JP2014174755A - 消費電力計測装置、消費電力計測方法、及び消費電力計測プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度に消費電力を計測できる消費電力計測装置を提供する。
【解決手段】消費電力計測装置としてのユーザ端末20は、ACアダプタ30の変更を示す更新トリガの入力に応じて、この変更されたACアダプタに関連付けられた補正情報を取得する補正情報更新部54と、ACアダプタから供給されるDC電力値と、補正情報更新部54により取得された補正情報とに基づいて、ACアダプタ30におけるAC消費電力Wacを算出する消費電力演算部52と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】消費電力計測装置としてのユーザ端末20は、ACアダプタ30の変更を示す更新トリガの入力に応じて、この変更されたACアダプタに関連付けられた補正情報を取得する補正情報更新部54と、ACアダプタから供給されるDC電力値と、補正情報更新部54により取得された補正情報とに基づいて、ACアダプタ30におけるAC消費電力Wacを算出する消費電力演算部52と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、消費電力計測装置、消費電力計測方法、及び消費電力計測プログラムに関する。
ノートパソコンなどの電子機器を交流電源に接続して使用する場合、交流電源からの交流電力がACアダプタによって直流電力へ変換された上で、電子機器に供給される。このときの電子機器による消費電力を監視する場合、ACアダプタの変換損失を考慮すると、交流電源の消費電力を計測することが望ましい。しかし、電子機器とACアダプタとの間は通常+と−の2本の電線のみで接続されるため、交流電源の消費電力を電子機器側で直接監視することは困難である。そこで、電子機器の消費電力を精度良く監視すべく、例えば電子機器で計測できる直流電力に基づき、交流電源の消費電力を推定する手法が知られている(例えば特許文献1を参照)。
ここで、交流電源の消費電力の推定精度を向上するために、ACアダプタにおける交流電力から直流電力への変換に伴う損失を正確に把握する必要がある。しかしながら、この変換損失はACアダプタの種類によって個別に異なるものであるので、電子機器に用いるACアダプタを他種に変更した場合には、消費電力の推定精度が低下する虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高精度に消費電力を計測できる消費電力計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る消費電力計測装置は、電子機器に電力を供給するACアダプタの変更または追加を示す更新トリガの入力に応じて、前記変更または追加されたACアダプタに関連付けられた補正情報を取得する補正情報取得手段と、前記ACアダプタから供給されるDC電力値と、前記補正情報取得手段により取得された補正情報とに基づいて、前記ACアダプタにおけるAC消費電力を算出する消費電力演算手段と、を備える。
本発明によれば、電子機器に使用されるACアダプタが他種に変更されたとしても、現在使用中のACアダプタの変換損失などの特性に合致した補正情報を常に保持することが可能となるので、高精度に消費電力を計測できる。
以下に、本発明に係る消費電力計測装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
[実施形態]
まず図1及び図2を参照して、本実施形態に係る消費電力計測装置の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る消費電力計測装置が適用される消費電力計測システムのハードウェア構成図である。
まず図1及び図2を参照して、本実施形態に係る消費電力計測装置の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る消費電力計測装置が適用される消費電力計測システムのハードウェア構成図である。
図1に示すように、消費電力計測システム1は、サーバ10と、少なくとも1台のユーザ端末20(消費電力計測装置)と、このユーザ端末20に電力を供給するACアダプタ30と、を備える。サーバ10とユーザ端末20とは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット回線などのネットワークNを介して、相互に通信可能に接続されている。
消費電力計測システム1は、サーバ10が各ユーザ端末20におけるACアダプタ30の使用状況を管理することにより、各ユーザ端末20において交流電源の消費電力を高精度に推定できるよう構成されている。なお、説明の便宜上、図1ではユーザ端末20が一台のみ図示されているが、一台のサーバ10は、複数のユーザ端末20と接続することができ、これらのユーザ端末20を集中管理することができる。
サーバ10は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Momory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置14、ネットワークインタフェースなどの通信装置15、等のハードウェアを有するコンピュータである。後述するサーバ10の各機能の全部または一部は、ROM13に保持されるアプリケーションプログラムをRAM12にロードしてCPU11で実行することによって、RAM12、ROM13、記憶装置14におけるデータの読み出し及び書き込みを行うと共に、通信装置15等を動作させることで実現される。
ユーザ端末20は、ACアダプタ30からの電力供給により動作する電子機器であり、例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)である。ユーザ端末20は、物理的には、CPU21、RAM22、ROM23、記憶装置24、通信装置25、キーボード、マウスまたはカメラなどの入力装置26、ディスプレイなどの表示装置27、等のハードウェアを有する構成をとる。後述するユーザ端末20の各機能の全部または一部は、CPU21、RAM22、ROM23等のハードウェア上に所定のアプリケーションプログラムを読み込ませることにより、CPU21の制御の元で通信装置25、入力装置26、表示装置27等を動作させると共に、RAM22、ROM23、記憶装置24におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
また、上記のサーバ10及びユーザ端末20のアプリケーションプログラム(特にサーバ10のユーザ情報管理部41、ユーザ端末20の消費電力演算部52、補正情報更新部54(図2参照)に関する機能)を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、及び、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。また、アプリケーションプログラムは、消費電力計測システム1に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
ユーザ端末20は、DC電力検出回路28をさらに有する。DC電力検出回路28は、ACアダプタ30より供給されたDC電圧Vと、ユーザ端末20の内部の負荷29により消費されるDC電流Iを基に、DC消費電力を計測する。具体的には、DC電力検出回路28内で検出されたDC電流検出値(電流検出抵抗28aの両端における電位差Vr)と、DC電圧検出値(DC電圧V)のアナログ情報が、それぞれA/Dコンバータ28b,28cでデジタル値に変換される。制御マイコン28dが、これらのデジタル値に基づき演算を行ない、電流情報Idc及び電圧情報Vdcを算出する。なお、以降では電流情報及び電圧情報を、それぞれ「DC電流値Idc」及び「DC電圧値Vdc」とも記載する。
ACアダプタ30は、交流電源から電源プラグ31を介して供給されるAC入力電圧をDC電圧に変換して、ユーザ端末20に供給する。ACアダプタ30は、整流ダイオード32及び絶縁トランス33を経由して、AC入力電圧をAC−DC変換して、DC電圧を生成する。
また、ACアダプタ30の表面には、ACアダプタ識別情報34が添付されている。ACアダプタ識別情報34は、ACアダプタ30の種別ごとに固有の「補正情報」を特定するための一次手段である。ACアダプタ識別情報34は、補正情報を取得するための情報(例えばACアダプタを個体識別するためのID情報や、補正情報保存先のURLなど)でもよいし、補正情報自体が埋め込まれたものでもよい。ACアダプタ識別情報34は、例えば、図番や型格などの銘版記載、一次元バーコード表示、二次元コード表示、RFIDタグ、RFIDカード、などにより実現される。「補正情報」とは、ユーザ端末20の消費電力推定に用いる情報である。補正情報の詳細については後述する。
このような消費電力計測システム1において、ユーザ端末20は、DC電力検出回路28にて検出したDC電力に基づいて、ACアダプタ30における変換損失を考慮して、交流電源における消費電力(以降「AC消費電力Wac」とも記載する)を推定することができる。ユーザ端末20は、ACアダプタ30の種別ごとに設定される補正情報を装置内に記憶しており、この補正情報を用いてAC消費電力Wacを算出する。また、サーバ10は、ユーザ端末20のユーザがACアダプタ30を新たに購入して、ユーザ端末20に使用するACアダプタ30を交換する場合や追加する場合には、新しいACアダプタ30に関する補正情報をユーザ端末20に提供する。ユーザ端末20は、サーバ10から提供された補正情報を用いて、装置内に記憶している補正情報を更新する。このようなサーバ10及びユーザ端末20の機能について、図2を参照して説明する。図2は、図1に示す消費電力計測システムの機能ブロック図である。
サーバ10は、上記の機能に関して、ユーザ情報管理部41、ファイル保管部42、データ整合性検証部43及び情報配信部44の各機能を実現するよう構成されている。サーバ10の各機能ブロックである、ユーザ情報管理部41、ファイル保管部42、データ整合性検証部43及び情報配信部44は、ネットワークNを介してACアダプタ30が変更された事を推測して、能動的に補正情報の更新をユーザに促し、ユーザの煩雑な作業を不要にできるよう構成されている。
ユーザ情報管理部41は、サーバ10が管理する各ユーザ端末20のユーザの購入履歴や連絡先(メールアドレスなど)などのユーザ情報を管理する。ユーザ情報管理部41は、ユーザ情報に基づいて、ACアダプタ30の変更予測及び補正情報の更新要否判断を行う。ユーザ情報管理部41は、例えば、ユーザ情報の購入履歴を参照して、ユーザが新しいACアダプタ30を購入したことを検知すると、ユーザ端末20が使用している補正情報の更新要否の確認をユーザに促すことができる。ユーザ端末20のユーザが例えばメーカーのネットショップなど、インターネット上でACアダプタ30を購入したときに、ユーザがACアダプタ30を購入したことを示す購入情報がメーカー側からネットワークN経由でサーバ10に送信される。ユーザ情報管理部41は、この購入情報に基づいて、ユーザ情報の購入履歴を更新する。
ファイル保管部42は、各種ACアダプタ30に対応した補正情報を保管する。ユーザ情報管理部41は、ユーザ端末20が補正情報を更新する必要がある場合には、ファイル保管部42に保管されている補正情報の中から適合するものを選択して、ユーザ端末20に送信する。
データ整合性検証部43は、ユーザ端末20に提供した補正情報の使用状況を分析する。例えば、新しいACアダプタ30の補正情報をユーザ端末20に送信したにもかかわらず、ユーザ端末20において補正情報の更新処理が長期間行われていない場合など、ユーザ端末20おいて適切な補正情報が用いられていない可能性を検証する。このような可能性が高いと判断した場合には、データ整合性検証部43は、例えば、使用中のACアダプタ30の再確認や、補正情報の更新可否判断を促すメッセージを改めてユーザ端末20に送信するなどの対策をとることができる。
情報配信部44は、ユーザ情報管理部41、ファイル保管部42及びデータ整合性検証部43と連動して、ユーザ端末20に接続されているACアダプタ30と、消費電力推定のための補正情報の整合性を確保するよう、働きかけるための情報を配信する。
ユーザ端末20は、上記の機能に関して、DC電力検出部51、消費電力演算部52(消費電力演算手段)、補正情報記憶部53、補正情報更新部54(補正情報取得手段)の各機能を実現するよう構成されている。
DC電力検出部51は、ACアダプタ30から入力されたDC電力値を検出する。DC電力検出部51は、具体的には、図1に示すDC電力検出回路28により実現され、DC電力検出回路28により出力される電流情報及び電圧情報を、DC電流値Idc及びDC電圧値Vdcとして出力する。
消費電力演算部52は、DC電力検出部51により検出されたDC電力値(DC電流値Idc及びDC電圧値Vdc)と、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報とを用いて、交流電源におけるAC消費電力Wacを推定する。
ここで、AC消費電力Wacの推定手法について説明する。消費電力演算部52は、ACアダプタ30にて直流に変換される前の交流電源の消費電力であるAC消費電力Wacと、交流電源の消費電流であるAC消費電流Iacとを、以下の(1)式及び(2)式を用いて算出する。
Wac=Idc×Vdc×K1×K2 ・・・(1)
Iac=Wac×K3÷Vac ・・・(2)
Wac=Idc×Vdc×K1×K2 ・・・(1)
Iac=Wac×K3÷Vac ・・・(2)
ここで、IdcはDC電流値であり、VdcはDC電圧値である。DC電流値Idc及びDC電圧値Vdcは、DC電力検出部51により計測される。VacはAC電圧値である。AC電圧値Vacは、ユーザ端末20が使用されている国の規格によって決まるものであり、例えば日本の場合100V、米国の場合120V、欧州の場合240Vである。本実施形態では、補正情報に含まれる「AC入力電圧切替係数」によって、AC電圧値Vacが設定される。
また上記(1),(2)式において、K1は効率補正係数であり、K2は温度補正係数であり、K3は力率補正係数である。これらの係数K1,K2,K3は、それぞれが複数の条件に対応する複数のパラメータ値をもつデータセットである。消費電力演算部52は、DC電力や温度などの各種条件に応じて各係数K1,K2,K3を設定した上で、上記(1),(2)式の演算を行なう。本実施形態において、ユーザ端末20は、これらの効率補正係数K1、温度補正係数K2、力率補正係数K3、及びAC入力電圧切替係数を、AC消費電力Wacの推定に用いる補正情報として補正情報記憶部53に保持している。
ここで、補正情報の各係数の詳細についてさらに説明する。
効率補正係数K1は、ACからDCへの電源変換効率に基づき設定されるパラメータである。電源変換効率は、消費電力が少ない時には低く、消費電力が多い時には高くなる特性があり、その特性はACアダプタ30の種類ごとに異なる。効率補正係数K1は、このような電源変換効率の特性を考慮して、消費電力の大きさに応じて設定される。より詳細には、消費電力が少ないときには、効率補正係数K1は相対的に大きく設定され、消費電力が多いときには、効率補正係数K1は相対的に小さく設定されている。効率補正係数K1は、例えば、電源変換効率の逆数である。DC消費電力測定値40W時の効率が88.39%ならば、DC消費電力40Wにおける効率補正係数K1は、1/0.8839=1.13となり、AC消費電力Wacは、40W×1.13=45.2Wとなる。また、DC消費電力測定値0.01W時の効率が9.5%ならば、DC消費電力0.01Wにおける効率補正係数K1は、1/0.095=10.5となり、AC消費電力Wacは、0.01W×10.5=0.105Wとなる。
補正情報の一部として構成される効率補正係数K1は、具体的には、DC消費電力に応じた複数のポイント(例えば30ポイント)における設定値を含むデータセットである。各ポイントの効率補正係数K1の設定値は、例えば、次のような手法で設定できる。まず、DC消費電力が0から最大値までの範囲における電源変換効率の推移をポイント数で分割してスムージング処理して、電源変換効率の特性カーブを作成する。そして、この特性カーブの各ポイントにおける効率値に基づいて、この効率値の逆数をとって、各ポイントの効率補正係数K1を算出する。なお、上記の電源変換効率の特性カーブは、常温(例えば25℃)のデータを基準として作成する。
また、電源変換効率の特性カーブは、AC100V系(AC100〜120V)とAC200V系(AC200〜240V)で異なる特性となる。このため、本実施形態では、効率補正係数K1のデータセットは、AC入力電圧系(AC100V系とAC200V系)に応じて個別に設定されている。つまり、DC消費電力に応じた各ポイントにおいて、AC100V系の場合とAC200V系の場合の2種類の効率補正係数K1が設定されている。
消費電力演算部52は、AC入力電圧切替係数に基づきAC入力電圧系を選択して、選択したAC入力電圧系に関するデータセットを選択し、DC電力検出部51により検出された現在のDC電力値に応じて効率補正係数K1を選択する。
温度補正係数K2は、ACアダプタ30の温度に基づき設定されるパラメータである。温度変化により、電源変換効率が数%程度変化するので、正確なAC消費電力Wacを導き出す為に環境温度による補正が必要である。温度補正係数K2は、常温(例えば25℃)のときの電源変換効率を基準として、各温度における電源変換効率の相対的な比率として表すことができる。各温度における電源変換効率が常温のものと比較して相対的に小さいときには温度補正係数K2は相対比に応じて1以上に設定され、各温度における電源変換効率が常温のものと比較して相対的に大きいときには相対比に応じて1以下に設定されている。例えば25℃時の電源変換効率を100%とした時の−5℃時の電源変換効率が97.5%(2.5%の低下)ならば、−5℃での温度補正係数K2は、1/0.975=1.025となる。このとき、常温25℃のAC消費電力Wacが45.2Wならば、−5℃でのAC消費電力Wacは、45.2W×1.025=46.3Wとなる。
補正情報の一部として構成される温度補正係数K2は、具体的には、温度に応じた複数のポイント(例えば5ポイント)における設定値を含むデータセットである。各ポイントの温度は、ACアダプタ30の実使用領域に基づいて設定され、例えばポイント数を5個とする場合、−5℃、+15℃、25℃、35℃、45℃を設定することができる。
消費電力演算部52は、ACアダプタ30の現在の温度に応じて、温度補正係数K2を選択する。なお、ACアダプタ30の温度を直接検出できない場合には、例えば、端末装置20に温度モニター機能があればその温度を適用することで、またはネットワーク経由で周辺の温度情報を入手して適用することで、ACアダプタ30の温度として代用することができる。
力率補正係数K3は、力率に基づき設定されるパラメータである。力率とは、交流電力の効率に関して定義された値であり、皮相電力に対する有効電力の割合である。力率は、交流電圧と交流電流との位相差をθとしてCosθで表される。AC消費電力Wacを利用してAC電流を導き出すためには、力率の情報が必要となる。AC消費電流を把握することにより、例えば供給設備のブレーカ電流容量に対して安全な電流値であるかを確認することも可能となる。
力率は、電源変換効率と同様に、消費電力が少ない時には低く、消費電力が多い時には高くなる特性があり、その特性はACアダプタ30の種類ごとに異なる。力率補正係数K3は、このような力率の特性を考慮して、消費電力の大きさに応じて設定される。より詳細には、消費電力が少ないときには、力率補正係数K3は相対的に大きく設定され、消費電力が多いときには、力率補正係数K3は相対的に小さくなるように設定されている。力率補正係数K3は、例えば、力率の逆数である。
DC消費電力測定値40W時の力率が49.5%ならば、DC消費電力40Wにおける力率補正係数K3は1/0.495=2.02となる。上記のように、効率補正係数K1に基づき算出したAC消費電力Wacが45.2Wならば、皮相電力は、45.2W×2.02=91.3VAとなる。AC入力電圧がAC100Vならば、AC消費電流は、91.3VA÷100V=0.913Aとなる。また、DC消費電力測定値0.01W時の力率が2.2%ならば、DC消費電力0.01Wにおける力率補正係数K3は、1/0.022=45.5となる。上記のように、効率補正係数K1に基づき算出したAC消費電力Wacが0.105Wならば、皮相電力は、0.105W×45.5=4.7775VAとなる。AC入力電圧がAC100Vならば、AC消費電流は、4.7775VA÷100V=0.047775Aとなる。
補正情報の一部として構成される力率補正係数K3は、具体的には、DC消費電力に応じた複数のポイント(例えば30ポイント)における設定値を含むデータセットである。各ポイントの力率補正係数K3の設定値は、例えば、次のような手法で設定できる。まず、DC消費電力が0から最大値までの範囲における力率の推移をポイント数で分割してスムージング処理して、力率の特性カーブを作成する。そして、この特性カーブの各ポイントにおける力率値に基づいて、この力率値の逆数をとって、各ポイントの力率補正係数K3を算出する。なお、上記の力率の特性カーブは、常温(例えば25℃)のデータを基準として作成する。
また、力率の特性カーブは、電源変換効率と同様に、AC100V系(AC100〜120V)とAC200V系(AC200〜240V)で異なる特性となる。このため、本実施形態では、力率補正係数K3のデータセットは、AC入力電圧系(AC100V系とAC200V系)に応じて個別に設定されている。つまり、DC消費電力に応じた各ポイントにおいて、AC100V系の場合とAC200V系の場合の2種類の力率補正係数K3が設定されている。
消費電力演算部52は、AC入力電圧切替係数に基づきAC入力電圧系を選択して、選択したAC入力電圧系に関するデータセットを選択し、DC電力検出部51により検出された現在のDC電力値に応じて力率補正係数K3を選択する。
AC入力電圧切替係数は、ユーザ端末20に現在提供されているAC入力電圧系が、AC100V系(AC100〜120V)またはAC200V系(AC200〜240V)のどちらかであるかを示すパラメータである。AC入力電圧切替係数は1ビットの情報で表すことができ、例えば、AC入力電圧系がAC100V系である場合には「0」を設定し、AC入力電圧系がAC200V系である場合には「1」を設定することができる。
なお、ユーザ端末20は、ACアダプタの実入力電圧を直接検出できない場合には、例えば、装置仕様より使用国の標準AC電圧を適用することで、または、ネットワークN経由で装置使用環境のAC電圧を入手して適用することで、AC入力電圧系を判別することができる。
効率補正係数K1、温度補正係数K2、及び力率補正係数K3は、ACアダプタ30の種別ごとに異なる特性をもつものである。また、AC入力電圧切替係数は、ユーザ端末20の使用環境によって決まるものである。ユーザ端末20は、これらの補正情報のデータセットを、現在使用しているACアダプタ30の種別に応じて適切なものを選択して、装置内に保持している。
補正情報記憶部53は、ユーザ端末20で現在使用されているACアダプタ30の種別に関連付けられた補正情報を記憶している。補正情報は、現在使用中のACアダプタ30を固体識別するID情報と紐付けて記憶されてもよい。消費電力演算部52は、この補正情報記憶部53に記憶されている補正情報を用いて、AC消費電力Wac及びAC消費電流Iacを推定する。
補正情報更新部54は、ACアダプタ30の変更/追加に応じて、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報を更新する。補正情報更新部54は、サーバ10のユーザ情報管理部41から、ユーザが新たに購入したACアダプタ30に関する補正情報を受け取ると、ユーザ端末20が現在実際に使用しているACアダプタ30が、補正情報記憶部53に記憶されておりユーザ端末20内では現在使用中と認識されているACアダプタ30と同一であるか否かを判定する。そして、両者が異なるものと判定し、新しいACアダプタ30を使用中であることを検知したときに、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報をサーバ10から受け取った新しいものに更新する。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る消費電力計測装置の動作について説明する。図3は、図1,2に示す消費電力計測システムにより実施されるユーザ端末の消費電力計測処理のフローチャートである。
ステップS101では、ユーザ端末20のユーザにより、故障や追加を理由としてユーザ端末20のACアダプタ30が新たに購入される。ここで、ユーザは、例えばACアダプタ30のメーカーのWEBサイトやネットショップなど、ネットワークNを利用してACアダプタ30の購入手続を行なう。
ステップS102では、ユーザのACアダプタ30の購入手続に応じて、ACアダプタ30のメーカーなど販売側のシステムにより、ACアダプタ30の「購入情報」がサーバ10のファイル保管部42に格納される。「購入情報」とは、ユーザが購入したACアダプタ30の図番などの識別情報や、ユーザの連絡先(Eメールアドレス等)を含む。
ステップS103では、サーバ10のユーザ情報管理部41により、購入したACアダプタ30に関連付けられた補正情報が、ユーザ端末20に通知される(補正情報取得ステップ)。ユーザ情報管理部41は、ステップS102で受信した購入情報から、ユーザ端末20のACアダプタ30が変更される可能性が高いものと判断する。そして、購入情報に含まれるACアダプタ30の識別情報に基づいて、ファイル保管部42から、今回購入したACアダプタ30の種別に対応付けられた補正情報を選択して、この選択した補正情報をユーザ端末20に送信する。また、このとき、今回購入したACアダプタ30のID情報も併せて送信してもよい。
ステップS104では、ステップS103においてサーバ10から送信された、新たに購入されたACアダプタ30に関する補正情報をユーザ端末20が受信すると、ユーザ端末20の補正情報更新部54により、ユーザ端末20で現在実際に使用中のACアダプタ30と、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報とが整合しているか否かが確認される。補正情報更新部54は、例えば現在使用中のACアダプタ30のID情報を、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報に紐付けられたID情報と比較して、両者の整合/不整合を判定することができる。なお、現在使用中のACアダプタ30のID情報は、例えば、入力装置26を介したユーザによる入力操作や選択操作により取得することができるし、または、入力装置26のカメラのバーコード読み取り機能などを利用した読み取り操作により取得することができる。ステップS104の判定の結果、ACアダプタ30と補正情報とが整合しない場合には(ステップS104の「不整合」)、ユーザ端末20内では現在使用しているものとされているACアダプタ30とは別種のACアダプタ30が実際には使用されていると判定して、ステップS105に進む。一方、ACアダプタ30と補正情報とが整合する場合には(ステップS104の「整合」)、現在実際に使用しているACアダプタ30が、ユーザ端末20内では現在使用しているものとされているACアダプタ30と同一であると判定して、ステップS106に進む。
ステップS105では、ステップS104の判定の結果、現在実際に使用中のACアダプタ30と、補正情報記憶部53に現在記憶されている補正情報とが不整合であるので、両者の整合性が取れるように、補正情報更新部54により、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報が更新される。補正情報更新部54は、更新された補正情報と、新しいACアダプタ30のID情報とを紐付けて補正情報記憶部53に記憶する。
ステップS105における補正情報の更新処理は、例えば以下の手法(1)〜(4)をとることができる。
(1)ACアダプタ識別情報34が銘版記載の場合には、ユーザがACアダプタ識別情報34(図番情報など)を目視確認して、ステップS103にてサーバ10から通知された補正情報を表示装置27で確認・選択して更新する。
(2)ACアダプタ識別情報34が一次元バーコードの場合には、ACアダプタ識別情報34にURL情報(サーバ10の接続先アドレス)を埋め込むことができる。この場合、ユーザが入力装置26のカメラのバーコード読取機能や、移動通信端末のカメラなど他機器のバーコード読取機能などを利用して、ACアダプタ識別情報34を読み取り、ACアダプタ識別情報34に記載されたURL情報を取得する。このURLに返信することで、サーバ10より補正情報をダウンロードして、この補正情報で更新を行なう。なお、この場合も、ステップS103にてサーバ10から通知された補正情報を用いて更新してもよい。
(3)ACアダプタ識別情報34が二次元コードの場合には、ACアダプタ識別情報34に補正情報自体を埋め込むことができる。この場合、上記(2)と同様に二次元コード読み取り機能を利用して、ACアダプタ識別情報34を読み取り、ACアダプタ識別情報34に埋め込まれた補正情報を直接またはネットワークN経由で取得して、この補正情報で更新を行なう。
(4)ACアダプタ識別情報34がRFIDタグやRFIDカードの場合には、ユーザがRFIDリーダなどの読み取り装置を利用してACアダプタ識別情報34を読み取り、ACアダプタ識別情報34に埋め込まれている補正情報を直接またはネットワークN経由で取得して、この補正情報で更新を行なう。
ステップS106では、ステップS105の判定の結果、現在実際に使用中のACアダプタ30と、補正情報記憶部53に現在記憶されている補正情報との整合性が有るので、適切な補正情報を使用しているものと判断して、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報は更新されずにそのまま維持される。
ステップS107では、ステップS105で更新された補正情報、または、ステップS106で維持された補正情報を用いて、消費電力演算部52によりAC消費電力Wacが計測される(消費電力演算ステップ)。消費電力演算部52は、まず、補正情報のAC入力電圧切替係数をみて、AC入力電圧系がAC100V系、AC200V系のどちらかを判定して、AC電圧値を選択する。また、補正情報の効率補正係数K1と力率補正係数K3の特性をAC100V系、AC200V系から選択する。次に、DC電力検出部51により検出されたDC電圧値Vdc及びDC電流値Idcを取得し、現在のDC消費電力に応じた効率補正係数K1と力率補正係数K3を選択する。また、現在の温度から温度補正係数K2を選択する。そして、(1)式に、DC電圧値Vdc、DC電流値Idc、効率補正係数K1、温度補正係数K2を代入して、AC消費電力Wacを算出する。さらに、(2)式に力率補正係数K3、AC電圧値Vac、AC消費電力Wacを代入して、AC消費電流Iacを算出する。ステップS107の処理が完了すると、本制御フローを終了する。
図3のフローチャートでは、ステップS103においてサーバ10からユーザ端末20に新しいACアダプタ30に関する補正情報が通知されるのに応じて、ユーザ端末20の補正情報記憶部53に記憶されている補正情報の更新要否が判断されて、更新が必要な場合には補正情報が更新される。つまり、本実施形態では、ステップS103でサーバ10からユーザ端末20に通知される新しいACアダプタ30に関連付けられた補正情報が、ACアダプタ30の変更または追加を示す「更新トリガ」として機能する。
次に、本実施形態に係る消費電力計測装置の効果について説明する。
消費電力計測装置としてのユーザ端末20は、ACアダプタ30の変更を示す更新トリガの入力に応じて、この変更されたACアダプタ30に関連付けられた補正情報を取得する補正情報更新部54と、ACアダプタ30から供給されるDC電力値(DC電圧値Vdc及びDC電流値Idc)と、補正情報更新部54により取得された補正情報とに基づいて、ACアダプタ30におけるAC消費電力Wacを算出する消費電力演算部52と、を備える。
この構成により、ACアダプタ30が変更された場合には、AC消費電力Wacの演算に用いる補正情報が、この変更されたACアダプタ30に関連付けられた補正情報に変更される。このため、ユーザ端末20に使用されるACアダプタ30が他種に変更されたとしても、ユーザ端末20は、現在使用中のACアダプタ30の変換損失などの特性に合致した補正情報を常に保持することが可能となる。この結果、高精度にAC消費電力Wacを計測できる。
また、ユーザ端末20において、上記の更新トリガは、ユーザ端末20のユーザによるACアダプタ30の購入履歴情報に基づき、ネットワークNから入力される。
従来、ACアダプタ30を交換した場合には、補正情報を更新するために、ユーザ端末20のメーカーが端末を引き取ってプログラムを書き換えるなど、煩雑な作業が発生することが考えられた。これに対して、本実施形態では、更新トリガがユーザの購入履歴情報に基づき自動的にユーザ端末20に提供され、この更新トリガの入力に応じて補正情報が更新される。この構成により、ユーザ端末20のユーザは、ACアダプタ30の購入手続を行なうだけで、自動的に補正情報の更新までを行なうことが可能となり、高精度なAC消費電力Wacの計測を簡便に行なうことができる。
また、ユーザ端末20においてAC消費電力Wacの演算に用いる補正情報は、効率補正係数K1、温度補正係数K2、力率補正係数K3、及びAC入力電圧切替係数を含む。これにより、電源変換効率、温度、力率、AC入力電圧系の各条件に応じて補正係数を設定することができ、AC消費電力Wacの推定精度を向上できる。
[第一変形例]
次に、図4を参照して、本実施形態の第一変形例を説明する。図4は、本実施形態の第一変形例におけるユーザ端末の消費電力計測処理のフローチャートである。
次に、図4を参照して、本実施形態の第一変形例を説明する。図4は、本実施形態の第一変形例におけるユーザ端末の消費電力計測処理のフローチャートである。
上記実施形態では、ユーザがACアダプタ30を購入した場合に、サーバ10が、このACアダプタ30の購入情報をメーカー側から受け取るのに応じて、サーバ10がユーザ端末20に対して更新トリガ(購入したACアダプタ30のID情報、補正情報)を通知していた。しかしながら、例えばユーザがネットワークNを利用せずに店舗など他の手段でACアダプタを購入すると、ACアダプタ30の購入情報をサーバ10が自動的に獲得できない場合が考えられる。このような場合には、ユーザが新たに購入したACアダプタ30の識別情報をサーバ10に提供することを契機として、サーバ10が更新トリガをユーザ端末20に送信する構成とすることもできる。
図4を参照して、第一変形例におけるユーザ端末20の消費電力計測処理を説明する。ステップS201では、ユーザ端末20のユーザにより、故障や追加を理由としてユーザ端末20のACアダプタ30が新たに購入される。ここで、ユーザは、例えばACアダプタ30を取り扱う店舗などでACアダプタ30を店頭購入する。
ステップS202では、ユーザの読み取り操作によって、購入したACアダプタ30のACアダプタ識別情報34が読み取られ、サーバ10に送信される。なお、ユーザによるACアダプタ識別情報34の読み取り操作は、ステップS105にて例示した手法(1)〜(4)を適用することができる。これらの手法によって、ACアダプタ識別情報34が、ユーザ端末20及びネットワークNを介して、または、移動体通信網を経由して、サーバ10に入力される。
ステップS203では、ACアダプタ識別情報34の入力に応じて、サーバ10のユーザ情報管理部41により、購入したACアダプタ30に関連付けられた補正情報が、ユーザ端末20に通知される。ユーザ情報管理部41は、ステップS202で読み取られたACアダプタ識別情報34に基づいて、ファイル保管部42から、今回購入したACアダプタ30の種別ごとに対応付けられた補正情報を選択して、この選択した補正情報をユーザ端末20に送信する。
ステップS204〜S207の処理内容は、図3のフローチャートのステップS104〜S107と同一なので説明を省略する。
このように、本変形例では、ユーザ端末20のユーザによる新たに購入したACアダプタ30のACアダプタ識別情報34の読み取り操作に応じて、ACアダプタ30の変更を示す更新トリガ(ACアダプタのID情報及び補正情報)がユーザ端末20に入力される。この構成により、ユーザがACアダプタ30をネットワークN経由で購入しない場合でも、ACアダプタ30の購入に応じて、ユーザ端末20内の補正情報を更新するための更新トリガをサーバ10からユーザ端末20に通知することが可能となるので、補正情報を更新できる機会を増やすことができ、AC消費電力Wacの推定精度をより一層向上できる。
[第二変形例]
次に、図5を参照して、本実施形態の第二変形例について説明する。図5は、本実施形態の第二変形例におけるユーザ端末の消費電力計測処理のフローチャートである。
次に、図5を参照して、本実施形態の第二変形例について説明する。図5は、本実施形態の第二変形例におけるユーザ端末の消費電力計測処理のフローチャートである。
上記実施形態では、ユーザがACアダプタ30を購入した場合に、古いACアダプタ30と交換して新たに購入したACアダプタ30のみを使用する状況が想定されていた。しかしながら、例えば、ユーザがユーザ端末20のみを持ち歩き、自宅と会社で別のACアダプタ30を使用するなど、単一のユーザ端末20で複数のACアダプタ30を使い分ける状況も考えられる。このような場合には、例えば接続するネットワークNの種別など、ユーザ端末20の使用場所を特定する情報に基づいて、複数の補正情報を使い分けてAC消費電力Wacの推定を行なうこともできる。
図5を参照して、第二変形例におけるユーザ端末20の消費電力計測処理を説明する。図5のフローチャートの処理の前提として、ユーザ端末20の補正情報記憶部53には、例えば自宅用や会社用など複数のACアダプタ30に関する複数の補正情報が予め記憶されている。つまり、本変形例の場合、ユーザ端末20の補正情報更新部54は、サーバ10からの更新トリガの入力に応じて、補正情報記憶部53に記憶されている補正情報を上書き更新するのではなく、新たな補正情報を追加する。また、これらの複数の補正情報は、複数のACアダプタ30がそれぞれ使用される際に接続されるネットワークNの種類と紐付けられて記憶されている。図5のフローチャートの処理は、ユーザ端末20の消費電力演算部52により実施される。
ユーザ端末20がネットワークNに接続されると(ステップS301)、接続中のネットワークNの種類が判別される(ステップS302)。そして、補正情報記憶部53に記憶されている複数の補正情報の中から、接続中のネットワークNに紐付けられた補正情報が選択され(ステップS303)、この補正情報を用いてAC消費電力Wacが計測される(ステップS304)。
例えば、自宅にてネットワークNとの接続が確立すると、ユーザ端末20の消費電力演算部52により、自動的に自宅用のACアダプタ30に紐付けられた補正情報が適用される。同様に、会社にてネットワークNとの接続が確立すると、会社用のACアダプタ30に紐付けられた補正情報が適用される。
このように、複数のACアダプタ30にそれぞれ関連付けられた複数の補正情報をユーザ端末20の補正情報記憶部53に記憶しておき、ユーザ端末20が接続されるネットワークNの種類に基づいて、複数の補正情報のうち1つを選択することにより、ユーザが使用場所ごとに補正情報を設定変更しなくとも自動的に適切な設定変更が実行されるので、高精度なAC消費電力Wacの計測を簡便に行なうことができる。
なお、図5の例では、ユーザ端末20が接続されるネットワークNの種類と紐付けて複数の補正情報を保持する構成を例示したが、複数の補正情報は、ユーザ端末20の使用場所を特定する情報に紐付けられていればよく、ネットワークNの種類以外にも、例えばGPSなどの位置情報を利用してもよい。
本実施形態の消費電力計測システム1は、例えば、各ユーザ端末20の使用ユーザ、使用場所、消費電力量の情報をサーバ10で収集することにより、商用電源の電力利用に応じた課金システムに応用できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
上記実施形態では、ACアダプタ30のID情報と補正情報とが関連付けられてサーバ10のファイル保管部42に記憶される構成を例示したが、各ユーザ端末20がこれらの情報を記憶する構成でもよい。この場合、サーバ10から送信される更新トリガは、新しいACアダプタ30のID情報のみを含み、ユーザ端末20にて、このID情報に関連付けられる補正情報が抽出される。
また、上記実施形態では、個々のユーザ端末20において消費電力を算出する構成を例示したが、サーバ10が一括して消費電力推定を行なう構成としてもよい。この場合、本発明に係る消費電力計測装置の機能は、消費電力計測システム1のサーバ10により実現される。
1 消費電力計測システム
10 サーバ
20 ユーザ端末(電子機器、消費電力計測装置)
30 ACアダプタ
52 消費電力演算部(消費電力演算手段)
54 補正情報更新部(補正情報取得手段)
Wac AC消費電力
K1 効率補正係数
K2 温度補正係数
K3 力率補正係数
N ネットワーク
10 サーバ
20 ユーザ端末(電子機器、消費電力計測装置)
30 ACアダプタ
52 消費電力演算部(消費電力演算手段)
54 補正情報更新部(補正情報取得手段)
Wac AC消費電力
K1 効率補正係数
K2 温度補正係数
K3 力率補正係数
N ネットワーク
Claims (7)
- 電子機器に電力を供給するACアダプタの変更または追加を示す更新トリガの入力に応じて、前記変更または追加されたACアダプタに関連付けられた補正情報を取得する補正情報取得手段と、
前記ACアダプタから供給されるDC電力値と、前記補正情報取得手段により取得された補正情報とに基づいて、前記ACアダプタにおけるAC消費電力を算出する消費電力演算手段と、
を備えることを特徴とする消費電力計測装置。 - 前記更新トリガは、当該消費電力計測装置のユーザによるACアダプタの購入履歴情報に基づきネットワークから入力されることを特徴とする、請求項1に記載の消費電力計測装置。
- 前記更新トリガは、当該消費電力計測装置のユーザによるACアダプタの識別情報の読み取り操作に応じて入力されることを特徴とする、請求項1または2に記載の消費電力計測装置。
- 複数のACアダプタにそれぞれ関連付けられた複数の補正情報を有し、当該消費電力計測装置の使用場所の特定情報に基づいて、前記複数の補正情報のうち1つを選択することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の消費電力計測装置。
- 前記補正情報は、少なくとも、効率補正係数、温度補正係数、力率補正係数、及びAC入力電圧切替係数を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の消費電力計測装置。
- 電子機器の消費電力を計測する消費電力計測方法であって、
前記電子機器に電力を供給するACアダプタの変更または追加を示す更新トリガの入力に応じて、前記変更または追加されたACアダプタに関連付けられた補正情報を取得する補正情報取得ステップと、
前記ACアダプタから供給されるDC電力値と、前記補正情報取得ステップにて取得された補正情報とに基づいて、前記ACアダプタにおけるAC消費電力を算出する消費電力演算ステップと、
を備えることを特徴とする消費電力計測方法。 - 電子機器の消費電力を計測する消費電力計測プログラムであって、
前記電子機器に電力を供給するACアダプタの変更または追加を示す更新トリガの入力に応じて、前記変更または追加されたACアダプタに関連付けられた補正情報を取得する補正情報取得機能と、
前記ACアダプタから供給されるDC電力値と、前記補正情報取得機能により取得された補正情報とに基づいて、前記ACアダプタにおけるAC消費電力を算出する消費電力演算機能と、
をコンピュータに実現させるための消費電力計測プログラム。
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-
2013
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