JP7203365B2 - 車椅子用座位保持マット - Google Patents

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Description

本発明は、車椅子の背もたれ部に装着される車椅子用座位保持マットに関し、特に、減圧することで、マットの形状を体型にフィットした状態で固定可能な陰圧式の車椅子用座位保持マットに関する。
車椅子は、高齢者や患者、自力歩行の困難な人などに利用されている。車椅子の利用者は、長時間にわたって車椅子に座り続ける場合が多く、長時間の着座でも苦痛を感じにくいものが求められる。また、利用者が車椅子からずれ落ちたり、崩れた姿勢を続けることで腰痛・褥瘡などの悪化、誤嚥を招くといったことが懸念されている。
このような着座に伴う苦痛や姿勢の崩れを抑制するために、車椅子用のクッションが種々提案されている。例えば、特許文献1には、ウレタンフォームなどの弾性部材からなる複数のクッションブロックで構成されたクッションが記載されている。各クッションブロックは、相互間が面ファスナーで着脱自在にされており、異なる寸法や弾性を有する複数のクッションブロックを組み合わせることで、利用者の体型に適合するようにしている。
特開2004-16405号公報
しかしながら、利用者の体型は様々であり、その都度利用者の体型に合わせて複数のクッションブロックを組み合わせることは、介助者の負担を増大させ、作業効率を低下させるおそれがある。また、各クッションブロックが互いにずれることが考えられ、着座時の姿勢を保持する点でも改善の余地がある。
一方、体型にフィットした形状に固定可能なマットとして陰圧式の体位固定マットが知られている。しかし、このような体位固定マットは、術中や術後における体位保持のために使用されるのが一般的で、車椅子の着座時の座位(姿勢)を保持するためのマットは知られていない。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、車椅子の利用者の体型に容易にフィットさせることができ、かつ、着座時の姿勢を安定して保持できる車椅子用座位保持マットを提供することを目的とする。
本発明の車椅子用座位保持マットは、車椅子の背もたれ部に沿って装着され、該車椅子の利用者の背中および腰部に接触して、着座時の姿勢を保持し、姿勢の崩れを抑制する車椅子用座位保持マットであって、上記車椅子用座位保持マットは、給脱気部を具備する気体非透過性袋体、および該気体非透過性袋体の内部に内蔵されたクッション体を有するマット部材と、該マット部材を上記背もたれ部に固定するための固定部材とを備え、上記給脱気部を介して上記気体非透過性袋体内の空気を脱気することで、上記利用者の背中および腰部の形状に合わせて変形可能なマットであり、上記クッション体は、織物または編物で作られた気体透過性袋体を有し、上記気体透過性袋体には、複数の充填室が形成され、上記複数の充填室に発泡ビーズが充填されていることを特徴とする。
上記複数の充填室はそれぞれが略円柱形状であり、これらが並列に隣接して形成され、上記固定部材は、上記複数の充填室の軸方向が上記背もたれ部の幅方向を向くように、上記マット部材を固定する部材であることを特徴とする。
上記車椅子用座位保持マットは、上記背もたれ部への固定状態において、該マットの上部が上記利用者の背中に接触し、該マットの下部が上記利用者の腰部に接触し、上記クッション体において、上記固定状態で上部側に位置する充填室は、上記固定状態で下部側に位置する充填室よりも充填室の軸方向長さが長いことを特徴とする。
上記車椅子用座位保持マットは、上記背もたれ部への固定状態において、正面視で略T字状であり、T字の上辺の幅方向両端部が角を丸めた形状であることを特徴とする。
上記車椅子用座位保持マットは、上記マット部材を収容するカバー部材を備え、上記カバー部材は、通気性を有するメッシュ生地などで形成されることを特徴とする。
上記カバー部材は、上記背もたれ部に対向する側の面に、上記固定部材と、上記給脱気部を収納するためのポケット部とを有することを特徴とする。
上記発泡ビーズがポリスチレン系樹脂発泡体粒子であることを特徴とする。
本発明の車椅子用座位保持マット(以下、単に保持マットともいう。)は、マット部材を車椅子の背もたれ部に固定するための固定部材を備え、給脱気部を具備する気体非透過性袋体内に、発砲ビーズが充填された気体透過性袋体が内蔵されているので、給脱気部を介した気体非透過性袋体内の空気の脱気により、保持マット全体を車椅子の利用者の背中および腰部の形状に合わせて変形でき、利用者の体型に容易にフィット、または座位保持(姿勢の崩れを抑制)させることができる。これにより褥瘡を軽減できる。また、背もたれ部に装着されるマットの場合、略垂直にした状態で使用されることから、例えば気体透過性袋体内に区分けなく発泡ビーズが充填された構成では、発砲ビーズが一部(下部)に溜まってしまい、柔軟な変形が困難となる。これに対して、本発明の保持マットでは、気体透過性袋体の内部が複数の充填室で区分けされ、その充填室に発泡ビーズが充填されているので、発泡ビーズの自由度がなくなり、該発泡ビーズが一部に集中的に溜まることを抑制できる。これにより、車椅子の利用者の体型に容易にフィットさせることができ、かつ、着座時の姿勢を安定して保持できる。
上記複数の充填室はそれぞれが略円柱形状であり、これらが並列に隣接して形成され、保持部は、複数の充填室の軸方向が背もたれ部の幅方向を向くように、マット部材を固定する部材である、つまり、保持マットを背もたれ部に装着した場合、充填室は背もたれ部の幅方向(水平方向)に伸びるので、該充填室が背もたれ部の高さ方向(鉛直方向)に伸びる場合に比べて、発泡ビーズが保持マットの下部に過剰に溜まることを抑制できる。これにより、利用者の体型に沿った変形が一層しやすくなる。
保持マットは背もたれ部への固定状態において、該マットの上部が利用者の背中に接触し、該マットの下部が利用者の腰部に接触する。この使用状態を考慮して、クッション体において、固定状態で上部側に位置する充填室は、該固定状態で下部側に位置する充填室よりも充填室の軸方向長さが長いので、保持マットの上部側では、利用者の背中に加え脇腹まで保持可能となり、保持マットの保持力を一層向上できる。
車椅子用座位保持マットは、背もたれ部への固定状態において、正面視で略T字状であり、T字の上辺の幅方向両端部が角を丸めた形状であるので、保持マットで脇腹まで保持する場合でも、脇の下の褥瘡を軽減できる。
保持マットはマット部材を収容するカバー部材を備え、カバー部材は通気性を有するメッシュ生地などで形成されるので、長時間の車椅子の利用においても利用者の背中などが蒸れることを抑制でき、快適性を確保できる。また、メッシュ生地を採用することで褥瘡を軽減できる。
カバー部材は、車椅子の背もたれ部に対向する側の面に、マット部材を固定するための固定部材と、給脱気部を収納するためのポケット部とを有するので、固定部材や給脱気部が利用者の保持において妨げとならない。
本発明の車椅子用座位保持マットにおけるカバー部材とマット部材を示す図である。 クッション体の形状を示す斜視図である。 本発明の車椅子用座位保持マットの正面図などである。 脱気前後のクッション体の状態を示す断面図である。
本発明に係る車椅子用座位保持マットの一例を図1に基づいて説明する。図1は、マット部材と、該マット部材を収容するカバー部材とを示す図である。保持マットは、使用時には、マット部材全体をカバー部材に収容して車椅子の背もたれ部に固定される。保持マットの全体的なサイズは、利用者が車椅子に座った際に、該利用者の背中から腰部までを保持できるサイズであればよい。具体的には、保持マットの幅寸法(横寸法)が600~900mmであり、高さ寸法(縦寸法)が300~800mmである。保持マットは、脱気前の保持マットに利用者がもたれかかった状態で脱気されることで利用者の座位に応じて変形し、脱気完了後にその形状が固定される。
図1に示すように、保持マットは、マット部材11と、マット部材11を収容するカバー部材21と、マット部材11を車椅子の背もたれ部に固定するための固定部材22と備える。マット部材11は、気体非透過性袋体12の内部に、後述するクッション体を内蔵している。気体非透過性袋体12には、その内部と外部とを貫通する貫通孔が設けられており、その貫通孔に、先端にカップリング13を有するチューブ14が取り付けられている。カップリング13に脱気装置を接続し、給気または脱気を調整することで、気体非透過性袋体12内部の気体量を調節できる。本発明の保持マットにおいて、カップリング13は給脱気部として設けられる。
気体非透過性袋体12は、車椅子の利用者の座位に応じて変形する柔軟性と、袋体内部の気体を気密に保持する気体非透過性を有する。気体非透過性袋体12は、内部にクッション体を収容できる形状であればよい。好ましくは、クッション体の形状より僅かに大きく、かつクッション体と相似の形状であることが好ましい。図1においては、内蔵されたクッション体(図2参照)の形状に合わせて略T字状に形成される。気体非透過性袋体12の周縁部は密閉されている。
気体非透過性袋体12を形成する素材としては、気体非透過性の樹脂シートであることが好ましく、樹脂シートとしては、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニール、ポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂シートが挙げられる。また、高い空気非透過性を有する、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムの層を有する三層ラミネートフィルム、およびアルミニウム層を有するラミネートフィルムも使用できる。
図2には、クッション体の一例を示す。クッション体15は、織物または編物で作られた気体透過性袋体16を有する。気体透過性袋体16は、例えば、2枚の布地16a、16b同士がキルティング加工によって一体化されたものである。クッション体の周縁部16dは閉じられており、全体が密閉されたキルティング状の袋状となっている。クッション体15には、連結部16cによって区分けされた複数の充填室16eが形成されており、この充填室内に発泡ビーズ(図4参照)が充填されている。連結部16cは、相互に交差することなく、周縁部16dの幅方向Xの辺に平行に線状に複数設けられている。
クッション体の周縁部16dは、クッション体の使用時に、充填された発泡ビーズが散逸しない程度に閉じられていればよい。周縁部16dは2つの布地の周縁を連結するとともに、別布による縁取りにより補強されることが好ましい。縁取りを設けることにより、布のほつれなどを防ぐことができる。
図2において、複数の充填室16eはそれぞれ略円柱状に形成され、高さ方向Yに並列に隣接して形成されている。背もたれ部への固定状態において、各充填室は背もたれ部の幅方向に伸びるように固定される。その結果、車椅子に装着した状態で変形する際に、発泡ビーズの移動が幅方向Xのみに制限され、高さ方向Yには移動しない。そのため、発泡ビーズが下部に極端に集中して利用者の体型に沿った変形が困難となることを抑制できる。また、単純な並列配置であるため、いずれの充填室にも発泡ビーズを充填しやすく、製造時の充填作業性に優れる。
図2のクッション体について、より詳細に説明する。図2に示すクッション体15は、利用者の接触部位に応じて寸法を異ならせており、幅寸法および高さ寸法がそれぞれ異なる第1クッション部16fと第2クッション部16gとから構成される。背もたれ部への固定状態において、第1クッション部16fは、クッション体の上部に位置し、利用者の背中に接触する部分となる。第2クッション部16gは、クッション体の下部に位置し、利用者の腰部に接触する部分である。各クッション部は、全体として一定の厚みを有する略直方体状のクッションであり、これらが、各充填室の向きが同じ向きとなるように接続部16hで連結される。クッション体15は、全体として略T字状に形成される。
例えば、クッション体15は、第1クッション部16f、第2クッション部16gを別体でそれぞれ作製した後、各クッション部を接続部16hで縫い合わせることで得られる。また、2つの略T字状の布地を用意して、周縁部16d、連結部16cおよび接続部16hで縫い合わせて第1クッション部16fおよび第2クッション部16gを一体に形成することでも得られる。
各クッション部の具体的なサイズとしては、第1クッション部16fの幅寸法Wが600~900mmであり、高さ寸法Hが300~500mmである。また、第2クッション部16gの幅寸法Wが300~500mmであり、高さ寸法Hが100~300mmである。例えば、幅寸法Wが690mm程度であり、高さ寸法Hが340mm程度であり、幅寸法Wが410mm程度であり、高さ寸法Hが200mm程度である。背もたれ部への固定状態において、各幅寸法W、Wは車椅子の背もたれ部の幅に対応し、各高さ寸法H、Hは背もたれ部の高さに対応する。なお、各幅寸法W、Wは各クッション部の最大幅をいう。
各クッション部のサイズは特に限定されないが、図2に示すように、第1クッション部16fの幅方向長さWが、第2クッション部16gの幅方向長さWよりも長いことが好ましい。言い換えると、第1クッション部16fの充填室が、第2クッション部の充填室よりも軸方向長さが長いことが好ましい。これにより、保持マットの上部側では、利用者の背中から脇腹にかけて保持することができ、より安定して利用者の姿勢を支えることができる。さらに、クッション体15は、略T字状に形成されるが、T字型の上辺の幅方向両端部においては、脇の下の褥瘡を軽減するため、大きく丸めて角をとって形成されている。
図2では、クッション体15における各充填室の径サイズ(高さ方向Yの長さ)は略同一である。第1クッション部16fは、高さ方向Yに並列した7本の充填室16eを有し、第2クッション部16gは、高さ方向Yに並列した4本の充填室16eを有する。図2の形態では、第1クッション部16fの充填室の個数を第2クッション部16gの充填室の個数よりも多くすることで、第1クッション部の高さ寸法Hを第2クッション部の高さ寸法Hよりも長くしている。なお、充填室の個数は、図2の形態に限定されず、それぞれ3~8本程度に設定可能である。また、図2の構成と異なり、第2クッション部16gの充填室の個数を、第1クッション部16fの充填室の個数よりも多くしてもよい。
また、クッション体15における充填室の径サイズがそれぞれ異なるように構成してもよい。例えば、利用者の腰部の湾曲形状にフィットさせやすくするため、第2クッション部の充填室の径サイズを、第1クッション部の充填室の径サイズよりも小さくしてもよい。第2クッション部の充填室の径サイズを相対的に小さくすることで、利用者の腰部におけるフィット感を向上できる。また、各クッション部の中で、充填室の径サイズがそれぞれ異なるように構成してもよい。
発泡ビーズの充填比率は、クッション体における充填室の位置や、連結部の大きさおよび数、布地の材質などにより定められる。充填される発泡ビーズの充填重量は、充填室間で略同一でも異なっていてもよい。例えば、保持マットにおいて、腰部に接触する部分は、背中に接触する部分よりも、利用者の体を保持する際の負荷が大きいと考えられるため、腰部に対応する充填室に充填される発泡ビーズの充填重量が、背中に対応する充填室に充填される発泡ビーズの充填重量よりも大きいことが好ましい。
クッション体15は、気体非透過性袋体の内部において、気体非透過性袋体に固定されることなく内蔵されている。なお、クッション体の形態は、図2の形態に限定されない。
クッション体15を構成する気体透過性袋体を形成する布地としては、編織布などが挙げられる。この場合、編織布がキルティング状の袋体となり、2つの布地の表面がクッション体15の外皮を形成する。主に、単層編織布で形成されるが、必要に応じて複層とすることができる。編物で袋体を作る場合、丸編み機により表裏2枚の編地を同時に編成して袋体とすることができる。編織布の織り方としては、特に制限がなく、平織、綾織など公知の織り方であればよい。本発明においては、発泡ビーズが散逸しない程度の織り目が必須であるが、また、後述する発泡ビーズ充填時に圧縮気体が通過できる空気透過性を有することが好ましい。また、ポリエステル系弾性糸を使用するなどして、編織布全体として弾性回復性のある伸縮性布地であることが好ましい。
気体透過性袋体において、2枚の布地は、周縁部および連結部で相互に連結される。連結方法としては、2枚の布地の縫い合わせ、または2枚の布地の同時編みにより一体化される。縫い合わせは2枚の布地を重ねて縫製することにより形成されるものであり、同時編みは布地形成時に連結部などを形成する方法である。
クッション体に充填される発泡ビーズの材質としては、発泡できる熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、またはポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。これらは、単一の樹脂からなる発泡体粒子や、複数の樹脂を複合した発泡体粒子として使用できる。複数の樹脂を複合した発泡体粒子としては、例えばポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂を使用できる。また、発泡剤としては、公知の発泡剤(プロパン、ブタン、ペンタンなど)を使用できる。これらの中でも、充填室に充填される発泡ビーズは、ポリスチレン系樹脂発泡粒子とすることが好ましい。
クッション体の充填室に充填される発泡ビーズは、平均粒径が0.1~4.0mmの球状の発泡ビーズであることが好ましく、1.5~3.5mmの球状の発泡ビーズであることがより好ましい。また、発泡倍率は30~90倍、好ましくは50~90倍である。平均粒径が0.1mm未満であると布地から散逸しやすくなり、4.0mmを超えるとキルティング状製品としての風合いに劣る。なお、平均粒径はレーザー回析・散乱法で測定される値である。
発泡ビーズの表面は滑性処理されていることが好ましい。滑性処理することにより、クッション体の充填室に充填された発泡ビーズの流動性が改善され、保持マットとして使用したときにシットリ感を持たせることができる。滑性処理の方法としては、粘性の高い液体、固体潤滑剤などを発泡ビーズ表面に塗布する方法が挙げられる。粘性の高い液体を塗布する方法が作業上好ましい。粘性の高い液体としては、グリセリン、ポリブテン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、シリコンオイルなどが挙げられる。固体潤滑剤としてはグラファイト粉末、フッ素樹脂粉末などが挙げられる。これらの中で、グリセリンが作業上好ましい。また、発泡ビーズには、必要に応じて香料、マイナスイオン発生剤、遠赤外粉末などを配合することができる。
クッション体の充填室への発泡ビーズの充填は、例えば、充填室に設けられた充填口からパイプを挿入して行われる。この充填方法について、図2を用いて説明する。発泡ビーズを充填する前の気体透過性袋体は、連結部16cおよび接続部16hの領域Sにおいては2枚の布地が連結されていない状態となっている。なお、領域Sは、各充填室の幅方向略中央の位置であり、複数の領域Sは高さ方向Yに並列している。この状態において、最上段の充填室の領域Sを充填口として、その充填口からパイプを挿入する。そして、パイプの先端部を最下段の充填室まで到達させた後、パイプを充填口側(図2上側)へ引き抜きながら、各充填室に発泡ビーズを順次充填する。発泡ビーズの充填が終了した後、各領域Sをそれぞれ縫い合わせることで、クッション体15全体を封止する。このように、発泡ビーズを充填した後に縫製により封止するので、発泡ビーズを散逸することなく封止できる。図2のクッション体15において、連結部16cおよび接続部16hの領域Sは、後工程として、別途縫製された部分となる。
また、発泡ビーズの充填方法には、それ以外の充填方法を採用することができる。例えば、充填室の軸方向一方の端面の充填口から発泡ビーズを所定量充填し、その後、充填口を縫い合わせて封止する。この作業を各充填室に対して順次行い、全体に充填してもよい。なお、図2に示すような第1クッション部と第2クッション部からなる形態では、例えば、発泡ビーズを充填した後、封止された各クッション部同士を縫製により接続部16hで接続することでも得ることができる。
図1に示すように、発泡ビーズが充填されたクッション体15を気体非透過性袋体12の内部に挿入して、その後、気体非透過性袋体12を密閉することによりマット部材11が得られる。気体非透過性袋体12の密閉方法としては、溶着、接着などの方法を用いることができる。気体非透過性袋体12の任意の場所に、カップリング13を有するチューブ14が設けられている。例えば、カップリング13の材質としてはポリアセタールが使用でき、チューブ14の材質としては熱可塑性ポリウレタンが使用できる。なお、カップリング13に代えて、弁の開閉を調節可能な調節バルブを設けてもよい。
本発明の保持マットを図3に示す。図3(a)は、車椅子用座位保持マットの正面図であり、図3(b)は、車椅子用座位保持マットの背面図である。図3(a)に示すように、車椅子用座位保持マットの形状は、内蔵されたクッション体の形状に沿った形状である。具体的には、背もたれ部への固定状態において、正面視で略T字状であり、T字の上辺の幅方向両端部が角を丸めた形状である。そのため、背中、腰部に加え、脇腹まで保持可能としつつ、脇の下の褥瘡を軽減できる。上述のようにして得られたマット部材11を、カバー部材21の背面の下部に設けられた挿入口24(図3(b)参照)から挿入することで保持マット1が得られる。図3(b)に示すように、車椅子の背もたれ部に対向する面となる、カバー部材21の背面には、固定部材としての固定ベルト22と、カップリング13を収納するためのポケット部23が設けられている。固定ベルト22は、車椅子の背もたれ部に装着する際に使用され、バックル部22aで連結、分離可能である。固定ベルト22は、クッション体における複数の充填室の軸方向が背もたれ部の幅方向を向くように、マット部材を固定する部材であることが好ましい。なお、固定部材は、ベルト形状に限定されず、背もたれ部に引っ掛けて固定するフック形状であってもよい。
カバー部材21の構成は特に限定されないが、長時間の着座でも利用者の快適性を維持し、また、褥瘡を軽減するため、メッシュ生地で形成されることが好ましい。メッシュ生地の材質としては、例えば、ポリエステルを用いることができる。図3に示すように、利用者の背中と直接接触するカバー部材の正面には、固定ベルトなどの付属部が設けられていないため、固定ベルトやカップリングが利用者の保持において妨げとならない。
このように図3に示す保持マット1は、発泡ビーズが気体透過性袋体に収納されたキルティング状のクッション体を気体非透過性袋体に内蔵したマット部材11を、さらにカバー部材21に収納した構造である。保持マット1は、脱気前は全体として平坦であり、利用者の座位を固定するのに時間がかからない。なお、図3の形態では、固定部材として固定ベルト22をカバー部材21に設けたが、カバー部材を省略して、固定部材をマット部材に直接設けてもよい。この形態でも、固定部材は、複数の充填室の軸方向が背もたれ部の幅方向を向くように、マット部材を固定する部材であることが好ましい。
脱気前後の状態について図4を用いて説明する。図4(a)は脱気前のクッション体の状態を示す断面概略図であり、図4(b)は脱気後のクッション体の状態を示す断面概略図である。図4(a)に示すように、脱気前は、発泡ビーズ17がクッション体15の内部をある程度自由に移動できるとともに、気体非透過性袋体12とクッション体15とも柔軟性を有するので、利用者の座位に応じて平坦性を保ちながら変形することが可能である。そして、利用者の座位の位置確定完了後、カップリングを介して真空ポンプなどにより気体非透過性袋体12内の空気を脱気すると、気体非透過性袋体12とクッション体15とが密着するとともに、発泡ビーズ17がクッション体15の内部で固定されるので、利用者の座位が固定される。内蔵しているキルティング状のクッション体15により規則的な起伏を有する平坦性が保持できるので、利用者を安定して保持できる。特に、本発明の保持マットは、車椅子の背もたれ部の幅方向に沿って各充填室が伸びるように固定されるので、略垂直の状態で使用される保持マットにおいても、一定の箇所に極端に発泡ビーズが集中または離散してしまうことがなく、初期のマット形状をある程度維持しつつ、利用者の体型に沿った形状に変形できる。
本発明の車椅子用座位保持マットは、種々の体型にフィットする柔軟性と、着座時に利用者の姿勢を固定するための陰圧の簡便性を実現することに優れている。ここで、陰圧とは、医学用語で減圧することであり、発泡ビーズが充填されているクッション体内部を減圧することで、マットの形状を固定することをいう。
本発明の車椅子用座位保持マットは、車椅子の利用者の体型に容易にフィットさせることができ、かつ、着座時の姿勢を安定して保持できるので、車椅子が使用される場面で広く利用できる。
1 保持マット(車椅子用座位保持マット)
11 マット部材
12 気体非透過性袋体
13 カップリング
14 チューブ
15 クッション体
16 気体透過性袋体
16a 布地
16b 布地
16c 連結部
16d 周縁部
16e 充填室
16f 第1クッション部
16g 第2クッション部
16h 接続部
17 発泡ビーズ
21 カバー部材
22 固定ベルト(固定部材)
23 ポケット部
24 挿入口

Claims (6)

  1. 車椅子の背もたれ部に沿って装着され、該車椅子の利用者の背中、脇腹および腰部に接触して、着座時の姿勢を保持し、姿勢の崩れを抑制する車椅子用座位保持マットであって、
    前記車椅子用座位保持マットは、給脱気部を具備する気体非透過性袋体、および該気体非透過性袋体の内部に内蔵されたクッション体を有するマット部材と、該マット部材を前記背もたれ部に固定するための固定部材とを備え、前記給脱気部を介して前記気体非透過性袋体内の空気を脱気することで、前記利用者の背中、脇腹および腰部の形状に合わせて変形可能なマットであり、
    前記クッション体は、織物または編物で作られた気体透過性袋体を有し、前記気体透過性袋体には、複数の充填室が形成され、前記複数の充填室に発泡ビーズが充填されており、
    前記車椅子用座位保持マットは、正面視で略T字状であり、該マットの上部の幅方向長さが、下部の幅方向長さよりも長くなっており、
    前記背もたれ部への固定状態において、前記車椅子用座位保持マットの下部が前記利用者の腰部を保持し、前記車椅子用座位保持マットの上部が前記利用者の背中を保持するとともに、脇の下に入り込み脇腹を保持するものであり、T字の上辺の幅方向両端部が角を丸めた形状であることを特徴とする車椅子用座位保持マット。
  2. 前記複数の充填室はそれぞれが略円柱形状であり、これらが並列に隣接して形成され、
    前記固定部材は、前記複数の充填室の軸方向が前記背もたれ部の幅方向を向くように、前記マット部材を固定する部材であることを特徴とする請求項1記載の車椅子用座位保持マット。
  3. 前記クッション体において、前記固定状態で上部側に位置する充填室は、前記固定状態で下部側に位置する充填室よりも充填室の軸方向長さが長いことを特徴とする請求項2記載の車椅子用座位保持マット。
  4. 前記車椅子用座位保持マットは、前記マット部材を収容するカバー部材を備え、
    前記カバー部材は、通気性を有するメッシュ生地で形成されることを特徴とする請求項1記載の車椅子用座位保持マット。
  5. 前記カバー部材は、前記背もたれ部に対向する側の面に、前記固定部材と、前記給脱気部を収納するためのポケット部とを有することを特徴とする請求項記載の車椅子用座位保持マット。
  6. 前記発泡ビーズがポリスチレン系樹脂発泡体粒子であることを特徴とする請求項1記載の車椅子用座位保持マット。
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