JP5508606B2 - 複雑な精密機械部品 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば炭素をベースとする材料等、いずれの材料から作製される複雑な精密機械部品、及びこの種の部品の製作方法に関する。
合成ダイヤモンド又はDLC(ダイヤモンド様炭素)のみから精密機械部品を製作するのは極めてコストが高く、また、厚層蒸着プロセス又はバルクエッチング法によって生成される好ましくない粗度のせいで、摩擦学的に不利である。従って合成ダイヤモンド又はDLCの薄層を用いた精密機械部品のコーティングが現在好まれているが、これはあらゆる形状を得られるものではない。
本発明の目的は、粗度が大いに改善され、スクラップ率及び製造コストが極めて望ましい、最少量の材料を使用した、複雑な幾何学的形状を有する精密機械部品を提案することにより、上述の欠点の全て又は一部を克服することである。
従って本発明は、単一ピース材料の精密機械部品を製作するための方法に関し、この方法は、以下の:
a)製作する上記精密機械部品のための雌型を備える基材を形成するステップ;
b)この基材の上記雌型を、材料の層でコーティングするステップ;
c)基材から、蒸着した層の厚さを超える厚さを除去することにより、上記雌型中に上記層の厚さのうち限られた部分を残すステップ;
d)基材を除去して、上記雌型中に形成された精密機械部品を取り外すステップ
を含むことを特徴とする。
よって、本方法により、単一ピースの、即ち材料の不連続部分がない精密機械部品の製作が可能となる。この精密機械部品は、材料の「薄皮」、即ち少量の材料を有し、その外側表面は、基材の極めて好ましい凹凸を再現しており、この方法により、外層に必要な材料のコストが大いに低減され、また、特に外側表面における全体の粗度が改善され、その摩擦学的性能が完璧なものとなる。
本発明の他の有利な特徴によると:
−雌型は、歯部を形成する壁を含み;
−材料は、結晶化した又は非晶質の炭素ベースであり;
−本方法は、第1の材料でコーティングされた雌型を第2の材料で充填することにより、第2の材料で補強及び/又は装飾された第1の材料製の精密機械部品をステップc)及びd)の後で得るステップe)を、ステップb)とステップc)との間に含み;
−本方法は、第1の材料でコーティングされた雌型を第2の材料で充填することにより、第2の材料で補強及び/又は装飾された第1の材料製の精密機械部品をステップd)の後で得るステップf)を、ステップc)とステップd)との間に含み;
−ステップf)では、上記雌型から突出するように第2の材料を形成することにより、精密機械部品の追加の機能要素を形成し;
−第2の材料は金属又は金属合金を含み;
−精密機械部品は、時計の外装部品、ヒゲゼンマイ、テンプ、アンクル、ブリッジ、ホイールセット又はガンギ車を形成する。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して非限定的な例示として挙げる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1は、本発明の第1の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、最初の状態を示す。 図2は、本発明の第1の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、図1に続く状態を示す。 図3は、本発明の第1の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、図2に続く状態を示す。 図4は、本発明の第1の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、図3に続く状態を示す。 図5は、本発明の第1の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、図4に続く状態を示す。 図6は、本発明の第1の実施形態により製造された精密機械部品の例を示す。 図7は、本発明の第1の実施形態により製造された精密機械部品の例を示す。 図8は、本発明の第1の実施形態により製造された精密機械部品の例を示す。 図9は、本発明の第1の実施形態により製造された精密機械部品の例を示す。 図10は、本発明の第1の実施形態により製造された精密機械部品の例を示す。 図11は、本発明の第2の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、最初の状態の図である。 図12は、本発明の第2の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、図11に続く状態の図である。 図13は、本発明の第2の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、図12に続く状態の図である。 図14は、本発明の第2の実施形態により製造された精密機械部品の例を示す。 図15は、本発明の第3の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、最初の状態を示す。 図16は、本発明の第3の実施形態による製作方法の複数の連続するステップの、図15に続く状態を示す。 図17は、本発明の第3の実施形態により製造された精密機械部品の例を示す。
上で説明したように、本発明は第一に、例えば炭素をベースとする材料で作製された、単一ピースの精密機械部品に関する。「炭素をベースとする」とは、ダイヤモンド若しくは1つ若しくは複数のグラフェンの層等の結晶形態の、又は、ダイヤモンド様炭素(DLC)等の非晶質形態の、合成炭素同素体を意味する。
当然のことであるが、本発明によると有利には、合成炭素同素体の代替として、層状に蒸着可能な、かつ摩擦学的な利点を有する、他のタイプの材料を使用してよい。この代替材料は、例えばシリコンベースの化合物、即ち例えば窒化シリコン、酸化シリコン又はシリコンカーバイドであってよい。
この精密機械部品は、時計学の分野内での応用のために考案された。しかしながら、特に航空学、宝飾品又は自動車産業等、他の領域での極めて良好な応用も想定し得る。
時計学の分野では、この精密機械部品は、例えば腕時計の外装部品、ヒゲゼンマイ、テンプ、アンクル、ブリッジ、又はガンギ車等のホイールセットさえ、全体的又は部分的に合成炭素同素体又は上で説明したような代替材料をベースとして形成してよい。
この精密機械部品を製作する方法の第1の実施形態を、図1〜5に示す。ステップaでは、本方法は、後に製作される精密機械部品11、21、31、41のための雌型3を基材1に形成することからなる。多種多様な基材1を使用することができる。好ましくは、基材1の材料として、極めて低い粗度を有するもの、即ち、その性質からして平滑な表面を有するものを選択する。
例として、図1及び2は、極めて良好な粗度、即ち実質的に10nm未満の算術平均偏差Raを得ることができるシリコン基材1から形成されるステップaを示す。よって、図1に示す第1の段階では、基材1を、基材1の頂部を露出したままにする孔4を有するマスク2でコーティングする。第2の段階では、孔4においてエッチングを行う。これはウェットエッチングでもドライエッチングでもよい。最後に、図2に示す第3の段階では、マスク2を除去し、基材1に雌型3のみを残す。
第2のステップbは、後に製作される精密機械部品にとって望ましい厚さe1の材料の層5で、少なくとも雌型3をコーティングすることからなる。図3に示す例では、基材1は全体的に、即ち少なくともステップaでエッチングした雌型3において、層5でコーティングされる。蒸着する材料と同様、蒸着のタイプも様々に変更することができる。非限定的な様式において、ステップbは、化学気相蒸着、物理気相蒸着、又は電着を含んでよい。
第3のステップcでは、本方法は、層5でコーティングされた基材1の一部を除去することにより、上記雌型3中に上記層5の厚さのうち限られた部分を残すことからなる。本発明によると好ましくは、図4に示すように、層5の厚さe1より厚い厚さe2を、層1から除去する。よって、基材1の雌型3内にある層5はこれ以降独立している、即ち、ステップbで蒸着した層5の残りの部分と連結していないことは明らかである。
第1の実施形態の第4の、及び最後のステップdでは、本発明は、基材1を除去して、雌型3中に形成された精密機械部品を取り外すことからなる。結果として、基材1がシリコン製である上述の例では、ステップdは、シリコンの選択的エッチングからなる。これは例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH及びTMAOH)を含む溶液を用いた化学エッチングによって行ってよい。
図5に示すように、ステップdの最後に、層5のみから形成された精密機械部品が得られ、その幾何学的形状は、基材1にある雌型3と適合する。有利には、外側表面、即ち基材1と直接接触していた表面は、極めて良好な粗度、即ち基材1の粗度と同等の粗度を有し、また、好ましくは機械的接触表面として使用される。最後に、10μm〜500μmである精密機械部品の高さe3に対して、わずか0.2μm〜20μmの厚さe1の層5が蒸着される。従って、材料が節約されること、及びステップbの時間の短縮により製造コストが節約されることが明らかである。
結果として、その基本断面が、少なくとも2つの交差した、整列されていないセグメントによって形成される精密機械部品を得ることができ、上記少なくとも2つのセグメントの一方が、精密機械部品の高さe3を形成することが明らかである。上記高さe3は、各セグメントの厚さe1より大きい。当然、雌型3の複雑さに応じて、基本断面はより単純な、実質的にU字型のもの、即ち3つのセグメントを備えるものになり得る。
よって、雌型の複雑さに応じて、精密機械部品は、2つ又は3つのセグメントを有する少なくとも1つの基本断面を、直線状又は非直線状の準線上に投射すること(回転させることを含む)により形成される。その上、極めて複雑な又は可変の断面を形成すること、例えば、雌型3の壁に、対応する歯部を断面のセグメントの1つに形成する歯部を形成すること等も、もはや困難ではなくなる。
非限定的な例として、第1の実施形態に従って製造することができる精密機械部品11、21、31、41を、図6〜10に示す。ここで、図6は、その実質的にU字型の基本断面が直線状の準線上に投射される、精密機械部品11を示す。図7は、精密機械部品11と同様の基本断面を有するが、正弦曲線状、即ち非直線状の準線上に投射される、精密機械部品21を示す。本方法を複雑化することなく、横方向及び長手方向の両方において、単一ピースで、半分を部品11から、残り半分を部品21から形成した精密機械部品を製造することが可能であることも明らかである。
図8及び9は、2つのセグメントを有することができる例示的な基本断面を示し、これは回転して投射され、これにより、キャップ形状の精密機械部品31が得られる。このタイプの精密機械部品を、例えばある要素に固定することにより、別の部材との摩擦学的関係を改善することができる。例として、精密機械部品31をアーバ33のピボット32の端部に固定して、精密機械部品31を介してピボット32を軸受と協働させてよい。
最後に、図10は、より複雑な精密機械部品41の最後の例を示すが、これは本方法の実装をより困難にするものではない。精密機械部品31は実質的に円盤状のプレート43を含み、この円盤状のプレート43の周縁部から歯部45が直角方向に突出し、また、円盤状のプレート43の中心は、例えば枢動ピンと協働するための孔48を形成するパイプ47を備える。従って図10は、歯部45及びプレート47の厚さが、本方法のステップbで蒸着される層5の厚さe1によって形成されることを示している。
上で説明した第1の実施形態の代替である第2の実施形態を、図11〜13に示す。ステップa〜dは第1の実施形態と同一のままである。しかしながら図11に示すように、ステップbとステップcとの間に、第1の材料5でコーティングされた雌型3内の空洞6を第2の材料7で充填することからなるステップeを実行する。よって、第1の実施例と同様である、図12及び13にそれぞれ示したステップc及びdの後、第2の材料7で補強及び/又は装飾された、第1の材料5製の精密機械部品が得られる。
好ましくは、空洞6の充填は、ガルバノ蒸着又は加熱変形によって達成される。第2の材料は好ましくは、非晶質であってもなくてもよい金属又は金属合金である。しかしながら代替として、蒸着のタイプ及び/又は蒸着する材料の性質は当然変更してよい。
結果として、第3のステップcでは、上記雌型3内に上記層5の厚さを制限するだけではなく、第2の材料の蒸着7を平坦化し、好ましくは層5の上記制限された部分と同一平面とする。最終的に、第2の実施形態の第5の、及び最後のステップdでは、本方法は、基材1を除去して、雌型3内に形成された精密機械部品を取り外すことからなり、これは第1の実施形態と同じ変形例であり、同じ利点を有する。
図13に示すように、ステップdの終わりに、層5で形成された精密機械部品が得られ、この精密機械部品の幾何学的形状は基材1にある雌型3に適合し、また、この精密機械部品は、蒸着7で補強及び/又は装飾されている。有利には、層5で形成された外側表面、即ち、基材1と直接接触していた表面は、極めて良好な粗度、即ち基材1の粗度に匹敵する粗度を有し、好ましくは接触表面として使用される。
本発明の別の利点によると、部品を薄い層でコーティングすることができるようになるが、これは、例えば圧力、温度、又は使用する化合物等、薄層蒸着に必要な特定の条件のために従来実現できなかったことである。非限定的な例として、有利には本発明により、蒸着7から主として金属製の部品を形成することができ、これは層5によってダイヤモンドコーティングされており、出願人の知る限りでは、金属部品をダイヤモンドコーティングするのは現在困難である。
最後に、10μm〜500μmの高さe3の精密機械部品に対して、わずか0.2μm〜20μmの厚さe1の層5を蒸着し、残りは蒸着7からなる。材料が節約されること、及び層5の蒸着ステップbの時間の短縮により製造コストが節約されることが明らかであり、部品の残りの部分はより安価な蒸着7で形成される。
結果として、第1の実施形態と同一の基本断面を有する精密機械部品を得ることができることは明らかである。非限定的な例として、図14は、第2の実施形態によって製造できる精密機械部品51を示す。精密機械部品51は、図10のプレート43に対応する、実質的に円盤状のプレート53を含み、この円盤状のプレート53の周縁部から歯部55が直角方向に突出し、また、円盤状のプレート53の中心は、例えば枢動ピンと協働するための孔58を形成するパイプ57を備える。従って図14は、歯部55及びパイプ57の厚さが、本方法のステップbで蒸着される層5の厚さe1によって形成され、残りはステップeで蒸着7によって形成される部分52からなることを示している。
上で説明した第1の実施形態の代替である第3の実施形態を、図15〜16に示す。ステップa〜dは第1の実施形態と同一のままである。しかしながら図15に示すように、ステップcとステップdとの間に、第1の材料5でコーティングされた雌型3内の空洞6を第2の材料7で充填することからなる第4のステップfを実行する。よって、第1の実施例と同様である、図16に示したステップdの後、第2の材料17で補強及び/又は装飾された、第1の材料5製の精密機械部品が得られる。
第2の実施形態のステップeと比較して、ステップfは、雌型3の空洞6を充填するためのものであり、有利には、厚さe3の突出レベルを形成することにより、図15に示すような精密機械部品の追加の機能要素を形成することもできる。
ステップfは好ましくは、基材1上に鋳型18を構成する段階をステップcの後に含み、雌型3の空洞6及び鋳型18内の貫通孔が連結して形成する凹部を充填する段階がその後に続く。最後に、ステップfは基材1の表面から鋳型18を除去する段階を含む。
鋳型18を構成する段階は例えば、ネガ型又はポジ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィによって形成してよい。更に、充填段階は例えば、電着を用いて実施してよい。第2の材料は好ましくは、非晶質であってもなくてもよい金属又は金属合金である。しかしながら、蒸着のタイプ及び/又は蒸着する材料の性質は当然変更してよい。
ステップfはまた、蒸着17の上部を覆う及び/又は研磨する最後のステップを含んでもよい。結果として、第3の実施形態の第5の、及び最後のステップdでは、本方法は、基材1を除去して、雌型3内に形成された精密機械部品を取り外すことからなり、これは第1の実施形態と同じ利点を有する。
図16に示すように、ステップdの終わりに、層5で形成された精密機械部品が得られ、この精密機械部品の幾何学的形状は基材1にある雌型3に適合し、また、この精密機械部品は、蒸着17で補強及び/又は装飾されている。有利には、層5で形成された外側底部表面、即ち、基材1と直接接触していた表面は、極めて良好な粗度、即ち基材1の粗度に匹敵する粗度を有し、好ましくは接触表面として使用される。
本発明の別の利点によると、部品を薄い層でコーティングすることができるようになるが、これは、例えば圧力、温度、又は使用する化合物等、薄層蒸着に必要な特定の条件のために従来実現できなかったことである。非限定的な例として、有利には本発明により、蒸着17から主として金属製の部品を形成することができ、これは層5によって部分的にダイヤモンドコーティングされており、出願人の知る限りでは、金属部品をダイヤモンドコーティングするのは現在困難である。
更に、第3の実施形態では、精密機械部品は、その全体が蒸着17で形成された、即ち層5を有さない第2の上部レベルを含み、これにより、精密機械部品の追加の機能要素を形成することもできる。この機能要素は、限定するものではないが、例えば別の部材と協働するようになっている歯部12、孔14及び/又は肩部16であってよい。
初めの2つの実施形態と同様、材料が節約されること、及び層5の蒸着ステップの短縮により製造コストが節約されることが明らかであり、部品の残りの部分はより安価な蒸着17で形成され、更に、潜在的に極めて複雑な幾何学的形状を提供する。
結果として、初めの2つの実施形態と同一の基本断面を有する精密機械部品を得ることができることは明らかである。非限定的な例として、図17は、第3の実施形態によって製造できる精密機械部品61を示す。精密機械部品61は、図10のプレート43に対応する、実質的に円盤状のプレート63を含み、この円盤状のプレート63の周縁部から歯部65が直角方向に突出し、また、円盤状のプレート63の中心は、孔68を形成するパイプ67を備え、残りはステップfにおいて蒸着17で充填される。蒸着17のみによって形成された第2のレベル上に、精密機械部品61はホイール62を有し、ホイール62の周縁部は歯部64を含み、ホイール62の中心は、例えば枢動ピンと協働するようになっている、好ましくは断面が孔68より小さい孔を含む。
当然のことながら、本発明は図示した例に限定されるものではなく、当業者に明らかであろう様々な変形及び改変が可能である。特に、同一の設計であってもなくてもよい複数の精密機械部品を、同一の基材上で同時に製作してよい。更に、図4又は図12の例では、基材1の除去により、基材1の周縁部及び底部に、層5で形成された実質的にU字型の断面の部品も形成されることがわかる。
結果として、同一であってもなくてもよい複数の雌型3を基材1上に形成することのみならず、基材1の複数の面上に雌型を形成することも可能であり、即ち、ステップa及びc、並びに場合によってはe又はfを、基材1の複数の面に対して適用してよい。従って、第2及び第3の実施形態の場合、基材1の周縁部及び/又は底部において層5で形成される単一ピースの部品を得て、基材1の上部において層5及び蒸着7、17で形成される補強及び/又は装飾された部品を得ることが考えられる。
更に、実施形態を互いに組み合わせることができる。従って、非限定的な例として、部品51を第3の改変実施形態によって製造してよい。実際、ステップa〜cを、第2の実施形態の蒸着7と同様の、即ち雌型3から突出しない蒸着17を用いるステップfの前に実装することができる。明らかに、第3の実施形態の改変ステップfは、第2の実施形態のステップeと同様であり、しかし、ステップbの後ではなくステップcの後に実施される。
最後に、図面には実質的に垂直なセグメントを示しているが、セグメントが互いに対してなす角度は鋭角であっても鈍角であってもよいことは明らかである。

Claims (16)

  1. 合成炭素同素体製の単一ピースの精密機械部品(11、21、31、41、51、61)を製作するための方法であって、以下のステップ:
    a)製作する前記精密機械部品のための雌型(3)を含む基材(1)を形成するステップ;
    b)前記基材(1)の前記雌型(3)を、前記合成炭素同素体の層(5)でコーティングするステップであって、前記層(5)の厚さ(e1)は前記雌型(3)の深さより小さい、ステップ;
    c)前記基材(1)から、蒸着した前記層(5)の厚さ(e1)を超える厚さ(e2)を除去することにより、前記雌型(3)中に前記層の厚さのうち限られた部分を残すステップ;
    d)前記基材(1)を除去して、前記雌型(3)中に形成された、前記基材(1)の粗度に匹敵する粗度の外側表面を備える前記単一ピースの精密機械部品(11、21、31、41、51、61)を取り外すステップ
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記雌型(3)は、歯部(45、55、65)を形成する壁を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記合成炭素同素体(5)は結晶形態であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記合成炭素同素体(5)は非晶質形態であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記ステップb)と前記ステップc)との間に、以下のステップ:
    e)前記合成炭素同素体(5)でコーティングされた前記雌型(3)を第2の材料(7)で充填することにより、前記第2の材料(7)で補強及び/又は装飾された前記合成炭素同素体(5)製の精密機械部品(51)を、前記ステップc)及びd)の後で得るステップ
    を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ステップc)と前記ステップd)との間に、以下のステップ:
    f)前記合成炭素同素体(5)でコーティングされた前記雌型(3)を第2の材料(7、17)で充填することにより、前記第2の材料(7、17)で補強及び/又は装飾された前記合成炭素同素体(5)製の精密機械部品(51、61)を、前記ステップd)の後で得るステップ
    を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ステップf)において、前記雌型(3)から突出するように前記第2の材料(17)を形成することにより、前記精密機械部品の追加の機能要素(12、14、16、62)を形成することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第2の材料(7、17)は金属又は金属合金を含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記精密機械部品は、時計の外装部品、ヒゲゼンマイ、テンプ、アンクル、ブリッジ、ホイールセット又はガンギ車を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により製造される、中空の精密機械部品(11、21、31、41、51、61)であって、
    0.2μm〜20μmの厚さ(e1)の合成炭素同素体の層(5)製の単一ピースとして形成され、
    前記合成炭素同素体の層(5)の前記厚さ(e1)より大きい高さ(e3)を有する外側表面を備え、
    前記外側表面は、10μm〜500μmの高さ(e3)を有し、
    前記外側表面の粗度は、実質的に10nm未満の算術平均偏差(Ra)を有する、部品。
  11. 前記外側表面は歯部(45、55、65)を形成することを特徴とする、請求項10に記載の部品。
  12. 前記合成炭素同素体ベースの精密機械部品の空洞は、第2の材料(7、17)で少なくとも部分的に充填され、これにより、前記第2の材料(7、17)で補強及び/又は装飾された前記合成炭素同素体ベースの精密機械部品(51、61)を製造することを特徴とする、請求項10又は11に記載の部品。
  13. 前記外側表面の前記高さ(e3)から突出するように前記第2の材料を形成することにより、前記精密機械部品の追加の機能要素(12、14、16、62)を形成することを特徴とする、請求項12に記載の部品。
  14. 前記第2の材料(7、17)は金属又は金属合金を含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の部品。
  15. 請求項10〜14のいずれか1項に記載の精密機械部品(11、21、31、41、51、61)を含むことを特徴とする、時計。
  16. 前記精密機械部品は、時計の外装部品、ヒゲゼンマイ、テンプ、アンクル、ブリッジ、ホイールセット又はガンギ車の全て又は一部を形成することを特徴とする、請求項15に記載の時計。
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