JP7202576B2 - がんの予防および/または治療に利用するための抗プレセニリン抗体またはそのフラグメント - Google Patents

がんの予防および/または治療に利用するための抗プレセニリン抗体またはそのフラグメント Download PDF

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Description

本発明は、がんの予防および/または治療に利用するための抗体またはそのフラグメントに関する。したがって本発明は、医学の分野、より具体的には、医学、薬学、腫瘍学に適用される分子生物学の分野に入る。
世界保健機構(WHO)からのデータによれば、がんは年に約800万人の死を引き起こすため、世界中で第1位の死因である。実際、現在から2035年まで、年にほぼ1500万人の死が腫瘍に関係することになると予想されている。
がんは、さまざまな方法を通常は組み合わせて治療される。それらの方法は、以下の主要なグループに分類することができる。すなわち、生物学的療法、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、幹細胞と骨髄の移植、手術、支持療法(すなわちビスホスホネート、エリスロポエチン、造血成長因子、ステロイド、血小板輸血)である。生物学的療法は免疫療法としても知られ、がん細胞を破壊するために身体が自然に産生する物質を使用する。タイプの異なる治療法が存在しており、その中には特に、モノクローナル抗体、がん増殖阻害剤、血管新生阻害剤、ワクチン、遺伝子療法が含まれる。免疫療法は広い範囲の標的に向けられる。
さまざまな分子経路の知識、さまざまな腫瘍の特徴のほか、腫瘍細胞の生理学から、細胞の増殖と分裂にとって極めて重要なさまざまなシグナル伝達経路に関与するさまざまなタンパク質の作用を阻止する新しい薬を設計することが可能になっている。特徴が最もよくわかっている経路のいくつかは、チロシンキナーゼ(TK)タンパク質ファミリーの受容体を媒介とする経路である。このファミリーの主要メンバーの1つがEGFR(上皮増殖因子受容体)(その中には、EGFR/HER1受容体、ErbB-2/HER2受容体、ErbB-3/HER3受容体、ErbB-4/HER4受容体が含まれる)であり、MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)シグナル伝達経路と、PI3K(ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ)経路(細胞周期の進行に寄与し、アポトーシスを減らし、がん細胞の転移を促進する)と、JAK/STAT経路と、ホスホリパーゼCγ1(PLCγ1)経路(細胞の増殖、分化、移動、アポトーシスに関係する)に主に関与している。このファミリーの他のメンバーには、PDGFR(血小板由来増殖因子受容体α)タンパク質、FGFR(線維芽細胞増殖因子受容体)タンパク質、VEGFR(血管上皮増殖因子受容体)タンパク質も含まれる。このファミリーのこれら受容体はヒトと動物の腫瘍成形に関係していることがしばしばあり、わずか1個の腫瘍細胞がこれら受容体を2種類以上過剰発現させることができる。これら受容体について、チロシンキナーゼ活性の阻害剤(ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブなど)のほか、受容体の細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体が、これまでに開発されている。腫瘍で用いるのに認可されたモノクローナル抗体のうち、トラツズマブは乳がんに対する抗ErbB2/HER2であり、セツキシマブは大腸がんに対する抗ErbB1/EGFRであり、ベバシズマブは大腸がん、乳がん、肺がんに対する抗VEGFである(G. Adams他、Nature Biotechnology 2005年、第23巻、1147~1157ページを参照されたい)。多標的阻害剤(スーテントなど)は、VEGFR、PDGFR、FGFRのチロシンキナーゼ活性を抑制する。
あるいはヒト化モノクローナル抗体に基づくさまざまな免疫療法が、MUC1タンパク質に基づいて開発されてきた。MUC1は乳がん患者で治療をモニタするための主要マーカーとして使用されてきており、CA15.3として知られている。このマーカーは、転移がんを有する患者では10~15倍多いことが見いだされているが、その予後値が重要になるのは、他のパラメータと組み合わせて分析するときだけである。MUC1、huBrE-3、R-1549(ペムツロマブ)に対して設計されたモノクローナル抗体のうちで、乳がんその他のがんを治療するため併用放射免疫療法で使用して有望な結果をもたらすものが注目に値する。
さらに、腫瘍微小環境に関係する免疫系細胞が、リンパ球活性化と免疫寛容の下方調節に関与するCTLA4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)受容体やPD1(プログラムされた細胞死-1)受容体などの受容体をより多く発現していることも観察されている。CTLA4受容体を、これら受容体またはそのリガンドに向かう抗体によって阻止すると、抗腫瘍免疫が促進される。それが理由でFDA(食品医薬品局)は、これら抗体のうちのいくつか(イピリムマブなど)の利用をがんの補完療法として認可した。
しかしこれら治療剤の大半は、通常はすでに知られている治療法を補完する新たに設計された化学療法剤であるため、局所的に進行した疾患や転移状態でもたらされる結果はあまり多くない。したがってがんを予防および/または治療するため、新たな治療標的の探索に焦点を当てた新たな戦略を開発することが必要とされ続けている。
発明者は、抗プレセニリン抗体またはそのフラグメントが、がんの予防および/または治療に利用する上で有用であることを発見した。具体的には、発明者は、抗プレセニリン抗体またはそのフラグメント(特にプレセニリンの中の配列番号1[LIYTPFTE]のアミノ酸配列を含む抗原に結合できる抗体またはそのフラグメント)が、がんの予防および/または治療に有用であることを実証した。
複数あるプレセニリンは膜貫通タンパク質であり、それらの遺伝子(好ましくはヒトの遺伝子)は互いに大きな相同性(80%のヌクレオチドが一致)を示す。本発明では今後、「プレセニリン」は、プレセニリン1(その中に配列番号2が含まれる)、またはプレセニリン2(その中に配列番号3が含まれる)であると理解される。
本発明の目的のための「抗原」という用語は、抗体が選択的に結合することのできる所定の領域に関係する。抗原として、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、ハプテン、別の天然分子、別の合成分子が可能である。抗原はポリペプチドであることが好ましく、抗原は、配列番号1を含むことがより好ましい。
したがって第1の側面では、本発明は、対象のがんの予防および/または治療に利用するための、プレセニリンの中の配列番号1[LIYTPFTE]を含むアミノ酸配列に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントに関する。あるいは本発明は、対象のがんを予防および/または治療するための薬または医薬組成物を調製するための、プレセニリンの中の配列番号1[LIYTPFTE]を含むアミノ酸配列に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントに関する。
好ましい一実施態様では、プレセニリンは、配列番号2を含むプレセニリン1と、配列番号3を含むプレセニリン2から選択される。
好ましい一実施態様では、本明細書に記載されている抗体を利用すると腫瘍細胞の増殖が抑制されることで、腫瘍の予防および/または治療に役立つ。これは、タンパク質発現の抑制および/または減少の帰結である。
配列番号1に特異的に結合する抗プレセニリン抗体を用いることの利点の1つは、本明細書に記載されているように、この抗体が血液-脳関門を通過せず、したがってこの事象の有害な効果が回避されることである。
配列番号1のペプチドは、8個のアミノ酸からなるペプチドであり、プレセニリン1またはプレセニリン2の第1のルミナル領域(RL1)のルミナルループ1(LL1)のアミノ酸配列の残基14~21に対応している。プレセニリン1のRL1のLL1は、配列番号4のアミノ酸配列を含んでいる。プレセニリン2のRL1のLL1は、配列番号5のアミノ酸配列を含んでいる。
本発明の別の1つの側面は、がんの予防および/または治療に役立つ分子をスクリーニングするための薬理学的標的として配列番号1のペプチドを利用することに関する。
本発明の目的では、「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子、または免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分を意味する。すなわち「抗体」は、プレセニリン1(配列番号2)またはプレセニリン2(配列番号3)のRL1のLL1と特異的に、より具体的には配列番号5のアミノ酸配列を含む配列番号3のペプチドと特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含有する分子を意味する。免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分の例に含まれるのはフラグメントFabとF(ab')2であり、これらフラグメントは抗体を酵素(ペプシンなど)で処理することによって、または組み換えによって作製することができる。
好ましい一実施態様では、本発明の抗体として、(典型的には、異なる決定基またはエピトープに向かう異なる抗体を含む)ポリクローナル抗体、または(抗原内の単一の決定基に向かう)モノクローナル抗体が可能である。「モノクローナル抗体」という用語は、抗原の特定のエピトープと免疫反応することのできる抗原結合部位を1種類だけ含有する抗体分子の集団を意味する。モノクローナル抗体は遺伝子操作によって生化学的に変化させること、または合成することができ、この抗体は、抗原の認識に必要ではない部分を全面的または部分的に欠いている可能性がある。好ましい一実施態様では、本発明で利用される抗体は、ポリクローナル抗体であることが好ましい。
本発明に記載されている抗体の利用の好ましい別の一実施態様では、抗体は、組み換え抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、合成抗体のいずれか、またはこれらの組み合わせが可能であることを特徴とする。「組み換え抗体」(rAB)は、配列番号1を含むペプチドをコードするポリヌクレオチドを用いるか、本発明の抗体をコードする核酸を用いて形質転換またはトランスフェクションをした宿主細胞の中で、または配列番号1に特異的に結合する抗体を産生するか、配列番号1のペプチドを産生する宿主細胞の中で、相同組み換えの結果として産生された抗体である。「キメラ抗体」は、重鎖および/または軽鎖の1つの領域が、所定の種に由来する抗体の中か、所定のクラスまたはサブクラスに属する抗体の中の対応する配列と同じか相同である一方で、鎖の残部が、他の種に由来する抗体の中か、別のクラスまたはサブクラスに属する抗体の中の対応する配列と同じか相同である抗体と、その抗体のフラグメントであるため、望む生物活性を示す。
本発明では「治療」という用語は、対象(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)における興味ある疾患または病的状態の帰結として引き起こされる効果と闘うことを意味すると理解され、その中に含まれるのは、
(i)疾患または病的状態を抑制すること、言い換えると、その進行を停止させること;
(ii)疾患または病的状態を緩和すること、言い換えると、その疾患または病的状態、またはその症状の後退を引き起こすこと;
(iii)疾患または病的状態を安定化させることである。
本発明では「予防」という用語は、対象(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)における疾患の出現を阻止することと理解される。言い換えると、「予防」は、特にその対象がその病的状態になる素因を持っているが、それでもその病的状態であるとは診断されていないとき、その疾患または病的状態が生じるのを阻止することである。
本発明の目的では、「がん」という用語は、無限に増殖する可能性があって、浸潤によって局所的に広がったり転移によって全身に広がったりする悪性腫瘍を意味する。本発明におけるがんという用語には、固形腫瘍のほか、血液腫瘍(白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群など)が含まれる。本発明によれば、プレセニリン(好ましくはヒトプレセニリン)の中の配列番号1に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントを、がんを有する個体に投与する。
本発明による抗体の利用の好ましい一実施態様は、がんに固形腫瘍および/または血液腫瘍(白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群)が含まれることを特徴とする。
別の好ましい一実施態様では、がんの選択は、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、胃がん、大腸がん、乳がん、卵管がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、膣がん、陰門がん、食道がん、小腸がん、尿道がん、前立腺がん、膀胱がん、腎臓または尿管のがん、腎細胞がん、中枢神経系(CNS)と末梢神経系の腫瘍、脊髄腫瘍、脳幹グリオーマ、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、扁平上皮がんおよび/または下垂体腺腫瘍、リンパ腫、白血病からなるリストからなされる。特別な一実施態様では、がんは、乳がん、および/または頭頸部がん、および/または大腸がん、および/または前立腺がん、および/または膠芽腫、および/またはリンパ腫、および/または白血病であることが好ましい。
本明細書では、「対象」または「患者」という用語は、あらゆる動物(哺乳動物など)を意味し、その非限定的な例に含まれるのは、飼いならされた動物、家畜、霊長類、ヒトであり、その例は、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、齧歯類である。対象は、あらゆる年齢または人種の男または女のヒトであることが好ましい
本発明の別の1つの側面は、がんの予防および/または治療に用いることを目的として、上記の抗プレセニリン抗体を、医薬として許容可能な基剤および/または賦形剤とともに含む薬または医薬組成物に関する。あるいは本発明は、上記の抗プレセニリン抗体を、医薬として許容可能な基剤および/または賦形剤とともに含む薬または医薬組成物の利用に関するものであり、これは、薬または医薬組成物を調製してがんを予防および/または治療することを目的としている。
「薬」または「医薬組成物」という用語は、この説明で用いられているように本明細書全体を通じて交換可能に用いられ、薬理学的作用、または免疫学的作用、または代謝作用を果たすことによって生理学的機能を回復させること、または正常にすること、または変化させることを目的として、生物(好ましくはヒト)の疾患を治療または予防するための特性を有するとして提供される任意の物質、または物質の組み合わせを意味する。本発明の薬または医薬組成物は、単独で用いるか、併用療法としてがんを予防および/または改善するため他の薬製品または組成物と組み合わせて用いることができ、他の薬製品または組成物は、同時に、または異なる時期に投与することができる。医薬組成物の製造は、先行技術で知られ、報告されている任意の方法によって実施することができる。
「医薬として許容可能な基剤」は、組成物の中で使用されて、その中に含まれる任意の化合物を希釈して所定の体積または重量にするための物質を意味する。医薬として許容可能な基剤は、不活性な物質、または作用が本発明の組成物に含まれる任意の要素と似ている物質である。基剤の機能は、他の要素を組み込みやすくすることにより、組成物をよりよく投与できるようにすること、または組成物にコンシステンシーと形を与えることである。特に注射溶液のための基剤としては、水または生理食塩水溶液と、デキストロースとグリセロールの水溶液を用いることが好ましい。「賦形剤」という用語は、本発明の組成物にコンシステンシーを与えたり、その組成物により好ましい風味を与えたりするという意味で、その組成物の要素を吸収するのを助ける物質、またはそれらの要素を安定化させたり活性化させたりする物質、またはその組成物の調製を助ける物質を意味する。したがって賦形剤は、デンプン、糖、セルロースの場合のように諸成分が互いに結合した状態を維持する機能、甘味機能、着色機能、組成物を保護する機能(例えば組成物を空気および/または水分から隔離する)、錠剤、カプセルや、他の任意の形態の製剤を充填する機能、構成要素を溶けやすくしてその構成要素が小腸で吸収されるようにする崩壊機能を持つことができると考えられるが、この段落で言及されていない他のタイプの賦形剤が除外されることはない。「医薬として許容可能な基剤および/またはアジュバント」は、州政府または連邦政府の規制機関によって承認されているか、アメリカ合衆国薬局方、または動物(特にヒト)での使用が一般に認められている他の薬局方に掲載されていることが好ましい。これらの化合物は、従来から広く知られている。
本発明による抗体と、この抗体を含む医薬組成物の両方とも、治療に有効な量で使用される。「治療に有効な量」は、本発明の抗体、またはこの抗体を含む医薬組成物が、がんの予防および/または治療において有害な効果なしに望む効果(好ましくはがんの増殖抑制)を生じさせるレベル、量、濃度であると理解される。治療に有効な量を得るための用量は多彩な因子に依存しており、例えば因子として、本発明の抗体または医薬組成物が投与されることになる個体の年齢、体重、性別、トレランスがある。
本発明の医薬組成物を製剤化し、現在知られている多彩な形態で投与することができる。調製物の例に含まれるのは、経口投与、局所投与、非経口投与のためのあらゆる固体組成物(錠剤、ピル、カプセル、顆粒など)または液体組成物(溶液、懸濁液、エマルジョン)である。本発明の組成物は、持続放出製剤の形態の薬や、それ以外の一般的な任意の放出系にすることもできる。そのため本発明の組成物は、非限定的な例として、ナノ粒子、リポソーム、ナノスフェアの中や、ポリマー材料、生物分解性または非生物分解性のインプラント、生物分解性マイクロ粒子(例えば生物分解性マイクロスフェアなど)の中に含有されるようにすることができる。本発明に従って利用するための医薬組成物の特別な一実施態様では、組成物は、経口投与、非経口投与、静脈内投与、腫瘍内投与いずれかのための製剤化がなされる。
この組成物および/またはその製剤は、動物(哺乳動物、したがってヒトが含まれる)に、経皮パッチ、経皮手段、鼻スプレー、外科的インプラント、輸液ポンプのいずれかを通じて多彩な経路で投与することができ、経路の非限定的な例に含まれるのは、腹腔内、静脈内、皮内、脊髄内、基質内、滑膜内、病巣内、動脈内、筋肉内、鼻腔内、頭蓋内、皮下、嚢内、経口、経腸、非経口、局所である。がんの治療および/または予防のための本発明の1つの好ましい投与経路は、静脈内投与である。
本発明による医薬組成物の利用の別の特別な一実施態様では、組成物は、抗腫瘍剤をさらに含むことを特徴とする。
「抗腫瘍剤」または「化学療法剤」は本明細書全体を通じて交換可能に用いられ、細胞の増殖を抑制することのできる任意の物質、または細胞死を誘導することのできる任意の物質と理解される。細胞死を引き起こすことなく細胞の増殖を抑制することのできる薬剤は一般に細胞増殖抑制剤と呼ばれるのに対し、通常はアポトーシスを活性化することによって細胞死を誘導することのできる薬剤は一般に細胞傷害剤と呼ばれる。本発明の組成物で用いるのに適した抗腫瘍剤の非限定的な例に含まれるのは、(i)微小管安定化剤(タキサン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、ラウリマリドなど);(ii)キナーゼ阻害剤(イレッサ(登録商標)、グリベック、タルセバ(商標)(エルロチニブHCl)、BAY-43-9006など);(iii)キナーゼ活性を有する受容体に対する特異的抗体(その非限定的な例に含まれるのはトラツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、セツキシマブ(アービタックス(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(商標))、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、ペルツズマブ(Omnitarg(商標))である);(iv)mTOR経路の阻害剤(ラパマイシン、CCI-778など);(v)Apo2L1Trail;(vi)抗血管新生剤(エンドスタチン、コンブレスタチン、アンギオスタチン、トロンボスタチン、血管内皮増殖阻害剤(VEGI)など);(vii)抗悪性腫瘍ワクチン(活性化されたT細胞、非特異的免疫増強剤(例えばインターフェロン、インターロイキン));(viii)細胞毒性抗生剤(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロンなど);(ix)アルキル化剤(メルファラン、カルムスチン、ロムスチン、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、ホテムスチン、ブスルファン、テモゾロミド、チオテパなど);(x)ホルモン性抗悪性腫瘍剤(ニルタミド、酢酸シプロテロン、アナストロゾール、エキセメスタン、タモキシフェン、ラロキシフェン、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸リュープロレリン、クエン酸トレミフェン、レトロゾール、フルタミド、酢酸メゲストロール、酢酸ゴセレリンなど);(xi)生殖腺ホルモン(酢酸シプロテロン、酢酸メドロキシプロゲステロンなど);(xii)抗代謝剤(シタラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、トポテカン、ヒドロキシウレア、チオグアニン、メトトレキサート、コラスパーゼ、ラルチトレキセド、カペシタビンなど);(xiii)同化剤(ナンドロロンなど);(xiv)ステロイド副腎ホルモン(酢酸メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾンなど);(xv)抗腫瘍剤(カルボスタチン、シスプラチン、起きサプラチン、エトポシド、ダカルバジンなど);(xvi)トポイソメラーゼ阻害剤(トポテカン、イリノテカンなど);(xvii)エピジェネティック剤(ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、ヒストンデメチラーゼ阻害剤、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤など);(xviii)オートファジー調節剤(クロロキノンなど)である。
別の1つの側面では、本発明は、対象のがんを予防および/または治療する方法に関するものであり、この方法は、本明細書に記載されているように、抗体、またはこの抗体を含む医薬組成物を治療に有効な量でその対象に投与することを含んでいる。
本発明の側面で用いられる用語と表現は、上記の本発明の側面の中で定義されている。また、本明細書にすでに記載した個別のどの実施態様も本発明の方法に適用することができる。
明細書と請求項の全体を通じ、「含む」という単語とその変形は、他の技術的特徴、追加、構成要素、工程を排除することを意図していない。当業者にとって、本発明の他の目的、利点、特徴は、一部は本発明の説明からわかるであろうし、一部は本発明を実施することによってわかるであろう。以下の実施例と図面は例示のために提示してあり、本発明を制限する意図はない。
配列番号1に特異的に結合する抗プレセニリン1ポリクローナル抗体が5μg/mlと50μg/mlの濃度で存在しているときの腫瘍細胞系MCF7(A)、PC3(B)、CAL33(C)、HCT116(D)、MEF(E)の生存を、この抗体で処理していない対照群の生存と0時間、24時間、48時間、72時間の時点で比べた分析結果。 配列番号1に特異的に結合する抗プレセニリン1ポリクローナル抗体が5μg/mlと50μg/mlの濃度で存在しているときの腫瘍細胞系MCF7(A)、PC3(B)、CAL33(C)、HCT116(D)、MEF(E)の生存を、この抗体で処理していない対照群の生存と0時間、24時間、48時間、72時間の時点で比べた分析結果。 配列番号1に特異的に結合する抗プレセニリン1ポリクローナル抗体が5μg/mlと50μg/mlの濃度で存在しているときの腫瘍細胞系MCF7(A)、PC3(B)、CAL33(C)、HCT116(D)、MEF(E)の生存を、この抗体で処理していない対照群の生存と0時間、24時間、48時間、72時間の時点で比べた分析結果。
配列番号1に特異的に結合する抗プレセニリン1抗体で処理したMCF細胞内のNOTCHタンパク質、NF-κBタンパク質、Ikkβタンパク質を、この抗体で処理していない対照群と0時間、24時間、48時間、72時間の時点で比べたウエスタンブロット画像。
配列番号1に特異的に結合する本発明のモノクローナル抗体moABが5μg/mlと50μg/mlの濃度で存在しているときの腫瘍細胞系MCF7の生存を、この抗体で処理していない対照群の生存と0時間、24時間、48時間、72時間の時点で比べた分析結果。細胞の増殖をMTTアッセイで測定し、対照細胞に対する割合として表示してある。
配列番号1に特異的に結合する本発明のモノクローナル抗体moABが5μg/mlの濃度で存在しているときのMCF7細胞系の72時間の時点における画像(A)。図Bには、この抗体で処理していない対照群の画像を示してある。
発明者が実施したアッセイによって本発明を以下に説明する。これらアッセイから、本発明の製品の有効性が明らかになる。
以下の実施例は、プレセニリンタンパク質に対して特異的な抗体を利用してこのタンパク質のルミナルループ1の中に見られるペプチドLIYTPFTE(配列番号1)に向かわせることが、がんの治療に役立つことを示している。なぜならこの抗体は、培養した腫瘍細胞の増殖を抑制できるからである。以下の実施例で用いる、配列番号1のペプチドに向かう抗プレセニリン抗体は、ポリクローナル抗体である。
材料と方法
細胞培養物
本明細書に記載の抗体ががん(好ましくは固形腫瘍)を予防および/または治療する能力を有することを実証するため、どれもが異なるタイプのがんに由来する複数の細胞系を使用した。(表1)。
Figure 0007202576000001
表1の細胞系に加え、ヒト線維芽細胞(MEF)の一次培養物の中での本発明のポリクローナル抗体の利用を調べた。これら細胞系の増殖に用いた培地は、10%FBS(ウシ胎仔血清)(Sigma社、セントルイス、ミズーリ州、アメリカ合衆国)と1%ペニシリン-トレプトマイシン(Invitrogen社)を補足したRPMI培地とDMEM培地(Lite Technologies社、カールスバード、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)から調製した。すべての細胞系をDMEMの中で37℃の温度と5%CO2にて培養したが、例外として頭頸部がんの細胞系(CAL33)はRPMI培地の中で培養した。細胞系は、サーモスタットで制御したインキュベータの中で、5%CO2と95%空気(水分が飽和した空気)の存在下にて37℃に維持した。特に、本発明のモノクローナル抗体を、上述したのと同じ条件下にて、EMEM培地の中で培養したMCF7細胞系で試験した。
配列番号1に特異的に結合する抗プレセニリン抗体の取得
配列番号1は8個のアミノ酸からなるペプチドであり、プレセニリン1またはプレセニリン2の第1のルミナル領域(RL1)のルミナルループ1(LL1)のアミノ酸配列の残基14~21に対応している。配列番号1のこの抗原性ペプチドを固相技術によって合成し、HPLC(高性能液体クロマトグラフィ)によって精製すると、純度が97.21%に達した。配列番号1のこの原初のペプチド配列を改変し、このペプチドのN末端にシステイン残基を付加した。このペプチドをジスルフィド結合によってBC(Pierce社の「Blue Carrier lmmunogenic Protein」)に共有結合させる。
試験する下記のポリクローナル抗体を取得するため、合計2羽の雌鶏をBC-ペプチド複合体と(Sigma社の)フロイントアジュバントで免疫化し、ブースタを14日、28日、56日の間隔で注射した。各雌鶏からの卵を免疫化開始から40日目と71日目の間に回収した。卵黄を分離し、脂質を除去し、Pierce Isolation Kit(Thermo Scientific社の「Pierce Chicken lgY Purification Kit」)で抗体を沈降させた/精製した。免疫化されたそれぞれの雌鶏に対応する抗体の2つのバッチ、すなわちポリクローナル1とポリクローナル2を取得した。
その一方で、試験する下記のモノクローナル抗体を取得するため、先行技術で広く知られている技術、さらに特定するならば本発明の分野で広く知られている技術を利用した。記載した実施例全体を通じ、本発明のモノクローナル抗体をmoABと呼ぶことにする。
MTT細胞生存アッセイ
MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾル-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)は、水溶液中で黄色になるテトラゾリウム塩である。MTTは、代謝活性のある細胞の中ではミトコンドリア経路においてコハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)という酵素によって還元され、濃い青色の疎水性化合物であるホルマザンを生成させる。ホルマザンはDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶けるため、溶液が生成する。この溶液の吸光度を分光測光器で570 nmにて測定すると、色の強度が代謝活性のある細胞の量に比例している。したがってMTT法は、細胞の増殖と生存のほか、任意の薬剤が培養した細胞系に及ぼす細胞毒性効果を調べる比色アッセイである。
MTTアッセイを実施するため、ウエル1つ当たり10,000個の細胞(10,000細胞/ml)を4つの24ウエルのプレートに入れて37℃と5%CO2にて24時間インキュベートし、細胞を接着させた。次に、異なる濃度のポリクローナル抗体とモノクローナル抗体(5μg/mlと50μg/ml)を、0時間、24時間、48時間、72時間の時点で、トリプリケートで試験した。抗体で処理しなかった細胞を対照として用いた。その後培地を除去し、MTTを110μl添加した。1時間にわたって37℃にした後、上清を吸引し、次いでDMSOを1 ml添加してウエルの底に堆積したホルマザンの結晶を溶かした。最後に、Ultra Evolutionマイクロプレートリーダー(TecanR社)によって570 nmで吸光度を求めた。
ウエスタンブロット
ウエスタンブロット(WB)技術を利用し、モノクローナル抗体により、MCF7乳がん細胞系の中のNOTCH(Abcam社のモノクローナル抗体ab52627)タンパク質、NF-κB(Santa Cruz Biotechnology社のモノクローナル抗体sc.8008)タンパク質、Ikkβ(Cell Signaling社のモノクローナル抗体D30C6)タンパク質の量を求めた。図2には、本発明で利用した抗プレセニリン抗体で処理した、または処理していないMCF7細胞系の中の0時間、24時間、48時間、72時間の時点でのこれらのタンパク質を表わすウエスタンブロット画像が示されている。すべての抗体が表2に記載されている。
Figure 0007202576000002
簡単に述べると、試験する上記の時点で細胞を回収した後、3回の凍結-解凍サイクルにより、プロテアーゼ阻害剤(cOmplete(商標)Protease lnhibitor Cocktail、Sigma-Aldrich社)の存在下でPBSを用いて可溶性タンパク質をすべて抽出した。Nanodrop 1000 分光光度計(Thermo Scientific社、アメリカ合衆国)によって定量し、10マイクログラムの全可溶性タンパク質で10%SDS-PAGEを実施した後、そのタンパク質をポリフッ化ビニリデン膜に移した。次に、製造者が推奨するさまざまな濃度のモノクローナル抗体を用いて標準的なWBを実施した。Gel DocTM XR+(BioRad社)文書化システムを用いてWBの画像を取得し、Image Lab v5.2ソフトウエア(BioRad社)を用いてバンドの相対的な定量を実施した。WBによる研究を3つの独立なアッセイで繰り返した。β-アクチンに対する抗体を陽性ローディング対照として使用した。
例えば図2は、細胞系MCF7で得られたウエスタンブロットの結果の画像を示している。
実施例1:配列番号1を特異的に認識する抗プレセニリン1抗体は腫瘍細胞の増殖を抑制する
図1に示した結果は、配列番号1に特異的に結合する抗プレセニリン1ポリクローナル抗体を50μg/mlで用いて処理すると、さまざまな供給源(乳がん細胞(MCF7)、前立腺がん細胞(PC3)、頭頸部がん細胞(CAL33)、大腸がん細胞(HCT116)、線維芽細胞(MEF)の一次培養物)からの腫瘍細胞系の生存を、やはり腫瘍細胞だが抗プレセニリンポリクローナル抗体で処理していない本明細書の中に示されている対照細胞と比べて抑制できることを実証している。
さらに、図2からわかるように、50μg/mlの抗プレセニリン1ポリクローナル抗体を用いた処理により、WBによって分析した細胞の生存が時間の関数として減少する。抗プレセニリンポリクローナル抗体の存在下でMCF7細胞を72時間インキュベートした後は、NOTCHタンパク質、NF-κBタンパク質、Ikkβタンパク質の発現が抑制されている。NOTCHの発現とNF-κB経路のタンパク質の不在が、腫瘍細胞の生存減少の原因である可能性がある。
それに加え、図3は、本発明の抗プレセニリン1 moABを5μg/mlまたは50μg/mlの濃度で用いてMCF7細胞を処理すると、この腫瘍細胞系の生存を抑制できることを実証している。表3に、試験した用量での本発明によるmoABの生存率を、対照と比べて示してある。
Figure 0007202576000003

Claims (9)

  1. プレセニリンの中の配列番号1に特異的に結合するまたはそのフラグメントを含む、がんの予防および/または治療に利用するための医薬組成物であって、前記フラグメントが、プレセニリンの中の配列番号1に特異的に結合する、前記医薬組成物
  2. 前記抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体のいずれか、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記抗体がヒト抗体である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記抗体がモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  5. 薬として許容可能な基剤および/または賦形剤をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 少なくとも1つの抗腫瘍剤をさらに含む、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記がんが固形腫瘍および/または血液がんを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 前記がんの選択が、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、胃がん、大腸がん、乳がん、卵管がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、膣がん、陰門がん、食道がん、小腸がん、尿道がん、前立腺がん、膀胱がん、腎臓または尿管のがん、腎細胞がん、中枢神経系と末梢神経系の腫瘍、脊髄腫瘍、脳幹グリオーマ、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、扁平上皮がん、下垂体腺腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群からなるリストからなされる、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 前記がんの選択が、乳がん、頭頸部がん、大腸がん、前立腺がん、膠芽腫、白血病、骨髄異形成症候群からなるリストからなされる、請求項1~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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