JP7204761B2 - 微小機械時計部品 - Google Patents

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Description

本発明は、第1の態様において、プレート状のシリコン基板において切り出された微小機械時計部品であって、微小機械時計部品の切縁部が、時計の別の微小機械部品の対応する接触ゾーンに接して滑動するよう構成された接触面として機能するよう設けられた部分を含み、部品の切縁部が、交互するリブと溝とを含むリブ付き面を有し、これらのリブ及びこれらの溝が直線状である、微小機械時計部品に関する。本発明のこの第1の態様は、特に、上記で与えられた規定に従い且つレバー脱進機の一部である微小機械時計部品に関する。
第2の態様において、本発明は、本発明の第1の態様に従う微小機械時計部品を製造する方法であって、
前記方法が、
-プレート状のシリコン基板を取得するステップと、
-基板の水平面上にオープンワークエッチングレジストを堆積して構造化するステップと、
-基板をくり抜くように、レジストにおける開口部を通じて基板の表面を反応性イオンエッチングによりエッチングするステップと、
-前述のステップの間にエッチングによって露出された表面上に化学的に不活性のパッシベーションを堆積するステップと、
-前述の2つのステップによって形成されるステップシーケンスが予め定められた第1の回数が行われるまで、又は反応性イオンエッチングが基板の厚さ全体にわたってくり抜くまで前記ステップシーケンスの実行を繰り返すステップと、
-微小機械時計部品をレジスト及び基板から取り除くステップと、
を含む、方法に関する。
微小機械時計部品の製造、及び特に単結晶又は多結晶シリコンウェーハの微細機械加工によってレバー脱進機の部品を形成するこのような微小機械時計部品の製造は知られている。特に、欧州特許第0732635号は、シリコンからの脱進機レバーの製造について記載している。シリコンの微細機械加工は、大部分がエッチング工程からなる。エッチングレジストは、一般に、部品を所望の形状にするために使用され、これらのレジストは、シリコン基板の水平面上に事前に堆積及び構造化されている。最も広く使用されているエッチング技術は、ディープ反応性イオンエッチング、すなわちDRIEと呼ばれる。特に、Robert Bosch GmbHの名義での米国特許第5,501,893号は、不活性パッシベーション層の堆積とプラズマエッチングのステップを交互に行う手順を適用することにより、シリコン基板に準垂直フランクを有するエッチングプロファイルを提案している。パッシベーション層を堆積するステップとエッチングステップは、全てフッ素化合物を使用しているため、単一の化学的コンテキスト内で行われる。各ステップは数秒間続き、基板の表面全体にパッシベーション層が形成されるので、この基板は何らかの後続のエッチングから保護される。しかしながら、次のエッチング工程の間、垂直方向に加速されたイオンの衝突により、プロファイルの底部にてパッシベーション層の一部の崩壊が生じる(ただし、そのフランクを覆う部分は除く)。従って、プロファイルの底部は、反応性エッチングに極めて直ぐに暴露される。米国特許第5,501,893号は、引用により組み込まれる。
エッチングステップ及びそれに続くパッシベーション層の堆積ステップによって形成されるシーケンスは何度も繰り返される。例えば、基板の片側から反対側まで500ミクロンの厚さまで垂直に貫通する溝をエッチングするために100~1000回の間である。堆積ステップとエッチングステップを連続して交互に繰り返すと、完全に真っ直ぐなフランクではなく、細かく起伏して、交互に並ぶ規則的に離間した凹凸部を有するフランクが生成される。起伏の振幅は、堆積ステップとエッチングステップが交互に繰り返される頻度に依存する。
DRIE技術によるシリコンウェーハの微細機械加工による微小機械時計部品の製造は、良好な結果をもたらす。しかしながら、微小機械部品の垂直フランクが、別の微小機械部品の少なくとも1つの接触ゾーンに接して滑動するのに設けられる接触面として機能するものであることは珍しいことではない。これらの垂直接触面は、トライボロジーの観点からは完全に満足できるものではないことが分かっている。
この問題を克服しようとして、複数のアイデアが提案されている。先ず、個々のエッチングステップの持続時間を短縮することにより、微小機械部品のフランクを可能な限り真っ直ぐにする試みが行われている。この手順により、ほぼ完璧に滑らかなフランクを得ることができる。しかしながら、これは、エッチングプロセスの実行速度が大幅に低下することを犠牲にしている。別の解決策が、欧州特許第3109200号に記載されている。この文献は、実際には、2つのレベルに分割される周壁を備えた微小機械部品の製造を提案している。実質的に垂直な面を有する上側レベルと、面取りのように斜めに向けられた表面を有する下側レベルである。第2のレベルの周壁は垂直線に対して傾斜しているので、他の微小機械部品の接触ゾーンとは接触しない。このため、実際の接触領域は、垂直フランクを有する部品と比較して減少する。
欧州特許第0732635号明細書 米国特許第5,501,893号公報 欧州特許第3109200号明細書
本発明の1つの目的は、ここで説明した従来技術の欠点を克服することである。本発明は、添付の請求項1に記載の微小機械時計部品と、添付の請求項13及び14に記載の2つの製造方法をそれぞれ提供することによって、この目的及び他の目的を達成する。
本発明によれば、リブ及び溝は、リブを互いから離隔する間隔が第1の距離に等しい第1の区間と、リブ間の間隔が第1の距離とは異なる第2の距離に等しい少なくとも1つの第2の区間とを備えた離間パターンを形成する。出願人によって実施された試験では、上述の特徴を有する離間パターンが存在することで、接触中の摩擦を低減することによりトライボロジー特性を改善することを示した。
本発明の特定の実施形態によれば、リブ及び溝は各々、プレートに平行な平面内に含まれる。
本発明の他の実施形態によれば、リブ及び溝は、プレートの主面に対して垂直である。
本発明の第1の実施形態によれば、第1の区間に属する溝は、好ましくは全て同じ第1の深さである。この深さは10nm~2μmである。
本発明の第2の実施形態によれば、第2の距離は、好ましくは、第1の距離よりも大きい。
本発明の第3の実施形態によれば、離間パターンは、複数の第2の区間を含み、第2の距離は、200nm~50μm、及び好ましくは800nm~10μmである。
第3の実施形態の有利な変形形態によれば、第2の区間に属する溝は、全て同じ深さである。この深さは10nm~10μmである。
第2の実施形態の有利な変形形態によれば、離間パターンは、単一の溝を含む単一の第2の区間を含み、第2の距離は、200nmから部品の全高の2/3の間であり、好ましくは部品の全高の1/3から1/2の間である。更に、第2区間の単一溝の深さは、好ましくは10nm~50μmである。
本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な実施例としてのみ与えられ、添付図面を参照して与えられる以下の説明を読むと明らかになるであろう。
従来技術のSwissレバー脱進機を示す概略平面図である。 本発明の特定の第1の実施形態の1つの変形形態に対応する1つの微小機械時計部品の切縁部上のリブ付き面を示す概略断面図である。 本発明の特定の第1の実施形態の1つの変形形態に対応する1つの微小機械時計部品の切縁部上のリブ付き面を示す概略断面図である。 本発明の特定の第1の実施形態の1つの変形形態に対応する1つの微小機械時計部品の切縁部上のリブ付き面を示す概略断面図である。 本発明の特定の第2の実施形態による微小機械時計部品の切縁部上のリブ付き面を示す概略断面図である。 本発明の2つの方法のうちの1つの方法の1つの特定の実施構成の6つの連続するステップの間における反応性ガスの流れとパッシベーションガスの流れの発生を示す2つのグラフである。 ガンギ車の主面に垂直な歯の衝撃面上にリブ及び溝が形成された、本発明の第3の実施形態によるガンギ車の歯の概略平面図である。
以下、Swissレバー脱進機の関連で本発明について説明する。しかしながら、本発明は、この限定的な適用領域に限定されず、むしろ、2つの構成要素が滑動し、従って互いに摩擦し合うように行わせる全ての微小機械時計デバイスに関することは理解されるであろう。
図1は、従来技術のSwissレバー脱進機を示す概略平面図である。図示の機構は、特に、ガンギ車3、レバー5、及びローラーテーブル7を備え、その中心を介してテンプ9のスピンドルを通過する。レバーの2つのアームは各々、パレット11、13で終端する。パレットは、ガンギ車3の歯15と協働するように配置されている。ガンギ車は、ガンギカナ(17で示されている)と係合する時回り輪列(図示せず)によって香箱(図示せず)に接続される。これにより、ガンギ車は、恒久的に前方に(換言すると、図1に示すように時計回りに)押し出される。図示の時点では、ガンギ車3の歯15の1つがレバー5の入口パレット11のロック面に対して固定されていることに留意されたい。テンプによって駆動されるレバー5は、スピンドル19を中心に時計回り方向に旋回運動を開始する。レバーが時計回り方向に旋回すると、入口パレットが歯15の前側フランクに接して(図の)上向き方向に滑動することになる。この係合解除段階は、パレットのロック面が歯15の前方フランクの前進に対する障害でなくなった時点で終了する。次に、パレット11の下面(パレットの衝撃面)に接して滑動するようになるのは、この同じ歯の平坦な先端(歯の衝撃面と呼ばれる)である。2つの衝撃面の間の角度がついた接触はまた、入口パレット11を上向きに反発する作用をもたらし、時計回り方向のレバー5の旋回運動が増強されることになる。この衝撃段階は、入口パレット11が歯15への完全に自由な通過を提供するのに十分な程度に反発したときに終了することになる。ここで説明した2つの連続する段階では、この間にガンギ車3の歯15がレバー5のパレット11、13のうちの1つパレットの面に接して滑動し、各段階でかなりの摩擦が発生する。
図2A、2B、2Cは、本発明の特定の第1の実施形態の3つの変形形態にそれぞれ対応する3つの微小機械時計部品1、10、20の切縁部上のリブ付き面を示す概略断面図である。ここで図2Aをより詳細に参照すると、本発明によれば、部品1の切縁部上のリブ21a及び溝23aは、幅が第1の距離に等しい狭い溝によってリブが互いに離隔されている第1の区間25aと、幅が第1の距離よりも大きい第2の距離に等しい広い溝によってリブが互いに離隔されている第2の区間27aとを備えた、離間したパターン又は交互パターンを形成していることが分かる。更に、図示の実施形態では、第1の区間25aと第2の区間27aが周期的に交互して、第2の区間が常に2つの第1の区間の間に挿入され、逆もまた同じであることが分かる。従って、図2Aに示す変形形態によれば、部品1の切縁部のリブ付き面は、部品の高さ全体にわたって周期的に繰り返されるパターンを有することが理解されるであろう。図示の変形形態では、このパターンは、2つの狭い溝とそれに続く1つの広い溝で形成されている。また、この変形形態では、狭い溝は、例えば2μmの幅及び10nm~2μmの深さを有することができると言える。更に、広い溝は、8μmの幅及び10nm~10μmの深さを有することができる。
図2Bに示す部分の切縁部のリブ付き面上のパターンは、図2Aのパターンと極めて類似する。実際に、部品10の切縁部上のリブ21b及び溝23bは、溝23bが狭い第1の区間25bと、溝23bが広い第2の区間27bとを備えた、交互するパターン、換言すると離間したパターンを形成することが分かる。更に、図2Aの実施例も同様であったが、部品10の切縁部のリブ付き面は、部品の高さ全体にわたって周期的に繰り返されるパターンを有する。図2Bの変形形態では、このパターンは単一の狭い溝とそれに続く広い溝によって形成されていることが分かる。また、この変形形態では、狭い溝は、例えば1μmの幅及び10nm~2μmの深さを有することができると言える。更に、広い溝は、9μmの幅及び10nm~10μmの深さを有することができる。
図2Cに示す部品の切縁部のリブ付き面上のパターンは、図2A及び2Bのパターンと極めて類似する。部品20の切縁部のリブ付き面は、部品の高さ全体にわたって周期的に繰り返されるパターンを有することが分かる。図2Cの変形形態では、このパターンは、5つの狭い溝とそれに続く1つの広い溝で形成されていることが分かる。また、この変形形態では、狭い溝は、例えば1μmの幅及び10nm~2μmの深さを有することができると言える。更に、広い溝は、9μmの幅及び10nm~10μmの深さを有することができる。
図3は、本発明の特定の第2の実施形態による微小機械時計部品100の切縁部のリブ付き面を示す概略断面図である。図3で分かるように、部品100の切縁部上のリブ121及び溝123は、リブ121を互いから離隔する間隔が第1の距離に等しい第1の区間と、リブ間の間隔が第1の距離とは異なる第2の距離に等しい第2の区間とを備えた交互又は離間パターンを形成する。図示の実施形態では、単一の第2の区間127自体は、幅が第2の距離に等しい単一の溝123によって形成される。図示の実施形態では、この第2の距離は、部品100の全厚の4分の1よりも大きいことが分かる。例証として、部品100は、80μm~500μmの厚さを有することができ、上記第2の距離は、20μm~150μmの間とすることができる。依然として図3を参照すると、図示の実施形態では、2つの第1の区間125が存在することも分かる。2つの区間125は各々、部品100の2つの主面のうちの1つと第2の区間127との間に延びる。また、図示の実施例では、2つの区間125が同じ数の溝123を有すること、及びこれらが同じ幅であることも分かる。しかしながら、本実施形態の他の変形形態によれば、2つの区間125は、異なる数の溝を有することができることは理解されるであろう。また、図示の実施形態では、第1の区間125を形成する溝は、狭い溝であって、例えば、1μmの幅及び10nm~2μmの深さを有することができると言える。
また、本発明は、添付の図2A、2B、2C及び図3に示されているような微小機械時計部品の製造を可能にする方法に関する。ここで、本発明の方法の特定の実装態様について説明する。
本発明の方法は、プレート状のシリコン基板を取得することからなる第1のステップを含む。勿論、基板が全体的にシリコンで形成されていなくても、ドープされたシリコンで形成することも可能である。基板は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)で形成することができる。当業者であれば周知であるように、サンドイッチ構造を有するこのような基板は、二酸化ケイ素の中間層によって接続されたシリコンの2つの層を含む。或いは、基板は、例えば、金属などの別のタイプのベースに取り付けられたシリコンの層で形成することもできる。
本方法の次のステップは、基板の水平面上にオープンワークエッチングレジストを堆積及び構造化することからなる。エッチングレジストは、プレート状の基板の2つの主面の一方に形成されている。図2A、2B、2C及び図3を参照すると、図示の実施例では、エッチングレジストが基板の上部水平面上に形成されことが明らかになるであろう。レジストは、後続のエッチングステップに耐えることができる材料で形成される。本実施例によれば、エッチングレジストは、二酸化ケイ素から作製される。
本方法は、第1の距離に等しい深さまで基板をくり抜くように、レジストの開口部を通じて基板の露出面を反応性イオンエッチングによってエッチングすることからなるステップによって続く。反応性イオンエッチングは、それ自体は当業者には周知である。エッチングステップ用に最も一般的に使用されるガスはSF6であり、エッチングの最適化を可能にする主なパラメータは、有利には200~780sccm、好ましくは350~600sccmであるSF6の流量;有利には2.45GHzで1000~3000ワット、好ましくは2.45GHzで1500~2600ワットであるプラズマを励起する働きをする無線周波電力;及び有利には0.8秒~35秒、好ましくは1.5秒~7秒であるエッチングステップの持続時間である。パラメータは、ステップの終わりにおいて、イオンエッチングがシリコン基板を所定の第1の距離(例えば、図2Aの実施例の場合は2ミクロン)に等しい深さまでくり抜くように選択される。
本方法の次のステップは、前のステップの間にエッチングによって露出された表面上に化学的に不活性なパッシベーション層を堆積することからなる。パッシベーションステップで最も一般的に使用されるガスはC4F8であり、パッシベーション層の堆積の最適化を可能にする主なパラメータは、有利には10~780sccm、好ましくは50~400sccmであるC4F8の流量;有利には2.45GHzで1000~3000ワット、好ましくは2.45GHzで1500~2600ワットであるプラズマを励起する働きをする無線周波電力;及び有利には0.8秒~20秒、好ましくは1秒~4秒であるパッシベーションステップの持続時間である。
次に、ここで述べたエッチングステップ及びパッシベーションステップを含む方法シーケンスが繰り返される。この第1の反復シーケンスは、所定の第1の回数(n)を連続して実行され、或いは同等の方式で、第1の反復シーケンスは、第1の区間において溝が存在する数だけ実行される(換言すると、図2Aに示す実施例では2回、図2Bによれば1回、図2Cによれば5回)。
同じ溝幅を維持しながらより深い溝をエッチングするために、エッチングプロセスのパラメータを適合させることができる。例えば、反応ガスの流量とエッチングステップの持続時間を同時に変えることができる。実際に、活性ガスの流量を増大させることにより、エッチングが加速される。しかしながら、これにより反応性ガスの分子密度も増加し、エッチングがより等方性になり、従って溝がより深くなる。溝の深さに影響を与えるためには、エッチングステップの継続時間よりも、ガス流動係数の方が重要である。
本方法が上記のように第1の区間のエッチングを終了した場合、本方法の次のステップは、第1の距離とは異なる第2の距離に等しい深さまで基板をくり抜くように、レジストの開口部を通じて基板の露出面を反応性イオンエッチングによってエッチングすることからなる。エッチングパラメータは、ステップの終わりにおいて、イオンエッチングがシリコン基板を所定の第2の距離(例えば、図2Aの実施例の場合は8ミクロン)に等しい深さまでくり抜くように選択される。本方法の次のステップは、前のステップの間にエッチングによって露出された表面に化学的に不活性なパッシベーション層を堆積することからなる。
次に、ここで述べたエッチングステップ及びパッシベーションステップを含む方法のシーケンスが繰り返される。この第2の反復シーケンスは、所定の第2の回数(m)を連続して実行され、又は同等の方式で、第2の反復シーケンスは、第2の区間において溝が存在する数だけ実行される(換言すると、図2A、2B、2C、及び図3に示す実施例の各々において1回)。本方法が上記のように第2の区間のエッチングを終了した場合、本方法は、第1の反復シーケンスの開始に戻り、新しい第1の区間のエッチングを開始することによって進行する。
最初に第1の区間をエッチングし次いで第2の区間をエッチングすることからなる方法のシーケンス自体を繰り返すことができる。この第3の反復シーケンスは、特定の第3の回数(v)を実行され、又は同等の方式で、第3の反復シーケンスは、第2の区間ごとに1回、部品の切縁部のリブ付き面上で実行される。
次に、微小機械時計部品からレジストを取り除いた後、好ましくは二酸化ケイ素層で覆われ、その後、この層が最終的に基板から取り除かれる。
図4は、図2A、2B、2C及び図3に示される微小機械時計部品を製造するのに使用される本発明の方法の特定の1つの実施構成の6つの連続するステップの間の反応性ガスの流れ及びパッシベーションガスの流れの展開を示す二重グラフである。より具体的には、図4の実装態様により、図2Aの実施例の微小機械部品を製造することができる。グラフは、エッチングステップG1とその後のパッシベーションステップP1を含む第1の反復シーケンスを示している。エッチングステップの間、SF6の流量は5秒間で400sccmである。パッシベーションステップの間、C4F8の流量は2秒間で200sccmである。図から分かるように、第1の反復シーケンスが1回繰り返されて、2つの溝から形成される第1の区間を完了する。第1の区間が完了すると、エッチングステップG2とその後のパッシベーションステップP2によって形成される第2のシーケンスに進む。エッチングステップG2の間、SF6の流量は35秒で400sccmである。パッシベーションステップP2の間、C4F8の流量は15秒間で200sccmである。
本発明によれば、微小機械時計部品の切縁部の表面はリブ付きであり、交互する直線状のリブ及び溝を含む。これまでに説明した両方の実施形態によれば、これらのリブ及びこれらの溝は水平であり、換言すると、各々がプレートに平行な平面内に含まれていた。図5の部分概略平面図は、本発明の第3の例示的な実施形態を示しており、微小機械部品は、ガンギ車によって形成されている。この実施形態によれば、リブ及び溝は、ガンギ車の主面に対して垂直に向けられる。図5の部分図は、ガンギ車の歯(200で参照)の1つだけを示している。図に示すように、歯200の衝撃面は、真っ直ぐで垂直な交互するリブ221及び溝223を有する。リブ221及び溝223は、溝223が狭い第1の区間225と、溝が広い第2の区間227とを有する離間パターンを形成している点に留意されたい。更に、リブ221及び溝223は、歯200の衝撃面の幅全体にわたって周期的に繰り返されるパターンを有する。
本発明に準拠し且つ垂直方向に凹凸のある表面を備えた微小機械時計部品の一式を製造するために、単結晶又は多結晶シリコンの微小機械部品を製造する方法であって、
以下のステップ、すなわち:
a)シリコン基板を取得するステップと;
b)基板の水平面上にオープンワークエッチングレジストを堆積して構造化するステップと;
c)基板を第1の距離までくり抜くように、レジストにおける開口部を通じて基板の表面を反応性イオンエッチングによりエッチングするステップと;
d)前のステップの間にエッチングによって露出された表面上に化学的に不活性のパッシベーション層を堆積するステップと;
e)ステップ(c)とその後のステップ(d)を含むステップシーケンスが特定の回数が行われるまで、又は反応性イオンエッチングが基板の厚さ全体にわたってくり抜くまで、上記ステップシーケンスの実行を繰り返すステップと;
f)微小機械部品をレジスト及び基板から取り除くステップと;
を含み、
ステップ(b)の間、エッチングレジストは、オープンワークエッチングレジストにおける開口部の縁部が滑らかではなくむしろ交互する突起及び凹部によって形成される波状プロファイルを有するように構造化され、突起及び凹部が、突起を互いから離隔する間隔が第1の距離に等しい複数の第1の区間と突起間の間隔が第1の距離とは異なる第2の距離に等しい第2の区間とを有する離間パターンを形成し、第1の距離は、200nm~5μmの間、好ましくは200nm~2μmの間である、
ことを特徴とする、単結晶又は多結晶シリコンの微小機械部品を製造する方法を使用することが可能である。
添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている実施形態に対して、当業者には明らかである様々な修正及び/又は改良を行うことができることは理解されるであろう。特に、本発明は、ガンギ車及びレバーに関連して説明してきたが、本発明は、脱進機の構成要素のみに関するものではなく、完全に一般的な方法で、全ての微小機械時計部品に関することは明らかである。

Claims (15)

  1. プレート状のシリコン基板において切り出された微小機械時計部品(1;10;20;100;200)であって、前記微小機械時計部品の切縁部が、時計の別の微小機械部品の対応する接触ゾーンに接して滑動するよう構成された接触面として機能するよう設けられた部分を含み、前記切縁部は、交互するリブ(21a;21b;21c;121;221)と溝(23a;23b;23c;123;223)とを含むリブ付き面を有し、前記リブ及び溝が直線状であり、
    前記リブ及び前記溝は、前記リブを互いから離隔する間隔が第1の距離に等しい複数の第1の区間(25a;25b;25c;125;225)と、前記リブ間の間隔が第1の距離とは異なる第2の距離に等しい少なくとも1つの第2の区間(27a;27b;27c;127;227)とを備えた離間パターンを形成し、前記第1の距離は、200nm~5μmである、
    ことを特徴とする、微小機械時計部品(1;10;20;100;200)。
  2. 前記第1の距離は、200nm~2μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の微小機械時計部品(1;10;20;100;200)。
  3. 前記リブ及び前記溝は各々、前記プレートに平行な平面内に含まれる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の微小機械時計部品(1;10;20;100)。
  4. 前記リブ及び前記溝は、前記プレートの主面に対して垂直である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の微小機械時計部品(200)。
  5. 前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の微小機械時計部品(1;10;20;100;200)。
  6. 前記第1の区間(25a;25b;25c;125;225)に属する前記溝は、全て同じ深さである、ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の微小機械時計部品(1;10;20;100;200)。
  7. 前記離間パターンが複数の第2の区間(27a;27b;27c;227)を含み、前記第2の距離は、200nm~50μmである、ことを特徴とする請求項5に記載又は請求項5を引用する請求項6に記載の微小機械時計部品(1;10;20;200)。
  8. 前記第2の区間(27a;27b;27c;227)に属する前記溝は、全て同じ深さであり、第2の深さが10nm~10μmである、ことを特徴とする請求項7に記載の微小機械時計部品(1;10;20;200)。
  9. 前記離間パターンは、単一の溝(123)を含む単一の第2の区間(127)を備え、前記第2の距離は、200nmから前記部品の全高の2/3の間である、ことを特徴とする請求項5に記載又は請求項5を引用する請求項6に記載の微小機械時計部品(100)。
  10. 前記第2の区間(127)の前記単一の溝(123)の深さは、10nm~50μmである、ことを特徴とする請求項9に記載の微小機械時計部品(100)。
  11. 前記第1の区間に属する前記溝の深さは、10nm~2μmである、ことを特徴とする請求項3を引用する請求項6に記載の微小機械時計部品(1;10;20;100)。
  12. 前記第1の区間に属する前記溝の深さは、500nm~4μmである、ことを特徴とする請求項4を引用する請求項6に記載の微小機械時計部品(200)。
  13. 請求項1を引用する請求項3に記載され、単結晶又は多結晶シリコンの微小機械部品を製造する方法であって、
    a)シリコン基板を取得するステップと;
    b)前記基板の水平面上にオープンワークエッチングレジストを堆積して構造化するステップと;
    c)前記基板を第1の距離までくり抜くように、前記レジストにおける開口部を通じて前記基板の表面を反応性イオンエッチングによりエッチングするステップと;
    d)前のステップの間に前記エッチングによって露出された表面上に化学的に不活性のパッシベーション層を堆積するステップと;
    e)前記反応性イオンエッチングが前記基板の厚さ全体にわたってくり抜いていない限り、前記ステップ(c)とその後の前記ステップ(d)を含む第1のステップシーケンスが所定の第1の回数(n)行われるまで上記第1のステップシーケンスの実行を繰り返すステップと;
    f)前記微小機械部品を前記レジスト及び前記基板から取り除くステップと;
    を含み、
    前記ステップ(e)と前記ステップ(f)の間に、前記方法は、前記方法の実行中に前記ステップ(e)が特定の第3の回数(v)を未だ行われていない場合にのみ行われる第2のステップシーケンスを含み、
    前記第2のステップシーケンスが、
    x)前記基板を前記第1の距離とは異なる第2の距離までくり抜くように、前記レジストにおける前記開口部を通じて前記基板の表面を反応性イオンエッチングによりエッチングするステップと;
    y)前のステップの間にエッチングによって露出された表面上に化学的に不活性のパッシベーション層を堆積するステップと;
    z)ステップ(x)とその後のステップ(y)を含む第2のステップシーケンスが所定の第2の回数(m)行われるまで、前記第2のステップシーケンスの実行を繰り返し、次いで前記ステップc)に戻るステップと;
    を含む、ことを特徴とする、単結晶又は多結晶シリコンの微小機械部品を製造する方法。
  14. 請求項1を引用する請求項4に記載され、単結晶又は多結晶シリコンの微小機械部品を製造する方法であって、
    a)シリコン基板を取得するステップと;
    b)前記基板の水平面上にオープンワークエッチングレジストを堆積して構造化するステップと;
    c)前記基板を第1の距離までくり抜くように、前記レジストにおける開口部を通じて前記基板の表面を反応性イオンエッチングによりエッチングするステップと;
    d)前のステップの間に前記エッチングによって露出された表面上に化学的に不活性のパッシベーション層を堆積するステップと;
    e)前記ステップ(c)とその後の前記ステップ(d)を含むステップシーケンスが特定の回数行われるまで、又は前記反応性イオンエッチングが前記基板の厚さ全体にわたってくり抜くまで、前記ステップシーケンスの実行を繰り返すステップと;
    f)前記微小機械部品を前記レジスト及び前記基板から取り除くステップと;
    を含み、
    前記ステップ(b)の間、前記エッチングレジストは、前記オープンワークレジストにおける前記開口部の縁部が滑らかではなくむしろ交互する突起及び凹部によって形成される波状プロファイルを有するように構造化され、前記突起及び前記凹部は、前記突起を互いから離隔する間隔が第1の距離に等しい複数の第1の区間と、前記突起間の間隔が前記第1の距離とは異なる第2の距離に等しい少なくとも1つの第2の区間とを有する離間パターンを形成し、前記第1の距離は、500nm~4μmの間である、
    ことを特徴とする、単結晶又は多結晶シリコンの微小機械部品を製造する方法。
  15. 前記第1の距離は、200nm~2μmの間である、ことを特徴とする、請求項14に記載の微小機械部品を製造する方法。
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