JP7197538B2 - メラノーマの処置のための方法および組成物 - Google Patents
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Description
養子細胞移入(ACT)は、抗腫瘍活性を有する免疫細胞の患者への移入を含む免疫治療の型である。ACTは、典型的には、抗腫瘍活性を有するリンパ球を患者から単離し、集団を増大させるためにインビトロでリンパ球を培養し、次いで、癌を保持する宿主へリンパ球を注入することを含む。養子移入のために使用されるリンパ球は、切除された腫瘍の間質(例えば、腫瘍浸潤リンパ球)、リンパ管もしくはリンパ節、または血液のいずれかに由来し得る。いくつかのケースにおいて、単離されたリンパ球は、抗腫瘍性のT細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)を発現するよう遺伝学的に改変される。注入のために使用されるリンパ球は、ドナー(同種ACT)または癌を保持する宿主(自己ACT)から単離され得る。
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYC配列
を有するMYC融合ペプチドを含み、
ここで、-X-は、タンパク質形質導入ドメインとMYC配列とを連結する分子である。いくつかの態様において、タンパク質形質導入ドメイン配列は、TATタンパク質形質導入ドメイン配列である。いくつかの態様において、TATタンパク質形質導入ドメイン配列は、TAT[48~57]およびTAT[57~48]からなる群より選択される。いくつかの態様において、MYC融合ペプチドは、SEQ ID NO:1を含む。いくつかの態様において、MYC融合ペプチドは、アセチル化されている。いくつかの態様において、1個または複数個の免疫細胞は、メラノーマ細胞に対する抗腫瘍活性を有する、いくつかの態様において、1個または複数個の免疫細胞は、1個または複数個のリンパ球を含む。いくつかの態様において、1個または複数個のリンパ球は、T細胞、B細胞、NK細胞、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、T細胞は、ナイーブT細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、メモリーT細胞、活性化T細胞、アネルギー性T細胞、寛容T細胞、キメラT細胞、および抗原特異的T細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、B細胞は、ナイーブB細胞、形質B細胞、活性化B細胞、メモリーB細胞、アネルギー性B細胞、寛容B細胞、キメラB細胞、および抗原特異的B細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、1個または複数個のリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球、T細胞受容体修飾型リンパ球、またはキメラ抗原受容体修飾型リンパ球である。いくつかの態様において、腫瘍浸潤リンパ球は、CD8+CD25+シグネチャーを有する。いくつかの態様において、腫瘍浸潤リンパ球は、CD4+CD25+シグネチャーを有する。いくつかの態様において、1個または複数個の免疫細胞は、検出可能な部分を含む。
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYC配列
を有するMYC融合ペプチドを含み、
ここで、-X-は、タンパク質形質導入ドメインとMYC配列とを連結する分子である。いくつかの態様において、タンパク質形質導入ドメイン配列は、TATタンパク質形質導入ドメイン配列である。いくつかの態様において、TATタンパク質形質導入ドメイン配列は、TAT[48~57]およびTAT[57~48]からなる群より選択される。いくつかの態様において、MYC融合ペプチドは、SEQ ID NO:1を含む。いくつかの態様において、MYC融合ペプチドは、アセチル化されている。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、対象においてメラノーマ細胞に対する抗腫瘍活性を有する。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、対象においてメラノーマ細胞に対する抗腫瘍活性を有する。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、1個または複数個のアネルギー性免疫細胞を含む。いくつかの態様において、1個または複数個の免疫細胞は、1個または複数個のリンパ球を含む。いくつかの態様において、1個または複数個のリンパ球は、T細胞、B細胞、NK細胞、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、T細胞は、ナイーブT細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、メモリーT細胞、活性化T細胞、アネルギー性T細胞、寛容T細胞、キメラT細胞、および抗原特異的T細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、B細胞は、ナイーブB細胞、形質B細胞、活性化B細胞、メモリーB細胞、アネルギー性B細胞、寛容B細胞、キメラB細胞、および抗原特異的B細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、1個または複数個のリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球、T細胞受容体修飾型リンパ球、またはキメラ抗原受容体修飾型リンパ球である。いくつかの態様において、リンパ球は、CD8+CD28-CD152-シグネチャーを有する。いくつかの態様において、リンパ球は、CD8+CD25+シグネチャーを有する。いくつかの態様において、リンパ球は、CD4+CD25+シグネチャーを有する。いくつかの態様において、方法は、初代免疫細胞をドナー対象から単離する工程をさらに含む。いくつかの態様において、ドナー対象は、メラノーマを有する。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、または腫瘍内に投与される。いくつかの態様において、方法は、1個または複数個の修飾型免疫細胞の投与前に、対象をリンパ枯渇状態にする工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、サイトカインを対象へ投与する工程をさらに含む。いくつかの態様において、サイトカインは、1個または複数個の修飾型免疫細胞の投与の前、最中、または後に投与される。いくつかの態様において、サイトカインは、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、補体C5a、IL-2、TNFα、CD40L、IL12、IL-23、IL15、IL17、CCL1、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14-1、CCL14-2、CCL14-3、CCL15-1、CCL15-2、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL19、CCL2、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23-1、CCL23-2、CCL24、CCL25-1、CCL25-2、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL3L1、CCL4、CCL4L1、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCR10、CCR2、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCRL1、CCRL2、CX3CL1、CX3CR、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL9、CXCR1、CXCR2、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7、およびXCL2からなる群より選択される。いくつかの態様において、メラノーマは、転移性である。いくつかの態様において、対象は、ヒトまたは動物である。いくつかの態様において、方法は、追加の癌治療を実施する工程をさらに含む。いくつかの態様において、追加の癌治療は、化学療法、放射線治療、免疫治療、モノクローナル抗体、抗癌性の核酸またはタンパク質、抗癌性のウイルスまたは微生物、およびそれらの組み合わせの中より選択される。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、検出可能な部分を含む。
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYC配列
を有するMYC融合ペプチドを含み、
ここで、-X-は、タンパク質形質導入ドメインとMYC配列とを連結する分子である。いくつかの態様において、タンパク質形質導入ドメイン配列は、TATタンパク質形質導入ドメイン配列である。いくつかの態様において、TATタンパク質形質導入ドメイン配列は、TAT[48~57]およびTAT[57~48]からなる群より選択される。いくつかの態様において、MYC融合ペプチドは、SEQ ID NO:1を含む。いくつかの態様において、MYC融合ペプチドは、アセチル化されている。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、抗腫瘍活性を有する。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、対象においてメラノーマ細胞に対する抗腫瘍活性を有する。いくつかの態様において、1個または複数個の修飾型免疫細胞は、1個または複数個のアネルギー性免疫細胞を含む。いくつかの態様において、1個または複数個の免疫細胞は、1個または複数個のリンパ球を含む。いくつかの態様において、1個または複数個のリンパ球は、T細胞、B細胞、NK、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、T細胞は、ナイーブT細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、メモリーT細胞、活性化T細胞、アネルギー性T細胞、寛容T細胞、キメラT細胞、および抗原特異的T細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、B細胞は、ナイーブB細胞、形質B細胞、活性化B細胞、メモリーB細胞、アネルギー性B細胞、寛容B細胞、キメラB細胞、および抗原特異的B細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、1個または複数個のリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球、T細胞受容体修飾型リンパ球、またはキメラ抗原受容体修飾型リンパ球である。いくつかの態様において、リンパ球は、CD8+CD28-CD152-シグネチャーを有する。いくつかの態様において、リンパ球は、CD8+CD25+シグネチャーを有する。いくつかの態様において、リンパ球は、CD4+CD25+シグネチャーを有する。
[本発明1001]
(a)(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列
を含む、MYC融合ペプチド;および
(b)メラノーマ腫瘍を有するドナー対象から単離され、メラノーマ特異的抗原に対して反応性である、1個または複数個の初代免疫細胞
を含む組成物。
[本発明1002]
前記MYC融合ペプチドが、前記1個または複数個の初代免疫細胞の核へ移動する、本発明1001の組成物。
[本発明1003]
前記MYC融合ペプチドがMYCの生物学的活性を示す、本発明1001または1002の組成物。
[本発明1004]
前記MYC融合ペプチドが、前記タンパク質形質導入ドメインと前記MYCポリペプチドとを連結する1個または複数個の分子をさらに含む、本発明1001~1003のいずれかの組成物。
[本発明1005]
前記MYC融合ペプチドが、以下の一般構造:
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYC配列
を有するMYC融合ペプチドを含み、
ここで、-X-が、該タンパク質形質導入ドメインと該MYC配列とを連結する分子である、本発明1001~1004のいずれかの組成物。
[本発明1006]
前記タンパク質形質導入ドメイン配列がTATタンパク質形質導入ドメイン配列である、本発明1001~1005のいずれかの組成物。
[本発明1007]
前記TATタンパク質形質導入ドメイン配列が、TAT[48~57]およびTAT[57~48]からなる群より選択される、本発明1006の組成物。
[本発明1008]
前記MYC融合ペプチドがSEQ ID NO:1を含む、本発明1001~1007のいずれかの組成物。
[本発明1009]
前記MYC融合ペプチドがアセチル化されている、本発明1001~1008のいずれかの組成物。
[本発明1010]
前記1個または複数個の免疫細胞が、メラノーマ細胞に対する抗腫瘍活性を有する、本発明1001~1009のいずれかの組成物。
[本発明1011]
前記1個または複数個の免疫細胞が、1個または複数個のリンパ球を含む、本発明1001~1010のいずれかの組成物。
[本発明1012]
前記1個または複数個のリンパ球が、T細胞、B細胞、NK細胞、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1011の組成物。
[本発明1013]
前記T細胞が、ナイーブT細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、メモリーT細胞、活性化T細胞、アネルギー性T細胞、寛容T細胞、キメラT細胞、および抗原特異的T細胞からなる群より選択される、本発明1012の組成物。
[本発明1014]
前記B細胞が、ナイーブB細胞、形質B細胞、活性化B細胞、メモリーB細胞、アネルギー性B細胞、寛容B細胞、キメラB細胞、および抗原特異的B細胞からなる群より選択される、本発明1012の組成物。
[本発明1015]
前記1個または複数個のリンパ球が、腫瘍浸潤リンパ球、T細胞受容体修飾型リンパ球、またはキメラ抗原受容体修飾型リンパ球である、本発明1011~1014のいずれかの組成物。
[本発明1016]
前記腫瘍浸潤リンパ球が、CD8 + CD28 - CD152 - シグネチャー、CD8+CD25+シグネチャー、またはCD4+CD25+シグネチャーを有する、本発明1015の組成物。
[本発明1017]
前記1個または複数個の免疫細胞が検出可能な部分を含む、本発明1001~1016のいずれかの組成物。
[本発明1018]
それを必要とする対象へ1個または複数個の修飾型免疫細胞を投与する工程であって、該1個または複数個の修飾型免疫細胞がMYC融合ペプチドを含み、かつ、該MYC融合ペプチドが(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列を含み、かつ該1個または複数個の修飾型免疫細胞が腫瘍特異的抗原に反応性である、該工程
を含む、対象におけるメラノーマを処置するための方法。
[本発明1019]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、前記対象から単離された初代免疫細胞に由来する、本発明1018の方法。
[本発明1020]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、同一の型のメラノーマを有する別のドナー対象から単離された初代免疫細胞に由来する、本発明1018の方法。
[本発明1021]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、前記初代免疫細胞を単離後にインビトロで前記MYC融合ペプチドと接触させることによって調製される、本発明1019または1020の方法。
[本発明1022]
前記MYC融合ペプチドとの接触前にインビトロで前記初代免疫細胞を増大させる工程をさらに含む、本発明1019~1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
前記MYC融合ペプチドとの接触後に前記初代免疫細胞を増大させる工程をさらに含む、本発明1019~1021のいずれかの方法。
[本発明1024]
抗CD3抗体を使用して前記細胞を増大させる、本発明1022または1023の方法。
[本発明1025]
照射された同種フィーダー細胞を使用して前記細胞を増大させる、本発明1022~1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
外因性サイトカインの存在下で前記細胞を増大させる、本発明1022~1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
前記サイトカインがインターロイキン2である、本発明1026の方法。
[本発明1028]
前記MYC融合ペプチドが前記免疫細胞の核へ移動する、本発明1018~1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
前記MYC融合ペプチドがMYCの生物学的活性を示す、本発明1018~1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
前記MYC融合ペプチドが、前記タンパク質形質導入ドメインと前記MYCポリペプチドとを連結する1個または複数個の分子をさらに含む、本発明1018~1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
前記MYC融合ペプチドが、以下の一般構造:
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYC配列
を有するMYC融合ペプチドを含み、
ここで、-X-が、該タンパク質形質導入ドメインと該MYC配列とを連結する分子である、本発明1018~1030のいずれかの方法。
[本発明1032]
前記タンパク質形質導入ドメイン配列がTATタンパク質形質導入ドメイン配列である、本発明1018~1031のいずれかの方法。
[本発明1033]
前記TATタンパク質形質導入ドメイン配列が、TAT[48~57]およびTAT[57~48]からなる群より選択される、本発明1032の方法。
[本発明1034]
前記MYC融合ペプチドがSEQ ID NO:1を含む、本発明1018~1033のいずれかの方法。
[本発明1035]
前記MYC融合ペプチドがアセチル化されている、本発明1018~1034のいずれかの方法。
[本発明1036]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、前記対象においてメラノーマ細胞に対する抗腫瘍活性を有する、本発明1018~1035のいずれかの方法。
[本発明1037]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、1個または複数個のアネルギー性免疫細胞を含む、本発明1018~1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
前記1個または複数個の免疫細胞が、1個または複数個のリンパ球を含む、本発明1018~1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
前記1個または複数個のリンパ球が、T細胞、B細胞、NK細胞、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1038の方法。
[本発明1040]
前記T細胞が、ナイーブT細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、メモリーT細胞、活性化T細胞、アネルギー性T細胞、寛容T細胞、キメラT細胞、および抗原特異的T細胞からなる群より選択される、本発明1039の方法。
[本発明1041]
前記B細胞が、ナイーブB細胞、形質B細胞、活性化B細胞、メモリーB細胞、アネルギー性B細胞、寛容B細胞、キメラB細胞、および抗原特異的B細胞からなる群より選択される、本発明1039の方法。
[本発明1042]
前記1個または複数個のリンパ球が、腫瘍浸潤リンパ球、T細胞受容体修飾型リンパ球、またはキメラ抗原受容体修飾型リンパ球を含む、本発明1038の方法。
[本発明1043]
前記リンパ球が、CD8 + CD28 - CD152 - シグネチャー、CD8+CD25+シグネチャー、またはCD4+CD25+シグネチャーを有する、本発明1042の方法。
[本発明1044]
前記初代免疫細胞を前記ドナー対象から単離する工程をさらに含む、本発明1019~1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
前記ドナー対象がメラノーマを有する、本発明1044の方法。
[本発明1046]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、または腫瘍内に投与される、本発明1018~1045のいずれかの方法。
[本発明1047]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞の投与前に前記対象をリンパ枯渇状態にする工程をさらに含む、本発明1018~1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
サイトカインを前記対象へ投与する工程をさらに含む、本発明1018~1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
前記サイトカインが、前記1個または複数個の修飾型免疫細胞の投与の前、最中、または後に投与される、本発明1048の方法。
[本発明1050]
前記サイトカインが、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、補体C5a、IL-2、TNFα、CD40L、IL12、IL-23、IL15、IL17、CCL1、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14-1、CCL14-2、CCL14-3、CCL15-1、CCL15-2、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL19、CCL2、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23-1、CCL23-2、CCL24、CCL25-1、CCL25-2、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL3L1、CCL4、CCL4L1、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCR10、CCR2、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCRL1、CCRL2、CX3CL1、CX3CR、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL9、CXCR1、CXCR2、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7、およびXCL2からなる群より選択される、本発明1048または1049の方法。
[本発明1051]
前記メラノーマが転移性である、本発明1018~1050のいずれかの方法。
[本発明1052]
前記対象がヒトまたは動物である、本発明1018~1051のいずれかの方法。
[本発明1053]
追加の癌治療を実施する工程をさらに含む、本発明1018~1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
前記追加の癌治療が、化学療法、放射線治療、免疫治療、モノクローナル抗体、抗癌性の核酸またはタンパク質、抗癌性のウイルスまたは微生物、およびそれらの組み合わせの中より選択される、本発明1053の方法。
[本発明1055]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が検出可能な部分を含む、本発明1018~1054のいずれかの方法。
[本発明1056]
1個または複数個の免疫細胞をインビトロでMYC融合ポリペプチドと接触させる工程であって、該免疫細胞が、1個または複数個の腫瘍抗原に曝露されたドナーに由来し、かつ、該MYC融合ペプチドが、(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列を含み、かつ腫瘍特異的抗原に反応性である、該工程
を含む、メラノーマ治療のための修飾型免疫細胞を調製するための方法。
[本発明1057]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、メラノーマを有する対象から単離された初代免疫細胞に由来する、本発明1055の方法。
[本発明1058]
前記MYC融合ペプチドとの接触前にインビトロで前記初代免疫細胞を増大させる工程をさらに含む、本発明1055または1056の方法。
[本発明1059]
前記MYC融合ペプチドとの接触後に前記初代免疫細胞を増大させる工程をさらに含む、本発明1055~1057のいずれかの方法。
[本発明1060]
抗CD3抗体を使用して前記細胞を増大させる、本発明1055~1059のいずれかの方法。
[本発明1061]
照射された同種フィーダー細胞を使用して前記細胞を増大させる、本発明1055~1060のいずれかの方法。
[本発明1062]
外因性サイトカインの存在下で前記細胞を増大させる、本発明1055~1061のいずれかの方法。
[本発明1063]
前記サイトカインがインターロイキン2である、本発明1062の方法。
[本発明1064]
前記MYC融合ペプチドが前記免疫細胞の核へ移動する、本発明1055~1063のいずれかの方法。
[本発明1065]
前記MYC融合ペプチドがMYCの生物学的活性を示す、本発明1055~1064のいずれかの方法。
[本発明1066]
前記MYC融合ペプチドが、前記タンパク質形質導入ドメインと前記MYCポリペプチドとを連結する1個または複数個の分子をさらに含む、本発明1055~1065のいずれかの方法。
[本発明1067]
前記MYC融合ペプチドが、以下の一般構造:
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYC配列
を有するMYC融合ペプチドを含み、
ここで、-X-が、該タンパク質形質導入ドメインと該MYC配列とを連結する分子である、本発明1055~1066のいずれかの方法。
[本発明1068]
前記タンパク質形質導入ドメイン配列がTATタンパク質形質導入ドメイン配列である、本発明1055~1067のいずれかの方法。
[本発明1069]
前記TATタンパク質形質導入ドメイン配列が、TAT[48~57]およびTAT[57~48]からなる群より選択される、本発明1068の方法。
[本発明1070]
前記MYC融合ペプチドがSEQ ID NO:1を含む、本発明1055~1069のいずれかの方法。
[本発明1071]
前記MYC融合ペプチドがアセチル化されている、本発明1055~1070のいずれかの方法。
[本発明1072]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が抗腫瘍活性を有する、本発明1055~1071のいずれかの方法。
[本発明1073]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、前記対象においてメラノーマ細胞に対する抗腫瘍活性を有する、本発明1055~1072のいずれかの方法。
[本発明1074]
前記1個または複数個の修飾型免疫細胞が、1個または複数個のアネルギー性免疫細胞を含む、本発明1055~1073のいずれかの方法。
[本発明1075]
前記1個または複数個の免疫細胞が、1個または複数個のリンパ球を含む、本発明1055~1074のいずれかの方法。
[本発明1076]
前記1個または複数個のリンパ球が、T細胞、B細胞、NK細胞、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1075の方法。
[本発明1077]
前記T細胞が、ナイーブT細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、メモリーT細胞、活性化T細胞、アネルギー性T細胞、寛容T細胞、キメラT細胞、および抗原特異的T細胞からなる群より選択される、本発明1076の方法。
[本発明1078]
前記B細胞が、ナイーブB細胞、形質B細胞、活性化B細胞、メモリーB細胞、アネルギー性B細胞、寛容B細胞、キメラB細胞、および抗原特異的B細胞からなる群より選択される、本発明1076の方法。
[本発明1079]
前記1個または複数個のリンパ球が、腫瘍浸潤リンパ球、T細胞受容体修飾型リンパ球、またはキメラ抗原受容体修飾型リンパ球を含む、本発明1075の方法。
[本発明1080]
前記リンパ球が、CD8 + CD28 - CD152 - シグネチャー、CD8+CD25+シグネチャー、またはCD4+CD25+シグネチャーを有する、本発明1075の方法。
[本発明1081]
本発明1001~1017のいずれかの組成物を投与する工程
を含む、対象における養子細胞治療またはT細胞治療の有効性を増大させるための方法。
[本発明1082]
メラノーマの処置において使用するための、本発明1001~1017のいずれかの組成物。
[本発明1083]
MYC融合ペプチドを含み、該MYC融合ペプチドが(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列を含む、腫瘍浸潤リンパ球。
[本発明1084]
キメラ抗原受容体とMYC融合ペプチドとを含み、該MYC融合ペプチドが(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列を含む、リンパ球。
[本発明1085]
1個または複数個の初代免疫細胞を、(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列を含む、MYC融合ペプチドと接触させる工程であって、1個または複数個の初代免疫細胞がメラノーマを有する患者から単離され、かつ1個または複数個の初代免疫細胞がメラノーマ特異的抗原に反応性である、該工程
を含む、養子細胞治療のための組成物を調製するための方法。
[本発明1086]
(a)メラノーマ細胞株に曝露された1個または複数個の単離された初代免疫細胞;および
(b)(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列
を含む、MYC融合ペプチド
を含み、
該1個または複数個の初代免疫細胞がメラノーマ特異的抗原に反応性である、組成物。
本開示は、本願において記載された具体的な態様によって限定されず、それらは、本開示の個々の局面の単一の例示であるものとする。本開示の様々な態様が、全て、本明細書中に記載されるわけではない。当業者に明白であるように、その本旨および範囲から逸脱することなく、本開示の多くの修飾物および変種が作製され得る。本明細書中に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内にある機能的に等価な方法および装置が、前記の説明から、当業者に明白になるであろう。そのような修飾物および変種は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。本開示は、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲と共に、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
本明細書中で使用される専門用語は、具体的な態様を記載するためのものに過ぎず、本開示を限定するためのものではない。本明細書中で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」には、前後関係が明白に他のことを示さない限り、複数形も含まれるものとする。
である。
NP_002458.2(UniProtKB/Swiss-Prot:P01106.2)の配列は、
である。
を含む。
の配列を含む。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、転写因子(例えば、転写因子64)である。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、EボックスDNA結合ドメインを含有している。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、CACGTGを含む配列に結合する。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、細胞の生存および/または増殖のうちの一つまたは複数を促進する。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、前記のもののうちの一つまたは複数を含み、1個または複数個の翻訳後修飾(例えば、アセチル化)を含む。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、ポリペプチドのN末端またはC末端に、1個または複数個の付加的なアミノ酸残基を含む。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、融合タンパク質である。いくつかの態様において、MYCポリペプチドは、ポリペプチドのN末端またはC末端において1個または複数個の付加的なペプチドと連結されている。
の配列を含む。ある種の場合において、MYCによってコードされた転写因子のEボックス配列への結合は、RNAポリメラーゼがEボックス配列の下流の遺伝子を転写することを可能にする。
本開示は、一部分、抗腫瘍活性を有する1個または複数個の免疫細胞(例えば、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のような、腫瘍に対する応答をモジュレートする免疫細胞)を含む組成物を投与することによる、対象におけるメラノーマの処置に関し、1個または複数個の免疫細胞を、対象への投与前にインビトロでPTD-MYC融合ポリペプチドと接触させる。いくつかの態様において、免疫細胞は、メラノーマ腫瘍を有するドナー対象から入手される。いくつかの態様において、細胞は処置を受容する対象に対して自己である。いくつかの態様において、メラノーマは、表在拡大型メラノーマ、結節性メラノーマ、悪性黒子由来メラノーマ、または末端メラノーマである。
(a)免疫細胞をインビトロでMYC融合ポリペプチドと接触させる工程であって、免疫細胞が、1個または複数個のメラノーマ腫瘍抗原に曝露されたドナーに由来し、かつMYC融合ペプチドが、(i)タンパク質形質導入ドメイン;(ii)MYCポリペプチド配列を含む、工程;および
(b)接触させた免疫細胞をメラノーマ腫瘍保持対象へ投与し、それによって、メラノーマを処置する工程
を含む。
(a)リンパ球をインビトロでPTD-MYC融合ポリペプチドと接触させる工程であって、リンパ球が対象由来の自己腫瘍浸潤リンパ球である、工程、および
(b)接触させた自己腫瘍浸潤リンパ球を対象へ投与し、それによって、メラノーマを処置する工程
を含む。
本明細書中に提供される方法において使用するための免疫細胞は、当技術分野において公知の任意の適切な方法を使用して入手され得る。いくつかの態様において、免疫細胞は、初代免疫細胞である。いくつかの態様において、免疫細胞は、T細胞およびB細胞のようなリンパ球である。いくつかの態様において、免疫細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。いくつかの態様において、免疫細胞は、リンパ球およびNK細胞の混合物である。いくつかの態様において、免疫細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)である。いくつかの態様において、免疫細胞は、腫瘍に浸潤したT細胞(例えば、腫瘍浸潤リンパ球)である。いくつかの態様において、T細胞は、対象におけるメラノーマ腫瘍または転移性腫瘍の手術中に取り出される。例えば、いくつかの態様において、T細胞は、生検によって腫瘍組織を取り出した後に単離される。いくつかの態様において、免疫細胞は、ドナーから単離された後に修飾される。いくつかの態様において、免疫細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞である。
いくつかの態様において、PTD-MYC融合ポリペプチドは、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)、細胞の生存または増殖のうちの一つまたは複数を促進するMYCポリペプチドを含み、任意で、タンパク質タグドメイン、例えば、融合タンパク質の精製を容易にする1個または複数個のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、MYCポリペプチドと接触させた細胞は、(例えば、MYCと接触させていない同じ型の同一もしくは類似の細胞と比較して)増加した生存時間、および/または(例えば、MYCと接触させていない同じ型の同一もしくは類似の細胞と比較して)増大した増殖を示す。
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列
のペプチドである。
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYCポリペプチド配列
のペプチドであり、
ここで、-X-は、タンパク質形質導入ドメインとMYCポリペプチド配列とを連結する分子である。いくつかの態様において、-X-は、少なくとも1個のアミノ酸である。
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYCポリペプチド配列-X-タンパク質タグ1-X-タンパク質タグ2(式(III))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-X-タンパク質タグ1-X-タンパク質タグ2(式(IV))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-タンパク質タグ1-X-タンパク質タグ2(式(V))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-タンパク質タグ1-タンパク質タグ2(式(VI))
のペプチドであり、
ここで、-X-は、リンカーである。いくつかの態様において、-X-は、1個または複数個のアミノ酸である。
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYCポリペプチド配列-X-6-ヒスチジンタグ-X-V5エピトープタグ(式(VII))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-X-6-ヒスチジンタグ-X-V5エピトープタグ(式(VIII))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-6-ヒスチジンタグ-X-V5エピトープタグ(式(IX))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-6-ヒスチジンタグ-V5エピトープタグ(式(X))、
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYCポリペプチド配列-X-V5エピトープタグ-X-6-ヒスチジンタグ(式(XI))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-X-V5エピトープタグ-X-6-ヒスチジンタグ(式(XII))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-V5エピトープタグ-X-6-ヒスチジンタグ(式(XIII))、または
タンパク質形質導入ドメイン-MYCポリペプチド配列-V5エピトープタグ-6-ヒスチジンタグ(式(XIV))
のペプチドであり、
ここで、-X-は、リンカーである。いくつかの態様において、-X-は、1個または複数個のアミノ酸である。
いくつかの態様において、MYC融合タンパク質は、タンパク質形質導入ドメインを含む。ペプチド輸送は、低分子、タンパク質、または核酸の、細胞の細胞内区画への細胞膜を介した送達のための代替法を提供する。十分に特徴決定されているタンパク質形質導入ドメイン(PTD)の一つの非限定的な例は、TAT由来ペプチドである。Frankelら(例えば、米国特許第5,804,604号、米国特許第5,747,641号、米国特許第5,674,980号、米国特許第5,670,617号、および米国特許第5,652,122号を参照すること)は、TATのアミノ酸48~57を含有しているペプチドを、カーゴタンパク質とコンジュゲートすることによる、カーゴタンパク質(βガラクトシダーゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ)の細胞への輸送を証明した。いくつかの態様において、TATは、
のアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様において、MYC融合タンパク質は、融合タンパク質の精製を容易にする1種類または複数種類のアミノ酸配列を含むタンパク質タグドメインを含む。いくつかの態様において、タンパク質タグドメインには、ポリヒスチジンタグおよびエピトープタグのうちの1つまたは複数が含まれる。例えば、非限定的に、例示的なタグには、V5、ヒスチジンタグ(例えば、6-ヒスチジンタグ)、HA(赤血球凝集素)タグ、FLAGタグ、CBP(カルモジュリン結合ペプチド)、CYD(共有結合性であるが解離可能なNorpDペプチド)、StrepII、またはHPC(プロテインCの重鎖)のうちの1つまたは複数が含まれる。いくつかの態様において、タンパク質タグドメインは、約10~20アミノ酸長を含む。いくつかの態様において、タンパク質タグドメインは、2~40アミノ酸長、例えば、6~20アミノ酸長を含む。いくつかの態様において、前記のリストされたタグのうちの2つ(例えば、V5およびHISタグ)が、タンパク質タグドメインを形成するために共に使用される。
のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、V5タグは、
のアミノ酸配列を含む。
本明細書中に開示されたPTD-MYC融合ポリペプチド(例えば、TAT-MYC融合ポリペプチド)は、当技術分野において周知の方法によって構築され得る。例えば、非限定的に、TAT-MYC融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、PCRによって生成され得る。いくつかの態様において、ヒトMYC配列のための順方向プライマーは、TATタンパク質形質導入ドメインのインフレームN末端9アミノ酸配列(例えば、RKKRRQRRR)を含む。いくつかの態様において、ヒトMYC配列のための逆方向プライマーは、終止コドンを除去するために設計される。いくつかの態様において、PCR産物は、適切な発現ベクターへクローニングされる。いくつかの態様において、発現ベクターは、ポリヒスチジンタグおよびV5タグを含む。
PTD-MYC融合ポリペプチド修飾型免疫細胞は、患者におけるメラノーマの処置のため、投与される。いくつかの態様において、患者は、転移性メラノーマを有する。いくつかの態様において、患者は、PTD-MYC融合ポリペプチド修飾型免疫細胞の投与前にメラノーマの処置のための1種類または複数種類の作用物質を受容したことがある。いくつかの態様において、メラノーマは、再発メラノーマまたは難治性メラノーマである。いくつかの態様において、メラノーマは、転移性メラノーマである。いくつかの態様において、メラノーマは、表在拡大型メラノーマ、結節性メラノーマ、悪性黒子由来メラノーマ、または末端メラノーマである。いくつかの態様において、メラノーマは、メラノーマの処置のための1種類または複数種類の作用物質に対して抵抗性である。
本明細書中に提供されるMYC融合ポリペプチドおよび/またはMYC融合ポリペプチド修飾型免疫細胞を含む薬学的組成物は、メラノーマの処置において使用するため、キットまたは薬学的システムへ組み立てられ得る。この態様によるキットは、バイアル、チューブ、アンプル、ボトル、注射器、またはバッグのような1個または複数個の容器が密封されたボックス、カートン、チューブのような運搬手段を含み得る。キットは、MYC融合ポリペプチドおよび/またはMYC融合ポリペプチド修飾型免疫細胞を使用するための関連する説明書も含み得る。
この実施例においては、HIV-1トランス活性化タンパク質(TAT)のタンパク質形質導入ドメインおよびMYCを含むPTD-MYC融合ポリペプチドの、インビボでメラノーマ細胞に対する免疫応答をモジュレートする能力を調査した。具体的には、メラノーマ保持マウスに由来し、TAT-MYCによって処理されたリンパ系細胞の、メラノーマ腫瘍を保有しているマウスを処置する能力を研究した。これらの研究の目的は、メラノーマ保持マウスに由来し、TAT-MYCリンパ球を生成するため、TAT-MYCによって処理された免疫細胞が、メラノーマ保持マウスへ移植されると、メラノーマ腫瘍のための有効な処置になるか否かを判定することであった。
C57BL/6Jは、最も広く使用されている近交系であり、そのゲノムが配列決定された最初の系統である。この系統は、多くの腫瘍に対して難治性であるが、大部分の変異の最大発現を許容するバックグラウンドである。C57BL/6Jマウスは、聴原発作に対して抵抗性であり、比較的低い骨密度を有し、年齢に関連した難聴を発症する。それらは、食事によって誘導される肥満、2型糖尿病、およびアテローム性動脈硬化症にもかかりやすい。この系統に由来するマクロファージは、炭疽菌致死毒素の効果に対して抵抗性である。
体重がおよそ25gであり、メラノーマ腫瘍を保有している15匹のC57BL/6マウス(Jackson Laboratory Stock#000664)を生成し、5匹の3コホート、未処置対照としての1匹の1コホート、腫瘍保持マウスに由来し、対照TAT融合タンパク質によって処理されたリンパ系細胞によって処置される1コホート、およびTAT-MYCリンパ球によって処置される1コホートに分割した。
植え込みのためのB16-F10メラノーマ細胞(ATCC CRL 6475、マウス皮膚メラノーマ)を、D10培地(DMEM、10%FBS、Pen/Strep(10,000単位/ml)(Gibco Cat#15140);L-グルタミン(200mM)(Gibco Cat#25030);MEM非必須アミノ酸(Gibco Cat#11140))において培養した。
この実施例においては、TAT-MYCによって処理されたリンパ球の異なる投与量の、メラノーマ腫瘍の免疫治療のための治療効果を調査した。この実験は、TAT-MYCによって処理されたリンパ球のいくつかの異なる用量が注射され比較されたこと以外は、前記の実施例1と同様に実施された。2回の実験を実施した。第1の実験、実験3においては、TAT-MYCリンパ球を、以下の投薬群に従って、尾静脈注射を介して、メラノーマ保持マウスへ投与した:細胞3.0×106個/kg、細胞6.0×106個/kg、細胞14.0×106個/kg、および細胞70.0×106個/kg。対照群については、70.0×106個のTAT-Creによって処理された細胞をマウスへ投与するか、または細胞の投与を行わなかった(NT)。第2の実験、実験4においては、TAT-MYCリンパ球を、以下の投薬群に従って、尾静脈注射を介して、メラノーマ保持マウスへ投与した:細胞4.0×103個/kg、細胞4.0×104個/kg、細胞4.0×105個/kg、細胞4.0×106個/kg、および細胞4.0×107個/kg。対照群については、4.0×106個のTAT-Creによって処理された細胞をマウスへ投与するか、または細胞の投与を行わなかった(NT)。実験3および4からの結果は、それぞれ、図3および4に示される。図に示されるように、両方の実験において、増加する量のTAT-MYCリンパ球(TBX-3400)によるメラノーマ保持マウスの処置は、有意に改善された全体生存率をもたらした。これらの実験は、メラノーマ保持対象を処置するためのTAT-MYCリンパ球の再現性および有効性の両方を証明する。
Claims (13)
- 受容対象においてメラノーマを処置するための養子細胞治療において使用するための腫瘍浸潤リンパ球であって、該腫瘍浸潤リンパ球が、MYC融合ペプチドを含み、該MYC融合ペプチドが(i)タンパク質形質導入ドメイン、および(ii)MYCポリペプチド配列を含み、該腫瘍浸潤リンパ球が、メラノーマ特異的抗原に対して反応性である、腫瘍浸潤リンパ球。
- 受容対象においてメラノーマを処置するための養子細胞治療において使用するためのリンパ球であって、該リンパ球が、キメラ抗原受容体とMYC融合ペプチドとを含み、該MYC融合ペプチドが(i)タンパク質形質導入ドメイン、および(ii)MYCポリペプチド配列を含む、リンパ球。
- 1個または複数個の請求項1に記載の腫瘍浸潤リンパ球を含む、養子細胞治療において使用するための組成物であって、該腫瘍浸潤リンパ球が、メラノーマ特異的抗原に対して反応性であり、かつ該組成物が、受容対象におけるメラノーマの処置において使用するための組成物である、該組成物。
- 前記MYC融合ペプチドが、前記1個または複数個の腫瘍浸潤リンパ球の核へ移動する、請求項3に記載の組成物。
- 前記MYC融合ペプチドがMYC標的遺伝子の活性化を示す、請求項3または4に記載の組成物。
- 前記MYC融合ペプチドが、前記タンパク質形質導入ドメインと前記MYCポリペプチド配列とを連結する1個または複数個の分子をさらに含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記MYC融合ペプチドが、以下の一般構造:
タンパク質形質導入ドメイン-X-MYC配列
を有するMYC融合ペプチドを含み、
ここで、-X-が、該タンパク質形質導入ドメインと該MYCポリペプチド配列とを連結する分子である、請求項3~6のいずれか一項に記載の組成物。 - 前記タンパク質形質導入ドメイン配列がTATタンパク質形質導入ドメイン配列である、請求項3~7のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記TATタンパク質形質導入ドメイン配列が、TATのアミノ酸48~57を含む、請求項8に記載の組成物。
- 前記MYC融合ペプチドがSEQ ID NO:1を含む、請求項3~9のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記MYC融合ペプチドがアセチル化されている、請求項3~10のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記腫瘍浸潤リンパ球が、CD8+CD28-CD152-シグネチャー、CD8 + CD25 + シグネチャー、またはCD4 + CD25 + シグネチャーを有する、請求項3に記載の組成物。
- 前記組成物が、皮下投与、皮内投与、腫瘍内投与、リンパ節内投与、髄内投与、筋肉内投与、くも膜下腔内投与、静脈内注射、リンパ内注射、または腹腔内投与用に製剤化された、請求項3に記載の組成物。
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