む、幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードを提供する。
また、本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードを用意するステップと、
ナノバーコードと、第1の懸濁液とを混合して、第1のセグメントにカルボン酸塩置換基を置換するステップと、
ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液と混合するステップと、を含む、請求項1~5のうちいずれか1項に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードの製造方法を提供する。
更に本発明は、上述の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードを含む溶液に表面が活性化された基板を担持してナノバーコード提示基板を製造するステップと、
前記ナノバーコード提示基板を培養液で処理した後、幹細胞の付着・分化を調整するステップと、を含む、幹細胞の付着・分化を調整する方法を提供する。
本発明による幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードは、ナノバーコードにコーティングされたリガンドペプチドの周期性と配列の順序を制御し、幹細胞の付着・分化を容易に調整することができる。
また、本発明による幹細胞の付着・分化を調整する方法は、上記のナノバーコードを含む基板に磁場を印加することで可逆的な制御も可能であり、体内・体外での幹細胞の付着・分化を効率的に調整することができる。
本発明の一実施例による幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード、これを含む基板、並びに、これを用いた幹細胞の付着・分化を調整する方法を示した模式図 本発明の一実施例による、ナノバーコードの高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)の画像、エネルギー分散型分光法(EDS)マッピング、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)の画像を示したもの 本発明の一実施例による、ナノバーコードの模式図(a)、HAADF-STEMの結果から計算された各FeとAu(Fe/Au)ナノバーコードの長さの合計(b)、直径(c)、表面積(d)を示したグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードのX線回折分析グラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードの振動試料に対する、磁力計の測定結果のグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードを含む基板を製造するステップを図式化した画像 本発明の一実施例によるナノバーコードに対してフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)により分析を行った結果 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いて培養された幹細胞(48時間後)のF-アクチン、核、ビンキュリン、YAPの共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは20μm) 共焦点免疫蛍光画像データから、幹細胞培養の48時間後の付着細胞密度、細胞面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP比率を定量的に計算したグラフ 共焦点免疫蛍光画像データから、幹細胞培養の48時間後の付着細胞密度、細胞面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP比率を定量的に計算したグラフ (a)は、本発明の比較例によるスクランブルRADナノバーコードを用いて培養された幹細胞(48時間後)のF-アクチン、核、ビンキュリン、YAPに対してナノ周期を調整した場合の共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは50μm)、(b)は、上記の共焦点免疫蛍光画像データから、幹細胞培養の48時間後の付着細胞密度、細胞面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP比率を定量的に計算したグラフ ナノバーコードを用いた、リガンド配列におけるナノ周期の調整により試験管内・体内の幹細胞の機械的形質導入に関する実験の結果 本発明によるナノバーコードを用いて、共焦点免疫蛍光画像をもとに、ナノ周期を有するナノバーコードを含む基板に幹細胞を7日間培養した後、核/細胞質のRUNX2蛍光比及びアルカリホスファターゼ陽性細胞を定量的に分析したグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いて、共焦点免疫蛍光画像をもとに、ナノ周期を有するナノバーコードを含む基板に幹細胞を7日間培養した後、核/細胞質のRUNX2及びALP遺伝子発現プロファイルを定量的に分析したグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いて、リガンド配列においてナノ周期とリガンド配列の順序の調整により試験管内の幹細胞の機械的形質導入に関する実験の結果 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いた、幹細胞培養の48時間後のインテグリンβ1、FAK、p-FAK、RhoA、F-アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像 (a)は、本発明の一実施例によるナノバーコードを用いてアクチン重合阻害剤(サイトカラシンD)を有する幹細胞を48時間培養した後の、TAZ、ビンキュリン、F-アクチン核の共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは50μm)、(b)は、上記の共焦点免疫蛍光画像から計算された核/細胞質のTAZ蛍光比を計算したグラフ (a)は、本発明の一実施例によるナノバーコードを用いて、アクチン重合阻害剤(サイトカラシンD)とミオシンII阻害剤(ブレビスタチン)を有する幹細胞を培養して48時間後の、YAP、F-アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは50μm)、(b)は、上記の共焦点免疫蛍光画像から計算されたY27632、サイトカラシンD、ブレビスタチンの阻害剤による核/細胞質のYAP蛍光比を計算したグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いた体内の宿主幹細胞の付着の調整の実験の結果 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いて、体内宿主幹細胞の焦点付着を介する機械的形質導入の実験の結果であり、図12cに図示された共焦点免疫蛍光画像から皮下移植された基板上にHmscが注射されて6時間後の細胞の拡散面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP蛍光比を計算したグラフ
以下、本発明をより具体的に説明するために、本発明による好ましい実施例を、添付の図面を参照しながらより詳しく説明する。ただし本発明は、本願で説明している実施例に限られず、他の形態で具体化されてもよい。
本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードと、
ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含む、幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードを提供する。
図1は、本発明による幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード、当該ナノバーコードと結合された基板、並びに、これを用いた幹細胞の付着・分化を調整する方法を示した模式図である。
図1によると、本発明のナノバーコードは、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコード、ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含み、当該インテグリンリガンドペプチドは、インテグリンペプチドである。
具体的には、ナノバーコードは、下記の式(1)又は式(2)を満足するバー状である。
[L(M)q] (1)
[L(M)q] (2)
ここにおいて、
は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数であり、
Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
具体的には、Lは、10~500、10~100、30~75、又は150~500の整数であり、M及びMは互いに独立的な数字を表し、qは1~10、2~10、又は1~2の整数である。
例えば、当該ナノバーコードにおいて、式(1)及び(2)は、[30(M10]、[75(M]、[75(M]、[150(M]、[150(M]、[300(M]のうちいずれかで表されてもよい。この時、Mは第1のセグメント、Mは第2セグメントである。具体的には、当該ナノバーコードは、[30(01)10]、[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]、[300(01)]のうちいずれかを満足するバー状であってもよい。
式(1)を満足するナノバーコードは、第1及び第2のセグメントの長さ(L)を調整することにより、第2のセグメントに結合されたリガンドペプチドの周期性を調節することができ、式(2)を満足するナノバーコードは、式(1)を満足するナノバーコードと比較して、第2のセグメントに結合されたリガンドペプチドの周期と配列の順序のうちいずれか一つ以上を調整することができる。
第1のセグメントは、カルボン酸塩が置換された構造であってもよい。カルボン酸塩置換基は、アミノ酸誘導体、具体的にはアミノカプロン酸であってもよい。上記のように、第1のセグメントがカルボン酸塩が置換された構造を有すると、基板との結合力が向上され、優れた耐久性を示すことができる。
第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドは、チオール化インテグリンリガンドペプチドを含み、当該インテグリンリガンドペプチドのチオール基と第2のセグメントとが化学的に結合された構造であってもよい。
上記のように、第2のセグメントにインテグリンリガンドペプチドを結合させ、該リガンドペプチドの周期性や配列の順序を制御することにより、幹細胞の付着・分化を効率的に制御することができる。
図2(a)は、本発明による幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードの、高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡と電界放出形走査電子顕微鏡から得た画像であり、ナノバーコードの大きさを知ることができる。具体的には、当該ナノバーコードは、断面が円形のバー状であり、直径は50~100nmであってもよい。より具体的には、当該ナノバーコードは、直径が60nm~90nm、或いは50nm~80nmであってもよい。また、当該ナノバーコードは、バー状で、長さは200nm~1000nmであってもよい。当該ナノバーコードの長さが200nm未満の場合には、インテグリンリガンド結合の効率が低下し、1000nmを超える場合には、基板上に結合されるとき、分散度が低下する。より具体的には、当該ナノバーコードは、
長さが500nm~800nm、或いは600nm~900nmであってもよい。上記のようなナノバーコードを含むことにより、ナノバーコードの構造に応じて、幹細胞の付着・分化を調整することができる。
また、本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードを用意するステップと、
ナノバーコードと、第1の懸濁液とを混合して、第1のセグメントにカルボン酸塩置換基を置換するステップと、
ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液と混合するステップと、を含む、請求項1~5のうちいずれか1項に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードの製造方法を提供する。
ナノバーコードを用意するステップは、陽極酸化ナノテンプレートを用いて、第1の電流で鉄を、第1の電流より低い第2の電流で金を、ナノテンプレートの細孔(Pore)に交互に充填させて鉄-金の多層ナノワイヤを形成する電気めっき工程と、陽極酸化ナノテンプレートをエッチングする工程とを含むことができる。
ナノテンプレートとしては、陽極酸化アルミニウム(Anodic Aluminum Oxide、AAO)ナノテンプレート、無機材料(Inorganic)ナノテンプレート、或いは高分子ナノテンプレートを使用する。ここでは、陽極酸化アルミニウムナノテンプレートを用いる。陽極酸化アルミニウムナノテンプレートの細孔(Pore)の直径によってナノワイヤの寸法が定められ、ナノワイヤの形成時間と速度によってナノワイヤの長さが定められる。
陽極酸化アルミニウムナノテンプレートは、直径が200ナノメートルの細孔を複数有する。
電気めっきの前に電子ビーム蒸着法(Electron Beam Evaporation)により陽極酸化アルミニウムナノテンプレートの底面に厚さ250nmの銀(Ag)電極層を形成する。この電極層は、電気めっきの際に陰極として機能する。ここで、電極層として他の金属や導電性材料からなる層を使用してもよい。
高電圧や高電流ではFe層が合成され、低電圧や低電流ではAu層が合成されるように、交互に電圧や電流を印加するパルスめっき法により、陽極酸化アルミニウムナノテンプレートの細孔中にFe/Auバーコードナノワイヤを合成する。
1つのメッキ槽において、硫酸鉄(II)七水和物(FeSO・7HO、278.02g/mol)とシアン化金(I)カリウム(KAu(CN)、288.10 g/mol)とを一定の比となるようにモール(mole)の濃度を調整しながら、前駆体(precursor)として用いる電気めっき用電解液を調製する。電流の恒常性を維持するためにホウ酸(HBO)を緩衝液に加える。
ここで、一つのメッキ槽に二種類の前駆体を一緒に入れて二つの元素がそれぞれ一層をなすナノワイヤを合成する必要があるので、前駆体を選ぶ時、二種の前駆体が反応を起こして化合物を生成してはならない。
また、還元性の良い元素のイオン含有量と還元性の悪い元素の含有量との比率を調整し、多層構造からそれぞれの元素を分離できるようにする必要がある。使用した溶液において鉄イオンと金イオンのモル濃度の比は、40:1~4:1の範囲(好ましくは16:1)がよく、貴重(Noble)な金属である金の濃度を相対的に低くすると、二種の元素がそれぞれ一層をなすナノワイヤを合成することができる。
電解液は、超純水(Deionized Water)を用いて製造し、水素イオン化濃度(pH Value)をホウ酸(HBO)を用いて一定値に維持し、電流の恒常性を維持できるようにする。
ナノテンプレートにパルス電気めっきを施し、Fe/Au多層構造バーコード型ナノワイヤを形成する。鉄イオンの電気めっきのために、10mA/cmの電流を印加し、金イオンの電気めっきのために1.0mA/cmの電流を印加した。
鉄と金の標準還元電位(Standard Reduction Potential)はそれぞれ異なるが、このような還元電位の差を以って、上述したように、比較的に高い電流では鉄メッキが、比較的に低い電流では金メッキを行うことができる。これにより、Fe/Au多層薄膜ナノワイヤの製造が可能となる。
次いで、個々の多層薄膜ナノワイヤを得るために、陽極酸化ナノテンプレートに、常温で1時間、1M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で処理を施すと、ナノテンプレートと電極層の両方が溶解し、バーコード型の鉄/金の多層薄膜ナノワイヤを分離することができる。
ナノワイヤの直径は、細孔の大きさが異なる陽極酸化アルミニウムナノテンプレートを用いることにより制御でき、ナノワイヤにおける鉄層や金層の厚さは、電気めっきの時間を変更することにより制御できる。
更に、第1のセグメントにカルボン酸塩(carboxylate)置換基を置換するステップは、当該ナノバーコードと第1の懸濁液とを混合して、8~20時間、或いは10~15時間反応させることで成し遂げることができる。第1懸濁液はカルボン酸塩の置換基を含むアミノ酸誘導体を含んでもよく、具体的に、当該アミノ酸誘導体は、アミノカプロン酸であってもよい。上記のような第1の懸濁液と反応させると、鉄セグメントの酸化物層にカルボキシレート置換基が置換され、基板と容易に結合することができる。
更に、第2の懸濁液と混合するステップは、ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液に1時間~5時間、或いは1時間~3時間撹拌することで成し遂げることができる。このとき、ナノバーコードの第2セグメントにチオール化RGDペプチドリガンドが結合することがある。当該溶媒は、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)のいずれか1つ以上を含んでもよい。上記のように、第2のセグメントにインテグリンリガンドペプチドが結合されると、ナノバーコードのリガンドの周期性や配列の順序を制御することができる。つまり、当該ナノバーコードを用いて、幹細胞の付着・分化を容易に調整することができる。
更に、本発明は、上述した幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードを含む溶液に、表面が活性化された基板を担持して、ナノバーコード提示基板を製造するステップと、ナノバーコード提示基板を培養液で処理した後、幹細胞の付着・分化を調整するステップと、を含む、幹細胞の付着・分化を調整する方法を提供する。
図1bは、本発明の一実施例による幹細胞の付着・分化を調整する方法を図式化した図である。図1bによると、ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドの周期と配列の順序を調整して幹細胞の付着及び機械感受性を促進し、炎症性M1表現型と再生性M2表現型を調整して活性化させている。
具体的には、ナノバーコード提示基板を製造するステップは、基板の表面を酸性溶液に浸漬させるステップと、浸漬済みの基板をアミノシラン溶液に担持して基板の表面を活性化させるステップと、を含んでもよい。
当該基板の表面を酸性溶液に浸漬させるステップでは、塩酸と硫酸のうちいずれか1つ以上を含む酸性溶液に30分~2時間、或いは30分~1時間浸漬させてもよい。これにより、当該基板の表面に水酸化基を結合させ、アミノシラン溶液のアミノ基との結合が容易になるよう、基板の表面活性化を効果的に行うことができる。
当該基板の表面を活性化させるステップは、アミノシラン溶液に基板を担持し、基板の表面を活性化させてもよい。アミノシラン溶液は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)を含んでもよい。このとき、基板の表面を活性化させるということは、基板の表面を正に帯電させるということであり、具体的には、基板上にアミン基を結合させて活性化させることができる。上記のようにアミノシラン溶液に浸漬して、基板の表面を活性化させ、基板の表面を正に帯電させると、当該基板は、ナノバーコードの鉄セグメントと化学的に結合することができる。
例えば、該ナノバーコード提示基板はポリエチレングリコール誘導体を含む溶液に担持し、ナノバーコードが結合されていない基板の表面を不活性化させたものであってもよい。
幹細胞の付着・分化を調整するステップは、ナノバーコード提示基板のナノバーコードに結合されたリガンドの周期と配列の順序のうちいずれか一つ以上を変化させて成し遂げることができる。
具体的には、幹細胞の付着・分化を調整するステップで、下記の式(1)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、幹細胞の付着・機械感受性分化が低下してもよい。
[L(M)q] (1)
ここにおいて、
は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは2~10の整数であり、
Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
また、幹細胞の付着・分化を調整するステップで、下記の式(2)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、幹細胞の付着・機械感受性分化が促進され得る。
[L(M)q] (2)
ここにおいて、
は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは1~5の整数であり、
Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
より具体的には、式(1)において、Lは10~100、或いは30~75の整数であってもよい。また、式(2)でLは150~500、或いは150~300の整数であってもよく、qは1~2の整数であってもよい。
例えば、当該ナノバーコードにおいて、式(1)及び(2)は、[30(M10]、[75(M]、[75(M]、[150(M]、[150(M]、[300(M]のうちいずれかで表されてもよい。この時、Mは第1のセグメント、Mは第2セグメントである。具体的には、当該ナノバーコードは、[30(01)10]、[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]、[300(01)]のうちいずれかを満足するバー状であってもよい。
上記のような構造式を有するナノバーコードの第2のセグメントにインテグリンリガンドペプチドを結合させ、ナノバーコード上にインテグリンリガンドペプチドの周期と配列と順序を制御することで、幹細胞の付着性や分化を効果的に調整することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。しかしながら下記の実施例は本発明の好ましい一実施例に過ぎず、本発明の請求の範囲が下記の実施例に限られる訳ではない。
[製造例]
製造例1~6
ナノバーコードの製造
Fe/Auナノバーコードは、基板上に、様々なリガンドナノ周期とリガンド配列を現すように製造した。パルス電着工程の鋳型として細孔径が70nmの多孔性ポリカーボネート膜(PCM)を使用した。電子ビーム蒸発器を用いて多孔質ポリカーボネート膜細孔内にAg(銀)を沈着させた。PCM細工をナノバーコードで充填するために、0.06M硫酸第一鉄水和物(FeSO7HO)、0.01Mシアン化金(I)カリウム(Potassium dicyanoaurate、KAu(CN))、0.6Mホウ酸(HBO)で前駆体溶液を製造した。多孔性ポリカーボネート膜細孔を前駆体溶液で充填した後、白金(Pt)プレートを相対電極として使用しながら、電気化学的反応を誘発するためにパルス電流を印加した。
FeとAuは著しく異なる還元電位を有するため、明らかに異なる電流密度を有する印加パルス電流に反応してFe及びAuが、所定の順番で個別的に減少した。パルスの持続時間を調整することにより、FeやAuセグメント(segment)の長さを制御した。
調整可能なナノ周期を有する、6つの周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード、並びに、FeセグメントとAuセグメントの大きさを調整していない配列(sequence)は、パルス電流密度と持続時間を最適化することにより、正確に製造した。周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード4つを、同じナノ 配列を有する調整可能なFe及びAuのナノ周期を示すように製造した。
10個の繰り返し配列を有する長さ30nmのFeセグメント及びAuのセグメントで形成されたナノバーコード[30(01)10](製造例1)は、まず、それぞれ0.7秒の間4mA/cm、並びに9秒の間0.25mA/cmを交互に適用して製造した。ナノバーコードの構造には、下記のように命名している。AuセグメントとFeセグメントを、それぞれ1と0とする。[30(01)10]ナノバーコードでは、30は各セグメントの長さ(nm)、10は各セグメントの繰り返しシーケンスである。4つの繰り返し配列を有する長さ75nmのFeセグメント及びAuのセグメントで形成されたナノバーコード[75(01)](製造例2)は、それぞれ1.7秒の間4mA/cm、並びに22秒の間0.25mA/cmを交互に適用して製造した。2つの繰り返し配列を有する長さ150nmのFeセグメント及びAuのセグメントに形成されたナノバーコード[150(01)](製造例3)は、それぞれ3.6秒の間4mA/cm、並びに45秒の間0.25mA/cmをそれぞれ交互に適用して製造した。長さ300nmのFeセグメント及びAuセグメント[300(01)](製造例4)は、それぞれ7.2秒の間4mA/cm、並びに90秒の間0.25mA/cmを交互に適用して製造した。
ナノ周期や配列の順序を調整するために、2つの周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコードを製造した。2つの繰り返し配列を有する長さ75nmのFeセグメント、長さ150nmのAuセグメント、長さ75nmのFeセグメントで形成されたナノバーコード[75(0110)](製造例5)は、それぞれ1.7秒の間4mA/cm、44秒の間0.25mA/cm、1.7秒の間4mA/cmを、順次交互に適用して製造した。長さ150nmのFeセグメント、長さ300nmのAuセグメント、長さ150nmの長さのFeセグメントで形成されたナノバーコード[150(0110)](製造例6)は、それぞれ3.6秒の間4mA/cm、90秒間0.25mA/cm、3.6秒の間4mA/cmを順次適用して製造した。調整可能なナノ周期を有する、6つの周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード及び配列は、多孔性ポリカーボネート膜(PCM)からAg層を物理的に分離してジクロロメタンとクロロホルムでそれぞれ1.5時間と0.5時間、多孔性ポリカーボネート膜を化学的に除去することにより、得た。続いて、ナノバーコードをアセトンとエタノールで3回洗浄し、基板結合(conjugation)のために機能化する前に、保存を目的としてこれを脱イオン水(DI)1mLに分散させた。
比較製造例1
負に帯電されたチオール化RGDペプチド(CDDRGD、GL Biochem)を添加していないことを除いて、製造例1と同様の方法でナノバーコードを製造した。
[実施例]
製造例1~6
ナノバーコード提示基板の製造
製造例1~6で製造した周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つを化学的に機能化して、リガンド配列の様々なナノ- 周期を現すように、基板にグラフトした。アミン基は天然酸化物層にカップリングすることができるので、アミノカプロン酸(aminocaproic acid)のアミン基は、表面機能化の後、カルボキシレート基を現すために、ナノバーコードで鉄(Fe)セグメントの天然酸化物層にカップリングするために用いられた。ナノバーコード1mL及び6mMアミノカプロン酸溶液1mLの混合溶液を12時間室温で撹拌した後、遠心分離を施して脱イオン水で洗浄した。22mm×22mmの平面で細胞培養クラスのガラス基板をアミン化させ、6つの異なるナノバーコードの表面にてカルボキシレート基が基板上のアミン基と結合されるようにする。基板を、まず30分間、塩酸とメタノールを1:1で混合した混合物で洗浄し、脱イオン水で濯いだ。基板に水酸化基を硫酸で1時間活性化させ、脱イオン水で洗浄した。基板を暗室で3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)とエタノール(1:1)で1時間アミノ化し、エタノールで洗浄した後、100℃で1時間乾燥させた。脱イオン水1mLでアミノカプロン酸が結合された周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つを20mM N-エチル-N’-(3-(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)(EDC)0.5mLと20mM N-ヒドロキシコハク酸イミド(N-hydroxysuccinimide、NHS)0.5mLでEDC/NHS反応により3時間活性化させ、その後、脱イオン水で洗浄した。
周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つをアミノ化された基板に結合させ、基板に結合されたナノバーコードとリガンドの密度を調整せずとも、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つで、ナノバーコードの濃度(1~2mL)と反応時間(2~3時間)とを正確に最適化することにより、調整可能なリガンドのナノ周期と配列を提示する。チオール化RGDペプチドリガンド(thiolated RGD peptide ligand)は、ナノバーコード結合基板からAuセグメントにグラフトされた。0.25%N、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)と10Mmトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリド(TCEP)を有するジメチルスルホキシド(DMSO)中で、0.2 mMチオール化RGDペプチドリガンド(GCGYCFCDSPG、 GLBiochem)を使用し、ナノバーコード結合された基板を2時間培養し、その後、脱イオン水で洗浄した。周りを暗くし、2時間、脱イオン水中で、0.2%N、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を有する100Μmメトキシ-ポリ(エチレングリコール)-スクシンイミジルカルボキシメチルエステル(methoxy-poly(ethylene glycol) - succinimidyl carboxymethyl ester)で基板のナノバーコードがコーティングされていない領域を遮断した後、脱イオン水で洗浄し、非RGDリガンド特異的幹細胞の付着性を最小限に抑える。
比較例1
上記の比較製造例1で製造したナノバーコードを使用したことを除いては、同様の方法で、ナノバーコード提示された基板を製造した。
[実験例]
実験例1
本発明によるナノバーコードの形と化学的特性を確認するために、製造されたナノバーコードに対して高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)、エネルギー分散型分光分析(Energy dispersive X-ray spectroscopy、EDS)、X線回折分析(X-ray diffraction、XRD)、振動試料型磁力測定(Vibrating-samplemAgnetometry、VSM)、フーリエ変換赤外分光分析(Fourier-transform infrared spectroscopy、FT-IR)を行い、結果を図2及び図6に図示した。
具体的には、調整可能なナノ周期と配列を有する周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つのサイズと形状を特徴付けるために、高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)の撮像を既に実証された手順に従って行った。HAADF-STEM撮像は0.5~1.0μmの球面収差(spherical aberration、C3)で、プローブCsを補正したJEM ARM200CF(JEOL Ltd.)を用いて200kVで行われ、27~28mradの像を得た。HAADFの収集半角は90~370mradであるのに対し、撮影のための収束半角は21mradである。8C及び9C(JEOLで定義)の電子プローブサイズで、それぞれ1.28Åと1.2Åで測定し、2048×2048ピクセルの領域に対してピクセル滞留時間を10~15μsとし、で顕微鏡写真を得た。8~13Μaの放出電流を用いると、10~20Paのプローブ電流範囲が算出される。絞りを40μmにすると、α=27.5mradのビーム収束半角が生成される。画像ごとに導入された電子線量は倍率に応じて約1000~2000e/Å2の範囲である。取得した画像から、暗い色合いと明るい色合いは、それぞれFeセグメントとAuセグメントを示す。HAADF-STEM画像を用いて、ナノバーコードで鋭い界面を持つFeセグメント及びAuセグメントのそれぞれ、或いは全てのナノスケール寸法(長さ、直径、表面積)を計算した。当該計算により、調整可能なナノ周期と配列を有する周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つにおいて、Feセグメント及びAuセグメントが類似の寸法を有することを確認した。周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つにおいて、鋭いインタフェースを持つFeセグメント及びAuセグメントは、2つのSOD検出器(Thermo Fisher Scientific)を使用するEDSマッピングで具体的に識別された。Fe及びAu元素マッピングは、パルス、電流セグメント、製造時間を厳しく調整することで得られた調整可能なナノ周期と、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つからでFeセグメント及びAuセグメントを識別するために、個別的に使用された。
更に、X線回折分析(D/MAX-2500V/PC、Rigaku)測定を行って、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つで繰り返されるFeセグメント及びAuセグメントの共存を確認した。Fe相(PDF#870722)とAu相(PDF#040784)の粉末回折ファイル(Powder diffraction file、PDF)データを用いて、ピークは周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つに存在するFe相とAu相の結晶面でインデックスが作成された。
振動試料型磁力測定(Vibrating samplemAgnetometry、VSM)は、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つでFeセグメントの磁気特性を適用した磁場(H)の下、室温でVSM測定(EV9、Microsense)により分析を行った。該当する磁気モーメント(M)は、それぞれのナノバーコードで磁気モーメントの最大値に正規化した後、ヒステリシス曲線で表示される。
図2は、本発明による、ナノバーコードの高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)の画像、エネルギー分散型分光法(EDS)マッピング、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)の画像を示したものである。図2によると、HAADF-STEM画像で交互するFeセグメントとAuセグメントは、それぞれ暗い領域と明るい領とに識別され、FeとAu要素ごとのEDSマッピング画像で、合金形成のない鋭いインタフェースを有することを確認した。
図2の(b)によると、ナノバーコードのそれぞれ、或いは全体のFeセグメント及びAuセグメントのナノサイズ(長さ、直径、表面積)を正確に定量化している。具体的には、ナノバーコードでそれぞれのFe/Auセグメントの長さは、[30(01)10]群で30.8±0.3nm/28.1±1.8nm、[75(01)]群で72.3±1.4nm/74.6±4.3nm、[150(01)]群で132.7±19.2nm/142.5±6.1nm、[300(01)]群で310.7±13.0nm/294.7±9.5nm、[75(0110)]群で69.3±3.0nm/149.7±13.7nm、[150(0110)]群で154.2±1.3nm/302.1±3.6nmである。これにより、ナノ周期及び配列が合成されている間、パルス電流ともと持続時間を正確に調整することで、6つの異なるナノバーコードから体系的に調整されたことが分かる。
図3は本発明で製造されたナノバーコードの模式図(a)、HAADF-STEMの結果から計算された各FeとAu(Fe/Au)ナノバーコードの長さの合計(b)、直径(c)、表面積(d)を示したグラフである。図3によると、それぞれのナノバーコードでFeセグメントとAuセグメントの長さの合計は、6つの異なるナノバーコードで、それぞれ270.7~306.2nm、279.9~289.1nmの範囲であり、有意な差はなかった。それぞれのFe/Auナノバーコードの直径は6つの異なるナノバーコードで63.2~66.9nmの範囲であって、大きな差はなかった。それぞれのナノバーコードにおいてFeセグメント及びAuセグメントの総表面積は、6つの異なるナノバーコードでそれぞれ57500~61420nm、56270~60330nmの範囲であり、有意な差はなかった。これによって、周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つが、Feセグメント及びAuセグメントの総寸法を調整せずとも、調整可能なリガンドナノ周期及び配列を表すように正確に製造されたことが分かる。このとき、Auセグメント及びFeセグメントは、それぞれ括弧内の1と0の数字で表し、Auセグメント及びFeセグメントの長さ(nm)は、それぞれ、30、75、150、300である。
図4は、本発明によるナノバーコードのX線回折分析グラフである。図4によると、ナノバーコードにおいてFeセグメント及びAuセグメントの結晶相をX線回折によって分析し、Fe相とAu相に該当する回折ピークが6つの異なるナノバーコードで同様に共存することが分かる。これにより、周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つが同様の特性を示していることがわかる。
図5は、本発明によるナノバーコードの振動試料に対する、磁力計の測定結果のグラフである。具体的には、Feセグメントの存在によるナノバーコードの磁気特性を分析し、これは6つの異なるナノバーコードとも明らかなヒステリシスを有せず、類似の自己挙動を示すことを確認した。これらの磁気特性のために、外部磁場を以って、本発明のナノバーコードは可逆的な遠隔制御に用いることができる。
実験例2
本発明によるナノバーコードを含む基板の特性を確認するために、ナノバーコードを含む基板を、電界放出形走査電子顕微鏡で撮影し、フーリエ変換赤外分光分析(Fourier-transform infrared spectroscopy、FT-IR)を行った。その結果を図2b及び図7に示した。
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)は、ナノバーコードの化学的結合特性を確認するため、GX1(Perkin Elmer Spectrum、USA)を用いて行われた。化学的結合特性の変化の分析を経たサンプルを分析する前に、凍結乾燥させ、KBrペレットで密度高くパッキングした。
図6は、本発明によるナノバーコードを含む基板を製造するステップを図式化した画像である。図6によると、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つは、基板にグラフトされる前に、化学的に機能化された。アミノカプロン酸のアミン基は、表面にカルボキシレート基を表示するために、ナノバーコードのFeセグメントの天然酸化物層にカップリングされた。アミノカプロン酸がコーティングされたナノバーコードでカルボキシレート基を活性化させ、アミノ化された基板に移植し、ナノバーコード濃度と反応時間を正確に最適化して、基板に結合されたナノバーコードとリガンドの密度を調整せずとも、リガンド配列の様々なナノ周期を確認した。続いて、チオール化RGDリガンドをナノバーコード結合された基板でAuセグメントにグラフトされた。Feセグメント及びAuセグメントの全体の寸法のみならず、基板-結合リガンド提示ナノバーコードの密度を同様に維持し、基板のリガンド密度の効果は分離させる。
図2bによると、基板に結合されたリガンド提示ナノバーコードを、電界放出形走査電子顕微鏡を使用して確認し、これは断層で均一な分布を示した。これの密度は1μm当たり0.026~0.029範囲であり、全ての基板結合リガンド提示ナノバーコードに大きな差がなく同様に維持されることが分かる。下記の実験により、該密度では、細胞の付着や幹細胞の分化を効率的に調整できることを確認した。
図7は、本発明によるナノバーコードに対してフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)により分析を行った結果である図7によると、アミノカプロン酸がコーティングされたナノバーコードの化学的結合特性を把握することができる。具体的には、1560~1565cm-1と1387~1389 cm-1でCOO結合を確認し、3432~3448cm-1でNH結合を確認した。これにより、アミノカプロン酸が6つの異なるナノバーコードに正常に結合されたことが分かる。
実験例3
本発明によるナノバーコードのナノ周期とリガンド配列が、幹細胞の付着に及ぼす影響を確認するために、次のような実験を行い、その結果を図8~図11に図示した。
幹細胞の焦点付着、機械感受性(mechanosensing)、分化に対して、リガンドのナノ周期と配列の順序を制御することの効果をナノバーコード提示基板を用いて評価した。基板を使用する前に、基板を紫外線で1時間滅菌した。人間の中間葉幹細胞(hMSC、Lonzaからの継代5)を約9,500細胞/cmの密度で滅菌された基板にプレーティングし、5%CO・37℃で培養した。本発明による[30(01)10]、[75(01)]、[150(01)]、[300(01)]リガンド配列のナノバーコードで、ナノ周期のみを調整しながら、幹細胞の焦点付着性及び機械感受性を評価した。また、[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]リガンド配列のナノバーコードで、ナノ周期とリガンド配列を両方とも調整した状態における、幹細胞の焦点付着性及び機械感受性を評価した。加えて、スクランブルリガンド(scrambled ligand、RAD)で調整可能なナノ周期を有する基板を使用し、幹細胞の焦点付着の調整に対してRGDリガンド配列でのナノ周期が及ぼす影響について評価した。
幹細胞の機械的形質転換-介入分化は、ROCK(50μMY27632)、ミオシンII(10μMブレイクビスタティーン)、又はアクチン重合(2μg/ mLサイトカラシンD)阻害剤を有する、[75(01)]群、[75(0110)]群、[300(01)]群を使用し、ナノ周期の調整について評価した。付着幹細胞の分化は、骨形成誘導培地の培養後、高ナノ周期及びリガンド配列を両方とも調節する条件で評価した。
図8は、本発明によるナノバーコードを用いて培養された幹細胞(48時間後)のF-アクチン、核、ビンキュリン、YAPの共焦点免疫蛍光画像であって、スケールバーは20μmを示す。(a)は、ナノ周期を調整した場合であり、(b)はナノ周期とリガンド配列の順序を調整した場合の結果である。
図9は、図8aの共焦点免疫蛍光画像データから、幹細胞培養の48時間後の付着細胞密度、細胞面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP比率を定量的に計算したグラフである。
図8a及び図9によると、共焦点免疫蛍光画像から、リガンド配列でナノ周期性が増加するほど(30から300)、より強い付着性と幹細胞の増殖を促進したことが分かる。これは、細胞密度、拡散面積、焦点付着数、ビンキュリン発現によって確認された。これにより、本発明によるナノバーコードの高リガンドナノ周期を有する群は、焦点の付着を促進させ、幹細胞からYAP機械的形質変換の核電位を刺激したことが分かる。
図10は、図8aの共焦点免疫蛍光画像データから、幹細胞培養の48時間後の付着細胞密度、細胞面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP比率を定量的に計算したグラフである。
図11の(a)は、本発明の比較例によるスクランブルRADナノバーコードを用いて培養された幹細胞(48時間後)のF-アクチン、核、ビンキュリン、YAPに対してナノ周期を調整した場合の共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは50μmを示す。(b)は、上記の共焦点免疫蛍光画像データから、幹細胞培養の48時間後の付着細胞密度、細胞面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP比率を定量的に計算したグラフである。図11によると、スクランブルRADリガンド配列でナノ周期を調整することは、幹細胞の付着に影響を及ぼさない。
図8b及び図11に図示されているように、ナノ周期とリガンド配列の順序を両方とも調整した異なるナノバーコード群4つを準備した:[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]。高ナノ周期を有するナノバーコードは、幹細胞の焦点付着と機械感受性を促進させた:[150(0110)]対[75(0110)]、[150(01)]対[75(01)]。これにより、高リガンドナノ周期を有するナノバーコードは、リガンド密度を調整せずとも、より近いリガンド提示で向上された細胞付着性を示すことを確認した。具体的には、同じナノ周期を有するナノバーコードでリガンド配列のみを変化させ、リガンドがナノバーコードの末端配列でのみ利用可能な[150(01)]は、リガンドが、ナノバーコードの内部配列でのみ利用可能な[75(0110)]と比べ、幹細胞の焦点付着と機械感受性を刺激する。これにより、異なるリガンド配列の順序を有するナノバーコードにおいて、リガンド間隔の調整により細胞の付着性を調整できることが分かる。
従って、ナノバーコードの配列リガンドの位置とリガンドの間隔を調整して、幹細胞の付着性を調整することができる。
実験例4
本発明によるナノバーコードを用いて、リガンド配列のナノ周期の調整が幹細胞の焦点付着及び機械感受性を制御するか否かに関する実験を下記のように行い、その結果を図12~図18に図示した。
幹細胞の焦点付着及び機械感受性は、これらの骨形成分化を調整することであり、リガンド配列でナノ周期を有する群を対象として評価した:[75(01)]、[75(0110)]、[300(01)]。
図12は、ナノバーコードを用いた、リガンド配列におけるナノ周期の調整により体外・体内の幹細胞の機械的形質導入に関する実験の結果である。図12(a)は、ROCK阻害(Y27632)とALP染色を有するRUNX2、F-アクチン、核、YAPの共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは50μmである。(b)は、体内でリガンドナノ周期を有するナノバーコードを含んでいる基板が皮下に移植された後、hMSCが注入されたことを図式化した画像でああって、上記のhMSCが注入された場合のビンキュリン、F-アクチン、核、YAPの共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは20μmである。
図13は、図12aの共焦点免疫蛍光画像をもとに、ナノ周期を有するナノバーコードを含む基板に幹細胞を7日間培養した後、核/細胞質のRUNX2蛍光比及びアルカリホスファターゼ陽性細胞を定量的に分析したグラフである。
図14は、図12aの共焦点免疫蛍光画像をもとに、ナノ周期を有するナノバーコードを含む基板に幹細胞を7日間培養した後、核/細胞質のRUNX2及びALP遺伝子発現プロファイルを定量的に分析したグラフである。
図2a、図13及び図14によると、リガンド配列の高ナノ周期は、試験管内及び体内の幹細胞の機械的形質導入を容易にし、それらの分化を調整することがわかる。
図15は、本発明によるナノバーコードを用いた、リガンド配列においてナノ周期とリガンド配列の順序の調整により試験管内の幹細胞の機械的形質導入に関する実験の結果である。(a)は、ROCK阻害(Y27632)及びRUNX2、F-アクチン、核、YAPの共焦点免疫蛍光画像、ALP染色画像であり、スケールバーは50μmである。(b)は、基板に幹細胞を7日間培養した後、核/細胞質のRUNX2蛍光比、及びアルカリホスファターゼ陽性細胞を定量的に分析したグラフである。図15によると、幹細胞の分化は、リガンド配列で高ナノ周期によって促進されることがわかる:[30(01)10]、[150(0110)]、[150(01)]。
図16は、本発明によるナノバーコードを用いた、幹細胞培養の48時間後のインテグリンβ1、FAK、p-FAK、RhoA、F-アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像である。図16によると、高ナノ周期を有するナノバーコードを含んでいる場合には、インテグリンβ1を活性化させ、これは焦点付着キナーゼ(FAK)と、RhoA及びTAZの機械的形質導入を活性化させるリン酸化(p-FAK)とを介し、細胞内の機械感受性信号を連続的に刺激した。
図17の(a)は、本発明によるナノバーコードを用いてアクチン重合阻害剤(サイトカラシンD)を有する幹細胞を48時間培養した後の、TAZ、ビンキュリン、F-アクチン核の共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは50μmである。(b)は、上記の共焦点免疫蛍光画像から計算された核/細胞質のTAZ蛍光比を計算したグラフである。
図18の(a)は、本発明によるナノバーコードを用いて、アクチン重合阻害剤(サイトカラシンD)とミオシンII阻害剤(ブレビスタチン)を有する幹細胞を培養して48時間後の、YAP、F-アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは50μmである。(b)は、上記の共焦点免疫蛍光画像から計算されたY27632、サイトカラシンD、ブレビスタチンの阻害剤による核/細胞質のYAP蛍光比を計算したグラフである。
図17及び図18によると、最も高いナノ周期を有する[300(01)]ナノバーコードは、サイトカラシンDによるアクチン重合、rho-関連タンパク質キナーゼ(ROCK)、ミオシンIIの抑制時のビンキュリン発現とYAPの核電位が著しく減少した。これにより、ナノバーコードのナノ周期性が高い場合、幹細胞の機械的形質導入を介する分化を誘導して、焦点付着アセンブリを容易にすることができる。
実験例5
本発明によるナノバーコードを用いて、体内宿主幹細胞の付着及び機械的形質導入を調整することを確認するために、下記のような実験を行い、その結果を図19~図20に図示した。
図12bのようにhMSCが注入されたヌードマウスの皮下にナノバーコードを含む基板を移植して実験を行った。
図19は、本発明によるナノバーコードを用いた体内宿主幹細胞の付着の調整に関する実験の結果である。(a)は、皮下移植された基板にhMSCが注入されてから6時間後に別のナノ周期を持つナノバーコードを含む場合の人間特異的核抗原(HuNu)、F-アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは20μmである。(b)は、上記の共焦点免疫蛍光画像から付着性細胞の密度を計算したグラフである。図19によると、人間特異的核抗原(HuNu)に対する免疫蛍光は、[75(01)]、[75(0110)]、[300(01)]のナノバーコードが含まれている場合、HuNuとdapiに染色された核の共同局所化によりHmscが体内で基板に付着されることを確認した。hMSCは、リガンド配列で、ナノ周期が増加するほど、より高い付着性細胞密度で付着された。また、移植後の延長された時間にわたってリガンド配列でナノ周期が増加するにつれて、宿主の免疫細胞を募集して、より高い付着性細胞密度で基板に付着させた。
図20は、本発明によるナノバーコードを用いて、体内宿主幹細胞の焦点付着を介する機械的形質導入の実験の結果であり、図12cに図示された共焦点免疫蛍光画像から皮下移植された基板上にHmscが注射されて6時間後の細胞の拡散面積、焦点付着数、アスペクト比(主軸/副軸比)、核/細胞質のYAP蛍光比を計算したグラフである。
図12c及び図20によると、免疫蛍光画像は、体内でリガンド配列において高ナノ周期を有する場合、幹細胞の焦点付着、拡散、機械的形質導入を容易にすることができる。これは、相当高い付着性細胞の拡散面積、焦点付着数、FA複合体におけるビンキュリン発現、YAP機械的形質導入の核電位により確認できる。これにより、リガンド配列で、ナノ周期の調整により、体外・体内の条件での幹細胞の焦点付着と機械感受性を効果的に制御できることが分かる。

Claims (15)

  1. 鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードと、
    前記ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含む、幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードであって、前記幹細胞は、前記第2のセグメントに結合する、幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード
  2. 前記ナノバーコードは、下記の式(1)又は式(2)を満足するバー状であることを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード。
    [L(M)q] (1)
    [L(M)q] (2)
    ここにおいて、
    は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
    qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数であり、
    Lは第1及び第2のセグメントの長さ(nm)である。
  3. 前記の式(1)及び(2)は、[30(M10]、[75(M]、[75(M]、[150(M]、[150(M]、[300(M]のうちいずれかであることを特徴とする、請求項に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード。
  4. 前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、それぞれバー状であり、前記第1のセグメントの長さと前記第2のセグメントの長さは同じである、請求項1に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード。
  5. 前記第1のセグメントは、カルボン酸塩により官能化された構造であることを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード。
  6. 前記ナノバーコードは、直径50nm~100nm、長さ200~1000nm、断面が円形のバー状である、請求項1に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード。
  7. 前記インテグリンリガンドペプチドは、チオール化インテグリンリガンドペプチドを含み、
    前記インテグリンリガンドペプチドのチオール基と第2のセグメントとが化学的に結合された構造である、請求項1に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコード。
  8. 鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードを用意するステップと、
    ナノバーコードと、第1の懸濁液とを混合して、第1のセグメントにカルボン酸塩置換基を置換するステップと、
    前記ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液と混合するステップと、を含む、請求項1~7のうちいずれか1項に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードの製造方法。
  9. 前記第1懸濁液はカルボン酸塩の置換基を含むアミノ酸誘導体を含み、
    前記インテグリンリガンドペプチドは、チオール化インテグリンリガンドペプチドを含む、請求項8に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードの製造方法。
  10. 請求項1~7のうちいずれか1項に記載の幹細胞の付着・分化調整用のナノバーコードを含む溶液に、表面が活性化された基板を担持して、ナノバーコード提示基板を製造するステップと、
    前記ナノバーコード提示基板に幹細胞を処理した後、幹細胞の付着・分化を調整するステップと、を含む、幹細胞の付着・分化を調整する方法。
  11. 前記ナノバーコード提示基板を製造するステップは、
    基板の表面を酸性溶液に浸漬させるステップと、
    浸漬済みの基板をアミノシラン溶液に担持して前記基板の表面を活性化させるステップと、を含む、請求項10に記載の幹細胞の付着・分化を調整する方法。
  12. 前記ナノバーコード提示基板をポリエチレングリコール誘導体を含む溶液に担持し、ナノバーコードが結合されていない基板の表面を不活性化することを特徴とする、請求項10に記載の幹細胞の付着・分化を調整する方法。
  13. 前記幹細胞の付着・分化を調整するステップは、ナノバーコード提示基板のナノバーコードを構成する前記セグメントの周期と配列順序のいずれか一つ以上を変化させることによって、前記第2のセグメントに結合されたリガンドペプチドの周期と配列順序のいずれか一つ以上を変化させることを含む、請求項10に記載の幹細胞の付着・分化を調整する方法。
  14. 前記幹細胞の付着・分化を調整するステップで、下記の式(1)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、幹細胞の付着・機械感受性分化が低下することを示す、請求項10に記載の幹細胞の付着・分化を調整する方法。
    [L(M)q] (1)
    ここにおいて、
    は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
    qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは2~10の整数であり、
    Lは第1及び第2のセグメントの長さ(nm)である。
  15. 前記幹細胞の付着・分化を調整するステップで、下記の式(2)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、幹細胞の付着・機械感受性分化が促進されることを示す、請求項10に記載の幹細胞の付着・分化を調整する方法。
    [L(M)q] (2)
    ここにおいて、
    は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
    qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは1~5の整数であり、
    Lは第1及び第2のセグメントの長さ(nm)である。
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