本発明に係る割付システムは、樋の割り付け図面を作図し、この割り付け図面から施工部品の数量を容易に算定できるように構成される。以下、本実施形態の割付システム1について説明する。
図1は、本実施形態の割付システム1の構成を模式的に示したブロック図である。図1に示されるように、割付システム1は、作図装置2、集計装置3、算定装置4、発注装置5、表示装置6を備えて構成される。作図装置2は、記憶部21、樋情報受付部22、抽出部23、提示部24、描画部25、図面作成部26を有する。算定装置4は、単価情報記憶部41、算定部42を有する。発注装置5は、施工費用提示部51、承認情報取得部52、発注部53を有する。各機能部は、樋の割り付けに係る処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
作図装置2は、樋の割り付け図面を作成する。樋とは、建物に設けられ、屋根や床面を流れる雨水を集め、地上や地下の管や枡に導くための装置である。割り付け図面とは、このような樋を屋根や床面から管や枡に配置するにあたり、どのような種類の樋や固定具を利用するのかを示した図である。したがって、作図装置2は、建物に設けられ、屋根や床面を流れる雨水を集め、管や枡に導くための装置を、屋根や床面から地上や地下の管や枡に配置するにあたり、どのような種類の樋や固定具を使用するのかを示した図を作成する。
記憶部21には、樋の施工に用いられる施工部品に関連付けされた部品イメージが記憶されている。樋の施工に用いられる施工部品とは、上述したような樋や当該樋を建物に固定するための固定具である。部品イメージとは、ユーザが樋の割り付けをデザインする際に、樋をイメージし易くするために樋を図示した画像である。このような部品イメージは、樋や固定具の種類毎に設けられている。したがって、記憶部21には、このような部品イメージが夫々の樋や固定具と関連付けされて、複数、記憶されている。以下、「樋」には、固定具も含むものとする。
樋情報受付部22は、施工に用いられる樋の情報を受け付ける。施工に用いられる樋の情報とは、割り付け図面において主となる樋である主管の長さ、形状、径、色、材質を示す情報である。このような樋の情報は、ユーザにより入力デバイス(例えばマウスやペン)を介して入力される。樋情報受付部22は、このようなユーザにより入力された樋の情報を受け付ける。
抽出部23は、樋の情報に基づいて記憶部21から部品イメージを抽出する。樋の情報とは、上述した樋情報受付部22により受け付けられた樋の情報である。また、記憶部21には施工部品と関連付けして部品イメージが記憶されている。したがって、抽出部23は、樋の情報により示される樋と関連付けされた部品イメージを記憶部21から抽出する。
提示部24は、抽出部23により抽出された部品イメージを示す部品情報を候補部品として候補部品提示領域に提示する。抽出部23により抽出された部品イメージとは、上述したように、樋情報受付部22により受け付けられた樋の情報に基づいて抽出部23が記憶部21から抽出した部品イメージである。部品イメージを示す部品情報とは、部品イメージそのものではなく、部品イメージを簡素化(或いはイラスト化)して表した情報である。候補部品とは、樋の施工に用いられる施工部品の候補となる部品である。候補部品提示領域とは、候補部品を列挙して提示するのに用いられる領域であって、本実施形態では表示装置6の表示画面に設けられる。したがって、提示部24は、樋情報受付部22により受け付けられた樋の情報に基づいて抽出部23が記憶部21から抽出した部品イメージを簡素化(或いはイラスト化)して表した情報を、樋の施工に用いられる施工部品の候補となる部品として、表示装置6の表示画面に設けられた候補部品提示領域(例えば、図2のR2)に列挙して提示する。
描画部25は、提示部24により提示された部品情報のうち、選択された部品情報に応じた部品イメージを作図領域に描画する。提示部24により提示された部品情報とは、上述した提示部24により、表示装置6の表示画面に設けられた候補部品提示領域に列挙して提示された樋の施工に用いられる施工部品の候補となる部品を示す情報である。ここで、提示部24により候補部品提示領域に列挙して提示された部品情報は、割り付け図面を作成するユーザが選択するように構成される(詳細は後述する)。このため、選択された部品情報に応じた部品イメージとは、提示部24により候補部品提示領域に列挙して提示された部品情報のうち、ユーザにより選択された部品情報に応じた部品イメージが相当する。作図領域とは、割り付け図面を作図する領域であって、本実施形態では表示装置6の表示画面に設けられる。したがって、描画部25は、表示装置6の表示画面に設けられた候補部品提示領域に列挙して提示された樋の施工に用いられる施工部品の候補となる部品を示す情報のうち、ユーザにより選択された部品情報に応じた部品イメージを、表示装置6の表示画面に設けられる作図領域(例えば、図2のR3)に描画する。このような描画は、割り付け図面の作成にあたり必要な施工部品の数だけ行われる。
図面作成部26は、作図領域への描画に基づいて割り付け図面を作成する。上述したように描画部25により部品イメージが描画され、樋の施工に必要な描画が完了すると、図面作成部26は、作図領域の描画に基づいて割り付け図面を作成する。作図装置2により作図された割り付け図面は、後述する集計装置3に伝達されると共に、後述する表示装置6の表示画面に表示される。
集計装置3は、完成した割り付け図面から、施工に用いる施工部品の個数を集計する。割り付け図面は、上述したように作図装置2から伝達される。集計装置3は、この完成した割り付け図面から、当該割り付け図面に含まれる施工部品を種類毎に分類し、夫々の個数を集計する。このように集計された結果を確認することで、ユーザは樋の施工に用いられる施工部品の個数を把握することが可能となる。本実施形態では、集計装置3により施工部品の個数が集計された集計結果は、後述する算定装置4に伝達される。
単価情報記憶部41には、施工部品の単価を示す単価情報が記憶されている。施工部品とは、樋の施工に用いられる部品であって、且つ、記憶部21に部品イメージが記憶されている部品である。施工部品の単価を示す単価情報とは、施工部品1つ当たりの価格を示す情報である。したがって、単価情報記憶部41には、記憶部21に記憶されている部品イメージと関連付けされ、樋の施工に用いられる全ての部品の1つ当たりの価格を示す情報が記憶されている。
算定部42は、施工部品の個数と施工部品の単価情報とに基づいて、施工部品の施工費用を算定する。施工部品の個数は、施工部品の個数が集計された集計結果として上述した集計装置3から伝達される。施工部品の単価情報は、上述した単価情報記憶部41から取得する。算定部42は、施工部品の個数が集計された集計結果から、施工部品の個数を取得し、この施工部品の単価情報を単価情報記憶部41から取得する。更に、取得した施工部位品の個数と単価情報により示される単価とから施工部品の費用を算定する。例えば、単価情報に、施工部品を施工する際の工賃も関連付けて記憶しておけば、算定部42が施工部品の費用を算定する際に、施工部品を施工する工賃も併せて算定することが可能である。
施工費用提示部51は、算定部42によって算定された施工費用を、ネットワークを介して施主に提示する。算定部42によって算定された施工費用は、算定部42から取得する。施主とは、樋の施工を割付システム1のユーザに依頼してきた依頼者である。割付システム1は、施主の端末7とネットワークにより通信可能に構成されている。したがって、施工費用提示部51は、算定部42から取得した施工費用を、ネットワークに接続された施主の端末7に表示し、施主に提示する。
承認情報取得部52は、施主の承認結果を示す承認情報を取得する。端末7に表示された施工費用について、施主が同意すれば、施主により端末7に対して承認することを示す承認情報が入力される。承認情報取得部52は、このように端末7において施主により入力された承認情報を、ネットワークを介して取得する。
発注部53は、承認情報を取得した場合に、樋の施工を行う施工業者に割り付け図面に基づく施工を発注する。施工業者とは、割付システム1のユーザが割り付け図面に沿った樋の施工を依頼する業者である。施工業者の端末8は、割付システム1とネットワークにより通信可能に構成されている。発注部53は、上述した承認情報取得部52が施主の端末7から承認情報を取得すると、割り付け図面に沿った樋の施工を、施工業者に対し端末8を介して発注する(依頼する)。この発注を行う際、施工業者の端末8に、発注する樋に係る割り付け図面を送付するように構成すると良い。これにより、施工業者が、樋の施工に必要な施工部品や、樋の割り付けを把握することが可能となる。
次に、表示装置6の表示画面に表示される画像を例に挙げて説明する。図2-図18には作図装置2による割り付け図面の作成例が示され、図19には集計装置3による集計結果と割り付け図面が示される。
図2に示されるように、表示装置6の表示画面には、上述した候補部品提示領域と作図領域と共に、樋の情報が入力される樋情報入力領域と、割り付け図面に割り付けられた部品を表示する割付部品表示領域とが設けられる。以下では、理解を容易にするために、樋情報入力領域には符号R1を付して示し、候補部品提示領域には符号R2を付して示し、作図領域には符号R3を付して示す。また、割付部品表示領域には符号R4を付して示す。
割り付け図面を作図するにあたり、図2に示されるように、まず、主管として用いる樋の情報が樋情報入力領域R1に入力される。図2の例では、色として「シルバー」、サイズとして「60Φ」が入力されている。これらの入力は、樋情報入力領域R1に設けられたチェックボックスを、ユーザが入力デバイスの操作(例えばマウスによるクリック操作)により選択して行うことが可能である。これにより、樋情報入力領域R1に入力された条件を具備する施工部品に関連付けされた部品イメージを示す部品情報が、候補部品提示領域R2に候補部品として提示される。図2の例では、「飾りますD型」、「エルボ」、「T字管」が提示されている。
続いて、候補部品提示領域R2に提示された候補部品の部品情報のうち、樋の施工に用いられる施工部品に係る部品情報がユーザの入力デバイスの操作(例えばマウス操作)により、作図領域R3にドラッグ(移動)&ドロップ(配置)される。図2の例では、「飾りますD型」がドラッグ&ドロップされ、その状況が破線で示されている。部品情報が作図領域R3にドラッグ&ドロップされると、当該部品情報に応じた部品イメージ(図2では、飾りますD型の部品イメージ)が作図領域R3に表示される(図2参照)。作図領域R3に表示された部品イメージには、図2に示されるように、部品イメージを識別可能な識別子(図2の例では数字「1」)が付される。
作図領域R3に部品イメージが描画されている場合には、抽出部23は当該描画されている部品イメージにおいて選択されている部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品の部品イメージを記憶部21から抽出する。具体的には、作図領域R3において「1」が付された部品イメージが描画され、当該部品イメージが選択されている場合には、図3に示されるように、抽出部23は、当該「1」が付された部品イメージの施工部品(飾りますD型)に接続可能な施工部品を示す部品イメージを記憶部21から抽出し、候補部品提示領域R2に抽出した部品イメージの部品情報を提示する。
図3では、候補部品提示領域R2に樋(本体)の候補部品に係る部品情報が提示されている。候補部品提示領域R2に提示された候補部品の部品情報のうち、樋の施工に用いられる施工部品に係る部品情報がユーザのマウス操作により作図領域R3にドラッグ&ドロップされる。作図領域R3にドロップされた部品情報に応じた部品イメージは、図3に示されるように、作図領域R3に先に表示されている「1」が付された飾りますD型の部品イメージと接続するように表示される。このとき、新たにドロップされた本体の部品イメージには、識別子として「2」が付される。また、この時点では作図領域R3において「1」が付された部品イメージが選択されていることから、「1」が付された部品イメージは、「2」が付された部品イメージとは異なる色を付して表示される。割付部品表示領域R4には、作図領域R3において描画された「1」が付された部品イメージの施工部品を示す情報(名称)と「2」が付された部品イメージの施工部品を示す情報(名称)とが表示される(図3参照)。
続いて、作図領域R3において「2」が付された部品イメージに係る施工部品に接続する施工部品を選定するために、「2」が付された部品イメージが選択される。これにより、「2」が付された部品イメージに、他の部品イメージ(「1」が付された部品イメージ)の色とは異なる色が付される(図4参照)。また、図4に示されるように、「2」が付された部品イメージの選択に応じて、「2」が付された部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品に係る部品情報が、候補部品として候補部品提示領域R2に提示される。候補部品提示領域R2に提示された候補部品の部品情報のうち、樋の施工に用いられる施工部品に係る部品情報がユーザのマウス操作により作図領域R3にドラッグ&ドロップされる。作図領域R3にドロップされた部品情報に応じた部品イメージは、作図領域R3に表示されている「2」が付された部品イメージと接続するように表示される。このとき、新たにドロップされた部品イメージ(図4ではエルボの75)には、識別子として「3」が付される。また、割付部品表示領域R4には、作図領域R3において「1」-「3」が付された部品イメージの施工部品を示す情報(名称)が表示される。
上記のように、作図領域R3において「1」-「3」が付された部品イメージが描画されると、図4に示されるような「1」が付された部品イメージから「3」が付された部品イメージまでの長さを設定する入力ウィンドウが表示される。作図領域R3に描画された部品イメージの長さは、当該部品イメージに隣接する部品イメージを基準に変更可能である。図4の例では、「1」が付された部品イメージから「3」が付された部品イメージまでの長さとして「1000」mmが入力されている。この時、「1」が付された部品イメージに係る施工部品と「3」が付された部品イメージに係る施工部品とは、長さが変更できない部品であり、「2」が付された部品イメージは直線状の本体であるため、「2」が付された部品イメージの長さが「1000」mmに応じて設定されることになる。具体的には、「1」が付された部品イメージの中心部(パイプ芯寸法の測定時における基準部位)と、「3」が付された部品イメージの中心部(パイプ芯寸法の測定時における基準部位)との間が「1000」mmとなるように設定される(したがって、「2」が付された部品イメージの長さは、1000mm未満となる)。「1」が付された部品イメージから「3」が付された部品イメージまでの長さが入力されると、図5に示されるように、寸法線と共に、入力された長さが作図領域R3に表示される。すなわち、図4と比べて図5の作図領域R3に表示された「2」が付された部品イメージの長さが長くなっている。
提示部24は、候補部品提示領域R2に提示した部品情報に対する操作に応じて、当該部品情報の提示形態を変更して提示する。すなわち、候補部品提示領域R2に提示された候補部品に係る部品情報は、向きを変更することが可能である。例えば図4の状態において、候補部品提示領域R2に提示された候補部品に係る部品情報に対して、ユーザが所定の操作(例えば、候補部品上に置いたマウスに対するクリック操作)を行うと、図6に示されるように、候補部品提示領域R2において、当該操作がなされた候補部品の向きが変更して提示される。このように向きが変更された部品情報がユーザのマウス操作により作図領域R3にドラッグ&ドロップされると、向きが変更された部品情報に応じた部品イメージが、作図領域R3に表示されている「2」が付された部品イメージと接続するように表示される。なお、表示画面は2次元であるため、表示画面の手前方向及び奥方向への向きは変更されなくても良い。
図5に戻り、作図領域R3にドロップされた「3」が付された部品イメージは、「2」が付された部品イメージに接続された側とは反対側が、表示画面の上下方向及び左右方向の双方に対して交差する角度で構成されている(図5では画面の上下方向に対して75度傾斜)。このような場合、抽出部23は、描画されている部品イメージにおいて選択されている部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品の部品イメージを抽出した場合、提示部24は、抽出された部品イメージの部品情報の提示形態を選択された部品イメージに接続可能な形態で提示する。すなわち、抽出部23が、作図領域R3において選択されている「3」が付された部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品の部品イメージを記憶部21から抽出した場合、提示部24は、図7に示されるように、作図領域R3において、「3」が付された部品イメージにおける、「2」が付された部品イメージに接続された側とは反対側に接続可能なように、作図領域R3において選択されている部品イメージの角度に応じて表示形態を変更して提示する。すなわち、作図領域R3において選択されている部品イメージの角度に合わせて提示する。
続いて、作図領域R3において「3」が付された部品イメージに対して、順次、部品イメージが設けられる(接続される)。この時、作図領域R3において「3」が付された部品イメージは、表示画面の上下方向及び左右方向に対して角度を有することがある。すなわち、「3」が付された部品イメージにおける、「2」が付された部品イメージが接続される側とは反対側に接続される部品イメージ(例えば「「4」が付された部品イメージ」とする)、更にはその先に接続される部品イメージ(例えば「「5」が付された部品イメージ」とする)も、同様の角度を有する場合がある。この場合にも、「4」が付された部品イメージが直線状の本体であるため、「3」が付された部品イメージから「5」が付された部品イメージまでの長さを設定する入力ウィンドウが表示され、「3」が付された部品イメージから「5」が付された部品イメージまでの長さが入力された長さに応じて、「4」が付された部品イメージの長さが設定される。なお、この入力は、表示画面における左右方向の長さとして設定される。よって、表示画面には、寸法線と共に、入力された長さが左右方向の長さとして作図領域R3に表示される(図8参照)。また、これに合わせて上下方向の長さも算定して表示される(図8参照)。また、「6」が付された部品イメージが直線状の本体であるため、「5」が付された部品イメージから「7」が付された部品イメージまでの長さを設定する。このようにして、最下部まで施工部品に係る部品イメージを配置して長さを設定することで、割り付け図面が完成する。図8には、寸法線と共に、入力された長さが作図領域R3に表示された割り付け図面が示される。
割り付け図面には、樋を建物の壁に支持する支持金具を配置することも可能である。支持金具の配置は、接続部品を除く樋毎に行うことが可能である。図9の例では、「6」が付された部品イメージが選択され、「6」が付された部品イメージに支持金具の部品イメージを配置する例が示される。支持金具を配置したい場合には、候補部品提示領域R2の上方の「支持金具のみを表示」のチェックボックスにチェックを入力することで、候補部品提示領域R2に、作図領域R3において選択されている部品イメージの施工部品に配置可能な支持金具の部品情報が提示される。部品情報を作図領域R3において選択されている部品イメージに設ける場合には、候補部品提示領域R2において提示されている部品情報を当該選択されている部品イメージにドラッグ&ドロップすると良い。これにより、図10に示されるように、「支持間隔」、及び「壁からの距離」に関する情報を入力する入力ウィンドウが表示される。「支持間隔」とは支持金具を設ける間隔であって、「壁からの距離」は、壁からの樋の位置である。これらの入力に応じて、支持金具を、作図領域R3において選択されている部品イメージの上側に接続されている接続部品との接続部分から、支持間隔毎に配置することが可能となる。なお、これらの入力は、所定の部位毎に行うように構成される。本実施形態では、図10に示されるように、「1」が付された部品イメージから「3」が付された部品イメージまでの支持間隔を入力する入力ウィンドウが表示される。「1」が付された部品イメージから「3」が付された部品イメージまでの支持間隔の入力が完了すると(「OK」ボタンを押下すると)、続いて「3」が付された部品イメージから「5」が付された部品イメージまでの支持間隔の入力する入力ウィンドウが表示され、更にそれが完了すると、「5」が付された部品イメージから「7」が付された部品イメージまでの支持間隔の入力する入力ウィンドウが表示される。
樋を施工するにあたり分岐させたり、合流させたりすることもあるが、このような場合にあっては、樋の端部に例えばT字状のT字管が設けられる。例えば表示画面の上下方向に沿って延出するように設けられた樋の部品イメージにT字管を設けた場合、当該T字管には互いに異なる2つの方向に沿って2本の樋の部品イメージを設けることが可能である。この場合、作図領域R3におけるT字管の部品イメージを選択すると、上記2つの方向のうちの一方の方向に沿って接続可能な部品情報が、候補部品提示領域R2に表示されるが、上記2つの方向のうちの他方の方向に沿って部品イメージを設ける場合には、上述したように、候補部品提示領域R2の部品情報をクリックして向きを変更し、向きが変更した部品情報をT字管の部品イメージに、ドラッグ&ドロップすると良い。
また、例えば表示画面の上下方向に沿って延出するように設けられた樋の部品イメージにT字管を設けた場合、当該部品イメージの一方の端部が表示画面の左右方向に沿う方向を向く。このような端部に、更に樋の部品イメージを設け、更にその先に、90度の角度を有する接続部品(所謂「エルボ」)を設ける場合には、当該接続部品の端部は、表示画面の上側を向くように配置される。
例えば図11のような一旦、完成した割り付け図面の接続部品の角度や向きを変更したい場合には、作図領域R3において変更したい部品イメージ(図11の例では、「3」が付された部品イメージ)に対してクリック操作(例えば右クリック操作)を行うことで、「変更」と「削除」とを指示することが可能なボタンが表示される。「変更」ボタンを押下すると、図12に示されるように、候補部品提示領域R2に、作図領域R3において変更したい部品イメージに係る施工部品と変更(置換)可能な施工部品(同じような用途の施工部品)の部品情報が表示される。図12では、クリック操作して向きを変更した部品情報を、作図領域R3にドラッグ&ドロップした場合の例が示される。施工部品が変更(置換)されると、図13に示されるように、変更した接続部品よりも下にある全ての施工部品の向きが、変更した接続部品の向きに合わせて自動で変更される。図13では角度が75度である接続部品の変更した場合の例を示したが、角度が90度である接続部品に変更することも可能である。この場合、ドラッグ&ドロップに応じて、「3」が付された部品イメージが角度が90度である接続部品の部品イメージに変更される。この時、「3」が付された部品イメージの施工部品と対をなす施工部品の「5」が付された部品イメージも、角度が90度である接続部品の部品イメージに変更される。これに合わせ、作図領域R3に表示される寸法も変更され、例えば、「1」が付された部品イメージから「3」が付された部品イメージまでの長さが変わらないように「2」が付された部品イメージの長さが自動的に変更され、「5」が付された部品イメージから「7」が付された部品イメージまでの長さが変わらないように「6」が付された部品イメージの長さが自動的に変更される。なお、この場合、「3」が付された部品イメージから「5」が付された部品イメージまでの上下方向に沿う長さは自動的に変更される。
割り付け図面の接続部品の種類を変更したい場合(例えば図8における「3」が付された部品イメージを変更したい場合)には、当該変更したい部品イメージ(「3」が付された部品イメージ)の上側の部品イメージ(図8における「2」が付された部品イメージ)を選択することで、候補部品提示領域R2に、「3」が付された部品イメージに係る施工部品と変更(置換)可能な施工部品の部品情報が表示される。この時、「2」が付された部品イメージを変更可能な施工部品の部品情報も表示される。
図14では、「3」が付された部品イメージについて、エルボに代えてT字管の部品情報(「3」が付された部品イメージを変更するための部品情報)をドラッグ&ドロップした場合の例が示される。このように「3」が付された部品イメージが変更されると、図14に示されるように、「1」が付された部品イメージから「3」が付された部品イメージまでの長さを入力する入力ウィンドウが表示される。また、このとき、作図領域R3に表示されている変更前の部品イメージが変更後の部品イメージにそのまま接続可能な部品イメージについては、図15に示されるように、変更後の部品イメージに自動的に接続され、且つ、その長さ(上下方向の長さ)を維持した状態で配置される。なお、作図領域R3において表示されている部品イメージのうち、使用できなくなった部品イメージは、作図領域R3において描画されたままの状態となるが、ユーザの操作により削除可能とすると良い。
また、図示はしないが、作図領域R3に表示されている割り付け図面における各部の寸法を変更することも可能である。この場合、例えば「3」が付された部品イメージから「5」が付された部品イメージまでの長さを変更する場合には、「3」-「5」の長さを入力する入力ウィンドウを表示させ、適宜、入力することで変更可能である。また、図10に示されるような、支持金具の支持間隔を入力する入力ウィンドウを表示し、支持金具を設ける間隔を変更することも可能である。なお、このような修正は、割り付け図面の作成中だけでなく、割り付け図面の完成後に行うことも可能である。
割り付け図面が完成すると、割り付け図面から部品の拾い出しを行うことが可能である。部品の拾い出しを行う場合には、拾い出しの対象とする割付部品について、割付部品表示領域R4に表示される割付部品のチェックボックスにチェックを入れ、「部品拾い出し」ボタンを押下する(図16参照)。ここで、拾い出しの対象としない割付部品には、割付部品表示領域R4に表示される割付部品のチェックボックスのチェックを外すと良い。これにより、後述する集計装置3が、割り付け図面に含まれる施工部品のうち、選択された施工部品の個数のみを拾い出しすることが可能となる。「部品拾い出し」のボタンを押下すると、図16に示されるように、拾い出し条件の入力ウィンドウが表示される。図16では、拾い出し条件として、水上部からの定尺割が入力される例が示される。水上部からの定尺割とは、水が流れ始める側からの樋の配分の設定である。
ここで、樋の長さは、定尺として予め何種類かが用意されている。拾い出し条件として、「3900」が選択された場合、水上部から順に、3900mmの樋が選定され、一番下の樋は、カットする際の取り数が最も良いように(すなわち、カット後に使用しない樋の長さが短くなるように)、選定される。具体的には、水上部から順に、a1、a2、a3、及びa4とすると、水上部から近いa1の長さが3900mmに設定され、その下のa2の長さが3900mmに設定され、更にその下のa3の長さが3900mmに設定される。最も下のa4は、長さが2901mm~3900mmの場合には、3900mmの樋が選定され、拾い出しされる。a4の長さが1901mm~2900mmの場合には、2900mmの樋が選定され、拾い出しされる。a4の長さが901mm~1900mmの場合には、1900mmの樋が選定され、拾い出しされる。a4の長さが1mm~900mmの場合には、900mmの樋が選定され、拾い出しされる。
拾い出しが完了すると、図17に示されるように拾い出し部品が表示画面に一覧表示される。この一覧表示では、施工部品の品名、サイズ、品番、数量、在庫状況等が示される。また、一覧表示の下側には、「カートへ」ボタンが表示され、この「カートへ」ボタンが押下されると、拾い出された施工部品が購入部品として登録される(図17の例では、カートへ登録される)。更に、図18に示されるように、登録された購入部品が表示される。ここでは、割り付け図面に応じて集計された施工部品の個数が「割付個数」として表示され、「割付個数」に対して増減したい数を入力可能な「追加個数」、及び、これらの総和が「今回注文数」として表示される。
また、施工部品の注文は、複数回に分けて行うことも可能である。この場合、割付部品表示領域R4において、先に注文した施工部品は、まだ注文していない施工部品と色を分けて明示すると良い(例えば、先に注文した施工部品はグレー表示し、まだ注文していない施工部品はグレーとは異なる色で表示する)。また、先に施工部品を注文した状態において、割り付け図面を変更できるように構成することも可能である。この場合には、作図領域R3に描画された部品イメージは、発注部53による発注状況に応じて変更可能な部品イメージと変更できない部品イメージとに区分けし、変更可能な部品イメージと変更できない部品イメージとは、互いに識別可能な状態で描画されるように構成すると良い。すなわち、作図領域R3において、先に注文した施工部品に係る部品イメージは例えばグレーで描画して、まだ注文していない施工部品に係る部品イメージはグレーとは異なる色で描画すると良い。これにより、先に注文した施工部品を誤って変更することを防止できる。
図19には、集計結果から施工費用を算定した算定結果が示され、この算定結果が施主の端末7に伝達される。施主が「注文」アイコンを押下すると、承認情報として施工業者の端末8に樋の施工が発注される。なお、施主の端末7に、樋の施工に用いられる施工部品の内訳や割り付け図面が表示されるように構成しても良い。
このように、本割付システム1によれば、樋の割り付け図面の作図、施工部品の個数の集計、施工費用の算定、施工の発注までの一連の処理を円滑に行うことが可能となる。
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、抽出部23は、作図領域R3に部品イメージが描画されている場合は、当該描画されている部品イメージにおいて選択されている部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品の部品イメージを抽出するとして説明したが、抽出部23は、作図領域R3に部品イメージが描画されている場合であっても、当該描画されている部品イメージにおいて選択されている部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品の部品イメージだけを抽出せず、全ての施工部品の部品イメージを表示するように構成しても良い。
上記実施形態では、抽出部23が、描画されている部品イメージにおいて選択されている部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品の部品イメージを抽出した場合、提示部24は、抽出された部品イメージの部品情報の提示形態を選択された部品イメージに接続可能な形態で提示するとして説明したが、抽出部23が、描画されている部品イメージにおいて選択されている部品イメージに係る施工部品に接続可能な施工部品の部品イメージを抽出した場合であっても、提示部24は、抽出された部品イメージの部品情報の提示形態を選択された部品イメージに接続可能な形態で提示せず、デフォルト表示のままで提示するように構成しても良い。
上記実施形態では、提示部24は、候補部品提示領域R2に提示した部品情報に対する操作に応じて、当該部品情報の提示形態を変更して提示するとして説明したが、提示部24は、候補部品提示領域R2に提示した部品情報に対する操作があった場合でも、当該部品情報の提示形態を変更せずに提示するように構成しても良い。
上記実施形態では、作図領域R3に描画された部品イメージの長さは、当該部品イメージに隣接する部品イメージを基準に変更可能であるとして説明したが、作図領域R3に描画された部品イメージの長さは、当該部品イメージに隣接する部品イメージを基準に変更可能とせずに、作図領域R3に描画された部品イメージ自体の長さを変更するように構成しても良い。
上記実施形態では、作図領域R3に描画された部品イメージは、発注部53による発注状況に応じて変更可能な部品イメージと変更できない部品イメージとに区分けされているとして説明したが、作図領域R3に描画された部品イメージは、発注部53による発注状況に応じて変更可能な部品イメージと変更できない部品イメージとに区分けしないように構成することも可能である。
上記実施形態では、集計装置3が、割り付け図面に含まれる施工部品のうち、選択された施工部品の個数のみを集計可能であるとして説明したが、集計装置3は、割り付け図面に含まれる施工部品の全ての施工部品の個数を集計するように構成することも可能である。
上記実施形態では、割付システム1が算定装置4を備えているとして説明したが、割付システム1は算定装置4を備えずに構成することも可能である。
上記実施形態では、割付システム1が発注装置5を備えているとして説明したが、割付システム1は発注装置5を備えずに構成することも可能である。
上記実施形態では、表示装置6が作図装置2と別体で設けられているとして説明したが、表示装置6は作図装置2と一体で設けられていても良い。