JP7197898B2 - 農業用ネット - Google Patents
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Description
ベタ掛け栽培やトンネル栽培等の栽培方法では、網目を構成する目合が小さいネットや空隙の小さい不織布等によって構成された被覆材の目合の大きさを、害虫の大きさよりも小さく設定することで、害虫が外側から被覆材を通過して被覆材で覆われた内部空間(以下において「内部空間」という)へ侵入することを抑制し、被覆材を被覆した栽培作物への害虫の付着を防止することができる。
このため、栽培作物に害虫が付着することを防止するだけではなく、特に日中におい内部空間の温度が生育適温を超える過度な昇温を防止する必要がある。
つまり、通気性を向上させるために大きくすることができる農業用ネットの網目の目合は、害虫の侵入を防止することができる大きさという限度があり、近年の温暖化等の影響による異常な酷暑において、内部空間の温度が生育適温を超える過度な昇温を十分に抑制できなくなってきている。
前述の所定の目合とは、害虫の通過を防止できるとともに、栽培作物に適した通気性を有する大きさの目合をいい、例えば、侵入を防止したい害虫の大きさや、栽培作物に適した通気性によって0.4mmから2.0mm程度の大きさの目合で前記農業用ネットの網目が形成されていればよい。
前記帯状体は、所定の幅の帯状であれば合成樹脂、不織布、織物、または編物などで構成されていてもよい。
詳述すると、栽培作物に被覆する前記農業用ネットが有する前記網目の目合が、前述の所定の目合で構成されているため、前記農業用ネットを害虫が通過することを抑制でき、被覆した栽培作物への害虫の付着を防止することができる。
さらに、前記帯状体が有する遮熱性によって、太陽光による熱を遮熱することができ、被覆される栽培作物の生育適温を内部空間の温度が超えるような過度な昇温を防止することができる。
したがって、前記農業用ネットを被覆することで、栽培作物への害虫の付着を防止することができるとともに、内部空間が生育適温を超える過度な昇温を防止することができる。
この発明により、前記農業用ネットに設けられた前記帯状体による害虫に対する忌避効果を向上することができ、害虫の栽培作物への飛来、及び付着をより確実に防止することができる。
このため、前記農業用ネットの遮熱性が低下することなく、前記帯状体による害虫に対する忌避効果を向上することができ、害虫の栽培作物への飛来、及び付着をより確実に防止することができる。
つまり、略同一の幅で形成された前記帯状体を前記経糸、及び前記緯糸に沿う方向に略同一の間隔を隔てて配置された場合の遮熱性は、栽培作物に適した遮熱性を有している。
つまり、幅広に形成された前記帯状体を配置する場合には粗な間隔で配置されるのに対して、幅狭に形成された前記帯状体は、前記帯状体同士の間隔が近くなるように散りばめられて配置されており、前記帯状体の配置される分散度合が高くなるため、前記農業用ネットにおける前記帯状体の配置場所が分散し、前記農業用ネットの遮熱性、及び忌避効果のムラを少なくすることができる。
この発明により、前記農業用ネットの有する透光性を栽培作物に適したものにするために、前記農業用ネットにより多くの前記帯状体を配置することができ、前記農業用ネットの前記帯状体による害虫に対する忌避効果がさらに向上し、害虫の栽培作物への飛来、及び付着をさらに確実に防止することができる。
したがって、栽培作物に適した透光性を有する前記農業用ネットを構成するためには、不透光性の糸状体で構成した前記農業用ネットよりも、前記透光性糸状体で構成した前記農業用ネットのほうが前記農業用ネット自体の透光性が向上するため、栽培作物に適した透光性を確保するためにはより多くの前記帯状体を配置し、より多くの太陽光を反射することで向上した透光性を抑制することとなる。
この発明により、前記白色帯状体で構成された前記帯状体は、白色であるため吸熱性が低く、前記帯状体が吸熱することで昇温して破損したり、吸熱して高温になった前記帯状体の近傍が生育適温を超えたりすることを防止することができる。
この発明により、前記農業用ネットにおける前記緯糸の両端側に形成される耳部が房耳として残らず、房耳からネットが不用意に解れることを防止することができ、前記農業用ネットの耐久性を向上することができる。
図1は農業用ネット1の一部の概略平面図を示し、図2は農業用ネット1の構成について説明する説明図を示し、図3は農業用ネット1における緯反射テープ111の保持態様を説明する説明図を示し、図4は農業用ネット1における経反射テープ112の保持態様を説明する説明図を示し、図5は農業用ネット1における耳部60の構成を説明する説明図を示す。
また、織成するモノフィラメント5は、緯糸50と経糸51とがあり、緯糸50、及び経糸51を経方向y、及び緯方向xに並列に配置して平織することで、略正方形状の網目を有する織地6を織成している。なお、網目の形状は略正方形状に限定されず、略長方形状等でもよい。
なお、本実施形態において、網目を形成する場所における間隔Wa1は0.5mm程度、緯反射テープ111が配置される場所における間隔Wa21は1.5mm程度、経反射テープ112が配置される場所における間隔Wa22は4mm程度に設定しているが、これに限定されない。
本実施形態において反射テープ11は、反射率80%程度、かつ白色であるとともに、モノフィラメント5の直径と略同程度の厚みで形成しているが、これに限定されない。
なお、本実施形態において、略長方形状の領域Rは、短辺Rsが5mm程度、かつ長辺Rlが17.5mm程度に形成しているが、これに限定されない。
このように、緯反射テープ111における経方向yの両側に、緯糸50を沿うように配置しているため、緯反射テープ111の経方向yへの動きを、緯糸50によって規制している。
詳述すると、モノフィラメント5が構成する経糸51は、波状に屈曲するとともにモノフィラメント5が構成する緯糸50、及び緯反射テープ111の間を縫うように配置している。
また、図3(b)に示すように緯糸50同士の間に配置する緯反射テープ111を、経糸51、及び経反射テープ112が厚さ方向zから挟むように保持している。
このように、経反射テープ112における緯方向xの両側に、経糸51を沿うように配置しているため、経反射テープ112の緯方向xへの動きを、経糸51によって規制している。
詳述すると、モノフィラメント5が構成する緯糸50は、波状に屈曲するとともにモノフィラメント5が構成する経糸51、及び経反射テープ112の間を縫うように配置している。
なお、本実施形態において、反射テープ11の幅、及び厚さ、並びにモノフィラメント5の直径、及び配置する間隔は上述のように構成しているが、これに限定されない。
さらに、反射テープ11が有する遮熱性によって、太陽光による熱を遮熱することができ、被覆される栽培作物の生育適温を内部空間の温度が超えるような過度な昇温を防止することができる。
したがって、農業用ネット1を栽培作物に被覆することで、栽培作物への害虫の付着を防止することができるとともに、生育適温を超える過度な昇温を防止することができる。
つまり、略同一の幅で形成された反射テープ11を経糸51、及び緯糸50に沿う方向に略同一の間隔を隔てて配置された場合の遮熱性は、栽培作物に適した遮熱性を有している。
つまり、幅広に形成された反射テープ11を配置する場合には粗な間隔で配置されるのに対して、幅狭に形成された緯反射テープ111は、緯反射テープ111同士の間隔が近くなるように散りばめられて配置されており、反射テープ11の配置される分散度合が高くなるため、農業用ネット1における反射テープ11の配置場所が分散し、農業用ネット1の遮熱性、及び忌避効果のムラを少なくすることができる。
したがって、栽培作物に適した透光性を有する農業用ネット1を構成するためには、不透光性の糸状体で構成した農業用ネット1よりも、透光性を有するモノフィラメント5で構成した農業用ネット1のほうが農業用ネット1自体の透光性が向上するため、栽培作物に適した透光性を確保するためにはより多くの反射テープ11を配置し、より多くの太陽光を反射することで向上した透光性を抑制することとなる。
この発明の糸状体は、実施形態のモノフィラメントに対応し、
帯状体は、反射テープに対応し、
帯状体が配置される部分は、テープ配置場所に対応し、
一方の帯状体は、緯反射テープに対応し、
他方の帯状体は、経反射テープに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
さらにまた、反射テープ11は、モノフィラメント5の直径とほぼ同程度の厚さで形成されているが、モノフィラメント5の直径より薄くとも厚くともよい。
5・・・モノフィラメント
6・・・織地
7・・・テープ配置場所
11・・・反射テープ
50・・・緯糸
51・・・経糸
110・・・緯反射テープ
111・・・経反射テープ
R・・・領域
Rs・・・短辺
Rl・・・長辺
Wb1・・・経反射テープの幅
Wb2・・・緯反射テープの幅
Claims (6)
- 糸状体が経糸、及び緯糸として織られ、害虫の通過を抑制することができる所定の目合の網目を有する網状に構成された農業用ネットであって、
反射性、及び遮熱性を有する帯状の帯状体が、前記経糸、及び前記緯糸に沿って格子状に織り込まれ、
前記帯状体が配置される部分における前記糸状体が、前記帯状体の幅以上の間隔を隔てて配置され、
前記帯状体の幅が、前記目合の2倍以上7倍以下の幅で形成された
農業用ネット。 - 格子状に配置された前記帯状体において、
前記経糸、または前記緯糸のうち一方に沿って配置される前記帯状体のうち一方の前記帯状体の幅が、他方に沿って配置される他方の前記帯状体の幅よりも狭く形成され、
一方の前記帯状体が、他方の前記帯状体よりも狭い間隔を隔てて配置された
請求項1に記載の農業用ネット。 - 一方の前記帯状体の幅に対する他方の前記帯状体の幅の比率が、
一方の前記帯状体と他方の前記帯状体とによって形成される略長方形状の領域における、短辺に対する長辺の比率と同一に構成された
請求項2に記載の農業用ネット。 - 前記糸状体が、透光性を有する透光性糸状体によって構成された
請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の農業用ネット。 - 前記帯状体が、白色の白色帯状体によって構成された
請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の農業用ネット。 - 前記緯糸の両端部が折り返されるとともに織り込まれた
請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の農業用ネット。
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