JP7204035B1 - クリームコロッケ及びその製造方法並びにクリームコロッケの具 - Google Patents

クリームコロッケ及びその製造方法並びにクリームコロッケの具 Download PDF

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Abstract

【課題】成形後、冷凍工程を経ずに油調でき、製造コストを効果的に抑制できるのみならず、喫食時の口触りの良好なクリームコロッケ及びその製造方法を提供する。【解決手段】具と、具を覆う衣とを有するクリームコロッケであって、前記具が、ゼラチンを1.5質量%超含有し、且つ、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有する、クリームコロッケ。前記具がゼラチン100質量部に対し、前記豆類由来蛋白質を30質量部以上200質量部以下含有することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ゼラチンを含む具を有するクリームコロッケ及びその製造方法並びにゼラチンを含むクリームコロッケの具に関する。
クリームコロッケは、喫食時にその具のトロトロとした食感が好まれる食品であるため、従来のクリームコロッケの具は流動性が高く、成形した後に冷凍して衣付着させることが多く行われている。
従来のクリームコロッケの一つである特許文献1に記載の発明は、口溶けが良く滑らかな食感のクリームコロッケを課題とするものであり、ゼラチンの量は1.5質量%までとされている。この通り、クリームコロッケの具に1.5質量%超のゼラチンを添加することは、口溶けを悪化させるものと従来認識されていた。
特許文献2には、クリームコロッケにおけるパーム油と糊化澱粉の使用により、常温での成形性を向上させることが記載されている。
特開2004-057062号公報 特開1995-107946号公報
上述した通り従来のクリームコロッケの具は流動性が高く、特許文献1においても、成形した後に冷凍して衣付着させている。
しかしながら、クリームコロッケの製造が冷凍工程を経る必要があることは、製造時間及び製造コストの点で負担となっている。
この点に関し、特許文献2では冷凍状態で衣を付着させることは記載されていない。しかし、特許文献2は、食感を良好なものとしながら成形性を向上させながら食感を良好とすることを十分検討したものではない。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るクリームコロッケ及びその製造方法を提供することにあり、具体的には、成形後の冷凍工程を経ずに製造でき、且つ、口触りの良好なクリームコロッケを得ることを課題とする。
本発明者は、クリームコロッケにおいて、所定量超のゼラチンに加えて豆類由来蛋白質を含有する水中油型乳化物を用いることで、成形後の冷凍工程を経ずに製造でき、且つ、喫食時の口溶けを優れたものとできることを知見した。
本発明は上記知見に基づくものであり、具と、具を覆う衣とを有するクリームコロッケであって、
前記具が、ゼラチンを1.5質量%超含有し、且つ、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有する、クリームコロッケを提供するものである。
また本発明はゼラチンを1.5質量%超含有し、更に豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有するクリームコロッケの具を提供するものである。
また本発明は、ゼラチンを1.5質量%超含有し且つ豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有する混合物を調製した後、得られた混合物を成形し、次いで、得られた成形物を冷凍せずに衣を付して油調する、クリームコロッケの製造方法を提供するものである。
本発明により、成形後、冷凍工程を経ずに油調でき、製造コストを効果的に抑制できるのみならず、口溶けやクリーム感等、喫食時の口触りが良好なクリームコロッケ及びその製造方法を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
以下、まず本発明のクリームコロッケについて説明する。
本発明は、具及び具を覆う衣を有するクリームコロッケを提供する。ここでいう具とは、「中種」や「種」と呼ばれることもある。具は、コーンやカニといった具材に加えて、ホワイトソースを含む意味である。本発明においてクリームコロッケの具という場合は、衣の内側に位置する中種全体を指す。中種に付着させる打ち粉やバッター液、パン粉は具でなく、衣を構成する。
本明細書において、クリームコロッケとは、上記の通り具中にホワイトソースとコーンやカニなどの魚介類や肉、野菜等の具材とを有するものであるが、このホワイトソースの組成については、所定量のゼラチンと豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を用いていればそれ以外の原料の種類は限定されない。ホワイトソースは白っぽい見た目をしており、通常75℃で流動性を有する。
本発明のクリームコロッケは、具がゼラチンを1.5質量%超含有する。このようにゼラチンの量が従来よりも多いことは、成形後、冷凍工程を経ずに油調可能とすることを可能とするものである。従来技術によれば、このようにクリームコロッケの具にゼラチンを多く含有すると、クリームコロッケの口溶けが悪化するものとされていた。しかしながら、本発明者はこのようにゼラチンを多く含有しても豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有することで、冷えたときにゼリー状になる問題を改善しながら保形性が得られ、口溶けを良好にしつつ冷凍工程を経ずに成形可能にすることが可能であることを見出した。これに対しゼラチン量が1.5質量%以下である場合、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有しても、成形性の向上効果が得られない。また本発明では、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有することで、ゼラチン量を1.5質量%超の所定量としても口溶けが良好であるほか、ゼラチン量を1.5質量%以下である場合に比して、クリーム感のある食感を明確に感じやすい利点があることも判った。なお本明細書でクリーム感とは滑らかでとろりとした食感をいう。
本発明においてクリームコロッケの喫食時の口溶けを一層優れたものとする点から、本発明のクリームコロッケの具中、ゼラチンの量は5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。ゼラチンの量の下限としては、クリームコロッケの具中、1.5質量%超であり、冷凍工程を経ずに高い成形性を得る点やクリーム感のある食感に優れる点から2質量%以上であることが好ましい。
本発明においてクリームコロッケの具に含まれる豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物は、豆類由来蛋白質、水、油脂を混合し、水中油型となるように乳化させたものであり、豆類由来蛋白質が乳化力を有し、乳化物の乳化状態の安定性に寄与している。豆類由来蛋白質としては、分離大豆蛋白質が好適に挙げられる。分離大豆蛋白質とは、脱脂大豆から中性から弱アルカリ水で抽出した溶液を酸沈澱させて得られる蛋白質のことであって、市販品として、例えば日清オイリオ(株)社製の商品:ソルピー5000H、ソルピー6000H等が挙げられる。ソルピー5000H、ソルピー6000H等は、「粉末状大豆たん白」と呼ばれることもある。これらは例えば脱脂大豆から中性から弱アルカリ水で抽出した溶液を酸沈澱させた後、アルカリ中和及び可溶性糖類の分離の処理をした後、噴霧乾燥されて得られる。分離大豆蛋白質は蛋白質含量が90質量%以上であることが好ましい。本発明では、単に具が豆類由来蛋白質を含有するのではなく、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有することで、口触りが良好なものとなると本発明者は考えている。また分離大豆蛋白質はゲル化作用を有しており、冷凍工程を経ずに成形後油調可能とする上で有利である。豆類由来蛋白質は保水力、乳化力を有し、水を多く抱えることができるため、具が豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含むことで、食感に悪影響なく成形性が向上する。また豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物は、油を多く含むことができるため、ゼラチンが冷えても油のおかげで食感を維持することができる。
クリームコロッケの具中、豆類由来蛋白質は、乾燥質量にて、ゼラチン100質量部に対し、30質量部以上であることが、口溶け及び成形性向上の点で好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。また、豆類由来蛋白質は、乾燥質量にて、ゼラチン100質量部に対し、200質量部以下であることがクリーム感ある食感が得やすい点から好ましく、100質量部以下であることがより好ましい。なお豆類由来蛋白質が不純物(例えば後述するレシチンや水等)を含む場合、本明細書でいう豆類由来蛋白質の量は、当該不純物を除く量である。
また口溶けやクリーム感のある食感の向上と、成形後冷凍せずに油調することを容易とする点から、クリームコロッケの具中、豆類由来蛋白質は、乾燥質量にて、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物はクリームコロッケの具におけるホワイトソース(野菜や魚介類、肉類などの具材以外の75℃にて流動性のある成分)を構成する主成分となることが好ましい。クリームコロッケの具に使用される油脂としては、牛脂、豚脂、魚油、乳脂、大豆油、キャノーラ油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、アマニ油、オリーブ油、等や、これらに、水素添加、分別、及びエステル交換から選ばれる少なくとも一種の処理を施した油脂などを使用することができる。これらは、水中油型乳化物を構成するものとしてクリームコロッケの具中に含有されていることが好適である。油脂としては、25℃で液状である液状油脂を用いる事が好ましい。また本発明では、油脂中に25℃で液状である油脂の割合が5質量%以上であることも好ましい。
クリームコロッケ具中の油脂含量としては、食味、食感の点から、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
また、クリームコロッケの具中、水の含有量は15質量%以上50質量%以下であることが、口溶け及び成形性の点で好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。ここでいう水の含有量には水中油型乳化物に含まれる水のほか、その他の材料(例えば後述する加熱液に含まれる水等)に含まれる水の量も含むものとする。
クリームコロッケの具は、水中油型乳化物を用いるにあたり、豆類由来蛋白質以外の乳化剤を有していてもよい。豆類由来蛋白質以外の乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等)、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸塩、サポニン、レシチン、ポリソルベート等を挙げることができる。
クリームコロッケの具が豆類由来蛋白質以外の乳化剤を含有する場合、その量はクリームコロッケの具中、0.05質量%以上5質量%以下であることが、口溶け向上やクリーム感のある食感の向上の点や油と水の乳化の点で好ましく、0.05質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。なお、豆類由来蛋白質を用いる場合に当該蛋白質に不純物としてレシチンが含まれている場合があるが、当該レシチンは豆類由来蛋白質以外の乳化剤の量に含めるものとする。
クリームコロッケの具は、ゼラチン、豆類由来蛋白質、水、油脂、乳化剤以外の成分を含有していてもよい。そのような成分としては、澱粉類、穀粉類、デキストリン、増粘多糖類、糖類、調味料、乳原料等が挙げられる。
穀粉類としては、小麦粉、トウモロコシ粉、馬鈴薯粉、米粉等が挙げられ、小麦粉が好適である。穀粉類の量はホワイトソースの良好な食味、食感を得る点から、通常、クリームコロッケの具中、1~20質量%が好適であり、2~10質量%がより好適である。
また澱粉類は保形性の向上のために用いられる。澱粉類としては、デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、及びヒドロキシプロピル化デンプン等が挙げられる。澱粉類としては、架橋澱粉を用いる事が冷凍耐性に好ましく、アセチル化澱粉を用いることが食感の点で好ましい。これらの観点から、アセチル化リン酸架橋デンプン又はアセチル化アジピン酸架橋デンプンを用いる事が特に好ましく、アセチル化アジピン酸架橋デンプンを用いる事が最も好ましい。澱粉類は、その成形性の効果を好適に得る点から、クリームコロッケの具中、0.5~5質量%が好適であり、1~3質量%がより好適である。
デキストリンを有すると、成形性及び口どけを一層容易に両立できる点で好ましいが、デキストリンを含有することは必須ではない。成形性及び口どけをより良好なものとする点から、デキストリンは、クリームコロッケの具中、0~30質量%が好適であり、0~10質量%がより好適である。
更に、増粘多糖類を含有することは成形後、冷凍せずに油調する工程を一層容易とする点で好ましい。増粘多糖類としては、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アマシードガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸、ウェランガム、カシアガム、ガティガム、カードラン、カラギーナン、カラヤガム、カロブビーンガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、キチン、キトサン、グァーガム、グルコサミン、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、デキストラン、トラガントガム、プルラン、ペクチン、マクロホモプシスガム等が挙げられる。増粘多糖類としてはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩等のセルロース誘導体が加熱時(油調、レンジ調理)のパンク防止の理由から好適に挙げられ、メチルセルロースが最も好ましい。増粘多糖類としては、冷凍工程を不要とする高い成形性を得る点及び口溶けの点から、クリームコロッケの具中、0.01~10質量%が好適であり、0.05~5質量%がより好適である。
更に糖類は味付けと成形性向上等の役割を果たす。糖類としては、単糖、二糖、オリゴ糖、糖アルコールが挙げられ、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)、液糖等が挙げられる。糖類含量は、上記の効果を得る点からクリームコロッケの具中、固形分量にて、0.1~10質量%が好適であり、0.5~5質量%がより好適である。
本発明では、クリームコロッケの具中、その他の成分、例えば肉類、野菜、魚介類などの具材、調味料、乳製品や各種添加剤を含有することができる。その他の成分の含有量を確保する点、及びクリームコロッケに種々の機能を付与できる点から、クリームコロッケの具中、その他の成分(つまり、ゼラチン、豆類由来蛋白質、水、油脂、豆類由来蛋白質以外の乳化剤、澱粉類、穀粉類、デキストリン、増粘多糖類及び糖類以外の成分)は、合計で、クリームコロッケの具中、0.1質量%~50質量%が好適であり、0.5~40質量%がより好適である。
本発明のクリームコロッケは、未油調のものであっても、油調ずみのものであってもよい。
本発明は、冷凍クリームコロッケであることが好ましく、特に油調済み冷凍クリームコロッケであることが好ましい。本発明では、1.5質量%超のゼラチンと豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を用いることで、油調後の冷凍及び電子レンジ解凍を経ても良好な口溶けが得られるものである。
次いで、本発明のクリームコロッケの具(以下、「本発明の具」とも記載する。)について説明する。上記の本発明のクリームコロッケにおける具の組成について説明した事項は、いずれも本発明の具に該当させることができる。
本発明の具は、成形後、衣を付着し、必要に応じて油調した製造後のクリームコロッケを構成する具に限定されず、衣付着前の状態の具を指すのであってもよい。本発明の具は、成形後のものであってもよく、成形前のものであってもよい。本発明の具における具材(魚介類、野菜及び肉類)以外の部分は、通常、75℃で流動性を有する。本発明の具における具材(魚介類、野菜及び肉類)以外の部分は、30℃でも流動性を有することが好ましい。尚、ここで流動性を有するとは、液状又は流動状であって一定の形状に成形できないことを指す。なお、ここでいう具材に係る魚介類、野菜及び肉類とは、エキス等の水溶性の粉体は含まれず、例えば75℃で具を加熱したときにホワイトソースからなる液体部分と固液分離可能な固形状の魚介類、野菜及び肉類を指す。
次いで、本発明のクリームコロッケの好適な製造方法を説明する。以下の説明は、油調済みクリームコロッケの好適な製法の説明である。上述したクリームコロッケ及びクリームコロッケの具の説明は、適宜、下記のクリームコロッケの製造方法の説明に使用でき、下記のクリームコロッケの製造方法の説明は、適宜、上記のクリームコロッケ及びクリームコロッケの具の説明に使用できる。
本製造方法は、ゼラチンを1.5質量%超含有し、更に、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有する混合物を調製し、得られた混合物を成形し、得られた成形物を冷凍せずに衣を付す工程と、衣を付した成形物を油調する工程とを有する、クリームコロッケの製造方法である。本製造方法は、冷凍せずに衣を付さなければ、衣付着後に冷凍し、次いで油調してもよいが、好ましくは冷凍せずに衣を付し、次いで冷凍工程を経ずに油調する。衣付着後に冷凍することは流動性のあるクリームコロッケの具の取り扱い性を容易化するが、当該工程を経ないことでコスト削減を一層図ることができる。
より好適には、本製造方法は、ゼラチンを水でふやかした後に加熱した加熱液と、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物とを混合する混合工程、
得られた混合物を成形する成形工程、
成形した混合物を冷凍せずに衣を付す工程、
衣を付した成形物を油調する工程とを有する。
なお、本製造方法において説明する豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物は、本発明のクリームコロッケの具の構成成分として上記で説明した豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物の一例であり、別の製法により豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を含有する形態も本発明に含まれる。
混合工程ではゼラチンを水でふやかした後に加熱した加熱液と、豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物とを混合する。このような工程を経ることは、ゼラチン及び豆類由来蛋白質それぞれの原料としての特徴を最大限に生かす利点がある。
加熱液は、ゼラチンを水でふやかした後に加熱して得られる。本混合工程において、加熱液は、ゼラチンに加えて、予め澱粉類を含有することが、成形適性の向上の点で好ましい。本混合工程において、加熱液はゼラチンに加えて、予め糖類を含有することが、粉類の分散の点で好ましい。また本混合工程において、加熱液はゼラチンに加えて予め増粘多糖類を含有することが分散性の点で好ましい。
一方、本製造例で調整する豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物としては、例えば豆類由来蛋白質を0.5~20質量%、より好ましくは1.0~5.0質量%、水を20~70質量%、より好ましくは25~55質量%、油脂を20~60質量%、より好ましくは25~45質量%、含有するものが好ましく挙げられる。当該水中油型乳化物は、必要に応じて、豆類由来蛋白質以外の乳化剤、穀粉類、デキストリン、調味料、乳原料等を適宜含有することができる。本混合工程において、穀粉類を予め豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物に含有させることは乳化物がまとまりやすく作業性の点で好ましい。また、本混合工程において、デキストリンを予め豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物に含有させることは食感の滑らかさと成形適性の点で好ましい。
豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物を調製するための撹拌装置としては、例えば通常の撹拌用カッターを有する撹拌装置が挙げられる。乳化のための回転数としては例えば700~1600rpmが好適に挙げられる。また撹拌時の乳化物の温度としては5~40℃が好適に挙げられる。
加熱液と豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物とは、ホワイトソースである加熱液と豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物との混合物中、用いた豆類由来蛋白質を含む水中油型乳化物の割合が50~80質量%となる量で混合することが、好適な物性のクリームコロッケの具が得やすい点で好ましい。
次いで、得られた成形物を成形し、衣を付して油調する。成形工程は0℃超20℃以下で行うことで良好な成形性が得られる。またバッター液及びパン粉や打ち粉などの衣を付す工程は例えば0℃超20℃以下で行うことで形崩れが好ましく抑制できる。本発明では、驚くべきことに、従来技術で通常なしえなかった、成形後、冷凍せずに衣付着及び油調を行うことができる。得られた油調品は冷凍することが上記の通り好ましい。
以上、本発明をその好ましい態様に基づき適宜説明したが、本発明は上記記載に限定されない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
ゼラチン(新田ゼラチン ♯250)2.2質量部を水11質量部にてふやかしたゼラチン混合物を得た。アセチル化アジピン酸架橋澱粉2質量部、水12質量部を、上記で得られたゼラチン混合物とあわせて、加熱してゼラチンを溶解させた溶解液を得た。得られた溶解液に砂糖5質量部、メチルセルロース1質量部を入れて混合して加熱液を得た。
上記とは別に、分離大豆蛋白質(日清オイリオ、ソルピー6000H、分離大豆蛋白質の純度90質量%以上、残部は水7質量%以上)1.4質量部、小麦粉2質量部、デキストリン1質量部、水15質量部、ソルビタン脂肪酸エステル0.1質量部、キャノーラ油14質量部、その他調味料等7質量部をカッターにて常温にて1400rpmで混ぜて乳化させた。得られた水中油型乳化物を、上記の加熱液と混合した。得られた混合物に、冷凍コーン26.9質量部を混合して、コーンクリームコロッケの具である混合物を調製した。
上記で得られた混合物を0℃超20℃以下に冷却し、当該温度にて、型を用いて俵状に成形し、得られた成形品を、0℃超20℃以下にて、バッター液を付着させた後にパン粉を付着させる、という操作を2回繰り返した後、中心温度75℃以上となるように油ちょうし、次いで冷凍させた。
上記の工程において、型を用いて俵状に成形した後、打ち粉を付着させる前に手で触ると、実施例1品は崩れなかった。成形品は、バッター液を付着させ、パン粉を付着させる工程においても崩れなかった。
(実施例2)
冷凍コーン26.9質量部の代わりに、冷凍カニ落とし身26.3質量部を用いて同様にクリームコロッケを製造した。
実施例2で得られた冷凍クリームコロッケについて、電子レンジにて600Wで20秒加熱して解凍させた。得られたクリームコロッケの30℃での口溶けを5人のパネラーにて下記評価基準にて評価した。
(食感)
5点 非常に口溶けが滑らかである。
4点 口溶けが滑らかである。
3点 一般的なクリームコロッケと同様である。
2点 少し口溶けがよくない。
1点 口溶けが悪い。
Figure 0007204035000001
また実施例2のクリームコロッケも、実施例1と同様、その製造工程中、冷凍しない20℃以下の状態での衣付着工程の成形性の工程でほとんど崩れなかった。
〔実施例3〕
実施例1において、ゼラチン溶解用の水12質量部を9質量部に変更し、カッターに添加する水15質量部を、18質量部に変更した以外は実施例1と同様にしてコーンクリームコロッケの具である混合物を得た。
〔比較例1〕
実施例3において、ゼラチン2.2質量部を0.5質量部に変更し、その分ゼラチン溶解用の水を増加させた。その点以外は実施例3と同様としてコーンクリームコロッケの具である混合物を得た。
〔比較例2〕
実施例3において、ソルピー6000Hを無添加とし、ゼラチン溶解用の水を増加させた。その点以外は実施例3と同様としてコーンクリームコロッケの具である混合物を得た。
上記実施例3並びに比較例1及び2で得られた混合物を0℃超20℃以下に冷却し、当該温度にて、型を用いて俵状に成形し、得られた成形品を、20℃にて、バッター液を付着させた後にパン粉を付着させる、という操作を2回繰り返した後、中心温度75℃以上となるように油ちょうし、次いで冷凍させた。
実施例3並びに比較例1及び2について、衣付着の工程での成形性を成人10人(男性5人、女性5人)のパネラーにて下記基準にて評価させた。
また実施例3並びに比較例1及び2について、得られた冷凍クリームコロッケについて、電子レンジにて600Wで20秒加熱して解凍させた。得られたクリームコロッケの30℃での口溶けを成人10人(男性5人、女性5人)のパネラーにて下記基準で評価させた。結果を表2に示す。なお表2中の「-」は未評価である。
(成形性)
5点 衣付着の工程で全く崩れない。
4点 衣付着の工程でほとんど崩れない。
3点 衣付着の工程で僅かに崩れる。
2点 衣付着の工程で崩れる。
1点 衣付着の工程で大きく崩れる。
(食感(口溶け))
5点 非常に口溶けが滑らかである。
4点 口溶けが滑らかである。
3点 一般的なクリームコロッケと同様である。
2点 少し口溶けがよくない。
1点 口溶けが悪い。
(食感(クリーム感))
5点 クリームのような舌ざわりが非常に明確に感じられる。
4点 クリームのような舌ざわり明確に感じられる。
3点 一般的なクリームコロッケと同様にクリームのような舌ざわりが感じられる。
2点 クリームのような舌ざわりあまり感じられない。
クリームのような舌ざわりが感じられない。
Figure 0007204035000002
上記の通り、本発明のクリームコロッケは、所定量のゼラチンと豆類由来蛋白質とを組み合わせることで成形性と食感を相乗的に高めることができた。一方、ゼラチン量が少ない比較例1では成形性が得られず、またクリーム感ある食感が得られなかった。豆類由来蛋白質を用いない比較例2では成形性が得られず、且つ、口溶けも得られなかった。

Claims (3)

  1. 具と、具を覆う衣とを有するクリームコロッケであって、
    前記具が、ゼラチンを具中1.5質量%超3質量%以下となる量で含有し、且つ、
    分離大豆蛋白質を含む水中油型乳化物を含有し、
    前記具中の分離大豆蛋白質の量がゼラチン100質量部に対し、30質量部以上200質量部以下である、クリームコロッケ。
  2. ゼラチンを具中1.5質量%超3質量%以下となる量で含有し、更に分離大豆蛋白質を含む水中油型乳化物を含有し、前記具中の分離大豆蛋白質の量がゼラチン100質量部に対し、30質量部以上200質量部以下である、クリームコロッケの具。
  3. ゼラチンを具中1.5質量%超3質量%以下となる量で含有し且つ、分離大豆蛋白質を含む水中油型乳化物を含有し、分離大豆蛋白質の量がゼラチン100質量部に対し、30質量部以上200質量部以下である混合物を調製した後、得られた混合物を成形し、次いで、得られた成形物を冷凍せずに衣を付す工程と、衣を付した成形物を油調する工程とを有する、クリームコロッケの製造方法。
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