JP7196084B2 - 日焼け防止を向上させるための官能化炭酸カルシウム - Google Patents

日焼け防止を向上させるための官能化炭酸カルシウム Download PDF

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Description

本発明は、日焼け止め組成物の分野に関し、特に、UV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物、その製造方法、並びに化粧品組成物の日焼け防止指数及び/又は感覚特性を高めるための表面反応炭酸カルシウムの使用に関する。
太陽スペクトルの紫外線部分がヒトの皮膚に損傷を与える影響があることは周知である。特に、紫外線B(UV-B)放射は290~315nmの範囲にあり、DNAに直接損傷を与えると考えられており、日焼けを引き起こす。これとは対照的に、紫外線A(UV-A)放射は315~400nmの範囲にあり、長期間にわたってUV-B放射よりも皮膚への損傷が少ないと考えられていた。しかし、UV-A放射は、実際にはUV-B照射よりも皮膚に対してより多くの損傷を引き起こすことが知られている。このような損傷は、典型的には、皮膚の表皮及び真皮における光毒性反応によって生じるフリーラジカル及び他の反応種の形成によって生じる。結果として、UV-A放射は、現在、皮膚の早期老化などの慢性的な光誘発性変化の発生、ひいては皮膚がんの発生における主な要因であると考えられている。したがって、太陽光線に曝される皮膚の少なくとも一部をUV-B及びUV-A放射から防御することがますます重要になってきている。
広範囲のUV防御を達成するために、日焼け止め配合物は、典型的には、いくつかの有機UVフィルターの組み合わせを含み、これは、効率を増加させるために、無機UVフィルターによって補完され得る。
しかし、オクトクリレンのような有機UVフィルターの使用は、特にそれらが敏感な人における皮膚刺激及びアレルギーの可能性のある原因であり、環境に対する潜在的に有害な影響であると疑われるため、継続的に増加する懸念の対象となっている。UV光子を吸収すると、有機UVフィルターはフリーラジカルを放出し、その結果、コラーゲン、エラスチン又は皮膚細胞DNAに損傷を引き起こす可能性があると推測される(Manaiaら、BJPS、2013、49(2)、201-209参照)。
対照的に、無機UVフィルターは光に安定であり、UV-A及びUV-Bに及ぶより広いスペクトル保護を与える。また、無機UVフィルターは皮膚刺激が少ないことも知られている。したがって、いわゆるミネラルのみの日焼け止め配合物、すなわち、無機UVフィルター材料のみを含む日焼け止め配合物は、より人気を得、特に敏感な皮膚を有する人々、並びに乳幼児に推奨される。また、有機化粧品、ひいては有機日焼け止め配合物も、合成成分の使用を認めない近年において主要な流行となってきた。
しかし、無機UVフィルターの主な欠点の1つは、それらが皮膚に「白色化」効果をもたらし得ることであり、これは審美的観点からはあまり魅力的ではない。無機UVフィルターの別の問題は、可視光領域において高い透明性を維持しながら、紫外線領域において効果的な遮光能力を提供するために、無機UVフィルターが典型的にはナノスケール顔料の形態で使用されることである。しかし、このようなナノスケールの粒子は集塊する傾向があり、日焼け止めの効率を低下させ、斑状の日焼けを引き起こす可能性がある。また、粒子の集塊は配合物の展延性を低下させ、配合物の不快な感覚特性をもたらす可能性がある。
US5,902,569Aには、マトリックス粒子及び娘粒子を含む、可視光領域において透明性を有する紫外線遮蔽複合微粒子が開示されており、ここで娘粒子はマトリックス粒子に分散され、かつ担持されており、マトリックス粒子を構成する粒子よりも小さいバンドギャップエネルギーを有し、紫外線を吸収することができ、得られる紫外線遮蔽複合微粒子は、実質的に触媒活性を有さない。
US2008/0075746A1は、化粧品又は皮膚科学的組成物の光防御を強化するための方法を記載しており、前記方法は、前記組成物に不溶性又は難溶性の微粉化物質を添加し、前記微粉化物質を前記組成物の油相又は水相に分散させることを含み、前記組成物は水相又は油相に可溶性である少なくとも1種の化粧品UVフィルターをさらに含み、ただし前記微粉化物質は化粧品UV吸収剤ではないということを条件とする。
不揮発性油、水相、及びSPF変曲濃度付近の化粧用粉末を含むSPF向上組成物が、米国特許出願公開第2011/0250250A1に開示されている。
WO2016/020287号は、有機UVフィルターを含まない、UV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品配合物に関し、化粧品配合物は、少なくとも1種の二酸化チタン含有材料を含む水性及び油性分散体を含むベース配合物を含む。
したがって、十分なUV-A及び/又はUV-B防御を提供する化粧品配合物が当技術分野で依然として必要とされている。
米国特許第5,902,569号明細書 米国特許出願公開第2008/0075746号明細書 米国特許出願公開第2011/0250250号明細書 国際公開第2016/020287号
Manaiaら、BJPS、2013、49(2)、201-209参照
したがって、本発明の目的は、UV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物を証明することである。この化粧品組成物は、環境に有害な影響を及ぼす可能性のある有機UVフィルターの存在、又はヒトに対する皮膚刺激性若しくはアレルギー誘発性を有する可能性のある有機UVフィルターの存在を必要としないことが望ましい。
また、本発明の目的は、改善された日焼け止め効率を有するUV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物を提供することである。例えば、この化粧品組成物は、改善されたUVフィルター性能を提供し、したがって、想定される日焼け防止指数(SPF)に影響を及ぼすことなく、UVフィルター剤の量を減少させ得ることが望ましいであろう。
また、本発明の目的は、改善された外観及び/又は感覚特性を有するUV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物を提供することである。この化粧品組成物は、皮膚に塗布したときに減少した白色化効果を示すことが望ましいであろう。さらに、化粧品組成物は、皮膚に容易に塗布することができ、皮膚上に一様で均一な薄膜を形成することが望ましいであろう。また、化粧品組成物は脂っぽさ及びべたつきが低いことが望ましいであろう。また、化粧品組成物が良好な展延性を示し、速く乾燥することも望ましいであろう。
さらに、本発明の目的は、天然源から誘導可能な、UV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物を提供することである。易生分解性の化粧品組成物を提供することも望ましい。
上記及び他の目的は、独立請求項に規定される主題によって解決される。
本発明の一態様によれば、UV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物であって、
少なくとも1種の無機UVフィルターと、
0.1~90μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムと
を含み、表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される、化粧品組成物が提供される。
本発明の別の態様によれば、化粧品組成物を製造するための方法であって、少なくとも1種の無機UVフィルターが、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムと混合され、
表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む化粧品組成物の日焼け防止指数(SPF)を向上させるための表面反応炭酸カルシウムの使用が提供され、
表面反応炭酸カルシウムは、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有し、及び
表面反応炭酸カルシウムは、天然の粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、ここで、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
本発明のさらに別の態様によれば、UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む、化粧品組成物の感覚特性を改善するための表面反応炭酸カルシウムの使用が提供され、
表面反応炭酸カルシウムは、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有し、及び
表面反応炭酸カルシウムは、天然の粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、ここで、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
本発明の有利な実施形態は、対応する従属請求項において定義される。
一実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、ヒドロキシアパタイト、酸化セリウム、カルシウムがドープされた酸化セリウム、リン酸セリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛であり、最も好ましくは、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタンである。別の実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、10~1000nm、好ましくは12~800nm、より好ましくは15~600nm、最も好ましくは20~400nmの重量中央粒径d50を有する粒子の形態である。さらに別の実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、化粧品組成物の総重量を基準として、1~50重量%、好ましくは2~40重量%、より好ましくは5~30重量%、最も好ましくは10~25重量%の量で存在する。
一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、0.1~75μm、好ましくは0.5~50μm、より好ましくは1~40μm、さらにより好ましくは1.2~30μm、最も好ましくは1.5~15μmの体積中央粒径d50を有する。別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、窒素及びBET法を用いて測定して、15m/g~200m/g、好ましくは20m/g~180m/g、より好ましくは25m/g~160m/g、さらにより好ましくは27m/g~150m/g、最も好ましくは30m/g~140m/gの比表面積を有する。
一実施形態によれば、天然粉砕炭酸カルシウムは、大理石、白亜、石灰石、及びそれらの混合物からなる群から選択されるか、又は沈降炭酸カルシウムは、アラゴナイト、バテライト、又はカルサイト結晶形態を有する沈降炭酸カルシウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
一実施形態によれば、少なくとも1種のHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酸性塩、酢酸、ギ酸、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、少なくとも1種のHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、Li、Na及び/又はKから選択されるカチオンによって少なくとも部分的に中和されるHPO 、Li、Na、K、Mg2+及び/又はCa2+から選択されるカチオンによって少なくとも部分的に中和されるHPO 2-、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、少なくとも1種のHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、及びそれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、少なくとも1種のHイオン供与体はリン酸である。別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、化粧品組成物の総重量を基準として0.1~50重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~10重量%、最も好ましくは3~6重量%の量で存在する。
一実施形態によれば、化粧品組成物は、少なくとも1種の有機UVフィルターをさらに含み、好ましくは少なくとも1種の有機UVフィルターは、ケイ皮酸及びその塩の誘導体、サリチル酸及びその塩の誘導体、ベンゾフェノン、アミノ安息香酸及びその塩の誘導体、ジベンゾイルメタン、ベンジリデンカンフル誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ジフェニルアクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンザルマロン酸塩誘導体、アミノ安息香酸塩誘導体、オクトクリレン、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは少なくとも1種の有機UVフィルターは、ケイ皮酸及びその塩の誘導体、ベンゾフェノフェノン、オクトクリレン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態によれば、化粧品組成物は、漂白剤、増粘剤、安定剤、キレート化剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤、皮膚軟化剤、芳香剤、着色剤、皮膚日焼け化合物、酸化防止剤、顔料、油、水、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む。
一実施形態によれば、化粧品組成物は、日焼け止め製品、アイメイクアップ製品、フェイシャルメイクアップ製品、リップケア製品、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品、ネイルケア製品、ハンドケア製品、スキンケア製品、又はそれらの組合せ製品である。別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、薬学的活性剤、生物学的活性剤、殺菌剤、防腐剤、香味剤、界面活性剤、油、芳香剤、精油、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の活性剤と会合する。
本発明の目的のために、以下の用語は以下の意味を有することを理解すべきである。
本発明の意味における「天然粉砕炭酸カルシウム」(GCC)は、石灰石、大理石、又は白亜などの天然源から得られ、例えば粉砕、スクリーニング、及び/又は例えばサイクロン又は分級機による分別などの湿式及び/又は乾式処理によって処理された炭酸カルシウムである。
本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、水性、半乾燥又は湿潤環境中での二酸化炭素及び石灰の反応後の沈殿によって、又は水中でのカルシウム及び炭酸イオン源の沈殿によって得られる合成物質である。PCCはバテライト結晶、カルサイト結晶、又はアラゴナイト結晶の形態であることができる。PCCは、例えば、EP2447213A1号、EP2524898A1号、EP2371766A1号、EP1712597A1号、EP1712523A1号、又はWO2013/142473A1号に記載されている。
本出願の意味における「表面反応」という用語は、材料が、水性環境における酸性処理(例えば、水溶性遊離酸及び/又は酸性塩の使用による)に際して前記材料の部分的溶解、その後のさらなる結晶化添加剤の非存在下又は存在下で起こり得る結晶化過程を含む方法に供されたことを示すために使用される。本明細書で使用される「酸」という用語は、ブレンステッド及びローリーによる定義の意味における酸(例えば、HSO、HSO )を指し、ここで、「遊離酸」という用語は、完全にプロトン化された形態(例えば、HSO)にあるそれらの酸のみを指す。
本明細書における表面反応炭酸カルシウム以外の粒状物質の「粒径」は、その粒径dの分布によって記述される。ここで、値dは、粒子のx重量%がd未満の直径を有する直径を表す。これは、例えば、d20値が、全粒子の20重量%がその粒径より小さい粒径であることを意味する。したがって、d50値は重量中央粒径、すなわち全粒子の50重量%がこの粒径より小さい。本発明の目的のために、粒径は、特に指定のない限り、重量中央粒径d50(重量)として特定される。粒径は、Micromeritics Instrument CorporationのSedigraph(商標) 5100装置又はSedigraph(商標) 5120装置を用いて測定した。この方法及び器具は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径を測定するために一般に用いられる。測定は、0.1重量%Naの水溶液中で行った。
本明細書における表面反応炭酸カルシウムの「粒径」は、体積基準の粒径分布として記載される。体積中央粒径d50は、Malvern Mastersizer 2000 Laser Diffraction Systemを用いて評価した。Malvern Mastersizer 2000 Laser Diffraction Systemを用いて測定したd50値又はd98値は、粒子のそれぞれ50%又は98体積%がこの値未満の直径を有するような直径値を示す。測定により得られた生データを、粒子屈折率1.57、吸収指数0.005でMie理論を用いて分析した。
本願の意味における「粒子」という用語は、複数の粒子から構成される材料を指す。前記複数の粒子は、例えば、その粒径分布によって定義することができる。「粒状物質」という表現は、顆粒、粉末、粒、錠剤、又は粉砕物を含むことができる。
本文書全体を通して使用される材料の「比表面積」(m/gで表される)は、吸着ガスとして窒素を用いるBrunauer Emmett Teller (BET)方法によって、及びMicromeritics社のASAP 2460装置の使用によって測定することができる。この方法は当業者に周知であり、ISO 9277:2010に定義されている。測定に先立ち、サンプルを真空下100℃で30分間調整する。前記材料の総表面積(m)は、材料の比表面積(m/g)と質量(g)の乗算によって得ることができる。
本発明の文脈において、「孔」という用語は、粒子間及び/又は粒子内に見出される空間、すなわち、粒子が、粉末又は成形体内のような、最近接接触下で一緒に充填される時に粒子によって形成される空間(粒子間孔)、及び/又は多孔質粒子内の空隙空間(粒子内孔)であって、液体によって飽和された時に圧力下で液体の通過を可能にし、及び/又は表面湿潤液体の吸収を支持する空間を記載するものとして理解されるべきである。
本発明の目的のために、液体組成物の「固形分」は、全ての溶媒又は水が蒸発した後に残存する物質の量の尺度である。必要ならば、本発明の意味において重量%で与えられる懸濁液の「固形分」は、Mettler-Toledoからの水分分析器HR73(T=120℃、自動スイッチオフ3、標準乾燥)を用いて5~20gのサンプルサイズで測定することができる。
特に指定のない限り、「乾燥」という用語は、得られた「乾燥した」材料の120℃での恒量に達するように、乾燥される材料から水の少なくとも一部を除去する処理を指す。また、「乾燥した」又は「乾燥」材料は、特に指定のない限り、乾燥材料の総重量を基準として、1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、最も好ましくは0.03~0.07重量%である、その総水分含量によって定義することができる。
本願の目的のために、「水不溶性」材料は、100mlの脱イオン水と混合され、20℃で濾過して濾液を回収した場合、前記濾液100gを95~100℃で蒸発させた後、0.1g以下の回収固体材料を提供する材料として定義される。「水溶性」材料とは、前記濾液100gを95~100℃で蒸発させた後、0.1gを超える固体材料の回収をもたらす材料と定義される。材料が本発明の意味において不溶性又は可溶性物質であるかどうかを評価するために、サンプルサイズは0.1gより大きく、好ましくは0.5g以上である。
本発明の意味における「懸濁液」又は「スラリー」は、未溶解の固体及び水、並びに任意にさらなる添加剤を含み、通常、大量の固体を含み、したがって、それが形成される液体よりも粘性であり、より高い密度であり得る。
単数名詞について言及する際に不定冠詞又は定冠詞、例えば「1つの(a)」、「1つの(an)」又は「その(the)」が用いられる場合、他に何か具体的に述べられない限り、これにはその名詞の複数形が含まれる。
「含む(comprising)」という用語が、本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、それは、他の要素を除外しない。本発明の目的のために、「からなる(consisting of)」という用語は、「含む(comprising)」という用語の好ましい実施形態であると考えられる。以下において、ある群が少なくとも特定の数の実施形態を含むと定義される場合、これは、好ましくは、これらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるべきである。
「入手可能」又は「定義可能」及び「得られた」又は「定義された」などの用語は、互換的に使用される。これは、例えば、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、「得られた」という用語が、例えば、実施形態が、「得られた」という用語に続く一連の工程によって得られなければならないことを示すことを意味しないことを意味するが、そのような限定された理解は、常に、好ましい実施形態として「得られた」又は「定義された」という用語によって含まれる。
「含む(including)」又は「有する」という用語が使用される場合は常に、これらの用語は、上記で定義される「含む(comprising)」と同等であることを意味する。
UV-A及び/又はUV-B防御を有する本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種の無機UVフィルター、及び0.1~90μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムを含む。表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
以下に、本発明の組成物の好ましい実施形態を、より詳細に記載する。これらの実施形態及び詳細は、本発明の方法及び使用にも適用されることを理解されたい。
<無機UVフィルター>
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む。
本明細書で使用される「無機UVフィルター」という用語は、電磁スペクトルのUV-A及び/又はUV-B領域における紫外線(UV)放射線、すなわち290~400nmの波長を有する電磁放射線を反射、散乱、及び/又は吸収することができる無機粒状材料を指す。
本発明の意味における「少なくとも1種の」無機UVフィルターという表現は、化粧品組成物が1種以上の無機UVフィルター材料を含むことを意味する。例えば、化粧品組成物は、2種又は3種の無機UVフィルターの混合物を含むことができる。好ましい実施形態によれば、化粧品組成物は、1種の無機UVフィルターを含む。
当技術分野で知られており、化粧品用途に適した任意の無機UVフィルターを使用することができる。無機UVフィルターとして適切な材料の例は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、ヒドロキシアパタイト、酸化セリウム、カルシウムがドープされた酸化セリウム、又はリン酸セリウムである。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、ヒドロキシアパタイト、酸化セリウム、カルシウムがドープされた酸化セリウム、リン酸セリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛であり、最も好ましくは、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタンである。
少なくとも1種の無機UVフィルターは、粒子の形態で存在してもよい。一実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、10~1000nm、好ましくは12~800nm、より好ましくは15~600nm、最も好ましくは20~400nmの重量中央粒径d50を有する粒子の形態である。前記粒子の表面は、例えば、それらの分散性を改善するために、又は前記材料の潜在的な光触媒活性を防ぐために、コーティングされていなくてもよく、又は少なくとも部分的にコーティングされていてもよい。適切な表面コーティング材料の例は、シリカ、水和シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、トリメトキシカプリルシラン、グリセリン、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、シメチコン、及びそれらの混合物である。しかし、当業者に知られた任意の他の適切なコーティング材料を使用することができる。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、酸化亜鉛を含む。二酸化亜鉛粒子の表面は、コーティングされていなくてもよく、又は少なくとも部分的にコーティングされていてもよい。適切な表面コーティング材料の例は、トリエトキシカプリルシラン、ジメチコン、ジメトキシジフェニルシラントリエトキシカプリルシランクロスコポリマー、オクチル-トリエトキシシラン、及びそれらの混合物である。例示的実施形態によれば、酸化亜鉛粒子の表面は、トリエトキシカプリルシランで少なくとも部分的に表面コーティングされる。しかし、当業者に知られた任意の他の適切なコーティング材料を使用することができる。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタンを含む。好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン及び酸化亜鉛から成り、最も好ましくは、少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタンからなる。
二酸化チタンは、アナターゼ構造、ルチル構造、又はアモルファス構造を有することができる。二酸化チタン粒子は結晶形態であることが好ましい。一実施形態によれば、二酸化チタンの結晶化度は、二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、10~100重量%、好ましくは40.0~100.0重量%、より好ましくは60.0重量%超、最も好ましくは70.0重量%超の範囲である。結晶化度はX線回折により測定することができる。
一実施形態によれば、二酸化チタンはルチルの形態である。別の実施形態によれば、二酸化チタンは、ルチルの形態及びアナターゼの形態である。好ましくは、二酸化チタンは、主としてルチルの形態の二酸化チタンを含むことができ、すなわち、少量はブルッカイトの形態及び/又はアナターゼの形態であってもよい。例えば、二酸化チタンは、二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも75重量%のルチル構造を含むことができる。一実施形態によれば、二酸化チタンは、二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、5重量%までのアナターゼを含むルチルの形態である。「乾燥」二酸化チタンという用語は、粒子の総重量を基準として、0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の総表面水分含量を有する二酸化チタン粒子を指す。
一実施形態によれば、二酸化チタンは、二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、75重量%以上の量のルチル、及び二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、25重量%以下の量のアナターゼから構成される。例えば、二酸化チタンは、二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、90重量%以上の量のルチル、及び二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、10重量%未満の量のアナターゼから構成される。好ましくは、二酸化チタンは、本質的にルチルから構成され、すなわち、二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、約100重量%の量のルチルから構成される。
二酸化チタン粒子は通常、TiClを酸化してTiO粒子にする塩化物法、又は硫酸及びチタン含有鉱石を溶解し、得られた溶液は一連の工程を経て少なくとも1種の二酸化チタン含有粒子を生成する硫酸塩法で調製される。
二酸化チタンは、本質的に純粋な二酸化チタンであってもよく、又はシリカ、アルミナ、ジルコニアなどの他の金属酸化物、好ましくはシリカを含んでもよい。そのような他の金属酸化物は、塩化物法又は硫酸塩法におけるそれらの調製の間に、チタン化合物を他の金属化合物と共酸化又は共沈させることによって、二酸化チタン粒子に取り込まれ得る。他の金属酸化物が二酸化チタンに取り込まれる場合、他の金属酸化物は、二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、好ましくは40重量%未満の量、より好ましくは35重量%未満の量、さらにより好ましくは30.0重量%未満の量、最も好ましくは25.0重量%未満の量で存在する。
二酸化チタン粒子の表面は、コーティングされていなくてもよく、又は少なくとも部分的にコーティングされていてもよい。適切な表面コーティング材料の例は、シリカ、水和シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、トリメトキシカプリルシラン、グリセリン、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、シメチコン、及びそれらの混合物である。例示的実施形態によれば、二酸化チタン粒子の表面は、酸化アルミニウム及びジメチコンで少なくとも部分的にコーティングされる。しかし、当業者に知られた任意の他の適切なコーティング材料を使用することができる。
本発明の一実施形態によれば、二酸化チタン粒子は、親水性コーティングによって少なくとも部分的に覆われる。言い換えれば、親水性二酸化チタンは、二酸化チタンの表面積の少なくとも一部に親水性コーティングが形成されるように、二酸化チタンを適切な化合物で表面処理することによって得られる。
本発明の目的のために、「親水性二酸化チタン」という用語は、親水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、60~99.9重量%の二酸化チタンを含む材料を指す。したがって、親水性二酸化チタンは、親水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、0.1~40重量%の量の親水性コーティングを含むことが好ましい。
例えば、親水性二酸化チタンは、親水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、70~99重量%の量の二酸化チタン、及び1~30重量%の量の親水性コーティングを含む。好ましくは、親水性二酸化チタンは、親水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、80~99重量%の量の二酸化チタン、及び1~20重量%の量の親水性コーティングを含む。より好ましくは、親水性二酸化チタンは、親水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、88~98重量%の量の二酸化チタン、及び2~12重量%の量の親水性コーティングを含む。
一実施形態において、親水性二酸化チタンは、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、グリセリン、シリコーン化合物、シラン及びそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の化合物を含む親水性コーティングによって少なくとも部分的に被覆された二酸化チタン粒子を含む。好ましくは、親水性二酸化チタンは、水酸化アルミニウム又はグリセリンを含む親水性コーティングによって少なくとも部分的に被覆された二酸化チタン粒子を含む。より好ましくは、親水性二酸化チタンは、グリセリンを含む親水性コーティングによって少なくとも部分的に被覆された二酸化チタン粒子を含む。
有利なシリコーン化合物及びシランの例は、例えばEP1544256A2号に記載されている化合物である。
本発明の別の実施形態によれば、二酸化チタン粒子は、疎水性コーティングによって少なくとも部分的に被覆される。言い換えれば、疎水性の二酸化チタンは、二酸化チタン粒子の表面積の少なくとも一部上に疎水性のコーティングが形成されるように、二酸化チタン粒子を適切な化合物で表面処理することによって得られる。
本発明の目的のために、「疎水性二酸化チタン」という用語は、疎水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、60~99.9重量%の二酸化チタンを含む材料を指す。したがって、疎水性二酸化チタンは、疎水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、0.1~40重量%の量の疎水性のコーティングを含むことが好ましい。
例えば、疎水性二酸化チタン含有材料は、疎水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、70~99重量%の量の二酸化チタン、及び1~30重量%の量の疎水性コーティングを含む。好ましくは、疎水性二酸化チタンは、疎水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、80~99重量%の量の二酸化チタン及び1~20重量%の量の疎水性コーティングを含む。より好ましくは、疎水性二酸化チタンは、疎水性二酸化チタンの総乾燥重量を基準として、90~99重量%の量の二酸化チタン及び1~10重量%の量の疎水性コーティングを含む。
一実施形態において、疎水性二酸化チタンは、トリメトキシカプリルシラン、トリエトキシカプリルシラン、ジメチコン、シメチコン、メチコン、環状メチコン、分枝メチコン、ステアリン酸及びそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の化合物を含む疎水性コーティングによって少なくとも部分的に被覆された二酸化チタン粒子を含む。好ましくは、疎水性二酸化チタンは、トリエトキシカプリルシラン又はステアリン酸を含む疎水性コーティングによって少なくとも部分的に被覆された二酸化チタン粒子を含む。より好ましくは、疎水性二酸化チタンは、トリエトキシカプリルシランを含む疎水性コーティングによって少なくとも部分的に被覆された二酸化チタン粒子を含む。
本発明の別の実施形態によれば、二酸化チタン粒子は、親水性化合物及び疎水性化合物の混合物を含むコーティングによって少なくとも部分的に被覆される。適切な親水性材料及び疎水性材料は、上記で定義されている。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、酸化亜鉛及び二酸化チタンを含み、好ましくはこれらからなり、酸化亜鉛の表面は少なくとも部分的にトリエトキシカプリルシランでコーティングされ、二酸化チタンの表面は少なくとも部分的に酸化アルミニウム及びジメチコンでコーティングされる。
<表面反応炭酸カルシウム>
少なくとも1種の無機UVフィルターに加えて、本発明の化粧品組成物は、表面反応炭酸カルシウムを含み、ここで、表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、ここで、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
本発明の文脈において、Hイオン供与体はブレンステッド酸及び/又は酸性塩、すなわち酸性水素を含む塩である。
本発明の好ましい実施形態において、表面反応炭酸カルシウムは、(a)天然又は沈降炭酸カルシウムの懸濁液を準備する工程、(b)20℃で0以下のpK値を有する又は20℃で0~2.5のpK値を有する少なくとも1種の酸を工程a)の懸濁液に添加する工程、及び(c)工程(a)の懸濁液を工程(b)の前、工程(b)の間、又は工程(b)の後に二酸化炭素で処理する工程を含む方法によって得られる。別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、(A)天然又は沈降炭酸カルシウムを準備する工程、(B)少なくとも1種の水溶性酸を準備する工程、(C)気体状COを準備する工程、(D)工程(A)の天然又は沈降炭酸カルシウムを、工程(B)の少なくとも1種の酸及び工程(C)のCOと接触させる工程を含み、(i)工程B)の少なくとも1種の酸は、第1の利用可能な水素のイオン化に関連して20℃で2.5を超え、かつ7以下のpKを有し、対応するアニオンは水溶性塩を形成することができるこの第1の利用可能な水素を喪失するときに形成され、及び(ii)少なくとも1種の酸を天然又は沈降炭酸カルシウムと接触させたのち、水素含有塩の場合には、この大の利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で7を超えるpK値を有し、その塩アニオンが水不溶性カルシウム塩を形成することができる少なくとも1種の水溶性塩がさらに提供されることを特徴とする方法によって得られる。
「天然粉砕炭酸カルシウム」(GCC)は、好ましくは、大理石、白亜、石灰石、及びそれらの混合物を含む群から選択される炭酸カルシウム含有鉱物から選択される。天然粉砕炭酸カルシウムは、炭酸マグネシウム、アルミノケイ酸塩等のようなさらなる天然成分を含むことができる。
一般に、天然粉砕炭酸カルシウムの粉砕は、乾式又は湿式粉砕工程であってよく、例えば、粉砕が主として二次体との衝突に起因するような条件下で任意の従来の粉砕装置を用いて、すなわち、ボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロールクラッシャー、遠心衝撃ミル、縦型ビーズミル、アトリションミル、ピンミル、ハンマーミル、粉砕機、シュレッダー、デクランパー(de-clumper)、ナイフカッター、又は当業者に知られた他のそのような装置のうちの1つ以上において行うことができる。炭酸カルシウム含有鉱物材料が湿式粉砕炭酸カルシウム含有鉱物材料を含む場合、粉砕工程は、自家粉砕が起こるような条件下で、及び/又は水平ボールミル粉砕によって、及び/又は当業者に公知の他のそのような方法によって行うことができる。このようにして得られた湿式処理粉砕炭酸カルシウム含有鉱物材料は、周知の方法、例えば凝集、濾過又は強制蒸発により、乾燥前に洗浄及び脱水することができる。その後の乾燥工程(必要であれば)は、噴霧乾燥のような単一工程、又は少なくとも2工程で行うことができる。また、このような鉱物材料は、不純物を除去するために、選鉱工程(浮選、漂白、又は磁気分離工程など)を受けることも一般的である。
本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、一般に水性環境中での二酸化炭素及び水酸化カルシウムの反応後の沈殿によって、又はカルシウム及び炭酸イオン、例えばCaCl及びNaCOを溶液から沈殿させることによって得られる合成物質である。PCCを生産する他の可能な方法は、石灰ソーダ法、又はPCCがアンモニア生産の副産物であるSolvay法である。沈降炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイト、バテライトの3つの主要な結晶形で存在し、これらの結晶形のそれぞれには多くの異なる多形(晶癖)が存在する。カルサイトは、偏三角面体(S-PCC)、菱面体晶(R-PCC)、六角柱状、ピナコイド、コロイド状(C-PCC)、立方体及び柱状(P-PCC)などの典型的な晶癖を有する三方晶構造を有する。アラゴナイトは、双晶六角柱状結晶の典型的な晶癖、並びに薄い細長い角柱状、湾曲したブレード状、鋭いピラミッド状、のみ状の結晶、分枝樹及びサンゴ又は紐状の形態の多様な取り合わせを有する斜方晶系構造である。バテライトは六方晶系に属する。得られたPCCスラリーは、機械的に脱水し、乾燥することができる。
本発明の一実施形態によれば、沈降炭酸カルシウムは沈降炭酸カルシウムであり、好ましくはアラゴナイト、バテライト若しくはカルサイト鉱物学的結晶形態又はそれらの混合物を含む沈降炭酸カルシウムである。
沈降炭酸カルシウムは、二酸化炭素及び少なくとも1種のHイオン供与体で処理する前に、上記の天然炭酸カルシウムの粉砕に用いられるのと同じ手段によって粉砕することができる。
本発明の一実施形態によれば、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、0.05~10.0μm、好ましくは0.2~5.0μm、より好ましくは0.4~3.0μm、最も好ましくは0.5~1.2μm、特に0.6μmの重量中央粒径d50を有する粒子の形態である。本発明のさらなる実施形態によれば、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、0.15~30μm、好ましくは0.6~15μm、より好ましくは1.2~10μm、最も好ましくは1.5~4μm、特に1.6μmの重量トップカット粒径d98を有する粒子の形態である。
天然粉砕炭酸カルシウム及び/又は沈降炭酸カルシウムは、乾燥して又は水中に懸濁して使用することができる。好ましくは、対応するスラリーは、スラリーの重量を基準として、1重量%~90重量%、より好ましくは3重量%~60重量%、さらにより好ましくは5重量%~40重量%、最も好ましくは10重量%~25重量%の範囲内の天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウム含有率を有する。
表面反応炭酸カルシウムの調製のために使用される1種以上のHイオン供与体は、調製状態でHイオンを生成する、任意の強酸、中程度の強酸、若しくは弱酸、又はそれらの混合物であり得る。少なくとも1種のHOイオン供与体は、調製条件下でHOイオンを生成する酸性塩であってもよい。
一実施形態によれば、少なくとも1種のHOイオン供与体は、20℃で0以下のpKを有する強酸である。
別の実施形態によれば、少なくとも1種のHイオン供与体は、20℃で0~2.5のpKを有する中程度の強酸である。20℃におけるpKが0以下である場合、酸は、好ましくは、硫酸、塩酸、又はそれらの混合物から選択される。20℃におけるpKが0~2.5である場合、Hイオン供与体は、好ましくは、HSO、HPO、シュウ酸、又はそれらの混合物から選択される。少なくとも1種のHイオン供与体は、酸性塩、例えば、Li、Na又はKなどの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されたHSO 若しくはHPO 、又はLi、Na、K、Mg2+又はCa2+などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和される、HPO 2-であってもよい。少なくとも1種のHイオン供与体は、1種以上の酸と1種以上の酸性塩との混合物であってもよい。
さらに別の実施形態によれば、少なくとも1種のHイオン供与体は、第1の利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で測定した場合、pK値が2.5より大きく7以下であり、水溶性カルシウム塩を形成することができる対応するアニオンを有する弱酸である。続いて、水素含有塩の場合、第1の利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で測定したとき、7より大きいpKを有し、その塩アニオンが水不溶性カルシウム塩を形成することができる少なくとも1種の水溶性塩がさらに提供される。好ましい実施形態によれば、弱酸は20℃で2.5より大きく5までのpK値を有し、より好ましくは、弱酸は酢酸、ギ酸、プロパン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される。水溶性塩の例示的なカチオンは、カリウム、ナトリウム、リチウム及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましい実施形態において、カチオンはナトリウム又はカリウムである。水溶性塩の例示的なアニオンは、リン酸、リン酸二水素、リン酸一水素、シュウ酸塩、ケイ酸塩、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群から選択される。より好ましい実施形態において、アニオンは、リン酸、リン酸二水素、リン酸一水素、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群より選択される。最も好ましい実施形態において、アニオンは、リン酸二水素、リン酸一水素、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群より選択される。水溶性塩の添加は、滴下又は一段階で行うことができる。滴下添加の場合には、この添加は10分間以内に行うことが好ましい。一段階で前記塩を添加することがより好ましい。
一実施形態によれば、少なくとも1種のHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、少なくとも1種のHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、Li、Na又はKなどの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されたHPO 、Li、Na、K、Mg2+又はCa2+などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されたHPO 2-及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、少なくとも1種の酸は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、シュウ酸、又はそれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、少なくとも1種のHイオン供与体はリン酸である。
1種以上のHイオン供与体を、濃縮溶液又はより希釈された溶液として懸濁液に添加することができる。好ましくは、天然又は沈降炭酸カルシウムに対するHイオン供与体のモル比は、0.01~4、より好ましくは0.02~2、さらにより好ましくは0.05~1、最も好ましくは0.1~0.58である。
代案として、天然又は沈降炭酸カルシウムを懸濁する前に、水にHイオン供与体を添加することもできる。
次の工程では、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは二酸化炭素で処理される。天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムのHイオン供与体処理に硫酸又は塩酸などの強酸が使用されると、二酸化炭素が自動的に形成される。これに代えて又はこれに加えて、二酸化炭素は、外部供給源から供給され得る。
イオン供与体の処理と二酸化炭素による処理は同時に行うことができ、これは強酸又は中強酸を用いる場合である。Hイオン供与体処理を、例えば20℃で0~2.5のpKを有する中程度の強酸を用いて、最初に行うこともでき、そこでは二酸化炭素はその場で形成され、したがって二酸化炭素処理は、Hイオン供与体処理と同時に自動的に行われ、続いて、外部供給源から供給される二酸化炭素による追加の処理が行われる。
好ましくは、懸濁液中の気体状二酸化炭素の濃度は、体積に関して、比(懸濁液の体積):(気体状COの体積)が1:0.05~1:20、さらにより好ましくは1:0.05~1:5であるような濃度である。
好ましい実施形態において、Hイオン供与体処理工程及び/又は二酸化炭素処理工程は、少なくとも1回、より好ましくは数回繰り返される。一実施形態によれば、少なくとも1種のHイオン供与体を、少なくとも約5分、好ましくは少なくとも約10分、典型的には約10~約20分、より好ましくは約30分以上、さらにより好ましくは約45分以上、及び時には約1時間以上かけて添加する。
イオン供与体処理及び二酸化炭素処理の後、20℃で測定した水性懸濁液のpHは、当然に6.0より大きく、好ましくは6.5より大きく、より好ましくは7.0より大きく、さらにより好ましくは7.5より大きく、それによって表面反応した天然又は沈降炭酸カルシウムを、6.0より大きく、好ましくは6.5より大きく、より好ましくは7.0より大きく、さらにより好ましくは7.5より大きいpHを有する水性懸濁液として調製する。
表面反応天然炭酸カルシウムの調製に関するさらなる詳細は、WO00/39222A1号、WO2004/083316A1号、WO2005/121257A2号、WO2009/074492A1号、EP2264108A1号、EP2264109A1号、及びUS2004/0020410A1号に開示されており、これらの参考文献の内容は本願に含まれる。
同様に、表面反応沈降炭酸カルシウムが得られる。WO2009/074492A1号から詳細に挙げられるように、表面反応沈降炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムをHイオン、及び水性媒体中に可溶化され、水性媒体中に水不溶性カルシウム塩を形成することができるアニオンと接触させ、表面反応沈降炭酸カルシウムのスラリーを形成させることによって得られ、ここで、表面反応沈降炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面上に形成された該アニオンの不溶性の、少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を含む。
可溶化カルシウムイオンは、Hイオンによる沈降炭酸カルシウムの溶解時に自然に生成される可溶化カルシウムイオンと比較して過剰の可溶化カルシウムイオンに相当し、該Hイオンは、アニオンに対する対イオンの形でのみ、すなわち、酸又は非カルシウム酸性塩の形態のアニオンの添加を介して、及びさらなるカルシウムイオン又はカルシウムイオン発生源の非存在下で提供される。
過剰の可溶化カルシウムイオンは、可溶性中性又は酸性カルシウム塩の添加によって、又は酸又は可溶性中性又は酸性カルシウム塩をその場で生成する中性若しくは酸性の非カルシウム塩の添加によって提供されることが好ましい。Hイオンは、アニオンの酸若しくは酸性塩の添加、又は同時に該過剰の可溶化カルシウムイオンの全部又は一部を提供するのに役立つ酸若しくは酸性塩の添加によって提供することができる。
表面反応天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの調製のさらなる好ましい実施形態において、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、ケイ酸塩、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム又はカリウムなどのアルカリ土類アルミン酸塩、酸化マグネシウム、又はそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の存在下で、酸及び/又は二酸化炭素と反応する。好ましくは、少なくとも1種のケイ酸塩は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はアルカリ土類金属ケイ酸塩から選択される。これらの成分は、酸及び/又は二酸化炭素を添加する前に、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを含む水性懸濁液に添加することができる。
あるいは、天然又は沈降炭酸カルシウムと酸及び二酸化炭素との反応がすでに開始された間に、天然又は沈降炭酸カルシウムの水性懸濁液に、ケイ酸塩及び/又はシリカ及び/又は水酸化アルミニウム及び/又はアルカリ土類アルミン酸塩及び/又は酸化マグネシウム成分を添加することができる。少なくとも1種のケイ酸塩及び/又はシリカ及び/又は水酸化アルミニウム及び/又はアルカリ土類アルミン酸塩成分の存在下における、表面反応天然又は沈降炭酸カルシウムの調製についてのさらなる詳細は、WO2004/083316A1に開示されており、この文献の内容は本願に含まれる。
表面反応炭酸カルシウムは懸濁液中に保持させ、任意に分散剤によってさらに安定化させることができる。当業者に知られた慣用の分散剤を使用することができる。好ましい分散剤は、ポリアクリル酸及び/又はカルボキシメチルセルロースから構成される。
あるいは、上記の水性懸濁液を乾燥して、それにより固体(すなわち、乾燥しているか、又は液体形態ではない少量の水を含有する)の表面反応天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを顆粒又は粉末の形態で得ることができる。
表面反応炭酸カルシウムは、例えば、バラ、ゴルフボール及び/又は脳の形状など、異なる粒子形状を有してもよい。
一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、窒素及びBET法を用いて測定して、15m/g~200m/g、好ましくは20m/g~180m/g、より好ましくは25m/g~160m/g、さらにより好ましくは27m/g~150m/g、最も好ましくは30m/g~140m/gの比表面積を有する。本発明の意味におけるBET比表面積は、粒子の表面積を粒子の質量で割ったものとして定義される。ここで用いあれるように、比表面積は、BET等温線(ISO 9277:1995)を用いた吸着によって測定され、m/gで特定される。
表面反応炭酸カルシウムが0.1~90μmの体積中央粒径d50を有することは、本発明の要件である。一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、0.1~75μm、好ましくは0.5~50μm、より好ましくは1~40μm、さらにより好ましくは1.2~30μm、最も好ましくは1.5~15μmの体積中央粒径d50を有する。
表面反応炭酸カルシウム粒径子は、2~150μm、好ましくは4~100μm、より好ましくは6~80μm、さらに好ましくは8~60μm、最も好ましくは10~30μmの体積トップカット粒径d98を有することがさらに好ましい場合がある。
値dは、粒子のx%がd未満の直径を有する直径を表す。これは、d98値が全粒子の98%がより小さい粒径であることを意味する。d98値は「トップカット」とも呼ばれる。d値は体積又は重量パーセントで与えられる。したがって、d50(重量)値は重量中央粒径であり、すなわち、全粒子の50重量%はこの粒径より小さく、d50(体積)値は体積中央粒径であり、すなわち、全粒子の50体積%はこの粒径より小さい。
体積中央粒子径d50は、Malvern Mastersizer 2000 Laser Diffraction Systemを用いて評価した。Malvern Mastersizer 2000 Laser Diffraction Systemを用いて測定したd50又はd98値は、粒子のそれぞれ50体積%又は98体積%がこの値未満の直径を有するような直径値を示す。測定により得られた生データを、粒子屈折率1.57、吸収指数0.005で、Mie理論を用いて分析した。
重量中央粒径は、重力場における沈降挙動の解析である沈降法によって測定される。測定は、Micromeritics Instrument CorporationのSedigraph(商標) 5100又は5120を用いて行う。本方法及び装置は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径を測定するために一般に用いられる。測定は、0.1重量%Naの水溶液中で行う。高速スターラーを用いてサンプルを分散させ、超音波処理した。
これらの方法及び器具は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径を測定するために一般に用いられる。
比細孔容積は、0.004μm(約nm)のラプラススロート直径に相当する414MPa(60000psi)の最大印加水銀圧を有するMicromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメーターを用いる水銀圧入ポロシメーター測定を用いて測定する。各圧力工程で用いる平衡時間は20秒である。サンプル物質を分析のために5cmのチャンバー粉末透過度計に密封する。データは、水銀圧縮、透過度計膨張及びサンプル材料圧縮について、ソフトウェアPore-Comp (Gane, P.A.C., Kettle, J.P., Matthews, G.P.及びRidgway, C.J.、”Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper-Coating Formulations”, Industrial and Engineering Chemistry,35(5),1996,p.1753-1764)を用いて補正する。
累積侵入データに見られる全細孔容積は、214μmから約1~4μmまでの侵入データを有する2つの領域に分けることができ、あらゆる凝集構造間のサンプルの粗充填が強く寄与していることを示している。これらの直径未満では、粒子自体の微細な粒子間充填物が存在する。それらが粒子内細孔も有する場合、この領域は双峰性であるようであり、また水銀によって侵入された比細孔容積を最頻値転換点よりも細かい、すなわち変曲点の双峰性点よりも細かい細孔に入れることによって、特定粒子内細孔容積を定義する。これらの3つの領域の合計は、粉末の全細孔容積を与えるが、その分布の粗い細孔終端における粉末の元のサンプル圧密/沈降に強く依存する。
累積侵入曲線の一次導関数を取ることによって、必然的に細孔遮蔽を含む同等のラプラス直径に基づく細孔径分布が明らかになる。微分曲線は、存在する場合には、粗い凝集体の細孔構造領域、粒子間の細孔領域及び粒子内の細孔領域を明らかに示す。粒子内細孔直径範囲を知ることで、単位質量当たりの細孔容積(比細孔容積)に関して、内部細孔の所望の細孔容積のみを得るために、全細孔容積から残りの粒子間及び凝集物間細孔容積を差し引くことが可能である。当然のことながら、同じ差し引きの原理が、関心のある他の細孔径の領域のいずれかを単離するために適用される。
好ましくは、表面反応炭酸カルシウムは、水銀ポロシメトリー測定から計算して、0.1~2.3cm/g、より好ましくは0.2~2.0cm/g、特に好ましくは0.4~1.8cm/g、最も好ましくは0.6~1.6cm/gの範囲の粒子内侵入比孔容積を有する。
表面反応炭酸カルシウムの粒子内細孔径は、水銀ポロシメトリー測定により測定して、好ましくは0.004~1.6μmの範囲、より好ましくは0.005~1.3μmの範囲、特に好ましくは0.006~1.15μm、最も好ましくは0.007~1.0μm、例えば0.004~0.16μmである。
例示的実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、1.5~15μm、好ましくは1.5~2の体積中央粒径d50;窒素及びBET法を用いて測定した30~140m/g、好ましくは40~60m/gの比表面積;及び水銀ポロシメトリー測定から計算した0.2~2.0cm/g、好ましくは0.2~0.4cm/gの粒子内侵入比細孔容積を有する。
表面反応炭酸カルシウムの細孔内及び細孔間の構造により、類似の比表面積を有する一般的な材料と比較して、表面反応炭酸カルシウムは経時的に事前に吸着/吸収された材料を送達する優れた薬剤となり得る。したがって、一般に、表面反応炭酸カルシウムの粒子内細孔及び/又は粒子間細孔にフィットする任意の薬剤は、本発明による表面反応炭酸カルシウムによって輸送されるのに適している。例えば、薬学的活性剤、生物学的活性剤、殺菌剤、防腐剤、香味剤、界面活性剤、油、芳香剤、精油、及びそれらの混合物を含む群から選択されるような活性な薬剤を使用することができる。一実施形態によれば、少なくとも1種の活性薬剤は、表面反応炭酸カルシウムと会合する。
本発明の一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの表面上に形成される、少なくとも1種の酸のアニオンの水不溶性の、少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を含む。一実施形態によれば、少なくとも1種の酸のアニオンの水不溶性で、少なくとも部分的に結晶性の塩は、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの表面を少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆う。使用する少なくとも1種の酸に応じて、アニオンは硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩(formiate)及び/又は塩化物であることができる。
例えば、Hイオン供与体としてのリン酸、HPO 又はHPO 2-の使用は、ヒドロキシアパタイトの形成を導き得る。したがって、好ましい実施形態において、少なくとも1種の水不溶性カルシウム塩はヒドロキシルアパタイトである。
一実施形態によれば、少なくとも1種の水不溶性カルシウム塩は、ヒドロキシルアパタイトであり、表面反応炭酸カルシウムは、重量で1:99~99:1の範囲の、ヒドロキシルアパタイト対カルサイト、アラゴナイト及び/又はバテライト、好ましくはカルサイトの比を提供する。好ましくは、表面反応炭酸カルシウムは、ヒドロキシルアパタイト対カルサイト、アラゴナイト及び/又はバテライト、好ましくはカルサイトの比を、重量で1:9~9:1、好ましくは1:7~8:1、より好ましくは1:5~7:1、最も好ましくは1:4~7:1の範囲で提供し得る。
同様に、他のHイオン供与体の使用は、表面反応炭酸カルシウムの表面の少なくとも一部に、炭酸カルシウム以外の対応する水不溶性カルシウム塩の形成を導き得る。一実施形態において、少なくとも1種の水不溶性カルシウム塩は、このように、リン酸オクタカルシウム、ヒドロキシルアパタイト、クロラパタイト、フルオラパタイト、炭酸アパタイト及びそれらの混合物からなる群から選択され、表面反応炭酸カルシウムは、少なくとも1種の水不溶性カルシウム塩対カルサイト、アラゴナイト及び/又はバテライト、好ましくはカルサイトの比を、重量で1:99~99:1、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは1:7~8:1、さらに好ましくは1:5~7:1、最も好ましくは1:4~7:1の範囲で示す。
一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、以下を含む。
(i)ISO 9277:2010に従った窒素及びBET法を用いて測定した15~200m/gの比表面積、及び
(ii)水銀ポロシメトリー測定から計算した0.1~2.3cm/gの範囲の粒子内侵入比細孔容積。
<化粧品組成物>
本発明の一態様によれば、少なくとも1種の無機UVフィルター、及び0.1~90μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムを含む、UV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物が提供され、表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
化粧品組成物は、少なくとも1種の無機UVフィルター及び調製される化粧品組成物及び/又は製造業者の必要性及び/又は法的要件に基づくその量を含み得ることが理解される。
一実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは、化粧品組成物の総重量を基準として、1~50重量%、好ましくは2~40重量%、より好ましくは5~30重量%、最も好ましくは10~25重量%、例えば10~20重量%の量で存在し、及び/又は表面反応炭酸カルシウムは、化粧品組成物の総重量を基準として、0.1~50重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~10重量%、最も好ましくは3~6重量%の量で存在する。
例示的実施形態によれば、本発明による化粧品組成物は、10~25重量%の少なくとも1種の無機UVフィルター、好ましくは酸化亜鉛及び/又は二酸化チタン、及び3~6重量%の表面反応炭酸カルシウムを含む。好ましい例示的実施形態によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターは酸化亜鉛及び二酸化チタンを含み、好ましくはこれらからなり、酸化亜鉛の表面は少なくとも部分的にトリエトキシカプリルシランでコーティングされ、二酸化チタンの表面は少なくとも部分的に酸化アルミニウム及びジメチコンでコーティングされる。
本発明の発明者らは、驚くべきことに、該組成物に、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムを添加することによって、無機UVフィルターを含む化粧品組成物の日焼け防止指数(SPF)を高めることができることを見出した。したがって、前記表面反応炭酸カルシウムを添加することにより、あるSPFを達成するために必要な無機UVフィルターの量を減らすことができる。これは、無機UVフィルターがナノサイズの材料である場合、化粧品組成物中に存在し得るナノサイズの材料の量が、多くの国で規制され、制限されているため、特に有利であり得る。
さらに、無機UVフィルターを含む化粧品組成物の感覚特性は、該組成物に、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムを添加することによって改善できることが驚くべきことに見出された。例えば、本発明の組成物は、表面反応炭酸カルシウムを除いて同じ成分を有する組成物と比較して、脂っぽさ及びべたつきが少ないことが見出された。また、本発明の組成物は、皮膚に塗布されると、より容易に広がり、より均一な薄膜を形成し、より速く乾燥することができる。また、本発明の組成物は、皮膚を「白色化する」傾向が低いことも見出された。
本発明のさらなる態様によれば、UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む、化粧品組成物の日焼け防止指数(SPF)を向上するための表面反応炭酸カルシウムの使用が提供され、
表面反応炭酸カルシウムは、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有し、及び
表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
本発明のなおさらなる態様によれば、UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む、化粧品組成物の感覚特性を改善するための表面反応炭酸カルシウムの使用が提供され、
表面反応炭酸カルシウムは、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有し、及び
表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
本発明の目的のために、「感覚特性」という用語は、感覚パラメータである展延性、白色化効果、脂っぽさ、べたつき感、及び光沢のある残留物を含む。一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む化粧品組成物の展延性を改善するために使用される。これに加えて又はこれに代わり、表面反応炭酸カルシウムは、UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む化粧品組成物のべたつき感及び/又は脂っぽさ及び/又は白色化効果を減少させるために使用される。感覚特性は官能分析によって、例えば、訓練されたパネルによって実施されるような官能分析によって測定され得る。
本発明の化粧品組成物は、UV-A及びUV-Bの全範囲にわたってUV光を遮断するために有機UVフィルターの添加を必要としない。したがって、好ましい実施形態によれば、化粧品組成物は有機UVフィルターを含まない。
しかし、少なくとも1種の無機UVフィルター及び表面反応炭酸カルシウムを有機UVフィルターと組み合わせることも可能であろう。一実施形態によれば、化粧品組成物は、少なくとも1種の有機UVフィルターをさらに含む。少なくとも1種の有機UVフィルターは、ケイ皮酸及びその塩の誘導体、サリチル酸及びその塩の誘導体、ベンゾフェノン、アミノ安息香酸及びその塩の誘導体、ジベンゾイルメタン、ベンジリデンカンフル誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ジフェニルアクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンザルマロン酸塩誘導体、アミノ安息香酸塩誘導体、オクトクリレン、並びにそれらの混合物、好ましくはケイ皮酸及びその塩の誘導体、ベンゾフェノン、オクトクリレン、並びにそれらの混合物からなる群から選択され得る。
化粧品組成物は、少なくとも1種の有機UVフィルター及び調製される化粧品組成物及び/又は製造業者の必要性に基づくその量を含み得ることが理解される。一実施形態によれば、化粧品組成物は、化粧品組成物の総重量を基準として、1~15重量%、好ましくは2~10重量%、最も好ましくは3~6重量%の量の少なくとも1種の有機UVフィルターを含む。
本明細書で使用される「有機UVフィルター」という用語は、電磁スペクトルのUV-A及び/又はUV-B領域の紫外線(UV)放射線、すなわち、290~400nmの波長を有する電磁放射線を吸収することができる有機材料を指す。
化粧品組成物はまた、さらなる添加剤を含んでもよい。化粧品組成物に適した添加剤は、当業者に知られており、例えば、欧州議会及び2009年11月30日付理事会規則EC No.1223/2009に記載されている。一実施形態によれば、化粧品組成物は、漂白剤、増粘剤、安定剤、キレート化剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤、皮膚軟化剤、芳香剤、着色剤、皮膚日焼け化合物、酸化防止剤、顔料、油、水、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む。
例えば、乳化剤は、イオン性乳化剤、より好ましくはアニオン性又はカチオン性乳化剤であることができる。乳化剤は、天然植物起源のもの、例えば、ポリグリセロールエステル又は合成のものであってよい。より好ましくは、乳化剤は、PEG化合物、PEGを含まない乳化剤、シリコーンベースの乳化剤、シリコーン、ワックス及びそれらの混合物を含む群から選択され得る。例えば、乳化剤は、PEG-8ミリステート、PEG-30グリセリルココエート、PEG-80グリセリルココエート、PEG-15ソイアミド/IPDIコポリマー、PEG-40ソルビタンペロレエート(peroleate)、PEG-150ステアレート及びそれらの化合物のようなPEG化合物、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、セレシン(別名鉱物ワックス)、ジエタノールアミン(DEA)、ステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、プロピレングリコール、ソルビタンステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンオレエート、ステアレス-20、トリエタノールアミン(TEA)、蜜蝋、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、セテアリルアルコール、セテアリル小麦ブラングリコシド、セテアリル麦わらグリコシド、デシルグルコシド、ホホバ、レシチン、植物性グリセリン、キサンタンガム、ココグルコシド、ココナッツアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキジルグルコシド、及びそれらの混合物を含む群から選択することができる。
一実施形態によれば、乳化剤は、ココグルコシド、ココナッツアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、及び/又はアラキジルグルコシドの混合物である。
芳香剤は、化粧品配合物に適しているとして知られている天然及び/又は合成芳香剤から選択することができる。
着色剤は、Fe、ZnO、マイカ、オキシ塩化ビスマス、及びそれらの混合物のような天然及び/又は合成着色剤、顔料又は染料から選択することができる。
一実施形態によれば、皮膚日焼け化合物は、好ましくは、ジヒドロキシアセトン(DHA)及び/又はエリトルロースである。例えば、皮膚日焼け化合物は、ジヒドロキシアセトン(DHA)又はエリトルロースであってよい。あるいは、皮膚日焼け化合物は、エリトルロースと組み合わせたジヒドロキシアセトン(DHA)であってもよい。
一実施形態によれば、湿潤剤は、好ましくは1,3-プロパンジオールである。
一実施形態によれば、化粧品組成物は、少なくとも1種の皮膚軟化剤をさらに含む。適切な皮膚軟化剤の例は、イソセチルステアロイルステアレート、エチルヘキシルステアレート、オクチルドデシルステアロイルステアレート、イソセチルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、エチルヘキシルイソノナノエート、イソノニルイソノナノエート、セテアリルイソノナノエート、セテアリルオクタノエート、ジイソプロピルアジペート、ジカプリルアジペート、ジイソステアリルアリルマレート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ジイソプロピルミリステート、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルドデシルネオペンタノエート、エチルヘキシルココエート、PEG-7グリセリル(glyceril)ココエート、C12-15アルキルベンゾエート、C16-17アルキルベンゾエート、ステアリルベンゾエート、イソステアリルベンゾエート、エチルヘキシルベンゾエート、オクチルドデシルベンゾエート、ココグリセリド、ココナッツアルカン、ココカプリレート/カプレート、及びそれらの混合物である。例えば、化粧品組成物は、皮膚軟化剤として、ココグリセリド、イソノニルイソノナノエート、ココナッツアルカン及びココカプリレート/カプレートの混合物をさらに含むことができる。
これに加えて又はこれに代えて、化粧品組成物は、少なくとも1種の増粘剤をさらに含む。水性分散液に適した増粘剤の例は、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム及びそれらの混合物のようなケイ酸塩、ヒドロキシエチルセルロース又はポリアクリルアミドをベースとする増粘剤である。好ましくは、水性分散液中の増粘剤は、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム及びそれらの混合物のようなケイ酸塩、より好ましくはケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムの混合物をベースとする。油性分散液に適した増粘剤の例は、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ジメチルケイ酸シリカのようなケイ酸塩、疎水性ヒュームドシリカ、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリアクリル酸の誘導体、PEG-8ミリステート、PEG-30グリセリルココエート、PEG-80グリセリルココエート、PEG-15ソイアミド/IPDIコポリマー、PEG-40ソルビタンペロレエート、PEG-150ステアレート及びそれらの混合物のようなPEG化合物、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー並びにそれらの混合物を含む群から選択される。例えば、化粧品組成物は、増粘剤として、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマーをさらに含むことができる。
これに加えて又はこれに代えて、化粧品組成物は、少なくとも1種の保存剤をさらに含む。適切な保存剤の例は、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン及びそれらの混合物のようなパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム並びにそれらの混合物である。例えば、前記混合物は、フェノキシエタノールとエチルヘキシルグリセリンとを、10:1~1:1、より好ましくは10:1~3:1、最も好ましくは10:1~7:1、例えば約9:1の、フェノキシエタノールとエチルヘキシルグリセリンとの重量比で含むことができる。
安定剤は、ラリクス(Larix)種(カラマツ)からの抽出物であることができる。ラリクス種からの抽出物の例としては、ラリクス・デシドゥア・ミル(Larix decidua Mill)変種デシドゥア、ラリクス・デシドゥア変種・ポロニカ(polonica)のようなラリクス・デシドゥア、ラリクス・オクシデンタリス(occidentalis)、ラリクス・グメリニイ(gmelinii)変種グメリニイ、ラリクス・グメリニイ変種ジャポニカ(japonica)、ラリクス・グメリニイ変種プリンシピス-ルップレキチイ(principis-rupprechtii)、ラリクス・グメリニイ変種オルゲンシス(olgensis)のようなラリクス・グメリニイ、ラリクス・グラフィチイ(graffithii)変種グラフィチイ、ラリクス・グラフィチイ変種スペシオサ(speciosa)のようなラリクス・グラフィチイ、ラリクス・カエムプフェリ(kaempferi)、ラリクス・ポタニニイ(potaninii)変種アウストラリス(australis)、ラリクス・ポタニニイ変種マクロカルパ(macrocarpa)、ラリクス・ポタニニイ変種キネンシス(chinensis)、ラリクス・ポタニニイ変種アウストラリス、ラリクス・ポタニニイ変種ヒマライカ(himalaica)、ラリクス・ポタニニイ変種ポタニニイのようなラリクス・ポタニニイ、ラリクス・シビシカ(sibirica)、ラリクス・ラリシナ(laricina)、ラリクス・リアリイ(lyallii)、ラリクス・x・ユーロクリレンシス(eurokurilensis)、ラリクス・x・ユーロレピス(eurolepis)、ラリクス・x・マルシュリンシイ(marschlinsii)、ラリクス・x・ペンドラ(pendula)及びそれらの混合物からの抽出物が挙げられる。
適切なキレート化剤の例は、ポリリン酸塩、エチレンジアミン-N,N’,N’,N’-四酢酸(EDTA)、ピリジン-2,6-ジカルボン酸(DPA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N,N-ビス(カルボキシメチル)グリシン(NTA)、ジエチルジチオリン酸アンモニウム(DDPA)、エチレンジアミン-四酢酸二ナトリウム(NaEDTA)、カルシウム-二ナトリウム-エチレンジアミン-四酢酸塩(CaNaEDTA)、クエン酸及びクエン酸の塩、グルコン酸ナトリウム、並びにそれらの混合物である。
適切な湿潤剤の例は、1-エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、イソアミルアルコール、2-メチル-1-ブタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノール、1-ペンタデカノール、セチルアルコール、1-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1-ノナデカノール及びそれらの混合物のような第一級アルコール、イソプロパノール、2-ブタノール、2-ペンタノール、2-ヘキサノール、2-ヘプタノール及びそれらの混合物のような第2級アルコール、tert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコール、2-メチル-2-ペンタノール、2-メチルヘキサン-2-オール、2-メチルヘプタン-2-オール、3-メチル-3-ペンタノール、3-メチルオクタン-3-オール及びそれらの混合物のような第3級アルコール、1,2-ジオール又は1,3-ジオール、例えば1,3-プロパンジオールのようなジオール、尿素並びにそれらの混合物である。
適切な酸化防止剤の例は、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルオール(BHT)、没食子酸塩、カロチノイド、レスベラトロール、フラボノイド及びそれらの混合物のようなポリフェノール、ポリフェノールの誘導体、アスコルビン酸及びその塩、トコフェロール及びその塩、ベータカロチン、ユビキノン、トコトリエノール、ジヒドロケルセチン、天然起源の酸化防止剤、並びにそれらの混合物である。
化粧品配合物中に適しているとして当業者に知られている任意の油を使用することができる。例えば、油は、アルカンココナッツエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリアルキルメチルシロキサン、シリコーン、パーム油のような植物油、植物油のエステル、及びそれらの混合物を含む群から選択することができる。好ましくは、少なくとも1種の油はアルカンココナッツエステルである。
適切な顔料の例は、酸化鉄、水酸化第二鉄及びチタン酸鉄のような無機赤色顔料、γ-酸化鉄のような無機褐色顔料、黄色酸化鉄及び黄色オーカーのような無機黄色顔料、黒色酸化鉄及びカーボンブラックのような無機黒色顔料、マンガンバイオレット及びコバルトバイオレットのような無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト及びチタン酸コバルトのような無機緑色顔料、紺青及び群青のような無機青色顔料、粒状酸化チタン、粒状酸化セリウム及び粒状酸化亜鉛のような粒状粉末、レーキドタール染料、レーキド天然染料、及び前記粉末を組み合わせた合成樹脂粉末である。
漂白剤は、ビタミンB3化合物又はその誘導体、例えば、ナイアシン、ニコチン酸、若しくはナイアシンアミド、又は他の周知の漂白剤、例えば、アダパレン、アロエ抽出物、乳酸アンモニウム、アネトール誘導体、りんご抽出物、アルブチン、アゼライン酸、コウジ酸、竹抽出物、ベアベリー抽出物、しらん塊茎、ミシマサイコ抽出物、吾亦紅抽出物、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸エステル、チュアンキシオン(Chuanxiong)、ダンギー(Dang-Gui)、デオキシアルブチン、1,3-ジフェニルプロパン誘導体、2,5-ジヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、2-(4-アセトキシフェニル)-1,3-ジタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-1,3-ジタン、エラグ酸、エシノール、エストラゴール誘導体、フェードアウト(ペンタファーム)、ファンフェン(Fangfeng)、フェンネル抽出物、ガノデルマ抽出物、ガオベン、ガチュリンホワイトニング(ガトルフォス(Gattlefosse))、ゲンチジン酸及びその誘導体、グラブリジン及びその誘導体、グルコピラノシル-1-アスコルベート、グルコン酸、グリコール酸、緑茶抽出物、4-ヒドロキシ-5-メチル3[2H]-フラノン、ヒドロキノン、4-ヒドロキシアニソール及びその誘導体、4-ヒドロキシ安息香酸誘導体、ヒドロキシカプリル酸、イノシトールアスコルベート、レモン抽出物、リノール酸、アスコルビルリン酸マグネシウム、メラホワイト(ペンタファーム)、モールスアルバ抽出物、クワ根抽出物、5-オクタノイルサリチル酸、パセリ抽出物、メシマコブ抽出物、ピロガロール誘導体、2,4-レゾルシノール誘導体、3,5-レゾルシノール誘導体、エイジツ抽出物、サリチル酸、ソン-イ抽出物、3,4,5-トリヒドロキシベンジル誘導体、トラネキサム酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンAのようなビタミン、ジカルボン酸、レゾルシノール誘導体、植物、すなわち、ルビア及びシンプロコスからの抽出物、乳酸及び乳酸ナトリウムのような乳酸の塩のようなヒドロキシカルボン酸、並びにその混合物のうちの1つ以上から選択され得る。ビタミンB3化合物又はその誘導体、例えばナイアシン、ニコチン酸若しくはナイアシンアミドがより好ましい漂白剤であり、最も好ましくはナイアシンアミドである。ナイアシンアミドは、使用する場合、好ましくは化粧品組成物の総重量を基準として0.1~10重量%、より好ましくは0.2~5重量%の範囲の量で存在する。
化粧品組成物は、少なくとも1種のさらなる添加剤及び調製される化粧品組成物及び/又は製造業者の必要性に基づくその量を含み得ることが理解される。例えば、化粧品組成物は、0.1~50重量%の油及び/若しくは水、並びに/又は0.1~10重量%の増粘剤、安定剤、キレート化剤、漂白剤、湿潤剤、乳化剤、皮膚軟化剤、及び/若しくは皮膚日焼け化合物、並びに/又は0.1~3重量%の保存剤、芳香剤、着色剤、酸化防止剤、顔料を含むことができ、ここで、重量%は化粧品組成物の総重量を基準とする。
化粧品組成物は、ローション、スプレー、ゲル又は他の局所製品であってよい。一実施形態によれば、化粧品組成物は、日焼け止め製品、アイメイクアップ製品、フェイシャルメイクアップ製品、リップケア製品、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品、ネイルケア製品、ハンドケア製品、スキンケア製品、又はそれらの組合せ製品である。
好ましくは、化粧品組成物は、サンブロックローション又はサンブロッククリーム、日焼けローション又は日焼けクリーム、サンバーンローション、サンバーンクリーム、サンクリーム又はサンローション、アフターサンローション又はアフターサンクリーム、サンリップバルムなどの日焼け止め製品、眉ライナー、アイライナー、アイシャドウ、アイマスカラなどのようなアイメイクアップ製品、ファンデーション、コンシーラー、口紅、輪郭粉末/クリーム、ブロンザーなどのようなフェイシャルメイクアップ製品、リップスティック、リップバルム、リップグロス、リップライナー、リッププランパー、リップコンディショナー、リッププライマー、リップブースターなどのようなリップケア製品、ヘアセラム、シャンプー、ドライパウダーシャンプー、リーブインコンディショナーなどのコンディショナー、ヘアカラー、抜け毛防止製品、熱保護スプレーなどのヘアケア製品、ヘアワックス、ヘアムース、ポマード、ヘアゲル、ヘアスプレー、スタイリングペースト、グルー、ヘアボリューマイザー、ヘアトニックなどのヘアスタイリング製品、マニキュア液、ラッカー、マニキュア液剥離剤、ネイルオイルなどのネイルケア製品又はハンドケア製品、ボディローション、ボディクリーム、ブロンザー、ハンドクリーム、ハンドローション、フットクリーム、フェースクリーム、フェースローション、デイ・ナイトクリーム、bbクリーム、ccクリーム、ddクリームなどのスキンケア製品、並びにそれらの混合物から選択される。例えば、化粧品組成物は、10、15、20、25、30、40、50以上のSPFのような日焼け止め指数で提供される、日焼け止め製品、アイメイクアップ製品、フェイシャルメイクアップ製品、リップケア製品、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品、ネイルケア製品、ハンドケア製品、スキンケア製品、又は組合せ製品であってもよい。
<化粧品組成物の製造方法>
本発明の別の態様によれば、少なくとも1種の無機UVフィルターが、0.1~90μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムと混合され、表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される、化粧品組成物の製造方法が提供される。
少なくとも1種の無機UVフィルターは、粉末の形態又は分散体の形態で準備することができる。
本発明の意味における「分散体」という用語は、分散媒又は溶媒及び少なくとも1種の無機微粒子材料を含む系を指し、少なくとも1種の無機微粒子材料の粒子の少なくとも一部は、分散媒又は溶媒中に不溶性固体又は懸濁粒子として存在する。
表面反応炭酸カルシウムは、任意の適切な液体又は乾燥形態で準備され得る。例えば、表面反応炭酸カルシウムは、粉末及び/又は懸濁液の形態であることができる。懸濁液は、表面反応炭酸カルシウムを溶媒、好ましくは水と混合することによって得ることができる。溶媒、好ましくは水と混合される表面反応炭酸カルシウムは、任意の形態で、例えば、懸濁液、スラリー、分散体、ペースト、粉末、湿ったフィルターケーキとして、又は圧縮若しくは顆粒形態で準備され得る。
懸濁液は、分散されていないか、又は分散されていてもよく、すなわち、懸濁液は、分散剤を含み、したがって、分散体、例えば、水性分散体を形成する。適切な分散剤は当技術分野で知られており、例えば、高分子電解質、ポリヒドロキシステアリン酸、アセチルアセトン、プロピルアミン、オレイン酸、ポリアクリレート、カルボキシメチルセルロースベースの分散剤、及びそれらの混合物から選択することができる。
本発明の一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムの懸濁液、好ましくは水性懸濁液の固形分は、懸濁液の総重量を基準として、1~85重量%、より好ましくは5~75重量%、最も好ましくは10~40重量%である。
表面反応炭酸カルシウムが乾燥形態で提供される場合、表面反応炭酸カルシウムの水分含有率は、表面反応炭酸カルシウムの総重量を基準として、0.01~5重量%であり得る。一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムの水分含有率は、表面反応炭酸カルシウムの総重量を基準として、1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下である。別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムの水分含有率は、表面反応炭酸カルシウムの総重量を基準として、0.01~0.15重量%、好ましくは0.02~0.10重量%、より好ましくは0.03~0.07重量%である。
少なくとも1種の無機UVフィルターと表面反応炭酸カルシウムとの混合は、当業者に知られた任意の方法で任意の順序で実施することができる。混合は、従来の混合条件下で行うことができる。当業者は、これらの混合条件(例えば、混合パレットの構成及び混合速度)を、彼の方法の装置に従って適応させるであろう。化粧品組成物を形成するのに適しているであろう任意の混合方法が使用され得ることが理解される。
一実施形態において、混合は、化粧品のベース配合物を調製するために典型的に使用される温度で実施される。好ましくは、混合は、15~100℃、より好ましくは20~85℃の範囲、例えば約45℃の温度で行われる。
化粧品組成物が少なくとも1種の有機UVフィルター及び/又は少なくとも1種の添加剤をさらに含む場合、少なくとも1種の有機UVフィルター及び/又は少なくとも1種の添加剤は、少なくとも1種の無機UVフィルター及び表面反応炭酸カルシウムを混合する前、混合する間、又は混合した後に添加することができる。
本発明の範囲及び関心は、本発明の特定の実施形態を例示することを意図し、非限定的である、以下の実施例に基づいて、よりよく理解されるであろう。
<1.測定方法>
以下に、実施例において実施した測定方法について述べる。
<粒度分布>
体積測定中央粒径d50(体積)及び体積測定トップカット粒径d98(体積)を、Malvern Mastersizer 2000 Laser Diffraction System(Malvern Instruments Plc.、英国)を用いて評価した。d50(体積)又はd98(体積)値は、粒子のそれぞれ50%又は98体積%がこの値未満の直径を有するような直径値を示す。測定により得られた生データを、粒子屈折率1.57、吸収指数0.005でMie理論を用いて分析した。これらの方法及び装置は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒度分布を測定するために一般に用いられる。
重量測定粒径中央値d50(重量)は、重力場における沈降挙動の解析である沈降法により測定した。測定は、Micromeritics Instrument Corporation(米国)のSedigraph(商標) 5100又は5120を用いて行った。この方法及び装置は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒度分布を測定するために一般に用いられる。測定は、0.1重量%Naの水溶液中で行った。高速スターラーを用いてサンプルを分散させ、超音波処理した。
<比表面積(SSA)>
比表面積は、250℃で30分間加熱してサンプルを調整した後、窒素を用いてISO 9277に従ったBET法により測定した。そのような測定の前に、サンプルをブフナー漏斗内で濾過し、脱イオン水ですすぎ、オーブン中で90~100℃で一晩乾燥させた。その後、ドライケーキを乳鉢で完全に粉砕し、得られた粉末を一定重量に達するまで130℃のモイスチャーバランスに入れた。
<粒子内侵入比細孔容積(cm/g)>
比細孔容積は、0.004μm(約nm)のラプラススロート直径に相当する414MPa(60000psi)の最大印加水銀圧を有するMicromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメーターを用いる水銀圧入ポロシメーター測定を用いて測定する。各圧力工程で用いる平衡時間は20秒である。サンプル物質を分析のために5cmのチャンバー粉末透過度計に密封する。データは、水銀圧縮、透過度計膨張及びサンプル材料圧縮について、ソフトウェアPore-Comp (Gane, P.A.C., Kettle, J.P., Matthews, G.P.及びRidgway, C.J.、”Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper-Coating Formulations”, Industrial and Engineering Chemistry,35(5),1996,p.1753-1764)を用いて補正する。
累積侵入データに見られる全細孔容積は、214μmから約1~4μmまでの侵入データを有する2つの領域に分けることができ、あらゆる凝集構造間のサンプルの粗充填が強く寄与していることを示している。これらの直径未満では、粒子自体の微細な粒子間充填物が存在する。それらが粒子内細孔も有する場合、この領域は双峰性であるようであり、また水銀によって侵入された比細孔容積を最頻値転換点よりも細かい、すなわち変曲点の双峰性点よりも細かい細孔に入れることによって、特定粒子内細孔容積を定義する。これらの3つの領域の合計は、粉末の全細孔容積を与えるが、その分布の粗い細孔終端における粉末の元のサンプル圧密/沈降に強く依存する。
累積侵入曲線の一次導関数を取ることによって、必然的に細孔遮蔽を含む同等のラプラス直径に基づく細細孔径分布が明らかになる。微分曲線は、存在する場合には、粗い凝集体の細孔構造領域、粒子間の細孔領域及び粒子内の細孔領域を明らかに示す。粒子内細孔直径範囲を知ることで、単位質量当たりの細孔容積(比細孔容積)に関して、内部細孔の所望の細孔容積のみを得るために、全細孔容積から残りの粒子間及び凝集物間細孔容積を差し引くことが可能である。当然のことながら、同じ差し引きの原理が、関心のある他の細孔径の領域のいずれかを単離するために適用される。
<日焼け防止指数(「SPF」)及びUVA防御レベル(UVA PF)の測定のためのUV測定>
測定は、EN ISO 24443:2012(インビトロにおける日焼け止めUVA光防御の測定)に従って行った。
測定にはUV源とモノクロメータを備えたKontron(R)分光光度計を用いた。分光光度計は、290~400ナノメートルの間のエネルギーの流れを送達することができる。
<サンプル調製>
UV測定のために、PMMA(ポリ(メチルメタクリレート)プレート(サンプレート、仏国のHelioscience/Europlastから供給)を配合物の基材として用いた。
分析する配合物の小さなスポットをPMMAプレートの表面全体に置いた。PMMAプレートに塗布した配合物の量は約1.3mg/cmであり、計量によって制御した。次いで、配合物の小さなスポットを、可能な限り均質であるべき薄膜に変換した。
分光光度計をPMMA参照プレート上で較正し、結果の質を確保した。次いで、均質な配合物薄膜を有するPMMAプレートのUVスペクトルを、290nmから開始して400nmまで1nmの間隔で測定した。
<SPF及びUVA PFの計算>
SPF(インビトロ)及びUVA PF(インビトロ)は、以下の式に従って測定したUV曲線から計算した。
Figure 0007196084000001
及び
Figure 0007196084000002
ここで、S(λ)は太陽放射照度スペクトルであり、E(λ)は波長の関数における皮膚の反応性を特定する波動関数であり、紅斑作用スペクトルを意味し、T(λ)は波長の関数における透過率である。
<官能評価>
官能評価はパネルが行った。パネルは4名のメンバーで構成された。これらの4人のメンバーのうち、2人は美容協会のプロトコルにおいて学位を持っている。
評価基準は、解析前にパネリストに完全に定義された触感に適合させ、以下の通りであった。
<展延性>:製品塗布中に、動きに対する抵抗はない。(上限)
<非展延性>:製品塗布時に、動きに抵抗がある。(下限)
<白色化効果>:製品の塗布時に、製品は皮膚を白くする。(上限)
<非白色化>:製品塗布時に、製品は皮膚を白くしない。(下限)
<脂っぽさ(塗布後1分)>:こすり運動をしても抵抗がない。製品は動きを容易にする。(上限)
<乾燥(塗布後1分)>:こすり運動を行うと抵抗がある。製品は、皮膚に脂っぽい外観を与えることなく、指の動きを抑制する。(下限)
<べたつき感(塗布後1分)>:針で皮膚を圧迫して動かすと粘着性を感じる。(上限)
<非べたつき感(塗布後1分)>:針で皮膚を圧迫して動かしても粘着性は感じない。(下限)
<光沢のある残留物(塗布後1分)>:光を放つ、輝く。(上限)
<光沢のない残留物(塗布後1分)>:光を放たない、輝かない、つや消しの仕上がりがある。(下限)
官能評価では、操作を容易にするために評価システム(1~4=より顕著でないもの~より顕著なもの)を設定し、評価中にパネルに評価グリッドを提供した(下記の表1参照)。
Figure 0007196084000003
パネルが行った感覚及び官能分析は、ヘラを用いて各アッセイのためのクリームをほんの少しを置くことにより前腕の下側で行い、次いで製品を指で塗布した。クリームの塗布量の程度は、規定の試験者に対して再現可能である。
5というシリーズ(参考製品を含む)によって、そのようなものとしてパネルに示した参考製品に対してアッセイを試験した。
官能分析はすべて静かな部屋で盲検下で行った。パネルに参加しなかった人は、試験する製品サンプルを1~10とラベル付けした200mLのプラスチックポットに準備した。サンプルに他の表示はなかった。
<2.顔料材料>
以下では、一部の成分のINCI名称を使用する。INCIは化粧品成分の国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)の略である。
<表面反応炭酸カルシウム1(SRCC 1)>
SRCC 1は、d50(体積)=1.9μm、SSA=50.4m/gを有し、粒子内侵入比細孔容積は0.319cm/g(細孔直径範囲0.004~0.16μm)であった。
SRCC 1は、沈降法によって測定したように、90%が1μm未満の重量ベースの中央粒径分布を有する、トルコのケマルパシャから入手した粉砕大理石炭酸カルシウムの固形分を、水性懸濁液の総重量を基準にして15重量%の固形分が得られるように調整することによって、混合容器中で粉砕炭酸カルシウムの水性懸濁液の7リットルを調製することによって得た。
スラリーを混合しながら、10重量%のリン酸を含有する水溶液3.5kgを70℃の温度で60分間かけて前記懸濁液に添加した。酸の添加後、スラリーをさらに5分間撹拌した後、容器から取り出し、乾燥させた。
<二酸化チタン>
メルク社から購入したUV-TITAN M262の商品名で販売されている、表面処理したわずかに疎水性の超微細ルチル二酸化チタン。INCI名=二酸化チタン、アルミナ、ジメチコン。特性:89%TiO、6%Al、2%ジメチコン。
<酸化亜鉛>
IMCDから購入したZano(R)10 Plusという商品名で販売されている化粧品用の表面処理した微細酸化亜鉛。INCI名=酸化亜鉛(及びトリエトキシカプリルシラン)
<3.その他の材料-成分の商品名/供給業者/INCI名>
Figure 0007196084000004
Figure 0007196084000005
<4.実施例>
<予備試験>
本願で使用される表面反応炭酸カルシウム自体が固有の無機UVフィルター特性を示すかどうかを測定するために、予備試験を行った。本試験の結果は否定的であり、これは使用した表面反応炭酸カルシウムが固有の無機UVフィルター特性を持たないことを意味する。
日焼け防止指数の向上試験
表面反応炭酸カルシウムが試験配合中の日焼け防止指数(SPF)値に及ぼす影響を評価した。
この点に関して、2つの一連の試験を実施した。
<A.置換事例>
最初の一連の試験は、表面処理した二酸化チタンUV Titan M262を20重量%含有する参考配合物で実施した。次いで、表面反応炭酸カルシウムを、表面処理二酸化チタン投与の代わりに3%及び6%で試験し、その効率が用量依存性であるかどうかを評価した。
対照ごとに600gの配合物を調製した。配合物の組成を以下の表3に挙げる。パーセントは重量パーセントを指す。
Figure 0007196084000006
Figure 0007196084000007
配合物は以下のように調製した。
別の容器にBentone Gel IHD V(イソヘキサデカン&ジステアルジモニウムヘクトライト&プロピレンカーボネート)を入れた。VMI Supertest(VMI、The mixing company、仏国)を用いて強く攪拌しながら、相Aの成分を1つずつ添加した。10分の撹拌時間をかけてから、相Aの新しい成分を加えた。相Aの最後の成分を加えた後、得られた混合物をUltraTurrax(IKA-Werke GmbH & CO. KG、独国)を用いて9500rpmで1分間ブレンドした。
別の容器中で、相Bの成分を、VMI Supertestを用いて撹拌しながら1つずつ秤量した。得られた混合物を均質相が得られるまで撹拌した。
次いで、VMI Supertestを用いて撹拌しながら、相Bの混合物を相Aの混合物にゆっくりと添加した。均質な相が得られるまで撹拌を続けた。
次いで、均質な生成物をUV試験及び官能分析に用いた。UV試験の結果を以下の表5に挙げる。
<B.追加事例>
第2シリーズの試験は、表面処理した二酸化チタンUV Titan M262を10重量%含有する「プラセボ」配合物で実施した。次に、表面反応炭酸カルシウムを表面処理二酸化チタン投与に加えて3%及び6%で試験し、その効率が用量依存性であるかどうかを評価した。
対照ごとに600gの配合物を調製した。配合物の組成を以下の表4に挙げる。パーセントは重量パーセントを指す。
Figure 0007196084000008
Figure 0007196084000009
配合物は、上記の置換事例について記載された方法に従って調製した。
次いで、均質な製品をUV試験及び官能分析に用いた。UV試験の結果を以下の表6に挙げる。
<日焼け防止指数向上試験の結果>
<A.置換事例>
Figure 0007196084000010
上記の結果は、表面反応炭酸カルシウムがUVA又はUVBにおいてSPF向上特性を有することを示す。二酸化チタンを3%の表面反応炭酸カルシウムで置換した配合物は、二酸化チタンを6%の表面反応炭酸カルシウムで置換した混合物よりも高いSPF値及びUVA PF(防御指数)を示すことは、上記の表から導くことができる。二酸化チタンを3%の表面反応炭酸カルシウムで置換すると、SPF値は2倍超になる。
既に測定されたように、使用した表面反応炭酸カルシウムはUVフィルター特性を持たない。したがって、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、表面反応炭酸カルシウムの向上効果は、それらの粒径に起因すると考えられる。それらは配合物中の二酸化チタンと酸化亜鉛粒子間の間隙を満たし、結果としてSPF値を高める。
<B.追加事例>
Figure 0007196084000011
上記の結果は、表面反応炭酸カルシウムがUVA又はUVBにおいてSPF向上特性を有することを示す。3%の表面反応炭酸カルシウムを二酸化チタンに添加した配合物は、6%の表面反応炭酸カルシウムを二酸化チタンに添加した配合物よりも高いSPF値及びUVA PF(防御指数)を示すことは、上記の表から導くことができる。
<官能評価>
<A.置換事例>
下記の表7にまとめたパネルの結果は、二酸化チタンを3%及び6%の表面反応炭酸カルシウム(実施例2及び3)に置き換えた配合物は、例1の配合物と比較して、脂っぽさ及びべたつきが少なかったことを示す。表面反応炭酸カルシウムを用いると(実施例3及び5)延展性がより良好であった。それは絹のような触感を与える利点がある。二酸化チタンを3%及び6%の表面反応炭酸カルシウムに置き換えた配合物(実施例2及び3)によって、白色化効果が増加した。全ての場合において、クリームは皮膚に浸透し、基材表面に残留物を残さなかった。皮膚は柔らかく光沢があった。
Figure 0007196084000012
<B.追加事例>
以下の表8にまとめたパネルの結果は、3%及び6%の表面反応炭酸カルシウム(実施例5及び6)を10%TiOに添加した配合物は、例4の配合物と比較して脂っぽさ及びべたつきがより少ないことを示している。表面反応炭酸カルシウムを6%含有する場合、配合物は皮膚に塗布するとより速く乾燥した(実施例6)。白色化効果は表面反応炭酸カルシウムを用いると低かった(実施例5及び6)。表面反応炭酸カルシウムは絹のような触感を与える利点がある。
Figure 0007196084000013
上記の結果から、使用した表面反応炭酸カルシウムは、脂っぽさ、べたつき及び展延性などの基準を改善又は減少させることにより、官能的感覚を改善すると結論づけることができる。さらに、白色化効果を低下させることができる。

Claims (22)

  1. UV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物であって、
    少なくとも1種の無機UVフィルターと、
    0.550μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムと
    を含み、表面反応炭酸カルシウムが、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、12~800nmの重量中央粒径d 50 を有する粒子の形態であり、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、化粧品組成物の総重量を基準として、2~40重量%の量で存在し、
    表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びBET法を用いて測定して、20m /g~180m /gの比表面積を有し、
    表面反応炭酸カルシウムが、化粧品組成物の総重量を基準として0.5~20重量%の量で存在する、
    化粧品組成物。
  2. 少なくとも1種の無機UVフィルターが、15600nmの重量中央粒径d50を有する粒子の形態である、請求項1に記載の化粧品組成物。
  3. 少なくとも1種の無機UVフィルターが、20400nmの重量中央粒径d50を有する粒子の形態である、請求項に記載の化粧品組成物。
  4. 少なくとも1種の無機UVフィルターが、化粧品組成物の総重量を基準として、30重量%の量で存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  5. 少なくとも1種の無機UVフィルターが、化粧品組成物の総重量を基準として、1025重量%の量で存在する、請求項に記載の化粧品組成物。
  6. 表面反応炭酸カルシウムが、40μmの体積中央粒径d50を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  7. 表面反応炭酸カルシウムが、1.515μmの体積中央粒径d50を有する、請求項に記載の化粧品組成物。
  8. 表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びBET法を用いて測定して、25/g~160/gの比表面積を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  9. 表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びBET法を用いて測定して、30/g~140/gの比表面積を有する、請求項に記載の化粧品組成物。
  10. 天然粉砕炭酸カルシウムが、大理石、白亜、石灰石、及びそれらの混合物からなる群から選択されるか、又は
    沈降炭酸カルシウムが、アラゴナイト、バテライト、又はカルサイト結晶形態を有する沈降炭酸カルシウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  11. 少なくとも1種のHイオン供与体が、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酸性塩、酢酸、ギ酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  12. 少なくとも1種のHイオン供与体が、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、Li、Na及び/又はKから選択されるカチオンによって少なくとも部分的に中和されるHPO 、Li、Na、K、Mg2+及び/又はCa2+から選択されるカチオンによって少なくとも部分的に中和されるHPO 2-、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の化粧品組成物。
  13. 表面反応炭酸カルシウムが、化粧品組成物の総重量を基準として10重量%の量で存在する、請求項1~12のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  14. 表面反応炭酸カルシウムが、化粧品組成物の総重量を基準として重量%の量で存在する、請求項13に記載の化粧品組成物。
  15. 化粧品組成物が、少なくとも1種の有機UVフィルターをさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  16. 少なくとも1種の有機UVフィルターが、ケイ皮酸及びその塩の誘導体、サリチル酸及びその塩の誘導体、ベンゾフェノン、アミノ安息香酸及びその塩の誘導体、ジベンゾイルメタン、ベンジリデンカンフル誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ジフェニルアクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンザルマロン酸塩誘導体、アミノ安息香酸塩誘導体、オクトクリレン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の化粧品組成物。
  17. 化粧品組成物が、漂白剤、増粘剤、安定剤、キレート化剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤、皮膚軟化剤、芳香剤、着色剤、皮膚日焼け化合物、酸化防止剤、顔料、油、水、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  18. 化粧品組成物が、日焼け止め製品、アイメイクアップ製品、フェイシャルメイクアップ製品、リップケア製品、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品、ネイルケア製品、ハンドケア製品、スキンケア製品、又はそれらの組合せ製品である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  19. 表面反応炭酸カルシウムが、薬学的活性剤、生物学的活性剤、殺菌剤、防腐剤、香味剤、界面活性剤、油、芳香剤、精油、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の活性剤と会合する、請求項1~18のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  20. 化粧品組成物を製造するための方法であって、少なくとも1種の無機UVフィルターが、0.550μmの体積中央粒径d50を有する表面反応炭酸カルシウムと混合され、
    表面反応炭酸カルシウムが、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素がHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、12~800nmの重量中央粒径d 50 を有する粒子の形態であり、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、化粧品組成物の総重量を基準として、2~40重量%の量で存在し、
    表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びBET法を用いて測定して、20m /g~180m /gの比表面積を有し、
    表面反応炭酸カルシウムが、化粧品組成物の総重量を基準として0.5~20重量%の量で存在する、
    方法。
  21. UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む化粧品組成物の日焼け防止指数(SPF)を向上させるための表面反応炭酸カルシウムの使用であって、
    表面反応炭酸カルシウムは、0.550μmの体積中央粒径d50を有し、及び
    表面反応炭酸カルシウムは、天然の粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、12~800nmの重量中央粒径d 50 を有する粒子の形態であり、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、化粧品組成物の総重量を基準として、2~40重量%の量で存在し、
    表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びBET法を用いて測定して、20m /g~180m /gの比表面積を有し、
    表面反応炭酸カルシウムが、化粧品組成物の総重量を基準として0.5~20重量%の量で存在する、
    る使用。
  22. UV-A及び/又はUV-B防御を有し、少なくとも1種の無機UVフィルターを含む、化粧品組成物の感覚特性を改善するための表面反応炭酸カルシウムの使用であって、
    表面反応炭酸カルシウムは、0.550μmの体積中央粒径d50を有し、及び
    表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと二酸化炭素及び1種以上のHイオン供与体との反応生成物であり、二酸化炭素はHイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターは、二酸化チタン、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、12~800nmの重量中央粒径d 50 を有する粒子の形態であり、
    少なくとも1種の無機UVフィルターが、化粧品組成物の総重量を基準として、2~40重量%の量で存在し、
    表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びBET法を用いて測定して、20m /g~180m /gの比表面積を有し、
    表面反応炭酸カルシウムが、化粧品組成物の総重量を基準として0.5~20重量%の量で存在する、
    使用。
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