以下に、本願の開示する電気集塵機の集塵部の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する電気集塵機の集塵部の構造が限定されるものではない。また、以下の説明による構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
(第1実施例)
まず、実施例の電気集塵機の集塵部を備える空気清浄機の概略について説明する。図1は、実施例の電気集塵機の集塵部を備える空気清浄機1の概略構成図である。一実施例である空気清浄機1は、図1に示すように、空気を清浄化するための装置類を収納する筐体10を備える。筐体10には、室内の空気を吸引する吸込口11と、清浄化された空気を室内に吹き出す吹出口12とが形成されている。筐体10は、合成樹脂材で略直方体状に形成されている。なお、本実施例では、前後、左右、上下方向については、X軸、Y軸、及びZ軸から構成される直交座標系を用いて規定する。図中、矢印の指し示す方向がプラス方向である。本実施例では、X軸、Y軸は、図1における空気清浄機1の設置面と水平な方向に軸方向を有しており、Z軸は、X軸、Y軸に直交する方向に軸方向を有している。
筐体10内には、吸引された空気から大きな塵埃を除去するプレフィルタ14と、プレフィルタ14を通過した空気中の塵埃を静電気力によって集塵する複数の電気集塵機2と、電気集塵機2を通過した空気を脱臭処理する脱臭フィルタ5とが設けられる。
プレフィルタ14は、例えば糸状のPET材を編みこんだ網目構造を有し、図示しない樹脂枠で保持される。プレフィルタ14は、筐体10の内部に吸い込まれた空気に含まれている比較的大きな塵埃を捕集する。脱臭フィルタ5は、触媒フィルタを有する。そして、脱臭フィルタ5は、プレフィルタ14および電気集塵機2で塵埃が除かれた空気から、触媒フィルタで例えばアンモニアやメチルメルカプタン等の臭気成分やホルムアルデヒド等の有害成分を取り除く脱臭処理を行う。なお、触媒フィルタは、加熱により臭気の吸着機能が再生できる加熱再生型の構造を有することが好ましい。
電気集塵機2は、本実施例においては筐体10内に3つ上下に配置されているが、配置される数は何ら限定されない。各電気集塵機2は、後に詳述する荷電部3と集塵部4とを有し、荷電部3には、荷電部3の電極に電力を供給する荷電部用高圧電源30が設けられる。
また、筐体10内には、脱臭フィルタ5の下流側に配置されるファン6と、ファン6を回転させるモータ61と、電気集塵機2やモータ61を制御する制御部を有する電源制御基板7とが設けられる。さらに、筐体10内には、電気集塵機2の集塵部4に電力を供給する集塵部用高圧電源40と、吸込口11から吸引された空気の塵埃濃度を検出する埃センサ13とが設けられる。なお、筐体10には、運転開始操作、運転停止操作、風量設定などを行う操作部(図示せず)と接続される操作表示基板15が設けられる。なお、操作部は、筐体10の上面部に設けられており、電源ボタンや運転モード切り換えボタン等の空気清浄機1を操作するボタンが配置されるとともに、空気清浄機1の運転状態や埃センサ13による検出結果等を表示する表示部が配置される。
こうして、図中の矢印fで示されるように、吸込口11から吸引された室内の空気は、空気中の塵埃がプレフィルタ14と電気集塵機2とにより捕集されることで除塵される。そして、清浄化された清浄空気が吹出口12から室内に吹き出される。特に、本実施例に係る空気清浄機1は、脱臭フィルタ5を備えているため、脱臭効果も奏する。
ここで、電気集塵機2の集塵作用について簡単に説明する。電気集塵機2の荷電部3備える荷電部放電電極(不図示)に、予め設定された正極性の高電圧(例えば+4.7kV)を印加し、荷電部対向電極(不図示)を荷電部用高圧電源30の接地極(アース)に接続する。こうすることで、荷電部放電電極と荷電部対向電極との間でコロナ放電が起こる。なお、複数の荷電部放電電極と複数の荷電部対向電極とは、異なる極性をもち、図示しない枠部に保持された状態で、交互に配置されている。なお、ここでの異なる極性とは、正極性、負極性、そして無極性(アース)の3つの極性のうちの、2つの極性の組合せのことを意味する。
荷電部放電電極と荷電部対向電極との間でコロナ放電が起こると、荷電部放電電極と荷電部対向電極との間の空間は、正に帯電したイオンを含む空気で満たされる。そして、正イオンで満たされた空間を塵埃が通過する際に、その通過時間と荷電部放電電極と荷電部対向電極とで作られる電界の強さに応じて、イオンと塵埃の衝突による電荷の移動が起こり、塵埃に正の電荷が帯電する。
一方、集塵部4では、高圧側の電極部を形成する第1の電極に予め設定された正極性の高電圧(例えば+4.7kV)が印加される。他方、集塵側の電極部を形成する第2の電極は、集塵部用高圧電源40の接地極(アース)に接続される。こうすることにより、両電極間に所定の静電界が形成される。
図1において、荷電部3で正に帯電した塵埃は、集塵部4に移動すると、同極性の高圧側の電極部における第1の電極からの斥力を受ける。そして、かかる塵埃は、塵埃と反対極性の第2の電極に吸引される方向に引力を受けて第2の電極に到達する。こうして、第2の電極に塵埃が付着することで塵埃が捕集される。さらに、正に帯電されていた塵埃が第2の電極に触れると、塵埃に帯電していた正の電荷がアースに流される。そのため、帯電した塵埃の付着により第2の電極が正極に帯電してしまうことが防止され、捕集力の低下が抑制される。
上述した電気集塵機2をより小型化するためには、例えば、集塵部4の高圧側および集塵側の各電極部を構成する第1の電極および第2の電極を、できるだけ薄く形成することが好ましい。また、第1の電極および第2の電極を薄くしても、高圧側の電極部および集塵側の電極部を組み立てる際の組立性も良好にすることが望ましい。
以下、本実施例における電気集塵機2の集塵部4の構造について、図2Aおよび図2Bを参照しながら具体的に説明する。図2Aは、第1実施例における電気集塵機2の集塵部4の電極部45の説明図であり、図2Bは、第1実施例における集塵部4の電極部45を示す斜視図である。なお、以下では、第1の電極を、高圧電極部42が備える高圧電極46として説明するとともに、第2の電極を、集塵電極部43が備える接地電極47として説明する。また、接地電極47および高圧電極46は、いずれも真空成形(熱可塑性樹脂のシートを真空にした型の内部で変形させる樹脂成形方法)によって形成されたものとしている。
図2Aおよび図2Bに示すように、集塵部4の電極部45は、複数の高圧電極46が、所定間隔をあけて互いに平行となるよう連結された高圧電極部42と、複数の接地電極47が、所定間隔をあけて互いに平行となるよう連結された集塵電極部43とを備える。高圧電極46には、予め設定された正極性の高電圧(例えば+4.7kV)が印加され、接地電極47は、集塵部用高圧電源40の接地極(アース)に接続される。
また、図2Aおよび図2Bに示すように、高圧電極46および接地電極47は、それぞれ、板状部48と、板状部48の厚み方向に突出する間隔維持部49とを備える。板状部48と間隔維持部49とは、樹脂により一体成形されている。なお、高圧電極46および接地電極47のそれぞれが備える板状部48は、図3A~図3C、および後述する図9に示すように、外縁部482と、この外縁部482よりも内側に形成され、板状部の厚み方向に向かって張り出す張出部481とを有する。張出部481は、外縁部482と平行な平面を有するように形成されている。このように、例えば0.6mm程度の薄いシート状の樹脂により形成された高圧電極46あるいは接地電極47であっても、張出部481を形成することで、板状部48の剛性を高めることができ、板状部48がクーロン力で撓んだりすることを防止することができる。また、各電極が備える張出部481が通風路上に露出されていても、張出部481が外縁部482と平行な平面を有することで、張出部481の平面が通風方向(Y軸負方向)に対し平行となるため通風抵抗になりにくくなっている。また、張出部481の裏面側には凹部面481aが形成される。
なお、高圧電極46は、例えばPA(ポリアミド)やABS樹脂を主原料とした体積抵抗率が10^11[Ωcm]程度の半絶縁性の樹脂材料で形成される。一方、接地電極47は、例えばPA(ポリアミド)やABS樹脂を主原料とした体積抵抗率が10^5[Ωcm]程度の樹脂材料で形成される。
上記の樹脂材料で板状部48と一体成形された間隔維持部49は、図2A~図2B、図3A~図3Cに示すように、隣り合う同極性の電極を連結し、隣り合う異極性の電極とは連結しない。すなわち、電極部45においては、高圧電極46同士、あるいは接地電極47同士であれば、互いの間隔維持部49を介して連結され、高圧電極46に設けられた間隔維持部49と接地電極47に設けられた間隔維持部49とは接触しない。
図2Aに示すように、高圧電極部42は、複数の高圧電極46が間隔維持部49により所定の間隔をあけた状態で、それぞれ平行に多段に配置されて一体となることでブロック状に形成される。また、集塵電極部43も同様に、複数の接地電極47が間隔維持部49により所定の間隔をあけた状態で、それぞれ平行に多段に配置されて一体となることでブロック状に形成される。本実施例では、複数の接地電極46同士の間隔は、その間に接地電極47を配置しても、隣り合う高圧電極46と接地電極47との間で十分な絶縁距離を確保できる間隔とされている。同様に、複数の接地電極47同士の間隔は、その間に高圧電極46を配置しても、隣り合う高圧電極46と接地電極47との間で十分な絶縁距離を確保できる間隔とされている。
そして、高圧電極部42および集塵電極部43は、図示を省略したケーシングに取付けられて、互いが向き合う状態で(図2Aにおける矢印A1および矢印A2を参照)組み合わされると、図2Bに示すように、高圧電極46と接地電極47とが所定の間隔をあけて交互に配置された状態となる。
本実施例では、複数の高圧電極46の板状部48に設けられた張出部481、および、複数の接地電極47の板状部48に設けられた張出部481は、全て板状部48の厚み方向における一方側(Z軸正方向)に向かって張り出すように設けられている。そのため、積層方向に隣り合う高圧電極46と接地電極47の各々が備える張出部481間の距離を常に一定の距離とすることができ、安定した集塵能力が得られる。なお、張出部の張り出す向きは、Z軸負方向であってもよい。
なお、ここまでに述べた実施例は、図2A~図2B、図3A~図3Dに示した第1実施例、図4A~図4B、図5A~図5Cに示した第2実施例、図6A~図6B、図7、図8、図9に示した第3実施例とで共通である。
図3Aは、第1実施例における電極部45の電極が備える間隔維持部49を示す断面図、図3Bは、第1実施例における間隔維持部49の変形例を示す断面図である。また、図3Cは、第1実施例における電極の配置例を示す説明図、図3Dは、第1実施例における導電部材の一部を省略して示す説明図である。なお、接地電極47および高圧電極46は、いずれも同じ構成であり、以下の各実施例では、基本的に接地電極47を例にとって説明する。
本第1実施例の接地電極47において、板状部48とともに一体形成された間隔維持部49は、二段に形成された筒状の凸部である。すなわち、図3Aに示すように、間隔維持部49は、上下方向(Z方向)に連続して形成された大径筒部491と小径筒部492とを有する二段の凸部で、大径筒部491と小径筒部492の内部には空洞494が形成されている。図示するように、大径筒部491は、板状部48に連続して形成されており、この大径筒部491に連続して小径筒部492が形成される。小径筒部492の基端側となる大径筒部491の一面には、大径筒部491と小径筒部492との径の寸法差による段差部493が形成されている。間隔維持部49は、段差部493が形成されていることにより剛性が高まり、強度が向上している。
かかる構成の間隔維持部49を有する接地電極47は、図3Cに示すように、所定の数の接地電極47を多段に重ねて配置することで集塵電極部43を形成することができる。すなわち、図示するように、各電極の積層方向に隣り合う一方の接地電極47の間隔維持部49の小径筒部492が、各電極の積層方向に隣り合う他方の接地電極47の間隔維持部49の大径筒部491の空洞494に嵌合する。また、積層方向に隣り合う一方の接地電極47の間隔維持部49の小径筒部492の頂部は、積層方向に隣り合う他方の接地電極47の間隔維持部49の空洞494側の段差部493に当接する。
このとき、段差部493により、間隔維持部49同士の嵌合量が規定されるため、積層状態に配置された接地電極47同士間の間隔は一定に保持される。本実施例における間隔維持部49により維持される接地電極47同士間の間隔は、図示するように、大径筒部491の高さ寸法(Z寸法)と同じである。
このように、第1実施例に係る集塵電極部43においては、積層方向に隣り合う接地電極47同士は、この接地電極47に形成された間隔維持部49を介して連結される。また、同様に、高圧電極部42については、積層方向に隣り合う高圧電極46同士は、この高圧電極46に形成された間隔維持部49を介して連結される。
そして、高圧電極部42と集塵電極部43とが組み合わされて形成される集塵部4の電極部45は、図2Bに示すように、接地電極47と高圧電極46とが、積層方向において互い違いとなるように等間隔で配置される。そのため、互いに異極性である接地電極47と高圧電極46の間には所定の間隔が形成されることになる。
また、間隔維持部49の小径筒部492の頂部には、図2Aおよび図2Bに示すように、略L字状の導電部材嵌合孔495が形成されている。かかる導電部材嵌合孔495に図3Dに示す導電部材50を嵌合することにより、集塵電極部43が備える全ての接地電極47に対して導電部材50が密着するので、全ての接地電極47を導通させることができる。すなわち、導電部材50を介して、同じ極性である高圧電極46同士、あるいは接地電極47同士が導通する。また、導電部材50を嵌合することで、積層状態に配置された複数の接地電極47を導電部材50により位置決めした状態でしっかりと結合することができる。なお、高圧電極部42に設けられる導電部材50は、各高圧電極46への給電部材を兼用する。
導電部材50は、ここでは剛性を高めるために、断面が略L字状のアングル形状としたが、その形状は限定されることはなく、丸棒状、平板状などであっても構わない。
ところで、間隔維持部49の形状については、例えば、図3Bに示すように、板状部48との境界部分や段差部493を形成する部分を曲面形状(R形状)にすることができる。かかる形状とすることで、応力集中が緩和されて亀裂などの発生を防止でき、接地電極47の成形時や集塵電極部43の組み立て時において不具合が生じるおそれを抑えることができる。また、間隔維持部49の形状は、図2Aや図2Bに示されるような円柱状に限定されることはなく、例えば角柱状であってもよい。
(第2実施例)
次に、図4A~図5Cを参照しながら、第2実施例に係る電気集塵機2の集塵部4の電極部45の構成について説明する。図4Aは、第2実施例における電気集塵機2の集塵部4の電極部45の説明図、図4Bは、同電極部45を示す斜視図である。また、図5Aは、第2実施例における集塵電極部43の第1接地電極47aが備える間隔維持部49を示す断面図、図5Bは、第2実施例における集塵電極部43の第2接地電極47bが備える間隔維持部49を示す断面図、図5Cは、第2実施例における第1接地電極47aおよび第2接地電極47bの配置例を示す説明図である。
図4Aに示すように、本実施例では、高圧電極部42は、間隔維持部49の配置位置が互いに異なる第1高圧電極46aと第2高圧電極46bとを有し、第1高圧電極46aと第2高圧電極46bとが交互にそれぞれ平行に多段に配置されて一体となることでブロック状に形成されている。第1高圧電極46aと第2高圧電極46bとの間には、間隔維持部49を介して所定の間隔が形成される。
同様に、集塵電極部43も、間隔維持部49の配置位置が互いに異なる第1接地電極47aと第2接地電極47bとを有し、第1接地電極47aと第2接地電極47bとが交互にそれぞれ平行に多段に配置されて一体となることでブロック状に形成されている。第1接地電極47aと第2接地電極47bとの間には、間隔維持部49を介して所定の間隔が形成される。
そして、高圧電極部42および集塵電極部43は、図示を省略したケーシングに取付けられて、互いが向き合う状態で(図4Aにおける矢印A1および矢印A2を参照)組み合わされると、図4Bに示すように、高圧電極46と接地電極47とが所定の間隔をあけて交互に配置される状態となる。より具体的には、図4Bに示すように、例えば最上位置に第1接地電極47aが配置されている場合、その直下に第1高圧電極46aが、この第1高圧電極46aの直下に第2接地電極47bが、そして、この第2接地電極47bの直下に第2高圧電極46bが配置される。このように、第1接地電極47a、第1高圧電極46a、第2接地電極47b、および第2高圧電極46bが、順番に交互に配置される。
ここで、図5A~図5Cを参照しながら、第2実施例における第1接地電極47aと第1高圧電極46aのそれぞれに形成された第1の間隔維持部49a、および第2接地電極47bと第2高圧電極46bとに形成された第2の間隔維持部49bについて、具体的に説明する。なお、第1高圧電極46aおよび第1接地電極47aと、第2高圧電極46bおよび第2接地電極47bとは、いずれも同じ構成であるため、ここでは、第1接地電極47aおよび第2接地電極47bを例にとって説明する。
第1接地電極47aに形成された第1の間隔維持部49aは、図5Aに示すように、第1接地電極47aの積層方向の一方の側に形成された第1凸部496と、第1接地電極47aの積層方向の他方の側に、第1凸部496に連続して形成された第2凸部497とを有する。第1凸部496と第2凸部497とは、突出方向が異なるだけで形状的には同じである。ここでは、第1凸部496を上向き(Z軸正方向)に形成し、第2凸部497を下向き(Z軸負方向)に形成している。また、第1凸部496の頂部には導電部材嵌合孔495aが形成されている。
また、本実施例における第1接地電極47aも、真空成形により形成されている。すなわち、第1凸部496および第2凸部497は、いずれも板状部48と一体的に形成され、それぞれの内部には空洞494aが形成されている。
このように、第1接地電極47aに形成された第1の間隔維持部49aは、互いに反対側に突出する第1凸部496と第2凸部497とからなり、第1凸部496と第2凸部497とは、共有周壁500により繋がって連続している。第1接地電極47aは、次に説明する第2接地電極47bと同様に、共有周壁500の代わりに、平板部501で二つの凸部の間がつながっていてもよい。
一方、第2接地電極47bに形成された第2の間隔維持部49bは、図5Bに示すように、互いに反対側に突出し、第2接地電極47bの長手方向に設けられた第3凸部498と第4凸部499とからなる。ここでは、第3凸部498を下向き(Z軸負方向)に形成し、第4凸部499を上向き(Z軸正方向)に形成している。第3凸部498と第4凸部499との間には、所定長さの平板部501が設けられている。そして、この平板部501には、第1接地電極47aの第1凸部496に形成された導電部材嵌合孔495aと対応する位置に、同じく導電部材嵌合孔495bが形成されている。
また、本実施例における第2接地電極47bも、上記第1接地電極47aと同様に、真空成形により形成されており、第3凸部498および第4凸部499は、いずれも板状部48と一体的に形成され、それぞれの内部には空洞494aが形成されている。
本実施例に係る接地電極(第1接地電極47aおよび第2接地電極47b)は、図5Cに示すように、それぞれ複数の第1接地電極47aおよび第2接地電極47bを多段に重ねて配置することで、集塵電極部43を構成することができる。このとき、第1接地電極47aと第2接地電極47bとは、積層方向に交互に隣り合わせて配置される。
ここで、積層方向に隣り合う第1接地電極47aと第2接地電極47bに着目して説明する。相対的に第1接地電極47aが第2接地電極47bよりも上方に位置している場合、図5Cに示すように、第1接地電極47aの間隔維持部49における第2凸部497の周面と、第2接地電極47bの間隔維持部49における第4凸部499の周面とが当接する。詳しくは、第2凸部497の、電極長手方向において内側を向く周面と、第4凸部499の、電極長手方向において外側を向く周面とが当接する。したがって、第1接地電極47aは、電極長手方向の内側への移動が規制され、第2接地電極47bは、電極長手方向の外側への移動が規制される。
他方、相対的に第1接地電極47aが第2接地電極47bよりも下方に位置している場合、図5Cに示すように、第2接地電極47bの第2の間隔維持部49bにおける第3凸部498の周面と、第2接地電極47bの下方に位置する第1接地電極47aの第1の間隔維持部49aにおける第1凸部496の周面とが当接する。詳しくは、第3凸部498の、電極長手方向において内側を向く周面と、第1凸部496の、電極長手方向において外側を向く周面とが当接する。したがって、第2接地電極47bは、電極長手方向の内側への移動も規制される。また、第1接地電極47aは、電極長手方向の外側への移動も規制される。
このとき、第1接地電極47aの第1凸部496に形成された導電部材嵌合孔495aと、第2接地電極47bの平板部501に形成された導電部材嵌合孔495bとが、縦方向(Z軸方向)に重なる。本実施例では、かかる導電部材嵌合孔495aに所定の導電部材600を嵌合することにより、集塵電極部43に含まれる全ての第1接地電極47aおよび第2接地電極47bを導通させることができる。
このように、第2実施例に係る集塵電極部43においては、積層方向に隣り合う第1接地電極47aと第2接地電極47bとが間隔維持部49(第1の間隔維持部49a、第2の間隔維持部49b)を介して接触するとともに、それぞれ電極長手方向への移動が規制される。
第2実施例に係る電気集塵機2の集塵部4の構造において、例えば集塵電極部43は、それぞれ異なる位置に形成された間隔維持部49を有する第1接地電極47aと第2接地電極47bとからなる構成になる。そして、第1接地電極47aに形成された間隔維持部49は、それぞれ内部が空洞494aであって、第1接地電極47aの積層方向の一方の側に形成された第1凸部496と、第1接地電極47aの積層方向の他方の側に、第1凸部496に連続して形成された第2凸部497とを有する。一方、第2接地電極47bに形成された間隔維持部49は、それぞれ内部が空洞494aであって、第2接地電極47bの積層方向の一方の側に形成された第3凸部498と、第2接地電極47bの積層方向の他方の側に、第1凸部496と所定の間隔をあけて形成された第4凸部499とを有する。そして、複数の第1接地電極47aと複数の第2接地電極47bとが重ね合わされた状態では、第1凸部496と第3凸部498とが接触することで、各電極(第1接地電極47aと第2接地電極47b)は、それぞれの長手方向(X軸方向)の一方側への移動が規制されているとともに、第2凸部497と第4凸部499とが接触することで、各電極(第1接地電極47aと第2接地電極47b)は、それぞれの長手方向(X軸方向)の他方側への移動が規制されている。
上述してきた集塵電極部43の構造は、高圧電極部42でも同様であり、かかる高圧電極部42と集塵電極部43とが組み合わされて構成される集塵部4の電極部45(図4B参照)では、各電極間に所定の間隔が形成されることになる。すなわち、集塵電極部43の第1接地電極47aと高圧電極部42の第1接地電極47aとの間、高圧電極部42の第1接地電極47aと集塵電極部43の第2接地電極47bとの間、集塵電極部43の第2接地電極47bと高圧電極部42の第2接地電極47bとの間、高圧電極部42の第2接地電極47bと集塵電極部43の第2接地電極47bとの間に所定の間隔が形成されることになる。
(第3実施例)
次に、図6A~図9を参照しながら、第3実施例に係る電気集塵機2の集塵部4の電極部45の構成について説明する。図6Aは、第3実施例における電気集塵機2の集塵部4の電極部45の説明図、図6Bは、同電極部45を示す斜視図である。図7は、第3実施例における集塵部4の電極部45の枠体への収納構造を示す説明図である。また、図8は、第3実施例における電極部45を構成する基材を展開した説明図、図9は、第3実施例における電極の横断面を示す説明図である。
本実施例では、図6Aに示された高圧電極部42を構成する複数の高圧電極46および集塵電極部43を構成する複数の接地電極47は、共に、図8に示すように、一つの帯状の基材470により形成される。
第3実施例において、図6に示すような複数の接地電極47を備える集塵電極部43は、図8に示すような帯状の基材470を、蛇腹状に折り畳むことで形成されている。すなわち、帯状の基材470は、複数の板状部48の長手方向における端部同士を、連結部490によって連結した構造である。この場合、図8において長手方向に連結される全ての板状部48が、接地電極47である。そして、集塵電極部43は、図6Aに示すように、帯状の基材470の備える複数の板状部48同士が連結部490の幅分の間隔をあけて板状部の厚み方向に積層するよう、基材470を蛇腹状に折り曲げて形成している。なお、高圧電極部42も集塵電極部43と同じ構造であり、同様の手順で形成される。
板状部48は、図9に示すように、外縁部482と、この外縁部482よりも内側に形成され、板状部の厚み方向に向かって張り出す張出部481とを有する。また、張出部481は、外縁部482と平行な平面を有するように形成されている。このように、例えば0.6mm程度の薄いシート状の樹脂により形成された高圧電極46あるいは接地電極47であっても、張出部481を形成することで、板状部48の剛性を高めることができ、板状部48がクーロン力で撓んだりすることを防止することができる。また、前述したように、張出部481の裏面側には凹部面481aが形成される。
そして、基材470を上述したように折り畳む際に、基材470の各板状部48の間に形成された連結部490が間隔維持部49として機能する。こうして、高圧電極部42や集塵電極部43は、積層方向に隣り合う接地電極47同士の間に連結部490からなる間隔維持部49を介して所定の間隔が形成される。
高圧電極部42および集塵電極部43は、図6Aに示すように、各電極46,47の長手方向の両端部を、保持部材700で保持することにより、積層方向に平行に配置される複数の高圧電極46および接地電極47の電極間距離を一定に保持している。
また、図8に示すように、基材470における連結部490の両側には、導電部材嵌合孔495bが形成されている。したがって、導電部材嵌合孔495bに嵌合される導電部材601により、図6Aに示すように、集塵電極部43であれば、複数の接地電極47における各間隔維持部49の近傍に設けられた導電部材嵌合孔495bに導電部材601が嵌合し、集塵電極部43に含まれる全ての接地電極47が導通する。
また、本実施例においては、保持部材700と導電部材601とが、接地電極47同士の間となる位置において互いに連結されている。すなわち、図6Aに示すように、保持部材700の一側面には、接地電極47の数に応じた突起部710が保持部材700の長手方向に形成されている。また、隣り合う突起部710同士の間には、集塵電極部43の間隔維持部49が嵌合する凹部720が形成されている。一方、導電部材601の長手方向には、保持部材700の突起部710に対応する嵌合孔610が形成されている。
したがって、導電部材601を集塵電極部43の導電部材嵌合孔495bに嵌合させた後、集塵電極部43の両側から保持部材700の凹部720に間隔維持部49が嵌合するように嵌め込むと、保持部材700の突起部710が導電部材601の嵌合孔610に嵌合する。
こうして、集塵電極部43は、各接地電極47間に所定の間隔を維持したまま、しっかりとブロック状に形成されるとともに、各接地電極47同士を導通させることができる。かかる構成は、高圧電極部42においても同様である。
導電部材601は、図6Aに示すように、両端部がそれぞれ折曲部620と延伸部630とに分岐している。延伸部630は、集塵部用高圧電源40に接続する電源接続部として機能する。一方、折曲部620は、延伸部630の電極部45からの突出長さを規定する。すなわち、折曲部620が高圧電極46や接地電極47と接触するまで導電部材601を高圧電極部42や集塵電極部43に嵌合すれば、おのずと延伸部630の電極部45からの突出長さが規定される。
ところで、導電部材601と保持部材700との取付けに関し、ここでは、先ず導電部材601を集塵電極部43に取付け、その後、導電部材601の嵌合孔610に保持部材700の突起部710を嵌合させている。しかし、突起部710や嵌合孔610を廃止して、保持部材700に電極の積層方向(Z軸方向)へと貫通する貫通孔を設け、先ず保持部材700を取付けた後、かかる保持部材700を貫通する貫通孔に導電部材601を嵌合させることもできる。
上述のように構成された集塵電極部43と高圧電極部42とは、互いが向き合う状態で(図6Aにおける矢印A1および矢印A2を参照)組み合わされて、高圧電極46と接地電極47とが所定の間隔をあけて交互に配置された電極部45が形成される(図6B参照)。そして、かかる電極部45が所定のケーシング400に収納されて、図7に示すように集塵部4が形成される。
ケーシング400は、天井壁401と底壁402と左右側壁403,404とを有し、前面および後面が開口された所定幅のベース枠410と、このベース枠410の前面開口部に取付けられるカバー枠420とを有する。ベース枠410の上縁部および下縁部の左右側には、天井壁401と底壁402との間には、後述する電極分離板430をスライドさせて案内するガイド溝406が形成される。また、天井壁401と底壁402とには、導電部材601の延伸部630を嵌合するスリット405が形成されている。
かかるケーシング400に電極部45を収納する際には、集塵電極部43と高圧電極部42との導電部材601同士が接触することのないように、電極分離板430を配置している。電極分離板430は、矩形板の左右側に、集塵電極部43の導電部材601と高圧電極部42の導電部材601との間に介在させる突出部431が形成されている。
ケーシング400に電極部45を収納する手順は、以下の通りである。図7を参照しながら説明すると、先ず、ベース枠410に、高圧電極部42を収納する。すなわち、ベース枠410のスリット405に、高圧電極部42の上下方向に延在する導電部材601の延伸部630を指し込み、スライドさせながら高圧電極部42をベース枠410に収納する。次いで、2つの電極分離板430を、ベース枠410の上下に設けたガイド溝406に沿ってそれぞれスライドさせ、ベース枠410に配置する。次いで、ベース枠410のスリット405に、集塵電極部43の上下方向に延在する導電部材601の延伸部630を指し込み、スライドさせながら集塵電極部43をベース枠410に収納する。このとき、高圧電極部42の高圧電極46と集塵電極部43の接地電極47とが、互いに所定間隔をあけた状態で平行に配置される。そして、最後に、カバー枠420をベース枠410に取付けることで、電極部45がケーシング400に収納された集塵部4が構成される。
なお、この第3実施例を通して説明した上述の手順は、第1、第2実施例に係る集塵部4についても同様である。
ところで、高圧電極部42の複数の高圧電極46および集塵電極部43の複数の接地電極47のそれぞれと導通する部材は、上述してきた各実施例に示したものに限定されない。高圧電極46および接地電極47と導通する部材としては、たとえば、図10Aに示すものを用いることもできる。図10Aは、変形例に係る導電部材51を示す説明図である。また、図10Bは、変形例に係る導電部材51を用いた電極部45を一部省略して示す説明図である。
図10Aに示すように、変形例に係る導電部材51は、丸鋼材からなる導電部本体51aの一端に、位置決め突起52が形成されている。位置決め突起52は、図示するように、それぞれ円板状とした第1鍔部52aと第2鍔部52bとの間に凹部52cが形成されている。かかる位置決め突起52は、高圧電極部42および集塵電極部43を所定のケーシング400に収納する際に、位置決め突起52の第1鍔部52aと第2鍔部52bとで、ケーシング400に設けられたスリット405を挟み込むように位置合わせすることで、自動的に上下方向の位置決めが可能となるようにしたものである。また、図7で示した電極分離板430と同様な部材を用いることで、高圧電極46と接地電極47との接触を未然に防止することができる。
すなわち、図10Bに示すように、例えば最上位置の接地電極47に第1鍔部52aが当接するまで、この導電部材51を複数の接地電極47の各間隔維持部49に嵌合して集塵電極部43を構成したとする。また、同様に高圧電極部42も構成したとする。そして、図7を参照して説明した手順で、ケーシング400に高圧電極部42や集塵電極部43を収納すると、自動的にケーシング400内における高圧電極部42および集塵電極部43の位置決めがなされる。すなわち、例えば高圧電極部42を収納する際に、ケーシング400の天井壁401のスリット405に位置決め突起52の凹部52cを嵌合させれば、自動的にケーシング400内における高圧電極部42の位置決めがなされる。そして、集塵電極部43も同様にしてケーシング400に収納すると、この集塵電極部43のケーシング400内における位置決めがなされる。こうして、高圧電極部42の高圧電極46と集塵電極部43の接地電極47とが、互いに干渉することなく所定の間隔をあけた状態で、電極部45をケーシング400内に収納することができる。
図10Cは、変形例に係る導電部材を用いた場合の部材間の放電防止壁を平面視で示す説明図である。上述してきた実施例では、変形例に係る導電部材51を含め、高圧電極46および接地電極47と導通する部材については、それぞれ平行に配置されている複数の高圧電極46および複数の接地電極47を積層方向に貫通する孔に嵌合させることで取付けていた。
しかし、必ずしもそのようなものに限定されない。たとえば、高圧電極46および接地電極47に2~3mm程度の厚みがあって剛性が確保されている場合、第2の変形例に係る導電部材800は、図10Cに示すように、高圧電極46および接地電極47の左右の端部を挟み込むような構造とすることができる。
すなわち、高圧電極46および接地電極47の左右の端縁に、それぞれ耳片461,471を形成し、かかる耳片461,471を、平面断面視でコ字状とした導電部材800で挟み込むようにすることができる。このとき、電極部45を収納するケーシング400には、高圧電極部42の導電部材800と集塵電極部43の導電部材800との間に位置するような放電防止壁440を形成するとよい。かかる放電防止壁440を、高圧電極46や接地電極47の積層方向にリブ状に延伸するように形成することで、対向する導電部材800,800間での放電を防止することができる。
以上、本願の実施例を図面に基づいて説明したが、あくまでも例示であって、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施すことができる。
例えば、上述してきた各実施例において、接地電極47および高圧電極46のいずれも真空成形により形成したものとしたが、型によって成形する他の樹脂成形方法、例えば射出成形によって成形することもできる。
上述してきた実施例より、以下の電気集塵機2の集塵部4が実現される。
(1)極性の異なる複数の第1の電極(例えば、高圧電極46)と複数の第2の電極(例えば、接地電極47)とが、互い違いに配置された電極部45を備え、帯電された塵埃を捕集する電気集塵機2の集塵部4であって、各第1の電極46と第2の電極47のそれぞれは、板状部48と、この板状部48の厚み方向に突出する間隔維持部49とを備え、板状部48と間隔維持部49とは共に樹脂により一体成形されており、各電極に形成された間隔維持部49は、隣り合う同極性の電極46,46(47,47)と連結し、異極性の電極46,47とは連結しない、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、例えば、各電極(例えば、高圧電極46および接地電極47)を薄く形成でき、なおかつ集塵部4の組立性を向上させることができる。
(2)上記(1)において、隣り合う第1の電極(例えば、高圧電極46)同士は、第1の電極(例えば、高圧電極46)に形成された間隔維持部49を介して接続され、隣り合う第2の電極(例えば、接地電極47)同士は、第2の電極(例えば、接地電極47)に形成された間隔維持部49を介して接続されるとともに、第1の電極(例えば、高圧電極46)の板状部と第2の電極(例えば、接地電極47)の板状部との間には所定の間隔が形成される、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、第1の電極(例えば、高圧電極46)および第2の電極(例えば、接地電極47)を薄くして全体を小型化しつつ、電極間のリーク電流を防止することができる。
(3)上記(1)または(2)において、電極部45は、高電圧が印加される高圧電極部42と、接地される集塵電極部43とを備え、高圧電極部42は、連結された複数の高圧電極46を備え、集塵電極部43は、連結された複数の接地電極47を備え、高圧電極46は、第1の電極および第2の電極のいずれか一方の電極であり、接地電極47は、第1の電極および第2の電極のいずれか他方の電極である、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、高圧電極46および接地電極47を薄くして全体を小型化しつつ、電極間のリーク電流を防止することができる。
(4)上記(1)~(3)のいずれかにおいて、電極(例えば、高圧電極46と接地電極47)の板状部48は、外縁部482と、外縁部482よりも内側に形成され、板状部48の厚み方向に張り出す張出部481とを有し、張出部481は、外縁部482と平行な平面を有するように形成されている、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、電極(例えば、高圧電極46と接地電極47)の剛性を高めることができ、撓みなどが生じることを抑えることができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれかにおいて、間隔維持部49は、電極(例えば、高圧電極46と接地電極47)の積層方向に貫通する導電部材嵌合孔495,495a,495bが形成され、導電部材嵌合孔495,495a,495bに嵌合される導電部材50,51,600,601を有する、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、上記(1)~(4)の効果に加え、例えば、高圧電極46同士と複数の接地電極47同士とを確実に導通させることができるとともに、高圧電極部42や集塵電極部43の連結をより強固にすることができる。
(6)上記(1)~(5)のいずれかにおいて、間隔維持部49は、内部が空洞494の凸部(大径筒部491および小径筒部492)を備え、積層方向に隣り合う同極性の電極(例えば、隣り合う高圧電極46、46同士)のうち、一方の電極(例えば、一方の高圧電極46)が有する間隔維持部49の凸部(小径筒部492)が、他方の電極(例えば、他方の高圧電極46)が有する間隔維持部49の空洞494に嵌合する、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、上記(1)~(5)の効果に加え、例えば、高圧電極46同士間や接地電極47同士間の間隔を一定距離に保持することが容易となる。
(7)上記(1)~(5)のいずれかにおいて、第1の電極(例えば、高圧電極46)および第2の電極(例えば、接地電極47)は、それぞれ異なる位置に形成された間隔維持部49を有する第1接地電極47a(第1高圧電極46a)と第2接地電極47b(第2高圧電極46b)とからなり、例えば、第1接地電極47aに形成された第1の間隔維持部49aは、接地電極47の積層方向の一方の側に形成された第1凸部496と、接地電極47の積層方向の他方の側に、第1凸部496に連続して形成された第2凸部497とを有し、第2接地電極47b(46b)に形成された第2の間隔維持部49bは、接地電極47の積層方向の一方の側に形成された第3凸部498と、接地電極47の積層方向の他方の側に、第3凸部498と所定の間隔をあけて形成された第4凸部499とを有し、複数の第1電極47a(46a)と複数の第2電極47b(46b)とが重ね合わされた状態では、第1凸部496と第3凸部498とが接触することで、各電極47a(46a),47b(46b)は同電極の長手方向における一方側への移動が規制されるとともに、第2凸部497と第4凸部499とが接触することで、各電極47a(46a),47b(46b)は同電極の長手方向における他方側への移動が規制される、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、上記(1)~(5)のいずれかの効果に加え、例えば、高圧電極46同士間や接地電極47同士間の間隔を一定距離に保持することが容易となるとともに、高圧電極46や接地電極47の長手方向へのずれを確実に抑制することができる。
(8)上記(1)~(5)のいずれかにおいて、第1の電極(例えば、高圧電極46)と第2の電極(例えば、接地電極47)のそれぞれは、複数の板状部48の長手方向における端部同士が連結部490を介して連結された帯状の基材470を備え、基材470が備える複数の板状部48同士が連結部490の幅分の間隔をあけて板状部48の厚み方向に積層するように、基材470は蛇腹状に折り曲げられ、間隔維持部49は連結部490により形成される、電気集塵機2の集塵部4。
かかる構成を備える電気集塵機2の集塵部4によれば、上記(1)~(5)の効果に加え、高圧電極46や接地電極47をより容易に形成することが可能となる。
以上、本願のいくつかの実施例を図面に基づいて説明したが、あくまでも例示であって、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施すことができる。例えば、上述してきた各実施例では、高圧電極46および接地電極47の各長手方向の端部に、前後一対の間隔維持部49を設ける構成とした。しかし、高圧電極46や接地電極47が撓むおそれがある場合、高圧電極46や接地電極47中央付近にさらに一対の間隔維持部49を追加して設けても構わない。