JP7198448B2 - ドレン装置及びルーフドレンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ドレン装置及びルーフドレンシステムに関する。
建築物の屋上などには、雨漏りなどを抑制するために防水層が施工されている。また、この防水層上に溜まった雨水や融雪水を排水するために、ルーフドレンが設けられている。ルーフドレンは、建築物内外に設けた排水管に連結され、防水層上に溜まった水を収集して、排水管を介して雨水枡などに流すように構成されている。
ここで、ルーフドレンの許容排水量を超える降水があると、雨水が屋上に溜まり溢れ出てしまう虞れがある。そこで、空気調和・衛生工学会が定めた基準「SHASE-S206」に従って、基準降水量に基づいて、一つのルーフドレンがカバーする屋上面積に対し、排水管の管径を規定値以上とする設計が行われている。
ところで、防水層は、その防水機能を維持するために、一定期間ごとに改修工事が必要になる。この改修工事の一工法として、既設の防水層を撤去して、新たな防水層を設置する総交換工法がある。
一方、総交換工法に比較してより安価な工法として、既設の防水層を残したまま、その上に新たな防水層を設ける重設工法(又はかぶせ工法)がある。重設工法によれば、既設の防水層に新たな防水層を積層することで、更に防水機能を高めることもできる。
いずれの工法を用いた場合でも、ルーフドレンについては、防水層敷設前に新たに設置しなおすことが必要であり、その際には、既設のルーフドレンに用いたドレン本体及び排水管を再利用することとなる。
そのような場合には、新たに設置するドレン装置に、既設の排水管と接続するための接続管を設け、この接続管を既設のドレン本体及び排水管内に挿入することとなる。こうしたことにより、改修工事が簡素化され、工事期間も短くなる。
しかしながら、接続管を排水管に挿入するには、接続管の外径を排水管の内径以下にしなくてはならず、さらに接続管の肉厚まで考慮すると、接続管の内径は排水管の内径より相当に小さくなってしまう。つまり、既設のルーフドレンが「SHASE-S206」の基準値を満たしている場合でも、新設するドレン装置が当該基準値を満たさなくなる虞れがある。
このため、排水管の径が縮小されても、効率的に排水を行える技術が望まれている。
また、既設の防水層を残したまま、その上に新たな防水層を設ける重設工法の場合であっても、新設された防水層上の雨水などを効率的に排水可能なドレン装置及びルーフドレンシステムが望まれている。
特開2013-019264号公報 特許第5635711号公報
排水効率を高める技術としては、サイホン式排水システムが従来から提案されている。サイホン式排水システムは、排水が管を落下移動する際に、管内が負圧となることを利用して後続排水を吸引する仕組みであり、小径の排水管を用いても多量の排水を実現できるという利点がある(特許文献1参照)。
一般的に、サイホン式排水システムは、排水時に特有の騒音や振動を発するほか、管径や配管の高低差などを考慮して専用設計を行わねばならず、通常の排水設備よりもコストが高くなるという問題がある。又、既設の排水設備を利用してサイホン式排水システムを構築するということは、大工事が伴うため実質的に不可能である。
また、渦を巻きながら排水管内を螺旋状に落下する管内水流の特性を利用して、より効率的に排水を行う技術も開発されている。自然現象として、孔の周囲に溜まった水が孔内へと自由落下する際に、必ず渦が生じる。
特許文献2には、ドレンの導水部において渦状に配設された複数のフィンを設けて、勢いのある渦流を生じさせ、例えば雨水が大量となる場合であっても、流水を効率よく迅速に排水管内へ送り込むことができるとともに、排水管内部の管壁廻りに沿って厚みのある螺旋渦流状の流水層を形成させて排水管の排水量を増加させ、効率よくスムーズに排水する技術が開示されている。
しかしながら、耐候性を有しつつ複雑な形状のフィンを製造するにはコストがかかる。更に、複数のフィンによって勢いがある渦流を作り出せたとしても、排水管内を流水が自然落下する限り、排水管の中央に中空の空間が生じることは避けられず(引用文献2の図11参照)、より効果的な排水を行える技術が望まれている。なお、以上の問題は、防水層の改修工事時に限らず、新築の建築物の施工時にも生じうる。
本発明は、上記課題に鑑みて、管径を拡大しなくても十分な排水性能を確保できるドレン装置及びルーフドレンシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のドレン装置は、載置面から立設したストレーナ部材を有し、排水管に水を流すドレン装置において、
前記ストレーナ部材は、前記ストレーナ部材の周囲で旋回する水流の向きを前記ストレーナ部材の中心方向に変更する主整流板を備え、
前記主整流板は、前記ストレーナ部材の中心部から外側に向けて、前記ストレーナ部材の外表面から外側に配置されており、前記ストレーナ部材の中心軸を通る中心面に沿って、中心軸に対称に2枚配置されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、コストを抑えつつ、管径を拡大しなくても十分な排水性能を確保できるドレン装置及びルーフドレンシステムを提供することができる。
図1は、ドレン装置を分解して示す斜視図である。 図2は、ストレーナ部材の平面図である。 図3は、図2のA-A線で切断したストレーナ部材の切断部端面図である。 図4は、図3の位置で切断したストレーナ部材の斜視図である。 図5は、本実施形態にかかるドレン装置1を設置した状態を示す断面図である。 図6は、比較例として示す新築時のストレーナ部材3を含むドレン装置2を設置した状態を示す断面図である。 図7は、本実施形態のドレン装置1における原理を説明するための略図である。 図8は、本実施形態にかかるドレン装置1Aの図5と同様な断面図である。 図9は、排水試験用の試験槽の平面図である。 図10は、試験体としてのストレーナ部材10Aの縦断面図であり、新設ルーフドレン30及び既存ドレン本体、排水管DT等と共に示している。 図11は、試験体としてのストレーナ部材10Aの平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、ドレン装置を分解して示す斜視図である。図2は、ストレーナ部材の上面図である。図3は、図2のA-A線で切断したストレーナ部材の切断部端面図であるが、立設部の縦桟は省略している。図4は、図3の位置で切断したストレーナ部材の斜視図である。
図1において、本実施形態のドレン装置1は、ストレーナ部材10と、保持部材20と、新設ルーフドレン30とからなる。各構成要素について、以下に説明する。
なお、本明細書においては、図1に示した縦方向の中心軸Xから放射線方向に向けた方向を「外側」と称し、その反対に中心軸Xに向けた方向を「内側」又は「中心方向」と称する。
また、「中心面」とは、中心軸Xを面内に含む平面を意味する。
さらに、「載置面」とは、本発明のドレン装置が設置される屋根面とほぼ平行な面を意味しており、概ね防水層が設置されている平行な面を意味している。
(ストレーナ部材)
図1~4において、ストレーナ部材10は、略リング状のベース部11と、ベース部11の内側に立設した略円錐台形状の立設部12を有している。また、ストレーナ部材10は、立設部12の中心軸Xを通る中心面に沿って180度位相で、立設部12の外表面から外側に向かって延在する一対の外側フィン(主整流板)13を有している。また、ストレーナ部材10は、立設部12の中心軸Xを通る中心面に沿って180度位相で、立設部12の内表面から中心方向に延在する一対の内側フィン(副整流板)14も有している。副整流板14は1枚でもよい。そして、外側フィン13の中心面と内側フィン14の中心面は交差している。
なお、ストレーナ部材10は鋳物から一体的に形成することもでき、あるいはプレス成形した各パーツを、溶接により接合して形成することもできる。
立設部12は、環状の根元部12aと、円形の頂面12bと、根元部12aの上面と頂面12bの外周とを連結する複数の縦桟12cとを有している。頂面12bの中央には円形開口12dが形成されているが、円形開口を必ずしも設ける必要はない。
立設部12の根元部12aの外周と、ベース部11の内周とは、放射方向に延在する複数の放射桟11aにより連結されている。また、ベース部11の外周において、外側フィン13とは90度位相で、切欠11bが設けられている。隣接する縦桟12c同士の間隔、および隣接する放射桟11a同士の間隔は、水の通過を妨げないが、比較的大きなゴミなどの異物の通過を妨げるような寸法となっており、これにより排水管にゴミが流入することを抑制して、詰まりを防止するように機能する。
外側フィン13は、それぞれベース部11に対して直交して配置される略L字形の板状をなし、図3に示すように、対向して延在する放射桟11aの上面と、対応する縦桟12cの外側面と、立設部12の頂面12bの上面に接合して立設部12と一体化している。また、外側フィン13の上縁13aは水平であり、外側フィン13の側縁13bは、対応する放射桟11aと略平行である。ただし、外側フィン13は、以上の形状に限られない。
内側フィン14は、図4に示すように、それぞれベース部11に対して直交して配置される矩形板状をなし、根元部12aの内周と、対応する縦桟12cの内側面の一部に接合しており、さらに図2に示すように、端部同士を突き合わせるようにして配置されている。一対の内側フィン14の端部間には隙間が形成されているが、内側フィン14を単一の矩形板から形成して、根元部12aの直径にわたるように配置してもよい。図2、4から明らかなように、内側フィン14は、外側フィン13に対して90度位相で配置されている。ただし、かかる配置に限られず、内側フィン14の中心面と外側フィン13の中心面とは交差していれば足りる。内側フィン14も、以上の形状に限られない。
(保持部材)
図1において、円形の保持部材20は、中央に円形の開口20aを有し、さらに周縁近傍の上面に、周方向に沿って等間隔に設けられた複数の係止片20bを有する。保持部材20は、外周から中央の開口20aに向かって円錐状になだらかに傾斜した浅皿形状を有する。また、径方向に対向する係止片20b同士の間隔は、ストレーナ部材10のベース部11の外径に略等しい。
さらに、保持部材20の上面において、開口20aから外周にかけて6本の隆起部20cが放射状に延在している。隆起部20cの裏面側は、ストレートなトンネル状の流路20fとなっており、周囲に溜まった水が少ない場合に、裏面側の流路20fを通過して保持部材20の外周側から開口20a側に、水が流れるようになっている。隆起部20c間を、それぞれ低部20dとする。保持部材20の上面において、ベース部11の切欠11bに対向する位置に、ねじ穴20eが形成されている。
(新設ルーフドレン)
図1において、新設ルーフドレン30は、円形の中央穴30bを備えた矩形板(支持板)30aを有し、さらに中央穴30bに連通するようにして、円筒状の連結管30cを矩形板30aの下面に溶接等で接合してなる。矩形板30aは、中央穴30bの周囲において、保持部材20の形状に応じて、中央に向かって円錐状になだらかに傾斜した円形の傾斜面30dを有している。これにより傾斜面30dに積層した防水層も同方向に傾斜するので、その上の水が中央穴30bへと流れることとなる。
(ドレン装置の設置)
次に、ドレン装置1の設置形態について説明する。図5は、本実施形態にかかるドレン装置1を設置した状態を示す断面図である。図6は、比較例として示す新築時のストレーナ部材3を含むドレン装置2を設置した状態を示す断面図である。
まず、ドレン装置2について説明する。図6において、建造物の屋根におけるコンクリート等で支持された屋根スラブTLに、開口OPが形成されている。開口OP上には、浅皿状のドレン本体DBが固定され、ドレン本体DBの外周上面から屋根スラブTLにかけて、防水層WP1により覆われている。
中央穴を備えたドレン本体DBは略円錐形状であって、その下面が、開口OPを貫通する円筒状の排水管DTに連結されている。
ドレン本体DB上には、防水層WP1を挟持するようにして、ストレーナ部材3が取り付けられている。ストレーナ部材3は、本実施形態のストレーナ部材10と保持部材20とを結合した形状に類似しており、建造物の新築時に設置されたものであり、ごみなどの異物が排水管に進入しないように機能する。ストレーナ部材3とドレン本体DBとでドレン装置2を構成する。
防水層WP1上に雨水が溜まると、溜まった水がストレーナ部材3を通過し、ドレン本体DB上に流れ込み、排水管DTを介して下方にある雨水枡などに流れ込むようになっている。防水層WP1はドレン本体DBと屋根スラブTLとの境界を全周で覆っているので、ドレン本体DBの外側面を伝わって雨水が回り込むことはない。
ここで、防水層WP1の改修が必要になったものとする。そこで、重設工法に基づき、古い防水層WP1の上に新たな防水層WP2を設置する。
改修の一例として、まずストレーナ部材3を撤去する。その後、図5を参照して、既設の防水層WP1上に新設の防水層WP2を積層するが、このような改修を行うと、新設の防水層WP2の上面に溜まった水を、どのように排水するかという問題が生じる。そこで、本実施形態のドレン装置1を用いて、排水を行うこととする。
ドレン装置1の設置について説明する。図5において、防水層WP2を積層する前に、まず新設ルーフドレン30の矩形板30aを、ドレン本体DB上の既設の防水層WP1上に載置し、同時に連結管30cを排水管DT内に挿通する。ここで、排水管DTの内径φ1は例えば100mmであり、連結管30cの外径φ2は例えば95mmであり、φ1>φ2であることから、連結管30cを排水管DT内にスムーズに挿入できる。
その後、中央穴30bを除く矩形板30aの上面から既設の防水層WP1の上面にわたって、新設の防水層WP2を積層して接着剤等で固定する。矩形板30aの板厚は0.5~2mm程度であるので、矩形板30aが介在することにより生じる新設の防水層WP2の段差は小さく、排水に影響を与えない。
さらに、矩形板30aの中央穴30bと、保持部材20の開口20aとを合わせ込むようにして、矩形板30aと保持部材20とで、新設の防水層WP2を挟持する。このとき、保持部材20の低部20dの裏面に接着剤を塗布しておけば、防水層WP2の表面と接着が行われて、保持部材20を固定することができるとともに、接着剤により流路20f(図1)を塞がないようにできる。
その後、図1を参照して、保持部材20上に、ストレーナ部材10のベース部11を載置し、係止片20bによりベース部11のセンタリング(位置決め)を行いつつ、切欠11bをねじ穴20eに合わせ、さらに切欠11bを通してねじSCをねじ穴20eに螺合させることで、保持部材20にストレーナ部材10を固定することができる。保持部材20を比較的重量のある金属製とすることで、新設の防水層WP2上に立設したストレーナ部材10を安定して保持することができる。
本実施形態においても、防水層WP2上に雨水が溜まったとき、その水位が低い場合には、保持部材20の流路20f(図1)を介して新設ルーフドレン30の連結管30cに流れる。一方、雨水の水位が高くなると、溜まった水がベース部11を乗り越えてストレーナ部材10を通過し、さらに保持部材20の低部20dを伝わって、新設ルーフドレン30の連結管30cに進入し、ドレン本体DBを通過することなく直接、排水管DT内に流れ込むようになっている。これにより、ドレン装置1における雨漏りを回避できる。改修後のドレン本体DBは、排水管DTを屋根スラブTLに固定する機能のみを有することとなる。
上述したように、連結管30cの外径φ2を排水管DTの内径φ1よりも小さくすることで、連結管30cを排水管DT内に挿入できるようにしている。したがって、通常であれば管径が小さくなることにより、排水能力の低下を招くこととなるが、本実施形態によれば、管径を小さくしても同等以上の排水能力を確保することができる。
(高排水の原理)
図7は、本実施形態のドレン装置1における原理を説明するための略図であり、ストレーナ部材10の概略横断面図である。図7では、点線で連結管30cを示している。
図7において、連結管30cの入口周囲に水が溜まると、連結管30cに向かって水が流れ始め、自然に渦が生じ、それにより連結管30cの周囲で水流が旋回することになる。尚、比較的小さな渦の場合、その巻き方向は定まらないとされているが、ここでは左巻きに渦を巻くものとする。図7では、渦を巻いた水の流れを矢印で示している。
連結管30cの周囲で旋回する水流は、ストレーナ部材10の径方向外側に延在する外側フィン13に略直角に当たり、矢印に示すように、その後に進行方向をストレーナ部材10の径方向内側に変更して立設部12を横切り、その内側に向かうこととなる。
ここで、仮に外側フィン13がないとすると、連結管30cの周囲で旋回する水流は接線方向の流速を早めつつ連結管30c内へと進入し、連結管30cの内壁を螺旋状に沿って流れ落ちるので、連結管30cの中央に空間が生じてしまい、連結管30cの内径に応じた通常の排水能力しか得られないこととなる。なお、円形管内を渦を巻きながら自由落下する水の層は、一般的には管内径の1/3程度の水層を形成するため、残りの管内径の2/3は排水に利用されない空間となる。
これに対し、本実施形態のドレン装置1によれば、外側フィン13を設けているので、連結管30cの周囲で旋回する水流が外側フィン13に当たることで、接線方向の流速が低下する(旋回場を非旋回場に変える)とともに、連結管30cの中心に近づくよう向けられることで径方向の流速が高まる。これにより、立設部12内へと多量の水を追い込むことができ、その結果、中央の連結管30c内へと水が進入しやすくなるとともに、進入後に、連結管30cの内壁を螺旋状に水が流れ落ちることを抑制でき、垂直方向に落下する水量を増やすことで、排水能力を高めることができる。なお、外側フィン13の水が当たる面と、その裏面とでは水位差が発生するとともに、裏面側ではカルマン渦が発生する。
一方、立設部12の内側に進入した水は、仮に内側フィン14がないとしても、その大部分は連結管30c内へと進入する。しかし、流速が早い場合には水の一部が、連結管30cの入口を通り過ぎて、その対向する側から立設部12の外側に抜け出てしまい、排水性が弱まる虞れがある。
これに対し本実施の形態によれば、内側フィン14を設けたので、立設部12の内側に進入した水が内側フィン14に当たり、その進行方向が紙面垂直方向(連結管30cの軸線方向)に近づく方向へと変換される。水は自重があるので、上方に向かうことはなく、下方の連結管30cの内部に向かい、これにより更に排水能力を高めることができる。
以上より明らかであるが、例え連結管30cの周囲で渦が右巻きであったとしても、上述した外側フィン13及び内側フィン14の効果は同様に得られる。
図8は、本実施形態の変形例にかかるドレン装置1Aを示す断面図である。本変形例においては、図6に示す比較例のストレーナ部材3の外周に、外側フィン13を設けたものである。例えば建造物の新築時にドレン装置1Aを設けることで、図7で説明した原理に基づき、外側フィン13により排水性能を高めることができる。なお、ストレーナ部材3の内側に、内側フィンを設けてもよい。
(排水試験1)
次に、本発明者らが行った排水試験について説明する。本発明者らは、図9に示す試験設備を用いて、以下の排水試験を行った。より具体的には、図9において、長さL=2691mm、幅W=1394mm、深さ197mmの試験槽TBに、図6のストレーナ部材3を含むドレン装置2を比較例1とし、図5のドレン装置1を実施例1~3として試験体TPを設置し、排水試験を行った。
なお、試験槽TBの長手方向をY方向とし、幅方向をX方向としたときに、実施例1では、外側フィン13の設置方向をX方向とし、実施例2では、外側フィン13の設置方向をX方向に対して45°傾斜した方向とし、実施例3では、外側フィン13の設置方向をX方向に対して90°傾斜した方向(すなわちY方向)とした。
この排水試験において、排水管DTの内径を100mmとし、連結管30cの内径を92.9mmとし、降雨強度100mm/hを想定して、給水口WSを介して708L/minの水を試験槽TB内へと流入させた。そのときの試験結果を表1に示す。
Figure 0007198448000001
表1の試験結果に示すように、比較例1及び実施例1~3のいずれも、試験槽TBから水は溢れることがなく、安定した状態で排水を行うことができた。さらに、比較例1では試験槽TBの水位が115mmであったのに対し、実施例1~3のいずれも比較例1を下回る水位であったことから、管径が小さいにもかかわらず、図5に示す改修後のドレン装置1は、図6に示す改修前のドレン装置2よりも高い排水性能を得られることが分かった。
また、外側フィン13の設置方向を3方向に変えた試験において、実施例3で最も水位が低くなった。ただし、給水口WSの位置、試験体TPの位置、試験槽TBの形状等の条件により、外側フィン13の最適な設置方向は変わると考えられる。
(排水試験2)
さらに、本発明者らは、外側フィンと内側フィンの形状、寸法、位置を変えることにより、排水性能がどのように変わるかを調べるため、別の排水試験を行った。試験体として、図10,11に示すストレーナ部材10Aを準備し、連結管30cを排水管DT内に挿入した新設ルーフドレン30(図1)の上に固定した。排水試験2では防水層は省略している。
ストレーナ部材10Aは、複数のスリット10cを全面に形成した頂壁付き円筒部10aの下端に、円形のフランジ部10bを接合してなる。この頂壁付き円筒部10aに、外側フィン13と内側フィン14の少なくとも一方を設けたものを実施例とし、頂壁付き円筒部10aに、外側フィンも内側フィンも設けないものを比較例2として、排水試験に供した。
頂壁付き円筒部10aの高さは170mmであり、その外径は114.3mmである。ストレーナ部材10A以外、内径φ92.9mmの連結管30cを含む新設ルーフドレン30、および試験槽TBの寸法、給水量等については、上述した排水試験1と同様とした。
ここで、外側フィン13の幅をα、外側フィン13の高さをβ、フランジ部10bから外側フィン13の下端までの距離をγ、内側フィン14の高さをδ、フランジ部10bから内側フィン14の下端までの距離をεとして、以下に各実施例の数値を示す。ただし、幅及び高さの数値が0mmである場合、そのフィンが設けられていないことを意味する。
・比較例2
α:0mm、β:0mm、γ:0mm、δ:0mm、ε:0mm
・実施例A2
α:20mm、β:20mm、γ:0mm、δ:0mm、ε:0mm
・実施例A5
α:40mm、β:40mm、γ:0mm、δ:0mm、ε:0mm
・実施例B1
α:0mm、β:0mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B2
α:20mm、β:20mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B3
α:20mm、β:40mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B4
α:40mm、β:20mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B5_1
α:40mm、β:40mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B5_2
α:40mm、β:40mm、γ:+30mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B6_1
α:40mm、β:60mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B6_2
α:40mm、β:60mm、γ:+30mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B6_3
α:40mm、β:60mm、γ:-30mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B7
α:40mm、β:90mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B8
α:40mm、β:140mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B9
α:60mm、β:140mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例B10
α:80mm、β:140mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:0mm
・実施例C2
α:20mm、β:20mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:+30mm
・実施例C5_1
α:40mm、β:40mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:+30mm
・実施例C5_2
α:40mm、β:40mm、γ:+30mm、δ:30mm、ε:+30mm
・実施例C6
α:40mm、β:60mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:+30mm
・実施例C7
α:40mm、β:90mm、γ:0mm、δ:30mm、ε:+30mm
・実施例D8
α:40mm、β:140mm、γ:0mm、δ:50mm、ε:0mm
・実施例D10
α:80mm、β:140mm、γ:0mm、δ:50mm、ε:0mm
以上の比較例2及び各実施例を試験体として、図9に示す試験槽TBに設置し、実施例1と同じ条件で給水を行って、排水試験を実施した。そのときの試験結果を表2に示す。
Figure 0007198448000002
排水試験2において、深さ197mmの試験槽から水があふれ出た場合、試験結果を×とした。また、試験槽から水があふれ出なかったが、上縁ぎりぎりまで水位が上昇した場合、試験結果を△とした。さらに、試験槽から水があふれ出ることなく、上縁より下方で安定水位を維持した場合、試験結果を○とした。さらに試験結果が○の場合において、特に水位が接続管径の100%以上、150%以下の範囲内で安定した場合、試験結果を◎とした。
表2の試験結果によれば、比較例2では試験槽から水があふれ出たが、全ての実施例では試験槽から水があふれ出ることはなかった。また、内側フィン14のみを設ける場合より、外側フィン13のみを設ける方が、排水性能が高まることが分かった。加えて、外側フィン13のサイズを大きくすることで、排水能力が高まることも分かった。更に、同じサイズの外側フィン13同士の場合、内側フィン14を設けた方が、排水能力が一層高まることが分かった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変を施すことができる。例えば、外側フィン及び内側フィンは、中心軸に対して対照に設けられた2枚の構成に限られず、1枚もしくは3枚以上でもよい。ただし、枚数が多くなるにつれ、1枚の外側フィンに当たる水流が少なくなることから、外側フィンを2枚とすると好ましい。
また、外側フィン及び内側フィンを形成する面は、必ずしも中心面と一致している必要はなく、外側フィン及び内側フィンを形成する面は、ストレーナ部材の中心部から外側に向けて形成されていればよい。
さらに、保持部材20は必ずしも必要ではなく、ストレーナ部材10を直接、防水層WP2上に設置してもよい。
さらに、本発明のドレン装置及びルーフドレンシステムは、防水層の改修時に限らず、新築時に設置することができる。また、設置場所としては建造物の屋根に限らず、排水用の溝や管などに設けることもできる。
1、1A:ドレン装置
10:ストレーナ部材
11:ベース部
12:立設部
13:外側フィン
14:内側フィン
20:保持部材
30:新設ドレン
TL:屋根スラブ
DB:ドレン本体
DT:排水管
WP1:既設の防水層
WP2:新設の防水層

Claims (5)

  1. 載置面から立設したストレーナ部材を有し、排水管に水を流すドレン装置において、
    前記ストレーナ部材は、前記ストレーナ部材の周囲で旋回する水流の向きを前記ストレーナ部材の中心方向に変更する主整流板を備え、
    前記主整流板は、前記ストレーナ部材の中心部から外側に向けて、前記ストレーナ部材の外表面から外側に配置されており、前記ストレーナ部材の中心軸を通る中心面に沿って、中心軸に対称に2枚配置されている、
    ことを特徴とするドレン装置。
  2. 前記ストレーナ部材は、前記ストレーナ部材の外側の領域から内側の領域に流入する水流の向きを、前記排水管に向かう方向に変更する副整流板を備え、
    前記副整流板は、前記ストレーナ部材の中心軸を通る中心面に沿って、少なくとも1枚配置されており、前記副整流板の中心面は、前記主整流板の中心面と交差する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のドレン装置。
  3. 前記副整流板は、前記ストレーナ部材の内表面から前記ストレーナ部材の中心方向に向けて配置されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のドレン装置。
  4. 前記ドレン装置は、前記ドレン装置と前記排水管とを接続する接続管を有し、前記接続管の外周に接合された支持板とを更に備え、
    前記支持板と前記ストレーナ部材との間に防水層を配置することができる、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のドレン装置。
  5. 請求項4に記載のドレン装置と、防水層と、排水管とを有するルーフドレンシステムにおいて、
    前記接続管は、前記排水管内に挿入されており、
    前記支持板と前記ストレーナ部材との間には前記防水層が配置されている、
    ことを特徴とするルーフドレンシステム。
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