以下に、本発明の実施の形態にかかる補正情報算出装置、補正情報算出システム、補正情報算出方法、および補正情報算出プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる補正情報算出方法を説明するための図である。図1に示す電子式回路遮断器2は、電源と負荷との間の電路の接続および遮断を行う回路遮断器であり、複数の構成要素を含む計測部10を備える。
計測部10は、電流、電圧、周波数、有効電力、無効電力、皮相電力、電力量、または力率などを計測する。計測部10の構成要素は、例えば、電路に流れる電流に応じた電流信号を出力する変流器、電路の電圧に応じた電圧信号を出力する変圧器、および計測ユニットなどである。なお、計測部10は、変流器に代えて、電路に流れる電流に応じた信号を出力するホール素子を有する構成であってもよい。
計測ユニットは、変流器から出力される電流信号および変圧器から出力される電圧信号に基づいて、例えば、電流値、電圧値、周波数、有効電力値、無効電力値、皮相電力値、電力量、または力率などを算出する。電流値は、例えば、電路に流れる電流の実効値であり、電圧値は、例えば、電路の電圧の実効値である。周波数は、例えば、電路の電圧の周波数または電路に流れる電流の周波数である。有効電力値は、電源から負荷へ供給される有効電力の値である。無効電力値は、電源から負荷へ供給される無効電力の値である。皮相電力値は、電源から負荷へ供給される皮相電力の値である。電力量は、電源から負荷へ供給される電力量である。
複数の構成要素の各々には互いに異なる固有コードが印刷または貼付されている。固有コードは、各構成要素に固有のコードであり、例えば、2次元コードである。なお、固有コードは、1次元バーコードなどの1次元コードであってもよく、その他のコードであってもよい。なお、固有コードが構成要素に貼付されるとは、固有コードが印刷されたラベルまたはシールが構成要素に貼り付けられることを意味する。
実施の形態1にかかる補正情報算出装置1は、例えば、電子式回路遮断器2の計測部10を構成する複数の構成要素のうち少なくとも1つの構成要素が交換される場合に用いられる。以下、複数の構成要素のうち少なくとも1つの構成要素を交換する作業を交換作業と記載する。交換作業は作業者によって行われる。
補正情報算出装置1は、例えば、電子式回路遮断器2の交換作業が行われた後、作業者の操作に基づいて、計測部10を構成する複数の構成要素に印刷または貼付された複数の固有コードを取得する。例えば、補正情報算出装置1は、不図示のコード検出部によって複数の固有コードを検出することによって、複数の固有コードを取得する。
補正情報算出装置1は、取得した複数の固有コードに基づいて、複数の構成要素の特性を示す複数の個体情報を取得する。個体情報は、実測された構成要素の特性を示す情報であり、構成要素に固有の情報である。
補正情報算出装置1は、固有コードが、構成要素の識別情報である要素ID(Identifier)を符号化したものである場合、複数の固有コードを各々復号化することによって複数の要素IDを取得する。補正情報算出装置1は、取得した複数の要素IDを含む個体情報送信要求を不図示の外部装置へ送信する。外部装置は、複数の要素IDのうち対応する要素IDと複数の個体情報のうち対応する個体情報とを互いに関連付けて記憶している。外部装置は、個体情報送信要求を補正情報算出装置1から受信すると個体情報送信要求に含まれる複数の要素IDのうち対応する要素IDに各々関連付けられた複数の個体情報を補正情報算出装置1へ送信する。補正情報算出装置1は、外部装置から送信される複数の個体情報を取得する。
構成要素の個体情報は、構成要素が変流器である場合、例えば、変流器の周波数特性、飽和特性、位相特性、または温度特性などを含む。また、構成要素の個体情報は、構成要素が計測ユニットである場合、計測ユニットの周波数特性、線形性、位相特性、ゲイン特性、オフセット特性、または温度特性などを含む。各構成要素の個体情報は、例えば、構成要素の製造工程において実測により取得される情報である。
補正情報算出装置1は、取得した複数の個体情報に基づいて、計測部10による計測の誤差を補正する補正情報を算出する。例えば、補正情報算出装置1は、取得した複数の個体情報から交換作業後の計測部10の計測特性を算出し、算出した計測部10の計測特性と目標値との差に基づいて、補正情報を算出する。
補正情報は、例えば、周波数特性、位相特性、ゲイン特性、またはオフセット特性などを補正するための情報である。例えば、周波数特性を補正するための補正情報は、周波数と補正値との関係を示す情報であり、周波数毎の補正値、または周波数と補正値との関係を示す曲線の情報である。
また、ゲイン特性を補正するための補正情報は、補正前の計測値の大きさと補正後の計測値の大きさとの関係を示す情報であり、補正前の計測値の大きさ毎の補正値、または補正前の計測値の大きさと補正後の計測値の大きさとの関係を示す曲線の情報である。
補正情報算出装置1は、算出した補正情報を電子式回路遮断器2に設定する。例えば、補正情報算出装置1は、電子式回路遮断器2と無線または有線による通信を行って、電子式回路遮断器2へ補正情報を送信し、電子式回路遮断器2に補正情報を記憶させる。これにより、補正情報算出装置1によって算出された補正情報が電子式回路遮断器2に設定される。
電子式回路遮断器2の計測部10は、補正情報算出装置1によって設定された補正情報を用いて、例えば、電流値、電圧値、周波数、有効電力値、無効電力値、皮相電力値、電力量、または力率などを算出する。
このように、補正情報算出装置1は、計測部10の複数の構成要素に印刷または貼付された固有コードから複数の構成要素の個体情報を取得し、これら複数の構成要素の個体情報から補正情報を算出する。したがって、作業者は、補正情報算出装置1を用いることによって、電子式回路遮断器2における計測部10の構成要素を容易に交換することができる。
以下、実施の形態1にかかる補正情報算出装置1、電子式回路遮断器2、およびデータベースサーバ3を含む回路遮断器システム100の構成についてさらに詳細に説明する。図2は、実施の形態1にかかる回路遮断器システムの構成例を示す図である。図3は、実施の形態1にかかる電子式回路遮断器の構成例を示す図である。図4は、実施の形態1にかかる電子式回路遮断器の内部の配置の一例を示す図である。なお、図3に示す電子式回路遮断器2の計測部10には、変圧器が用いられていないが、計測部10の構成要素として変圧器が用いられてもよい。
図2に示すように、実施の形態1にかかる回路遮断器システム100は、補正情報算出装置1、電子式回路遮断器2、およびデータベースサーバ3を含む。データベースサーバ3は、記憶装置の一例である。補正情報算出装置1とデータベースサーバ3とはネットワーク4を介して通信可能に接続される。補正情報算出装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット、またはラップトップコンピュータなどのモバイル機器である。補正情報算出装置1とデータベースサーバ3とを含むシステムは、補正情報算出システムの一例である。
ネットワーク4は、例えば、WAN(Wide Area Network)などのインターネットまたはLAN(Local Area Network)である。なお、補正情報算出装置1は例えば無線または有線によってネットワーク4に接続される。
また、補正情報算出装置1と電子式回路遮断器2とは、有線または無線によって通信可能に接続される。補正情報算出装置1と電子式回路遮断器2とは、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって接続される。
電子式回路遮断器2は、三相4線式の電路5の接続および遮断を行う。かかる電子式回路遮断器2は、図3に示すように、三相4線式の電路5を開閉する開閉接点6と、開閉接点6を閉状態から開状態にする引きはずし装置7と、電路5の電流を検出する電流検出部8と、AD(Analog-to-Digital)変換部16とを備える。なお、図示していないが、電路5は、電源と電子式回路遮断器2との間に接続される三相4線式の導体と、電子式回路遮断器2と負荷との間に接続される三相4線式の導体とを含む。
開閉接点6は、電路5を構成する4つの電路51~54のうち対応する電路を各々開閉する開閉接点61~64を有する。各開閉接点61~64は、不図示の固定接点と不図示の可動接点とを有する。各開閉接点61~64において固定接点に可動接点が接触することで閉状態になり、電子式回路遮断器2に設けられた不図示の電源側接続端子と不図示の負荷側接続端子とが電気的に接続される。これにより、各電路51~54に電流が流れて電子式回路遮断器2がオン状態になる。
また、各開閉接点61~64において固定接点から可動接点が離れることで開閉接点6が閉状態から開状態になり、不図示の電源側接続端子と不図示の負荷側接続端子とが電気的に切断される。これにより、各電路51~54の電流が遮断されて電子式回路遮断器2がオフ状態になる。
電流検出部8は、計測部10から出力される4つの電流信号を4つの電圧信号へ変換し、変換した4つの電圧信号を出力する。AD変換部16は、電流検出部20から出力される4つの電圧信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
また、電子式回路遮断器2は、AD変換部16から出力されるデジタル信号に基づいて引きはずし装置7を制御する制御部9を備える。引きはずし装置7は、制御部9からの指令に基づき、接触状態にある固定接点と可動接点とを開離させることで、各開閉接点61~64を閉状態から開状態にして電子式回路遮断器2をトリップ状態にする。電子式回路遮断器2は、可動接点を移動させる不図示の開閉機構を有しており、引きはずし装置7は、開閉機構に作用することで、接触状態にある固定接点と可動接点とを引き離すことができる。
電子式回路遮断器2は、例えば、配線用遮断器または漏電遮断器である。電子式回路遮断器2が配線用遮断器である場合、制御部9は、電路5に過電流または短絡電流が流れたときに引きはずし装置7を制御して電路5を閉状態から開状態にする。電子式回路遮断器2が漏電遮断器である場合、電路5に過電流、短絡電流、または漏洩電流が流れたときに引きはずし装置7を制御して電路5を閉状態から開状態にする。
また、電子式回路遮断器2は、上述した計測部10と、計測部10によって計測された電流値、電圧値、周波数、有効電力値、無効電力値、皮相電力値、電力量、および力率などの計測値を表示する表示部11と、電子式回路遮断器2の内部温度を検出する温度センサ12とを備える。
計測部10は、図3および図4に示すように、電路5に流れる電流に応じた電流信号を出力する変流器141,142,143,144と、変流器141,142,143,144から出力された複数の電流信号に基づいて、計測値を算出する計測ユニット15とを備える。変流器141は、電路51に流れる電流に応じた電流信号を出力し、変流器142は、電路52に流れる電流に応じた電流信号を出力する。また、変流器143は、電路53に流れる電流に応じた電流信号を出力し、変流器144は、電路54に流れる電流に応じた電流信号を出力する。
変流器141,142,143,144および計測ユニット15の各々は、電子式回路遮断器2から取り外すことができ、個別に交換可能である。以下、変流器141,142,143,144の各々を個別に区別せずに示す場合、変流器14と記載する場合がある。
変流器141,142,143,144には、図3および図4に示すように、各々固有コード161,162,163,164が印刷または貼付されている。また、計測ユニット15にも、図3および図4に示すように、固有コード27が印刷または貼付されている。固有コード161,162,163,164,27は、例えば、2次元コードであるが、1次元コードまたはその他のコードであってもよい。
固有コード161は、変流器141の識別情報である変流器141固有の要素IDまたは変流器141の個体情報が符号化されて生成される。同様に、固有コード162は、変流器142の識別情報である変流器142固有の要素IDまたは変流器142の個体情報が符号化されて生成される。固有コード163は、変流器143の識別情報である変流器143固有の要素IDまたは変流器143の個体情報が符号化されて生成される。固有コード164は、変流器144の識別情報である変流器144固有の要素IDまたは変流器144の個体情報が符号化されて生成される。固有コード27は、計測ユニット15の識別情報である計測ユニット15固有の要素IDまたは計測ユニット15の個体情報が符号化されて生成される。
計測ユニット15は、電流検出部20と、電圧検出部21と、AD変換部22と、演算処理部23と、表示処理部24と、記憶部25と、通信部26とを備える。
電流検出部20は、各変流器14から出力された電流信号を電圧信号へ変換し、変換した電圧信号を出力する。電圧検出部21は、各電路51,52,53,54の電圧に応じた電圧信号を出力する。電流検出部20から出力される4つの電圧信号および電圧検出部21から出力される4つの電圧信号は共にアナログ信号である。
AD変換部22は、電流検出部20から出力される4つの電圧信号と電圧検出部21から出力される4つの電圧信号とをアナログ信号からデジタル信号へ変換する。演算処理部23は、AD変換部22から出力される8つのデジタル信号と、記憶部25に記憶された補正情報とに基づいて、電流値、電圧値、周波数、有効電力値、無効電力値、皮相電力値、電力量、または力率などの計測値を算出する。演算処理部23は、例えば、ローパスフィルタ、乗算器、加算器、積算器、および除算器などを含む。
表示処理部24は、計測部10によって算出された電流値、電圧値、有効電力値、無効電力値、電力量、または力率などの計測値を表示部11に表示させる。記憶部25は、補正情報を記憶する。記憶部25に記憶される補正情報には、例えば、周波数特性の補正情報、線形性の補正情報、位相特性の補正情報、オフセット特性の補正情報、および温度特性の補正情報などが含まれる。
演算処理部23は、各特性の補正情報を記憶部25から取得する。演算処理部23は、AD変換部22から取得した複数のデジタル信号に基づいて電流値、電圧値、周波数、有効電力値、無効電力値、皮相電力値、電力量、または力率などの計測値を算出する。演算処理部23は、温度センサ12によって検出された温度と記憶部25から取得した補正情報とに基づいて、計測値に補正値を乗算することによって、計測値の補正を行う。演算処理部23は、補正後の計測値を出力する。
通信部26は、例えば、Bluetoothなどの近距離無線通信によって、補正情報算出装置1と通信可能に接続され、補正情報算出装置1との間で情報を送受信する。例えば、通信部26は補正情報算出装置1から送信される補正情報を受信し、受信した補正情報を記憶部25に記憶させる。
図2に戻って、補正情報算出装置1の説明を続ける。図2に示すように、補正情報算出装置1は、入力部30と、コード検出部31と、第1通信部32と、表示部33と、第2通信部34と、記憶部35と、処理部36とを備える。
入力部30は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、またはタッチパネルなどを含み、補正情報算出装置1のユーザによって操作される。コード検出部31は、変流器141,142,143,144および計測部10に印刷または貼付された固有コード161,162,163,164,27を検出する。コード検出部31は、例えば、固有コード161,162,163,164,27が2次元コードである場合、2次元コードリーダとも呼ばれる。
コード検出部31は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの撮像素子を有する。コード検出部31は、変流器141,142,143,144および計測ユニット15を撮像素子で撮像し、撮像した画像から固有コード161,162,163,164,27を検出することができる。
なお、コード検出部31は、光走査式のコードリーダまたはペン式のコードリーダであってもよい。この場合、コード検出部31は、変流器141,142,143,144および計測ユニット15に光をあて、その反射光を受光することで、固有コード161,162,163,164,27を検出する。なお、コード検出部31は、入力部30へのユーザの操作に従って、固有コードの検出動作を開始する。
第1通信部32は、無線または有線によってネットワーク4に接続され、データベースサーバ3との間で情報の送受信を行う。表示部33は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイである。第2通信部34は、Bluetoothなどの近距離無線通信によって、電子式回路遮断器2と通信可能に接続され、電子式回路遮断器2との間で情報を送受信する。
記憶部35は、処理部36によって取得された変流器141,142,143,144の要素IDおよび計測ユニット15の要素IDを記憶する。また、記憶部35は、データベースサーバ3から取得した変流器141,142,143,144の個体情報および計測ユニット15の個体情報を記憶する。また、記憶部35は、補正情報を算出するための目標値を記憶する。
処理部36は、固有コード取得部40と、個体情報取得部41と、算出部42と、表示処理部43と、設定部44とを備える。固有コード取得部40は、電子式回路遮断器2の計測部10を構成する変流器141,142,143,144および計測ユニット15に印刷または貼付されている固有コード161,162,163,164,27を取得する。
固有コード取得部40は、コード検出部31によって検出された固有コード161,162,163,164,27をコード検出部31から取得する。また、固有コード取得部40は、固有コード161,162,163,164,27が文字および記号からなるコードである場合、入力部30へ入力された固有コード161,162,163,164,27を取得する。
個体情報取得部41は、固有コード取得部40によって取得された複数の固有コード161,162,163,164,27に基づいて、変流器141,142,143,144および計測ユニット15の特性を各々示す複数の個体情報を取得する。
個体情報取得部41は、第1取得部45と、第2取得部46とを備える。ここで、複数の固有コード161,162,163,164が複数の変流器141,142,143,144の個体情報を符号化したものであり、固有コード27が計測ユニット15の個体情報を符号化したものであるとする。
この場合、第1取得部45は、固有コード取得部40によって取得された複数の固有コード161,162,163,164を復号化して複数の変流器141,142,143,144の個体情報を取得する。また、第1取得部45は、固有コード取得部40によって取得された固有コード27を復号化して計測ユニット15の個体情報を取得する。
また、複数の固有コード161,162,163,164が複数の変流器141,142,143,144の要素IDを符号化したものであり、固有コード27が計測ユニット15の要素IDを復号化したものであるとする。
この場合、第1取得部45は、固有コード取得部40によって取得された複数の固有コード161,162,163,164を復号化して複数の変流器141,142,143,144の要素IDを取得する。また、第1取得部45は、固有コード取得部40によって取得された固有コード27を復号化して計測ユニット15の要素IDを取得する。
第2取得部46は、第1取得部45によって取得された変流器141,142,143,144の要素IDおよび計測ユニット15の要素IDに基づいて、変流器141,142,143,144の個体情報および計測ユニット15の個体情報を取得する。
具体的には、第2取得部46は、変流器141,142,143,144の要素IDおよび計測ユニット15の要素IDを含む個体情報送信要求を第1通信部32にネットワーク4を介してデータベースサーバ3へ送信させる。データベースサーバ3は、個体情報送信要求に含まれる変流器141,142,143,144の要素IDおよび計測ユニット15の要素IDに基づいて、変流器141,142,143,144の個体情報および計測ユニット15の個体情報を補正情報算出装置1へネットワーク4を介して送信する。
ここで、データベースサーバ3の構成について説明する。データベースサーバ3は、図2に示すように、通信部50と、記憶部51と、処理部52とを備える。通信部50は、無線または有線によってネットワーク4に接続され、補正情報算出装置1との間で情報の送受信を行う。
記憶部51は、電子式回路遮断器2を構成する複数の要素IDのうち対応する要素IDと複数の個体情報のうち対応する個体情報とを互いに関連付けて記憶している。図5は、実施の形態1にかかるデータベースサーバに記憶される個体情報テーブルの一例を示す図である。
図5に示す個体情報テーブル53は、構成要素名と要素IDと個体情報とが構成要素毎に互いに関連付けられた情報である。図5に示す個体情報テーブル53では、構成要素名「第1変流器」と要素ID「38272k212」と個体情報「特性情報A」とが互いに関連付けられ、構成要素名「第2変流器」と要素ID「38272k726」と個体情報「特性情報B」とが互いに関連付けられている。
また、個体情報テーブル53では、構成要素名「第3変流器」と要素ID「38272k119」と個体情報「特性情報C」とが互いに関連付けられ、構成要素名「第4変流器」と要素ID「38272k105」と個体情報「特性情報D」とが互いに関連付けられている。また、個体情報テーブル53では、構成要素名「計測ユニット」と要素ID「9en38de12」と個体情報「特性情報H」とが互いに関連付けられている。
要素ID「38272k212」は、変流器141の要素IDであり、個体情報「特性情報A」は、変流器141の計測周波数特性、飽和特性、位相特性、および温度特性などを含む個体情報である。要素ID「38272k726」は、変流器142の要素IDであり、個体情報「特性情報B」は、変流器142の計測周波数特性、飽和特性、位相特性、および温度特性などを含む個体情報である。
要素ID「38272k119」は、変流器143の要素IDであり、個体情報「特性情報C」は、変流器143の計測周波数特性、飽和特性、位相特性、および温度特性などを含む個体情報である。要素ID「38272k105」は、変流器144の要素IDであり、個体情報「特性情報D」は、変流器144の計測周波数特性、飽和特性、位相特性、および温度特性などを含む個体情報である。
要素ID「9en38de12」は、計測ユニット15の要素IDであり、個体情報「特性情報H」は、計測ユニット15の周波数特性、線形性、位相特性、ゲイン特性、オフセット特性、および温度特性などを含む個体情報である。
処理部52は、補正情報算出装置1から通信部50を介して個体情報送信要求を受信した場合、個体情報送信要求に含まれる複数の要素IDを取得し、取得した複数の要素IDに関連付けられた複数の個体情報を個体情報テーブル53から取得する。処理部52は、取得した複数の個体情報を通信部50にネットワーク4を介して補正情報算出装置1へ送信させる。
ここで、個体情報送信要求に要素ID「38272k212」,「38272k726」,「38272k119」,「38272k105」,「9en38de12」が含まれているとする。この場合、処理部52は、変流器141,142,143,144および計測ユニット15の各々の要素情報を記憶部51から取得し、取得した複数の要素情報を通信部50にネットワーク4を介して補正情報算出装置1へ送信させる。かかる要素情報には、上述した構成要素名、要素ID、および個体情報が含まれる。
図2に戻って、補正情報算出装置1の処理部36の説明を続ける。補正情報算出装置1の表示処理部43は、記憶部35に記憶された情報に基づいて、設定画面を表示部33に表示させる。図6は、実施の形態1にかかる補正情報算出装置の表示部に表示される設定画面の一例を示す図である。
図6に示すように、設定画面70には、計測部10を構成する複数の構成要素の各々の構成要素名、要素ID、および個体情報を含む遮断器情報71と、個体情報をデータベースサーバ3から取得するためのダウンロードボタン72とが含まれる。また、設定画面70は、複数の構成要素の個体情報に基づいて、補正情報を算出するための補正情報算出ボタン73と、電子式回路遮断器2に補正情報を設定するための更新ボタン74とが含まれる。ダウンロードボタン72、補正情報算出ボタン73、および更新ボタン74は、例えば、GUI(Graphical User Interface)のボタンである。
個体情報取得部41は、補正情報算出装置1のユーザの入力部30への操作によってダウンロードボタン72が操作された場合、個体情報送信要求を第1通信部32にデータベースサーバ3へ送信させる。かかる個体情報送信要求には、記憶部35に記憶されている変流器141,142,143,144および計測ユニット15の各々の要素IDが含まれる。データベースサーバ3からは、個体情報送信要求に応じた複数の要素情報が補正情報算出装置1へ送信される。個体情報取得部41は、データベースサーバ3から送信される複数の要素情報を第1通信部32を介して順次取得し、取得した複数の要素情報を順次記憶部35に記憶する。
表示処理部43は、個体情報取得部41による個体情報の取得状態を表示する情報を含む設定画面70を表示部33に表示させる。図6に示す設定画面70では、構成要素名「第1変流器」および「第2変流器」の各々の個体情報が個体情報取得部41によって取得済であり、構成要素「第3変流器」の個体情報が取得途中であることが示されている。また、図6に示す設定画面70では、構成要素名「第4変流器」および「計測ユニット」の各々の個体情報が個体情報取得部41によって取得されていないことが示される。
なお、固有コードが構成要素の個体情報を符号化して得られる場合、表示処理部43は、第1取得部45によって取得された変流器141,142,143,144の個体情報および計測ユニット15の個体情報に基づいて、図6に示す設定画面70を表示させることができる。なお、この場合、固有コードを符号化して得られる情報は、変流器141,142,143,144および計測ユニット15の構成要素名および要素IDを含む。
個体情報取得部41によって変流器141,142,143,144および計測ユニット15の各々の個体情報の取得が完了すると、表示処理部43は、すべての構成要素について「取得済」の情報を含む設定画面70を表示部33に表示させる。この状態で、補正情報算出装置1のユーザの入力部30への操作によって補正情報算出ボタン73が操作された場合,図2に示す算出部42は、記憶部35に記憶された変流器141,142,143,144および計測ユニット15の各々の個体情報に基づいて、補正情報を算出する。
例えば、算出部42は、変流器141,142,143,144の個体情報および計測ユニット15の個体情報に基づいて、交換作業後の計測部10の特性を算出する。そして、算出部42は、算出した計測部10の特性と記憶部35に記憶された目標値との差に基づいて、補正情報を算出する。
図7は、実施の形態1にかかる補正情報算出装置による補正情報の算出方法を説明するための図である。図7において、横軸は、周波数を示し、縦軸は、電流値を示す。図7においては、変流器141を「第1変流器」と表している。図7に示す例では、変流器141の実測特性と、計測ユニット15の実測特性と、計測部10の実測特性とが含まれる。図7に示す例では、変流器141の実測特性および計測ユニット15の実測特性は離散値で表される。
変流器141の実測特性は、変流器141の個体情報に含まれる変流器141に固有の周波数特性であり、実測された変流器141の周波数特性である。計測ユニット15の実測特性は、計測ユニット15の個体情報に含まれる計測ユニット15に固有の周波数特性であり、実測された計測ユニット15の周波数特性である。計測部10の実測特性は、変流器141の実測特性と計測ユニット15の実測特性とを組み合わせた際の計測部10の周波数特性である。かかる計測部10の実測特性は、離散値で表される。
算出部42は、実測された変流器141の周波数特性と実測された計測ユニット15の周波数特性とを乗算することによって、計測部10に固有の周波数特性を算出する。そして、算出部42は、算出した計測部10の周波数特性に基づいて、計測部10の周波数特性を多項式、指数、対数、または累乗で近似した曲線を算出する。図7に示す例では、計測部10の周波数特性を多項式で近似した曲線が計測部10の特性曲線として表されている。
算出部42は、補正後の計測部10の周波数特性が目標値に近づくように補正情報を算出する。図7に示す例では、周波数によって変化しない目標値が設定されている。この場合、算出部42は、計測部10の特性曲線の逆特性を算出し、算出した計測部10の特性曲線の逆特性を計測部10の補正曲線にする。算出部42は、計測部10の補正曲線の情報を補正情報として決定し、決定した補正情報を記憶部35に記憶する。
記憶部35に記憶される補正情報は、例えば、補正曲線の形式、係数、および補正区間といった情報を含む。補正曲線の形式は、多項式、指数、対数、または累乗などの形式である。係数は、多項式、対数、または累乗などに含まれる係数である。補正区間は、補正を行う範囲であり、例えば、周波数特性の場合、周波数の範囲である。また、周波数特性に関する補正情報は、周波数毎の補正値を含む情報であってもよい。
図2に示す設定部44は、補正情報算出装置1のユーザの入力部30への操作によって図6に示す更新ボタン74が操作された場合、算出部42によって算出された補正情報を記憶部35から読み出し、読み出した補正情報を第2通信部34に電子式回路遮断器2へ送信させる。これにより、電子式回路遮断器2の記憶部25に補正情報算出装置1によって算出された補正情報が記憶される。
電子式回路遮断器2の演算処理部23は、変流器141から出力される電流信号が電流検出部20およびAD変換部22によって変換されたデジタル信号から電流値および周波数を算出し、算出した電流値に補正値を乗算することによって、計測値の補正を行う。補正情報が周波数毎の補正値を含む場合、電流値に乗算される補正値は、記憶部25に記憶された補正情報のうちデジタル信号から算出される周波数に対応する補正値である。例えば、デジタル信号から算出される周波数が51[Hz]である場合、記憶部25に記憶された補正情報のうち51[Hz]の補正値である。
これにより、計測部10の実測特性が図7に示す状態であっても、補正後の計測部10の特性は図7に示す目標値または目標値に近い値になるため、構成要素の個体差によって生じる計測部10の特性のバラつきを低減することができる。そのため、補正情報算出装置1は、計測部10の計測精度を向上させることができる。
なお、図7では、変流器141と計測ユニット15との組み合わせに対する補正方法の例が示されるが、変流器142,143,144の各々と計測ユニット15との組み合わせに対する補正方法も、変流器141と計測ユニット15との組み合わせに対する補正方法も同様である。
また、上述した例では、変流器14と計測ユニット15との組み合わせにおける周波数特性の補正方法について説明したが、算出部42は、変流器14と計測ユニット15との組み合わせにおける他の特性についても算出することができる。例えば、算出部42は、変流器14と計測ユニット15との組み合わせにおける線形性、位相特性、温度特性、ゲイン特性、オフセット特性、および温度特性などについての補正情報を算出することができる。
つづいて、補正情報算出装置1の処理部36による処理をフローチャートを用いて説明する。図8は、実施の形態1にかかる補正情報算出装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、補正情報算出装置1の処理部36によって繰り返し実行される。
図8に示すように、補正情報算出装置1の処理部36は、固有コード取得操作があるか否かを判定する(ステップS10)。処理部36は、例えば、補正情報算出装置1のユーザの入力部30への操作によってコード検出部31に対する検出要求操作が行われた場合に、固有コード取得操作があると判定する。
処理部36は、固有コード取得操作があると判定した場合(ステップS10:Yes)、電子式回路遮断器2の計測部10を構成する複数の構成要素の固有コードを取得する(ステップS11)。そして、処理部36は、取得した複数の構成要素の固有コードを復号化する(ステップS12)。
処理部36は、復号化した固有コードが構成要素の個体情報であるか否かを判定する(ステップS13)。処理部36は、復号化した各固有コードが個体情報ではないと判定した場合(ステップS13:No)、第1画面を表示部33に表示させる(ステップS14)。第1画面は、例えば、図6に示す設定画面70のうち補正情報算出ボタン73および更新ボタン74が含まれない画面である。
次に、処理部36は、入力部30への操作などによって第1画面に含まれるダウンロードボタン72が操作されたか否かを判定する(ステップS15)。処理部36は、ダウンロードボタン72が操作されない場合(ステップS15:No)、ステップS15の処理を繰り返す。処理部36は、ダウンロードボタン72が操作されたと判定した場合(ステップS15:Yes)、データベースサーバ3へ個体情報送信要求を送信し、データベースサーバ3から各構成要素の個体情報を取得する(ステップS16)。
処理部36は、復号化した各固有コードが個体情報であると判定した場合(ステップS13:Yes)、またはステップS16の処理が終了した場合、第2画面を表示する(ステップS17)。第2画面は、図6に示す設定画面70のうち構成要素の個体情報がすべて「取得済」である画面である。
次に、処理部36は、入力部30への操作などによって第2画面に含まれる補正情報算出ボタン73が操作されたか否かを判定する(ステップS18)。処理部36は、補正情報算出ボタン73が操作されない場合(ステップS18:No)、ステップS18の処理を繰り返す。処理部36は、補正情報算出ボタン73が操作されたと判定した場合(ステップS18:Yes)、複数の構成要素の個体情報に基づいて、補正情報を算出する(ステップS19)。
次に、処理部36は、入力部30への操作などによって第2画面に含まれる更新ボタン74が操作されたか否かを判定する(ステップS20)。処理部36は、更新ボタン74が操作されない場合(ステップS20:No)、ステップS20の処理を繰り返す。処理部36は、更新ボタン74が操作されたと判定した場合(ステップS20:Yes)、ステップS19で算出した補正情報を電子式回路遮断器2に設定する(ステップS21)。
処理部36は、固有コード取得操作がないと判定した場合(ステップS10:No)、またはステップS21の処理が終了した場合、図8に示す処理を終了する。
図9は、実施の形態1にかかる補正情報算出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図9に示すように、補正情報算出装置1は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信装置103と、インタフェース回路104と、表示装置105とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ101、メモリ102、通信装置103、インタフェース回路104、および表示装置105は、例えば、バス106によって互いにデータの送受信が可能である。第1通信部32および第2通信部34は、通信装置103で実現される。表示部33は、表示装置105によって実現される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、固有コード取得部40、個体情報取得部41、算出部42、表示処理部43、および設定部44の機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、補正情報算出装置1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる補正情報算出装置1は、固有コード取得部40と、個体情報取得部41と、算出部42とを備える。固有コード取得部40は、電子式回路遮断器2の計測部10を構成する複数の構成要素のうち対応する構成要素に各々印刷または貼付された複数の固有コード161,162,163,164,27を取得する。個体情報取得部41は、固有コード取得部40によって取得された複数の固有コード161,162,163,164,27に基づいて、複数の構成要素のうち対応する構成要素の固有の特性を各々示す複数の個体情報を取得する。算出部42は、個体情報取得部41によって取得された複数の個体情報に基づいて、計測部10による計測の誤差を補正する補正情報を算出する。これにより、複数の構成要素を組み合わせた状態における計測部10の計測誤差の測定を不要としつつも、計測部10を構成する複数の構成要素の各々に記憶素子を搭載する必要がなく、計測部10の構成の複雑化を避けることができる。また、補正情報算出装置1のユーザは、補正情報を容易に得ることができ、電子式回路遮断器2の保守または管理を容易に行うことができる。
また、補正情報算出装置1は、算出部42によって算出された補正情報を電子式回路遮断器2に設定する設定部44を備える。これにより、補正情報算出装置1のユーザは、補正情報を電子式回路遮断器2に容易に設定することができる。
また、補正情報算出装置1は、複数の固有コード161,162,163,164,27の各々を検出するコード検出部31を備える。固有コード取得部40は、コード検出部31によって検出された複数の固有コード161,162,163,164,27を取得する。個体情報取得部41は、第1取得部45と第2取得部46とを備える。第1取得部45は、固有コード取得部40によって取得された複数の固有コード161,162,163,164,27を復号化して複数の要素IDを取得する。要素IDは、構成要素の識別情報の一例である。第2取得部46は、第1取得部45によって取得された複数の要素IDに基づいて、複数の要素IDのうち対応する要素IDと複数の個体情報のうち対応する個体情報とを互いに関連付けて記憶するデータベースサーバ3から複数の個体情報を取得する。データベースサーバ3は、記憶装置の一例である。これにより、補正情報算出装置1に構成要素の個体情報を記憶する必要がなく、例えば、記憶容量が比較的小さなモバイル機器を補正情報算出装置1として用いることができる。
また、補正情報算出装置1は、複数の固有コード161,162,163,164,27の各々を検出するコード検出部31を備える。複数の固有コード161,162,163,164,27の各々は、複数の個体情報のうち対応する個体情報が符号化されて生成される。固有コード取得部40は、コード検出部31によって検出された複数の固有コード161,162,163,164,27を取得する。個体情報取得部41は、固有コード取得部40によって取得された複数の固有コード161,162,163,164,27を復号化して複数の個体情報を取得する。これにより、補正情報算出装置1に構成要素の個体情報を記憶する必要がなく、例えば、記憶容量が比較的小さなモバイル機器を補正情報算出装置1として用いることができる。
また、算出部42は、個体情報取得部41によって取得された複数の構成要素の個体情報に基づいて、複数の構成要素の組み合わせによる計測部10の特性を算出し、算出した計測部10の特性と予め設定された目標値との差に基づいて、補正情報を算出する。これにより、目標値に応じた補正情報を算出することができる。
また、複数の固有コード161,162,163,164,27の各々は、2次元コードである。これにより、各固有コード161,162,163,164,27の情報量が多い場合であっても、容易にコード化することができる。
また、実施の形態1にかかる回路遮断器システム100は、データベースサーバ3を備える。補正情報算出装置1とデータベースサーバ3とを含むシステムは、補正情報算出システムの一例である。データベースサーバ3は、サーバの一例である。補正情報算出装置1は、データベースサーバ3とネットワークを介して通信する第1通信部32を備える。第2取得部46は、第1取得部45によって取得された複数の要素IDを含む個体情報送信要求を第1通信部32にネットワーク4を介してデータベースサーバ3へ送信させる。データベースサーバ3は、補正情報算出装置1からネットワーク4を介して個体情報送信要求を受信した場合、個体情報送信要求に含まれる複数の要素IDに対応する複数の個体情報を補正情報算出装置1へネットワーク4を介して送信する。このように、回路遮断器システム100では、データベースサーバ3によって構成要素の個体情報が管理される。そのため、補正情報算出装置1に構成要素の個体情報を記憶する必要がなく、例えば、記憶容量が比較的小さなモバイル機器を補正情報算出装置1として用いることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
また、本発明の実施の形態1にかかる回路遮断器システム100では、固有コードとして2次元コードなどを利用し、構成要素に印刷または貼付された例を説明した。これに加え、回路遮断器システム100では、例えば、パッシブ型のRFID(Radio Frequency Identifier)タグを利用してもよい。この場合、構成要素の識別情報を有する固有コードは、RFIDタグ内の回路に記憶されている。パッシブ型のRFIDタグは、計測部10の構成要素に貼り付けられるだけでなく、計測部10の構成要素に内蔵されていてもよい。固有コードとしてRFIDタグを用いた場合、コード検出部31には、NFC(Near Field Communication)を利用してもよい。補正情報算出装置1のコード検出部31は、構成要素の識別情報をRFIDタグが有する固有コードから取得する。なお、RFIDタグおよび2次元コードなどを併用してもよく、また、RFIDタグだけでなく、非接触IC(Integrated Circuit)を利用してもよい。