JP7206649B2 - ベーパーチャンバー、電子機器、及びベーパーチャンバーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉空間に封入された作動流体が移動しつつ熱輸送を行うベーパーチャンバーに関する。
パソコン並びに携帯電話及びタブレット端末等の携帯型端末に代表される電子機器には、CPU(中央演算処理装置)等の電子部品が用いられている。このような電子部品からの発熱量は、情報処理能力の向上により増加する傾向にあるため、これを冷却する技術が重要となっている。
冷却のための手段としてヒートパイプがよく知られている。これはパイプ内に封入された作動流体により、その相変化を利用して熱源における熱を他の部位に輸送することで拡散させ、熱源を冷却するものである。
一方、近年においてこれら電子機器の薄型化が顕著であり、従来のヒートパイプよりも薄型の冷却手段が必要となってきた。これに対してベーパーチャンバーが提案されている。ベーパーチャンバーは、シート型ヒートパイプと呼ばれることもあり、ヒートパイプによる熱輸送の考え方を平板状の部材に展開した機器である。すなわち、ベーパーチャンバーでは、対向する平板の間に作動流体が封入されており、この作動流体の相変化を利用して熱源における熱を輸送及び拡散して熱源を冷却する。
例えば特許文献1には、対向する2つの板状の部材により空洞部が形成されており、この空洞部に作動流体が封入され、ウィック構造が具備されたベーパーチャンバー(平面型ヒートパイプ)が開示されている。このベーパーチャンバーではさらに、板状の部材の少なくとも一方が複合材料により形成され、この複合材料のうち空洞側の金属部材の熱伝導率が200W/m・K以上であり、外部の金属部材の熱伝導率が100W/m・K以下の熱伝導率とされている。これにより、溶接にて2つの板状の部材を接合する際に熱の移動が適切になり、歪みの発生が防止され、平面度の高いベーパーチャンバーとすることができるとされている。
特開2016-50713号公報
上記のように近年において電子機器の薄型化が顕著であり、ベーパーチャンバーに対しても薄型化、小型化が求められる。このような薄型化、小型化がされたベーパーチャンバーではここに用いられる材料も薄くなるため、外部からの衝撃、低温凍結による作動流体の固化による膨張、及び、作動時の蒸気圧力等によりベーパーチャンバーが変形しやすい。これに対して、変形を防止することについてさらに検討する必要があった。
そこで本発明は、上記問題を鑑み、薄型化しても変形を抑制することができるベーパーチャンバーを提供することを課題とする。またこのベーパーチャンバーを備える電子機器、及び、ベーパーチャンバーの製造方法を提供する。
本発明の1つの態様は、複数のシートの間に密閉空間が形成されており、該密閉空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバーであって、密閉空間には、作動流体が凝縮液の状態で移動する流路である凝縮液流路と、凝縮液流路より流路断面積が大きく、作動流体が蒸気及び凝縮液の状態で移動する蒸気流路と、が備えられており、複数のシートのうち少なくとも1つは、密閉空間を形成する層である内層と、内層よりも密閉空間とは反対側に配置される層である外層とを有しており、外層を構成する材料の上降伏点又は0.2%耐力は、内層を構成する材料の上降伏点又は0.2%耐力よりも大きい、ベーパーチャンバーである。
外層は、ベーパーチャンバーの厚さを形成する部位の一部又は全部に具備されてもよい。
外層は、ベーパーチャンバーの平面視で密閉空間に重なる位置に配置されてもよい。
冷却対象とされる熱源が配置されるべき部位には外層が具備されていない形態とすることもできる。
作動流体を密閉空間内に注入して封止した部位を備えており、該部位には外層が配置されないように構成してもよい。
外層はめっき層であってもよい。
その際には、内層を構成する材料による複数のシートを接合した後に、該接合した複数のシートをめっき被覆処理して外層を形成することができる。
また、内層を構成する材料による複数のシートを個別にめっき被覆処理して外層を形成し、該めっき被覆処理の後に複数のシートを接合してもよい。
筐体と、筐体の内側に配置された電子部品と、電子部品に対して直接又は他の部材を介して接触して配置された上記ベーパーチャンバーと、を備える、電子機器を提供することもできる。
本発明によれば、薄型化しても変形を抑制することができるベーパーチャンバーを提供することが可能となる。
図1(a)はベーパーチャンバー1の斜視図、図1(b)はベーパーチャンバー1の分解斜視図である。 図2(a)は第一シート10の斜視図、図2(b)は第一シート10の平面図である。 図3は第一シート10の切断面である。 図4(a)、図4(b)は第一シート10の他の切断面である。 図5は外周液流路部14を平面視して一部を拡大して表した図である。 図6は他の例の外周液流路部14を平面視して一部を拡大して表した図である。 図7(a)は内側液流路部15に注目した切断面、図7(b)は内側液流路部15を平面視して一部を拡大して表した図である。 図8(a)は第二シート20の斜視図、図8(b)は第二シート20の平面図である。 図9は第二シート20の切断面である。 図10は第二シート20の他の切断面である。 図11はベーパーチャンバー1の切断面である。 図12は、図11の一部を拡大した図である。 図13は、図1(a)のXIII-XIIIに沿った断面図である。 図14は、電子機器40を説明する斜視図である。 図15は、ベーパーチャンバー1の作動を説明する図である。 図16はベーパーチャンバー101を説明する図で、ベーパーチャンバー101の切断面の一部を拡大した図である。 図17はベーパーチャンバー201の斜視図である。 図18はベーパーチャンバー201の切断面である。 図19はベーパーチャンバー201’の切断面である。 図20はベーパーチャンバー301の斜視図である。 図21はベーパーチャンバー401の外観斜視図である。 図22はベーパーチャンバー401の分解斜視図である。 図23(a)は第三シート430を一方の面側から見た図、図23(b)は第三シート430を他方の面側から見た図である。 図24は第三シート430の切断面である。 図25は第三シート430の他の切断面である。 図26はベーパーチャンバー401の切断面である。 図27は図26の一部を拡大した図である。 図28はベーパーチャンバー401の他の切断面である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1(a)には第一の形態にかかるベーパーチャンバー1の外観斜視図、図1(b)にはベーパーチャンバー1の分解斜視図を表した。これら図及び以下に示す各図には必要に応じて便宜のため、互いに直交する方向を表す矢印(x、y、z)も表した。ここでxy面内方向は平板状であるベーパーチャンバー1の板面に沿った方向であり、z方向は厚さ方向である。
本形態のベーパーチャンバー1は、図1(a)、図1(b)からわかるように第一シート10及び第二シート20を有している。そして、後で説明するように、この第一シート10と第二シート20とが重ねられて接合(拡散接合、ろう付け等)されていることにより第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成され(例えば図11参照)、この密閉空間2に作動流体が封入されている。
本形態で第一シート10は全体としてシート状の部材である。図2(a)には第一シート10を内面10a側から見た斜視図、図2(b)には第一シート10を内面10a側から見た平面図をそれぞれ表した。また、図3には図2(b)のIII-IIIで切断したときの第一シート10の切断面を示した。
第一シート10は、内面10a、該内面10aとは反対側となる外面10b及び内面10aと外面10bとを渡して厚さを形成する側面10cを備え、内面10a側に作動流体が移動する流路のためのパターンが形成されている。後述するようにこの第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとが対向するようにして重ね合わされることで密閉空間2が形成される。
本形態で第一シート10は内面10aを形成する材料からなる内層10dと、外面10b及び側面10cを形成する材料からなる外層10eとを有して構成されている。すなわち、第一シート10は複数の層が積層されてなり、そのうちの1つの層が内面10aを形成し、他の層が外面10b、側面10cを形成している。
ここで、内層10dには、上記のように内面10aに作動流体が移動するためのパターンが形成され、作動流体が直接接触するため、作動流体に対して化学的に安定であり、熱伝導率が高い材料からなることが好ましい。そのため例えば銅、及び、銅合金を用いることができる。特に銅、及び、銅合金を用いることにより、熱輸送能力の向上を図りつつ、後述するようなエッチング及び拡散接合によるベーパーチャンバーの作製がしやすいものとなる。
一方、外層10eは、ベーパーチャンバーの強度を高める観点から内層10dよりも強度が高い材料からなる。具体的には外層10eの0.2%耐力又は上降伏点が、内層10dの0.2%耐力又は上降伏点よりも大きいことが好ましい。特に内層10dに銅又は銅合金が使用されると、拡散接合やろう付け等により第一シート10と第二シート20とを接合したときに0.2%耐力が大きく低下することから、外層10eの0.2%耐力は100MPa以上であることが好ましく、より好ましくは200MPa以上である。
これにより、ベーパーチャンバーを薄型化して、外部からの衝撃、低温凍結による作動流体の固化による膨張、及び、作動時の蒸気圧力などによる力がかかったときにもベーパーチャンバーの変形や破損を防止することができる。
また、外層10eによりこのようにベーパーチャンバーの強度向上を行うことができるため、内層10dに形成される作動流体が移動するパターンについては強度向上よりも熱的な性能に注力した設計が可能となるため、熱的な性能の観点からも利点があるといえる。
一方、外層10eを構成する材料は特に限定されることはないが、熱の拡散の観点から熱伝導率が高い方が好ましく、10W/m・K以上であることが好ましい。かかる観点から外層10eを構成する材料はステンレス、ニッケル、及び、ニッケル合金等を挙げることができる。
また、これらの金属にダイヤモンドやアルミナ、シリコンカーバイドなどの微粒子が含まれた複合材料を使用しても良い。
外層10eの厚さは特に限定されることはないが5μm以上30μm以下であることが好ましい。5μmより薄くなると変形を抑制する効果が小さくなる虞があり、30μmより厚くなるとベーパーチャンバーから外部への熱移動が阻害される虞がある。
また、外層10eの厚さは一定である必要はなく、部位によって厚さを変えても良い。これには例えば高い強度が必要な部位を他に比べて厚く形成したり、熱の拡散の観点から熱抵抗を大きくする部位については外層を厚くしたり、逆に熱抵抗を小さくしたい部分を薄くしたりすることが挙げられる。
また、外面10b、側面10cの全てが外層10eによるものである必要はなく、外面10bの一部が内層10dが露出することにより構成されてもよい。この態様については後で例を挙げて説明する。
以上説明した第一シート10の厚さは特に限定されることはないが、0.1mm以上1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以上0.2mm以下である。これにより薄型のベーパーチャンバーとして適用できる場面を多くすることができる。そして上記のような構成により、このような薄いベーパーチャンバーであっても変形や破壊に対して強いものとなる。
このような第一シート10は本体11及び注入部12を備えている。本体11は作動流体が移動する部位を形成するシート状であり、本形態では平面視で角が円弧(いわゆるR)にされた長方形である。
注入部12は第一シート10と第二シート20により形成された密閉空間2(例えば図11参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体11の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第一シート10の注入部12は内面10a側も外面10b側も平坦面とされている。
本体11の内面10a側には、すなわち、内層10dの内面10a側には、作動流体が移動するための構造が形成されている。
当該構造として具体的には、本体11の内面10a側に、外周接合部13、外周液流路部14、内側液流路部15、蒸気流路溝16、及び、蒸気流路連通溝17が具備されている。
外周接合部13は、本体11の内面10a側に、該本体11の外周に沿って形成された面である。この外周接合部13が第二シート20の外周接合部23に重なって接合(拡散接合、ろう付け等)されることにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成され、ここに作動流体が封入される。
図2(b)、図3にA10で示した外周接合部13の幅は必要に応じて適宜設定することができるが、0.8mm以上3.0mm以下であることが好ましい。この幅が0.8mmより小さくなると第一シートと第二シートとの接合時における位置ずれが生じた際に接合面積が不足する虞がある。また、この幅が3.0mmより大きくなると、密閉空間の内容積が小さくなり蒸気流路や凝縮液流路が十分確保できなくなる虞がある。
また外周接合部13のうち、本体11の四隅には厚さ方向(z方向)に貫通する穴13aが設けられている。この穴は第二シート20との重ね合せの際の位置決め手段として機能する。
外周液流路部14は、液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る流路である凝縮液流路3(例えば図12参照)の一部を構成する部位である。図4(a)には図3のうち矢印IVaで示した部分、図4(b)には図2(b)にIVb-IVbによる切断面を示した。いずれの図にも外周液流路部14の断面形状が表れている。また、図5には図4(a)に矢印Vで示した方向から見た外周液流路部14を平面視した拡大図を表した。
これら図からわかるように、外周液流路部14は本体11の内面10aのうち、外周接合部13の内側に沿って形成され、密閉空間2の外周に沿って環状となるように設けられている。また、外周液流路部14には、本体11の外周方向に平行に延びる複数の溝である液流路溝14aが形成され、複数の液流路溝14aが、該液流路溝14aが延びる方向とは異なる方向に間隔を有して配置されている。従って、図4(a)、図4(b)からわかるように外周液流路部14ではその断面において凹部である液流路溝14aと液流路溝14aの間である凸部である壁14bとが凹凸を繰り返して形成されている。
ここで液流路溝14aは溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合う反対側の部位に開口を備えている。
また、このように複数の液流路溝14aを備えることで、1つ当たりの液流路溝14aの深さ及び幅を小さくし、凝縮液流路3(例えば図12参照)の流路断面積を小さくして大きな毛管力を利用することができる。一方、液流路溝14aを複数とすることにより合計した全体としての凝縮液流路3の内容積は適する大きさが確保され、必要な流量の凝縮液を流すことができる。
さらに、外周液流路部14では、図5からわかるように隣り合う液流路溝14aは、壁14bに間隔を有して設けられた液連通開口部14cにより連通している。これにより複数の液流路溝14a間で凝縮液量の均等化が促進され、効率よく凝縮液を流すことができる。また、蒸気流路4を形成する蒸気流路溝16に隣接する壁14bに設けられた液連通開口部14cは、蒸気流路4と凝縮液流路3とを連通させる。従って、液連通開口部14cを構成することにより蒸気流路4で生じた凝縮液を円滑に凝縮液流路3に移動させることができるとともに、凝縮液流路3で生じた蒸気を円滑に蒸気流路4に移動させることもでき、これによっても作動流体の円滑な移動を促進することが可能となる。
本形態では図5で示したように1つの液流路溝14aの該溝を挟んで液流路溝14aが延びる方向において同じ位置に対向するように液連通開口部14cが配置されている。ただしこれに限定されることはなく、例えば図6に示したように、1つの液流路溝14aの該溝を挟んで液流路溝14aが延びる方向において異なる位置に液連通開口部14cが配置されてもよい。すなわち、この場合はオフセットして液連通開口部14cが配置されている。
このようにオフセットして液連通開口部14cを設けることで、凝縮液流路3を進行する作動流体からみたときに、液連通開口部14cが両側に同時に表れることがなく、液連通開口部14cが表れても少なくとも一方の側面は常に壁14bが存在する。そのため、毛管力を連続的に得ることができる。かかる観点からオフセットして液連通開口部14cを形成することで作動流体に働く毛管力を高く維持することができるため、凝縮液を円滑に流すことが可能となる。
以上のような構成を備える外周液流路部14は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3、図4(a)、図4(b)にB10で示した外周液流路部14の幅は、ベーパーチャンバー全体の大きさ等から適宜設定することができるが、0.3mm以上2mm以下であることが好ましい。この幅が0.3mmより小さいと外側を流れる液の量が十分得られない虞がある。またこの幅が2mmを超えると内側の凝縮液流路や蒸気流路のための空間が十分にとれなくなる虞がある。
液流路溝14aについて、図4(a)、図5にCで示した溝幅は10μm以上300μm以下であることが好ましい。
また、図4(a)、図4(b)にDで示した液流路溝14aの深さは5μm以上200μm以下であることが好ましい。これにより液が流れるために必要な液流路の毛管力を十分に発揮することができる。ここで、液流路溝の深さDは、第一シート10の厚さから当該溝の深さDを引いた残りのシート厚さよりも小さいことが好ましい。これにより作動流体の凍結時においてシートが破れてしまうことをより確実に防止することができる。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、C/Dで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からC>Dであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
また、壁14bについて、図4(a)、図5にCで示した幅は20μm以上300μm以下であることが好ましい。この幅が20μmより小さいと作動流体の凍結と溶融との繰り返しにより破断し易くなり、この幅が300μmより大きくなると液連通開口部14cの幅が大きくなりすぎ、隣り合う凝縮液流路3との作動流体の円滑な連通が阻害される虞がある。
液連通開口部14cについて、図5にCで示した液流路溝14aが延びる方向に沿った開口部の大きさは20μm以上180μm以下であることが好ましい。
また、図5にCで示した液流路溝14aが延びる方向における隣り合う液連通開口部14cのピッチは300μm以上2700μm以下であることが好ましい。
本形態では液流路溝14aの断面形状は半楕円形であるがこれに限定されることなく、正方形、長方形、台形等の四角形、三角形、半円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。
また、液流路溝14aは、密閉空間内の縁に沿って連続して形成されていることが好ましい。すなわち、液流路溝14aは他の構成要素によって寸断されることなく1周に亘って環状に延びていることが好ましい。これにより凝縮液の移動を阻害する要因が減るため、円滑に凝縮液を移動させることができる。
図2、図3に戻って内側液流路部15について説明する。内側液流路部15も液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3の一部を構成する部位である。図7(a)には図3のうちVIIaで示した部分を示した。この図にも内側液流路部15の断面形状が表れている。また、図7(b)には図7(a)に矢印VIIbで示した方向から見た内側液流路部15を平面視した拡大図を示した。
これら図からわかるように、内側液流路部15は本体11の内面10aのうち、環状である外周液流路部14の環の内側に形成されている。本形態の内側液流路部15は、図2(a)、図2(b)からわかるように、本体11の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びる一直線の凸条であり、複数(本形態では3つ)の内側液流路部15が同短辺に平行な方向(y方向)に間隔を有して配列され、蒸気流路溝16の間に配置されている。
各内側液流路部15には、内側液流路部15が延びる方向に平行な一直線状の溝である液流路溝15aが形成され、複数の液流路溝15aが、該液流路溝15aが延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で配置されている。従って、図3、図7(a)からわかるように内側液流路部15ではその断面において凹部である液流路溝15aと液流路溝15aの間である凸部である壁15bとが凹凸を繰り返して形成されている。
ここで液流路溝15aは溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合う反対側の部位に開口を備えている。
このように複数の液流路溝15aを備えることで、1つ当たりの液流路溝15aの深さ及び幅を小さくし、凝縮液流路3(例えば図12参照)の流路断面積を小さくして大きな毛管力を利用することができる。一方、液流路溝15aを複数とすることにより合計した全体としての凝縮液流路3の内容積は適する大きさが確保され、必要な流量の凝縮液を流すことができる。
さらに、内側液流路部15でも、図7(b)からわかるように、外周液流路部14の例に倣って図5と同じようにして隣り合う液流路溝15aは、壁15bに間隔を有して設けられた液連通開口部15cにより連通している。これにより複数の液流路溝15a間で凝縮液量の均等化が促進され、効率よく凝縮液を流すことができる。また、蒸気流路4を形成する蒸気流路溝16に隣接する壁15bに設けられた液連通開口部15cは、蒸気流路4と凝縮液流路3とを連通させる。従って、後で説明するように液連通開口部15cを構成することにより蒸気流路4で生じた凝縮液を円滑に凝縮液流路3に移動させることができるとともに、凝縮液流路で発生した蒸気を円滑に蒸気流路4に移動させることもでき、これによっても作動流体の円滑な移動を促進することが可能となる。
内側液流路部15についても、図6の例に倣って、1つの液流路溝15aの該溝を挟んで液流路溝15aが延びる方向において異なる位置に液連通開口部15cが配置されてもよい。
このようにオフセットして液連通開口部15cを設けることで、凝縮液流路3を進行する作動流体からみたときに、液連通開口部15cが両側に同時に表れることがなく、液連通開口部15cが表れても少なくとも一方の側面は常に壁15bが存在する。そのため、毛管力を連続的に得ることができる。かかる観点からオフセットして液連通開口部15cを形成することで作動流体に働く毛管力を高く維持することができるため、作動流体のより円滑な移動が可能となる。
以上のような構成を備える内側液流路部15は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3、図7(a)にE10で示した内側液流路部15の幅は、100μm以上2000μm以下であることが好ましい。また、複数の内側液流路部15のピッチは200μm以上4000μm以下であることが好ましい。これにより蒸気流路の流路抵抗を十分に下げ、蒸気流路における作動流体の移動と、凝縮液流路における毛管力の作用による作動流体の移動とをバランスよく行うことができる。
液流路溝15aについて、図7(a)、図7(b)にFで示した溝幅は10μm以上300μm以下であることが好ましい。
また、図7(a)にGで示した溝の深さは5μm以上200μm以下であることが好ましい。これにより凝縮液の移動に必要な凝縮液流路の毛管力を十分に発揮することができる。ここで、溝の深さGは、第一シート10の厚さから当該溝の深さGを引いた残りのシート厚さよりも小さいことが好ましい。これにより作動流体の凍結時においてシートが破れてしまうことをより確実に防止することができる。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、F/Gで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からF>Gであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
また、壁15bについて、図7(a)、図7(b)にFで示した幅は20μm以上300μm以下であることが好ましい。この幅が20μmより小さいと作動流体の凍結と溶融の繰り返しにより破断し易くなり、この幅が300μmより大きくなると液連通開口部15cの幅が大きくなりすぎ、凝縮液流路3間の円滑な連通が阻害される虞がある。
液連通開口部15cについて、図7(b)にFで示した液流路溝15aが延びる方向に沿った開口部の大きさは20μm以上180μm以下であることが好ましい。
また、図7(b)にFで示した液流路溝15aが延びる方向における隣り合う液連通開口部15cのピッチは300μm以上2700μm以下であることが好ましい。
また、本形態で液流路溝15aの断面形状は半楕円形であるが、これに限らず、正方形、長方形、台形等の四角形、三角形、半円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。
次に蒸気流路溝16について説明する。蒸気流路溝16は、蒸気状及び凝縮液状の作動流体が移動する部位で、蒸気流路4の一部を構成する。図2(b)には平面視した蒸気流路溝16の形状、図3には蒸気流路溝16の断面形状がそれぞれ表れている。
これら図からもわかるように、蒸気流路溝16は本体11の内面10aのうち、環状である外周液流路部14の環の内側に形成された一直線状の溝により構成されている。詳しくは本形態の蒸気流路溝16は、隣り合う内側液流路部15の間、及び、外周液流路部14と内側液流路部15との間に形成され、本体11の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びた溝である。そして、複数(本形態では4つ)の蒸気流路溝16が同短辺に平行な方向(y方向)に配列されている。従って、図3からわかるように第一シート10は、y方向において、外周液流路部14及び内側液流路部15を凸条とし、蒸気流路溝16を凹条とした凹凸が繰り返された形状を備えている。
ここで蒸気流路溝16は溝であることから、その断面形状において、底部、及び該底部とは向かい合う反対側の部位に開口を備えている。
蒸気流路溝16は、第二シート20の蒸気流路溝26と組み合わされて蒸気流路4が形成されたとき、当該蒸気流路4で作動流体が移動するように構成されていればよい。そのため、蒸気流路溝16は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3にH10で示した蒸気流路溝16の幅は、少なくとも上記した液流路溝14a、液流路溝15aの幅C、幅Fより大きく形成され、100μm以上2000μm以下であることが好ましい。
一方、図3にI10で示した蒸気流路溝16の深さは、少なくとも上記した液流路溝14a、液流路溝15aの深さD、深さGより大きく形成され、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
これにより、蒸気流路が形成されたときに作動流体の安定した移動が行われるとともに、蒸気流路溝の流路断面積を液流路溝よりも大きくすることで、作動流体の性質上、凝縮液よりも体積が大きくなる蒸気を円滑に移動させることができる。
ここで蒸気流路溝16は、後で説明するように第二シート20と組み合わされて蒸気流路4が形成されたときに、蒸気流路4の幅が高さ(厚さ方向大きさ)よりも大きい扁平形状となるように構成されていることが好ましい。そのため、H10/I10で示されるアスペクト比は好ましくは4.0以上、より好ましくは8.0以上である。
本形態では蒸気流路溝16の断面形状は半楕円形であるが、これに限らず正方形、長方形、台形等の四角形、三角形、半円形、底部が円形、底部が半楕円形等であってもよい。
蒸気流路連通溝17は、複数の蒸気流路溝16を連通させ、第二シート20の蒸気流路連通溝27と組み合わされて蒸気流路溝16による複数の蒸気流路4をその端部で連通する流路を形成する溝である。これにより、内側液流路部15が延びる方向における蒸気流路4で生じる作動流体の移動を円滑に行うことができる。
また、これにより蒸気流路4にある作動流体の均等化が図られたり、蒸気がより広い範囲に運ばれ、多くの液流路溝14a、15aによる凝縮液流路3を効率よく利用できるようになったりもする。
本形態の蒸気流路連通溝17は、図2(a)、図2(b)からわかるように、内側液流路部15が延びる方向の両端部及び蒸気流路溝16が延びる方向の両端部と、外周液流路部14との間に形成されている。図4(b)には蒸気流路連通溝17の連通方向に直交する断面が表れている。なお、蒸気流路連通溝17と蒸気流路16との境界は必ずしも形状による境界が形成されるわけではないので、図2(a)、図2(b)にはわかりやすさのため、当該境界を点線で表した。
蒸気流路連通溝17は、隣り合う蒸気流路溝16を連通させることができればよく、その形状は特に限定されることはないが、例えば次のような構成を備えることができる。
図2(b)、図4(b)にJ10で示した蒸気流路連通溝17の幅は、100μm以上1000μm以下であることが好ましい。
また、図4(b)にK10で示した蒸気流路連通溝17の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましく、その中でも蒸気流路溝16の深さI10と同じであることが好ましい。これにより製造が容易になる。
本形態で蒸気流路連通溝17の断面形状は半楕円形であるが、これに限らず、正方形、長方形、台形等の四角形、三角形、半円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。
次に第二シート20について説明する。本形態で第二シート20も全体としてシート状の部材である。図8(a)には第二シート20を内面20a側から見た斜視図、図8(b)には第二シート20を内面20a側から見た平面図をそれぞれ表した。また、図9には図8(b)にIX-IXで切断したときの第二シート20の切断面を示した。また、図10には図8(b)にX-Xで切断したときの第二シート20の切断面を示した。
第二シート20は、内面20a、該内面20aとは反対側となる外面20b及び内面20aと外面20bとを渡して厚さを形成する側面20cを備え、内面20a側に作動流体が移動するパターンが形成されている。後述するようにこの第二シート20の内面20aと上記した第一シート10の内面10aとが対向するようにして重ね合わされて接合されることで密閉空間2が形成される。
本形態では第二シート20についても内面20aを形成する材料からなる内層20dと、外面20b及び側面20cを形成する材料からなる外層20eと、を有して構成されている。すなわち、第二シート20は複数の層が積層されてなり、そのうちの1つの層が内面20aを形成し、他の層が外面20b、側面20cを形成している。
ここで、内層20dには、上記のように内面20aに作動流体が移動するためのパターンが形成され、作動流体が直接接触するため、作動流体に対して化学的に安定あり、熱伝導率が高い材料からなることが好ましい。そのため例えば銅、及び、銅合金を用いることができる。特に銅、及び、銅合金を用いることにより、熱輸送能力の向上を図りつつ、後述するようなエッチング及び拡散接合によるベーパーチャンバーの作製がしやすいものとなる。
一方、外層20eは、ベーパーチャンバーの強度を高める観点から内層20dよりも強度が高い材料からなる。具体的には外層20eの0.2%耐力又は上降伏点が、内層20dの0.2%耐力又は上降伏点よりも大きいことが好ましい。特に内層20dに銅又は銅合金が使用されると、拡散接合やろう付け等により第一シート10と第二シート20とを接合したときに0.2%耐力が大きく低下することから、外層20eの0.2%耐力は100MPa以上であることが好ましく、より好ましくは200MPa以上である。
これにより、ベーパーチャンバーを薄型化して、外部からの衝撃、低温凍結による作動流体の固化による膨張、及び、作動時の蒸気圧力などによる力がかかったときにもベーパーチャンバーの変形や破損を防止することができる。
また、外層20eによりベーパーチャンバーの強度向上を行うことができるため、内層20dに形成される作動流体が移動するパターンについては強度向上よりも熱的な性能に注力した設計が可能となるため、熱的な性能の観点からも利点があるといえる。
外層20eに用いられる材料及び厚さは、上記した外層10eと同様に考えることができる。
以上説明した第二シート20の厚さは特に限定されることはないが、0.1mm以上1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以上0.2mm以下である。これにより薄型のベーパーチャンバーとして適用できる場面を多くすることができる。そして上記のような構成により、このような薄いベーパーチャンバーであっても変形や破壊に対して強いものとなる。
第二シート20は本体21及び注入部22を備えている。本体21は作動流体が移動する部位を形成するシート状の部位であり、本形態では平面視で角が円弧(いわゆるR)とされた長方形である。
注入部22は第一シート10と第二シート20とにより形成された密閉空間2(例えば図11参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体21の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第二シート20の注入部22には内面20a側に注入溝22aが形成されており、第二シート20の側面20cから本体21の内側(密閉空間2となるべき部位)に連通している。
本体21の内面20a側には、作動流体が移動するための構造が形成されている。具体的には、本体21の内面20a側には、外周接合部23、外周液流路部24、内側液流路部25、蒸気流路溝26、及び、蒸気流路連通溝27が具備されている。
外周接合部23は、本体21の内面20a側に、該本体21の外周に沿って形成された面である。この外周接合部23が第一シート10の外周接合部13に重なって接合(拡散接合やろう付け等)されることにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2を形成し、ここに作動流体が封入される。
図8(b)、図9、図10にA20で示した外周接合部23の幅は上記した本体11の外周接合部13の幅A10と同じであることが好ましい。
また外周接合部23のうち、本体21の四隅には厚さ方向(z方向)に貫通する穴23aが設けられている。この穴23aは第一シート10との重ね合せの際の位置決め手段として機能する。
外周液流路部24は、液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る流路である凝縮液流路3(例えば図12参照)の一部を構成する部位である。
外周液流路部24は本体21の内面20aのうち、外周接合部23の内側に沿って形成され、密閉空間2の外周に沿って環状を成すように形成されている。本形態において第二シート20の外周液流路部24は、図9、図10からわかるように第一シート10との接合前において平坦面であり外周接合部23と面一である。これにより上記した第一シート10の複数の液流路溝14aのうち少なくとも一部の液流路溝14aの開口を閉鎖して凝縮液流路3を形成する。第一シート10と第二シート20との組み合わせに関する詳しい態様は後で説明する。
なお、このように第二シート20では外周接合部23と外周液流路部24とが面一であるため、構造的には両者を区別する境界線は存在しない。しかし、わかり易さのため、図8(a)、図8(b)では点線により両者の境界を表している。
外周液流路部24は、次のような構成を備えていることが好ましい。
図8(b)、図9、図10に示した外周液流路部24の幅B20は特に限定されることはなく、第一シート10の外周液流路部14の幅B10と同じでもよいし、異なってもよい。本形態では幅B10と幅B20とは同じである。
幅B20を幅B10より小さくした場合、外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が外周液流路部24により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすく、また、蒸気が出やすいため、より円滑な作動流体の移動をさせることができる。
次に内側液流路部25について説明する。内側液流路部25も液流路部であり、凝縮液流路3を構成する1つの部位である。
内側液流路部25は、図8(a)、図8(b)、図9、図10からわかるように、本体21の内面20aのうち、外周液流路部24の環状である環の内側に形成されている。本形態の内側液流路部25は、本体21の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びる一直線状の凸条であり、複数(本形態では3つ)の内側液流路部25が同短辺に平行な方向(y方向)に所定の間隔で、蒸気流路溝26の間に配列されている。
本形態で各内側液流路部25は、その内面20a側の表面が第一シート10との接合前において平坦面となるように形成されている。これにより上記した第一シート10の複数の液流路溝15aのうち少なくとも一部の液流路溝15aの開口を閉鎖して凝縮液流路3を形成する。
なお、本形態のように内側液流路部25に凝縮液流路3を形成するための溝が形成されていない場合、第二シート20の厚さは、第一シート10の液流路溝15aの深さG(図7(a)参照)以上であることが好ましい。これにより、ベーパーチャンバーにおける第二シート側における破断(破れ)を防止することができる。
図8(b)、図9に示した内側液流路部25の幅E20は特に限定されることはなく、第一シート10の内側液流路部15の幅E10と同じでもよいし、異なっていてもよい。本形態では幅E10と幅E20とは同じである。
幅E20と幅E10とが異なっていると接合時の位置ズレの影響を小さくすることができる。なお、幅E20を幅E10より小さくした場合には、内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が内側液流路部25により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすく、また、発生した蒸気が出やすいため、より円滑に作動流体を移動させることができる。
次に蒸気流路溝26について説明する。蒸気流路溝26は、蒸気状及び凝縮液状の作動流体が移動する部位であり、蒸気流路4の一部を構成する。図8(b)には平面視した蒸気流路溝26の形状、図9には蒸気流路溝26の断面形状がそれぞれ表れている。
これら図からもわかるように、蒸気流路溝26は本体21の内面20aのうち、環状である外周液流路部24の環の内側に形成された一直線状の溝により構成されている。詳しくは本形態の蒸気流路溝26は、隣り合う内側液流路部25の間、及び、外周液流路部24と内側液流路部25との間に形成され、本体21の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びた溝である。そして、複数(本形態では4つ)の蒸気流路溝26が同短辺に平行な方向(y方向)に配列されている。従って、図9からわかるように第二シート20は、y方向において、外周液流路部24及び内側液流路部25を凸とする凸条が形成され、蒸気流路溝26を凹とする凹条が形成されて、これらの凹凸が繰り返された形状を備えている。
ここで蒸気流路溝26は溝であることから、その断面形状において、底部、及び該底部とは向かい合う反対側の部位に開口を備えている。
蒸気流路溝26は、第一シート10と組み合わされた際に該第一シート10の蒸気流路溝16と厚さ方向に重なる位置に配置されていることが好ましい。これにより蒸気流路溝16と蒸気流路溝26とで蒸気流路4を形成することができる。
図8(b)、図9にH20で示した蒸気流路溝26の幅は特に限定されることはなく、第一シート10の蒸気流路溝16の幅H10と同じでもよいし、異なっていてもよい。本形態では幅H10と幅H20とは同じである。
幅H20と幅H10とが異なっていると、接合時の位置ズレの影響を小さくすることができる。なお、幅H20を幅H10より大きくした場合には、内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が内側液流路部25により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすく、蒸気が出やすいため、より円滑な作動流体の移動をさせることができる。
一方、図9にI20で示した蒸気流路溝26の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
ここで蒸気流路溝26は、後で説明するように第一シート10と組み合わされて蒸気流路4が形成されたときに、蒸気流路4の幅が高さ(厚さ方向大きさ)よりも大きい扁平形状となるように構成されていることが好ましい。そのため、H20/I20で示されるアスペクト比は好ましくは4.0以上、より好ましくは8.0以上である。
本形態で蒸気流路溝26の断面形状は半楕円形であるが、正方形、長方形、台形等の四角形、三角形、半円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。
蒸気流路連通溝27は、第一シート10の蒸気流路連通溝17と組み合わされて、蒸気流路溝26による複数の蒸気流路4の端部を連通する流路を形成する溝である。これにより、内側液流路部25が延びる方向における蒸気流路4で生じる作動流体の移動がバランス良く行われる。また、蒸気流路4の作動流体の均等化が図られたり、蒸気がより広い範囲に運ばれ、多くの凝縮液流路3を効率よく利用できるようになったりするため、作動流体の移動をより円滑にすることが可能となる。
本形態の蒸気流路連通溝27は、図8(b)、図10からわかるように、内側液流路部25が延びる方向の両端部及び蒸気流路溝26が延びる方向の両端部と、外周液流路部24との間に形成されている。また、図10には蒸気流路連通溝27の連通方向に直交する断面が表れている。
図8(b)、図10にJ20で示した蒸気流路連通溝27の幅は特に限定されることはなく、第一シート10の蒸気流路連通溝17の幅J10と同じであってもよいし、幅J10と異なっていてもよい。なお、幅J20を幅J10よりも大きくしたときには、第一シート10の外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が蒸気流路4の一部を形成するように配置されるため凝縮液が入りやすくなるとともに発生した蒸気が出やすくなり、より円滑に作動流体を移動させることができる。
幅J20の大きさは、100μm以上1000μm以下の範囲であることが好ましく、図10にK20で示した蒸気流路連通溝27の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
本形態で蒸気流路連通溝27の断面形状は半楕円形であるが、これに限らず正方形、長方形、台形等の四角形、三角形、半円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。
次に、第一シート10と第二シート20とが組み合わされてベーパーチャンバー1とされたときの構造について説明する。この説明により、第一シート10及び第二シート20が有する各構成の配置、大きさ、形状等がさらに理解される。
図11には、図1(a)にXI-XIで示したy方向に沿ってベーパーチャンバー1を厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は第一シート10における図3に表した図と、第二シート20における図9に表した図とが組み合わされてこの部位におけるベーパーチャンバー1の切断面が表されたものである。
図12には図11にXIIで示した部位を拡大した図を表した。
図13には、図1(a)にXIII-XIIIで示したx方向に沿ってベーパーチャンバー1の厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は、第一シート10における図4(b)に表した図と、第二シート20における図10に表した図とが組み合わされてこの部位におけるベーパーチャンバー1の切断面が表されたものである。
図1(a)、図1(b)、及び図11~図13よりわかるように、第一シート10と第二シート20とが重ねられるように配置され接合されることでベーパーチャンバー1とされている。このとき第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとが向かい合うように配置されており、第一シート10の本体11と第二シートの本体21とが重なり、第一シート10の注入部12と第二シート20の注入部22とが重なっている。本形態では、第一シート10と第二シート20との相対的な位置関係は、第一シート10の穴13aと第二シート20の穴23aと位置を合わせることで適切になるように構成されている。
このような第一シート10と第二シート20との積層体により、本体11及び本体21に具備される各構成が図11~図13に表れるように配置される。具体的には次の通りである。
本形態ではベーパーチャンバー1の外周が外層10e及び外層20eにより覆われるように構成される。上記したように、外層10e及び外層20eは内層10d及び内層20dに比べて強度の高い材料により構成されている。従って、ベーパーチャンバー1の外郭が強くなり、ベーパーチャンバーが薄型化しても、ベーパーチャンバーの変形や破損を防止することができる。すなわち、外部からの衝撃、低温凍結による作動流体の固化による膨張、及び、作動時の蒸気圧力などによる力がかかったときにもベーパーチャンバーの変形や破損を防止することができる。
一方、内層10d及び内層20d側は熱伝導率が高い材料により構成することができるため、熱抵抗は小さく抑えることができる。そのとき、外層10e及び外層20eによりベーパーチャンバーの強度向上を行うことができるため、内層10d及び内層20dに形成される作動流体が移動するパターンについては強度向上よりも熱的な性能に注力したパターン設計が可能となるため、熱的な性能の観点からも利点があるといえる。
ここで、上記したように、外層10e及び外層20eの厚さは一定である必要はなく、部位によって厚さを変えても良い。これには例えば高い強度が必要な部位を他の部位に比べて厚く形成したり、熱の拡散の観点から熱抵抗を高くする必要をする部位では外層10e及び外層20eを他の部位に比べて厚くしたり、逆に熱の熱抵抗を小さくしたい部位では外層10e及び外層20eを他の部位に比べて薄くしたりすることが挙げられる。
また、本形態ではベーバーチャンバー1の厚さを形成する側面10c、側面20cについても外層10e及び外層20eで覆われている。これによれば側面における強度を向上させることができ、ベーパーチャンバーの変形をより確実に抑制することが可能となる。
本形態のベーパーチャンバー1は、薄型である場合に特にその効果が大きい。かかる観点から図1、図11にLで示したベーパーチャンバー1の厚さは1mm以下、より好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下である。0.4mm以下とすることにより、ベーパーチャンバー1を設置する電子機器において、ベーパーチャンバーを配置するスペースを形成するための加工(例えば溝形成等)をすることなく電子機器内部にベーパーチャンバーを設置できることが多くなる。そして本形態によれば、このような薄いベーパーチャンバーであっても熱的な性能を維持しつつ強度が高く変形に対して強いものなる。
一方、内層10d及び内層20dについては、第一シート10の外周接合部13と第二シート20の外周接合部23とが重なるように配置されており、拡散接合やろう付け等の接合手段により両者が接合されている。これにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成されている。
第一シート10の外周液流路部14と第二シート20の外周液流路部24とが重なるように配置されている。これにより外周液流路部14の液流路溝14a及び外周液流路部24により作動流体が凝縮して液化した状態である凝縮液が流れる凝縮液流路3が形成される。
同様に、第一シート10の凸条である内側液流路部15と第二シート20の凸条である内側液流路部25とが重なるように配置されている。これにより内側液流路部15の液流路溝15a及び内側液流路部25により凝縮液が流れる凝縮液流路3が形成される。
ここで、凝縮液流路3はベーパーチャンバー1の薄型化に伴い、その断面形状が扁平形状とされていることが好ましい。これにより毛管力を高めることができ、凝縮液の移動をさらに円滑に行うことができるため、熱輸送能力を高い水準に維持することが可能となる。より具体的には凝縮液流路3の幅/高さで表される比が1.0より大きく4.0以下であることが好ましい。
このとき、凝縮液流路3の幅は、本形態では液流路溝15aの幅Fに準じるが、10μm以上300μm以下であることが好ましい。幅が10μmより小さくなると流路抵抗が大きくなり輸送能力が低下する虞がある。一方、幅が300μmより大きくなると毛管力が小さくなるため輸送能力が低下する虞がある。
また、凝縮液流路3の高さは、本形態において液流路溝15aの深さGに準じるが5μm以上200μm以下であることが好ましい。これにより移動に必要な凝縮液流路の毛管力を十分に発揮することができる。なお、この高さは、凝縮液流路3を挟んで厚さ方向(z方向)一方側及び他方側における第一シート10及び第二シート20の厚さ(肉厚)以下であることが好ましい。これにより凝縮液流路3に起因するベーパーチャンバーの破断(破れ)をさらに防止することができる。
なお、本形態では液流路溝14a、液流路溝15aは第一シート10にのみ設けられているため、凝縮液流路の高さは液流路溝14a、液流路溝15aの深さに基づくものとなるが、これに限らず第二シート20にも液流路溝が設けられてもよい。この場合には第一シートの液流路溝と第二シートの液流路溝とが重なることで凝縮液流路が形成され、両方の液流路溝の深さの合計に準じた凝縮液流路の高さとなる。
また、上記したように凝縮液流路3には液連通開口部14c、及び液連通開口部15cが形成されている。これにより複数の凝縮液流路3が連通し、凝縮液の均等化が図られて効率よく凝縮液の移動が行われる。また、蒸気流路4に隣接し、蒸気流路4と凝縮液流路3を連通する液連通開口部14c、液連通開口部15cについては、蒸気流路4で生じた凝縮液を円滑に凝縮液流路3に移動させ、及び、凝縮液流路3で発生した蒸気を円滑に蒸気流路4に移動させ、作動流体の移動を速やかに行わせることができる。
また、外周液流路部14、24により形成される凝縮液流路3は、密閉空間2内の縁に沿って連続して環状に形成されていることが好ましい。すなわち、外周液流路部14、外周液流路部24により形成される凝縮液流路3は、他の構成要素によって寸断されることなく1周に亘って環状となって延びていることが好ましい。これにより凝縮液の移動を阻害する要因を減らせることができ、円滑に凝縮液を移動させることができる。
第一シート10の蒸気流路溝16の開口と第二シート20の蒸気流路溝26の開口とが向かい合うように重なって流路を形成しこれが蒸気流路4となる。
ここで、蒸気流路4はベーパーチャンバー1の薄型化に伴い、その断面形状が扁平形状とされていることが好ましい。これにより薄型化されても流路内の表面積を確保することが可能とされ、熱輸送能力を高い水準に維持することが可能となる。より具体的には、図12に表した蒸気流路4の幅W、高さHにおいて、W/Hで表される比が2.0以上であることが好ましい。さらに高い熱輸送能力を確保する観点から、当該比は4.0以上がさらに好ましい。
図13からわかるように、第一シート10の蒸気流路連通溝17の開口と第二シート20の蒸気流路連通溝27の開口とが向かい合うように重なり流路を形成して、蒸気流路溝16、及び、蒸気流路溝26により形成される複数の蒸気流路4をその端部を連通させ、作動流体の移動をバランスよく行うための流路になる。
以上のような凝縮液流路3及び蒸気流路4により、ベーパーチャンバー1は、2つの蒸気流路4の間に、一直線状の複数の凝縮液流路3が配置されてなる形状を具備する。これにより凝縮液が主要に流れるべき凝縮液流路3と、蒸気及び凝縮液が流れる蒸気流路4とが分離して交互に並ぶような形態となり、作動流体の円滑な移動が助けられる。
密閉空間2内における蒸気流路4及び凝縮液流路3により、蒸気流路4では蒸気及び凝縮液の状態である作動流体が移動して効率よく熱の移動及び拡散が行われる。一方、当該蒸気流路4とは分離して設けられた凝縮液流路3により毛管力で凝縮液が効率よく移動するため、ドライアウトの発生を抑制することが可能となる。
一方、注入部12、22についても図1に表れているように、その内面10a、20a同士が向かい合うように重なり、第二シート20の注入溝22aの底部とは反対側の開口が第一シート10の注入部12の内面10aより塞がれ、外部と本体11、21間の密閉空間2(凝縮液流路3及び蒸気流路4)とを連通する注入流路5が形成されている。
ただし、注入流路5から密閉空間2に対して作動流体を注入した後は、注入流路5は閉鎖されるので、最終的な形態のベーパーチャンバー1では外部と密閉空間2とは連通していない。
そしてベーパーチャンバー1の密閉空間2には、作動流体が封入されている。作動流体の種類は特に限定されることはないが、純水、エタノール、メタノール、アセトン等、通常のベーパーチャンバーに用いられる作動流体を用いることができる。
以上のようなベーパーチャンバーは例えば次のように作製することができる。
ベーパーチャンバー1の製造方法の第一の態様として次のような方法がある。
内層10dを構成する材料のみからなり第一シート10の外周形状を有するシート、及び、内層20dを構成する材料のみからなり第二シート20の外周形状を有するシートを準備する。これらシートに対して上記説明した、液流路溝14a、液流路溝15a、蒸気流路溝16、蒸気流路溝26、蒸気流路連通溝17、蒸気流路連通溝27をハーフエッチングにより形成する。ここでハーフエッチングとは、エッチングにより厚さ方向を貫通させることなく厚さ方向の途中までエッチングによる材料の除去を行い、溝や窪みを形成することである。
次いで、内層10dの材料のみからなる第一シート10の形状を有するエッチング済みのシート、及び、内層20dの材料のみからなる第二シート20の形状を有するエッチング済みのシートの、内面10aと内面20aとを向かい合わせるように重ね、位置決め手段としての穴13a、穴23aを用いて位置決めし、仮止めを行う。仮止めの方法は特に限定されることはないが、抵抗溶接、超音波溶接、及び接着剤による接着等を挙げることができる。
そして仮止め後に拡散接合を行い恒久的にこれらシートを接合する。なお、拡散接合の代わりにろう付けにより接合してもよい。
接合の後、形成された注入流路5から真空引きを行い、密閉空間2を減圧する。その後、減圧された密閉空間2に対して注入流路5から作動流体を注入して密閉空間2に作動流体が入れられる。そして注入部12、注入部22に対してレーザーによる溶融を利用したり、かしめたりして注入流路5を閉鎖する。これにより密閉空間2の内側に作動流体が安定的に保持される。
このようにして密閉空間2内に作動流体が封入された内層10d及び内層20dの積層体に対して、外層10e及び外層20eを構成する材料によるめっき皮膜処理をおこなう。なお、めっき皮膜処理は電解めっきでも良く、無電解めっきでも良い。これにより、内層10d及び内層20dの外周に外層10e及び外層20eが形成され、ベーパーチャンバー1を得る。この場合の外層は、外層10eと外層20eとは一体となる。これにより、外層が接合界面を覆うため、第一シートと第二シートの剥がれや、接合界面からの作動液漏れを防止することができる。
ベーパーチャンバーの製造方法の第二の態様として次のような方法がある。
内層10dを構成する材料のみからなり第一シート10の外周形状を有する金属シート、及び、内層20dを構成する材料のみからなり第二シート20の外周形状を有する金属シートを準備する。
そして、それぞれの金属シートについて、外面10b、外面20b、側面10c及び側面20cを形成する外層10e及び外層20eを構成する材料によるめっき皮膜処理をおこなう。すなわち内面10aとなる側及び内面20aとなる側に対してはめっき皮膜処理を行わない。そのための具体的な方法は限定されることはないが、内面10aとなる側及び内面20aとなる側をレジストやマスキングテープなどでマスクしてめっき皮膜処理を行うことなどにより、外面10b、外面20b、側面10c及び側面20cを形成する外層10e及び外層20eをめっき皮膜により形成することができる。そのためのめっき皮膜処理は電解めっきでも良く、無電解めっきでも良い。
これにより、第一シート10のための積層体、及び第二シート20のための積層体を得る。このような積層体を得ることで、すでに外層及び内層を具備する外周形状を有する金属シートになっているため、予めめっきされた金属シートを加工するよりも、めっき量を減らすことができる。また、金属シートの側面にもめっき層を形成することができ、輸送や電子機器等の組み立て時に側面からの衝撃による変形を抑制することができる。
これらそれぞれの積層体に対して上記説明した、液流路溝14a、液流路溝15a、蒸気流路溝16、蒸気流路溝26、蒸気流路連通溝17、蒸気流路連通溝27をハーフエッチングにより形成する。これにより第一シート10及び第二シート20得る。
ここではハーフエッチングにより溝を形成する前にめっき皮膜処理をしたが、これに限らず、ハーフエッチングにより溝を形成した後に上記したようにめっき皮膜処理をしてもよい。
次いで、第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとを向かい合わせるように重ね、位置決め手段としての穴13a、穴23aを用いて位置決めし、仮止めを行う。仮止めの方法は特に限定されることはないが、抵抗溶接、超音波溶接、及び接着剤による接着等を挙げることができる。
そして仮止め後に拡散接合を行い恒久的にこれらシートを接合する。なお、拡散接合の代わりにろう付けにより接合してもよい。
接合の後、形成された注入流路5から真空引きを行い、密閉空間2を減圧する。その後、減圧された密閉空間2に対して注入流路5から作動流体を注入して密閉空間2に作動流体が入れられる。そして注入部12、注入部22に対してレーザーによる溶融を利用したり、かしめたりして注入流路5を閉鎖する。これにより密閉空間2の内側に作動流体が安定的に保持される。これによりベーパーチャンバーとなる。
本形態では第一シート10のための積層体、及び、第二シートのための積層体を得る手段としてめっき皮膜処理を用いたが、これに限らず複数の層が予め積層されてなる複合材料(いわゆるクラッド材)を用いてベーパーチャンバーを製造することもできる。
次にベーパーチャンバー1が作動したときの作用について説明する。図14には電子機器の一形態である携帯型端末40の内側にベーパーチャンバー1が配置された状態を模式的に表した。ここではベーパーチャンバー1は携帯型端末40の筐体41の内側に配置されているため点線で表している。このような携帯型端末40は、各種電子部品を内包する筐体41、及び、筐体41の開口部を通して外部に画像が見えるように露出したディスプレイユニット42を備えて構成されている。そしてこれら電子部品の1つとして、ベーパーチャンバー1により冷却すべき電子部品30が筐体41内に配置されている。
ベーパーチャンバー1は携帯型端末等の筐体内に設置され、CPU等の冷却すべき対象物である電子部品30に取り付けられる。電子部品30はベーパーチャンバー1の外面10b又は外面20bに直接、又は、熱伝導性の高い粘着剤、シート、テープ等を介して取り付けられる。
図15には作動流体の挙動を説明する図を表した。説明のし易さのため、この図では第二シート20は省略し、第一シート10の内面10aが見えるように表示している。
電子部品30が発熱すると、その熱が第一シート10内を熱伝導により伝わり、密閉空間2内における電子部品30に近い位置に存在する凝縮液が熱を受ける。この熱を受けた凝縮液は熱を吸収し蒸発し気化する。これにより電子部品30が冷却される。
気化した作動流体は蒸気となって、蒸気流路4を移動する。気化した作動流体の移動は、図15に実線の直線矢印で示したように蒸気流路4内を振動するように移動する場合や、振動することなく熱源である電子部品30から離隔する一方向に移動する場合もある。
当該移動の際に、作動流体は順次第一シート10及び第二シート20に熱を奪われながら冷却される。蒸気から熱を奪った第一シート10及び第二シート20はその外面10b、20bに接触した携帯型端末装置の筐体等に熱を伝え、最終的に熱は外気に放出される。そして、蒸気流路4を移動しつつ熱を奪われた作動流体は凝縮して液化する。
蒸気流路4に生じた凝縮液の一部は、液連通開口部等から凝縮液流路3に移動する。本形態の凝縮液流路3は液連通開口部14c、液連通開口部15cを備えているので、凝縮液はこの液連通開口部14c、液連通開口部15cを通って複数の凝縮液流路3に分配される。
凝縮液流路3に入った凝縮液は、凝縮液流路による毛管力により、図15に点線の直線矢印で表したように熱源である電子部品30に近づくように移動する。そして再度熱源である電子部品30からの熱により気化して上記を繰り返す。
以上のように、ベーパーチャンバー1によれば、蒸気流路の作動流体の移動、及び、凝縮液流路における高い毛管力で、作動流体の移動が円滑で良好になり、熱輸送量を高めることができる。
ここまで説明したベーパーチャンバー1では、外面10b、外面20b、側面10c、及び、側面20cの全面が外層10e及び外層20eにより形成されていた。これに対して、必要に応じて外層10e及び/又は外層20eの一部が除外されることにより、内層10d及び/又は内層20dの一部が露出して、この部分も外面10b、外面20b、側面10c、及び、側面20cの一部を形成してもよい。以下にいくつかの形態について説明する。
図16は第二の形態のベーパーチャンバー101を説明する図であり、図12に相当する図である。ベーパーチャンバー101では、その側面10c、側面20cにおいて、厚さ方向端部が外層10e、外層20eで形成され、第一シート10と第二シート20との接合部である厚さ方向中央では内層10d及び内層20dが露出して側面10c、及び、側面20cを構成している。
このような構造でもベーパーチャンバー101の側面10c及び側面20cは外部からの衝撃等に対して強く、変形や破壊が防止される。そしてこのような構造によれば、さらに、第一シート10と第二シート20との接合の際に、外層10e、外層20eが、内層10dと内層20dとの接合を阻害することがなく、当該接合が容易になる。
図17及び図18は第三の形態のベーパーチャンバー201を説明する図であり、図17は斜視図、図18は図17にXVIII-XVIIIに示した線に沿った切断面である。ベーパーチャンバー201では、外面10b及び外面20bにおいて、ベーパーチャンバー201の平面視で凝縮液流路3及び蒸気流路4が具備される密閉空間2に重なる部位にのみ外層10e及び外層20eが具備されており、他の部分は内層10d及び内層20dが露出している。
このような外層10e及び外層20eによれば、変形しやすい流路が形成された部位の変形を防止することができる。一方、内層10d及び内層20dが露出した部位では熱抵抗が小さくなり熱的性能より高めることができる。
また、本形態では注入部12及び注入部22に外層10e及び外層20eが具備されていない。すなわち、作動流体を密閉空間内に注入して封止した部位には外層が配置されていない構造となる。これによれば、ここを封止する際に容易になるとともに、当該封止が適切に行われているかの検査も容易になる。
図19には、ベーパーチャンバー201の変形例にかかるベーパーチャンバー201’を説明する図を示した。図19は図18に相当する図である。ベーパーチャンバー201’では、ベーパーチャンバー201に対して、一方(本形態では第一シート10)にのみ外層10eが配置される。これによっても変形しやすい流路が形成された部位の変形を防止することができる。一方、内層10d及び内層20dが露出した部位では熱抵抗が小さくなり熱的性能より高めることができる。
なお、このようなベーパーチャンバー201’を電子機器に配置する際には、外面10b側に熱源を配置し、外面20b側に筐体を配置することが好ましい。これにより広い範囲で熱を伝えるべき筐体側において熱抵抗を下げることができる。
図20には、第四の形態にかかるベーパーチャンバー301を説明する斜視図を表した。図20は第一シート10側から見た斜視図である。
ベーパーチャンバー301では、熱源が配置される部位において、外層10eが除去され、この部位については内層10dが露出して外面10bを形成している。これによれば、この部位において熱抵抗が下げられており、ここに熱源を配置すれば効率よく熱源からの熱を作動流体に伝えることができるため、さらに冷却能力を高めることができる。
図21~図28は、第五の形態にかかるベーパーチャンバー401を説明する図である。図21はベーパーチャンバー401の外観斜視図、図22はベーパーチャンバー401の分解斜視図である。
ベーパーチャンバー401は、図21、図22からわかるように第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430を有している。そして、この第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430が重ねられて接合(拡散接合、ろう付け等)されていることにより、第一シート410と第二シート420との間で、第一シート410、第二シート420、及び第三シート430に囲まれる密閉空間402が形成され(図26参照)、この密閉空間402に作動流体が封入されている。
本形態で第一シート410は全体としてシート状の部材である。第一シート410は表裏とも平坦な面により構成されており、内面410a、該内面410aとは反対側となる外面410b、及び、内面410aと外面410bとを渡して厚さを形成する側面410cを備える。
本形態で第一シート410は内面410aを形成する材料からなる内層410dと、外面410bを形成する材料からなる外層410eとを有して構成されている。すなわち、第一シート410は複数の層が積層されてなり、そのうちの1つの層が内面410aを形成し、他の層が外面410bを形成している。内層410d及び外層410eの態様については上記した内層10d及び外層10eと同様に考えることができる。
第一シート410は本体411及び注入部412を備えている。本体411は作動流体が移動する密閉空間を形成するシート状の部位であり、本形態では平面視で角が円弧(いわゆるR)にされた長方形である。
注入部412は第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430により形成された密閉空間に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体411の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第一シート410の注入部412は内面410a側も外面410b側も平坦面とされている。
本形態で第二シート420は全体としてシート状の部材である。第二シート420は表裏とも平坦な面により構成されており、内面420a、該内面420aとは反対側となる外面420b、及び、内面420aと外面420bとを渡して厚さを形成する側面420cを備える。
本形態で第二シート420も内面420aを形成する材料からなる内層420dと、外面420bを形成する材料からなる外層420eとを有して構成されている。すなわち、第二シート420も複数の層が積層されてなり、そのうちの1つの層が内面420aを形成し、他の層が外面420bを形成している。内層420d及び外層420eの態様については上記した内層10d及び外層10eと同様に考えることができる。
そして第二シート420も本体421及び注入部422を有している。
本形態で第三シート430は、第一シート410の内層410dと第二シート420の内層420dとの間に挟まれて重ねられるシートであり、本体431に作動流体が移動するための構造が形成されている。図23には第三シート430を平面視した図を表した。図23(a)は第二シート420に重ねられる面の図、図24(b)は第一シート410に重ねられる面の図である。また図24には図23(a)にXXIV-XXIVで示した線に沿った切断面、図25には図23(a)にXXV-XXVで示した線に沿った切断面をそれぞれ示した。
第三シート430は本体431及び注入部432を備えている。本体431は作動流体が移動する密閉空間を形成するシート状の部位であり、本形態では平面視で角が円弧(いわゆるR)にされた長方形である。
注入部432は第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430により形成された密閉空間に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体431の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。注入部432には、第一シート410に重なる面側に注入溝432aが形成されている。注入溝432aは上記した注入溝22aと同様に考えることができる。
本体431は、外周接合部433、外周液流路部434、内側液流路部435、蒸気流路スリット436、及び、蒸気流路連通溝437が具備されている。
外周接合部433は、本体431の外周に沿って形成された部位である。そして外周接合部433のうち一方の面が第一シート410の面に重なって接合(拡散接合、ろう付け等)され、他方の面が第二シート420の面に重なって接合(拡散接合、ろう付け等)される。これにより、第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430に囲まれた密閉空間402が形成され、ここに作動流体が封入される。
外周接合部433は上記した外周接合部13と同様に考えることができる。
また、本体431の外周接合部433のうち、本体431の四隅には厚さ方向(z方向)に貫通する穴433aが設けられている。この穴433aは第一シート410、及び、第二シート420との重ね合せの際の位置決め手段として機能する。
外周液流路部434は、液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る流路である凝縮液流路3の一部を構成する部位である。外周液流路部434は本体431のうち外周接合部433の内側に沿って形成され、密閉空間402の外周に沿って環状となるように設けられている。そして外周液流路部434のうち、第二シート420に対向する側の面には液流路溝434aが形成されている。
外周液流路部434、及び、ここに具備される液流路溝434aは上記した外周液流路部14、及び、液流路溝14aと同様に考えることができる。
内側液流路部435も液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3の一部を構成する部位である。内側液流路部435は本体431のうち、環状である外周液流路部434の環の内側に形成されている。本形態の内側液流路部435は、本体431の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に一直線に延びる部位であり、複数(本形態では3つ)の内側液流路部435が同短辺に平行な方向(y方向)に間隔を有して配列され、蒸気流路スリット436の間に配置されている。
内側液流路部435のうち、第二シート420に対向する側の面には、内側液流路部435が延びる方向に平行な一直線状の溝である液流路溝435aが形成されている。内側液流路部435及び液流路溝435aは、上記した内側液流路部15及び液流路溝15aと同様に考えることができる。
蒸気流路スリット436は、蒸気状及び凝縮液状の作動流体が移動する部位で、蒸気流路4を構成するスリットである。蒸気流路スリット436は本体431のうち、環状である外周液流路部434の環の内側に形成された一直線状のスリットにより構成されている。詳しくは本形態の蒸気流路スリット436は、隣り合う内側液流路部435の間、及び、外周液流路部434と内側液流路部435との間に形成され、本体431の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びたスリットである。従って蒸気流路スリット436は第三シート430の厚さ方向(z方向)に貫通している。
そして、複数(本形態では4つ)の蒸気流路スリット436が同短辺に平行な方向(y方向)に配列されている。従って、図24からわかるように第三シート430は、y方向において、外周液流路部434及び内側液流路部435と蒸気流路スリット436とが交互に繰り返された形状を備えている。
このような蒸気流路スリット436は、上記した蒸気流路溝16と蒸気流路溝26とが組み合わされて形成される蒸気流路4の態様と同様に考えることができる。
本形態では蒸気流路スリット436の断面形状は楕円の円弧の一部同士が重なるようにして形成された形状で、厚さ方向中央が突出する形であるが、これに限らず正方形、長方形、台形等の四角形、三角形、半円形等と他の形態であってもよい。
蒸気流路連通溝437は、複数の蒸気流路スリット436を連通させる流路を形成する溝である。これにより、内側液流路部435が延びる方向における蒸気流路で生じる作動流体の移動のバランスを取ることができる。
また、これにより蒸気流路にある作動流体の均等化が図られたり、蒸気がより広い範囲に運ばれ、多くの液流路溝434a、435aによる凝縮液流路を効率よく利用できるようになったりもする。
本形態の蒸気流路連通溝437は、内側液流路部435が延びる方向の両端部及び蒸気流路スリット436が延びる方向の両端部と、外周液流路部434との間に形成されている。蒸気流路連通溝437は、隣り合う蒸気流路スリット436を連通させることができればよく、その形状は特に限定されることはないが、上記した蒸気流路連通溝17と蒸気流路連通溝27とを重ねて形成された流路と同様に考えることができる。
なお、本形態では注入溝432aを塞がないように蒸気流路連通溝437の一部に穴437aが設けられている。
このような第三シート430は、両面ごとに個別になされるエッチング、両面から同時のエッチング、プレス加工、又は、切削加工などにより作製することが可能である。
図26~図28には、第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430が組み合わされてベーパーチャンバー401とされたときの構造について説明する図を表した。図26には図21にXXVI-XXVIで示した線に沿った切断面、図27には図26の一部を拡大した図を表した。また図28には図21にXXVIII-XXVIIIで示した線に沿った切断面を表した。
図21、及び、図26~図28よりわかるように、第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430が重ねられるように配置され接合されることでベーパーチャンバー401とされている。このとき第一シート410の内面410a(内層410d)と第三シート430の一方の面(液流路溝434a、液流路溝435aが配置されていない側の面)とが向かい合うように配置され、第二シート420の内面420a(内層420d)と第三シート430の他方の面(液流路溝434a、液流路溝435aが配置された側の面)とが向かい合うように重ねられる。同様にして各シートの注入部412、422、432も重ねられる。
これにより、第一シート410と第二シート420との間には、第一シート410、第二シート420、及び、第三シート430で囲まれる密閉空間402が形成される。そしてここには凝縮液流路3、及び、蒸気流路4が形成される。これら密閉空間402内における凝縮液流路3及び蒸気流路4の形態については、上記したベーパーチャンバーと同様の考え方を適用することができる。
1、101、201、301、401 ベーパーチャンバー
2、102、202、302、402 密閉空間
3 凝縮液流路
4 蒸気流路
10、110、210、310、410 第一シート
10a 内面
10b 外面
10c 側面
10d 内層
10e 外層
11、 本体
12 注入部
13 外周接合部
14 外周液流路部
14a 液流路溝
14c 液連通開口部
15 内側液流路部
15a 液流路溝
15c 液連通開口部
16 蒸気流路溝
17 蒸気流路連通溝
20、120、220、320、420 第二シート
20a 内面
20b 外面
20c 側面
20d 内層
20e 外層
21 本体
22 注入部
23 外周接合部
24 外周液流路部
25 内側液流路部
26 蒸気流路溝
27 蒸気流路連通溝
430 第三シート
436 蒸気流路スリット

Claims (7)

  1. 複数のシートの間に密閉空間が形成されており、該密閉空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバーであって、
    前記密閉空間には、前記作動流体が凝縮液の状態で移動する流路である凝縮液流路と、前記凝縮液流路より流路断面積が大きく、前記作動流体が蒸気及び凝縮液の状態で移動する蒸気流路と、が備えられており、
    前記複数のシートのうち少なくとも1つは、前記ベーパーチャンバーの厚さ方向において内側に位置し、前記密閉空間を形成する層である内層と、前記ベーパーチャンバーの厚さ方向において前記内層よりも外側に位置する外層とを有しており、
    前記ベーパーチャンバーの平面視で前記凝縮液流路及び前記蒸気流路が具備される前記密閉空間に重なる部位には前記外層が具備され、前記ベーパーチャンバーの側面においては前記内層が露出し、
    前記外層を構成する材料の上降伏点又は0.2%耐力は、前記内層を構成する材料の上降伏点又は0.2%耐力よりも大きい、ベーパーチャンバー。
  2. 冷却対象とされる熱源が配置されるべき部位には前記外層が具備されていない請求項1に記載のベーパーチャンバー。
  3. 前記作動流体を前記密閉空間内に注入して封止した部位を備えており、該部位には前記外層が配置されていない、請求項1又は2に記載のベーパーチャンバー。
  4. 前記外層がめっき層である請求項1乃至のいずれかに記載のベーパーチャンバー。
  5. 筐体と、
    前記筐体の内側に配置された電子部品と、
    前記電子部品に対して直接又は他の部材を介して接触して配置された請求項1乃至のいずれかに記載されたベーパーチャンバーと、を備える、電子機器。
  6. 請求項に記載のベーパーチャンバーを製造する方法であって、
    前記内層を構成する材料による複数のシートを接合した後に、該接合した複数のシートをめっき被覆処理して前記外層を形成する、ベーパーチャンバーの製造方法。
  7. 請求項に記載のベーパーチャンバーを製造する方法であって、
    前記内層を構成する材料による複数のシートを個別にめっき被覆処理して前記外層を形成し、該めっき被覆処理の後に前記複数のシートを接合する、ベーパーチャンバーの製造方法。
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