JP7207126B2 - 貯湯式給湯機 - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯式給湯機に関する。
ヒートポンプなどの加熱手段により加熱された湯を貯湯タンクに貯え、貯湯タンクから取り出した湯を用いて、例えば浴槽、シャワー、台所、洗面所の蛇口などへ給湯する貯湯式給湯機が広く用いられている。
下記特許文献1には、貯湯タンクを覆う真空断熱材によって、温度センサを貯湯タンクに密着させる貯湯式給湯機が開示されている。
特許第6405250号公報
真空断熱材は、極めて低い熱伝導率を有し、優れた断熱性を有している。しかしながら、真空断熱材は、その外皮に孔が開き、内部の真空状態が失われると、断熱性が大きく低下してしまう。特許文献1の貯湯式給湯機では、温度センサとの接触によって真空断熱材の外皮が傷つき、外皮に孔が開く可能性がある。このため、貯湯タンクの保温性能を確実に向上することが困難となる。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、貯湯タンクの保温性能を向上する上で有利になる貯湯式給湯機を提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯式給湯機は、筒状のタンク胴部を有する貯湯タンクと、タンク胴部の表面に設置された温度センサと、温度センサに隣り合うエッジと、タンク胴部の表面に接する内面と、内面とは反対側の外面とを有する内部断熱材と、タンク胴部の表面に接する内周面を有する真空断熱材と、を備え、真空断熱材の内周面は、内部断熱材の外面に接する部分を有し、貯湯タンクの中心軸であるタンク中心軸に垂直な平面で切断した断面において、タンク胴部の表面と、内部断熱材のエッジと、真空断熱材の内周面とで囲まれる内部空間の中に温度センサが位置し、真空断熱材の内周面に接する領域の内部断熱材の厚さ寸法は、真空断熱材の厚さ寸法よりも大きいものである。
本発明によれば、貯湯タンクの保温性能を向上する上で有利になる貯湯式給湯機を提供することが可能となる。
実施の形態1による貯湯式給湯機の外観を示す斜視図である。 実施の形態1による貯湯式給湯機が備える貯湯タンク及び断熱材を示す分解斜視図である。 実施の形態1による貯湯式給湯機をタンク中心軸に対して垂直な平面で切断した断面図である。 実施の形態1による貯湯式給湯機の斜視図である。 実施の形態1による内部断熱材の斜視図である。 実施の形態2における内部断熱材の斜視図である。 実施の形態2における内部断熱材をタンク中心軸に対して垂直な平面で切断した断面図である。 実施の形態3による貯湯式給湯機の斜視図である。 実施の形態3による貯湯式給湯機が備える内部断熱材の斜視図である。 実施の形態3の変形例における内部断熱材の斜視図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による貯湯式給湯機1の外観を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態の貯湯式給湯機1は、略直方体形の箱状を呈する外郭ケース2を備える。外郭ケース2の下には、複数の脚3が設けられている。貯湯式給湯機1は、これらの脚3により、地面、床面、あるいは台座100等に対して固定される。
図2は、実施の形態1による貯湯式給湯機1が備える貯湯タンク4及び断熱材を示す分解斜視図である。図2に示すように、貯湯式給湯機1は、湯を貯留するための貯湯タンク4と、貯湯タンク4を覆う複数の断熱材とを備えている。貯湯タンク4及び断熱材は、外郭ケース2内に収納されている。貯湯タンク4の中心軸を以下「タンク中心軸」と称する。貯湯式給湯機1は、タンク中心軸が鉛直線に平行となる姿勢で設置される。以下の説明では、貯湯式給湯機1がそのような姿勢で設置された状態を基準として、各部の位置関係を特定する。なお、外郭ケース2内には、配管、ポンプ、弁、熱交換器、制御基板などがさらに収納されているが、本開示ではそれらについての図示及び説明を省略する。
貯湯タンク4は、例えばステンレス鋼のような金属で作られている。貯湯タンク4は、タンク上部4aと、タンク下部4bと、タンク上部4aとタンク下部4bとの間の位置にあるタンク胴部4cとを有している。タンク胴部4cの形状は、円筒状を呈する。タンク上部4aは、タンク胴部4cの上端を塞ぐ。タンク上部4aの形状は、半球状、または逆さまにした椀状を呈する。タンク上部4aとタンク胴部4cとの間は、例えば溶接により接合されている。タンク下部4bは、タンク胴部4cの下端を塞ぐ。タンク下部4bの形状は、半球状または椀状を呈する。タンク下部4bとタンク胴部4cとの間は、例えば溶接により接合されている。
貯湯式給湯機1の使用時には、貯湯タンク4内は満水状態に維持される。貯湯タンク4内は、上側が高温の湯になり、下側が低温の水になる。上層の湯と、下層の水とは、比重差により、混じり合うことなく維持される。
本実施の形態の貯湯式給湯機1は、貯湯タンク4に貯留された水を加熱して湯にする加熱装置を備える。この加熱装置は、外郭ケース2の外部にあるものでもよいし、外郭ケース2の内部にあるものでもよい。加熱装置は、例えば、ヒートポンプ式の装置でもよいし、貯湯タンク4内に設置される電気ヒータでもよい。加熱装置は、本開示の特徴部分ではないため、図示及び詳細な説明を省略する。
本実施の形態の貯湯式給湯機1は、貯湯タンク4を覆う断熱材として、上部断熱材5と、下部断熱材6と、内部断熱材7と、真空断熱材8と、真空断熱材9と、前面断熱材10と、背面断熱材11とを備えている。上部断熱材5は、タンク上部4aの少なくとも一部を覆う。下部断熱材6は、タンク下部4bの少なくとも一部を覆う。真空断熱材8及び真空断熱材9のそれぞれは、タンク胴部4cの少なくとも一部を覆う。前面断熱材10は、真空断熱材8及び真空断熱材9の外側からタンク胴部4cの前面を覆う。背面断熱材11は、真空断熱材8及び真空断熱材9の外側からタンク胴部4cの背面を覆う。
内部断熱材7は、タンク胴部4cの一部を覆う。内部断熱材7は、所定形状に成形された成形断熱材である。内部断熱材7は、例えば発泡ポリスチレンあるいは発泡ポリウレタンのような発泡プラスチックで成形されたものでもよい。
本実施の形態における内部断熱材7は、タンク中心軸に平行な方向を長手方向とする細長い形状を有している。内部断熱材7は、貫通孔7aを有している。タンク胴部4cには、湯水が通る配管(図示省略)を接続するための接続口4dが設置されている。接続口4dは、タンク胴部4cの表面から外側へ突出している。貫通孔7aは、接続口4dを逃すために形成されている。内部断熱材7がタンク胴部4cに取り付けられると、接続口4dが貫通孔7aを通って突出する。図示の例では、接続口4d及び貫通孔7aは、それぞれ2箇所に設けられている。
真空断熱材8及び真空断熱材9のそれぞれは、シート状または薄板状の形状を有している。真空断熱材8及び真空断熱材9のそれぞれは、例えば発泡体、粉体、繊維体等をシート状に加工した芯材またはコア材を、ガスバリア性フィルムからなる外皮で袋状に包み、内部を真空に近い減圧状態とし、ガスバリア性フィルムの外周部を熱溶着して密封した構成を有する。外皮となるガスバリア性フィルムとしては、例えば、プラスチックフィルム、プラスチック金属ラミネートフィルム等が用いられる。真空断熱材8,9は、極めて低い熱伝導率を有する。このため、真空断熱材8,9は、他の断熱材に比べて厚さが薄くても、優れた断熱性を有する。しかしながら、真空断熱材8,9の外皮に孔が開き、内部の真空状態が失われると、真空断熱材8,9の断熱性は大きく低下してしまう。このため、真空断熱材8,9の外皮に傷がつくことを確実に防止することが重要となる。
真空断熱材8,9は、タンク胴部4cの外周面に沿って円筒面状に湾曲するようにして設置される。図示の例では、2枚の真空断熱材8,9がタンク胴部4cを約半周ずつ覆うことで、タンク胴部4cのほぼ全周が真空断熱材8,9により覆われる。図示の例に代えて、1枚のみの真空断熱材でタンク胴部4cを覆ってもよいし、3枚以上の真空断熱材を用いてタンク胴部4cを覆ってもよい。
本実施の形態において、上部断熱材5、下部断熱材6、前面断熱材10、及び背面断熱材11のそれぞれは、例えば発泡ポリスチレンあるいは発泡ポリウレタンのような発泡プラスチックを用いて所定形状に成形された成形断熱材に相当する。
図3は、実施の形態1による貯湯式給湯機1をタンク中心軸に対して垂直な平面で切断した断面図のうち、内部断熱材7及びその近くを示す図である。図4は、実施の形態1による貯湯式給湯機1の斜視図である。図3及び図4は、内部断熱材7及び真空断熱材8等の配置を説明するための図であり、説明に必要のない構成要素の図示は省略されている。
図3に示すように、タンク胴部4cの表面に温度センサ12が設置されている。温度センサ12は、貯湯タンク4内の湯水の温度を検出する。なお、図2では、温度センサ12の図示が省略されている。本実施の形態では、複数の温度センサ12がタンク中心軸に平行な方向に沿って間隔をあけて一列に並ぶように配置される。貯湯式給湯機1が備える制御部(図示省略)は、複数の温度センサ12を用いて貯湯タンク4内の鉛直方向の温度分布を検出することにより、貯湯タンク4内の残湯量及び蓄熱量を計算することができる。
温度センサ12は、固定具13を用いてタンク胴部4cの表面に固定されている。固定具13は、例えばアルミテープのような粘着テープでもよい。固定具13は、粘着テープに限定されない。図示を省略するが、例えば、タンク胴部4cにスタッドピンを溶接し、そのスタッドピンに取り付けたナットによって温度センサ12の丸端子を挟み込むようにして固定してもよい。
内部断熱材7は、温度センサ12に隣り合う位置に設置される。内部断熱材7は、温度センサ12に隣り合うエッジ7bと、タンク胴部4cの表面に接する内面7cと、内面7cとは反対側の外面7dとを有している。エッジ7bは、タンク中心軸に平行な方向、すなわち図3の紙面に対して垂直な方向に沿って延びている。内面7cは、タンク胴部4cの外周面に沿う凹曲面になっていてもよい。外面7dは、内面7cとの距離が一定となる凸曲面になっていてもよい。
真空断熱材8は、タンク胴部4cの表面に接する内周面8aと、内周面8aとは反対側の外周面8bと、端部8cとを有している。端部8cは、タンク中心軸に平行な方向に沿って延びる縁部である。
真空断熱材8の内周面8aは、その大部分がタンク胴部4cの表面に接しているが、内部断熱材7の外面7dに接する部分を有している。図示の例では、端部8cに近い領域の内周面8aは、外面7dに接している。
図3の断面において、三角形に近い形状となる内部空間14が形成される。内部空間14は、タンク胴部4cの表面と、内部断熱材7のエッジ7bと、真空断熱材8の内周面8aとで囲まれた空間である。温度センサ12は、内部空間14の中に位置している。これにより、以下の効果が得られる。真空断熱材8の内周面8aの外皮が温度センサ12との接触によって傷つくことを確実に防止できる。それゆえ、真空断熱材8の外皮に孔が開くことを確実に防止することができ、貯湯タンク4の保温性能を向上する上で有利になる。
以下の説明では、「厚さ寸法」とは、タンク中心軸に対して垂直な方向の寸法、すなわちタンク胴部4cの表面に対して垂直な方向の寸法を指すものとする。また、単に「内部断熱材7の厚さ寸法」と言った場合、真空断熱材8の内周面8aに接する領域における内部断熱材7の厚さ寸法を意味するものとする。内部断熱材7の厚さ寸法は、内面7cと外面7dとの間の距離に相当する。本実施の形態において、内部断熱材7の厚さ寸法は、真空断熱材8の厚さ寸法よりも大きい。これにより、内周面8aと温度センサ12との間の距離を確保する上でより有利になるので、真空断熱材8の外皮が温度センサ12との接触によって傷つくことをより確実に防止できる。
内部断熱材7の厚さ寸法は、温度センサ12の厚さ寸法よりも大きい。温度センサ12は、真空断熱材8の内周面8aに接触していない。これにより、真空断熱材8の外皮が温度センサ12との接触によって傷つくことをより確実に防止できる。また、内部断熱材7の厚さ寸法は、温度センサ12と固定具13とを合わせた物体の厚さ寸法よりも大きいことが望ましく、固定具13が真空断熱材8の内周面8aに接触していないことが望ましい。そのようにすることで、真空断熱材8の外皮が固定具13との接触によって傷つくことをより確実に防止できる。
本実施の形態では、真空断熱材8を内部断熱材7に対して貼り付ける貼付け具15が備えられている。貼付け具15は、例えば粘着テープでもよい。図示の例では、真空断熱材8の端部8cが貼付け具15によって内部断熱材7の外面7dに貼り付けられている。本実施の形態であれば、貼付け具15を備えたことで、真空断熱材8を容易かつ確実に固定できる。
少なくとも、貯湯タンク4の全高の1/2の高さの位置から上の範囲において、真空断熱材8と内部断熱材7とが接触する隙間が貼付け具15により密閉されるようにしてもよい。すなわち、内部断熱材7及び真空断熱材8の上端の位置から、上記1/2の高さよりも下の位置にまで、貼付け具15が延びるように配置してもよい。これにより、以下の効果が得られる。内部空間14の空気は、貯湯タンク4内の湯の熱で加熱される。特に、上記1/2の高さよりも上の範囲では、高温の湯が貯留されている場合が多いので、内部空間14の空気が高温になる。内部空間14を貼付け具15により密閉することで、内部空間14内で空気の対流が発生することを確実に抑制できる。その結果、温度センサ12の周囲に気流が発生することを確実に抑制でき、温度センサ12が貯湯温度をより正確に検出することが可能となる。それゆえ、貯湯式給湯機1の制御をより正確に行うことができ、効率の良い貯湯式給湯機1を提供することができる。
真空断熱材8の端部8cは、内部断熱材7の貫通孔7aの内周部とエッジ7bとの間に位置する。真空断熱材8は、貫通孔7aを覆っていない。これにより、接続口4d及びそれに接続される配管と、真空断熱材8とが接触することを確実に防止できるので、真空断熱材8の外皮が傷つくことをより確実に防止できる。
内部断熱材7は、エッジ7bの反対側にあるエッジ7eを有している。図示を省略するが、貫通孔7aの内周部とエッジ7eとの間において、真空断熱材9の内周面が内部断熱材7の外面7dに接してもよい。その場合、真空断熱材9の端部を内部断熱材7の外面7dに対して貼り付けて固定してもよい。
図5は、実施の形態1による内部断熱材7の斜視図である。図5に示すように、本実施の形態では、温度センサ12をタンク胴部4cに配置する位置を示す表示7fが内部断熱材7の外面7dに設けられている。表示7fは、複数の温度センサ12のそれぞれの位置に合わせて、鉛直方向についての位置が異なる複数の箇所に設けられている。表示7fは、文字、図形、及び記号のうちの少なくとも一つを含むものでもよい。
組み立て作業のときには、温度センサ12をタンク胴部4cに取り付けるよりも前に、内部断熱材7をタンク胴部4cに取り付ける。その後、表示7fと同じ高さの位置になるように、温度センサ12をタンク胴部4cに取り付ける。このようにすることで、作業者は、温度センサ12の配置が分かり易くなり、作業する際の手間を省くことができる。また、温度センサ12を正しい位置に容易に配置できるので、正確な位置の貯湯温度を温度センサ12により測定することができる。それゆえ、貯湯式給湯機1の制御をより正確に行うことができ、効率の良い貯湯式給湯機1を提供することができる。
実施の形態2.
次に、図6及び図7を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。図6は、実施の形態2における内部断熱材7Aの斜視図である。図7は、実施の形態2における内部断熱材7Aをタンク中心軸に対して垂直な平面で切断した断面図である。図7は、貫通孔7aの中心を通る断面を示している。
本実施の形態の貯湯式給湯機1は、実施の形態1の内部断熱材7に代えて、図6及び図7に示す内部断熱材7Aを備えている。図7に示すように、真空断熱材8の内周面8aに接する領域における内部断熱材7Aの厚さ寸法Tは、エッジ7bからの距離が大きくなるにつれて拡大している。これにより、以下の効果が得られる。真空断熱材8の内周面8aは、内部空間14に面する領域から、内部断熱材7Aの外面7dに接する領域へ、直線的に延びることができる。このため、真空断熱材8と内部断熱材7Aとが接する部分において真空断熱材8に局所的な力が加わりにくい。それゆえ、真空断熱材8の外皮に負担がかかることを防止できるので、真空断熱材8の外皮に孔が開くことをより確実に防止できる。
外面7dは、平面に沿っていてもよい。外面7dをエッジ7bよりも先へ延長した仮想平面Pがタンク胴部4cの表面に接する接平面となるようにしてもよい。そのようにすることで、真空断熱材8と内部断熱材7Aとが接する部分において真空断熱材8が折れ曲がることがないので、真空断熱材8の外皮に負担がかかることをより確実に防止できる。
内部断熱材7Aの厚さ寸法Tは、真空断熱材8の内周面8aに接する領域の全体において、真空断熱材8の厚さ寸法よりも大きいことが望ましい。また、図示の例では、真空断熱材9の内周面に接する領域における内部断熱材7Aの厚さ寸法T’は、エッジ7eからの距離が大きくなるにつれて拡大している。内部断熱材7Aは、内部断熱材7Aの中心とタンク中心軸とを含む平面に対して、面対称な形状を有している。本実施の形態によれば、真空断熱材9に対しても、上述した真空断熱材8に対する効果と同様の効果を奏することが可能となる。
実施の形態3.
次に、図8から図10を参照して、実施の形態3について説明するが、前述した実施の形態との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。図8は、実施の形態3による貯湯式給湯機1Bの斜視図である。図8では、説明に必要のない構成要素の図示は省略されている。図9は、実施の形態3による貯湯式給湯機1Bが備える内部断熱材7Bの斜視図である。
図8に示すように、本実施の形態の貯湯式給湯機1Bが備える複数の温度センサ12のそれぞれからリード線16が延びている。これらのリード線16は、真空断熱材8の内周面8aと内部断熱材7Bとの間において、タンク中心軸の方向に沿って延びるように配置されている。これらのリード線16は、下部断熱材6の位置にまで引き出されている。
本実施の形態であれば、リード線16を上記のように配設することで、内部空間14をより確実に密閉することができるので、内部空間14内で空気の対流が発生することをより確実に抑制できる。その結果、温度センサ12の周囲に気流が発生することをより確実に抑制でき、温度センサ12が貯湯温度をより正確に検出することが可能となる。それゆえ、貯湯式給湯機1の制御をより正確に行うことができ、効率の良い貯湯式給湯機1を提供することができる。
図9に示すように、内部断熱材7Bの外面7dには、リード線16を保持する凹部として、第一溝部7g及び第二溝部7hが形成されている。第一溝部7g及び第二溝部7hは、真空断熱材8に覆われる位置にある。第一溝部7gは、内部断熱材7Bの上端に近い位置から、内部断熱材7Bの下端まで、エッジ7bに平行に延びている。第二溝部7hは、複数の温度センサ12のそれぞれに対応して、複数の個所に形成されている。第二溝部7hは、第一溝部7gからエッジ7bに達するように、エッジ7bに対して垂直に延びている。それぞれの温度センサ12から延びるリード線16は、第二溝部7hを通って第一溝部7gに入り、第一溝部7gを通って内部断熱材7Bの下端に達するように配設される。
本実施の形態であれば、第一溝部7g及び第二溝部7hを設けたことで、以下の効果が得られる。組み立ての際にリード線16を第一溝部7g及び第二溝部7h内に収納して仮固定することができる。このため、作業性が向上し、固定具13及び貼付け具15を取り付ける作業を正確かつ迅速に行うことができる。また、第一溝部7g及び第二溝部7h内にリード線16が収納されるので、内部断熱材7Bの外面7dと真空断熱材8の内周面8aとをより確実に密着させることができる。これらのことから、各部の固定を確実に行うことができ、密閉性に優れた構造を形成できるので、貯湯タンク4の保温性能を向上する上でより有利になる。
組み立て作業のときには、温度センサ12をタンク胴部4cに取り付けるよりも前に、内部断熱材7Bをタンク胴部4cに取り付ける。その後、第二溝部7hと同じ高さの位置になるように、温度センサ12をタンク胴部4cに取り付ける。これにより、作業者は、温度センサ12の配置が分かり易くなり、作業する際の手間を省くことができる。このように、本実施の形態における第二溝部7hは、内部断熱材7の表面の形状を、他の部位とは異なる形状とすることにより形成されており、温度センサ12をタンク胴部4cに配置する位置を示す表示としても機能する。
図10は、実施の形態3の変形例における内部断熱材7Cの斜視図である。この内部断熱材7Cは、図6に示す内部断熱材7Aの特徴と、図9に示す内部断熱材7Bの特徴とを兼ね備えたものに相当している。本実施の形態では、内部断熱材7Bに代えて内部断熱材7Cを用いてもよい。そのようにすることで、実施の形態2と同様の効果を併せて奏することが可能となる。
また、本実施の形態における別の変形例として、リード線16が内部空間14内においてタンク中心軸の方向に沿って延びるように配置してもよい。その場合においても、内部空間14を確実に密閉することができるので、本実施の形態と同様の効果が得られる。
1 貯湯式給湯機、 1B 貯湯式給湯機、 2 外郭ケース、 3 脚、 4 貯湯タンク、 4a タンク上部、 4b タンク下部、 4c タンク胴部、 4d 接続口、 5 上部断熱材、 6 下部断熱材、 7 内部断熱材、 7A 内部断熱材、 7B 内部断熱材、 7C 内部断熱材、 7a 貫通孔、 7b エッジ、 7c 内面、 7d 外面、 7e エッジ、 7f 表示、 7g 第一溝部、 7h 第二溝部、 8,9 真空断熱材、 8a 内周面、 8b 外周面、 8c 端部、 10 前面断熱材、 11 背面断熱材、 12 温度センサ、 13 固定具、 14 内部空間、 15 貼付け具、 16 リード線、 100 台座

Claims (11)

  1. 筒状のタンク胴部を有する貯湯タンクと、
    前記タンク胴部の表面に設置された温度センサと、
    前記温度センサに隣り合うエッジと、前記タンク胴部の表面に接する内面と、前記内面とは反対側の外面とを有する内部断熱材と、
    前記タンク胴部の表面に接する内周面を有する真空断熱材と、
    を備え、
    前記真空断熱材の前記内周面は、前記内部断熱材の前記外面に接する部分を有し、
    前記貯湯タンクの中心軸であるタンク中心軸に垂直な平面で切断した断面において、前記タンク胴部の表面と、前記内部断熱材の前記エッジと、前記真空断熱材の前記内周面とで囲まれる内部空間の中に前記温度センサが位置し、
    前記真空断熱材の前記内周面に接する領域の前記内部断熱材の厚さ寸法は、前記真空断熱材の厚さ寸法よりも大きく、
    前記温度センサを前記タンク胴部に配置する位置を示す表示が前記内部断熱材に設けられている貯湯式給湯機。
  2. 前記内部断熱材の前記厚さ寸法は、前記タンク中心軸に垂直な方向についての前記温度センサの寸法よりも大きい請求項1に記載の貯湯式給湯機。
  3. 前記表示は、文字、図形、及び記号のうちの少なくとも一つを含む請求項に記載の貯湯式給湯機。
  4. 前記表示は、前記内部断熱材の表面の形状を、他の部位とは異なる形状とすることにより形成されている請求項の貯湯式給湯機。
  5. 前記内部断熱材の前記厚さ寸法は、前記エッジからの距離が大きくなるにつれて拡大する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
  6. 筒状のタンク胴部を有する貯湯タンクと、
    前記タンク胴部の表面に設置された温度センサと、
    前記温度センサに隣り合うエッジと、前記タンク胴部の表面に接する内面と、前記内面とは反対側の外面とを有する内部断熱材と、
    前記タンク胴部の表面に接する内周面を有する真空断熱材と、
    を備え、
    前記真空断熱材の前記内周面は、前記内部断熱材の前記外面に接する部分を有し、
    前記貯湯タンクの中心軸であるタンク中心軸に垂直な平面で切断した断面において、前記タンク胴部の表面と、前記内部断熱材の前記エッジと、前記真空断熱材の前記内周面とで囲まれる内部空間の中に前記温度センサが位置し、
    前記真空断熱材の前記内周面に接する領域の前記内部断熱材の厚さ寸法は、前記真空断熱材の厚さ寸法よりも大きく、
    前記内部断熱材の前記厚さ寸法は、前記エッジからの距離が大きくなるにつれて拡大する貯湯式給湯機。
  7. 前記温度センサが前記真空断熱材の前記内周面に接触していない請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
  8. 前記真空断熱材を前記内部断熱材に対して貼り付ける貼付け具を備え、
    少なくとも、前記貯湯タンクの全高の1/2の高さの位置から上の範囲において、前記真空断熱材と前記内部断熱材とが接触する隙間が前記貼付け具により密閉されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
  9. 前記温度センサから延びるリード線は、前記真空断熱材の前記内周面と前記内部断熱材との間、または前記内部空間に、前記タンク中心軸の方向に沿って配置されている請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
  10. 前記内部断熱材は、前記温度センサから延びるリード線を保持する凹部を有する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
  11. 筒状のタンク胴部を有する貯湯タンクと、
    前記タンク胴部の表面に設置された温度センサと、
    前記温度センサに隣り合うエッジと、前記タンク胴部の表面に接する内面と、前記内面とは反対側の外面とを有する内部断熱材と、
    前記タンク胴部の表面に接する内周面を有する真空断熱材と、
    を備え、
    前記真空断熱材の前記内周面は、前記内部断熱材の前記外面に接する部分を有し、
    前記貯湯タンクの中心軸であるタンク中心軸に垂直な平面で切断した断面において、前記タンク胴部の表面と、前記内部断熱材の前記エッジと、前記真空断熱材の前記内周面とで囲まれる内部空間の中に前記温度センサが位置し、
    前記真空断熱材の前記内周面に接する領域の前記内部断熱材の厚さ寸法は、前記真空断熱材の厚さ寸法よりも大きく、
    前記内部断熱材は、前記温度センサから延びるリード線を保持する凹部を有する貯湯式給湯機。
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