以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では画像処理装置1を例に挙げて説明する。
画像処理装置1は、例えばシートにトナーによる画像の形成が可能な複合機(MFP;Multi Function Peripheral)である。
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置1の断面図である。
読取部100は、例えば対象となるシートの画像を読み取るスキャナである。読取部100は、読み取った画像情報を画像データとして後述する記憶部175へ保存する。記憶部175に保存された画像データは、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。また、記憶部175に保存された画像データは、後述する画像形成部によって別のシート上に形成されてもよい。
シート収容部105は、筐体下部に設けられ、複数の給紙カセット105A、105Bおよび105Cを備える。各給紙カセット105A、105B、および105Cは、それぞれに所定のサイズおよび種類のシートを収納する。尚、各給紙カセット105A、および105Cの設定は適宜変更可能である。各給紙カセット105A、105B、および105Cは、それぞれピックアップローラ110A、110B、および110Cを備える。各ピックアップローラ110A、110B、および110Cは、各給紙カセット105A、105B、および105Cからシートを1枚ずつ取り出す。ピックアップローラ110A、110B、および110Cは、取り出したシートを搬送路115へ搬送する。
搬送路115はシートを搬送する経路である。搬送路115は給紙トレイ105から後述する画像形成部135および定着部150を経てシートを排紙部160へ搬送するための経路である。
搬送部115Aは、給紙ローラ120A、120B、120C、レジストローラ125、および複数の搬送ローラ130を有する。給紙ローラ120A、120B、および120Cは、それぞれピックアップローラ110A、110B、および110Cによって給紙カセット105から搬送されるシートをレジストローラ125へ搬送路115に沿って搬送する。
レジストローラ125は、後述する画像形成部135が転写ベルト上にトナーにより形成した画像をシートの表面上に転写するタイミングに合わせて、シートを転写ローラ145へ搬送する。搬送ローラ130は、搬送路115に複数備えられており、給紙されたシートを搬送路115に沿って排紙部160まで搬送する。
画像形成部135は搬送路115に沿って定着部150の上流に配置される。画像形成部135は、画像形成ユニットとして、現像器135A、感光体ドラム135B、露光器135C、および図示しない帯電部135Dを有する。帯電部135Dは、感光体ドラム135Bの表面(感光体層)に一様に帯電させる。露光部135Cがレーザ光の照射により感光体ドラム135Bの表面に静電潜像を形成する。この静電潜像に対し、現像器135Aがトナーを付加することで現像を行う。また、画像形成部135は、転写ユニットとして、転写ベルト140と転写ローラ145を備える。画像形成ユニットで現像されたトナーは転写ベルト140に転写される(一次転写)。転写ローラ145は、転写ベルト140上に形成された画像をシート上に転写する(二次転写)。シートに転写されたトナーは、後述する定着部150によりシートに定着させられる。
以上のように画像形成部135は、トナーによってシートの表面上に画像を形成する。本実施形態におけるトナーは、非消色性記録剤のトナー(以下、通常トナー)と、消色性記録剤のトナー(以下、消色トナー)を含む。通常トナーは、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などのトナーである。消色トナーは、通常トナーと同様に有色のトナーであり、例えば青色である。消色トナーは、通常トナーがシートに定着する定着温度よりも高い消色温度で加熱されることで消色する。
定着部150は、加熱ローラ150Aと加圧ローラ150Bを備える。加熱ローラ150Aは、シートの第1の面側からシートに熱を加える。加圧ローラ150Bはシートの第2の面側からシートに圧力を与える。定着部150は、この熱と圧力とによって、画像を形成する際にはシートに転写されたトナーを定着させる。
排紙ローラ160Aは、シートを排紙トレイ165に排紙する。排紙トレイ165は排紙されたシートを積載する。
コントロールパネル170は、表示部170Aおよび操作部170Bを備える。表示部170Aは、液晶ディスプレイおよび有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。表示部170Aは、画像処理装置1に関する種々の情報を表示する。操作部170Bは、複数のボタンなどを備え、ユーザの操作を受け付ける。操作部170Bは、ユーザによって行われた操作に応じた信号を制御部190に出力する。尚、表示部170Aと操作部170Bとは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
図2は、画像処理装置1のハードウェア構成の制御ブロック図である。画像処理装置1は制御部190、読取部100、記憶部175、コントロールパネル170、画像形成部135、定着部150、搬送部115A、排紙トレイ165、および通信インターフェース(I/F)180、を有する。画像処理装置1の各部は、バスライン185を介して接続される。
制御部190は、CPU(Central Processing Unit)或いはMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ195Aとメモリ195Bとを有する。メモリ195Bは、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)195Cと、プロセッサ195Aに一時的な作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)195Dを有する。RAM195Dは、読取部100で読み取った画像を一時的に保存してもよい。制御部190は、ROM195Cに格納された各種制御プログラム等に基づいて、画像処理装置1の各部を制御する。
記憶部175は、読取部100が読み取った画像データを保存する。記憶部175は、例えば、ハードディスクドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、若しくはフラッシュ・メモリ等の半導体記憶装置、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。記憶部175は後述する通信I/F180で接続する外部装置の情報を宛先の情報として記憶する。宛先の情報には宛先名や宛先番号(外部装置のFAX番号やE-mailアドレス等の情報)が含まれている。
搬送部115Aは、図1に示す搬送路115に配置される複数の搬送ローラ130およびこれらを駆動する複数の搬送モータを有する。搬送路115は、後述するシート収容部105から給紙されたシートを、画像形成部135および定着部150を経由させ排紙トレイ165まで搬送するための経路である。
排紙部160は、排紙ローラ160A、排紙口、排紙トレイ165を備える。排紙トレイ165は排紙ローラ160Aが排紙口から排紙したシートを積載する。
通信I/F180は、外部の機器と接続するインターフェースである。通信I/F180は、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線接続、光接続といったIEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3、IEEE3304等の適切な無線又は有線を介してネットワーク上の外部装置と通信する。通信I/F180は、更に、USB規格の接続端子が接続されるUSB接続部やパラレルインターフェース等を含んでもよい。制御部190は、通信I/F180を介して外部機器と通信する。
画像処理装置1は読取部100で読み取って取得した画像データのファイル等をe-mail等で外部装置へ送信することができる。またFAX機能として画像データを送信することができる。
次に図3を用いてコントロールパネル170上に表示される宛先選択画面(第1の画面)について説明する。この画面はコントロールパネル170がユーザによってFAX、スキャン画像送信の画面立ち上げ操作を受け付けた場合に表示される。図3の宛先選択画面には、宛先選択欄170a、宛先候補欄170b、宛先全削除ボタン170c、詳細設定欄170d、送信ボタン170eが表示されている。
宛先選択欄170aは記憶部175に登録されている宛先を表示する。それぞれの宛先選択欄170aには宛先名とメール送信を示すアイコンが表示されている。図3の例では宛先が9件表示されており、それぞれの宛先には文字が8桁、または数字が9桁表示されている。この宛先は宛先名が9個以上の文字で記憶部175に登録されている場合であっても8桁までしか表示しない。同様にこの宛先は宛先名が10桁以上の数字で記憶部175に登録されている場合であっても9桁までしか表示しない。
宛先候補欄170bはユーザによって宛先選択欄170aで選択された宛先と選択された宛先数が表示されている。図3の例では宛先候補が4件表示されており、それぞれの宛先には文字が10個、または数字が11個表示されている。この宛先名は宛先が11個以上の文字で登録されている場合であっても10個までしか表示しない。同様にこの宛先は宛先名が12個以上の数字で登録されている場合であっても11個までしか表示しない。
宛先全削除ボタン170cは宛先候補欄170bに登録されている宛先を全て削除する。
詳細設定欄170dは詳細設定画面を表示する複数のボタンを含む。詳細設定欄170dには用紙サイズを変更する用紙サイズ変更ボタン、解像度を変更する解像度ボタン、プレビューを表示するプレビューボタンがある。図3の例ではサイズは“自動”、解像度は“普通”が選択されている。
送信ボタン170eは画像データを送信するための欄である。ユーザによって押下されると電子データを宛先候補欄170bの宛先に送る。
図3の表示の場合、ユーザは宛先を選択する際、例えば宛先名が「(株)東芝テック 三島事業所」で登録されている宛先と、「(株)東芝テック 大仁事業所」で登録されている宛先を識別することが出来ない。また、宛先候補欄170bには「(株)東芝テック 三」または「(株)東芝テック 大」まで表示されるので、ユーザは送り先を識別できる。しかし、この方法で宛先を特定しようとすると不要な宛先を一旦宛先候補欄170bに追加し、さらに宛先候補欄170bから削除する手間がかかる。また、この場合であっても宛先名が「(株)東芝テック 三島事業所 知的財産室」と「(株)東芝テック 三島事業所 正門警備室」とを区別することはできない。よって、本実施例では宛先選択欄170aを選択するとサブウインドウ200を表示する。
図4はサブウインドウ(第2の画面)200を示す図である。サブウインドウ200は宛先選択画面においてユーザに宛先選択欄170aの宛先を選択されると表示される。図4の例ではサブウインドウ200には宛先名欄200Aと宛先番号欄200Bが表示されている。また、画面下部には決定ボタン200Cとキャンセルボタン200Dが表示されている。なお、表示部Aの表示画面が宛先選択画面からサブウインドウ200に切り替わってもよいし、宛先選択画面の上に被さるようにサブウインドウ200が表示されてもよい。
宛先名欄200Aには宛先名として50桁の文字が表示されている。この宛先名欄200Aには図3の宛先選択欄170aおよび宛先候補欄170bに表示される桁数よりも多くの桁数を表示することが出来る。なお、宛先名欄200Aでの表示方法として34桁目以降の文字を折り返して表示しているがこれに限定されない。例えば、文字が左から右へ流れるように表示することで全ての文字を確認できるようにしてもよい。またコントロールパネル170上の操作により文字をスクロールできるようにしてもよい。
宛先番号欄200Bには宛先番号として90桁の数字が表示されている。この宛先番号欄200Bには図3の宛先選択欄170aおよび宛先候補欄170bに表示される桁数よりも多くの桁数を表示することが出来る。なお、宛先名欄200Aでの表示方法として42桁目以降の数字を折り返して表示しているがこれに限定されない。例えば、数字が左から右へ流れるように表示することで全ての数字を確認できるようにしてもよい。またコントロールパネル170上での操作により数字をスクロールできるようにしてもよい。
決定ボタン200Cは宛先を決定するボタンである。決定ボタン200Cを押下されるとサブウインドウ200に表示されている宛先を宛先候補欄170bに追加してサブウインドウ200を閉じる。表示されていた宛先が既に宛先候補欄170bに追加されている場合は再度追加することなくサブウインドウ200を閉じる。
キャンセルボタン200Dは宛先をキャンセルするボタンである。キャンセルボタン200Dを押下されるとサブウインドウ200を閉じる。この際サブウインドウ200に表示されている宛先は宛先候補欄170bには追加されない。
図5はサブウインドウ(第2の画面)201を示す図である。サブウインドウ201は宛先選択画面においてユーザに宛先候補欄170bの宛先を選択されると表示される。図5の例ではサブウインドウ201には宛先名欄201Aと宛先番号欄201Bが表示されている。また、画面下部には決定ボタン201Cとクリアボタン201Dが表示されている。なお、表示部170の表示画面が宛先選択画面からサブウインドウ201に切り替わってもよいし、宛先選択画面の上に被さるようにサブウインドウ201が表示されてもよい。なお、宛先名欄201A、宛先番号欄201Bに表示される内容はそれぞれ図4に示すサブウインドウ200における宛先名欄200A、宛先番号欄200Bと同様のものである。
決定ボタン201Cは宛先を決定するボタンである。サブウインドウ201に表示される宛先は既に宛先候補欄170bに追加された宛先であるため、決定ボタン201Cを押下されると再度宛先を宛先候補欄170bに追加することなくサブウインドウ201を閉じる。
クリアボタン201Dは宛先を削除するボタンである。クリアボタン201Dを押下されるとサブウインドウ200を閉じる。さらに表示されていた宛先を宛先候補欄170bから削除する。
このようにサブウインドウ200および201を表示することによりユーザは選択した宛先の宛先名や宛先番号を全桁確認することが出来るので選択した宛先が適切な宛先であるかを確認したうえで、宛先候補欄170bに追加する、または宛先候補欄170bから削除することが出来る。
次にサブウインドウ200、201を表示させる条件について説明する。サブウインドウ200、201は宛先が選択されるたびに表示してもよいが、宛先名が十分に短い(例えば宛先名の全ての文字また数字が宛先選択欄170aや宛先候補欄に表示できる)場合にも毎回サブウインドウ200、201を表示されるとユーザがその都度サブウインドウ200、201を閉じるという手間が発生してしまう。よって本実施形態ではサブウインドウ200、201は所定の条件を満たす場合にのみ表示する。所定の条件とは例えば宛先名および/または宛先番号(FAX番号やメールのアドレス番号)が所定の桁数より多い桁数からなることである。所定の桁数とは宛先選択欄170aや宛先候補欄170bに表示可能な桁数である。または、所定の桁数はユーザによって予め設定された桁数であってもよい。
図6は宛先選択処理における制御フローチャートである。以下の例では宛先名の桁数が所定の桁数より多いことを所定の条件として説明する。以下の例では、ユーザ操作により宛先選択画面を表示した状態からスタートする。
制御部190は、ユーザから宛先選択欄170aの宛先を選択されると(ACT100)、選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いか否かを判断する(ACT101)。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が少ないと判断すると(ACT101、NO)、選択された宛先を宛先候補欄170bへ追加する(ACT106)。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いと判断すると(ACT101、YES)、サブウインドウ200を表示する(ACT102)。その後、制御部190はユーザから決定ボタン200Cまたはキャンセルボタン200Dが押下されるまで待機する(ACT103、NO)。いずれかのボタンが押下されると(ACT103、YES)、制御部190は決定ボタン200Cが押下されたかを判断する(ACT104)。制御部190は押されたボタンが決定ボタン200Cであると判断した場合(ACT104、YES)、サブウインドウ200を閉じる(ACT105)。その後、制御部190は選択された宛先を宛先候補欄170bへ追加する(ACT106)。その後制御部190は処理をACT107へ進める。
ACT104にて、制御部190が押下されたボタンは決定ボタン200Cではないと判断した場合(ACT104、NO)、制御部190はキャンセルボタン200Dを押下されたと判断する(ACT110)。その後、制御部190はサブウインドウ200を閉じて処理をACT107へ進める。
ACT107にて、制御部190は他の宛先が選択されると処理をACT100へ戻す(ACT107、NO)。他の宛先の選択がない状態で(ACT107、YES)、ユーザからの送信操作がなければ(ACT108、NO)、制御部190は処理をACT107へ戻す。ACT108にて、制御部190はユーザからの送信ボタン170eの操作があった場合は(ACT108、YES)、画像データを選択された宛先に送信し(ACT109)、一連の処理を終了する。
次にユーザが宛先候補欄170bの宛先を選択した場合の処理について説明する。図7は宛先候補選択処理における制御フローチャートである。以下の例では、ユーザ操作により宛先選択画面を表示した状態からスタートする。
制御部190は、ユーザから宛先候補欄170bの宛先を選択されると(ACT200)、選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いか否かを判断する(ACT201)。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が少ないと判断すると(ACT201、NO)、処理をACT206へ進める。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いと判断すると(ACT201、YES)、サブウインドウ201を表示する(ACT202)。
その後、制御部190はユーザから決定ボタン201Cまたはクリアボタン201Dが押下されるまで待機し(ACT203、NO)、決定ボタン201Cが押下されると(ACT204、YES)、サブウインドウ201を閉じる(ACT205)。その後、制御部190は処理をACT206へ処理を進める。ACT203にて制御部190は押下されたボタンが決定ボタン201Cでなければクリアボタン201Dが押下されたと判断し(ACT209)、サブウインドウ201を閉じる。さらに宛先候補欄170bから宛先を削除する(ACT210)。その後、制御部190は処理をACT206へ処理を進める。
制御部190はACT206にて他の宛先が選択されると処理をACT200へ戻す(ACT206、NO)。他の宛先の選択がない状態で(ACT206、YES)、ユーザからの送信操作がなければ(ACT207、NO)、制御部190は処理をACT206へ戻す。ユーザからの送信ボタン170eの操作があった場合は(ACT207、YES)、画像データを選択された宛先に送信し(ACT208)、一連の処理を終了する。
以上、本実施形態の画像処理装置1は、宛先名の桁数が多い宛先が選択された場合にサブウインドウにより宛先の全桁を表示することで宛先の選択間違いを防止することが出来る。さらに、サブウインドウは所定の条件を満たした場合のみに表示されるため宛先名が短い宛先を選択した場合にサブウインドウを閉じる手間を省くことが出来る。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。本実施形態では、所定の条件としてユーザに選択された宛先と類似の宛先がある場合にサブウインドウを表示する。
類似の宛先とは、例えば選択された宛先の宛先名の全桁が宛先選択欄170aおよび/または宛先候補欄170bに表示しきれず、さらに表示されている部分の文字および/または数字が他の宛先の宛先名の表示されている文字および/または数字と同一である宛先である。例えば、「(株)東芝テック 三島事業所」で登録されている宛先と、「(株)東芝テック 大仁事業所」で登録されている宛先は図3の画面では「(株)東芝テック」としか表示されておらず、表示されている部分については同一の文字が表示されているため類似の宛先である。
その他、例えば宛先名のうち、予め定められた桁数が一致する宛先同士は類似の宛先としてもよい。例えば宛先名の上5桁と他の宛先名の上5桁が一致していればそれらの宛先は互いに類似の宛先と判断してもよい。また宛先の登録時にユーザが予め類似の宛先として2以上の宛先を紐付けて登録しておいてもよい。
なお、本実施形態において表示されるサブウインドウは図4に示すようなサブウインドウ200に限らない。
次にサブウインドウ200における宛先表示の変形例について説明する。図8はサブウインドウ200の変形例であるサブウインドウ202を示す図である。サブウインドウ202はユーザによって選択された宛先を含む複数の宛先を表示する。表示される宛先は、ユーザによって選択された宛先および選択された宛先に類似する宛先である。この例ではサブウインドウ202には3件の宛先の情報が表示されている。画像処理装置1はユーザから宛先の選択を受け付けると、選択された宛先と選択された宛先と類似する宛先の情報をサブウインドウ202に表示する。ユーザは表示されている複数の宛先から所望する適切な宛先を選択して決定ボタン200Cを押下することで選択された宛先を宛先候補欄170bへ追加することが出来る。
図9はサブウインドウ200の他の変形例であるサブウインドウ203を示す図である。この例のサブウインドウ203には類似宛先表示ボタン203Aが表示されている。画像処理装置1はユーザから宛先の選択を受け付けると、選択された宛先を表示する。類似宛先表示ボタン203Aはページ送りボタン203B、ページ番号203C、およびページ戻しボタン203Dを含む。ユーザがページ送りボタンまたはページ戻しボタンを押すことで類似の宛先間で表示される内容を切り替えることができる。
これら変形例により、ユーザは宛先選択欄170の宛先を1つ1つ選択して確認する手間が省け、1つの宛先を選択したときにサブウインドウ200に表示された複数の宛先の中から適切な宛先を1つ選ぶことが出来る。
図10は宛先選択処理における制御フローチャートである。以下の例では宛先名の桁数が所定の桁数より多いことを所定の条件として説明する。また、類似の宛先は、選択された宛先の宛先名が宛先選択欄170aに表示しきれず、さらに表示されている部分の文字が他の宛先の宛先名の表示されている文字と同一である宛先とする。以下の説明では表示されるサブウインドウは図4のサブウインドウ200と同様のものとして説明する。
制御部190は、ユーザから宛先選択欄170aの宛先を選択されると(ACT300)、選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いか否かを判断する(ACT301)。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が少ないと判断すると(ACT301、NO)、選択された宛先を宛先候補欄170bへ追加する(ACT307)。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いと判断すると(ACT301、YES)、類似の宛先があるかを判断する(ACT302)。類似の宛先が無いと判定されれば(ACT302、NO)、制御部190は選択された宛先を宛先候補欄170bへ追加する(ACT307)。類似の宛先があると判定されれば(ACT302、YES)、制御部190はサブウインドウ200を表示する(ACT303)。その後、制御部190はユーザから決定ボタン200Cまたはキャンセルボタン200Dが押下されるまで待機し(ACT304、NO)、いずれかのボタンが押下されると制御部190は決定ボタン200Cが押下されたかを判断する(ACT305)。制御部190は決定ボタン200Cが押下されたと判断すると(ACT305、YES)、サブウインドウ200を閉じる(ACT306)。その後、制御部190は選択された宛先を宛先候補欄170bへ追加する(ACT307)。ACT305にて制御部190は押下されたボタンが決定ボタン200Cでなければキャンセルボタン200Dが押下されたと判断し(ACT311)、サブウインドウ200を閉じる。その後、制御部190は処理をACT308へ処理を進める。
制御部190はユーザが選択した宛先を宛先候補欄170bへ追加した後、他の宛先が選択されると処理をACT300へ戻す(ACT308、NO)。他の宛先の選択がない状態で(ACT308、YES)、ユーザからの送信操作がなければ(ACT309、NO)、制御部190は処理をACT308へ戻す。ユーザからの送信ボタン170eの操作があった場合は(ACT309、YES)、画像データを選択された宛先に送信し(ACT310)、一連の処理を終了する。
次にユーザが宛先候補欄170bの宛先を選択した場合の処理について説明する。図11は宛先候補選択処理における制御フローチャートである。
制御部190は、ユーザから宛先候補欄170bの宛先を選択されると(ACT400)、選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いか否かを判断する(ACT401)。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が少ないと判断すると(ACT401、NO)、処理をACT407へ進める。制御部190は選択された宛先の宛先名の桁数が所定の桁数より多いと判断すると(ACT401、YES)、類似の宛先があるかを判定する(ACT402)。類似の宛先が無いと判定されれば(ACT402、NO)、制御部190はACT407へ処理を進める。類似の宛先があると判定されれば(ACT402、YES)、制御部190はサブウインドウ201を表示する(ACT403)。その後、制御部190はユーザから決定ボタン201Cまたはクリアボタン201Dが押下されるまで待機する(ACT404、NO)。いずれかのボタンが押下されると、制御部190は決定ボタン200Cが押下されたかを判断する(ACT405)。制御部190は押下されたボタンが決定ボタン201Cであると判断すると(ACT405、YES)、サブウインドウ201を閉じる(ACT406)。その後、制御部190は処理をACT407へ処理を進める。制御部190は押下されたボタンが201Cではないと判断すると(ACT405、NO)、クリアボタン201Dが押下されたと判断し(ACT410)、サブウインドウ201を閉じて宛先候補欄170bから宛先を削除する(ACT411)。その後、制御部190は処理をACT407へ進める。
制御部190はACT407にて他の宛先が選択されると処理をACT400へ戻す(ACT407、NO)。他の宛先の選択がない状態で(ACT407、YES)、ユーザからの送信ボタン170eの操作がなければ(ACT408、NO)、制御部190は処理をACT407へ戻す。ユーザからの送信ボタン170eの操作があった場合は(ACT408、YES)、画像データを選択された宛先に送信し(ACT409)、一連の処理を終了する。
これにより宛先名が宛先欄170aおよび/または宛先候補欄170bに表示できないほど桁数が所定の桁数より多い場合であっても類似の宛先がなければサブウインドウ200、201を表示しないためユーザがサブウインドウ200、201を閉じる手間を省くことができる。
なお、本実施例では所定の条件として宛先名の桁数が所定の桁数より多いこと、および類似の宛先があることを条件としたがこれに限定されない。所定の条件は類似の宛先があるか否かのみを条件としてもよい。
また、上記の例では宛先候補欄170bの宛先が選択された場合にサブウインドウ201を表示するものとして説明したが、宛先候補欄170bに登録されている宛先は既に宛先選択欄170aで選択した際に確認済みであるため宛先候補欄170bを押下した際に改めてサブウインドウ201を表示しなくてもよい。
第2の実施形態では宛先候補欄170bの宛先が選択された場合も類似の宛先があるか否かによってサブウインドウ201を表示するか否か判断していたがこれに限定されない。宛先候補欄170bの宛先が選択された場合は類似の宛先があるか否かに関わらずサブウインドウ201を表示してもよい。
(変形例)
次に上述した第1の実施形態および第2の実施形態の変形例について説明する。この変形例の画像処理装置1はユーザが宛先を長押しすることで宛先選択画面上にサブウインドウをポップアップ表示する。
図12は本実施形態における宛先選択画面とサブウインドウ204を示す図である。図3を用いて説明した宛先選択画面において、ユーザがコントロールパネル170上の宛先を指で押下する、またはキーを用いて選択用カーソルを合わせるとサブウインドウ204を表示する。また、ユーザがコントロールパネル170上の宛先から指を離す、または選択用カーソルを離すとサブウインドウ204の表示を終了させる。表示されるサブウインドウ204には図4のサブウインドウ200同様に宛先名と宛先番号が表示されている。
サブウインドウ204は例えばユーザがコントロールパネル170上の宛先から指を離すことでサブウインドウ204の表示を終了させるため、図4のような決定ボタン200C、キャンセルボタン200D、および図5のクリアボタン201Dは表示しなくてもよい。
図3に戻り、ユーザが宛先を選択するとコントロールパネル170上にサブウインドウ200や204等を表示することなく選択された宛先を宛先候補欄170bへ追加する。これにより、画像処理装置1はユーザがサブウインドウ200を閉じる手間を省きつつ、ユーザが所望する適切な宛先を宛先候補欄170bに追加させることが出来る。
また、上記の例ではコントロールパネル170上で宛先を選択することを例に説明したがこれに限定されない。例えば宛先の選択は画像処理装置1と無線通信により接続可能な外部機器(スマートフォンやPC等)上で行われてもよい。例えば、ユーザが画像処理装置1と無線通信により接続されたスマートフォン上で宛先を選択し、その情報に基づいて画像処理装置1からFAXやe-mailを送信する場合、宛先選択画面をスマートフォン上に表示する。さらに、スマートフォン上で選択された宛先が所定の条件を満たす場合のみサブウインドウを表示する。これにより上記の実施形態同様にユーザは適切な宛先を選択することが出来る。なお、スマートフォン上に表示される宛先の情報はスマートフォンの記憶部に記憶されていてもよいし、無線通信を介して接続されているサーバや画像処理装置1から取得してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。