JP7205318B2 - R-t-b系永久磁石 - Google Patents

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Description

本発明は、R-T-B系永久磁石に関する。
R-T-B系永久磁石は優れた磁気特性を有することが知られている。近年では、さらに磁気特性を向上させることが要求されている。
例えば、特許文献1では、重希土類元素を含む化合物をR-T-B系永久磁石の表面に付着させて加熱することにより、重希土類元素をR-T-B系永久磁石の粒界に拡散させることで特に保磁力をさらに向上させることが記載されている。しかし、特許文献1に記載の方法では、重希土類元素が粒界三重点に偏析することがある。そして、効率的に重希土類元素を拡散させることができず、保磁力向上効果が効率的に発揮されない場合がある。
国際公開第2006/043348号
本発明は、重希土類元素の使用量を低減しつつ重希土類元素を磁石中に拡散し、磁気特性(保磁力HcJおよび残留磁束密度Br)に優れたR-T-B系永久磁石を提供することを目的とする。
本発明に係るR-T-B系永久磁石は
Rが希土類元素であり、Tが鉄族元素であり、Bがホウ素であるR-T-B系永久磁石であって、
14B結晶相からなる主相粒子および前記主相粒子の間に形成された粒界を含み、
前記粒界中に、前記主相粒子内よりも、R、O、CおよびNの濃度がともに高いR-O-C-N濃縮部を含み、
前記R-T-B系永久磁石の表面に存在するR-O-C-N濃縮部におけるC/R比(原子数比)をC/R(S)、前記R-T-B系永久磁石の中央に存在するR-O-C-N濃縮部におけるC/R比(原子数比)をC/R(C)とする場合に、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
C/R(S)>C/R(C) ・・・式(1)
本発明にかかるR-T-B系永久磁石は、上記の特徴を有することで重希土類元素の使用量を比較的低減しつつ磁気特性(保磁力HcJおよび残留磁束密度Br)に優れたR-T-B系永久磁石となる。
本発明にかかるR-T-B系永久磁石は、ΔC/R(S)=C/R(S)-C/R(C)として
ΔC/R(S)>0.03を満たしていてもよい。
本発明にかかるR-T-B系永久磁石は、前記R-T-B系永久磁石の表面から深さ300μmの部分に存在するR-O-C-N濃縮部におけるC/R原子比率をC/R(300)とし、ΔC/R(300)=C/R(300)-C/R(C)として、
ΔC/R(300)≧0.01を満たしていてもよい。
本発明にかかるR-T-B系永久磁石は、重希土類元素を含み、前記R-T-B系永久磁石の中央から表面に向かって重希土類元素が濃くなるように分布していてもよい。
本発明にかかるR-T-B系永久磁石は、前記R-T-B系永久磁石の表面に存在するR-O-C-N濃縮部におけるN/R比(原子数比)をN/R(S)、前記R-T-B系永久磁石の中央に存在するR-O-C-N濃縮部におけるN/R比(原子数比)をN/R(C)とする場合に、下記式(2)を満たしていてもよい。
N/R(S)<N/R(C) ・・・式(2)
本発明の一実施形態に係るR-T-B系永久磁石の断面の模式図である。 試料採取時にR-T-B系永久磁石を切り出す位置を示す模式図である。 イオンビーム加工部の位置を示す模式図である。 図3のイオンビーム加工部の拡大模式図である。 FIB-SEMの模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1は、R14B相からなる主相粒子5および主相粒子5の間に形成された粒界7を有し、粒界7中に、主相粒子5(主相粒子5の略中心)よりも、R(希土類元素)、O(酸素)、C(炭素)およびN(窒素)の濃度がともに高いR-O-C-N濃縮部3を有する。
14B相はR14B型の正方晶からなる結晶構造を有する相である。また、主相粒子5内にR14B相以外の相を含有してもよく、R、TおよびB以外の元素を含有してもよい。主相粒子5の平均粒子径は、通常1μm~30μm程度である。なお、主相粒子5がR14B相からなることはEPMAおよびTEMで確認することができる。また、主相粒子5の平均粒子径は主相粒子5の円相当径の平均である。
R-O-C-N濃縮部3は、隣り合う2つ以上の主相粒子5の間に形成された粒界7中に存在し、R濃度、O濃度、C濃度およびN濃度がいずれも主相粒子5内よりも高い領域である。R-O-C-N濃縮部3には、R、O、CおよびN以外の元素が含まれていてもよい。R-O-C-N濃縮部3は、主に3つ以上の主相粒子の間に形成された粒界(粒界3重点)に存在する。また、R-O-C-N濃縮部3は、隣り合う2つの主相粒子の間に形成された粒界(2粒子粒界)に存在してもよい。
また、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1の粒界7には、R-O-C-N濃縮部3以外の相が存在していてもよい。例えば、R濃度が70at%以上であるRリッチ相などが挙げられる。以下、粒界に存在する相や濃縮部のことを総称して粒界相と呼ぶ場合がある。
Rは、希土類元素の少なくとも1種を表す。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するScとYとランタノイド元素とのことをいう。ランタノイド元素には、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が含まれる。希土類元素は、軽希土類元素および重希土類元素に分類される。本願では、重希土類元素とは、原子番号64~71の希土類元素、すなわちGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luをいい、軽希土類元素は重希土類元素以外の希土類元素をいう。本願ではYは軽希土類元素に分類される。以下、重希土類元素をRHと表記する場合がある。また、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1は重希土類元素RHを含む。
Tは、鉄族元素を表す。Tは、Fe単独であってもよく、Feの一部がCoで置換されていてもよい。Feの一部をCoに置換する場合、磁気特性を低下させることなく温度特性および耐食性を向上させることができる。
Bは、ホウ素を表す。また、ホウ素の一部を炭素に置換することができる。ホウ素の一部を炭素に置換すること、すなわち、Bサイトにホウ素および炭素を含むことにより、時効処理の際に厚い二粒子粒界を形成しやすくなり、保磁力を向上させやすくなる効果がある。なお、ホウ素の一部を炭素に置換する場合の置換量は、R14B相に含まれるB全体の20at%程度以下としてもよい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1は、その他の元素を含んでもよい。その他の元素としては、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、Si、Bi、Snが挙げられる。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1におけるRの含有量は任意である。Rの含有量は、26重量%以上33重量%以下としてもよい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1におけるBの含有量は任意である。Bとして含まれるホウ素の含有量は、0.8重量%以上1.2重量%以下としてもよい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1におけるTの含有量は、R-T-B系永久磁石1の構成要素における実質的な残部である。また、TとしてCoを含有する場合、Coの含有量は、鉄族元素の含有量の和に対して3.0重量%以下としてもよい。TとしてNiを含有する場合、Niの含有量は、鉄族元素の含有量の和に対して1.0重量%以下としてもよい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1の酸素(O)量は、任意である。例えば、300ppm以上、3000ppm以下としてもよい。O量は、耐食性を向上させる観点からは高い方が好ましく、磁気特性を向上させる観点からは低い方が好ましい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1の炭素(C)量は、任意である。例えば、300ppm以上3000ppm以下としてもよい。C量がこの範囲を外れると、磁気特性は低下しやすい傾向にある。また、上記の通り、R-T-B系永久磁石1においてBサイトのホウ素の一部を炭素に置換することによって、R-T-B系永久磁石1が炭素を含んでもよい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1の窒素(N)量は、任意である。例えば、200ppm以上1500ppm以下としてもよい。N量がこの範囲を外れると磁気特性は低下しやすい傾向にある。
R-T-B系永久磁石1中のO量、C量、N量の測定方法は、一般的に知られている方法を用いることができる。O量は、例えば、不活性ガス融解-非分散型赤外線吸収法により測定される。C量は、例えば、酸素気流中燃焼-赤外線吸収法により測定される。N量は、例えば、不活性ガス融解-熱伝導度法により測定される。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1では、R-O-C-N濃縮部3は磁石全体に概ね均一に存在してもよい。また、R-T-B系永久磁石1の断面におけるR-O-C-N濃縮部3の面積割合は任意であるが、R-T-B系永久磁石1の表面および中央で1~5%程度であってもよく、3~5%であることが好ましい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1におけるR-O-C-N濃縮部3の面積割合は、EPMA(電子線マイクロアナライザ)を用いてR-T-B系永久磁石1の研磨断面(後述する観察面16)を元素分析し、得られた元素分析像について画像解析を行うことで評価することができる。具体的には、まず、R-T-B系永久磁石1を任意の断面で切断し、研磨して研磨断面を得る。次に、当該研磨断面において観察視野を設定し、当該観察視野での元素分布像を取得する。観察視野の形状は、R-T-B系永久磁石1に含まれる各粒界相のサイズや各粒界相の分散状態などに応じて、適切に決定すればよい。元素分析像により、各元素の分布状態が明らかになり、主相および各粒界相の分布状態が明らかになる。隣り合う2つ以上の主相粒子5の間に形成された粒界7中に存在し、R濃度、O濃度、C濃度およびN濃度がいずれも主相粒子5内よりも高い領域をR-O-C-N濃縮部3とする。R-O-C-N濃縮部3の面積割合は、EPMAにより観察視野を観察して得られる元素分析像、および、SEMにより同一の観察視野を観察して得られる反射電子像から、画像解析ソフトを用いて算出することができる。画像解析ソフトでは、観察視野全体の面積に対するR-O-C-N濃縮部3の面積割合を算出する。すなわち、ここでいう面積割合とは、粒界7だけではなく主相粒子5も含む観察視野全体の面積に対するR-O-C-N濃縮部3の面積割合を意味する。
R-O-C-N濃縮部3におけるRの含有量と、O、CおよびNの合計含有量との比は、原子数基準で概ね50:50となる。ただし、分析法により測定値は変動し、例えばEPMAを用いて分析する場合には、原子数基準で50:50から多少ずれ、概ね40:60になることがある。
また、R-O-C-N濃縮部3に含まれるO、CおよびNの合計原子数を100at%とする場合において、Oの原子数は30~60at%程度、Cの原子数は10~30at%程度、Nの原子数は10~50at%程度である。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1は重希土類元素RHが粒界7を通過して、主相粒子5の外縁部にRHリッチなシェルを形成する。なお、RHリッチなシェルは主相粒子5に含まれる。この場合に、特に保磁力HcJが向上する。また、主相粒子5全体に重希土類元素RHが含まれる場合と比較して少量の重希土類元素RHでも保磁力HcJが向上するため、低コストであり、かつ、残留磁束密度Brも比較的高く維持できる。
しかし、R-O-C-N濃縮部3は重希土類元素RHを取り込む量が多く、主相粒子5の外縁部に存在する重希土類元素RHを減少させる。このため、R-O-C-N濃縮部3の存在が主相粒子5の外縁部に形成されるRHリッチなシェル中のRH濃度が低下する要因となる。さらに、R-O-C-N濃縮部3に取り込まれた重希土類元素RHは保磁力HcJの向上にほとんど寄与しない。ここで、後述するRH拡散工程前のR-O-C-N濃縮部3におけるCの濃度が高いほどR-O-C-N濃縮部3が重希土類元素RHを取り込む量が少なくなる。しかし、R-T-B系永久磁石1全体でR-O-C-N濃縮部3におけるCの濃度を高くする場合には、R-O-C-N濃縮部3の面積割合も大きくなる。上記の通り、R-O-C-N濃縮部3は主に粒界3重点に存在する。この結果、2粒子粒界の形成に寄与するRが減少し、2粒子粒界の幅が狭くなり、重希土類元素RHが2粒子粒界を通過しにくくなる。そして、主相粒子5の外縁部にRHリッチなシェルが形成されにくくなる。
本発明者らは、R-T-B系永久磁石1の表面に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるCの濃度をR-T-B系永久磁石1の中央に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるCの濃度よりも大きくすることで、R-T-B系永久磁石1の表面および表面近傍においてR-O-C-N濃縮部に取り込まれる重希土類元素の量を減少させることができ、一方、2粒子粒界相の幅も十分に確保できることを見出した。その結果、特にR-T-B系永久磁石1の表面における重希土類元素RHの含有量が小さくても保磁力HcJが向上し、かつ、残留磁束密度Brも高く維持することができる。
具体的には、R-T-B系永久磁石1の表面に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるC/R比(原子数比)をC/R(S)、R-T-B系永久磁石1の中央に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるC/R比(原子数比)をC/R(C)とする場合に、下記式(1)を満たす。また、ΔC/R(S)=C/R(S)-C/R(C)として、ΔC/R(S)>0.03を満たすことが好ましく、さらに好ましくは、ΔC/R(S)>0.10を満たし、さらに好ましくは、ΔC/R(S)>0.15を満たす。また、ΔC/R(S)の上限には特に制限はないが、0.24以下であってもよい。
C/R(S)>C/R(C) ・・・式(1)
さらに、R-T-B系永久磁石1の表面に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるRH/R比(原子数比)が0.2以下であってもよい。すなわち、R-T-B系永久磁石1の表面に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるCの濃度が大きいため、RHが表面でトラップされずに全体に拡散する。そして、R-T-B系永久磁石1の表面に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるRHの濃度が少なくなる。すなわち、より効率的に比較的少量のRHで保磁力HcJを向上させているR-T-B系永久磁石1となる。
なお、ここでのR-T-B系永久磁石1の表面はR-T-B系永久磁石1の表面から深さ50μmまでの範囲を含む。さらに、R-T-B系永久磁石1の中央とは、R-T-B系永久磁石1の2つの磁極面(磁石が発生させている主な磁力線が通過する磁石表面)間の距離をdとして、一方の磁極面からの距離が(d/2)±(d/10)を満たす範囲のことである。
さらに好ましくは、R-T-B系永久磁石1の表面から深さ300μmの部分に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるC/R原子比率をC/R(300)とし、ΔC/R(300)=C/R(300)-C/R(C)として、ΔC/R(300)≧0.01を満たす。また、ΔC/R(300)>0.03を満たすことが好ましく、ΔC/R(300)>0.10を満たすことがさらに好ましい。また、ΔC/R(300)には特に上限はないが、0.13以下であってもよい。
なお、ここでのR-T-B系永久磁石1の表面から深さ300μmの部分とはR-T-B系永久磁石1の表面から深さ300μmから深さ350μmまでの部分を含む。また、本明細書では、一般的にR-T-B系永久磁石1の表面から深さXμmの部分といえば、R-T-B系永久磁石1の表面から深さXμmから深さ(X+50)μmまでの部分を含む。
さらに好ましくは、R-T-B系永久磁石1の中央から表面に向かって重希土類元素が濃くなるように分布している。
さらに好ましくは、R-T-B系永久磁石1の表面に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるN/R比(原子数比)をN/R(S)、R-T-B系永久磁石1の中央に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるN/R比(原子数比)をN/R(C)とする場合に、下記式(2)を満たす。
N/R(S)<N/R(C) ・・・式(2)
また、R-T-B系永久磁石1の表面に存在するR-O-C-N濃縮部3におけるRH/R比(原子数比)が0.2以下であることが好ましい。
以下、各深さにおけるR-O-C-N濃縮部3のC/R比、N/R比、RH/R比の測定方法について説明するが、C/R比、N/R比、RH/R比の測定方法は下記の方法に限定されない。
まず、磁石組織を観察するため、R-T-B系永久磁石1を加工する。また、R-T-B系永久磁石1が着磁されている場合には熱消磁を施す。熱消磁の温度は例えば350℃以下としてもよい。そして、R-T-B系永久磁石1から対向する2つの磁極面12を含む断面が観察できるように測定試料を切り出す。例えば、図2に示すようにR-T-B系永久磁石1から測定試料14を切り出す。
次に、測定試料14の表面のうち上記の切り出しによって生じた断面であって2つの磁極面12を含む断面の一つを観察面16とする。観察面16について、1mm程度粗研磨した後に仕上げ研磨を行い、光沢を出す。なお、仕上げ研磨では水等の研磨液を使用しない乾式研磨にて研磨することが好ましい。水等の研磨液を用いる場合にはR-O-C-N濃縮部3が水酸化しやすいためである。水酸化したR-O-C-N濃縮部3は後述するイオンビーム加工によりイオンビーム加工面23では除去される。しかし、水等の研磨液を用いる場合には水酸化したR-O-C-N濃縮部3が多くなりすぎるために十分に除去できず、適切な解析が行えなくなる場合がある。その後、仕上げ研磨を行った観察面16について、集束イオンビーム走査型電子顕微鏡(以下、「FIB-SEM」と称する)を用いて真空中でイオンビーム加工を施す。イオンビーム加工により、図3、図4に示すように、イオンビーム加工面23を含むイオンビーム加工部21を形成する。FIBによるイオンビーム加工は、図3、図4のZ軸の負の方向にイオンビームを照射することによって行う。図4は図3のイオンビーム加工部21を拡大したものである。図3、図4では、R-T-B系永久磁石1の表面(磁極面12)からの深さ方向がX軸方向となる。そして、X軸方向に沿って複数のイオンビーム加工部21を形成する。なお、イオンビーム加工面23が観察面16からY軸の負の方向に3μm以上離れるようにイオンビーム加工部21を形成する。各イオンビーム加工部21におけるイオンビーム加工面23に100μm以上×100μm以上の観察視野を設定する。イオンビーム加工は、粗加工および仕上げ加工の2段階で行ってもよい。イオンビーム加工は観察を行うそれぞれの深さについて行い、観察を行うそれぞれの深さにおいて100μm以上×100μm以上の観察視野が得られるように行う。
イオンビーム加工の条件は任意である。イオンの種類としては、例えばガリウムが挙げられる。また、ガリウムを用いる場合には、加速電圧30~40kVおよび電流値50pA~200nAで粗加工および仕上げ加工を実施する。ガリウム以外のイオンを用いる場合は、加速電圧および電流値を適宜変更する。
次に、倍率500倍以上5000倍以下でFIB-SEMにおける走査型電子顕微鏡(SEM)の機能を用いて、イオンビーム加工を施したそれぞれの深さのイオンビーム加工部21が有するイオンビーム加工面23に各観察視野を設定し、観察する。そして、それぞれの深さのイオンビーム加工面23におけるR-O-C-N濃縮部3を特定する。一つの深さのイオンビーム加工面23について少なくとも5個の直径(円相当径)2μm以上のR-O-C-N濃縮部3を特定する。なお、直径(円相当径)2μm以上のR-O-C-N濃縮部3が5個以上特定できない場合には、直径(円相当径)1.0μm以上2μm未満のR-O-C-N濃縮部3を含めて少なくとも5個のR-O-C-N濃縮部3を特定する。なお、円相当径とは、面積が等しい円の直径のことである。また、R-O-C-N濃縮部3におけるR、O、CおよびNの濃度が主相粒子5におけるR、O、CおよびNの濃度よりも高いことを確認する。R、O、CおよびNの濃度の確認については、FIB-SEMに付属したエネルギー分散型X線分光装置(EDS)もしくは波長分散型X線分析(WDS)を用いて調べることで容易に実施できる。
そして、特定したR-O-C-N濃縮部3の中心付近についてEPMAを用いて点分析を行う。ここで、測定試料14をFIB-SEMからEPMAに移動させるが、EPMAに導入させる際に大気に暴露しないか、暴露しても短時間であることが重要である。
本実施形態のR-T-B系永久磁石1では、R-O-C-N濃縮部3が大気中に露出すると、大気中のHOがR-O-C-N濃縮部3と反応してしまう。そして、Nがアンモニアとなり気化してしまう。その結果、R-O-C-N濃縮部3の組成が正確に測定できなくなる。
EPMAを用いた点分析では、一つのイオンビーム加工面23における少なくとも5個の特定したR-O-C-N濃縮部3について、中心付近について点分析を行い、点分析を行った各R-O-C-N濃縮部3のC/R比、N/R比、RH/R比を算出する。そして、平均することで各深さにおけるR-O-C-N濃縮部3のC/R比、N/R比、RH/R比を算出する。この際に、算出するC/R比、N/R比、RH/R比について、最も値が大きい点分析結果および最も値が小さい点分析結果を除いて平均してもよい。
また、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1は、任意の形状に加工して使用することができる。例えば、直方体、六面体、平板状、四角柱などの柱状、R-T-B系永久磁石の断面形状がC型の円筒状等の任意の形状とすることができる。四角柱としては、例えば、底面が長方形の四角柱、底面が正方形の四角柱であってもよい。
また、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1には、当該磁石を加工して着磁した磁石製品と、当該磁石を着磁していない磁石製品との両方が含まれる。
<R-T-B系永久磁石の製造方法>
上述した構成を有する本実施形態に係るR-T-B系永久磁石を製造する方法の一例について説明する。本実施形態に係るR-T-B系永久磁石を製造する方法は、以下の工程を有する。
(a)原料合金を準備する合金準備工程
(b)原料合金を粉砕する粉砕工程
(c)粉砕した原料合金を成形する成形工程
(e)成形体を焼結し、R-T-B系永久磁石基材を得る焼結工程
(f)R-T-B系永久磁石基材を加工する加工工程
(g)R-T-B系永久磁石基材の表面に存在するR-O-C-N濃縮部を炭化する炭化工程
(h)R-T-B系永久磁石基材の粒界中に重希土類元素を拡散させる拡散工程
(i)R-T-B系永久磁石を時効処理する時効処理工程
(j)R-T-B系永久磁石を冷却する冷却工程
(k)R-T-B系永久磁石に表面処理する表面処理工程
[合金準備工程]
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石における原料合金を準備する。本実施形態に係るR-T-B系永久磁石の組成に対応する原料金属を、真空又はArガスなどの不活性ガス雰囲気中で溶解した後、溶解した原料金属を用いて鋳造を行うことによって所望の組成を有する原料合金を作製する。なお、本実施形態では、1合金法の場合について説明するが、主相系合金と粒界系合金とを別個に作製する2合金法でもよい。
原料金属としては、例えば、希土類金属あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金や化合物等を使用することができる。原料金属を鋳造する鋳造方法は、例えばインゴット鋳造法やストリップキャスト法やブックモールド法や遠心鋳造法などである。得られた原料合金は、凝固偏析がある場合は必要に応じて均質化処理を行う。原料合金の均質化処理を行う際は、真空又は不活性ガス雰囲気の下、700℃以上1500℃以下の温度で1時間以上保持して行う。これにより、R-T-B系永久磁石用合金は融解されて均質化される。
[粉砕工程]
原料合金が作製された後、原料合金を粉砕する。
粉砕工程は、粒径が数百μm~数mm程度になるまで粉砕する粗粉砕工程と、粒径が数μm程度になるまで微粉砕する微粉砕工程との二段階で行うことができる。
(粗粉砕工程)
原料合金を各々粒径が数百μm~数mm程度になるまで粗粉砕する。これにより、原料合金の粗粉砕粉末を得る。粗粉砕は、原料合金に水素を吸蔵させた後、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づいて水素を放出させ、脱水素を行なうことで自己崩壊的な粉砕(水素吸蔵粉砕)を生じさせることによって行う。また、粗粉砕工程は、上記のように水素吸蔵粉砕を用いなくてもよく、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等の粗粉砕機を用いて行ってもよい。
また、高い磁気特性を得るために、粉砕工程から後述する焼結工程までの各工程の雰囲気は、低酸素濃度とすることが好ましい。酸素濃度は、各製造工程における雰囲気の制御等により調節される。各製造工程の酸素濃度が高いと原料合金の粉末中の希土類元素が酸化してR酸化物が生成されてしまい、焼結中に還元されずR酸化物の形でそのまま粒界に析出し、得られるR-T-B系永久磁石の残留磁束密度Brが低下する。そのため、例えば、各工程の酸素の濃度を100ppm以下とすることが好ましい。
(微粉砕工程)
原料合金を粗粉砕した後、得られた原料合金の粗粉砕粉末を平均粒子径が数μm程度になるまで微粉砕する。これにより、原料合金の微粉砕粉末を得る。粗粉砕した粉末を更に微粉砕することで、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは3μm以上5μm以下の粒子を有する微粉砕粉末を得ることができる。
微粉砕は、粉砕時間等の条件を適宜調整しながら、ジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライター等の微粉砕機を用いて粗粉砕した粉末の更なる粉砕を行なうことで実施される。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば、N2ガス)を狭いノズルより
開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により原料合金の粗粉砕粉末を加速して原料合金の粗粉砕粉末同士の衝突やターゲット又は容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
原料合金の粗粉砕粉末を微粉砕する際、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸アミド等の粉砕助剤を添加することにより、成形時に配向性の高い微粉砕粉末を得ることができる。
[成形工程]
次に、原料合金の微粉砕粉末を目的の形状に成形する。これにより成形体が得られる。成形工程は、微粉砕粉末を、電磁石の間に配置された金型内に充填して加圧することによって、任意の形状に成形する。このとき、磁場を印加しながら加圧することで、微粉砕粉末に所定の配向を生じさせ、結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。得られる成形体は特定方向に配向するので、より磁気異方性の強いR-T-B系永久磁石基材が得られる。
[焼結工程]
磁場中で成形し、目的の形状に成形して得られた成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結し、R-T-B系永久磁石を得る。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、成形体に対して、例えば、真空中又は不活性ガスの存在下、1000℃以上1200℃以下で1時間以上10時間以下、加熱する処理を行うことにより焼結する。これにより、微粉砕粉末が液相焼結を生じ、主相の体積比率が向上したR-T-B系永久磁石基材が得られる。また、焼結後のR-T-B系永久磁石基材は、生産効率を向上させる観点から急冷させることが好ましい。
この時点で磁気特性を測定する場合には時効処理を施す。具体的には、焼結後、得られたR-T-B系永久磁石基材を焼結時よりも低い温度で保持することなどによって、R-T-B系永久磁石基材に時効処理を施す。時効処理は、例えば、700℃以上900℃以下の温度で1時間から3時間、更に500℃から700℃の温度で1時間から3時間加熱する2段階加熱や、600℃付近の温度で1時間から3時間加熱する1段階加熱等、時効処理を施す回数に応じて適宜処理条件を調整する。このような時効処理によって、R-T-B系永久磁石基材の磁気特性を向上させることができる。また、時効処理は加工工程の後に行ってもよい。
R-T-B系永久磁石基材に時効処理を施した後、R-T-B系永久磁石基材はArガス雰囲気中で急冷を行う。これにより、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石基材を得ることができる。冷却速度は、特に限定されるものではなく、30℃/min以上とするのが好ましい。
[加工工程]
得られたR-T-B系永久磁石基材は、必要に応じて所望の形状に加工してもよい。加工方法は、例えば切断、研削などの形状加工や、バレル研磨などの面取り加工などが挙げられる。
[炭化工程]
ここで、後述する拡散工程の前に、主にR-T-B系永久磁石基材の表面におけるR-O-C-N濃縮部を炭化させる炭化工程を行う。この工程により、C/R(S)>C/R(C)であるR-T-B系永久磁石基材が得られる。
R-T-B系永久磁石基材の表面におけるR-O-C-N濃縮部を炭化させる方法は任意である。例えば、希土類元素の炭化物(以下、単に希土類炭化物ともいう)をR-T-B系永久磁石基材の表面に付着させた後、熱処理を行う方法が挙げられる。
なお、希土類炭化物を付着させる方法には特に制限は無い。例えば、蒸着、スパッタリング、電着、スプレー塗布、刷毛塗り、ジェットディスペンサ、ノズル、スクリーン印刷、スキージ印刷、シート工法等を用いる方法がある。
希土類炭化物の種類、付着量、熱処理温度などを適切に制御することで、最終的に得られるR-T-B系永久磁石の磁気特性を好適に制御することができる。
希土類炭化物の付着量が少なすぎるとR-T-B系永久磁石の表面におけるR-O-C-N濃縮部の炭化が十分に進行せず、保磁力HcJの向上効果が小さくなる。逆に希土類炭化物の付着量が多すぎると、Rリッチ相を炭化させてしまい粒界7の幅が狭くなるため、保磁力HcJの向上効果が小さくなる。さらに、残留磁束密度Brの低下も大きくなる。
希土類炭化物の種類は任意であるが、軽希土類炭化物を用いることが好ましい。重希土類元素RHの炭化物を用いる場合には、重希土類元素RHの含有量が過剰となりやすく、特にR-T-B系永久磁石表面のRH/R比が過剰になりやすい。その結果、残留磁束密度Brが低下しやすくなる。
希土類炭化物に含まれる軽希土類元素の種類は任意であるが、Ndおよび/またはPrであることが好ましい。すなわち、軽希土類炭化物としては、Nd炭化物(NdC)、Pr炭化物(PrC)およびジジム炭化物(NdCとPrCとの混合物)を用いることが好ましい。なお、NdとPrとを比較した場合には、Ndを用いた方が残留磁束密度Brが高くなりやすい傾向がある。また、Prを用いた方が保磁力HcJが高くなりやすい傾向がある。
希土類炭化物を塗布により付着させる場合には希土類元素を含む炭化物および溶媒からなる塗料を塗布することが一般的である。塗料の態様には特に制限はない。
希土類炭化物は粒子状であることが好ましい。また、平均粒径は100nm~50μmであることが好ましい。
塗料に用いる溶媒としては、希土類元素の化合物を溶解させずに均一に分散させ得るものが好ましい。例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン等が挙げられ、なかでもエタノールが好ましい。
塗料中の希土類炭化物の含有量には特に制限はない。例えば、50重量%~90重量%であってもよい。塗料には、必要に応じて希土類炭化物以外の成分をさらに含有させてもよい。例えば、希土類炭化物の凝集を防ぐための分散剤等が挙げられる。
本実施形態の炭化工程では、後述する拡散工程において重希土類化合物を付着させる面と同じ面(好ましくは磁極面)に希土類炭化物を付着させる。
希土類炭化物の付着量は、例えばR-T-B系永久磁石全体を100重量%として0.2重量%以上1.5重量%以下としてもよい。また、熱処理温度は850℃以上950℃以下とすることが好ましい。熱処理時間は1時間以上24時間以下としてもよい。また、熱処理時の雰囲気は任意であるが、真空中またはAr雰囲気中で熱処理を行うことが好ましい。熱処理条件を好適に制御することで、特にR-T-B系永久磁石の表面におけるR-O-C-N濃縮部の面積割合を好適に制御することが容易となる。
熱処理後には、塗料を付着させた面について、付着した塗料により厚みが増した分だけ研磨する。塗料が残っていると後述する拡散工程を好適に実施できないためである。
[拡散工程]
次に、R-T-B系永久磁石基材の粒界に対して、重希土類元素RHを拡散させる。拡散工程に先立ち炭化工程を行うことで、特にR-T-B系永久磁石基材の表面に存在するR-O-C-N濃縮部に重希土類元素RHが取り込まれる量が減少する。この結果、拡散工程による保磁力HcJの向上効果が大きくなり、残留磁束密度Brも好適に維持される。
拡散は、重希土類元素を含む化合物をR-T-B系永久磁石基材の表面に付着させた後、熱処理を行う方法、または、重希土類元素の蒸気を含む雰囲気中でR-T-B系永久磁石基材に対して熱処理を行う方法などの方法により、実施することができる。
なお、重希土類元素RHを付着させる方法には特に制限は無い。例えば、蒸着、スパッタリング、電着、スプレー塗布、刷毛塗り、ジェットディスペンサ、ノズル、スクリーン印刷、スキージ印刷、シート工法等を用いる方法がある。
重希土類元素RHの種類は任意であるが、DyまたはTbを用いることが好ましく、Tbを用いることが特に好ましい。また、例えば、重希土類元素RHとしてTbを拡散させる場合には、Tbの付着量、拡散温度および拡散時間を適切に制御することで、拡散の効果をより好適にすることができる。
重希土類元素RHを塗布により付着させる場合には重希土類元素RHを含む重希土類化合物および溶媒からなる塗料を塗布することが一般的である。塗料の態様には特に制限はない。また、重希土類化合物の種類は任意である。例えば、合金、酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、水素化物等が挙げられる。特に水素化物を用いることが好ましい。
Tb化合物を付着させる場合には、例えばTb水素化物(TbH)、Tb酸化物(Tb、Tb)またはTbフッ化物(TbF)を付着させることが考えられる。
重希土類化合物は粒子状であることが好ましい。また、平均粒径は100nm~50μmであることが好ましく、1μm~10μmであることがより好ましい。
塗料に用いる溶媒としては、重希土類化合物を溶解させずに均一に分散させ得るものが好ましい。例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン等が挙げられ、なかでもエタノールが好ましい。
塗料中の重希土類化合物の含有量には特に制限はない。例えば、50重量%~90重量%であってもよい。塗料には、必要に応じて重希土類化合物以外の成分をさらに含有させてもよい。例えば、重希土類化合物粒子の凝集を防ぐための分散剤等が挙げられる。
本実施形態の拡散工程は、重希土類化合物を含む塗料を付着させるR-T-B系永久磁石基材の面の数に特に制限はない。例えば全ての面に付着してもよく、最も大きな面および当該面に対向する面の2面のみに付着してもよい。また、必要に応じて付着する面以外の面にマスクを行っても良い。また、重希土類元素を含む塗料を付着させる面が磁極面であることが好ましい。
Tbの付着量は、例えばR-T-B系永久磁石全体を100重量%として0.2重量%以上3.0重量%以下とすることができる。また、拡散時の熱処理温度は800℃以上950℃以下とすることができる。拡散時の熱処理時間は1時間以上30時間以下とすることが好ましい。また、拡散工程時の雰囲気は任意であるが、Ar雰囲気とすることが好ましい。
[時効処理工程]
拡散工程の後、R-T-B系永久磁石を時効処理する。拡散工程後、得られたR-T-B系永久磁石を拡散時よりも低い温度で保持することなどによって、R-T-B系永久磁石に時効処理を施す。時効処理は、例えば、450℃以上600℃以下の温度で0.5時間以上4時間以下行うが、時効処理を施す回数に応じて適宜調整する。時効処理によって、R-T-B系永久磁石の磁気特性を向上させることができる。また、時効処理時の雰囲気は任意であるが、Ar雰囲気とすることが好ましい。
[冷却工程]
R-T-B系永久磁石に時効処理を施した後、R-T-B系永久磁石をArガス雰囲気中で冷却する。これにより、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石を得ることができる。冷却速度は任意であるが、例えば30℃/分以上300℃/分以下である。
[表面処理工程]
以上の工程により得られたR-T-B系永久磁石は、用途や目的とする特性に応じてめっきや樹脂被膜や酸化処理、化成処理などの表面処理を施してもよい。また、表面処理工程を省略してもよい。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石を常法に従い着磁させることで、磁石製品が得られる。
以上のようにして得られる本実施形態に係るR-T-B系永久磁石は、磁石表面に存在するR-O-C-N濃縮部に重希土類元素RHが取り込まれる量を減少させることで、さらに磁気特性を向上させることができる。
以上、本発明のR-T-B系永久磁石の好適な実施形態について説明したが、本発明のR-T-B系永久磁石は上記の実施形態に制限されるものではない。本発明のR-T-B系永久磁石は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形、種々の組み合わせが可能であり、他の希土類系磁石についても同様に適用することができる。
例えば、本発明に係るR-T-B系永久磁石は上記のように焼結を行うことにより製造されるR-T-B系焼結磁石に限定されない。焼結の代わりに熱間成型および熱間加工を行い製造されるR-T-B系永久磁石であってもよい。
室温にて原料粉末を成型することにより得られる冷間成型体に対して、加熱しながら加圧する熱間成型を行うと、冷間成型体に残存する気孔が消滅し、焼結によらずに緻密化させることができる。さらに、熱間成型により得られた成型体に対して熱間加工として熱間押出し加工を行うことにより、所望の形状を有し、かつ、磁気異方性を有するR-T-B系永久磁石を得ることができる。そして、当該R-T-B系永久磁石がR-O-C-N濃縮部を有していれば、重希土類元素を適切な条件で拡散させることにより本発明に係るR-T-B系永久磁石を得ることができる。
また、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石の用途は任意である。例えば、電気自動車や風力発電用のモーターなどが挙げられる。
次に、本発明を具体的な実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
<R-T-B系永久磁石基材の作製>
まず、Nd:24.5、Pr:6.2、B:1.0、Co:0.5、Cu:0.1、Al:0.2、Fe:残部(単位:重量%)の組成を有するR-T-B系永久磁石基材を得るために、ストリップキャスティング(SC)法により原料合金を鋳造した。
次いで、原料合金に室温で水素を吸蔵させた後、600℃で、1時間、脱水素処理を行って、原料合金を水素粉砕(粗粉砕)し、粗粉砕粉末を得た。なお、水素粉砕処理から焼結までの各工程(微粉砕および成形)は、酸素濃度50ppm未満の雰囲気で行なった。
次に、原料合金の粗粉砕粉末に、粉砕助剤として、オレイン酸アミドを0.2重量%添加し、ナウタミキサを用いて混合した。その後、ジェットミルを用いて高圧Nガスによる微粉砕を行い、平均粒子径が4.0μm程度の微粉砕粉末とした。
得られた微粉砕粉末を、電磁石中に配置された金型内に充填し、1200kA/mの磁場を印加しながら100MPaの圧力を加え、磁場中で成形し、成形体を得た。その後、得られた成形体を、真空中において1050℃で7時間保持して焼結した後、急冷して、上記の組成を有する焼結体を得た。焼結体の形状が略15mm×15mm×5mmの直方体形状であり、主相粒子の磁化容易軸方向が15mm×15mmの面に垂直になるように加工してR-T-B系永久磁石基材(以下、単に基材ともいう)を得た。また、磁化容易軸方向が15mm×15mmの面に垂直になるので、15mm×15mmの2面が磁極面となった。
なお、上記の基材について、後述する方法により磁気特性を測定したところ、残留磁束密度Brが1456mT、保磁力HcJが1280kA/mであった。
<R-O-C-N濃縮部の炭化>
R-O-C-N濃縮部を炭化する際に基材へ塗布する塗料を作製した。表1に記載した付着物(炭化物)の粉末をNガスを使用するジェットミルを用いて微粉砕し、炭化物微粉を作製した。なお、Nd炭化物としてはNdCを用いた。Pr炭化物としてはPrCを用いた。ジジム炭化物としては、NdCとPrCとの混合物であり、重量比でNd:Pr=7:3である混合物を用いた。
次に、エタノールを80重量部、ポリビニルアルコールを20重量部、混合することでアルコール溶媒を作製した。そして、前記炭化物微粉60重量部と前記アルコール溶媒40重量部とを混合し、前記アルコール溶媒中に前記炭化物微粉を分散させることで塗料化し、炭化物含有塗料を作製した。
基材の15mm×15mmの2つの面に対して、2面合計の付着物(炭化物)の付着量が表1に示す付着量となるように炭化物含有塗料を塗布した。なお、表1に示す付着量の母数は付着前の基材の重量である。次に、表1に示す熱処理温度で5時間、Ar雰囲気中で熱処理を行うことで、基材中のR-O-C-N濃縮部を炭化した。その後、付着面(15mm×15mmの2つの面)を研磨し、基材の表面に残った付着物の残渣を除去した。なお、比較例1では、炭化物含有塗料を塗布せず、熱処理も行わなかった。
<RH元素拡散>
RH元素を拡散する際に上記R-O-C-N濃縮部の炭化後の基材へ塗布する塗料を作製した。表1に記載した付着物(RH化合物)の粉末をNガスを使用するジェットミルを用いて微粉砕し、RH微粉を作製した。なお、Tb水素化物としてはTbHを用いた。Tb酸化物としては、Tbを用いた。Tbフッ化物としては、TbFを用いた。
次に、エタノールを80重量部、ポリビニルアルコールを20重量部、混合することでアルコール溶媒を作製した。そして、前記RH微粉60重量部と前記アルコール溶媒40重量部とを混合し、前記アルコール溶媒中に前記RH微粉を分散させることで塗料化し、RH含有塗料を作製した。
R-O-C-N濃縮部の炭化後の基材の15mm×15mmの2つの面に対して、2面合計の付着物(RH化合物)の付着量が1重量%となるようにRH含有塗料を塗布した。なお、付着量の母数はR-O-C-N濃縮部の炭化後の基材の重量である。次に、850℃で5時間、熱処理を行い、RH元素を拡散させた。さらに、550℃で1時間、時効処理を行い、表1および表2に示す各試料のR-T-B系永久磁石を作製した。また、以下の評価に必要な数だけ各試料のR-T-B系永久磁石を作製した。
以下、得られたR-T-B系永久磁石の評価方法について説明する。
<磁気特性>
磁気特性(残留磁束密度Brおよび保磁力HcJ)は以下の方法により測定した。まず、RH含有塗料を塗布した2面(15mm×15mmの2面)をそれぞれ100μmずつ研磨した。これに着磁を行った後に、B-Hトレーサーを用いて残留磁束密度Br及び保磁力HcJをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。なお、本実施例では残留磁束密度Brは1390mT以上を良好とし、1420mT以上をより良好とした。保磁力HcJは1800kA/m以上を良好とし、1900kA/m以上をより良好とし、1950kA/m以上をさらに良好とした。
<RH含有量>
RH含有量は以下の方法により測定した。まず、RH含有塗料を塗布した2面(15mm×15mmの2面)をそれぞれ500μmずつ研磨した。次に、研磨後のR-T-B系永久磁石を粉砕し、混合してR-T-B系永久磁石粉末を得た。そして、XRF(蛍光X線分析装置)にて当該R-T-B系永久磁石粉末におけるRH含有量を測定した。結果を表2に示す。
<R-O-C-N濃縮部のC/R比、N/R比、RH/R比>
R-O-C-N濃縮部のC/R比、N/R比、RH/R比は以下の方法で測定した。まず、上記時効後のR-T-B系永久磁石を加工した。具体的には、図2に示す15mm×15mm×5mmのR-T-B系永久磁石1において点線で示す部分を切断し、2mm×7mm×5mmのR-T-B系永久磁石(測定試料14)を切り出した。なお、R-O-C-N濃縮部の組成を測定する際には、2つのRH含有塗料を塗布した面(磁極面12)は一切、研磨しない。次に、測定試料14の2mm×5mmの2面のうち、R-T-B系永久磁石1では露出していなかった側の断面を観察面16として、観察面16を粗研磨した。具体的には、研磨紙(♯600)を用いて1mm程度、粗研磨した。つぎに、観察面16を仕上げ研磨した。具体的には、研磨紙(♯3000)を用いて光沢を出すまで水等の研磨液を使用しない乾式研磨にて研磨した。なお、この時点で研磨屑が多い場合にはエアブローにより研磨屑を吹き飛ばした。
さらに、観察面16について、FIB-SEM(Carl Zeiss社製、Auriga)を用いて観察した。具体的には、まず、観察面16をFIB-SEMにてさらに切削・加工できるようにFIB-SEMの試料ステージ35に測定試料14を取付けた。この際に、導電性ペーストおよび/または導電性テープを用いてFIB-SEMとR-T-B系永久磁石との導通を確保した。次に、FIB-SEMのイオンビームを用いて100μm以上×100μm以上の大きさのイオンビーム加工面23を含むイオンビーム加工部21が形成できるようにイオンビーム加工を行い、イオンビーム加工部21を形成した。イオンビーム加工はガリウムイオンビームを加速電圧30kV、ビーム電流20nAに設定して粗加工を行った。その後、加速電圧30kV、ビーム電流1nAに設定して粗加工を行った面に仕上げ加工を行った。
イオンビーム加工部21の作製は、表面、深さ200μm、深さ300μm、深さ400μm、中央の領域でそれぞれ行った。具体的には、観察面16においてR-T-B系永久磁石からなる基材と、基材表面(磁極面12)に塗布したRH含有塗料との界面を深さ0μmとし、深さ0μm~50μmの部分を表面(深さ0μm)とした。また、2つの磁極面12にそれぞれ1つずつ形成される界面からの距離が2.5mm±500μm以内である部分を中央とした。さらに、深さ200μm~250μmの部分を深さ200μm、深さ300μm~350μmの部分を深さ300μm、深さ400~450μmの領域を深さ400μmとした。
次に、FIB-SEMにおけるSEMの機能およびFIB-SEMに付属したEDSを用いてイオンビーム加工面23の観察を行った。具体的には、図5のSEMの電子銃33から点線の方向、すなわちイオンビーム加工面23に対して斜め方向に電子ビームを照射して観察を行った。、イオンビーム加工面23における観察視野については、1つの観察視野につき100μm×100μmの領域が十分観察できる大きさとした。そして、深さ0μm、深さ200μm、深さ300μm、深さ400μmおよび中央のそれぞれのイオンビーム加工面23について組成分析を行うR-O-C-N濃縮部を特定した。組成分析を行うR-O-C-N濃縮部は、直径2μm以上の大きさとした。各深さについて少なくとも5個のR-O-C-N濃縮部を組成分析するために必要であれば複数の観察視野を観察した。
R-O-C-N濃縮部の組成分析は、EPMA(日本電子株式会社製、JXA-8500F)を用いて行った。FIB-SEMを用いた断面観察を行った後、R-T-B系永久磁石(測定試料14)を大気に暴露せず、または大気に暴露しても速やかに、EPMAに導入した。EPMAに導入する際には、導電性ペーストおよび/または導電性テープを用いて十分にEPMAとR-T-B系永久磁石との間の導通を確保した。EPMAの分析条件は加速電圧10kV、照射電流100nAとした。そして、組成分析を行うR-O-C-N濃縮部について、略中心を狙って点分析を行った。点分析とは、設定上、測定範囲を直径0μmとした定量分析のことである。
点分析では、C、N、O、Nd、Pr、Tb、Fe、Co、Cu、Al、Zr、Ga、BおよびFの14元素について含有量を測定した。また、これらの14元素の含有量を測定するため、表3に示す標準試料、分光結晶およびX線シリーズを用いた。また、定量分析前にはあらかじめ標準試料でピークサーチを行い、ピーク位置を固定した。定量分析時間はピーク位置で40秒、ピーク位置両端のバックグラウンドで各10秒ずつとした。
そして、各深さで5個ずつのR-O-C-N濃縮部について点分析を行い、各測定点についてC/R比、N/R比およびRH/R比(表面の測定点のみ)を測定した。そして、各パラメータが最大の点の分析結果と最小の点の分析結果を除いた3点の分析結果を平均することで、各深さでのC/R原子数比、各深さでのN/R原子数比および表面に存在するR-O-C-N濃縮部におけるRH/R原子数比を算出した。さらに、ΔC/R(S)およびΔC/R(300)を算出した。さらに、表面でのR-O-C-N濃縮部の面積割合、および、中央でのR-O-C-N濃縮部の面積割合について算出した。なお、EPMAを用いる点分析時には、R-O-C-N濃縮部が過度にCリデポジションしないように注意を払った。結果を表2に示す。表2では、表面に存在するR-O-C-N濃縮部におけるRH/R原子数比のことを単に「表面RH/R比(原子数比)」と記載した。なお、R-O-C-N濃縮部におけるR濃度、O濃度、C濃度およびN濃度が全て主相粒子におけるR濃度、O濃度、C濃度およびN濃度を上回っていることを確認した。
Figure 0007205318000001
Figure 0007205318000002
Figure 0007205318000003
実施例1a、1~6および比較例1は、R-O-C-N濃縮部の炭化時におけるNd炭化物の付着量を変化させた点以外は同条件で実施した。実施例14は、R-O-C-N濃縮部の炭化時の熱処理温度を高くした点以外は実施例6と同条件で実施した。実施例1a、1~6、14に示すようにRH元素拡散前にR-O-C-N濃縮部を炭化させた場合には好ましい磁気特性が得られた。これに対し、比較例1に示すようにRH元素拡散前にR-O-C-N濃縮部を炭化させなかった場合には保磁力HcJが実施例と比較して劣る結果となった。また、Nd炭化物の付着量を好適に制御した実施例2~5は実施例1a、1、6および14と比較して残留磁束密度Brおよび/または保磁力HcJが優れる結果となった。さらに、実施例3~4は実施例1a、1~2、5~6、14と比較して保磁力HcJが特に優れる結果となった。なお、実施例6は実施例14と比較して保磁力HcJが優れていた。実施例6は実施例14と比較してR-O-C-N濃縮部の酸化時の熱処理温度を好適に制御したために表面でのR-O-C-N濃縮部の面積割合が好適に制御されたためであると考えられる。
比較例1はR-O-C-N濃縮部の炭化を行っていないのでRHが十分に粒界に拡散されず、保磁力HcJが実施例よりも低下したと考えられる。
実施例7~9は実施例4のR-O-C-N濃縮部の炭化時における熱処理温度を変化させた実施例である。熱処理温度を変化させても好適な磁気特性が得られた。また、熱処理温度を好適に制御した実施例4および実施例8は実施例7および実施例9と比較して保磁力HcJが特に優れる結果となった。
実施例10および11は実施例4のR-O-C-N濃縮部の炭化時における付着物を変化させた実施例である。付着物が軽希土類元素の化合物である実施例10および11は、優れた磁気特性が得られた。
実施例12および13は実施例4のRH元素拡散時における付着物を変化させた実施例である。付着物をTb水素化物からTb酸化物やTbフッ化物に変化させても、良好な磁気特性が得られた。
なお、全ての実施例においてEPMAライン分析を用いて重希土類元素RHの濃度分布を測定し、R-T-B系永久磁石の中央から表面に向かってRHが濃くなるように分布していることを確認した。
1…R-T-B系永久磁石
3…R-O-C-N濃縮部
5…主相粒子
7…粒界
12…磁極面
14…測定試料
16…観察面
21…イオンビーム加工部
23…イオンビーム加工面
31…FIBのイオン銃
33…SEMの電子銃
35…試料ステージ

Claims (4)

  1. Rが希土類元素であり、Tが鉄族元素であり、Bがホウ素であるR-T-B系永久磁石であって、
    前記R-T-B系永久磁石は重希土類元素を含み、
    214B結晶相からなる主相粒子および前記主相粒子の間に形成された粒界を含み、
    前記粒界中に、前記主相粒子内よりも、R、O、CおよびNの濃度がともに高いR-O-C-N濃縮部を含み、
    前記R-T-B系永久磁石の表面に存在するR-O-C-N濃縮部におけるC/R比(原子数比)をC/R(S)、前記R-T-B系永久磁石の中央に存在するR-O-C-N濃縮部におけるC/R比(原子数比)をC/R(C)、前記R-T-B系永久磁石の表面に存在するR-O-C-N濃縮部におけるN/R比(原子数比)をN/R(S)、前記R-T-B系永久磁石の中央に存在するR-O-C-N濃縮部におけるN/R比(原子数比)をN/R(C)とする場合に、下記式(1)および下記式(2)を満たすことを特徴とするR-T-B系永久磁石。
    C/R(S)>C/R(C) ・・・式(1)
    N/R(S)<N/R(C) ・・・式(2)
  2. ΔC/R(S)=C/R(S)-C/R(C)として
    ΔC/R(S)>0.03を満たす請求項1に記載のR-T-B系永久磁石。
  3. 前記R-T-B系永久磁石の表面から深さ300μmの部分に存在するR-O-C-N濃縮部におけるC/R原子比率をC/R(300)とし、ΔC/R(300)=C/R(300)-C/R(C)として、
    ΔC/R(300)≧0.01を満たす請求項1または2に記載のR-T-B系永久磁石。
  4. 前記R-T-B系永久磁石の中央から表面に向かって重希土類元素が濃くなるように分布している請求項1~3のいずれかに記載のR-T-B系永久磁石。
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