JP2021182906A - マクロファージの細胞付着・分化調整用のナノリガンド、その製造方法、それを用いたマクロファージの付着・分化を調整する方法 - Google Patents

マクロファージの細胞付着・分化調整用のナノリガンド、その製造方法、それを用いたマクロファージの付着・分化を調整する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マクロファージの付着・分極化の調整に用いられるナノバーコード、そのナノバーコードを用いたマクロファージの付着・分極化を調整する方法を提供する。【解決手段】鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードと、前記ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含む、マクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードを提供する。マクロファージの付着・分極化を調整する方法は、前記ナノバーコードのリガンドペプチド(RGD)の周期性と配列の順序を制御することにより、体内外のマクロファージの付着・表現型分極化を効率的に調整する方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、マクロファージの付着・分極化の調整に用いられるナノバーコード、そのナノバーコードを用いたマクロファージの付着・分極化を調整する方法に関するものであり、具体的には、上記のナノバーコード提示基板を用いて、マクロファージの付着・分極化を調整する方法に関するものである。
マクロファージは、先天免疫を担当する主要な細胞である。ほとんどは体中に定着性細胞として存在するが、一部、血液で単球として存在するものもある。当該単球は、樹状細胞やマクロファージに分化することができる。ほとんどのマクロファージは定着性であり、主に肺胞マクロファージ、ミクログリア、クッパー細胞、ランゲルハンス細胞などが挙げられる。これらの細胞は体中に分布しながら、抗原が侵入すると捕食するか、或いは毒素を分泌して抗原を破壊し、リンパ球に抗原を伝達して免疫反応を引き起こす。血中の単球は敵が傷に侵入すると、好中球のように血管外に出て、マクロファージに分化して細菌を除去する。また、マクロファージは体内複数の場所を移動して食作用をする遊走性(Free form)と指定された臓器に固定されて食作用をする定着性(Fixed form)に分けられる。定着性マクロファージとしては、肝臓のクーパー細胞(Kupffer cell)、肺胞のマクロファージ、結合組織の構造(Histiocyte)、脳の小膠細胞(Microglia)などが挙げられる。
このように、マクロファージの再生と抗炎症効果を効率的に制御するための方法として、リガンドの提示による体内技術が開示されている。しかしながら、従来のマイクロスケールのインテグリンリガンドペプチド(RGD)の脱着(uncaging)は、宿主マクロファージの付着は調整するが、機能的表現型の分極化の調整は行わないという問題を抱えている。
韓国公開特許第2018−0039724号公報
本発明の目的は、リガンドでコーティングされたナノバーコードと、並びに、ナノバーコードにコーティングされたリガンドの周期性と配列の順序を制御して、マクロファージの付着・分極化を調整する方法を提供することである。
本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードと、
ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含む、マクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードを提供する。
また、本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードを用意するステップと、
ナノバーコードと、第1の懸濁液とを混合して、第1のセグメントにカルボン酸塩置換基を置換するステップと、
ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液と混合するステップと、を含む、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードの製造方法を提供する。
更に本発明は、上述のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードを含む溶液に表面が活性化された基板を担持してナノバーコード提示基板を製造するステップと、
前記ナノバーコード提示基板を培養液で処理した後、マクロファージの付着・分極化を調整するステップと、を含む、マクロファージの付着・分極化を調整する方法を提供する。
本発明によるマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードは、ナノバーコードにコーティングされたリガンドペプチドの周期性と配列の順序を制御し、マクロファージの付着と表現型の分極化を容易に調整することができる。
また、本発明によるマクロファージの付着・分極化を調整する方法は、上記のナノバーコードを含む基板に磁場を印加することで可逆的な制御も可能であり、体内・体外でのマクロファージの付着・表現型の分極化を効率的に調整することができる。
本発明の一実施例によるマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード基板、並びに、これを用いたマクロファージの付着・分極化を調整する方法を示した模式図 本発明の一実施例による、ナノバーコードの高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)の画像、エネルギー分散型分光法(EDS)マッピング、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)の画像を示したもの 本発明の一実施例による、ナノバーコードの模式図(a)、HAADF−STEMの結果から計算された各FeとAu(Fe/Au)ナノバーコードの長さの合計(b)、直径(c)、表面積(d)を示したグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードのX線回折分析グラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードの振動試料に対する、磁力計の測定結果のグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードを含む基板を製造するステップを図式化した画像 本発明の一実施例によるナノバーコードに対してフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により分析を行った結果 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いて培養されたマクロファージ(24時間後)のF−アクチン、核、ビンキュリンの共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは20μm) 本発明の比較例によるナノバーコード(RGDリガンド結合が存在しない場合)で、ナノ周期を調整してマクロファージの付着性実験を行った結果 本発明の一実施例によるナノバーコード(ナノ周期とリガンド配列を調整)を用いて培養されたマクロファージ(24時間後)のF−アクチン、核、ビンキュリンの共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは20μm) 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いて、リガンド配列においてナノ周期の調整によりマクロファージの付着・依存的表現型の分極化が調整されるか否かの実験の結果を示したもの 本発明によるナノバーコードを用いた、分極表現型とマッチングされた刺激培地がない場合つまり、M2刺激培地におけるM1の発現のリガンド配列におけるナノ周期を調整した実験の結果 本発明によるナノバーコードを用いた、分極表現型とマッチングされた刺激培地がない場合つまり、M1刺激培地におけるM2の発現のリガンド配列におけるナノ周期を調整した実験の結果 本発明の一実施例によるナノバーコードを含む基板をM1分極培地で36時間培養した後、iNOS、F−アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像(a)、並びに、ROCK(Y27632)、ミオシンii(ブレビスタチン)又はアクチン重合(サイトカラシンD)の阻害剤の存在の下、又は不在の下にてM2分極培地で培養した後、Arg−1、F−アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは20μm) 図14の共焦点免疫蛍光実験の結果に基づいて計算した細胞面積、細胞腎臓因子、iNOS蛍光強度を示したグラフ 図14の共焦点免疫蛍光実験の結果に基づいて計算した細胞面積、細胞腎臓因子、Arg−1蛍光強度を示したグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードを用いた体内の宿主マクロファージの付着・表現型分極化の調整の実験の結果 本発明の一実施例によるナノバーコードを含む基板を用いた体内実験の結果であって、(a)は、24時間後に基板に付着されたArg−1、F−アクチン、宿主マクロファージの核の共焦点免疫蛍光画像(スケールバーは20μm)、(b)は、M2表現型マーカー(Arg−1及びYm1)の密度、細胞面積、細胞伸長因子(主/副軸の比)(n=10)、遺伝子発現(n=3)における体内付着性宿主細胞の定量分析結果のグラフ 本発明の一実施例によるナノバーコードを含む基板を用いて、リガンド配列において調整可能なナノ周期を示す基板に対し宿主好中球の体内付着実験を行った結果
以下、本発明をより具体的に説明するために、本発明による好ましい実施例を、添付の図面を参照しながらより詳しく説明する。ただし本発明は、本願で説明している実施例に限られず、他の形態で具体化されてもよい。
本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードと、
ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含む、マクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードを提供する。
図1は、本発明の一実施例によるマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード基板、並びに、これを用いたマクロファージの付着・分極化を調整する方法を示した模式図である。
図1によると、本発明のナノバーコードは、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコード、ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含み、当該インテグリンリガンドペプチドは、インテグリンペプチドである。
具体的には、ナノバーコードは、下記の式(1)又は式(2)を満足するバー状である。
[L(M)q (1)]
[L(M)q (2)]
ここにおいて、
は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数であり、
Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
具体的には、Lは、10〜500、10〜100、30〜75、又は150〜500の整数であり、M及びMは互いに独立的な数字を表し、qは1〜10、2〜10、又は1〜2の整数である。
例えば、当該ナノバーコードにおいて、式(1)及び(2)は、[30(M10]、[75(M]、[75(M]、[150(M]、[150(M]、[300(M]のうちいずれかで表されてもよい。この時、Mは第1のセグメント、Mは第2セグメントである。具体的には、当該ナノバーコードは、[30(01)10]、[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]、[300(01)]のうちいずれかを満足するバー状であってもよい。
式(1)を満足するナノバーコードは、第1及び第2のセグメントの長さ(L)を調整することにより、第2のセグメントに結合されたリガンドペプチドの周期性を調節することができ、式(2)を満足するナノバーコードは、式(1)を満足するナノバーコードと比較して、第2のセグメントに結合されたリガンドペプチドの周期と配列の順序のうちいずれか一つ以上を調整することができる。
第1のセグメントは、カルボン酸塩が置換された構造であってもよい。カルボン酸塩置換基は、アミノ酸誘導体、具体的にはアミノカプロン酸であってもよい。上記のように、第1のセグメントがカルボン酸塩の置換された構造を有すると、基板との結合力が向上され、優れた耐久性を示すことができる。
第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドは、チオール化インテグリンリガンドペプチドを含み、当該インテグリンリガンドペプチドのチオール基と第2のセグメントとが化学的に結合された構造であってもよい。 上記のように、第2のセグメントにインテグリンリガンドペプチドを結合させ、該リガンドペプチドの周期性や配列の順序を制御することにより、マクロファージの付着性、及び分極化を効率的に制御することができる。
図2(a)は、本発明によるマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードの、高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡と電界放出形走査電子顕微鏡から得た画像であり、ナノバーコードの大きさを知ることができる。具体的には、当該ナノバーコードは、断面が円形のバー状であり、直径は50nm〜100nmであってもよい。より具体的には、当該ナノバーコードは、直径が60nm〜90nm、或いは50nm〜80nmであってもよい。また、当該ナノバーコードは、バー状で、長さは200nm〜1000nmであってもよい。当該ナノバーコードの
長さが200nm未満の場合には、インテグリンリガンド結合の効率が低下し、1000nmを超える場合には、基板上に結合されるとき、分散度が低下する。より具体的には、当該ナノバーコードは、
長さが500nm〜800nm、或いは600nm〜900nmであってもよい。上記のようなナノバーコードを含むことにより、ナノバーコードの構造に応じて、マクロファージの付着・分極化を調整することができる。
また、本発明は、鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードを用意するステップと、
ナノバーコードと、第1の懸濁液とを混合して、第1のセグメントにカルボン酸塩置換基を置換するステップと、
ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液と混合するステップと、を含む、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードの製造方法を提供する。
ナノバーコードを用意するステップは、陽極酸化ナノテンプレートを用いて、第1の電流で鉄を、第1の電流より低い第2の電流で金を、ナノテンプレートの細孔(Pore)に交互に充填させて鉄−金の多層ナノワイヤを形成する電気めっき工程と、陽極酸化ナノテンプレートをエッチングする工程とを含むことができる。
ナノテンプレートとしては、陽極酸化アルミニウム(Anodic Aluminum Oxide、AAO)ナノテンプレート、無機材料(Inorganic)ナノテンプレート、或いは高分子ナノテンプレートを使用する。ここでは、陽極酸化アルミニウムナノテンプレートを用いる。陽極酸化アルミニウムナノテンプレートの細孔(Pore)の直径によってナノワイヤの寸法が定められ、ナノワイヤの形成時間と速度によってナノワイヤの長さが定められる。
陽極酸化アルミニウムナノテンプレートは、直径が200ナノメートルの細孔を複数有する。
電気めっきの前に電子ビーム蒸着法(Electron Beam Evaporation)により陽極酸化アルミニウムナノテンプレートの底面に厚さ250nmの銀(Ag)電極層を形成する。この電極層は、電気めっきの際に陰極として機能する。ここで、電極層として他の金属や導電性材料からなる層を使用してもよい。
高電圧や高電流ではFe層が合成され、低電圧や低電流ではAu層が合成されるように、交互に電圧や電流を印加するパルスめっき法により、陽極酸化アルミニウムナノテンプレートの細孔中にFe/Auバーコードナノワイヤを合成する。
1つのメッキ槽において、硫酸鉄(II)七水和物(FeSO・7HO、278.02g/mol)とシアン化金(I)カリウム(KAu(CN)、288.10 g/mol)とを一定の比となるようにモール(mole)の濃度を調整しながら、前駆体(precursor)として用いる電気めっき用電解液を調製する。電流の恒常性を維持するためにホウ酸(HBO)を緩衝液に加える。
ここで、一つのメッキ槽に二種類の前駆体を一緒に入れて二つの元素がそれぞれ一層をなすナノワイヤを合成する必要があるので、前駆体を選ぶ時、二種の前駆体が反応を起こして化合物を生成してはならない。
また、還元性の良い元素のイオン含有量と還元性の悪い元素の含有量との比率を調整し、多層構造からそれぞれの元素を分離できるようにする必要がある。使用した溶液において鉄イオンと金イオンのモル濃度の比は、40:1〜4:1の範囲(好ましくは16:1)がよく、貴重(Noble)な金属である金の濃度を相対的に低くすると、二種の元素がそれぞれ一層をなすナノワイヤを合成することができる。
電解液は、超純水(Deionized Water)を用いて製造し、水素イオン化濃度(pH Value)をホウ酸(HBO)を用いて一定値に維持し、電流の恒常性を維持できるようにする。
ナノテンプレートにパルス電気めっきを施し、Fe/Au多層構造バーコード型ナノワイヤを形成する。鉄イオンの電気めっきのために、10mA/cmの電流を印加し、金イオンの電気めっきのために1.0mA/cmの電流を印加した。
鉄と金の標準還元電位(Standard Reduction Potential)はそれぞれ異なるが、このような還元電位の差を以って、上述したように、比較的に高い電流では鉄メッキが、比較的に低い電流では金メッキを行うことができる。これにより、Fe/Au多層薄膜ナノワイヤの製造が可能となる。
次いで、個々の多層薄膜ナノワイヤを得るために、陽極酸化ナノテンプレートに、常温で1時間、1M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で処理を施すと、ナノテンプレートと電極層の両方が溶解し、バーコード型の鉄/金(Fe/Au)の多層薄膜ナノワイヤを分離することができる。
ナノワイヤの直径は、細孔の大きさが異なる陽極酸化アルミニウムナノテンプレートを用いることにより制御でき、ナノワイヤにおける鉄層や金層の厚さは、電気めっきの時間を変更することにより制御できる。
更に、第1のセグメントにカルボン酸塩(carboxylate)置換基を置換するステップは、当該ナノバーコードと第1の懸濁液とを混合して、8〜20時間、或いは10〜15時間反応させることで成し遂げることができる。第1懸濁液はカルボン酸塩の置換基を含むアミノ酸誘導体を含んでもよく、具体的に、当該アミノ酸誘導体は、アミノカプロン酸であってもよい。上記のような第1の懸濁液と反応させると、鉄セグメントの酸化物層にカルボキシレート置換基が置換され、基板と容易に結合することができる。
更に、第2の懸濁液と混合するステップは、ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液に1時間〜5時間、或いは1時間〜3時間撹拌することで成し遂げることができる。このとき、ナノバーコードの第2セグメントにチオール化RGDペプチドリガンドが結合することがある。当該溶媒は、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)のいずれか1つ以上を含んでもよい。上記のように、第2のセグメントにインテグリンリガンドペプチドが結合されると、ナノバーコードのリガンドの周期性や配列の順序を制御することができる。つまり、当該ナノバーコードを用いて、マクロファージの付着性や表現型を容易に調整することができる。
更に、本発明は、上述したマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードを含む溶液に、表面が活性化された基板を担持して、ナノバーコード提示基板を製造するステップと、ナノバーコード提示基板を培養液で処理した後、マクロファージの付着・分極化を調整するステップと、を含む、マクロファージの付着・分極化を調整する方法を提供する。
図1bは、本発明の一実施例によるマクロファージの付着・分極化を調整する方法を図式化した図である。図1bによると、ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドの周期と配列の順序を調整してマイクロファージの付着を促進し、炎症性M1表現型と再生性M2表現型を調整して活性化させている。
具体的には、ナノバーコード提示基板を製造するステップは、基板の表面を酸性溶液に浸漬させるステップと、浸漬済みの基板をアミノシラン溶液に担持して基板の表面を活性化させるステップと、を含んでもよい。
当該基板の表面を酸性溶液に浸漬させるステップでは、塩酸と硫酸のうちいずれか1つ以上を含む酸性溶液に30分〜2時間、或いは30分〜1時間浸漬させてもよい。これにより、当該基板の表面に水酸化基を結合させ、アミノシラン溶液のアミノ基との結合が容易になるよう、基板の表面活性化を効果的に行うことができる。
当該基板の表面を活性化させるステップは、アミノシラン溶液に基板を担持し、基板の表面を活性化させてもよい。アミノシラン溶液は、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)を含んでもよい。このとき、基板の表面を活性化させるということは、基板の表面を正に帯電させるということであり、具体的には、基板上にアミン基を結合させて活性化させることができる。上記のようにアミノシラン溶液に浸漬して、基板の表面を活性化させ、基板の表面を正に帯電させると、当該基板は、ナノバーコードの鉄セグメントと化学的に結合することができる。
例えば、該ナノバーコード提示基板はポリエチレングリコール誘導体を含む溶液に担持し、ナノバーコードが結合されていない基板の表面を不活性化させたものであってもよい。
マクロファージの付着・表現型を調整するステップは、ナノバーコード提示基板のナノバーコードに結合されたリガンドの周期と配列の順序のうちいずれか一つ以上を変化させて成し遂げることができる。
具体的には、マクロファージの付着・分極化を調整するステップで、下記の式(1)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、炎症性(M1)の表現型が優位に表れてもよい。
[L(M)q (1)]
ここにおいて、
M1は第1のセグメント、M2は第2セグメントであり、
qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは2〜10の整数であり、
Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
更に、マクロファージの付着や分極化を調整するステップで、下記の式(2)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、再生性及び抗炎症性(M2)の表現型が優位に現れてもよい。
[L(M)q (2)]
ここにおいて、
M1は第1のセグメント、M2は第2セグメントであり、
qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは1〜5の整数であり、
Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
より具体的には、式(1)において、Lは10〜100、或いは30〜75の整数であってもよい。また、式(2)でLは150〜500、或いは150〜300の整数であってもよく、qは1〜2の整数であってもよい。
例えば、当該ナノバーコードにおいて、式(1)及び(2)は、[30(M10]、[75(M]、[75(M]、[150(M]、[150(M]、[300(M]のうちいずれかで表されてもよい。この時、Mは第1のセグメント、Mは第2セグメントである。具体的には、当該ナノバーコードは、[30(01)10]、[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]、[300(01)]のうちいずれかを満足するバー状であってもよい。
上記のような構造式を有するナノバーコードの第2のセグメントにインテグリンリガンドペプチドを結合させ、ナノバーコード上にインテグリンリガンドペプチドの周期と配列と順序を制御することで、マクロファージの付着性や表現型を効果的に調整することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。しかしながら下記の実施例は本発明の好ましい一実施例に過ぎず、本発明の請求の範囲が下記の実施例に限られる訳ではない。
[製造例]
製造例1〜6
ナノバーコードの製造
Fe/Auナノバーコードは、基板上に、様々なリガンドナノ周期とリガンド配列を現すように製造した。パルス電着工程の鋳型として細孔径が70nmの多孔性ポリカーボネート膜(PCM)を使用した。電子ビーム蒸発器を用いて多孔質ポリカーボネート膜細孔内にAg(銀)を沈着させた。PCM細工をナノバーコードで充填するために、0.06M硫酸第一鉄水和物(FeSO7HO)、0.01Mシアン化金(I)カリウム(Potassium dicyanoaurate、KAu(CN))、0.6Mホウ酸(HBO)で前駆体溶液を製造した。多孔性ポリカーボネート膜細孔を前駆体溶液で充填した後、白金(Pt)プレートを相対電極として使用しながら、電気化学的反応を誘発するためにパルス電流を印加した。
FeとAuは著しく異なる還元電位を有するため、明らかに異なる電流密度を有する印加パルス電流に反応してFe及びAuが、所定の順番で個別的に減少した。パルスの持続時間を調整することにより、FeやAuセグメント(segment)の長さを制御した。
調整可能なナノ周期を有する、6つの周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード、並びに、FeセグメントとAuセグメントの大きさを調整していない配列(sequence)は、パルス電流密度と持続時間を最適化することにより、正確に製造した。周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード4つを、同じナノ 配列を有する調整可能なFe及びAuのナノ周期を示すように製造した。
10個の繰り返し配列を有する長さ30nmのFeセグメント及びAuのセグメントで形成されたナノバーコード[30(01)10](製造例1)は、まず、それぞれ0.7秒の間4mA/cm、並びに9秒の間0.25mA/cmを交互に適用して製造した。ナノバーコードの構造には、下記のように命名している。AuセグメントとFeセグメントを、それぞれ1と0とする。[30(01)10]ナノバーコードでは、30は各セグメントの長さ(nm)、10は各セグメントの繰り返しシーケンスである。4つの繰り返し配列を有する長さ75nmのFeセグメント及びAuのセグメントで形成されたナノバーコード[75(01)](製造例2)は、それぞれ1.7秒の間4mA/cm、並びに22秒の間0.25mA/cmを交互に適用して製造した。2つの繰り返し配列を有する長さ150nmのFeセグメント及びAuのセグメントに形成されたナノバーコード[150(01)](製造例3)は、それぞれ3.6秒の間4mA/cm、並びに45秒の間0.25mA/cmをそれぞれ交互に適用して製造した。長さ300nmのFeセグメント及びAuセグメント[300(01)](製造例4)は、それぞれ7.2秒の間4mA/cm、並びに90秒の間0.25mA/cmを交互に適用して製造した。
ナノ周期や配列の順序を調整するために、2つの周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコードを製造した。2つの繰り返し配列を有する長さ75nmのFeセグメント、長さ150nmのAuセグメント、長さ75nmのFeセグメントで形成されたナノバーコード[75(0110)](製造例5)は、それぞれ1.7秒の間4mA/cm、44秒の間0.25mA/cm、1.7秒の間4mA/cmを、順次交互に適用して製造した。長さ150nmのFeセグメント、長さ300nmのAuセグメント、長さ150nmの長さのFeセグメントで形成されたナノバーコード[150(0110)](製造例6)は、それぞれ3.6秒の間4mA/cm、90秒間0.25mA/cm、3.6秒の間4mA/cmを順次適用して製造した。調整可能なナノ周期を有する、6つの周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード及び配列は、多孔性ポリカーボネート膜(PCM)からAg層を物理的に分離してジクロロメタンとクロロホルムでそれぞれ1.5時間と0.5時間、多孔性ポリカーボネート膜を化学的に除去することにより、得た。続いて、ナノバーコードをアセトンとエタノールで3回洗浄し、基板結合(conjugation)のために機能化する前に、保存を目的としてこれを脱イオン水(DI)1mLに分散させた。
比較製造例1
負に帯電されたチオール化RGDペプチド(CDDRGD、GL Biochem)を添加していないことを除いて、製造例1と同様の方法でナノバーコードを製造した。
[実施例]
製造例1〜6
ナノバーコード提示基板の製造
製造例1〜6で製造した周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つを化学的に機能化して、リガンド配列の様々なナノ− 周期を現すように、基板にグラフトした。アミン基は天然酸化物層にカップリングすることができるので、アミノカプロン酸(aminocaproic acid)のアミン基は、表面機能化の後、カルボキシレート基を現すために、ナノバーコードで鉄(Fe)セグメントの天然酸化物層にカップリングするために用いられた。ナノバーコード1mL及び6mMアミノカプロン酸溶液1mLの混合溶液を12時間室温で撹拌した後、遠心分離を施して脱イオン水で洗浄した。22mm×22mmの平面で細胞培養クラスのガラス基板をアミン化させ、6つの異なるナノバーコードの表面にてカルボキシレート基が基板上のアミン基と結合されるようにする。基板を、まず30分間、塩酸とメタノールを1:1で混合した混合物で洗浄し、脱イオン水で濯いだ。基板に水酸化基を硫酸で1時間活性化させ、脱イオン水で洗浄した。基板を暗室で3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)とエタノール(1:1)で1時間アミノ化し、エタノールで洗浄した後、100℃で1時間乾燥させた。脱イオン水1mLでアミノカプロン酸が結合された周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つを20mM N−エチル−N’−(3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)(EDC)0.5mLと20mM N−ヒドロキシコハク酸イミド(N−hydroxysuccinimide、NHS)0.5mLでEDC/NHS反応により3時間活性化させ、その後、脱イオン水で洗浄した。
周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つをアミノ化された基板に結合させ、基板に結合されたナノバーコードとリガンドの密度を調整せずとも、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つで、ナノバーコードの濃度(1〜2mL)と反応時間(2〜3時間)とを正確に最適化することにより、調整可能なリガンドのナノ周期と配列を提示する。チオール化RGDペプチドリガンド(thiolated RGD peptide ligand)は、ナノバーコード結合基板からAuセグメントにグラフトされた。0.25%N、N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)と10mMトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリド(TCEP)を有するジメチルスルホキシド(DMSO)中で、0.2 mMチオール化RGDペプチドリガンド(GCGYCFCDSPG、 GLBiochem)を使用し、ナノバーコード結合された基板を2時間培養し、その後、脱イオン水で洗浄した。周りを暗くし、2時間、脱イオン水中で、0.2%N、N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を有する100mMメトキシ−ポリ(エチレングリコール)−スクシンイミジルカルボキシメチルエステル(methoxy−poly(ethylene glycol) − succinimidyl carboxymethyl ester)で基板のナノバーコードがコーティングされていない領域を遮断した後、脱イオン水で洗浄し、非RGDリガンド特異的マクロファージの付着性を最小限に抑える。
比較例1
上記の比較製造例1で製造したナノバーコードを使用したことを除いては、同様の方法で、ナノバーコード提示された基板を製造した。
[実験例]
実験例1
本発明によるナノバーコードの形と化学的特性を確認するために、製造されたナノバーコードに対して高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)、エネルギー分散型分光分析(Energy dispersive X−ray spectroscopy、EDS)、X線回折分析(X−ray diffraction、XRD)、振動試料型磁力測定(Vibrating−samplemAgnetometry、VSM)、フーリエ変換赤外分光分析(Fourier−transform infrared spectroscopy、FT−IR)を行い、結果を図2及び図6に図示した。
具体的には、調整可能なナノ周期と配列を有する周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つのサイズと形状を特徴付けるために、高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)の撮像を既に実証された手順に従って行った。HAADF−STEM撮像は0.5〜1.0μmの球面収差(spherical aberration、C3)で、プローブCsを補正したJEM ARM200CF(JEOL Ltd.)を用いてて200kVで行われ、27〜28mradの像を得た。HAADFの収集半角は90〜370mradであるのに対し、撮影のための収束半角は21 mradである。8C及び9C(JEOLで定義)の電子プローブサイズで、それぞれ1.28Åと1.2Åで測定し、2048×2048ピクセルの領域に対してピクセル滞留時間を10〜15μsとし、で顕微鏡写真を得た。8〜13Μaの放出電流を用いると、10〜20Paのプローブ電流範囲が算出される。絞りを40μmにすると、α=27.5mradのビーム収束半角が生成される。画像ごとに導入された電子線量は倍率に応じて約1000〜2000e/Å2の範囲である。取得した画像から、暗い色合いと明るい色合いは、それぞれFeセグメントとAuセグメントを示す。HAADF−STEM画像を用いて、ナノバーコードで鋭い界面を持つFeセグメント及びAuセグメントのそれぞれ、或いは全てのナノスケール寸法(長さ、直径、表面積)を計算した。当該計算により、調整可能なナノ周期と配列を有する周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つにおいて、Feセグメント及びAuセグメントが類似の寸法を有することを確認した。周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つにおいて、鋭いインターフェイスを持つFeセグメント及びAuセグメントは、2つのSOD検出器(Thermo Fisher Scientific)を使用するEDSマッピングで具体的に識別された。Fe及びAu元素マッピングは、パルス、電流セグメント、製造時間を厳しく調整することで得られた調整可能なナノ周期と、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つからでFeセグメント及びAuセグメントを識別するために、個別的に使用された。
更に、X線回折分析(D/MAX−2500V/PC、Rigaku)測定を行って、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つで繰り返されるFeセグメント及びAuセグメントの共存を確認した。Fe相(PDF#870722)とAu相(PDF#040784)の粉末回折ファイル(Powder diffraction file、PDF)データを用いて、ピークは周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つに存在するFe相とAu相の結晶面でインデックスが作成された。
振動試料型磁力測定(Vibrating samplemAgnetometry、VSM)は、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つでFeセグメントの磁気特性を適用した磁場(H)の下、室温でVSM測定(EV9、Microsense)により分析を行った。該当する磁気モーメント(M)は、それぞれのナノバーコードで磁気モーメントの最大値に正規化した後、ヒステリシス曲線で表示される。
図2は、本発明による、ナノバーコードの高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)の画像、エネルギー分散型分光法(EDS)マッピング、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)の画像を示したものである。図2によると、HAADF−STEM画像で交互するFeセグメントとAuセグメントは、それぞれ暗い領域と明るい領とに識別され、FeとAu要素ごとのEDSマッピング画像で、合金形成のない鋭いインターフェイスを有することを確認した。
図2の(b)によると、ナノバーコードのそれぞれ、或いは全体のFeセグメント及びAuセグメントのナノサイズ(長さ、直径、表面積)を正確に定量化している。具体的には、ナノバーコードでそれぞれのFe/Auセグメントの長さは、[30(01)10]群で30.8±0.3nm/28.1±1.8nm、[75(01)]群で72.3±1.4nm/74.6±4.3nm、[150(01)]群で132.7±19.2nm/142.5±6.1nm、[300(01)]群で310.7±13.0nm/294.7±9.5nm、[75(0110)]群で69.3±3.0nm/149.7±13.7nm、[150(0110)]群で154.2±1.3nm/302.1±3.6nmである。これにより、ナノ周期及び配列が合成されている間、パルス電流ともと持続時間を正確に調整することで、6つの異なるナノバーコードから体系的に調整されたことが分かる。
図3は本発明で製造されたナノバーコードの模式図(a)、HAADF−STEMの結果から計算された各FeとAu(Fe/Au)ナノバーコードの長さの合計(b)、直径(c)、表面積(d)を示したグラフである。図3によると、それぞれのナノバーコードでFeセグメントとAuセグメントの長さの合計は、6つの異なるナノバーコードで、それぞれ270.7〜306.2nm、279.9〜289.1nmの範囲であり、有意な差はなかった。それぞれのFe/Auナノバーコードの直径は6つの異なるナノバーコードで63.2〜66.9nmの範囲であって、大きな差はなかった。それぞれのナノバーコードにおいてFeセグメント及びAuセグメントの総表面積は、6つの異なるナノバーコードでそれぞれ57500〜61420nm、56270〜60330nmの範囲であり、有意な差はなかった。これによって、周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つが、Feセグメント及びAuセグメントの総寸法を調整せずとも、調整可能なリガンドナノ周期及び配列を表すように正確に製造されたことが分かる。このとき、Auセグメント及びFeセグメントは、それぞれ括弧内の1と0の数字で表し、Auセグメント及びFeセグメントの長さ(nm)は、それぞれ、30、75、150、300である。
図4は、本発明によるナノバーコードのX線回折分析グラフである。図4によると、ナノバーコードにおいてFeセグメント及びAuセグメントの結晶相をX線回折によって分析し、Fe相とAu相に該当する回折ピークが6つの異なるナノバーコードで同様に共存することが分かる。これにより、周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード6つが同様の特性を示していることがわかる。
図5は、本発明によるナノバーコードの振動試料に対する、磁力計の測定結果のグラフである。具体的には、Feセグメントの存在によるナノバーコードの磁気特性を分析し、これは6つの異なるナノバーコードとも明らかなヒステリシスを有せず、類似の自己挙動を示すことを確認した。これらの磁気特性のために、外部磁場を以って、本発明のナノバーコードは可逆的な遠隔制御に用いることができる。
実験例2
本発明によるナノバーコードを含む基板の特性を確認するために、ナノバーコードを含む基板を、電界放出形走査電子顕微鏡で撮影し、フーリエ変換赤外分光分析(Fourier−transform infrared spectroscopy、FT−IR)を行った。その結果を図2及び図7に示した。
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)は、ナノバーコードの化学的結合特性を確認するため、GX1(Perkin Elmer Spectrum、USA)を用いて行われた。化学的結合特性の変化の分析を経たサンプルを分析する前に、凍結乾燥させ、KBrペレットで密度高くパッキングした。
図6は、本発明によるナノバーコードを含む基板を製造するステップを図式化した画像である。図6によると、周期的にシーケンシングされたナノバーコード6つは、基板にグラフトされる前に、化学的に機能化された。アミノカプロン酸のアミン基は、表面にカルボキシレート基を表示するために、ナノバーコードのFeセグメントの天然酸化物層にカップリングされた。アミノカプロン酸がコーティングされたナノバーコードでカルボキシレート基を活性化させ、アミノ化された基板に移植し、ナノバーコード濃度と反応時間を正確に最適化して、基板に結合されたナノバーコードとリガンドの密度を調整せずとも、リガンド配列の様々なナノ周期を確認した。続いて、チオール化RGDリガンドをナノバーコード結合された基板でAuセグメントにグラフトされた。Feセグメント及びAuセグメントの全体の寸法のみならず、基板−結合リガンド提示ナノバーコードの密度を同様に維持し、基板のリガンド密度の効果は分離させる。図2によると、基板に結合されたリガンド提示ナノバーコードを、電界放出形走査電子顕微鏡を使用して確認し、これは断層で均一な分布を示した。これの密度は1μm当たり0.0235〜0.0277範囲であり、全ての基板結合リガンド提示ナノバーコードに大きな差がなく同様に維持されることが分かる。下記の実験により、該密度では、付着やマクロファージの表現型分極化を効率的に調整できることを確認した。
図7は、本発明によるナノバーコードに対してフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により分析を行った結果である図7によると、アミノカプロン酸がコーティングされたナノバーコードの化学的結合特性を把握することができる。具体的には、1560〜1565 cm−1 と1387〜1389 cm−1でCOO結合を確認し、3432〜3448 cm−1でNH結合を確認した。これにより、アミノカプロン酸が6つの異なるナノバーコードに正常に結合されたことが分かる。
実験例3
本発明によるナノバーコードのナノ周期とリガンド配列が、マクロファージの付着に及ぼす影響を確認するために、次のような実験を行い、その結果を図8〜図10に図示した。
マクロファージの付着性・表現型分極に対して、リガンド配列においてリガンドナノ周期を調整する効果を評価した。培養前に、基板を紫外線で1時間滅菌した。RAW264.7(ATCC)の継代5(passage 5)から、マクロファージを約90k細胞/cmの密度で滅菌された基板にシード(seeding)した。続いて、マクロファージを高グルコースDMEM(high glucose DMEM)、10%熱不活性化されたウシ胎児血清と50U/Mlペニシリン/ストレプトマイシンとを含有する基礎培地で、5%CO 下、37℃で培養した。本発明による[30(01)10]、[75(01)]、[150(01)]、[300(01)]リガンド配列のナノバーコードで、ナノ周期のみを調整しながら、マクロファージの付着性を評価した。また、[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]リガンド配列のナノバーコードで、ナノ周期とリガンド配列を両方とも調整した状態における、マクロファージの付着性を評価した。加えて、Fe/Au配列で調整可能なナノ周期を有するがRGDリガンドの結合されていない基板を比較例として用いて、マクロファージの付着の調整にナノ周期が及ぼす影響について評価した。
マクロファージの表現型分極の評価に用いられるM1培地は、それぞれ10ng/mLのリポ多糖類(lipopolysaccharide、LPS)と組換えインターフェロン − ガンマ(recombinant interferon−gamma、IFN−γ)とを有する基礎培地を用いて製造した。インターロイキン−4(IL−4)とインターロイキン−13(IL−13)を、それぞれ20ng/mLずつ有する基礎培地を用いてM2培地を製造した。マクロファージの付着−補助M2表現型分極は、ROCK(50μMY2763)、ミオシンII(10μMブレビスタチン)、又はアクチン重合(2μg/ mLのサイトカラシンD)阻害剤で評価した。
図8は、本発明によるナノバーコードを用いて培養されたマクロファージ(24時間後)のF−アクチン、核、ビンキュリンの共焦点免疫蛍光画像であって、スケールバーは20μmを示す。
図8によると、共焦点免疫蛍光画像から、マクロファージがリガンド配列でナノ周期が増加するほど(30から300)より強い付着性を有することを確認した。具体的には、マクロファージの接着密度は、[30(01)10]群と比較して、[75(01)]群、[150(01)]群、[300(01)]群が、それぞれ68%、180%、239%ほど増加していた。また、付着性マクロファージは、細胞質を横切ってF−アクチンとビンキュリンのアセンブリがより広く展開され、リガンドのナノ周期の増加に伴い、相当長い形態を示した。これにより、本発明によるナノバーコードにおいてリガンドのナノ周期が増加すればするほど、より近いリガンド提示に起因し得ることが分かる。
図9は、本発明の比較例によるナノバーコード(RGDリガンド結合が存在しない場合)で、ナノ周期を調整してマクロファージの付着性実験を行った結果である。スケールバーは20μmを示す。図9によると、AuセグメントにRGDリガンドがない状態で、Fe/Au配列でナノ周期を調整すると、有意な差がないまま、全ての群に対して最低レベルのマクロファージの付着が生成されることを確認した。これにより、マクロファージの付着性をRGDリガンド配列のナノ周期を調整して効率的に変更できることが分かる。具体的には、リガンド配列で、ナノ周期が増加した場合、効果的にマクロファージの強力な付着構造を形成できることが分かる。
図10は、本発明によるナノバーコード(ナノ周期とリガンド配列を調整)を用いて培養されたマクロファージ(24時間後)のF−アクチン、核、ビンキュリンの共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは20μmを示す。図10をよると、[75(01)]、[75(0110)]、[150(01)]、[150(0110)]の周期的にシーケンシングされたFe/Auナノバーコード4つは、マクロファージ付着の調整効果を評価するために、ナノ周期とリガンド配列の両方に変更した。共焦点免疫蛍光画像は、上記の群で、マクロファージはリガンド配列でナノ周期が増加するほど、より強固に付着されることを示す。具体的には、[150(0110)]群は、[75(0110)]群に比べ、マクロファージの付着密度、細胞の面積、細胞伸長因子がそれぞれ82%、58%、108%ほど高く、著しい差を示した。また、[150(01)]群は、[75(01)]群に比べ、実質的により強力な付着構造のアセンブリを示した。
更に、リガンドナノ周期性を調整せず、ナノバーコード内のリガンド配列を単独で調整する場合でも、マクロファージの付着性が調整された。具体的には、ナノバーコードの末端配列に充填されたリガンドを有する[150(01)]群は、マクロファージの付着密度、細胞の面積、細胞伸長因子が、内部のみ配列が充填された[75(0110)]群と比較して、それぞれ47%、34%、72%増加した。これにより、ナノバーコードの末端配列に充填されたリガンドと、より低いナノバーコードリガンドの間隔を有することで、細胞の付着を容易に促進できることが分かる。
従って、ナノバーコードの配列リガンドの位置とリガンドの間隔を調整して、マクロファージの付着性を調整することができる。
実験例4
本発明によるナノバーコードを用いて、リガンド配列のナノ周期の調整がマクロファージの表現型分極を介する付着を制御するか否かに関する実験を下記のように行い、その結果を図11〜図16に図示した。
マクロファージの付着構造は、M1やM2分極刺激剤の存在下で、これらの表現型分極を調整すると知られている。特に、細長い形の一般的なF−アクチンとビンキュリンのアセンブリを含み、強力な付着構造を現すマクロファージは、これらの表現型分極を再生性/抗炎症性M2の状態で活性化させる傾向がある。
図11は、本発明によるナノバーコードを用いて、リガンド配列においてナノ周期の調整によりマクロファージの付着・依存的表現型の分極化が調整されるか否かの実験の結果を示したものである。図11によると、共焦点免疫蛍光画像で、マクロファージは徐々にM1誘導培地で弱いiNOS蛍光信号を示したが、リガンド配列で、ナノ周期を増加させると、M2誘導培地でより強いArg−1蛍光信号を示した。また、遺伝子発現プロファイルは、免疫蛍光で観察された傾向を確認することができた。マクロファージは、M1誘導培地で有意に低いiNOSとTNF−α発現を示したが、リガンド配列で増加されたナノ周期と比例して高いArg−1及びYm1発現を示した。定量的に[300(01)]群は、[75(0110)]群及び[75(01)]群と比較してiNOS発現がそれぞれ20%と51%ずつ減少し、TNF−αの発現がそれぞれ19%と32%ずつ減少した。逆に、[300(01)]群は、[75(0110)]群及び[75(01)]群と比較してArg−1の発現がそれぞれ35%と107%ずつ増加し、Ym1の発現がそれぞれ185%と483%ずつ増加した。
図12及び図13は、本発明によるナノバーコードを用いた、分極表現型とマッチングされた刺激培地がない場合(つまり、M2刺激培地におけるM1の発現(図12)、或いはM1刺激培地におけるM2の発現(図13 ))のリガンド配列におけるナノ周期を調整した実験の結果である。図12によると、分極表現型とマッチングされた刺激培地の不在の下(つまり、M2刺激培地でM1発現、又はM1刺激培地でM2発現)、リガンド配列でナノ周期を調整すると、免疫蛍光でiNOS及びArg−1発現が最小となり、iNOS、TNF−α、Arg−1、Ym1発現では有意な差がないことを見出した。
これにより、全般的に、リガンド配列で高ナノ周期がM1表現型分極を抑制しつつ、これらのM2表現型分極を活性化させるために、マクロファージの付着を促進することが分かる。
図14は、本発明によるナノバーコードを含む基板をM1分極培地で36時間培養した後、iNOS、F−アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像(a)、並びに、ROCK(Y27632)、ミオシンii(ブレビスタチン)又はアクチン重合(サイトカラシンD)の阻害剤の存在の下、又は不在の下にてM2分極培地で培養した後、Arg−1、F−アクチン、核の共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは20μmを示す。
図14によると、リガンド配列で高ナノ周期がM1表現型分極を抑制しつつ、これらのM2表現型分極を更に促進するために、強固な付着構造の成長を促進することが分かる。具体的には、ROCK、ミオシンII又はアクチン重合を阻害する薬理学的阻害剤(それぞれY27632、ブレビスタチン又はサイトカラシンD)を用いて、マクロファージの付着構造と表現型分極を評価した。
図15及び図16は、図14の共焦点免疫蛍光実験の結果に基づいて計算した細胞面積、細胞腎臓因子、Arg−1蛍光強度を示したグラフである。
図14及び図15によると、共焦点免疫蛍光画像で、リガンド配列群で最も高いナノ周期のマクロファージである[300(01)]群は、M1誘導培地でY27632によるROCK阻害により50%増加したiNOS蛍光信号を示し、細胞の面積が35%減少した。また、[300(01)]群は、それぞれブレビスタチンとサイトカラシンDによるミオシンIIとアクチン重合の抑制に対応するiNOS蛍光強度が増加し、細胞面積が大幅に減少した。これにより、リガンド配列で高ナノ周期がM1表現型分極を効果的に抑制するために、マクロファージの強力な付着を刺激することが分かる。
図14及び図16を見ると、M2誘導培地で[300(01)]群は、ROCK阻害によって細胞の面積が57%、細胞伸長因子が72%、Arg−1蛍光が54%ほど大きく減少した。具体的には、[300(01)]群は、それぞれミオシンII、ブレイクビスタティンとサイトカラシンDとアクチン重合を阻害することにより、細胞面積、細胞腎臓因子とArg−1蛍光信号を大幅に減少させた。これにより、リガンド配列で高ナノ周期がマクロファージの強力な付着を刺激して、これらのM1表現型分極を効果的に抑制し、M2表現型分極を促進することが確認できる。
実験例5
本発明によるナノバーコードを用いて、体内宿主マクロファージの付着及び表現型を空間的に調整することを確認するために、下記のような実験を行い、その結果を図17〜図19に図示した。
図17jは、本発明によるナノバーコードを用いた体内の宿主マクロファージの付着・表現型分極化の調整の実験の結果である。(a)は、体内のリガンド配列におけるナノ周期の調整のおおよその模式図であり、インターロイキン−4及びインターロイキン−13(M2誘導剤)の両方を、体内皮下移植された基板に注射した。(b)は、24時間後に、基板に付着したiNOS、F−アクチン、宿主マクロファージの核に対する共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは20μmを示す。(c)は、M1表現型マーカー(iNOS及びTNF−α)の密度、細胞面積、細胞伸長因子(主/副軸の比)(n=10)、遺伝子発現(n=3)における体内付着性宿主細胞の定量分析結果のグラフ
図18の(a)は、24時間後に基板に付着されたArg−1、F−アクチン、宿主マクロファージの核の共焦点免疫蛍光画像であって、スケールバーは20μmを示す。(b)は、M2表現型マーカー(Arg−1及びYm1)の密度、細胞面積、細胞伸長因子(主/副軸の比)(n=10)、遺伝子発現(n=3)における体内付着性宿主細胞の定量分析結果のグラフである。
図17及び図18をよると、移植された物質の宿主反応は表現型分極化マクロファージが重要な役割を果たす、機能的に活性化された免疫細胞によって支配される。これに関連し、宿主マクロファージの付着性と再生性/抗炎症性表現型分極を制御すると、炎症を抑制しつつ免疫調整組織分極化を促進することができる。
また、動員された宿主マクロファージの付着性と表現型分極は、アクチン、及びiNOS又はArg−1の宿主細胞の免疫蛍光染色を確認した。共焦点免疫蛍光画像は、リガンド配列で、ナノ周期が増加するにつれ、付着性宿主マクロファージが高密度となり、細胞の面積と細胞伸長因子が徐々に増加することを示した。
例えば、[300(01)]群は、[75(0110)]群及び[75(01)]の群に比べ、それぞれ120%と299%と高い宿主マクロファージの密度を示した。逆に、iNOS及びF−アクチンの共同局所化は、リガンド配列でナノ周期が減少するにつれて相当高いiNOS及びTNF−αの発現により、徐々に優位となった。それに対して、Arg−1及びF−アクチンの共同局所化は、リガンド配列でナノ周期が増加するにつれてArg−1及びYm1の発現が高くなったとき、より優位となった。定量的には、[300(01)]群は、[75(0110)]群及び[75(01)]群に比べて、Arg−1発現がそれぞれ17%と624%ずつ増加し、Ym1発現がそれぞれ43%と122%ずつ増加した。
これにより、リガンド配列で高ナノ周期の体内調整は、これらの再生性及び抗炎症性表現型分極を促進し、宿主マクロファージの付着を容易にすることが分かる。
図19は、本発明よるナノバーコードを含む基板を用いて、リガンド配列において調整可能なナノ周期を示す基板に対し宿主好中球の体内付着実験を行った結果である。(a)は、24時間後に、基板に付着したNIMP−R14、F−アクチン、宿主細胞の核に対する共焦点免疫蛍光画像であり、スケールバーは20μmである。(b)は、体内付着性NIMP−R14−陽性宿主好中球の定量データであり、インターロイキン−4及びインターロイキン−13の両方とも、リガンド配列の調整可能なナノ周期を示す皮下移植された基板に注入された。
図19によると、移植された物質の長期宿主反応は、初期急性炎症で表示されるNIMP−R14陽性好中球を有する表現型分極マクロファージによって支配されていることがわかる。

Claims (15)

  1. 鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードと、
    前記ナノバーコードの第2のセグメントに結合されたインテグリンリガンドペプチドを含む、マクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード。
  2. 前記ナノバーコードは、下記の式(1)又は式(2)を満足するバー状であることを特徴とする、請求項1に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード。
    [L(M)q (1)]
    [L(M)q (2)]
    ここにおいて、
    は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
    qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数であり、
    Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
  3. 前記の式(1)及び(2)は、[30(M10]、[75(M]、[75(M]、[150(M]、[150(M]、[300(M]のうちいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード。
  4. 前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、それぞれバー状であり、前記第1のセグメントの長さと前記第2のセグメントの長さは同じである、請求項1に記載のマクロファージの付着・分極調節用のナノバーコード。
  5. 前記第1のセグメントは、カルボン酸塩が置換された構造であることを特徴とする、請求項1に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード。
  6. 前記ナノバーコードは、直径50nm〜100nm、長さ200〜1000nm、断面が円形のバー状である、請求項1に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード。
  7. 前記インテグリンリガンドペプチドは、チオール化インテグリンリガンドペプチドを含み、
    前記インテグリンリガンドペプチドのチオール基と第2のセグメントとが化学的に結合された構造である、請求項1に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコード。
  8. 鉄(Fe)を含む第1のセグメントと、金(Au)を含む第2のセグメントとが繰り返し形成されたナノバーコードを用意するステップと、
    前記ナノバーコードと、第1の懸濁液とを混合して、第1のセグメントにカルボン酸塩置換基を置換するステップと、
    前記ナノバーコードをインテグリンリガンドペプチド(RGD)を含む第2の懸濁液と混合するステップと、を含む、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードの製造方法。
  9. 前記第1懸濁液はカルボン酸塩の置換基を含むアミノ酸誘導体を含み、
    前記インテグリンリガンドペプチドは、チオール化インテグリンリガンドペプチドを含む、請求項8に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードの製造方法。
  10. 請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のマクロファージの付着・分極化調整用のナノバーコードを含む溶液に、表面が活性化された基板を担持して、ナノバーコード提示基板を製造するステップと、
    前記ナノバーコード提示基板を培養液で処理した後、マクロファージの付着・分極化を調整するステップと、を含む、マクロファージの付着・分極化を調整する方法。
  11. 前記ナノバーコード提示基板を製造するステップは、
    基板の表面を酸性溶液に浸漬させるステップと、
    浸漬済みの基板をアミノシラン溶液に担持して前記基板の表面を活性化させるステップと、を含む、請求項10に記載のマクロファージの付着・分極化を調整する方法。
  12. ナノバーコード提示基板をポリエチレングリコール誘導体を含む溶液に担持し、ナノバーコードが結合されていない基板の表面を不活性化することを特徴とする、請求項10に記載のマクロファージの付着・分極化を調整する方法。
  13. マクロファージの付着・分極化を調整するステップは、ナノバーコード提示基板のナノバーコードに結合されたリガンドペプチドの周期と配列の順序のいずれか一つ以上を変化させ、体内又は体外のマクロファージの付着・分極化を調整することである、請求項10に記載のマクロファージの付着・分極化を調整する方法。
  14. マクロファージの付着や分極化を調整するステップで、下記の式(1)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、炎症性(M1)の表現型を示す、請求項10に記載のマクロファージの付着・分極化を調整する方法。
    [L(M)q (1)]
    ここにおいて、
    は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
    qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは2〜10の整数であり、
    Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
  15. マクロファージの付着や分極化を調整するステップで、下記の式(2)を満足するバー状のナノバーコードを含む基板を使用する場合、再生性及び抗炎症性(M2)の表現型を示す、請求項10に記載のマクロファージの付着・分極化を調整する方法。
    [L(M)q (2)]
    ここにおいて、
    は第1のセグメント、Mは第2セグメントであり、
    qは第1及び第2のセグメントの繰り返し回数、qは1〜5の整数であり、
    Lは第1及び第2のセグメントの長さである。
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