JP7207040B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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本発明は、モータ駆動装置に関する。
ハイブリッド自動車等の電動車両に用いられるインバータ及び回転電機を備える電機システムにおいて、システムを構成する部品に何らかの不具合が生じる場合がある。そのような不具合が生じた場合には、システムを継続的な損傷から保護するために、インバータを構成する半導体スイッチング素子を操作して回転電機の巻線を短絡させる短絡モードに切り替える技術が知られている。
ここで、インバータを構成するスイッチング素子を制御して回転電機の巻線を短絡する方法を説明する。例えば、図1は、直流電源100、平滑コンデンサ201及び直流/交流変換部202を有する三相インバータ200と、回転電機300とを備える電機システムを示す。回転電機300の巻線を短絡するには、三相インバータ200の下アームを構成する3つのスイッチング素子をオンし、上アームを構成する3つのスイッチング素子をオフすればよい。また、各アームのスイッチング素子のオン・オフは上記の逆でもよい。
システムを構成する部品の不具合には、三相インバータ200のスイッチング素子を駆動する駆動回路や制御回路、これらの回路に電力を供給する電源回路(何れも図示せず)等の不具合も含まれる。
システムに不具合が発生した場合には、回転電機の巻線を短絡することで、インバータの主回路の耐圧を超える誘起電圧(回生電圧)の発生を抑え、主回路を保護することが要求される。特に電動車両の衝突等の緊急時には、乗員の安全を確保するために、メインのバッテリを切り離して、インバータの出力電圧(正負の直流母線間の平滑コンデンサの電圧)を所定時間内に規定値以下に低下させることが要求される。
しかしながら、メインのバッテリを切り離した状態で回転電機の短絡モードを継続すると、主回路の直流母線にはエネルギーが供給されなくなる。その状態が継続し、正負の直流母線間に接続された平滑コンデンサの蓄積エネルギーを使い切ると、回転電機の巻線を短絡させるための巻線短絡制御回路を動作させる電源回路が停止してしまう。その結果、回転電機が発電状態であるにも関わらず、短絡モードが解除されて直流母線電圧が上昇することになり、巻線短絡制御回路の動作によって回転電機の巻線を再度短絡するまでの間に直流母線電圧が規定値を超えてしまうおそれがある。
そこで、主回路の直流母線電圧を検出し、この電圧が予め設定した閾値(短絡オフ閾値)以下になったら回転電機の巻線短絡を解除し、直流母線電圧が再び上昇して閾値(短絡オン閾値)を超えた場合に巻線を再度短絡させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第5433608号公報
しかしながら、従来の技術では、巻線短絡を適切に行うことができない場合があった。
そこで、本開示は、巻線短絡を適切に行うことが可能なモータ駆動装置を提供する。
本開示は、
一対の直流母線の間に接続される上下アームによってモータを駆動するインバータと、
前記直流母線の間に生ずる直流母線電圧が第1の閾値に達したら前記上下アームのうち一方のアームをオンさせて前記モータの巻線を短絡させる短絡動作と、前記直流母線電圧が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達したら前記短絡動作を解除する解除動作とを繰り返す制御回路と、
前記モータの速度を検出する速度検出部とを備え、
前記制御回路は、前記速度検出部により検出されたモータ速度に応じて、前記第1の閾値を補正する、モータ駆動装置を提供する。
また、本開示は、
一対の直流母線の間に接続される上下アームによってモータを駆動するインバータと、
前記直流母線の間に生ずる直流母線電圧が第1の閾値に達したら前記上下アームのうち一方のアームをオンさせて前記モータの巻線を短絡させる短絡動作と、前記直流母線電圧が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達したら前記短絡動作を解除する解除動作とを繰り返す制御回路と、
前記モータの速度を検出する速度検出部とを備え、
前記制御回路は、前記速度検出部により検出されたモータ速度に応じて、前記第1の閾値と前記第2の閾値との間のヒステリシスを補正する、モータ駆動装置を提供する。
また、本開示は、
一対の直流母線の間に接続される上下アームによってモータを駆動するインバータと、
前記直流母線の間に生ずる直流母線電圧が第1の閾値に達したら前記上下アームのうち一方のアームをオンさせて前記モータの巻線を短絡させる短絡動作と、前記直流母線電圧が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達したら前記短絡動作を解除する解除動作とを繰り返す制御回路と、
異常を検出する異常検出部とを備え、
前記制御回路は、前記異常検出部により異常が検出された場合、前記第1の閾値を補正する、モータ駆動装置を提供する。
本開示によれば、巻線短絡を適切に行うことが可能なモータ駆動装置を提供できる。
インバータ及び回転電機を備える電機システムの構成例を示す図である。 一実施形態の構成例を示すブロック図である。 第1の繰り返し制御方法による動作例を示すタイミングチャートである。 第2の繰り返し制御方法による動作例を示すタイミングチャートである。 アーム電流検出部の一例を示す図である。 第2の制御回路の一例を示す図である。 センス電流検出信号とカウンタ入力信号の波形例を示すタイミングチャートである。 第1の制御回路の一例を示す図である。 相電流検出信号とカウンタ入力信号の波形例を示すタイミングチャートである。 一比較形態における巻線短絡時の動作例を示すタイミングチャートである。 一実施形態における巻線短絡時の動作例を示すタイミングチャートである。 第2の制御回路の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態を図面を参照して説明する。図2は、一実施形態におけるモータ駆動装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すモータ駆動装置101は、一対の直流母線の間に接続される上下アームによってモータPMを駆動するインバータ111と、インバータ111を制御する制御装置121とを備える。モータPMは、例えば、永久磁石同期電動機である。
インバータ111は、例えば、U相駆動回路と、V相駆動回路と、W相駆動回路とを有する三相インバータである。U相駆動回路は、モータPMのU相の固定子巻線に中点が接続される上下アームと、当該上下アームを駆動する一対のアーム駆動回路12a,12bとを有する。図2には、上アームの一例であるスイッチング素子4と、下アームの一例であるスイッチング素子5とが示されている。他のV相駆動回路及びW相駆動回路も、U相駆動回路と同じ構成を有する。V相駆動回路は、モータPMのV相の固定子巻線に中点が接続される上下アームと、当該上下アームを駆動する一対のアーム駆動回路とを有し、W相駆動回路は、モータPMのW相の固定子巻線に中点が接続される上下アームと、当該上下アームを駆動する一対のアーム駆動回路とを有する。スイッチング素子4,5の具体例として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などが挙げられる。
図2には、インバータ111の主回路一相分のU相駆動回路と、インバータ111を制御する制御装置121との回路構成が明示されている。各相の駆動回路には、制御装置121から並列的に電力を供給することができる。
次に、制御装置121の構成について説明する。制御装置121は、低圧電源6に接続される低圧部と、電源電圧が低圧電源6よりも高い高圧電源1に接続される高圧部とを有し、低圧部と高圧部とは互いに絶縁されている。
低圧電源6の正負極間には、低圧電源用スイッチ7を介して、低圧側電源生成回路8と上アーム駆動回路用電源回路13とが並列に接続されている。低圧側電源生成回路8からは、第1の制御回路9aに電力が供給される。
第1の制御回路9aは、スイッチング素子4,5をオン・オフさせるための制御信号Gu,Gxを生成する機能を有する。例えば、第1の制御回路9aは、回転角度検出部26から出力される角度検出信号θと、相電流検出部25から出力される相電流検出信号iu_det,iv_det,iw_detとに基づいてモータPMのトルク制御を行って、制御信号Gu,Gxを生成する。回転角度検出部26は、モータPMの回転角度を検出し、検出された回転角度に応じた角度検出信号を出力する機能を有し、その具体例として、エンコーダがある。相電流検出部25は、モータPMに流れる三相の相電流を検出し、検出された相電流に応じた相電流検出信号を出力する機能を有し、その具体例として、電流センサがある。
また、第1の制御回路9aは、低圧側電源生成回路8への供給電源電圧(低圧電源6の電圧)の異常、第1の制御回路9aへの供給電源電圧の異常、または第1の制御回路9a自身の異常を第2の制御回路27に知らせる異常検出信号S1を生成する機能を有する。
第1の制御回路9aには、不図示の上位の制御装置から出力される上位信号が入力される。この上位信号には、システム構成機器や回路の異常検出信号(例えば、低圧電源6の電圧異常が検出されたことを表す信号)が含まれる。第1の制御回路9aは、その上位の制御装置から出力される異常検出信号を受信すると、異常検出信号S1を生成する機能を有してもよい。
上アームのスイッチング素子4に対する制御信号Guは、制御信号伝送回路16aを介して上アーム駆動回路12aに送られる。下アームのスイッチング素子5に対する制御信号Gxは、制御信号伝送回路16b及び論理積ゲート28を介して下アーム駆動回路12bに送られる。第1の制御回路9aから出力される異常検出信号S1は、異常信号伝送回路17を介して第2の制御回路27に送られる。
ここで、制御回路の基準電位とスイッチング素子の基準電位とは異なるため、図2に示すように、回路を構成するブロックごとに基準電位が分離されている。すなわち、Gは、低圧電源6、低圧側電源生成回路8、第1の制御回路9a、及び、上アーム駆動回路用電源回路13の低圧側の基準電位である。Gは、上アーム駆動回路用電源回路13の高圧側の基準電位である。Gは、インバータ111の主回路の基準電位である。
制御信号伝送回路16aは、基準電位をGとする制御信号Guを、絶縁部を介して、基準電位をGとする信号に変換し、上アーム駆動回路12aに伝送する。制御信号伝送回路16bは、基準電位をGとする制御信号Gxを、絶縁部を介して、基準電位をGとする信号に変換し、下アーム駆動回路12bに伝送する。異常信号伝送回路17は、基準電位をGとする異常検出信号S1を、絶縁部を介して、基準電位をGとする信号に変換し、第2の制御回路27に伝送する。
一方、高圧電源1の正極には、コンタクタ等の高圧電源用スイッチ2を介して正極母線71が接続されている。高圧電源1の負極には、負極母線72が接続されている。正極母線71と負極母線72との間には、平滑コンデンサ3が接続されているとともに、三相分の上下アームの直列回路が接続されている。
上アーム駆動回路12aには、上アーム駆動回路用電源回路13から電力が供給され、下アーム駆動回路12bには、平滑コンデンサ3の両端に接続された高圧側電源生成回路14から電力が供給される。高圧側電源生成回路14は、第2の制御回路27にも電力を供給する。上アーム駆動回路用電源回路13は、低圧電源6から低圧電源用スイッチ7を介して入力される電圧を所定の電圧に降圧変換して上アーム駆動回路12aに供給する機能を備える。高圧側電源生成回路14は、一対の直流母線から入力される電圧を所定の電圧に降圧変換して下アーム駆動回路12b及び第2の制御回路27に供給する機能を備える。高圧側電源生成回路14は、一対の直流母線を電力供給源とする電源生成回路の一例である。
高圧側電源生成回路14により生成された電力は、各相の駆動回路内の論理積ゲート28にも供給される。論理積ゲート28は、第1の制御回路9aから制御信号伝送回路16bを介して入力される制御信号Gxと、第2の制御回路27から入力される巻線短絡オフ信号G_OFFとの論理積を表す制御信号を、下アーム駆動回路12bに出力する。
なお、図示されていないが、低圧電源6を電力供給源とする電源回路13を、下アーム駆動回路12bに電力を供給する電源回路とし、高圧電源1を電力供給源とする高圧側電源生成回路14を、上アーム駆動回路12aに電力を供給する電源回路としてもよい。
図1において、主回路の平滑コンデンサ3には、第1の電圧検出回路30及び第2の電圧検出回路31が並列に接続されている。第1の電圧検出回路30は、正極母線71と負極母線72との電位差である直流母線電圧を検出し、その直流母線電圧検出値Vdc_det1を第1の電圧検出値として第1の制御回路9aに出力する。第1の電圧検出回路30は、低圧側電源生成回路8から供給される電力で動作する。第2の電圧検出回路31は、正極母線71と負極母線72との電位差である直流母線電圧を検出し、その直流母線電圧検出値Vdc_det2を第2の電圧検出値として第2の制御回路27に出力する。正極母線71と負極母線72との間の直流母線電圧は、平滑コンデンサ3の両端及び上下アームの両端に印加される。
第2の制御回路27は、第2の制御回路27への供給電源電圧、または第2の制御回路27自身の異常を第1の制御回路9aに知らせる異常検出信号S3を生成する機能を有する。第2の制御回路27から出力される異常検出信号S3は、異常信号伝送回路18を介して第1の制御回路9aに送られる。異常信号伝送回路18は、基準電位をGとする異常検出信号S3を、絶縁部を介して、基準電位をGとする信号に変換し、第1の制御回路9aに伝送する。
ところで、第1の制御回路9aは、所定のシステム異常が発生した場合、インバータ111全相の上アームまたは下アームをオンさせることで、モータPMの巻線を短絡させる機能を有する。一方、第2の制御回路27は、所定のシステム異常が発生した場合、インバータ111全相の一方のアーム(図2に例示する形態では、下アーム)をオンさせることで、モータPMの巻線を短絡させる機能を有する。このような巻線短絡を行うことによって、インバータ111に流入するモータPMの回生電力を抑制でき、モータ駆動装置101を過電圧から保護できる。
第1の制御回路9aは、低圧電源6から低圧側電源生成回路8を介して供給される電力で動作し、第2の制御回路27は、高圧電源1から高圧側電源生成回路14を介して供給される電力で動作する。したがって、巻線短絡は、低圧側電源(低圧電源6又は低圧側電源生成回路8)が故障しても、第2の制御回路27によって実施でき、高圧側電源(高圧電源1又は高圧側電源生成回路14)が故障しても、第1の制御回路9aによって実施できる。つまり、モータ駆動装置101は、低圧側電源と高圧側電源のどちらかが故障しても、巻線短絡動作ができるように構成されている。
一方、所定のシステム異常(例えば、低圧電源6の電圧異常)が発生すると、制御装置121よりも上位の不図示の制御装置は、フェールセーフのために高圧電源用スイッチ2をオフにする場合がある。この場合、第2の制御回路27がインバータ111全相の一方のアーム(図2の形態の場合、下アーム)をオンにしたまま巻線短絡を継続させると、モータPMから各相の駆動回路を介して回生される電力が無くなる。その状態が継続し、平滑コンデンサ3の蓄積エネルギーが無くなってしまうと、第2の制御回路27及び下アーム駆動回路12bを動作させるための電力を供給する高圧側電源生成回路14が停止し、巻線短絡を継続することができなくなる。これを防ぐため、第2の制御回路27は、直流母線電圧が高圧側電源生成回路14の最低作動電圧(動作下限電圧)よりも少し高い電圧値に設定された短絡オフ閾値に達したら巻線短絡を解除する。これにより、モータPMから直流母線への回生が再開するので、高圧側電源生成回路14の電源は確保され、高電圧側電源生成回路27は、その回生電力を利用して、第2の制御回路27及び下アーム駆動回路12bを動作させるための電力を生成できる。モータPMからの回生電力により直流母線電圧は再び上昇するので、第2の制御回路27は、直流母線電圧が短絡オン閾値に達したら巻線を再度短絡させる。短絡オン閾値は、第1の閾値の一例であり、短絡オフ閾値は、第1の閾値よりも低い第2の閾値の一例である。
このように、第2の制御回路27は、直流母線電圧が第1の閾値に達したら一方のアームをオンさせてモータPMの巻線を短絡させる短絡動作と、直流母線電圧が第1の閾値よりも低い第2の閾値に達したら当該短絡動作を解除する解除動作とを繰り返す。高圧電源1から一対の直流母線に供給される電力が高圧電源用スイッチ2により遮断された状態で、この繰り返し制御が行われると、直流母線電圧は、短絡オン閾値と短絡オフ閾値との間の電圧範囲を跨ぐように上下動する状態に維持される(図3,4参照)。
図3は、短絡動作と解除動作とを繰り返す第1の繰り返し制御方法による動作例を示すタイミングチャートである。図4は、短絡動作と解除動作とを繰り返す第2の繰り返し制御方法による動作例を示すタイミングチャートである。第1の繰り返し制御方法は、第2の繰り返し制御方法と比較するための一例である。
図3,4において、短絡オン閾値及び短絡オフ閾値は、例えば、人が感電しないような低電圧(例えば、「JIS D5305-3 電気自動車-安全に関する仕様-第3部:電気危害に対する人の保護」に記載されているように、60ボルト以下)に設定される。この低電圧は、安全電圧と呼ばれることがある。なお、短絡オン閾値及び短絡オフ閾値は、安全電圧とは別の観点で定義された規定電圧(例えば、インバータ111の主回路の耐電圧よりも低く設定された電圧)でもよい。更に、短絡オフ閾値は、例えば、主回路の直流母線電圧を入力とする制御電源回路(図2の場合、高圧側電源生成回路14)の動作下限電圧よりも高く設定される。
ここで、主回路の直流母線電圧が短絡オン閾値を超えたことを検出してから巻線が実際に短絡されるまでには、遅延時間(以下、"遅延時間d"とも称する)が存在する。モータPMのモータ速度が大きいほど、モータPMからの回生電力は大きくなる。そのため、図3に示すように、モータ速度の大小に関わらず短絡オン閾値が常に一定値であると、直流母線電圧が遅延時間dで変化する量(電圧過上昇値)は、モータ速度が大きい場合、モータ速度が小さい場合に比べて、大きくなる。これにより、モータ速度が大きくなるほど、スイッチング素子等のデバイスの製造ばらつきによっては、直流母線電圧のピーク値が、短絡オン閾値に対して想定よりも大きくずれてしまうおそれがある。その結果、例えば、直流母線電圧のピーク値が規定電圧を超えてしまうおそれがある。このように、巻線短絡を適切に行うことができない場合がある。
これに対し、図4に示すように、モータ速度に応じて短絡オン閾値を補正することによって、直流母線電圧のピーク値が、短絡オン閾値に対して想定よりも大きくずれても、そのずれを抑制できる。また、直流母線電圧のピーク値が規定電圧を超える可能性を低減できる。したがって、巻線短絡を適切に行うことが可能である。
特に、図4に示すように、モータ速度が大きい場合、モータ速度が小さい場合に比べて、短絡オン閾値を低下させることによって、モータ速度が異なっても直流母線電圧のピーク値の違いを小さくでき、異なるモータ速度でそれらのピーク値を揃えることができる。この際、検出されたモータ速度の大きさに応じて決められた低下量で、短絡オン閾値を低下させる。これにより、短絡オン閾値を規定電圧に近づけることができ、高圧側電源生成回路14の小型化という後述の効果に貢献する。
また、ノイズによる誤動作や、巻線短絡を行っているスイッチング素子のスイッチング損失低減などの観点から、所定の電圧幅ΔVdcを確保することが必要である。そのため、想定される最小モータ速度でも電圧幅ΔVdcが確保されるように、ヒステリシス(=短絡オン閾値-短絡オフ閾値)が設計される。
しかしながら、図3に示すように、モータ速度の大小に関わらずヒステリシスが常に一定値であると、直流母線電圧の変動幅(波高値)は、モータ速度が大きい場合、モータ速度が小さい場合に比べて、大きくなる。これにより、モータ速度が大きくなるほど、スイッチング素子等のデバイスの製造ばらつきによっては、直流母線電圧の変動幅が、所望の電圧幅ΔVdcに対して想定よりも大きくずれてしまうおそれがある(電圧幅ΔVdcが必要以上に確保されてしまう)。その結果、例えば、直流母線電圧のピーク値が規定電圧を超えてしまうおそれがある。このように、巻線短絡を適切に行うことができない場合がある。
これに対し、図4に示すように、モータ速度に応じてヒステリシスを補正することによって、直流母線電圧の変動幅が、所望の電圧幅ΔVdcに対して想定よりも大きくずれても、そのずれを抑制できる。また、直流母線電圧のピーク値が規定電圧を超える可能性を低減できる。したがって、巻線短絡を適切に行うことが可能である。
特に、図4に示すように、モータ速度が大きい場合、モータ速度が小さい場合に比べて、ヒステリシスを小さくすることによって、モータ速度が異なっても直流母線電圧の変動幅の違いを小さくでき、異なるモータ速度でそれらの変動幅を揃えることができる。この際、検出されたモータ速度の大きさに応じて決められた減少量で、ヒステリシスを減少させる。これにより、モータ速度が比較的大きいとき、電圧幅ΔVdcが必要以上に確保されないので(直流母線電圧の無駄な変動分が小さくなるので)、高圧側電源生成回路14の小型化という後述の効果に貢献する。
また、上述のように、モータ速度が大きくなるほど、スイッチング素子等のデバイスの製造ばらつきによっては、直流母線電圧のピーク値が、規定電圧を超えてしまうおそれがある。そのため、図3に示すように、モータ速度の大小に関わらず短絡オン閾値が常に一定値であると、想定される最大モータ速度で直流母線電圧が規定電圧を超えないように短絡オン閾値を低めに設定して余裕をもたせる必要がある。一方、上述のように、所定の電圧幅ΔVdcを確保する必要もある。そのため、短絡オン閾値が上記のように低めに設定されると、短絡オフ閾値も低めに設定されることになる。その結果、直流母線電圧を入力とする制御電源回路(図2の場合、高圧側電源生成回路14)の動作下限電圧を下げなければならない。
ここで、通常運転時の直流母線電圧の最大値が600ボルト以上になる装置も存在する。よって、高圧側電源生成回路14の動作下限電圧が下がると、主回路の直流母線を電力供給源とする高圧側電源生成回路14の入力電圧範囲は更に広がる。高圧側電源生成回路14に入力される電圧が低くなるほど、同じ出力を得るために入力電流が増加するので、高圧側電源生成回路14内のトランジスタやトランスの一次巻線の導通損失は、増大する。高耐圧のトランジスタは、そのオン抵抗が比較的高い傾向にあるので、入力電流の増加に対する導通損失の増大の影響を顕著に受ける。したがって、高圧側電源生成回路14の動作下限電圧が下がることにより高圧側電源生成回路14の入力電圧範囲が広がると、その広範囲の入力電圧範囲に対応できるように、それらの主要部品が大型化し、高圧側電源生成回路14が大型化するおそれがある。
しかしながら、図4に示すように、モータ速度が大きい場合、モータ速度が小さい場合に比べて、短絡オン閾値を低下させることによって、短絡オン閾値を高めに設定でき規定電圧との間のマージンを小さくできる。これにより、所望の電圧幅ΔVdcを確保したまま、短絡オフ閾値を高めに設定できるので、高圧側電源生成回路14の動作下限電圧を引き上げることができる。これにより、高圧側電源生成回路14に入力され得る電圧の範囲が狭まるので、スイッチング素子やトランス等の主要部品を小型化でき、高圧側電源生成回路14の小型化が可能となる。同様に、モータ速度が大きい場合、モータ速度が小さい場合に比べて、ヒステリシスを小さくすることによっても、直流母線電圧の無駄な変動分が小さくなるので、所望の電圧幅ΔVdcを確保したまま、短絡オン閾値及び短絡オフ閾値を高めに設定できる。したがって、高圧側電源生成回路14の動作下限電圧を引き上げることができるので、高圧側電源生成回路14の小型化が可能となる。
図4に示す上述の制御方法(短絡動作と解除動作とを繰り返す第2の繰り返し制御方法)は、第1の制御回路9aによって実行されてもよいし第2の制御回路27によって実行されてもよい。第1の制御回路9aと第2の制御回路27の両方が、短絡動作と解除動作の繰り返し制御を行うことが可能であると、一方の制御回路が繰り返し制御を行うことができない状況でも他方の制御回路が繰り返し制御を行うことが可能となる。
また、例えば、第1の制御回路9a又は第2の制御回路27は、図4に示すように、異なるモータ速度で直流母線電圧の変動幅が等しくなるように、短絡オン閾値又はヒステリシスを補正してもよい。これにより、直流母線電圧を想定値に高精度に制御できる。
第1の制御回路9a又は第2の制御回路27は、検出されたモータ速度の大きさに応じて決められた補正量で短絡オン閾値を補正することによって、ヒステリシスを補正してもよい。これにより、直流母線電圧のピーク値と直流母線電圧の変動幅との両方のずれを一緒に補正できる。
また、図4に示すように、第1の制御回路9a又は第2の制御回路27は、検出された直流母線電圧が規定電圧を超えないように、モータ速度が大きい場合、モータ速度が小さい場合に比べて、規定電圧と短絡オン閾値との差を大きくしてもよい。これにより、モータ速度の大小が変化しても、直流母線電圧のピーク値を規定電圧に高精度に近づけることができる。
次に、図2に示すモータ駆動装置101が図4に示す制御方法に従って制御する場合の動作例についてより詳細に説明する。
[A.第1の制御回路9aが短絡巻線信号を出力する場合]
(A1)第1の制御回路9aは、低圧電源6の電圧異常が検出されず且つ第1の制御回路9a自身の異常が検出されない状態で第2の制御回路27からの異常検出信号S3を検知した場合、上アーム又は下アームを全相オンにして巻線を短絡させる信号を出力する。
(A2)第1の制御回路9aは、第1の電圧検出回路30により検出された直流母線電圧(直流母線電圧検出値Vdc_det1)が短絡オフ閾値を下回ったら、巻線短絡をオフにする信号(巻線短絡を解除する信号)を出力する。
(A3)第1の制御回路9aは、回転角度検出部26により巻線短絡オフ直前に検出される回転角度に基づいてモータPMの回転数(モータ速度)を演算し、そのモータ速度の演算値に従って短絡オン閾値を補正する。
(A4)第1の制御回路9aは、第1の電圧検出回路30により検出された直流母線電圧が短絡オン閾値を上回ったら、再度、巻線を短絡させる信号を出力する。
(A5)第1の制御回路9aは、それ以降、A2からA4を繰り返す。
[B.第2の制御回路27が短絡巻線信号を出力する場合]
(B1)第2の制御回路27は、第1の制御回路9aからの異常検出信号S1を検知した場合、下アームを全相オンして巻線を短絡させる信号(巻線短絡オフ信号G_OFF)を出力する。
(B2)第2の制御回路27は、第2の電圧検出回路31により検出された直流母線電圧(直流母線電圧検出値Vdc_det2)が短絡オフ閾値を下回ったら、巻線短絡をオフにする信号を出力する。
(B3)第2の制御回路27は、下アームのセンス電流検出部により巻線短絡オフ直前に検出されたセンス電流の周期に基づいて回生電流の周波数(モータ速度と等価)を演算し、その周波数演算値に従って短絡オン閾値を補正する。
(B4)第2の制御回路27は、第2の電圧検出回路31により検出された直流母線電圧が短絡オン閾値を上回ったら、再度、巻線を短絡させる信号を出力する。
(B5)第2の制御回路27は、それ以降、B2からB4を繰り返す。
図5は、センス電流検出部の一例を示す図である。図5に示すセンス電流検出部5aは、第2の制御回路27によって巻線短絡が行われる下アームに流れるアーム電流を検出するアーム電流検出部の一例である。センス電流検出部5aは、スイッチング素子5のエミッタ電流に対応するセンス電流を検出し、検出されたセンス電流の大きさに応じたセンス電流検出信号iX_IGBTを出力する。センス電流検出信号iX_IGBTは、一方のアームに流れるアーム電流の大きさを表すアーム電流検出信号の一例であり、この場合、スイッチング素子5のエミッタ電流の大きさを表す。
図6は、第2の制御回路27の一例を示す図である。第2の制御回路27は、センス電流検出信号iX_IGBTの周期的変化に基づいて、モータPMの速度を検出する速度検出部40を有する。
速度検出部40は、複数の下アームのうちいずれかの下アームのセンス電流検出信号iX_IGBTの半周期をコンパレータ41により検出し、検出された半周期に対応するパルス信号をカウンタ42によりカウントする(図7参照)。図6において、速度検出部40は、カウンタ42により得られたカウント値の逆数を除算器43により演算することによって、モータ速度を検出(推定)する。
第2の制御回路27は、速度検出部40により演算された逆数(つまり、モータ速度の推定値)にゲインKを乗算器44で乗算することによって得られる値を短絡オン閾値の補正量とする。ゲインKは、例えば、巻線短絡オン時の遅延時間dに応じて決められる。第2の制御回路27は、短絡オン閾値の基準値V1からこの補正量を減算器45により減算することによって、補正された短絡オン閾値Vref(ON)を算出する。
第2の制御回路27は、直流母線電圧検出値Vdc_det2と短絡オン閾値Vref(ON)とをコンパレータ47により比較することによって巻線短絡を開始させるセット信号Sを生成する。一方、第2の制御回路27は、直流母線電圧検出値Vdc_det2と短絡オフ閾値Vref(OFF)とをコンパレータ46により比較することによって巻線短絡を解除させるリセット信号Rを生成する。第2の制御回路27は、セット信号Sとリセット信号Rが入力されるRSフリップフロップ48により、巻線短絡オフ信号G_OFFを生成して出力する。
このように、第2の制御回路27が繰り返し制御を行う場合、下アームに流れるアーム電流を検出するセンス電流検出部5aから出力されるセンス電流検出信号iX_IGBTに基づいて、モータPMの速度を検出する。これにより、モータ速度の検出機能含む第1の制御回路9aが異常状態となった場合に、第2の制御回路27にてモータ速度を検出する新たな検出素子が無くても、モータPMの速度を推定することが可能となり、小型化やコストダウンが可能となる。
図8は、第1の制御回路9aの一例を示す図である。第1の制御回路9aは、相電流検出信号iu_det,iv_det,iw_detのうちの少なくとも一つの周期的変化に基づいて、モータPMの速度を検出する速度検出部50を有する。
速度検出部50は、例えば、相電流検出信号iu_detの半周期をコンパレータ51により検出し、検出された半周期に対応するパルス信号をカウンタ52によりカウントする(図9参照)。図8において、速度検出部50は、カウンタ52により得られたカウント値の逆数を除算器53により演算することによって、モータ速度を検出(推定)する。
第1の制御回路9aは、速度検出部50により演算された逆数(つまり、モータ速度の推定値)にゲインKを乗算器54で乗算することによって得られる値を短絡オン閾値の補正量とする。ゲインKは、例えば、巻線短絡オン時の遅延時間dに応じて決められる。第1の制御回路9aは、短絡オン閾値の基準値V1からこの補正量を減算器55により減算することによって、補正された短絡オン閾値Vref(ON)を算出する。
第1の制御回路9aは、直流母線電圧検出値Vdc_det1と短絡オン閾値Vref(ON)とをコンパレータ57により比較することによって巻線短絡を開始させるセット信号Sを生成する。一方、第1の制御回路9aは、直流母線電圧検出値Vdc_det1と短絡オフ閾値Vref(OFF)とをコンパレータ56により比較することによって巻線短絡を解除させるリセット信号Rを生成する。第1の制御回路9aは、セット信号Sとリセット信号Rが入力されるRSフリップフロップ58により、巻線短絡オフ信号G_OFFを生成する。
また、第1の制御回路9aは、角度検出信号θと相電流検出信号iu_det,iv_det,iw_detとに基づいて、モータPMのトルク制御を行うモータ制御回路61を有する。モータ制御回路61は、トルク制御に基づいて、所望のトルクがモータPMに発生するように、上下アームのそれぞれのアームゲート信号を生成する。また、第1の制御回路9aは、第2の制御回路27から出力される異常検出信号S3を検出するフェールセーフ処理回路62を有する。フェールセーフ処理回路62は、異常検出信号S3の入力を検出した場合、上アーム又は下アームの全相をオンさせるアームオン信号を出力する。
第1の制御回路9aは、巻線短絡オフ信号G_OFFと上アームオン信号との論理積を出力する論理積ゲート63と、巻線短絡オフ信号G_OFFと下アームオン信号との論理積を出力する論理積ゲート64とを有する。また、第1の制御回路9aは、論理積ゲート63の出力と上アームゲート信号との論理和を出力する論理和ゲート65と、論理積ゲート64の出力と下アームゲート信号との論理和を出力する論理和ゲート66とを有する。論理和ゲート65は、上アームのゲートを制御する制御信号Guを出力し、論理和ゲート66は、下アームのゲートを制御する制御信号Gxを出力する。
このように、第1の制御回路9aが繰り返し制御を行う場合、モータPMの回転角度を検出する回転角度検出部26から出力される角度検出信号θに基づいて、モータPMの速度を検出する。このとき、更に、回転角度検出部26の異常が検知されたとき、モータPMに流れる相電流を検出する相電流検出部25から出力される相電流検出信号iu_detに基づいて、モータPMの速度を検出する。これにより、回転角度検出部26に異常が発生しても、相電流検出信号iu_detに基づいて、モータPMの回転速度を推定できるので、異常時の信頼性が向上する。また、第1の制御回路9aにトルク制御用に入力される既存の相電流検出信号を利用するので、アーム電流センス信号を受信するインタフェース回路が無くても、モータPMの速度を推定することが可能となり、小型化やコストダウンが可能となる。
次に、モータ駆動装置101が、所定の異常を検出する異常検出部を備える場合の構成例について説明する。
モータ巻線短絡を行う主な目的として、2つの目的がある。1つ目は、衝突事故などでモータ駆動装置が構造的に破壊した場合にモータ回生電力を止め、外部に接続された放電手段等により速やかに充電部の電圧を安全電圧以下とし、乗員を感電から保護することである。2つ目は、過大なモータ回生電力からモータ駆動装置を保護することである。
短絡動作と短絡解除動作との繰り返し制御を行う場合、短絡オン閾値を安全電圧以下に設定すれば、一般的にモータ駆動装置の破壊電圧よりも安全電圧の方が低いため、上記2つの目的は達成される。
しかしながら、高速走行中、モータ駆動装置の故障等で巻線短絡を上記の2つ目の目的で行うと、車両の惰性により比較的長時間モータは回転し続ける。そのため、短絡オン閾値を安全電圧以下に設定すると、巻線が短絡されている状態が長時間に及び、巻線短絡を行っている半導体スイッチング素子に過大な熱ストレスが生ずるおそれがある(図10参照)。このように、巻線短絡を適切に行うことができない場合がある。
そこで、モータ駆動装置101は、所定の異常を検出する異常検出部を備え、第1の制御回路9aと第2の制御回路27の少なくとも一方は、当該異常検出部により異常が検出された場合、短絡オン閾値を補正する機能を有してもよい。これにより、所定の異常が検出された場合に、短絡オン閾値を補正することが可能なため、巻線短絡を適切に行うことが可能である。例えば、いずれかの制御回路は、異常検出部により検出された異常の違いに応じて異なる電圧値に、短絡オン閾値を変更してもよい。これにより、異常の種類に応じた適切な電圧値とタイミングで巻線短絡を開始できる。
また、例えば、いずれかの制御回路は、異常検出部により車両の衝突が検出された場合、短絡オン閾値を第1の電圧値に設定し、異常検出部により車両の衝突とは異なる異常が検出された場合、短絡オン閾値を第1の電圧値よりも高い第2の電圧値に設定する。これにより、衝突以外の異常では、短絡オン閾値が上げることで巻線短絡期間が減少するので(図11参照)、半導体スイッチング素子の発熱量を下げることができる。よって、半導体スイッチング素子及びそれらの冷却装置に関して、小型化やコストダウンが可能となる。例えば、第2の電圧値は、安全電圧よりも高く、且つ、モータ駆動装置101内のインバータ111の主回路部の耐電圧以下に設定されると好ましい。
一方、衝突による異常では、短絡オン閾値を下げることでモータ駆動装置の構造的破壊による感電から乗員を守ることができる。この場合、第1の電圧値は、安全電圧以下に設定されることが好ましい。
図12には、第2の制御回路27が異常検出部49を有する構成が例示されている。図12に示す第2の制御回路27は、図6に示す第2の制御回路27の構成に対して、異常検出部49が追加されている。
異常検出部49は、車両の衝突を知らせる異常信号(衝突信号)が入力された場合、スイッチ49a,49bにより、短絡オン閾値の基準値を第2の短絡オン閾値V2から第1の短絡オン閾値V1に切り替える。V1は、V2よりも小さい。また、異常検出部49は、車両の衝突を知らせる異常信号(衝突信号)が入力された場合、スイッチ49c,49dにより、短絡オフ閾値Vref(OFF)、第2の短絡オフ閾値Vref2(OFF)から第1の短絡オフ閾値Vref1(OFF)に切り替える。Vref1(OFF)は、Vref2(OFF)よりも小さい。Vref2(OFF)は、例えば、安全電圧よりも高く、且つ、モータ駆動装置101内のインバータ111の主回路部の耐電圧以下に設定されると好ましい。
これにより、衝突以外の異常では、短絡オン閾値と短絡オフ閾値が安全電圧よりも上がるので、巻線短絡期間が減少する(図11参照)。よって、半導体スイッチング素子の発熱量を下げることができ、半導体スイッチング素子及びそれらの冷却装置に関して、小型化やコストダウンが可能となる。一方、衝突による異常では、短絡オン閾値及び短絡オフ閾値が安全電圧よりも下がるので、モータ駆動装置の構造的破壊による感電から乗員を守ることができる。
以上、モータ駆動装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
1:高圧電源
2:高圧電源用スイッチ
3:平滑コンデンサ
4,5:スイッチング素子
6:低圧電源
7:低圧電源用スイッチ
8:低圧側電源生成回路
9a:第1の制御回路
12a:上アーム駆動回路
12b:下アーム駆動回路
13:上アーム駆動回路用電源回路
14 高圧側電源生成回路
16a,16b:制御信号伝送回路
17,18:異常信号伝送回路
25:相電流検出部
26:回転角度検出部
27:第2の制御回路
28:論理積ゲート
30:第1の電圧検出回路
31:第2の電圧検出回路
40,50 速度検出部
49 異常検出部
71:正極母線
72:負極母線
101:モータ駆動装置
111:インバータ
121:制御装置
PM:モータ
S1,S3:異常検出信号

Claims (17)

  1. 一対の直流母線の間に接続される上下アームによってモータを駆動するインバータと、
    前記直流母線の間に生ずる直流母線電圧が第1の閾値に達したら前記上下アームのうち一方のアームをオンさせて前記モータの巻線を短絡させる短絡動作と、前記直流母線電圧が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達したら前記短絡動作を解除する解除動作とを繰り返す制御回路と、
    前記モータの速度を検出する速度検出部とを備え、
    前記制御回路は、前記速度検出部により検出されたモータ速度に応じて、前記第1の閾値を補正する、モータ駆動装置。
  2. 前記制御回路は、前記モータ速度が大きい場合、前記モータ速度が小さい場合に比べて、前記第1の閾値を低下させる、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記制御回路は、異なる前記モータ速度で前記直流母線電圧の変動幅が等しくなるように、前記第1の閾値を補正する、請求項1又は2に記載のモータ駆動装置。
  4. 一対の直流母線の間に接続される上下アームによってモータを駆動するインバータと、
    前記直流母線の間に生ずる直流母線電圧が第1の閾値に達したら前記上下アームのうち一方のアームをオンさせて前記モータの巻線を短絡させる短絡動作と、前記直流母線電圧が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達したら前記短絡動作を解除する解除動作とを繰り返す制御回路と、
    前記モータの速度を検出する速度検出部とを備え、
    前記制御回路は、前記速度検出部により検出されたモータ速度に応じて、前記第1の閾値と前記第2の閾値との間のヒステリシスを補正する、モータ駆動装置。
  5. 前記制御回路は、前記モータ速度が大きい場合、前記モータ速度が小さい場合に比べて、前記ヒステリシスを小さくする、請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制御回路は、異なる前記モータ速度で前記直流母線電圧の変動幅が等しくなるように、前記ヒステリシスを補正する、請求項4又は5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記制御回路は、前記モータ速度に応じて前記第1の閾値を補正することによって、前記第1の閾値と前記第2の閾値との間のヒステリシスを補正する、請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記制御回路は、前記直流母線電圧が規定電圧を超えないように、前記モータ速度が大きい場合、前記モータ速度が小さい場合に比べて、前記規定電圧と前記第1の閾値との差を大きくする、請求項1から7のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記制御回路は、第1の電力供給源から供給される電力で動作する第1の制御回路と、前記第1の電力供給源とは異なる第2の電力供給源から供給される電力で動作する第2の制御回路とを含み、
    前記第1の制御回路と前記第2の制御回路は、いずれも、前記短絡動作と前記解除動作の繰り返し制御を行う、請求項1から8のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記第2の電力供給源は、前記直流母線を電力供給源とする電源生成回路を含む、請求項9に記載のモータ駆動装置。
  11. 前記速度検出部は、前記第1の制御回路が前記繰り返し制御を行う場合、前記モータの回転角度を検出する回転角度検出部から出力される角度検出信号に基づいて、前記モータの速度を検出し、前記第2の制御回路が前記繰り返し制御を行う場合、前記一方のアームに流れるアーム電流を検出するアーム電流検出部から出力されるアーム電流検出信号に基づいて、前記モータの速度を検出する、請求項9又は10に記載のモータ駆動装置。
  12. 前記速度検出部は、前記アーム電流検出信号の周期的変化に基づいて、前記モータの速度を検出する、請求項11に記載のモータ駆動装置。
  13. 前記速度検出部は、前記第1の制御回路が前記繰り返し制御を行う場合において前記回転角度検出部の異常が検知されたとき、前記モータに流れる相電流を検出する相電流検出部から出力される相電流検出信号に基づいて、前記モータの速度を検出する、請求項11又は12に記載のモータ駆動装置。
  14. 前記速度検出部は、前記相電流検出信号の周期的変化に基づいて、前記モータの速度を検出する、請求項13に記載のモータ駆動装置。
  15. 一対の直流母線の間に接続される上下アームによってモータを駆動するインバータと、
    前記直流母線の間に生ずる直流母線電圧が第1の閾値に達したら前記上下アームのうち一方のアームをオンさせて前記モータの巻線を短絡させる短絡動作と、前記直流母線電圧が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達したら前記短絡動作を解除する解除動作とを繰り返す制御回路と、
    異常を検出する異常検出部とを備え、
    前記制御回路は、前記異常検出部により異常が検出された場合、前記第1の閾値を補正する、モータ駆動装置。
  16. 前記制御回路は、前記異常検出部により検出された異常の違いに応じて異なる電圧値に、前記第1の閾値を変更する、請求項15に記載のモータ駆動装置。
  17. 前記制御回路は、前記異常検出部により車両の衝突が検出された場合、前記第1の閾値を第1の電圧値に設定し、前記異常検出部により車両の衝突とは異なる異常が検出された場合、前記第1の閾値を前記第1の電圧値よりも高い第2の電圧値に設定する、請求項16に記載のモータ駆動装置。
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