JP2008082698A - 薄型シート状ヒートパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】
極めて薄型の筐体内に搭載された、CPU等の発熱電子部品を効率的に冷却するために使用することができる、薄型シート状ヒートパイプを提供する。
【解決手段】
箔状のシート1,2の周辺部4を対向配置して接合して形成された密閉されたコンテナと、前記コンテナ内に可動状態で収容されている、その内部に毛細管力を発揮し、かつ、流路5を備えた1枚の第1スペーサ3と、前記第1スペーサを挟んで可動状態で配置される、流路を備えていない2枚の第3スペーサ10,11と、前記コンテナ内に封入された作動流体とを備えたことを特徴としている。
【選択図】図3
Description
ヒートパイプには、その形状において、丸パイプ形状のヒートパイプ、平面形状のヒートパイプがある。CPU等の電子機器の被冷却部品の冷却用としては、被冷却部品への取り付けが容易であること、広い接触面が得られることから、平面型ヒートパイプが好んで用いられる。
ヒートパイプの内部には作動流体の流路となる空間が設けられ、その空間に収容された作動流体が、蒸発、凝縮等の相変化や移動をすることによって、熱の移動が行われる。
ヒートパイプの吸熱側において、ヒートパイプを構成する容器の材質中を熱伝導して伝わってきた被冷却部品が発する熱を潜熱として吸収して、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側においては、作動流体の蒸気は凝縮して潜熱を放出するとともに、再び液相状態に戻る。このように液相状態に戻った作動流体は再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動によって熱の移動が行われる。
重力式のヒートパイプにおいては、相変態によって液相状態になった作動流体は、重力によって、吸熱側に移動(還流)する。
特開2001−165584号に、シート状ヒートパイプが開示されている(以下、「先行技術」という)。先行技術においては、コンテナに接合された複数個の柱状のスペーサが用いられている。
即ち、柱状スペーサの間隔が不均一で、性能にバラツキが生じる可能性があり、信頼性に欠ける。更に、柱状スペーサが接着剤等によってコンテナに接合されているので、コンテナ内部で非凝縮性ガスを発生させ、長期信頼性を損ねるおそれがある。更に、コンテナ本体を曲げると、接合した柱状スペーサがコンテナから剥がれ、性能が劣化するおそれがある。更に、製品ごとの個体差が大きくなる可能性がある。更に、部材数および工程数が多くなるという問題点がある。
更に、薄型化のためにコンテナを形成する箔を薄くすると、箔の持つ強度が著しく低下するので、大気圧に押されて流路に沿って凹みが生じて、蒸気流路が狭くなり、液だまりが生じて流路を閉塞するおそれがある。更に、コンテナ表面に凹凸が生じて、被冷却部品との接触面積が減少するという問題点がある。
その結果、2枚の箔状のシートの周辺部を接合して形成された密閉されたコンテナの中に、その内部に毛細管力を発揮し、かつ、流路を備えたスペーサを可動状態で収容することによって、可撓性を備え、コンテナを円滑に曲げることができ、均一な蒸気流路を確保しながら、薄型化したヒートパイプを提供することができることが判明した。
この発明の薄型シート状ヒートパイプは、2枚の箔状のシートの周辺部を接合して形成された密閉されたコンテナと、コンテナ内に可動状態で収容されている、その内部に毛細管力を発揮し、かつ、流路を備えた少なくとも1枚のスペーサと、コンテナ内に封入された作動流体とを備えた薄型シート状ヒートパイプである。
上述した少なくとも1枚のスペーサが、長手方向に沿って形成された流路を備えたシートからなる第1スペーサと、第1スペーサの流路と交叉する方向に沿って形成された流路を備えたシートからなる第2スペーサとからなっており、第1スペーサと2枚の第2スペーサが可動状態で配置されている。流路は、任意の幅、高さおよび長さを有し、任意の方向に、任意の間隔で配置され、更に、並列、蛇行、放射状などの形状で配置されており、そして、形成される流路の数は、1本または複数本であってもよい。
スペーサが、長手方向に沿って形成された流路を備えたシートからなる第1スペーサ、第1スペーサの流路と交叉する方向に沿って形成された流路を備えたシートからなる第2スペーサ、その他任意形状の流路を備えたスペーサ、流路を備えていないシートからなる第3スペーサとからなっており、上述した流路を備えたスペーサのうち、少なくとも1種類以上のスペーサを挟んで2枚の第3スペーサが可動状態で配置されていてもよい。また、第1スペーサ、第2スペーサ、その他任意形状の流路を備えたスペーサ、および第3スペーサは、それぞれ任意の枚数、任意の順序で積層させてもよい。
毛管力を更に増加させるために、流路を有するスペーサ3そのものにグルーブを形成したり、その表面を粗化させたりしてもよい。また、スペーサ3を、毛管力を有するシート、例えば、メッシュ、焼結金属シート等によって形成してもよい。
上述したスペーサが、上述した第2スペーサ、第1スペーサ、第2スペーサの順で一体的に形成されており、第2スペーサと第1スペーサとの間、および、第1スペーサと第2スペーサとの間にそれぞれ複数個の孔が形成され、複数個の孔が形成された部分において折り曲げて、第1スペーサを挟んで2枚の第2スペーサが配置されている。このように形成されたスペーサは、コンテナ内で可動状態に配置される。
上述したスペーサが、長手方向に沿って複数本並列して形成された流路25を備えたシートにメッシュを巻き付けて形成されている第1スペーサ23と、流路を備えていないシートからなる第3スペーサ26、27とからなっており、第1スペーサ23を挟んで2枚の第3スペーサ26、27が可動状態で配置されている。
上述したように、任意の形状のコンテナを形成することができる。蒸気流路の形状は、スペーサに施すパンチングプレスを適宜替えることによって、所望の形状のスペーサを容易に量産することができ、設計の自由度を大幅に上げることができる。
2.箔状のシート
3.第1スペーサ
4.周辺部
5.流路(スリット)
6.第2スペーサ
7.第2スペーサの流路
8.スペーサ
9.流路
10、11.第3スペーサ
13、14.スペーサ
15、16.第4スペーサ
12.孔
17.スポット溶接
18、20.孔部
58.螺旋状に巻かれたカバー
61.切り込み
66、67.メッシュシート
Claims (14)
- 箔状のシートの周辺部を対向配置して接合して形成された密閉されたコンテナと、前記コンテナ内に可動状態で収容されている、その内部に毛細管力を発揮し、かつ、流路を備えた1枚の第1スペーサと、前記第1スペーサを挟んで可動状態で配置される、流路を備えていない2枚の第3スペーサと、前記コンテナ内に封入された作動流体と
を備えた薄型シート状ヒートパイプ。 - 2枚の前記第3スペーサの厚さが互いに異なっている、請求項1に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 箔状のシートの周辺部を対向配置して接合して形成された密閉されたコンテナと、前記コンテナ内に可動状態で収容されている、その内部に毛細管力を発揮し、長手方向に沿って複数本並列して形成された流路を備えたシートからなる第1スペーサと、前記流路の端部に対応する位置に連通路をそれぞれ備え、中央部の所定位置に形成された複数個の孔部を備えたシートからなる第4スペーサと前記コンテナ内に封入された作動流体とを備えた薄型シート状ヒートパイプであって、
前記第1スペーサを挟んで2枚の第4スペーサが配置され、前記コンテナを形成する前記箔状のシートの前記複数個の孔部に対応する位置を更にスポット溶接によって接合し、前記スペーサが可動状態で配置されていることを特徴とする、薄型シート状ヒートパイプ。 - 前記第1スペーサがメッシュ状シートによって形成されている、請求項1または2に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記第1スペーサが、長手方向に沿って複数本並列して形成された前記流路を備えたシートにメッシュを巻き付けて形成されている、請求項1または2に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記第1スペーサが、畳織メッシュの長手方向に沿って複数本並列して形成された前記流路を備えている、請求項1または2に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 箔状のシートの周辺部を対向配置して接合して形成された密閉されたコンテナと、前記コンテナ内に可動状態で収容されている、その内部に毛細管力を発揮し、かつ、流路を備えた少なくとも1枚の第1スペーサと、前記コンテナ内に可動状態で収容されている、流路を備えていないシートからなる少なくとも1枚の第3スペーサと、前記コンテナ内に封入された作動流体とを備えた薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記流路を備えた第1スペーサが、少なくとも2枚以上積層され、それぞれのスペーサに備えられた流路の形状が同一である、請求項7に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記流路を備えた第1スペーサが少なくとも2枚以上積層され、それぞれのスペーサ同士が固定されている、請求項8に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記流路を備えていないスペーサが、箔または多孔質シートのいずれか一方または両方を積層して配置されている、請求項7に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記流路を備えていないスペーサが、前記流路を備えているスペーサの一方の面に並列した状態、または、両面を挟んだ状態で配置され、または、前記流路を備えているスペーサを螺旋状に取り囲んだ状態で配置されている、請求項7に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記流路の断面が、1.5mm以上3mm以下の幅、および、0.3mm以上1.0mm以下の高さを有している、請求項7に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 前記流路を備えていないスペーサが、0.05mm以上0.15mm以下の厚さを有している、請求項7に記載の薄型シート状ヒートパイプ。
- 箔状のシートの周辺部を対向配置して接合して形成された密閉されたコンテナと、前記コンテナ内に可動状態で収容されている、その内部に毛細管力を発揮し、かつ、流路を備えた1枚の第1スペーサと、前記コンテナ内に可動状態で収容されている、前記第1スペーサの流路と交差する方向に沿って形成された流路を備えたシートからなる第2スペーサと、前記コンテナ内に封入された作動流体とを備えた薄型シート状ヒートパイプ。
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