JP7196477B2 - 計算機、表示方法、及びプログラム - Google Patents

Description

本発明は、税計算をする計算機、表示方法、及びプログラムに関する。

近年の税計算機（電卓）には、予め設定された税率を用いて税計算をする機能を設けたものがある。例えば、特許文献１に記載された税計算機には、複数の税率にそれぞれ対応する複数の税計算キー（税込み計算キー、税抜き計算キー）が設けられている。税計算機は、各税計算キーに対する操作に応じて、任意の四則計算などによる通常計算された数値、あるいは個別に入力された数値をもとに、各税計算キーに対応する税率による税込み額を算出して表示する（例えば、特許文献１）。

特開２０１７－１７４２２５号公報

特許文献１に記載された税計算機は、税計算キー（税込み計算キー）により実行される税計算で使用する税率を、ユーザ操作によって設定することができる。税率を設定する場合には、予め決められたキー操作により税率設定処理を起動して税率設定用の画面を表示させ、複数の税計算キーから変更対象とするキーを選択する。そして、現在の設定された税率を画面において確認した上で、新たに設定する税率を示す数値をキー操作により入力した後、設定完了を指示するキー操作をする。これにより、入力した数値が新たな税率として設定される。

従来の税計算機では、複数の税計算キーに対して新たな税率を設定する場合には、前述した操作を、複数の税計算キーに応じて、繰り返して実行しなければならない。従って、税計算キーの数が多くなるほど、税計算キーに対応して設定された税率の確認と、税率を変更するための操作の回数が増大し、税計算に使用するために設定される複数の税率を管理するための作業負担が大きくなってしまう。

本発明は、前記のような課題に考慮してなされたもので、税計算に使用するために設定される複数の税率を管理するための作業を容易にすることができる計算機、表示方法、及びプログラムを提供することを目的とする。

上記の課題を解決するために、本発明に係る計算機は、実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な計算機であって、特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定されている複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、且つ、前記複数の数値の少なくとも何れかの数値を表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値のそれぞれを記憶部より読み出してこの複数の数値のそれぞれを所定の順で連続的に表示部に表示させる制御部を備え、前記制御部は、前記設定値表示指示の入力に応じて前記複数の設定値の何れかの設定値として設定されている数値を前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させてから設定指示の入力を受け付けた場合に、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていたときにはこの入力を受け付けていた数値が前記何れかの設定値として設定されていた数値と置き換わるようにこの入力を受け付けていた数値を前記記憶部に記憶する一方で、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていなかったときには前記表示部に表示中の数値が前記何れかの設定値として維持されるように前記表示部に表示中の数値を前記記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶させる毎に、記憶させた前記数値を、少なくとも予め定められた時間、前記表示部に表示させるとともに、この表示に引き続き前記所定の順に基づいた数値を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明に係る表示方法は、実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な計算機が実行する表示方法であって、特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定されている複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、且つ、前記複数の数値の少なくとも何れかの数値を表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値のそれぞれを記憶部より読み出してこの複数の数値のそれぞれを所定の順で連続的に表示部に表示させる制御処理を含み、前記制御処理は、前記設定値表示指示の入力に応じて前記複数の設定値の何れかの設定値として設定されている数値を前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させてから設定指示の入力を受け付けた場合に、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていたときにはこの入力を受け付けていた数値が前記何れかの設定値として設定されていた数値と置き換わるようにこの入力を受け付けていた数値を前記記憶部に記憶させる一方で、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていなかったときには前記表示部に表示中の数値が前記何れかの設定値として維持されるように前記表示部に表示中の数値を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶させる毎に、記憶させた前記数値を、少なくとも予め定められた時間、前記表示部に表示させるとともに、この表示に引き続き前記所定の順に基づいた数値を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な計算機のコンピュータを、特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定されている複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、且つ、前記複数の数値の少なくとも何れかの数値を表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値のそれぞれを記憶部より読み出してこの複数の数値のそれぞれを所定の順で連続的に表示部に表示させる制御手段として機能させ、前記制御手段は、前記設定値表示指示の入力に応じて前記複数の設定値の何れかの設定値として設定されている数値を前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させてから設定指示の入力を受け付けた場合に、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていたときにはこの入力を受け付けていた数値が前記何れかの設定値として設定されていた数値と置き換わるようにこの入力を受け付けていた数値を前記記憶部に記憶させる一方で、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていなかったときには前記表示部に表示中の数値が前記何れかの設定値として維持されるように前記表示部に表示中の数値を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶させる毎に、記憶させた前記数値を、少なくとも予め定められた時間、前記表示部に表示させるとともに、この表示に引き続き前記所定の順に基づいた数値を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする。

本実施形態における税計算機の外観構成を示す正面図。 本実施形態における電卓の電子回路の構成を示すブロック図。 本実施形態における電卓の税計算キーに対する税率設定の動作を説明するためのフローチャート。 本実施形態における電卓の計算処理の動作を説明するためのフローチャート。 本実施形態における税率確認処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態における税率確認処理を説明するためのキー操作と表示の一例を示す図。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのキー操作と表示の一例を示す図。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのキー操作と表示の一例を示す図。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのキー操作と表示の一例を示す図。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのキー操作と表示の一例を示す図。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態における税率連続設定処理を説明するためのキー操作と表示の一例を示す図。

以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。

図１は、本実施形態に係る税計算機の外観構成を示す正面図である。本実施形態では、税計算機を計算専用の電卓１０として実現している。

なお、税計算機は、電卓１０として構成する他、計算機能を有する（計算処理プログラムが実装された）パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、タッチパネル式ＰＤＡ(personal digital assistants)、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成することができる。なお、電卓１０のような物理的なキー（ボタン）が実装されていない税計算機は、電卓１０のキーと同様なソフトウェアキーボードを表示し、このソフトウェアキーボードに対するキー操作に応じて計算処理を実行する。

本実施形態における電卓１０は、複数の税率、例えば５種類の税率により税計算をする税計算機能が設けられている。例えば、インドでは消費税として、５種類の税率（０％、５％、１２％、１８％、２８％）が用いられている。従って、本実施形態における電卓１０は、インドなどにおいて、５種類以下の複数の消費税が混在する商品の総額などを算出する税計算に好適である。

電卓１０の筐体正面には、複数のキーを含むキー入力部１１、表示部１２およびソーラーパネル１３が設けられる。キー入力部１１には、数値キー、演算キー、税計算機能キー、機能キー、検算機能キーが設けられる。数値キーには、例えば［００］［０］～［９］のそれぞれに対応する複数のキーを含む。演算キーには、四則演算による通常計算に使用する、例えば［＋］（加算）キー１１ｈ１、［－］（減算）キー１１ｈ２、［×］（乗算）キー１１ｈ３、［÷］（除算）キー１１ｈ４、［＝］（演算実行）キー１１ｈ０のそれぞれに対応する複数のキーを含む。

税計算機能キーには、税計算キー（［ＧＳＴ＋ｎ（ＴＡＸ－ｎ）］）１１ｂ、税計算合計キー（［ＧＳＴ ＧＴ（ＧＴ）］）１１ｃ、税計算モード切替キー（［ＧＳＴ＋／ＴＡＸ－］）１１ｄが設けられる。ここで、ＧＳＴとは、インドの消費税を意味する「Goods and Service Tax」に対する略記号である。また、［ ］内の文字列（ただし、（ ）内の文字列を除く。）は、各税計算キー１１ｂのキートップに印刷された文字列を示しており、［ ］内のさらに（ ）内の文字列は、電卓１０の筐体正面に印刷された文字列を便宜的に示すものとする。本明細書では、税計算キー１１ｂに限らず、同様の表記とする。

税計算キー（［ＧＳＴ＋ｎ（ＴＡＸ－ｎ）］）１１ｂには、税０計算キー（［ＧＳＴ＋０（ＴＡＸ－０）］）１１ｂ０、税１計算キー（［ＧＳＴ＋１（ＴＡＸ－１）］）１１ｂ１、税２計算キー（［ＧＳＴ＋２（ＴＡＸ－２）］）１１ｂ２、税３計算キー（［ＧＳＴ＋３（ＴＡＸ－３）］）１１ｂ３、税４計算キー（［ＧＳＴ＋４（ＴＡＸ－４）］）１１ｂ４が含まれる。税０計算キー（［ＧＳＴ＋０（ＴＡＸ－０）］）１１ｂ０は、税率０を用いた税計算の実行指示を入力するために操作される。同様にして、税１計算キー（［ＧＳＴ＋１（ＴＡＸ－１）］）１１ｂ１、税２計算キー（［ＧＳＴ＋２（ＴＡＸ－２）］）１１ｂ２、税３計算キー（［ＧＳＴ＋３（ＴＡＸ－３）］）１１ｂ３、税４計算キー（［ＧＳＴ＋４（ＴＡＸ－４）］）１１ｂ４は、それぞれ税率１、税率２、税率３、税率４を用いた税計算の実行指示を入力するために操作される。本明細書では、このように、税計算キー（［ＧＳＴ＋ｎ（ＴＡＸ－ｎ）］）１１ｂと表現する場合、「ｎ」は０～４までの各数値の代わりに用いられる。本明細書では、税計算キー１１ｂに限らず、「ｎ」が取り得るすべての数値（０～４の整数）のうち、いずれの数値であるかを特段限定しない場合には、具体的な数値ではなく「ｎ」を用いて便宜的に説明する。

１つの税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）は、税込み計算キー［ＧＳＴ＋ｎ］と税抜き計算キー［ＴＡＸ－ｎ］を兼ねている。税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）は、税計算モード切替キー（［ＧＳＴ＋／ＴＡＸ－］）１１ｄの操作に応じて切り替えられる税計算モードに応じて、税込み計算キー［ＧＳＴ＋ｎ］あるいは税抜き計算キー［ＴＡＸ－ｎ］として使用される。１つの税計算キー１１ｂを税込み計算キー［ＧＳＴ＋ｎ］と税抜き計算キー［ＴＡＸ－ｎ］として共用することで、限られた筐体正面の面積を有効に利用して、複数（５種類）の税率のそれぞれに対応する税込み計算処理および税抜き計算処理を実行可能なキーを設けている。

なお、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）に割り当てられる税率（税率０～税率４）は、電卓１０の工場出荷時に予め設定されている。例えば、税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４には、インドにおける使用に合わせて、５種類の税率（０％、５％、１２％、１８％、２８％）がそれぞれ設定される。また、税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４に割り当てられる税率（税率０～税率４）は、ユーザ操作によって任意に設定することができる。

税計算合計キー（［ＧＳＴ ＧＴ（ＧＴ）］）１１ｃは、四則計算や定数計算などの通常計算（基本計算）について総合計を表示させるためのグランドトータルキー（［ＧＴ］キー）と、税計算の計算結果について総合計を表示させるためのＧＳＴグランドトータルキー（［ＧＳＴ ＧＴ］キー）を兼ねる。なお、税計算合計キー１１ｃがＧＳＴグランドトータルキーとして機能する場合、税計算が実行されるとともに、電卓１０の処理モードが税合計リコールモード（ＧＳＴ ＧＴリコールモード）へ遷移する。一方、税計算合計キー１１ｃがグランドトータルキーとして機能する場合、電卓１０の処理モードは特に遷移するわけではなく、単に、合計メモリエリア２２ｈに記憶されている数値が呼び出され、表示部１２に表示される。

税計算合計キー１１ｃは、税計算合計キー１１ｃが操作された直前の動作状態に応じて、グランドトータルキー（［ＧＴ］キー）あるいはＧＳＴグランドトータルキー（［ＧＳＴ ＧＴ］キー）の何れかとして機能する。つまり、例えば、税計算キー１１ｂの操作によって税計算が実行された直後に税計算合計キー１１ｃが押下された場合には、税計算キー１１ｂは、税計算の計算結果について総合計を表示させるＧＳＴグランドトータルキー（［ＧＳＴ ＧＴ］キー）として機能する。また、例えば、演算実行キー（［＝］キー）１１ｈ０の操作によって通常計算が実行された直後に税計算合計キー１１ｃが押下された場合、すなわち、税計算キー１１ｂの操作によって税計算が実行された直後でない場合には、税計算キー１１ｂは、通常計算（基本計算）について総合計を表示させるためのグランドトータルキー（［ＧＴ］キー）として機能する。なお、ここでの税計算合計キー１１ｃの押下時間は、予め定められた任意の時間よりも短い時間であり、次に述べる「長押し」よりも短い時間である。また、短い時間押下することを、本明細書では便宜的に「短押し」、または通常の押下する操作等と記述する。

さらに、税計算合計キー１１ｃは、通常の押下する操作とは異なる操作（例えば、長押し）がされた場合には、前述とは逆のキーとして機能する。つまり、例えば、税計算キー１１ｂの操作によって税計算が実行された直後に税計算合計キー１１ｃが長押しされた場合には、税計算合計キー１１ｃは、グランドトータルキー（［ＧＴ］キー）として機能する。また、例えば、演算実行キー（［＝］キー）１１ｈ０の操作によって通常計算が実行された直後に税計算合計キー１１ｃが長押しされた場合、すなわち、税計算キー１１ｂの操作によって税計算が実行された直後でない場合には、税計算合計キー１１ｃは、ＧＳＴグランドトータルキー（［ＧＳＴ ＧＴ］キー）として機能する。なお、税計算合計キー１１ｃに対する通常と異なる操作は、前述した長押しする操作（上述の予め定められた任意の時間以上、押下した状態を継続する操作）以外の他の操作を用いることも可能である。

さらに、税計算キー１１ｂは、税計算キー１１ｂに設定された税率を設定するための税率連続設定処理の実行を指示するために使用される。

機能キーには、例えばオールクリアキー（［ＡＣ］キー１１ａ）、クリアキー（［Ｃ］キー）、複数のメモリキー（［ＭＲＣ］［Ｍ－］［Ｍ＋］）、ルートキー（［√］キー）、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇなどが含まれる。［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇは、パーセント計算のために使用される他、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）のそれぞれに対応する税率をキー操作によって入力される値に設定するための税率設定処理を起動するために使用される。

検算機能キーは、先に実行された計算の内容について確認／修正するための検算機能において使用されるキーである。検算機能キーには、確認キー（［ＣＨＥＣＫ ＢＡＣＫ］キー１１ｅ、［ＣＨＥＣＫ ＦＯＷＡＲＤ］キー１１ｆ）と、修正キー（［ＣＯＲＲＥＣＴ］キー）１１ｋが含まれる。［ＣＨＥＣＫ ＢＡＣＫ］キー１１ｅ及び［ＣＨＥＣＫ ＦＯＷＡＲＤ］キー１１ｆは、先に実行された計算の内容（計算データ）をステップ単位で切り替えて表示させるためのキーである。［ＣＨＥＣＫ ＢＡＣＫ］キー１１ｅが操作された場合、ステップ数が少ない方向のステップの計算データに表示を切り替え、［ＣＨＥＣＫ ＦＯＷＡＲＤ］キー１１ｆが操作された場合、ステップ数が多い方向のステップの計算データに表示を切り替える。なお、１ステップは、計算のために入力された「置数＋ファンクション」が単位となる。「ファンクション」には、四則計算、税込み計算、税抜き計算などのために操作されたキーのコードが記憶される。修正キー１１ｋは、［ＣＨＥＣＫ ＢＡＣＫ］キー１１ｅあるいは［ＣＨＥＣＫ ＦＯＷＡＲＤ］キー１１ｆの操作により表示された計算の内容（「置数＋ファンクション」）の修正を指示するためのキーである。修正キー１１ｋの操作後に修正後の計算の内容を入力することで、表示された先に入力された計算データを修正することができる。

ラウンドセレクタ１１ｙは、端数処理の計算方法を設定する。例えば、「Ｆ」設定は、表示部１２に小数点以下を含む表示可能な最大桁の表示を指定する。「ＣＵＴ」設定は、小数点セレクタ１１ｚで指定された桁の切り捨てを指定する。「ＵＰ」設定は、小数点セレクタ１１ｚで指定された桁の切り上げを指定する。「５／４」設定は、小数点セレクタ１１ｚで指定した桁の四捨五入を指定する。小数点セレクタ１１ｚは、小数点以下を何桁まで表示部１２に表示させるかを設定する。なお、「ＡＤＤ_２」設定は、入力された数値に対して所定の桁数への小数点設定を指定する。

表示部１２は、ドットマトリクス型の液晶表示ユニットからなる。表示部１２には、キー入力部１１のキーに対する操作により入力された数値が表示される。表示部１２には、限られた行数分（例えば１行）の数値が表示される。また、表示部１２の辺に沿って設けられた状態表示エリアには、設定中の計算モードや各種設定状態を示す文字や記号（シンボル）が表示される。例えば、状態表示エリアには、ステップ数１２ａ、税計算モードシンボル１２ｂ、税計算キーシンボル１２ｃ、税合計リコールモードシンボル１２ｄ、総合計表示シンボル１２ｅ、メモリシンボル１２ｆ、設定シンボル１２ｇ、［％］シンボル１２ｈなどが表示される。なお、図１では、状態表示エリアを説明するため、表示可能なすべてのシンボルを同じ画面上に便宜的に示したが、電卓１０が取り得る任意の状態において、このように多数のシンボルが同じ画面上に同時に表示されるとは限らない。

ステップ数１２ａは、キー入力部１１のキーに対する操作により入力された「置数＋ファンクション」を１ステップとした、現在の表示対象としているステップの位置を示す。税計算モードシンボル１２ｂは、現在の税計算モードを示すもので、税込み計算を実行する税込み計算モードの場合には例えば［ＧＳＴ＋］を表示し、税抜き計算を実行する税抜き計算モードの場合には、例えば［ＴＡＸ－］を表示する。

税計算キーシンボル１２ｃは、税計算キー１１ｂの操作により税計算が実行された場合に、税計算に用いた税率と、税込み計算あるいは税抜き計算の何れかを示すシンボルである。税計算キー１１ｂが税込み計算キー［ＧＳＴ＋ｎ］として使用された場合、税率０～４のそれぞれに対応する［ＧＳＴ＋０］、［ＧＳＴ＋１］、［ＧＳＴ＋２］、［ＧＳＴ＋３］、［ＧＳＴ＋４］の何れかが表示される。また、税計算キー１１ｂが税抜き計算キー［ＴＡＸ－ｎ］として使用された場合、税率０～４のそれぞれに対応する［ＴＡＸ－０］、［ＴＡＸ－１］、［ＴＡＸ－２］、［ＴＡＸ－３］、［ＴＡＸ－４］の何れかが表示される。

また、税計算キーシンボル１２ｃは、税計算キー１１ｂに対して設定された税率０～４を確認して変更するための税率確認処理（後述する）において、税率の確認及び変更の対象として指定された税計算キー１１ｂを示すために使用される。例えば、税込み計算のために税計算キー１１ｂが表示された場合に表示される税率０～４のそれぞれに対応する［ＧＳＴ＋０］、［ＧＳＴ＋１］、［ＧＳＴ＋２］、［ＧＳＴ＋３］、［ＧＳＴ＋４］を表示する。

さらに、税計算キーシンボル１２ｃは、税計算キー１１ｂに対して設定された税率０～４を設定（変更）するための税率連続設定処理（後述する）において、税率の設定（変更）の対象として指定された税計算キー１１ｂの税率ｎを示すために使用される。例えば、税抜き計算のために税計算キー１１ｂが表示された場合に表示される［ＴＡＸ－０］、［ＴＡＸ－１］、［ＴＡＸ－２］、［ＴＡＸ－３］、［ＴＡＸ－４］の表示形態を変更して、税率０～４をそれぞれ［ＴＡＸ ０］、［ＴＡＸ １］、［ＴＡＸ ２］、［ＴＡＸ ３］、［ＴＡＸ ４］のシンボルにより表示するものとする。このシンボルをＧＳＴシンボルと称する。なお、税率連続設定処理と税率確認処理は、何れか一方と同じシンボルを共通して使用するようにしても良い。

税合計リコールモードシンボル１２ｄは、税計算合計キー（［ＧＳＴ ＧＴ（ＧＴ）］）１１ｃの操作により税合計リコールモード（ＧＳＴ ＧＴリコールモード）に遷移したことを示すシンボルであり、例えば「ＲＣＬ」が表示される。税合計リコールモードでは、税計算合計キー１１ｃに対するキー操作に応じて、各税率（税率０～４）で計算した税計算の総合計として、税込総合計額、税抜総合計額、税額総合計額を切替表示させることができる。また、税合計リコールモードでは、税計算キー１１ｂに対するキー操作により表示対象とする税率（税率０～４）を指定し、指定した税率別の税計算の総合計として、税込合計額、税抜合計額、税額合計額を切替表示させることができる。

総合計表示シンボル１２ｅは、演算実行キー［＝］１１ｈ０の操作に応じて行われる通常計算の計算結果が合計メモリエリア２２ｈに記憶されていることを示すシンボルであり、例えば「ＧＴ」が表示される。メモリシンボル１２ｆは、メモリキー（［Ｍ－］［Ｍ＋］）の操作に応じて、メモリ機能により数値が記憶されていることを示すシンボルである。

設定シンボル１２ｇは、税計算キー１１ｂに対する税率を設定するための処理を実行するモードを示すシンボルであり、例えば［ＳＥＴ］が表示される。

［％］シンボル１２ｈは、パーセント計算のために［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作された場合、及び税計算キー１１ｂに設定された税率０～４を設定（変更）するモード（後述する税率確認モード、税率）に移行したことを示すモードシンボルであり、例えば［％］が表示される。

ソーラーパネル１３は、電卓１０を使用する際の周辺環境光の照度がある程度明るいとき、発電する。ソーラーパネル１３は、発電中、電卓１０の電源部２６（図２に示す）として機能し、電卓１０の各部へ給電する。また、ソーラーパネル１３が発電していないときは、電卓１０が別途備える電源部２６としての一次電池より電卓１０の各部へ給電される。

図２は、本実施形態における電卓１０の電子回路の構成を示すブロック図である。電卓１０の電子回路は、ＣＰＵ２１を含む、コンピュータを構成する複数のユニットを備えている。

図２は、本実施形態における電卓１０の電子回路の構成を示すブロック図である。電卓１０の電子回路は、ＣＰＵ２１を含む、コンピュータを構成する複数のユニットを備えている。

ＣＰＵ２１は、メモリ２２に記憶された計算処理プログラム２２ａを実行することにより、回路各部の動作を制御する。キー入力部１１への入力操作が行われると、ＣＰＵ２１は、キー入力部１１からのキー入力信号により入力操作がされたキーを検出し、検出された各キーに応じた各種の計算処理を実行する。電卓１０は、ＣＰＵ２１が計算処理プログラム２２ａに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる計算機能による処理を含む計算処理を実現する。

計算処理プログラム２２ａは、予めメモリ２２に記憶されていても良いし、記録媒体読取部２３を介してメモリカード等の外部記録媒体２３から読み込まれても良いし、あるいは通信部２５を介して通信ネットワークＮ（インターネット等を含む）上のサーバ３０からダウンロードされても良い。

メモリ２２には、計算処理プログラム２２ａが記憶される他に、税計算の計算結果を記憶するエリア（税メモリ）、合計メモリエリア２２ｈ、税合計リコールモードエリア２２ｋ、税計算モードエリア２２ｍ、バッファメモリエリア２２ｎ、表示メモリエリア２２ｐ、税率記憶エリア２２ｒなど各データを記憶するエリアが設けられる。税メモリ（第１メモリ）には、税率０合計メモリエリア２２ｂ、税率１合計メモリエリア２２ｃ、税率２合計メモリエリア２２ｄ、税率３合計メモリエリア２２ｅ、税率４合計メモリエリア２２ｆ、税合計メモリエリア２２ｇが含まれる。なお、以下の説明では、税率０合計メモリエリア２２ｂ、税率１合計メモリエリア２２ｃ、税率２合計メモリエリア２２ｄ、税率３合計メモリエリア２２ｅ、税率４合計メモリエリア２２ｆを総称して、税率別税合計メモリエリア２２ｂ～２２ｆと説明する場合がある。

税率０合計メモリエリア２２ｂは、税率０に基づいた税計算により算出されるデータを記憶するためのエリアである。税率０合計メモリエリア２２ｂには、税率０の税込み計算の結果に基づく数値が記憶される。具体的には、最後に［ＡＣ］キー１１ａを入力操作してから後に１回以上行われた税率０の税込み計算の結果としての税込み額（第０税込み額）、税額（第０税額）、税抜き額（第０税抜き額）の各合計額が、第０税込合計額、第０税抜合計額、第０税合計額として、それぞれ記憶される。

税率１合計メモリエリア２２ｃ、税率２合計メモリエリア２２ｄ、税率３合計メモリエリア２２ｅ、税率４合計メモリエリア２２ｆは、前述した税率０合計メモリエリア２２ｂと同様にして、それぞれの税率１～４に基づいた税計算により算出されるデータを記憶するためのエリアである。詳細な説明については省略する。

税合計メモリエリア２２ｇは、全ての税率０～４に基づいた税計算により算出される数値の合計を示すデータを記憶するためのエリアである。税合計メモリエリア２２ｇには、税計算合計キー１１ｃの入力操作に応じて、第０～第４税込合計額を合計した税込総合計額、税込総合計額に対応する税抜総合計額、税込総合計額に対応する税総合計額が記憶される。

合計メモリエリア２２ｈは、通常計算により算出される数値の合計を示すデータを記憶するためのエリアである（第２メモリ）。合計メモリエリア２２ｈには、演算実行キー［＝］１１ｈ０の操作に応じて通常計算の計算結果が算出されることにより、計算結果とする数値が合計メモリエリア２２ｈに記憶された数値に加算される。

税合計リコールモードエリア２２ｋは、税計算合計キー１１ｃに対する入力操作に応じて、リコールモードの状態にあるか否かを示す税合計リコールモードフラグが、オン状態またはオフ状態に設定される。税合計リコールモードは、税計算キー１１ｂの操作による税計算の直後に税計算合計キー１１ｃが押下された場合、あるいは通常計算の直後に税計算合計キー１１ｃが長押しされた場合にオンされる（税合計リコールモードへの遷移）。また、税合計リコールモードは、税合計リコールモードをオフするための予め定められた指示として、例えば［ＡＣ］キー１１ａが操作された場合にオフされる。なお、税合計リコールモードのオン／オフの切り替えは、税計算合計キー１１ｃと［ＡＣ］キー１１ａの操作に限られるものではない。例えば、別のキー操作に応じて、あるいは電卓１０の処理結果に応じて、税合計リコールモードのオン／オフを切り替えるようにしても良い。

税合計リコールモードがオン状態の場合には、税計算合計キー１１ｃが操作（押下）される毎に、税合計メモリエリア２２ｇに記憶された税込総合計額、税抜総合計額、税総合計額を切り替えて表示させることができる。また、税合計リコールモードがオン状態の場合には、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）が操作（押下）される毎に、税率別税合計メモリエリア２２ｂ～２２ｆに記憶された、税込合計額、税抜合計額、税合計額を切り替えて表示させることができる。

税合計リコールモードのオン状態は、キー入力部１１の数値キー及び演算キーの入力がされた場合も維持される。従って、税計算合計キー１１ｃあるいは税計算キー１１ｂ（１１ｂ０～１１ｂ４）の入力操作によって税計算の結果を表示させて確認しながら、数値キー及び演算キーを用いた通常計算を実行することができる。税合計リコールモードのオン状態における通常計算では、税計算の結果とする数値を表示部１２に表示させて、表示部１２に表示された置数に対して、四則計算などを実行することができる。

税計算モードエリア２２ｍは、税計算モード切替キー１１ｄに対する入力操作に応じて切り替えられる、税込み計算モードあるいは税抜き計算モードの何れの状態にあるかを示す税計算モードデータが記憶される。

バッファメモリエリア２２ｎは、最後に入力されたファンクションと組になって単位をなすように入力された置数が記憶される。また、表示メモリエリア２２ｐは、そのときに表示部１２に表示されている数値が記憶される。例えば、数値キーの操作により置数として数値「１００」と、ファンクションとして税１計算キー（［ＧＳＴ＋１（ＴＡＸ－１）］）１１ｂ１とが順次操作された場合、バッファメモリエリア２２ｎには置数としての数値「１００」が記憶され、表示メモリエリア２２ｐには税率１の税込み計算の結果として表示部１２にも表示されている数値「１０５」が記憶されている（ただし、税率１を５％とした場合）。このように、バッファメモリエリア２２ｎおよび表示メモリエリア２２ｐに記憶されている各数値は、最新の入力操作に応じて、順次上書き更新される。

税率記憶エリア２２ｒは、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）のそれぞれに設定された税率０～４を示す数値が記憶される。例えば、税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４には、工場出荷時に、インドにおける使用に合わせて、５種類の税率（０％、５％、１２％、１８％、２８％）が設定される。この場合、税率記憶エリア２２ｅには、税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４に対応する税率０～４のそれぞれに対して、「０」、「５」、「１２」、「１８」、「２８」の数値が記憶される。税率記憶エリア２２ｒに記憶された税率０～４のそれぞれを示す数値は、ユーザ操作に応じて読み出されて表示部１２に表示され、またユーザ操作によって入力された数値に応じて変更される。

次に、本実施形態における電卓１０の動作について説明する。図３及び図４、本実施形態における電卓１０の税計算機能（計算処理）の動作を説明するためのフローチャートである。

まず、ユーザは、計算を開始前に表示及びメモリの内容をクリアするため、［ＡＣ］キー１１ａを操作（押下）する。ＣＰＵ２１は、［ＡＣ］キー１１ａが操作されると（ステップＡ９：Ｙｅｓ）、メモリ２２の税率別税合計メモリエリア２２ｂ～２２ｆ、税合計メモリエリア２２ｇ、合計メモリエリア２２ｈ、バッファメモリエリア２２ｎ、表示メモリエリア２２ｐを全てクリアする（ステップＡ１２）。また、ＣＰＵ２１は、税合計リコールモードエリア２２ｋに記憶された税合計リコールモードフラグをオフする（ステップＡ１３）。ＣＰＵ２１は、先の税計算結果などの数値が表示された状態で［ＡＣ］キー１１ａが操作された場合には、先に表示された数値をクリアして「０」を表示する。また、ＣＰＵ２１は、表示部１２の状態表示エリアに先のシンボルが表示された状態で［ＡＣ］キー１１ａが操作された場合には、先に表示されたシンボルをクリアして非表示にする。

次に、計算の対象とする数値を入力するためにユーザにより数値キーが操作されると（ステップＡ１０：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、入力操作された数値キーに応じた数値（数値コード）を入力し、入力された数値を表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、表示部１２において表示させる（ステップＡ１５）。

続いて、演算キーが操作されると（ステップＡ１１：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、入力操作された演算キーに応じた演算（演算コード）を入力して、入力された演算の演算（記号）シンボルを表示部１２の状態表示エリアにおいて表示させる（ステップＡ１６）。

また、ＣＰＵ２１は、入力された演算コードと入力済みの数値コードをもとに演算を実行し、演算途中の結果の数値を表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、表示部１２に表示させる。以下、同様にして、数値コードと演算コードの入力が繰り返されることにより、ＣＰＵ２１は、入力された数値コードと演算コードとを順次記憶していく。そして、ユーザ操作により演算実行キー「＝」（イコール）１１ｈ０が操作されると（ステップＡ１７：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、入力操作された演算実行キー（「＝」キー）１１ｈ０に応じた演算コードを入力し、それまでに入力された数値コードと演算コードに応じた計算を実行し、計算結果の数値を表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、表示部１２に表示させる。また、ＣＰＵ２１は、数値コードと演算コードに応じた通常計算の結果とする数値を合計メモリエリア２２ｈに記憶させる（ステップＡ１８）。合計メモリエリア２２ｈに既に数値が記憶されている場合には、ＣＰＵ２１は、先に記憶された数値に通常計算の結果とする数値を加算してメモリ２２に記憶させる。ユーザ操作により演算実行キー「＝」（イコール）１１ｈ０が操作されていない場合（ステップＡ１７：Ｎｏ）、ＣＰＵ２１は、入力操作の待機状態へ戻る。

［ＡＣ］キー１１ａの入力操作の直後以外に、表示部１２に数値が表示された状態において、税計算キー１１ｂの入力操作を検出した場合（ステップＡ１９：Ｙｅｓ→Ａ１１７：Ｎｏ）、ＣＰＵ２１は、表示部１２に表示された数値（置数）、即ち、表示メモリエリア２２ｐに記憶されている数値に対して、入力操作が行われた税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れかに設定された税率を用いて税計算を実行する。なお、税計算の対象とする数値は、通常計算によって表示された数値に限らず、単に数値キーの入力操作により入力された数値を対象とすることができる。

税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４のそれぞれ）は、税込み計算を実行するためのキーと税抜き計算を実行するためのキーを兼ねている。ＣＰＵ２１は、税計算キー１１ｂが操作された場合に、税計算モードエリア２２ｍを参照して、現在の税計算モードが、税込み計算モードと税抜き計算モードの何れであるかを判別する。ここで、現在の税計算モードが税込み計算モードである場合（ステップＡ１１０、税込み）、ＣＰＵ２１は、税込み計算を実行して、税計算の結果をキー操作に応じて表示させる税込み計算処理を実行する（ステップＡ１１１）。また、現在の税計算モードが税抜き計算モードである場合（ステップＡ１１０、税抜き）、ＣＰＵ２１は、税抜き計算を実行して、税計算の結果をキー操作に応じて表示させる税抜き計算処理を実行する（ステップＡ１１２）。

税込み計算処理では、ＣＰＵ２１は、表示部１２に表示された数値（置数）、即ち、表示メモリエリア２２ｐに記憶されている数値を税抜き額として、この数値と、入力操作が行われた税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れかに設定された税率とを用いて、税込み計算を実行する。税抜き計算処理では、ＣＰＵ２１は、表示部１２に表示された数値（置数）、即ち、表示メモリエリア２２ｐに記憶されている数値を税込み額として、この数値と、入力操作が行われた税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れかに設定された税率とを用いて、税抜き計算を実行する。

なお、税計算モードは、税計算モード切替キー１１ｄの操作によって切り替えられる。ＣＰＵ２１は、税計算モード切替キー１１ｄの操作を検出した場合（ステップＡ１４：Ｙｅｓ）、税計算モードエリア２２ｍを参照して、現在の税計算モードが、税込み計算モードと税抜き計算モードの何れであるかを判別する。

ここで、現在の税計算モードが税込み計算モードである場合（ステップＡ１１３、税込み）、ＣＰＵ２１は、税計算モードエリア２２ｍに税抜き計算モードを示す税計算モードデータを記憶させる（ステップＡ１１４）。また、ＣＰＵ２１は、税抜き計算モードを示す税計算モードシンボル１２ｂ（［ＴＡＸ－］）を、表示部１２の状態表示エリアに表示させる（ステップＡ１１６）。

一方、現在の税計算モードが税抜き計算モードである場合（ステップＡ１１３、税抜き）、ＣＰＵ２１は、税計算モードエリア２２ｍに税込み計算モードを示す税計算モードデータを記憶させる（ステップＡ１１５）。また、ＣＰＵ２１は、税込み計算モードを示す税計算モードシンボル１２ｂ（［ＧＳＴ＋］）を、表示部１２の状態表示エリアに表示させる（ステップＡ１１６）。

ＣＰＵ２１は、税計算モード切替キー１１ｄの操作に応じて税計算モードを切り替えた場合、税率別税合計メモリエリア２２ｂ～２２ｆに記憶された計算結果（税抜合計額、税込合計額、税合計額）をそのまま維持する。従って、税込み計算と税抜き計算を混在して実行する場合に、税計算モードを切り替えたとしても、計算途中の計算結果が保持される。

また、［ＡＣ］キー１１ａの入力操作の直後に、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れか）に対する入力操作を検出した場合（ステップＡ１９：Ｙｅｓ→Ａ１１７：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、税率確認モード（設定モード）に移行して、入力操作が行われた税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れかに対して設定された税率を表示部１２に表示させる税率確認処理を実行する（ステップＡ１１８）。税率確認処理は、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れか）に対する連続する入力操作によって、税計算キー１１ｂに対して設定された税率０～４を連続的に表示させるとともに、表示された税率０～４を変更することができる。税率確認処理の詳細については後述する（図５、図６）。

また、［ＡＣ］キー１１ａの入力操作の直後に、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが、通常の操作方法とは異なる操作方法、例えば、長押しする操作が行われ（ステップＡ１２０：Ｙｅｓ、Ａ１２１：Ｙｅｓ、Ａ１２３：Ｙｅｓ）、さらに税計算合計キー１１ｃが操作された場合（ステップＡ１２４：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、税率連続設定処理モードに移行して、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）のそれぞれに設定された税率０～４を、入力操作に応じて連続的に変更することができる税率連続設定処理を実行する（ステップＡ１２５）。税率連続設定処理の詳細については後述する（図７～図１６）。

次に、本実施形態における税計算合計キー（［ＧＳＴ ＧＴ（ＧＴ）］）１１ｃに対する入力操作に応じた処理について、図４に示すフローチャートを参照しながら説明する。
税計算合計キー１１ｃは、通常計算（基本計算）について総合計を表示させるためのグランドトータルキー（［ＧＴ］キー）と、税計算の計算結果について総合計を表示させるためのＧＳＴグランドトータルキー（［ＧＳＴ ＧＴ］キー）を兼ねている。

ＣＰＵ２１は、税計算合計キー１１ｃの操作を検出した場合（ステップＡ２１：Ｙｅｓ）、税計算キー１１ｂの操作に応じて税計算した直後に税計算合計キー１１ｃが操作されたか、言い換えると、税計算キー１１ｂの操作に続けて税計算合計キー１１ｃが操作されたかを判別する。

ここで、税計算直後に税計算合計キー１１ｃが操作されたと判別された場合（ステップＡ２６：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、税合計リコールモードエリア２２ｋに記憶された税合計リコールモードをオンする（ステップＡ２８）。すなわち、税計算直後に操作される税計算合計キー１１ｃは、税計算の計算結果について総合計を表示させるためのＧＳＴグランドトータルキー（［ＧＳＴ ＧＴ］キー）として使用される。

この場合、ＣＰＵ２１は、税率別税合計メモリエリア２２ｂ～２２ｆに記憶された各税率０～４をもとに算出された税込み額、税抜合計額、税合計額をもとに、それぞれを合計した税込総合計額、税抜総合計額、税総合計額を算出して税合計メモリエリア２２ｇに記憶させる。また、ＣＰＵ２１は、算出した税込総合計額を表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、表示部１２に表示させる（ステップＡ２９）。

税込総合計額が表示されている時（ステップＡ２９）、税計算合計キー１１ｃが操作された場合（ステップＡ２１０：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、税合計メモリエリア２２ｇから税抜総合計額を読み出して、表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、税込総合計額に代えて表示部１２に表示させる（ステップＡ２１１）。

さらに、税抜総合計額が表示されている時（ステップＡ２１１）、税計算合計キー１１ｃが操作された場合（ステップＡ２１２，Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、税合計メモリエリア２２ｇから税総合計額を読み出して、表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、税抜総合計額に代えて表示部１２に表示させる（ステップＡ２１３）。

さらに、税総合計額が表示されている時（ステップＡ２１３）、税計算合計キー１１ｃが操作された場合（ステップＡ２１４：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、税合計メモリエリア２２ｇから税込総合計額を読み出して、表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、税総合計額に代えて表示部１２に表示させる（ステップＡ２９）。

すなわち、本実施形態における電卓１０は、税計算合計キー１１ｃの操作に応じて税込総合計額を算出し、税計算合計キー１１ｃに対する操作毎に、税込総合計額、税込総合計額に対応する税抜総合計額、税込総合計額に対応する税総合計額に、順次、表示を切り替えることができる。よって、税込総合計額、税抜総合計額、税総合計額を容易に確認することができる。

一方、ＣＰＵ２１は、税計算合計キー１１ｃが押下された直前の操作が税計算でない、すなわち通常計算した直後に税計算合計キー１１ｃが操作されたと判別した場合（ステップＡ２６：Ｎｏ）、合計メモリエリア２２ｈに記憶された通常計算の結果とする数値を読み出して、表示メモリエリア２２ｐに記憶させるとともに、表示部１２において表示させる（ステップＡ２７）。すなわち、通常計算の直後に操作される税計算合計キー１１ｃは、通常計算により計算された総合計を表示させるためのグランドトータルキー（［ＧＴ］キー）として使用される。

こうして、本実施形態における電卓１０では、限られた面積の筐体正面において１つの税計算合計キー１１ｃを設け、グランドトータルキー（［ＧＴ］キー）と、ＧＳＴグランドトータルキー（［ＧＳＴ ＧＴ］キー）として兼用する。税計算合計キー１１ｃは、直前の状態（税計算直後、通常計算直後）に応じて機能が切り替えられるため、税計算の総合計（税込総合計額、税抜総合計額、税合計額）と通常計算の総合計とを容易に表示させることができる。
次に、本実施形態における税率確認処理について説明する。図５は、本実施形態における税率確認処理を説明するためのフローチャート、図６は、税率確認処理におけるキー操作と表示の具体例を示す図である。

ＣＰＵ２１は、［ＡＣ］キー１１ａの入力操作の直後の税計算キー１１ｂの操作に応じて、税率確認モードに移行する。ＣＰＵ２１は、税率確認処理において使用されるキー以外（例えば［ＡＣ］キー１１ａ）のキー操作がされるまで税率確認モード（設定モード）を維持する。ＣＰＵ２１は、税率確認モードの状態において、以下に説明する処理を継続して実行する。

ＣＰＵ２１は、［ＡＣ］キー１１ａの入力操作の直後に操作された税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）が操作されたことを検出すると（ステップＢ１０：Ｙｅｓ）、税率確認モードに移行したことを示すように［％］シンボル１２ｈを表示部１２に表示させるとともに、操作された税計算キー１１ｂを示す税計算キーシンボル１２ｃを表示させる。

ＣＰＵ２１は、操作された税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）に対して設定された税率ｎを、メモリ２２の税率記憶エリア２２ｒから読み出して（ステップＢ１１）、表示部１２において表示させる（ステップＢ１２）。

同様にして、何れかの税計算キー１１ｂが操作された場合（ステップＢ１０：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、操作された税計算キー１１ｂに対して設定された税率ｎを、メモリ２２の税率記憶エリア２２ｒから読み出して（ステップＢ１１）、表示部１２において表示させる（ステップＢ１２）。

すなわち、税率確認モードでは、税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）の何れかを連続して操作することで、それぞれの税計算キー１１ｂに対して設定された税率０～４を連続的に切り替えて表示させることができる。これにより、複数の税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）に対して設定された税率ｎを簡単に確認することができる。

図６に示すキー操作例では、［ＡＣ］キー１１ａが操作された直後に、税４計算キー（［ＧＳＴ＋４（ＴＡＸ－４）］）１１ｂ４が操作されている。ＣＰＵ２１は、［ＡＣ］キー１１ａの操作に応じて数値「０」を表示させ、税４計算キー１１ｂ４の操作に応じて、税率確認モードに移行したことを示す［％］シンボル１２ｈを表示させるとともに、税４計算キー１１ｂ４に対応する税計算キーシンボル１２ｃ［ＧＳＴ＋４］を表示させる。そして、ＣＰＵ２１は、税４計算キー１１ｂ４に対して、現在設定されている税率４を示す数値「２８」を表示させる。

図６に示すキー操作例では、続けて、税１計算キー１１ｂ１、税３計算キー１１ｂ３、税２計算キー１１ｂ２、税０計算キー１１ｂ０が操作されたことを示している。この場合、ＣＰＵ２１は、税１計算キー１１ｂ１の操作に応じて、税計算キーシンボル１２ｃ［ＧＳＴ＋１］とともに税率１を示す数値「５」を表示させ、税３計算キー１１ｂ３の操作に応じて、税計算キーシンボル１２ｃ［ＧＳＴ＋３］とともに税率１を示す数値「１８」を表示させ、税２計算キー１１ｂ２の操作に応じて、税計算キーシンボル１２ｃ［ＧＳＴ＋２］とともに税率２を示す数値「１２」を表示させ、税０計算キー１１ｂ０の操作に応じて、税計算キーシンボル１２ｃ［ＧＳＴ＋０］とともに税率１を示す数値「０」を表示させる。

ＣＰＵ２１は、税率０～４の何れかを示す数値が表示された状態において、数値キーが操作されたことを検出すると（ステップＢ１３：Ｙｅｓ）、数値キーに応じて入力された数値をメモリ２２に一時記憶させるとともに、入力された数値を表示部１２に表示させる（ステップＢ１４）。すなわち、税率ｎが表示された状態において数値キーを操作することで、変更後の新税率ｎを示す数値を入力することができる。

ここで、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されたことを検出すると（ステップＢ１５：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、入力された数値による税率ｎの設定が指示されたものと判別し、設定シンボル１２ｇ「ＳＥＴ」をさらに表示させ、入力された数値によって税率記憶エリア２２ｒに記憶された税率ｎを変更する。

一方、ＣＰＵ２１は、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されたことを検出しなければ（ステップＢ１５：Ｎｏ）、税計算合計キー１１ｃが操作されたかどうかを判別する（ステップＢ１７）。税計算合計キー１１ｃが操作されたことを検出すると（ステップＢ１７：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、複数の税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４にそれぞれ設定されている全ての税率を、順次、自動的に読み出して表示する（ステップＢ１８）。その後、ＣＰＵ２１は、キー操作の待機状態へ移る。

図６に示すキー操作例では、税０計算キー１１ｂ０に対応する税率０を示す数値「０」が表示された状態において、新税率ｎのために数値「３」が入力されている。ＣＰＵ２１は、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作に応じて、税率記憶エリア２２ｒに記憶された税率０を「３」に変更する。

さらに、税計算キー１１ｂが操作された場合、ＣＰＵ２１は、前述と同様にして、操作された税計算キー１１ｂに対して設定された税率ｎを表示させることができる（ステップＢ１０：Ｙｅｓ、ステップＢ１１）。従って、前述と同様にして、新税率ｎを示す数値を数値キーの操作により入力することで、表示中の税率ｎを変更することができる（ステップＢ１３：Ｙｅｓ、ステップＢ１４、ステップＢ１５：Ｙｅｓ、ステップＢ１６）。

図６に示すキー操作例では、税４計算キー１１ｂ４に対応する税率４を示す数値「２８」が表示された状態において、新税率ｎのために数値「３０」が入力され、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作により設定が指示されている。従って、ＣＰＵ２１は、税率記憶エリア２２ｒに記憶された税率４を「３０」に変更する。

このようにして、税率確認モードの状態においては、任意に選択した税計算キー１１ｂに対する操作に応じて、税計算キー１１ｂに対して設定されている現在の税率を任意に表示させることができ、さらに数値の入力によって現在表示中の税率を変更することができる。すなわち、１つの税計算キー１１ｂに対して設定された税率を確認し、税率を変更する場合に、その都度、税率を確認するための処理、税率を変更する処理の実行を指示する必要がないため、税計算キー１１ｂに設定された税率の管理作業を容易にすることができる。また、税率確認モードの状態において、税計算合計キー１１ｃが操作されれば、複数の税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４にそれぞれ設定されている全ての税率を、順次、自動的に読み出して表示する。すなわち、複数の税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４に対してそれぞれ設定された税率を確認する場合に、税率毎に、税率を確認するための処理の実行を指示する必要がないため、複数の税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４に設定された税率の管理作業を容易にすることができる。

次に、本実施形態における税率連続設定処理について説明する。本実施形態における電卓１０では、以下に説明する第１～第５の方法の何れかによる税率連続設定処理を実行することが可能である。

まず、第１の方法による税率連続設定処理について説明する。図７は、本実施形態における第１の方法による税率連続設定処理を説明するためのフローチャート、図８は、第１の方法による税率連続設定処理におけるキー操作と表示の具体例を示す図である。

ＣＰＵ２１は、［ＡＣ］キー１１ａの入力操作の直後に、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが長押しする操作がされ、さらに税計算合計キー１１ｃが操作された場合に、税率連続設定処理モードに移行する。ＣＰＵ２１は、税率連続設定処理において使用されるキー以外（例えば［ＡＣ］キー１１ａ）のキー操作がされるまで税率連続設定モード（設定モード）を維持する。ＣＰＵ２１は、税率連続設定モードの状態において、以下に説明する処理を継続して実行する。

ＣＰＵ１は、［ＡＣ］キー１１ａの入力操作の直後に、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが長押しする操作がされたことを検出すると、税率設定モードに移行したことを示すように［％］シンボル１２ｈを表示部１２に表示させる。さらに、税計算合計キー１１ｃが操作されたことを検出すると、ＣＰＵ２１は、税率連続設定モードに移行したことを示すように設定シンボル１２ｇ［ＳＥＴ］を表示部１２に表示させるとともに、全ての税率０～４を変更対象としていることを表すように、表示部１２のステップ数１２ａを［ＡＬＬ］に表示させる。

第１の方法による税率連続設定処理では、税計算キー１１ｂに設定される複数の税率０～４についての変更の順番が、例えば、税率０、税率１、税率２、税率３、税率４に予め設定されているものとする。

ＣＰＵ２１は、変更の順番に従って、税率ｎを変更対象に設定する（最初は税率０を設定する）。ＣＰＵ２１は、数値キーが操作されたことを検出すると（ステップＣ１１：Ｙｅｓ）、数値キーに応じて入力された数値をメモリ２２に一時記憶させるとともに（ステップＣ１２）、税率ｎに対する新税率入力中状態を設定する（ステップＣ１３）。また、ＣＰＵ２１は、現在、変更対象として設定されている税率ｎを示すＧＳＴシンボル［ＴＡＸ ｎ］を表示させる（ステップＣ１４）。

ＣＰＵ２１は、数値キーの操作により入力された、新税率ｎを示す数値を表示部１２に表示させる（ステップＣ１５）。

すなわち、税率連続設定モードに移行に移行した後、数値キーを操作することで、変更後の新税率ｎを示す数値を入力することができる。

ここで、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されたことを検出すると（ステップＣ１６：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、新税率入力状態が設定されていれば（ステップＣ１７：Ｙｅｓ）、入力された数値による税率ｎの設定が指示されたものと判別し、設定シンボル１２ｇ「ＳＥＴ」を消去し、入力された数値によって税率記憶エリア２２ｒに記憶された税率ｎを変更する（ステップＣ１８）。

なお、数値が入力された後に［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇ以外のキーが操作された場合（ステップＣ１６：Ｎｏ）、及び数値が入力される前に［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作された場合（ステップＣ１７：Ｎｏ）には、ＣＰＵ２１は、税率連続設定モード（税率連続設定処理）を終了する。

ＣＰＵ２１は、入力された数値により税率ｎの設定（変更）が完了すると、変更の順番に従って、次の税率（ｎ＋１）を変更対象に設定する（ステップＣ１９）。

ここで、全ての税率について設定が完了している場合（ステップＣ１１０：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、税率連続設定モード（税率連続設定処理）を終了する。一方、全ての税率について設定が完了していない場合（ステップＣ１１０：Ｎｏ）、ＣＰＵ２１は、前述と同様にして、次の変更対象として設定された税率ｎに対する新税率ｎを示す数値を入力し（ステップＣ１１～Ｃ１５）、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作に応じて新税率ｎにより税率ｎを更新する。

すなわち、第１の方法による税率連続設定処理では、税率連続設定モードにおいて、新税率ｎを示す数値の入力、新税率ｎの変更を指示する［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作を繰り返すことで、予め設定された順番で税率０～４の数値を変更することができる。

図８に示す入力操作の例では、税率０が変更対象として設定された状態において、数値キーの操作により数値「１」「２」が順に入力され、新税率０とする数値「１２」が入力される例を示している。この時、ＧＳＴシンボルとして、税率０を示す［ＴＡＸ ０］が表示される。新税率０とする数値「１２」が表示された状態で、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されることで、数値「１２」により税率０の数値が変更される。税率０の数値が変更されると、次に税率１が変更対象として設定される。

図８に示す入力操作の例では、以下、同様にして、税率１に対して新税率１を示す数値「２３」が入力された後、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されることで数値「２３」により税率１が変更され、税率２に対して新税率２を示す数値「３４」が入力された後、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されることで数値「３４」により税率２が変更され、税率３に対して新税率３を示す数値「４５」が入力された後、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されることで数値「４５」により税率３が変更され、税率４に対して新税率４を示す数値「５６」が入力された後、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されることで数値「５６」により税率４が変更される。

このようにして、第１の方法による税率連続設定処理では、数値キーによる新税率ｎを示す数値の入力、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作による新税率ｎの変更を指示のみで複数の税率０～４を変更できるので、税計算キー１１ｂに設定された税率０～４の管理作業を容易にすることができる。

次に、第２の方法による税率連続設定処理について説明する。図９は、本実施形態における第２の方法による税率連続設定処理を説明するためのフローチャート、図１０は、第２の方法による税率連続設定処理におけるキー操作と表示の具体例を示す図である。

なお、第２の方法による税率連続設定処理は、図９に示すフローチャートのステップＣ２１～Ｃ２１０における処理が、第１の方法を示すフローチャートのステップＣ１１～Ｃ１１０の処理と同様に実行されるものとして詳細な説明を省略する。

第２の方法の税率連続設定処理では、税率ｎについて新税率ｎの数値により変更した場合、ＣＰＵ２１は、変更済みの新税率ｎを一定時間（例えば、１秒間）表示させた後（ステップＣ２１１）、次に変更対象として設定された税率（ｎ＋１）の現在の数値を税率記憶エリア２２ｒから読み出し、表示部１２に表示させる（ステップＣ２１２）。

図１０に示すキー操作の例では、税率０に対して、入力された新税率０を示す数値「１２」に変更した後、一定時間が経過した後（１秒後）に、次の変更対象とする税率１に設定されている現在の数値「５」を表示させている。同様にして、税率１を変更した後に、税率２に設定されている現在の数値「１２」を表示させ、税率２を変更した後に、税率３に設定されている現在の数値「１８」を表示させ、税率３を変更した後に、税率４に設定されている現在の数値「２８」を表示させている。

このようにして、第２の方法による税率連続設定処理では、第１の方法による効果に加えて、さらに次に設定対象とする税計算キー１１ｂに設定されている現在の税率を表示させることで、変更対象とする税率を確認した上で、新税率とする数値の入力を入力することができる。従って、新税率への変更作業の誤りを低減して、税計算キー１１ｂに設定された税率０～４の管理作業を容易にすることができる。

次に、第３の方法による税率連続設定処理について説明する。図１１は、本実施形態における第３の方法による税率連続設定処理を説明するためのフローチャート、図１２は、第３の方法による税率連続設定処理におけるキー操作と表示の具体例を示す図である。

なお、第３の方法による税率連続設定処理は、図１１に示すフローチャートのステップＣ３１～Ｃ３１０における処理が、第１の方法を示すフローチャートのステップＣ１１～Ｃ１１０の処理と同様に実行されるものとして詳細な説明を省略する。

第３の方法の税率連続設定処理では、第２の方法と同様にして、税率ｎについて新税率ｎの数値により変更した場合、ＣＰＵ２１は、変更済みの新税率ｎを一定時間（例えば、１秒間）表示させる。ＣＰＵ２１は、一定時間が経過したと判別した場合（ステップＣ３１２：Ｙｅｓ）、次に変更対象として設定された税率（ｎ＋１）の現在の数値を税率記憶エリア２２ｒから読み出し、表示部１２に表示させる（ステップＣ３１４）。

ただし、ＣＰＵ２１は、一定時間が経過したと判別するまでの間、キー入力部１１のキーに対する入力操作を監視（キーサンプル）する。ＣＰＵ２１は、一定時間が経過するまでの間に、キー操作を検出した場合（ステップＣ３１１：Ｙｅｓ）、キー操作が税率設定のための有効キーの操作であるか判別する。ここでは、新税率ｎを入力するための数値キーを有効キーとする。

ＣＰＵ２１は、有効キーに対する操作ではないと判別した場合（ステップＣ３１３：Ｎｏ）、一定時間の経過の監視を継続する。一方、ＣＰＵ２１は、有効キー（数値キー）に対する操作であると判別した場合（ステップＣ３１３：Ｙｅｓ）、前述のようにして、新税率ｎのための新税率入力中状態に移行する（ステップＣ３１～Ｃ３５）。

図１２に示すキー操作の例では、税率０に対して、入力された新税率０を示す数値「１２」に変更した後、一定時間が経過した場合には（１秒後）に、次の変更対象とする税率１に設定されている現在の数値「５」を表示させる。一方、一定時間が経過する前に、次の変更対象とする税率１に対する新税率１のための数値「２」が数値キーの操作により入力された場合には、一定時間の経過を待たずに、新税率１のための新税率入力中状態に移行する。同様にして、税率１を変更した後に、一定時間が経過する前に数値「３」が入力されることにより、新税率２のための新税率入力中状態に移行して数値「３４」を入力し、税率２を変更した後、一定時間が経過する前に数値「４」が入力されることにより、新税率３のための新税率入力中状態に移行して数値「４５」を入力し、税率３を変更した後、一定時間が経過する前に数値「５」が入力されることにより、新税率４のための新税率入力中状態に移行して数値「５６」を入力する。

このようにして、第３の方法による税率連続設定処理では、第２の方法による効果に加えて、さらに一定時間が経過するまでの間に、新税率ｎのための数値を入力するための操作を可能している。これにより、変更対象とする税率の確認が不要である場合には、直ちに、次の税率の変更のためのキー操作に移行することができる。従って、税率設定のための作業時間を短縮して、税計算キー１１ｂに設定された税率０～４の管理作業を容易にすることができる。

次に、第４の方法による税率連続設定処理について説明する。図１３は、本実施形態における第４の方法による税率連続設定処理を説明するためのフローチャート、図１４は、第４の方法による税率連続設定処理におけるキー操作と表示の具体例を示す図である。

なお、第４の方法による税率連続設定処理は、図１３に示すフローチャートのステップＣ４１～Ｃ４６，Ｃ４１０～Ｃ４１３における処理が、第２の方法を示すフローチャートのステップＣ２１～Ｃ２６，Ｃ２１０～Ｃ２１３の処理と同様に実行されるものとして詳細な説明を省略する。

前述した第１～第３の方法による税率連続設定処理では、税計算キー１１ｂに設定される全ての税率０～４に対する新税率ｎのための数値を入力しているが、第４の方法では、変更が不要な税率ｎについては新税率ｎのための数値の入力を不要にする。

ＣＰＵ２１は、前述したように、新税率ｎのための数値が入力されることで新税率入力中状態に移行して（ステップＣ４２）、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作に応じて、新税率ｎにより税率ｎを変更した後、次の税率（ｎ＋１）を次の設定対象として設定する（ステップＣ４６～Ｃ４９）。この場合、数値が入力されていることで新税率入力中状態に移行しているため（ステップＣ４７：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ２１は、前述した第２の方法と同様にして、税率ｎを変更する。

ＣＰＵ２１は、税率ｎの設定が完了すると新税率入力中状態をクリアし、一時間が経過した後、次の税率（ｎ＋１）に対して、現在設定されている数値を税率記憶エリア２２ｒから読み出して、表示部１２に表示させる。

ここで、次の新絶率ｎのための数値が入力されずに、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作された場合、ＣＰＵ２１は、新税率入力中状態に移行していないため（ステップＣ４７：Ｎｏ）、現在、表示中の数値、すなわち税率ｎに対して設定されている現在の数値を、税率記憶エリア２２ｒに書き込む（ステップＣ４１１）。すなわち、ＣＰＵ２１は、変更対象として設定された税率ｎについては数値を変更せずに、次の税率（ｎ＋１）を次の設定対象として設定する。

図１４に示すキー操作の例では、税率０，２，４については、第２の方法と同様にして税率を入力された数値により変更している。税率０に対して、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作に応じて、入力された新税率０を示す数値「１２」に変更した後、一定時間が経過した後（１秒後）に、次の変更対象とする税率１に設定されている現在の数値「５」を表示させている。ここで、数値が入力されず、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作された場合には、現在の表示中の数値「５」を税率１として（変更しないで）、次の税率２を変更対象に設定して、一定時間が経過した後（１秒後）に、次の変更対象とする税率２に設定されている現在の数値「１２」を表示させている。同様にして、税率３についても、数値が入力されず、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇが操作されているため、現在の数値「１８」を税率３としている。

このようにして、第４の方法による税率連続設定処理では、変更が不要に税率については、数値の入力ためのキー操作を削除して、［％（ＳＥＴ）］キー１１ｇの操作のみにより次の税率に設定対象を移行させることができる。これにより、キー操作数を削減して、税計算キー１１ｂに設定された税率０～４の管理作業を容易にすることができる。

次に、第５の方法による税率連続設定処理について説明する。図１５は、本実施形態における第５の方法による税率連続設定処理を説明するためのフローチャート、図１６は、第５の方法による税率連続設定処理におけるキー操作と表示の具体例を示す図である。

なお、第５の方法による税率連続設定処理は、図１５に示すフローチャートのステップＣ５６．Ｃ５８以外における処理が、第１の方法を示すフローチャートのステップＣ１６，Ｃ１８の処理と異なり、他の処理が同様に実行されるものとして詳細な説明を省略する。

前述した第１の方法による税率連続設定処理では、税計算キー１１ｂに設定される税率０～４が予め設定された順番で変更対象として設定されるとしているが、第５の方法では、入力された数値による変更対象とする税率を指定できるようにする。

ＣＰＵ２１は、数値キーの操作によって新税率ｎを示す数値が入力された後（ステップＣ５１～Ｃ５５）、税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れかが操作されたことを検出すると（ステップＣ５６：Ｙｅｓ）、税率記憶エリア２２ｒに記憶された、操作されたキーに対応する税率ｎを新税率ｎとして入力された数値により更新する（ステップＣ５８）。すなわち、第５の方法では、新税率ｎのための数値を入力した後に、税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４の何れかを選択して操作することにより、変更対象とする税率ｎを任意に指定することができる。

図１６に示すキー操作の例では、数値キーの操作により数値「１２」が入力された後、税２計算キー１１ｂ２［ＧＳＴ＋２（ＴＡＸ－２）］が操作されている。この場合、ＣＰＵ２１は、先に入力された数値「１２」によって、税２計算キー１１ｂ２［ＧＳＴ＋２（ＴＡＸ－２）］に対応する税率２を変更する。同様にして、数値キーの操作により数値「２３」が入力された後、税３計算キー１１ｂ３［ＧＳＴ＋３（ＴＡＸ－３）］が操作されることにより、ＣＰＵ２１は、数値「２３」によって、税３計算キー１１ｂ３［ＧＳＴ＋３（ＴＡＸ－３）］に対応する税率２を変更する。

このようにして、第５の補による税率連続設定処理では、変更後の新絶率ｎを示す数値を入力した後、変更対象とする税率ｎを税計算キー１１ｂ（税ｎ計算キー１１ｂ０～１１ｂ４）の何れかを操作することで指定できる。従って、変更が必要な税率のみについて、数値の入力と税計算キー１１ｂの操作をするだけでよいため、キー操作数を削減して、税計算キー１１ｂに設定された税率０～４の管理作業を容易にすることができる。

なお、前述した説明では、電卓１０のキー入力部１１に設けられた物理的（機械式）なキーに複数の機能が割り当てられている場合について説明しているが、ソフトウェアキーボードが用いられている場合についても適用することが可能である。

なお、実施形態において記載した手法、すなわち図３～図５、図７、図９、図１１、図１３、図１５のフローチャートに示す処理等の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード（ＲＯＭカード、ＲＡＭカード等）、磁気ディスク（フレキシブルディスク、ハードディスク等）、光ディスク（ＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ等）、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、外部記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した機能と同様の処理を実現することができる。

また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク（インターネット）上を伝送させることができ、このネットワーク（インターネット）に接続されたコンピュータ（サーバ装置等）からプログラムデータを取り込み、前述した実施形態と同様の機能を実現することもできる。

なお、本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。

［１］実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な制御部を有する計算機であって、
前記制御部は、
特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定された複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、
前記複数の数値の少なくとも何れかを表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値を連続的に記憶部より読み出して表示部に表示させる、計算機。

［２］前記制御部は、
前記設定値表示指示の入力毎に、前記複数の設定値の何れかとして設定された何れかの数値を、前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させる、［１］記載の計算機。

［３］前記制御部は、
前記設定値表示指示の入力に応じて、前記複数の設定値として設定された複数の数値の全てを順次前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させる、［１］又は［２］記載の計算機。

［４］前記制御部は、
前記設定値表示指示の入力に応じて、前記複数の設定値の何れかとして設定された何れかの数値を、前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させてから、
設定指示の入力を受け付けた場合、
前記設定指示の前に数値の入力を受け付けた場合は、当該設定指示の入力に応じて、入力を受け付けた前記数値を、前記何れかの設定値に設定される数値として、前記記憶部に記憶させ、
前記設定指示の前に数値の入力を受け付けなかった場合は、当該設定指示の入力に応じて、前記表示部に表示中の前記数値を、前記何れかの設定値に設定される数値として、前記記憶部に記憶させる、
数値設定処理を実行する、［１］乃至［３］の何れか一項記載の計算機。

［５］前記制御部は、前記記憶部に記憶させた後、
前記設定値表示指示に応じて、ユーザ操作に基づいて特定される前記何れかの設定値以外の何れかの第２設定値として設定された数値を、前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させ、
表示させた前記第２設定値を対象として、前記数値設定処理を実行する、［４］記載の計算機。

［６］前記制御部は、前記記憶部に記憶させた後、
前記制御部により自動的に特定される前記何れかの設定値以外の何れかの第２設定値として設定された数値を、前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させ、
表示させた前記第２設定値を対象として、前記数値設定処理を実行する、［４］記載の計算機。

［７］前記制御部は、前記記憶部に記憶させる毎に、
記憶させた前記数値を、少なくとも予め定められた時間、前記表示部に表示させてから、前記制御部により自動的に特定される前記第２設定値として設定された数値を、前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させる、［６］記載の計算機。

［８］前記制御部は、前記記憶部に記憶させる毎に、
記憶させた前記数値を前記表示部に表示中、次の設定値を表示させる設定値表示指示の入力に応じて、即座に、前記制御部により自動的に特定される前記第２設定値として設定された数値を、前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させる、［６］記載の計算機。

［９］実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な制御部を有する計算機の制御部により実行される表示方法であって、
特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定された複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、
記複数の数値の少なくとも何れかを表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値を連続的に記憶部より読み出して表示部に表示させる、表示方法。

［１０］実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な制御部を有する計算機のコンピュータによって、
特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定された複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、
記複数の数値の少なくとも何れかを表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値を連続的に記憶部より読み出して表示部に表示させる、ためのプログラム。

１０…電卓、１１…キー入力部、１１ｂ０…税０計算キー、１１ｂ１…税１計算キー、１１ｂ２…税２計算キー、１１ｂ３…税３計算キー、１１ｂ４…税４計算キー、１１ｃ…税計算合計キー、１１ｄ…税計算モード切替キー、１２…表示部、２１…ＣＰＵ、２２…メモリ、２２ａ…工場検査プログラム、２２ｂ…計算処理プログラム、２２ｃ…工場検査後フラグエリア、２２ｄ…税率別税合計メモリエリア、２２ｅ…税率記憶エリア、２２ｇ…税率別税合計メモリエリア、２２ｈ…合計メモリエリア、２２ｋ…税合計リコールモードエリア、２２ｍ…税計算モードエリア、２２ｎ…バッファメモリエリア、２２ｐ…表示メモリエリア。

Claims (4)

1. 実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な計算機であって、
   特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定されている複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、且つ、前記複数の数値の少なくとも何れかの数値を表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値のそれぞれを記憶部より読み出してこの複数の数値のそれぞれを所定の順で連続的に表示部に表示させる制御部を備え、
   前記制御部は、
   前記設定値表示指示の入力に応じて前記複数の設定値の何れかの設定値として設定されている数値を前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させてから設定指示の入力を受け付けた場合に、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていたときにはこの入力を受け付けていた数値が前記何れかの設定値として設定されていた数値と置き換わるようにこの入力を受け付けていた数値を前記記憶部に記憶する一方で、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていなかったときには前記表示部に表示中の数値が前記何れかの設定値として維持されるように前記表示部に表示中の数値を前記記憶部に記憶し、
   前記記憶部に記憶させる毎に、記憶させた前記数値を、少なくとも予め定められた時間、前記表示部に表示させるとともに、この表示に引き続き前記所定の順に基づいた数値を前記表示部に表示させる、
   計算機。
2. 前記複数の設定値のそれぞれは税計算に適用される税率である、
   請求項１に記載の計算機。
3. 実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な計算機が実行する表示方法であって、
   特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定されている複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、且つ、前記複数の数値の少なくとも何れかの数値を表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値のそれぞれを記憶部より読み出してこの複数の数値のそれぞれを所定の順で連続的に表示部に表示させる制御処理を含み、
   前記制御処理は、
   前記設定値表示指示の入力に応じて前記複数の設定値の何れかの設定値として設定されている数値を前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させてから設定指示の入力を受け付けた場合に、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていたときにはこの入力を受け付けていた数値が前記何れかの設定値として設定されていた数値と置き換わるようにこの入力を受け付けていた数値を前記記憶部に記憶させる一方で、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていなかったときには前記表示部に表示中の数値が前記何れかの設定値として維持されるように前記表示部に表示中の数値を前記記憶部に記憶させ、
   前記記憶部に記憶させる毎に、記憶させた前記数値を、少なくとも予め定められた時間、前記表示部に表示させるとともに、この表示に引き続き前記所定の順に基づいた数値を前記表示部に表示させる、
   表示方法。
4. 実行指示の入力に応じて第１計算を実行可能な計算機のコンピュータを、
   特定の操作に応じて、前記第１計算に用いる複数の設定値として各設定されている複数の数値の少なくとも何れかを表示可能な状態に、前記計算機を設定し、且つ、前記複数の数値の少なくとも何れかの数値を表示させる設定値表示指示の入力に応じて、設定された前記状態を保持したまま、前記複数の数値のそれぞれを記憶部より読み出してこの複数の数値のそれぞれを所定の順で連続的に表示部に表示させる制御手段として機能させ、
   前記制御手段は、
   前記設定値表示指示の入力に応じて前記複数の設定値の何れかの設定値として設定されている数値を前記記憶部より読み出して前記表示部に表示させてから設定指示の入力を受け付けた場合に、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていたときにはこの入力を受け付けていた数値が前記何れかの設定値として設定されていた数値と置き換わるようにこの入力を受け付けていた数値を前記記憶部に記憶させる一方で、前記設定指示の前に数値の入力を受け付けていなかったときには前記表示部に表示中の数値が前記何れかの設定値として維持されるように前記表示部に表示中の数値を前記記憶部に記憶させ、
   前記記憶部に記憶させる毎に、記憶させた前記数値を、少なくとも予め定められた時間、前記表示部に表示させるとともに、この表示に引き続き前記所定の順に基づいた数値を前記表示部に表示させる、
   プログラム。

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