JP7203618B2 - 流体研磨装置および流体研磨方法 - Google Patents

流体研磨装置および流体研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、加工流体を用いて加工対象物を研磨する流体研磨装置に関する。
従来から、磁石体からなる工具本体と加工対象物との間に砥粒を含有させた加工流体を介在させた状態で、工具本体に対して加工対象物を回転させたり、工具本体を加工対象物に対して回転させたりすることによって、加工対象物の表面に流体研磨を施す方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
特許第3846052号公報 特許第5967759号公報
しかし、これまでの流体研磨では、高い平面度が実現されているものの、その研磨効率を充分に高めることができているとはいえず、改善の余地があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、流体研磨における能率を高めるための技術を提供することである。
上記課題を解決するための第1局面は、加工対象物と近接する近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させる磁石体からなり、前記近接領域が加工対象物と近接した位置関係で該加工対象物に対して相対的に回転可能に設けられた工具本体と、一組の電極のうち、一方の電極が前記工具本体に設けられるのに対し、他方の電極が前記近接領域から所定距離だけ離間した位置に設けられ、これら電極間に電圧を印加して電場を発生させる通電経路である電場経路と、前記工具本体を加工対象物に対して相対的に回転させる回転駆動部と、を備え、磁性流体に非磁性かつ非導電性の砥粒が含有された加工流体を、加工対象物と前記近接領域との間に介在させた状態で、前記磁石体による磁場および前記電場経路による電場のもとで前記回転駆動部により前記工具本体を回転させることによって、加工対象物に対する磁性流体研磨を実現する、流体研磨装置である。
この局面における流体研磨装置では、工具本体における磁石体の発生させる磁場により、磁石体から加工対象物に至る磁力線方向に沿って、加工流体(より具体的には磁性流体)中の磁性粒子および砥粒からなる磁気クラスタが形成される。この磁気クラスタは、磁場の影響で磁石体側に磁性粒子が集まることで、加工対象物の表面(被加工面)に砥粒が偏在しやすくなるとともに、電場経路の発生させる電場の影響で砥粒の凝集体が形成され、加工流体としてのみかけの粘度が局所的に増加する。これは、非磁性かつ非導電性の砥粒が電場による誘電分極の影響を受けて粒子単位で電荷の偏りを生じる結果、この偏った電荷を打ち消すべく隣接する粒子同士が凝集しやすくなるためである。
この状態で工具本体が加工対象物に対して相対的に回転することにより、砥粒による加工対象物の研磨が行われることとなる。こうして、上記流体研磨装置では、磁場による砥粒の加工対象物表面への集中に加え、電場による加工流体としてのみかけの粘度増加によって、加工対象物表面への砥粒の作用を高めて流体研磨としての研磨効率を高めることができる。
上記局面において、工具本体は、磁石体により近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させることができれば、その具体的な構成については特に限定されない。
例えば、第2、第3局面のようにすることが考えられる。
第2局面において、前記工具本体は、円柱形状の前記磁石体が、該円柱形状の高さ方向に延びる軸体を回転中心として回転可能に設けられ、該円柱形状の側面において加工対象物と近接する領域を前記近接領域として、該近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されており、前記回転駆動部は、前記工具本体をその軸体を回転中心として回転させて、さらに、前記磁石体は、円柱形状の側面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、前記電場経路は、前記一方の電極が、前記磁石体の導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている。
第3局面において、前記工具本体は、複数の前記磁石体が、円柱形状の高さ方向に絶縁材料を介して重ねられ、前記磁石体それぞれに、円柱形状の側面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、前記電場経路は、前記一方の電極が、前記磁石体それぞれの導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている。
第2、第3局面の構成であれば、磁石体における円柱形状の側面によって加工対象物を研磨することができる。
また、上記第1局面における工具本体の具体的な構成としては、例えば、第4局面のようにしてもよい。
第4局面において、前記工具本体は、円柱形状の前記磁石体が、該円柱形状の高さ方向に延びる軸体を回転中心として回転可能に設けられ、該円柱形状の端面において加工対象物と近接する領域を前記近接領域として、該近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されており、前記回転駆動部は、前記工具本体をその軸体を回転中心として回転させて、さらに、前記磁石体は、円柱形状の端面面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、前記電場経路は、前記一方の電極が、前記磁石体の導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている。
この局面の構成であれば、磁石体における円柱形状の端面によって加工対象物を研磨することができる。
また、加工対象物の性質や工具本体の構成に応じて、上記第1~4局面においては、以下に示す第5~第6局面のようにしてもよく、上記第2~第3局面においては、以下に示す第7局面のようにしてもよい。
第5局面は、加工対象物が導電性を有する材料からなる場合であり、加工対象物が導電性を有する材料からなる場合において、前記電場経路は、前記他方の電極が、加工対象物と接触して導通する電極として設けられており、該加工対象物そのものを電極として機能させるように構成されている。
第6局面は、加工対象物が非導電性を有する材料からなる場合であり、加工対象物が非導電性を有する材料からなる場合において、前記電場経路は、前記他方の電極が、前記一方の電極と加工対象物を挟んだ位置関係で前記近接領域全域にわたって拡がる電極として設けられている。
第5局面の構成であれば、導電性を有する材料からなる加工対象物を研磨することができる。一方、第6局面の構成であれば、非導電性を有する材料からなる加工対象物を研磨することができる。
第7局面は、第2、第3局面を前提として、工具本体が3つの磁石体を有する場合であり、前記工具本体は、3つの前記磁石体が、円柱形状の高さ方向に沿って絶縁材料を介して重ねられ、前記磁石体それぞれに、円柱形状の側面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、前記電場経路は、前記一方の電極が、3つの前記磁石体のうち、真ん中に配置された前記磁石体の導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられ、前記他方の電極が、3つの前記磁石体のうち、真ん中に配置された前記磁石体以外の前記磁石体における導電層と直接的または間接的に接触して導通する電極として設けられている。
第7局面の構成であれば、工具本体に電場経路における一組の電極が搭載され、加工対象物側に電極を設けて導通を確保する必要がないため、非導電性を有する材料からなる加工対象物の研磨に好適である。
また、上記第1局面における工具本体の具体的な構成としては、例えば、第8局面のようにしてもよい。
第8局面において、前記工具本体は、円柱形状の前記磁石体が、該円柱形状の中心軸に位置する導電性の軸体を回転中心として回転可能に設けられ、該円柱形状の端面において加工対象物と近接する領域を前記近接領域として、該近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されており、前記回転駆動部は、前記工具本体をその軸体を回転中心として回転させて、さらに、前記工具本体は、前記磁石体における円柱形状の高さ方向全域にわたって該磁石体と前記軸体との間に絶縁材料が配置されており、前記磁石体は、導電性の材料からなる円柱形状の磁心として形成された電磁石であり、前記電場経路は、前記一方の電極が、前記軸体と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられ、前記他方の電極が、前記磁石体と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている。
この局面の構成であれば、磁石体における円柱形状の端面に沿って加工対象物を研磨することができる。また、工具本体に電場経路における一組の電極が搭載され、加工対象物側に電極を設けて導通を確保する必要がないため、非導電性を有する材料からなる加工対象物の研磨に好適である。
また、上記各局面においては、第9局面のようにしてもよい。
第9局面において、前記工具本体と加工対象物とを、前記磁石体における円柱形状の高さ方向に沿って相対変位させる変位機構を備えている。
さらに、上記各局面においては、第10局面のようにしてもよい。
第10局面において、前記工具本体と加工対象物とを、前記磁石体における円柱形状の高さ方向と交差する方向に沿って相対変位させる変位機構を備えている。
第9、第10局面の構成であれば、工具本体による研磨領域を工具本体の相対的な変位方向および変位範囲に応じて加工対象物の研磨領域を拡げることができる。
例えば、第9局面を、第2局面およびこれに従属する局面の構成に適用すると、磁石体における外径程度の内径を有する筒状の加工対象物または同じ内径で凹んだ溝を有する加工対象物に対し、この筒状部分の延びる方向または溝の深さ方向に工具本体を変位させることができ、これにより、筒状部分の長さ方向に沿ってその内径を曲面状に研磨することができるようになる。
また、第9局面を、第4、第8局面およびこれらに従属する局面の構成に適用すると、磁石体の外径以上の内径で凹んだ溝を有する加工対象物に対し、この溝の深さ方向に工具本体を変位させることができ、これにより、溝の底面を研磨することができるようになる。
他方、第10局面を、第2局面およびこれに従属する局面の構成に適用すると、加工対象物の平面に沿って磁石体における円柱形状の側面を走査させることができ、これにより、加工対象物の表面を広範囲にわたって研磨することができる。
また、第10局面を、第4、第8局面およびこれらに従属する局面の構成に適用すると、加工対象物の平面に沿って磁石体における円柱形状の端面を走査させることができ、これにより、加工対象物の表面を広範囲にわたって研磨することができる。
さらにいえば、第9、第10局面を上記各局面の構成に適用すると、より加工対象物の研磨領域を拡げることができる。
また、上記課題を解決するための第11局面は、加工対象物と近接する近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させる磁石体からなり、前記近接領域が加工対象物と近接した位置関係で該加工対象物に対して相対的に回転可能に設けられた工具本体と、一組の電極のうち、一方の電極が前記工具本体に設けられるのに対し、他方の電極が前記近接領域から所定距離だけ離間した位置に設けられ、これら電極間に電圧を印加して電場を発生させる通電経路である電場経路と、を用いて、磁性流体に非磁性かつ非導電性の砥粒が含有された加工流体を、加工対象物と前記近接領域との間に介在させた状態で、前記磁石体による磁場および前記電場経路による電場のもとで前記工具本体を回転させることによって、加工対象物に対する磁性流体研磨を実現する、流体研磨方法である。
この局面の流体研磨方法であれば、上記各局面における流体研磨装置と同様の作用効果を奏する。
実施例1における流体研磨装置の全体構成を示す図(1) 実施例1における流体研磨装置の全体構成を示す図(2) 実施例1における流体研磨装置における要部拡大図(1) 実施例1における流体研磨装置の変形例を示す図(1) 実施例1における流体研磨装置の変形例を示す図(2) 実施例1における流体研磨装置の変形例を示す図(3) 実施例1における流体研磨装置の変形例を示す図(4) 実施例1における流体研磨装置における要部拡大図(2) 実験結果を示すグラフ 実施例2における流体研磨装置の全体構成を示す図(1) 実施例2における流体研磨装置の全体構成を示す図(2) 実施例2における流体研磨装置の変形例を示す図(1) 実施例2における流体研磨装置の変形例を示す図(2)
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)装置概要
流体研磨装置1は、工具本体10と加工対象物100との間に、砥粒を含有させた加工流体200を介在させ、工具本体10を加工対象物100に対して相対的に回転させることにより、加工対象物100の表面に流体研磨を施す装置である。
(2)実施例1
(2-1)全体構成
流体研磨装置1は、図1、図2に示すように、加工対象物100と近接した位置関係で設けられた工具本体10と、一対の電極を備えた電場経路20と、工具本体10を回転させる回転駆動部30と、装置全体の動作を制御する制御部40と、電場経路20に電圧を印加する電源部50と、を備える。
工具本体10は、加工対象物100と近接する近接領域300から加工対象物100に向けて拡がる磁場を発生させる磁石体11からなり、近接領域300が加工対象物100と近接した位置関係で、工具本体10を加工対象物100に対して相対的に回転可能に設けられている。
ここでは、円柱形状の磁石体11が、この円柱形状の中心軸に沿って延びる軸体13と連結され、この軸体13を回転中心として回転可能に設けられている。そして、この磁石体11は、図3に示すように、円柱形状の端面(同図の下端面)において加工対象物100と近接する領域を近接領域300として、この近接領域300から加工対象物100に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されている(同図では破線矢印の磁力線で磁場を表現している)。本実施形態では、磁石体11における円柱形状に端面に向けて小径化する領域が形成されており、この小径化する領域と端面とを含む領域のうち、加工流体200を介在させる領域が近接領域300となる。なお、軸体13は導電性の材料により構成されている。
なお、磁石体11としては、後述する加工流体200を構成する磁性流体が磁気飽和しない程度の磁場強度で磁場を発生させることができるものであればよく、本実施形態では、当該磁性流体が磁気飽和する最低値の磁場強度で磁場を発生させることのできる永久磁石(具体的にはネオジム磁石)が用いられている。
また、近接領域300と加工対象物100表面とは、所定の離間距離となるように位置関係が設定されている。この離間距離は、磁石体11の磁場強度、電場経路20の電場強度や加工流体200の成分などに応じて、0.5~2.0mmの範囲で選択される。
電場経路20は、一組の電極間への電圧の印加により電場を発生させる通電経路21をなすものであり、一方の電極23が工具本体10に設けられるのに対し、他方の電極25が近接領域300から所定距離だけ離間した位置に設けられている。なお、磁石体11には、その端面および端面に向けて小径化する領域(本実施形態では外周面全体)に導電性材料からなる導電層が形成されており、一方の電極23は、この磁石体11の導電層と軸体13を介して間接的に接触して導電経路21と通電する通電ブラシである。
ここで、導電性を有する材料からなる加工対象物100を研磨する用途に用いられる場合は、図1に示すように、他方の電極25が加工対象物100そのものと接触して導通するように設けられている。こうして、加工対象物100全体を電極として機能させ、他方の電極25が近接領域300から所定距離だけ離間した位置に設けられた状態を仮想的に実現している。
一方、非導電性を有する材料からなる加工対象物100を研磨する用途に用いられる場合は、図2に示すように、一方の電極23と加工対象物100を挟んだ位置関係で少なくとも近接領域300全域にわたって拡がる電極が、他方の電極25として設けられている。
この電場経路20には、通電経路21に接続される電源部50により一組の電極間に電圧が印加される。本実施形態では、磁石体11の磁場強度、加工流体200の成分、近接領域300と加工対象物100表面との離間距離などに応じて、一対の電極間が1.5kV/mm以下、10mA以下となるように電圧が印加される。
回転駆動部30は、工具本体10を加工対象物100に対して相対的に回転させるための手段であり、本実施形態では工具本体10の軸体13を回転駆動させるべくモータが採用されている。
加工流体200は、非導電性の磁性流体をベースとして、非導電性かつ非磁性の砥粒を含有させたものが用いられる。この加工流体200には、磁性流体の磁性粒子として、磁石体11の磁場強度、近接領域300と加工対象物100表面との離間距離、磁性流体におけるベース液他の配合などに応じた粒径5nm~10μmの磁性粒子が選択的に用いられている。
この加工流体200に含有される砥粒としては、少なくとも磁性流体におけるベース液以上の誘電率(本実施形態では、4×10e11以上)を有する材料として、例えば、アルミナや炭化ケイ素などセラミック質からなる一般砥粒、ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素(cBN)などの超砥粒のうち、その加工対象物などに適したものが選択される。
なお、加工流体200には、上述した以外に、所定長さを有する繊維材料を一定量分布させてもよい。具体的な例としては、近接領域300と加工対象物100表面との離間距離程度の長さを有するαセルロースなどの繊維材料を用いることが考えられる。この繊維材料は、後述する磁気クラスタの生成を促進させつつ補強するのに好適である。
上述した構成の流体研磨装置1では、磁性流体に非磁性かつ非導電性の砥粒が含有された加工流体200を加工対象物100と近接領域300との間に介在させた状態で、制御部40が、電場経路20による電場の発生、回転駆動部30による工具本体10の回転を制御することにより、加工対象物100に対する磁性流体研磨を実現する。ここでは、板状の加工対象物100における表面を平滑な面とすべく磁性流体研磨が実現される。
なお、本実施形態では、図1、図2に示すように、加工対象物100がステージ60上に乗せられており、このステージ60を軸体13の延びる方向と交差する2方向(x軸方向およびy軸方向)に沿って手動で変位させるための変位機構70が備えられている。
(2-2)変形例
本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、磁場の発生を磁石体11により実現した構成を例示したが、図4に示すように、磁石体11を鉄などの磁性材料からなる軸体(つまり磁心)とし、この軸体と軸体を取り囲むコイル15とで電磁石を構成して磁場を発生させる構成としてもよい。
また、上記本実施形態では、磁石体11における円柱形状に、端面に向けて小径化する領域が形成されており、この小径化する領域と端面とで近接領域300をなしている構成を例示したが、磁石体11は、図5に示すように、端面に向けて小径化していない円柱形状としてもよい。この場合、磁石体11よりも径の大きい柱状のカバー17に磁石体11を嵌め込んだ構造とし、磁石体11およびカバー17の端部面を同一面として構成するとよい。これによって、より広い範囲にわたって加工流体200を保持しての流体研磨を行うことができる。
また、上記実施形態では、非導電性を有する材料からなる加工対象物100を研磨する用途に用いるために、一組の電極が加工対象物100を挟んだ位置関係で設けられている構成を例示した。しかし、非導電性の材料からなる加工対象物100を研磨するための構成としては、一組の電極が加工対象物100を挟まない位置関係で設けられたものとしてもよい。
このための構成としては、例えば、図6に示すように、円柱形状の磁石体11が、円柱形状の中心軸に位置する導電性の軸体13を回転中心として回転可能に設けられ、円柱形状の端面において加工対象物100と近接する領域を近接領域300として、近接領域300から加工対象物100に向けて拡がる磁場を発生させるといった構成である。
この構成では、磁石体11における円柱形状の高さ方向全域にわたって磁石体11と軸体13との間に絶縁材料19が配置され、磁石体11が導電性の材料からなる円柱形状の磁心として形成され、この磁心たる磁石体11とコイル15とで電磁石をなしている。そして、電場経路20は、一方の電極23が、軸体13と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられ、他方の電極25が、磁石体11と接触して通電経路21と通電する通電ブラシとして設けられている。本実施形態において、電極23,25は、非磁性の材料で形成されている。
また、上記実施形態においては、工具本体10が加工対象物100に対して回転するように構成されたものを例示したが、工具本体10が加工対象物100に対して相対的に回転可能であればよく、工具本体10および加工対象物100の両方、または、加工対象物100のみが回転するように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、変位機構70が、加工対象物100側を変位させるように構成されているものを例示したが、工具本体10と加工対象物100とを相対変位させることができればよく、工具本体10側を変位させるように構成してもよい。
また、本実施形態では、変位機構70によって、軸体13の延びる方向と交差する2方向に加え、軸体13の延びる方向(z軸方向)に沿って加工対象物100を変位させることができるように構成してもよい。
また、この変位機構70は手動に限らず、外部からの指令を受けて自動で変位を実現するように構成してもよい。具体的には、数値制御装置などの制御装置による構成が考えられる。
また、上記実施形態では、磁石体11がその軸体13を回転中心として回転可能に構成つまり磁石体11が自転するように構成されているものを例示した。しかし、磁石体11は、図7に示すように、円柱形状の延びる軸から離れて配置された軸体13’でもって回転可能つまり磁石体11が公転するように構成されていてもよい。また、この構成において、さらに磁石体11が円筒形状に延びる軸を回転中心として自転するように構成してもよい。
(2-3)作用効果
上述した流体研磨装置1では、図8に示すように、工具本体10における磁石体11の発生させる磁場により、磁石体11から加工対象物100に至る磁力線方向(図3の破線矢印参照)に沿って、加工流体200(より具体的には磁性流体)中の磁性粒子、砥粒および繊維材料(具体的にはαセルロース)からなる磁気クラスタが形成される。この磁気クラスタは、磁場の影響で磁石体11側に磁性粒子が集まることで、加工対象物100表面(被加工面)に砥粒が偏在しやすくなるとともに、電場経路20の発生させる電場の影響を受けて電気力線方向(図3の実線矢印参照)に沿って砥粒の凝集体が形成され、加工流体200としてのみかけの粘度が局所的に増加する。また、砥粒の凝集体は磁気クラスタに付着して、砥粒の加工領域からの散逸を防ぐとともに磁気クラスタの加工力が砥粒に作用しやすくなる。これは、非磁性かつ非導電性の砥粒が電場による誘電分極の影響を受けて粒子単位で電荷の偏りを生じる結果、この偏った電荷を打ち消すべく隣接する粒子同士が凝集しやすくなるためである。
この状態で工具本体10が加工対象物100に対して相対的に回転することにより(図8の矢印参照)、砥粒による加工対象物100の研磨が行われることとなる。こうして、磁場による砥粒の加工対象物100表面への集中に加え、電場による加工流体200としてのみかけの粘度増加によって、加工対象物100表面への砥粒の作用を高めて流体研磨としての研磨効率を高めることができる。上記実施形態の例では、砥粒のサイズを選択することでサブミクロンレベルでの表面粗さであっても、より短時間で研磨することができる。
また、工具本体10に電場経路20における一組の電極を搭載した構成であれば(図6参照)、磁石体11における円柱形状の端面に沿って加工対象物100を研磨することができる。また、工具本体10に電場経路20における一組の電極が搭載され、加工対象物100側に電極を設けて導通を確保する必要がないため、非導電性を有する材料からなる加工対象物の研磨に好適である。
また、上記実施形態においては、加工対象物100が導電性か非導電性かに応じた構成を採用することにより、いずれの加工対象物100であっても研磨することができる。
また、上記実施形態においては、変位機構70により、工具本体10による研磨領域を、工具本体10の相対的な変位方向および変位範囲に応じて拡げることができる。具体的には、加工対象物100の平面に沿って磁石体11における円柱形状の端面を走査させることができ、これにより、加工対象物100の表面を広範囲にわたって研磨することができる。
また、本実施形態において、変位機構70により軸体13の延びる方向(z軸方向)に沿って加工対象物100を変位させることができるようにした構成であれば、加工対象物100の表面と交差する方向に工具本体10を変位させることができる。そのため、例えば、磁石体11の外径程度の内径を有する筒状の加工対象物または同じ内径で凹んだ溝を有する加工対象物に対しても、この筒状部分の延びる方向または溝の深さ方向に工具本体10を変位させることで、筒状部分の長さ方向に沿ってその内径を曲面状に研磨することができるようになる。
本願出願人は、本実施形態のうち、磁石体11を端面に向けて小径をなしていない円柱形状とした構成において、直径20mm×厚さ1mmのステンレス鋼板(SUS304―2B)を加工対象物とし、電場経路20による電場を発生させない場合(E=0V/mm)、および、電場を発生させた場合(E=500V/mm)において実際に加工を施す実験を行った。この結果によると、加工時間に応じた加工量(mg)が、図9に示すように、電場を発生させない場合よりも発生させた場合の方が同じ時間における加工量が大幅に増加することが確認された。この例では、2倍以上の加工量となっている。
なお、この実験では、磁石体11として、直径20mm×長さ5mmのサイズであり、かつ、最大磁束密度340mTのものを使用し、500rpmにて回転させている。さらに、この磁石体11と加工対象物100との離間距離を1mmとしている。
(3)実施例2
(3-1)全体構成
まず、流体研磨装置2は、図10、図11に示すように、磁石体11の円柱形状の側面と加工対象物100との間に近接領域300が形成されている点が異なるものの、それ以外は実施例1と同様の構成であるため、この相違点を中心に説明する。
まず、本実施形態において、工具本体10は、円柱形状の磁石体11が、該円柱形状の高さ方向に延びる軸体13を回転中心として回転可能に設けられ、円柱形状の側面において加工対象物100と近接する領域を近接領域300として、この近接領域300から加工対象物100に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されている。
電場経路20は、一組の電極のうち、一方の電極23が工具本体10に設けられるのに対し、他方の電極25が近接領域300から所定距離だけ離間した位置に設けられている。
ここで、導電性を有する材料からなる加工対象物100を研磨する用途に用いられる場合は、図10に示すように、他方の電極25が加工対象物100と導通するように設けられている。こうして、実施例1と同様、他方の電極25が近接領域300から所定距離だけ離間した位置に設けられた状態を仮想的に実現している。
一方、非導電性を有する材料からなる加工対象物100を研磨する用途に用いられる場合は、図11に示すように、一方の電極23と加工対象物100を挟んだ位置関係で少なくとも近接領域300全域にわたって拡がる導電性材料からなる電極が、他方の電極25として設けられている。
上述した構成の流体研磨装置1では、加工流体200を近接領域300に介在させた状態で、制御部40が、電場経路20による電場の発生、回転駆動部30による工具本体10の回転駆動を制御することにより、加工対象物100に対する磁性流体研磨を実現する。ここでは、板状の加工対象物100における表面を平滑な面とすべく磁性流体研磨が実現される。
本実施形態では、図10、図11に示すように、工具本体10を回転駆動部30とともに収容するケース80と、このケース80を軸体13の延びる方向(z軸方向)、および、軸体13の延びる方向と交差する2方向(x軸、y軸方向)それぞれに沿って手動で変位させることが可能な変位機構90と、が備えられている。
(3-2)変形例
本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、工具本体10が単一の磁石体11からなる構成を例示したが、複数の磁石体11からなる構成としてもよい。具体的な構成としては、図12に示すように、複数の磁石体11が、円柱形状の高さ方向に沿ってそれぞれ絶縁材料19を介して重ねて設けられた構成とすることが考えられる。この構成では、導電性材料からなる軸体13が各磁石体11を貫通するように設けられているとともに、各磁石体11における外周面および軸体13と接触する領域の全域にわたって導電性の材料からなる導電層27が形成されており、この導電層27と軸体13とが導通している。
また、上記実施形態では、非導電性を有する材料からなる加工対象物100を研磨する用途に用いるために、他方の電極25が、一方の電極23と加工対象物100を挟んだ位置関係で設けられている構成を例示した。しかし、非導電性の材料からなる加工対象物100を研磨するための構成としては、一組の電極が加工対象物100を挟まない位置関係で設けられたものとしてもよい。
このための構成としては、例えば、図13に示すように、図13に示すように、3つの磁石体11が、円柱形状の高さ方向に沿って絶縁材料19を介して重ねて設けられた構成とすることが考えられる。この構成では、導電性材料からなる軸体13が各磁石体11を貫通するように設けられているとともに、各磁石体11における外周面および軸体13と接触する領域の全域にわたって導電性の材料からなる導電層27が形成されており、この導電層27と軸体13とが導通している。そして、一方の電極23が、3つの磁石体11のうち、真ん中に配置された磁石体11の導電層27と接触する軸体13と通電するように設けられ、他方の電極25が、3つの磁石体11のうち、真ん中に配置された磁石体11以外の磁石体11における導電層27それぞれと電線29経由で通電するように設けられている。
なお、上記のように、工具本体10を複数の磁石体11からなる構成とした場合には、これら磁石体11が、第1実施形態の変形例(図7)と同様に、円柱形状の延びる軸から離れて配置された軸体でもって回転可能つまり磁石体11が公転するように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、変位機構90が、工具本体10側を変位させるように構成されているものを例示したが、工具本体10と加工対象物100とを相対変位させることができればよく、加工対象物100側を変位させるように構成してもよい。
また、この変位機構90は手動に限らず、外部からの指令を受けて自動で変位を実現するように構成してもよい。具体的には、数値制御装置などの制御装置による構成が考えられる。
また、本実施形態では、変位機構90によって、軸体13の延びる方向と交差する2方向に加え、軸体13の延びる方向(z軸方向)に沿って加工対象物100を変位させることができるように構成してもよい。
(3-3)作用効果
上述した流体研磨装置2では、実施例1と同様の構成に基づく作用効果の他、以下に示す作用効果を奏する。
まず、上記実施形態では、磁石体11における円柱形状の側面に沿って加工対象物100を研磨することができる。
また、図12に示すように、磁石体11における外径程度の内径(具体的には、磁石体11の外径に工具本体10と加工対象物100との離間距離を加算した内径)を有する筒状部材を加工対象物100とした場合に、この筒状部材の内部において軸体13の延びる方向に沿って工具本体10を変位させることができ、これにより、筒状部材の長さ方向に沿ってその内径を曲面状に研磨できるようになる。このとき、筒状部材である加工対象物100は、一端側が開放され、かつ、他端側が閉鎖された部材であってもよいし(図12参照)、両端ともが解放された部材であってもよい。
また、上記実施形態において、複数の磁石体11それぞれにおける円柱形状の側面全域にわたる電極を一方の電極23として設けた構成を採用した場合であれば、磁石体11の数に応じて、加工対象物100を広い範囲にわたって研磨することができる。
また、3つの磁石体11を重ねた工具本体10を採用した場合であれば、工具本体10に電場経路20における一組の電極が搭載され、加工対象物100側に電極を設けて導通を確保する必要がないため、非導電性を有する材料からなる加工対象物の研磨に好適である。
また、本実施形態では、変位機構90が、軸体13の延びる方向と交差する2方向、および、軸体13の延びる方向(z軸方向)に沿って加工対象物100を変位させることができるため、いずれか2方向にのみ変位させる構成と比べ、加工対象物100の研磨領域が広い。
また、上記実施形態において、複数の磁石体11が公転するように構成した場合であれば、公転する磁石体11の側面が、磁石体11より大きい外径の円を形成するため、この円と同程度の内径を有する筒状の加工対象物100であっても、その内径を曲面状に研磨することができる。この構成において、更に、軸体13の延びる方向(z軸方向)に沿って加工対象物100を変位させることができるように構成した場合であれば、加工対象物100における筒状部分の長さ方向に沿ってその内径を曲面状に研磨することができる。
1…流体研磨装置、2…流体研磨装置、10…工具本体、11…磁石体、13…軸体、15…コイル、17…カバー、19…絶縁材料、20…電場経路、21…通電経路、23…電極、25…電極、27…導電層、29…電線、30…回転駆動部、40…制御部、50…電源部、60…ステージ、70…変位機構、80…ケース、90…変位機構、100…加工対象物、200…加工流体、300…近接領域。

Claims (11)

  1. 加工対象物と近接する近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させる磁石体からなり、前記近接領域が加工対象物と近接した位置関係で該加工対象物に対して相対的に回転可能に設けられた工具本体と、
    一組の電極のうち、一方の電極が前記工具本体に設けられるのに対し、他方の電極が前記近接領域から所定距離だけ離間した位置に設けられ、これら電極間に電圧を印加して電場を発生させる通電経路である電場経路と、
    前記工具本体を加工対象物に対して相対的に回転させる回転駆動部と、を備え、
    磁性流体に非磁性かつ非導電性の砥粒が含有された加工流体を、加工対象物と前記近接領域との間に介在させた状態で、前記磁石体による磁場および前記電場経路による電場のもとで前記回転駆動部により前記工具本体を回転させることによって、加工対象物に対する磁性流体研磨を実現する、流体研磨装置。
  2. 前記工具本体は、円柱形状の前記磁石体が、該円柱形状の高さ方向に延びる軸体を回転中心として回転可能に設けられ、該円柱形状の側面において加工対象物と近接する領域を前記近接領域として、該近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されており、
    前記回転駆動部は、前記工具本体をその軸体を回転中心として回転させて、
    さらに、
    前記磁石体は、円柱形状の側面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、
    前記電場経路は、前記一方の電極が、前記磁石体の導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている、
    請求項1に記載の流体研磨装置。
  3. 前記工具本体は、複数の前記磁石体が、円柱形状の高さ方向に絶縁材料を介して重ねられ、前記磁石体それぞれに、円柱形状の側面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、
    前記電場経路は、前記一方の電極が、前記磁石体それぞれの導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている、
    請求項2に記載の流体研磨装置。
  4. 前記工具本体は、円柱形状の前記磁石体が、該円柱形状の高さ方向に延びる軸体を回転中心として回転可能に設けられ、該円柱形状の端面において加工対象物と近接する領域を前記近接領域として、該近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されており、
    前記回転駆動部は、前記工具本体をその軸体を回転中心として回転させて、
    さらに、
    前記磁石体は、円柱形状の端面面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、
    前記電場経路は、前記一方の電極が、前記磁石体の導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている、
    請求項1に記載の流体研磨装置。
  5. 加工対象物が導電性を有する材料からなる場合において、
    前記電場経路は、前記他方の電極が、加工対象物と接触して導通する電極として設けられており、該加工対象物そのものを電極として機能させるように構成されている、
    請求項1から4のいずれかに記載の流体研磨装置。
  6. 加工対象物が非導電性を有する材料からなる場合において、
    前記電場経路は、前記他方の電極が、前記一方の電極と加工対象物を挟んだ位置関係で前記近接領域全域にわたって拡がる電極として設けられている、
    請求項1から4のいずれかに記載の流体研磨装置。
  7. 前記工具本体は、3つの前記磁石体が、円柱形状の高さ方向に沿って絶縁材料を介して重ねられ、前記磁石体それぞれに、円柱形状の側面全域にわたって導電性の材料からなる導電層が形成されており、
    前記電場経路は、前記一方の電極が、3つの前記磁石体のうち、真ん中に配置された前記磁石体の導電層と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられ、前記他方の電極が、3つの前記磁石体のうち、真ん中に配置された前記磁石体以外の前記磁石体における導電層と直接的または間接的に接触して導通する電極として設けられている、
    請求項2または請求項3に記載の流体研磨装置。
  8. 前記工具本体は、円柱形状の前記磁石体が、該円柱形状の中心軸に位置する導電性の軸体を回転中心として回転可能に設けられ、該円柱形状の端面において加工対象物と近接する領域を前記近接領域として、該近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させるように構成されており、
    前記回転駆動部は、前記工具本体をその軸体を回転中心として回転させて、
    さらに、
    前記工具本体は、前記磁石体における円柱形状の高さ方向全域にわたって該磁石体と前記軸体との間に絶縁材料が配置されており、
    前記磁石体は、導電性の材料からなる円柱形状の磁心として形成された電磁石であり、
    前記電場経路は、前記一方の電極が、前記軸体と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられ、前記他方の電極が、前記磁石体と直接的または間接的に接触して通電する電極として設けられている、
    請求項1に記載の流体研磨装置。
  9. 前記工具本体と加工対象物とを、前記磁石体における円柱形状の高さ方向に沿って相対変位させる変位機構を備えている、
    請求項1から8のいずれかに記載の流体研磨装置。
  10. 前記工具本体と加工対象物とを、前記磁石体における円柱形状の高さ方向と交差する方向に沿って相対変位させる変位機構を備えている、
    請求項1から9のいずれかに記載の流体研磨装置。
  11. 加工対象物と近接する近接領域から加工対象物に向けて拡がる磁場を発生させる磁石体からなり、前記近接領域が加工対象物と近接した位置関係で該加工対象物に対して相対的に回転可能に設けられた工具本体と、
    一組の電極のうち、一方の電極が前記工具本体に設けられるのに対し、他方の電極が前記近接領域から所定距離だけ離間した位置に設けられ、これら電極間に電圧を印加して電場を発生させる通電経路である電場経路と、を用いて、
    磁性流体に非磁性かつ非導電性の砥粒が含有された加工流体を、加工対象物と前記近接領域との間に介在させた状態で、前記磁石体による磁場および前記電場経路による電場のもとで前記工具本体を回転させることによって、加工対象物に対する磁性流体研磨を実現する、流体研磨方法。
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