JP7197461B2 - 泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤 - Google Patents

Description

本発明は自然発火による発電所の稼働障害、有煙炭浪費、悪臭発生などの問題を予防することができるようにした有煙炭用自然発火抑制剤に係り、より詳しくは自然発火抑制剤を組成した後に界面活性剤を混合する方式ではなく、自然発火抑制剤の組成時に界面活性剤を混合して水溶性の泡原液形態に組成し、水溶性の泡原液形態に組成された自然発火抑制剤を水と混合することにより、噴射時に発泡状で有煙炭に均一に分散及び塗布されて自然発火を予防し、屋内貯炭場の場合、有煙炭の飛散防止にも役立つ泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤に関する。

一般に、石炭の自然発火は、揮発分、水分、炭化度、不純物による酸化、酸素吸収などの多くの要因が複合的に作用して発生する。

石炭が空気又は水中の酸素を吸収すれば、石炭に含有された揮発分は引火点が低いから活性化しながら熱を発生して自然に発火現象が発生する。石炭粒子の大きさが小さいほど表面積が増加し酸素との接触面が増加して自然発火が頻繁に発生する。よって酸化速度が増加して自然発火発生率が増加する。

石炭の貯炭期間が長くなるほど、石炭の酸素吸収率が増加するにつれて、引火点の低い揮発分が活性化し石炭塊の内部温度が上昇して自然発火の可能性が高くなるので、貯炭中の石炭に含有された引火点の低い揮発分が活性化しないように抑制させることが最も重要な条件である。

また、発電所と製鉄所が購買する有煙炭は鉱山で採炭されて移送されるものなので、粉末から塊まで多様な形態を有するので、自然発火抑制剤を石炭に有効に塗布するためには、コンベヤーベルトシステム内の石炭が落下する場所で発泡状（Ｆｏａｍｉｎｇ）で上から下方に噴射することにより均一に塗布することができる。したがって、自然発火抑制剤も水及び空気と混合して発泡状で噴射可能な泡原液形態（Ｆｏａｍ Ｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｅ）に組成することが二番目で重要な条件である。

特に、揮発分と自然発火現象は正比例する。したがって、揮発分の多い有煙炭は自然発火の可能性が高いから、低等級に分類されて低価で取り引きされる。

有煙炭は揮発分を１０～２０％含有しているから大部分が自然発火の可能性があり、低級炭の場合、値段が安い反面、揮発分が３０～４０％と高くて自然発火の危険性がもっと高くなる。

したがって、揮発分の活性化を抑制し酸素の吸収を遮断して自然発火を抑制することができるならば、安価の有煙炭を輸入して経済的なエネルギー源を効率的に確保することができる。また、貯炭場内での自然発火による火災は爆発を伴う場合が多いから、これを予防する自然発火抑制技術は石炭火力発電所の運営側面で必須に要求される技術である。

近年、政府の微細ほこり対策の一環として有煙炭発電所の貯炭場の屋内化事業が進行されているので、屋内化した貯炭場内での自然発火による火災予防は国家基幹産業の火災予防の側面でも非常に重要な課題となっている。

自然発火発生の原因として、外部条件としては、酸素濃度が高いほど、温度が高いほど、かつ湿度が低いほど、自然発火の危険性が高く、成分条件としては、揮発分が多いほど、かつ粉炭が多いほど、自然発火の危険性が高い。

自然発火による事故例を見れば、韓国のサンチョクでは、２０１５年１２月１０日にコンベヤーベルトで石炭を移送する過程で火災が発生して発電所の稼働が中断されたことがあり、韓国のダンジンでは、２０１１年８月及び２０１８年１１月に貯炭場内の自然発火が約１週間以上続いて住民らが悪臭によって大きな不便を経験したことがあり、韓国のポチョンでは、２０１８年８月８日に自然発火によって火力発電所で爆発事故が発生して人命被害が発生したことがある。

下記の特許文献である韓国登録特許第１０－１０４７５１５号公報には、灰分及び水分の含量が多い低級炭を高品位化し、自然発火を抑制するための低等級石炭改質方法及び低等級石炭改質装置が記載されている。

このような前記先行技術の低等級石炭改質方法は、粉砕選別段階、脱水段階、揮発分除去段階、コーティング段階、蒸発除去段階及び成形段階からなる。

前記粉砕選別段階は低等級石炭を細かく粉砕する段階である。すなわち、低等級石炭は固定炭素分と灰分及び水分を含んでいるから、低等級石炭を粉砕して固定炭素分を灰分及び水分から分離するためである。粉砕選別段階では、低等級石炭を粉砕するために摩耗粉砕機が使われる。

以上のように、前記先行技術は低等級石炭改質方法及び低等級石炭改質装置に関するもので、低等級石炭を改質して自然発火を抑制するために、粉砕装置、脱水装置、分離装置、乾燥装置、コーティング装置などを含む高費用の複雑な工程でなることが分かる。

このように実施される先行技術は、石炭を改質して自然発火を抑制するための工程が複雑であって設備費と維持補修費が増加する問題点があり、特に別途の設備設置空間が一緒に備えられなければならない問題点がある。

一方、さらに他の最近の自然発火に対する対応策として、酸化防止剤を主原料として非泡原液形態（ｎｏｎ ｆｏａｍ ｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｅ）の自然発火抑制剤を開発し、これを界面活性剤（飛散防止剤）及び水と混合して石炭に塗布する方法が知られている。しかし、自然発火抑制剤の装備腐食性と高い流動点（０度）、界面活性剤と同時に使わなければならない不便性、使用薬剤の増加による設備関連の非経済性などの問題点がある。

したがって、自然発火現象を防止するために、今までに試みられて来た方法又は製品の問題点を解消することができる自然発火抑制剤に対する要求が高まっている。

韓国登録特許第１０－１０４７５１５号公報

本発明は前記のような従来の欠点を解消するためになされたもので、その目的は、自然発火抑制剤を組成した後に界面活性剤を混合する方式ではなく、自然発火抑制剤の組成時に界面活性剤を混合して水溶性の泡原液形態に組成し、水溶性の泡原液形態に組成された自然発火抑制剤を水と混合することにより、噴射時に発泡状で有煙炭に均一に分散及び塗布されて自然発火を予防し、有煙炭の自然発火を抑制するとともに飛散を防止することができるようにした泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤を提供することにある。

また、本発明の目的は、有煙炭の自然発火を抑制させることにより、自然発火による発電所の稼働障害、有煙炭浪費、悪臭発生などの問題を予防することができるようにした泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤を提供することにある。

また、本発明の目的は、有煙炭の自然発火を抑制するとともに飛散を防止することにより、安価の有煙炭の使用によって経済的で安全に環境に優しく有煙炭発電所を運営することができるようにした泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤を提供することにある。

また、本発明の目的は、簡単で経済的に有煙炭の自然発火を抑制することができる泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤を提供することにある。

また、本発明の目的は、流動点を改良して零下２０度でも使えるようにした泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤を提供することにある。

前記目的を達成するために、本発明による自然発火抑制剤は、泡原液形態（Ｆｏａｍ Ｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｅ）に組成され、水及び空気とともに噴射されて泡状（Ｆｏａｍｉｎｇ）で有煙炭に分散及び塗布されるものである。

また、本発明によれば、前記泡原液形態に組成された自然発火抑制剤４重量％に、空気が混合された水９６重量％が混合され、発泡状で有煙炭に分散及び塗布されるものである。

また、本発明による前記自然発火抑制剤は、酸化防止剤７～１３重量％、揮発分活性化抑制剤２０～４０重量％、乳化剤化合物２０～４０重量％、及び水２０～４０重量％が混合されて組成されたものである。

また、本発明による自然発火抑制剤の酸化防止剤は有煙炭の酸化を防止するフェニレンジアミンからなるものである。

また、本発明による自然発火抑制剤の揮発分活性化抑制剤は揮発分の活性化を抑制するメチルジエタノールアミン（ＭＤＥＡ）からなるものである。

また、本発明による前記自然発火抑制剤の乳化剤化合物は、ブチルジグリコール２５～４０重量％、グリコールエーテル２～１０重量％、非イオン系界面活性剤３～１０重量％、及びヒマシ油系乳化剤４５～６５重量％からなるものである。

本発明の泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤によれば、酸化防止剤、揮発分活性化抑制剤及び乳化剤化合物を用いて水溶性の泡原液形態に自然発火抑制剤を組成したので、飛散防止剤なしに水溶性の泡原液形態に組成された自然発火抑制剤を水及び空気と混合し、コンベヤーベルトシステム内で発泡状で有煙炭に均一に分散及び塗布されることにより、有煙炭の自然発火を抑制するとともに飛散を防止することができる効果がある。

また、自然発火抑制剤を有煙炭に分散及び塗布して有煙炭の自然発火を抑制することができるので、特に屋内貯炭場での自然発火による発電所の稼働障害、有煙炭浪費、悪臭発生などの問題を予防することができる効果がある。

また、有煙炭の自然発火を抑制するとともに飛散を防止することができるので、安価の有煙炭の使用により、経済的で安全に環境に優しく有煙炭発電所を運営することができる効果がある。

また、簡単で経済的に有煙炭の自然発火を抑制することができる有煙炭用自然発火抑制剤を組成することができる効果がある。

また、自然発火抑制剤に含まれたメチルジエタノールアミン（ＭＤＥＡ）によって自然発火抑制剤の流動点も自然に改善して零下２０℃以下でも使用可能であるので、使用便宜性を向上させることができるとともに設備の側面で貯蔵タンクに保温設備を備えなくても良い効果がある。

また、乳化剤化合物が充分に含有されているから、発泡状で噴射させるための飛散防止剤を別に保有する必要がないので、設備費及び維持費の側面で経済的な効果がある。

本発明による泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤は、泡原液形態（Ｆｏａｍ Ｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｅ）に組成されて水及び空気とともに噴射されて発泡状（Ｆｏａｍｉｎｇ）で有煙炭に分散及び塗布されることを特徴とする。

前記泡原液形態は水と混合されて発泡する水溶性の機能性薬剤（製品）を言い、前記発泡状は水溶性の泡原液形態に組成された自然発火抑制剤と水の混合時に発生する泡を言うものである。本発明による有煙炭用自然発火抑制剤は水溶性泡原液形態の製品になる場合にのみ水と混合されて自然発火抑制剤水溶液を作ることができ、このようにする場合にのみ発泡倍率の分だけ膨張して発泡状で多量の有煙炭に均一に分散及び塗布されることができる。ここで、水溶性を強調したことは、自然発火抑制剤の核心物質が水とよく混合されることが重要であるからである。すなわち、水とよく混合される場合、多量の有煙炭に均一に分散及び塗布されることができ、これによって発火抑制の効果を期待することができるからである。

このように、本発明で自然発火抑制剤を水溶性の泡原液形態に組成したことは、自然発火抑制剤の核心物質を適正な濃度（ｐｐｍ）でできるだけ全ての有煙炭に均一に分散及び塗布するためである。性能がいかに優れた自然発火抑制剤と言っても泡原液形態に開発されることができなければ、４リットルの自然発火抑制剤水溶液で１０００ｋｇの有煙炭に均一に塗布することができない。よって、多量の有煙炭に効果的に塗布するためには、発泡状の塗布が不可避であり、そうするためには発泡倍率が１０倍程度になる泡原液形態に自然発火抑制剤を組成する。ここで、本発明によれば、４リットルの自然発火抑制剤水溶液を発泡状で噴射すれば、泡の発生量は４０リットルになるので、発泡状の自然発火抑制剤を４０リットル準備して有煙炭１０００ｋｇに分散及び塗布することができる。

前記泡原液形態に組成された自然発火抑制剤４重量％に水９６重量％を混合して発泡状で有煙炭に分散及び塗布することが好ましい。自然発火抑制剤が４重量％未満であれば、自然発火抑制剤の自然発火を抑制する安全性が減少し、４重量％を超えれば、自然発火抑制剤の品質が低下する。すなわち、前記自然発火抑制剤４重量％及び水９６重量％を混合し、コンベヤーベルトシステム内で３個以上の発泡ノズルを介して発泡状で有煙炭に均一に分散及び塗布することが好ましい。

ここで、本発明による自然発火抑制剤は水と混合してうまく発泡するようにするものである。空気と混合すればもっとうまく発泡し、これにより自然発火抑制剤を有煙炭に均一に分散及び塗布することができる。

すなわち、自然発火抑制剤に空気を人為的に混合させなくても水が水圧によって供給されるから、発泡倍率の範囲内で空気が水と混合するので発泡するのに問題がないが、よりよい泡をうまく発泡してもっとうまく維持するためには、コンプレッサーなどで空気を混合させることが好ましい。ここで、自然発火抑制剤水溶液と空気の混合比は１：１０であることが好ましい。

上述したように、コンプレッサーなどで空気を混合させなくても発泡状で噴射することはできるが、本発明では、空気を混合させることで、屋内貯炭場に投入される全ての有煙炭が泡シャワーを受けることができるようにし、これにより自然発火抑制剤を有煙炭に均一に分散及び塗布することができるようにしたものである。

このように、泡原液形態に組成された自然発火抑制剤を水及び空気と混合して発泡状で有煙炭に均一に分散及び塗布することにより、有煙炭粉塵の飛散を防止するとともに、酸化防止、揮発分の活性化抑制、粉塵発生抑制、温度上昇抑制などに寄与し、湿度の低下を防止することにより、確実に貯炭場内の有煙炭が燃焼室に移動するまで自然発火を抑制する。

本発明の実施例によれば、前記自然発火抑制剤は、酸化防止剤７～１３重量％、揮発分活性化抑制剤２０～４０重量％、乳化剤化合物２０～４０重量％、及び水２０～４０重量％を混合して自然発火抑制剤を組成することを特徴とする。

前記酸化防止剤は、有煙炭が空気又は水中の酸素を吸収することを抑制して自然発火を抑制する。ここで、前記酸化防止剤は、自然発火抑制剤の総量に対し、７～１３重量％を混合することが有効である。７重量％未満であれば自然発火抑制剤の酸化安全性が減少し、１３重量％を超えれば自然発火抑制剤の品質が低下する。

前記揮発分活性化抑制剤は、有煙炭成分中の揮発分の活性化を抑制して自然発火を抑制する。ここで、前記揮発分活性化抑制剤は、自然発火抑制剤の総量に対し、２０～４０重量％を混合することが有効である。２０重量％未満であれば自然発火抑制剤の自然発火を抑制する安全性が減少し、４０重量％を超えれば自然発火抑制剤の品質が低下する。

前記有煙炭用自然発火抑制剤は、主成分である酸化防止剤、揮発分活性化抑制剤及び乳化剤化合物を用いて水溶性の泡原液形態に組成し、水溶性の泡原液形態に組成された自然発火抑制剤を飛散防止剤なしに水及び空気と混合して発泡状で有煙炭に均一に分散及び塗布して自然発火を予防するとともに有煙炭の飛散を防止する。

前記自然発火抑制剤に含まれた乳化剤化合物は、乳化分散力を高めるだけでなく、水の表面張力を減少させ、有煙炭に対して発泡状で分散及び塗布されるようにし、粉塵の飛散を防止する機能をする。ここで、前記乳化剤化合物は、自然発火抑制剤の総量に対し、２０～４０重量％を混合することが有効である。２０重量％未満であれば乳化分散力が減少することがあり、４０重量％を超えれば過多に発泡して分散性及び塗布性が減少することがあり、流動点が高くなって使用便宜性が低下することがある。

また、前記自然発火抑制剤に含まれた乳化剤化合物は溶剤及び可溶化剤を含んでいるので、粘度を低め、組成物の構成成分間の結合力を高め、さらに使用可能期間を伸ばし、水分乾燥効率を向上させる機能をする。

本発明の実施例によれば、前記自然発火抑制剤の酸化防止剤は有煙炭の酸化を防止するフェニレンジアミンから構成されることを特徴とする。ここで、前記自然発火抑制剤の酸化防止剤として使われるフェニレンジアミンは共鳴によって安定化するから、酸化防止に対する活性が非常に高くて特に自然発火抑制剤の酸化安全性を向上させる。したがって、本発明のフェニレンジアミンは自然発火抑制剤の酸化分解を遅延させ、酸化安全性をより向上させるための添加剤である酸化防止剤化合物として有用に使うことができる。

本発明の実施例によれば、前記自然発火抑制剤の揮発分活性化抑制剤は揮発分の活性化を抑制するメチルジエタノールアミン（ＭＤＥＡ）からなることを特徴とする。ここで、前記自然発火抑制剤の揮発分活性化抑制剤として使われるメチルジエタノールアミンは水との水化反応によって塩基触媒の役割をするものであり、このようなメチルジエタノールアミンは劣化及び腐食に強い特性を有し、高い沸点、低い蒸気圧などの特性上、引火点の低い揮発分の活性化を抑制する揮発分活性化抑制剤として有用に使うことができる。ここで、メチルジエタノールアミン（ＭＤＥＡ）が主原料として使われて流動点が自然に改善し、零下２０℃以下でも使用可能であるので、使用便宜性を向上させることができるとともに設備の側面で貯蔵タンクに保温設備を備えなくても良い。

本発明の実施例によれば、前記自然発火抑制剤の乳化剤化合物は、ブチルジグリコール２５～４０重量％、グリコールエーテル２～１０重量％、非イオン系界面活性剤３～１０重量％、及びヒマシ油系乳化剤４５～６５重量％からなることを特徴とする。

前記ブチルジグリコールは、優れた乳化性、低い揮発性及び高い沸点の特性があるから、基本的な乳化剤として使われる。ここで、前記ブチルジグリコールは、乳化剤化合物の総量に対し、２５～４０重量％を混合することが有効である。２５重量％未満であれば乳化性が減少し、４０重量％を超えれば乳化剤化合物の品質が低下する。

前記グリコールエーテルは、乳化しにくい酸化防止剤の乳化のための溶媒剤として効果的に使われる。ここで、前記グリコールエーテルは、乳化剤化合物の総量に対し、２～１０重量％を混合することが有効である。２重量％未満であれば溶媒剤の効果が減少し、１０重量％を超えれば乳化剤化合物の品質が低下する。

前記非イオン系界面活性剤は、アルカリ系混合物質の溶解性及び安全性に優れて界面活性剤として使われる。ここで、前記非イオン系界面活性剤は、乳化剤化合物の総量に対し、３～１０重量％を混合することが有効である。３重量％未満であれば溶解性及び安全性が減少し、１０重量％を超えれば乳化剤化合物の品質が低下する。

前記ヒマシ油系乳化剤は、分散性及び泡生成力に優れ、グリコールエーテルとともに、酸化防止剤の完璧な溶解のための可溶化剤と界面活性剤として使われる。ここで、前記ヒマシ油系乳化剤は、乳化剤化合物の総量に対し、４５～６５重量％を混合することが有効である。４５重量％未満であれば分散性及び泡生成力が減少し、６５重量％を超えれば乳化剤化合物の品質が低下する。

＜自然発火抑制性の評価＞
本発明によって組成された自然発火抑制剤水溶液の自然発火抑制性評価のために、実際に使用されている有煙炭１ｋｇを容器に入れ、自然発火抑制剤水溶液（４ｍｌ）を噴射した後、１００℃まで加熱することにより、揮発分が活性化して発生する有害性ガスを捕集して測定した。

また、相対的比較実験のために、本発明によって組成された自然発火抑制剤水溶液（４ｍｌ）を噴射しなかった状態で有煙炭１ｋｇを同じ容器に入れ、１００℃まで加熱することにより、揮発分が活性化して発生する有害性ガスを捕集して測定した。前記測定結果、本発明の自然発火抑制剤水溶液を噴射した有煙炭は、自然発火抑制剤水溶液を噴射しなかった有煙炭に比べ、有害性ガスの発生量が少ないことが把握された。したがって、本発明の自然発火抑制剤が１００℃以下の温度で揮発分の活性化を抑制し、酸化を防止することから、優れた自然発火抑制特性を発揮することが分かった。

したがって、このような本発明は、酸化防止剤、揮発分活性化抑制剤及び乳化剤化合物を用いて水溶性の泡原液形態に自然発火抑制剤を組成したので、飛散防止剤なしに水溶性の泡原液形態に組成された自然発火抑制剤を水及び空気と混合し、コンベヤーベルトシステム内で発泡状で有煙炭に均一に分散及び塗布することにより、有煙炭の自然発火を抑制するとともに飛散を防止することができる利点がある。

また、このような本発明は、自然発火抑制剤水溶液を有煙炭に分散及び塗布して有煙炭の自然発火を抑制することができるので、自然発火による発電所の稼働障害、有煙炭浪費、悪臭発生などの問題を予防することができる利点がある。

また、このような本発明は、有煙炭の自然発火を抑制するとともに飛散を防止することができるので、安価の有煙炭の使用によって経済的で安全に環境に優しく有煙炭発電所を運営することができる利点がある。

また、このような本発明は、簡単で経済的に有煙炭の自然発火を抑制することができる有煙炭用自然発火抑制剤を組成することができる利点がある。

そして、このような本発明は、自然発火抑制剤に含まれたメチルジエタノールアミン（ＭＤＥＡ）によって自然発火抑制剤の流動点も自然に改善して零下２０℃以下でも使用可能であるので、使用便宜性を向上させることができるとともに設備の側面で貯蔵タンクに保温設備を備えなくても良い利点がある。

それだけでなく、このような本発明は、乳化剤化合物が充分に含有されているから、発泡状で噴射させるための飛散防止剤を別に保有する必要がないので、設備費及び維持費の側面で経済的な利点がある。

Claims (4)

1. 泡原液形態（Ｆｏａｍ Ｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｅ）に組成され、水及び空気とともに噴射されて発泡状（Ｆｏａｍｉｎｇ）で有煙炭に分散及び塗布される自然発火抑制剤であって、
   前記自然発火抑制剤は、酸化防止剤７～１３重量％、揮発分活性化抑制剤２０～４０重量％、乳化剤化合物２０～４０重量％、及び水２０～４０重量％を混合して組成される泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤であって、
   前記自然発火抑制剤の揮発分活性化抑制剤はメチルジエタノールアミン（ＭＤＥＡ）からなることを特徴とする、泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤。
2. 前記泡原液形態（Ｆｏａｍ Ｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｅ）に組成された自然発火抑制剤４重量％に、空気が混合された水９６重量％が混合されて発泡状で有煙炭に分散及び塗布されることを特徴とする、請求項１に記載の泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤。
3. 前記自然発火抑制剤の酸化防止剤はフェニレンジアミンからなることを特徴とする、請求項１に記載の泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤。
4. 前記自然発火抑制剤の乳化剤化合物は、ブチルジグリコール２５～４０重量％、グリコールエーテル２～１０重量％、非イオン系界面活性剤３～１０重量％、及びヒマシ油系乳化剤４５～６５重量％からなることを特徴とする、請求項１に記載の泡原液形態の多機能性有煙炭用自然発火抑制剤。