JP4263673B2 - 磁気内面研磨方法及び装置 - Google Patents

磁気内面研磨方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4263673B2
JP4263673B2 JP2004229071A JP2004229071A JP4263673B2 JP 4263673 B2 JP4263673 B2 JP 4263673B2 JP 2004229071 A JP2004229071 A JP 2004229071A JP 2004229071 A JP2004229071 A JP 2004229071A JP 4263673 B2 JP4263673 B2 JP 4263673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
tube
particle
nonmagnetic
functional fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004229071A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006043823A (ja
Inventor
均 西田
邦雄 島田
誠 後藤
信之 境
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nachi Fujikoshi Corp
Original Assignee
Nachi Fujikoshi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nachi Fujikoshi Corp filed Critical Nachi Fujikoshi Corp
Priority to JP2004229071A priority Critical patent/JP4263673B2/ja
Publication of JP2006043823A publication Critical patent/JP2006043823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4263673B2 publication Critical patent/JP4263673B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、非磁性管内の内面を磁気を利用して研磨する磁気内面研磨方法及び装置に関する
従来、磁気内面研磨においては、非磁性管の回りに磁界を形成し、非磁性管内にプラスチックス磁石等の磁性工具、磁性体と砥石粒を混合した磁性粉体、磁性流体中に砥粒を混合する等して、非磁性管と磁界を相対的に回転させ非磁性管内の内面を研磨している(例えば、特許文献1)。また、回転磁界を与える方法としては、特許文献1のように、磁界を固定し、非磁性管を軸回りに回転させる。逆に固定磁界を回転させる。さらには、磁界側、非磁性管の両方を回転する等している。また、特許文献1には、磁界を電気的に回転させることについて記載されているが、具体的に例はない。
磁界を電気的に回転させるものとして、非磁性管の外面を研磨するものであるが、特許文献2においては、互いに向きを120度ずらした3個のコイルをそれぞれ2分割した中心に対して対象に配置した複数のコイルに三相交流電源を接続し回転磁界を得た例が示されている。
磁性工具や磁性粉体は形状や粒子径が比較的大きいので、仕上げ研磨には不向きである。そこで、磁性流体のような流体と砥粒とを組み合わせたものが使用される。例えば、ケロシン、シリコーンオイル等の分散媒中に粒子径が数nm〜数十nm程度の強磁性粒子(単磁区粒子)からなる磁性流体中に砥粒微粒子を分散させた混合流体では、磁界により誘起させた磁性流体で砥粒微粒子を保持する状態で研磨させている。しかし、このものは磁化の強さが小さいため、研磨効率が低く、長時間の研磨時間を要するという問題があった。また、前述と同様の分散媒中に粒子径が数μm〜数十μmの鉄粉等の強磁性粒子(多磁区粒子)からなる磁気粘性流体(MR流体)では、磁界の印可によって分散していた強磁性粒子が速やかに誘起されて集合し、機械的強度の高い針状(数珠状)の磁気クラスタ(磁性針状体)を形成し、高い研磨性を有する。しかし、このものにおいては、磁性針状体の制御が困難であって、また磁性針状体により被加工面にスクラッチ痕が形成され、仕上げ加工には適用できないという問題があった。
そこで、特許文献3においては、動粘度1〜10000mm2/sの電気絶縁性を有する分散媒と、粒子径0.5〜50μmの強磁性粒子と、粒子径1〜50μmの非磁性体砥粒粒子と、粒子径25nm以下の磁性微粒子と、を適宜組合せ配合した粒子分散型混合機能性流体を提案している。これにより、強磁性粒子で非磁性体砥粒粒子を保持し非磁性体砥粒粒子による研磨を行う一方、強磁性粒子を磁性微粒子で包み込みスクラッチ痕の発生を防止している。
特許第2648715号公報 特公平2−48391号公報 特開2002−170791号公報
しかし、特許文献3の粒子分散型混合機能性流体は、半導体シリコンウエハ等の仕上げ研磨、表面や孔内に付着した異物又はバリの除去、凹部側面の仕上げ等や側部の仕上げや洗浄等を目的としており、孔も管のような深い穴でなく表面に設けられた比較的浅い孔であり、特許文献1に示すような非磁性管の内面研磨に適用することについては示唆も開示もされていない。また、特許文献1においては、非磁性管の外周から回転磁界を与えることについては示唆されているが具体例は記載されていない。さらに、特許文献2に記載の回転磁界は非磁性管の外周面を加工するものである。
従って、特許文献1の非磁性管内に特許文献3の粒子分散型混合機能性流体を用いて、特許文献2に記載のような回転磁界を与えることにより、磁力線に沿った磁気クラスタが形成され、磁気クラスタ回りに磁性微粒子で包むことができると予想される。しかし、特許文献2に示された磁界を用いる場合、N極S極を結ぶ磁力線は、非磁性管内面に沿って内側にへこんだ六角形状に形成され、一部の砥粒粒子は磁力線と非磁性管内面との間に捕捉され、さらに六角形状の磁力線の内側に捕捉される。磁力線の内側に捕捉された砥粒粒子は研磨に携わらず研磨効率が悪いという問題があった。また、特許文献3のものにおいては略平面を研磨するものであり、粒子分散型混合機能性流体は研磨面に注いだり、貯めることができるが、非磁性管の内面については流動性が高く容易に所定位置に供給することが困難であった。また、研磨による研磨屑の排出も困難であった。
本発明の課題は、前述した問題点に鑑みて、特許文献3に示すような、少なくとも分散媒と、強磁性粒子と、非磁性体砥粒粒子と、磁性微粒子とからなる粒子分散型混合機能性流体を用いて非磁性管内面を効率的に研磨できる磁気内面研磨方法及び装置を提供することである。さらには、非磁性管内に効率的に粒子分散型混合機能性流体を供給し、さらには容易に研削屑を排出することである。
本発明においては、内面を加工すべき非磁性管と、前記非磁性管の回りに等分にかつ先端が前記非磁性管の軸心に向かって配設された3個の電磁石と、前記3個の電磁石のコイルに各相がそれぞれ接続された三相交流電源と、を備えた磁気内面研磨装置において、少なくとも強磁性粒子と、非磁性体砥粒粒子と、前記強磁性粒子より小さい磁性微粒子と、を分散媒中に分散させるようにした粒子分散型混合機能性流体と、を前記非磁性管内に供給し、前記電磁石のコイルに三相交流電源を供給して、回転磁界を与え、前記非磁性管内に、前記磁性微粒子を回りに配した略V字状の前記強磁性粒子からなる磁気クラスタを形成させ、前記非磁性体砥粒粒子を前記非磁性管内と前記磁気クラスタとで作る空間に閉じこめ前記非磁性管内壁を前記非磁性体砥粒粒子により研磨することを特徴とする磁気内面研磨方法を提供することにより前述した課題を解決した。
即ち、非磁性管の回りに等分に配設された3個の電磁石に三相交流電源を接続し、磁界を与えると、N極が2個、S極が1個、あるいはS極が2個、N極が1個の状態が生じる。従って、非磁性管内に略V字状の磁力線が形成される。この磁力線に沿って強磁性粒子が凝集し磁気クラスタが形成され、略V字状の磁気クラスタと非磁性管内の内壁とで三つの空間が形成される。磁気クラスタ回りに磁性微粒子が配せられ、磁気クラスタによる磁気スクラッチの発生が防止される。非磁性体砥粒粒子は空間内に閉じこめられ磁気圧力による非磁性管内壁に押しつけられる。さらに、磁界を三相交流電源により回転磁界とするので前記空間が非磁性管の軸回りに回転、移動し、非磁性管内壁に押しつけられた非磁性体砥粒粒子により内壁が研磨される。
なお、磁極が2個の場合は交番磁界を与えることができるが電気的に回転磁界とするのは困難である。また、4個以上では、特許文献2の場合と同様に、磁気クラスタと内壁からなる空間の他に、周囲が磁気クラスタからなる空間が発生する可能性が高くなる。この周囲が磁気クラスタの空間に捕捉された非磁性体砥粒粒子は内壁研磨ができないので研磨効率が低下する。また、回転磁界の電気制御も複雑になる。
粒子分散型混合機能性流体は、粒径や配合割合により略V字状の磁気クラスタを効率良く形成するように適宜選択すればよい。しかし、より好ましくは請求項2に記載のように、前記粒子分散型混合機能性流体は、動粘度1〜10000mm2/sの電気絶縁性を有する分散媒と、粒子径0.5〜50μmの強磁性粒子と、粒子径1〜50μmの非磁性体砥粒粒子と、粒子径25nm以下の磁性微粒子と、とするのが好ましい。
これは既に特許文献3に記載の粒子分散型混合機能性流体を使用するものであり、粒子径や配合割合はほぼ同様でよいが、より好ましくは配合割合を若干異ならせる。詳述すると、分散媒は電気絶縁性を有する溶媒であって、ケロシンやシリコーンオイル等である。強磁性粒子は、磁性材料を素材とし、通常MR流体として用いられる分散質、例えば鉄や強磁性を示す金属等である。また、磁気混合流体における配合割合は25〜75wt%(重量%)が好ましい。25wt%未満では砥粒を分割、内壁に押しつける圧力が低下し、研磨効率が低下する。75wt%超では凝集が生じやすくスクラッチ痕を発生し易くなる。
非磁性体砥粒粒子は、半導体材料は金属材料を素材とし、ダイヤモンドやコランダム、エメリー、石榴石、酸化アルミニウム等の砥粒として一般的なものである。また、粒子分散型混合機能性流体における配合割合は10〜40wt%(重量%)が好ましい。10wt%未満では非磁性体砥粒粒子の量が少なく、研磨効率が低下する。40wt%超では流動性が低下し、砥粒の転動性が低下し、研磨特性が抑制される。
また、磁性微粒子は、通常磁性流体として用いられる分散質で粒子径が25nm以下の例えばマグネタイト等である。なお、平均粒径は10nmがより好ましい。また、磁気混合流体における配合割合は15〜40wt%(重量%)が好ましい。15wt%未満では強磁性粒子を包み込めず凝集を生じやすくなり、スクラッチ痕を発生しやすくなる。40wt%超では研磨作用を阻害し研磨効率が低下する。なお、残部は分散媒となるが、分散媒が少ないと磁気混合流体としての流動性がなくなるので、磁気混合流体における分散媒の配合割合は15wt%以上を確保するのがよい。
かかる磁気内面研磨方法は、請求項3に記載の発明において示すように、内面を加工すべき非磁性管と、前記非磁性管の回りに等分にかつ先端が前記非磁性管の軸心に向かって配設された3個の電磁石と、前記3個の電磁石のコイルに各相がそれぞれ接続された三相交流電源と、を備え、前記非磁性管内に、強磁性粒子と、非磁性体砥粒粒子と、前記強磁性粒子より小さい磁性微粒子と、を分散媒中に分散させるようにした粒子分散型混合機能性流体と、を有しており、前記電磁石のコイルに三相交流電源を供給して、回転磁界を与え、前記非磁性管内に、前記磁性微粒子を回りに配した略V字状の前記強磁性粒子からなる磁気クラスタを形成させ、前記非磁性体砥粒粒子を前記非磁性管内と前記磁気クラスタとで作る空間に閉じこめ前記非磁性管内壁を前記非磁性体砥粒粒子により研磨するように前記三相交流電源の周波数、電圧を制御する制御装置と、を有する磁気内面研磨装置を提供することにより実施できる。
また、前記粒子分散型混合機能性流体は、動粘度1〜10000mm2/sの電気絶縁性を有する分散媒と、粒子径0.5〜50μmの強磁性粒子と、粒子径1〜50μmの非磁性体砥粒粒子と、粒子径25nm以下の磁性微粒子と、からなる磁気内面研磨装置とすればよい(請求項4)。
さらに、請求項5に記載の発明においては、前記粒子分散型混合機能性流体を貯留するタンクと、前記タンクから前記非磁性管の一方から前記非磁性管内に前記粒子分散型混合機能性流体を供給するポンプと、前記非磁性管の他方から排出される前記粒子分散型混合機能性流体を前記タンクに戻す戻し管と、前記タンク内を撹拌する攪拌機と、を備えた磁気内面研磨装置とした。
即ち、粒子分散型混合機能性流体をタンクで貯留し、ポンプにより非磁性管内へ供給するので、成分が均一であり、安定した磁気クラスタ等を形成できる。また、研磨屑等も自動的に排出され、研磨屑の内面への影響がすくない。また、非磁性管内の一部でなく全体あるいは広範囲の加工をする場合にも一定条件の加工ができる。
また、請求項6に記載の発明においては、前記ポンプの吐出口と、前記非磁性管の一方との間に、前記粒子分散型混合機能性流体又は空気を選択的に前記非磁性管内に供給できるようにされた切換弁が設けられた磁気内面研磨装置とした。これにより、加工後の非磁性管内に残る研磨屑及び粒子分散型混合機能性流体を空気により排出できる。
本発明によれば、非磁性管の回りの3個の電磁石に三相交流電源を接続し、非磁性管内に回転磁界を派生させ略V字状の磁気クラスタと非磁性管内の内壁とで三つの空間を形成し、磁気クラスタ回りに磁性微粒子を配し、磁気スクラッチの発生を防止し、空間内に閉じこめられた非磁性体砥粒粒子により非磁性管内面を研磨するようにしたので、少なくとも分散媒と、強磁性粒子と、非磁性体砥粒粒子と、磁性微粒子とからなる粒子分散型混合機能性流体を用いて非磁性管内面を効率的に研磨できる磁気内面研磨方法を提供するものとなった。また、3個の電磁石と三相交流電源を用いるので構造が簡単で制御も容易である。また、略V字状の磁気クラスタと非磁性管内の内壁とで三つの空間を形成し、磁気クラスタ回りに磁性微粒子を配し、磁気スクラッチの発生を防止しているので滑らかな仕上げ加工が可能となった。さらに、非磁性体砥粒粒子が捕捉された空間は内壁面を有しているので、磁気クラスタのみで捕捉され研磨に携わらない非磁性体砥粒粒子がないので、研磨効率の高いものとなった。
さらに、請求項3に記載の発明においては、非磁性管、3個の電磁石、三相交流電源、粒子分散型混合機能性流体を備え、さらに、電磁石のコイルに三相交流電源を供給して、回転磁界を与え、非磁性管内に、磁性微粒子を回りに配した略V字状の前記強磁性粒子からなる磁気クラスタを形成させ、非磁性体砥粒粒子を非磁性管内と磁気クラスタとで作る空間に閉じこめ非磁性管内壁を非磁性体砥粒粒子により研磨するように三相交流電源の周波数、電圧を制御する制御装置を設けることにより請求項1記載の方法を容易に実施でき、スクラッチ痕のない、研磨効率が高く、良好な内面仕上げを可能とするものとなった。
また、請求項2及び4に記載の発明においては、粒子分散型混合機能性流体を動粘度1〜10000mm2/sの電気絶縁性を有する分散媒と、粒子径0.5〜50μmの強磁性粒子と、粒子径1〜50μmの非磁性体砥粒粒子と、粒子径25nm以下の磁性微粒子としたので、磁気クラスタが形成しやすく、磁気クラスタを磁性微粒子で効率的に包みスクラッチ痕を防止し、非磁性体砥粒粒子による研磨効率を良好とすることができるものとなった。
さらに、請求項5に記載の発明においては、タンク内の粒子分散型混合機能性流体をポンプにより非磁性管内へ供給し、成分が均一で、安定した磁気クラスタ等を形成するので、加工品質が安定し、粒子分散型混合機能性流体の配合、回転磁界制御も容易になる。また、研磨屑等も排出され、面への影響がすくないので、より良好な仕上げ面を得られる。また、非磁性管内の広範囲で加工をする場合にも一定条件の加工ができるので、全体を通して加工品質の均一化、安定化が図れる。
また、請求項6に記載の発明においては、切換弁により粒子分散型混合機能性流体と空気のいずれかを非磁性管内に供給し、非磁性管内に残る研磨屑及び粒子分散型混合機能性流体を空気により排出できるので、非磁性管を装置から外しても汚れが少なく、後処理が容易となる。また、粒子分散型混合機能性流体の回収、研磨屑の回収も容易、確実になり、環境にも優しいものとなる等の効果を奏する。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態を示す磁気内面研磨装置の模式図、図2は本発明の実施の形態を示す磁界を与えた時の粒子分散型混合機能性流体の挙動を示す模式図、図3は本発明の実施の形態を示す回転磁界を与えた時の粒子分散型混合機能性流体の挙動を示す模式図である。図1に示すように、磁気内面研磨装置1は、内面を加工すべき非磁性管2と、図2又は3に示すように非磁性管の回りに等分にかつ先端3a,3b,3cが非磁性管の軸心に向かって配設された3個の電磁石4a,4b,4cが設けられている。非磁性管2は図示しない支持部材により支持されており、軸方向に移動、軸中心に回転可能にされている。3個の電磁石のコイル5はY結線又はΔ結線とされ、図示しないインバーターを用いて三相交流電流を供給するようにされている。
粒子分散型混合機能性流体6を貯留するタンク7が設けられており、チューブ式ポンプ8により、粒子分散型混合機能性流体をタンクから非磁性管2の一方2aへ供給するようにされ、非磁性管の他方2bから排出される粒子分散型混合機能性流体6をタンクに戻す戻し管9が設けられている。タンク7にはタンク内の粒子分散型混合機能性流体6を撹拌する攪拌機10、エアー抜き11が設けられている。ポンプの吐出口8aと、非磁性管の一方2aとの間に、切換弁13、圧力計14が設けられている。切換弁13の他方に空気圧源15が接続され、粒子分散型混合機能性流体6又は空気を選択的に非磁性管内2cに供給できるようにされている。粒子分散型混合機能性流体6は、例えば 分散媒60にケロシンを用い、強磁性粒子61はカーボニル鉄粉(HQ)、非磁性体砥粒粒子62はアルミナ(Al23)、磁性微粒子63はマグネタイト(Fe34)等である。
かかる装置において、ポンプ8により非磁性管内2cに粒子分散型混合機能性流体6を供給した状態で三相交流電源から各電磁石4a,4b,4cのコイル5に電流を供給する。電磁石の極性が一定で、例えば1極がN極で、他の2極がS極の場合は、図2に示すように、粒子分散型混合機能性流体6の分散媒60中の各粒子は磁力により拘束され、強磁性粒子61は頂点をN極とし、他の2点をS極とする略V字状の磁気クラスタを形成する。磁性微粒子63は磁気クラスタを包むように磁気クラスタ表面に集まる。一方、非磁性体砥粒粒子62は非磁性管内壁12と強磁性粒子61の磁気クラスタとで作る3つの空間20に閉じ込められる。非磁性体砥粒粒子63は非磁性体であるので、略V字状の磁力線(磁気クラスタを形成する)により外方に向け磁気圧力を受け非磁性管内壁12に押しつけられる。なお、非磁性体砥粒粒子の一部は磁気クラスタの先端付近にも存在している。
本実施の形態においては、さらに電磁石への供給電流を三相交流電流としたので、それぞれの電磁石の極性は時間と共に変化する。その状態を示したのが図3である。図3に示すように三相交流電流により順次極性が変化していく。それに伴って略V字状の磁気クラスタは磁界の回転方向とは逆方向に二倍の速さで回転する。この回転に従って非磁性体砥粒粒子62も非磁性管内壁12に押し当てられながら非磁性管内壁に沿って移動する。これにより非磁性管内壁が研磨される。また、磁気クラスタの回りは磁性微粒子63で包まれているので非磁性管内壁12へのスクラッチ痕の発生を防止している。なお、非磁性体砥粒粒子は略V字状のV字の内側20aに多く集まる傾向がある。また、非磁性体砥粒粒子に代えてガラスビーズを用いて可視化実験したところ、磁気圧力によってガラスビーズが非磁性管内壁に集められ、磁界の回転方向と逆方向に磁界の回転速度(周期)の二倍の速さで回転していることが確認できた。
なお、非磁性管内の一部だけを研磨する場合は軸方向は固定すればよい。また、軸方向に移動させることにより長手方向の加工が可能である。粒子分散型混合機能性流体は非磁性管内に充満させた状態を保たれれば、その後、ポンプ停止させ流動させないようにしてもよい。また、非磁性管内を回転させながら研磨してもよい。なお、本発明においては、三相交流電源と粒子分散型混合機能性流体を用いて略V字状の磁気クラスタを形成して研磨させることが重要である。従って、三相交流電流の大きさ、サイクルや粒子分散型混合機能性流体の材質、粒径、配合割合等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜選択すればよいことはいうまでもない。
本発明の実施の形態を示す磁気内面研磨装置の模式図である。 本発明の実施の形態を示す磁界を与えた時の粒子分散型混合機能性流体の挙動を示す模式図である。 本発明の実施の形態を示す回転磁界を与えた時の粒子分散型混合機能性流体の挙動を示す模式図である。
符号の説明
1 磁気内面研磨装置
2 非磁性管
2a 非磁性管の一方
2b 非磁性管の他方
2c 非磁性管内
3,3a、3b、3c 電磁石の先端
4、4a、4b、4c 電磁石
5 コイル
6 磁気混合流体
7 タンク
8 ポンプ
8a ポンプの吐出口
9 戻し管
10 攪拌機
12 非磁性管内壁
13 切換弁
20 空間
60 分散媒
61 強磁性粒子(磁気クラスタ)
62 非磁性体砥粒粒子
63 磁性微粒子

Claims (6)

  1. 内面を加工すべき非磁性管と、前記非磁性管の回りに等分にかつ先端が前記非磁性管の軸心に向かって配設された3個の電磁石と、前記3個の電磁石のコイルに各相がそれぞれ接続された三相交流電源と、を備えた磁気内面研磨装置において、少なくとも強磁性粒子と、前記強磁性粒子より小さい磁性微粒子と、を分散媒中に分散させるようにした磁気混合流体に非磁性体砥粒粒子を混合した粒子分散型混合機能性流体と、を前記非磁性管内に供給し、前記電磁石のコイルに三相交流電源を供給して、回転磁界を与え、前記非磁性管内に、前記磁性微粒子を回りに配した略V字状の前記強磁性粒子からなる磁気クラスタを形成させ、前記非磁性体砥粒粒子を前記非磁性管内と前記磁気クラスタとで作る空間に閉じこめ前記非磁性管内壁を前記非磁性体砥粒粒子により研磨することを特徴とする磁気内面研磨方法。
  2. 前記粒子分散型混合機能性流体は、動粘度1〜10000mm2/sの電気絶縁性を有する分散媒と、粒子径0.5〜50μmの強磁性粒子と、粒子径1〜50μmの非磁性体砥粒粒子と、粒子径25nm以下の磁性微粒子と、からなることを特徴とする請求項1記載の磁気内面研磨方法。
  3. 内面を加工すべき非磁性管と、前記非磁性管の回りに等分にかつ先端が前記非磁性管の軸心に向かって配設された3個の電磁石と、前記3個の電磁石のコイルに各相がそれぞれ接続された三相交流電源と、を備え、前記非磁性管内に強磁性粒子と、前記強磁性粒子より小さい磁性微粒子と、を分散媒中に分散させるようにした磁気混合流体に非磁性体砥粒粒子を混合した粒子分散型混合機能性流体と、を有しており、前記電磁石のコイルに三相交流電源を供給して、回転磁界を与え、前記非磁性管内に、前記磁性微粒子を回りに配した略V字状の前記強磁性粒子からなる磁気クラスタを形成させ、前記非磁性体砥粒粒子を前記非磁性管内と前記磁気クラスタとで作る空間に閉じこめ前記非磁性管内壁を前記非磁性体砥粒粒子により研磨するように前記三相交流電源の周波数、電圧を制御する制御装置と、を有することを特徴とする磁気内面研磨装置。
  4. 前記粒子分散型混合機能性流体は、動粘度1〜10000mm2/sの電気絶縁性を有する分散媒と、粒子径0.5〜50μmの強磁性粒子と、粒子径1〜50μmの非磁性体砥粒粒子と、粒子径25nm以下の磁性微粒子と、からなることを特徴とする請求項3記載の磁気内面研磨装置。
  5. 前記粒子分散型混合機能性流体を貯留するタンクと、前記タンクから前記非磁性管の一方から前記非磁性管内に前記粒子分散型混合機能性流体を供給するポンプと、前記非磁性管の他方から排出される前記粒子分散型混合機能性流体を前記タンクに戻す戻し管と、前記タンク内を撹拌する攪拌機と、を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁気内面研磨装置。
  6. 前記ポンプの吐出口と、前記非磁性管の一方との間に、前記粒子分散型混合機能性流体又は空気を選択的に前記非磁性管内に供給できるようにされた切換弁が設けられていることを特徴とする請求項5記載の磁気内面研磨装置。
JP2004229071A 2004-08-05 2004-08-05 磁気内面研磨方法及び装置 Expired - Fee Related JP4263673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004229071A JP4263673B2 (ja) 2004-08-05 2004-08-05 磁気内面研磨方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004229071A JP4263673B2 (ja) 2004-08-05 2004-08-05 磁気内面研磨方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006043823A JP2006043823A (ja) 2006-02-16
JP4263673B2 true JP4263673B2 (ja) 2009-05-13

Family

ID=36022965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004229071A Expired - Fee Related JP4263673B2 (ja) 2004-08-05 2004-08-05 磁気内面研磨方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4263673B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010052123A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Utsunomiya Univ 超精密磁気研磨方法及び超精密磁気研磨用の研磨スラリー
KR101519390B1 (ko) * 2012-06-11 2015-05-21 주식회사 아스플로 연마장치 및 이를 이용한 관 내부의 화학기계적 연마 방법
WO2021084386A1 (en) * 2019-10-28 2021-05-06 3M Innovative Properties Company System and methods of finishing a metallic surface
CN112917371B (zh) * 2021-02-05 2022-08-19 浙江东泰阀门有限公司 一种阀门加工用便于清理的阀芯去毛刺装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006043823A (ja) 2006-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI595964B (zh) 磁流變三維拋光裝置及磁流變拋光液
JP5396025B2 (ja) 磁性螺旋研磨装置
Khan et al. Selection of optimum polishing fluid composition for ball end magnetorheological finishing (BEMRF) of copper
Sadiq et al. Investigation into magnetorheological abrasive honing (MRAH)
Jung et al. Magnetorheological finishing process for hard materials using sintered iron-CNT compound abrasives
CN106938407A (zh) 一种可控动磁场的动态磁流变抛光装置及其抛光方法
CN108311961B (zh) 一种环流静压式磁流变抛光装置
JP2007021660A (ja) 複雑形状体の鏡面研磨方法および鏡面研磨装置
JP2010052123A (ja) 超精密磁気研磨方法及び超精密磁気研磨用の研磨スラリー
US6227942B1 (en) Ferrofluidic finishing
JP2007167968A (ja) 鏡面研磨方法および鏡面研磨装置
JP4263673B2 (ja) 磁気内面研磨方法及び装置
Srivastava et al. Review on the various strategies adopted for the polishing of silicon wafer—A chemical perspective
JPWO2006030854A1 (ja) 複雑形状体の研磨方法および研磨装置
Saraswathamma Magnetorheological finishing: a review
Khurana et al. Spot nanofinishing using ball nose magnetorheological solid rotating core tool
JP2007045878A (ja) 磁性砥粒
JP2005001027A (ja) プローブ針の加工用研削装置
JP4471197B2 (ja) 加工圧制御が不要な研磨方法
JP4141634B2 (ja) 粒子分散型混合機能性流体及びそれを用いた加工法
TW202007477A (zh) 化學機械研磨系統
JP5499414B2 (ja) 変動磁場を利用した粒子分散型混合機能性流体の形状復元力の増大方法とこれを利用した研磨装置および研磨法
CN111843627A (zh) 一种基于磁性复合流体的抛光方法及抛光装置
JP2008254106A (ja) ペースト材料
TWM541364U (zh) 磁流變三維拋光裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090212

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees