本願は、2016年3月10日に出願された米国特許仮出願第62/306,470号の優先権を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
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本発明は、腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(CG0070など)を局所的に投与し、有効量の免疫調節薬(免疫刺激剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤など、免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することによって、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するための方法及び組成物を提供する。方法及び組成物は、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与を更に含んでよい。例えば、本明細書に記載の方法に適している例示的な腫瘍の1つは膀胱癌であり、免疫調節薬が静脈内に投与されることができると同時に、腫瘍溶解性ウイルスは膀胱内に投与されることができる。
本発明は、腫瘍溶解性ウイルスの局所(腫瘍内など)送達を免疫調節薬の全身(静脈内など)送達と組み合わせて行うことにより人体の内部に生成される、生きているかつ実時間の「インビボ」癌ワクチン系を提供する。本発明の際立った特徴は腫瘍溶解性ウイルスであり、この腫瘍溶解性ウイルスは、複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、GM-CSFなどの免疫関連分子をコードしている異種遺伝子との両方を有する。これにより、腫瘍溶解性ウイルスの局所投与は、ウイルスによる腫瘍特異的な感染と、腫瘍部位への免疫関連分子の同時局所送達との両方を可能にする。免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の全身送達、及び任意追加的には第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与と更に組み合わされて、癌ワクチン系は、治療成分を適正な有効量で、適正なタイミングで、かつ適正な順序で腫瘍及び人体に提供して、腫瘍に対する強化された免疫応答を誘引してもよい。
したがって、本明細書に記載の組み合わせは、個体内の腫瘍溶解性反応及び免疫原性反応を十分に活用することを可能にし、癌免疫療法の治療効果を高めるであろうと考えられる。本明細書に記載の組み合わせ治療方法では、1つの薬剤又は組成物を別の薬剤と併せて投与する必要があることは、当業者によって理解される。本明細書で提供される併用療法のそれぞれの薬剤(腫瘍溶解性ウイルス、及びそれぞれの免疫調節薬など)の用量、投薬スケジュール、投与経路、及び投与順序は、最適な治療結果をもたらすように独立して最適化されることができる。方法はまた、治療の成功率を高めるために、不活性化腫瘍細胞の局所投与、及び/又は、局所放射線治療、又はサイトカイン、ケモカイン、若しくは他の有益な治療薬の局所投与など、前処置と更に組み合わされてもよい。
一態様では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルスを膀胱内に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルスを膀胱内に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を膀胱内に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。
更に、本明細書に記載の方法に有用である組成物(医薬組成物など)、キット、及び製品も提供される。一態様では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するためのキットが提供され、このキットは、a)腫瘍溶解性ウイルスと、b)免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)と、c)腫瘍溶解性ウイルスを腫瘍の部位に局所的に投与するための装置と、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。
定義
本明細書で使用するとき、「処置」又は「処置する」は、臨床結果を含めて有益な又は所望の結果を得るための方法である。本発明の目的のために、有益な又は所望の臨床結果には、以下のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない:疾患がもたらす1つ以上の症状を軽減すること、疾患の範囲を縮小させること、疾患を安定させること(例えば、疾患の悪化を防止する若しくは遅らせること)、疾患の拡散(例えば、転移)を防止する若しくは遅らせること、疾患の再発を防止する若しくは遅らせること、疾患の再発率を減少させること、疾患の進行を遅らせる若しくは減速させること、疾患状態を寛解させること、疾患の寛解(部分又は完全)をもたらすこと、疾患を処置するために必要な1つ以上の他の投薬の用量を減らすこと、疾患の進行を遅らせること、生活の質を向上させること、及び/又は生存期間を延ばすこと。また「処置」には癌の病理学的帰結の縮小も包含される。本発明の方法は、処置のこれらの態様のうちのいずれか1つ以上を企図する。
「アジュバント設定」は、個体が癌の既往歴を有し、かつ同個体に通常は(必ずしもそうなったとは限らないが)治療の効果があった臨床設定を指し、これには、外科治療(例えば、外科切除)、放射線療法、及び化学療法などが挙げられるが、これらに限定されない。「アジュバント設定」としての処置及び投与は、後に続く処置の機序を指す。
「ネオアジュバント設定」は、方法が一次/根治治療の前に行われる臨床設定を指す。本明細書で使用するネオアジュバント設定はまた、本発明に記載されるように、治療成分(例えば、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬、又は腫瘍溶解性ウイルス、免疫調節薬及び不活性化腫瘍細胞)と併せて連続的な態様で使用される任意の「腫瘍部位調製」治療モダリティも指す。
本明細書で使用する用語「有効量」は、症状のうちの1つ以上を寛解させる、和らげる、軽減する、及び/又は遅らせるなど、指定された障害、容態又は疾患を処置するのに十分な化合物又は組成物の量を指す。癌に関連しては、有効量は、腫瘍を縮小させる及び/若しくは腫瘍の増殖速度を減少させる(腫瘍増殖を抑制するなど)又は癌における他の望まれない細胞増殖を防止若しくは遅らせるのに十分な量を含む。いくつかの実施形態では、有効量は、癌の進行を遅らせるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、再発を防止する又は遅らせるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、個体内での再発率を減少させるのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。有効量の薬物又は組成物は、(i)癌細胞の数を減らし、(ii)腫瘍サイズを縮小し、(iii)末梢器官への癌細胞浸潤をある程度阻害し、遅らせ、減速させ、及び好ましくは止め、(iv)腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度遅らせる、及び好ましくは止める)、(v)腫瘍増殖を阻害し、(vi)腫瘍の発生及び/若しくは再発を防止し、(vii)腫瘍の発生及び/若しくは再発を遅らせ、(viii)腫瘍の再発率を減少させ、並びに/又は(ix)癌に関連した症状のうちの1つ以上をある程度軽減してよい。当該技術分野において理解されるように、「有効量」は、1回以上の投与におけるものであってよく、すなわち、所望の処置エンドポイントを達成するために、単回投与又は複数回投与が必要とされてよい。
「~と併せて」又は「~と組み合わせて」は、同一個体に対して同一処置計画の下で、本明細書に記載の腫瘍溶解性ウイルスの投与を他の薬剤(免疫調節薬、不活性化腫瘍細胞など)の投与に加えて行うなど、1つの処置モダリティの投与を別の処置モダリティに加えて行うことを指す。このように、「~と併せて」又は「~と組み合わせて」は、1つの処置モダリティの投与を、個体への他の処置モダリティの送達前、送達中、又は送達後に行うことを指す。
本明細書で使用するとき、用語「同時投与」は、併用療法としての第1の治療及び第2の治療が同時に投与されることを意味する。第1及び第2の治療が同時に投与されるとき、第1及び第2の治療は、同一組成物(例えば、第1及び第2の治療の両方を含む組成物)に含有されてよく、又は別個の組成物に含有されてもよい(例えば、第1の治療が1つの組成物に含有され、第2の治療は別の組成物に含有される)。
本明細書で使用するとき、用語「連続投与」又は「順に」は、併用療法としての第1の治療及び第2の治療が、例えば、約5、10、15、20、30、40、50、60分、又はそれ以上のうちのいずれかを超えるなど、約1分を超える時間差で投与されることを意味する。いくつかの事例では、用語「連続投与」は、併用療法としての第1の治療及び第2の治療が、約1日~1週間、2週間、3週間、4週間、8週間、12週間、又はそれ以上の週のうちのいずれかを超えるなど、約1日を超える時間差で投与されることを意味する。第1の治療又は第2の治療のいずれかが最初に投与されてよい。第1及び第2の治療は、同一又は別のパッケージ又はキットに含まれてよい、別個の組成物に含有される。
用語「~の直前に投与される」は、第1の治療が、第2の治療の投与前の、約10、5、又は1分のうちのいずれか以内など、約15分以内に投与されることを意味する。用語「~の直後に投与される」は、第1の治療が、第2の治療の投与後の、約15、10、又は1分のうちのいずれか以内など、約15分以内に投与されることを意味する。
本明細書で使用するとき、化合物を阻害剤として説明するときに使用される「特異的」、「特異性」、又は「選択的」若しくは「選択性」は、化合物が非標的よりも特定の標的(例えば、タンパク質及び酵素)と好んで相互作用する(例えば、結合し、修飾し、阻害する)ことを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「形質導入」及び「遺伝子移入」は、興味のあるタンパク質又は分子の発現のために感染因子(ウイルスなど)又は他の手段を用いてDNAを細胞に導入する、当該技術分野において周知のすべての方法を含む。ウイルス又はウイルス様物質の他にも、リン酸カルシウム、デンドリマー、リポソーム、又はカチオン性ポリマー(例えば、DEAE-デキストラン又はポリエチレンイミン)を用いるものなど、化学に基づいた遺伝子移入方法、電気穿孔法、セルスクイージング(cell squeezing)、ソノポレーション、光学的遺伝子移入、インペールフェクション(impalefection)、原形質融合、プラスミドの送達、又はトランスポゾンなど、非化学的方法、遺伝子銃、マグネトフェクション(magnectofection)又は磁石支援型遺伝子移入、微粒子銃を用いるなど、粒子に基づいた方法、及びヌクレオフェクション(nucleofection)など、ハイブリッド方法が存在する。
本明細書で使用するとき、用語「腫瘍部位調製」は、治療成分(例えば、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬、又は腫瘍溶解性ウイルス、免疫調節薬及び不活性化腫瘍細胞)と併せて連続的な態様で使用される単一の処置モダリティ又は2つ以上の処置モダリティの組み合わせを記載するものであり、この又はこれらの処置モダリティが腫瘍部位(癌細胞又は癌細胞を含有する組織など)に直接的に又は(例えば、IV療法を介して)間接的に適用される。腫瘍部位調製用の例示的な処置モダリティには、免疫関連分子の投与、照射、及び治療薬の投与が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載のすべての腫瘍部位調製は、単一の分子又は薬剤、又は2つ以上の分子及び/又は薬剤の組み合わせの投与を含んでよい。
本明細書に記載の本発明の実施形態は、実施形態「からなる」及び/又は「から本質的になる」を含むことを理解されたい。
本明細書に記載の「約」のついた値又はパラメータへの言及は、値又はパラメータ自体を対象とする変形を含む(及び記載する)。例えば、「約X」に言及する説明は、「X」の説明を含む。
本明細書で使用するとき、「~されない」などの否定(not)を伴うある値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータ「以外」が肯定されることを一般に意味し、記載する。例えば、「方法は、タイプXの癌を処置するのに使用されない」は、「方法は、X以外のタイプの癌を処置するのに使用される」を意味する。
本明細書で使用する用語「約X~Y」は、「約X~約Y」と同一の意味を有する。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」で使用するとき、単数形の「a」、「or」、及び「the」は、文脈から単数であることが明確に読み取れる場合を除き、対象の複数形も含まれるものとする。
固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法
一態様としての本発明は、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍(膀胱癌など)を処置する方法を提供し、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ポリオウイルス、麻疹ウイルス、セネカバレーウイルス、コクサッキーウイルス、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス、マラバ及びラブドウイルス、並びにパルボウイルスからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍の部位への第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与を更に含む。
本願の別の態様は、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法を提供し、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを(静脈内になど)全身的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を(静脈内になど)全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。腫瘍溶解性ウイルスの局所投与に適用可能なものとして本明細書に記載されている実施形態はまた、腫瘍溶解性ウイルスの全身投与を含む方法にも適用可能である。
本発明での腫瘍溶解性ウイルスとして使用するのに適した例示的なウイルスには、アデノウイルス、例えば、H101(ONCOCRINE(登録商標))、CG-TG-102(Ad5/3-D24-GM-CSF)、及びCG0070;単純ヘルペスウイルス、例えば、Talimogene laherparapvec(T-VEC(登録商標))及びHSV-1716(SEPREHVIR(登録商標));レオウイルス、例えば、REOLYSIN(登録商標);ワクシニアウイルス、例えば、JX-594;セネカバレーウイルス、例えば、NTX-010及びSVV-001;ニューカッスル病ウイルス、例えば、NDV-NS1及びGL-ONC1;ポリオウイルス、例えば、PVS-RIPO;麻疹ウイルス、例えば、MV-NIS;コクサッキーウイルス、例えば、CAVATAK(商標);水疱性口内炎ウイルス;マラバ及びラブドウイルス;パルボウイルス並びに流行性耳下腺炎ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは腫瘍溶解性アデノウイルスである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、感染、炎症、又は感染様の効果を引き起こすことができる野生型腫瘍溶解性ウイルスの一部のみ、又は複数の部分である。いくつかの実施形態では、ウイルスは増殖性である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、腫瘍細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路に欠失のある癌細胞内で優先的に増殖する。
いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍(膀胱癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは増殖性である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍の部位への第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍(膀胱癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータであり、例えば、E2F-1プロモータは、配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍の部位への第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与を更に含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、免疫関連分子(サイトカイン、ケモカイン、又はPRRago(すなわち、病原体認識受容体アゴニスト)など)を腫瘍の部位へ局所的に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、GM-CSF、IL-2、IL-12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、及びLTαβからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、STING(すなわち、インターフェロン遺伝子の刺激物質)賦活物質(CDN、すなわち、環状ジヌクレオチドなど)、PRRago(CpG、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、樹状細胞、T細胞、B細胞、及び/又は濾胞性ヘルパーT細胞を誘引する。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、腫瘍溶解性ウイルスとは別個に(例えば、別個の組成物で又は同一組成物内の別個の実体として)投与される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、腫瘍の部位に形質導入によって投与される。当該技術分野において周知の例示的な形質導入方法には、リン酸カルシウム、デンドリマー、リポソーム、カチオン性ポリマー、電気穿孔法、セルスクイージング、ソノポレーション、光学的遺伝子移入、原形質融合、インペールフェクション、水力学的な送達、遺伝子銃、マグネトフェクション、ウイルス性遺伝子移入、及びヌクレオフェクションの使用が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、腫瘍溶解性ウイルスによって発現させられる。例えば、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫関連分子をコードしている核酸を含んでよく、核酸は、ウイルスベクター内に存在することも、別個のベクター上に存在することもできる。
本発明は、発明者らの臨床試験から得られた未公開の結果に部分的に基づく。いかなる理論又は仮説にも束縛されるものではないが、癌細胞内でのみ増殖するように特に設計されている、ウイルス性の腫瘍溶解性ウイルス、CG0070は、腫瘍部位において「適正な量」のGM-CSFを、癌細胞死の期間に「実時間」で提供すると考えられる。こうした腫瘍部位「において」の癌細胞死の期間中の腫瘍溶解性ウイルスによるGM-CSFの送達は、抗原提示細胞が、既存の抗原、新生抗原、及び寛容破壊抗原(TBA)を成熟させることと、これらをこの細胞死混合から活性化T細胞にクロスプレゼンテーションすることとの両方を行うために不可欠なものであると考えられる。高用量のGM-CSFは、焦点の定まらない免疫系をもたらし、局所的及び系のサプレッサの瞬間的な増加を誘発することになる可能性があり、その一方で、低用量のGM-CSFは、炎症過程及び関連免疫細胞の活性化に不十分となる可能性があることから、この治療シナリオでは、適正な量のGM-CSFが腫瘍部位において必要とされる。適正な量のGM-CSF及び現場の「生きている」癌細胞死混合が関係した腫瘍部位における微妙なバランスは、癌細胞に特異的な適応免疫応答を誘引すると考えられる。したがって、癌特異的かつ腫瘍溶解性である腫瘍溶解性ウイルスは、細胞死、感染又は炎症の期間中に腫瘍部位に送達された任意の腫瘍溶解性ウイルスに応じて腫瘍溶解性ウイルスにより発現される又は身体防御により分泌されるのいずれかである適正な量のGM-CSF又は他の適当な免疫関連分子と組み合わせて、効果的な癌免疫療法に対する理想的な選択になると考えられる。
いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、個体内の免疫応答を強化する。免疫関連分子には、サイトカイン、ケモカイン、幹細胞成長因子、リンホトキシン、造血因子、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、腫瘍壊死因子α(TNF)、TNF-β、果粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンλ、「S1因子」と呼ばれる幹細胞成長因子、ヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、リラキシン、プロリラキシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、肝成長因子、プロスタグランジン、線維芽細胞成長因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質、ミュラー管抑制因子、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮成長因子、インテグリン、NGF-β、血小板成長因子、TGF-α、TGF-β、インスリン様成長因子I、インスリン様成長因子II、マクロファージ-CSF(M-CSF)、IL-1、IL-1a、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、IL-17、IL-18、IL-21、IL-25、LIF、FLT-3、アンジオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、リンホトキシン、タリドミド、レナリドミド、又はポマリドミドが挙げられ得るが、これらに限定されない。
免疫関連分子は、アプタマー、mRNA、siRNA、microRNA、shRNA、ペプチド、抗体、アンチカリン、球状核酸、TALEN、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、CRISPR/Cas9、及び小分子を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において周知の分子モダリティのうちのいずれか1つに属し得る。
免疫関連分子は、単独で又は組み合わせて使用することができる。例えば、任意の数(1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫関連分子を同時に又は連続的に使用することができる。
本発明の腫瘍溶解性ウイルスは、少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の免疫関連分子をコードしている核酸配列を含んでいるウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子を含んでいるウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、GM-CSF、IL-2、IL-12、インターフェロン、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、及びLTαβからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E1プロモータ又はE3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。
したがって、いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍(膀胱癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍の部位への第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与を更に含む。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスはアデノウイルス血清型5である。いくつかの実施形態では、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、ヒトGM-CSFをコードしている核酸配列である。いくつかの実施形態では、ポリアデニル化シグナル(PA)が、E2F-1プロモータの5’に挿入される。いくつかの実施形態では、ヒトGM-CSFをコードしている核酸は、E3プロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、アデノウイルス血清型5のベクターバックボーンは、野生型アデノウイルス血清型5ゲノムと同一のE2、E4、後期タンパク質領域又は逆位末端配列(ITR)を更に含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、図1に示すようなゲノム構造を有する。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは条件付き複製である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、癌細胞はRb経路欠失癌細胞である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスはCG0070である。
したがって、例えば、いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、アデノウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、アデノウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍の部位への第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のCG0070を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍の部位への第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与を更に含む。
いくつかの実施形態では、上述の腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は連続的に投与される、すなわち、腫瘍溶解性ウイルスの投与は、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与の前又は後に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与前の、約15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は24時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与前の約数日又は数週間(約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、又はそれ以上のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与後に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与後の、約15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は24時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与後の約数日又は数週間(約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、又はそれ以上のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、一方が投与されて直ぐに他方が投与される(例えば、2つの投与の間は5分以下以内である)。例えば、いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与の直前に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与の直後に投与される。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は同時に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は別個の組成物によって同時に投与される。
本明細書で論じる免疫調節薬は、免疫刺激剤と免疫チェックポイント阻害剤の両方を含む。免疫調節薬は、アプタマー、mRNA、siRNA、microRNA、shRNA、ペプチド、抗体、アンチカリン、球状核酸、TALEN、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、CRISPR/Cas9、及び小分子を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において周知の分子モダリティのうちのいずれか1つに属し得る。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、免疫刺激分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、OX40のリガンド(例えば、OX40L)、CD-28のリガンド(例えば、CD80、CD86)、ICOSのリガンド(例えば、B7RP1)、4-1BBのリガンド(例えば、4-1BBL、Ultra4-1BBL)、CD27のリガンド(例えば、CD70)、CD40のリガンド(例えば、CD40L)、及びTCRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はクラスII分子、IMCgp100)が挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、抗CD28(例えば、TGN-1412)、抗OX40(例えば、MEDI6469、MEDI-0562)、抗ICOS(例えば、MEDI-570)、抗GITR(例えば、TRX518、INBRX-110、NOV-120301)、抗41-BB(例えば、BMS-663513、PF-05082566)、抗CD27(例えば、BION-1402、バルリルマブ及びhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870、893、BI-655064、BMS-986090、APX005、APX005M)、抗CD3(例えば、ブリナツモマブ、ムロモナブ)、及び抗HVEMからなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイント分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、CTLA-4のリガンド(例えば、B7.1、B7.2)、TIM3のリガンド(例えば、Galectin-9)、A2a受容体のリガンド(例えば、アデノシン、レガデノソン)、LAG3のリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、BTLAのリガンド(例えば、HVEM、B7-H4)、KIRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、PD-1のリガンド(例えば、PD-L1、PD-L2)、IDOのリガンド(例えば、NKTR-218、Indoximod、NLG919)、CD47のリガンド(例えば、SIRP-α受容体)、及びCSF1Rのリガンドが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイントタンパク質を標的にする抗体である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、抗CTLA-4(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ、KAHR-102)、抗TIM3(例えば、F38-2E2、ENUM005)、抗LAG3(例えば、BMS-986016、IMP701、IMP321、C9B7W)、抗KIR(例えば、リリルマブ、IPH2101、IPH4102)、抗PD-1(例えば、ニボルマブ、ピディリズマブ、ペンブロリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、ランブロリズマブ、MK-3475、AMP-224、AMP-514、STI-A1110、TSR-042)、抗PD-L1(例えば、KY-1003(EP20120194977)、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS-936559、MEDI-4736、MSB0010718C、AUR-012、STI-A1010、PCT/US2001/020964、MPDL3280A、AMP-224、ダピロリズマブペゴル(Dapirolizumab pegol)(CDP-7657)、MEDI-4920)、抗CD73(例えば、AR-42(OSU-HDAC42、HDAC-42、AR42、AR 42,OSU-HDAC 42、OSU-HDAC-42、NSC D736012、HDAC-42、HDAC 42、HDAC42、NSCD736012、NSC-D736012)、MEDI-9447)、抗B7-H3(例えば、MGA271、DS-5573a、8H9)、抗CD47(例えば、CC-90002、TTI-621、VLST-007)、抗BTLA、抗VISTA、抗A2aR、抗B7-1、抗B7-H4、抗CD52(アレムツズマブなど)、抗IL-10、抗IL-35、抗TGF-β(フレソリムマブ(Fresolumimab)など)、抗CSF1R(例えば、FPA008)、抗NKG2A(例えば、モナリズマブ)、抗MICA(例えば、IPH43)、及び抗CD39からなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
いくつかの実施形態では、方法は、単一の免疫調節薬の全身投与を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、表1に記載されている免疫調節薬から選択され、同免疫調節薬は、表1に記載のものと同じ投与経路、及び/又は用量、及び/又は投薬頻度、及び/又は期間、及び/又は維持スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、表1に記載されている免疫調節薬から選択され、同免疫調節薬は、表1に記載のものとは異なる投与経路、及び/又は用量、及び/又は投薬頻度、及び/又は期間、及び/又は維持スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、表1から選択された分子ではない。
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも2つ(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫調節薬の全身投与を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの免疫調節薬の全部又は一部は、単一組成物の中でなど、同時に投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの免疫調節薬の全部又は一部は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤と免疫刺激剤とを含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)のチェックポイント阻害剤を含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤を含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、任意の数(1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上など)の免疫チェックポイント阻害剤と任意の数(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤とを含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの免疫調節薬は、表1から選択された1つ以上の免疫調節薬を含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(ウイルスなど、例えば腫瘍溶解性ウイルス)を局所的に投与することと、b)個体に有効量の第1の全身性免疫調節薬(免疫チェックポイント阻害剤など)を全身的に投与することと、c)有効量の第2の全身性免疫調節薬(免疫刺激剤など)を全身的に投与することと、を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍の部位への任意の数(1、2、3、4個、又はそれ以上など)の追加の免疫調節薬(以下「第2の免疫調節薬」又は「局所免疫調節薬」と称し、このような文脈における免疫調節薬は本明細書において「第1の免疫調節薬」、「全身性免疫調節薬」、又は「免疫調節薬」と称する)の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬及び第2の免疫調節薬は、同じ標的を有する。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬及び第2の免疫調節薬は、同じ免疫調節薬分子である。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬及び第2の免疫調節薬は、同じ標的を有するが、異なるモダリティに属する。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬及び第2の免疫調節薬は、異なる免疫調節薬分子である。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬及び第2の免疫調節薬は、同じ標的を有しない。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤であり、第2の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤であり、第2の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は免疫刺激剤であり、第2の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は免疫刺激剤であり、第2の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも2つの局所免疫調節薬の組み合わせの局所投与を含む。2つ以上の全身性免疫調節薬及び2つ以上の局所免疫調節薬が投与される事例では、2つ以上の全身性免疫調節薬のうちのいずれかは、局所免疫調節薬と同じ標的を有してよく、又は同じ免疫調節薬であってよい。
免疫調節薬の投与は任意の順序にすることができ、これには、第1の免疫調節薬の全身投与と第2の免疫調節薬の局所投与の同時実行、及び免疫調節薬の連続投与が含まれ、連続投与される免疫調節薬の間では、少なくとも1つの免疫調節薬が全身的に投与され、例えば、最初に第2の免疫調節薬を腫瘍の部位へ(腫瘍内になど)局所的に投与した後に、第1の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)が続く、又は最初に第1の免疫調節薬を(静脈内になど)全身的に投与した後に、第2の免疫調節薬の局所投与(腫瘍内投与など)が続く。同じ投与経路で同時に投与される免疫調節薬は、単一組成物として投与されてよい。例えば、免疫調節薬は、単一組成物の投与に先立って(投与直前など、例えば、投与前の約10、5、又は1分未満以内に)混合されることができる。
腫瘍溶解性ウイルスの局所投与及び第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与は、同時に又は連続的にすることができる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与の前又は後に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与前の、約15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は24時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与前の約数日又は数週間(約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、又はそれ以上のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与の後に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与後の、約15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は24時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与後の約数日又は数週間(約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、又はそれ以上のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、一方が投与されて直ぐに他方が投与される(例えば、2つの投与の間は5分以下以内である)。例えば、いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与の直前に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与の直後に投与される。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は同時に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は別個の組成物によって同時に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は単一組成物として投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、組成物の投与に先立って(投与直前など、例えば、投与前の約10、5、又は1分未満以内に)混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスと第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)とを含む組成物は、投与に先立ってあらかじめ作製され、少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週間、3週間、又はそれ以上にわたって保存される。
したがって、いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど、例えば、CG0070)を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、異種遺伝子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、第2の免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど、例えば、CG0070)を局所的に投与することと、b)有効量の第1の免疫調節薬を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の第2の免疫調節薬を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、異種遺伝子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は第2の免疫調節薬は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は第2の免疫調節薬は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬及び腫瘍溶解性ウイルスは、同一組成物の中でなど、同時に投与される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬及び腫瘍溶解性ウイルスは、連続的に投与される。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は、第2の免疫調節薬の投与後に投与される。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は、第2の免疫調節薬の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、投与の順序は以下のとおりである:腫瘍溶解性ウイルスの局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第2の免疫調節薬の局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第1の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど、例えば、CG0070)を局所的に投与することと、b)有効量の第1の免疫調節薬を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の第2の免疫調節薬を局所的に投与することと、d)有効量の第3の免疫調節薬を(全身的に又は腫瘍の部位へ局所的になど)投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、異種遺伝子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2及び/又は第3の免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は第2の免疫調節薬及び/又は第3の免疫調節薬は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は第2の免疫調節薬は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬及び/又は第2の免疫調節薬は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬及び/又は第3の免疫調節薬、並びに腫瘍溶解性ウイルスは、同一組成物の中でなど、同時に投与される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬及び/又は第3の免疫調節薬、並びに腫瘍溶解性ウイルスは、連続的に投与される。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は、第2の免疫調節薬及び/又は第3の免疫調節薬の投与後に投与される。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬は、第2の免疫調節薬及び/又は第3の免疫調節薬の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、投与の順序は以下のとおりである:腫瘍溶解性ウイルスの局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第2の免疫調節薬の局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第3の免疫調節薬の局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第1の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)。いくつかの実施形態では、投与の順序は以下のとおりである:腫瘍溶解性ウイルスの局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、(例えば、同一組成物中の)第2の免疫調節薬及び第3の免疫調節薬の局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第1の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)。いくつかの実施形態では、投与の順序は以下のとおりである:腫瘍溶解性ウイルスの局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第2の免疫調節薬の局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第1の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)、続いて、第3の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)。いくつかの実施形態では、投与の順序は以下のとおりである:腫瘍溶解性ウイルスの局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、第2の免疫調節薬の局所投与(腫瘍内投与など)、続いて、(例えば、同一組成物中の)第1の免疫調節薬及び第3の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)。
第3の免疫調節薬は、本明細書に記載の免疫調節薬のうちのいずれかであってよい。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、第1の免疫調節薬と同じ免疫調節薬分子であるなど、同じ標的を有するものであり、第3の免疫調節薬は、腫瘍の部位へ局所的に投与される。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、第2の免疫調節薬と同じ免疫調節薬分子であるなど、同じ標的を有するものであり、第3の免疫調節薬は、全身的に投与される。いくつかの実施形態では、第1の免疫調節薬、第2の免疫調節薬、及び第3の免疫調節薬は異なるものであり、例えば、異なる標的を有し、異なる種類の免疫調節薬であり、及び/又は異なる免疫調節薬分子である。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4の阻害剤である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体である。本発明では、イピリムマブ、トレメリムマブ、及びKAHR-102を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において周知の抗CTLA-4抗体のうちのいずれかが使用されてよい。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体はYERVOY(登録商標)(イピリムマブ)である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、全長抗CTLA-4抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、CTLA-4を特異的に認識する人工リポカリンタンパク質(CTLA-4に特異的に結合するアンチカリン分子など)である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、B7.1又はB7.2など、CTLA-4の天然又は人工リガンドである。
したがって、例えば、いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブである。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCTLA-4の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CTLA-4の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CTLA-4の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCTLA-4の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することと、b)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のCG0070を局所的に投与することと、b)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブである。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CTLA-4の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CTLA-4の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1の阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は抗PD-1抗体である。本発明では、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、及びアテゾリズマブ、ランブロリズマブ、MK-3475、AMP-224、AMP-514、STI-A1110、及びTSR-042を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において周知の抗PD-1抗体のうちのいずれかが使用されてよい。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、全長抗PD-1抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の変異体若しくはその誘導体である。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-L1又はPD-L2など、PD-1の天然又は人工リガンドである。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-1とそのリガンドとの間の相互作用の阻害剤、例えば、PD-1/PD-L1相互作用の阻害剤又はPD-1/PD-L2相互作用の阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-L1の阻害剤(例えば、抗PD-L1抗体)又はPD-L2の阻害剤(例えば、抗PD-L2抗体)など、PD-1リガンドの阻害剤である。本発明では、PD-1とそのリガンドとの間の相互作用の阻害剤のうちのいずれかが使用されてよく、例えば、米国特許第7709214号、同第7432059号、同第7722868号、同第8217149号、同第8383796号、及び同第9102725号を参照されたい。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-L2のFc融合(例えば、AMP-224)など、PD-1リガンドを含むFc融合タンパク質である。
したがって、例えば、いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、又はピディリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-1/PD-L1相互作用の阻害剤又はPD-1/PD-L2相互作用の阻害剤など、PD-1とそのリガンドとの間の相互作用の阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-L2のFc融合(例えば、AMP-224)など、PD-1リガンドを含むFc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤(CTLA-4阻害剤など)又は免疫刺激剤(例えば、CD40賦活物質又は4-1BB賦活物質)など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤(CTLA-4阻害剤など)又は免疫刺激剤(例えば、CD40賦活物質又は4-1BB賦活物質)など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することであって、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータ及びE3 19kDコード領域が、ヒトE2F-1プロモータ、及び免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている核酸に置換されている、ことと、b)腫瘍の部位に有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を局所的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のCG0070を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、又はピディリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-1/PD-L1相互作用の阻害剤又はPD-1/PD-L2相互作用の阻害剤など、PD-1とそのリガンドとの間の相互作用の阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-L2のFc融合(例えば、AMP-224)など、PD-1リガンドを含むFc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1リガンド(例えば、PD-L1及び/又はPD-L2)の阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は抗PD-L2抗体である。例示的な抗PD-L1抗体には、KY-1003、MCLA-145、RG7446(アテゾリズマブとしても知られる)、BMS935559(MDX-1105としても知られる)、MPDL3280A、MEDI4736、アベルマブ(MSB0010718Cとしても知られる)、及びSTI-A1010が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗PD-L1又は抗PD-L2は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1又は抗PD-L2は、全長抗PD-L1又は抗PD-L2抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1又は抗PD-L2抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1又は抗PD-L2抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の変異体若しくはその誘導体である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、PD-L1とPD-L2の両方の阻害剤(例えば、ペプチド、タンパク質又は小分子)である。PD-L1とPD-L2の両方の例示的な阻害剤には、AUR-012、及びAMP-224が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤及びPD-L2の阻害剤は、本明細書に記載の任意の処置方法において互換的に使用することができる。
いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、抗PD-L1抗体、例えば、KY-1003、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS935559、MPDL3280A、MEDI4736、アベルマブ、又はSTI-A1010である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は抗PD-L2抗体である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、AUR-012、及びAMP-224など、PD-L1とPD-L2の両方の阻害剤(例えば、ペプチド、タンパク質又は小分子)である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1リガンドの阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1リガンドの阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1リガンドの阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1リガンドの阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のCG0070を局所的に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、抗PD-L1抗体、例えば、KY-1003、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS935559、MPDL3280A、MEDI4736、アベルマブ、又はSTI-A1010である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は抗PD-L2抗体である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、AUR-012、及びAMP-224など、PD-L1とPD-L2の両方の阻害剤(例えば、ペプチド、タンパク質又は小分子)である。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1リガンドの阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1リガンドの阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1リガンドの阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1リガンドの阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を腫瘍内に投与することと、b)有効量のPD-L1の阻害剤(アンタゴニスト抗PD-L1抗体など、例えば、アテゾリズマブ)を静脈内に投与することと、c)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体など、例えば、イピリムマブ)を腫瘍内に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、約1mg/kg~約20mg/kg、又は約750mg~約1200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、約1か月に1回~約2週間に1回(約2週間に1回、約3週間に1回、又は約4週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、約0.1mg/kg~約10mg/kg(1週間に1回、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、CG0070の投与直後(例えば、投与後の5分以内)に投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、アテゾリズマブなど、PD-L1のアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ(例えば、YERVOY(登録商標))である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、個体には、CG0070の投与と組み合わせて、有効量のDDMが形質導入増強剤として腫瘍内に更に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は、腫瘍を有する組織内に注射によって投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は、腫瘍内へ直接的に注射によって投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-L1の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-L1の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-L1の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-L1の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、1処置単位として約1~約6週間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、処置単位は、約2~約3か月ごとに繰り返される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、頭部及び頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、肝癌、膵臓腺癌、胆嚢及び胆管癌、卵巣癌、子宮頸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、骨癌、中皮腫、脳癌、軟部組織肉腫、子宮癌、甲状腺癌、上咽頭癌、並びに黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、前治療に対して抵抗力があったものである。いくつかの実施形態では、方法は、免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗CD40抗体(例えば、APX005M)など、CD40賦活物質である。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗4-1BB抗体(例えば、PF-05082566)など、4-1BB賦活物質である。
いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、CD40の賦活物質である。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質はアゴニスト抗CD40抗体である。本発明では、CP-870,893、ダセツズマブ(SGN-40としても知られる)、ChiLob 7/4、APX005、及びAPX005M、BI-655064、及びBMS-986090を含むがこれらに限定されない、周知の抗CD40抗体のうちのいずれかが使用されてよい。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体は、全長抗CD40抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の変異体若しくはその誘導体である。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は、CD40Lなど、天然又は人工のCD40リガンドである。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は、CD40とCD40Lとの間の相互作用の阻害剤である。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は、CD40のシグナル伝達を増加させる。
したがって、例えば、いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体(agnostic anti-CD40 antibody)など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は、アゴニスト抗CD40抗体、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005Mである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCD40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CD40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CD40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCD40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のCG0070を局所的に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は、アゴニスト抗CD40抗体、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005Mである。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCD40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CD40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CD40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCD40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40の賦活物質である。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質はアゴニスト抗OX40抗体である。本発明では、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083及びInVivoMAbクローンOX-86を含むがこれらに限定されない、周知の抗OX40抗体のうちのいずれかが使用されてよい。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗OX40抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗OX40抗体は、全長抗OX40抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗OX40抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗OX40抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の変異体若しくはその誘導体である。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、OX40Lなど、天然又は人工のOX40リガンドである。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、OX40とOX40Lとの間の相互作用の阻害剤である。本発明では、OX40とOX40Lとの間の相互作用の阻害剤のうちのいずれかが使用されてよく、例えば、米国特許第8283450号、同第11867621号、同第7547438号、同第7063845号、同第7537763号、及び同第5801227号を参照されたい。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、OX40のシグナル伝達を増加させる。
したがって、例えば、いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体(agnostic anti-OX40 antibody)など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、アゴニスト抗OX40抗体、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びOX40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、OX40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、OX40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びOX40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のCG0070を局所的に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、アゴニスト抗OX40抗体、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86である。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、約0.001mg/kg~約10mg/kg(約0.003mg/kg~約0.01mg/kg、約0.01mg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、約1か月に1回~約1週間に1回(約1週間に1回、約2週間に1回、又は約3週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びOX40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びOX40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を腫瘍内に投与することと、b)有効量のOX40賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を静脈内に投与することと、c)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体など、例えば、イピリムマブ)を腫瘍内に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、OX40賦活物質は、約0.001mg/kg~約10mg/kg(約0.003mg/kg~約0.01mg/kg、約0.01mg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、約1か月に1回~約1週間に1回(約1週間に1回、約2週間に1回、又は約3週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、約0.1mg/kg~約10mg/kg(1週間に1回、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、CG0070の投与直後(例えば、投与後の5分以内)に投与される。いくつかの実施形態では、OX40賦活物質は、GSK3174998など、OX40のアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ(例えば、YERVOY(登録商標))である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、個体には、CG0070の投与と組み合わせて、有効量のDDMが形質導入増強剤として腫瘍内に更に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びOX40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びOX40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は、腫瘍を有する組織内に注射によって投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は、腫瘍内へ直接的に注射によって投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、1処置単位として約1~約6週間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、処置単位は、約2~約3か月ごとに繰り返される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、頭部及び頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、肝癌、膵臓腺癌、胆嚢及び胆管癌、卵巣癌、子宮頸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、骨癌、中皮腫、脳癌、軟部組織肉腫、子宮癌、甲状腺癌、上咽頭癌、並びに黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、前治療に対して抵抗力があったものである。いくつかの実施形態では、方法は、免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の腫瘍内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗CD40抗体(例えば、APX005M)など、CD40賦活物質である。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗4-1BB抗体(例えば、PF-05082566)など、4-1BB賦活物質である。
本明細書に記載の方法は、腫瘍溶解性ウイルスの投与に先立って前処置組成物を腫瘍の部位に局所的に投与する工程を更に含んでよい。いくつかの実施形態では、前処置組成物は、N-ドデシル-β-D-マルトシド(DDM)などの形質導入増強剤を含む。DDMは、1本の12炭素鎖で誘導体化されたマルトースからなる非イオン界面活性剤であり、中性洗剤及び可溶化剤として作用する。これは、食品添加物として使用されてきたものであり、おそらく膜結合性GAG及び密着結合に対するその作用により、げっ歯類において粘膜面浸透を増強することで知られている。
前処置組成物は、腫瘍内へ直接的に、又は腫瘍を有する組織に投与することができる。いくつかの実施形態では、前処置組成物は、形質導入増強剤(DDMなど)の溶液を含む。前処置組成物(DDM溶液など)の好適な濃度には、約0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、又は5%のうちのいずれか1つの形質導入増強剤(DDMなど)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前処置組成物は、約0.01%~約0.05%、約0.05%~約0.1%、約0.1%~約0.5%、約0.5%~約1%、約1%~約2%、約2%~約3%、約3%~約4%、約4%~約5%、約0.01%~約1%、約0.05%~約2%、約1%~約5%、又は約0.1%~約5%のうちのいずれかの形質導入増強剤(DDMなど)を含む。
いくつかの実施形態では、前処置(DDMなど)は、腫瘍溶解性ウイルスの投与直前(投与前の5分以内など)に投与される。いくつかの実施形態では、前処置(DDMなど)は、腫瘍溶解性ウイルスの投与前の約5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間、90分、2時間、3時間又は4時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、前処置(DDMなど)は、腫瘍溶解性ウイルスの投与前の約2時間以内に投与される。
前処置組成物(DDMなど)の好適な用量には、約0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、25mg/kg、50mg/kg、100mg/kg、150mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、500mg/kg、0.1mg/kg~0.5mg/kg、0.5mg/kg~1mg/kg、1mg/kg~2mg/kg、2mg/kg~5mg/kg、5mg/kg~10mg/kg、10mg/kg~25mg/kg、25mg/kg~50mg/kg、50mg/kg~100mg/kg、100mg/kg~150mg/kg、150mg/kg~200mg/kg、200mg/kg~250mg/kg、250mg/kg~500mg/kg、又は0.5mg/kg~約5mg/kgのうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前処置組成物の好適な用量は、約0.1g、0.2g、0.5g、0.75g、1g、1.5g、2g、2.5g、5g、又は10gのうちのいずれか1つの形質導入増強剤(DDMなど)である。
いくつかの実施形態では、個体は、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って(例えば、全体的に又は腫瘍の部位にのみ)前治療を受ける。いくつかの実施形態では、前治療は、放射線治療、1つ以上の免疫関連分子の投与、他の治療薬の投与、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、1つ以上(1、2、3、4、5、又はそれ以上など)の処置モダリティを使用する腫瘍部位調製である。他の前処置調製を追加することは、上記の方法の成功率を高めることができると考えられる。いかなる理論又は仮説にも束縛されるものではないが、例えば、局所放射線治療(リンパ球枯渇作用の有無は問わない)又は化学療法は、感染が進行する機会を増加させることができ、また腫瘍部位においてより敏感なTreg細胞を枯渇させることができ、これにより、消耗した又は寛容化した(telorized)Tメモリ細胞が復活する。同様に、腫瘍部位における本発明の組み合わせの投与に先立つ又はこれと同時に行われる腫瘍部位調製は、サイトカイン、ケモカイン、小分子、並びに、IL2、IL12、OX40、CD40及び4-1BBアゴニストなど、他の周知の有益な免疫調節薬を含むことができる。これらの腫瘍部位調製モダリティは、必要により併せて又は順に与えることができる。
いくつかの実施形態では、前治療は放射線治療(例えば、化学療法の有無は問わない)である。いくつかの実施形態では、放射線治療は、化学療法と組み合わされている。いくつかの実施形態では、前治療は、全身に対する放射線治療である。いくつかの実施形態では、前治療は、腫瘍部位のみに対する放射線治療である。いくつかの実施形態では、前治療は、腫瘍を有する組織に対する放射線治療である。いくつかの実施形態では、前治療は、腫瘍溶解性ウイルスの局所投与のために選択された腫瘍の部位のみに対する放射線治療である。いくつかの実施形態では、前治療は、腫瘍溶解性ウイルスの局所投与のために選択された腫瘍を有する組織のみに対する放射線治療である。いくつかの実施形態では、放射線治療の線量は、腫瘍細胞を処置するのに不十分である。例えば、放射線治療の好適な線量は、約1Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、25Gy、30Gy、35Gy、40Gy、45Gy、50Gy、55Gy、60Gy、65Gy、70Gy、75Gy、80Gy、90Gy又は100Gyのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療の線量は、約1Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、25Gy、30Gy、35Gy、40Gy、45Gy、50Gy、55Gy、60Gy、65Gy、70Gy、75Gy、80Gy、90Gy又は100Gyのうちのいずれか1つ以下である。いくつかの実施形態では、放射線治療の線量は、約1Gy~約5Gy、約5Gy~約10Gy、約10Gy~約15Gy、約15Gy~約20Gy、約20Gy~約25Gy、約25Gy~約30Gy、約30Gy~約35Gy、約5Gy~約15Gy、約10Gy~約20Gy、約20Gy~約30Gy、約30Gy~約40Gy、約40Gy~約50Gy、約50Gy~約60Gy、約60Gy~約70Gy、約70Gy~約80Gy、約80Gy~約100Gy、約10Gy~約30Gy、約20Gy~約40Gy、約1Gy~約25Gy、約25Gy~約50Gy、約30Gy~約60Gy、約60Gy~約80Gy、又は約10Gy~約60Gyのうちのいずれか1つである。放射線治療の好適な線量はまた、腫瘍の種類、病期、及び場所によって異なってもよい。
いくつかの実施形態では、放射線治療は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、16、18、20又はそれ以上の分割のうちのいずれか1つなど、2以上の分割で投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療の分割は、約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間又はそれ以上のうちのいずれか1つにわたって投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療の分割は、約1日~約5日、約1週間~約2週間、約2週間~約3週間、約3週間~約4週間、約4週間~約5週間、約5週間~約6週間、約6週間~約7週間、約2週間~約4週間、約4週間~約6週間、又は約1週間~約6週間のうちのいずれか1つにわたって投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療は、1日当たり約2つの分割で投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、成人に対して、1週間に5日、1日当たり約1.8Gy~約2Gy、又は小児に対して、1週間に5日、1日当たり約1.5Gy~約1.8Gyである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy、1.5Gy、2Gy、2.5Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、30Gy、40Gy、50Gy又はそれ以上のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy~約1.5Gy、約1.5Gy~約2Gy、約1Gy~約2.5Gy、約2.5Gy~約5Gy、約5Gy~約10Gy、約10Gy~約15Gy、約15Gy~約20Gy、約20Gy~約30Gy、約25Gy~約50Gy、約1Gy~約10Gy、又は約2Gy~約20Gyのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療は、単一の分割で投与される。
いくつかの実施形態では、放射線治療は、1日当たり単一の線量分割として、又は数日~数週間にわたって複数の分割で、のいずれかによってリンパ球枯渇を達成することを目的としている。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇放射線治療は、全身照射として与えられる。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇は、局所腫瘍部位に又は腫瘍を有する組織にのみ与えられる。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇放射線治療は、1日当たり2つの分割で投与される。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇放射線治療のそれぞれの分割は、成人に対して、1週間に5日、1日当たり約1Gy~約2Gy、又は小児に対して、1週間に5日、1日当たり約0.5Gy~約1.8Gyである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy、1.5Gy、2Gy、2.5Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、30Gy、40Gy、50Gy又はそれ以上のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy~約1.5Gy、約1.5Gy~約2Gy、約1Gy~約2.5Gy、約2.5Gy~約5Gy、約5Gy~約10Gy、約10Gy~約15Gy、約15Gy~約20Gy、約20Gy~約30Gy、約25Gy~約50Gy、約1Gy~約10Gy、又は約2Gy~約20Gyのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、シクロホスファミド及びフルダラビンなどであるが、これらに限定されない、化学療法薬の使用あり又はなしで、リンパ球枯渇放射線治療は投与される。
本発明では、体外照射療法(EBRT又はXRT)、遠隔放射線療法、組織内照射療法、密封線源放射線療法、全身放射性同位元素療法(RIT)、非密封線源放射線療法、術中放射線療法(IORT)、標的術中放射線療法(TARGIT)、強度変調放射線療法(IMRT)、強度変調回転放射線療法(VMAT)、粒子線療法、及びオージェ療法を含むがこれらに限定されない、放射線治療の周知の方法のうちのいずれかが使用されてよい。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する個体を処置するための方法は、(a)放射線治療を局所的に投与することと、b)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど、例えば、CG0070)を局所的に投与することと、c)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、放射線治療は、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療は、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って約1日~約1週間(例えば、約2日)投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療、及び/又は腫瘍溶解性ウイルスは、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療、及び/又は腫瘍溶解性ウイルスは、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、OX40、4-1BB、及びCD40の賦活物質からなる群から選択される免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、前治療は、治療薬の投与を含む。いくつかの実施形態では、治療薬の用量は、腫瘍を処置するのに十分である。いくつかの実施形態では、治療薬の用量は、腫瘍を処置するのに不十分である。いくつかの実施形態では、治療薬は、当該技術分野において周知の化学療法薬のうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせであり、例えば、シクロホスファミドである。いくつかの実施形態では、治療薬は、当該技術分野において周知の細胞シグナル伝達経路を標的とする又はブロックする薬剤のうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせであり、例えば、BRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、治療薬は、当該技術分野において周知の細胞療法のうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせであり、例えば、TIL細胞、CAR/T細胞、及び/又はTCR/T細胞である。いくつかの実施形態では、治療薬は、免疫原性経路に関わるサイトカインの濃度を高める薬剤である。IL6、IL8及びIL18などのサイトカイン(これらのサイトカインは炎症促進作用及び/又は抗炎症作用のいずれかを有することができる、又はいくつかは新血管形成及び腫瘍増殖を促進し得る)、ケモカイン(リンパ組織の増殖によって腫瘍拡散を促進することができるCCL21など)、成長因子(FLT3Lなど)、熱ショックタンパク質、小分子キナーゼ阻害剤(JAK2阻害剤など)、IAP阻害剤、STING賦活物質(CDNなど)、PRRago(CpG ODN(オリゴデオキシヌクレオチド)、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)を含むが、これらに限定されない、本明細書に記載の免疫関連分子のうちのいずれかが治療薬として使用されてよい。いくつかの実施形態では、治療薬は、腫瘍の構造構成要素に機能障害又は損傷を引き起こす薬剤である。例示的な薬剤には、抗VEGF抗体、ヒアルロニダーゼ、及びn-ドデシル-β-マルトシドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、治療薬は、樹状細胞、B細胞、及びT細胞(濾胞性Tヘルパー細胞など)など、免疫細胞を誘引する。
例えば化学療法薬、細胞シグナル伝達経路を標的とする又はブロックする薬剤、サイトカイン、ケモカイン、細胞療法など、本明細書に記載の治療薬のうちのいずれかは、単独で又は組み合わせてのいずれかで、腫瘍部位へ直接的に又は(例えば静脈内投与を介して)間接的に投与することができる。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する個体を処置するための方法は、(a)治療薬(ケモカイン、又はPRRagoなど)を局所的に投与することと、b)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど、例えば、CG0070)を局所的に投与することと、c)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、治療薬は、CCL21など、ケモカインを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、CpG ODN(例えば、CpG 7909CCL21)など、PRRagoである。いくつかの実施形態では、治療薬はナノカプセル内にある。いくつかの実施形態では、治療薬は、腫瘍溶解性ウイルスの投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、治療薬は、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、治療薬は、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って約1日~約1週間(例えば、約2日)投与される。いくつかの実施形態では、治療薬、及び/又は腫瘍溶解性ウイルスは、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、治療薬、及び/又は腫瘍溶解性ウイルスは、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、OX40、4-1BB、及びCD40の賦活物質からなる群から選択される免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の局所投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は腫瘍の部位への局所投与など)を更に含む。
腫瘍溶解性ウイルスの好適な用量は、腫瘍溶解性ウイルスの性質、処置される固形腫瘍又はリンパ系腫瘍の種類、及び投与経路などの要因によって左右される。本明細書で使用するとき、腫瘍溶解性ウイルスに関連するものとしての「粒子」は、腫瘍溶解性ウイルス(ウイルス又は細菌など)の物理的な単数単位の集合的な数を意味する。この数は、当該技術分野において周知のとおり、感染力価単位を意味する別の数、例えば、プラーク形成単位(pfu)又は国際単位へ、感染性アッセイによって換算することができ、又はこうした別の数と同等である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、約1×105粒子、1×106粒子、1×107粒子、1×108粒子、1×109粒子、1×1010粒子、2×1010粒子、5×1010粒子、1×1011粒子、2×1011粒子、5×1011粒子、1×1012粒子、2×1012粒子、5×1012粒子、1×1013粒子、2×1013粒子、5×1013粒子、1×1014粒子、又は1×1015粒子のうちのいずれか1つの用量で投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、約1×105粒子~約1×106粒子、約1×106粒子~約1×107粒子、約1×107粒子~約1×108粒子、約1×108粒子~約1×109粒子、約1×109粒子~約1×1010粒子、約1×1010粒子~約1×1011粒子、約1×1011粒子~約5×1011粒子、約5×1011粒子~約1×1012粒子、約1×1012粒子~約2×1012粒子、約2×1012粒子~約5×1012粒子、約5×1012粒子~約1×1013粒子、約1×1013粒子~約1×1014粒子、又は約1×1014粒子~約1×1015粒子のうちのいずれか1つの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1日に1回で投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、1週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は7回(すなわち、毎日)のうちのいずれか1つで投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、途切れることなく1週間に1回で、3週間のうちの2週間について1週間に1回で、4週間のうちの3週間について1週間に1回で、2週間に1回で、3週間に1回で、4週間に1回で、6週間に1回で、8週間に1回で、1か月に1回で、又は2~12か月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約6か月、3か月、1か月、20日、15日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、又は1日のうちのいずれか1つより短い。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、8か月、又は12か月のうちのいずれか1つよりも長い。いくつかの実施形態では、投薬スケジュールに途切れは存在しない。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約1週間以下である。
腫瘍溶解性ウイルスの投与は、約1か月~約7年など、長期間にわたることができる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、又は84か月のうちのいずれか1つの期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、少なくとも4週間又は6週間の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、3か月ごとに4週間にわたって1週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、3か月ごとに6週間にわたって1週間に1回投与される。
免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の好適な用量は、免疫調節薬又は免疫調節薬の組み合わせの性質、処置される固形腫瘍又はリンパ系腫瘍の種類、及び投与経路などの要因によって左右される。免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の例示的な用量には、約1mg/m2、5mg/m2、10mg/m2、20mg/m2、50mg/m2、100mg/m2、200mg/m2、300mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、又はそれ以上のうちのいずれか1つが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、以下のうちのいずれか1つの範囲内に含まれる:約1~約5mg/m2、約5~約10mg/m2、約10~約20mg/m2、約20~約50mg/m2、約50~約100mg/m2、約100mg/m2~約200mg/m2、約200~約300mg/m2、約300~約400mg/m2、約400~約500mg/m2、約500~約750mg/m2、又は約750~約1000mg/m2。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、約1μg/kg、2μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、20μg/kg、50μg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、50mg/kg、100mg/kg、又はそれ以上のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、約1μg/kg~約5μg/kg、約5μg/kg~約10μg/kg、約10μg/kg~約50μg/kg、約50μg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約0.2mg/kg、約0.2mg/kg~約0.3mg/kg、約0.3mg/kg~約0.4mg/kg、約0.4mg/kg~約0.5mg/kg、約0.5mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約10mg/kg~約20mg/kg、約20mg/kg~約50mg/kg、約50mg/kg~約100mg/kg、又は約1mg/kg~約100mg/kgのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、約1μg、10μg、50μg、100μg、500μg、1mg、2mg、4mg、6mg、12mg、18mg、24mg、50mg、100mg、500mg又は1000mgのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、約1μg~約10μg、約10μg~約50 10μg、約50μg~約100μg、約100μg~約500μg、約500μg~約1mg、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約10mg~約25mg、約25mg~約50mg、約50mg~約100mg、約100mg~約500mg、約500mg~約1000mg、約1μg~約1mg、約1mg~約1000mg、又は約1μg~約1000mgのうちのいずれか1つである。
腫瘍部位へ局所的に投与されるとき、いくつかの実施形態では、腫瘍部位ごとに投与される免疫調節薬(第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、約10μg、50μg、100μg、500μg、1mg、2mg、4mg、6mg、12mg、18mg、24mg、50mg、又は100mgのうちのいずれか以下である。いくつかの実施形態では、腫瘍部位ごとに局所的に投与される免疫調節薬(第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、約10μg~約50μg、約50μg~約100μg、約100μg~約500μg、約100μg~約1mg、約1mg~約2mg、約2mg~約5mg、約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約10mg~約25mg、約25mg~約50mg、約50mg~約100mg、約1mg~約50mg、又は100μg~約10mgのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、腫瘍部位ごとに局所的に投与される免疫調節薬(第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の用量は、腫瘍のサイズに基づく。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は1日に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、1週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は7回(すなわち、毎日)のうちのいずれか1つで投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、途切れることなく1週間に1回で、3週間のうちの2週間について1週間に1回で、4週間のうちの3週間について1週間に1回で、2週間に1回で、3週間に1回で、4週間に1回で、6週間に1回で、8週間に1回で、1か月に1回で、又は2~12か月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約6か月、3か月、1か月、20日、15日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、又は1日のうちのいずれか1つより短い。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、8か月、又は12か月のうちのいずれか1つよりも長い。いくつかの実施形態では、投薬スケジュールに途切れは存在しない。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約1週間以下である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、腫瘍溶解性ウイルスと同じ投薬スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、腫瘍溶解性ウイルスとは異なる投薬スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、4週間にわたって1週間に1回投与される。
免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与は、約1か月~約7年など、長期間にわたることができる。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、又は84か月のうちのいずれか1つの期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、少なくとも3週間又は6週間の期間にわたって投与される。
腫瘍溶解性ウイルス、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)、前治療、及び/又は前処置組成物の例示的な投与経路には、腫瘍内、膀胱内、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、頭蓋内、胸膜内、皮下、及び表皮の経路、又はこのような生きている癌細胞を含有することで知られているリンパ腺、体腔、臓器若しくは組織内へ送達される経路(肝内注射又は膵内注射など)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、局所投与は、腫瘍内への薬剤の直接注射によって行われる。いくつかの実施形態では、局所投与は、腫瘍細胞に近接した部位への薬剤の直接注射によって行われる。いくつかの実施形態では、全身投与は点滴静注による。具体的な投与経路は固形腫瘍又はリンパ系腫瘍の性質によって左右されるものであり、以下に様々な種類の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍との関連で更に論じる。
腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)が(例えば、腫瘍内注射で)腫瘍内に投与される、いくつかの実施形態では、投与される総体積は、約0.5mL、1mL、1.5mL、2mL、2.5mL、5mL又は10mLのうちのいずれか1つ以下である。いくつかの実施形態では、腫瘍部位ごとの腫瘍内投与(腫瘍内注射など)用の腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の体積は、腫瘍部位のサイズによって決まる。腫瘍サイズは、腫瘍体積又は腫瘍の最長寸法として測定することができる。例えば、約5cmを超える最長寸法を有する腫瘍の場合、腫瘍内投与体積は約2mL以下であり、約2cm~約5cmの最長寸法を有する腫瘍の場合、腫瘍内投与体積は約1mLであり、約0.75cm~約2cmの最長寸法を有する腫瘍の場合、腫瘍内投与体積は約0.5mLであり、及び約0.75cmよりも小さい最長寸法を有する腫瘍の場合、腫瘍内投与体積は約0.1mLである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、すべての腫瘍部位に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、約1、2、3、4、5、6、又はそれ以上のうちのいずれかの数の腫瘍部位に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、最大サイズを有する腫瘍部位に投与される。
本明細書で論じる固形腫瘍又はリンパ系腫瘍には、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、並びに、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮細胞肉腫、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮サクロノーマ滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫などの肉腫及び癌腫が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、頭部及び頸部の扁平上皮癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓腺癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、並びに黒色腫からなる群から選択される。方法は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)の病期分類による、病期I、II、III、及びIVを含めて、すべての病期の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍に適用可能である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、初期癌、非転移性癌、原発癌、進行癌、局所進行癌、転移性癌、寛解期の癌、アジュバント設定期の癌、又はネオアジュバント設定期の癌である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、局限性切除可能、局限性切除不能、又は切除不能である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、局限性切除可能又は切除可能境界である。いくつかの実施形態では、癌は、前治療に対して抵抗力があったものである。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、頭部及び頸部癌である。いくつかの実施形態では、頭部及び頸部癌は、頭部及び頸部内の扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、頭部及び頸部癌は、下咽頭癌、喉頭癌、口唇及び口腔癌、原発不明の転移性扁平上皮頸部癌、上咽頭癌、中咽頭癌、副鼻腔及び鼻腔癌、又は唾液腺癌である。いくつかの実施形態では、頭部及び頸部の扁平上皮癌は、初期の頭部及び頸部癌、非転移性の頭部及び頸部癌、進行の頭部及び頸部癌、局所進行の頭部及び頸部癌、転移性の頭部及び頸部癌、寛解期の頭部及び頸部癌、アジュバント設定期の頭部及び頸部癌、又はネオアジュバント設定期の頭部及び頸部癌である。いくつかの実施形態では、頭部及び頸部癌は、ネオアジュバント設定期である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頭部及び頸部腫瘍を有する頭部及び頸部組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頭部及び頸部腫瘍内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頭部及び頸部腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頭部及び頸部腫瘍に近接した頭部及び頸部組織内へ注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、乳癌である。いくつかの実施形態では、乳癌は、初期乳癌、非転移性乳癌、進行乳癌、病期IV乳癌、局所進行乳癌、転移性乳癌、寛解期の乳癌、アジュバント設定期の乳癌、又はネオアジュバント設定期の乳癌である。いくつかの実施形態では、乳癌はネオアジュバント設定期である。いくつかの実施形態では、乳癌は進行期である。いくつかの実施形態では、乳癌(HER2陽性又はHER2陰性であり得る)は、例えば、進行乳癌、病期IV乳癌、局所進行乳癌、及び転移性乳癌を含む。いくつかの実施形態では、乳癌は三種陰性乳癌である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、乳腺腫瘍を有する乳房組織内へ乳房内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、乳腺腫瘍内へ乳房内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、乳腺腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、乳腺腫瘍に近接した乳房組織内へ乳房内注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、腎細胞癌は腺癌である。いくつかの実施形態では、腎細胞癌は、明細胞腎細胞癌、乳頭状腎細胞癌(好色素性腎細胞癌とも言う)、嫌色素性腎細胞癌、集合管腎細胞癌、顆粒状腎細胞癌、混合顆粒状腎細胞癌、腎血管筋脂肪腫、又は紡錘腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、腎細胞癌は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)の病期分類による、病期I、II、III、又はIVのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、腎腫瘍を有する腎組織内へ腎内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、腎腫瘍内へ腎内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、腎腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、腎腫瘍に近接した腎組織内へ腎内注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、前立腺癌である。いくつかの実施形態では、前立腺癌は腺癌である。いくつかの実施形態では、前立腺癌は、肉腫、神経内分泌腫瘍、小細胞癌、腺管癌、又はリンパ腫である。いくつかの実施形態では、前立腺癌は、Jewett病期分類システムによる、4つの病期A、B、C、又はDのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、前立腺腫瘍を有する前立腺組織内へ前立腺内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、前立腺腫瘍内へ前立腺内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、前立腺腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、前立腺腫瘍に近接した前立腺組織内へ前立腺内注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、肺癌である。いくつかの実施形態では、肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)である。NSCLCの例には、大細胞癌、腺癌、神経内分泌肺腫瘍、及び扁平上皮癌が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、肺腫瘍を有する肺組織内へ肺内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、肺腫瘍内へ肺内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、肺腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、肺腫瘍に近接した肺組織内へ肺内注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は黒色腫である。いくつかの実施形態では、黒色腫は、表在拡大型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、結節型黒色腫、粘膜黒色腫、ポリープ状黒色腫、線維形成性黒色腫、無色素性黒色腫、軟部組織黒色腫、又は末端黒子型黒色腫である。いくつかの実施形態では、黒色腫は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)の病期分類による、病期I、II、III、又はIVのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、黒色腫は再発性である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、黒色腫腫瘍を有する皮膚組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、黒色腫腫瘍内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、黒色腫腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、黒色腫腫瘍に近接した肺組織内へ注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、卵巣癌である。いくつかの実施形態では、卵巣癌は卵巣上皮癌である。いくつかの実施形態では、卵巣癌は、病期I(例えば、病期IA、IB、又はIC)、病期II(例えば、病期HA、HB、又はIIC)、病期III(例えば、病期IIIA、HIB、又はHIC)、又は病期IVである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、卵巣腫瘍を有する卵巣組織内へ卵巣内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、卵巣腫瘍内へ卵巣内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、卵巣腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、卵巣腫瘍に近接した卵巣組織内へ卵巣内注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は膵癌である。いくつかの実施形態では、膵癌は、漿液性嚢胞腫瘍(seous cystic neoplasm)、粘液性嚢胞腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍、膵臓腺癌、腺扁平上皮癌、扁平上皮癌、印環細胞癌、未分化癌、巨細胞を伴う未分化癌、固形偽乳頭状腫瘍、乳頭部癌、又は膵神経内分泌腫瘍である。いくつかの実施形態では、膵癌は膵臓腺癌である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、膵腫瘍を有する膵組織内へ膵内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、膵腫瘍内へ膵内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、膵腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、膵腫瘍に近接した膵組織内へ膵内注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、子宮内膜癌は、腺癌、癌肉腫、扁平上皮癌、未分化癌、小細胞癌、又は移行性癌である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮内膜腫瘍を有する子宮内膜組織内へ子宮内膜内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮内膜腫瘍内へ子宮内膜内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮内膜腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮内膜腫瘍に近接した子宮内膜組織内へ子宮内膜内注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、結腸直腸癌は、腺癌、消化管カルチノイド、消化管間質腫瘍、平滑筋肉腫(leiomysarcoma)、黒色腫、又は扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、結腸直腸腫瘍を有する結腸直腸組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、結腸直腸腫瘍内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、結腸直腸腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、結腸直腸腫瘍に近接した結腸直腸組織内へ注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は肝細胞癌(HCC)である。いくつかの実施形態では、HCCは、初期HCC、非転移性HCC、原発HCC、進行HCC、局所進行HCC、転移性HCC、寛解期のHCC、又は再発性HCCである。いくつかの実施形態では、HCCは、局限性切除可能(すなわち、完全に外科的切除可能な肝臓の部分に範囲が限られている腫瘍)、局限性切除不能(すなわち、限局性腫瘍は、重要な血管構造に浸潤しているため、又は肝臓に障害が生じるため、切除不能であり得る)、又は切除不能(すなわち、腫瘍は、肝臓のすべての葉に浸潤している及び/又は転移して他の臓器(例えば、肺、リンパ節、骨)に浸潤している)である。いくつかの実施形態では、HCCは、TNM分類によれば、病期I腫瘍(脈管浸潤のない単発性腫瘍)、病期II腫瘍(脈管浸潤のある単発性腫瘍、又はすべて5cm以下の多発性腫瘍)、病期III腫瘍(すべて5cmを超えている多発性腫瘍、又は門脈若しくは肝静脈の主要分枝に浸潤している腫瘍)、病期IV腫瘍(胆嚢以外の隣接臓器への直接浸潤、又は臓側腹膜への穿孔のある腫瘍)、N1腫瘍(所属リンパ節転移)、又はM1腫瘍(遠隔転移)である。いくつかの実施形態では、HCCは、AJCC(American Joint Commission on Cancer)病期分類基準によれば、病期T1、T2、T3、又はT4 HCCである。いくつかの実施形態では、HCCは、肝細胞癌腫、HCCの線維層板型変異体、及び混合型肝細胞性胆管癌のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、HCCを有する肝組織内へ肝内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、HCC内へ肝内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、HCCの転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、HCCに近接した組織内へ肝内注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍はリンパ腫である。いくつかの実施形態では、リンパ腫は、B細胞腫瘍、T細胞腫瘍、及び/又は推定NK細胞腫瘍である。B細胞腫瘍の例には、前駆B細胞腫瘍(例えば、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫)及び末梢性B細胞腫瘍(例えば、B細胞性慢性リンパ性白血病/前リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(小リンパ球性(SL)NHL)、リンパ形質細胞性リンパ腫/免疫細胞腫、マントル細胞リンパ腫(mantel cell lymphoma)、濾胞中心リンパ腫、濾胞性リンパ腫(例えば、細胞学的悪性度:I(小細胞)、II(小細胞と大細胞の混合型)、III(大細胞)及び/又はサブタイプ:びまん性及び小細胞優位型)、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、中悪性度/濾胞性NHL、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、節外性(例えば、MALT型+/-単球様B細胞)及び/又は節性(例えば、+/-単球様B細胞))、脾性辺縁帯リンパ腫(例えば、+/-絨毛リンパ球)、毛様細胞白血病、形質細胞腫/形質細胞骨髄腫(例えば、骨髄腫及び多発性骨髄腫)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、原発性縦隔(胸腺)B細胞リンパ腫)、中悪性度びまん性NHL、バーキットリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、バーキット様高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大病変NHL、AIDS関連リンパ腫、並びにワルデンシュトレームマクログロブリン血症)が挙げられるが、これらに限定されない。T細胞及び/又は推定NK細胞腫瘍の例には、前駆T細胞腫瘍(前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病)並びに末梢性T細胞及びNK細胞腫瘍(例えば、T細胞性慢性リンパ性白血病/前リンパ球性白血病、及び大顆粒リンパ球性白血病(LGL)(例えば、T細胞型及び/又はNK細胞型)、皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症/セザリー症候群)、非特定型の原発性T細胞リンパ腫(例えば、細胞学的カテゴリー(例えば、中サイズの細胞、中細胞と大細胞の混合型)、大細胞、リンパ上皮様細胞、サブタイプ肝脾γδT細胞リンパ腫、及び皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILD)、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫(例えば、+/-腸症関連型)、成人T細胞リンパ腫/白血病(ATL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)(例えば、CD30+、T細胞型及びヌル細胞型)、未分化大細胞型リンパ腫、並びにホジキン様)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、リンパ腫は、ホジキン病又は非ホジキンリンパ腫(NHL)である。例えば、ホジキン病は、リンパ球優位型、結節硬化型、混合細胞型、リンパ球減少型、及び/又はリンパ球豊富型であり得る。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、リンパ系腫瘍を有するリンパ節内へリンパ内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、リンパ系腫瘍内へリンパ内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、リンパ系腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、リンパ系腫瘍に近接した組織内へリンパ内注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は中皮腫である。いくつかの実施形態では、中皮腫は、胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫、又は他の臓器を覆う中皮組織に発症している中皮腫である。いくつかの実施形態では、中皮腫は、良性中皮腫又は悪性中皮腫である。いくつかの実施形態では、中皮腫は、上皮性中皮腫、肉腫様中皮腫、二相性中皮腫、又は乳頭状中皮腫である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、中皮腫を有する中皮組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、中皮腫内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、中皮腫の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、中皮腫に近接した中皮組織内へ注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は脳腫瘍である。いくつかの実施形態では、脳腫瘍は、原発性脳腫瘍又は続発性(又は転移性)脳腫瘍である。いくつかの実施形態では、脳腫瘍は、神経膠腫(星状細胞腫、乏突起神経膠腫、又は上衣腫など)、髄膜腫、シュワン細胞腫、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍、又は松果体部腫瘍である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、脳腫瘍を有する脳組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、脳腫瘍内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、脳腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、脳腫瘍に近接した脳組織内へ注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は胆嚢及び胆管腫瘍である。いくつかの実施形態では、胆嚢及び胆管腫瘍は、癌、腺癌、胆管癌、乳頭腫瘍、小細胞(神経内分泌)癌、腺扁平上皮癌、又は横紋筋肉腫である。いくつかの実施形態では、胆嚢及び胆管腫瘍は、胆嚢癌、肝外胆管の癌、又は肝内胆管の癌である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、胆嚢及び胆管腫瘍を有する胆嚢又は胆管組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、胆嚢及び胆管腫瘍内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、胆嚢及び胆管腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、胆嚢及び胆管腫瘍に近接した胆嚢又は胆管組織内へ注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は軟部組織肉腫である。いくつかの実施形態では、軟部組織肉腫は、成人線維肉腫、胞状軟部肉腫、血管肉腫、明細胞肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、線維粘液性肉腫、脂肪肉腫、悪性間葉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(例えば、神経線維肉腫、悪性シュワン細胞腫、又は神経原性肉腫)、粘液線維肉腫、滑膜肉腫、未分化多形肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維腫症、血管内皮腫、小児性線維肉腫、孤在性線維性腫瘍、弾性線維腫、線維腫、線維性組織球腫、グロムス腫瘍、果粒細胞腫、血管腫、褐色脂肪腫、脂肪腫、平滑筋腫、脂肪芽細胞腫、リンパ管腫、粘液腫、神経繊維腫、神経腫、血管周囲類上皮細胞腫瘍、横紋筋腫、シュワン細胞腫、腱鞘巨細胞腫、紡錘細胞腫瘍、又は軟部組織の腫瘍様状態である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、軟部組織肉腫を有する組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、軟部組織肉腫内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、軟部組織肉腫の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、軟部組織肉腫に近接した組織内へ注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は子宮腫瘍である。いくつかの実施形態では、子宮腫瘍は、子宮癌、子宮肉腫(子宮内膜間質肉腫、未分化肉腫、又は子宮平滑筋肉腫など)、又は子宮癌肉腫(悪性中胚葉性混合腫瘍、又は悪性ミュラー管混合腫瘍など)である。いくつかの実施形態では、子宮腫瘍は、平滑筋腫、腺線維腫、又は腺筋腫など、類線維腫である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮腫瘍を有する子宮組織内へ子宮内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮腫瘍内へ子宮内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、子宮腫瘍に近接した子宮組織内へ子宮内注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は頸部腫瘍である。いくつかの実施形態では、頸部腫瘍は、扁平上皮癌、腺癌、又は腺扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頸部腫瘍を有する頸部組織内へ頸部内注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頸部腫瘍内へ頸部内注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頸部腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、頸部腫瘍に近接した頸部組織内へ頸部内注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は甲状腺腫瘍である。いくつかの実施形態では、甲状腺腫瘍は、甲状腺分化癌(乳頭癌、濾胞状癌、又はハースル細胞癌など)、甲状腺髄様癌、未分化癌、甲状腺リンパ腫、甲状腺肉腫、又は副甲状腺腫瘍である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、甲状腺腫瘍を有する甲状腺組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、甲状腺腫瘍内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、甲状腺腫瘍の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、甲状腺腫瘍に近接した甲状腺組織内へ注射によって行われる。
上記の方法のいずれかによる、いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は上咽頭癌である。いくつかの実施形態では、上咽頭癌は、角化性扁平上皮癌、非角化性分化癌、若しくは未分化癌(例えば、リンパ上皮腫)、口腔及び中咽頭腫瘍、鼻腔及び副鼻腔腫瘍、又は唾液腺腫瘍である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、上咽頭癌を有する上咽頭組織内へ注射によって行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、上咽頭癌内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、上咽頭癌の転移部位内へ注射によって直接的に行われる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は前処置組成物の投与は、上咽頭癌に近接した上咽頭組織内へ注射によって行われる。
いくつかの実施形態では、個体はヒト個体である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍について処置される個体は、本明細書に記載の容態のうちの1つ以上を有するものとして特定されている。熟練した医師による本明細書に記載のとおりの容態の特定は、当該技術分野において日常的な作業であり(例えば、血液検査、X線、超音波、CTスキャン、PETスキャン、PET/CTスキャン、MRIスキャン、PET/MRIスキャン、核医学ラジオアイソトープスキャン、内視鏡検査、生検、血管造影検査、CT血管造影検査などによる)、また個体又は他者によって、例えば、腫瘍増殖、出血、潰瘍形成、痛み、増大したリンパ節、咳、黄疸、腫大、体重減少、悪液質、発汗、貧血症、腫瘍随伴症の事象、血栓症などにより、これらの容態であると推測されてもよい。いくつかの実施形態では、個体は、本明細書に記載の処置方法のうちのいずれか1つのために、遺伝子プロファイリング、家族歴、病歴(例えば、関連する容態の発現及びウイルス感染歴)、生活様式又は習慣を含むがこれらに限定されない、当業者によって理解される複数の危険因子及び/又は診断手法のうちのいずれか1つ以上に基づいて選択される。
いくつかの実施形態では、個体は、本明細書に記載の処置方法のうちのいずれか1つのために、免疫チェックポイント分子、共刺激分子、サイトカイン、ケモカイン、他の免疫関連分子、及びHLAクラスII抗原を含むがこれらに限定されない、1つ以上のバイオマーカーの発現レベルに基づいて選択される。いくつかの実施形態では、個体は、処置のために、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、2B4及びこれらのリガンドを含むがこれらに限定されない、1つ以上の抑制性免疫チェックポイント分子の発現レベル(例えば、高発現レベル)に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、個体は、処置方法のために、OX40、4-1BB、CD40、及びこれらのリガンドを含むがこれらに限定されない、1つ以上の刺激性免疫チェックポイント分子又は共刺激分子の発現レベル(例えば、低発現レベル)に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、個体は、処置のために、腫瘍(腫瘍細胞及び/又は腫瘍内の免疫細胞など)中のPD-1、PD-L1、及びPD-L2からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの発現レベル(例えば、高発現レベル)に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、個体は、処置のために、腫瘍由来成熟樹状細胞中のCD80、CD83、CD86及びHLAクラスII抗原からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの発現レベル(例えば、高発現レベル)に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、個体は、処置のために、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CCR7、CCL5、CCL8、SOD2、MT2A、OASL、GBP1、HES4、MTIB、MTIE、MTIG、MTIH、GADD45A、LAMP3及びmiR-155からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの発現レベル(例えば、高発現レベル)に基づいて選択される。
いくつかの実施形態では、個体は、1つ以上の抑制性免疫チェックポイント分子の高発現を有する。いくつかの実施形態では、個体は、1つ以上の刺激性免疫チェックポイント分子及び/又は共刺激分子の低発現を有する。いくつかの実施形態では、個体は、腫瘍(腫瘍細胞及び/又は腫瘍内の免疫細胞など)中のPD-1、PD-L1、及びPD-L2からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの高発現を有する。いくつかの実施形態では、PD-L1及びPD-L2は、患者を選択するためのバイオマーカーとして又はPD-1を阻害するためのリガンドとして、互換的に使用することができる。いくつかの実施形態では、個体は、腫瘍由来成熟樹状細胞中のCD80、CD83、CD86及びHLAクラスII抗原からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの高発現を有する。例示的なHLAクラスII抗原には、前立腺腫瘍のPSA、HCCのαフェトプロテイン、腺癌のCEAなど、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍内で発現されている腫瘍特異的抗原及び腫瘍関連抗原が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体は、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CCR7、CCL5、CCL8、SOD2、MT2A、OASL、GBP1、HES4、MTIB、MTIE、MTIG、MTIH、GADD45A、LAMP3及びmiR-155からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの高発現を有する。いくつかの実施形態では、方法は、個体中の1つ以上のバイオマーカーの発現レベルを評価することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のバイオマーカーの発現レベルに基づいて調整される。
バイオマーカーの発現レベルは、核酸レベル(例えば、遺伝子コピー数、DNAメチル化又はクロマチン再構成レベル、mRNAレベル)で、又はバイオマーカーに対応したタンパク質のリン酸化レベルなど、タンパク質の翻訳後修飾レベルを含めて、タンパク質レベルで測定されてよい。発現レベルは、当該技術分野において周知の方法のうちのいずれかを使用して決定することができる。例えば、バイオマーカーのmRNA発現レベルを決定するための好適な方法には、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、定量的PCR、マイクロアレイ、及びRNA塩基配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、バイオマーカーのタンパク質発現レベルを決定するための好適な方法には、免疫組織化学的法、ウエスタンブロット法、及び質量分析法が挙げられるが、これらに限定されない。
バイオマーカーの発現レベルは、固形腫瘍若しくはリンパ系腫瘍組織、固形腫瘍若しくはリンパ系腫瘍組織に隣接した正常組織、固形腫瘍若しくはリンパ系腫瘍組織より遠位の正常組織、又は末梢血リンパ球を含むがこれらに限定されない、個体由来の新鮮な又は保存された試料を使用して決定されてよい。いくつかの実施形態では、試料は、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍組織である。いくつかの実施形態では、試料は、穿刺吸引の腫瘍細胞など、腫瘍細胞を含有する生検材料である。いくつかの実施形態では、生検採取細胞は、分析の前に、ペレットに遠心分離され、固定され、パラフィンに包埋される。いくつかの実施形態では、生検採取細胞は、分析の前に急速凍結される。いくつかの実施形態では、試料は、血液試料又は血漿試料など、体液である。いくつかの実施形態では、試料は、循環転移性癌細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、血液から循環性腫瘍細胞(CTC)を選別することによって得られる。
いくつかの実施形態では、個体の特定の細胞集団内の1つ以上のバイオマーカーの発現レベルは、個体由来の試料を使用して決定される。いくつかの実施形態では、試料は、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍から単離された又はこれに由来する免疫細胞を含む。バイオマーカー発現決定に適している例示的な免疫細胞には、樹状細胞(未熟又は成熟樹状細胞)、B細胞、T細胞(Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞、NK T細胞、Treg細胞など)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単核白血球、マクロファージ、好中球、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、試料は、腫瘍浸潤リンパ球を含む。いくつかの実施形態では、試料は、腫瘍由来成熟樹状細胞を含む。特定の細胞集団は、腫瘍試料(例えば、腫瘍生検又は切除)又は体液(例えば、血液試料)などの試料から、細胞集団内の特定の細胞表面分子の発現に基づいたフローサイトメトリー法など、当該技術分野において周知の方法を使用して単離することができる。
バイオマーカーの高又は低発現レベルは、当該技術分野において周知のバイオマーカーの標準発現レベル(例えば、標準検査において臨床的に許容できる正常レベル)と比較して、又は対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較して決定される。いくつかの実施形態では、個体内のバイオマーカーの発現レベルは、複数の対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較される。いくつかの実施形態では、複数の対照試料は、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する個体内のバイオマーカーのレベルを分類するために使用される統計値を生成するために使用される。対照試料は、非対照試料と同じ発生源(例えば、個体及び組織)及び方法から取得することができる。いくつかの実施形態では、対照試料は、異なる個体(例えば、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有しない個体、良性の若しくはあまり進行していない形態の固形腫瘍若しくはリンパ系腫瘍を有する個体、並びに/又は同様の人種、年齢、及び性別を共有する個体)から取得される。いくつかの実施形態では、対照試料は、適切な対照であると確定されている培養された組織又は細胞である。試料が固形腫瘍又はリンパ系腫瘍組織である、いくつかの実施形態では、対照試料は、同一個体由来の非癌性試料であってよい。いくつかの実施形態では、複数の(例えば、異なる個体由来の)対照試料は、特定の組織、臓器、又は細胞集団内のバイオマーカーのレベルの範囲を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、個体の試料中のバイオマーカーの発現レベルは、免疫組織化学的法に基づいた評価システムなど、評価システムに従って高、中又は低に分類される。いくつかの実施形態では、高発現のバイオマーカーは、対照試料と比べて少なくとも約1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍又はそれ以上のうちのいずれか1つの発現レベルの、個体由来の試料中のバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、低発現のバイオマーカーは、対照試料と比べて約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%又はそれ未満のうちのいずれか1つ以下の発現レベルの、個体由来の試料中のバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、2つ以上のバイオマーカーの発現レベルが、処置に適した個体を選択する又は提示するために、例えば、統計的モデルを使用して発現スコアを決定するように、組み合わされる。
膀胱内投与により膀胱癌を処置する方法
膀胱癌を処置するために、上記の方法のいずれかが使用されてよい。これに関連して、腫瘍溶解性ウイルスの局所投与は、腫瘍溶解性ウイルスの膀胱内投与を包含してよい。免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の全身投与は、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の静脈内投与を包含してよい。更に、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与は、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の静脈内投与を包含してよい。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルスを膀胱内に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ポリオウイルス、麻疹ウイルス、セネカバレーウイルス、コクサッキーウイルス、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス、マラバ及びラブドウイルス、並びにパルボウイルスからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与(膀胱内又は全身など)を更に含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは増殖性である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与(膀胱内又は全身など)を更に含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与(膀胱内又は全身など)を更に含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のアデノウイルス血清型5を膀胱内に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与(膀胱内又は全身など)を更に含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与(膀胱内又は全身など)を更に含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
本明細書に記載の方法は、様々な膀胱癌状態を処置するために使用することができる。いくつかの実施形態では、膀胱癌は低悪性度膀胱癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は高悪性度膀胱癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は筋層浸潤性である(例えば、T2、T3又はT4)。いくつかの実施形態では、膀胱癌は非浸潤性である(例えば、Ta、T1 Cis、Ta及び/又はT1を有するCis)。
いくつかの実施形態では、膀胱癌は、乳頭腫瘍及び扁平癌を含むがこれらに限定されない、移行上皮癌又は尿路上皮癌(転移性尿路上皮癌など)である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は転移性尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は膀胱の尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は尿管の尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は尿道の尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は腎盂の尿路上皮癌である。
いくつかの実施形態では、膀胱癌は扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は非扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は腺癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は小細胞癌である。
いくつかの実施形態では、膀胱癌は、初期膀胱癌、非転移性膀胱癌、非浸潤性膀胱癌、筋層非浸潤性膀胱癌、原発性膀胱癌、進行膀胱癌、局所進行膀胱癌(局所的に切除不能な進行膀胱癌など)、転移性膀胱癌、又は寛解期の膀胱癌である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は、局限性切除可能、局限性切除不能、又は切除不能である。いくつかの実施形態では、膀胱癌は、標準的な膀胱内注入(膀胱内)治療に対して抵抗力があった高悪性度の筋層非浸潤性癌である。
本明細書で提供される方法は、膀胱癌と診断された又は膀胱癌を有する疑いのある個体(例えば、ヒト)を処置するために使用することができる。いくつかの実施形態では、個体は腫瘍切除を受けている。いくつかの実施形態では、個体は手術を拒否している。いくつかの実施形態では、個体は医学的に手術不能である。いくつかの実施形態では、個体は、Ta、Tis、T1、T2、T3a、T3b、又はT4膀胱癌の臨床病期にある。いくつかの実施形態では、個体は、Tis、CIS、Ta、又はT1の臨床病期にある。
いくつかの実施形態では、個体は、以前に膀胱癌に関して処置されている(「前治療」とも称する)。いくつかの実施形態では、個体は、以前に膀胱癌に関して標準的治療で処置されている。いくつかの実施形態では、前標準的治療はBCGによる処置である。いくつかの実施形態では、前標準的治療はマイトマイシンCによる処置である。いくつかの実施形態では、前標準的治療はインターフェロン(インターフェロンαなど)による処置である。いくつかの実施形態では、個体は、寛解期の膀胱癌、進行性膀胱癌、又は再発性膀胱癌を有する。いくつかの実施形態では、個体は、他の薬剤(白金系薬剤、BCG、マイトマイシンC、及び/又はインターフェロンなど)による膀胱癌の処置に抵抗性がある。いくつかの実施形態では、個体は、初期に他の薬剤(白金系薬剤、又はBCGなど)による膀胱癌の処置に応答性があるが、処置後に進行している。
いくつかの実施形態では、個体は、前治療(前標準的治療など、例えばBCGによる処置)後に再発性膀胱癌(臨床病期Ta、Tis、T1、T2、T3a、T3b、又はT4の膀胱癌など)を有する。例えば、個体は、初期に前治療に対して応答性であり得るが、前治療を中止すると、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、又は60か月のいずれか後に膀胱癌を発症する。
免疫刺激剤及び免疫チェックポイント阻害剤を含めて、本明細書に記載の免疫調節薬のいずれかが、併用療法において全身又は膀胱内投与のために使用されてよい。免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、アプタマー、mRNA、siRNA、microRNA、shRNA、ペプチド、抗体、アンチカリン、球状核酸、TALEN、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、CRISPR/Cas9、及び小分子を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において周知の分子モダリティのうちのいずれか1つに属し得る。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、免疫刺激分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、OX40のリガンド(例えば、OX40L)、CD-28のリガンド(例えば、CD80、CD86)、ICOSのリガンド(例えば、B7RP1)、4-1BBのリガンド(例えば、4-1BBL、Ultra4-1BBL)、CD27のリガンド(例えば、CD70)、CD40のリガンド(例えば、CD40L)、及びTCRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はクラスII分子、IMCgp100)が挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、抗CD28(例えば、TGN-1412)、抗OX40(例えば、MEDI6469、MEDI-0562)、抗ICOS(例えば、MEDI-570)、抗GITR(例えば、TRX518、INBRX-110、NOV-120301)、抗41-BB(例えば、BMS-663513、PF-05082566)、抗CD27(例えば、BION-1402、バルリルマブ及びhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870、893、BI-655064、BMS-986090、APX005、APX005M)、抗CD3(例えば、ブリナツモマブ、ムロモナブ)、及び抗HVEMからなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイント分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、CTLA-4のリガンド(例えば、B7.1、B7.2)、TIM3のリガンド(例えば、Galectin-9)、A2a受容体のリガンド(例えば、アデノシン、レガデノソン)、LAG3のリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、BTLAのリガンド(例えば、HVEM、B7-H4)、KIRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、PD-1のリガンド(例えば、PD-L1、PD-L2)、IDOのリガンド(例えば、NKTR-218、Indoximod、NLG919)、CD47のリガンド(例えば、SIRP-α受容体)、及びCSF1Rのリガンドが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイントタンパク質を標的にする抗体である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、抗CTLA-4(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ、KAHR-102)、抗TIM3(例えば、F38-2E2、ENUM005)、抗LAG3(例えば、BMS-986016、IMP701、IMP321、C9B7W)、抗KIR(例えば、リリルマブ、IPH2101、IPH4102)、抗PD-1(例えば、ニボルマブ、ピディリズマブ、ペンブロリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、ランブロリズマブ、MK-3475、AMP-224、AMP-514、STI-A1110、TSR-042)、抗PD-L1(例えば、KY-1003(EP20120194977)、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS-936559、MEDI-4736、MSB0010718C、AUR-012、STI-A1010、PCT/US2001/020964、MPDL3280A、AMP-224、ダピロリズマブペゴル(CDP-7657)、MEDI-4920)、抗CD73(例えば、AR-42(OSU-HDAC42、HDAC-42、AR42、AR 42,OSU-HDAC 42、OSU-HDAC-42、NSC D736012、HDAC-42、HDAC 42、HDAC42、NSCD736012、NSC-D736012)、MEDI-9447)、抗B7-H3(例えば、MGA271、DS-5573a、8H9)、抗CD47(例えば、CC-90002、TTI-621、VLST-007)、抗BTLA、抗VISTA、抗A2aR、抗B7-1、抗B7-H4、抗CD52(アレムツズマブなど)、抗IL-10、抗IL-35、抗TGF-β(フレソルミマブなど)、抗CSF1R(例えば、FPA008)、抗NKG2A(例えば、モナリズマブ)、抗MICA(例えば、IPH43)、及び抗CD39からなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
いくつかの実施形態では、方法は、単一の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも2つ(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫調節薬の全身投与(静脈内投与など)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの免疫調節薬の全部又は一部は、単一組成物の中でなど、同時に投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの免疫調節薬の全部又は一部は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤と免疫刺激剤とを含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与(静脈内投与など)を含む。いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)のチェックポイント阻害剤を含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与(静脈内投与など)を含む。いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤を含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与(静脈内投与など)を含む。いくつかの実施形態では、方法は、任意の数(1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上など)の免疫チェックポイント阻害剤と任意の数(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤とを含む免疫調節薬の組み合わせの全身投与(静脈内投与など)を含む。いくつかの実施形態では、方法は、OX40阻害剤(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)の全身投与(静脈内投与など)を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の膀胱内投与を更に含む。
いくつかの実施形態では、方法は、単一の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも2つ(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの免疫調節薬の全部又は一部は、単一組成物の中でなど、同時に投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの免疫調節薬の全部又は一部は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤と免疫刺激剤とを含む免疫調節薬の組み合わせの膀胱内投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)のチェックポイント阻害剤を含む免疫調節薬の組み合わせの膀胱内投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤を含む免疫調節薬の組み合わせの膀胱内投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、任意の数(1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上など)の免疫チェックポイント阻害剤と任意の数(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤とを含む免疫調節薬の組み合わせの膀胱内投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、CTLA-4阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)及びCD40アゴニスト(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、APX005M)の膀胱内投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、CTLA-4阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)及び4-1BBアゴニスト(アゴニスト抗4-1BB抗体など、例えば、PF-05082566)の膀胱内投与を含む。
したがって、例えば、いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)CTLA-4の有効量の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブである。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCTLA-4の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CTLA-4の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CTLA-4の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCTLA-4の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)CTLA-4の有効量の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のアデノウイルス血清型5を膀胱内に投与することと、b)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブである。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CTLA-4の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CTLA-4の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCTLA-4の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、又はピディリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-1/PD-L1相互作用の阻害剤又はPD-1/PD-L2相互作用の阻害剤など、PD-1とそのリガンドとの間の相互作用の阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-L2のFc融合(例えば、AMP-224)など、PD-1リガンドを含むFc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤(CTLA-4阻害剤など)又は免疫刺激剤(例えば、CD40賦活物質又は4-1BB賦活物質)など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤(CTLA-4阻害剤など)又は免疫刺激剤(例えば、CD40賦活物質又は4-1BB賦活物質)など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のアデノウイルス血清型5を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のアデノウイルス血清型5を膀胱内に投与することであって、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータ及びE3 19kDコード領域が、ヒトE2F-1プロモータ、及び免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている核酸に置換されている、ことと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を膀胱内に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1の阻害剤(抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、若しくはピディリズマブ、又はPD-1リガンドのFc融合タンパク質、例えば、AMP-224、など)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は抗PD-1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、又はピディリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-1/PD-L1相互作用の阻害剤又はPD-1/PD-L2相互作用の阻害剤など、PD-1とそのリガンドとの間の相互作用の阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は、PD-L2のFc融合(例えば、AMP-224)など、PD-1リガンドを含むFc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、抗PD-L1抗体、例えば、KY-1003、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS935559、MPDL3280A、MEDI4736、アベルマブ、又はSTI-A1010である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は抗PD-L2抗体である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、AUR-012、及びAMP-224など、PD-L1とPD-L2の両方の阻害剤(例えば、ペプチド、タンパク質又は小分子)である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1リガンドの阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1リガンドの阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、PD-1リガンドの阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びPD-1リガンドの阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のアデノウイルス血清型5を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-1リガンドの阻害剤(抗PD-L1若しくは抗PD-L2抗体、又はPD-L1とPD-L2の両方の阻害剤など)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、抗PD-L1抗体、例えば、KY-1003、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS935559、MPDL3280A、MEDI4736、アベルマブ、又はSTI-A1010である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は抗PD-L2抗体である。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は、AUR-012、及びAMP-224など、PD-L1とPD-L2の両方の阻害剤(例えば、ペプチド、タンパク質又は小分子)である。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、PD-1リガンドの阻害剤は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1リガンドの阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1リガンドの阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-1リガンドの阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-1リガンドの阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量のPD-L1の阻害剤(アンタゴニスト抗PD-L1抗体など、例えば、アテゾリズマブ)を静脈内に投与することと、c)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体など、例えばイピリムマブ)を膀胱内に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、約1mg/kg~約20mg/kg、又は約750mg~約1200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、約1か月に1回~約2週間に1回(約2週間に1回、約3週間に1回、又は約4週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、約0.1mg/kg~約10mg/kg(1週間に1回、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、CG0070の投与直後(例えば、投与後の5分以内)に投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、アテゾリズマブなど、PD-L1のアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ(例えば、YERVOY(登録商標))である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-L1の阻害剤は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-L1の阻害剤の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、PD-L1の阻害剤の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びPD-L1の阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、個体には、CG0070の投与と組み合わせて、有効量のDDMが形質導入増強剤として膀胱内に更に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、1処置単位として約1~約6週間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、処置単位は、約2~約3か月ごとに繰り返される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗CD40抗体(例えば、APX005M)など、CD40賦活物質である。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗4-1BB抗体(例えば、PF-05082566)など、4-1BB賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は、アゴニスト抗CD40抗体、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005Mである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCD40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CD40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、CD40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びCD40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のアデノウイルス血清型5を膀胱内に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量のCD40の賦活物質(アゴニスト抗CD40抗体など、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005M)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は、アゴニスト抗CD40抗体、例えば、CP-870,893、ダセツズマブ、ChiLob 7/4又はAPX005Mである。いくつかの実施形態では、CG007は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、CD40の賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCD40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CD40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、CD40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びCD40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、アゴニスト抗OX40抗体、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びOX40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、OX40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、OX40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及びOX40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を膀胱内に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のアデノウイルス血清型5を膀胱内に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量のOX40の賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を全身的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、アゴニスト抗OX40抗体、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86である。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、約0.001mg/kg~約10mg/kg(約0.003mg/kg~約0.01mg/kg、約0.01mg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、約1か月に1回~約1週間に1回(約1週間に1回、約2週間に1回、又は約3週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びOX40の賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40の賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40の賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及びOX40の賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫刺激剤など、第3の免疫調節薬の投与(全身投与又は膀胱内投与など)を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の膀胱癌を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を膀胱内に投与することと、b)有効量のOX40賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を静脈内に投与することと、c)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を膀胱内に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、OX40賦活物質は、約0.001mg/kg~約10mg/kg(約0.003mg/kg~約0.01mg/kg、約0.01mg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、約1か月に1回~約1週間に1回(約1週間に1回、約2週間に1回、又は約3週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、約0.1mg/kg~約10mg/kg(1週間に1回、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、CG0070の投与直後(例えば、投与後の5分以内)に投与される。いくつかの実施形態では、OX40賦活物質は、GSK3174998など、OX40のアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ(例えば、YERVOY(登録商標))である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、CG0070及びOX40賦活物質は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40賦活物質の投与に先立って(投与直前などに)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、OX40賦活物質の投与後(投与直後など)に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070及びOX40賦活物質は同時に投与される。いくつかの実施形態では、個体には、CG0070の投与と組み合わせて、有効量のDDMが形質導入増強剤として膀胱内に更に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、1処置単位として約1~約6週間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、処置単位は、約2~約3か月ごとに繰り返される。いくつかの実施形態では、方法は、免疫刺激剤など、第2の免疫調節薬の膀胱内投与を更に含む。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗CD40抗体(例えば、APX005M)など、CD40賦活物質である。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬は、アゴニスト抗4-1BB抗体(例えば、PF-05082566)など、4-1BB賦活物質である。
腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の膀胱内投与は、比較的簡便でしかも効果的に膀胱内腫瘍を腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加の第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)に暴露させるまたとない機会を提供すると同時に、他の組織への毒性を潜在的に減少させる。腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(第1、第2、第3の免疫調節薬、及び免疫調節薬の組み合わせを含む)の好適な用量及び投薬頻度は、前項において腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(第1、第2、第3の免疫調節薬、及び免疫調節薬の組み合わせを含む)の局所投与に関してそれぞれに記載したのと同じ範囲内である。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、点滴注入によって溶液としてカテーテル経由で投与される。いくつかの実施形態では、膀胱内注入(intravesical installation)に使用される溶液の総体積は、約1mL、10mL、50mL、75mL、100mL、125mL、150mL、200mL、250mL、300mL、400mL又は500mLのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、膀胱内注入に使用される溶液の総体積は、約1mL~約10mL、約10mL~約50mL、約50mL~約75mL、約75mL~約100mL、約100mL~約125mL、約75mL~約125mL、約100mL~約150mL、約150mL~約200mL、約200mL~約300mL、約300mL~約400mL、約400mL~約500mL、約50mL~約500mL、約50mL~約250mL、又は約100mL~約250mLのうちのいずれかである。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、約1×108~約1×1015粒子(約1×1011~約1×1014粒子など、例えば約1×1012粒子)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、点滴注入によって約50~約500mL(約100mLなど)の体積で投与される。
いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、約0.1mg/kg~約100mg/kg(約0.1mg/kg~約0.3mg/kg、約0.1mg/kg~約0.5mg/kg、約0.5mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約10mg/kg~約50mg/kg、約50mg/kg~約100mg/kg、又は約1mg/kg~約100mg/kgなど)の用量で膀胱内に投与される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、1回投与当たり約500mg、400mg、300mg、200mg、100mg、80mg、60mg、40mg、20mg、又は10mgのうちのいずれか以下の用量で膀胱内に投与される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、点滴注入によって約1mL~約500mL(約100mLなど)の体積で膀胱内に投与される。
腫瘍溶解性ウイルス及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の溶液は、膀胱腫瘍細胞の間で腫瘍溶解性ウイルス、任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の均一分布又は十分な暴露を達成するために、排尿前に一定時間膀胱内に保持されてよい。いくつかの実施形態では、溶液は、少なくとも約5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間、2時間、又はそれ以上のうちのいずれかにわたって個体の膀胱内に保持される。いくつかの実施形態では、溶液は、約5分~約10分、約10分~約15分、約10分~約20分、約20分~約30分、約30分~約45分、約45分~約50分、約50分~約1時間、約5分~約15分、約10分~約30分、約30分~約1時間、又は約1時間~約2時間のうちのいずれかにわたって個体の膀胱内に保持される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性ウイルスなど、例えば、CG0070)は、約45分~約50分にわたって個体の膀胱内に保持される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、約45分~1時間にわたって膀胱内に保持される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスの膀胱内投与の効率は、有効量の形質導入増強剤(DDMなど)の膀胱内投与を含む前処置によって更に高まる。
いくつかの実施形態では、前処置工程は、腫瘍溶解性ウイルスの投与に先立って個体内の膀胱の管腔側を前処置組成物と接触させることによって行われる。例えば、前処置組成物は、約0.01%~約0.5%(0.05~約0.2%など、例えば約0.1%)の形質導入増強剤(DDMなど)を含んでよい。いくつかの実施形態では、前処置組成物(DDMなど)の総体積は、約10mL~約1000mL(約10mL~約100mL、約100mL~約500mL、又は約500mL~約1000mLなど)である。いくつかの実施形態では、前処置組成物の好適な用量は、約0.1g、0.2g、0.5g、0.75g、1g、1.5g、2g、2.5g、5g、又は10gのうちのいずれか1つの形質導入増強剤(DDMなど)である。いくつかの実施形態では、有効量の前処置組成物は、約1gのDDM(例えば、100mLの0.1%DDM溶液)である。
いくつかの実施形態では、前処置組成物(DDMなど)は、腫瘍溶解性ウイルスの投与直前(投与前の5分以内など)に投与される。いくつかの実施形態では、前処置組成物(DDMなど)は、腫瘍溶解性ウイルスの投与前の約5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間、90分、2時間、3時間又は4時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、前処置組成物(DDMなど)は、腫瘍溶解性ウイルスの投与前の約2時間以内に投与される。いくつかの実施形態では、前処置組成物(DDM溶液など)は、少なくとも約5分、10分、15分、又は20分のうちのいずれか1つにわたって膀胱内に保持される。いくつかの実施形態では、前処置組成物(DDM溶液など)は、約5分~約10分、約10分~約15分、約12分~約15分、約15分~約20分、又は約10分~約20分のいずれかにわたって膀胱内に保持される。いくつかの実施形態では、前処置組成物(DDM溶液など)は、約12分~約15分にわたって膀胱内に保持される。
いくつかの実施形態では、前処置工程は、腫瘍溶解性ウイルスの投与に先立って個体内の膀胱の管腔側を前処置組成物と接触させることによって行われる。
いくつかの実施形態では、方法は、前処置組成物と接触する膀胱の管腔側を洗浄することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、膀胱を前処置組成物と接触させた後に腫瘍溶解性ウイルスの投与に先立って膀胱の管腔側を洗浄することを更に含む。
いくつかの実施形態では、前処置工程は、「固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法」の項に記載のとおりの1つ以上の腫瘍部位調製工程を含む。
いくつかの実施形態では、前処置は、有効量の免疫関連分子(サイトカイン、ケモカイン又はPRRagoなど)の膀胱内投与を含む。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、LTαβ、STING賦活物質(CDNなど)、PRRago(CpG、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、その天然形式で直接的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、腫瘍部位内でのその代謝、放出及び/又は減衰を遅らせることができる、賦形剤又は当該技術分野で周知の任意の化合物を含むことになる形式で投与される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、1つ以上の追加の免疫関連分子と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、組み合わされた2つ以上の免疫関連分子は、腫瘍部位内でのその代謝、放出及び/又は減衰に作用することができる、賦形剤又は当該技術分野で周知の任意の化合物を含むことになる形式で投与される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、樹状細胞、T細胞、B細胞、及び/又は濾胞性ヘルパーT細胞を誘引する。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、腫瘍溶解性ウイルスとは別個に(例えば、別個の組成物で又は同一組成物内の別個の実体として)投与される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、腫瘍の部位に形質導入によって投与される。当該技術分野において周知の例示的な形質導入方法には、リン酸カルシウム、デンドリマー、リポソーム、カチオン性ポリマー、電気穿孔法、セルスクイージング、ソノポレーション、光学的遺伝子移入、原形質融合、インペールフェクション、水力学的な送達、遺伝子銃、マグネトフェクション、ウイルス性遺伝子移入、及びヌクレオフェクションの使用が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、腫瘍溶解性ウイルスによって発現させられる。例えば、腫瘍溶解性ウイルスは、免疫関連分子をコードしている核酸を含んでよく、核酸は、ウイルスベクター内に存在することも、別個のベクター上に存在することもできる。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスはウイルスベクターを含み、ウイルスベクターは、免疫関連分子をコードしている核酸を含む。いくつかの実施形態では、免疫関連分子をコードしている核酸は、E1プロモータ又はE3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。
いくつかの実施形態では、前処置工程は、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って、有効量の放射線治療を個体の膀胱に投与することを含む。いくつかの実施形態では、放射線治療は、化学療法と組み合わされている。いくつかの実施形態では、放射線治療は、化学療法なしで投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療は、全身への照射を含む。いくつかの実施形態では、放射線治療は、腫瘍部位のみへの照射である。いくつかの実施形態では、放射線治療は、腫瘍を有する組織への照射である。いくつかの実施形態では、放射線治療は、腫瘍溶解性ウイルスの局所投与のために選択された腫瘍の部位のみへの照射である。いくつかの実施形態では、放射線治療は、腫瘍溶解性ウイルスの局所投与のために選択された腫瘍を有する組織のみへの照射である。いくつかの実施形態では、放射線治療の線量は、腫瘍を処置するのに不十分である。例えば、放射線治療の好適な線量は、約1Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、25Gy、30Gy、35Gy、40Gy、45Gy、50Gy、55Gy、60Gy、65Gy、70Gy、75Gy、80Gy、90Gy又は100Gyのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療の線量は、約1Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、25Gy、30Gy、35Gy、40Gy、45Gy、50Gy、55Gy、60Gy、65Gy、70Gy、75Gy、80Gy、90Gy又は100Gyのうちのいずれか1つ以下である。いくつかの実施形態では、放射線治療の線量は、約1Gy~約5Gy、約5Gy~約10Gy、約10Gy~約15Gy、約15Gy~約20Gy、約20Gy~約25Gy、約25Gy~約30Gy、約30Gy~約35Gy、約5Gy~約15Gy、約10Gy~約20Gy、約20Gy~約30Gy、約30Gy~約40Gy、約40Gy~約50Gy、約50Gy~約60Gy、約60Gy~約70Gy、約70Gy~約80Gy、約80Gy~約100Gy、約10Gy~約30Gy、約20Gy~約40Gy、約1Gy~約25Gy、約25Gy~約50Gy、約30Gy~約60Gy、約60Gy~約80Gy、又は約10Gy~約60Gyのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、16、18、20又はそれ以上の分割のうちのいずれか1つなど、2以上の分割で投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療の分割は、約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間又はそれ以上のうちのいずれか1つにわたって投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療の分割は、約1日~約5日、約1週間~約2週間、約2週間~約3週間、約3週間~約4週間、約4週間~約5週間、約5週間~約6週間、約6週間~約7週間、約2週間~約4週間、約4週間~約6週間、又は約1週間~約6週間のうちのいずれか1つにわたって投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療は、1日当たり約2つの分割で投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、成人に対して、1週間に5日、1日当たり約1.8Gy~約2Gy、又は小児に対して、1週間に5日、1日当たり約1.5Gy~約1.8Gyである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy、1.5Gy、2Gy、2.5Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、30Gy、40Gy、50Gy又はそれ以上のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy~約1.5Gy、約1.5Gy~約2Gy、約1Gy~約2.5Gy、約2.5Gy~約5Gy、約5Gy~約10Gy、約10Gy~約15Gy、約15Gy~約20Gy、約20Gy~約30Gy、約25Gy~約50Gy、約1Gy~約10Gy、又は約2Gy~約20Gyのうちのいずれか1つである。
いくつかの実施形態では、放射線治療は、単一の分割で投与される。いくつかの実施形態では、放射線治療は、1日当たり単一の線量分割として、又は数日~数週間にわたって複数の分割で、のいずれかによってリンパ球枯渇を達成することを目的としている。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇放射線治療は、全身照射として与えられる。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇は、局所腫瘍部位に又は腫瘍を有する組織にのみ与えられる。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇放射線治療は、1日当たり2つの分割で投与される。いくつかの実施形態では、リンパ球枯渇放射線治療のそれぞれの分割は、成人に対して、1週間に5日、1日当たり約1Gy~約2Gy、又は小児に対して、1週間に5日、1日当たり約0.5Gy~約1.8Gyである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy、1.5Gy、2Gy、2.5Gy、5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、30Gy、40Gy、50Gy又はそれ以上のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、放射線治療のそれぞれの分割は、約1Gy~約1.5Gy、約1.5Gy~約2Gy、約1Gy~約2.5Gy、約2.5Gy~約5Gy、約5Gy~約10Gy、約10Gy~約15Gy、約15Gy~約20Gy、約20Gy~約30Gy、約25Gy~約50Gy、約1Gy~約10Gy、又は約2Gy~約20Gyのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、シクロホスファミド及びフルダラビンなどであるが、これらに限定されない、化学療法薬の使用あり又はなしで、リンパ球枯渇放射線治療は投与される。
本発明では、体外照射療法(EBRT又はXRT)、遠隔放射線療法、組織内照射療法、密封線源放射線療法、全身放射性同位元素療法(RIT)、非密封線源放射線療法、術中放射線療法(IORT)、標的術中放射線療法(TARGIT)、強度変調放射線療法(IMRT)、強度変調回転放射線療法(VMAT)、粒子線療法、及びオージェ療法を含むがこれらに限定されない、放射線治療の周知の方法のうちのいずれかが使用されてよい。
いくつかの実施形態では、前処置工程は、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の投与に先立って、有効量の治療薬を個体内の膀胱の管腔側へ直接的に又は(例えば、静脈内経路を介して)間接的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、当該技術分野において周知の化学療法薬のうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせであり、例えば、シクロホスファミドである。いくつかの実施形態では、治療薬は、当該技術分野において周知の細胞シグナル伝達経路を標的とする又はブロックする薬剤のうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせであり、例えば、BRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、治療薬は、当該技術分野において周知の細胞療法のうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせであり、例えば、TIL細胞、CAR/T細胞、及び/又はTCR/T細胞である。いくつかの実施形態では、治療薬は、免疫原性経路に関わるサイトカインの濃度を高める薬剤である。IL6、IL8及びIL18などのサイトカイン(これらのサイトカインは炎症促進作用及び/又は抗炎症作用のいずれかを有することができる、又はいくつかは新血管形成及び腫瘍増殖を促進し得る)、ケモカイン(リンパ組織の増殖によって腫瘍拡散を促進することができるCCL21など)、成長因子(FLT3Lなど)、熱ショックタンパク質、小分子キナーゼ阻害剤(JAK2阻害剤など)、及びIAP阻害剤を含むが、これらに限定されない、本明細書に記載の免疫関連分子のうちのいずれかが治療薬として使用されてよい。いくつかの実施形態では、治療薬は、腫瘍の構造構成要素に機能障害又は損傷を引き起こす薬剤である。例示的な薬剤には、抗VEGF抗体、ヒアルロニダーゼ、及びn-ドデシル-β-マルトシドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、治療薬は、樹状細胞、B細胞、及びT細胞(濾胞性Tヘルパー細胞など)など、免疫細胞を誘引する。
腫瘍細胞との併用療法
上記の方法はいずれも、腫瘍部位に対する複数の不活性化腫瘍細胞の局所投与と組み合わせることができる。
これに合わせて、本願の一態様は、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法に関するものであり、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を局所的に投与することと、d)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。この少なくとも3成分の組み合わせ治療方法は、腫瘍溶解性ウイルスと免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)とを含む併用療法のための上記の方法の任意の実施形態を含んでよい。不活性化腫瘍細胞を含む本組み合わせ治療方法は、効果を最大限に活かし、かつ、個体への治療の毒性を最小限に抑えるように、3つの成分、すなわち、腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性ウイルスなど、例えば、腫瘍溶解性アデノウイルス)、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び不活性化腫瘍細胞のそれぞれについて用量、投薬頻度及び/又は投与経路などの投与パラメータを独立して調整することができることから、同様の成分を使用する他の癌免疫治療方法よりも有利である。
いかなる理論又は仮説にも束縛されるものではないが、この3成分併用療法では、不活性化状態であるが生きている腫瘍細胞(本明細書において「生きている癌細胞」又は「生きている腫瘍細胞」とも称する)の外部発生源は、それらの腫瘍が起源において自家又は同種のいずれであるかに関係なく、腫瘍の部位で投与されるときに新しい抗原の追加の、しかも重要な発生源を提供し得ると考えられる。この文脈における外部発生源とは、これらの腫瘍細胞が以前に同じ個体から又は別の個体から既に切除されていることを意味する。細胞は、増殖のためのインビトロ培養、冷凍保存、解凍、及び性質決定を更に受けていてもよい。不活性化腫瘍細胞のこの外部発生源は、時にはT細胞応答を刺激することができるだけでなく、B細胞を誘引することもあり得、また時には前述のように腫瘍溶解性ウイルス(ウイルスなど)及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)と相乗的である大量の抗体応答を引き起こすことができると考えられる。
したがって、いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ポリオウイルス、麻疹ウイルス、セネカバレーウイルス、コクサッキーウイルス、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス、マラバ及びラブドウイルス、並びにパルボウイルスからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は自家である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は同種である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は腫瘍細胞株由来である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は同時に(例えば、単一組成物の中で)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直前に混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直後に投与部位で混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは増殖性である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は自家である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は同種である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は腫瘍細胞株由来である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は同時に(例えば、単一組成物の中で)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直前に混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直後に投与部位で混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は自家である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は同種である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は腫瘍細胞株由来である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は同時に(例えば、単一組成物の中で)投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直前に混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直後に投与部位で混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のアデノウイルス血清型5を局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することと、を含み、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータは、ヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域は、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている異種遺伝子に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は自家である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は同種である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は腫瘍細胞株由来である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、アデノウイルス及び不活性化腫瘍細胞は同時に(例えば、単一組成物の中で)投与される。いくつかの実施形態では、アデノウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直前に混合される。いくつかの実施形態では、アデノウイルス及び不活性化腫瘍細胞は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、アデノウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直後に投与部位で混合される。いくつかの実施形態では、アデノウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、アデノウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)腫瘍の部位に有効量のCG0070を局所的に投与することと、b)腫瘍の部位に有効量の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を全身的に投与することと、c)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤(少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤、少なくとも2つの免疫刺激剤、又は少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び少なくとも1つの免疫刺激剤の組み合わせなど)を含む、免疫調節薬の組み合わせの全身投与を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1週間~約6週間(少なくとも約3週間、4週間又は5週間のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は自家である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は同種である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は腫瘍細胞株由来である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は同時に(例えば、単一組成物の中で)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直前に混合される。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直後に投与部位で混合される。いくつかの実施形態では、CG0070、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍を有する組織に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、及び/又は不活性化腫瘍細胞は、腫瘍内へ直接的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬、及び/又は第2の免疫調節薬、及び/又は第3の免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質である。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を腫瘍内に投与することと、b)有効量のPD-L1阻害剤(アンタゴニスト抗PD-L1抗体など、例えば、アテゾリズマブ)を静脈内に投与することと、c)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を腫瘍内に投与することと、d)任意追加的に、有効量の4-1BB賦活物質(アゴニスト抗4-1BB抗体など、例えば、PF-05082566)を腫瘍内に投与することと、e)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞(同種不活性化腫瘍細胞など)を腫瘍内に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、約1mg/kg~約20mg/kg、又は約750mg~約1200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、約1か月に1回~約2週間に1回(約2週間に1回、約3週間に1回、又は約4週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、4-1BB賦活物質は、約0.1mg~約100mg(約1mg、3mg、6mg、12mg、又は24mgのうちのいずれか以下など)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、4-1BB賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、有効量の不活性化腫瘍細胞は、少なくとも約104の有効量のCG0070である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤及び4-1BB賦活物質は、CG0070及び不活性化腫瘍細胞の投与直後(例えば、投与後の5分以内)に投与される。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、アテゾリズマブなど、PD-L1のアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ(例えば、YERVOY(登録商標))である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、4-1BB賦活物質は、PF-05082566など、アゴニスト抗4-1BB抗体である。いくつかの実施形態では、個体には、CG0070の投与と組み合わせて、有効量のDDMが形質導入増強剤として腫瘍内に更に投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は同時に(例えば、単一組成物の中で)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直前に混合される。いくつかの実施形態では、CG0070、CTLA-4の阻害剤、41-BB賦活物質、及び不活性化腫瘍細胞は、腫瘍を有する組織内に注射によって投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、CTLA-4の阻害剤、41-BB賦活物質、及び不活性化腫瘍細胞は、腫瘍内へ注射によって直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、CTLA-4の阻害剤、41-BB賦活物質、及び不活性化腫瘍細胞は、1処置単位として約1週間~約8週間(約4週間又は約6週間など)にわたって1週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、処置単位は、約2か月~約3か月ごとに繰り返される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、頭部及び頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、肝癌、膵臓腺癌、胆嚢及び胆管癌、卵巣癌、子宮頸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、骨癌、中皮腫、脳癌、軟部組織肉腫、子宮癌、甲状腺癌、上咽頭癌、並びに黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、前治療に対して抵抗力があったものである。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法が提供され、この方法は、a)有効量のCG0070を腫瘍内に投与することと、b)有効量のOX40賦活物質(アゴニスト抗OX40抗体など、例えば、MEDI6469、MEDI0562、MEDI6383、GSK3174998、KHK4083又はInVivoMAbクローンOX-86)を静脈内に投与することと、c)有効量のCTLA-4の阻害剤(抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ、又は人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリン、など)を腫瘍内に投与することと、d)任意追加的に、有効量の4-1BB賦活物質(アゴニスト抗4-1BB抗体など、例えば、PF-05082566)を腫瘍内に投与することと、e)腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞(同種不活性化腫瘍細胞など)を腫瘍内に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、CG0070は、約1×108~約1×1014ウイルス粒子(vp)(約1×108~約1×1010、約1×1010~約1×1012、又は約1×1012~約1×1014vpのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、CG0070は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、OX40賦活物質は、約0.001mg/kg~約10mg/kg(約0.003mg/kg~約0.01mg/kg、約0.01mg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kgのうちのいずれかなど)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、OX40の賦活物質は、約1か月に1回~約1週間に1回(約1週間に1回、約2週間に1回、又は約3週間に1回など)で投与される。いくつかの実施形態では、4-1BB賦活物質は、約0.1mg~約100mg(約1mg、3mg、6mg、12mg、又は24mgのうちのいずれか以下など)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、4-1BB賦活物質は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、有効量の不活性化腫瘍細胞は、少なくとも約104の有効量のCG0070である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤及び4-1BB賦活物質は、CG0070及び不活性化腫瘍細胞の投与直後(例えば、投与後の5分以内)に投与される。いくつかの実施形態では、OX40賦活物質は、GSK3174998など、OX40のアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ(例えば、YERVOY(登録商標))である。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤は、人工リポカリンタンパク質、例えばCTLA-4を特異的に認識するアンチカリンである。いくつかの実施形態では、4-1BB賦活物質は、PF-05082566など、アゴニスト抗4-1BB抗体である。いくつかの実施形態では、個体には、CG0070の投与と組み合わせて、有効量のDDMが形質導入増強剤として腫瘍内に更に投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は同時に(例えば、単一組成物の中で)投与される。いくつかの実施形態では、CG0070及び不活性化腫瘍細胞は、投与の直前に混合される。いくつかの実施形態では、CG0070、CTLA-4の阻害剤、41-BB賦活物質、及び不活性化腫瘍細胞は、腫瘍を有する組織内に注射によって投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、CTLA-4の阻害剤、41-BB賦活物質、及び不活性化腫瘍細胞は、腫瘍内へ注射によって直接的に投与される。いくつかの実施形態では、CG0070、CTLA-4の阻害剤、41-BB賦活物質、及び不活性化腫瘍細胞は、1処置単位として約1週間~約8週間(約4週間又は約6週間など)にわたって1週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、処置単位は、約2か月~約3か月ごとに繰り返される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、頭部及び頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、肝癌、膵臓腺癌、胆嚢及び胆管癌、卵巣癌、子宮頸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、骨癌、中皮腫、脳癌、軟部組織肉腫、子宮癌、甲状腺癌、上咽頭癌、並びに黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、前治療に対して抵抗力があったものである。
不活性化腫瘍細胞は、自家発生源、同種発生源、腫瘍細胞株及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な発生源から取得されてよい。典型的には、不活性化腫瘍細胞は同じ種類に属するか、又は同じ腫瘍抗原及び処置される固形腫瘍若しくはリンパ系腫瘍のうちの1つ以上を発現する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、単一集団の腫瘍細胞からなる。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、複数(2、3、4、5、6個、又はそれ以上など)の集団の腫瘍細胞を含む。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は同種発生源に由来する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、腫瘍(同じ種類の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍など)を有する異なる個体に由来する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞及び処置される個体の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍は、少なくとも1つの共通の腫瘍抗原(腫瘍関連抗原及び/又は腫瘍特異的抗原など)を発現する。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、個体の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍と同じ又は類似の起源又は遺伝子プロファイル(腫瘍抗原発現プロファイルなど)を共有する腫瘍細胞株に由来する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞及び腫瘍を有する個体は、少なくとも1つの共通の腫瘍抗原(腫瘍関連抗原及び/又は腫瘍特異的抗原など)を発現する。例えば、処置される固形腫瘍又はリンパ系腫瘍が前立腺癌であるとき、前立腺腫瘍細胞株は、DU145、PC-3、及びLnCaPからなる群から選択されてよい。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する同じ個体に由来する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する組織に由来する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍に(例えば、腫瘍生検又は切除された腫瘍に)由来する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、個体由来の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍の転移部位に由来する。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、インビボでの不活性化腫瘍細胞の死滅時に1つ以上の細胞成分、サイトカイン成分、ケモカイン成分、及び/又は抗原成分を提供し、この1つ以上の成分は、個体の抗原提示細胞(樹状細胞など)によって採取され、クロスプレゼンテーションされて、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍に対する免疫応答を刺激する。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、遺伝子改変されるなど、例えば、導入遺伝子をコードしているベクターを宿す感染因子によって形質導入を介して、改変される。不活性化腫瘍細胞は、インビトロで、又はインビボで感染因子によって形質導入又は遺伝子移入されてよい。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、免疫関連分子を発現又は分泌するように改変される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、サイトカイン、ケモカイン、又は別の免疫関連分子である。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、IL-2、IL-12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、及びLTαβからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、STING賦活物質(CDNなど)、PRRago(CpG、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、1つ以上の免疫調節薬を発現又は分泌するように改変される。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫調節薬は免疫刺激剤を含む。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、免疫刺激分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、OX40のリガンド(例えば、OX40L)、CD-28のリガンド(例えば、CD80、CD86)、ICOSのリガンド(例えば、B7RP1)、4-1BBのリガンド(例えば、4-1BBL、Ultra4-1BBL)、CD27のリガンド(例えば、CD70)、CD40のリガンド(例えば、CD40L)、及びTCRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はクラスII分子、IMCgp100)が挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、抗CD28(例えば、TGN-1412)、抗OX40(例えば、MEDI6469、MEDI-0562)、抗ICOS(例えば、MEDI-570)、抗GITR(例えば、TRX518、INBRX-110、NOV-120301)、抗41-BB(例えば、BMS-663513、PF-05082566)、抗CD27(例えば、BION-1402、バルリルマブ及びhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870、893、BI-655064、BMS-986090、APX005、APX005M)、抗CD3(例えば、ブリナツモマブ、ムロモナブ)、及び抗HVEMからなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、及びFv、scFv、又は他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2、第3の免疫調節薬、及び免疫調節薬の組み合わせを含む)は免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイント分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、CTLA-4のリガンド(例えば、B7.1、B7.2)、TIM3のリガンド(例えば、Galectin-9)、A2a受容体のリガンド(例えば、アデノシン、レガデノソン)、LAG3のリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、BTLAのリガンド(例えば、HVEM、B7-H4)、KIRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、PD-1のリガンド(例えば、PD-L1、PD-L2)、IDOのリガンド(例えば、NKTR-218、Indoximod、NLG919)、CD47のリガンド(例えば、SIRP-α受容体)、及びCSF1Rのリガンドが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイントタンパク質を標的にする抗体である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、抗CTLA-4(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ、KAHR-102)、抗TIM3(例えば、F38-2E2、ENUM005)、抗LAG3(例えば、BMS-986016、IMP701、IMP321、C9B7W)、抗KIR(例えば、リリルマブ、IPH2101、IPH4102)、抗PD-1(例えば、ニボルマブ、ピディリズマブ、ペンブロリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、ランブロリズマブ、MK-3475、AMP-224、AMP-514、STI-A1110、TSR-042)、抗PD-L1(例えば、KY-1003(EP20120194977)、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS-936559、MEDI-4736、MSB0010718C、AUR-012、STI-A1010、PCT/US2001/020964、MPDL3280A、AMP-224、ダピロリズマブペゴル(CDP-7657)、MEDI-4920)、抗CD73(例えば、AR-42(OSU-HDAC42、HDAC-42、AR42、AR 42,OSU-HDAC 42、OSU-HDAC-42、NSC D736012、HDAC-42、HDAC 42、HDAC42、NSCD736012、NSC-D736012)、MEDI-9447)、抗B7-H3(例えば、MGA271、DS-5573a、8H9)、抗CD47(例えば、CC-90002、TTI-621、VLST-007)、抗BTLA、抗VISTA、抗A2aR、抗B7-1、抗B7-H4、抗CD52(アレムツズマブなど)、抗IL-10、抗IL-35、抗TGF-β(フレソルミマブなど)、抗CSF1R(例えば、FPA008)、抗NKG2A(例えば、モナリズマブ)、抗MICA(例えば、IPH43)、及び抗CD39からなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、及びFv、scFv、又は他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、併用療法で使用される腫瘍溶解性ウイルスによって形質導入及び遺伝子改変される。
腫瘍細胞は、機械的分離方法、酵素的分離方法、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、当該技術分野において周知の方法のうちのいずれかによって、組織、切除された腫瘍、又は腫瘍生検から単離されてよい。例えば、コラーゲン、デオキシリボヌクレアーゼ及びヒアルロニダーゼの混和物は、腫瘍試料をインキュベートして不活性化腫瘍細胞を得るために使用することができる。いくつかの実施形態では、処置の過程において、複数の単離された自家腫瘍細胞のバッチが、個体の固形腫瘍若しくはリンパ系腫瘍又は転移部位から取得される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、不活性化に先立って冷凍保存される。
癌細胞は、とりわけ転移部位において、急速な増殖及び頻繁な突然変異を経験した細胞の様々なクローンからなる不均質混和物であるため、これらの変化の発生中又は発生時にその変化に適合し得る特異性成分を有すると好ましいことが時々ある。自家腫瘍細胞は、元の摘出標本、生検から、又は後での転移巣の切除から調製することができる。この方法の利点の1つは、自家腫瘍細胞を、患者の応答及び腫瘍試料の入手可能性に応じて変更できることである。例えば、原発腫瘍期に生成された腫瘍-腫瘍溶解性ウイルス(例えばウイルス)の生きているかつインビボのワクチン系は、転移部位由来の腫瘍細胞を使用して後で生成されるものとは異なる可能性がある。最終目的は、いくつかの実施形態において、優勢な腫瘍の種類に従って免疫療法応答を適合させることであり、これは、経路を標的とする療法又はモノクローナル抗体介在性の療法の最近の発展において見出すことができない利点である。
不活性化腫瘍細胞は、投与に先立って不活性化される。典型的には、不活性化腫瘍細胞は増殖不能である。腫瘍細胞は、当該技術分野において周知の方法のうちのいずれかで不活性化することができる。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、患者への投与に先立って約50~約200rad/min、又は約120~約140rad/minの線量で照射される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、約2,500rad、5,000rad、10,000rad、15,000rad又は20,000radのうちのいずれか1つの総線量で照射される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、約10,000~約20,000radの総線量で照射される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、実質的に100%の細胞の更なる増殖を阻害するのに十分な総線量で照射される。不活性化腫瘍細胞が遺伝子改変される、いくつかの実施形態では、照射の総線量は、GM-CSFなど、免疫関連分子の発現又は分泌を阻害するのに不十分である。いくつかの実施形態では、照射の総線量は、不活性化腫瘍細胞の投与時の腫瘍溶解性ウイルスによる形質導入又は遺伝子改変を阻害するのに不十分である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、投与に先立って冷凍保存される。
不活性化腫瘍細胞は、例えば、腫瘍内注射によって、腫瘍内に投与される。投与のための不活性化腫瘍細胞の好適な用量は、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍の状態(例えば、微小環境、種類、病期など)並びに個体の他の診断因子及び危険因子によって左右される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞の好適な用量は、約1×103、1×104、1×105、2×105、5×105、1×106、2×106、5×106、1×107、5×107、又は1×108細胞個のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞の好適な用量は、約1×103~約1×104、約1×104~約1×105、約1×105~約2×105、約2×105~約5×105、約5×105~約106、約106~約2×106、約2×106~約5×106、約5×106~約1×107、約1×107~約5×107、又は約5×107~約1×108腫瘍細胞個のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞の用量は、細胞個/体重kgとして算出される。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞に対する腫瘍溶解性ウイルス(ウイルスなど)の相対比は、不活性化腫瘍細胞のみの数に対して、又は不活性化腫瘍細胞及び投与部位での生きている腫瘍細胞の推定数を含めた、生きている腫瘍細胞の総数に対して、腫瘍溶解性ウイルス粒子の数を使用して算出される、感染多重度(MOI)指数に基づく。いくつかの実施形態では、MOIは、少なくとも約1、2、5、10、50、100、200、500、1000、5000、104、105、106、又はそれ以上のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、推定腫瘍部位の体積に比例した量で提供される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、腫瘍生検、腫瘍切除、腫瘍細胞培養及び当該技術分野で周知の腫瘍細胞を単離するための他の方法から調製によって制限される量で提供される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、組成物中に約1×105粒子~約1×1014粒子(例えば、約1×1012粒子)で提供される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、組成物中に約1×103細胞個~約1×108細胞個(例えば、約1×105個の不活性化腫瘍細胞)で提供される。
いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は1日に1回で投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、1週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は7回(すなわち、毎日)のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、2週間に1回で、途切れることなく1週間に1回で、3週間のうちの2週間について1週間に1回で、4週間のうちの3週間について1週間に1回で、2週間に1回で、3週間に1回で、4週間に1回で、6週間に1回で、8週間に1回で、1か月に1回で、又は2~12か月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約6か月、3か月、1か月、20日、15日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、又は1日のうちのいずれか1つより短い。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、8か月、又は12か月のうちのいずれか1つよりも長い。いくつかの実施形態では、投薬スケジュールに途切れは存在しない。いくつかの実施形態では、それぞれの投与の間の間隔は、約1週間以下である。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、腫瘍溶解性ウイルスと同じ投薬スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、腫瘍溶解性ウイルスとは異なる投薬スケジュールで投与される。
不活性化腫瘍細胞の投与は、約1か月~約7年など、長期間にわたることができる。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、又は84か月のうちのいずれか1つの期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、少なくとも3週間又は6週間の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、3か月ごとに4週間のうちの3週間について1週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、3か月ごとに6週間にわたって1週間に1回投与される。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、約1か月に1回~約1週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は1週間に1回で投与される。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは1日に1回で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は1日に1回で投与される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は1日に1回で投与される。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、最初に第1の処置単位として1日に1回又は1週間に1回で数回(1、2、3、4、5、6、7、10、又はそれ以上のうちのいずれかの回数など)にわたって投与され、その後、第2の処置単位である1日に1回又は1週間に1回の数回(1、2、3、4、5、6、7、10、又はそれ以上のうちのいずれかの回数など)にわたる投与が続き、次いで、1か月ごと又は数か月ごと(2、3、4、5、6、又はそれ以上のうちのいずれかの月数ごとなど)の維持処置単位が続く。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)は、最初に第1の処置単位として1日に1回又は1週間に1回で数回(1、2、3、4、5、6、7、10、又はそれ以上のうちのいずれかの回数など)にわたって投与され、その後、第2の処置単位である1日に1回又は1週間に1回の数回(1、2、3、4、5、6、7、10、又はそれ以上のうちのいずれかの回数など)にわたる投与が続き、次いで、1か月ごと又は数か月ごと(2、3、4、5、6、又はそれ以上のうちのいずれかの月数ごとなど)の維持処置単位が続く。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、最初に第1の処置単位として1日に1回又は1週間に1回で数回(1、2、3、4、5、6、7、10、又はそれ以上のうちのいずれかの回数など)にわたって投与され、その後、第2の処置単位である1日に1回又は1週間に1回の数回(1、2、3、4、5、6、7、10、又はそれ以上のうちのいずれかの回数など)にわたる投与が続き、次いで、1か月ごと又は数か月ごと(2、3、4、5、6、又はそれ以上のうちのいずれかの月数ごとなど)の維持処置単位が続く。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、免疫調節薬(第1、第2及び第3の免疫調節薬、並びに免疫調節薬の組み合わせを含む)及び不活性化細胞は、上記の投薬スケジュールの任意の組み合わせで投与される。それぞれの処置単位は、数日、数週間、又は数か月にわたる投与を含んでよい。処置単位は、必要とされる間は繰り返されてよい。
いくつかの実施形態では、上述の腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は連続的に投与される、すなわち、腫瘍溶解性ウイルスの投与は、不活性化腫瘍細胞の投与の前又は後に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与前の、約15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は24時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与前の約数日又は数週間(約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、又はそれ以上のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与後に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与後の、約15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は24時間のうちのいずれか以内に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与後の約数日又は数週間(約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、又はそれ以上のうちのいずれかなど)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、一方が投与されて直ぐに他方が投与される(例えば、2つの投与の間は5分以下以内である)。例えば、いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与の直前に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、不活性化腫瘍細胞の投与の直後に投与される。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は同時に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は別個の組成物によって同時に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は単一組成物として投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、組成物の投与に先立って(投与直前など、例えば、投与前の約10、5、又は1分未満以内に)混合される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスと不活性化腫瘍細胞とを含む組成物は、投与に先立ってあらかじめ作製され、少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週間、3週間、又はそれ以上のいずれかにわたって保存される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞及び腫瘍溶解性ウイルスは、個体への投与の瞬間まで完全に分離した状態である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞は、投与に先立ってプレインキュベートされる必要はない。
キット及び医薬組成物
別の態様では、本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つに有用である、キット、単位用量、及び製品が提供される。
例えば、いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するためのキットが提供され、このキットは、a)腫瘍溶解性ウイルスと、b)免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)と、c)腫瘍溶解性ウイルスを腫瘍の部位に局所的に投与するための装置と、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは腫瘍溶解性アデノウイルスである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路欠失癌細胞など、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、免疫関連分子は、GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、及びLTαβからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、キットは、腫瘍の部位への局所投与用に配合された第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、全身投与用に配合される。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、腫瘍の部位への局所投与用に配合される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、免疫刺激剤、例えば、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質(アゴニスト抗体など)である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質(抗体など)である。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤を含む免疫調節薬の組み合わせ(CTLA-4阻害剤及びOX40賦活物質の組み合わせなど)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、CTLA-4阻害剤及びPD-L1阻害剤など、少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは、GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、LTαβ、STING賦活物質(CDNなど)、PRRago(CpG、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)からなる群から選択された免疫関連分子を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、N-ドデシル-β-D-マルトシド(DDM)などの形質導入増強剤を含む前処置組成物を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、複数の不活性化腫瘍細胞を更に含む。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、自家、同種、腫瘍細胞株由来、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、キットは、腫瘍溶解性ウイルスと複数の不活性化腫瘍細胞とを投与に先立って混合するための装置、材料、及び/又は説明書を更に含む。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、複数の不活性化腫瘍細胞及び腫瘍溶解性ウイルスの同時投与に使用される。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞を腫瘍内へ直接的に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞を、腫瘍を有する組織に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与は膀胱内投与である。いくつかの実施形態では、全身投与は静脈内投与である。いくつかの実施形態では、キットは、上記の方法のうちのいずれか1つを行うための説明書を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するためのキットが提供され、このキットは、a)腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)と、b)免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)と、c)腫瘍溶解性ウイルスを腫瘍の部位に局所的に投与するための装置と、を含み、腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、E3プロモータなど、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、免疫関連分子はGM-CSFである。いくつかの実施形態では、キットは、腫瘍の部位への局所投与用に配合された第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、全身投与用に配合される。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、腫瘍の部位への局所投与用に配合される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、免疫刺激剤、例えば、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質(アゴニスト抗体など)である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質(抗体など)である。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤を含む免疫調節薬の組み合わせ(CTLA-4阻害剤及びOX40賦活物質の組み合わせなど)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、CTLA-4阻害剤及びPD-L1阻害剤など、少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは、GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、LTαβ、STING賦活物質(CDNなど)、PRRago(CpG、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)からなる群から選択された免疫関連分子を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、N-ドデシル-β-D-マルトシド(DDM)などの形質導入増強剤を含む前処置組成物を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、複数の不活性化腫瘍細胞を更に含む。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、自家、同種、腫瘍細胞株由来、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、キットは、腫瘍溶解性ウイルスと複数の不活性化腫瘍細胞とを投与に先立って混合するための装置、材料、及び/又は説明書を更に含む。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、複数の不活性化腫瘍細胞及び腫瘍溶解性ウイルスの同時投与に使用される。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞を腫瘍内へ直接的に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞を、腫瘍を有する組織に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与は膀胱内投与である。いくつかの実施形態では、全身投与は静脈内投与である。いくつかの実施形態では、キットは、上記の方法のうちのいずれか1つを行うための説明書を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するためのキットが提供され、このキットは、a)アデノウイルス血清型5であって、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータが、ヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域が、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている核酸に置換されている、アデノウイルス血清型5と、b)免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)と、c)アデノウイルスを腫瘍の部位へ局所的に投与するための装置と、を含む。いくつかの実施形態では、キットは、腫瘍の部位への局所投与用に配合された第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、全身投与用に配合される。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、腫瘍の部位への局所投与用に配合される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、免疫刺激剤、例えば、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質(アゴニスト抗体など)である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質(抗体など)である。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤を含む免疫調節薬の組み合わせ(CTLA-4阻害剤及びOX40賦活物質の組み合わせなど)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、CTLA-4阻害剤及びPD-L1阻害剤など、少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは、GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、LTαβ、STING賦活物質(CDNなど)、PRRago(CpG、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)からなる群から選択される免疫関連分子を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、N-ドデシル-β-D-マルトシド(DDM)などの形質導入増強剤を含む前処置組成物を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、複数の不活性化腫瘍細胞を更に含む。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、自家、同種、腫瘍細胞株由来、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、キットは、アデノウイルスと複数の不活性化腫瘍細胞とを投与に先立って混合するための装置、材料、及び/又は説明書を更に含む。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、複数の不活性化腫瘍細胞及びアデノウイルスの同時投与に使用される。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、アデノウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞を腫瘍内へ直接的に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、アデノウイルス、及び/又は不活性化腫瘍細胞を、腫瘍を有する組織に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与は膀胱内投与である。いくつかの実施形態では、全身投与は静脈内投与である。いくつかの実施形態では、キットは、上記の方法のうちのいずれか1つを行うための説明書を更に含む。
いくつかの実施形態では、個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するためのキットが提供され、このキットは、a)CG0070と、b)免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)と、c)CG0070を腫瘍の部位へ局所的に投与するための装置と、を含む。いくつかの実施形態では、キットは、腫瘍の部位への局所投与用に配合された第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、第3の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を更に含む。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、全身投与用に配合される。いくつかの実施形態では、第3の免疫調節薬は、腫瘍の部位への局所投与用に配合される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、免疫刺激剤、例えば、OX40、4-1BB又はCD40の賦活物質(アゴニスト抗体など)である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬(第1、第2又は第3の免疫調節薬など)は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質(抗体など)である。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は1つ以上の免疫刺激剤を含む免疫調節薬の組み合わせ(CTLA-4阻害剤及びOX40賦活物質の組み合わせなど)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、CTLA-4阻害剤及びPD-L1阻害剤など、少なくとも2つの免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは、GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン(1型、2型又は3型インターフェロンなど、例えば、インターフェロンγ)、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、LTαβ、STING賦活物質(CDNなど)、PRRago(CpG、イミキモド、又はポリI:Cなど)、TLR刺激物質(GS-9620、AED-1419、CYT-003-QbG10、AVE-0675、又はPF-7909など)、及びRLR刺激物質(RIG-I、Mda5、又はLGP2刺激物質など)からなる群から選択される免疫関連分子を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、N-ドデシル-β-D-マルトシド(DDM)などの形質導入増強剤を含む前処置組成物を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、複数の不活性化腫瘍細胞を更に含む。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、自家、同種、腫瘍細胞株由来、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、複数の不活性化腫瘍細胞は、照射によって不活性化されている。いくつかの実施形態では、キットは、CG0070と複数の不活性化腫瘍細胞とを投与に先立って混合するための装置、材料、及び/又は説明書を更に含む。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、複数の不活性化腫瘍細胞及びCG0070の同時投与に使用される。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、CG0070、及び/又は不活性化腫瘍細胞を腫瘍内へ直接的に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与用の装置は、CG0070、及び/又は不活性化腫瘍細胞を、腫瘍を有する組織に投与するためのものである。いくつかの実施形態では、局所投与は膀胱内投与である。いくつかの実施形態では、全身投与は静脈内投与である。いくつかの実施形態では、キットは、上記の方法のうちのいずれか1つを行うための説明書を更に含む。
このキットは、処置に適している個体の選択についての説明を更に含んでよい。例えば、キットは、PD-1、PD-L1、又はPD-L2など、1つ以上のバイオマーカーの発現に基づいた個体の選択についての説明を含んでよい。いくつかの実施形態では、キットは、PD-1、PD-L1、又はPD-L2など、バイオマーカーの発現レベルを評価するための試薬を更に含む。本発明のキットで提供される説明書は、典型的には、ラベル又は添付文書(例えば、キットに含まれる紙シート)に書かれた説明書であるが、機械読み出し可能な説明書(例えば、磁気又は光学記憶ディスク上に保持された説明書)も許容可能である。
腫瘍の分離及び調製を行うための材料及び説明書、酵素的及び/又はウイルスベクター形質導入剤、冷凍保存バイアルなど、並びに使用法が記載されている添付文書を含む腫瘍細胞調製キットが更に提供される。腫瘍細胞調製キットは、不活性化腫瘍細胞を提供するために使用されてよく、また同キットは、腫瘍溶解性ウイルス、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び単離されかつ不活性化された腫瘍細胞を含む併用療法を行うために、上記の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するためのキットのうちのいずれか1つと組み合わされてよい。
腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど、例えばCG0070)及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)の使用に関する説明書は、一般に、意図される処置のための用量、投薬スケジュール、及び投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、大量容器(例えば、多用量パッケージ)又は亜単位用量であってよい。例えば、個体の有効な処置を、1週間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3か月、4か月、5か月、7か月、8か月、9か月、又はそれ以上のうちのいずれかなど、長期間にわたって提供するために、本明細書に開示されるとおりの十分な用量の腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を含むキットが提供されてよい。キットはまた、薬局、例えば、院内薬局及び調剤薬局での保管及び使用に十分な量でパッケージ化されている、複数の単位用量の腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)並びに使用説明書を含んでいてもよい。
本発明のキットは、好適なパッケージに入っている。好適なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性パッケージ(例えば、密閉マイラー又はプラスチック袋)などが挙げられるが、これらに限定されない。キットは、任意追加的に、緩衝材及び解釈的情報など追加構成要素を提供してよい。したがって、本願はまた、バイアル(密閉バイアルなど)、ボトル、ジャー、可撓性パッケージなどを含む製品を提供する。
製品は、容器と、この容器上にある又はこの容器に付随したラベル又は添付文書と、を含むことができる。好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、注射器などが挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成されてよい。一般に、容器は、本明細書に記載の疾患又は障害を処置するのに有効な組成物を保持するものであり、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈輸液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも1つの活性薬剤は、a)腫瘍溶解性ウイルス、又はb)免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)である。ラベル又は添付文書は、組成物が、個体内の特定の状態を処置するために使用されることを表示する。ラベル又は添付文書は、組成物を個体に投与するための説明書を更に含むことになる。本明細書に記載の併用療法を含む製品及びキットもまた企図される。
添付文書は、治療用製品の商品パッケージに習慣的に含まれている、このような治療用製品の使用に関しての指示、使用法、用量、投与、禁忌及び/又は警告に関する情報を記載している説明書を参照する。いくつかの実施形態では、添付文書は、組成物が、固形腫瘍又はリンパ系腫瘍(膀胱癌、腎細胞癌、又は黒色腫など)を処置するために使用されることを表示する。
加えて、製品は、静菌注射用水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンガー液及びブドウ糖液など、医薬上許容される緩衝液を含む第2の容器を更に含んでよい。これは、他の緩衝液、希釈液、濾過器、針、及び注射器を含めて、商業上及び利用者の立場からの他の好ましい材料を更に含んでよい。
腫瘍溶解性ウイルス、及び/又は任意追加的に第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は不活性化腫瘍細胞の局所投与用の医療装置(膀胱内又は腫瘍内注射など)は、当該技術分野において周知である。例えば、膀胱内送達用の医療装置は、カテーテル、例えば、Rusch 173430 Foley Catheter & BARD LUBRI-SIL Foley Catheter #70516SIを含んでよい。腫瘍内注射用の医療装置は、注射器、針又は針アレイ、及び複数の排出口を含んでよい。腫瘍内注射装置は、腫瘍部位内での腫瘍溶解性ウイルス、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び/又は不活性化腫瘍細胞の均一分布を保証するように特に設計されてよい。いくつかの実施形態では、腫瘍内注射装置は強制エアジェットを含む。
本明細書に記載の方法のいずれかに有用な組成物(医薬組成物など)が更に提供される。医薬組成物は、腫瘍溶解性ウイルス、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、又は不活性化腫瘍細胞含んでよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腫瘍の部位への局所(腫瘍内など)投与用に配合された腫瘍溶解性ウイルスを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腫瘍の部位への局所(腫瘍内など)投与用に配合された第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腫瘍の部位への局所(腫瘍内など)投与用に配合された複数の不活性化腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腫瘍の部位への局所(腫瘍内など)投与用に配合された腫瘍溶解性ウイルス、第2の免疫調節薬、及び/又は不活性化腫瘍細胞の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全身(静脈内など)投与用に配合された免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)を含む。
医薬組成物は、ポリマー系及び非ポリマー系など、薬物送達用の活性又は不活性の賦形剤を含めて、任意の好適な賦形剤を含んでよい。いくつかの実施形態では、賦形剤は、菌体外多糖ハイドロゲルなど、天然多糖類である。医薬組成物用の賦形剤としての使用に適している例示的なポリマーには、シリコーン、架橋PVA、及びEVAなど、生分解性のないポリマー;ゼラチン、コラーゲン、アテロコラーゲン、スクレログルカン、ジェラン及びグアーガムなど、生分解性天然ポリマー;PLA、PGA、PLGA、ポリカプロラクトン、ポリパラジオキサン、ポリホスホエステル、ポリ酸無水物、及びポリホスファゼンなど、生分解性合成ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。賦形剤として使用することができる他の系には、ポリマーを有する又は有しないミクロスフェア及びナノスフェアが挙げられ、これらは、ポリアミドアミド(PAMAM)、デンドリマー、ポリ(プロピレンイミン)デンドリマー、ポリ(L-リジン)エステル、ポリ(ヒドロキシプロリン)、ポリ(プロピルアクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、CARBOPOL(登録商標)、ポリサイラミン、EUDRAGIT(登録商標)S-100、EUDRAGIT(登録商標)L-100、キトサン、ポリ(メタクリル酸)(PMMA)、PMAA-PEGコポリマー、無水マレイン酸(MA)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)など、pH応答性デンドリマーと、ポロキサマー(PLURONICS(登録商標))、プロラスチン、ポリ(N-置換アクリルアミド)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(エチレングリコール)及びアミノ酸エステルを有するシクロトリホスファゼン、ポリ(エチレングリコール)/乳酸-グリコール酸共重合体のブロックコポリマー、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、PMAA、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、様々なシルクエラスチン様ポリマー、ポリ(サイラミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)(PVME)、ポリ(ビニルメチルオキサゾリドン)(PVMO)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(N-ビニルカプロラクタム)、ポリ(N-ビニルイソブチルアミド)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(N-ビニルカプロラクタム)(PVCL)、ポリ(シルオキシエチレングリコール)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、トリブロックコポリマーポリ(DL-ラクチド-コ-グリコリド-b-エチレングリコール-b-DL-ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA-PEG-PLGA)、セルロース誘導体、アルギン酸、ジェラン、キシログルカンなど、温度応答性ポリマーと、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)など、磁場感応性ポリマーと、強磁性体PNIPAAm-コ-アクリルアミドを含むハイドロゲルと、キトサン、スルホン化ポリスチレン、ポリ(チオフェン)、ポリ(エチルオキサゾリン)など、電気信号感応性ポリマーと、アルギン酸ナトリウム(Ca2+)、キトサン(Mg2+)など、イオン性ポリマーと、並びに改質ポリ(アクリルアミド)など、感光性ポリマーと、を含む「スマート」ポリマー系が含まれる。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び不活性化腫瘍細胞は、医薬組成物内のポリマー(例えば、ハイドロゲル)中に独立して又は共に配合されてよい。ポリマー(例えば、ハイドロゲル)は、医薬組成物の1つ以上の成分(すなわち、腫瘍溶解性ウイルス、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び不活性化腫瘍細胞のうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせ)の遅らせた放出を可能にしてよい。ポリマー(例えば、ハイドロゲル)製剤中の1つ以上の成分は、その成分の放出を投与部位において少なくとも1分、5分、10分、30分、1時間、2時間、3時間、6時間、又はそれ以上のうちのいずれかの時間で遅らせてよい。ポリマー(例えば、ハイドロゲル)は、当該技術分野において周知である天然起源の又は合成のポリマーなど、任意の好適な材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは、生分解性かつ生体適合性である。
本明細書に記載の組成物(医薬組成物など)の成分は、腫瘍溶解性ウイルス、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)、及び複数の不活性化腫瘍細胞を含めて、互いに対して特定の相対比で存在してよい。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞に対する腫瘍溶解性ウイルスの相対比は、不活性化腫瘍細胞のみの数に対して、又は不活性化腫瘍細胞及び投与部位での生きている腫瘍細胞の推定数を含めた、生きている腫瘍細胞の総数に対して、腫瘍溶解性ウイルス粒子の数を使用して算出される、感染多重度(MOI)指数に基づく。いくつかの実施形態では、MOIは、少なくとも約1、2、5、10、50、100、200、500、1000、5000、104、105、106、又はそれ以上のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、推定腫瘍部位の体積に比例した量で提供される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、腫瘍生検、腫瘍切除、腫瘍細胞培養及び当該技術分野で周知の腫瘍細胞を単離するための他の方法から調製によって制限される量で提供される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、組成物中に約1×105粒子~約1×1014粒子(例えば、約1×1012粒子)で提供される。いくつかの実施形態では、不活性化腫瘍細胞は、組成物中に約1×103細胞個~約1×108細胞個(例えば、約1×105個の不活性化腫瘍細胞)で提供される。いくつかの実施形態では、第2の免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)は、組成物中に約0.1mg/体重kg~約100mg/体重kg(例えば、約1mg/体重kg)で提供される。
いくつかの実施形態では、組成物の総量は、単回局所投与(腫瘍内注射又は膀胱内投与など)用の完全な用量として十分である。いくつかの実施形態では、組成物の総量は、複数の腫瘍部位のうちの1つへの単回局所投与(腫瘍内注射など)用の分割用量として十分である。いくつかの実施形態では、組成物の総量は、1つの腫瘍部位内への単回局所投与(腫瘍内注射など)の組み合わせ及び複数の腫瘍部位での複数回の分割用量投与を含めて、複数回局所投与用として十分である。
腫瘍溶解性ウイルス
本明細書に記載の方法及び組成物は、ウイルスベクターなどの腫瘍溶解性ウイルス、例えば、腫瘍溶解性アデノウイルスに関する。腫瘍溶解性ウイルスは、遺伝子改変された腫瘍溶解性ウイルス、例えば、弱毒化された腫瘍溶解性ウイルスであってよく、腫瘍溶解性ウイルスは、追加の長所(例えば、癌細胞内での優先的増殖、及び免疫関連分子のコード)を有する。
本発明で使用するのに適している例示的なウイルスには、アデノウイルス、例えば、H101(ONCOCRINE(登録商標))、CG-TG-102(Ad5/3-D24-GM-CSF)、及びCG0070;単純ヘルペスウイルス、例えば、Talimogene laherparapvec(T-VEC)及びHSV-1716(SEPREHVIR(登録商標));レオウイルス、例えば、REOLYSIN(登録商標);ワクシニアウイルス、例えば、JX-594;セネカバレーウイルス、例えば、NTX-010及びSVV-001;ニューカッスル病ウイルス、例えば、NDV-NS1及びGL-ONC1;ポリオウイルス、例えば、PVS-RIPO;麻疹ウイルス、例えば、MV-NIS;コクサッキーウイルス、例えば、CAVATAK(商標);水疱性口内炎ウイルス;マラバ及びラブドウイルス;パルボウイルス並びに流行性耳下腺炎ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは遺伝改変される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、(例えば、複数回の継代、不活性化又は遺伝子改変によって)弱毒化される。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、感染、炎症、又は感染様の効果を引き起こすことができる野生型腫瘍溶解性ウイルスの一部のみ、又は複数の部分である。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは増殖性である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、癌細胞内で優先的に増殖する。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、Rb経路に欠失のある癌細胞内で優先的に増殖する。
腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)は、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータを含むウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は以下に示す配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータなど、E2F-1プロモータである。いくつかの実施形態では、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子は、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される。
配列番号:1
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腫瘍溶解性ウイルス(腫瘍溶解性アデノウイルスなど)のウイルスベクターは、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど)をコードしている異種遺伝子を更に含む。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、ウイルスプロモータはE3プロモータである。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスはアデノウイルス血清型5であり、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータが、ヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスのE3 19kDコード領域が、免疫関連分子(サイトカイン又はケモカインなど、例えば、GM-CSF)をコードしている核酸に置換されている。いくつかの実施形態では、腫瘍特異的プロモータは、ヒトE2F-1プロモータ又は配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含むE2F-1プロモータである。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスはCG0070、すなわち、E1a遺伝子におけるE2Fプロモータ及びE3遺伝子におけるGM-CSF発現を有するアデノウイルス血清型5である。
CG0070は、Rb経路欠失癌細胞内で優先的に増殖し、同癌細胞を殺傷するように設計された、条件付き複製の腫瘍溶解性アデノウイルス(血清型5)である。このベクターは、Rb経路欠失腫瘍細胞内でアップレギュレートされるプロモータ(例えば、E2F-1プロモータ)によって転写調節される。すべての癌のおよそ85%では、腫瘍サプレッサRb遺伝子など、Rb経路の1つ以上の遺伝子は、変異している。その制限された伝播に加えて、CG0070はまた、ヒトサイトカインGM-CSFもコードしており、これは、感染した腫瘍細胞内で選択的に発現されて、未感染の離れた(転移など)及び局所的な腫瘍病巣に対する免疫応答を刺激する。
腫瘍溶解性アデノウイルスベクターCG0070のゲノム構造遺伝子構造は、図1に模式的に示されている。アデノウイルスの初期E1A遺伝子の生産物は、アデノウイルスのゲノムの他の領域の効率的な発現のために必須である。CG0070は、ヒトE2F-lプロモータの制御下でE1A遺伝子を発現するように操作されており、ヒトE2F-lプロモータは、E1A遺伝子生産物に腫瘍特異性を与える。E1A発現を活性化する転写リードスルーから保護するために、ポリアデニル化シグナル(PA)がE2F-1プロモータの5’に挿入された。CG0070は、19kDコード領域を除いた野生型E3領域全体を含む。E3含有とE3削除の腫瘍溶解性アデノウイルスベクターの直接比較により、腫瘍拡散及び効果においてE3含有ベクターの優位性が示された。19kD遺伝子の代わりに、CG0070は、内因性E3プロモータ(E3P)の制御下でヒトGM-CSFのcDNAを保持する。同様にE3プロモータはE1Aによって活性化されるので、最終的に、ウイルス複製及びGM-CSF発現の両方がE2F-lプロモータの制御下にある。E2、E4、後期タンパク質領域及び逆位末端配列(ITR)を含む、ウイルスベクターバックボーンの残りの部分は、野生型Ad5ゲノムと全く同じである。
CG0070は、HeLa-S3細胞内で製造され、感染したHeLa-S3細胞から洗浄性細胞溶解によって放出される。CG0070は、クロマトグラフィーによって可溶化液から精製され、次いで、5%スクロース、10mMトリス、0.05%ポリソルベート-80、1%グリシン、1mM塩化マグネシウム、pH7.8で配合される。
CG0070は、ストッパー付きガラスバイアル中の無菌で少し乳白色の凍結した液体として供給される。1mL当たりの粒子濃度(vp/mL)は、CG0070のそれぞれのロットの分析証明書に記載される。
CG0070は、持続性の抗腫瘍免疫を生成するための鍵となるサイトカインである、ヒトGM-CSFのcDNAを保持することから、追加の潜在的な抗腫瘍活性を有する。したがって、CG0070は、2つの機序、すなわち、増殖するベクターとしての直接の細胞毒性及び宿主免疫応答の誘導によって、腫瘍を攻撃するための潜在能力を有する、優先的に増殖する腫瘍溶解性ベクターである。CG0070の腫瘍選択性及び抗腫瘍活性及び安全性を明らかにするために行ったインビトロ及びインビボの研究は、以下の項に要約する。
免疫調節薬
いくつかの実施形態における本発明の方法は、免疫調節薬(免疫調節薬の組み合わせを含む)と組み合わせた腫瘍溶解性ウイルスの投与を含む。
「免疫調節薬」は、存在すると、身体の免疫系を変化させる、抑制する、又は刺激する薬剤を指す。免疫調節薬は、チェックポイント分子などの特定の分子を標的とする又は免疫応答を非特異的に調節することができる。免疫調節薬は、免疫系を活性化する又は免疫系をダウンレギュレートする組成物又は製剤(例えば、アジュバント又は賦活物質)を含むことができる。アジュバントは、アルミニウム系組成物、及び細菌性又は抗酸菌性細胞壁成分を含む組成物を含むことができる。賦活物質は、抗原提示細胞を活性化して細胞性免疫応答を刺激する分子を含むことができる。例えば、賦活物質は、免疫賦活ペプチドにすることができる。賦活物質は、トール様受容体TLR-2、3、4、6、7、8、若しくは9のアゴニスト、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、TNF、CD40L、CD28、FLT-3リガンド、又はIL-1、IL-2、IL-4、IL-7、IL-12、IL-15、若しくはIL-21などのサイトカインを含むことができるが、これらに限定されない。賦活物質は、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、又はHVEMのアゴニスト(例えば、アゴニスト抗体)など、T細胞上の活性化する受容体(共刺激受容体を含む)のアゴニストを含むことができる。賦活物質はまた、免疫サプレッサIL-10、IL-35、TGF-β、IDO、若しくはシクロホスファミドの阻害剤など、免疫サプレッサの活性を阻害する化合物、又はCTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG3、B7-1、B7-H3、B7-H4、BTLA、VISTA、KIR、A2aR、若しくはTIM3のアンタゴニスト(例えば、アンタゴニスト抗体)など、免疫チェックポイントの活性を阻害する化合物も含むことができる。賦活物質はまた、CD40、CD80、又はCD86などの共刺激分子も含むことができる。免疫調節薬はまた、IL-12p70に対する抗体、トール様受容体TLR-2、3、4、5、6、8、若しくは9のアンタゴニスト、又はシクロホスファミド、シクロスポリンA若しくはFK506などの一般的な免疫機能のサプレッサなど、免疫系をダウンレギュレートする薬剤も含むことができる。これらの薬剤(例えば、アジュバント、賦活物質、又はダウンレギュレータ)は、最適な免疫応答を達成するように組み合わせることができる。
本発明において特に着目する免疫調節薬には、免疫刺激剤及び免疫チェックポイント阻害剤が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「免疫チェックポイント阻害剤」、「チェックポイント阻害剤」、及び同様の用語は、免疫系の制御機構の活性を阻害する化合物を指す。免疫系チェックポイント、すなわち、免疫チェックポイントは、一般に自己寛容を維持して又は生理的免疫応答の持続時間及び大きさを調節して二次的な組織の損傷を最小限に抑えるように作用する、免疫系内の阻害経路である。チェックポイント阻害剤は、経路内において、刺激性チェックポイント分子の活性を刺激する、又は抑制性チェックポイント分子の活性を阻害することによって、免疫系チェックポイントを阻害することができる。刺激性チェックポイント分子は、免疫系を刺激する又は正に調節する、タンパク質などの分子である。抑制性チェックポイント分子は、免疫系を阻害する又は負に調節する、タンパク質などの分子である。免疫系チェックポイント分子には、細胞毒性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)、プログラム細胞死1タンパク質(PD-1)、プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死1リガンド2(PD-L2)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)、B7-1、B7-H3、B7-H4、T細胞膜タンパク質3(TIM3)、B及びTリンパ球アテニュエータ(BTLA)、T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリン(Ig)含有サプレッサ(VISTA)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、並びにA2Aアデノシン受容体(A2aR)が挙げられるが、これらに限定されない。そのため、チェックポイント阻害剤には、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG3、B7-1、B7-H3、B7-H4、BTLA、VISTA、KIR、A2aR、又はTIM3のアンタゴニストが挙げられる。例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG3、B7-1、B7-H3、B7-H4、BTLA、VISTA、KIR、A2aR、又はTIM3に結合し、それらの機能に拮抗する抗体は、チェックポイント阻害剤である。更に、免疫系チェックポイントの抑制機能を阻害する任意の分子(例えば、ペプチド、核酸、小分子など)は、チェックポイント阻害剤である。
免疫調節薬は、アプタマー、mRNA、siRNA、microRNA、shRNA、ペプチド、抗体、アンチカリン、球状核酸、TALEN、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、CRISPR/Cas9、及び小分子を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において周知の分子モダリティのうちのいずれか1つに属し得る。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、免疫刺激分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、OX40のリガンド(例えば、OX40L)、CD-28のリガンド(例えば、CD80、CD86)、ICOSのリガンド(例えば、B7RP1)、4-1BBのリガンド(例えば、4-1BBL、Ultra4-1BBL)、CD27のリガンド(例えば、CD70)、CD40のリガンド(例えば、CD40L)、及びTCRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はクラスII分子、IMCgp100)が挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、抗CD28(例えば、TGN-1412)、抗OX40(例えば、MEDI6469、MEDI-0562)、抗ICOS(例えば、MEDI-570)、抗GITR(例えば、TRX518、INBRX-110、NOV-120301)、抗41-BB(例えば、BMS-663513、PF-05082566)、抗CD27(例えば、BION-1402、バルリルマブ及びhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870、893、BI-655064、BMS-986090、APX005、APX005M)、抗CD3(例えば、ブリナツモマブ、ムロモナブ)、及び抗HVEMからなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
いくつかの実施形態では、免疫調節薬は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイント分子の天然又は人工リガンドであり、これには、例えば、CTLA-4のリガンド(例えば、B7.1、B7.2)、TIM3のリガンド(例えば、Galectin-9)、A2a受容体のリガンド(例えば、アデノシン、レガデノソン)、LAG3のリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、BTLAのリガンド(例えば、HVEM、B7-H4)、KIRのリガンド(例えば、MHCクラスI又はMHCクラスII分子)、PD-1のリガンド(例えば、PD-L1、PD-L2)、IDOのリガンド(例えば、NKTR-218、Indoximod、NLG919)、CD47のリガンド(例えば、SIRP-α受容体)、及びCSF1Rのリガンドが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抑制性免疫チェックポイントタンパク質を標的にする抗体である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、抗CTLA-4(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ、KAHR-102)、抗TIM3(例えば、F38-2E2、ENUM005)、抗LAG3(例えば、BMS-986016、IMP701、IMP321、C9B7W)、抗KIR(例えば、リリルマブ、IPH2101、IPH4102)、抗PD-1(例えば、ニボルマブ、ピディリズマブ、ペンブロリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、ランブロリズマブ、MK-3475、AMP-224、AMP-514、STI-A1110、TSR-042)、抗PD-L1(例えば、KY-1003(EP20120194977)、MCLA-145、アテゾリズマブ、BMS-936559、MEDI-4736、MSB0010718C、AUR-012、STI-A1010、PCT/US2001/020964、MPDL3280A、AMP-224、ダピロリズマブペゴル(CDP-7657)、MEDI-4920)、抗CD73(例えば、AR-42(OSU-HDAC42、HDAC-42、AR42、AR 42,OSU-HDAC 42、OSU-HDAC-42、NSC D736012、HDAC-42、HDAC 42、HDAC42、NSCD736012、NSC-D736012)、MEDI-9447)、抗B7-H3(例えば、MGA271、DS-5573a、8H9)、抗CD47(例えば、CC-90002、TTI-621、VLST-007)、抗BTLA、抗VISTA、抗A2aR、抗B7-1、抗B7-H4、抗CD52(アレムツズマブなど)、抗IL-10、抗IL-35、抗TGF-β(フレソルミマブなど)、抗CSF1R(例えば、FPA008)、抗NKG2A(例えば、モナリズマブ)、抗MICA(例えば、IPH43)、及び抗CD39からなる群から選択される抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、及び他の抗原結合性部分配列からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体、多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、又は任意の他の機能性変異体若しくはその誘導体である。
免疫調節薬は、単独で又は組み合わせて使用することができる。例えば、任意の数(1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫チェックポイント阻害剤を同時に若しくは連続的に使用することがき、又は任意の数(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤を同時に若しくは連続的に使用することができる。代替的には、任意の数(1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫チェックポイント阻害剤を任意の数(2、3、4、5、6個、又はそれ以上のうちのいずれかなど)の免疫刺激剤と組み合わせて同時に又は連続的に使用することができる。免疫調節薬の連続投与は、数時間、数日又は数週間の間隔を開けることができる。2つ以上の免疫調節薬に対する投与経路は、同じに又は異なるものにすることができる。例えば、1つの免疫調節薬を腫瘍内に投与し、第2の免疫調節薬を静脈内に投与することができ、又は2つの免疫調節薬の両方を腫瘍内に投与することができる。
これらの例示的な免疫チェックポイント分子及び免疫調節薬を以下に論じる。当該技術分野において周知である他の好適な免疫チェックポイント分子及び免疫調節薬もまた、本願の範囲内であることを理解されたい。
CTLA-4
CTLA-4は、活性化T細胞上でアップレギュレートされる、免疫チェックポイント分子である。抗CTLA-4 mAbは、CD80/86とのCTLA-4の相互作用をブロックし、免疫抑制の機序をオフにし、DCによるT細胞の持続的な刺激を可能にすることができる。抗CTLA-4抗体の例は、イピリムマブ(米国特許第6,984,720号、同第7,452,535号、同第7,605,238号、同第8,017,114号、及び同第8,142,778号を参照されたい)、トレメリムマブ(Tremilimumab)(米国特許第6,68,736号、同第7,109,003号、同第7,132,281号、同第7,411,057号、同第7,807,797号、同第7,824,679号、及び同第8,143,379号を参照されたい)及び他の抗CTLA-4抗体であり、他の抗CTLA-4抗体には、短鎖抗体(例えば、米国特許第5,811,097号、同第6051,227号、及び同第7,229,628号、並びに米国特許出願公開第20110044953号を参照されたい)が含まれる。
CTLA-4に対する2つのIgG mAb、イピリムマブ及びトレメリムマブは、複数の適応症に対して臨床試験で試されてきた。イピリムマブは、例えば、進行期黒色腫の患者に対して、黒色腫の処置用としてFDAにより承認されている。完全な処方情報については、YERVOY(登録商標)(Bristol Meyers)の添付文書にすべて記載されている。YERVOY(登録商標)(イピリムマブ)は、50mg単回使用バイアルに入っている。
アンチカリンは、高親和性を有する特定の標的を認識し、結合することができる人工タンパク質である。これらは抗体模倣物であるが、これらは、抗体と構造的には関連しない。代わりに、これらはヒトリポカリンに由来し、ヒトリポカリンは一群の天然に結合するたんぱく質である。アンチカリンは、モノクローナル抗体の代わりに使用されているが、約180アミノ酸数のサイズ及び約20kDaの質量を有するモノクローナル抗体の約8倍小さい。アンチカリンは、米国特許第7,250,297号に記載されている。高親和性及び特異性を有するCTLA-4を結合するアンチカリンが開発されており、これは、例えば、国際公開第2012072806号に記載されている。本願では、CTLA-4結合性アンチカリンのいずれかが使用されてよい。いくつかの実施形態では、CTLA-4結合性アンチカリンはPRS-010(Piers AG)である。
PD-1
PD-1は、T細胞活性化及び寛容性を調節する共刺激分子のB7/CD28群の一部であり、したがって、アンタゴニスト抗PD-1抗体は、寛容性を克服するのに有用であり得る。PD-1は、B7-4に対する受容体として定義されている。B7-4は、免疫細胞上の抑制性受容体に結合すると、免疫細胞活性化を阻害することができる。PD-1/PD-L1経路の会合は、T細胞エフェクタ機能、サイトカイン分泌及び増殖の阻害をもたらす。(Turnis et al.,OncoImmunology 1(7):1172-1174、2012)。高レベルのPD-1は、消耗した又は慢性的に刺激されたT細胞と関連する。更に、増大したPD-1発現は、癌患者の減少した生存期間と互いに関係がある。
PD-1、B7-4、及び免疫細胞内でのB7-4とPD-1抑制シグナルとの間の相互作用を下方制御するための薬剤は、免疫応答の強化をもたらす。本発明では、当該技術分野において周知の抗PD-1抗体のうちのいずれかが使用されてよく、例えば、米国特許第7101550号、同第5698520号、同第6808710号、同第7029674号、同第7794710号、同第7892540号、同第8008449号、同第8088905号、同第8163503号、同第8168757号、同第8354509号、同第8460927号、同第8609089号、同第8747833号、同第8779105号、同第8900587号、同第8952136号、同第8981063号、同第8993731号、同第9062112号、同第9067999号、同第9073994号、同第9084776号、同第9102728号、及び同第7488802号、並びに米国特許出願公開第20020055139号、同第20140044738号を参照されたい。例えば、ニボルマブは、切除不能又は転移性黒色腫、及び扁平上皮非小細胞肺癌の処置用としてFDAが承認した、PD-1に対するヒトmAbである。
PD-L1/PD-L2
PD-L1(プログラム細胞死-リガンド1)はまた、クラスタ分類274(CD274)又はB7ホモログ1(B7-H1)のとしても知られる。PD-L1は、妊娠、組織同種移植(tissue allographs)、自己免疫疾患、並びに肝炎及び癌などの他の疾患状態といった特定の事象中での免疫系の抑制において主要な役割を果たすために、PD-1に対するリガンドとして機能する。PD-1受容体/PD-L1リガンド複合体の形成は、リンパ節でのCD8+T細胞の増殖を減少させる抑制シグナルを伝達する。
本発明では、周知の抗PD-L1抗体のうちのいずれかが使用されてよく、例えば、米国特許第7943743号、同第7722868号、同第8217149号、同第8383796号、同第8552154号、及び同第9102725号、並びに米国特許出願公開第20140341917号、及び同第20150203580号、並びに国際出願PCT/US2001/020964号を参照されたい。例えば、臨床開発中である抗PD-L1抗体には、BMS935559(MDX-1105としても知られる)、MPDL3280A、MEDI4736、アベルマブ(MSB0010718Cとしても知られる)、KY-1003、MCLA-145、RG7446(アテゾリズマブとしても知られる)、及びSTI-A1010が挙げられる。
PD-L2(プログラム細胞死1リガンド2)はまた、B7-DCとしても知られる。PD-L2は、PD-1に対するリガンドとして機能する。特定の条件下では、PD-L2及びその阻害剤は、PD-L1及びその阻害剤の代わりとしてそれぞれに使用することができる。
CD40
CD40(クラスタ分類40)は、抗原提示細胞上で発見された共刺激タンパク質であり、抗原提示細胞の活性化に必要とされる。TH細胞上のCD40L(CD154)がCD40に結合されると、抗原提示細胞が活性化され、様々な下流効果を加えて免疫応答が刺激される。
CD40の活性を刺激する薬剤は、免疫刺激剤として有用である。本発明では、周知のアゴニスト抗CD40抗体のうちのいずれかが使用されてよく、例えば、米国特許第5786456号、同第5674492号、同第5182368号、同第5801227号、同第7824683号、同第6843989号、同第7618633号、同第7537763号、同第5677165号、同第5874082号、同第6051228号、同第6312693号、同第6315998号、同第6413514号、同第6838261号、同第6843989号、同第6946129号、同第7063845号、同第7172759号、同第7193064号、同第7288251号、同第7338660号、同第7547438号、同第7563442号、同第7626012号、同第8778345、並びに米国特許出願公開第2003059427号、同第20020142358号、及び同第20050136055号、国際公開第02/088186号、同第01/56603号、同第88/06891号、同第94/04570号、及び同第05/63289号、Schlossman et al.,Leukocyte Typing,1995,1:547-556、及びPaulie et al.,1984,Cancer Immunol.Immunother.17:165-179を参照されたい。例えば、臨床開発中であるアゴニスト抗CD40抗体には、CP-870,893、ダセツズマブ(SGN-40としても知られる)、及びChiLob 7/4又はAPX005Mが挙げられる。
OX40
CD134及びTNFRSF4としても知られる、OX40は、受容体のTNFR-スーパーファミリーのメンバーである。OX40は、共刺激性免疫チェックポイント分子であり、T細胞の活性化に続いて24~72時間後に発現される。OX40LとOX40との相互作用は、T細胞増殖並びに免疫応答及び記憶を最初の2日を越えて持続させることになる。抗原によるT細胞の準備刺激の間又はそのすぐ後にOX40受容体結合性薬剤であるOX40L又はOX40アゴニストでT細胞の表面上のOX40受容体を会合することによって腫瘍抗原に対する免疫応答を強化するための方法は、CLIVSにおいて免疫チェックポイント阻害剤として使用することができる。
LAG-3
抗原特異的免疫応答を促進することを目的とした、LAG-3(リンパ球活性化遺伝子-3)の使用、及びより一般的には、ワクチンのアジュバントとしてのMHCクラスIIリガンド又はMHCクラスII様リガンドの使用は、前臨床モデルにおいて成功している。LAG-3遺伝子生産物を対象とする又は調節する抗体又は薬剤は、本発明において有益であり得る。LAG-3に関連した特許及び特許請求の詳細について、米国特許第5773578号、引用及び参照された特許を参照されたい。
以下の表1は、FDAにより承認済みである又は臨床試験研究に関わっている、全身経路によって投与される市販の免疫調節薬の例をまとめている。表1に記載の任意の免疫調節薬は、本明細書に記載の任意の方法において、表1に記載されているのと同じ又は異なる投与経路、及び/又は用量、及び/又は投薬頻度、及び/又は期間、及び/又維持スケジュールを使用して、第1、第2、又は第3の免疫調節薬として使用されてよい。
例示的な実施形態
本発明は、以下の実施形態を提供する。
1.個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置する方法であって、a)腫瘍の部位に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを局所的に投与することと、b)有効量の免疫調節薬を全身的に投与することと、を含み、腫瘍溶解性ウイルスが、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含む、ウイルスベクターを含む、方法。
2.腫瘍溶解性ウイルスが癌細胞内で優先的に増殖する、実施形態1に記載の方法。
3.癌細胞はRb経路に欠失がある、実施形態2に記載の方法。
4.腫瘍特異的プロモータがE2F-1プロモータである、実施形態3に記載の方法。
5.腫瘍特異的プロモータがヒトE2F-1プロモータである、実施形態4に記載の方法。
6.E2F-1プロモータが、配列番号:1に記載されたヌクレオチド配列を含む、実施形態5に記載の方法。
7.免疫関連分子が、GM-CSF、IL-2、IL-12、インターフェロン、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、及びLTαβからなる群から選択される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.免疫関連分子がGM-CSFである、実施形態7に記載の方法。
9.異種遺伝子が、ウイルスプロモータに操作可能に連結されている、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
10.腫瘍溶解性ウイルスが、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ポリオウイルス、麻疹ウイルス、セネカバレーウイルス、コクサッキーウイルス、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス、マラバ及びラブドウイルス、並びにパルボウイルスからなる群から選択される、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.腫瘍溶解性ウイルスが腫瘍溶解性アデノウイルスである、実施形態10に記載の方法。
12.ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子が、E1A、E1B、及びE4からなる群から選択される、実施形態11に記載の方法。
13.異種遺伝子が、E1プロモータ又はE3プロモータに操作可能に連結されている、実施形態11又は実施形態12に記載の方法。
14.腫瘍溶解性ウイルスがアデノウイルス血清型5であり、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータがヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスの内因性E3 19kDコード領域が、ヒトGM-CSFをコードしている核酸に置換されている、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
15.腫瘍溶解性ウイルスがCG0070である、実施形態14に記載の方法。
16.腫瘍溶解性ウイルスが、約1×108~約1×1014ウイルス粒子の用量で投与される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
17.腫瘍溶解性ウイルスが1週間に1回で投与される、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
18.腫瘍溶解性ウイルスが、約1週間~約6週間にわたって投与される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
19.腫瘍溶解性ウイルスが、腫瘍内へ直接的に投与される、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.腫瘍溶解性ウイルスが、腫瘍を有する組織に投与される、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
21.免疫調節薬が静脈内に投与される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
22.腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬が連続的に投与される、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
23.腫瘍溶解性ウイルスが、免疫調節薬の投与に先立って投与される、実施形態22に記載の方法。
24.腫瘍溶解性ウイルスが、免疫調節薬の投与後に投与される、実施形態22に記載の方法。
25.腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬が同時に投与される、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
26.免疫調節薬が、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
27.免疫調節薬が、PD-L1の阻害剤である、実施形態26に記載の方法。
28.PD-L1の阻害剤が抗PD-L1抗体である、実施形態27に記載の方法。
29.抗PD-L1抗体がアテゾリズマブである、実施形態28に記載の方法。
30.免疫調節薬が免疫刺激剤である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
31.免疫刺激剤が、OX40、4-1BB及びCD40からなる群から選択される分子の賦活物質である、実施形態30に記載の方法。
32.免疫刺激剤が、OX40の賦活物質である、実施形態31に記載の方法。
33.免疫調節薬が、OX40のアゴニスト抗体である、実施形態32に記載の方法。
34.第2の免疫調節薬を腫瘍の部位に局所的に投与することを更に含む、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
35.第2の免疫調節薬が、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である、実施形態34に記載の方法。
36.第2の免疫調節薬が、CTLA-4の阻害剤である、実施形態35に記載の方法。
37.CTLA-4の阻害剤が抗CTLA-4抗体である、実施形態36に記載の方法。
38.第2の免疫調節薬が、OX40、4-1BB及びCD40の賦活物質からなる群から選択される免疫刺激剤である、実施形態34に記載の方法。
39.第2の免疫調節薬が、腫瘍内へ直接的に投与される、実施形態34~38のいずれか1つに記載の方法。
40.第2の免疫調節薬が、腫瘍を有する組織に投与される、実施形態34~38のいずれか1つに記載の方法。
41.免疫調節薬及び第2の免疫調節薬が同時に投与される、実施形態34~40のいずれか1つに記載の方法。
42.免疫調節薬及び第2の免疫調節薬が連続的に投与される、実施形態34~40のいずれか1つに記載の方法。
43.免疫調節薬が、第2の免疫調節薬の投与に先立って投与される、実施形態42に記載の方法。
44.免疫調節薬が、第2の免疫調節薬の投与後に投与される、実施形態42に記載の方法。
45.第3の免疫調節薬を投与することを更に含む、実施形態34~44のいずれか1つに記載の方法。
46.第3の免疫調節薬が全身的に投与される、実施形態45に記載の方法。
47.第3の免疫調節薬が、腫瘍の部位に局所的に投与される、実施形態46に記載の方法。
48.第3の免疫調節薬が、腫瘍内へ直接的に投与される、実施形態47に記載の方法。
49.第3の免疫調節薬が、腫瘍を有する組織に投与される、実施形態47に記載の方法。
50.第3の免疫調節薬が、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である、実施形態45~49のいずれか1つに記載の方法。
51.第3の免疫調節薬が、OX40、4-1BB及びCD40の賦活物質からなる群から選択される免疫刺激剤である、実施形態45~49のいずれか1つに記載の方法。
52.第2の免疫調節薬及び第3の免疫調節薬が同時に投与される、実施形態45~51のいずれか1つに記載の方法。
53.第2の免疫調節薬及び第3の免疫調節薬が連続的に投与される、実施形態45~51のいずれか1つに記載の方法。
54.腫瘍溶解性ウイルスの投与に先立って前処置組成物を腫瘍の部位に局所的に投与することを更に含む、実施形態1~53のいずれか1つに記載の方法。
55.前処置組成物が形質導入増強剤を含む、実施形態54に記載の方法。
56.形質導入増強剤がN-ドデシル-β-D-マルトシド(DDM)である、実施形態55に記載の方法。
57.個体が、腫瘍溶解性ウイルス及び免疫調節薬の投与に先立って前治療を受ける、実施形態1~56のいずれか1つに記載の方法。
58.前治療が放射線治療である、実施形態57に記載の方法。
59.前治療が、治療薬の投与を含む、実施形態57に記載の方法。
60.治療薬が、免疫原性経路に関わるサイトカインの濃度を高める薬剤である、実施形態59に記載の方法。
61.治療薬が、腫瘍の構造構成要素に機能障害又は損傷を引き起こす薬剤である、実施形態59に記載の方法。
62.治療薬が、抗VEGF抗体、ヒアルロニダーゼ、CCL21、及びN-ドデシル-β-マルトシドからなる群から選択される、実施形態57~61のいずれか1つに記載の方法。
63.前治療が、腫瘍を処置するのに不十分な用量で提供される、実施形態57~62のいずれか1つに記載の方法。
64.腫瘍の部位に有効量の不活性化腫瘍細胞を局所的に投与することを更に含む、実施形態1~63のいずれか1つに記載の方法。
65.不活性化腫瘍細胞が自家である、実施形態64に記載の方法。
66.不活性化腫瘍細胞が同種である、実施形態64に記載の方法。
67.不活性化腫瘍細胞が腫瘍細胞株由来である、実施形態64に記載の方法。
68.不活性化腫瘍細胞が照射によって不活性化されている、実施形態64~67のいずれか1つに記載の方法。
69.腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞が同時に投与される、実施形態64~68のいずれか1つに記載の方法。
70.腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞が単一組成物として投与される、実施形態69に記載の方法。
71.腫瘍溶解性ウイルス及び不活性化腫瘍細胞が、投与の直前に混合される、実施形態69又は実施形態70に記載の方法。
72.固形腫瘍又はリンパ系腫瘍が膀胱癌である、実施形態1~71のいずれか1つに記載の方法。
73.腫瘍溶解性ウイルスが膀胱内に投与される、実施形態72に記載の方法。
74.膀胱癌が筋層浸潤性膀胱癌である、実施形態71又は実施形態72に記載の方法。
75.膀胱癌が筋層非浸潤性膀胱癌である、実施形態71又は実施形態72に記載の方法。
76.個体が、腫瘍中のPD-1、PD-L1、及びPD-L2から選択される1つ以上のバイオマーカーの高発現を有する、実施形態1~75のいずれか1つに記載の方法。
77.個体が、腫瘍由来成熟樹状細胞中のCD80、CD83、CD86、及びHLAクラスII抗原から選択される1つ以上のバイオマーカーの高発現を有する、実施形態1~76のいずれか1つに記載の方法。
78.個体が、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CCR7、CCL5、CCL8、SOD2、MT2A、OASL、GBP1、HES4、MTIB、MTIE、MTIG、MTIH、GADD45A、LAMP3及びmiR-155からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの高発現を有する、実施形態1~77のいずれか1つに記載の方法。
79.個体がヒト個体である、実施形態1~78のいずれか1つに記載の方法。
80.個体内の固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を処置するためのキットであって、a)腫瘍溶解性ウイルスと、b)免疫調節薬と、c)腫瘍溶解性ウイルスを腫瘍の部位に局所的に投与するための装置と、を含み、腫瘍溶解性ウイルスが、ウイルスの複製に必須なウイルス遺伝子に操作可能に連結されている腫瘍細胞特異的プロモータと、免疫関連分子をコードしている異種遺伝子と、を含む、ウイルスベクターを含み、免疫調節薬が全身投与用に配合される、キット。
81.免疫関連分子が、GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、及びLTαβからなる群から選択される、実施形態80に記載のキット。
82.腫瘍溶解性ウイルスが腫瘍溶解性アデノウイルスである、実施形態80又は実施形態81に記載のキット。
83.腫瘍溶解性ウイルスがアデノウイルス血清型5であり、天然アデノウイルスの内因性E1aプロモータがヒトE2F-1プロモータに置換され、天然アデノウイルスの内因性E3 19kDコード領域が、ヒトGM-CSFをコードしている異種遺伝子に置換されている、実施形態82に記載のキット。
84.腫瘍溶解性ウイルスがCG0070である、実施形態83に記載のキット。
85.免疫調節薬が、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM3、B7-H3、B7-H4、LAG-3、KIR、及びこれらのリガンドからなる群から選択される免疫チェックポイント分子の調節物質である、実施形態80~84のいずれか1つに記載のキット。
86.免疫調節薬が、PD-L1の阻害剤である、実施形態85に記載のキット。
87.PD-L1の阻害剤が抗PD-L1抗体である、実施形態86に記載のキット。
88.抗PD-L1抗体がアテゾリズマブである、実施形態87に記載のキット。
89.免疫調節薬が、OX40、4-1BB及びCD40の賦活物質からなる群から選択される免疫刺激剤である、実施形態80~88のいずれか1つに記載のキット。
90.免疫調節薬が、OX40のアゴニスト抗体である、実施形態89に記載のキット。
91.腫瘍の部位への局所投与用に配合された第2の免疫調節薬を更に含む、実施形態80~90のいずれか1つに記載のキット。
92.第3の免疫調節薬を更に含む、実施形態91に記載のキット。
93.形質導入増強剤を含む前処置組成物を更に含む、実施形態80~92のいずれか1つに記載のキット。
94.形質導入増強剤がN-ドデシル-β-D-マルトシド(DDM)である、実施形態93に記載のキット。
95.GM-CSF、IL-2、IL12、インターフェロン、CCL4、CCL19、CCL21、CXCL13、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、RIG-I、MDA5、LGP2、LTαβ、STING賦活物質、PRRago、TLR刺激物質、及びRLR刺激物質からなる群から選択される免疫関連分子を更に含む、実施形態80~94のいずれか1つに記載のキット。
96.複数の不活性化腫瘍細胞を更に含む、実施形態80~95のいずれか1つに記載のキット。
97.腫瘍溶解性ウイルスと不活性化腫瘍細胞とを投与に先立って混合するための説明書を更に含む、実施形態96に記載のキット。
98.局所投与用の装置が、複数の不活性化腫瘍細胞及び腫瘍溶解性ウイルスの同時投与に使用される、実施形態96又は実施形態97に記載のキット。
99.局所投与用の装置が、腫瘍溶解性ウイルスを腫瘍内へ直接的に投与するためのものである、実施形態80~98のいずれか1つに記載のキット。
100.局所投与用の装置が、腫瘍を有する組織に腫瘍溶解性ウイルスを投与するためのものである、実施形態80~99のいずれか1つに記載のキット。
以下の実施例は、本発明の純粋な例示であると意図されるものであり、したがって、本発明をいかなる方法でも制限しないと見なすべきである。以下の実施例及び詳細な説明は例証のために提供され、それらには限定されない。
実施例1:1つ以上の免疫調節薬の全身投与を併用したCG0070の腫瘍内又は膀胱内投与の臨床研究
固形腫瘍又はリンパ系腫瘍を有する患者へのCG0070の局所投与及び免疫調節薬又は免疫調節薬(2種類など)の組み合わせの全身投与を含む併用療法の有効性及び安全性を評価するために、臨床研究が行われる。膀胱癌を有する患者には、CG0070が膀胱内に投与される。固形癌のいくつかの症例では、患者は、CG0070を腫瘍内に投与される。
様々な免疫調節薬が個々に又は組み合わせて患者に投与される。表1に記載の任意の1つ以上の免疫調節薬が臨床研究において試験され得る。免疫調節薬の全身投与のための投与経路、用量、投薬頻度、期間、及び/又は維持投薬法は、表1に記載されているものと同じ又は異なるものにすることができる。表1は、例示のみを目的として本明細書に提示されている。表1の範囲外の免疫調節薬もまた、臨床研究で評価することができる。
実施例2:筋層浸潤性膀胱癌を有する患者においてCTLA-4阻害剤の膀胱内投与及びOX40賦活物質の静脈内投与を併用したCG0070の膀胱内投与の第I/II相臨床研究
この実施例は、筋層浸潤性膀胱癌(MIBC)を有する患者において抗CTLA-4抗体の膀胱内投与及びOX40賦活物質の静脈内投与を併用したCG0070の膀胱内投与の臨床研究について説明する。筋層浸潤性膀胱癌は、CG0070が膀胱癌内で活性であることが示されていることから、本明細書に例として選択されている。更に、すべての筋層浸潤性膀胱癌患者は膀胱切除術を受ける必要があり、したがって、このワクチン系に必要な腫瘍細胞を調製するのに良好な腫瘍試料が提供される。加えて、筋層浸潤性膀胱癌患者(T3~4)の予後は、ネオアジュバント化学療法の使用にもかかわらずよくなかった。これらの患者の大半は60歳を超えており、少数の患者は化学療法の重篤な副作用を受ける可能性がある。この患者集団において疾患再発のリスクを最小限に抑えることができる有効な薬剤は、未だ対処されていないニーズである。
この臨床研究は、移行上皮細胞筋層浸潤性膀胱癌疾患を有する患者においてネオアジュバント療法としてCTLA-4阻害剤の膀胱内投与及びOX40賦活物質の静脈内投与を併用した膀胱内CG0070の第I/II相、シングルアーム、非盲検、介入性の用量漸増の安全性及び有効性の研究であり、患者は、根治的膀胱全摘術及び骨盤リンパ節郭清術のために選ばれている。一次的な安全性の研究目的では、膀胱切除術前のMIBC患者のネオアジュバント処置として、CTLA4遮断及びOX40活性化と組み合わされたCG0070が、安全かつ許容可能であるかどうかを調査する。一次的な有効性の研究目的では、CG0070、CTLA-4阻害剤、及びOX40賦活物質ネオアジュバント処置後の腫瘍のPD-L1又はPD-1レベルの変化を測定する。二次的な研究目的は、2年無病生存期間(DFS)、2年無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、膀胱切除術での病理学的完全奏効割合(p0割合)、膀胱切除術での病理学的ダウンステージング割合、及び膀胱切除術での臓器限局性疾患割合の評価を含む。
研究の第I相部分では、(例えば、3~6人)の患者のコホートは、4つの用量レベルのうちの1つで膀胱内CG0070、膀胱内CTLA4阻害剤、及び静脈内OX40賦活物質を受け入れる。第1の用量レベルは、CG0070及びCTLA4阻害剤のみからなる。それぞれの患者は、膀胱内CG0070の毎週の点滴注入(installations)を4回(例えば、各週の1日目に)、及び第2週から膀胱内CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の毎週の点滴注入を3回(例えば、8日目、15日目、及び22日目に)、及び第3週に静脈内OX40賦活物質(例えば、GSK3174998)の点滴注入を4つの用量レベルのうちの1つで1回(例えば、22日目に)受け、このとき、CTLA-4阻害剤及びOX40賦活物質はCG0070の後に続いて投与される。
用量漸増は、用量が増加するにつれて用量の増分が小さくなっていく修正フィボナッチ数列に従う。例えば、コホート内の最初の3人の患者が誰も用量制限毒性を呈しないと、別の3人の患者は次のより高い用量レベルで処置されることになる。一方、最初の3人の患者のうちの1人が用量制限毒性を呈すると、更に3人の患者が同じ用量レベルで処置されることになる。用量漸増は、3~6人の患者のコホートの中で少なくとも2人の患者が用量制限毒性を呈する(すなわち、その用量レベルで≧33%の患者が用量制限毒性を有する)まで継続する。試験の次の段階又は相に対して推奨される用量は、この毒性用量レベルのすぐ下の用量レベルとして慣習的に定義される。用量制限毒性(DLT)は、有害事象共通用語規準(CTCAE)バージョン4を使用して定義される。DLTは、処置の第1週の第1日から第4週の第1日までにおけるグレード3以上の薬物関連有害事象(AE)として定義され、これには、3連続週を超える期間にわたっての研究処置の中断及び/又は免疫関連毒性に起因する薬物の恒久的な中止を必要とする任意のグレード3以上の毒性が含まれるが、ステロイドの投与あり又はなしで3週間以内にグレード1又はベースラインに帰着する、グレード3 AEの腫瘍フレア(既知の又は疑いのある腫瘍部位に限局化された局所痛、刺激、又は発疹として定義される)及びグレード3免疫介在性事象の皮膚(発疹、掻痒)又は内分泌系(甲状腺機能低下症、甲状腺亢進症、下垂体低下症、副腎不全、性腺機能低下症及びクッシング様症候群)は除外される。肝免疫毒性は、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ又は総ビリルビンのグレード3以上の上昇として定義される。有意なDダイマーの増加(ベースラインから少なくとも1μg/mLで20%増加)は、7日を超えて続いているグレード2を上回るINR、PT、PTT、小板、又はフィブリノゲンの変化と組み合わせて、DLTと見なされる。加えて、CG0070処置に関連した臨床的に有意な血栓症又は出血は、DLTと見なされる。研究処置に関連した毒性が原因で21日を超えて延長している処置の遅れを有する患者は、処置関連DLTを有すると見なされる。処置関連毒性以外の理由では、7日を超えて延長している処置の遅れを有する患者又は3回の投与の前に研究から離脱する患者は、コホート内で交替される。最大耐量(MTD)は、2DLTに帰着する直前の用量である。MTDが定義されない場合、2DLTなしで投与される最高用量が投与可能な最大用量(MFD)になる。この研究では患者に対して用量を減少させることはできない。ただし、用量レベル1の6人の患者のうちの少なくとも2人がDLTを呈すると、3人の患者は用量レベル1で登録されることになる。更に、用量レベル1の6人の患者のうちの少なくとも2人がDLTを呈すると、3人の患者は用量レベル2で登録されることになる。
CG0070の好適な用量は、約1×1012ウイルス粒子(vp)であり、4週間にわたって1週間に1回である。膀胱内CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の好適な用量は、約0.1mg/kg~約0.3mg/kgであるが、1回投与当たり合計で20mgを超えないものであり、3週間にわたって1週間に1回であり、第2週から始めて第4週に終わる。静脈内OX40賦活物質(例えば、GSK3174998)の好適な用量は、約0.003mg/kg~約10mg/kgであり、3週間に1回であり、第3週から始める。
研究の第II相部分では、それぞれの患者は、研究の第I相部分で決定された用量レベルで4週間の処置単位にわたり、CTLA-4阻害剤の膀胱内投与及びOX40賦活物質の静脈内投与と組み合わせて、CG0070を膀胱内に投与される。研究の第I相部分及び第II相部分の両方において、併用療法の投与に先立ち、それぞれの患者は有害事象を評価され、臨床検査評価のために試料(血液試料及び尿試料など)を採集される。例えば、CG0070の第1の膀胱内投与に先立ち、GM-CSFレベル、並びにCG0070レベル及び野生型アデノウイルスレベルを評価するために、血液試料及び尿試料がそれぞれの患者から採集される。第2週、第3週、及び第4週の投与のそれぞれに先立ち、血液学的検査(分化、化学反応及び凝固を有するCBCなど)、血清化学検査(ナトリウム、カリウム、塩化物、BUN、クレアチニン、ブドウ糖、総タンパク質量、アルブミン、カルシウム、総ビリルビン量、直接ビリルビン、アルカリ性リン酸塩、LDH、AST、ALT、及び甲状腺機能など)、及び尿検査での臨床検査評価のために患者由来の試料が採集される。患者が臨床的に安定であることを保証するために、それぞれのCG0070処置に先立って、及び処置中に合計2時間にわたって1時間ごとに、血圧、脈、呼吸及び体温を含めて、バイタルサインが記録される。
CG0070及びCTLA-4阻害剤は、以下のとおりに投与することができる。患者は、処置前の4時間は液体を飲まないように忠告され、処置投与の前に膀胱を空にする必要がある。研究日において、それぞれの患者は、形質導入増強剤(DDM)がカテーテル(Rusch 173430 Foley Catheter & BARD LUBRI-SIL Foley Catheter #70516SI)を介して膀胱内に投与される前処置を受ける。前処置は、100mL生理食塩水による膀胱内洗浄、続いて75mLの0.1%DDMによる膀胱内洗浄からなる。その後、患者は、100mLの0.1%DDMの膀胱内注入を受け、このDDMは、12~15分にわたって膀胱内に保持され、続いて100mLの食塩水で洗い流される。患者が少なくとも5分のDDM前処置に耐えることができない場合は、その処置に対してCG0070及びCTLA-4阻害剤による更なる処置は中断されなければならない。CG0070の膀胱内注入がDDM前処置後に2時間を超えて遅れる場合、患者はCG0070を受けないことになり、DDM及びCG0070処置を2日後以降に再スケジュールされなければならない。処置が2週間を超えて遅れる場合、患者は、再処置に先立って引き続き適格条件に適合しなければならない。DDMによる前処置に続いて、それぞれの患者は、カテーテル(例えば、Rusch 173430 Foley Catheter & BARD LUBRI-SIL Foley Catheter #70516SI)を介した濃度1.0×1010vp/mLの100mLのCG0070の単回膀胱内注入を45~50分の滞留時間で受ける。処置は、任意の先行する膀胱生検の後に続いて少なくとも14日間行われなければならない。カテーテル挿入(外傷性カテーテル法)時に出血を呈する患者は、CG0070で処置されてはならない。CG0070が膀胱内に保持されている間、患者は、体位を左側から右側に変更される必要があり、また仰向け及びうつ伏せにしてCG0070に対する膀胱表面の暴露を最大化することも必要である。患者の体位は、合計で45~50分にわたって10~12分おきに変更される。次いで、CG0070は、カテーテルを介して汚物処理袋の中に排出される。CG0070溶液が膀胱から排出されたらすぐに、適当な用量(例えば、いずれのCTLA-4も含んでいない第I相研究の用量レベルI)のCTLA-4阻害剤(例えば、YERVOY(登録商標)などのイピリムマブ)が、100mLの生理食塩水内に希釈され、膀胱内へ点滴注入される。点滴注入後、次いで尿道カテーテルが回収され、患者は排尿によって空にする前にあと45分~1時間(又は可能な限り長く)現状を維持するように求められる。
研究の第II相部分での6週間の処置単位の後、それぞれの患者は、膀胱切除術を受ける。膀胱切除術は、最後の膀胱内処置後10~14日目(例えば、約40日目)に、又は処置関連毒性がすべて正常なレベルに戻り、病状が手術に適した状態になったらすぐに行われる。膀胱切除術後、腫瘍試料が患者から採取されて病理検査室で評価され、また実験室評価を行って患者が処置に応答しているかどうかを決定する。この評価は、(1)存在する場合は、腫瘍の病期及び悪性度、(2)Treg、CD4、CD8及び他のT細胞サブセットなど、腫瘍の免疫学的パラメータ、(3)免疫組織化学的法による腫瘍のPD-L1発現状態、(4)リンパ節転移、(5)処置前と処置後の肉眼による写真比較に関する、切除された腫瘍の病理学的及び免疫学的評価を含む。それぞれの患者は、CG0070の長期の応答及び毒性、疾患の再発又は進行、並びにその後の治療及び応答を監視するために、膀胱切除術の日から3、6、12、18、及び24か月後(±2週間)に評価される。2年後、患者は、遺伝子治療に関連した長期の毒性(新しい悪性腫瘍、自己免疫疾患、神経病学及び血液学障害など)、及び第1の膀胱内CG0070治療後5年間の生存の評価のために1年に1回連絡される。患者は、CG0070による処置後の合計で最大5年間、又は現行のFDAガイドライン及び現行の標準治療に従って、追跡される。
研究の一次的な評価項目は、以下のとおりに決定される。患者は、処置の安全性及び忍容性を決定するためのAE、SAE、及びSUSARの評価のために研究の全体を通して終了時まで追跡される。更に、膀胱切除術においては、処置の有効性は、PD-L1及びPD-1状態の変化率を決定することによって評価され、この変化率は、少なくとも3回以上の完了した膀胱内注入に対するインターベンション前及び後のPDL1又はPD1陽性患者の割合の差分として定義される。
研究の二次的な評価項目は、以下のとおりに決定される。膀胱切除術においては、各T病期の膀胱切除術での病理学的完全奏効割合(p0割合)が、T病期分類によって及び患者のグループ全体に対して更に階層化された膀胱切除術においてインターベンション後に原発腫瘍部位での病理学的完全腫瘍奏効を有する患者の割合を決定することによって評価される。また、膀胱切除術においてインターベンション後に原発腫瘍部位での腫瘍の病期又は悪性度のダウングレードを有する患者の割合として定義される、膀胱切除術での病理学的ダウンステージング割合、及び膀胱切除術において陽性のリンパ節が見つかっていない患者の割合として定義される、膀胱切除術での臓器限局性疾患割合も、膀胱切除術のときに決定される。膀胱切除術後2年までは、膀胱切除術の日から早期の疾患再発又は死亡(原因は問わない)までの月数として定義される、2年無病生存期間、及び膀胱切除術の日から早期の疾患増悪又は死亡(原因は問わない)までの月数として定義される、膀胱切除術後に残存病変を有する患者の2年無増悪生存期間を決定するために、患者は追跡される。膀胱切除術後5年までは、膀胱切除術の日から死亡日(原因は問わない)までの月数として定義される、全生存期間を決定するために、患者は追跡される。
更に、研究の過程において評価される探索性の評価項目には、インターベンション前及び後のTreg(CD4+CD25+Foxp3+)、CD4、CD8、CD4RO45及びCD4ICOShighなどの変化の評価を含む原発腫瘍部位内の免疫機能の変化、インターベンション前及び後に撮られた写真による原発腫瘍部位の肉眼変化、全身の絶対リンパ球数、並びに患者内の全身のサイトカインパターンが挙げられるが、これらに限定されない。
患者は、研究に適格であるために、以下の条件のすべてに適合しなければならない:
1.18歳以上、
2.筋層浸潤性疾患(すなわち、American Joint Committee on Cancer(AJCC)の病期T2-4a、NX-1、M0)に対して治癒目的での根治的膀胱全摘術が指示されている、病理学的に診断された移行上皮(尿路上皮)膀胱癌患者。患者は、直近の診断手順から5週間以内に研究に参加することができなければならず、診断手順は通常、診断的生検、膀胱腫瘍の経尿道的切除(TURBT)手順又はCT、MRI、及びPET手順などの他の診断的スキャンニングである、
3.病理組織学的に確認された、移行上皮(尿路上皮)癌。混合組織構造を有する(ただし50%未満の変異体を有する)尿路上皮腫瘍が適格である、
4.研究者によって確かめることができる病状が原因でネオアジュバント化学療法を受けるのに不適格。(例えば、腎機能障害は、算出された約60mL/min未満のクレアチニンクリアランス若しくは、少なくとも1つの耳において3つの隣接した試験周波数で平均化された、聴力検査による25dB以上の聴力損失、又は他の有意な心臓機能障害、血管疾患若しくは慢性閉塞性肺疾患などに基づくことができる)、又はネオアジュバント化学療法なしでの再発及び罹患の両方のリスク増加を扱う明確なインフォームドコンセント後にネオアジュバント化学療法を受けることを拒否する、
5.米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス≦2を有する、
6.妊娠又は授乳中でない、
7.研究のインフォームドコンセント及び個人健康情報の公表に関するHIPAA委任に同意する、
8.以下のように定義される、十分なベースラインCBC及び肝機能:
a.WBC>3000細胞個/mm3、ANC>1,000細胞個/mm3、ヘモグロビン>9g/dL、及び血小板数>80,000/mm3、
b.2.5×正常上限値未満のビリルビン、AST及びALT、
c.許容可能なPT/INR、PTT、及びフィブリノゲンを有する十分な凝固(正常上限値の1.5未満又は機関の規定による)、
d.絶対リンパ球数≧800/μL。
以下の除外基準のいずれかに適合する患者は、研究から除外される:
1.ヒト化若しくはヒト治療用モノクローナル抗体への暴露に続いてのアナフィラキシー反応、GM-CSFに対する過敏性、臨床的に意味があるアレルギー反応又は研究薬物中の配合賦形剤のいずれかに対する任意の周知の過敏性若しくは前の反応の病歴、
2.HIV、HBV又はHCVの既知の感染、
3.研究の間に研究実験計画書に明記されていない化学療法又は放射線療法の予期される使用、
4.研究者の所見では研究薬物の投与が患者を害することになり、有害事象の解釈、又は外科的切除をあいまいにするであろう、任意の基礎的な病状、
5.登録前28日以内での任意の試験中の臨床試験における全身処置、
6.任意の全身性ステロイド剤(例外:吸入するステロイド又は局所的に適用するステロイド、並びに急性及び慢性の標準用量NSAID、は可)を含む、他の免疫抑制剤又は免疫調節剤との同時処置。CTスキャンに使用される静脈造影剤に対する反応を防止するために、短期(すなわち、≦1日)のグルココルチコイドの使用は許容される、
7.研究参加の3か月以内のシクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、又はタクロリムスを含めて、免疫抑制療法、
8.尿路上皮癌を除く、病期III以上の癌の病歴。基底細胞皮膚癌又は扁平上皮皮膚癌は十分に処置されていなければならず、また被験者は登録時に無病でなければならない。病期I又はIIの癌の病歴を有する患者は、十分に処置されていて、かつ、登録時に2年以上無病状態になっていなければならない
9.共同活性の自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、自己免疫性甲状腺疾患、ブドウ膜炎)、
10.進行性又は現在のウイルス又は細菌感染。すべての感染が解決される必要があり、また患者は研究に配置される前に抗生物質なしで無熱状態を7日間維持しなければならない。
実施例3:難治性の注射可能な固形腫瘍を有する患者においてCTLA-4阻害剤の腫瘍内投与及びOX40賦活物質の静脈内投与を併用したCG0070の腫瘍内投与の第I/II相臨床研究
この実施例は、難治性の注射可能な固形腫瘍を有する患者に対してCTLA-4阻害剤(抗CTLA-4モノクローナル抗体又は遮断薬など)及びOX40賦活物質(抗OX40アゴニスト抗体など)を併用したCG0070の第I/II相臨床研究について説明する。この研究は、頭部及び頸部の扁平上皮癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓腺癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、並びに黒色腫など、皮膚又は内臓の病変部を含めて、固形腫瘍を有する患者における、CG0070の腫瘍内投与、CTLA-4阻害剤の腫瘍内投与、及びOX40賦活物質の静脈内投与を含む併用療法の安全性及び有効性を評価することを目的とした、多中心性、シングルアーム、非盲検、介入性の研究である。CG0070投与は、DDMなどのトランスデューサによる前処置を含むことができる。
第I相では、それぞれの被検者は、CG0070(例えば、DDM前処置あり)とCTLA-4阻害剤との組み合わせが腫瘍内注射によって1週間に1回(例えば、各週の1日目に)6週間にわたって投与される。更に、被験者は、OX40阻害剤(GSK3174998など)を第1週から6週間にわたって3週間に1回、3つの用量レベルのうちの1つで静脈内に投与される。用量漸増手順は、実施例1に記載のとおりである。MTD又はMFDに達すると、患者は、完全奏効、すべての注射可能な腫瘍の消失、確認された疾患の増悪又は研究処置の不耐性のいずれかが起こるまで、繰り返しの6週間の処置単位を第1の注射後3か月に、及び後に続く単位を3か月おきに受ける。研究の用量漸増段階にある患者は、完全な成功した登録評価で最後のインターベンションから3か月の期間の後に、繰り返しのMTD又はMFD単位の研究に登録されることができる。
CG0070(例えば、DDMあり)の腫瘍内注射の好適な用量は、約5×10
10vp、1×10
11vp、5×10
11vp、又は1×10
12vpであり、4週間にわたって1週間に1回である。例えば、ウイルスCG0070は、食塩水中の0.1%のDDMで再構成される。それぞれの用量の総体積は2mLである。CG0070溶液の濃度は、最低用量では約2.5×10
10vp/mL、最高用量では約5×10
11vp/mLである。患者が単一の病変部を有する場合(この病変部は2cmを超えていなければならない)、CG0070溶液の総体積がこの病変部内に注射される。2つ以上の病変部が存在する場合は、表2に示すとおり、病変部サイズに基づいた最大注射体積に従う。最大病変部が少なくとも2cmであれば、残りの体積は最大病変部内に注射される。最大病変部が2cm未満である場合、残りの体積は、2つのより大きい病変部の間で分割される。注射される病変部の最大数は3である。総用量は、病変部の総数及びサイズに関係なく与えられる。
CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の腫瘍内注射の好適な用量は、約6mg~約18mgであり、6週間にわたって1週間に1回である。それぞれのCG0070注射の直後に、CTLA-4阻害剤は投与される。それぞれの用量レベルの総体積、及び3つ以上の注射される病変部に対する病変部サイズに基づいた最大注射体積は、以下の表3に記載されている。注射される病変部の最大数は3であり、CTLA-4阻害剤の総用量は、病変部の総数及びサイズに関係なく与えられる。CTLA-4阻害剤の残りの体積は、注射された病変部の周囲に皮下投与される。最後の計画された処置の前に完全に消失する病変部があるときは、CG0070及びCTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の両方を、これまで注射されなかった病変部に投与することができる。処置単位の終了前にすべての病変部が消失した場合は、CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)のみを、元の病変部の場所又はその周囲において皮下領域に注射することができる。
静脈内OX40賦活物質(例えば、GSK3174998)の好適な用量は、約0.003mg/kg~約10mg/kgであり、3週間に1回であり、第1週から始める。
用量漸増手順は、実施例1に記載のとおりであり、またMTD/MFDは研究用量として指定され、これは第II相で使用される。
研究の第II相では、患者のコホートは、CG0070(例えば、DDMあり)及びCTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の組み合わせの1週間に1回の腫瘍内注射、並びに第I相で決定された研究用量でOX40阻害剤(例えば、GSK3174998)の第1週から始まる3週間に1回の6週間にわたる点滴静注を最初に受ける。その後、患者は、完全奏効、すべての注射可能な腫瘍の消失、確認された疾患の増悪又は研究処置の不耐性のいずれかが起こるまで、繰り返しの6週間の処置単位を第1の注射後3か月に、及び後に続く単位を3か月おきに受ける。第I相の用量漸増段階にある患者は、最後の投薬から少なくとも6週間の休薬期間が存在するならば、第II相の研究に登録されることができる。それぞれの投与では、最初にGC0070が病変部に注射され、続いてCTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)が注射され、続いてOX40賦活物質(例えば、GSK3174998)の点滴静注が行われる。
この研究には2つの一次的な評価項目、すなわち、(1)安全性及び忍容性、並びに(2)有効性が存在する。有効性は、処置の確認された客観的奏効率(ORR)によって評価される。この研究の二次的な評価項目は、以下のとおりである。安全性二次的成果は、それぞれの相の始まりからそれぞれの相における最後の被検者の登録後24か月まで評価される。安全性二次的評価項目には、すべての有害事象(AE)の発生率、グレード3以上のAE、研究薬物の中止を必要とする事象、腫瘍への局所的な影響、臨床的に有意な検査値変化及び臨床的に有意なバイタルサインの変化が挙げられる。有効性二次的成果は、それぞれの病期の始まりからそれぞれの病期における最後の被検者の登録後24か月まで評価される。有効性二次的評価項目には、最良奏効率(BOR)、病勢コントロール率(DCR)、持続的奏効率(DRR)、奏効期間(DOR)、奏効までの期間(TTR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存率(OS)、1年及び2年生存率が挙げられる。
男女共に患者の研究に対する適格性は、以下の組み入れ基準に基づいて決定される:
1.患者は、標準治療(手術、化学療法、放射線療法、又は内分泌療法)に失敗し、かつ、治療の選択肢が存在しない、病理組織学的に確認された固形腫瘍を有する必要があり、これには、頭部及び頸部の扁平上皮癌、皮膚の扁平上皮癌、乳癌、悪性黒色腫、結腸直腸癌、膵臓腺癌、卵巣癌、非小細胞肺癌及び前立腺癌が含まれるがこれらに限定されない、
2.患者は、任意の種類及び数の前癌治療を受けたことがあってもよい、
3.患者は、RECIST法によって評価可能である測定可能な病変部を有しなければならない、
4.処置される腫瘤は、注射(すなわち、主要な血管構造から2cmを超えて離れている)及びRECISTによる測定に適していなければならない、
5.患者は18歳以上でなければならない、
6.患者は12週間以上の余命を有しなければならない、
7.患者は、0、1、又は2の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有しなければならない、
8.患者は、以下のように定義される、十分な肝機能を有しなければならない:
a.総ビリルビンレベル≦1.5×正常上限値(ULN)、及び
b.AST/ALTレベル≦2.5×ULN、又は肝転移が存在する場合は≦5×ULN、
9.患者は、血清クレアチニン≦1.5×ULN、又はクレアチニン>1.5×ULNを有する患者にはクレアチニンクリアランス(算出値)≧60mL/min/1.73m2と定義される、十分な腎機能を有しなければならない、
10.患者は、以下のように定義される、十分な骨髄機能を有しなければならない:
a.絶対好中球数≧1,200/μL、及び
b.血小板数≧80,000/μL、
11.患者は、腫瘍内注射又は生検を危険なものにするであろう既知の出血性素因も凝固障害も有してはならない、
12.子供を設ける可能性のある男性及び女性は、研究参加の前に及び最長6か月にわたって十分な受胎調節を行うことに同意しなければならない、
13.妊娠する可能性のある女性は、処置開始の前の1週間以内に尿又は血清妊娠試験で陰性でなければならない、及び
14.患者は、書面にしたインフォームドコンセントの文書を理解することができ、かつ、同文書に署名する意志がなければならない。
以下の患者は研究から除外される:
1.スクリーニングの前の4週間以内に化学療法、免疫療法又は放射線療法を受けている患者、又はスクリーニングの前に4週間を超えて投与された薬剤に起因する有害事象>グレード1(脱毛症を除く)を受けている患者、
2.有意な腫瘍出血の病歴、又は凝固若しくは出血障害を有する患者、
3.放射線科医によって決定される明解な画像所見に基づいて、主要な血管構造(例えば、無名動脈、頸動脈)に潜在的に浸潤する恐れがある標的腫瘍を有する患者、
4.グレード≧1の前から存在する神経学的異常(CTCAEバージョン4.0)を有する患者、
5.研究への参加の前に30日の間に入院患者評価、処置又は手順を必要とする緊急状態で入院している患者。加えて、入院患者評価、処置又は手順を必要とする緊急状態は、研究への参加の前に30日にわたって解決されている又は医学的に安定であり重症でないことが必要である、
6.臨床的に明らかなヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、又はエプスタイン-バーウイルス(EBV)感染を有する患者。患者は、前処置スクリーニング時にHIVについて検査される
7.ステロイド剤又は免疫抑制剤を、例えば、関節リウマチのために、受けている患者、
8.任意の他の試験中薬剤の同時使用を有する患者、
9.中枢神経系転移の存在又は病歴を有する患者、
10.研究の時間枠内において受胎することを希望している妊娠又は授乳女性、
11.進行中若しくは活動性の感染、症候性のうっ血性心不全、不安定狭心症、心不整脈、又は研究要件の遵守を制限するであろう精神医学的な病気/社会的な状況を含むがこれらに限定されない、制御されない介入性の病気を有する患者。
実施例4:筋層浸潤性膀胱癌を有する患者においてCTLA-4阻害剤の膀胱内投与及びPD-L1阻害剤の静脈内投与を併用したCG0070の膀胱内投与の第I/II相臨床研究
この実施例は、筋層浸潤性膀胱癌(MIBC)を有する患者において抗CTLA-4抗体の膀胱内投与及びPD-L1阻害剤の静脈内投与を併用したCG0070の膀胱内投与の臨床研究について説明する。筋層浸潤性膀胱癌は、CG0070が膀胱癌内で活性であることが示されていることから、本明細書に例として選択されている。更に、すべての筋層浸潤性膀胱癌患者は膀胱切除術を受ける必要があり、したがって、このワクチン系に必要な腫瘍細胞を調製するのに良好な腫瘍試料が提供される。加えて、筋層浸潤性膀胱癌患者(T3~4)の予後は、ネオアジュバント化学療法の使用にもかかわらずよくなかった。これらの患者の大半は60歳を超えており、少数の患者は化学療法の重篤な副作用を受ける可能性がある。この患者集団において疾患再発のリスクを最小限に抑えることができる有効な薬剤は、未だ対処されていないニーズである。
この臨床研究は、移行上皮細胞筋層浸潤性膀胱癌疾患を有する患者においてネオアジュバント療法としてCTLA-4阻害剤の膀胱内投与及びPD-L1阻害剤の静脈内投与を併用した膀胱内CG0070の第I/II相、シングルアーム、非盲検、介入性の用量漸増の安全性及び有効性の研究であり、患者は、根治的膀胱全摘術及び骨盤リンパ節郭清術のために選ばれている。一次的な安全性の研究目的では、膀胱切除術前のMIBC患者のネオアジュバント処置として、CTLA4及びPD-L1活性化と組み合わされたCG0070が、安全かつ許容可能であるかどうかを調査する。一次的な有効性の研究目的では、CG0070、CTLA-4阻害剤、及びPD-L1阻害剤ネオアジュバント処置後の腫瘍のPD-L1又はPD-1レベルの変化を測定する。二次的な研究目的は、2年無病生存期間(DFS)、2年無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、膀胱切除術での病理学的完全奏効割合(p0割合)、膀胱切除術での病理学的ダウンステージング割合、及び膀胱切除術での臓器限局性疾患割合の評価を含む。
研究の第I相部分では、(例えば、3~6人)の患者のコホートは、4つの用量レベルのうちの1つで膀胱内CG0070、膀胱内CTLA4阻害剤、及び静脈内PD-L1阻害剤を受け入れる。第1の用量レベルは、CG0070及びCTLA4阻害剤のみからなる。それぞれの患者は、膀胱内CG0070の毎週の点滴注入(installations)を4回(例えば、各週の1日目に)、及び第2週から膀胱内CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の毎週の点滴注入を3回(例えば、8日目、15日目、及び22日目に)、及び第3週に静脈内PD-L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ)の点滴注入を4つの用量レベルのうちの1つで1回(例えば、22日目に)受け、このとき、CTLA-4阻害剤及びPD-L1阻害剤はCG0070の後に続いて投与される。
用量漸増は、用量が増加するにつれて用量の増分が小さくなっていく修正フィボナッチ数列に従う。例えば、コホート内の最初の3人の患者が誰も用量制限毒性を呈しないと、別の3人の患者は次のより高い用量レベルで処置されることになる。一方、最初の3人の患者のうちの1人が用量制限毒性を呈すると、更に3人の患者が同じ用量レベルで処置されることになる。用量漸増は、3~6人の患者のコホートの中で少なくとも2人の患者が用量制限毒性を呈する(すなわち、その用量レベルで≧33%の患者が用量制限毒性を有する)まで継続する。試験の次の段階又は相に対して推奨される用量は、この毒性用量レベルのすぐ下の用量レベルとして慣習的に定義される。用量制限毒性(DLT)は、有害事象共通用語規準(CTCAE)バージョン4を使用して定義される。DLTは、処置の第1週の第1日から第4週の第1日までにおけるグレード3以上の薬物関連有害事象(AE)として定義され、これには、3連続週を超える期間にわたっての研究処置の中断及び/又は免疫関連毒性に起因する薬物の恒久的な中止を必要とする任意のグレード3以上の毒性が含まれるが、ステロイドの投与あり又はなしで3週間以内にグレード1又はベースラインに帰着する、グレード3 AEの腫瘍フレア(既知の又は疑いのある腫瘍部位に限局化された局所痛、刺激、又は発疹として定義される)及びグレード3免疫介在性事象の皮膚(発疹、掻痒)又は内分泌系(甲状腺機能低下症、甲状腺亢進症、下垂体低下症、副腎不全、性腺機能低下症及びクッシング様症候群)は除外される。肝免疫毒性は、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ又は総ビリルビンのグレード3以上の上昇として定義される。有意なDダイマーの増加(ベースラインから少なくとも1μg/mLで20%増加)は、7日を超えて続いているグレード2を上回るINR、PT、PTT、小板、又はフィブリノゲンの変化と組み合わせて、DLTと見なされる。加えて、CG0070処置に関連した臨床的に有意な血栓症又は出血は、DLTと見なされる。研究処置に関連した毒性が原因で21日を超えて延長している処置の遅れを有する患者は、処置関連DLTを有すると見なされる。処置関連毒性以外の理由では、7日を超えて延長している処置の遅れを有する患者又は3回の投与の前に研究から離脱する患者は、コホート内で交替される。最大耐量(MTD)は、2DLTに帰着する直前の用量である。MTDが定義されない場合、2DLTなしで投与される最高用量が投与可能な最大用量(MFD)になる。この研究では患者に対して用量を減少させることはできない。ただし、用量レベル1の6人の患者のうちの少なくとも2人がDLTを呈すると、3人の患者は用量レベル1で登録されることになる。更に、用量レベル1の6人の患者のうちの少なくとも2人がDLTを呈すると、3人の患者は用量レベル2で登録されることになる。
CG0070の好適な用量は、約1×1012ウイルス粒子(vp)であり、4週間にわたって1週間に1回である。膀胱内CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の好適な用量は、約0.1mg/kg~約0.3mg/kgであるが、1回投与当たり合計で20mgを超えないものであり、3週間にわたって1週間に1回であり、第2週から始めて第4週に終わる。静脈内PD-L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ)の好適な用量は、約1mg/kg~約20mg/kg(約750mg~約1200mgなど)であり、約2週間に1回~約3週間に1回の頻度で、第3週から始める。
研究の第II相部分では、それぞれの患者は、研究の第I相部分で決定された用量レベルで4週間の処置単位にわたり、CTLA-4阻害剤の膀胱内投与及びPD-L1阻害剤の静脈内投与と組み合わせて、CG0070を膀胱内に投与される。研究の第I相部分及び第II相部分の両方において、併用療法の投与に先立ち、それぞれの患者は有害事象を評価され、臨床検査評価のために試料(血液試料及び尿試料など)を採集される。例えば、CG0070の第1の膀胱内投与に先立ち、GM-CSFレベル、並びにCG0070レベル及び野生型アデノウイルスレベルを評価するために、血液試料及び尿試料がそれぞれの患者から採集される。第2週、第3週、及び第4週の投与のそれぞれに先立ち、血液学的検査(分化、化学反応及び凝固を有するCBCなど)、血清化学検査(ナトリウム、カリウム、塩化物、BUN、クレアチニン、ブドウ糖、総タンパク質量、アルブミン、カルシウム、総ビリルビン量、直接ビリルビン、アルカリ性リン酸塩、LDH、AST、ALT、及び甲状腺機能など)、及び尿検査での臨床検査評価のために患者由来の試料が採集される。患者が臨床的に安定であることを保証するために、それぞれのCG0070処置に先立って、及び処置中に合計2時間にわたって1時間ごとに、血圧、脈、呼吸及び体温を含めて、バイタルサインが記録される。
CG0070及びCTLA-4阻害剤は、以下のとおりに投与することができる。患者は、処置前の4時間は液体を飲まないように忠告され、処置投与の前に膀胱を空にする必要がある。研究日において、それぞれの患者は、形質導入増強剤(DDM)がカテーテル(Rusch 173430 Foley Catheter & BARD LUBRI-SIL Foley Catheter #70516SI)を介して膀胱内に投与される前処置を受ける。前処置は、100mL生理食塩水による膀胱内洗浄、続いて75mLの0.1%DDMによる膀胱内洗浄からなる。その後、患者は、100mLの0.1%DDMの膀胱内注入を受け、このDDMは、12~15分にわたって膀胱内に保持され、続いて100mLの食塩水で洗い流される。患者が少なくとも5分のDDM前処置に耐えることができない場合は、その処置に対してCG0070及びCTLA-4阻害剤による更なる処置は中断されなければならない。CG0070の膀胱内注入がDDM前処置後に2時間を超えて遅れる場合、患者はCG0070を受けないことになり、DDM及びCG0070処置を2日後以降に再スケジュールされなければならない。処置が2週間を超えて遅れる場合、患者は、再処置に先立って引き続き適格条件に適合しなければならない。DDMによる前処置に続いて、それぞれの患者は、カテーテル(例えば、Rusch 173430 Foley Catheter & BARD LUBRI-SIL Foley Catheter #70516SI)を介した濃度1.0×1010vp/mLの100mLのCG0070の単回膀胱内注入を45~50分の滞留時間で受ける。処置は、任意の先行する膀胱生検の後に続いて少なくとも14日間行われなければならない。カテーテル挿入(外傷性カテーテル法)時に出血を呈する患者は、CG0070で処置されてはならない。CG0070が膀胱内に保持されている間、患者は、体位を左側から右側に変更される必要があり、また仰向け及びうつ伏せにしてCG0070に対する膀胱表面の暴露を最大化することも必要である。患者の体位は、合計で45~50分にわたって10~12分おきに変更される。次いで、CG0070は、カテーテルを介して汚物処理袋の中に排出される。CG0070溶液が膀胱から排出されたらすぐに、適当な用量(例えば、いずれのCTLA-4も含んでいない第I相研究の用量レベルI)のCTLA-4阻害剤(例えば、YERVOY(登録商標)などのイピリムマブ)が、100mLの生理食塩水内に希釈され、膀胱内へ点滴注入される。点滴注入後、次いで尿道カテーテルが回収され、患者は排尿によって空にする前にあと45分~1時間(又は可能な限り長く)現状を維持するように求められる。
研究の第II相部分での6週間の処置単位の後、それぞれの患者は、膀胱切除術を受ける。膀胱切除術は、最後の膀胱内処置後10~14日目(例えば、約40日目)に、又は処置関連毒性がすべて正常なレベルに戻り、病状が手術に適した状態になったらすぐに行われる。膀胱切除術後、腫瘍試料が患者から採取されて病理検査室で評価され、また実験室評価を行って患者が処置に応答しているかどうかを決定する。この評価は、(1)存在する場合は、腫瘍の病期及び悪性度、(2)Treg、CD4、CD8及び他のT細胞サブセットなど、腫瘍の免疫学的パラメータ、(3)免疫組織化学的法による腫瘍のPD-L1発現状態、(4)リンパ節転移、(5)処置前と処置後の肉眼による写真比較に関する、切除された腫瘍の病理学的及び免疫学的評価を含む。それぞれの患者は、CG0070の長期の応答及び毒性、疾患の再発又は進行、並びにその後の治療及び応答を監視するために、膀胱切除術の日から3、6、12、18、及び24か月後(±2週間)に評価される。2年後、患者は、遺伝子治療に関連した長期の毒性(新しい悪性腫瘍、自己免疫疾患、神経病学及び血液学障害など)、及び第1の膀胱内CG0070治療後5年間の生存の評価のために1年に1回連絡される。患者は、CG0070による処置後の合計で最大5年間、又は現行のFDAガイドライン及び現行の標準治療に従って、追跡される。
研究の一次的な評価項目は、以下のとおりに決定される。患者は、処置の安全性及び忍容性を決定するためのAE、SAE、及びSUSARの評価のために研究の全体を通して終了時まで追跡される。更に、膀胱切除術においては、処置の有効性は、PD-L1及びPD-1状態の変化率を決定することによって評価され、この変化率は、少なくとも3回以上の完了した膀胱内注入に対するインターベンション前及び後のPDL1又はPD1陽性患者の割合の差分として定義される。
研究の二次的な評価項目は、以下のとおりに決定される。膀胱切除術においては、各T病期の膀胱切除術での病理学的完全奏効割合(p0割合)が、T病期分類によって及び患者のグループ全体に対して更に階層化された膀胱切除術においてインターベンション後に原発腫瘍部位での病理学的完全腫瘍奏効を有する患者の割合を決定することによって評価される。また、膀胱切除術においてインターベンション後に原発腫瘍部位での腫瘍の病期又は悪性度のダウングレードを有する患者の割合として定義される、膀胱切除術での病理学的ダウンステージング割合、及び膀胱切除術において陽性のリンパ節が見つかっていない患者の割合として定義される、膀胱切除術での臓器限局性疾患割合も、膀胱切除術のときに決定される。膀胱切除術後2年までは、膀胱切除術の日から早期の疾患再発又は死亡(原因は問わない)までの月数として定義される、2年無病生存期間、及び膀胱切除術の日から早期の疾患増悪又は死亡(原因は問わない)までの月数として定義される、膀胱切除術後に残存病変を有する患者の2年無増悪生存期間を決定するために、患者は追跡される。膀胱切除術後5年までは、膀胱切除術の日から死亡日(原因は問わない)までの月数として定義される、全生存期間を決定するために、患者は追跡される。
更に、研究の過程において評価される探索性の評価項目には、インターベンション前及び後のTreg(CD4+CD25+Foxp3+)、CD4、CD8、CD4RO45及びCD4ICOShighなどの変化の評価を含む原発腫瘍部位内の免疫機能の変化、インターベンション前及び後に撮られた写真による原発腫瘍部位の肉眼変化、全身の絶対リンパ球数、並びに患者内の全身のサイトカインパターンが挙げられるが、これらに限定されない。
患者は、研究に適格であるために、以下の条件のすべてに適合しなければならない:
1.18歳以上、
2.筋層浸潤性疾患(すなわち、American Joint Committee on Cancer(AJCC)の病期T2-4a、NX-1、M0)に対して治癒目的での根治的膀胱全摘術が指示されている、病理学的に診断された移行上皮(尿路上皮)膀胱癌患者。患者は、直近の診断手順から5週間以内に研究に参加することができなければならず、診断手順は通常、診断的生検、膀胱腫瘍の経尿道的切除(TURBT)手順又はCT、MRI、及びPET手順などの他の診断的スキャンニングである、
3.病理組織学的に確認された、移行上皮(尿路上皮)癌。混合組織構造を有する(ただし50%未満の変異体を有する)尿路上皮腫瘍が適格である、
4.研究者によって確かめることができる病状が原因でネオアジュバント化学療法を受けるのに不適格。(例えば、腎機能障害は、算出された約60mL/min未満のクレアチニンクリアランス若しくは、少なくとも1つの耳において3つの隣接した試験周波数で平均化された、聴力検査による25dB以上の聴力損失、又は他の有意な心臓機能障害、血管疾患若しくは慢性閉塞性肺疾患などに基づくことができる)、又はネオアジュバント化学療法なしでの再発及び罹患の両方のリスク増加を扱う明確なインフォームドコンセント後にネオアジュバント化学療法を受けることを拒否する、
5.米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス≦2を有する、
6.妊娠又は授乳中でない、
7.研究のインフォームドコンセント及び個人健康情報の公表に関するHIPAA委任に同意する、
8.以下のように定義される、十分なベースラインCBC及び肝機能:
a.WBC>3000細胞個/mm3、ANC>1,000細胞個/mm3、ヘモグロビン>9g/dL、及び血小板数>80,000/mm3、
b.2.5×正常上限値未満のビリルビン、AST及びALT、
c.許容可能なPT/INR、PTT、及びフィブリノゲンを有する十分な凝固(正常上限値の1.5未満又は機関の規定による)、
d.絶対リンパ球数≧800/μL。
以下の除外基準のいずれかに適合する患者は、研究から除外される:
1.ヒト化若しくはヒト治療用モノクローナル抗体への暴露に続いてのアナフィラキシー反応、GM-CSFに対する過敏性、臨床的に意味があるアレルギー反応又は研究薬物中の配合賦形剤のいずれかに対する任意の周知の過敏性若しくは前の反応の病歴、
2.HIV、HBV又はHCVの既知の感染、
3.研究の間に研究実験計画書に明記されていない化学療法又は放射線療法の予期される使用、
4.研究者の所見では研究薬物の投与が患者を害することになり、有害事象の解釈、又は外科的切除をあいまいにするであろう、任意の基礎的な病状、
5.登録前28日以内での任意の試験中の臨床試験における全身処置、
6.任意の全身性ステロイド剤(例外:吸入するステロイド又は局所的に適用するステロイド、並びに急性及び慢性の標準用量NSAID、は可)を含む、他の免疫抑制剤又は免疫調節剤との同時処置。CTスキャンに使用される静脈造影剤に対する反応を防止するために、短期(すなわち、≦1日)のグルココルチコイドの使用は許容される、
7.研究参加の3か月以内のシクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、又はタクロリムスを含めて、免疫抑制療法、
8.尿路上皮癌を除く、病期III以上の癌の病歴。基底細胞皮膚癌又は扁平上皮皮膚癌は十分に処置されていなければならず、また被験者は登録時に無病でなければならない。病期I又はIIの癌の病歴を有する患者は、十分に処置されていて、かつ、登録時に2年以上無病状態になっていなければならない
9.共同活性の自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、自己免疫性甲状腺疾患、ブドウ膜炎)、
10.進行性又は現在のウイルス又は細菌感染。すべての感染が解決される必要があり、また患者は研究に配置される前に抗生物質なしで無熱状態を7日間維持しなければならない。
実施例5:難治性の注射可能な固形腫瘍を有する患者においてCTLA-4阻害剤の腫瘍内投与及びPD-L1阻害剤の静脈内投与を併用したCG0070の腫瘍内投与の第I/II相臨床研究
この実施例は、難治性の注射可能な固形腫瘍を有する患者に対してCTLA-4阻害剤(抗CTLA-4モノクローナル抗体又は遮断薬など)及びPD-L1阻害剤(抗PD-L1アンタゴニスト抗体など)を併用したCG0070の第I/II相臨床研究について説明する。この研究は、頭部及び頸部の扁平上皮癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓腺癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、並びに黒色腫など、皮膚又は内臓の病変部を含めて、固形腫瘍を有する患者における、CG0070の腫瘍内投与、CTLA-4阻害剤の腫瘍内投与、及びPD-L1阻害剤の静脈内投与を含む併用療法の安全性及び有効性を評価することを目的とした、多中心性、シングルアーム、非盲検、介入性の研究である。CG0070投与は、DDMなどのトランスデューサによる前処置を含むことができる。
第I相では、それぞれの被検者は、CG0070(例えば、DDM前処置あり)とCTLA-4阻害剤との組み合わせが腫瘍内注射によって1週間に1回(例えば、各週の1日目に)6週間にわたって投与される。更に、被験者は、PD-L1阻害剤(アテゾリズマブなど)を第1週から6週間にわたって約2週間に1回~約3週間に1回、3つの用量レベルのうちの1つで静脈内に投与される。用量漸増手順は、実施例1に記載のとおりである。MTD又はMFDに達すると、患者は、完全奏効、すべての注射可能な腫瘍の消失、確認された疾患の増悪又は研究処置の不耐性のいずれかが起こるまで、繰り返しの6週間の処置単位を第1の注射後3か月に、及び後に続く単位を3か月おきに受ける。研究の用量漸増段階にある患者は、完全な成功した登録評価で最後のインターベンションから3か月の期間の後に、繰り返しのMTD又はMFD単位の研究に登録されることができる。
CG0070(例えば、DDMあり)の腫瘍内注射の好適な用量は、約5×1010vp、1×1011vp、5×1011vp、又は1×1012vpであり、4週間にわたって1週間に1回である。例えば、ウイルスCG0070は、食塩水中の0.1%のDDMで再構成される。それぞれの用量の総体積は2mLである。CG0070溶液の濃度は、最低用量では約2.5×1010vp/mL、最高用量では約5×1011vp/mLである。患者が単一の病変部を有する場合(この病変部は2cmを超えていなければならない)、CG0070溶液の総体積がこの病変部内に注射される。2つ以上の病変部が存在する場合は、表2に示すとおり、病変部サイズに基づいた最大注射体積に従う。最大病変部が少なくとも2cmであれば、残りの体積は最大病変部内に注射される。最大病変部が2cm未満である場合、残りの体積は、2つのより大きい病変部の間で分割される。注射される病変部の最大数は3である。総用量は、病変部の総数及びサイズに関係なく与えられる。
CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の腫瘍内注射の好適な用量は、約6mg~約18mgであり、6週間にわたって1週間に1回である。それぞれのCG0070注射の直後に、CTLA-4阻害剤は投与される。それぞれの用量レベルの総体積、及び3つ以上の注射される病変部に対する病変部サイズに基づいた最大注射体積は、以下の表3に記載されている。注射される病変部の最大数は3であり、CTLA-4阻害剤の総用量は、病変部の総数及びサイズに関係なく与えられる。CTLA-4阻害剤の残りの体積は、注射された病変部の周囲に皮下投与される。最後の計画された処置の前に完全に消失する病変部があるときは、CG0070及びCTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の両方を、これまで注射されなかった病変部に投与することができる。処置単位の終了前にすべての病変部が消失した場合は、CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)のみを、元の病変部の場所又はその周囲において皮下領域に注射することができる。
静脈内PD-L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ)の好適な用量は、約1mg/kg~約20mg/kg(約750mg~約1200mgなど)であり、約2週間に1回~約3週間に1回の頻度で、第1週から始める。
用量漸増手順は、実施例1に記載のとおりであり、またMTD/MFDは研究用量として指定され、これは第II相で使用される。
研究の第II相では、患者のコホートは、CG0070(例えば、DDMあり)及びCTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)の組み合わせの1週間に1回の腫瘍内注射、並びに第I相で決定された研究用量でPD-L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ)の第1週から始まる約2週間に1回~約3週間に1回の6週間にわたる点滴静注を最初に受ける。その後、患者は、完全奏効、すべての注射可能な腫瘍の消失、確認された疾患の増悪又は研究処置の不耐性のいずれかが起こるまで、繰り返しの6週間の処置単位を第1の注射後3か月に、及び後に続く単位を3か月おきに受ける。第I相の用量漸増段階にある患者は、最後の投薬から少なくとも6週間の休薬期間が存在するならば、第II相の研究に登録されることができる。それぞれの投与では、最初にGC0070が病変部に注射され、続いてCTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)が注射され、続いてPD-L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ)の点滴静注が行われる。
この研究には2つの一次的な評価項目、すなわち、(1)安全性及び忍容性、並びに(2)有効性が存在する。有効性は、処置の確認された客観的奏効率(ORR)によって評価される。この研究の二次的な評価項目は、以下のとおりである。安全性二次的成果は、それぞれの相の始まりからそれぞれの相における最後の被検者の登録後24か月まで評価される。安全性二次的評価項目には、すべての有害事象(AE)の発生率、グレード3以上のAE、研究薬物の中止を必要とする事象、腫瘍への局所的な影響、臨床的に有意な検査値変化及び臨床的に有意なバイタルサインの変化が挙げられる。有効性二次的成果は、それぞれの病期の始まりからそれぞれの病期における最後の被検者の登録後24か月まで評価される。有効性二次的評価項目には、最良奏効率(BOR)、病勢コントロール率(DCR)、持続的奏効率(DRR)、奏効期間(DOR)、奏効までの期間(TTR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存率(OS)、1年及び2年生存率が挙げられる。
男女共に患者の研究に対する適格性は、以下の組み入れ基準に基づいて決定される:
1.患者は、標準治療(手術、化学療法、放射線療法、又は内分泌療法)に失敗し、かつ、治療の選択肢が存在しない、病理組織学的に確認された固形腫瘍を有する必要があり、これには、頭部及び頸部の扁平上皮癌、皮膚の扁平上皮癌、乳癌、悪性黒色腫、結腸直腸癌、膵臓腺癌、卵巣癌、非小細胞肺癌及び前立腺癌が含まれるがこれらに限定されない、
2.患者は、任意の種類及び数の前癌治療を受けたことがあってもよい、
3.患者は、RECIST法によって評価可能である測定可能な病変部を有しなければならない、
4.処置される腫瘤は、注射(すなわち、主要な血管構造から2cmを超えて離れている)及びRECISTによる測定に適していなければならない、
5.患者は18歳以上でなければならない、
6.患者は12週間以上の余命を有しなければならない、
7.患者は、0、1、又は2の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有しなければならない、
8.患者は、以下のように定義される、十分な肝機能を有しなければならない:
a.総ビリルビンレベル≦1.5×正常上限値(ULN)、及び
b.AST/ALTレベル≦2.5×ULN、又は肝転移が存在する場合は≦5×ULN、
9.患者は、血清クレアチニン≦1.5×ULN、又はクレアチニン>1.5×ULNを有する患者にはクレアチニンクリアランス(算出値)≧60mL/min/1.73m2と定義される、十分な腎機能を有しなければならない、
10.患者は、以下のように定義される、十分な骨髄機能を有しなければならない:
a.絶対好中球数≧1,200/μL、及び
b.血小板数≧80,000/μL、
11.患者は、腫瘍内注射又は生検を危険なものにするであろう既知の出血性素因も凝固障害も有してはならない、
12.子供を設ける可能性のある男性及び女性は、研究参加の前に及び最長6か月にわたって十分な受胎調節を行うことに同意しなければならない、
13.妊娠する可能性のある女性は、処置開始の前の1週間以内に尿又は血清妊娠試験で陰性でなければならない、及び
14.患者は、書面にしたインフォームドコンセントの文書を理解することができ、かつ、同文書に署名する意志がなければならない。
以下の患者は研究から除外される:
1.スクリーニングの前の4週間以内に化学療法、免疫療法又は放射線療法を受けている患者、又はスクリーニングの前に4週間を超えて投与された薬剤に起因する有害事象>グレード1(脱毛症を除く)を受けている患者、
2.有意な腫瘍出血の病歴、又は凝固若しくは出血障害を有する患者、
3.放射線科医によって決定される明解な画像所見に基づいて、主要な血管構造(例えば、無名動脈、頸動脈)に潜在的に浸潤する恐れがある標的腫瘍を有する患者、
4.グレード≧1の前から存在する神経学的異常(CTCAEバージョン4.0)を有する患者、
5.研究への参加の前に30日の間に入院患者評価、処置又は手順を必要とする緊急状態で入院している患者。加えて、入院患者評価、処置又は手順を必要とする緊急状態は、研究への参加の前に30日にわたって解決されている又は医学的に安定であり重症でないことが必要である、
6.臨床的に明らかなヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、又はエプスタイン-バーウイルス(EBV)感染を有する患者。患者は、前処置スクリーニング時にHIVについて検査される
7.ステロイド剤又は免疫抑制剤を、例えば、関節リウマチのために、受けている患者、
8.任意の他の試験中薬剤の同時使用を有する患者、
9.中枢神経系転移の存在又は病歴を有する患者、
10.研究の時間枠内において受胎することを希望している妊娠又は授乳女性、
11.進行中若しくは活動性の感染、症候性のうっ血性心不全、不安定狭心症、心不整脈、又は研究要件の遵守を制限するであろう精神医学的な病気/社会的な状況を含むがこれらに限定されない、制御されない介入性の病気を有する患者。