JP7204452B2 - シート制御方法及びシート制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、シート制御方法及びシート制御装置に関する。
従来、乗員の乗り心地を良好にする技術として、人体の共振周波数帯域の振動を抑制するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術は、乗員の着座時の体圧分布に基づいて、車両挙動による乗員の所定周波数帯域の振動を抑制するためのサスペンションの減衰力の制御ゲインを決定し、乗員の乗り心地を安定して向上させるというものである。
特開2013-189064号公報
しかしながら、上述の従来技術では、車両挙動による乗員の振動を抑制することはできるものの、振動を完全に無くすことはできない。このため、乗員が振動を体感することにより、乗り物酔い等の不快感を招くおそれがあった。
本開示は、上記問題に着目して成されたもので、移動体の挙動による振動を乗員が体感して不快感を招くことを抑制可能なシート制御方法及びシート制御装置の提供を目的とする。
本開示のシート制御方法は、移動体に乗り物酔いを招く可能性の高い周波数の振動である体感抑制対象振動が発生することが推定されるか否かを判定し、移動体に体感抑制対象振動が発生することが推定される、移動体から乗員に加わる体感抑制対象振動の周波数よりも高い周波数の振動をシートに付与する。
本開示のシート制御方法及びシート制御装置は、シートに付与される振動により、乗員が乗り物酔いを招く可能性の高い周波数の振動である体感抑制対象振動を体感しにくくなり、体感抑制対象振動を乗員が体感して不快感を招くことを抑制可能である。
実施の形態1のシート制御方法を実行するシート制御装置Aを示すブロック図である。 実施の形態1におけるシート制御方法を適用するシート10及び乗員PAの概略を示す側面図である。 実施の形態1におけるシート10のシートクッション11に設置された振動付与装置140の第1振動部141の配置を示す平面図である。 実施の形態1におけるシート制御装置Aのコントローラ130の振動制御の処理の流れを示すフローチャートである。 車両の振動周波数及び加速度と、乗り物酔いの発生率との関係を示す特性図である。 実施の形態1において車両MVが道路RO1において加減速走行を実行した一例を説明する平面図である。 実施の形態1において車両MVが図5Aに示す道路RO1において加減速走行を行った場合の各値の変化を示し、(a)が不快感の評価値、(b)が車両の速度、(c)が車両の前後方向加速度、(d)が振動付与装置140により振動駆動した際の振動を示す。 実施の形態1において車両MVが道路RO2において旋回走行を実行した一例を説明する平面図である。 車両MVが図6Aに示す道路RO2を旋回速走行した時の各値の変化を示す。なお、図6Bにおいて、上から順に(a)が乗り心地の不快感(車酔い感)の評価値、(b)が車両MVの速度、(c)が車両MVの前後方向加速度、(d)が車両MVの前後方向加加速度、(e)が車両MVの横方向加速度、(f)が車両のMV横方向の加加速度、(g)が振動付与装置140により振動駆動した際の振動を示す。
以下、本開示によるシート制御方法及びシート制御装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1のシート制御方法は、図1に示すシート制御装置Aに適用されている。このシート制御装置Aは、移動体としての車両MV(図5A参照)に搭載され、車載センサ110と、地図データ記憶部120と、コントローラ130と、振動付与装置140とを備える。
車載センサ110は、少なくとも、加速度センサ111を備える。また、本実施の携帯1では、車載センサ110にGPSセンサ112が含まれる。加速度センサ111は、車両の6軸方向(車両前後方向、車両左右方向、車両上下方向)の加速度を検出する。GPSセンサ112は、衛星通信を利用して自車位置(緯度・経度)を検出する。なお、「GPS」は「Global Positioning System:グローバル・ポジショニング・システム」の略称である。
地図データ記憶部120は、緯度経度と地図情報が対応付けられた、いわゆる電子地図データが格納された車載メモリにより構成される。地図データ記憶部120に格納された地図データは、少なくとも複数車線を有する道路で各車線の認識ができるレベルの精度を持つ、高精度地図データである。この高精度地図データを用いることにより、自動運転において複数車線の中で自車がどの車線を走るかという線状の目標走行経路を生成することができる。そして、GPSセンサ112にて検知される自車位置を自車位置情報として認識すると、自車位置を中心とする高精度地図データがコントローラ130へ送られる。
高精度地図データには、各地点に対応づけられた道路情報を有し、道路情報は、ノードと、ノード間を接続するリンクにより定義される。道路情報は、道路の位置及び領域により道路を特定する情報と、道路ごとの道路種別、道路ごとの車線幅、道路の形状情報とを含む。道路情報は、各道路リンクの識別情報ごとに、交差点の位置、交差点の進入方向、交差点の種別その他の交差点に関する情報を対応づけて記憶されている。道路情報は、各道路リンクの識別情報ごとに、道路種別、車線幅、道路形状、直進の可否、進行の優先関係、追い越しの可否(隣接レーン進入の可否)、制限速度、標識、その他の道路に関する情報を対応付けて記憶されている。
コントローラ130は、いわゆるマイクロコンピュータであり、車載センサ110及び地図データ記憶部120から得られるデータに基づいて、後述する振動付与装置140の駆動を制御する。
振動付与装置140は、第1振動部141と第2振動部142とを備える。第1振動部141、第2振動部142は、それぞれ、通電することにより振動するもので、圧電素子などを用いることができる。
振動付与装置140は、図2Aに示すシート10に設けられている。第1振動部141は、シート10のシートクッション11の前端部に、全幅に亘って(図2B参照)内蔵され、着座した乗員PAの脚部LE及び膝裏部KBに振動を伝達可能に設けられている。また、第2振動部142は、シート10のアームレスト12に内蔵され、着座した乗員PAの腕部LAに振動を伝達可能に設けられている。
次に、コントローラ130が実行する振動制御の処理の流れを図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、この振動制御は、車両の図外のイグニッションスイッチを投入することで開始する。
最初のステップS101では、車載センサ110及び地図データ記憶部120からのデータを読み込む。
次のステップS102では、車両に予め設定された体感抑制対象振動が発生することが推定されるか否かを判定する。体感抑制対象振動とは、乗員が体感することを抑制させる対象となる周波数の振動をいい、本実施の形態1では、乗り物酔いを招く可能性が高い0.2~3Hzの周波数の振動としている。
説明を加えると、図4は、車両の振動周波数及び加速度と、乗り物酔いの発生率との関係を示す図である。この図4に示すように、0.2~3Hzの周波数の範囲で乗り物酔いの発生率が高いのが分かる。
本実施の形態1では、この体感抑制対象振動の発生の推定は、車両挙動の変化開始を加速度センサ111によりセンシングして推定する。また、地図データ記憶部120から得られる地図情報とGPSセンサ112から得られる自車(車両MV)の位置情報とから、一旦停止による加減速や、カーブ路での旋回や、悪路区間での上下動の発生を推定してもよいし、両者を組み合せてもよい。すなわち、加減速や旋回や上下動の発生が予測される走行地点付近において、加速度センサ111による加速度の検出をトリガーとしてもよい。
なお、変化開始をセンシングする車両挙動とは、加減速、旋回、上下動といった挙動であり、加速度センサ111による検出の他、操舵や加速操作、減速操作の開始を検出することで行うこともできる。この場合、加減速、旋回、上下動でそれぞれ発生する加速度の方向が異なるとともに、それにより生じる車両挙動も異なるため、体感抑制対象振動の発生を推定するための閾値は、加速度の方向の違いに応じて異なる値を用いるようにしてもよい。また、体感抑制対象振動の発生を推定するための閾値は、予め実車による実験やシミュレーションに基づいて、決定することができる。
また、道路情報からの体感抑制対象振動の発生の推定は、地図上に生成した目標走行経路に沿って自動的に車両を走行させる自動運転制御や、目標走行経路に沿って走行するように案内するナビゲーション制御を実行している車両において特に実行が容易である。すなわち、加減速、旋回、上下動等の車両挙動が生じる走行区間、走行地点の存在を予め判定し、自車位置に応じて体感抑制対象振動の発生を推定することができる。
次に、ステップS102において体感抑制対象振動の発生と判定されない(否定判定)場合に進むステップS103では、振動付与装置140を振動停止状態とする。なお、この振動付与装置140は、振動制御を開始する初期状態では振動を停止している。
ステップS102において体感抑制対象振動の発生と判定(肯定判定)された場合に進むステップS104では、振動付与装置140を振動駆動させる際の振幅を算出する。すなわち、本実施の形態1では、振動付与装置140の振動駆動時の振幅は、加速度センサ111が検出する体感抑制対象振動の加速度の絶対値に比例する大きさとし、加速度の絶対値が大きい程、振幅を大きくするようにしている。なお、加速度の絶対値の大きさは、加加速度により推定する。さらに、振動付与装置140の振動駆動時の振幅は、振幅を最大とした際に、乗員PAに不快と感じられないように、不快と感じない許容値の上限である0.003m/S程度の不快許容限界値以下に抑えて設定する。
そして、ステップS104において振幅を設定した後に進むステップS105では、振動付与装置140を振動駆動させる。なお、振動付与装置140を振動駆動後は、走行を終了するまで、ステップS101からの処理を繰り返し、走行終了時に振動制御も終了する。
また、振動付与装置140を振動駆動時は、第1振動部141により乗員PAの脚部LE及び膝裏部KBに振動を伝達し、第2振動部142により、乗員PAの腕部LAに振動を伝達する。この場合、振動付与装置140の振動駆動は、体感抑制対象振動が発生している間行うが、その振動駆動の開始は、体感抑制対象振動の発生前としてもよいし、体感抑制対象振動の発生と同時としてもよいし、体感抑制対象振動の発生の直後としてもよい。また、振動駆動の終了も、体感抑制対象振動の終了直前としてもよいし、体感抑制対象振動の終了と同時としてもよいし、体感抑制対象振動の終了直後としてもよい。
さらに、本実施の形態1では、振動付与装置140を振動駆動させるにあたり、その振動周波数は、少なくとも、体感抑制対象振動の周波数よりも高周波数としている。すなわち、体感抑制対象振動の振動周波数は、乗り物酔いを招く可能性が高い0.2~3Hzの振動としているため、振動付与装置140の振動駆動による振動周波数は、これよりも高い周波数とする。具体的には、10~20Hzの範囲内の周波数が好ましい。この10~20Hzの周波数の振動は、車両MVの走行時に車体に伝達される振動に含まれるエンジンが駆動した際の振動に類似し、乗員PAが体感しても、不快と感じにくい振動周波数である。
そこで、実施の形態1では、第1振動部141と第2振動部142との振動周波数を、それぞれ、乗員PAの振動を伝達する部位に応じた周波数としている。すなわち、第1振動部141は、乗員PAへの振動の伝達部位である、脚部LE及び膝裏部KBの共振周波数に応じて、10~20Hzの範囲内であり、好ましくは13~16Hz程度の周波数としている。また、第2振動部142の振動周波数は、乗員PAへの振動伝達部位である腕部LAの共振周波数に基づいて、10~20Hzの範囲内であり、好ましくは12~13Hz程度の周波数とする。
なお、本実施の形態1では、乗員PAに振動を伝達する部位として、脚部LE及び膝裏部KBと、腕部LAとしているが、乗員PAにおいてシート10に接する部位であれば、他の部位を振動伝達部位としてもよい。この場合、例えば、振動を伝達する部位を腰部とした場合には、その共振周波数である25Hz程度の周波数とし、振動を伝達する部位を腹部とした場合は、その共振周波数である4~6Hz程度の周波数とする。
次に、実施の形態1の作用を、加減速走行時と旋回走行時とに分けて説明する。
まず、加減速走行時の作用を図5A、図5Bの作用説明図に基づいて説明する。なお、図5Aは実施の形態1において車両MVが道路RO1において加減速走行を実行した一例を説明する平面図である。また、図5Bは、車両MVが図5Aに示す道路RO1において加減速走行を行った場合の各値の変化を示し、上から順に(a)が不快感の評価値、(b)が車両の速度、(c)が車両の前後方向加速度、(d)が振動付与装置140により振動駆動した際の振動を示す。
ここで、加減速走行時として図5Aに示すように、車両が一定速走行から減速して一旦停止線の位置で停止した後、発進し加速した場合について説明する。具体的には、車両は、第1地点L11から減速し、第2地点L12で停止した後、発進し、第3地点L13の前後で加速し、第4地点L14以降で、一定速走行を行っている。
この場合の車両の速度は、図5Bの(b)に示すように変化する。そして、車両の前後方向加速度は、図5Bの(c)に示すように変化する。すなわち、図5Bの(c)に示すように、減速度(負の前後方向加速度)は、減速開始の第1地点L11から、停車する第2地点L12との間の中間地点L11-12で絶対値が最大となる。また、その後、停車する第2地点L12を挟んで加速に移行し、加速途中の第3地点L13の近傍で、前後方向加速度が最大となる。
車両が、このような速度変化、前後方向加速度変化が生じた場合に、乗員PAが体感する不快感(車酔い感)の評価値は、図5Bの(a)に示すように変化する。すなわち、減速開始の第1地点L11から、停車する第2地点L12との間の中間地点L11-12で最大となり、その後、加速を行う第3地点L13に向けて低下する。つまり、減速度の最大値の近傍で、不快感の評価値が最大となり、その後、徐々に低下し、加速開始後に、不快感の評価値がほぼ0となる。
なお、この乗員PAが体感する不快感の評価値は、例えば、乗員PAが車両MVの振動に対して、不快に感じた際に、不快の程度に応じてスイッチング操作を行うことで得ることができる。あるいは、心電図や胃電図等により身体の電位を計測することに得ることができる。
そこで、本実施の形態1では、第2地点L12での停車、すなわち、加減速度の検出により体感抑制対象振動の発生を推定した場合(ステップS102)に、振動付与装置140を振動駆動させる(ステップS104、S105)。すなわち、図5Bの(d)に示すように、前後方向加速度の変化(減速)が生じ始める第1地点L11から、前後方向加速度の変化(加速)が終了する第4地点L14との間の区間で、振動付与装置140を振動駆動させる。
さらに、このとき振動の振幅の大きさは、図5B(d)の下段に示すように、前後方向加速度の絶対値が相対的に大きいときに振幅を大きくし、前後方向加速度の絶対値が相対的に小さいときに、振幅を小さくする。なお、図5B(d)の上段に示すように、一定の振幅で振動させてもよいし、あるいは、第1振動部141と第2振動部142の一方を同図上段に示すように一定の振幅で振動駆動させ、もう一方を下段に示すように、振幅を可変で振動させてもよい。
上記のように、第1地点L11から第4地点L14の間で、車両MVに加減速度が作用した場合に、車両MVには低周波の振動が生じ、このとき、振動付与装置140を高周波で振動駆動させる。これは、図5B(a)のように、加減速による車両MVの低周波の振動の発生により乗員PAの不快感が大きくなる時に、乗員PAに振動付与装置140の高周波の振動を付与し、乗員PAが低周波の振動を体感するのを抑制するものである。
ここで、このように乗員PAに高周波の振動を付与することにより低周波の振動の体感を抑制する原理ついて説明する。
まず、認知対比という認知現象について説明する。この認知対比とは、大と小、赤と緑などのように反対の性質のもの、あるいは甚だしく量や性質が異なるものが並行して生じる場合、その差異が強調されて現れる現象である。
本実施の形態1では、性質の異なる認知対比の一方が、乗員PAの不快感が生じやすい(車酔いしやすい)周波数帯域である0.2~2Hzの低周波振動である。そして、性質の異なる認知対比のもう一方が、乗員PAの人体の部位が共振する10~20Hzの高周波振動である。
このように、低周波振動と乗員PAの人体の部位が共振する高周波振動とを並行して乗員PAに付与した場合、乗員PAには、認知が容易な高周波振動が認知されることで、その反対の性質の低周波振動の認知感度が低くなる。すなわち、第1の振動と第2の振動とを並行した付与した場合に、両者を同時に感じて不快感が増加するのではなく、認知されやすい振動(高周波振動)を認知することによって、認知されにくい振動(低周波振動)を認知しない認知現象が生じる。
つまり、このような認知現象は、認知されにくい低周波振動を打ち消すのではなく、認知されやすい高周波振動を付与して、この高周波の振動を認知することにより、認知されにくい低周波の振動をマスキングするものである。例えば、振動を打ち消す方法として、逆位相の振動を同時に付与することにより振動を消すノイズキャンセリングが知られているが、本実施の形態の場合は、このような打消し作用とは異なり、低周波の振動はそのまま存在するが乗員PAが体感しにくくする。これにより、乗員PAに低周波の振動による乗り物酔い等の不快感を与えにくくすることができる。
さらに、この時、振動の付与は、乗員PAの体幹から離れた脚部LEや腕部LAに行うため、頭部まで振動が伝わりにくく、頭部まで振動が伝達されることによる不快感を招くことがない。さらに、高周波の振動を付与することにより、マッサージを行った場合のような、心地良さを付与することもできる。
次に、旋回時の作用を図6A、図6Bの作用説明図に基づいて説明する。なお、図6Aは、車両MVの旋回走行を行う一例の道路RO2を示す。また、図6Bは、車両MVが図6Aに示す道路RO2を旋回速走行した時の各値の変化を示す。なお、図6Bにおいて、上から順に(a)が乗り心地の不快感(車酔い感)の評価値、(b)が車両MVの速度、(c)が車両MVの前後方向加速度、(d)が車両MVの前後方向加加速度、(e)が車両MVの横方向加速度、(f)が車両のMV横方向の加加速度、(g)が振動付与装置140により振動駆動した際の振動を示す。
ここで、旋回走行として図6Aに示すように、車両MVが道路RO2の第21地点L21を直進走行した後、コーナ地点L22を直角に左折し、第24地点L24に向けて直進走行を行った場合を説明する。
図6Bの(b)に示すように、第21地点L21の手前までは、車両MVは一定速度で走行し、コーナ地点L22の手前の第21地点L21から減速を開始し、コーナ地点L22を通過後、速度を上昇させている。
この時の前後方向加速度の変化は、図6Bの(c)に示すとおりであり、特に、コーナ地点L22に向けて減速し、コーナ地点L22の通過後に加独度を上昇させ、第3地点L23とから第24地点L24の間で加速度を高めている。この前後方向加速度変化により、第21地点L21の前後において減速度が高まっている。この例では、第21地点L21において前後方向の加加速度がピークとなり、同図(a)の不快感を示す評価値も高くなる。
また、このコーナ地点L22の通過により、図6B(d)に示すように車両MVに横方向加速度が生じ、横要項加速度が、体感抑制対象となる低周波数の振動が生じる車両挙動が生じると推定する変化を示す。ここで、図6B(a)に示すように、第3地点L23から第24地点L24の区間において、コーナ地点L22の通過後の車両の揺れ戻しにより、乗り心地の不快感(車酔い感)の評価値が高い値となっている。
この状況で、コントローラ130は、このような車両挙動を推定し、図6B(g)に示すように、第3地点L23から第24地点L24の区間を含んで、前後加速度及び横加速度が生じる区間で、振動付与装置140を振動駆動させる。なお、この振動駆動による振動数や振幅は、加減速走行時と同様に制御する。
したがって、この旋回時にあっても、車両MVに低周波数の振動が発生する際に、これと並行して振動付与装置140により高周波の振動を乗員PAに付与することにより、乗員PAが不快感を招く低周波の振動を体感するのを抑制できる。これにより、乗員PAに乗り物酔いのような不快感を与えないようにすることができる。
以下に、実施の形態1の効果を列挙する。
(1)実施の形態1のシート制御方法は、
移動体としての車両MVの乗員PAが座るシート10のシート制御方法において、
車両MVに所定の挙動変化が発生すると推定される場合に、車両MVから乗員PAに加わる振動の周波数よりも高い周波数の振動をシート10に付与する。
したがって、乗員PAは、車両MVの挙動変化による相対的に低周波数の振動よりも、シート10を介して付与される高周波の振動のほうが認知されやすい。これにより、乗員PAは、車両MVの挙動変化による相対的に低周波数の振動を乗員が体感しにくくなり、乗員PAが不快感を招くことを抑制可能となる。
(2)実施の形態1のシート制御方法は、
車両MVから乗員PAに加わる振動の周波数よりも高い周波数の振動を、乗員PAが不快と感じ難い特定の部位に、シート10を介して付与する。具体的には、乗員PAは頭部に振動が伝達されると不快と感じやすい。そこで、本実施の形態では、不快と感じ難い部位である、頭部及び頭部に直接繋がる体幹部以外の、四肢である脚部LE、膝裏KB及び腕部LAに振動を付与する。
したがって、シート10を介して付与する振動自体が乗員PAに不快感を与えにくく、さらに不快感の抑制を図ることができる。
(3)実施の形態1のシート制御方法は、
乗員PAの複数の異なる部位に応じて、車両MVから乗員PAに加わる振動の周波数よりも高い周波数の振動をそれぞれ異なる周波数で設定し、それぞれ異なる周波数を、乗員PAの各部位に、シート10を介して付与する。
したがって、乗員PAは、各部位に付与される振動を、部位毎に体感し易い周波数に設定可能であり、これにより、車両挙動による低周波の振動をより体感しにくくすることができる。よって、車両挙動による低周波の振動を原因とする不快感を、より抑制可能となる。
(4)実施の形態1のシート制御方法は、
乗員PAの各部位にシート10を介して付与する振動の周波数は、部位ごとの共振周波数に基づいて設定する。具体的には、乗員PAの脚部LE及び膝裏部KBには、この部位の共振周波数である13~16Hz程度の周波数とし、腕部LAには、この部位の共振周波数である12~13Hz程度の周波数とする。
したがって、シート10を介して付与される振動により、乗員PAの振動を付与される部位が共振しやすくなり、共振しない場合よりも、シート10から付与される振動を体感しやすくなる。これにより、車両挙動による低周波の振動をよりいっそう体感しにくくなり、車両挙動による低周波の振動を原因とする不快感を、よりいっそう抑制可能となる。
(5)実施の形態1のシート制御方法は、
シート10に付与する振動の振幅を、車両MVに所定の挙動変化が発生する際の車両MVの加速度絶対値の大きさに応じ設定する。
したがって、車両MVの挙動変化による加速度の絶対値が相対的に大きくなるほど、シート10から付与する振動の振幅を大きくすることで、振幅が一定の場合と比較して、車両MVの挙動変化による低周波の振動を乗員PAがより体感しにくくなる。よって、さらに効果的に不快感の知覚認識を抑制することができる。
(6)実施の形態1のシート制御方法は、
シート10から乗員PAに付与する振動は、乗員PAの不快許容限界以下とする。具体的には、振幅を0.003m/S程度の不快許容限界値以下とする。
したがって、シート10から乗員PAに付与する振動を、乗員PAが体感しやすく、かつ、不快と感じにくくすることができる。
(7)実施の形態1のシート制御装置は、
移動体としての車両MVの乗員PAが座るシート10と、
シート10に振動を付与する振動付与装置140と、
車両MVの挙動を検出する車載センサ110と、
車載センサ110の検出に基づいて振動付与装置140の振動駆動を制御するコントローラ130と、
を備え、
コントローラ130は、車両MVに所定の挙動変化が発生すると推定される場合に、車両MVから乗員PAに加わる振動の周波数よりも高い周波数の振動をシート10に付与するよう振動付与装置140を振動駆動させる。
したがって、乗員PAは、車両MVの挙動変化による相対的に低周波数の振動よりも、シート10を介して付与される高周波の振動のほうが認知されやすい。これにより、乗員PAは、車両MVの挙動変化による相対的に低周波数の振動を乗員が体感しにくくなり、乗員PAが不快感を招くことを抑制可能となる。
以上、本開示のシート制御方法及びシート制御装置を実施の形態に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られず、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加などは許容される。
例えば、実施の形態1では、移動体として、自動車などの車両を示したが、これに限定されない。例えば、列車などの他の車両や、船舶、飛行機などの他の移動体に適用することができる。
また、実施の形態では、移動体に所定の挙動変化が発生すると推定される場合の判定として、前後加速度や横加速度の検出に基づいて行う場合や、地図上の走行経路に基づいて推定する場合とを示したが、これに限定されない。例えば、本実施の形態で示した方法に基づいて、走行地点と所定の車両挙動変化とを関連付けたデータや、走行地点と不快感の評価値とを関連付けたデータを、多数集め、これを車両間で共有できる情報として作成する。そして、車両MVが所定の車両挙動変化が生じる地点、あるいは、所定の車両挙動変化による不快感が高くなる地点であると判定した場合を、車両MV(移動体)に所定の挙動変化が発生すると推定したとして、乗員PAに振動を付与するようにしてもよい。
また、実施の形態では、シート10から乗員PAに振動を付与するにあたり、乗員PAに振動を付与する部位の共振周波数であって、10~20Hzの周波数域の振動を付与する例を示したが、その周波数は、これに限定されない。つまり、車両挙動変化により乗員PAに加わる振動よりも低周波であれば、10~20Hzの周波数域外、例えば、10Hzよりも低い振動を付与するようにしてもよい。
また、実施の形態では、シート10から乗員PAに振動を付与するにあたり、乗員PAの複数箇所に振動を付与する例を示したが、これに限定されず、一箇所であってもよい。さらに、複数箇所に伝達する場合、実施の形態で示した2箇所に限定されず、三か所以上に伝達するようにしてもよい。
また、実施の形態では、振動付与装置140による乗員PAの伝達部位として、脚部LE、腕部LAを示したが、これに限定されず、腰部、背中などに伝達するようにしてもよい。
また、実施の形態では、振動付与装置140によりシート10を介して乗員PAに付与する振動の周波数を、振動を付与する部位に応じて、異ならせたが、これに限定されない。すなわち、異なる部位でも共通する周波数の振動を付与した場合でも、所期の効果である車両MVの挙動による振動を乗員PAが体感することによる不快感を抑制可能である。さらに、振動を付与する乗員PAの部位の共振周波数としない場合も、同様に、所期の効果は得ることができる。
また、実施の形態では、シート10に付与する振動の振幅を、車両MVの加速度絶対値の大きさに応じて設定する例を示したが、これに限定されない。すなわち、振動の振幅を一定とした場合でも、車両MVの挙動による振動を乗員PAが体感することによる不快感を抑制するという所期の効果は得ることができる。さらに、実施の形態では、振動付与装置140の振動駆動時の振幅の大きさを、振動駆動を実行する前に算出する例を示したが、これに限定されず、振動駆動の開始後に、検出する加速度絶対値の大きさに応じて振幅の大きさを決定するようにしてもよい。
加えて、シート10の位置の違いにより振動付与装置140による振動時の振幅等を異ならせてもよい。例えば、旋回時には、旋回内側の座席と旋回外側の座席とでは、移動速度、加速度が異なる。したがって、加速度の違いにより振幅を異ならせるようにしてもよい。
10 シート
110 車載センサ(挙動センサ)
130 コントローラ
140 振動付与装置
A シート制御装置
MV 車両(移動体)
PA 乗員

Claims (7)

  1. 移動体の乗員が座るシートのシート制御方法において、
    前記移動体に乗り物酔いを招く可能性の高い周波数の振動である体感抑制対象振動が発生することが推定されるか否かを判定し、
    前記移動体に前記体感抑制対象振動が発生することが推定される、前記移動体から前記乗員に加わる前記体感抑制対象振動の周波数よりも高い周波数の振動を前記シートに付与するシート制御方法。
  2. 請求項1に記載のシート制御方法において、
    前記移動体から前記乗員に加わる前記体感抑制対象振動の周波数よりも高い周波数の振動を、前記乗員が不快と感じ難い特定の部位に、前記シートを介して付与するシート制御方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシート制御方法において、
    前記乗員の複数の異なる部位に応じて、前記移動体から前記乗員に加わる前記体感抑制対象振動の周波数よりも高い周波数の振動をそれぞれ異なる周波数で設定し、前記それぞれ異なる周波数を、前記乗員の各部位に、前記シートを介して付与するシート制御方法。
  4. 請求項3に記載のシート制御方法において、
    前記乗員の各部位に前記シートを介して付与する前記振動の周波数は、前記部位ごとの共振周波数に基づいて設定するシート制御方法。
  5. 請求項3に記載のシート制御方法において、
    前記シートに付与する振動の振幅を、前記移動体に前記体感抑制対象振動が発生する際の前記移動体の加速度絶対値の大きさに応じ設定するシート制御方法。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のシート制御方法において、
    前記シートに付与する前記振動は、前記乗員の不快許容限界以下とするシート制御方法。
  7. 移動体の乗員が座るシートと、
    前記シートに振動を付与する振動付与装置と、
    前記移動体の挙動を検出する挙動センサと、
    前記挙動センサの検出に基づいて前記振動付与装置の振動駆動を制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、前記移動体に乗り物酔いを招く可能性の高い周波数の振動である体感抑制対象振動が発生することが推定されるか否かを判定し、前記移動体に前記体感抑制対象振動が発生することが推定される、前記移動体から前記乗員に加わる前記体感抑制対象振動の周波数よりも高い周波数の振動を前記シートに付与するよう前記振動付与装置を振動駆動させるシート制御装置。
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