JP7199308B2 - フレキソ印刷インキ組成物、インキ層、および印刷物 - Google Patents

フレキソ印刷インキ組成物、インキ層、および印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP7199308B2
JP7199308B2 JP2019107687A JP2019107687A JP7199308B2 JP 7199308 B2 JP7199308 B2 JP 7199308B2 JP 2019107687 A JP2019107687 A JP 2019107687A JP 2019107687 A JP2019107687 A JP 2019107687A JP 7199308 B2 JP7199308 B2 JP 7199308B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
flexographic printing
water
printing ink
dispersible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019107687A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020023663A (ja
Inventor
直人 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakata Inx Corp
Original Assignee
Sakata Inx Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakata Inx Corp filed Critical Sakata Inx Corp
Publication of JP2020023663A publication Critical patent/JP2020023663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7199308B2 publication Critical patent/JP7199308B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、フレキソ印刷インキ組成物、インキ層、および印刷物に関する。
従来、プラスチック製の自動車の内装部品、家庭用品、OA機器、電気製品、建築材料や包装用フィルムの用途で、その表面に独特な触感(しっとり感)を付与すべく、種々の塗料や被覆材またはその表面改質方法などが開発されている(特許文献1~3)。
特開2007-211151号公報 特開2009-227707号公報 特開平9-118734号公報
近年、上記の用途のほか、段ボールや紙袋などの包装材(包装容器)の分野においても、当該包装材の美粧化や機能化を目的として、上記のようなソフトな触感(しっとり感)を付与できるインキ組成物が要求されている。とくに、当該分野では、水性インキ組成物を用いたフレキソ印刷が主流であるため、この印刷方法に適用できるインキ組成物が切望されている。
また、フレキソ印刷インキ組成物としては、良好な印刷適性(レベリング性)を有し、かつ、実使用を考慮した場合、印刷物の印刷面(インキ層)同士が接着(ブロッキング)しないような耐ブロッキング性が要求される。
このように、上記のソフトな触感(しっとり感)、レベリング性、および耐ブロッキング性を十分に備えたフレキソ印刷インキ組成物は未だ見出されていないのが現状であった。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、ソフトな触感(しっとり感)、レベリング性、および耐ブロッキング性を十分に備えたフレキソ印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、フレキソ印刷インキ組成物であって、前記インキ組成物は、水分散性ポリウレタン樹脂および水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の水分散性樹脂、ウレタン樹脂ビーズおよびアクリル樹脂ビーズからなる群より選ばれる1つ以上の樹脂ビーズ、ならびに水性媒体を含み、前記水分散性樹脂は、破断伸度が1000~1800%であり、前記樹脂ビーズは、平均粒子径が12μm以下、かつガラス転移温度が-15℃以下であり、前記インキ組成物中の固形分において、前記樹脂ビーズの割合は、20~70質量%であるフレキソ印刷インキ組成物、に関する。
また、本発明は、前記フレキソ印刷インキ組成物から形成されるインキ層、に関する。
また、本発明は、前記インキ層が基材上に設けられている印刷物、に関する。
本発明のフレキソ印刷インキ組成物における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本発明のフレキソ印刷インキ組成物は、水分散性ポリウレタン樹脂および水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の水分散性樹脂、ウレタン樹脂ビーズおよびアクリル樹脂ビーズからなる群より選ばれる1つ以上の樹脂ビーズ、ならびに水性媒体を含み、前記水分散性樹脂は、破断伸度が1000~1800%であり、前記樹脂ビーズは、平均粒子径が12μm以下、かつガラス転移温度が-15℃以下であり、前記インキ組成物中の固形分において、前記樹脂ビーズの割合は、20~70質量%である。前記水分散性樹脂は、破断伸度が1000~1800%であり、かつ前記樹脂ビーズは、ガラス転移温度が-15℃以下であるため、本発明のインキ層は、柔らかい感触を有するものと推定される。また、前記樹脂ビーズは、平均粒子径が12μm以下の小粒径であるため、グラビア印刷物(インキ層)などと比較して薄い膜厚(塗着量)を有するフレキソ印刷物(インキ層)に、ソフトな触感(しっとり感)を付与できるものと推定される。よって、本発明のフレキソ印刷インキ組成物は、これらの成分を所定量含むため、ソフトな触感(しっとり感)、レベリング性、および耐ブロッキング性をバランスよく有する。
本発明のフレキソ印刷インキ組成物は、少なくとも、水分散性ポリウレタン樹脂および水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の水分散性樹脂、ウレタン樹脂ビーズおよびアクリル樹脂ビーズからなる群より選ばれる1つ以上の樹脂ビーズ、ならびに水性媒体を含む。
<水分散性樹脂>
本発明の水分散性樹脂は、樹脂エマルジョンであり、樹脂の破断伸度が1000~1800%である。前記水分散性樹脂は、フレキソ印刷インキ組成物のソフトな触感(しっとり感)および耐ブロッキング性を向上させる観点から、破断伸度が1100%以上であることが好ましく、そして、1700%以下であることが好ましい。なお、破断伸度は、通常、前記水分散性樹脂の皮膜(膜厚200μm、ダンベル状試験片(3号)の形状)を、JIS-K-6301に準じて、引張速度100mm/minで測定して求められる。前記水分散性樹脂は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記水分散性ポリウレタン樹脂は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性のいずれも使用できるが、アニオン性が好適である。また、前記水分散性ポリウレタン樹脂は、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル・ポリエーテルウレタン系ポリウレタン樹脂が好適である。
前記水分散性ポリウレタン樹脂としては、例えば、「インプラニールDLP-R」(住化コベストロウレタン(株)製、スルフォン酸基含有水性ポリエステル系ポリウレタン樹脂)、「バイボンド(登録商標)PU407」(住化コベストロウレタン(株)製、アニオン性/非イオン性ポリエステル系ポリウレタン樹脂)、「スーパーフレックス300」(第一工業製薬(株)製、アニオン性ポリエステル・ポリエーテル系ウレタン樹脂)、スーパーフレックス740(第一工業製薬(株)製、アニオン性エステル系ポリウレタン樹脂)、DAOTAN(登録商標)TW6491(ダイセル・オルネクス(株)製)、DAOTAN(登録商標)TW6495(ダイセル・オルネクス(株)製)などが挙げられる。
前記水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂は、1,3-ブタジエンと、アクリロニトリルと、必要に応じ、1,3-ブタジエンおよびアクリロニトリルと共重合可能な他の単量体とを含む単量体組成物を、乳化重合して得られる樹脂エマルジョンである。前記他の単量体としては、例えば、アルケニル芳香族単量体、アクリロニトリル以外のシアン化ビニル単量体、不飽和カルボン酸単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体などが挙げられる。
前記水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂としては、例えば、「サイアテックス NA-106」、「サイアテックス NA-13」(いずれも日本エイアンドエル(株)製、変性水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂)などが挙げられる。
<樹脂ビーズ>
本発明の樹脂ビーズは、ウレタン樹脂ビーズおよびアクリル樹脂ビーズからなる群より選ばれる1つ以上であり、かつ平均粒子径が12μm以下、かつガラス転移温度が-15℃以下である。前記樹脂ビーズは、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記樹脂ビーズは、フレキソ印刷インキ組成物のソフトな触感(しっとり感)および耐ブロッキング性を向上させる観点から、平均粒子径が、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、そして、ソフトな触感(しっとり感)を向上させる観点から、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置によって求められ、通常、体積基準粒度分布のメジアン径(d50)により算出される。
前記樹脂ビーズは、フレキソ印刷インキ組成物のソフトな触感(しっとり感)および耐ブロッキング性を向上させる観点から、ガラス転移温度が、-14℃以下であることが好ましく、-16℃以下であることがより好ましい。前記樹脂ビーズは、ガラス転移温度の下限値が限定されるものではないが、例えば、-60℃以上、-50℃以上が例示できる。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって求められ、通常、ガラス転移が起こる温度範囲の中点により算出される。
前記ウレタン樹脂ビーズとしては、例えば、「アートパールPシリーズ」、「アートパールJBシリーズ」(以上、根上工業(株)製)、「ダイミックビーズUCNシリーズ」(大日精化工業(株)製)などが挙げられ、前記アクリル樹脂ビーズとしては、例えば、「AFX-8」(積水化成品工業(株)製)などが挙げられる。
<水性媒体>
本発明の水性媒体は、イオン交換水、蒸留水、工業用水などの水を主成分とする媒体であるが、例えば、有機溶媒を含有する水性媒体であってもよい。前記有機溶媒としては、水と混和性を有するものであればよく、例えば、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、ケトン系溶媒などが挙げられる。前記水性媒体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に、本発明のフレキソ印刷インキ組成物に含まれる各成分の割合について説明する。
本発明のフレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)において、前記水分散性樹脂の割合は、フレキソ印刷インキ組成物のレベリング性を向上させる観点から、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、そして、フレキソ印刷インキ組成物のソフトな触感(しっとり感)を向上させる観点から、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましい。
本発明のフレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)において、前記樹脂ビーズの割合は、20~70質量%である。本発明のフレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)において、前記樹脂ビーズの割合は、フレキソ印刷インキ組成物のソフトな触感(しっとり感)を向上させる観点から、25質量%以上であることが好ましく、そして、フレキソ印刷インキ組成物のレベリング性を向上させる観点から、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましい。
本発明のフレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)において、前記水分散性樹脂と前記樹脂ビーズの合計の割合は、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
前記水性媒体の割合は、フレキソ印刷インキ組成物中、30~90質量%であることが好ましく、40~80質量%であることがより好ましい。
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物には、耐ブロッキング性を向上させる観点から、架橋剤を含んでいてもよい。前記架橋剤としては、前記水性媒体中に分散、乳化、あるいは溶解でき、前記水性媒体中で架橋反応を進行できる架橋剤であればよく、好ましくは、前記水分散性樹脂および/または前記樹脂ビーズと反応性を有する官能基を有する架橋剤である。前記官能基としては、例えば、カルボジイミド基、オキサゾリン基、ブロックイソシアネート基などが挙げられる。前記架橋剤は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記カルボジイミド基を有する架橋剤としては、分子中に2つ以上のカルボジイミド基を有しているものであれば特に限定されず、例えば、p-フェニレン-ビス(2,6-キシリルカルボジイミド)、テトラメチレン-ビス(t-ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン-1,4-ビス(メチレン-t-ブチルカルボジイミド)などのカルボジイミド基を有する化合物や、カルボジイミド基を有する重合体であるポリカルボジイミドなどが挙げられる。これらの中でも、取り扱い易さから、ポリカルボジイミドが好ましい。
前記オキサゾリン基を有する架橋剤としては、分子中に2つ以上のオキサゾリン基を有しているものであれば特に限定されず、例えば、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、1,2-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)エタン、1,4-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ブタン、1,8-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ブタン、1,4-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)シクロヘキサン、1,2-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼンなどの脂肪族あるいは芳香族を含むビスオキサゾリン化合物由来の骨格を有するポリマー;2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリンなどの付加重合性オキサゾリン化合物を構成単位とするポリマーなどが挙げられる。
前記ブロックイソシアネート基を有する架橋剤としては、分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物において、当該イソシアネート基をブロック化剤でブロックしたものであれば特に限定されない。前記分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリデンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,5-ナフタレンジイソシアネートなどのジイソシアネート基含有化合物;およびこれらジイソシアネート基含有化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体、アロファネート体などの誘導体などが挙げられる。また、前記ブロック化剤としては、例えば、ジエチルマロネート、3,5-ジメチルピラゾール、ε-カプロラクタム、フェノール、メチルエチルケトオキシム、アルコールなどの化合物が挙げられる。
前記架橋剤を使用する場合、本発明のフレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)において、前記架橋剤の割合は、通常、1質量%以上10質量%以下程度であり、2質量%以上10質量%以下であることが好ましく、とくに、前記水分散性樹脂として前記水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂を使用する場合、5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物には、耐ブロッキング性、耐摩擦性、および耐水耐摩擦性を向上させる観点から、離型剤を含んでいてもよい。前記離型剤としては、例えば、ステアリン酸エステルなどの脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸塩、アルキルリン酸エステル、アルキルリン酸アミド、アルキルリン酸塩、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸アミド、アルキルスルホン酸塩、シリコーンオイルなどが挙げられる。前記離型剤は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記離型剤を使用する場合、本発明のフレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)において、前記離型剤の割合は、通常、1質量%以上15質量%以下程度であり、3質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物には、必要に応じて、上記の成分以外の各種添加剤を使用することができる。各種添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルクなどの体質顔料;無機系微粒子;粘着性樹脂(アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂);レベリング剤;シリコーンパウダなどのスリップ剤;消泡剤;苛性ソーダなどの塩基性化合物;マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)ワックスなどのワックス;などが挙げられる。本発明のインキ組成物のソフトな触感(しっとり感)をより向上させる観点からは、フレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)中に、0.1~1質量%程度のスリップ剤を配合することが好ましく、また、同様の観点から、フレキソ印刷インキ組成物中の固形分(不揮発分)中に、1~10質量%程度のワックスを配合することが好ましい。
<水性フレキソ印刷インキ組成物の調製方法>
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物を調製する方法としては、特に限定されず、例えば、上記の成分を順番に、あるいは同時に添加して、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、パールミル、高速攪拌装置、ペイントコンディショナーなどで混合して調製することができる。
<インキ層>
本発明のインキ層は、前記水性フレキソ印刷インキ組成物から形成される乾燥皮膜である。具体的には、前記水性フレキソ印刷インキ組成物を、後述する基材にフレキソ印刷機を用いて塗工(印刷)して得られるインキ層(印刷皮膜)である。前記印刷機による印刷条件は、従来公知の条件が適宜採用できる。
前記インキ層の塗着量は、通常、3g/m以下であることが好ましく、2g/m以下であることがより好ましい。
<印刷物>
本発明の印刷物は、前記インキ層が基材上に設けられている。前記基材は、アルミ箔などの金属薄膜などの金属;クラフト紙、アート紙、上質紙、和紙、合成紙などの紙;プラスチックのいずれでもよいが、水性フレキソ印刷インキ組成物の対象は、通常、紙が好適である。
以下に本発明を実施例などによって説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
<実施例1~8、および比較例1~7>
<水性フレキソ印刷インキ組成物の調製>
表1に示す配合にて、各材料をペイントコンディショナーで混練し、実施例1~8、および比較例1~7の水性フレキソ印刷インキ組成物を調製した。なお、表1に記載の数値(配合量)は質量部である。
<印刷物の作成>
上記で得られた実施例1~8、および比較例1~7の水性フレキソ印刷インキ組成物を、片艶クラフト紙に、ハンドプルーファー(200L/inch)を用いて展色して、インキ層(塗着量が約1.7g/m)であるフレキソ印刷を想定した印刷物を得た。また、上記で得られた実施例1~8、および比較例1~7の水性フレキソ印刷インキ組成物を、片艶クラフト紙に、メアバー(線径0.15mm)を用いて展色して、インキ層(塗着量が約5g/m)であるグラビア印刷を想定した印刷物を得た。
上記の実施例および比較例で得られた印刷物について以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<ソフトな触感(しっとり感)の評価>
上記で得られたフレキソ印刷を想定した印刷物、およびグラビア印刷を想定した印刷物を手で触り、その触感を以下の3段階の基準で評価した。
○:しっとりしたソフトな触感がある。
△:しっとりしたソフトな触感が若干感じられる。
×:ソフトな触感が全く得られない。
<耐ブロッキング性の評価>
耐ブロッキング性の評価は、上記で得られたフレキソ印刷を想定した印刷物(5cm×5cm)の2枚を、35℃・95%RHの条件下で10分間放置したのち、印刷面と印刷面を合わせて、荷重20Nをかけながら35℃・95%RHで30分間放置後に手で剥がし、以下の3段階の基準で評価した。
○:紙剥けせずに剥がせる。
△:紙剥けが若干生じる。
×:印刷面の1/3以上の紙剥けが生じる。
<レベリング性の評価>
レベリング性の評価は、上記のフレキソ印刷を想定した印刷物の作成において、印刷面の状態を、以下の2段階の基準で評価した。
○:筋がなく展色できる。
×:展色時に筋が生じる。
<耐摩擦性の評価>
耐摩擦性の評価は、上記で得られたフレキソ印刷を想定した印刷物の印刷面に、摩擦子として黒布を用い、学振型試験機(大栄科学精器製作所)にて荷重200gで100回数往復し、ビーズの脱落した度合いの程度について、以下の3段階の基準で評価した。
○:ビーズの脱落がほぼない。
△:ビーズが脱落しているが、実用レベルである。
×:ビーズが脱落しており、実用レベルでない。
<耐水耐摩擦性の評価>
耐水耐摩擦性の評価は、上記で得られたフレキソ印刷を想定した印刷物の印刷面に、摩擦子として水に浸漬したカナキンを用い、学振型試験機(大栄科学精器製作所)にて荷重200gで5回数往復し、インキの脱落した度合いの程度について、以下の3段階の基準で評価した。
〇:インキが若干脱落する。
△:インキが脱落する。
×:インキがかなり脱落する。
Figure 0007199308000001
表1中、
水分散性ポリウレタン樹脂(1)は、アニオン性ポリエステル・ポリエーテル系ウレタン樹脂(商品名「スーパーフレックス300」、第一工業製薬(株)製、破断伸度が1500%、固形分が30質量%);
水分散性ポリウレタン樹脂(2)は、アニオン性カーボネート系ウレタン樹脂(商品名「スーパーフレックス460S」、第一工業製薬(株)製、破断伸度が790%、固形分が38質量%);
水分散性ポリウレタン樹脂(3)は、アニオン性ポリエステル系ウレタン樹脂(商品名「インプラニールDLP-R」、住化コベストロウレタン(株)製、破断伸度が1600%、固形分が50質量%);
水分散性ポリウレタン樹脂(4)は、アニオン性ポリエステル系ウレタン樹脂(商品名「ハイボンドPU407」、住化コベストロウレタン(株)製、破断伸度が1200%、固形分が40質量%);
水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂は、(商品名「サイアテックス NA-106」、日本エイアンドエル(株)製、破断伸度が1570%、固形分が50質量%);
水分散性アクリル樹脂は、アクリル樹脂エマルション(商品名「サイビノールSX313」、サイデン化学(株)製、固形分が44.5質量%);
アクリル樹脂ビーズは、架橋ポリアクリル酸エステル樹脂ビーズ(商品名「AFX-8」、積水化成品工業(株)製、平均粒子径が8μm、ガラス転移温度が-34℃);
ウレタン樹脂ビーズ(1)は、架橋ウレタン樹脂ビーズ(商品名「アートパールP800」(根上工業(株)製、平均粒子径が6μm、ガラス転移温度が-34℃);
ウレタン樹脂ビーズ(2)は、架橋ウレタン樹脂ビーズ(商品名「アートパールC800」(根上工業(株)製、平均粒子径が6μm、ガラス転移温度が-13℃);
ウレタン樹脂ビーズ(3)は、架橋ウレタン樹脂ビーズ(商品名「アートパールP400」(根上工業(株)製、平均粒子径が15μm、ガラス転移温度が-34℃);
スチレン樹脂ビーズは、架橋ポリスチレン(商品名「SBX-6」、積水化成品工業(株)製、平均粒子径が6μm);
架橋剤は、水性ポリカルボジイミド(商品名「カルボジライト V-02」、日清紡ケミカル(株)製、固形分が40質量%);
離型剤は、ステアリン酸エステル(商品名「ノプコ LB-550」、サンノプコ社製、固形分が45質量%);
ワックスは、ポリエチレンワックス(商品名「ケミパール W400」、三井化学(株)製、固形分が40質量%);
水性媒体は、水;
スリップ剤は、商品名「DOWSIL 013A」および商品名「DOW ADDITIVE51」(質量比2/48)の水希釈品(固形分が15質量%);を示す。

Claims (6)

  1. フレキソ印刷インキ組成物であって、
    前記インキ組成物は、水分散性ポリウレタン樹脂および水分散性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の水分散性樹脂、
    ウレタン樹脂ビーズおよびアクリル樹脂ビーズからなる群より選ばれる1つ以上の樹脂ビーズ、ならびに
    水性媒体を含み、
    前記水分散性樹脂は、破断伸度が1000~1800%であり、
    前記樹脂ビーズは、平均粒子径が12μm以下、かつガラス転移温度が-15℃以下であり、
    前記インキ組成物中の固形分において、前記樹脂ビーズの割合は、20~70質量%であることを特徴とするフレキソ印刷インキ組成物。
  2. 架橋剤を含むことを特徴とする請求項1記載のフレキソ印刷インキ組成物。
  3. 離型剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載のフレキソ印刷インキ組成物。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のフレキソ印刷インキ組成物から形成されることを特徴とするインキ層。
  5. 請求項4記載のインキ層が基材上に設けられていることを特徴とする印刷物。
  6. インキ層は、塗着量が3g/m以下であることを特徴とする請求項5記載の印刷物。
JP2019107687A 2018-07-26 2019-06-10 フレキソ印刷インキ組成物、インキ層、および印刷物 Active JP7199308B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018140082 2018-07-26
JP2018140082 2018-07-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020023663A JP2020023663A (ja) 2020-02-13
JP7199308B2 true JP7199308B2 (ja) 2023-01-05

Family

ID=69619358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019107687A Active JP7199308B2 (ja) 2018-07-26 2019-06-10 フレキソ印刷インキ組成物、インキ層、および印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7199308B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022138674A (ja) * 2021-03-10 2022-09-26 聚紡股▲ふん▼有限公司 特殊触感構造を有する膜材料及びその製造方法
JP7043666B1 (ja) 2021-08-06 2022-03-29 大日精化工業株式会社 耐熱性向上剤、水性オーバープリントニス、印刷用水性インキ組成物、及び印刷物

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009350A (ja) 2005-06-29 2007-01-18 Soken Chem & Eng Co Ltd 布地用水性エマルジョン型樹脂組成物、それを用いてなる布地用水性インキ組成物及び用途
JP2011513049A (ja) 2008-02-29 2011-04-28 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 改善された摩擦堅牢度を有する基材
JP2012211249A (ja) 2011-03-31 2012-11-01 Calsonic Kansei Corp 型内塗装用水性塗料組成物及び塗装成形品
JP2013114137A (ja) 2011-11-30 2013-06-10 Nitto Denko Corp 印刷層付発泡体
JP2016210977A (ja) 2015-04-30 2016-12-15 理想科学工業株式会社 多孔質吸音材用表面処理液、多孔質吸音材用水性インクジェットインク、及びそれらの利用
JP6304439B1 (ja) 2017-03-24 2018-04-04 東洋インキScホールディングス株式会社 顔料、顔料水性分散体、その用途及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009350A (ja) 2005-06-29 2007-01-18 Soken Chem & Eng Co Ltd 布地用水性エマルジョン型樹脂組成物、それを用いてなる布地用水性インキ組成物及び用途
JP2011513049A (ja) 2008-02-29 2011-04-28 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 改善された摩擦堅牢度を有する基材
JP2012211249A (ja) 2011-03-31 2012-11-01 Calsonic Kansei Corp 型内塗装用水性塗料組成物及び塗装成形品
JP2013114137A (ja) 2011-11-30 2013-06-10 Nitto Denko Corp 印刷層付発泡体
JP2016210977A (ja) 2015-04-30 2016-12-15 理想科学工業株式会社 多孔質吸音材用表面処理液、多孔質吸音材用水性インクジェットインク、及びそれらの利用
JP6304439B1 (ja) 2017-03-24 2018-04-04 東洋インキScホールディングス株式会社 顔料、顔料水性分散体、その用途及びその製造方法
US20200010709A1 (en) 2017-03-24 2020-01-09 Toyo Ink Sc Holdings Co., Ltd. Coated pigment, aqueous pigment dispersion, use thereof, and production method therefor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020023663A (ja) 2020-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1965046B (zh) 增强液体调色剂对聚合物基材粘附性的底漆涂料
TWI362996B (en) Release sheet and molded articles using teh same
JP7199308B2 (ja) フレキソ印刷インキ組成物、インキ層、および印刷物
KR20040011565A (ko) 수계 잉크-수리성 코팅
JP2007169397A (ja) 水性一液型塗料組成物及び塗装物品
CA2693269A1 (en) Silicone coatings, methods of making silicone coated articles and coated articles therefrom
US9089871B2 (en) Methods for making coated films
WO1994028056A1 (en) Product containing fine powder of natural organic substance
JP2008195857A (ja) 水系塗料、それより得られる塗膜および塗装品
US20150275052A1 (en) Solution activatable multi-layer adhesive compositions for liner-free labels and methods of activation thereof
JP2012250416A (ja) 水性インクジェット記録用インクを用いた軟包装用の積層体中への画像形成方法、及び軟包装用積層体
JP2016084423A (ja) 活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物及びこれを含有する帯電防止用塗料
WO2015184046A1 (en) Primer coatings for use on substrates
JP6823928B2 (ja) 剥離性感圧接着シート
CN114450359B (zh) 可剥离涂膜、涂料组及亲水性涂膜形成用涂料
JP4285694B2 (ja) エネルギー線硬化性水中油滴型エマルション及び水系ハードコート剤
JP2020012080A (ja) インクセット及び印刷方法
JP2010082874A (ja) 耐油性化粧材
CN105051132A (zh) 水性紫外线固化型罩印清漆组合物
JP4502252B2 (ja) エネルギー線硬化性水中油滴型エマルション及び水系ハードコート剤
JP2019108423A (ja) インクセット及び印刷方法
JP7364120B2 (ja) 脱離可能な皮膜形成用組成物
JP2010084245A (ja) 耐油性紙ラベル
JP5691714B2 (ja) 剥離紙用原紙
JP7168861B2 (ja) 粒状接着剤及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7199308

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150