以下、本発明を実施するための形態の一例として、通信端末、通信システム、通信端末が行うログ記録方法、及び、通信システムが行うログ記録方法について図面を参照しながら説明する。
<不具合の記録方法の概略>
図1を用いて、不具合の記録方法の概略を説明する。図1は、本実施形態の通信システムが不具合を記録する際の処理を説明する図である。
(1)通信端末10aa(第一の通信端末の一例)において音切れなどの不具合が発生した場合、ユーザが通信端末10aaを操作して不具合の発生を管理システム50(サーバに相当)に通知する。
(2)通信端末10aaはユーザの操作に応じて不具合発生情報を端末ログに記録する。
(3)管理システム50は、不具合の発生の通知を受けて、サーバログに不具合発生情報を記録する。
(4)管理システム50は、不具合の発生の通知を受けて、通信端末10aaと通信している他の通信端末10db(第二の通信端末の一例)に不具合発生情報を転送する。
(5)通信端末10dbは、不具合発生情報を受信して、端末ログに不具合発生情報を記録する。
このように本実施形態の通信システムでは、不具合を感じたタイミングでユーザが主体的に不具合発生情報を管理システム50に送信することで、サーバログ及び全ての端末ログに不具合発生情報を記録できる。不具合発生情報は時刻と共に記録されるので、不具合の解析時に、不具合発生時のサーバログと端末ログを特定できる。ユーザが感じた不具合はログへ追加された不具合発生情報の直前か少し前にログに記録された処理に関する情報等に原因がある可能性が高いことを特定できる。
<用語について>
不具合発生情報は、不具合が発生した旨を含む情報であればよい。不具合を発生したとユーザが判断して通信端末に入力した時刻を含んでもよい。
ログとは、通信端末10がある処理を実行したこと又は実行できなかったことを記録した処理に関する情報である。記録される情報の内容は、処理によって異なってよい。例えば、操作やデータの送受信が行われた日時、処理の内容、処理がどのような環境(通信帯域など)で発生したかなど、通信端末から取得できる情報であればよい。
不具合とは製品などの具合がよくないことを言う。通常の機能が提供されない状況である。ユーザが不具合を感じれば不具合と言ってよい。例えば、異常、故障、不良などという場合がある。
端末IDは通信端末10を識別するための情報であるが、通信端末10は汎用的な情報処理装置でもよく端末IDはユーザを識別するための情報でもある。どの通信端末10が通信しているかを識別することにもなるので通信IDともいえる。なお、端末IDは一意性があればよいが、例えばメールアドレスでもよい。
通信システム1は、複数の通信端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。一方の通信端末から他方の通信端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムも含まれる。例えば、テレビ会議システム、テレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム、テキストチャットシステム等が例として挙げられる。
<通信システムの全体構成>
図2は、本実施形態に係る通信システムの概略構成図の一例である。図2を参照しながら、本実施形態に係る通信システム1の構成の概略を説明する。
図2に示すように、通信システム1は、複数の通信端末10aa、10ab、10ba、10bb、10ca、10cb、10da、10dbと、各通信端末用のディスプレイ120aa、120ab、120ba、120bb、120ca、120cb、120da、120dbと、管理システム50と、プログラム提供システム90と、を含み、通信ネットワーク2を介して互いに通信可能となるように構築されている。
なお、図2では、通信端末10aa、10ab、10ba、10bb、10ca、10cb、10da、10dbが示されているが、これらのうち任意の通信端末を示す場合又は総称する場合、単に「通信端末10」と称する。また、図2に示す通信システム1に含まれる複数の通信端末10は、一例を示すものであり、異なる台数であってもよい。
また、図2では、ディスプレイ120aa、120ab、120ba、120bb、120ca、120cb、120da、120dbが示されているが、これらのうち任意のディスプレイを示す場合又は総称する場合、単に「ディスプレイ120」と称する。また、図2に示す通信システム1に含まれる複数のディスプレイ120は、一例を示すものであり、通信端末10の台数にしたがって異なる台数であってもよい。
通信端末10は、他の装置との間で、各種情報を送受信する端末である。通信端末10は、他の通信端末10との間でセッションを確立し、確立したセッションにおいて、音声データ及び画像データ(映像データ)を含むコンテンツデータの送受信による通話を行う。これにより、通信システム1において、複数の通信端末10間のテレビ会議が実現される。
管理システム50は、通信端末10を一元的に管理するコンピュータである。管理システム50は、通信端末10間でのセッションを確立することにより、通信端末10間における通話等によるテレビ会議を実現する。管理システム50は、所定の通信端末10からセッションの開始要求情報を受信した場合に、開始要求情報を送信した通信端末10(開始要求端末)と宛先端末との間のセッションを確立し、テレビ会議を開始させる。したがって、管理システム50は、確立したセッションにより、複数の通信端末10間でコンテンツデータの中継を行う。なお、管理システム50は複数の通信端末10間でセッションを確立するものの、実際にコンテンツデータの中継は、別の中継装置により行われるものとしてもよい。本実施形態では、説明を簡略にするため、セッションの確立、及びコンテンツデータの中継は、管理システム50が行うものとして説明する。
プログラム提供システム90は、通信端末10に各種機能又は各種手段を実現させるための端末用プログラムが記憶された補助記憶装置(HDD(Hard Disk Drive)等)を備えており、通信端末10に端末用プログラム(後述する通信アプリA等)を提供するコンピュータである。また、プログラム提供システム90は、管理システム50等に各種機能又は各種手段を実現させるためのプログラムも補助記憶装置に記憶しており、管理システム50等に、対応するプログラムを送信することができる。
通信ネットワーク2は、図2に示すように、例えば、LAN(Local Area Network)2a~2d、専用線2ab、2cd、及びインターネット2iを含んで構築されている。なお、通信ネットワーク2は、図2に示すような構成に限定されるものではなく、その他のネットワーク機器が含まれるものとしてもよく、有線だけでなく無線による通信が行われる箇所があってもよい。
LAN2a~2d、及び専用線2ab、2cdは、それぞれルータ70a~70d、70ab、70cdを含む。ルータ70a~70d、70ab、70cdは、通信データの最適な経路の選択を行うネットワーク機器である。なお、ルータ70a~70d、70ab、70cdのうち任意のルータを示す場合又は総称する場合、単に「ルータ70」と称する。
通信端末10(10aa、10ab、・・・)、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。また、通信端末10(10ba、10bb、・・・)、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a、LAN2b、及びルータ70abは、専用線2abによって通信可能に接続されており、地域A内で構築されている。
一方、通信端末10(10ca、10cb、・・・)、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。また、通信端末10(10da、10db、・・・)、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c、LAN2d、及びルータ70cdは、専用線2cdによって通信可能に接続されており、地域B内で構築されている。
地域A及び地域Bのネットワークは、それぞれルータ70ab、70cdによってインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、管理システム50及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、各通信端末10と通信可能に接続されている。なお、管理システム50及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
また、図2において、各通信端末10、管理システム50、各ルータ70及びプログラム提供システム90の近傍に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIP(Ineternet Protocol)アドレスを簡易的に示している。例えば、通信端末10aaのIPアドレスは、「1.2.1.3」であるものとしている。なお、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、図2に示す通信システム1の構成は、一例を示すものであり、この構成に限定されるものではない。すなわち、図2に示す各装置、システムの台数は、図2に示す台数に限定されるものではない。また、図2では、地域A、Bの2つの地域のネットワーク構成が示されているが、同一地域内のネットワークであってもよく、3つ以上の地域がネットワークで接続された構成であってもよい。
<通信端末のハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図3を参照しながら、通信端末10のハードウェア構成の詳細について説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、SSD(Solid State Drive)105と、メディアドライブ107と、操作ボタン108と、電源スイッチ109と、を備えている。
CPU101は、通信端末10全体の動作を制御する演算装置である。ROM102は、通信端末10用のプログラム(後述する通信アプリA等)を記憶している不揮発性記憶装置である。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される揮発性記憶装置である。
SSD105は、画像データ、音声データ及び動画データ等の各種データを記憶する補助記憶装置である。なお、SSD105は、補助記憶装置の一例であり、HDD等であってもよい。メディアドライブ107は、CPU101の制御にしたがって、フラッシュメモリ等であるメディア106に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する装置である。メディア106は、通信端末10に対して着脱自在の記憶装置である。なお、メディア106は、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し及び書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリに限定されるものではなく、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
操作ボタン108は、通信端末10に動作を指示する場合等に操作されるボタンである。電源スイッチ109は、通信端末10の電源のオン/オフを切り替えるスイッチである。
また、通信端末10は、ネットワークI/F111と、撮像素子I/F113と、音声入出力I/F116と、ディスプレイI/F119と、を備えている。
ネットワークI/F111は、通信ネットワーク2を利用してデータを通信するためのインターフェースである。
撮像素子I/F113は、CPU101の制御にしたがって被写体を撮像して画像データを得るカメラ112との間で画像データを伝送するためのインターフェースである。カメラ112は、レンズ、及び光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含む。カメラ112は、ケーブル112cによって撮像素子I/F113に接続される。固体撮像素子としては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)又はCCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
音声入出力I/F116は、CPU101の制御にしたがって、音声を入力するマイク114及び音声を出力するスピーカ115との間で音声信号(音声データ)の入出力を処理するインターフェースである。マイク114及びスピーカ115は、それぞれ、ケーブル114c及びケーブル115cによって音声入出力I/F116に接続される。
ディスプレイI/F119は、CPU101の制御にしたがって、外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するためのインターフェースである。ディスプレイ120は、被写体の画像及び操作用アイコン等を表示する液晶又は有機EL等によって構成された表示装置である。ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F119に接続される。ケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよく、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよく、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)又はDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
上記のCPU101、ROM102、RAM103、SSD105、メディアドライブ107、操作ボタン108、電源スイッチ109、ネットワークI/F111、撮像素子I/F113、音声入出力I/F116及びディスプレイI/F119は、アドレスバス及びデータバス等のバスライン110によって互いに通信可能に接続されている。
なお、図3に示した通信端末10のハードウェア構成は一例を示すものであり、図3に示した構成要素以外の構成要素を含むものとしてもよい。また、カメラ112、マイク114及びスピーカ115は、通信端末10に一体的に備えられるものとしてもよく、又は、カメラ112、マイク114及びスピーカ115のうち少なくともいずれかは、外付けの別体の装置であってもよい。
<管理システム等のハードウェア構成>
図4は、本実施形態に係る管理システム及びプログラム提供システムのハードウェア構成の一例を示す図である。図4を参照しながら、管理システム50及びプログラム提供システム90のハードウェア構成の詳細について説明する。
まず、図4を参照しながら管理システム50のハードウェア構成について説明する。図4に示すように、管理システム50は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、補助記憶装置205と、メディアドライブ207と、ディスプレイ208と、ネットワークI/F209と、キーボード211と、マウス212と、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ214と、を備えている。
CPU201は、管理システム50全体の動作を制御する演算装置である。ROM202は、管理システム50用のプログラムを記憶している不揮発性記憶装置である。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される揮発性記憶装置である。
補助記憶装置205は、後述する認証管理DB5001、端末管理DB5002、グループ管理DB5003及びセッション管理DB5004等の各種データを記憶するHDD又はSSD等の記憶装置である。メディアドライブ207は、CPU201の制御にしたがって、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する装置である。
ディスプレイ208は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報を表示する液晶又は有機EL等によって構成された表示装置である。ネットワークI/F209は、通信ネットワーク2を利用してデータを通信するためのインターフェースである。
キーボード211は、文字、数字、各種指示の選択、及びカーソルの移動等を行う入力装置である。マウス212は、各種指示の選択及び実行、処理対象の選択、ならびにカーソルの移動等を行うための入力装置である。
DVDドライブ214は、着脱自在な記憶媒体の一例としてのDVD-ROM又はDVD-R等のDVD213に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する装置である。
上記のCPU201、ROM202、RAM203、補助記憶装置205、メディアドライブ207、ディスプレイ208、ネットワークI/F209、キーボード211、マウス212及びDVDドライブ214は、アドレスバス及びデータバス等のバスライン210によって互いに通信可能に接続されている。
なお、図4に示した管理システム50のハードウェア構成は一例を示すものであり、図4に示した構成要素を全て含む必要はなく、又は、その他の構成要素を含むものとしてもよい。
また、上記の管理システム50用のプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルによって、記録メディア206又はDVD213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、プログラム提供システム90は、上記の管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。ただし、ROM202には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供システム90用のプログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供システム90用のプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア206又はDVD213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
なお、上記の着脱可能な記録媒体の他の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)又はブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<通信端末のソフトウェア構成>
図5は、本実施形態に係る通信端末のソフトウェア構成の一例を示す図である。図5を参照しながら、通信端末10のソフトウェア構成の詳細について説明する。
通信端末10には、クライアントアプリとして通信アプリAがインストールされている。ここで、アプリとは、アプリケーションソフトを意味する。図5に示すように、OS(Operating System)1020、及び通信アプリAは、通信端末10のRAM103の作業領域1010上で動作する。
OS1020は、基本的な機能を提供し、通信端末10全体を管理する基本ソフトウェアである。通信アプリAは、OS1020の制御にしたがって動作し、他の通信端末10と通信(通話)するためのアプリである。
なお、通信アプリAの通信プロトコルとしては、SIP(Session Initiation Protocol)、H.323、IRC(Internet Relay Chat)、又はJingle等が挙げられる。
通信端末10は、通信機能を備えた装置であればよい。通信端末10は、例えば、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
<通信システムの機能ブロックの構成>
図6は、本実施形態に係る通信システム1の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図6を参照しながら、本実施形態に係る通信システム1の機能ブロックの構成について説明する。
<<通信端末の機能ブロックの構成>>
図6に示すように、通信端末10は、通信部11(受信部、送信部)と、操作入力受付部12と、撮像部13と、表示制御部14と、音声入力部15と、音声出力部16と、記憶・読出部17と、記憶部18と、認証要求部19と、不具合処理部20と、を有している。
通信部11は、通信ネットワーク2を介して、他の通信端末10又は各システムと各種データの送受信を行う機能部である。通信部11は、図3に示すネットワークI/F111によって実現される。
通信部11は、当該通信端末10が他の通信端末10とセッションを確立し、通話によるテレビ会議を開始する前に、管理システム50から、宛先端末の候補としての各通信端末10の状態を示す各状態情報の受信を開始する。ここで、宛先端末の候補とは、通信端末10が、テレビ会議を行う相手、すなわちセッションの相手として指定可能なテレビ会議の相手として候補となる他の通信端末10である。すなわち、通信端末10は、宛先端末の候補として予め設定されていない通信端末とは、セッションを確立することができず、テレビ会議を行うことができない。
また、状態情報は、各通信端末10の稼動状態(オンラインかオフラインかの状態)と、オンラインにおいては更に通話中であるか、待受け中であるか等の詳細な状態(以下、通信状態と称する)を示す。また、状態情報は、各通信端末10の稼動状態及び通信状態だけでなく、ケーブルが通信端末10から外れている、音声を出力できるが画像は出力できない、又は、音声を出力さないよう設定されている(MUTE)等、様々な状態を示すものとしてもよいが、以下では、一例として、稼動状態及び通信状態を示す場合について説明する。
通信部11は、当該通信端末10が開始要求端末として動作する場合には、開始要求情報を管理システム50に送信する。ここで、開始要求情報とは、テレビ会議に用いられるセッションの開始を要求する情報である。開始要求情報は、具体的には、開始を要求する旨を示す情報と、開始要求情報の送信元である開始要求端末の端末IDと、セッションの相手となる宛先端末の端末IDと、を含む。端末IDは、通信端末10を識別するための情報であって、予め通信端末10に記憶させておく他、ユーザが直接通信端末10へ入力して決定するものとしてもよい。
操作入力受付部12は、ユーザによる各種入力を受け付ける機能部である。操作入力受付部12は、図3に示す操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現される。
例えば、ユーザが、操作入力受付部12のうち図3に示す電源スイッチ109をオンにすると、当該通信端末10の電源がオン状態になる。また、ユーザが電源スイッチ109をオンの状態からオフにすると、通信部11は、管理システム50へ、当該通信端末10の電源がオフになった旨の状態情報を送信してから、当該通信端末10の電源が完全にオフとなる。これによって、管理システム50は、通信端末10が電源オンから電源オフになったことを把握することができる。
撮像部13は、被写体を撮像して、撮像して得た画像データを取得する機能部である。撮像部13は、図3に示すCPU101によるソフトウェアである通信アプリAの実行、ならびに、カメラ112及び撮像素子I/F113によって実現される。
表示制御部14は、ディスプレイ120(表示装置)に対して画像データ等の表示制御を行う機能部である。表示制御部14は、図3に示すCPU101による通信アプリAの実行によって実現される。
表示制御部14は、例えば、テレビ会議の要求元としての当該通信端末10が所望の宛先としての通信端末10とテレビ会議の通話を開始する前に、通信部11によって受信された宛先端末の候補の状態情報を反映させて、各宛先端末の候補の名前が含まれた宛先リストをディスプレイ120に表示させる。
音声入力部15は、マイク114(入力装置)によってユーザ(話者)の音声が音声信号に変換された後、当該音声信号を入力する機能部である。音声入力部15は、図3に示す音声入出力I/F116によって実現される。
音声出力部16は、音声信号をスピーカ115(出力装置)に出力し、スピーカ115から音声を出力させる機能部である。音声出力部16は、図3に示すCPU101による通信アプリAの実行、及び音声入出力I/F116によって実現される。
記憶・読出部17は、記憶部18に各種データを記憶したり、記憶部18に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う機能部である。記憶部18には、例えば、宛先端末との通話を行う際に受信されるコンテンツデータが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ115から音声が出力される。記憶・読出部17は、図3に示すCPU101による通信アプリAの実行によって実現される。
認証要求部19は、当該通信端末10の電源がオンしたことを契機として、通信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログインの認証を要求する旨を示す認証要求情報、及び当該通信端末10の現時点のIPアドレスを送信する機能部である。認証要求部19は、図3に示すCPU101による通信アプリAの実行によって実現される。
不具合処理部20は、不具合発生時に関する処理を行う。詳細は図11にて説明される。
また、図6に示した通信端末10の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図6に示した通信端末10で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図6に示した通信端末10の1つ機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
<管理システムの機能ブロックの構成>
図6に示すように、管理システム50は、通信部51と、認証部52と、状態管理部53と、端末抽出部54と、端末状態取得部55と、セッション制御部56と、記憶・読出部57と、記憶部58と、不具合処理部59と、を有している。記憶部58は、図4に示す補助記憶装置205によって実現され、図6に示すように、認証管理DB5001と、端末管理DB5002と、グループ管理DB5003と、セッション管理DB5004とを記憶している。以下、記憶部58に記憶されている各DBにおいて管理される各テーブルについて説明する。
<<認証管理テーブル>>
図7は、認証管理テーブルの一例を示す図である。
記憶部58は、図7に示す認証管理テーブルを含む認証管理DB5001を記憶している。認証管理テーブルでは、ログインの認証を行う通信端末10を識別する端末IDに対して、パスワードが関連付けられて管理される。ここで、IDは、利用する通信端末10を識別する情報であり、パスワードは、ログインの認証するために利用される情報である。例えば、図7に示す認証管理テーブルにおいて、端末IDが「10aa」で識
別されるパスワードは「aaaa」であることが示されている。
なお、端末IDは、通信端末10を一意に識別するために使われる文字、記号、数字又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末IDは、上記の文字、記号、数字及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
<<端末管理テーブル>>
図8は、端末管理テーブルの一例を示す図である。
記憶部58は、図8に示す端末管理テーブルを含む端末管理DB5002を記憶している。端末管理テーブルでは、各通信端末10の端末ID毎に、端末名、各通信端末10の稼動状態、他の通信端末との通信状態、及び各通信端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。
ここで、稼動状態としては、電源がオンされ、通信が可能又は通信中の状態であるオンラインと、電源がオンされていない等、通信が可能でない状態であるオフラインとがある。また、通信状態としては、例えば、「Calling」、「Ringing」、「Accepted」、「Busy」、及び「None」等がある。「Calling」は、他の通信端末10を呼び出している状態、すなわち、他の通信端末10に対しテレビ会議に用いられるセッションの開始要求情報を送信し、応答を待っている状態を示す。「Ringing」は、他の通信端末10から呼び出されている状態、すなわち、他の通信端末10から開始要求情報を受信し、受信した開始要求情報に対する応答が完了していない状態を示す。「Accepted」は、他の通信端末10からの開始要求情報に対し許可の応答が完了しているが、セッションの確立が完了していない状態、及び、自端末が送信した開始要求情報に対し許可の応答の受信が完了しているが、セッションの確立が完了していない状態を示す。「Busy」は、他の通信端末10とのセッションが確立し、テレビ会議におけるコンテンツデータの通信による通話が行われている状態を示す。「None」は、他の通信端末10と通信しておらず、待ち受け中の状態を示す。
例えば、図8に示す端末管理テーブルにおいて、端末IDが「10ad」の通信端末10adは、端末名が「日本 東京事業所 AD端末」で、稼動状態が「オンライン」で、通信状態がコンテンツデータの通信による通話が行われている状態を示す「Busy」で、この通信端末10adのIPアドレスが「1.2.1.6」であることが示されている。
<<グループ管理システム>>
図9は、グループ管理テーブルの一例を示す図である。
記憶部58は、図9に示すグループ管理テーブルを含むグループ管理DB5003を記憶している。グループ管理テーブルでは、管理システム50に予め登録されているテレビ会議のグループごとに、当該グループに含まれる通信端末10の端末IDが管理される。すなわち、グループ管理テーブルでは、グループを識別するグループIDと、当該グループに含まれる通信端末10の端末IDとが関連付けられて管理される。
例えば、図9に示すグループ管理テーブルにおいて、グループIDが「G002」のグループは、端末IDが「10ac」、「10ca」、「10cb」である通信端末10を含むことが示されている。
<<セッション管理テーブル>>
図10は、セッション管理テーブルの一例を示す図である。
記憶部58は、図10に示すセッション管理テーブルを含むセッション管理DB5004を記憶している。セッション管理テーブルでは、通信端末10間でコンテンツデータが通信されるセッションを識別するためのセッションID毎に、セッションの開始要求端末の端末ID、及びセッションの開始要求情報において相手先として指定された宛先端末の端末IDが関連付けられて管理される。
例えば、図10に示すセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」で識別されるセッションは、端末IDが「10aa」の開始要求端末(通信端末10aa)と、端末IDが「10db」の宛先端末(通信端末10db)との間で確立されたことを示す。
なお、図7~図10に示した各テーブルで管理される情報は、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、管理される各情報が関連付けられることができれば、テーブル形式に限定されるものではない。
図6に戻り、管理システム50の機能ブロックの説明に戻る。
通信部51は、通信ネットワーク2を介して、通信端末10又は各システムと各種データの送受信を行う機能部である。通信部51は、図4に示すネットワークI/F209によって実現される。
認証部52は、通信部51を介して受信された認証要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、記憶部58の認証管理テーブル(図7参照)を検索し、認証管理テーブルに同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う機能部である。認証部52は、図4に示すCPU201によるプログラムの実行によって実現される。
状態管理部53は、図8に示す端末管理テーブルの稼動状態及び通信状態を管理する機能部である。状態管理部53は、ログインの認証を要求してきた通信端末10の稼動状態を管理すべく、端末管理テーブルに、この通信端末10の端末ID、当該通信端末10の稼動状態、及び当該通信端末10のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。
状態管理部53は、通信端末10のユーザが電源スイッチ109をオフ状態からオン状態にすることで、この通信端末10から送られてきた電源をオンする旨の情報に基づいて、端末管理テーブルの稼動状態をオフラインからオンラインに更新する。また、状態管理部53は、ユーザが通信端末10の電源スイッチ109をオン状態からオフ状態にすることで、この通信端末10から送られてきた電源をオフする旨の情報に基づいて、端末管理テーブルの稼動状態をオンラインからオフラインに更新する。状態管理部53は、図4に示すCPU201によるプログラムの実行によって実現される。
端末抽出部54は、ログインの認証要求した通信端末10等、処理対象となる対象端末の端末IDを検索キーとして、図9に示すグループ管理テーブルを検索し、対象端末と通話することができる、すなわちセッションを確立することのできる宛先端末の候補(同じグループの通信端末10)の端末IDを読み出す機能部である。端末抽出部54は、図4に示すCPU201によるプログラムの実行によって実現される。
端末状態取得部55は、端末IDを検索キーとして、図8に示す端末管理テーブルを検索し、端末ID毎に稼動状態及び通信状態を読み出す機能部である。これにより、端末状態取得部55は、ログインの認証要求をしてきた通信端末10と通話することができる宛先端末の候補の稼動状態及び通信状態を取得することができる。端末状態取得部55は、図4に示すCPU201によるプログラムの実行によって実現される。
セッション制御部56は、図10に示すセッション管理テーブルに、生成したセッションID、開始要求端末の端末ID及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する機能部である。セッション制御部56は、通信端末10間のセッションの確立をするための制御を行う。セッション制御部56は、図4に示すCPU201によるプログラムの実行によって実現される。
記憶・読出部57は、記憶部58に各種テーブルに情報を記憶したり、記憶部58に記憶された各種テーブルの情報を読み出したりする処理を行う機能部である。記憶・読出部57は、図4に示すCPU201によるプログラムの実行によって実現される。
不具合処理部59は管理システム50において不具合に関する処理を行う。詳細は図11にて説明する。
また、図6に示した管理システム50の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図6に示した管理システム50で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図6に示した管理システム50の1つ機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
<不具合処理部が有する機能>
図11は、管理システム50と各通信端末10が有する不具合処理部20,59の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。まず、各通信端末10の不具合処理部20は不具合発生受付部21、不具合発生情報送信部22、転送情報受信部23、及び、端末ログ記録部24を有している。なお、各通信端末10が持つ不具合処理部20の機能は共通である。
不具合発生受付部21は、ユーザが不具合に気づいて通信端末10に入力した不具合の発生を受け付ける。不具合発生受付部21は、ハード的なボタンの押下を受け付けてもよいし、タッチパネル付きのディスプレイに表示されたソフトキーの押下(タッチ)を受け付けてもよい。また、不具合の発生や内容を意味する音声入力を受け付けてもよい。不具合発生受付部21は不具合発生情報送信部22に対して不具合発生情報の送信要求を送出する。
不具合発生情報送信部22は、テレビ会議中に不具合が発生したとユーザが判断した時点で不具合発生情報の送信要求を受け取り、管理システム50に不具合発生情報を送信する。また、端末ログ記録部24に不具合発生情報の追加を要求する。
転送情報受信部23は、管理システム50から転送される不具合発生情報を受信する。この不具合発生情報を端末ログ記録部24に送出して、端末ログへの不具合発生情報の追加を要求する。
端末ログ記録部24は、不具合発生情報送信部22又は転送情報受信部23から受け取った要求に基づいて、端末ログに不具合発生情報を追加する(記録する)。
管理システム50の不具合処理部59は不具合発生情報転送部31、不具合発生情報受信部32、及び、サーバログ記録部33を有する。
不具合発生情報受信部32は、会議拠点の通信端末10から送信された不具合発生情報を受信する。受信した不具合発生情報を不具合発生情報転送部31に送出し、他の会議拠点(通信端末)への転送を要求する。また、不具合発生情報受信部32はサーバログ記録部33に受信した不具合発生情報の追加を要求する。
不具合発生情報転送部31は、不具合発生情報受信部32から受け取った不具合発生情報を転送する要求に応じて、不具合発生情報を送信した送信元の通信端末以外の会議拠点(通信端末)に不具合発生情報を転送する。なお、同じテレビ会議に参加している通信端末はセッション管理テーブルに登録されているので、不具合発生情報を送信した通信端末10とテレビ会議を行っている他の通信端末10をセッション管理テーブルで特定し、この他の通信端末10に不具合発生情報を転送する。
サーバログ記録部33は、不具合発生情報受信部32から受け取った不具合発生情報の追加要求をもとに、サーバログに不具合発生情報を追加する(記録する)。
<コンテンツデータ及び各種管理情報の送受信の状態>
図12は、本実施形態に係る通信システムにおけるコンテンツデータ及び各種管理情報を送受信するために確立されたセッション例を示す図である。図12を参照しながら、通信システム1におけるコンテンツデータ及び各種管理情報を送受信するために確立されたセッションについて説明する。
図12に示すように、通信システム1では、開始要求端末と宛先端末Aと宛先端末Bとの間で、管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。更に、開始要求端末と宛先端末Aと宛先端末Bとの間で、管理システム50を介して、画像データ及び音声データを送受信するためのコンテンツデータ用セッションSedが確立される。すなわち、コンテンツデータ用セッションsedが、テレビ会議において直接的に用いられるセッションである。なお、このセッションの概念はあくまで一例であって、例えば、画像データのセッションでは、解像度ごとに分けられるものとしてもよい。
不具合発生情報は例えば管理情報用セッションseiで送信されるが、コンテンツデータ用セッションsedで送信されてもよい。
<通信端末が通話開始する前の準備段階における各管理情報の送受信処理>
図13は、通信端末が通話を開始するための認証処理を含む準備段階の処理の一例を示すシーケンス図である。図14は、宛先リストの表示例を示す図である。図13及び図14を参照しながら、通信端末10aaが通話を開始する前の準備段階における各情報の送受信処理について説明する。なお、図13では、管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、通信端末10aaのユーザが、図3に示す電源スイッチ109をオンにすると、通信端末10aaの操作入力受付部12が、電源オンを受け付けて、通信端末10aaの電源をオンにする(ステップS21)。そして、通信端末10aaの認証要求部19は、上記の通信端末10aaの電源オンを契機とし、通信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログインの認証要求を示す認証要求情報、及び通信端末10aaのIPアドレスを送信する(ステップS22)。この認証要求情報には、開始要求端末としての自端末である通信端末10aaを識別するための端末ID及びパスワードが含まれている。端末ID及びパスワードは、通信端末10aaの記憶・読出部17によって記憶部18から読み出されて、通信部11に送られたデータである。また、通信端末10aaから管理システム50へ認証要求情報が送信される際は、受信側である管理システム50は、送信側である通信端末10aaのIPアドレスを把握することができる。
次に、管理システム50の認証部52は、通信部51を介して受信した認証要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、認証管理テーブル(図7参照)を検索し、認証管理テーブルに同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。
認証部52によって、正当な利用権限を有する通信端末10からのログインの認証要求であると判断された場合には、管理システム50の状態管理部53は、端末管理テーブル(図8参照)に、通信端末10aaの端末ID及び端末名で示されるレコード毎に、通信端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24-1)。これにより、端末管理テーブルには、通信端末10aaの端末ID「10aa」に、端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
続いて、状態管理部53は、通信端末10aaの稼動状態「オンライン」及び通信状態「None」を設定し、端末管理テーブルに、通信端末10aaの端末ID及び端末名で示されるレコードに、稼動状態及び通信状態を関連付けて記憶する(ステップS24-2)。これにより、端末管理テーブルには、通信端末10aaの端末ID「10aa」に、稼動状態「オンライン」及び通信状態「None」が関連付けて管理されることになる。
そして、管理システム50の通信部51は、認証部52によって得られた端末認証の結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、認証要求情報を送信してきた開始要求端末(通信端末10aa)に送信する(ステップS25)。本実施形態では、認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると端末認証された場合につき、以下続けて説明する。
通信端末10aaにおいて、正当な利用権限を有する端末であると端末認証された結果が示された認証結果情報を受信すると、通信部11は、通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS26)。これにより、管理システム50の通信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、管理システム50の端末抽出部54は、開始要求端末(通信端末10aa)の端末ID「10aa」を検索キーとして、グループ管理テーブル(図9参照)を検索し、開始要求端末が通話することができる、すなわち、開始要求端末と同じグループ(グループID「G001」のグループ)に属する宛先端末の候補の端末IDを抽出する(ステップS27)。また、端末抽出部54は、抽出した端末IDを検索キーとして、端末管理テーブルを検索し、この端末IDに対応する端末名、すなわち宛先端末の候補の端末名を抽出する。ここでは、開始要求端末(通信端末10aa)の端末ID「10aa」に対応する宛先端末の候補(通信端末10ab、10ac、10ad、10db)のそれぞれの端末ID(「10ab」、「10ac」、「10ad」、「10db」)と、これらに対応する端末名(「日本 東京事業所 AB端末」、「日本 東京事業所 AC端末」、「日本 東京事業所 AD端末」、「アメリカ ワシントン事業所 DB端末」)が抽出される。
次に、管理システム50の通信部51は、端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末ID及び端末名を含む宛先リスト情報を、開始要求端末(通信端末10aa)に送信する(ステップS28)。これにより、開始要求端末(通信端末10aa)では、通信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出部17が記憶部18へ宛先リスト情報を記憶する(ステップS29)。
このように、本実施形態では、各通信端末10で宛先リスト情報を管理するのではなく、管理システム50がすべての通信端末10の宛先リスト情報を一元管理している。これによって、通信システム1に新たな通信端末10が含まれるようになったり、既に含まれている通信端末10が除外されたりする場合でも、管理システム50側で一括して対応するため、各通信端末10側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、管理システム50の端末状態取得部55は、端末抽出部54によって抽出された
宛先端末の候補の端末ID(「10ab」、「10ac」、「10ad」、「10db」)を検索キーとして、端末管理テーブルを検索する。そして、端末状態取得部55は、宛先端末の候補の端末ID毎に、対応する稼動状態及び通信状態を読み出すことにより、宛先端末の候補(通信端末10ab、10ac、10ad、10db)それぞれの稼動状態及び通信状態を取得する(ステップS30)。
次に、通信部51は、ステップS30で使用された検索キーである端末IDと、対応する宛先端末の候補の稼動状態及び通信状態とを含む状態情報を、通信ネットワーク2を介して開始要求端末に送信する(ステップS31)。具体的には、通信部51は、検索キーとしての端末ID「10ab」と、宛先端末の候補(通信端末10ab)の稼動状態「オフライン」とを含む状態情報を、開始要求端末(通信端末10aa)に送信する。なお、稼動状態が「オフライン」の場合には、状態情報には、通信状態は含まれない。また、通信部51は、端末ID「10ac」と、宛先端末の候補(通信端末10ac)の稼動状態「オンライン」と、通信状態「None」とを含む状態情報等、宛先端末の候補すべてに対する状態情報それぞれを開始要求端末(通信端末10aa)へ送信する。
次に、開始要求端末(通信端末10aa)の記憶・読出部17は、順次、管理システム50から受信した状態情報を記憶部18に記憶する(ステップS32)。したがって、開始要求端末(通信端末10aa)は、宛先端末の候補の状態情報を受信することで、通話することができる宛先端末の候補の現時点のそれぞれの稼動状態及び通信状態を取得することができる。
次に、開始要求端末(通信端末10aa)の表示制御部14は、記憶部18に記憶されている宛先リスト情報、及び宛先端末の候補の状態情報に基づいて、宛先端末の候補の稼動状態及び通信状態を反映させた宛先リストを作成する。そして、表示制御部14は、図1に示すディスプレイ120aaに、所定のタイミングで宛先リストを表示する(ステップS33)。
図14に示すように、ディスプレイ120aaに表示される宛先リストは、宛先端末の候補の端末ID1100-2と、端末名1100-3と、状態情報を反映させたアイコン1100-4a~1100-4c等を含む。アイコンとしては、オフラインで通話できないことを示すオフラインアイコン1100-4aと、オンラインで通話可能であることを示す通話可能アイコン1100-4bと、オンラインで通話中であることを示す通話中アイコン1100-4cとがある。
表示制御部14は、宛先端末の候補の稼動状態が「オンライン」であり、通信状態が「None」である場合には、この宛先端末の候補に対し、通話可能アイコン1100-4bを割り当てる。また、表示制御部14は、宛先端末の候補の稼動状態が「オンライン」であり、通信状態が「None」以外である場合には、この宛先端末の候補に対し、通話中アイコン1100-4cを割り当てる。そして、表示制御部14は、宛先端末の候補の稼動状態が「オフライン」である場合には、この宛先端末の候補に対し、オフラインアイコン1100-4aを割り当てる。
なお、他の通信端末10でも、ステップS21と同様に、ユーザが図3に示す電源スイッチ109をONにすると、当該通信端末10の操作入力受付部12が、電源オンを受け付けて、上記のステップS22~S33の処理と同様の処理を行う。
<通信端末が他の通信端末との通信の開始を要求する場合の処理>
図15は、通話の開始を要求する処理の一例を示すシーケンス図である。図15を参照しながら、通信端末10が他の通信端末10との通信の開始を要求する場合の処理を説明する。なお、図15では、すべて管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
図15においては、図13においてログインが許可された通信端末10aaが、開始要求情報を送信する例、すなわち、通信端末10aaが開始要求端末として動作する例について説明する。開始要求端末としての通信端末10aaは、図13のステップS31で受信した宛先端末の候補の状態情報に基づいて、宛先端末の候補のうち、稼動状態が「オンライン」であり、通信状態が「None」である通信端末10のうち少なくとも1つの通信端末10と通話を行うことができる。例えば、開始要求端末(通信端末10aa)は、宛先端末の候補のうち、図13のステップS31によって受信した状態情報により、稼動状態が「オンライン」であり、通信状態が「None」である通信端末10dbと通話を行うことができる。そこで、以下では、開始要求端末(通信端末10aa)のユーザが、宛先端末(通信端末10db)と通話を開始することを選択した場合について説明する。
なお、図15に示す処理が開始される前の状態において、開始要求端末としての通信端末10aaのディスプレイ120aaには、図14に示す宛先リストが表示されているものとする。そして、開始要求端末のユーザは、宛先リストから所望の通話相手(宛先端末)を選択することができる。
まず、開始要求端末のユーザは、通信端末10aaの操作ボタン108を押下して宛先端末(通信端末10db)を選択する(ステップS41)。すると、通信端末10aaの通信部11は、開始要求端末(通信端末10aa)の端末ID「10aa」、及び宛先端末(通信端末10db)の端末ID「10db」を含む開始要求情報を、開始要求端末のIPアドレスと共に管理システム50へ送信する(ステップS42)。これにより、管理システム50の通信部51は、開始要求情報を受信すると共に、送信元である開始要求端末(通信端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」を把握することになる。
そして、状態管理部53は、開始要求情報に含まれる開始要求端末(通信端末10aa)の端末ID「10aa」及び宛先端末(通信端末10db)の端末ID「10db」に基づき、端末管理DB5002の端末管理テーブルにおいて、端末ID「10aa」及び端末ID「10db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS43)。具体的には、状態管理部53は、端末管理テーブルの端末ID「10aa」が含まれるレコードの通信状態を「Calling」に変更する。同様に、状態管理部53は、端末管理テーブルの端末ID「10db」が含まれるレコードの通信状態を「Ringing」に変更する。
そして、管理システム50のセッション制御部56は、開始要求端末(通信端末10aa)によって要求された宛先端末との間の通信を実行するためのセッション(コンテンツデータ用セッションsed)を識別するためのセッションID「se1」を生成する(ステップS44)。セッション制御部56は、セッションIDを生成すると、セッションID「se1」をセッション管理テーブル(図10参照)に記憶する。続いて、セッション制御部56は、セッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」が含まれるレコードの開始要求端末の端末ID及び宛先端末の端末IDのフィールド部分に、それぞれ開始要求端末の端末ID「10aa」、宛先端末の端末ID「10db」を記憶して管理する(ステップS45)。
次に、通信部51は、通信ネットワーク2を介して、開始要求端末(通信端末10aa)へ、セッション制御部56により生成されたセッションIDを送信する(ステップS46)。また、通信部51は、開始要求端末の端末ID「10aa」と、セッションID「se1」とを含む開始要求情報と、管理システム50のIPアドレスとを宛先端末へ送信する(ステップS47)。これにより、宛先端末(通信端末10db)は、開始要求情報を受信すると共に、管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することになる。
<宛先端末が開始要求端末との間で通信開始を許可する応答を受け付けた場合の処理>
図16は、通話の開始の要求を許可する処理の一例を示すシーケンス図である。図17は、開始要求受付画面の表示例を示す図である。図16及び図17を参照しながら、開始要求情報を受信した宛先端末のユーザが、操作ボタン108を押下することにより、開始要求端末との間の通信の開始(セッションの確立)を許可する旨の応答が受け付けられた場合の処理について説明する。
図16に示す送受信処理の開始時には、宛先端末(通信端末10db)のディスプレイ120には、開始要求情報を受信したことを示す開始要求受付画面1200-1(図17参照)が表示されている(ステップS51)。
図17に示す開始要求受付画面1200-1は、開始要求情報を受信した旨を示し、開始要求端末との間の通信の開始(セッションの確立)を許可するか否かを指定するためのユーザインターフェースである。ユーザは、開始要求受付画面1200-1を閲覧することにより、開始要求を受信したことを確認することができる。開始要求受付画面1200-1には、セッションの確立を許可するための「はい」ボタン1200-2と、セッションの確立を許可しない選択をするための「いいえ」ボタン1200-3とが含まれている。
宛先端末(通信端末10db)の操作ボタン108の操作によって「はい」ボタン1200-2が押下された場合、操作入力受付部12は、開始要求端末(通信端末10aa)との間の通信の開始(セッション確立)を許可する旨の応答を受け付ける(ステップS52)。次に、宛先端末の通信部11は、宛先端末の端末ID「10db」、開始要求端末の端末ID「10aa」、及びセッションID「se1」が含まれる開始応答情報を、管理システム50へ送信する(ステップS53)。
管理システム50の通信部51が開始応答情報を受信すると、状態管理部53は、開始応答情報に含まれる開始要求端末の端末ID「10aa」及び宛先端末の端末ID「10db」に基づき、端末管理テーブルにおいて、端末ID「10aa」及び端末ID「10db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS54)。具体的には、状態管理部53は、端末管理テーブルの端末ID「10aa」が含まれるレコードの通信状態を「Accepted」に変更する。同様に、状態管理部53は、端末管理テーブルの端末ID「10db」が含まれるレコードの通信状態も「Accepted」に変更する。
次に、通信部51は、宛先端末(通信端末10db)の端末ID「10db」、及びセッションID「se1」が含まれる開始応答情報を開始要求端末(通信端末10aa)へ送信する(ステップS55)。開始要求端末は、この開始応答情報を受信すると、通信部11によってセッションID「se1」を管理システム50に送信することにより、セッションを確立させる(ステップS56)。一方、宛先端末は、通信部11によってセッションID「se1」を管理システム50に送信することにより、セッションを確立させる(ステップS57)。
<不具合発生情報の通知の動作手順>
続いて、図18を用いてユーザが不具合と判断した場合の通信システムの処理について説明する。図18は、ユーザが不具合と判断した場合に不具合発生情報をログに追加する手順を示すシーケンス図の一例である。なお、不具合が発生した通信端末の符号を10aa、通信端末10aaと通信している通信端末の符号を10dbとする。
S101:ユーザは不具合が発生したと判断したタイミングで不具合が発生した旨を通信端末10aaに入力する。不具合発生受付部21は不具合が発生した旨を受け付ける。
S102:通信端末10aaの不具合発生受付部21は不具合が発生した旨を受け付けると、通信端末10aaの不具合発生情報送信部22に対して不具合発生情報の送信を要求する。
S103:通信端末10aaの不具合発生情報送信部22は不具合発生情報の送信の要求に応じて、管理システム50に対して不具合発生情報を送信する。
S104:また、通信端末10aaの不具合発生情報送信部22は端末ログ記録部24に対して不具合発生情報の追加を要求する。
S105:通信端末10aaの端末ログ記録部24は不具合発生情報送信部22からの不具合発生情報の追加要求を受け、通信端末10aaの端末ログに不具合発生情報を追加する。
S106:一方、管理システム50の不具合発生情報受信部32は不具合発生情報を受信し、サーバログ記録部33に対して不具合発生情報の追加を要求する。
S107:サーバログ記録部33は不具合発生情報の追加要求を受け、サーバログに不具合発生情報を追加する。
S108:また、不具合発生情報受信部32は不具合発生情報転送部31に不具合発生情報の転送を要求する。
S109:不具合発生情報転送部31は不具合発生情報の転送要求を受け、送信元以外の会議拠点(通信端末10db)に不具合発生情報を転送する。
S110:通信端末10dbの転送情報受信部23は転送された不具合発生情報を受信し、通信端末10dbの端末ログ記録部24に対して不具合発生情報の追加を要求する。
S111:通信端末10dbの端末ログ記録部24は転送情報受信部23からの不具合発生情報の追加要求を受け、通信端末10dbの端末ログに不具合発生情報を追加する。
なお、図18の処理の流れはこれに限られない。例えば、ステップS103よりも先にステップS104が実行されてもよい。ステップS104よりも先にステップS106が実行されてもよい。また、ステップS106よりも先にステップS108が実行されてもよい。
<不具合発生の時系列の説明>
図19は、通信端末10及び管理システム50が不具合発生情報をログに追加する流れを時系列に説明する図である。
(T1)何らかの不具合が発生する。通信端末10又は管理システム50は決まった処理の発生ごとにログを記録しており、不具合発生時の通信帯域などの処理に関する情報を記録している。
(T2)ユーザが不具合と判断すると、ユーザはその時点で不具合と判断した旨を通信端末10に入力する。
(T3)これにより、各通信端末10及び管理システム50は不具合発生情報をそれぞログに追加する。
したがって、管理者は、ログにおいて不具合発生情報が記録された直前か少し前にユーザが不具合と判断した不具合の発生時の通信状態等が記録されていると推定して通信端末10及び管理システム50のログを解析できる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の通信システムでは、不具合を感じたタイミングでユーザが主体的に不具合発生情報を管理システム50に送信することで、サーバログ及び全ての端末ログに不具合発生情報を記録できる。不具合発生情報は時刻と共に記録されるので、不具合の解析時に、不具合発生時のサーバログと端末ログを特定できる。ユーザが感じた不具合はログへ追加された不具合発生情報の直前か少し前にログに記録された処理に関する情報等に原因がある可能性が高いことを特定できる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態では管理システム50がサーバログを記録したが、管理システム50と共に又は管理システム50とは別にコンテンツデータの中継を専用に行う中継装置がログを記録してもよい。
また、図6、図11などの構成例は、管理システム50及び通信端末10による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。管理システム50及び通信端末10の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
複数の管理システム50が存在してもよいし、管理システム50の機能が複数のサーバに分散していてもよい。
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
また、本実施例では説明の都合上、管理システム50と中継装置30を別々の装置として説明したが、両者の機能が統合された装置が管理システム50と中継装置30の機能を提供してもよい。
また、通信システム1が複数の管理システム50を有していてもよく、管理システム50の機能が複数のサーバに分散して設置されていてもよい。